説明

輸液バッグ保存用外装袋の連続体

【課題】 輸液バッグ保存用外装袋の連続体を、製造後、直ぐには切断せず、一旦プリメイドロールにして輸送、保管等する場合であっても、切断した輸液バッグ保存用外装袋がブロッキングすることのない輸液バッグ保存用外装袋の連続体を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、重ね合わせたガスバリアー性フィルム帯の側方及び間隔を空けて複数の幅方向が適宜シールされ、切断することで、輸液バッグを収納するための開口を残して両側部から底部にかけての三方向が、側方シール部、位置規制シール部及び底シール部によって連続的にシールされ、該開口から輸液バッグを収納した後、該開口をシールして封止するようになっている輸液バッグ保存用外装袋が得られるようになっている輸液バッグ保存用外装袋の連続体であって、前記三方向のシール部によって画定されている輸液バッグ保存用外装袋の内部空間と、その外部とを遮断するための封止用シール部が形成されてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用の薬液が封入された輸液バッグを収納保存するための輸液バッグ保存用外装袋が複数連接されてなる輸液バッグ保存用外装袋の連続体に関する。
【背景技術】
【0002】
輸液に供される医療用の薬液の封入容器は、軽量で破損の危険性がなく、また、輸送、保管が便利であることから、プラスチックからなる軟質の袋(輸液バッグ)が用いられており、この材質としては、法規制等によって、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)等が用いられる。しかし、これらの輸液バッグは、薬液の変質防止に必要な高度のガスバリアー性(酸素バリアー性)を保証し難いため、特定の薬液(例えばアミノ酸)を封入する場合には、別途用意したガスバリアー性を備えた袋(外装袋)で外装して袋内部を気密状態に維持することにより、薬液の変質防止を図っている。
【0003】
従前の輸液バッグ保存用外装袋は、重ね合わせた2枚のガスバリアー性フィルムの両側部から底部にかけての三方向を該フィルム周縁に沿って略コの字状にシールしたものであり、輸液バッグを収納する作業性に鑑み、輸液バッグに対する十分な開口幅に製袋したものが使用される。
【0004】
しかし、開口幅を大きく取ると、輸液バッグが輸液バッグ保存用外装袋に比べ小さいことから輸液バッグ保存用外装袋内部の両側に大きな余剰空間が生じ、例えば、縦型カートナー等によって縦向きに箱詰めして行う輸送時や取り扱い時、輸液バッグ保存用外装袋の底部の角部に折れ曲がり変形が反復生起しやすくなる。そして、その結果、屈曲疲労のためにピンホールが生じ、外装袋内部の気密性が損なわれるおそれがある。
【0005】
そこで、前記三方向のコの字状シール部の角部を、フィルムの側方の外縁及び下方の外縁を結ぶように(換言すると、フィルム側方の外縁に沿って形成された側方シール部下端と、フィルム下方の外縁に沿って形成された底シール部側端とを結ぶように)斜めに形成した位置規制シール部とすることで、該位置規制シール部の外側に非シール部を形成し、該非シール部が屈曲作用や衝撃を吸収することで、袋内部の気密性に影響を与えるピンホールの発生を好適に抑制することができて、袋内部の気密性を長期に亘って持続することができる外装袋が提供されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記輸液バッグ保存用外装袋は、輸液バッグの収納作業直前まで、一つ一つの輸液バッグ保存用外装袋ではなく、輸液バッグ保存用外装袋の連続体としてロール状に巻かれた状態(プリメイドロール)で、輸送、保管等が行われる場合がある。
【0007】
その場合、図10に示す如く、両側部から底部にかけての三方向のシール部11’で画定された内部空間は外部と連通していることから、プリメイドロールにすると、該連通部分Rからその巻き圧力によって内部空間内の空気が押し出され、さらに巻き圧力がかかることによって表裏2枚のフィルムは密着(ブロッキング)して離れ難くなる。
【0008】
加えて、輸液バッグ保存用外装袋は、医薬品を封入することから、輸液バッグ保存用外装袋を形成する内面の樹脂層には、添加される添加剤の量を極力抑えるように滑剤やブロッキング防止剤等の添加剤をほとんど含まない材質でできており、表面の滑りが非常に悪く、密着し易くなっている。
【0009】
従って、輸液バッグを収納するために輸液バッグ保存用外装袋の連続体1’を切断予定線S’に沿って幅方向に切断して得られた輸液バッグ保存用外装用袋10’は、ブロッキングによって開口部が開口し難く、そのため、輸液バッグを収納する際の作業効率が極めて悪くなる。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、製造後直ぐには切断せず、一旦プリメイドロールにして輸送、保管等する場合であっても、切断した輸液バッグ保存用外装袋がブロッキングし難い輸液バッグ保存用外装袋の連続体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決すべく、本発明に係る輸液バッグ保存用外装袋の連続体は、重ね合わせたガスバリアー性フィルム帯の側方及び間隔を空けて複数の幅方向が適宜シールされ、切断することにより、輸液バッグを収納するための開口部を残して両側部から底部にかけての三方向が、側方シール部、位置規制シール部及び底シール部によって連続的にシールされてなる輸液バッグ保存用外装袋が得られるようになっている該輸液バッグ保存用外装袋の連続体であって、前記三方向のシール部によって画定される輸液バッグ保存用外装袋の内部空間とその外部とを遮断すべく、前記三方向のシール部以外に封止用シール部が形成されることを特徴とする。
【0012】
上記構成からなる輸液バッグ保存用外装袋の連続体によれば、切断して一の輸液バッグ保存用外装袋として開口するまでは、前記三方向のシール部で画定された内部空間とその外部が封止用シール部で遮断されている。従って、輸液バッグ保存用外装袋は密封され、さらに素材フィルム自身はガスバリアー性に優れていることから、内部空間に製造時に入った空気が残存しており、2枚のフィルム間には極僅かな空気層が形成されている。その結果、プリメイドロールにして長期間保管していたとしても、巻き圧力によってはブロッキングが生じ難いようになっている。さらに、内部空間がその外部と遮断されていることから埃や雑菌が入ることもなく清潔を保つことができる。
【0013】
また、本発明に係る輸液バッグ保存用外装袋の連続体は、重ね合わせたガスバリアー性フィルム帯の側方及び間隔を空けて複数の幅方向が適宜シールされ、切断することにより、輸液バッグを収納するための開口部を残して両側部から底部にかけての三方向が、側方シール部、位置規制シール部及び底シール部によって連続的にシールされてなる輸液バッグ保存用外装袋が得られるようになっており、且つ、一の輸液バッグ保存用外装袋の開口部と隣の輸液バッグ保存用外装袋の底部とが対向するように輸液バッグ保存用外装袋が複数連接されている輸液バッグ保存用外装袋の連続体であって、前記三方向のシール部によって画定される輸液バッグ保存用外装袋の内部空間とその外部とを遮断すべく、前記三方向のシール部以外に封止用シール部が形成されている構成を採用することができる。
【0014】
位置規制シール部を設けた輸液バッグ保存用外装袋が、一の該輸液バッグ保存用外装袋の開口部と隣の該輸液バッグ保存用外装袋の底部とが対向するように複数連接されると、位置規制シール部はフィルム外縁より内側に形成されることから、一の輸液バッグ保存用外装袋の開口部両側の側方シール部上側端部と隣の輸液バッグ保存用外装袋の位置規制シール部とが間隔を空けて形成されることとなり、輸液バッグ保存用外装袋の内部空間と外部とが該間隔によって連通することとなる。そこで、上記構成の輸液バッグ保存用外装袋の連続体のように、封止用シール部が該内部空間と外部とを遮断するよう形成されると、輸液バッグ保存用外装袋は密封され、さらに素材フィルム自身はガスバリアー性に優れていることから、内部空間に製造時に入った空気が残存しており、2枚のフィルム間には極僅かな空気層が形成されている。その結果、プリメイドロールにして長期間保管していたとしても、巻き圧力によってはブロッキングが生じ難いようになっている。加えて、内部空間がその外部と遮断されていることから埃や雑菌が入ることもなく清潔を保つことができる。
【0015】
さらに、上記構成とすることで、輸液バッグ保存用外装袋の連続体を切断して一の輸液バッグ保存用外装袋とする際に、該輸液バッグ保存用外装袋の連続体から切り離す(分断)と同時に、開口部を形成することができる。従って、輸液バッグの収納作業時に、切断作業と開口作業とを一度に行うことができるので、作業効率の向上を図ることができる。
【0016】
また、本発明に係る輸液バッグ保存用外装袋の連続体の前記封止用シール部は、一の輸液バッグ保存用外装袋における前記三方向のシール部のうち、輸液バッグ保存用外装袋の各側部における側方シール部の先端側部位と、隣の輸液バッグ保存用外装袋における前記三方向のシール部のうち、位置規制シール部又は底シール部の特定部位とを結んで形成され、各封止用シール部は、一本の線状で、且つ前記三方向のシール部のシール幅よりも幅狭に形成されている構成を採用することができる。
【0017】
位置規制シール部外側の非シール部は、シールされていない2枚のフィルムで構成されていることから、フィルム自体の柔軟性が残存しており、該柔軟性は、輸液バッグ保存用外装袋を立てた状態での輸送等を行った際の屈曲作用や衝撃を吸収する。上記構成からなる輸液バッグ保存用外装袋の連続体の封止用シール部によると、シール幅を幅狭としていることから、位置規制シール部外側の非シール部を構成する2枚のフィルムが接合している部分の面積を小さくすることができる。その結果、位置規制シール部外側の非シール部のフィルム自体の柔軟性は損なわれず、屈曲作用や衝撃を吸収するという本来の作用が妨げられることはない。
【発明の効果】
【0018】
以上の如く、本発明によれば、プリメイドロールにして輸送、保管等する場合であっても、輸液バッグ保存用外装袋が巻き圧力によってブロッキングし難く、切断後、輸液バッグ保存用外装袋の開口部を容易に開口することができ、その結果、輸液バッグの収納作業の作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る輸液バッグ保存用外装袋(以下、単に「外装袋」と言う。)の連続体の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
まず、本実施形態に係る外装袋の連続体を切断予定線で切り離した、一の外装袋の構成について図1を参照しつつ説明する。
【0021】
外装袋10は、表基材(外側層)と、ガスバリアー性樹脂層(中間層)と、熱溶着性樹脂層(内側層)等が積層された積層フィルムからなるガスバリアー性フィルム(以下、単に「フィルム」と言う。)を素材とし、熱溶着性樹脂層を内面側にして重ね合わせた一対のフィルムの両側部から底部にかけての三方をヒートシールして製袋される。
【0022】
外装袋10の内部空間を画定するための前記三方向のシール部11は、側方シール部11a、位置規制シール部11b及び底シール部11cとで構成されている。側方シール部11aはフィルム側縁に接して形成され、その下端に連接された角部における位置規制シール部11bがフィルム側縁よりも内側に形成され、底シール部11cは、位置規制シール部11b,11bの下端同士を結び、フィルム底縁から一定間隔を空けて内側に形成されている。そして、位置規制シール部11bをフィルム外縁よりも内側に形成することにより、外側には非シール部12が形成されている。また、底シール部11cから両側部に向かって延出し、側縁の近傍で底縁に向かって屈曲したシール部(略L字状のシール部)14は、後述する目的のために形成された封止用シール部である。
【0023】
より詳細に言えば、フィルムは、略正方形状(本実施形態においては、僅かに横長の略正方形状)であり、三方向のシール部11は同一幅の帯状に形成されている。側方シール部11aは、フィルム外縁に接した略直線状で、その上端外方に非シール部13が形成されている。位置規制シール部11bは、フィルムの側方の外縁及び下方の外縁を結ぶように斜めに形成されるため、左右の非シール部12,12は、略直角三角形状を呈する。底シール部11cは、フィルムの底縁からシール幅の約1/4内側に形成されている。
【0024】
封止用シール部14は、延出部14aと屈曲部14bとからなる。延出部14aは、外装袋10の底縁側のシール部側縁を、底シール部11cの底縁側のシール部側縁と一直線状になるよう配置し、三方向のシール部11の幅に対して略半分の幅に形成されている。そして、両側部近傍で底縁方向に直角に屈曲する屈曲部14bは、側方シール部11aの上端と同一幅(即ち、非シール部13が形成されている部分における側方シール部11aと同一幅)で、側方シール部11aの上端と同一距離(即ち、非シール部13の幅と同一距離)だけ両側縁から内側に形成されている。
【0025】
本実施形態に係る外装袋の連続体1は、図2に示す如く、複数の外装袋10が連接されたものである。より詳細に言えば、一の外装袋10の底部側のフィルム外縁と隣の外装袋10の開口部側のフィルム外縁とが切断予定線Sを介して対向するよう連接される。そして、外装袋10に輸液バッグ20を収納する際には、外装袋の連続体1を切断予定線Sに沿って切断することにより、外装袋10を得ることができるようになっている。
【0026】
一方、輸液バッグ20は、図3に示す如く、ポリエチレンフィルムを素材とし、インフレーション法によってチューブ状に形成されたフィルムからなるバッグ本体21を主構成とし、且つフィルムの間に挟んで該フィルムをシールすることによりバッグ本体21と一体化された薬液の注出具を接続する口栓22を備えている。該口栓22は、本実施形態においては、バッグ本体21の頂部と底部の二箇所に一対設けられている。そして、一方(例えば底部側)には、輸液バッグ20を反対姿勢で吊り下げる際の吊り手部を設けられることもある。
【0027】
また、輸液バッグ20は、バッグ本体21の内部空間を頂部と底部の中間位置で仕切るべく、バッグ本体21の中間位置が剥離可能に剥離シール部23がされており、仕切られた一方の内部空間には、アミノ酸含有の薬剤が封入され、他方の内部空間には、生理食塩水が封入されるようになっている。
【0028】
そして、外装袋の連続体1を切断予定線Sで切断して一の外装袋10とし、該外装袋10に輸液バッグ20を収納した後、外装袋10の開口部をヒートシール15により封止して包装体は完成する(図4参照)。尚、外装袋10の内部雰囲気は、上方の開口部の封止に際し、窒素ガス等による置換処理が施されると共に、脱酸素剤を封入して、外装袋10内を略無酸素状態に維持される。
【0029】
一方、輸液バッグ20は、使用時に外装袋10を開裂して取り出す。輸液バッグ20に形成された仕切り用の剥離シール部23は、周縁部のシール部よりも接着強度が低い弱シール部となっており、バッグ本体21に外圧をかければ、バッグ本体21の内圧が増加し、弱シール部における一対のフィルムが剥離して二液が混合し、使用に供することが可能となる。
【0030】
次に、本実施形態に係る外装袋の連続体1の製造方法について図5を参照しつつ説明する。
【0031】
まず、外装袋の連続体1の元となるフィルム帯をそれぞれ原反ロール10A,10Bから繰り出し、重ね合わせた後、上下に配置された一対のヒートシールバー40,40を互いに当接させてヒートシールする。ヒートシールバー40は、外装袋10の両側方シール部11aに対応する部分40aと、外装袋10の位置規制シール部11b、底シール部11c及び封止用シール部14に対応する部分40bとからなる。本実施形態においては、最初に、外装袋の両側方シール部11a,11aに対応するヒートシールバー(上部ヒートシールバー)40a,40aにより、フィルム帯の側部をヒートシールする。次に、外装袋10の位置規制シール部11b,11b、底シール部11c及び封止用シール部14,14に対応するヒートシールバー(下部ヒートシールバー)40b,40bにより、フィルム帯の幅方向をヒートシールする。
【0032】
上部ヒートシールバー40a,40aのそれぞれの当接面には、外装袋10の非シール部13及び封止用シール部14の屈曲部14b側方の非シール部に対応した凹部40cが形成されており、ヒートシールバー40a,40aが当接して凹部40c,40c同士が対向した領域は、ヒートシールされないようになっている。尚、各ヒートシールバーでシールした後に冷却バーで押圧しても良く、ヒートシールバーは上部のみの片側でも良い。
【0033】
そして、上記外装袋の連続体1は、下流工程にてロール状に巻き取ってプリメイドロール30とした後、保管又は輸送される。
【0034】
その後、輸液バッグを収納する際には、プリメイドロール30から外装袋の連続体1を繰り出し、切断予定線Sに沿って切断することにより、各切断物が外装袋10となる(図1参照)。即ち、外装袋10に切断した際に、側方シール部11aの開口部側端と封止用シール部の屈曲部14bとが繋がっている部分を横切るように設定された切断予定線Sに沿って該連続体1を幅方向に切断する。その結果、一の外装袋10のフィルムの外縁と隣接する外装袋10のフィルムの外縁とが分離されて個々の外装袋10が得られるようになっている。
【0035】
このように、本実施形態に係る外装袋の連続体1は、三方向のシール部11で画定された内部空間と外部とを遮断するための封止用シール部14を備えることにより、該内部空間は密封され、且つガスバリアー性の優れたフィルムで形成されていることから、製造時に入った空気がプリメイドロールにしても切断時まで外装袋10の内部に空気が残存し、2枚のフィルム間には極僅かの空気層が形成された状態となる。従って、輸送又は保管の際に長期間プリメイドロール状態であったとしても、巻き圧力によってブロッキングしないので、得られた外装袋10の開口部を容易に開口できる。そして、切り離された外装袋10の開口より輸液バッグ20が収納された後、非シール部13の下方位置で開口封止用のシール部15が両側方シール部11a,11aを結ぶように形成されて、輸液バッグ20の包装体となる(図4参照)。
【0036】
尚、本発明に係る外装袋の連続体1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0037】
例えば、封止用シール部14として、図6(イ)に示す如く、側方シール部11aの上端(先端)同士を結ぶ封止用シール部14cを設けても良い。他には、図6(ロ)に示す如く、一の外装袋10の側方シール部11a上端と、隣接する外装袋の側方シール部11a下端(底部側端)とを結ぶよう封止用シール部14d、側方シール部11a上端と位置規制シール部11bとを結ぶよう封止用シール部14e、又は側方シール部11a上端と底シール部11cとを結ぶよう封止用シール部14fを設けても良い。また図6(ハ)に示す如く、直線状ではなく、途中で屈曲した封止用シール部14gであっても良く、複数本(例えば、図6(ロ)の14d及び14fの2本)であっても良い。
【0038】
さらに、図7の(イ)及び(ロ)に示す如く、封止用シール部14は前記三方向のシール部11よりも太幅シール部14hでも良く、帯状ではない面シール部14iであっても良い。
【0039】
また、上記実施形態においては、外装袋10の開口部が外装袋の連続体1の長手方向と直交する方向に沿って形成されるが、図8に示す如く、開口部が外装袋の連続体1の長手方向に沿って形成されるものであっても良い。この場合、輸液バッグ20を収納可能な外装袋10とするためには、この二つの切断予定線S1、S2が必要となる。
【0040】
また、本発明では、ヒートシールの方法は問わない。従って、上記実施形態の如く、上部及び下部を別々にヒートシールせず、例えば上部ヒートシールバー40aと下部ヒートシールバー40bとが一体化したヒートシールバーを用いてフィルム帯の上部及び下部を同時にヒートシールするようにしても良い。
【0041】
また、位置規制シール部11b及び底部シール部11cは、図9(イ)及び(ロ)に示す如く、シールの長手方向に直交する向きの横断面形状が波形状や、厚い部分と薄い部分が交互に現れる形状で、シール部の長手方向に沿って峰部40,41が形成されるようシールしても良い。このようにシールすることで、シール部と交差する方向の折れ曲がりに対抗する力が大きくなる。尚、断面箇所は、図1のA−A線に相当する。
【0042】
また、外装袋の連続体1の素材フィルムは、ガスバリアー性と熱溶着性とを備えた各種の単層フィルム、あるいは積層フィルムを適宜使用することができ、積層フィルムとしては、例えば、外側層を強度の強い二軸延伸ポリアミドフィルム(例えば厚さ15μm)、中間層をガスバリアー性を備えたエチレン・ビニルアルコール共重合体(例えば厚さ15μm)、内側層を熱融着性を備えた直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(例えば60μm)とする積層フィルム等を使用しても良い。
【0043】
尚、前記外側層としては、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリプロピレン等でも良く、前記中間層としては、MXナイロン(MXD)、透明蒸着フィルム、その他多層バリアーフィルム等でも良い。また、前記内側層としては、ポリエチレン系樹脂層フィルム等でも良い。
【0044】
また、上記実施形態においては、二液が分離された状態で輸液バッグに封入されるようになっているが、本発明は、単一の薬剤が輸液バッグに封入されたものでも良い。また、二液分離タイプであっても、上記実施形態の如く、輸液バッグを仕切り用のシール部で折り畳み、該仕切り用のシール部が下方を向くように収納するのではなく、折り畳まずに収納するようにしても良い。
【0045】
また、上記実施形態においては、インフレーション法によって形成されたチューブ状フィルムを輸液バッグのバッグ本体に使用しているが、例えばポリエチレンフィルムを素材とし、重ね合わせた2枚のフィルムの周縁部のそれぞれを接着代としてシールして製袋したものや、ブロー成形によって形成されたものをバッグ本体としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施形態に係る外装袋の正面図を示す。
【図2】同実施形態に係る外装袋の連続体の正面図を示す。
【図3】同実施形態に係る輸液バッグの正面図を示す。
【図4】同実施形態に係る外装袋に輸液バッグを収納し且つ開口部を封止した状態の正面図を示す。
【図5】同実施形態に係る外装袋の製造工程の概略斜視図を示す。
【図6】同実施形態に係る外装袋の封止用シール部の封止する位置に関する変形例であって、(イ)は、側方シール部上端同士を結んだものの要部正面図、(ロ)及び(ハ)は、側方シール部上端と隣接する外装袋の三方のシールとを結んだものの要部正面図、を示す。
【図7】同実施形態に係る外装袋の封止用シール部の形状に関する変形例であって、(イ)は、封止用シール部を太幅シール部としたものの要部正面図、(ロ)は、封止用シール部を面シール部としたものの要部正面図、を示す。
【図8】他実施形態に係る外装袋の連続体の一部正面図を示す。
【図9】実施形態に係る外装袋の底シール部及び位置規制シール部の断面形状の変形例であって、(イ)は、波形状としたものの断面図、(ロ)は、厚い部分と薄い部分が交互に形成されたものの断面図、を示す。
【図10】従来の外装袋の連続体の正面図を示す。
【符号の説明】
【0047】
10…外装袋、11a…側方シール部、11b…位置規制シール部、11c…底シール部、12…非シール部、13…非シール部、14…封止用シール部、20…輸液バッグ、21…バッグ本体、22…口栓、23…剥離シール部、30…プリメイドロール、40a…上部ヒートシールバー、40b…下部ヒートシールバー、40c…凹部、S…切断予定線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ね合わせたガスバリアー性フィルム帯の側方及び間隔を空けて複数の幅方向が適宜シールされ、切断することにより、輸液バッグを収納するための開口部を残して両側部から底部にかけての三方向が、側方シール部、位置規制シール部及び底シール部によって連続的にシールされてなる輸液バッグ保存用外装袋が得られるようになっている該輸液バッグ保存用外装袋の連続体であって、前記三方向のシール部によって画定される輸液バッグ保存用外装袋の内部空間とその外部とを遮断すべく、前記三方向のシール部以外に封止用シール部が形成されてなることを特徴とする輸液バッグ保存用外装袋の連続体。
【請求項2】
重ね合わせたガスバリアー性フィルム帯の側方及び間隔を空けて複数の幅方向が適宜シールされ、切断することにより、輸液バッグを収納するための開口部を残して両側部から底部にかけての三方向が、側方シール部、位置規制シール部及び底シール部によって連続的にシールされてなる輸液バッグ保存用外装袋が得られるようになっており、且つ、一の輸液バッグ保存用外装袋の開口部と隣の輸液バッグ保存用外装袋の底部とが対向するように輸液バッグ保存用外装袋が複数連接されている輸液バッグ保存用外装袋の連続体であって、前記三方向のシール部によって画定される輸液バッグ保存用外装袋の内部空間とその外部とを遮断すべく、前記三方向のシール部以外に封止用シール部が形成されてなることを特徴とする輸液バッグ保存用外装袋の連続体。
【請求項3】
前記封止用シール部は、一の輸液バッグ保存用外装袋における前記三方向のシール部のうち、輸液バッグ保存用外装袋の各側部における側方シール部の先端側部位と、隣の輸液バッグ保存用外装袋における前記三方向のシール部のうち、位置規制シール部又は底シール部の特定部位とを結んで形成され、各封止用シール部は、一本の線状で、且つ前記三方向のシール部のシール幅よりも幅狭に形成されていることを特徴とする請求項2記載の輸液バッグ保存用外装袋の連続体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−204483(P2006−204483A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−19553(P2005−19553)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)