説明

輸送を促進するための方法およびシステム

本発明は、概して物流システムおよび方法に関する。本発明は特に、商品の輸送を促進するための方法およびコンピュータシステムに関する。該方法は、コンピュータシステムのフロントエンドでの荷物送り状フォームの提供、および、該荷物送り状フォームと関連付けられた輸送情報を記入することおよび該記入された荷物送り状フォームを組み込まれた電子メールメッセージまたはインスタントメッセージを該コンピュータシステムのバックエンドへと送信することをフロントエンドにおいて利用者に可能とすること、からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して物流システムおよび方法に関する。本発明は特に、商品の輸送を促進するための方法およびコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
物流システムは商品の輸送を管理するものである。物流システムは、一体化された多数のモジュールを備え、様々な機能を供する。それは例えば、各商品の輸送のための提案を評価するとともに、その輸送のための契約を裁定する購買モジュールを備えうる。購買モジュールによって裁定された少なくとも一つの契約が統合された輸送群のためである場合、提案を分析して、その輸送の少なくとも一部が統合されうる機会があれば購買モジュールに通知する、最適化モジュールが備えられうる。受信した提案の状態および購買モジュールが裁定した契約に関する情報を、管理モジュールによって維持しうる。日程計画モジュールにより、裁定された契約に従って輸送の日程計画をしうる。輸送管理モジュールに基づき、購買モジュールによって裁定されるとともに日程計画モジュールによって日程計画された輸送の状態を追跡することも可能である。例えば第一および第二の非同期クロックドメインの間を通過した、輸送管理モジュールに追跡された輸送の状態に従って、財務モジュールにより支払いを許可しうる。
【0003】
特許文献1より、電子メールを介して輸送についての状態情報を更新するための方法およびシステムが公知である。電子メールメッセージの作成および送信によって、人手無しに利用者の注文および輸送の状態を電子メールを介して自動的に更新するための方法を、この文献は開示している。
【0004】
特許文献2において、ウェブに基づく電子輸送システムが記載されている。ここにおいて、単一の輸送会社および複数の利用者に適したブラウザ設計と、単一の利用者および複数の輸送会社に適した別のブラウザ設計とを提供する小包追跡システムが開示されている。
【0005】
郵便物および小包品の輸送については、典型的には三つの主要な輸送区間に関して述べることができる。第一区間において、例えば封筒、小包等の輸送物品は、最初の発送人の住所から輸送サービス提供者の現地の収集センターまで運ばれる。第二区間において、該物品は現地の収集センターから配送センターに輸送される。第三区間において、該物品は配送センターからその最終目的地住所に輸送される。
【0006】
一般的には、上述の三つの主要な輸送区間にわたって複数の輸送サービス提供者を利用しうる。例えば、現地宅配業者は、事業所から全国または地方の運送業者の投函場所までの小包の輸送を提供することで、第一区間を処理しうる。次に、全国または地方の運送業者は、第二区間にわたってサービスを提供し、小包を投函場所から、恐らく一つまたはそれ以上の中間ハブを介して、目的住所近くの配送センターへ配送しうる。第三の輸送実体により、最終区間にわたる配送を提供しうる。
【0007】
単一の輸送サービス提供者が二またはそれ以上の区間にわたってサービスを提供することも可能である。例えば、現地宅配業者が事業所または住居から現地の郵便局まで小包を輸送することにより第一区間にわたってサービスを提供するとともに、別の輸送サービス提供者が第二および第三区間にわたってサービスを提供するものとしうる。単独で直送サービスを提供する輸送実体も存在する。
【0008】
輸送サービス提供者の中には、輸送過程の第二および第三区間を遂行するために確立されたインフラを有するものもある。これらの提供者は、郵便物や小包が収集倉庫で受け取られると、それらの品物を分類、経路指定および輸送するために、充分に整備されている。
【0009】
しかし、第一区間においては発送者が、荷物を収集センターに持ち込むか、あるいは輸送サービス提供者が最初の住所から品物を収集するための配置をする必要がある。例えば、最近まで、輸送サービスを利用するためには、郵便配達員が定期配送巡回に来るのを待つか、あるいは品物を郵便局まで運び該品物を配達に出すために並んで待たなければならなかった。この問題に対処するために、輸送サービス提供者の中には、利用者からの荷物の収集および受取人の現地郵便局までの荷物の輸送を専門に扱うものもあった。よって、該輸送サービス提供者は発送人の家屋からの荷物収集を提供する。
【0010】
収集サービスの提供に加えて、輸送サービス提供者は、輸送サービスへの消費者のアクセスを改善するための新技術を模索している。このような場合において、利用者はウェブページを検索して限られた収集サービスを依頼しうる。
【0011】
現在行われているような収集過程は、利用者および輸送人にとって煩雑であるとともに費用がかかる。各収集地点から収集される小包の数が多くなければ、単独の利用者からの荷物の収集費用は、輸送サービス提供者にとって比較的高くなる。また、サービス提供者がその収集を最適化するためには、利用者は日程の制約に従わなければならない。例えば、収集サービスを利用するために、利用者は、各収集のためにインターネット経由でウェブサイトを介して収集時間を計画しなければならない。
【0012】
利用者が郵便物および小包を輸送する助けとなるこれらの解決策は、例えば、時間のかかる利用者相互作用を要すること、時間の制約を伴うこと、および/またはより高い費用を要することによって、利用者にとって依然として負担となっている。したがって、利用者のために輸送過程を促進する効率的な解決策が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6,047,264号明細書
【特許文献2】米国特許第6,220,509号明細書
【発明の概要】
【0014】
以下の記述において、輸送とは、任意の利用可能な運送手段を用いる任意の郵便物または商品の運送をいう。典型的には、輸送は、元の場所から目的地までの一またはそれ以上の運送区間を含む。郵便物、包み、小包または荷物に関する用語は、任意のおよび全ての荷物物品に言及するために同じ意味に使用される。
【0015】
本開示においては、宅配業者、収集サービス提供者および輸送者とは、最初の場所から異なる場所への荷物の輸送業務を遂行する個人、複数の人または会社を指して互換的に用いる。
【0016】
本発明にかかる輸送を促進するための方法は、以下の手順、すなわち
コンピュータシステムのフロントエンドでの荷物送り状フォームの提供、および
該荷物送り状フォームと関連付けられた輸送情報を記入すること、および該記入された荷物送り状フォームを組み込まれた電子メールメッセージまたはインスタントメッセージを該コンピュータシステムのバックエンドへと送信することを、フロントエンドにおいて利用者に可能とすること、からなる。
【0017】
本発明にかかる方法は、そのシステムおよび利用者環境、または移動体か固定装置かに左右されない。該方法は、例えばマイクロソフトアウトルック、ロータスノーツ等の任意の電子メールクライアントを用いて電子メールメッセージまたはインスタントメッセージを送受信可能な任意の装置上で作動するので、選択的ではない。電子メールクライアントに対し従属性があるが、ハードウェアにはない。正確で時宜を得た輸送情報は、輸送を迅速に処理するために重要である。このツールについての独特なことは、利用者がその輸送情報を輸送者に容易に送信することができるとともに、輸送者は、例えば電子メールを介して輸送情報を受け取ることができることである。これによって、別の任意の現行商取引ツールで引き付けることが困難な小中規模の利用者に対して、新たな部分が切り開かれる。電子メールは現在普遍的かつ広く用いられる通信方式であり、既知の輸送者でこの機能性を提供するものはまだ無いので、このツールはサービス提供における即時の需要や余地に適合する。
【0018】
任意の装置上にある自身の電子メールまたはインスタントメッセージアカウントにアクセス可能な任意の利用者は、そのサービスを利用しうる。主にSMS(ショートメッセージサービス)またはMMS(マルチメディアメッセージングサービス)等の他のメッセージシステムを用いて本発明を実行することが可能である。
【0019】
本発明にかかる方法は、典型的には荷物送り状の生成を含む。該荷物送り状は局所印刷機で印刷され、荷物に添付される。該荷物送り状は典型的には、出発および目的地住所、包みの大きさおよび/あるいは重量等の輸送情報を含む。
【0020】
輸送情報データがコンピュータシステムのバックエンドに確実に伝達されると、バックエンドにおいて該データを可能性のあるエラーについて解析するとともに該データを確認しうる。利用者の輸送情報の確認において、システムはさらに例えば制定法および/あるいは契約上の一連の条項および規則からなる利用者規定を利用者に示し、利用者はサービスを受けるためにそれを承認および同意する必要があるものともしうる。利用者は該規定を検討し、利用者の条項への承諾を示す入力を行なう。
【0021】
コンピュータシステムに含まれる荷物送り状生成モジュールは、特定の形式の荷物の荷物送り状フォームの生成のためのツールを含みうる。これは、必ずしも輸送サービス提供者によって提供されない特注輸送モードを含む。
【0022】
この方法の好ましい実施形態は、さらに電子メール草稿メッセージまたはインスタント草稿メッセージの自動送信の手順を含む。利用者の便宜のために送信される前記記入された荷物送り状フォームが、該メッセージに組み込まれる。
【0023】
別の好ましい実施形態においては、前記荷物送り状フォームは貨物輸送状フォーム、好ましくは貨物空輸状フォーム、貨物海輸状フォームまたは貨物急行輸送状フォームを含む。
【0024】
電子メールを経由し、利用者への空路および/または海路運送のための貨物空輸状および/または貨物海輸状等の輸送文書の生成および送信の能力を有する輸送過程に焦点がある。
【0025】
この方法の好ましい実施形態においては、前記荷物送り状フォームは送り状を含む。
【0026】
例えば第1および第2の非同期クロックドメインの間を通過した、輸送管理モジュールに追跡された輸送の状態に従って、財務モジュールは支払いを認可しうる。
【0027】
本発明はさらに、利用者に現金、クレジットカード、デビットカード等での支払いを可能とする支払い機能性の提供を含む。このような筋書きにおいて、利用者が電子メール輸送テンプレートを受信すると、該利用者は自身のクレジットカードの詳細等を該テンプレート自体に直接入力することができる。提供者がこのデータを受信すると、該提供者はそれを確認し、利用者によって入力されたデータに基づき見積書または適当な応答を該利用者へ返信することができる。
【0028】
本発明はまた現金による支払い方法を有し、これによって、宅配業者が小包を収集に来る際に、電子メールを利用して生成された見積書に基づいて利用者から直接現金を受け取ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、フロントエンドにおける利用者に電子メール経由のPDF形式で示される、本発明にかかるコンピュータシステムの例を示す図である。データはXML/ZIP形式で、サーバ、すなわち一般的アプリケーションサーバ(GAS)からなるバックエンドへ送信される。GASは輸送および利用者からの収集要求を処理する。
好ましくは、柔軟性を増すために動的チャンネル選択を実装する。
【0030】
図2は、データ形式に従うとともに輸送要求または収集要求である要求に従って、利用者の要求を分類する手順の例を示すフローチャートである。
利用者が電子メール送信ファイルをファイリングする。
例えばマイクロソフトアウトルック等の任意の電子メールプログラムによって、データは例えばXML等の適当なデータ形式に変換されるとともに、任意に圧縮される。
【0031】
動的チャンネル選択−動的チャンネル選択器−によって、形式がXMLか圧縮されているかがチェックされる。圧縮されている場合、該圧縮ファイルが解凍されるとともに中に含まれるXMLファイルが展開される。
形式が既にXMLの場合、メッセージが収集要求か輸送要求かがチェックされる。
その後、動的チャンネル選択によって、輸送要求か収集要求かがチェックされるとともに、さらなる処理が開始される。
【0032】
利用者の要求が輸送要求である場合の図2の処理の継続のフローチャートが、図3に示される。この例におけるGASは、主にC++で書かれたライブラリの組である。
XMLデータは展開され、適当なファイル、特にXSDファイルで確認される。
エラーが起きた場合、エラー取扱手順が開始される。
エラーが無い場合、輸送サービスにより、一般的アプリケーションサーバ(GAS)のための要求ストリングが生成されるとともに、該要求がメッセージキューMQを経てGASへと送信される。
【0033】
一般的アプリケーションにより、貨物空輸状AWBが適当なメッセージコード、ノーエラーコード/エラーコードとともに返送される。
エラーコードが受信された場合、エラー訂正手順E2が開始される。
エラーコードが受信されない場合、輸送に関税がかかるかどうかがチェックされる。
輸送に関税がかかる場合、商用の送り状が生成される。
輸送に関税がかからない場合、輸送PDFファイルおよび輸送領収証が生成される。
その後、例えばPDF形式等の、利用者への応答としての適切な添付とともに、電子メールが利用者へ送信される。
【0034】
図3のフローチャートにおけるラベル“AP GAS”をより詳細に示すフローチャートが、図4に示される。
輸送確認要求がクライアントアプリケーションから受信される。
データベースESDDにより、目的地経路コードのための目的地経路指定サービスが呼び出される。
起点経路のためのさらなる経路指定サービスが呼び出される。
さらなるデータベースIBSDBにより、アカウントおよび確認サービスが呼び出される。
【0035】
知能事業サービスIBSにより、輸送料金のためのレーティングサービスが呼び出される。
その後、AWB番号を生成する貨物空輸状AWBサービスフォームが起動される。
さらなるデータベースPSDDBにより、輸送荷積みサービスが呼び出される。その後、応答が貨物空輸状AWB、輸送料金および経路コードとともに利用者へ送信される。
データベースPSDDBが構造化制御言語SCLによって輸送解放サービスと通信する。
【0036】
ラベル“E1”および“E2”をより詳細に示すフローチャートが、図5に示される。
“E1”および“E2”は図3の処理におけるエラーを示す。“E3”は、図3の処理によって構成されない収集要求の不良によるさらなるエラーを示す。
エラー手順E1には、利用者へのエラー電子メールの送信が含まれる。
エラー手順E2に従い、エラーコードPoc.iniの受信後に、カスタマイズされたエラー電子メールが利用者へ送信される。これは、例えば無効なアカウント番号、無効な荷主住所または無効な荷受人住所が原因である。
エラー手順E3もまたエラーコードPoc.iniの受信によって起動される。この場合、収集要求の不良によってエラー電子メールが利用者に送信される。
【0037】
本発明の実施例を組み込む現実的な適用を示す概略図が、図6に示される。荷主はマレーシアのDHLであり、利用者はクアラルンプールの空港の認可された従業員および乗客である。
DHLは物流システムの好ましい提供者である。該物流システムは、物品の取扱、および好ましくは、例えば会計サービス等のさらなる機能を含む。
図6は、本発明による輸送確認サービスの好ましい実施例を示している。
この例において、輸送確認は例えばアカウント情報、請求額情報、輸送情報、経路設計サービスおよび輸送参照データ等の異なる形式のデータと情報を含むことが可能であることが示される。
【0038】
PDF形式で提供される貨物空輸状の例が図7に示される。これはコンピュータシステムのフロントエンドにおける利用者によって埋められ、印刷の準備ができている。
図8は、PDF形式で提供される、関税のかかる輸送のために記入される商用の送り状フォームの例である。
図9は、PDF形式で提供される収集要求フォームの例である。
この場合、利用者が電子メールを用いて輸送/収集要求を生成する能力および商用の送り状を電子メールを経て受け取る能力を有するのであれば、利用者にとっての輸送手順全体を電子メールを用いて取り扱うことができる。
【0039】
別の好ましい実施例において、前記荷物送り状フォームはハードコピー形式、好ましくはPDF形式またはエクセル形式を含む。この場合、本発明により、現存のハードコピー荷物送り状形式を複写するフロントエンドが提供される。利用者は電子的形態、好ましくはPDFまたはエクセル形式において輸送の詳細を記入し、それをバックエンドサービスへ送信する。電子メール取扱システムはPDFまたはエクセル形式を表示する単純なフロントエンドを有し、利用者はそれに記入しその後そのシート上の“荷主へ送信”ボタンを押せばよい。利用者がマイクロソフトアウトルックを使っている場合、それから電子メール取扱システムが利用者のマイクロソフトアウトルックを用いて自動的に送信する。利用者がロータスノーツ等の別の電子メール取扱システムを使っている場合、利用者はPDFまたはエクセルのファイルを保存するとともに電子メールクライアントを用いて添付し、荷主へ送信する必要がある。
【0040】
この筋書きにおいて、利用者は形式を選択せず、PDFまたはエクセル形式のいずれかの固定の形態が提供されるとともに、電子メールは電子メールサーバ、例えばマイクロソフトエクスチェンジへ送信される。固定の形態上のデータをプログラムによってXML(拡張可能マーク付け言語)へ変換し、それから真に本物の輸送/収集要求であるかを確かめるために必要な確認を行なう。バックエンドサービスに受信された該形態上のデータは引き出され、つまり展開され、現存のバックエンド確認に対し確認され、それから適当な返答が利用者へ送信される。
【0041】
これは、小中規模の利用者を荷主と電子メールで取引可能とする単純だが革新的な解決方法である。このツールは荷物送り状、商用の送り状等を電子メール経由で送受信するための非常に軽い容量からなる。輸送がエラー無しで処理された場合、荷物送り状が生成され利用者に返送されて、印刷され荷物へ貼り付けられる。前記のように、データ変換は好ましくはインターネットプロトコルレイヤー上で実行されるXML形式を経て行なわれ、荷主のバックエンドシステムにアクセスする。XML形式は標準化XML形式、商用だが標準化されないXML形式、または本実施例のために特に発達されたカスタマイズされたXML形式でありうる。
【0042】
好ましい実施例においては、前記記入された荷物送り状フォームからの輸送情報の引き出し、および/またはバックエンドにおいて提供される確認データに対する輸送情報の確認の別の手順が設けられる。
この手順は、輸送情報が確認に合格した場合に、電子メールメッセージまたはインスタントメッセージをフロントエンドにおける利用者へ送信するさらなる手順を伴いうる。これによって利用者が前記記入された荷物送り状フォームを印刷し、輸送される荷物へ貼り付けることが可能となる。
【0043】
典型的には、利用者が適当な荷物送り状を得たときに輸送注文が完了する。荷物送り状は典型的には、出発および目的地住所およびその他の情報といった多数の項目の情報を含む。
輸送情報が確認に合格しなかった場合、エラーメッセージを含むとともに訂正手段を提案する電子メールメッセージまたはインスタントメッセージをフロントエンドにおける利用者へ送信する、さらなる手順を設けうる。
その後、エラーがある場合、適当な訂正手段をとることで輸送を首尾よく処理することを利用者に通知する。別の好ましい実施例においては、フロントエンドにおける利用者へ輸送される荷物の収集サービスの申し込みを提供する。
【0044】
この解決方法はまた、利用者が収集場所およびその梱包が完了する時間の詳細を提供することによって宅配業者の収集の準備を可能とする。本発明による輸送を促進するコンピュータシステムは、
コンピュータシステムのフロントエンドにおいて荷物送り状フォームを提供する手段、および
フロントエンドにおける利用者が、該荷物送り状フォームに関する輸送情報を記入するとともに、該記入された荷物送り状フォームを組み込んだ電子メールメッセージまたはインスタントメッセージを、コンピュータシステムのバックエンドへ送信することを可能とする手段、からなる。
【0045】
前記コンピュータシステムに含まれる通信モジュールは、該システムが例えばボイスメール、文章メッセージ等の多数のメッセージ形式を用いる多数の装置と通信することを可能とするツールを含みうる。例えば、該システムは宅配業者と電話で通信するボイスメッセージを自動的に生成し、この場合該システムは通信モジュールのツールを用いて宅配業者との通信を行なう。
【0046】
前記コンピュータシステムは、電子メール草稿メッセージまたはインスタント草稿メッセージを自動的に利用者へ送信するための手段を有する。
別の好ましい実施例においては、前記コンピュータシステムは、前記記入された荷物送り状フォームからの輸送情報の引き出し、および/または前記記入された荷物送り状フォームからの輸送情報の確認のための手段を有する。
【0047】
ここで説明された発明は、方法および該方法を実装するコンピュータシステムに関して述べられている。しかしこの発明は、例えばコンピュータプログラムコード等の、コンピュータメモリに保存しマイクロプロセッサによって実行することができるコンピュータソフトウェアとして実装することもできることは当業者には明らかであろう。
【0048】
コンピュータシステムの個々の構成要素またはモジュールはより大きい構造の一部として実装され、それは例えばアプリケーションサーバ内、または1つ以上のプラグインプログラム、アプレット、動的ライブラリまたはその他の、輸送情報管理のためにプログラムが1つ以上のコンピュータ上で動作することを可能とする設定としてである。該プログラムはサードパーティのアプリケーションに組み込まれるか、あるいは相互作用しうる。例証のためにモジュールに関して説明したが、本発明の実施形態をモジュール的実装に限定する必要はない。ここで述べた機能性を、単一の処理、または多数の処理および/またはアプリケーションの組み合わせとして、ソフトウェアおよび/またはハードウェアに実装しうる。
【0049】
コンピュータシステムのさらなる構成要素が、例えばインターネットエクスプローラやネットスケープ等のウェブブラウザソフトウェアを用いて利用者が遠隔的にアクセス可能なサーバに存しうる。このようなコンピュータシステムの実施例はまた、利用者のコンピュータ上で実行されるクライアントアプリケーションをも含みうる。該クライアントアプリケーションは、分離された処理として、またはウェブブラウザの能力を拡張するとともにコンピュータシステムとの通信を可能とするヘルパーアプリケーションとして実行されうる。該クライアントアプリケーションは、利用者のコンピュータとの輸送相互作用に基づいて特定のデータを訂正しうるとともに、利用者が荷物送り状フォームを記入する際にそのような相互作用を検出しうる。
利用者はコンピュータシステムに登録することで、利用者住所、例えばクレジットカード情報等の利用者請求額情報、および利用者輸送設定といった情報を提供しうる。確認に続いて、利用者は、例えば利用者IDおよびパスワードパラメータ等の認証方法を用いて該システムにアクセスしうる。
【0050】
本発明の1つ以上の実施例は、サードパーティの輸送および郵送ソフトウェアツールとともに用いられるとともに/あるいはそれを支援する。例えば、利用者が荷物送り状フォームを印刷する際にクライアントアプリケーションを自動的に起動することもできる。荷物送り状フォーム印刷処理の一部として、選択された輸送等級、目的地住所、包みの重量および/または大きさといった輸送についての相互作用特異的情報を利用者が提供する。コンピュータシステムのバックエンドは利用者情報に基づいて、価格、修正住所等のさらなる相互作用特異的情報を引き出しうる。
【0051】
ここで実施例が説明されたように、コンピュータ、サーバ、周辺装置、記憶装置およびデータ通信用装置といった異なるプロセッシングユニットを互いに連結する全てのシステム設計を概して含む様々な形式のコンピュータシステムとともに、本発明の様々な側面は用いられうる。このようなコンピュータシステムの例には、構内ネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)およびグローバルエリアネットワーク(GAN)が含まれうる。
【0052】
前記実施例は主にインターネット/XMLの解決方法に傾注しているが、本発明の範囲はそれに限定されない。全ての形式のデータネットワークにおける端末、スイッチおよび連結の、広範で多用な実装、配置および設定を用いうる。
【0053】
本発明にかかるコンピュータシステムには、複数の構成要素モジュールを含みうる。これらのソフトウェア構成要素モジュールは、市販のソフトウェア、カスタマイズされたソフトウェア、または独自開発されたソフトウェアでありうる。例えば貨物料金データベースが市販されている。これらにエラー強さがあるとともに後述のワークフローを完成させるための他のソフトウェア構成要素と統合可能であれば、コンピュータシステム内において用いることができる。
【0054】
コンピュータシステムは、1つまたは比較的少数の位置に集中されるか、あるいは比較的多数の位置に分散されうる。以下で明らかになるように、該システムにおいて個々の物理的輸送は、輸送申し込み、輸送受諾、通関手続等の複数の異なる関連作業手順フローに相当する。さらに、輸送に際し支払われるべき税を、該複数の異なる関連作業手順フローの様々な段階において算出しうる。
【0055】
本発明のその他の特徴は、発明を実施するための形態および特許請求の範囲を添付図面に従って読めば、当業者には明らかであろう。前述および以下の文書および図面による開示は本発明の実施例の開示に傾注している。しかしこれは例証および実例のみであって、限定するものではなく、本発明の学術的な実践によって修正されうることは、理解されるべきである。前記において本発明の実施例と見なされるものを説明したが、ここで様々な修正がなされうること、および本発明が様々な形態で実装可能であることは理解される。本発明は、特許請求の範囲およびその全範囲の相当語句によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明にかかるコンピュータシステムの例を示す図である。
【図2】利用者の要求を分類する手順の例を示すフローチャートである。
【図3】図2の過程を継続する場合を示すフローチャートである。
【図4】図3のフローチャートにおけるラベル“AP GAS”をより詳細に示すフローチャートである。
【図5】ラベル“E1”および“E2”をより詳細に示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例を組み込む現実的な適用を示す概略図である。
【図7】PDF形式で提供される貨物空輸状の例である。
【図8】関税のかかる輸送のために記入される商用の送り状フォームの例である。
【図9】PDF形式で提供される収集要求フォームの例である。
【符号の説明】
【0057】
DCS 動的チャンネル選択
AWB 航空貨物運送状
GAS 一般的アプリケーションサーバ
XLS データ形式
MQ メッセージキュー
XSD データ形式
Poc.ini エラーコード
ESDDB データベース
IBSDB データベース
IBS 知能事業システム
PSDDB データベース
SCL 構造化制御言語
A/c アカウントホルダ
CSM 利用者サービス管理
CIS 利用者情報システム
Bkg ブッキング
KUL−APIS クアラルンプール国際空港−渡航旅客情報システム
ESD 電子的ソフトウェア分布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送を促進するための方法であって、
コンピュータシステムのフロントエンドでの荷物送り状フォームの提供、および
該荷物送り状フォームと関連付けられた輸送情報を記入すること、および該記入された荷物送り状フォームを組み込まれた電子メールメッセージまたはインスタントメッセージを該コンピュータシステムのバックエンドへと送信することを、フロントエンドにおいて利用者に可能とすること、からなる手順。
【請求項2】
電子メール草稿メッセージまたはインスタント草稿メッセージの自動送信の手順をさらに含み、利用者の便宜のために送信される前記記入された荷物送り状フォームが該メッセージに組み込まれるものとする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記荷物送り状フォームは貨物輸送状フォーム、好ましくは貨物空輸状フォーム、貨物海輸状フォームまたは貨物急行輸送状フォームからなるものとする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記荷物送り状フォームは送り状を含むものとする、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記荷物送り状フォームはハードコピー形式、好ましくはPDF形式またはエクセル形式からなるものとする、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記記入された荷物送り状フォームからの輸送情報の引き出し、および/またはバックエンドにおいて提供される確認データに対する輸送情報の確認の手順をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
電子メールメッセージまたはインスタントメッセージをフロントエンドにおける利用者へ送信し、該利用者が前記記入された荷物送り状フォームを印刷し、輸送される荷物へ貼り付けることを可能とする手順をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記輸送情報が確認に合格しなかった場合、エラーメッセージを含むとともに訂正手段を提案する電子メールメッセージまたはインスタントメッセージをフロントエンドにおける利用者へ送信する手順をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
フロントエンドにおける利用者への輸送される荷物の収集サービスの申し込みの手順をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
輸送を促進するためのシステムであって、
コンピュータシステムのフロントエンドにおいて荷物送り状フォームを提供する手段、および
該荷物送り状フォームと関連付けられた輸送情報を記入すること、および該記入された荷物送り状フォームを組み込まれた電子メールメッセージまたはインスタントメッセージを該コンピュータシステムのバックエンドへと送信することを、フロントエンドにおいて利用者に可能とする手段、からなるシステム。
【請求項11】
前記コンピュータシステムは、電子メール草稿メッセージまたはインスタント草稿メッセージを自動的に送信する手段をさらに含むものとする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンピュータシステムは、前記記入された荷物送り状フォームからの輸送情報の引き出し、および/または前記記入された荷物送り状フォームからの輸送情報の確認のための手段をさらに含むものとする、請求項10または11に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−526002(P2010−526002A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504455(P2010−504455)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003754
【国際公開番号】WO2008/131791
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(503276470)ドイチェ ポスト アーゲー (50)