説明

輸送可能なプラスチック回収システム

本発明は、耐久消費財からプラスチックを回収し得るように配置された分離および粉砕デバイスを含む、輸送可能プラスチック回収システムを提供する。1つの局面において、本発明は、廃棄物ストリーム中の材料を分離するための輸送可能システムを提供するための方法およびシステムを特徴とする。分離および粉砕デバイスの配置は、輸送可能プラットフォームに取り付けられる。これらのデバイスは、プラスチックリッチな供給混合物から3種以上の生成物ストリームを生成するように構成および配置される。これらの生成物ストリームの1つは、粗く重いストリームであり、1つのストリームは粉末プラスチックリッチな生成物ストリームであり、1つのストリームは、粉末の軽材料ストリームである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2002年7月22日出願の仮出願US60/397,953(本明細書中で参考として援用される)の優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、プラスチック、金属および他の材料の再利用に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
1年あたり3600万メートルトン(MT)を超える材料の生産および2700億ドルの製造、および約320万の職を担うことにより、プラスチックおよび関連のビジネスは、「Plastics in the USA」、Society of Plastics Industry,Washington,DCによると、米国における4番目に大きな産業を占める。しかし、他の材料産業(例えば、鋼およびアルミニウム)とは異なり、この産業は、ほとんど回収不可能な原材料(ほとんどが移入された石油)のみに依存している。この依存性は、さらに有意になっている。なぜなら、プラスチックの成長率が、全ての他の材料の成長率を越え続けているからである。
【0004】
プラスチックを経済的に回収するための技術が利用可能でないため、今日の製造者により供給されるプラスチックのほとんどは、埋立地または単に焼却炉でその寿命を終える。Environmental Protection Agency(EPA)は、地方固体廃棄物(MSW)中のプラスチックの量は、1960年以前の100万MT未満から、2000年までに2000万MTを超えるまでに増加したと推定している。
【0005】
自動車、電気器具および電子装置のような耐久消費財は、MSW中のプラスチックの約3分の1を占める。耐久消費財は、その有効寿命の終了時に、ますます回収され、そして部分的に再利用されて、廃棄費用および潜在的責務を避け、そして金属および他の市場性のある原材料を回収する。撤収および生産者責任の法律もまた増大している。
【0006】
耐久消費財からのプラスチックの回収は、プラスチックリッチな原材料を必要とする。自動車、電気器具およびエレクトロニクスは、一般に、プラスチックよりも多く金属を含み(代表的には、プラスチック含有量は、30%未満である)、従って、金属回収作業がプラスチックの回収より前に行われるべきである。ほとんどの金属回収作業は、機器を砕き、全部品から金属を費用効果的に解放する。大規模プラスチック回収作業は、多数の金属回収作業からのこのプラスチックリッチな原材料を供給源とし得なければならない。
【0007】
このプラスチック原材料から価値の高い製品を作製するために、プラスチック再利用プロセスは、高度に混合されたストリームを分離し得るべきである。この分離は、許容可能な純度を有する製品の高い生産速度を達成するために、フレークごとベースで実施されるべきである(J.Brandrup,Recycling and Recovery of Plastics,Carl Hanser Verlag,New York,1996、ならびにD.F.Arola,L.Allen,およびM.B.Biddle,「Evaluation of Mechanical Recycling Options for Electronic Equipment」、IEEE Proceedings, May 11−13,1999,Danvers,MA.を参照のこと)。
【0008】
廃棄物の耐久消費財からのプラスチックの費用効果的な回収に対する有意な障害の1つは、これがプラスチック回収施設に経済的に輸送され得るように、材料回収作業からのプラスチックリッチな原材料を処理することである。プラスチックリッチな原材料に加えて、多くの廃棄物ストリームは、かなりの量の金属、綿状物、発泡体、微小体(fines)、木材および紙を含み、これらは、プラスチック再利用施設に輸送するのに経済的ではない。なぜなら、これらは一般に、標的製品ではないからである。さらに、プラスチックリッチな原材料は、代表的に、粉砕された材料であるため、粒子サイズは、経済的な輸送に必要な高いかさ密度を達成するには大きすぎ得る。さらに、プラスチックリッチな原材料において見出される金属のいくつかは、しばしば、いくつかの型のサイズ減少装置を傷つけるのに十分大きくあり得る。
【0009】
廃棄材料のサイズを減少するために利用可能な多くのデバイス(例えば、造粒機、シュレッダー、粉砕機、ロールミル、ナイフミルなど)が存在する。これらのデバイスは、減少される材料に基づいて効果的に変化する。いくつかのデバイスは、フィードストック中の材料のかなりの量を処理し得るが、これらは一般に、非常に高馬力のデバイスである。
【0010】
非金属から金属を取り出すためのいくつかの技術もまた存在する。これには、磁石、金属検出器、渦電流デバイスおよびエアアスピレータが挙げられる。
【0011】
綿状物、発泡体、微小体および紙をプラスチックリッチなストリームから取り出すための多くの技術もまた存在する。このようなデバイスとしては、エアアスピレータ、ロールソータ、真空重力台および他のデバイスが挙げられる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(要旨)
本発明は、耐久消費財からプラスチックを回収し得るように配置された分離および粉砕デバイスを含む、輸送可能プラスチック回収システムを提供する。
【0013】
一般に、1つの局面において、本発明は、廃棄物ストリーム中の材料を分離するための輸送可能システムを提供するための方法およびシステムを特徴とする。分離および粉砕デバイスの配置は、輸送可能プラットフォームに取り付けられる。これらのデバイスは、プラスチックリッチな供給混合物から3種以上の生成物ストリームを生成するように構成および配置される。これらの生成物ストリームの1つは、粗く重いストリームであり、1つのストリームは粉末プラスチックリッチな生成物ストリームであり、1つのストリームは、粉末の軽材料ストリームである。
【0014】
特定の実施は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。この配置は、プラスチックリッチな混合物から金属材料を分離するためのエアセパレータ、およびこのエアセパレータから出る材料の少なくとも一部が粉砕機に入るように、エアセパレータと作動可能に連絡した粉砕機を備え得る。このシステムは、粉砕機と作動可能に連絡した輸送可能プラットフォームに取り付けられた第2のセパレータを備え得る。この第2のセパレータは、粉砕機からの粉末材料ストリームを受け取り、かつこの粉末材料ストリームから少なくとも1種の粉末の軽材料ストリームを分離するように構成され得る。この第2のセパレータは、軽い画分を分離するために空気を使用し得る。このシステムは、エアセパレータ、粉砕機または第2のセパレータから生成物ストリームを受け取るように構成されたオーガーまたはフィーダーを備え得る。このシステムは、このシステムを通して材料を押すかまたは引くように構成された1つ以上のファンを備え得る。プラットフォームは、この配置を収容するエンクロージャ中に含まれ得る。このプラットフォームは、輸送コンテナ、トラックトレーラまたは貸車に含まれ得る。
【0015】
別の局面において、本発明は、プラスチックリッチな混合物を処理するための方法およびシステムを特徴とする。輸送可能プラットフォームに取り付けられた分離および粉砕デバイスの配置を含む輸送可能分離システムは、物品廃棄位置まで移送される。このシステムは、プラスチックリッチな供給混合物を処理して、少なくとも3種の生成物ストリームを形成するように操作され、これらの生成物ストリームは、粗く重いストリーム、粉末プラスチックリッチな生成物ストリーム、および少なくとも1種の粉末の軽材料ストリームを含む。次いで、このシステムは、物品廃棄位置から取り出される。特定の実施において、このシステムのデバイスは、移送工程、操作工程および取り出し工程の間全体にわたって、輸送可能プラットフォームに取り付けられたままである。この方法は、粉末プラスチックリッチな生成物ストリームをプラスチック回収設備に輸送する工程を包含し得る。
【0016】
一実施形態において、本発明は、廃棄物ストリームからプラスチックを回収するために、輸送可能プラットフォームに取り付けられた分離および粉砕デバイスの配置を含む輸送可能プラスチック回収システムを提供する。プラスチックリッチな材料は、フィーダーを用いてシステムに供給され、このシステムは初めに、空気吸引によって、問題のある金属夾雑物を除去する。プラスチック富化生成物は、次いで、オーガーによって、粉砕機に移され、この粉砕機は、10mmと60mmとの間のいずれかの篩を通過し得るようなサイズに材料を減少させる。この粉末材料は次いで、空気吸引プロセスを通して送られ、綿状物、微小体、紙、木材および他の軽材料が除去される。ファンは、空気吸引デバイスのための吸引を提供し得る。最終生成物のかさ密度は増加し、同時に、所望のプラスチック材料の収率もまた増加する。緻密にされたプラスチック生成物は、次いで、中心プラスチック回収設備に、費用効果的に輸送され得る。
【0017】
本発明は、以下の利点の1つ以上を提供することを意図し得る。このシステムは、デバイスの配置が、変化する物品廃棄位置に容易に適合するように再配置されるのに十分小型であるようにサイズ決めされる。例えば、このシステムは、標準的なコンテナで輸送されるようにサイズ決めされ、その結果、このシステムは、道路、鉄道および水路によって容易に輸送され得る。この全システムは、完全ユニットとして容易に輸送される。1つの物品廃棄位置は、しばしば、短期間の間のみこのシステムに供給するのに十分大きいので、1つの位置におけるプラスチックリッチな廃棄材料の供給が使い果たされる場合、このシステムは、最小の設備で、さらに遠隔領域である新たな供給位置に動かされ得る。簡単で、早くかつ経済的なこのシステムの設定は、このシステムの迅速な回転を可能にする。
【0018】
小さい、コンテナ輸送設計は、ノイズ、振動および粉塵の生成を減少させる。これらの特性は、このシステムを、容易な移動および設置に対して柔軟性にし、かつこのシステムが使用される環境に対する影響を減少させることによって環境衛生および安全性の問題を軽減する。このことにより、より簡単な作動を可能にし、このシステムの効率的な可動性を増加させる。このシステムは、有利には、金属回収設備に配置され得、この金属回収設備は、平均粒径10mm〜200mmのプラスチックリッチな廃棄物または副産物を生成する。
【0019】
このシステムは非標的材料を除去するので、一般に、混合原材料の代わりに所望の生成物を輸送することがより経済的である。過剰な金属夾雑物、ならびに粗い粒子サイズおよび過剰な綿状物含量に起因する低いかさ密度が、回避され得る。粉末生成物は、特定の種類のプラスチック中で富化され得る。なぜなら、特定の材料が、セパレータで別々に分離するからである。金属回収設備における金属富化副産物の分離は、これらの材料を複数回輸送する費用を回避する。
【0020】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載される。そうでないことが定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者により通常理解されている意味を有する。本明細書中で示される全ての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、その全体が本明細書中で参考として援用される。矛盾する場合、定義を含む本明細書が支配する。本発明の他の特徴および利点は、説明、図面および特許請求の範囲から明らかとなる。
【0021】
(詳細な説明)
プラスチック含有製品のための収集場所は、混合材料回収設備に必ずしも近いかまたは便利であるわけではなく、このことにより回収設備への材料の輸送は、実施不可能になるかまたはかなり高額になる。しかし、代替的に、材料の沈着は、環境的理由、経済的理由および空間関連の理由のため望ましくない。本発明は、所望の材料と所望しない材料の両方を回収設備に輸送する代わりに、プラスチック回収設備の一部を材料のところに運んで、所望の標的材料のみを取り出し得る技術および装置を提供する。
【0022】
複数の分離デバイスを含む配置が、永久的または取り外し可能にのいずれかで、1つの場所から別の場所に容易に輸送され得るプラットフォームに取り付けられる。このプラットフォームは、トラックトレーラの基部、輸送コンテナの基部、貸車の基部、またはこれらの輸送可能ユニットのいずれかの上または中に容易に装填され得る別のプラットフォームであり得る。分離デバイスは、任意の安全上の問題または装置の損傷を回避するために、輸送の間、プラットフォームに固定して係留される。この配置に含まれる特定の分離デバイスは、変化し得、そして敷地外(off−site)分離の目的に基づいて選択され得る。このシステムは、ノイズおよび振動を減少するために取り囲まれ得る。このシステムを取り囲むことはまた、粉塵を制御する。別の実施形態において、このシステムは、容易な管理のために開放され得る。
【0023】
プラスチック回収設備は、混合物の組成に基づいて混合材料を処理するために選択される多数の異なる型の再利用装置を含み得る。一実施形態において、本発明の1つの局面に従うシステムは、初期セパレータ、粉砕機、および1つ以上の第2のセパレータを備える。プラスチックリッチな材料は、第1のセパレータに供給され、この第1のセパレータは、空気吸引によって金属夾雑物を除去する。このプラスチック富化生成物は、次いで、粉砕機に移され、この粉砕機は、この材料のサイズを減少させる。粉末材料は、次いで、空気吸引プロセスを通して送られて、綿状物、微小体、紙、木材および他の軽物質が除去される。
【0024】
プラスチック分離プロセスは、しばしば、混合物から金属を遊離させることで開始する。混合材料が収集される場所で金属を除去することによって、この混合物の一部(金属のほとんど)は、扱われ、貯蔵され、そしてプラスチック回収設備に輸送される必要がない。金属は、エアセパレータを使用してプラスチックから分離され得る。このエアセパレータは、エアレッグ(air−leg)セパレータであり得、このエアレッグセパレータは、空気の上昇流に供給材料を通過させる単一段階デバイス、空気がデッキの穴を通して上昇している振動デッキ、または空気の上昇流にへ供給物を曝露するセパレータである。このエアセパレータは、供給物のより軽い成分を同調させ、より重い成分を捕獲チャンバまたはオーガーに落とすように調節され得る。空気の上昇流は、上向きに吹く空気によって生成され得るか、または吸引または空気再循環の使用によって生成され得る。
【0025】
エアレッグは、粉砕機を損傷する材料、およびプラスチック回収設備で回収を意図されないプラスチックを除去するために使用され得る。これらの重い材料は、オーガーを用いて除去され得、次いで再処理および金属回収のために利用され得る。
【0026】
エアレッグからの同調された生成物は、粉砕チャンバ(例えば、Retech(Vecoplan of High Point,NC)により製造される回転粉砕機、またはHerbold Meckesheim,GmbH、Meckesheim Germanyによび製造されるプラスチック造粒機)に直接沈着され得る。いくつかの軽い微細または発泡体の材料は、空気ストリーム中で同調されたままであり得、従って、粉砕される材料から除去され得る。粉砕チャンバ自体が非常に軽い材料からプラスチックを選択的に分類するように作用し得るので、このことが可能である。
【0027】
粉砕段階に、種々の異なるプロセスが続き得る。例えば、第2のエアアスピレータは、発泡体、綿状物および微細物を混合物から除去するために使用され得る。サイクロンもまた、軽い材料の除去のために使用され得る。種々のオーガーおよびフィーダーが、分離の1つの段階から別の段階へ材料を移動させるために使用され得、そしてバルブ、ディバータ、ゲートおよびエアロックが、回収プロセスの別の部分からある部分の産物(result)を分離するために使用され得る。このシステムを通して材料を押すかまたは引くために、ファンが使用され得る。同じファン、すなわち専用のファンが、このプロセスによって解放される粉塵を回収して、清潔さを維持するために使用され得る。このシステムは、さらに、小型の空気圧縮機を備え、管理および清浄化を助け得、そして粉塵回収機のフィルターを清掃するための空気のバーストを提供し得る。種々のバッグ、収集機、ビンが、分離の産物を受け取るために使用され得る。
【0028】
種々のデバイスおよびプロセスが、自動的にモニタリングおよび制御され得る。例えば、ファンおよび粉砕機の空気圧およびアンペア数がモニタリングされ得る。このシステムは、供給速度、粉砕速度およびファン速度を調節するためのコンピューター式制御システムを備えるように構成され得る。種々のバルブの位置もまた調節され得る。このコンピューター式制御システムは、機械の使用(例えば、使用時間)を遠隔地からモニタリングするために使用され得、いつ管理が必要か、およびどれぐらい長くこの装置が作動しているかを操作者に通知する。このシステムはまた、診断の問題に有用な情報を提供するように構成され得る。
【0029】
このシステムからの生成物は、空気式の運搬によって、容量負荷(bulk−loading)容器に吹き込まれる。この容器は、大きな輸送コンテナ、サイロまたは箱もしくはバッグ充填ステーションであり得る。大きな輸送容器が使用される場合、これは包装を排除することによって、製品の輸送費用をさらに減少させ得る。この製品が容量負荷容器に運搬される場合、空気式運搬システム(例えば、Fox Valve Development Corp.,Dover,N.J.により販売されるもの)が含まれ得る。
【0030】
輸送可能材料分離システム100で使用される装置構成の1つの実施は、図1に示される。混合材料は、ホッパーレシーバ105に供給され、そして可変振動数ドライブ115によって制御されるフィーダー110を使用して、エアアスピレータ120に測量供給される。金属および廃棄物は、エアアスピレータ120の底から出、一方軽いプラスチックリッチな画分は、空気の上昇流中で浮遊し、そして粉砕機125に向かって出る。粉砕機125は、材料のサイズを減少させて、約1インチ四方のより均一なサイズにする。粉砕機125は、取り外し可能な歯挿入物、スクリーンおよびラムを含む単一シャフト回転粉砕機(例えば、Vecoplan of High Point,NCにより製造されるもの、または他の適切な粉砕機)であり得る。
【0031】
粉末生成物は、粉砕機125から取り出され、そしてオーガー130を用いて空気吸引デバイス135に移送される。デバイス135は、廃棄物、発泡体、綿状物および微小体を所望のプラスチックリッチな生成物材料から除去するように調節される。この生成物は、アスピレータ135を直接通って落下し、そして生成物移送オーガー140に至る。フィーダーおよび粉砕機で捕獲された任意の捕獲粉塵を含む軽い生成物は、サイクロン145が大きな軽い粒子を落とす負圧下で、サイクロン145に移送される。
【0032】
オーガー150(サイクロン145の底部に位置する)は、その排出口で、このオーガーを通る空気の取り込みを減少するためにヒンジ端プレートを必要とし得、そうでなければ、これはこのオーガーから軽材料を吹き飛ばし、そしてサイクロン145に戻す傾向があり得る。このヒンジ端プレートは、負圧によって閉じるように引かれ、そして材料がオーガー150の排出口に蓄積する場合、この材料はヒンジを押して開け、このことにより材料が出て行く。ファン155は、サイクロン145を吸い込み、さらなる吸引を提供して供給バイブレータ110および粉砕機125の内容物を排出する。このファンの排出口は、空気の一部を粉塵収集機160に送達する流出レッグを有し得る。空気の一部のみが粉塵収集機に送られるので、この収集機のサイズは最小に維持され得る。ファンの排出口が、エアレッグセパレータ120の下側空気入口に空気をはこび得るため、この空気は垂直方向に入る。
【0033】
輸送可能材料分離システム200で使用される装置構成の代替の実施は、図2に示される。この構成において、ボックスダンパー205により、このシステムは大きな輸送ボックス(これは約2立方ヤードである)から供給され得る。収容ビン210は、材料を受け取り、そしてオーガー215(またはコンベア)が、この材料を取り出す。このユニットは、可変振動数デバイス220を使用して流速を制御するように速度制御され得る。この材料は、振動フィーダー225に運ばれ、この振動フィーダー225は、材料を拡散し、そしてこの材料の個々の細片が互いを実質的に含まない単層を、第1のエアアスピレータまたはエアレッグ230に提供する。アスピレータ230は、上昇気流を生成する輸送用の空気を提供するために、それ自体の専用のファンを有する。エアアスピレータ230は、粉砕するのが困難な金属および密な材料を除去し、この材料は底部からオーガー235に転換バルブ240を通して送られ、そして2つの収集ボックス245のうちの1つに至る。軽いプラスチックリッチな材料は、エアアスピレータ230の空気流中を上昇し、そして粉砕機250に出る。この粉末材料は、オーガー225および260を通して、第2のエアアスピレータまたはエア分類機265に運ばれ、このエアアスピレータまたはエア分類機265はこの軽材料を除去する。ブラストゲート270は、この分離を制御する。重たいプラスチック生成物は、エア分類機265の底部を出て、転換機280を通ってオーガー275に至り、そして2つの収集バッグ285のうちの1つの入る。このシステムは、回転バルブエアロック295および廃棄物輸送オーガー300(これは軽量物、綿状物、発泡体および微小体をボックスに運ぶ)を有する粉塵収集機290を備える。この粉塵収集機290は、フィルターを清掃および浄化するために空気圧縮機305と共に供給される。専用のファンが、この粉塵収集システム310に備えられ、そしてまたエア分類機265のために使用され得る。粉塵は、このプロセス中の種々の点で収集されて、清浄さを維持する。
【0034】
図3〜5は、システムを輸送するためのプラットフォームに取り付けられた場合、図2に記載される実施の種々の図を示す。
【0035】
他の装置の構成が、この輸送可能システムに包含され得る。上記の構成は、可能性のある装置の構成の単なる例である。
【実施例】
【0036】
以下の実施例は、材料を取り出す際、および粉砕されたプラスチックリッチな材料のかさ密度を増加させる際のシステムの有効性を示し、この実施例は、例示であるに過ぎず、請求項に記載の本発明の範囲を限定することは意図しない。
【0037】
(実施例1:空気吸引および粉砕システムを使用する金属の除去)
プリンターカートリッジおよび電気機器の両方に由来するプラスチックリッチな粉砕材料は、かなりの量の金属を含んだ。これら2つのストリームは、American International Manufacturing Company(Woodland,CA)により製造されるエアレッグセパレータを通して別々に処理され、次いで回転粉砕機においてサイズ減少される。
【0038】
表1は、エアレッグセパレータの重いストリームに拒絶された各ストリーム中の金属の割合、およびこの処理の間に失われた全プラスチックの割合を示す。両方のストリームについて、このエアレッグセパレータは、プラスチックの有意な損失を伴うことなく、金属のほとんどを除去した。
【0039】
(表1:粉砕および吸引デバイスにおける金属の空気吸引除去およびプラスチックの損失)
【0040】
【表1】

(実施例2:空気吸引を使用する大きな金属片の除去)
電気器具由来の粗く粉砕されたプラスチックリッチな材料を、エアレッグセパレータを通して処理した。このセパレータを、プラスチックの損失を最小限にしつつ、粉砕に有害であり得る大きな金属(任意の寸法で、25mmより大きいと定義される)のほぼ全部を除去するように調節した。
【0041】
表2は、大きい金属片および小さい金属片の除去の効率を示す。このデータは、大きい金属のほとんど全てが、少量の小さい金属および非常に少量の全プラスチックしか除去せずに、除去されたことを示す。
【0042】
(表2:粗く粉砕された電気器具材料のための粉砕および吸引デバイスにおける大きい金属の除去および小さい金属の除去)
【0043】
【表2】

(実施例3:空気吸引、およびその後のかさ密度を増加するための粉砕)
電気器具由来の粗く粉砕したプラスチックリッチな材料を初めに、エアレッグセパレータを使用して、「軽い」ストリームと「重い」ストリームに分離した。「軽い」材料を、25.4mm(1インチ)のふるいを有する粉砕機に通した。
【0044】
表3は、供給物、「重い」副生成物および粉末の「軽い」生成物のかさ密度を示す。ボックス中の材料の量を計量し、そしてこのボックスを満たす材料の高さを測定することにより容量を決定することによって、かさ密度を計算した。この場合、供給物は、綿状物および微小体の有意な部分を含まず、その結果、かさ密度の変化は、粉砕後の空気吸引段階からは予測できなかった。粉末の「軽い」生成物は、供給物または「重い」副生成物のいずれよりもかなり高いかさ密度を有した。
【0045】
(表3:電気器具由来のプラスチックリッチな材料のかさ密度)
【0046】
【表3】

エアレッグ由来の「重い」画分には、金属、ゴム、回路基板、厚いプラスチックおよび密なプラスチックが富化される。この厚いプラスチックおよび密なプラスチックはまた、しばしば、ガラス充填され、これはしばしば、プラスチック回収設備のための供給物としてのそれほど望ましくない。
【0047】
また、金属粉砕作業で見出される多くのプラスチックリッチなストリームは、40重量%以上までの発泡体を含むことが観察されている。この発泡体は、プラスチックリッチな製品を輸送するには非常に高価である全容量のこのような大きな部分を占める。
【0048】
本発明は、特定の実施形態を参照して記載されてきた。他の実施形態が、上記の請求項の範囲内である。例えば、システムの種々のデバイスが、異なる順序で配置され得、そしてなお所望の結果を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、輸送可能材料分離システムで使用される装置の構成の1つの概略図を示す。
【図2】図2は、装置構成の代替の実施の概略図である。
【図3】図3は、輸送可能プラットフォームにおける実施の1つの図を示す。
【図4】図4は、輸送可能プラットフォームにおける実施の1つの代替の図である。
【図5】図5は、混合材料を処理するための装置を備える輸送可能プラットフォームの俯瞰図である。種々の図面における同じ参照番号および名称は、同じ要素を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物ストリーム中の材料を分離するための輸送可能システムであって、以下:
輸送可能プラットフォームに取り付けられた分離および粉砕デバイスの配置であって、該分離および粉砕デバイスが、プラスチックリッチな供給混合物から3種以上の生成物ストリームを生成するような配置で構成され、該生成物ストリームが、粗く重いストリーム、粉末プラスチックリッチな生成物ストリーム、および少なくとも1つの粉末の軽材料ストリームを含む、配置、
を含む、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記配置が、以下:
前記プラスチックリッチな混合物から金属材料を分離するためのエアセパレータ;および
該セパレータを出る材料の少なくとも一部が粉砕機に入るように、該エアセパレータと作動可能に連絡している粉砕機、
を含む、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、さらに以下:
前記輸送可能プラットフォームに取り付けられた、前記粉砕機と作動可能に連結している第2のセパレータであって、該第2のセパレータは、該粉砕機からの粉末材料ストリームを受け取り、そして少なくとも1種の粉末の軽い材料ストリームを該粉末材料ストリームから分離するように構成されている、第2のセパレータ、
を含む、システム。
【請求項4】
前記第2のセパレータが、軽い画分を分離するために空気を使用する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
請求項3に記載のシステムであって、さらに以下:
前記エアセパレータ、前記粉砕機または前記第2のセパレータから生成物を受け取るように構成されているオーガーまたはフィーダー、
を含む、システム。
【請求項6】
請求項3に記載のシステムであって、さらに以下:
該システムを通して材料を押すかまたは引くように構成された1つ以上のファン、
を含む、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、
前記プラットフォームが、前記配置を収容するエンクロージャ中に含まれる、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、
前記プラットフォームが、輸送コンテナ、トラックトレーラまたは貸車に含まれる、システム。
【請求項9】
プラスチックリッチな混合物を処理する方法であって、以下:
輸送可能プラットフォームに取り付けられた分離および粉砕デバイスの配置を含む輸送可能分離システムを、廃棄物位置まで移送する工程;
該システムを操作してプラスチックリッチな供給混合物を処理して、少なくとも3つの生成物ストリームを生成する工程であって、該生成物ストリームは、粗く重いストリーム、粉末プラスチックリッチな生成物ストリーム、および少なくとも1つの粉末の軽材料ストリームを含む、工程;ならびに
該システムを、該廃棄物位置から取り出す工程、
を包含する、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記システムのデバイスが、前記移送工程、操作工程および取り出し工程の間、前記移送可能プラットフォームに取り付けられたままである、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、さらに以下:
前記粉末プラスチックリッチな生成物ストリームをプラスチック回収設備まで輸送する工程を包含する、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物ストリーム中の材料を分離するための輸送可能システムであって、以下:
輸送可能プラットフォームに取り付けられた分離および粉砕デバイスの配置であって、該分離および粉砕デバイスが、プラスチックリッチな供給混合物から3種以上の生成物ストリームを生成するような配置で構成され、該生成物ストリームが、粗く重いストリーム、粉末プラスチックリッチな生成物ストリーム、および少なくとも1つの粉末の軽材料ストリームを含む、配置、
を含む、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記配置が、以下:
前記プラスチックリッチな混合物から金属材料を分離するためのエアセパレータ;および
該セパレータを出る材料の少なくとも一部が粉砕機に入るように、該エアセパレータと作動可能に連絡している粉砕機、
を含む、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、さらに以下:
前記輸送可能プラットフォームに取り付けられた、前記粉砕機と作動可能に連結している第2のセパレータであって、該第2のセパレータは、該粉砕機からの粉末材料ストリームを受け取り、そして少なくとも1種の粉末の軽い材料ストリームを該粉末材料ストリームから分離するように構成されている、第2のセパレータ、
を含む、システム。
【請求項4】
前記第2のセパレータが、軽い画分を分離するために空気を使用する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
請求項3に記載のシステムであって、さらに以下:
前記エアセパレータ、前記粉砕機または前記第2のセパレータから生成物を受け取るように構成されているオーガーまたはフィーダー、
を含む、システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステムであって、さらに以下:
該システムを通して材料を押すかまたは引くように構成された1つ以上のファン、
を含む、システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記プラットフォームが、前記配置を収容するエンクロージャ中に含まれる、システム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記プラットフォームが、輸送コンテナ、トラックトレーラまたは貸車に含まれる、システム。
【請求項9】
プラスチックリッチな混合物を処理する方法であって、以下:
輸送可能プラットフォームに取り付けられた分離および粉砕デバイスの配置を含む輸送可能分離システムを、廃棄物位置まで移送する工程;
該システムを操作してプラスチックリッチな供給混合物を処理して、少なくとも3つの生成物ストリームを生成する工程であって、該生成物ストリームは、粗く重いストリーム、粉末プラスチックリッチな生成物ストリーム、および少なくとも1つの粉末の軽材料ストリームを含む、工程;ならびに
該システムを、該廃棄物位置から取り出す工程、
を包含する、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記システムのデバイスが、前記移送工程、操作工程および取り出し工程の間、前記移送可能プラットフォームに取り付けられたままである、方法。
【請求項11】
請求項9または10のいずれかに記載の方法であって、さらに以下:
前記粉末プラスチックリッチな生成物ストリームをプラスチック回収設備まで輸送する工程を包含する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−507107(P2006−507107A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−523301(P2004−523301)
【出願日】平成15年7月22日(2003.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/022921
【国際公開番号】WO2004/009312
【国際公開日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【出願人】(504381331)エムビーエー ポリマーズ, インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】