農作業機
【課題】整地体持上用取手を把持して整地体を容易に上方に回動できる農作業機を提供する。
【解決手段】農作業機1は、作業機本体2を備え、作業機本体2には耕耘体13を回転可能に設ける。作業機本体2には耕耘体13の後方で整地作業をする整地体21を上下方向に回動可能に設ける。整地体21には、整地体持上用取手41を設ける。整地体持上用取手41は、整地体21の後端部よりも後方に位置する使用状態および整地体21の上方側に位置する非使用状態に選択的に切換可能である。
【解決手段】農作業機1は、作業機本体2を備え、作業機本体2には耕耘体13を回転可能に設ける。作業機本体2には耕耘体13の後方で整地作業をする整地体21を上下方向に回動可能に設ける。整地体21には、整地体持上用取手41を設ける。整地体持上用取手41は、整地体21の後端部よりも後方に位置する使用状態および整地体21の上方側に位置する非使用状態に選択的に切換可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整地体持上用取手を把持して整地体を容易に上方に回動させることができる農作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された農作業機が知られている。
【0003】
この従来の農作業機は、走行車であるトラクタの後部に連結される作業機本体と、作業機本体に回転可能に設けられ回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、作業機本体に上下方向に回動可能に設けられ耕耘体の後方で整地作業をする整地体とを備えている。そして、作業終了後において、整地体のうち耕耘体と対向する面に付着した付着土を取り除く場合、作業者は、例えば整地体の後端部を把持して整地体を上方に回動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−116703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、整地体と付着土とを合わせた重さは例えば40kg〜50kgもあるため、整地体の後端部を把持して整地体を上方に回動させることは容易ではなく、特に、高齢の作業者にとっては負担の大きいものである。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、整地体持上用取手を把持して整地体を容易に上方に回動させることができる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の農作業機は、作業機本体と、この作業機本体に設けられ、耕耘作業をする耕耘体と、前記作業機本体に上下方向に回動可能に設けられ、前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、この整地体の後端部よりも後方に位置する整地体持上用取手とを備えるものである。
【0008】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、整地体は、取手被取付部を有し、整地体持上用取手は、前記取手被取付部に取り付けられ、この取り付けられた状態で前記整地体の後端部よりも後方に位置する使用状態および前記整地体の上方側に位置する非使用状態に選択的に切換可能となっているものである。
【0009】
請求項3記載の農作業機は、請求項2記載の農作業機において、整地体持上用取手は、整地体の取手被取付部に取り付けられた取付部と、この取付部に脱着可能に取り付けられ、付着土掻取部分を有する脱着部とを有するものである。
【0010】
請求項4記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、整地体は、取手被取付部を有し、整地体持上用取手は、前記取手被取付部に脱着可能に取り付けられ、この取り付けられた状態で前記整地体の後端部よりも後方に位置するものである。
【0011】
請求項5記載の農作業機は、請求項4記載の農作業機において、整地体は、取手被取付部から取り外された整地体持上用取手を保持させておくための取手保持部を有するものである。
【0012】
請求項6記載の農作業機は、請求項4または5記載の農作業機において、整地体持上用取手は、付着土掻取部分を有するものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、整地体の後端部よりも後方に位置する整地体持上用取手を備えるため、整地体持上用取手を把持して整地体を容易に上方に回動させることができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、整地体持上用取手を整地体の上方側に位置する非使用状態に切り換えることができるため、作業時等に整地体持上用取手が邪魔になる不具合を防止できる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、取付部から取り外した脱着部の付着土掻取部分にて整地体に付着した付着土を掻き取ることができるため、付着土を適切に取り除くことができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、整地体持上用取手を取手被取付部から取り外すことができるため、作業時等に整地体持上用取手が邪魔になる不具合を防止できる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、取手被取付部から取り外した整地体持上用取手を取手保持部に保持させておくことができるため、整地体持上用取手をなくしてしまうことがなく、また、整地体持上用取手を収納しておくためのスペースを別途確保する必要もない。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、取手被取付部から取り外した整地体持上用取手の付着土掻取部分にて整地体に付着した付着土を掻き取ることができるため、付着土を適切に取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る農作業機の側面図である。
【図2】同上農作業機の整地体を持ち上げた状態の側面図である。
【図3】同上農作業機の平面図である。
【図4】同上農作業機の整地体の取手被取付部の正面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る農作業機の部分平面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る農作業機の部分平面図である。
【図7】同上農作業機の整地体の取手被取付部の側面図である。
【図8】同上整地体の取手被取付部の正面図である。
【図9】図6のA−A断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る農作業機の部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の農作業機の第1の実施の形態を図1ないし図4を参照して説明する。
【0021】
図中の1は農作業機で、この農作業機1は、走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結され、トラクタの走行により圃場を前方(図1中、左方向)に移動しながら耕耘整地作業等を行なうものである。
【0022】
農作業機1は、トラクタが後部に有する3点リンクヒッチ部(作業機昇降支持部)に連結された作業機本体2を備えている。
【0023】
作業機本体2は、トラクタの3点リンクヒッチ部に連結された走行車連結部であるトラクタ連結部4を有し、このトラクタ連結部4は、中央のトップマスト5および左右1対のロワアーム6等にて構成されている。
【0024】
また、作業機本体2は、左右方向長手状で断面略円形状のフレームパイプ等のフレーム部7を有し、このフレーム部7の左右方向中央部にはミッションケース等の軸保持部8が設けられている。軸保持部8にはトラクタからの動力を入力する略前後方向の入力軸9が回転可能に設けられ、入力軸9はトラクタのPTO軸にジョイントおよび伝動シャフト等にて構成された動力伝達手段(図示せず)を介して接続されている。
【0025】
さらに、作業機本体2は、フレーム部7の長手方向一端部である左端部に設けられたチェーンケース部11と、フレーム部7の長手方向他端部である右端部に設けられたブラケット部12とを有している。また、作業機本体2にはゲージ輪10が取り付けられている。
【0026】
そして、互いに離間対向するチェーンケース部11およびブラケット部12には、入力軸9側からの動力によって所定方向に回転しながら耕耘作業をする耕耘体13が回転可能に架設されている。つまり、ロータリー式の耕耘体13が作業機本体2に回転可能に設けられている。耕耘体13は、チェーンケース部11およびブラケット部12に回転可能に架設された左右方向の回転軸14と、この回転軸14に取り付けられこの回転軸14とともに回転して耕耘作業をする複数の耕耘爪15とを有している。
【0027】
また、作業機本体2は、耕耘体13の上方部を覆う上方に向って凸の略円弧板状のカバー部17を有している。そして、カバー部17の後端部には、耕耘体13の後方で整地作業をする左右方向長手状で略板状の整地体(均平板)21が複数の蝶番20を介して上下方向に回動可能に設けられている。すなわち例えば整地体21の前端部が作業機本体2のカバー部17の後端部に蝶番20の左右方向の軸22を中心として回動可能に取り付けられ、整地体21は前端部を中心として後端部が上下動するようにカバー部17に対して上下方向に回動可能となっている。
【0028】
整地体21は、整地作業をする左右方向長手状で略板状の整地本体部23を有している。整地本体部23の上面の左右両側にはロッド連結部24が突設され、この各ロッド連結部24にはロッド25がタンブラ等の回動部材26を介して連結されている。なお、各ロッド連結部24は、例えば互いに離間対向する対向板24aにて構成されている。
【0029】
ロッド25は回動部材26の挿通孔27に摺動可能に挿通され、ロッド25の前端部は、フレーム部7に突設されたロッド連結部28に左右方向の軸29を中心として回動可能に取り付けられている。
【0030】
ロッド25の外周側には、整地体21の接地圧を調整するための第1ばね31および第2ばね32が配設されている。また、ロッド25の外周側には、整地体21をカバー部17に対して図2に示す持上状態(略板状の整地体21が水平面に略沿った水平姿勢となるメンテナンス状態)に解除可能に固定する農作業機用固定具である固定手段33が設けられている。
【0031】
固定手段33は、例えばロッド25のピン挿通孔に挿脱可能に挿通される固定ピン34、固定を解除するための操作レバー35、この操作レバー35を付勢するスプリング等にて構成されている(例えば意匠登録第1083565号公報参照)。
【0032】
また一方、整地体21は、左右1対のロッド連結部24のうちのいずれか一方、例えば左側のロッド連結部24に両対向板24aを跨ぐように取り付けられた取手被取付部40を有している。つまり、整地体21は、後端部上面側に取手被取付部40を有している。
【0033】
そして、取手被取付部40には、付着土掻取具の機能を兼ね備えた延長体である整地体持上用取手(ハンドル)41が左右方向の軸42を中心として上下方向に回動可能に取り付けられている。
【0034】
整地体持上用取手41は、取手被取付部40に対する下方への回動により、少なくとも一部が整地体21の後端部よりも後方に位置する使用状態、すなわち例えば整地体21の後端部の取手被取付部40から後方に向って突出した状態で位置する使用状態に切り換えられる。また、整地体持上用取手41は、取手被取付部40に対する上方への回動により、耕耘整地作業の邪魔にならないよう全部が整地体21の上方側(上方位置付近)に位置する非使用状態、すなわち例えば整地体21の取手被取付部40から上方に向って突出した状態で位置する非使用状態に切り換えられる。つまり、整地体持上用取手41は、軸42を中心とする回動により使用状態および非使用状態(格納状態)に選択的に切換可能となっている。
【0035】
取手被取付部40は、例えば図4に示す形状のもので、側面視略矩形状で断面略コ字状の取付部分44と、この取付部分44に固設された側面視5角形状で断面略コ字状の被取付部分45とを有している。取付部分44には、取付用孔46が形成されている。被取付部分45には、支点用孔51、使用状態用孔52および非使用状態用孔53が形成されている。
【0036】
そして、互いに一致したロッド連結部24の取付用孔47および取付部分44の取付用孔46にピン54が挿入保持されることにより、取手被取付部40の取付部分44がロッド連結部24に取り付けられている。
【0037】
整地体持上用取手41は、中間の1箇所で湾曲した略円筒状の取付部56と、この取付部56に脱着可能に取り付けられた脱着部57とを有している。取付部56の一端部には支点用孔58が形成され、取付部56の他端部には取付用孔59が形成され、取付部56の中間部には状態固定用孔60が形成されている。
【0038】
脱着部57は、断面略円形の棒状部分61と、この棒状部分61の端部に固設された板状の付着土掻取部分62とを有している。棒状部分61の一端部には取付用孔63が形成され、棒状部分61の他端部に付着土掻取部分62が一体に設けられている。
【0039】
そして、互いに一致した被取付部分45の支点用孔51および取付部56の支点用孔58にピンである軸42が挿入保持されることにより、取付部56が取手被取付部40の被取付部分45に軸42を中心として回動可能に取り付けられている。
【0040】
また、脱着部57の棒状部分61の一端部が取付部56の他端部内に差し込まれて、互いに一致した取付部56の取付用孔59および脱着部57の棒状部分61の取付用孔63にピン55が挿入保持されることにより、脱着部57の棒状部分61が取付部56に取り付けられている。なお、ピン55を取付用孔59,63から抜くことにより、脱着部57を取付部56から取り外すことが可能な状態となる。
【0041】
さらに、図1の実線で示すように、互いに一致した被取付部分45の使用状態用孔52および取付部56の状態固定用孔60にピン64が挿入保持されることにより、整地体持上用取手41が取手被取付部40に対して使用状態に固定される。なお、ピン64を使用状態用孔52および状態固定用孔60から抜くことにより、整地体持上用取手41が取手被取付部40に対して回動可能な状態となる。
【0042】
また、図1の2点鎖線で示すように、互いに一致した被取付部分45の非使用状態用孔53および取付部56の状態固定用孔60にピン64が挿入保持されることにより、整地体持上用取手41が取手被取付部40に対して非使用状態に固定される。なお、ピン64を非使用状態用孔53および状態固定用孔60から抜くことにより、整地体持上用取手41が取手被取付部40に対して回動可能な状態となる。
【0043】
次に、農作業機1の作用等を説明する。
【0044】
農作業機1をトラクタの走行により前方に移動させると、耕耘体13が耕耘作業を行い、この耕耘体13の後方では整地体21が整地作業を行う。この耕耘整地作業時に、整地体21のうち耕耘体13と対向する面である下面(内面)には、泥土等の土が付着土Aとなって付着する。
【0045】
耕耘整地作業の終了後、付着土Aを整地体21から取り除く場合、作業者は、不使用状態の整地体持上用取手41を軸42を中心として整地体21に対して下方へ回動させることにより非使用状態から使用状態に切り換え、この整地体持上用取手41を整地体21の後端部から後方に向けて突出させた状態にする。
【0046】
そして、作業者は、整地体21の後端部から後方に向って突出した状態であって、整地体21の回動支点である軸22からの距離が整地体21の後端部までと比べて長い状態とされた整地体持上用取手41を把持して、整地体21を持ち上げる。つまり、整地体21の後端部よりも後方に位置する整地体持上用取手41を把持して、整地体21を上方に回動させて所望の持上状態にする。整地体21が持上状態になると、図2に示すように、整地体21は固定手段33によって持上状態に固定される。
【0047】
この状態で、作業者は、整地体持上用取手41の脱着部57を取付部56から取り外し、この取り外した脱着部57の付着土掻取部分62を利用して、整地体に付着した付着土Aを掻き取って除去する。
【0048】
このように、上記農作業機1によれば、少なくとも一部が整地体21の後端部から後方に向って突出してその後端部よりも後方に位置する整地体持上用取手41を備えるため、整地体21の後端部を把持して整地体21を上方に回動させる従来に比べて、整地体21を持ち上げるのに必要な軸22を中心とする力のモーメントを減少でき、よって、整地体持上用取手41を把持して整地体21を容易に上方に回動させることができ、例えば高齢の作業者であっても整地体21を所望の持上状態にでき、整地体21に付着した付着土Aを除去できる。
【0049】
また、整地体持上用取手41は使用状態および非使用状態に選択的に切換可能で、整地体持上用取手41を整地体21の上方側に位置する非使用状態に切り換えることができるため、耕耘整地作業時や農作業機1の運搬時等において整地体持上用取手41が邪魔になる不具合を防止でき、例えば整地体持上用取手41を整地体21に取り付けたまま、整地体21で整地作業ができる。
【0050】
さらに、整地体持上用取手41の取付部56から取り外した脱着部57の付着土掻取部分(スクレーパ部)62にて整地体21に付着した付着土Aを掻き取ることができるため、付着土Aを適切に取り除くことができ、例えば土を掻き取るための他の付着土掻取具(作業道具)が不要である。
【0051】
なお、上記第1の実施の形態では、取手被取付部40がロッド連結部24に左右の両対向板24aを跨ぐように取り付けられた構成について説明したが、例えば図5に示す第2の実施の形態のように、取手被取付部40の取付部分44がロッド連結部24の側方位置で一方の対向板24aに取り付けられた構成でもよい。
【0052】
また、整地体持上用取手41が整地体21の取手被取付部40に上下方向に回動可能に取り付けられた構成には限定されず、例えば図示しないが整地体持上用取手41が整地体21の後端部に前後方向に移動可能に設けられた構成や、整地体持上用取手41が整地体21の後端部に左右方向に回動可能に設けられた構成等でもよく、また例えば図6に示す第3の実施の形態のように、整地体持上用取手41が取手被取付部40に脱着可能に取り付けられて整地体21の後端部よりも後方に位置する構成でもよい。
【0053】
この図6に示す第3の実施の形態においては、整地体21は、図7および図8に示す形状の取手被取付部40と、この取手被取付部40から取り外された整地体持上用取手41を保持させておくための複数、例えば2つの取手保持部70とを有している。
【0054】
取手被取付部40は、取付部分44に固設された略円筒状の被取付部分45を有し、図7に示されるように、この被取付部分45の内周側に整地体持上用取手41の基端側が挿脱可能に挿入される。
【0055】
この整地体持上用取手41の全体形状は図6に示されており、この整地体持上用取手41は、図1のものとは異なり、中間の1箇所で湾曲した断面略円形の棒状部分71およびこの棒状部分71の端部に固設された板状の付着土掻取部分72のみからなるものである。つまり、図6の整地体持上用取手41は、先端側に付着土Aを掻き取るための付着土掻取部分72を有し、基端側に取手被取付部40の被取付部分45に挿入するための挿入部分73を有している。
【0056】
取手保持部70は、例えば図9に示すように、複数箇所で折り曲げられた弾性変形可能な板部材にて構成されたもので、整地体持上用取手41が収納される取手収納部75と、この取手収納部75に対して整地体持上用取手41を出し入れするための出入口部76とを有している。つまり、取手保持部70は、整地本体部23の上面に取り付けられた取付板77を有し、この取付板77の両端部には互いに離間対向する対向板78が一体に設けられている。対向板78は、取付板77に対して直角状に位置する第1板部81と、この第1板部81の先端部から対向する対向板78側に向って突出するように第1板部81に対して傾斜状に位置する第2板部82と、この第2板部82の先端部から対向する対向板78側とは反対側に向って突出するように第2板部82に対して傾斜状に位置する第3板部83とを有している。
【0057】
そして、整地体持上用取手41の棒状部分71を取手保持部70の両第3板部83に押し当てて、両対向板78を出入口部76が開く方向に弾性変形させることにより、整地体持上用取手41の棒状部分71の一部を取手収納部75内に収納する。この収納された棒状部分71は取付板77と両第2板部82とによって保持され、整地体持上用取手41は整地本体部23の上面に略沿った状態で固定される。また、整地体持上用取手41を取手保持部70から取り外す場合は、整地体持上用取手41を整地本体部23から引き離すようにして、両対向板78を出入口部76が開く方向に弾性変形させればよい。
【0058】
なお、第3の実施の形態のその他の構成は、上記第1の実施の形態と同じである。
【0059】
そして、第3の実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様、整地体持上用取手41を把持して整地体21を容易に上方に回動させることができ、また耕耘整地作業時等において整地体持上用取手41が邪魔になる不具合を防止でき、さらに付着土掻取部分(スクレーパ部)72にて付着土Aを適切に取り除くことができ、しかも、取手被取付部40から取り外した整地体持上用取手41を取手保持部70に保持させておくことができるため、整地体持上用取手41をなくしてしまうことがなく、整地体持上用取手41を収納しておくためのスペースを別途確保する必要もない。
【0060】
なお、上記第3の実施の形態では、取手被取付部40がロッド連結部24に左右の両対向板24aを跨ぐように取り付けられた構成について説明したが、例えば図10に示す第4の実施の形態のように、取手被取付部40の取付部分44がロッド連結部24の側方位置で一方の対向板24aに取り付けられた構成でもよい。
【0061】
また一方、いずれの実施の形態においても、左右のロッド連結部24のいずれか一方のみに取手被取付部40が取り付けられた構成について説明したが、取手被取付部40が両ロッド連結部24にそれぞれ取り付けられた構成でもよい。
【0062】
また、整地体持上用取手41は、付着土掻取部分62,72を有しないものでもよく、例えば1本の棒状部材のみで構成されたもの、伸縮可能な棒状部材で構成されたもの、棒状部材の先端部に略円形環状の把持部を設けたもの等でもよい。
【0063】
さらに、付着土掻取部分62,72は、板状のものには限定されず、例えば櫛状のもの、鎌状のもの、先端が尖った棒状のもの等でもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 農作業機
2 作業機本体
13 耕耘体
21 整地体
40 取手被取付部
41 整地体持上用取手
56 取付部
57 脱着部
62,72 付着土掻取部分
70 取手保持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、整地体持上用取手を把持して整地体を容易に上方に回動させることができる農作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された農作業機が知られている。
【0003】
この従来の農作業機は、走行車であるトラクタの後部に連結される作業機本体と、作業機本体に回転可能に設けられ回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、作業機本体に上下方向に回動可能に設けられ耕耘体の後方で整地作業をする整地体とを備えている。そして、作業終了後において、整地体のうち耕耘体と対向する面に付着した付着土を取り除く場合、作業者は、例えば整地体の後端部を把持して整地体を上方に回動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−116703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、整地体と付着土とを合わせた重さは例えば40kg〜50kgもあるため、整地体の後端部を把持して整地体を上方に回動させることは容易ではなく、特に、高齢の作業者にとっては負担の大きいものである。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、整地体持上用取手を把持して整地体を容易に上方に回動させることができる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の農作業機は、作業機本体と、この作業機本体に設けられ、耕耘作業をする耕耘体と、前記作業機本体に上下方向に回動可能に設けられ、前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、この整地体の後端部よりも後方に位置する整地体持上用取手とを備えるものである。
【0008】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、整地体は、取手被取付部を有し、整地体持上用取手は、前記取手被取付部に取り付けられ、この取り付けられた状態で前記整地体の後端部よりも後方に位置する使用状態および前記整地体の上方側に位置する非使用状態に選択的に切換可能となっているものである。
【0009】
請求項3記載の農作業機は、請求項2記載の農作業機において、整地体持上用取手は、整地体の取手被取付部に取り付けられた取付部と、この取付部に脱着可能に取り付けられ、付着土掻取部分を有する脱着部とを有するものである。
【0010】
請求項4記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、整地体は、取手被取付部を有し、整地体持上用取手は、前記取手被取付部に脱着可能に取り付けられ、この取り付けられた状態で前記整地体の後端部よりも後方に位置するものである。
【0011】
請求項5記載の農作業機は、請求項4記載の農作業機において、整地体は、取手被取付部から取り外された整地体持上用取手を保持させておくための取手保持部を有するものである。
【0012】
請求項6記載の農作業機は、請求項4または5記載の農作業機において、整地体持上用取手は、付着土掻取部分を有するものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、整地体の後端部よりも後方に位置する整地体持上用取手を備えるため、整地体持上用取手を把持して整地体を容易に上方に回動させることができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、整地体持上用取手を整地体の上方側に位置する非使用状態に切り換えることができるため、作業時等に整地体持上用取手が邪魔になる不具合を防止できる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、取付部から取り外した脱着部の付着土掻取部分にて整地体に付着した付着土を掻き取ることができるため、付着土を適切に取り除くことができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、整地体持上用取手を取手被取付部から取り外すことができるため、作業時等に整地体持上用取手が邪魔になる不具合を防止できる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、取手被取付部から取り外した整地体持上用取手を取手保持部に保持させておくことができるため、整地体持上用取手をなくしてしまうことがなく、また、整地体持上用取手を収納しておくためのスペースを別途確保する必要もない。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、取手被取付部から取り外した整地体持上用取手の付着土掻取部分にて整地体に付着した付着土を掻き取ることができるため、付着土を適切に取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る農作業機の側面図である。
【図2】同上農作業機の整地体を持ち上げた状態の側面図である。
【図3】同上農作業機の平面図である。
【図4】同上農作業機の整地体の取手被取付部の正面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る農作業機の部分平面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る農作業機の部分平面図である。
【図7】同上農作業機の整地体の取手被取付部の側面図である。
【図8】同上整地体の取手被取付部の正面図である。
【図9】図6のA−A断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る農作業機の部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の農作業機の第1の実施の形態を図1ないし図4を参照して説明する。
【0021】
図中の1は農作業機で、この農作業機1は、走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結され、トラクタの走行により圃場を前方(図1中、左方向)に移動しながら耕耘整地作業等を行なうものである。
【0022】
農作業機1は、トラクタが後部に有する3点リンクヒッチ部(作業機昇降支持部)に連結された作業機本体2を備えている。
【0023】
作業機本体2は、トラクタの3点リンクヒッチ部に連結された走行車連結部であるトラクタ連結部4を有し、このトラクタ連結部4は、中央のトップマスト5および左右1対のロワアーム6等にて構成されている。
【0024】
また、作業機本体2は、左右方向長手状で断面略円形状のフレームパイプ等のフレーム部7を有し、このフレーム部7の左右方向中央部にはミッションケース等の軸保持部8が設けられている。軸保持部8にはトラクタからの動力を入力する略前後方向の入力軸9が回転可能に設けられ、入力軸9はトラクタのPTO軸にジョイントおよび伝動シャフト等にて構成された動力伝達手段(図示せず)を介して接続されている。
【0025】
さらに、作業機本体2は、フレーム部7の長手方向一端部である左端部に設けられたチェーンケース部11と、フレーム部7の長手方向他端部である右端部に設けられたブラケット部12とを有している。また、作業機本体2にはゲージ輪10が取り付けられている。
【0026】
そして、互いに離間対向するチェーンケース部11およびブラケット部12には、入力軸9側からの動力によって所定方向に回転しながら耕耘作業をする耕耘体13が回転可能に架設されている。つまり、ロータリー式の耕耘体13が作業機本体2に回転可能に設けられている。耕耘体13は、チェーンケース部11およびブラケット部12に回転可能に架設された左右方向の回転軸14と、この回転軸14に取り付けられこの回転軸14とともに回転して耕耘作業をする複数の耕耘爪15とを有している。
【0027】
また、作業機本体2は、耕耘体13の上方部を覆う上方に向って凸の略円弧板状のカバー部17を有している。そして、カバー部17の後端部には、耕耘体13の後方で整地作業をする左右方向長手状で略板状の整地体(均平板)21が複数の蝶番20を介して上下方向に回動可能に設けられている。すなわち例えば整地体21の前端部が作業機本体2のカバー部17の後端部に蝶番20の左右方向の軸22を中心として回動可能に取り付けられ、整地体21は前端部を中心として後端部が上下動するようにカバー部17に対して上下方向に回動可能となっている。
【0028】
整地体21は、整地作業をする左右方向長手状で略板状の整地本体部23を有している。整地本体部23の上面の左右両側にはロッド連結部24が突設され、この各ロッド連結部24にはロッド25がタンブラ等の回動部材26を介して連結されている。なお、各ロッド連結部24は、例えば互いに離間対向する対向板24aにて構成されている。
【0029】
ロッド25は回動部材26の挿通孔27に摺動可能に挿通され、ロッド25の前端部は、フレーム部7に突設されたロッド連結部28に左右方向の軸29を中心として回動可能に取り付けられている。
【0030】
ロッド25の外周側には、整地体21の接地圧を調整するための第1ばね31および第2ばね32が配設されている。また、ロッド25の外周側には、整地体21をカバー部17に対して図2に示す持上状態(略板状の整地体21が水平面に略沿った水平姿勢となるメンテナンス状態)に解除可能に固定する農作業機用固定具である固定手段33が設けられている。
【0031】
固定手段33は、例えばロッド25のピン挿通孔に挿脱可能に挿通される固定ピン34、固定を解除するための操作レバー35、この操作レバー35を付勢するスプリング等にて構成されている(例えば意匠登録第1083565号公報参照)。
【0032】
また一方、整地体21は、左右1対のロッド連結部24のうちのいずれか一方、例えば左側のロッド連結部24に両対向板24aを跨ぐように取り付けられた取手被取付部40を有している。つまり、整地体21は、後端部上面側に取手被取付部40を有している。
【0033】
そして、取手被取付部40には、付着土掻取具の機能を兼ね備えた延長体である整地体持上用取手(ハンドル)41が左右方向の軸42を中心として上下方向に回動可能に取り付けられている。
【0034】
整地体持上用取手41は、取手被取付部40に対する下方への回動により、少なくとも一部が整地体21の後端部よりも後方に位置する使用状態、すなわち例えば整地体21の後端部の取手被取付部40から後方に向って突出した状態で位置する使用状態に切り換えられる。また、整地体持上用取手41は、取手被取付部40に対する上方への回動により、耕耘整地作業の邪魔にならないよう全部が整地体21の上方側(上方位置付近)に位置する非使用状態、すなわち例えば整地体21の取手被取付部40から上方に向って突出した状態で位置する非使用状態に切り換えられる。つまり、整地体持上用取手41は、軸42を中心とする回動により使用状態および非使用状態(格納状態)に選択的に切換可能となっている。
【0035】
取手被取付部40は、例えば図4に示す形状のもので、側面視略矩形状で断面略コ字状の取付部分44と、この取付部分44に固設された側面視5角形状で断面略コ字状の被取付部分45とを有している。取付部分44には、取付用孔46が形成されている。被取付部分45には、支点用孔51、使用状態用孔52および非使用状態用孔53が形成されている。
【0036】
そして、互いに一致したロッド連結部24の取付用孔47および取付部分44の取付用孔46にピン54が挿入保持されることにより、取手被取付部40の取付部分44がロッド連結部24に取り付けられている。
【0037】
整地体持上用取手41は、中間の1箇所で湾曲した略円筒状の取付部56と、この取付部56に脱着可能に取り付けられた脱着部57とを有している。取付部56の一端部には支点用孔58が形成され、取付部56の他端部には取付用孔59が形成され、取付部56の中間部には状態固定用孔60が形成されている。
【0038】
脱着部57は、断面略円形の棒状部分61と、この棒状部分61の端部に固設された板状の付着土掻取部分62とを有している。棒状部分61の一端部には取付用孔63が形成され、棒状部分61の他端部に付着土掻取部分62が一体に設けられている。
【0039】
そして、互いに一致した被取付部分45の支点用孔51および取付部56の支点用孔58にピンである軸42が挿入保持されることにより、取付部56が取手被取付部40の被取付部分45に軸42を中心として回動可能に取り付けられている。
【0040】
また、脱着部57の棒状部分61の一端部が取付部56の他端部内に差し込まれて、互いに一致した取付部56の取付用孔59および脱着部57の棒状部分61の取付用孔63にピン55が挿入保持されることにより、脱着部57の棒状部分61が取付部56に取り付けられている。なお、ピン55を取付用孔59,63から抜くことにより、脱着部57を取付部56から取り外すことが可能な状態となる。
【0041】
さらに、図1の実線で示すように、互いに一致した被取付部分45の使用状態用孔52および取付部56の状態固定用孔60にピン64が挿入保持されることにより、整地体持上用取手41が取手被取付部40に対して使用状態に固定される。なお、ピン64を使用状態用孔52および状態固定用孔60から抜くことにより、整地体持上用取手41が取手被取付部40に対して回動可能な状態となる。
【0042】
また、図1の2点鎖線で示すように、互いに一致した被取付部分45の非使用状態用孔53および取付部56の状態固定用孔60にピン64が挿入保持されることにより、整地体持上用取手41が取手被取付部40に対して非使用状態に固定される。なお、ピン64を非使用状態用孔53および状態固定用孔60から抜くことにより、整地体持上用取手41が取手被取付部40に対して回動可能な状態となる。
【0043】
次に、農作業機1の作用等を説明する。
【0044】
農作業機1をトラクタの走行により前方に移動させると、耕耘体13が耕耘作業を行い、この耕耘体13の後方では整地体21が整地作業を行う。この耕耘整地作業時に、整地体21のうち耕耘体13と対向する面である下面(内面)には、泥土等の土が付着土Aとなって付着する。
【0045】
耕耘整地作業の終了後、付着土Aを整地体21から取り除く場合、作業者は、不使用状態の整地体持上用取手41を軸42を中心として整地体21に対して下方へ回動させることにより非使用状態から使用状態に切り換え、この整地体持上用取手41を整地体21の後端部から後方に向けて突出させた状態にする。
【0046】
そして、作業者は、整地体21の後端部から後方に向って突出した状態であって、整地体21の回動支点である軸22からの距離が整地体21の後端部までと比べて長い状態とされた整地体持上用取手41を把持して、整地体21を持ち上げる。つまり、整地体21の後端部よりも後方に位置する整地体持上用取手41を把持して、整地体21を上方に回動させて所望の持上状態にする。整地体21が持上状態になると、図2に示すように、整地体21は固定手段33によって持上状態に固定される。
【0047】
この状態で、作業者は、整地体持上用取手41の脱着部57を取付部56から取り外し、この取り外した脱着部57の付着土掻取部分62を利用して、整地体に付着した付着土Aを掻き取って除去する。
【0048】
このように、上記農作業機1によれば、少なくとも一部が整地体21の後端部から後方に向って突出してその後端部よりも後方に位置する整地体持上用取手41を備えるため、整地体21の後端部を把持して整地体21を上方に回動させる従来に比べて、整地体21を持ち上げるのに必要な軸22を中心とする力のモーメントを減少でき、よって、整地体持上用取手41を把持して整地体21を容易に上方に回動させることができ、例えば高齢の作業者であっても整地体21を所望の持上状態にでき、整地体21に付着した付着土Aを除去できる。
【0049】
また、整地体持上用取手41は使用状態および非使用状態に選択的に切換可能で、整地体持上用取手41を整地体21の上方側に位置する非使用状態に切り換えることができるため、耕耘整地作業時や農作業機1の運搬時等において整地体持上用取手41が邪魔になる不具合を防止でき、例えば整地体持上用取手41を整地体21に取り付けたまま、整地体21で整地作業ができる。
【0050】
さらに、整地体持上用取手41の取付部56から取り外した脱着部57の付着土掻取部分(スクレーパ部)62にて整地体21に付着した付着土Aを掻き取ることができるため、付着土Aを適切に取り除くことができ、例えば土を掻き取るための他の付着土掻取具(作業道具)が不要である。
【0051】
なお、上記第1の実施の形態では、取手被取付部40がロッド連結部24に左右の両対向板24aを跨ぐように取り付けられた構成について説明したが、例えば図5に示す第2の実施の形態のように、取手被取付部40の取付部分44がロッド連結部24の側方位置で一方の対向板24aに取り付けられた構成でもよい。
【0052】
また、整地体持上用取手41が整地体21の取手被取付部40に上下方向に回動可能に取り付けられた構成には限定されず、例えば図示しないが整地体持上用取手41が整地体21の後端部に前後方向に移動可能に設けられた構成や、整地体持上用取手41が整地体21の後端部に左右方向に回動可能に設けられた構成等でもよく、また例えば図6に示す第3の実施の形態のように、整地体持上用取手41が取手被取付部40に脱着可能に取り付けられて整地体21の後端部よりも後方に位置する構成でもよい。
【0053】
この図6に示す第3の実施の形態においては、整地体21は、図7および図8に示す形状の取手被取付部40と、この取手被取付部40から取り外された整地体持上用取手41を保持させておくための複数、例えば2つの取手保持部70とを有している。
【0054】
取手被取付部40は、取付部分44に固設された略円筒状の被取付部分45を有し、図7に示されるように、この被取付部分45の内周側に整地体持上用取手41の基端側が挿脱可能に挿入される。
【0055】
この整地体持上用取手41の全体形状は図6に示されており、この整地体持上用取手41は、図1のものとは異なり、中間の1箇所で湾曲した断面略円形の棒状部分71およびこの棒状部分71の端部に固設された板状の付着土掻取部分72のみからなるものである。つまり、図6の整地体持上用取手41は、先端側に付着土Aを掻き取るための付着土掻取部分72を有し、基端側に取手被取付部40の被取付部分45に挿入するための挿入部分73を有している。
【0056】
取手保持部70は、例えば図9に示すように、複数箇所で折り曲げられた弾性変形可能な板部材にて構成されたもので、整地体持上用取手41が収納される取手収納部75と、この取手収納部75に対して整地体持上用取手41を出し入れするための出入口部76とを有している。つまり、取手保持部70は、整地本体部23の上面に取り付けられた取付板77を有し、この取付板77の両端部には互いに離間対向する対向板78が一体に設けられている。対向板78は、取付板77に対して直角状に位置する第1板部81と、この第1板部81の先端部から対向する対向板78側に向って突出するように第1板部81に対して傾斜状に位置する第2板部82と、この第2板部82の先端部から対向する対向板78側とは反対側に向って突出するように第2板部82に対して傾斜状に位置する第3板部83とを有している。
【0057】
そして、整地体持上用取手41の棒状部分71を取手保持部70の両第3板部83に押し当てて、両対向板78を出入口部76が開く方向に弾性変形させることにより、整地体持上用取手41の棒状部分71の一部を取手収納部75内に収納する。この収納された棒状部分71は取付板77と両第2板部82とによって保持され、整地体持上用取手41は整地本体部23の上面に略沿った状態で固定される。また、整地体持上用取手41を取手保持部70から取り外す場合は、整地体持上用取手41を整地本体部23から引き離すようにして、両対向板78を出入口部76が開く方向に弾性変形させればよい。
【0058】
なお、第3の実施の形態のその他の構成は、上記第1の実施の形態と同じである。
【0059】
そして、第3の実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様、整地体持上用取手41を把持して整地体21を容易に上方に回動させることができ、また耕耘整地作業時等において整地体持上用取手41が邪魔になる不具合を防止でき、さらに付着土掻取部分(スクレーパ部)72にて付着土Aを適切に取り除くことができ、しかも、取手被取付部40から取り外した整地体持上用取手41を取手保持部70に保持させておくことができるため、整地体持上用取手41をなくしてしまうことがなく、整地体持上用取手41を収納しておくためのスペースを別途確保する必要もない。
【0060】
なお、上記第3の実施の形態では、取手被取付部40がロッド連結部24に左右の両対向板24aを跨ぐように取り付けられた構成について説明したが、例えば図10に示す第4の実施の形態のように、取手被取付部40の取付部分44がロッド連結部24の側方位置で一方の対向板24aに取り付けられた構成でもよい。
【0061】
また一方、いずれの実施の形態においても、左右のロッド連結部24のいずれか一方のみに取手被取付部40が取り付けられた構成について説明したが、取手被取付部40が両ロッド連結部24にそれぞれ取り付けられた構成でもよい。
【0062】
また、整地体持上用取手41は、付着土掻取部分62,72を有しないものでもよく、例えば1本の棒状部材のみで構成されたもの、伸縮可能な棒状部材で構成されたもの、棒状部材の先端部に略円形環状の把持部を設けたもの等でもよい。
【0063】
さらに、付着土掻取部分62,72は、板状のものには限定されず、例えば櫛状のもの、鎌状のもの、先端が尖った棒状のもの等でもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 農作業機
2 作業機本体
13 耕耘体
21 整地体
40 取手被取付部
41 整地体持上用取手
56 取付部
57 脱着部
62,72 付着土掻取部分
70 取手保持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機本体と、
この作業機本体に設けられ、耕耘作業をする耕耘体と、
前記作業機本体に上下方向に回動可能に設けられ、前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、
この整地体の後端部よりも後方に位置する整地体持上用取手と
を備えることを特徴とする農作業機。
【請求項2】
整地体は、取手被取付部を有し、
整地体持上用取手は、前記取手被取付部に取り付けられ、この取り付けられた状態で前記整地体の後端部よりも後方に位置する使用状態および前記整地体の上方側に位置する非使用状態に選択的に切換可能となっている
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
整地体持上用取手は、
整地体の取手被取付部に取り付けられた取付部と、
この取付部に脱着可能に取り付けられ、付着土掻取部分を有する脱着部とを有する
ことを特徴とする請求項2記載の農作業機。
【請求項4】
整地体は、取手被取付部を有し、
整地体持上用取手は、前記取手被取付部に脱着可能に取り付けられ、この取り付けられた状態で前記整地体の後端部よりも後方に位置する
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項5】
整地体は、取手被取付部から取り外された整地体持上用取手を保持させておくための取手保持部を有する
ことを特徴とする請求項4記載の農作業機。
【請求項6】
整地体持上用取手は、付着土掻取部分を有する
ことを特徴とする請求項4または5記載の農作業機。
【請求項1】
作業機本体と、
この作業機本体に設けられ、耕耘作業をする耕耘体と、
前記作業機本体に上下方向に回動可能に設けられ、前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、
この整地体の後端部よりも後方に位置する整地体持上用取手と
を備えることを特徴とする農作業機。
【請求項2】
整地体は、取手被取付部を有し、
整地体持上用取手は、前記取手被取付部に取り付けられ、この取り付けられた状態で前記整地体の後端部よりも後方に位置する使用状態および前記整地体の上方側に位置する非使用状態に選択的に切換可能となっている
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
整地体持上用取手は、
整地体の取手被取付部に取り付けられた取付部と、
この取付部に脱着可能に取り付けられ、付着土掻取部分を有する脱着部とを有する
ことを特徴とする請求項2記載の農作業機。
【請求項4】
整地体は、取手被取付部を有し、
整地体持上用取手は、前記取手被取付部に脱着可能に取り付けられ、この取り付けられた状態で前記整地体の後端部よりも後方に位置する
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項5】
整地体は、取手被取付部から取り外された整地体持上用取手を保持させておくための取手保持部を有する
ことを特徴とする請求項4記載の農作業機。
【請求項6】
整地体持上用取手は、付着土掻取部分を有する
ことを特徴とする請求項4または5記載の農作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−263846(P2010−263846A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118590(P2009−118590)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【Fターム(参考)】
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