説明

農作業管理方法、農作業管理装置および農作業管理プログラム

【課題】 土壌状態および農作物の生育状態を入力することにより施肥支援計画、防除支援計画および収穫時期予測が提供されるような高い性能を持った装置あるいは機械を用意する必要がなく、現在栽培中の作物の施肥、防除および収穫時期について適切な情報を得ることができるようにする。
【解決手段】 農場で作物を栽培する区画を設定した区画設定日、区画を識別する区画識別情報、作物名等を含む区画情報を設定する手段と、区画情報を蓄積する手段と、実施した農作業および作物の状態記録を区画情報に付加する手段と、区画を解除した区画解除日を区画情報に付加する手段と、作物名により区画情報を検索する手段と、検索した区画情報を区画設定日と区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農場における農作業を管理する農作業管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の農作業を管理する農作業管理技術としては、農産物の生産から消費者の手に渡るまでの情報を管理させる農作業管理装置を設置し、農作業管理装置が農作物の生産単位区画の位置情報と、そこで栽培される農作物の種類と、生産者に関する情報とを管理データとして持ち、生産者は生産単位区画内に複数設定された作業単位区画毎に測定した土壌状態および農産物の生育状態を農作業管理装置に入力し、農作業管理装置は入力された土壌状態および生育状態から収穫までの施肥支援計画と、防除支援計画と、収穫時期予測とを生産者に提供し、生産者は提供された施肥支援計画および防除支援計画に基づいて実際に行なった施肥および防除の内容を農作業管理装置に入力し、また実際に行った収穫日および収穫量を農作業管理装置に入力し、更に農作業管理装置は出荷する農産物に添付する記憶媒体に記憶する出荷情報を出力するものがある。
【0003】
これにより農作物の生産者は、土壌状態および農産物の生育状態を農作業管理装置に入力することにより施肥支援計画と、防除支援計画と、収穫時期予測とが提供されることから、これらの計画により以降の施肥および防除を計画的に行うことができ、また収穫時期予測に合せて収穫に必要な設備を手配することが可能になる(例えば、特許文献参照)。
【0004】
しかしながら、土壌状態および農産物の生育状態を入力することにより、施肥支援計画と、防除支援計画と、収穫時期予測とが提供されるような高い性能を持った農作業管理装置を用意しなければならず、十分な資金がないかぎり導入は難しいものである。
【特許文献1】特開2002−149744号公報「農作業管理装置及び農作業管理方法及び農作業機械」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に述べた従来の農作業管理技術にあっては、土壌状態および農産物の生育状態を入力することにより、施肥支援計画と、防除支援計画と、収穫時期予測とが提供されるような高い性能を持った農作業管理装置を用意しなければならず、十分な資金がないかぎり導入できないという問題がある。
【0006】
ここにおいて、本発明の解決すべき主要な課題は、上記の問題を解決し、高い性能を持った装置あるいは機械を用意する必要がなく、現在栽培中の作物の施肥、防除および収穫時期について適切な情報を得ることができる農作業管理方法、農作業管理装置および農作業管理プログラムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決する農作業管理方法、農作業管理装置および農作業管理プログラムを実現するために下記に述べるステップあるいは手段を講じるものである。
【0008】
請求項1に記載の本発明の農作業管理方法は、農場における農作業を管理する農作業管理方法であって、農場の農場名と、前記農場で栽培する作物の区画を設定した区画設定日と、前記区画を識別する区画識別情報と、前記作物の作物名と、前記作物の栽培者に関わる栽培者情報とを含む区画情報を蓄積する区画情報蓄積ステップと、前記区画において実施した農作業を示す農作業情報あるいは、および前記作物の状態を記録した作物記録情報を前記区画情報に付加する農作業作物記録情報付加ステップと、前記区画を解除した場合は解除した区画解除日を前記区画情報に付加する区画解除日付加ステップと、前記作物名をもとに前記農作業情報あるいは、および前記作物記録情報を検索する場合は、前記作物名に基づき前記区画情報を検索する作物依存区画情報検索ステップと、前記作物依存区画情報検索により検索された前記区画情報を、前記区画設定日と前記区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する区画情報表示ステップとを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明の農作業管理方法は、前記農場の特定の場所に関わる前記農作業情報あるいは、および前記作物記録情報を検索する場合は、前記農場名に基づき前記区画情報を検索する場所依存区画情報検索ステップと、前記場所依存区画情報検索により検索された前記区画情報の前記区画識別情報を表示する区画識別情報表示ステップと、前記表示された区画識別情報を特定する区画識別情報特定ステップと、前記特定された区画識別情報を含む前記区画情報を、前記区画設定日と前記区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する区画情報表示ステップとを備えることを特徴とする。
【0010】
上記に述べた方法により、高い性能を持った装置あるいは機械を用意する必要がなく、少ない資金により、過去に栽培したときの農作業情報等が、栽培に大きく影響する気象情報を付して表示されることから、過去の気象情報と現在の気象情報とを比較することにより、過去に栽培したときに行った農作業を栽培中の作物に対しどう行うか、同時期に行うか、前倒しにするか、後にずらした方がよいかを判断することが可能になる。
【0011】
請求項3に記載の本発明の農作業管理装置は、農場における農作業を管理する農作業管理装置であって、農場の農場名と、前記農場で栽培する作物の区画を設定した区画設定日と、前記区画を識別する区画識別情報と、前記作物の作物名と、前記作物の栽培者に関わる栽培者情報とを含む区画情報を設定する区画情報設定手段と、前記区画情報を蓄積する区画情報蓄積手段と、前記区画において実施した農作業を示す農作業情報あるいは、および前記作物の状態を記録した作物記録情報を前記区画情報に付加する農作業作物記録情報付加手段と、前記区画を解除した区画解除日を前記区画情報に付加する区画解除日付加手段と、前記作物名により前記区画情報を検索する作物依存区画情報検索手段と、前記作物依存区画情報検索により検索された前記区画情報を、前記区画設定日と前記区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する区画情報表示手段とを有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の本発明の農作業管理装置は、前記農場名により前記区画情報を検索する場所依存区画情報検索手段と、前記場所依存区画情報検索により検索された前記区画情報の前記区画識別情報を表示する区画識別情報表示手段と、前記表示された区画識別情報を特定する区画識別情報特定手段と、前記特定された区画識別情報を含む前記区画情報を、前記区画設定日と前記区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する区画情報表示手段とを有することを特徴とする。
【0013】
上記に述べた装置により、高い性能を持った装置あるいは機械を用意する必要がなく、少ない資金により、過去に栽培したときの農作業情報等が、栽培に大きく影響する気象情報を付して表示されることから、過去の気象情報と現在の気象情報とを比較することにより、過去に栽培したときに行った農作業を栽培中の作物に対しどう行うか、同時期に行うか、前倒しにするか、後にずらした方がよいかを判断することが可能になる。
【0014】
請求項5に記載の本発明の農作業管理プログラムは、農場における農作業を管理する農作業管理装置上でコンピュータを機能させるための農作業管理プログラムであって、農場の農場名と、前記農場で栽培する作物の区画を設定した区画設定日と、前記区画を識別する区画識別情報と、前記作物の作物名と、前記作物の栽培者に関わる栽培者情報とを含む区画情報を設定する区画情報設定手段と、前記区画情報を蓄積する区画情報蓄積手段と、前記区画において実施した農作業を示す農作業情報あるいは、および前記作物の状態を記録した作物記録情報を前記区画情報に付加する農作業作物記録情報付加手段と、前記区画を解除した区画解除日を前記区画情報に付加する区画解除日付加手段と、前記作物名により前記区画情報を検索する作物依存区画情報検索手段と、前記作物依存区画情報検索により検索された前記区画情報を、前記区画設定日と前記区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する区画情報表示手段とをコンピュータに機能させることを特徴とする。
【0015】
また、請求項6に記載の本発明の農作業管理プログラムは、前記農場名により前記区画情報を検索する場所依存区画情報検索手段と、前記場所依存区画情報検索により検索された前記区画情報の前記区画識別情報を表示する区画識別情報表示手段と、前記表示された区画識別情報を特定する区画識別情報特定手段と、前記特定された区画識別情報を含む前記区画情報を、前記区画設定日と前記区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する区画情報表示手段とをコンピュータに機能させることを特徴とする。
【0016】
上記に述べたプログラムにより、高い性能を持った装置あるいは機械を用意する必要がなく、少ない資金により、過去に栽培したときの農作業情報等が、栽培に大きく影響する気象情報を付して表示されることから、過去の気象情報と現在の気象情報とを比較することにより、過去に栽培したときに行った農作業を栽培中の作物に対しどう行うか、同時期に行うか、前倒しにするか、後にずらした方がよいかを判断することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、高い性能を持った装置あるいは機械を用意する必要がなく、少ない資金により、過去に栽培したときの農作業情報等が、栽培に大きく影響する気象情報を付して表示されることから、過去の気象情報と現在の気象情報とを比較することにより、過去に栽培したときに行った農作業を栽培中の作物に対しどう行うか、同時期に行うか、前倒しにするか、後にずらした方がよいかを判断することが可能になる。
【0018】
また、本発明によれば、更に下記に述べる効果ないし利点がある。
(1)携帯端末装置が利用できることから、農場において農作業情報等の入力や農作業情報等の検索ができ、特別に時間を割いて入力や検索を行う必要がないため、僅かな空時間を有効に使うことができる。
(2)操作が簡単であることから、特別な訓練なしに多くの人が使える。
(3)他の人が蓄積した農作業情報等を参照することができる。またその人との間で音声通話手段を併用することにより、より詳しい農作業情報等を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
(システム構成)
図1は、本発明を用いたシステムの構成例を示す接続図である。同図は本システムが、農作業管理装置1と、通信端末装置2とを有して構成されることを示しており、農作業管理装置1と通信端末2とは通信ネットワーク(図示せず)により、あるいはメモリーカード(図示せず)等を介してオフラインにより接続されることを示している。
【0021】
農作業管理装置1は、通信機能あるいはメモリーカード等の装着機能を有するPC(Personal Computer)やPDA(Personal Digital Assistant)等の装置である。
【0022】
通信端末装置2は、通信機能あるいはメモリーカード等の装着機能を有するPCやPDAや携帯電話等の端末装置である。
【0023】
本発明は、通信端末装置2を使って農作業情報等を農作業管理装置1に送信し、農作業管理装置1が蓄積することや、農作業管理装置1に蓄積した農作業情報等を検索することを可能にするものである。なお、農作業管理装置1は、通信端末装置2を使わずに農作業情報等の蓄積や検索を可能にするものでもある。
【0024】
(農作業管理装置構成)
次に、図1のシステムにおける構成装置である農作業管理装置1の構成について説明する。
【0025】
図2は、図1の農作業管理装置1の構成例を示す図である。同図は農作業管理装置1が、
入出力部11と、区画情報設定部12と、区画情報制御部13と、区画情報蓄積部14と、農作業作物記録情報付加部15と、区画解除日付加部16と、検索部17と、気象情報蓄積部18とを有して構成されることを示している。
【0026】
入出力部11は、農作業管理装置1と外部との入出力インタフェース機能を有する。
【0027】
区画情報設定部12は、農場の農場名と、農場で栽培する作物の区画を設定した区画設定日と、区画を識別する区画識別情報と、作物の作物名と、作物の栽培者に係る栽培者情報とを含む区画情報を設定する区画情報設定手段を有する。
【0028】
区画情報制御部13は、区画情報蓄積部14への区画情報の書き込み、および区画情報蓄積部14からの区画情報の取り出しを制御する機能を有する。
【0029】
区画情報蓄積部14は、区画情報を蓄積する区画情報蓄積手段を有する。
【0030】
農作業作物記録情報付加部15は、区画において実施した農作業を示す農作業情報あるいは、および作物の状態を記録した作物記録情報を区画情報に付加する農作業作物記録情報付加手段を有する。
【0031】
区画解除日付加部16は、区画を解除した区画解除日を区画情報に付加する区画解除日付加手段を有する。
【0032】
検索部17は、作物名により区画情報を検索する作物依存区画情報検索手段を有する作物依存区画情報検索部171と、作物依存区画情報検索部171により検索された区画情報を、区画設定日と区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する区画情報表示手段を有する区画情報表示部172とを有する。
【0033】
また、検索部17は、農場名により区画情報を検索する場所依存区画情報検索手段を有する場所依存区画情報検索部173と、場所依存区画情報検索部173により検索された区画情報の区画識別情報を表示する区画識別情報表示手段、および区画識別情報特定部175から特定された区画識別情報が伝えられると特定された区画識別情報を含む区画情報を区画情報表示部172に伝える機能を有する区画識別情報表示部174と、区画識別情報表示部174により表示された区画識別情報を特定する区画識別情報特定手段を有する区画識別情報特定部175とを有する。
【0034】
気象情報蓄積部18は、栽培者が、あるいは外部機関が観測した気象情報を蓄積する機能を有する。
【0035】
(区画情報の蓄積および表示処理)
次に、図1のシステムにおける農作業管理装置1の区画情報の蓄積および表示処理について詳細に説明する。
【0036】
図3は、図2の農作業管理装置1の区画情報の蓄積および表示処理例を説明するための図である。
【0037】
農作業は、どこの農場のどの場所でどんな作物を栽培するかを決めることにより始まる。
【0038】
図3(1)は、農場名がAである農場の、区画名F1の場所で、作物名P1の作物を、区画名F2の場所で、作物名P2の作物を、区画名F3の場所で、作物名P3の作物を栽培することを決めた例である。ここでは区画名にその位置情報を付加したものを区画識別情報としている。区画名F1の位置情報はN0−N2、E0−E5、S2−S0、W5−W0であり、区画名F2の位置情報はN2−N4、E0−E3、S4−S2、W3−W0であり、区画名F3の位置情報はN2−N4、E3−E5、S4−S2、W5−W3である。位置情報のN0〜N4、E0〜E5、S0〜S4、W0〜W5は農場名Aの辺に付けた目印であり、等間隔に打ち込んだ杭でも、辺に生えている樹木であってもよい。区画識別情報には面積を付加することも可能である。
【0039】
図3(2)は区画情報の蓄積処理例である。区画情報は区画名F1、F2、F3毎につくることになり、各々は区画設定日から区画解除日までを1まとめとして蓄積する。区画情報には、先ず始めに区画設定日、農場名、区画識別情報、作物名、栽培者名と栽培者の連絡先とを含む栽培者情報を入れ、この後に農作業情報あるいは作物記録情報を順次付加蓄積し、最後に区画解除日を付加蓄積する。農作業情報、作物記録情報および区画解除日には少なくとも年月日、農場名および区画名を付けて入力する。
【0040】
図3(3)は区画情報の表示例である。農場名、区画名、作物名および栽培者名を上段に示し、区画設定日、農作業情報、作物記録情報および区画解除日を年月日順に表形式で示している。ここには例示していないが収穫量についても表示することができる。また栽培中の作物の区画情報の表示は区画設定日から検索した検索日までの表示となる。区画情報は区画設定から区画解除までを1つの情報の固まりとして扱っていることから、作物名を指定するだけでその作物を栽培したときの農作業等が、区画を設定したときから作業順に見ることができるようになる。
【0041】
更に、区画設定日と区画解除日との間の気象情報としては、その日の気温、雨量等を付して表示すことになるが、種を蒔いた日からの気温の積算温度を算出し合わせて表示することができる。これらの表示ができることにより、過去の気象情報と現在の気象情報とを比較することにより、過去に栽培したときに行った農作業を栽培中の作物に対しどう行うか、同時期に行うか、前倒しにするか、後にずらした方がよいかを判断することが可能になる。
【0042】
なお、場所を指定して検索した場合にあっては、農場名を特定することにより該当する農場の区画識別情報(区画名)を表示し[図3(1)]、その中から該当する区画識別情報(区画名)を特定することにより、特定された区画識別情報(区画名)を含む区画情報[図3(3)]を表示することになる。これにより、指定した場所では、例えば過去にどんな肥料を施したかが、順を追って見ることができるようになる。
【0043】
(農作業管理装置動作)
次に、図1のシステムにおける農作業管理装置1の動作について説明する。
【0044】
図4は、図2のシナリオサーバ装置5の動作例を示すフローチャートである。区画情報設定部12が入出力部11あるいは通信端末装置2から区画設定情報を受信すると(ステップA1)、区画情報制御部13を介して区画情報蓄積部14に区画情報を蓄積し(ステップA2)、農作業作物記録情報付加部15あるいは区画解除日付加部16は入出力部11あるいは通信端末装置2から農作業作物記録情報あるいは区画解除日が送られてこないかを監視し(ステップA3)、農作業作物記録情報付加部15が農作業作物記録情報を受信すると区画情報制御部13を介して区画情報蓄積部14に蓄積した区画情報に付加蓄積し、同様に区画解除日付加部16が区画解除日を受信すると区画情報制御部13を介して区画情報蓄積部14に蓄積した区画情報に付加蓄積する(ステップA4)。
【0045】
作物依存区画情報検索部171が作物名による検索を受信すると(ステップA5)、区画情報制御部13を介して作物名により区画情報の検索を行い(ステップA6)、区画情報表示部172が検索した区画情報に対して区画設定日と区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して入出力部11あるいは通信端末装置2に表示する(ステップA7)。
【0046】
また、農場依存区画情報検索部173が農場名による検索を受信すると(ステップA8)、農場名により区画情報の検索を行い(ステップA9)、区画識別情報表示部174が該当する農場の区画情報の区画識別情報(区画名)を入出力部11あるいは通信端末装置2に表示し(ステップA10)、区画識別情報特定部175が入出力部11あるいは通信端末装置2から送られる区画識別情報(区画名)を特定する情報を受信し、特定された区画識別情報(区画名)を区画識別情報表示部174に伝え(ステップA11)、区画識別情報表示部174が特定された区画識別情報を含む区画情報を区画情報表示部172に伝え(ステップA12)、区画情報表示部172が区画情報に対して区画設定日と区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して入出力部11あるいは通信端末装置2に表示する(ステップA7)。
【0047】
(システム動作)
次に、図1におけるシステムの動作について説明する。
【0048】
図5は、図1のシステムの動作例を示すシーケンスチャートである。同図は通信端末装置2および農作業管理装置1の間のシーケンスを示している。具体的には、農作業情報および作物名による区画情報の検索を通信端末装置2から送信する場合である。
【0049】
農作業管理装置1が区画情報を蓄積する(ステップB1)。通信端末装置2が農作業情報を送信し(ステップB2)、農作業管理装置1が受信し該当する区画情報に付加蓄積する(ステップB3)。農作業管理装置1は区画が解除されたことにより区画解除日を該当する区画情報に付加蓄積する(ステップB4)。
【0050】
通信端末装置2が作物名による検索を送信すると(ステップB5)、農作業管理装置1が受信し作物依存の区画情報の検索を行い(ステップB6)、区画情報の表示を通信端末装置2に対して行う(ステップB7)。
【0051】
上記に述べたとおり、本発明を実施するための最良の形態によれば、過去に栽培したときの農作業情報等が、栽培に大きく影響する気象情報を付して表示されることから、過去の気象情報と現在の気象情報とを比較することにより、過去に栽培したときに行った農作業を栽培中の作物に対しどう行うか、同時期に行うか、前倒しにするか、後にずらした方がよいかを判断することが可能になる。農作業情報等としては、自分のものに限らず、上手に栽培した、あるいは栽培している他の人の農作業情報等を参照することができる。
【0052】
なお、本発明は、図1〜図5を用いて説明した形態に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
上記に説明したとおり、本発明が産業上の利用が可能であることは明らかである。即ち携帯端末装置が利用できることから、農場において農作業情報等の入力や農作業情報等の検索ができ、特別に時間を割いて入力や検索を行う必要がないため、僅かな空時間を有効に使うことができる。また操作が簡単であることから、特別な訓練なしに多くの人が使える。また他の人が蓄積した農作業情報等を参照することができ、またその人との間で音声通話手段を併用することにより、より詳しい農作業情報等を得ることができる等のことから、サービスの利用が拡大し、システムおよび関連装置の需要が一層高まることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明を用いたシステムの構成例を示す接続図である。
【図2】図1のシステムにおける農作業管理装置の構成例を示す図である。
【図3】区画情報の蓄積および表示処理例を説明する図である。
【図4】図2の農作業管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【図5】図1におけるシステムの動作例を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 農作業管理装置
11 入出力部
12 区画情報設定部
13 区画情報制御部
14 区画情報蓄積部
15 農作業作物記録情報付加部
16 区画解除日付加部
17 検索部
171 作物依存区画情報検索部
172 区画情報表示部
173 農場依存区画情報検索部
174 区画識別情報表示部
175 区画識別情報特定部
18 気象情報蓄積部
2 通信端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農場における農作業を管理する農作業管理方法であって、
農場の農場名と、前記農場で栽培する作物の区画を設定した区画設定日と、前記区画を識別する区画識別情報と、前記作物の作物名と、前記作物の栽培者に関わる栽培者情報とを含む区画情報を蓄積する区画情報蓄積ステップと、
前記区画において実施した農作業を示す農作業情報あるいは、および前記作物の状態を記録した作物記録情報を前記区画情報に付加する農作業作物記録情報付加ステップと、
前記区画を解除した場合は解除した区画解除日を前記区画情報に付加する区画解除日付加ステップと、
前記作物名をもとに前記農作業情報あるいは、および前記作物記録情報を検索する場合は、前記作物名に基づき前記区画情報を検索する作物依存区画情報検索ステップと、
前記作物依存区画情報検索により検索された前記区画情報を、前記区画設定日と前記区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する区画情報表示ステップと
を備えることを特徴とする農作業管理方法。
【請求項2】
前記請求項1に記載の農作業管理方法において、前記農場の特定の場所に関わる前記農作業情報あるいは、および前記作物記録情報を検索する場合は、前記農場名に基づき前記区画情報を検索する場所依存区画情報検索ステップと、
前記場所依存区画情報検索により検索された前記区画情報の前記区画識別情報を表示する区画識別情報表示ステップと、
前記表示された区画識別情報を特定する区画識別情報特定ステップと、
前記特定された区画識別情報を含む前記区画情報を、前記区画設定日と前記区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する区画情報表示ステップと
を備えることを特徴とする農作業管理方法。
【請求項3】
農場における農作業を管理する農作業管理装置であって、
農場の農場名と、前記農場で栽培する作物の区画を設定した区画設定日と、前記区画を識別する区画識別情報と、前記作物の作物名と、前記作物の栽培者に関わる栽培者情報とを含む区画情報を設定する区画情報設定手段と、
前記区画情報を蓄積する区画情報蓄積手段と、
前記区画において実施した農作業を示す農作業情報あるいは、および前記作物の状態を記録した作物記録情報を前記区画情報に付加する農作業作物記録情報付加手段と、
前記区画を解除した区画解除日を前記区画情報に付加する区画解除日付加手段と、
前記作物名により前記区画情報を検索する作物依存区画情報検索手段と、
前記作物依存区画情報検索により検索された前記区画情報を、前記区画設定日と前記区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する区画情報表示手段と
を有することを特徴とする農作業管理装置。
【請求項4】
前記請求項3に記載の農作業管理装置において、前記農場名により前記区画情報を検索する場所依存区画情報検索手段と、
前記場所依存区画情報検索により検索された前記区画情報の前記区画識別情報を表示する区画識別情報表示手段と、
前記表示された区画識別情報を特定する区画識別情報特定手段と、
前記特定された区画識別情報を含む前記区画情報を、前記区画設定日と前記区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する区画情報表示手段と
を有することを特徴とする農作業管理装置。
【請求項5】
農場における農作業を管理する農作業管理装置上でコンピュータを機能させるための農作業管理プログラムであって、
農場の農場名と、前記農場で栽培する作物の区画を設定した区画設定日と、前記区画を識別する区画識別情報と、前記作物の作物名と、前記作物の栽培者に関わる栽培者情報とを含む区画情報を設定する区画情報設定手段と、
前記区画情報を蓄積する区画情報蓄積手段と、
前記区画において実施した農作業を示す農作業情報あるいは、および前記作物の状態を記録した作物記録情報を前記区画情報に付加する農作業作物記録情報付加手段と、
前記区画を解除した区画解除日を前記区画情報に付加する区画解除日付加手段と、
前記作物名により前記区画情報を検索する作物依存区画情報検索手段と、
前記作物依存区画情報検索により検索された前記区画情報を、前記区画設定日と前記区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する区画情報表示手段と
をコンピュータに機能させることを特徴とする農作業管理プログラム。
【請求項6】
前記請求項5に記載の農作業管理プログラムにおいて、前記農場名により前記区画情報を検索する場所依存区画情報検索手段と、
前記場所依存区画情報検索により検索された前記区画情報の前記区画識別情報を表示する区画識別情報表示手段と、
前記表示された区画識別情報を特定する区画識別情報特定手段と、
前記特定された区画識別情報を含む前記区画情報を、前記区画設定日と前記区画解除日あるいは検索した検索日との間の気象情報を含む外部情報を付して表示する区画情報表示手段と
をコンピュータに機能させることを特徴とする農作業管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−146425(P2008−146425A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334024(P2006−334024)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(306046519)
【Fターム(参考)】