説明

農作物の保護のための低気泡性調製物

アルキル鎖中に1〜9個の炭素原子を、及びエーテル画分中に1〜20個のアルキレンオキシ単位を含むアルキルエーテル硫酸エステルは、水溶性又は部分的に水溶性である農薬の作用を強化するための低気泡性添加物としての使用に適している。該硫酸エステルは、農作物の保護のための低気泡性調製物の製造を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物保護の分野における活性成分(農薬活性成分、肥料)等の農薬、特に水溶性又は部分的に水溶性の活性のある農作物保護剤成分(「農作物保護における活性成分」とも呼ばれる)のための調製物(製剤)、特に塩形態の活性のある農作物保護剤成分の、特にグルホシネートアンモニウムとも呼ばれるISOに従ったグルホシネートアンモニウム塩等のグルホシネート塩の製剤の技術分野に関する。本発明は、記載された農薬及びその製剤と組み合わせて使用されることが可能であるアジュバントの混合物にも関する。
【背景技術】
【0002】
グルホシネートアンモニウムの水性製剤は、例えば、欧州特許第0048436(A)号、欧州特許第00336151(A)号及び欧州特許第1093722(A)号に由来することが公知である。ここで、植物の緑色部分へ適用されるグルホシネートの生物作用を増強させるのに適した1〜10個のエチレンオキシ単位を有するC12〜C16のアルキル鎖長を有するアルキルエーテル硫酸エステルを使用することが好ましい。これに関連してアルキルエーテル硫酸エステルの作用の特異的な機構は、わかっていない。記載されたアルキルエーテル硫酸エステルと比較すると、他の陰イオン性界面活性剤を含む同程度の界面活性剤の特性(標的植物に散布する噴霧接着)を有する他の添加物は、活性を低下させる。ポリエーテル、グリコール、グリセロール、ミネラルオイル、ミネラルオイル濃縮物、ポリマー、緩衝液及び他の物質等の溶媒特徴を有する物質は、何れの同程度の活性も全て示さない。
【0003】
記載された種類のC12〜C16アルキルエーテル硫酸エステルが製剤中に存在するため、水に希釈した後に適用する場合、及び適用の経過において噴霧する間、消泡剤が添加されない限り、製剤は、好ましくない気泡挙動を示す。
【0004】
従って、結果的にしばしば、噴霧装置の溢流、環境の汚染、農作物への不均一な噴霧沈着、及び噴霧装置中の農作物保護剤成分の残留物となる。
【0005】
水性液体農作物保護剤成分のため、欧州特許第0407874(A)号は、ペルフルオロアルキルホスフィン酸又はペルフルオロアルキルホスホン酸の群由来の効果的な消泡剤を提唱した。この種の消泡剤(例えば、Clariant製の(R)Fluowet PP)は、高い消泡活性剤及び比較的低い施用量の組み合わせによって区別され、消泡剤活性は、異なる温度での長期間の保存、及び製剤に作用する機械的応力の事象においてでさえ安定なままである。さらに、製剤された農作物保護剤成分の生物活性は、消泡剤の含有量によって影響されない。
【0006】
しかしながら、公知のフッ化消泡剤は、全ての施用分野に等しく適していない。このような多くの製剤の場合、例えば、消泡活性は、噴霧液を調製するのに使用される水の硬度(カルシウム及びマグネシウム塩含有量)に依存する。その上、一般的な生態毒性学的考慮から、環境中のフッ化炭化水素の量を低下させることが望ましい。
【0007】
従って、記載された理由のため、良好な技術特性、例えば良好な貯蔵安定性及び均一かつ高い生物活性を有する農薬、例えばグルホシネート等の活性のある農作物保護剤成分、又は肥料の低気泡性製剤が調製できる代替的な溶液が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、農薬調製物、好ましくは、以下を含む活性のある農作物保護剤成分及び/又は肥料等の液体水性農薬調製物を提供する。
【0009】
(a) 1つ又はそれ以上の水溶性又は部分的に水溶性の農薬、好ましくは活性のある農作物保護剤成分及び/又は肥料((a)型の活性成分)、
(b) 所望の場合、1つ又はそれ以上の水不溶性又は概ね水不溶性の農薬、好ましくは活性のある農作物保護剤成分及び/又は肥料((b)型の活性成分)、
(c) アルキル鎖中に1〜9個の炭素原子を、及びエーテル部分中に1〜20個のアルキレンオキシ単位を有し、好ましくは、1〜20個の同一の又は異なるC1〜C4アルキレンオキシ単位を有する(ポリ)アルキレンオキシ基を有し、前記基は、硫酸エステル基で末端をエステル化されたエチレンオキシ基を含有し、
(d) 所望の場合、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性及び/又は双性イオン性界面活性剤、
(e) 所望の場合、水及び
(f) 所望の場合、他の通例の製剤補助剤。
【0010】
消泡剤を含有する本発明の製剤は好ましくは、グルホシネート(塩)、グリフォセート(塩)、パラコート、ジクワット等の塩様(塩含有)水溶性活性成分からなる群由来の(a)型活性成分、特にグルホシネートアンモニウムに適している。適切な活性成分は一般的に、水性噴霧液の調製中に、噴霧液中の活性成分の重量をベースとした1〜100質量%、好ましくは5〜100質量%、より好ましくは10〜100質量%、特に20〜100質量%、非常に特に好ましくは30〜100質量%ほど、好ましくは、実施において通例の活性成分濃度で、一般的に溶解された水性相中に完全に又は部分的に溶解されるものである。このような活性成分の例は、上述の活性のある農作物保護剤成分に加えて、除草剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、駆虫薬及び、植物成長調節剤及び薬害軽減剤、好ましくは、例えばヨードスルフロンメチルナトリウム、イミダクロプリド、チアクロプリド、プロチオコナゾール及びトリアジメノール等の活性成分など、他の活性成分の群に由来するものである。
【0011】
本発明において、室温で、水1Lあたり活性成分10mgより大きい、好ましくは20mg/Lより大きい、特に30mg/Lより大きい水中溶解度を有する活性成分が好ましい。
【0012】
適切なa)型活性成分には、部分的に水溶性の肥料、好ましくは、キレートを含む、尿素又はマクロ若しくはミクロ成分茎葉肥料等の茎葉肥料(植物の葉によって取り込まれる肥料)も含まれる。
【0013】
また、除草剤、殺虫剤及び殺菌剤等の活性のある農作物保護剤成分と、所望の場合、(a)型活性成分としての肥料との組み合わせも適している。
【0014】
本発明の製剤はさらに、水中で広く不溶性である(b)型の活性成分も含み得、例えば、オキシフルオロフェン、カルバメート、チオカルバメート、トリフェニルチン化合物及びトリブチルチン化合物、ハロアセトアニリド、キノリルオキシフェノキシアルカンカルボン酸エステル、キノキサリルオキシフェノキシアルカンカルボン酸エステル、ピリジルオキシフェノキシアルカンカルボン酸エステル、ベンゾキサリルオキシフェノキシアルカンカルボン酸エステル及びベンゾチアゾリルオキシフェノキシアルカンカルボン酸エステル等のフェノキシフェノキシアルカンカルボン酸誘導体及びヘテロアリールオキシフェノキシアルカンカルボン酸誘導体の群由来の除草剤であり、例えば、ジクロホップメチル、フェノキサプロップエチル及びフェノキサプロップ−P−エチルである。本発明において、「水中で概ね不溶性である」とは、水性噴霧液中の活性成分の重量をベースとした、水性噴霧液中の活性成分の1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、特に0.1質量%未満が、好ましくは実施において通例の活性成分濃度で溶解されることを意味するものとして理解されるべきである。
【0015】
本発明において、水1Lあたり活性成分10mg未満の、好ましくは水1Lあたり活性成分2mg未満の水中溶解度を有する活性成分が好ましい。
【0016】
また、異なる溶解度の活性成分を通常含む物質のクラス由来の対応する不溶性の活性成分も適しており、例えば、シクロヘキサンジオン誘導体、イミダゾリノン、ピリミジルオキシピリジンカルボン酸誘導体、ピリミジルオキシ安息香酸誘導体、スルホニル尿素、トリアゾロピリミジンスルホンアミド誘導体、及びS−(N−アリール−N−アルキルカルバモイルメチル)ジチオリン酸エステルである。
【0017】
グルホシネート、グリフォセート、オキシフルオロフェン、ジクロホップメチル、フェノキサプロップ−(P−)−エチル及びその他等の活性成分について記載された共通名称は、当業者に公知であり、例えば、「The Pesticide Manual」British Crop Protection Council、第13版又は第14版、それぞれ2003年及び2006年、又は「The Compendium of Pesticide Common Names」(特にインターネットを通じて入手可能)を参照されたく、名称には、グルホシネート及びグリフォセートの塩等の公知の誘導体、市販の通例の形態が含まれる。
【0018】
相応して、薬害軽減剤、生育調節剤、殺虫剤及び殺菌剤の群由来の活性成分が、構成要素(b)として適切であり、及び/又は構成要素(a)として良好な水溶解度を付与されることも可能である。
【0019】
使用される(a)型及び(b)型の活性成分の性質は、農薬製剤を使用する分野、好ましくは農作物保護剤成分又は肥料を決定する。例えば、多くの農作物保護剤成分は、有害な生物の防除に関する。除草剤の場合、望ましくない植物は、農作物保護剤成分又は農薬製剤を使用することによって防除されることが可能な有害な生物の種類であり、殺虫剤の場合、有害な生物は、有害な昆虫であり、殺菌剤の場合、有害な生物は、有害な菌類である。また、成分の混合物、従って、施用分野の組み合わせも、本発明において適切である。
【0020】
式(1)
【化1】

(式中、
1は、式−OM、−NHCH(CH3)CONHCH(CH3)CO2M又は−NHCH(CH3)CONHCH[CH2CH(CH32]CO2Mのラジカルであり、ここで、
M=H又は塩形成陽イオン
である)
の1つ若しくはそれ以上の化合物又はその塩
【0021】
及び/又は式(2)
【化2】

(式中、
2は、式CN又はCO21のラジカルであり、式中、R1=Q又は塩形成陽イオン及びQ=H、アルキル、アルケニル、アルコキシアルキル又は、非置換型若しくは置換型であり、好ましくは非置換型若しくはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、CF3、NO2及びCNからなる群由来の1つ若しくはそれ以上のラジカルによって置換されたC6−C10アリールであり、並びに、
2、R3は、各々互いに独立して、H、アルキル、非置換型若しくは置換型であり、好ましくは非置換型若しくはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、CF3、NO2及びCNからなる群由来の1つ又はそれ以上のラジカルによって置換されたC6−C10アリール、又はビフェニル若しくは塩形成陽イオンである)
の1つ若しくはそれ以上の化合物又はその塩を含む群由来の(a)型の活性成分を有する製剤が好ましい。
【0022】
好ましくは、Q、R2又はR3と結合した炭素含有ラジカルは、10個までの炭素原子、特に6個までの炭素原子を有する。
【0023】
式(1)の化合物には、不斉炭素原子が含まれる。L型鏡像体は、生物学的に活性のある異性体として見なされる。従って、式(1)は、全ての立体異性体及びその混合物、特に各場合におけるラセミ化合物及び生物活性のある鏡像体を包含する。式(1)の活性成分の例は、次のとおりである:
・ラセミ化合物形態のグルホシネート及びそのアンモニウム塩、すなわち、2−アミノ−4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]ブタン酸及び、アンモニウム塩又はナトリウム塩等のその塩、
・グルホシネートのL型鏡像体及び、アンモニウム塩又はナトリウム塩等のその塩、
・ビラナホス/ビアラホス、すなわちL−2−アミノ−4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]ブタノイル−L−アラニニル−L−アラニン及びそのナトリウム塩。
【0024】
グルホシネートアンモニウムのラセミ化合物はそのままで、通常、200〜1000g a.i./ha(すなわち、1ヘクタールあたりの活性成分のg)の薬量で供給される。これらの薬量において、グルホシネートアンモニウムは、植物の緑色部分によって取り込まれる場合、特に効果的であり、「The Pesticide Manual」第13版又は第14版、British Crop Protection Council 、それぞれ2003年及び2006年を参照されたい。グルホシネートアンモニウムは主として、プランテーション農作物における及び非耕作地における広葉及びイネ科の草を防除するために、また、特殊な施用技術を使用して、トウモロコシ、ワタ等の耕作に適した農作物において条間防除するために使用される。その使用はまた、活性成分に対して耐性のある又は抵抗性のある形質転換農作物、例えば、(R)LibertyLinkアブラナ、(R)LibertyLinkトウモロコシ又は(R)LibertyLinkワタ等のグリフォセート耐性農作物において有意性を増大させる。
【0025】
式(2)の化合物は、N−(ホスホノアルキル)グリシンを含み、従って、アミノ酸であるグリシンの誘導体を含む。N−(ホスホノメチル)グリシン(グリフォセート)の除草特性は、例えば、米国特許第3799758号に記載されている。
【0026】
農作物保護製剤において、グリフォセートは、水溶性の塩の形態で一般的に使用され、特に、イソプロピルアンモニウム塩は、本発明との関係で重要であり、「The Pesticide Manual」第13版又は第14版、British Crop Protection Council、それぞれ2003年及び2006年をそれぞれ参照されたい。グルホシネートアンモニウムと同様に、グリフォセートイソプロピルアンモニウムは、プランテーション農作物における及び非耕作地における広葉及びイネ科の草を防除するのに使用される。その使用はまた、活性成分に対して耐性のある又は抵抗性のある形質転換農作物、例えば、(R)Roundup-Readyトウモロコシ、(R)Roundup-Readyダイズ、(R)Roundup-Readyアブラナ及び(R)Roundup-Readyワタ等のグリフォセート耐性農作物において有意性を増大させる。
【0027】
本発明の構成要素(c)は、アルキル鎖中に1〜9個の炭素原子及び、エーテル部分中に1〜20個のアルキレンオキシ単位、好ましくは1〜12個のアルキレンオキシ単位を有するアルキルエーテルに関するものであり、アルキルエーテル硫酸エステルという用語は、一般的に末端の硫酸エステル基を有する(C1−C9)アルキル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステルの群由来の化合物を指す。
【0028】
(ポリ)アルキレンオキシ基は、同一又は異なったアルキレンオキシ単位を含有し得、例えば、手短に「エチレンオキシ基」又は「EO」とも呼ばれる1,2−エチレンオキシ[−CH2CH2−O−]1,2−プロピレンオキシ[−CH(CH3)CH2−O−]、2,3−プロピレンオキシ[−CH2CH(CH3)−O−]、1,2−ブチレンオキシ[−CH2CH(C25)−O−]、2,3−ブチレンオキシ[−CH(CH3)CH(CH3)−O−]、3,4−ブチレンオキシ[−CH(C25)CH2−O−]、1,1−ジメチル−1,2−エチレンオキシ[−C(CH32CH2−O−]及び2,2−ジメチル−1,2−エチレンオキシ[−CH2C(CH32−O−]等のC1−C4−アルキレンオキシ単位を含有し得る。
【0029】
本発明において、硫酸エステル基でエステル化された1,2−エチレンオキシ基を末端に含有する(ポリ)アルキレンオキシ基が好ましく、すなわち、硫酸エステル基を抱える最後のアルキレンオキシ単位が好ましくは、EO単位である。
【0030】
特に好ましい構成要素(c)は、1〜20個のEO、好ましくは1〜10個のEOを有する(C1−C9)アルキル(ポリ)エチレングリコールエーテル硫酸エステルである。
【0031】
3個又はそれ以上の炭素原子を有する基の場合、(C1−C9)アルキル基中のアルキルラジカルは、直鎖又は分枝鎖であり得る。
【0032】
アルキルエーテル硫酸エステルは、陰イオン性界面活性剤である。これらの陰イオン性化合物中の適切な対イオンは一般的に、農業において使用するのに適した全ての陽イオンであり、例えば、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属陽イオン、マグネシウム又はカルシウム等のアルカリ土類金属陽イオン、アルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム等のアンモニウム又は有機的に置換されたアンモニウムイオン、例えば、トリメチルアンモニウム、イソプロピルアンモニウムである。(スルホセート由来が公知の)トリメシウムイオン又はアルコキシル化されたアンモニウムイオン等の他の陽イオン性の基も適している。
【0033】
適切なアルキルエーテル硫酸エステルは、例えば、
メチル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル、
エチル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル、
n−プロピル又はイソプロピル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル等のプロピル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル、
n−ブチル、イソブチル、第二級ブチル又は第三級ブチル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル等のブチル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル、
n−ペンチル又はイソペンチル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル等のペンチル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘキシル、1−メチルペンチル又はイソヘキシル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル等のヘキシル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘプチル又は1−メチルヘキシル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル等のヘプチル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル、
n−オクチル、イソオクチル又は2−エチルヘキシル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル等のオクチル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル、
n−ノニル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル等のノニル(ポリ)グリコールエーテル硫酸エステル
であり、各々、1〜20個のアルキレングリコール単位の(ポリ)グリコールエーテル部分を含有し、その中で、好ましいと記載される(ポリ)アルキレングリコール基が好ましい。より好ましいのは、1〜10個のエチレンオキシ単位(より特別には、1,2−エチレンオキシ単位)の(ポリ)グリコールエーテル部分である。対イオンは好ましくは、ナトリウム、カリウム及びアンモニウムイオンである。構成要素(c)の特定の例は、以下の表A1に列挙される。
【0034】
表A1は、式(A1)
【化3】

(式中、
Rは、アルキル基であり、
nは、1〜10の整数であり、及び(ポリ)エチレンオキシ架橋中のエチレンオキシ単位数を示し、並びに
(+)は、陽イオンであり、好ましくはH(+)又は金属イオン又はアンモニウムイオンであり、式中、各化合物のR及びnは、個々の化合物名において特に示される)
のアルキル(ポリ)エチレングリコールエーテル硫酸エステルを列挙する。
【0035】
表A1:特定のエチレングリコールエーテル硫酸エステル
メチルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
メチルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
メチルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
メチルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
メチルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
メチルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
メチルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
メチルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
メチルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
メチルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
エチルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
エチルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
エチルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
エチルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
エチルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
エチルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
エチルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
エチルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
エチルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
エチルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−プロピルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−プロピルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−プロピルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−プロピルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−プロピルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−プロピルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−プロピルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−プロピルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−プロピルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−プロピルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
【0036】
イソプロピルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソプロピルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソプロピルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソプロピルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソプロピルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソプロピルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソプロピルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソプロピルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソプロピルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソプロピルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ブチルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ブチルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ブチルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ブチルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ブチルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ブチルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ブチルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ブチルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ブチルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ブチルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソブチルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソブチルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソブチルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソブチルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソブチルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソブチルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソブチルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソブチルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソブチルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソブチルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
【0037】
第二級ブチルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第二級ブチルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第二級ブチルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第二級ブチルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第二級ブチルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第二級ブチルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第二級ブチルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第二級ブチルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第二級ブチルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第二級ブチルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第三級ブチルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第三級ブチルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第三級ブチルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第三級ブチルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第三級ブチルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第三級ブチルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第三級ブチルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第三級ブチルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第三級ブチルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
第三級ブチルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ペンチルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ペンチルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ペンチルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ペンチルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ペンチルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ペンチルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ペンチルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ペンチルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ペンチルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ペンチルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
【0038】
イソペンチルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソペンチルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソペンチルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソペンチルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソペンチルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソペンチルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソペンチルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソペンチルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソペンチルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
イソペンチルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘキシルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘキシルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘキシルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘキシルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘキシルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘキシルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘキシルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘキシルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘキシルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘキシルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘプチルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘプチルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘプチルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘプチルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘプチルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘプチルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘプチルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘプチルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘプチルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ヘプチルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−オクチルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−オクチルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−オクチルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−オクチルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−オクチルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−オクチルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−オクチルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−オクチルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−オクチルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−オクチルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
【0039】
2−エチルヘキシルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
2−エチルヘキシルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
2−エチルヘキシルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
2−エチルヘキシルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
2−エチルヘキシルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
2−エチルヘキシルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
2−エチルヘキシルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
2−エチルヘキシルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
2−エチルヘキシルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
2−エチルヘキシルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ノニルエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ノニルジエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ノニルトリエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ノニルテトラエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ノニルペンタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ノニルヘキサエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ノニルヘプタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ノニルオクタエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ノニルノナエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
n−ノニルデカエチレングリコールエーテル硫酸エステル、
各場合において、それらの何れかの塩及び混合物が好ましく、より好ましくは、それらのアルカリ金属塩であり、ここで、M(+)=アルカリ金属陽イオン又はアンモニウム塩であり、好ましくはM+=対イオンとしてのNH4+が適しており、特にそれらのナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩であり、特に、それらのナトリウム塩が好ましい。
【0040】
次に、特別な塩が、表A1に対応する個々の化合物のリストを構成し、ここで、参照目的のために、ナトリウム塩によって(個々に反復されない)表A1に対応する表A2が作成され、カリウム塩が、表A1に対応する表A3を構成し、アンモニウム塩が、表A1に対応する表A4を構成し、ここで、エーテル硫酸エステルの代わりに、エーテル硫酸エステルナトリウム塩又はエーテル硫酸エステルカリウム塩、又はエーテル硫酸エステルアンモニウム塩が列挙される。
【0041】
上述の表A2、A3及びA4のエーテル硫酸エステルのナトリウム塩及びカリウム塩及び/又はアンモニウム塩の混合物も、特に好ましい。
【0042】
記載された添加物(c)のうち、アルキルラジカル中で4〜8個の炭素原子、特に6〜8個の炭素原子を有し、及び1〜10個のエチレンオキシ単位を有する化合物が好ましい。直鎖アルキルラジカルを有する添加物も好ましい。
【0043】
化合物は、新規であり、そして/又は比較的長いアルキル鎖を有するアルキルエーテル硫酸エステルに関して公知の方法と同様に製造することが可能ある。従って、本発明は、構成要素(c)の新規の化合物も提供する。
【0044】
構成要素(d)として、調製物は、所望の場合、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性及び/又は双性イオン性界面活性剤を含み得る。これらの化合物は、特に、使用されるアルキルエーテル硫酸エステルが、非常に短いアルキルラジカルを含有する場合、所望のレベルへ表面活性を増大又は調整するのに役立ち得る。
【0045】
構成要素(d)に適切な界面活性剤は、例えば、次のものである(各場合において、界面活性剤分子中の調製物又は対応するアルキレンオキシ単位に関する、EO=酸化エチレン単位、PO=酸化プロピレン単位及びBO=酸化ブチレン単位)。
【0046】
d1) 例えば、以下のものなどの陰イオン性界面活性剤:
d1−1) Genapol(R)LRO、Sandopan(R)等級、Clariant製のHostaphat/Hordaphos(R)等級等の、エーテルカルボン酸エステル、スルホン酸エステル、硫酸エステル及びリン酸エステルの形態にある何れかのオーダーの0〜60個のEO及び/又は0〜20個のPO及び/又は0〜15個のBOを有する10〜24個の炭素原子を有する脂肪アルコールの陰イオン性誘導体並びにそれらの無機塩(例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属)及び有機塩(例えば、アミン又はアルカノールアミンをベースにしたもの);
d1−2) エーテルカルボン酸エステル、スルホン酸エステル、硫酸エステル及びリン酸エステルの形態にある分子量400〜108のEO、PO及び/又はBO単位から構成される共重合体の陰イオン性誘導体並びにそれらの無機塩(例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属)及び有機塩(例えば、アミン又はアルカノールアミンをベースにしたもの);
d1−3) エーテルカルボン酸エステル、スルホン酸エステル、硫酸エステル及びリン酸エステルの形態にあるC1−C9アルコールの酸化アルキレン付加物の陰イオン性誘導体並びにそれらの無機塩(例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属)及び有機塩(例えば、アミン又はアルカノールアミンをベースにしたもの)(ただし、それらの構造は、構成要素(c)のアルキルエーテル硫酸エステルの定義に含まれない限り);
d1−4) エーテルカルボン酸エステル、スルホン酸エステル、硫酸エステル及びリン酸エステルの形態にある脂肪酸アルコキシラートの陰イオン性誘導体並びにそれらの無機塩(例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属)及び有機塩(例えば、アミン又はアルカノールアミンをベースにしたもの)。
【0047】
好ましい陰イオン性界面活性剤は、
アルキルポリグリコールエーテル硫酸エステル、特に脂肪アルコールジエチレングリコールエーテル硫酸エステル(例えば、Genapol LRO(R)、Clariant)、
又はアルキルポリグリコールエーテルカルボン酸エステル(例えば、2−(イソトリデシルオキシポリエチレンオキシ)−エチルカルボキシメチルエーテル、Marlowet 4538(R)、Huels)
であり、ここで、さらなる陰イオン性界面活性剤の量及び種類は、製剤の許容できない気
泡が生じないよう都合よく選択される。
【0048】
d2) 例えば、以下のものなどの陽イオン性又は双性イオン性界面活性剤:
d2−1) 脂肪アミンの酸化アルキレン付加物、8〜22個の炭素原子を有する第四級アンモニウム化合物、例えば、Clariant製のGenamin(R)C、L、O及びTなど。
【0049】
d2−2) Goldschmidt製のTegotain(R)等級、Clariant製のHostapon(R)T及びArkopon(R)Tの形態にあるタウリド、ベタイン及びスルホベタイン等の界面活性双性イオン化合物。
【0050】
d3) 例えば、以下のものなどの非イオン性界面活性剤:
d3−1) 何れかのオーダーの0〜60個のEO及び/又は0〜20個のPO及び/又は0〜15個のBOを有する8〜24個の炭素原子を有する脂肪アルコール。このような化合物の例は、Clariant製のGenapol(R)C、L、O、T、UD、UDD及びX等級及びBASF製のPlurafac(R)及びLutensol(R)A、AT、ON及びTO、Condea製のMarlipal(R)24及びO13等級、Henkel製のDehypon(R)等級、及びEthylan CD 120などAkzo-Nobel製のEthylan(R)等級である;
d3−2) Condea製のSerdox(R)NOG等級又はClariant製のEmulsogen(R)等級等の脂肪酸アルコキシラート及びトリグリセリドアルコキシラート;
d3−3) Henkel製のComperlan(R)等級及びRhodia製のAmam(R)等級等の脂肪酸アミドアルコキシラート:
d3−4) Air Products製のSurfynol(R)等級等のアルキンジオールの酸化アルキレン付加物;Clariant製のアミノ糖及びアミド糖等の糖誘導体;
d3−5) Clariant製のグルシトール;
d3−6) Goldschmidt製のTegopren(R)等級及びWacker製のSE(R)等級、及びまたRhodia(Dow Corning, Reliance, GE, Bayer)製のBevaloid(R)、Rhodorsil(R)、及びSilcolapse(R)等級等のシリコーンベース及び/又はシランベースの界面活性化合物
d3−7) 例えば、Bayer製の界面活性スルホンアミド;
d3−8) BASF製のSokalan(R)等級等の界面活性ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸誘導体;
d3−9) Bayer製の修飾されたゼラチン又は誘導体化されたポリアスパラギン酸並びにそれらの誘導体等の、界面活性ポリアミド、
d3−10) BASF製のLuviskol(R)等級及びISP製のAgrimer(R)等級等の修飾されたPVP、又はClariant製のMowilith(R)等級等の誘導体化された酢酸ポリビニル、又はBASF製のLutonal(R)等級、Wacker製のVinnapas(R)及びPioloform(R)等級等の酪酸ポリビニル、又はClariant製のMowiol(R)等級等の修飾されたポリビニルアルコールなどの、界面活性ポリビニル化合物、
d3−11) 無水マレイン酸及び/又は無水マレイン酸の反応生成物ベースの界面活性ポリマー、及びまた、ISP製のAgrimer(R)VEMA等級等の、無水マレイン酸共重合体及び/又は無水マレイン酸の反応生成物を含有する共重合体、
d3−12) Clariant製のHoechst(R)ワックス又はLicowet(R)等級等の、モンタンワックス、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスの界面活性誘導体、
d3−13) Clariant製のPolyglycol (R)等級等のポリオールベースの酸化アルキレン付加物;
d3−14) Clariant製の界面活性ポリグリセリド及びその誘導体。
【0051】
d3−15) Uniqema製のAtplus(R)範囲、好ましくはAtplus 435由来のもの等のアルキル多糖及びその混合物、
d3−16) Henkel製のAPG(R)等級の形態にあるアルキルポリグリコシド、例えば、(R)Plantaren APG 225(脂肪アルコールC8−C10グルコシド)、
d3−17) Uniqema製のSpan(R)又はTween(R)等級の形態にあるソルビタンエステル、
d3−18) Wacker製のシクロデキストリンエステル又はエーテル、
d3−19) Clariant製のTylose(R)等級、Kelco製のManutex(R)等級及びCesalpina製のグアー誘導体等の、界面活性セルロース誘導体並びにアルギン、ペクチン及びグアー誘導体、
d3−20) Glucopon(R) 225 DK及びGlucopon(R) 215 CSUP(Cognis)等のC8−C10脂肪アルコールベースのアルキルポリグリコシド−アルキル多糖混合物。
【0052】
構成要素(e)として、本発明の調製物は、所望の場合、水を含み得る。水性製剤、液体製剤、濃縮製剤、貯蔵の安定した製剤が好ましい。すぐに使える散布水溶液も、本発明の製剤として考慮されるべきである。
【0053】
同様に、適用のためにのみ散布液を形成するために水で希釈される粉剤又は粒剤又は乳剤等の、水を含まない又は低水分の製剤も、本発明に従っている。
【0054】
構成要素(f)として、本発明の調製物は、溶媒、不活性材料等の、増粘剤、湿展剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、保存剤及び凍結防止剤、充填剤、担体及び着色剤、蒸発阻害剤及びpH変更剤(緩衝液、酸及び塩基)又は粘性変更剤(例えば、増粘剤)等の通例の他の製剤補助剤を含み得、所望の場合、消泡剤も含み得、後者は、たとえあったとしても減少した量においてのみ適している。
【0055】
通例の製剤補助剤(f)は、例えば、不活性材料、凍結防止剤、蒸発阻害剤、保存料、着色料等であり、記載された好ましい製剤補助剤(f)は、
・例えば2〜10質量%の量のグリセロール又はエチレングリコール等の凍結防止剤及び蒸発阻害剤、並びに
・保存剤、例えばMergal K9N(R)(Riedel)又はCobate C(R)
である。
【0056】
可能性のある構成要素(f)は、たとえば、有機溶媒又は無機溶媒又はそれらの混合物である。一般的に、前記構成要素は、液体調製物の場合、溶媒として水(構成要素(e))を含む。しかしながら、特別な施用に関しては、粉剤又は粒剤も可能である。非極性又は極性有機溶媒等の有機溶媒ベースの水を含まない調製物でさえ、可能である。
【0057】
本発明の意味における比較的非極性の溶媒の例は、
・例えば、ミネラルオイル又はトルエン、キシレン及びナフタレン誘導体等の脂肪族又は芳香族炭化水素、
・塩化メチレン又はクロロベンゼン等のハロゲン化脂肪族又は芳香族炭化水素、
・油、例えば、トウモロコシ胚芽油及びナタネ油等の植物油、又はナタネ油メチルエステル等の油誘導体
である。
【0058】
本発明の文脈において、「極性有機溶媒」という用語は、例えば、極性プロトン溶媒又は非プロトン極性溶媒及びそれらの混合物を指す。本発明の意味における極性溶媒の例は、
・例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びブタノール等の低級アルカノール、又はエチレングリコール、グリセロール等の多価アルコール等の脂肪族アルコール、
・テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びアルキレングリコールジアルキルエーテル等の極性エーテル、例えば、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル又はエチレングリコールモノエチルエーテル、ジグリム及びテトラグリム等;
・ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルカプリルアミド、ジメチルカプリンアミド(Hallcomide(R))及びN−アルキルピロリドン等のアミド;
・アセトン等のケトン;
・グリセロールモノ−、ジ−及びトリ酢酸エステル等のグリセロール及びカルボン酸ベースのエステル、
・ラクタム
・エステル部分中に1〜10個の炭素原子の鎖の長さを有する乳酸エステル、
・炭酸ジエステル;
・アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル;
・ジメチルスルホキシド(DMSO)及びスルホラン等のスルホキシド及びスルホン
である。
【0059】
メタノール、エタノール、n−及びイソプロパノール、n−、イソ−、t−及び2−ブタノール等のアルコールをさらに含む異なる溶媒の組み合わせもしばしば適している。
【0060】
単一相の有機水溶液の場合において、完全に又は概ね水混和性の溶媒又は溶媒混合物が適している。
【0061】
本発明の意味における好ましい有機溶媒は、N−メチルピロリドン及びDowanol(R) PM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)等の極性有機溶媒である。
【0062】
特に界面活性剤等の、上述の製剤を調製するのに必要とされる補助剤は、概ね公知であり、例えば、McCutcheon's “Detergents and Emulsifiers Annual”, MC Publ. Corp., Ridgewood N.J.; Sisley and Wood、“Encyclopedia of Surface Active Agents”, Chem. Publ. Co. Inc., N.Y. 1964、Schoenfeldt, “Grenzflaechenaktive Aethylenoxidaddukte” [“Surface-Active Ethyleneoxide Adducts”], Wiss. Verlagsgesellschaft, Stuttgart 1976、Winnacker-Kuechler, “Chemische Technologie” [“Chemical Technology”], Volume 7, C. Hanser-Verlag, Munich, 4th Edition 1986及びこれらの各々において引用される参考文献において記載されている。
【0063】
本発明は、所望の場合、他の界面活性剤との組み合わせで、農薬の活性を増強させるための低気泡性添加物、好ましくは水溶性又は部分的に水溶性である活性のある農作物保護剤成分及び/又は肥料、好ましくは記載される活性成分(a)としてのアルキルエーテル硫酸エステルの使用も提供する。これには、散布液における又は散布液を調製するために企図される調製物における本発明の使用も含まれ、散布液中の活性成分は好ましくは、完全に又は部分的に水溶性であり、すなわち散布液中の活性成分の重量をベースにした一般的には1〜100質量%の量で、好ましくは5〜100質量%の量で、より好ましくは10〜100質量%の量で、特に20〜100質量%の量で、非常に特に好ましくは30〜100質量%の量であり、好ましくは、実施において通例の活性成分濃度である。これに関連して、上述の活性成分(a)及び好ましいと記載される活性成分が好ましい。
【0064】
本発明において、化合物は、単一化合物製剤及び活性成分の同時製剤の両者で製造することが可能であり、又はタンク混合方法における添加物として使用することが可能である。
【0065】
界面活性特性によって、アルキルエーテル硫酸エステル(c)は、種類a)及び種類b)の活性成分の植物中への取り込み、特に植物の葉を介する取り込みを加速し、従って、活性成分のより良好な作用に寄与する。驚くべきことに、本発明に従って使用されるアルキルエーテル硫酸エステルc)の界面活性特性は、調製物又は散布液の気泡に対してかなり低下した傾向を伴って作用面において好ましい改良を生じる。
【0066】
調製物中のアルキルエーテル硫酸エステルの量は、散布液を調製する場合、泡立たない又は比較的ほとんど泡立たない散布液が生じるよう、都合よく選択される。量は一般的に、アルキル部分中の選択された鎖の長さ及びエーテル硫酸エステル部分中のアルキレンオキシ単位又はEO単位の数に依存する。
【0067】
(活性成分の100%をベースとした)活性成分(a):(洗剤物質をベースとした)アルキルエーテル硫酸エステルの重量比は、広範な範囲内で変動し得、好ましくは1:0.1〜1:10の範囲にあり、特に1:0.5〜1:5である。
【0068】
構成要素混合物の助けをかりて、濃縮された低気泡性調製物、好ましくは農薬、好ましくは以下を含むグルホシネートアンモニウム等の塩形質の活性型農作物保護剤成分の濃縮された低気泡性液体水性調製物を調製することが可能である。
【0069】
(a) 水溶性又は部分的に水溶性の農薬、好ましくは活性型農作物保護剤成分又は肥料の1〜40質量%、好ましくは2〜30質量%、特に5〜20質量%((a)型の活性成分)、
(b) 水不溶性又は概ね水不溶性の農薬、好ましくは活性型農作物保護剤成分又は肥料の0〜40質量%、好ましくは0〜20質量%、特に0〜10質量%((b)型の活性成分)、
(c) アルキル鎖中の1〜9個の炭素原子及び1〜20個のアルキレンオキシ単位を有するアルキルエーテル硫酸エステルの0.1〜99質量%、好ましくは1〜80質量%、特に2〜70質量%、非常に特に好ましくは5〜60質量%、
(d) 陰イオン性、非イオン性、陽イオン性及び/又は双性イオン性界面活性剤の0〜25質量%、好ましくは0〜20質量%、特に1〜20質量%、非常に特に好ましくは3〜15質量%、
(e) 水の0〜95質量%、好ましくは0.1〜90質量%、より好ましくは5〜85質量%、特に10〜60質量%及び
(f) 他の通例の製剤補助剤の0〜50質量%、好ましくは0〜20質量%、好ましくは0〜15質量%。
【0070】
「質量%」とは、各場合において、「重量による%」、すなわち、構成成分の重量と調製物の重量との%における比を意味する。
【0071】
構成要素の量が、好ましいとして記載される構成要素の部分の2つ又はそれ以上の組み合わせからなる製剤も好ましい。
【0072】
本発明の液体製剤は、概ね通例の方法によって、すなわち、構成要素を撹拌又は振盪しながら混合することによって、又は静的混合方法によって調製されることが可能である。得られた液体製剤は、良好な貯蔵特性を有して安定である。
【0073】
本発明はさらに、記載された濃縮農薬製剤、好ましくは農作物保護剤成分製剤若しくは肥料を調製するために、又は農薬、好ましくは活性型農作物保護剤成分製剤若しくは肥料とのタンク混合物を調製するために使用することが可能であり、又はさもなくば植物に若しくは植物が生育している土壌に活性成分(好ましくは記載された活性成分(a))の施用とは別個に、同時に又は連続して施用され得る低気泡性液体アジュバント製剤を提供する。
【0074】
この種類のアジュバント製剤は、
(c) アルキル鎖中に1〜9個の炭素原子を、エーテル部分中に1〜20個のアルキレンオキシ単位を有するアルキルエーテル硫酸エステル、
(d) 所望の場合、非イオン性、陽イオン性及び/又は双性イオン性界面活性剤、
(e) 水及び
(f) 所望の場合、他の通例の製剤補助剤
を含み、構成要素(c)、(d)、(e)、(f)は、活性成分を含む上述の農作物保護剤成分製剤に関して定義されるとおりである。
【0075】
好ましい液体アジュバント製剤は、
(c) アルキル鎖中の1〜9個の炭素原子及び1〜20個のアルキレンオキシ単位を有するアルキルエーテル硫酸エステルの0.1〜99.9質量%、より好ましくは0.1〜99質量%、好ましくは1〜80質量5、特に2〜70質量%、非常に特に好ましくは5〜60質量%、
(d) 陰イオン性、非イオン性、陽イオン性及び/又は双性イオン性界面活性剤の0〜50質量%、好ましくは0〜30質量%、特に1〜25質量%、非常に特に好ましくは5〜20質量%、
(e) 水の0.1〜99.9質量%、より好ましくは0.1〜95質量%、好ましくは5〜90質量%、好ましくは水の10〜75%、
(f1)極性有機溶媒の0〜60質量%、好ましくは0〜40質量%、特に0〜30質量%及び
(f) 他の通例の製剤補助剤の0〜20質量%、好ましくは0〜15質量%
を含む。
【0076】
活性成分及びアジュバント製剤を含む液体製剤は、良好な貯蔵特性を有する低気泡性製剤である。多くの場合、前記製剤は、施用に当り非常に好ましい技術特性を有する。例えば、タンク混合物を調製する場合又は製剤を散布によって施用する場合と同様に、水で希釈する場合、製剤は、気泡を生じる傾向が低いことによって区別される。活性成分/活性成分製剤と共に使用する場合、活性成分及びアジュバント製剤を有する製剤は、長鎖アルキルエーテル硫酸エステルを含む公知の製剤と比較して、非常に良好な生物活性も示す。
【0077】
従って、本発明の製剤は、適宜、水による希釈後に、製剤が植物、植物の部分又は栽培下の領域へ施用される農作物保護において使用するのに特に適している。
【0078】
除草活性成分(a)及び/又は(b)の場合、製剤は、非栽培地及び耐性のある農作物の両者において望ましくない植物の生育を防除するのに非常に適している。
【0079】
a)型の活性成分としての又は殺虫剤、殺菌剤若しくは肥料の活性成分としての選択的除草剤の使用の場合、本発明の調製物は、例えば、穀類(コムギ、オオムギ、ライコムギ、ライムギ、コメ、トウモロコシ、アワ)、サトウダイコン、サトウキビ、アブラナ、ワタ、ヒマワリ、エンドウマメ、マメ及びダイズ等の経済的に重要な農作物における活性成分に関して通例の単子葉及び双子葉農作物における低気泡性かつ非常に活性のある製剤として、単独で又は組み合わせで使用することが可能である。本発明において、トウモロコシ及びコメを含む穀類(コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、モロコシ)等の単子葉農作物及び単子葉野菜農作物における使用、しかしまた、例えばダイズ、アブラナ、ワタ、ブドウ、野菜植物、果実植物及び観賞用植物等の双子葉農作物における使用は、特に関心対象である。
【0080】
好ましい活性成分a)の場合、調製物は、単独で又は他の活性成分a)及び/又は肥料との組み合わせで、非耕作地、有用な植物及び観賞用植物の区画において又は適切な耐性農作物において使用されることが可能である。本発明において、農場農作物の生産のためのLibertyLink(R)又は(R)Roundup-Ready農作物等の記載された有用な植物の耐性農作物に加え、芝等の、鑑賞用及び有用領域の農作物も関心対象である。肥料を有し又は有さないグルホシネート(−アンモニウム)を含む本発明の製剤は、例えば、鑑賞用又は有用領域、特に、ライグラス、牧草又はバーミューダグラス、好ましくは特にグルホシネート耐性芝での有害植物の防除における使用に適している。
【0081】
以下の実施例において、記載される量は、別段の記載がなければ重量に基づいている(b.w.=重量による)。表1及び2の例は、本発明の安定した組成物に関する。
【0082】
〔実施例)
【表1】

【0083】
【表2】

【0084】
気泡検査
撹拌しながら、表1及び2由来の問題の濃縮された液体農作物保護剤製剤を、1%強度の溶液へ希釈し、形成された気泡の容積を容積mLで1分後、3分後及び12分後に測定した(CIPAC MT 47.2に従った気泡評価を参照されたい)。あるいは、問題の添加物を2g/Lでそのままで溶解し、形成された気泡の容積を容積mLで1分後、3分後及び12分後に測定した。
【0085】
アルキルエーテル硫酸エステルが、C12/C14脂肪アルキオールジエチレングリコールエーテル硫酸エステルによって置換された製剤との比較において、表1及び表2由来のアルキルエーテル硫酸エステルを有する製剤は、気泡の形成がかなり低かった。気泡の形成は、実質的に防止され、すなわち、表1及び2の製剤に関して、3分後に水中のアルキルエーテル硫酸エステル0.2〜5g/Lの量で混合する場合、各場合において、15mL未満の気泡の容積となり、12分後、0mLの気泡容積となったのに対し、AESとしてC12/C14脂肪アルコールジエチレングリコールエーテル硫酸エステルを有する対応する製剤0.2〜5g/Lの量は、3分後及び10分後の両者で、100mLの気泡の最大容積を有した。
【0086】
検査において、C12/C14脂肪アルコールジエチレングリコールエーテル硫酸エステルは、2g/Lで、12分後でさえ100mLの気泡の最大容積を有したのに対し、各場合における表1及び2由来のアルキルエーテル硫酸エステルに関し、12分後に測定された気泡の容積は0mLであり、3分後でさえ、気泡の測定された容積は、10mL未満であった。本気泡検査において、C12/C14脂肪アルコールジエチレングリコールエーテル硫酸エステル及びシリコーンベースの消泡剤(例えば、Rhodorsil(R)の種類)を有する製剤は、3分後、なおも100mLの気泡の容積を有していた。対照的に、消泡剤のさらなる添加がなくても、本発明のアルキルエーテル硫酸エステルを有する製剤は、3分後でさえ、気泡の形成を実質的に示さなかった。
【0087】
生物学的実施例
1)雑草の防除のためのグルホシネートの使用
表1の製剤を水で希釈し、天然条件下で出現した有害な植物の領域を含有する非耕作地へ、200L/haの水施用量で適用した。4週間後の評価は、有害植物の緑色部分が死滅し、従って、効果的な有害植物防除が達成されたことを示した。
【0088】
2)雑草の防除のためのグルホシネートの使用
表1及び2の製剤を水で希釈し、天然条件下で出現した単子葉及び双子葉の有害植物の領域を有する非耕作地への適用に関し、グルホシネートの通例の施用量(300〜1000g/ha)で、水施用量を200〜400L/haとした。5週間後の活性の評価は、有害植物の緑色部分が死滅し、従って、効果的な有害植物防除が達成されたことを示した。例えば、表1の第1〜8列及び第1〜9列の製剤は、同一のグルホシネート/AES比を有するAESとしてのC12/C14脂肪アルコールジエチレングリコールエーテル硫酸エステルを有する製剤と比較すると、単子葉及び双子葉の有害植物の防除に関して、生物活性を同程度に良好に生じた。
【0089】
3)尿素等の水溶性茎葉肥料の葉面浸透
トウモロコシ等の単子葉農作物植物及びまたリンゴ等の双子葉農作物植物への尿素の茎葉施用(散布液中の0.1〜2%)は、本発明のアルキルエーテル硫酸エステルの1つの0.05〜1%の存在下で、何日間もかけて茎葉取り込み率を少なくとも係数2ほど増大させた。
【0090】
4)殺虫剤の取り込み
例えばリンゴの葉の浸透において、4:1〜1:4のイミダクロプリド/アルキルエーテル硫酸エステル比での、イミダクロプリド等のクロロニコチニル殺虫剤の茎葉施用において、活性成分の取り込みは、アルキルエーテル硫酸エステル(例えば、Confidor(R) SL200又はSC350等)を有さないイミダクロプリド製剤と比較して、2〜5倍迅速であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 1つ又はそれ以上の水溶性又は部分的に水溶性の農薬((a)型の活性成分)、
(b) 所望の場合、1つ又はそれ以上の水不溶性又は概ね水不溶性の農薬((b)型の活性成分)、
(c) アルキル鎖中に1〜9個の炭素原子を、及びエーテル部分中に1〜20個のアルキレンオキシ単位を有するアルキルエーテル硫酸エステル、
(d) 所望の場合、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性及び/又は双性イオン性界面活性剤、
(e) 所望の場合、水及び
(f) 所望の場合、他の慣用の製剤補助剤
を含む、農薬調製物。
【請求項2】
(a) 水溶性又は部分的に水溶性の農薬((a)型の活性成分)1〜40質量%、
(b) 水不溶性又は概ね水不溶性の農薬((b)型の活性成分)0〜40質量%、
(c) アルキル鎖中の1〜9個の炭素原子と1〜20個のアルキレンオキシ単位とを有するアルキルエーテル硫酸エステル0.1〜99質量%、
(d) 陰イオン性、非イオン性、陽イオン性及び/又は双性イオン性界面活性剤0〜25質量%、
(e) 水0〜95質量%、及び
(f) 他の慣用の製剤補助剤0〜50質量%
を含む、請求項1に記載の調製物。
【請求項3】
(a) 水溶性又は部分的に水溶性の農薬((a)型の活性成分)2〜30質量%、
(b) 水不溶性又は概ね水不溶性の農薬((b)型の活性成分)0〜20質量%、
(c) アルキル鎖中の1〜9個の炭素原子と1〜20個のアルキレンオキシ単位とを有するアルキルエーテル硫酸エステル1〜80質量%、
(d) 陰イオン性、非イオン性、陽イオン性及び/又は双性イオン性界面活性剤0〜20質量%、
(e) 水5〜85%、及び
(f) 他の慣用の製剤補助剤0〜20質量%
を含む、請求項1又は2に記載の調製物。
【請求項4】
グルホシネート(塩)、グリフォセート(塩)、パラコート及びジクワットからなる群由来の1つ又はそれ以上の活性成分を構成要素(a)として含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の調製物。
【請求項5】
グルホシネートアンモニウムを構成要素(a)として含む、請求項1〜4の何れか一項に記載の調製物。
【請求項6】
構成要素(a)〜(f)及び、所望の場合、製剤中に存在するさらなる構成要素を混合することを含む、請求項1〜5の何れか一項に記載の調製物を調製するための方法。
【請求項7】
(c) アルキル鎖中に1〜9個の炭素原子を、そしてエーテル部分中に1〜20個のアルキレンオキシ単位を有するアルキルエーテル硫酸エステル、
(d) 所望の場合、非イオン性、陽イオン性及び/又は双性イオン性界面活性剤、
(e) 水、及び
(f) 所望の場合、他の慣用の製剤補助剤
を含む、アジュバント製剤。
【請求項8】
アルキル鎖中に1〜9個の炭素原子を、そしてエーテル部分中に1〜20個のアルキレンオキシ単位を有するアルキルエーテル硫酸エステル、
【請求項9】
アルキル鎖中に1〜9個の炭素原子を、そしてエーテル部分中に1〜20個のアルキレンオキシ単位を有し、所望の場合、水溶性又は部分的に水溶性の農薬の活性を増強させるための低気泡性添加物としての界面活性剤と組み合わせたアルキルエーテル硫酸エステルの使用。
【請求項10】
農薬が、活性型農作物保護剤成分及び肥料からなる群より選択される、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
選択された農薬が、グルホシネート(塩)、グリフォセート(塩)、パラコート及びジクワット並びに肥料からなる群より選択される活性成分である、請求項9又は10に記載の使用。
【請求項12】
選択された農薬が、農作物保護剤成分であるグルホシネートアンモニウムである、請求項9又は10に記載の使用。
【請求項13】
1つ又はそれ以上の除草活性成分(a)及び所望の場合(b)を含む請求項1〜5の何れか一項に記載の調製物の有効量を、適宜水による希釈後に、植物、植物の部分又は栽培下の領域へ施用することを含む、望ましくない植物の生育を防除する方法。
【請求項14】
農作物保護における請求項1〜5又は7の何れか一項に記載の調製物又は製剤の使用。

【公表番号】特表2009−541233(P2009−541233A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515737(P2009−515737)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005153
【国際公開番号】WO2007/147500
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】