説明

農作物モニタリング方法、農作物モニタリングシステム及び農作物モニタリング装置

【課題】 生育中である農作物のモニタリングを行う農作物モニタリング方法、農作物モニタリングシステム、及び農作物モニタリング装置を提供する。
【解決手段】
農作物のモニタリングを行うモニタリングサーバ1は、カメラ3により得られた生育中の農作物の画像データを記憶する画像情報DB12Dを備えており、画像情報DB12Dに記憶されている画像データに含まれる農作物の生育状態を判定し、既に購入予約がなされた農作物の生育経過を示す情報の要求を前記クライアント端末から受けた場合、その判定結果が付与された画像データを当該クライアント端末に対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の農作物をモニタリングする農作物モニタリング方法に関し、特に購入予定者によって購入予約がなされた生育中の農作物をモニタリングする農作物モニタリング方法、並びにその方法を実施するための農作物モニタリングシステム及び農作物モニタリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットが急速に普及していることに伴って、インターネットを利用した農作物の販売システムが種々提案されている。例えば、特許文献1には、インターネットを介して、農作物の出荷状態を示す商品見本となる商品画像データと、農作物の播種日から出荷日までを表す生産計画データとを購入者に提供し、その購入者から注文を受け付け、さらにその購入者に対して商品の生産状況を示す画像データを提示する販売システムが開示されている。ここで、この画像データには、例えば商品の育成場所全体を映した全体画像及び商品の1つ(代表物)を写した拡大画像が含まれる。この販売システムによれば、購入者の希望する量及び希望する日等の各種購入条件に対応した生産計画を立てることができるため、農作物の受注生産を実現することが可能になるとともに、購入者はその生産状況を画像データにて確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−78238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来の販売システムの場合、購入者は、上述したように、画像データを用いることによって、代表物である商品の1つがどのように育っているのかを確認することができる。しかしながら、それは代表物であって、購入者の元に実際に届くものとは異なるものである。すなわち、この販売システムでは、実際に購入する農作物の生育状況を購入者が確認することはできない。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、インターネット等の通信技術を用いて、購入予約がなされた生育中の農作物の生育状況を購入予定者が確認することができる農作物モニタリング方法、並びにその方法を実施するための農作物モニタリングシステム及び農作物モニタリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の農作物モニタリング方法は、撮像装置による撮像により得られた画像データを記憶する記憶部を具備するサーバと、前記サーバと通信ネットワークを介して通信可能に接続され、表示部を具備するクライアント端末とを用いて、農作物のモニタリングを行う農作物モニタリング方法において、前記撮像装置が、生育中の農作物を撮像する撮像工程を実行し、前記サーバが、前記撮像装置による撮像の結果得られた画像データを当該撮像装置から受け付け、その受け付けた画像データを前記記憶部に記憶する画像データ記憶工程と、前記記憶部に記憶されている画像データに含まれる農作物の生育状態を、当該農作物を含む前記画像データに基づいて判定する生育状態判定工程と、既に購入予約がなされた農作物の生育経過を示す情報の要求を前記クライアント端末から受けた場合、前記記憶部に記憶されている当該農作物を含む画像データに前記生育状態判定工程による当該農作物の生育状態の判定結果を付与し、その判定結果が付与された画像データを当該クライアント端末に対して送信する画像データ送信工程とを実行し、前記クライアント端末が、前記サーバから送信された画像データを受信し、その受信した画像データを前記表示部に表示する表示工程を実行する。
【0007】
前記態様の農作物モニタリング方法の前記撮像工程において、前記撮像装置が、生育中の農作物を、時間を隔てて繰り返し撮像し、前記生育状態判定工程において、前記サーバが、前記記憶部に記憶されている複数の画像データを比較し、その比較した結果に基づいて農作物の生育状態を判定するようにしてもよい。
【0008】
また、前記態様の農作物モニタリング方法において、前記サーバが、前記複数の画像データに含まれている農作物が同一のものであるか否かを判定する農作物同定工程をさらに実行し、前記生育状態判定工程において、前記サーバが、前記農作物同定工程によって同一のものであると判定された農作物を含む画像データを比較し、その比較した結果に基づいて当該農作物の生育状態を判定するようにしてもよい。
【0009】
また、前記態様の農作物モニタリング方法の前記生育状態判定工程において、前記サーバが、前記画像データに基づいて前記農作物のサイズを特定し、その特定したサイズに基づいて当該農作物の生育状態を判定するようにしてもよい。
【0010】
また、前記態様の農作物モニタリング方法の前記生育状態判定工程において、前記サーバが、前記画像データから前記農作物の色情報を取得し、その取得した色情報に基づいて当該農作物の生育状態を判定するようにしてもよい。
【0011】
また、前記態様の農作物モニタリング方法において、前記サーバが、前記生育状態判定工程による判定結果に基づいて、前記購入予約がなされた農作物の収穫時期を推定する収穫時期推定工程をさらに実行し、前記画像データ送信工程において、前記サーバが、前記収穫時期推定工程によって推定された収穫時期に関する収穫時期情報を前記記憶部に記憶されている画像データに付与し、その収穫時期情報が付与された画像データを送信するようにしてもよい。
【0012】
本発明の一の態様の農作物モニタリングシステムは、撮像装置による撮像により得られた画像データを記憶する記憶部を具備するサーバと、前記サーバと通信ネットワークを介して通信可能に接続され、表示部を具備するクライアント端末とを備え、前記サーバと前記クライアント端末との間で通信を行うことにより農作物のモニタリングを行う農作物モニタリングシステムにおいて、前記サーバが、撮像装置による撮像の結果得られた生育中の農作物の画像データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている画像データに含まれる農作物の生育状態を、当該農作物を含む前記画像データに基づいて判定する生育状態判定手段と、既に購入予約がなされた農作物の生育経過を示す情報の要求を前記クライアント端末から受けた場合、前記記憶部に記憶されている当該農作物を含む画像データに前記生育状態判定工程による当該農作物の生育状態の判定結果を付与し、その判定結果が付与された画像データを当該クライアント端末に対して送信する画像データ送信手段とを を具備し、前記クライアント端末が、前記サーバから送信された画像データを受信し、その受信した画像データを表示する表示部を具備する。
【0013】
また、本発明の一の態様の農作物モニタリング装置は、撮像装置による撮像の結果得られた生育中の農作物の画像データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている画像データに含まれる農作物の生育状態を、当該農作物を含む前記画像データに基づいて判定する生育状態判定手段と、既に購入予約がなされた農作物の生育経過を示す情報の要求を前記クライアント端末から受けた場合、前記記憶部に記憶されている当該農作物を含む画像データに前記生育状態判定工程による当該農作物の生育状態の判定結果を付与し、その判定結果が付与された画像データを当該クライアント端末に対して送信する画像データ送信手段とを備える。
【0014】
前記態様の農作物モニタリング装置において、前記記憶部が、前記撮像装置によって時間を隔てて繰り返し行われる撮像の結果得られた生育中の農作物の複数の画像データを記憶するように構成されており、前記生育状態判定手段が、前記記憶部に記憶されている複数の画像データを比較し、その比較した結果に基づいて農作物の生育状態を判定するように構成されていてもよい。
【0015】
また、前記態様の農作物モニタリング装置において、前記複数の画像データに含まれている農作物が同一のものであるか否かを判定する農作物同定手段をさらに具備し、前記生育状態判定手段が、前記農作物同定手段によって同一のものであると判定された農作物を含む画像データを比較し、その比較した結果に基づいて当該農作物の生育状態を判定するように構成されていてもよい。
【0016】
また、前記態様の農作物モニタリング装置において、前記生育状態判定手段が、前記画像データに基づいて前記農作物のサイズを特定し、その特定したサイズに基づいて当該農作物の生育状態を判定するように構成されていてもよい。
【0017】
さらに、前記態様の農作物モニタリング装置において、前記生育状態判定手段が、前記画像データから前記農作物の色情報を取得し、その取得した色情報に基づいて当該農作物の生育状態を判定するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る農作物モニタリング方法、農作物モニタリングシステム及び農作物モニタリング装置によれば、購入予約がなされた生育中の農作物の生育状況を、その購入予約を行った購入予定者が確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る農作物モニタリングシステムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態1に係るモニタリングサーバの構成を示すブロック図。
【図3】農作物を撮像するカメラの設置態様を示す斜視図。
【図4】本発明の実施の形態1に係るモニタリングサーバに設けられている会員情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図5】本発明の実施の形態1に係るモニタリングサーバに設けられている予約情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図6】本発明の実施の形態1に係るモニタリングサーバに設けられている農作物情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図7】本発明の実施の形態1に係るモニタリングサーバに設けられている画像情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図8】本発明の実施の形態1に係るモニタリングサーバが実行する農作物情報更新処理の手順を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態1に係るモニタリングサーバ及びクライアント端末が実行するモニタリング情報提供処理の手順を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施の形態1のクライアント端末が具備する表示部に表示される画面の一例を示す図。
【図11】本発明の実施の形態1に係る農作物モニタリングシステムの構成を示すブロック図。
【図12】本発明の実施の形態2に係るモニタリングサーバに設けられている生長度合情報DBのレイアウトの一例を示す図。
【図13】本発明の実施の形態2に係るモニタリングサーバが実行する農作物同定処理の手順を示すフローチャート
【図14】本発明のその他の実施の形態のクライアント端末が具備する表示部に表示される画面の一例を示す図。
【図15A】本発明のその他の実施の形態のクライアント端末が具備する表示部に表示される画面の一例を示す図。
【図15B】本発明のその他の実施の形態のクライアント端末が具備する表示部に表示される画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0021】
(実施の形態1)
[農作物モニタリングシステムの構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る農作物モニタリングシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すとおり、本実施の形態の農作物モニタリングシステムは、収穫前であって育成中の農作物をモニタリングするためのモニタリングサーバ1と、ユーザが操作するパーソナルコンピュータ及び携帯型電話機などのクライアント端末2,2,…とを備えている。
【0022】
モニタリングサーバ1は、インターネット100を介してクライアント端末2,2,…と通信可能に接続されており、クライアント端末2,2,…との間で様々なデータの送受信を行う。クライアント端末2,2,…には液晶ディスプレイなどの表示部が設けられており、モニタリングサーバ1から受信した画像データなどの情報が当該表示部に表示される。また、モニタリングサーバ1は、後述するように農園に設けられた複数のカメラ3,3,…と専用線等を介して通信可能に接続されており、複数のカメラ3,3,…から画像データを受信する。これらのカメラ3,3,…は、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子で構成されている。
【0023】
以下、上記のモニタリングサーバ1の構成の詳細について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係るモニタリングサーバ1の構成を示すブロック図である。図2に示すとおり、本実施の形態のモニタリングサーバ1は、各種のデバイスの動作を制御する制御部としてのCPU10と、そのCPU10に接続された主記憶装置11、補助記憶装置12、通信インタフェース(I/F)13及び入出力インタフェース(I/F)14とを備えている。なお、これらのCPU10、主記憶装置11、補助記憶装置12、通信I/F13及び入出力I/F14はバスによって接続されている。
【0024】
CPU10は、補助記憶装置12に記憶されているコンピュータプログラムを実行する。これにより、モニタリングサーバ1は、各種のデバイスの動作を制御しながら、後述する各種の処理を実行することが可能になる。
【0025】
主記憶装置11は、SRAMまたはDRAM等によって構成されており、補助記憶装置12に記憶されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、主記憶装置11は、CPU10がコンピュータプログラムを実行するときに、CPU10の作業領域としても利用される。
【0026】
補助記憶装置12は、フラッシュメモリ又はハードディスクなどの不揮発性記憶装置によって構成されており、CPU10に実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等を記憶している。また、補助記憶装置12には、会員情報データベース(DB)12A、予約情報データベース(DB)12B、農作物情報データベース(DB)12C及び画像情報データベース(DB)12Dが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。
【0027】
通信I/F13は、通信ネットワークを介してモニタリングサーバ1が外部の装置と通信するためのインタフェース装置である。モニタリングサーバ1は、この通信I/F13を介して、クライアント端末2,2,…との間で各種のデータの送受信を行う。
【0028】
入出力I/F14は、CPU10と各種の外部装置とを接続するためのインタフェース装置である。この入出力I/F14には、上述した複数のカメラ3,3,…が接続されている。モニタリングサーバ1は、この入出力I/F14を介して、カメラ3,3,…から画像データを受信する。
【0029】
図3は、カメラ3,3,…の設置態様を示す斜視図である。図3において、符号Fは農園を示している。農園Fには、複数の畝H,H,…が並列状に形成されており、各畝Hの長手方向に沿ってキュウリの複数の苗4A,4A,…、トマトの複数の苗4B,4B,…、及びナスの複数の苗4C,4C,…等が整列して定植されている。このように、本実施の形態では複数の苗が土壌で形成された畝Hに定植されているが、本発明はこれに限定されるわけではなく、例えば養液栽培用の栽培ベッド等に定植されていてもよい。また、本実施の形態では農園F内に複数種類の果菜類の苗が定植されているが、1種類であってもよい。
【0030】
図3に示すとおり、支柱3Aによって適宜の高さに固定された2台のカメラ3,3が畝Hの長手方向に沿って並設されており、また、同様にして固定された2台のカメラ3,3が畝H,H,…の並列方向に沿って並設されている。なお、これらのカメラ3,3,…は、その設置角度が調節可能なように支柱3Aに取り付けられており、この設置角度を調節することにより撮像範囲を適宜調整することができる。
【0031】
本実施の形態では4台のカメラ3,3,…が設けられているが、この数に限られるわけではないことは勿論である。また、カメラ3,3,…が設置される位置も図3に示すものに限定されるわけではなく、農園F内で生育中の農作物を撮像することができる位置に設けられていればよい。
【0032】
次に、上記の会員情報DB12A、予約情報DB12B、農作物情報DB12C及び画像情報DB12Dについて説明する。
図4は、本実施の形態のモニタリングサーバ1に設けられている会員情報DB12Aのレイアウトの一例を示す図である。図4に示すように、会員情報DB12Aは、各会員を識別するための会員IDが格納される会員IDフィールド101、各会員の氏名が格納される氏名フィールド102、各会員の電子メールアドレスが格納される電子メールアドレスフィールド103、及び各会員の住所が格納される住所フィールド104を有している。
【0033】
上述した会員情報DB12Aに格納される情報は、本実施の形態の農作物モニタリングシステムを利用するための事前登録の際に各利用者から受け付けた内容に基づいて生成される。この事前登録を済ませた利用者は、本実施の形態の農作物モニタリングシステムを利用して農作物のモニタリングを行うことができる会員となる。
【0034】
図5は、本実施の形態のモニタリングサーバ1に設けられている予約情報DB12Bのレイアウトの一例を示す図である。図5に示すように、予約情報DB12Bは、会員によりなされた各予約を識別するための予約IDが格納される予約IDフィールド111、各予約がなされた日時が格納される予約日時フィールド112、各予約を行った会員の会員IDが格納される会員IDフィールド113、及び各予約がなされた農作物を識別するための農作物IDが格納される農作物IDフィールド114を有している。この予約情報DB12Bに格納される予約情報は、会員が予約をする都度更新される。
【0035】
図6は、本実施の形態のモニタリングサーバ1に設けられている農作物情報DB12Cのレイアウトの一例を示す図である。図6に示すように、農作物情報DB12Cは、各農作物の農作物IDが格納される農作物IDフィールド121、各農作物の名称が格納される農作物名フィールド122、各農作物の播種日が格納される播種日フィールド123、各農作物の寸法(サイズ)を示す情報が格納されるサイズフィールド124、各農作物の表面の色に関する情報が格納される彩度フィールド125、各農作物の生育状態を示す情報が格納される状態フィールド126、各農作物の収穫予定日が格納される収穫予定日フィールド127、及び各農作物が予約されているか否かを示す情報が格納される予約フィールド128を有している。
【0036】
なお、本実施の形態において、サイズフィールド124には、農作物のサイズに応じて、“L(大)”、“M(中)”及び“S(小)”の何れかの情報が格納され、彩度フィールド125には、特定の色(例えば、農作物がトマトの場合は赤、キュウリの場合は緑等)の彩度に応じて、“濃”及び“薄”の何れかの情報が格納される。また、状態フィールド126には、農作物の生育状態に応じて、“良好”、“普通”及び“不良”の何れかの情報が格納される。
【0037】
上述した農作物情報DB12Cに格納される情報は、カメラ3,3,…により取得された画像データに基づいて適宜更新される。その処理の詳細については後述する。
【0038】
画像情報DB12Dには、カメラ3,3,…が農園F内を撮像することにより得られた農作物を含む画像データが格納される。カメラ3,3,…は、予め設定された時間間隔(例えば、3時間毎等)で繰り返し撮像処理を実行する。そして、その結果得られた複数の画像データが、撮像日時等の情報と共に、画像情報DB12Dに格納される。具体的には、図7に示すようにして格納されている。
【0039】
図7は、本実施の形態のモニタリングサーバ1に設けられている画像情報DB12Dのレイアウトの一例を示す図である。図7に示すように、画像情報DB12Dは、各画像データを識別するための画像IDが格納される画像IDフィールド131、各画像データの撮像日時が格納される撮像日時フィールド132、補助記憶装置12における画像データの記憶位置を示す情報が格納される画像データフィールド133、及び画像データに含まれている農作物の農作物IDが格納される農作物IDフィールド134を有している。なお、この図7に示す例では、農作物IDフィールド134に農作物IDが一つのみ格納されているが、撮像範囲に複数の農作物が含まれている場合には複数の農作物IDが格納されることになる。画像データと農作物IDとの対応付けは、画像データの内容をオペレータが確認する等しながら人手で行ってもよく、各カメラ3の撮像範囲等に基づいて予め定められていてもよい。また、所定の画像処理を実行することによってモニタリングサーバ1が自動的に行ってもよい。
【0040】
[農作物モニタリングシステムの動作]
次に、上述したように構成された農作物モニタリングシステムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の農作物モニタリングシステムが実行する主な処理には、(1)農作物情報の更新を行うための農作物情報更新処理、及び(2)農作物のモニタリング情報を会員に提供するためのモニタリング情報提供処理がある。以下では、これらの各処理の詳細について説明する。
【0041】
(1)農作物情報更新処理
図8は、本実施の形態のモニタリングサーバ1が実行する農作物情報更新処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の農作物情報更新処理は、例えばカメラ3,3,…による撮像処理が実行される都度等、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0042】
モニタリングサーバ1はまず、農作物情報更新処理の対象となる農作物の農作物IDを所定のルール(例えば番号の小さい順等)にしたがって決定する(S101)。次に、モニタリングサーバ1は、画像情報DB12Dにアクセスし、処理対象とした農作物の農作物IDが含まれている画像情報を読み出す(S102)。これにより、例えば直近10回の撮像処理により得られた10個の画像データを取得する。なお、ここでの「10」は例示であり、その他の数であってもよいことは言うまでもない。ただし、後述するように画像データの比較処理を行うためには2個以上の画像データが必要になる。
【0043】
次に、モニタリングサーバ1は、最も新しい画像データに対してエッジ抽出等の所定の画像処理を施すことによって農作物のサイズを特定する(S103)。例えば、農作物がトマトの場合、トマトの直径を算出し、その数値に応じて“L”、“M”及び“S”の3段階にランク付けする。
【0044】
また、モニタリングサーバ1は、最も新しい画像データに対して所定の画像処理を施すことによって農作物の表面の色に関する色情報を取得し、その色情報の解析を行う(S104)。例えば、農作物がトマトの場合、赤色の彩度が所定値よりも高いか否か等によって、処理対象の農作物の表面の色が“濃”及び“薄”の何れであるのかの判定を行う。
【0045】
さらに、モニタリングサーバ1は、取得した10個の画像データを比較する処理を実行する(S105)。これにより、処理対象の農作物の実の大きさ及びその実がなっている苗の大きさ等の時間変化を測定することができ、その時間変化に基づいて当該農作物の生長度合いを算出することができる。
【0046】
次に、モニタリングサーバ1は、ステップS103により特定された農作物のサイズ、ステップS104の解析結果、及びステップS105の結果得られた農作物の生長度合い等に関する情報に基づいて、農作物の生育状態を3段階にランク付けすることにより、農作物の生育状態の判定を行う(S106)。この判定処理は、次のようにして与えられる得点に基づいて行うこと等が考えられる。サイズが“L”、“M”及び“S”の順に高い得点を与え、表面の色が“濃”と判定された場合に“薄”と判定された場合と比べて高い得点を与えるようにする。また、農作物の生長度合いの平均値を示す統計データを記憶しておき、その統計データと比較した結果、生長度合いが平均以上の場合に高い得点を与え、平均を下回る場合には低い得点を与えるようにする。そして、これらの得点の合計点が高い順に、“良好”、“普通”、“不良”とランク付けすることにより生育状態の判定を行う。
【0047】
次に、モニタリングサーバ1は、ステップS106にて判定された生育状態に基づいて、処理対象の農作物の収穫日を推定する(S107)。具体的には、農作物の種類毎に農作物の収穫適期に関する収穫適期データ(例えば、播種日から3ヶ月後等)を記憶しておき、生育状態が“良好”の場合は収穫適期データよりも2週間早く収穫日を迎え、生育状態が“普通”の場合は収穫適期データのとおりに収穫日を迎え、生育状態が“不良”の場合は収穫適期データよりも2週間遅く収穫日を迎える等と判断することにより、処理対象の農作物の収穫日を推定する。
【0048】
そして、モニタリングサーバ1は、上記の各ステップにより得られた情報を農作物情報DB12Cの各フィールドに格納することによって、農作物情報DB12Cを更新する(S108)。具体的には、ステップS103により得られた“L”、“M”及び“S”の何れかの情報をサイズフィールド124に格納し、ステップS104により得られた“濃”及び“薄”の何れかの情報を彩度フィールド125に格納し、ステップS106により得られた“良好”、“普通”及び“不良”の何れかの情報を状態フィールド126に格納し、ステップS107により推定された収穫日を収穫予定日フィールド127に格納することにより、農作物情報DB12Cの更新を行う。
【0049】
次に、モニタリングサーバ1は、農園F内のすべての農作物について農作物情報更新処理を実行したか否かを判定する(S109)。ここで、まだ処理対象となっていない農作物が存在すると判定した場合(S109でNO)、モニタリングサーバ1はステップS101に戻り、それ以降のステップS102乃至S108を実行する。他方、すべての農作物について農作物情報更新処理が行われたと判定した場合(S109でYES)、モニタリングサーバ1は処理を終了する。
このようにして更新された農作物情報DB12Cの内容に基づいて、次の(2)モニタリング情報提供処理が実行される。
【0050】
(2)モニタリング情報提供処理
図9は、実施の形態1のモニタリングサーバ1及びクライアント端末2が実行するモニタリング情報提供処理の手順を示すフローチャートである。なお、下記のモニタリング情報提供処理を行うためには、会員登録を済ませている会員が、クライアント端末2を用いてモニタリングサーバ1にアクセスして所定の会員認証処理による認証を受けなければならない。以下では、この会員認証処理が終了した後の処理を説明する。
【0051】
図9に示すとおり、クライアント端末2は、会員からの指示にしたがって、自らが購入予約を行っている農園F内で生育中の農作物が含まれている画像データの送信を要求するための画像送信要求をモニタリングサーバ1に対して送信する(S111)。この画像送信要求には、会員が行っている購入予約の予約IDが含まれている。
【0052】
モニタリングサーバ1は、クライアント端末2から送信されたモニタリング情報送信要求を受信した場合(S121)、その受信した画像送信要求に含まれている予約IDを検索キーとして予約情報DB12Bから当該会員に係る予約情報を読み出す(S122)。そして、モニタリングサーバ1は、その読み出した予約情報に含まれる農作物IDを検索キーとして、画像情報DB12Dから購入予約がなされている農作物に係る画像情報を読み出し(S123)、また、当該農作物IDを検索キーとして、農作物情報DB12Cから当該農作物に係る農作物情報を読み出す(S124)。
【0053】
次に、モニタリングサーバ1は、上述したようにして読み出した画像情報及び農作物情報に基づいて、クライアント端末2にて表示される画面に関する画面情報を生成する(S125)。具体的には、ステップS123にて読み出した画像情報に含まれている画像データ、ステップS124にて読み出した農作物情報に含まれている農作物名・播種日・生育状態・サイズ・収穫予定日に関する生育状況情報、及び予約IDを含む画面情報を生成する。モニタリングサーバ1は、このようにして生成された画面情報をクライアント端末2に対して送信する(S126)。
【0054】
クライアント端末2は、モニタリングサーバ1から送信された画面情報を受信した場合(S112)、その受信した画面情報を表示部に表示する(S113)。
図10は、クライアント端末2の表示部に表示される画面の一例を示す図である。図10に示すとおり、この画面には、1本の苗が含まれる画像と、その画像中の苗になっている実(農作物)の拡大画像と、当該実に関する各種の情報とが対応付けて表示されている。この実に関する各種の情報として、図10に示す画面例では、農作物名、播種日、生育状態、サイズ、及び収穫予定日に関する情報、並びに予約IDが表示されている。
【0055】
以上の処理によって、会員は、購入予約を行った農作物の生育過程を画像にて確認することが可能になる。ここで、その農作物の生育状態が良くない場合、画像中の農作物の表面の色が好ましくない場合等に、会員から予約のキャンセルを受け付ける機能があってもよい。
【0056】
なお、予約された農作物が収穫予定日を迎えた場合には会員に対して電子メールを用いてその旨が伝えられる。その際には会員情報DB12Aの電子メールアドレスフィールド103に格納されている電子メールアドレスが用いられる。また、予約者である会員に対して収穫された農作物を届ける際には、会員情報DB12Aの住所フィールド104に格納されている住所が用いられる。
【0057】
(実施の形態2)
本発明の農作物モニタリングシステムのモニタリング対象は生育中の農作物であるため、その生長と共にそのサイズが大きくなったり、隣り合う農作物または葉等の影響で画像データ中での表れ方が変わったり等、種々の変化が生じ得る。そのため、画像データ中の農作物の同定が必要になる場合がある。実施の形態2の農作物モニタリングシステムは、このような同定を行うことができるシステムであり、具体的には、時間を隔てて取得された複数の画像データに表されている農作物が同一のものであるか否かを判定する機能を有するものである。
【0058】
[農作物モニタリングシステムの構成]
本実施の形態の農作物モニタリングシステムも、実施の形態1の場合と同様に、インターネットを介して通信可能に接続される予約サーバ及びクライアント端末を備えている。また、モニタリングサーバと複数のカメラとが専用線等を介して通信可能に接続されている点についても実施の形態1の場合と同様である。以下、実施の形態2におけるモニタリングサーバの構成の詳細について説明する。
【0059】
図11は、本発明の実施の形態2に係るモニタリングサーバ5の構成を示すブロック図である。図11に示すとおり、本実施の形態のモニタリングサーバ5が備えている補助記憶装置12には、実施の形態1における4つのデータベースに加えて、生長度合情報DB12Eが設けられている。なお、モニタリングサーバ5のその他の構成については実施の形態1の場合と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
図12は、本実施の形態のモニタリングサーバ1に設けられている生長度合情報DB12Eのレイアウトの一例を示す図である。図12に示すように、生長度合情報DB12Eは、各農作物の名称が格納される農作物名フィールド201、各農作物の播種時期が格納される播種時期フィールド202、各農作物の生長を測定する時期である測定時期が格納される測定時期フィールド203、及び各農作物の実が生長する速度を示す情報が格納される生長速度フィールド204を有している。
【0061】
上述した生長度合情報DB12Eに格納される生長度合情報は、農作物の生長に関する統計データに基づいて設定されている。図12には“トマト”に関する生長度合情報が例示されており、播種時期が“2月”の場合、“4月”に測定したときでは実の直径が“0.10cm/日”の速さで大きくなり、“5月”に測定したときでは実の直径が“0.08cm/日”の速さで大きくなることを示す情報が表されている。同様に、播種時期が“3月”の場合、“4月”に測定したときでは実の直径が“0.12cm/日”の速さで大きくなることを示す情報が表されている。
【0062】
本実施の形態では、生長度合に関する情報として農作物の実が生長する速度を示す情報を用いているが、これに限定されるわけではない。例えば、苗が生長する速度を示す情報及び実の色の変化に関する情報等、生長に伴って変化する種々の事項に関する情報を生長度合に関する情報として用いることができる。
【0063】
[農作物モニタリングシステムの動作]
次に、上述したように構成された農作物モニタリングシステムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の農作物モニタリングシステムは、実施の形態1の場合と同様に、(1)農作物情報更新処理及び(2)モニタリング情報提供処理を実行し、この(1)農作物情報更新処理の中で、農作物の同定を行う農作物同定処理を実行する。以下では、この農作物同定処理の詳細について説明する。
【0064】
モニタリングサーバ5が実行する農作物同定処理は、図8に示した農作物情報更新処理におけるステップS102の画像情報の読み出しを行った後に行われる処理であって、そこで取得された複数の画像データにおける最新の画像データ(以下、「最新画像データ」という)に表されている農作物が他の画像データに表されている農作物と同一であるか否かの判定を行うものである。モニタリングサーバ5は、この農作物同定処理の結果、当該農作物が同一であると判定した場合は農作物情報更新処理におけるステップS103以降のステップを実行し、同一ではないと判定した場合は同一の農作物が表されている画像データが特定できるまで農作物同定処理を繰り返す。
【0065】
図13は、本実施の形態のモニタリングサーバ5が実行する農作物同定処理の手順を示すフローチャートである。
モニタリングサーバ5は、農作物情報DB12Cにアクセスして処理対象の農作物の農作物情報を参照し、播種日フィールド123に格納されている播種日を確認することによって当該農作物の播種時期(播種日の月)を特定する(S201)。そして、その特定した播種時期、最新画像データの撮像日の月及び農作物名を検索キーとして、処理対象の農作物に係る生長度合情報を生長度合情報DB12Eから読み出す(S202)。具体的には、例えば農作物がトマトであって、播種時期及び最新画像データの撮像日の月がそれぞれ2月及び4月であった場合、図12に示す生長度合情報DB12Eのレイアウト例における1行目のレコードである生長度合情報をモニタリングサーバ5が読み出すことになる。
【0066】
次に、モニタリングサーバ5は、最新画像データの1つ前にカメラ3によって取得された画像データ(以下、「前回画像データ」という)中の農作物のサイズと生長度合情報における生長速度に関する情報とを用いて、最新画像データの撮像日における当該農作物のサイズを推定する(S203)。例えば、最新画像データの撮像日と前回画像データの撮像日との間が1週間ある場合であって、前回画像データ中の農作物の実の直径が5.0cmであり且つ生長度合情報における生長速度に関する情報が“0.10cm/日”であったときでは、最新画像データの撮像日における当該農作物の実の直径を5.7cmと推定する。
【0067】
次に、モニタリングサーバ5は、上述した農作物情報更新処理におけるステップS103と同様の処理を行うことによって、最新画像データに表されている農作物のサイズ(実の直径)を算出する(S204)。そして、この算出された農作物のサイズとステップS203にて推定された農作物のサイズとが一致するか否かに基づいて、モニタリングサーバ5は、前回画像データにおける農作物と最新画像データにおける農作物が同一であるか否かを判定する(S205)。なお、上記の2つのサイズが完全に一致することは稀であると考えられるため、それらのサイズに差があるとしてもその差が例えば数ミリ程度である場合は一致すると判断する。
【0068】
以上により、農作物同定処理は終了する。その後は上述したように、前回画像データ及び最新画像データにおける農作物が同一であると判定した場合は農作物情報更新処理におけるステップS103以降のステップを実行し、同一ではないと判定した場合は同一の農作物が表されている画像データが特定できるまで農作物同定処理を繰り返すことになる。この農作物同定処理を行うことにより、モニタリング対象が生長に伴って変化する農作物であっても、正確なモニタリング情報を会員に提供することが可能になる。
【0069】
(その他の実施の形態)
図10に示した画面は一例であるため、例えば入力デバイスのポインタを画像中の実の上に置いたときにのみ当該実の拡大画像を表示させるような画面であってもよい。その他にも、次のような画面例が考えられる。
図14並びに図15A及び図15Bは、本発明のその他の実施の形態におけるクライアント端末が具備する表示部に表示される画面の一例を示す図である。図14に示す例では、図10に示した表示内容に加えて、画面下部に「予約時」及び「3日前」との文字が付されたボタンが設けられている。ここで、会員が「予約時」のボタンをクリックすると、図15Aに示すように、購入予約がなされた時点における苗の画像、実(農作物)の拡大画像、及び当該実に関する各種の情報とが対応付けて表示される。また、会員が「3日前」のボタンをクリックすると、図15Bに示すように、3日前における苗の画像、実の拡大画像、及び当該実に関する各種の情報とが対応付けて表示される。このように、現在の農作物の様子だけではなく、予約時及び3日前の農作物の様子も画面上で確認できるようにすることによって、会員はその成長経過を容易に把握することが可能になる。なお、ここでの「3日前」は例示であって、「1週間前」又は「10日前」等であってもよいことは言うまでもない。
【0070】
上記のように、予約時又は3日前等のように現在よりも前の時点における農作物の様子を表す画面情報を生成するためには、モニタリングサーバ1がこれらの時点における農作物情報を農作物情報DB12Cに蓄積しておかなければならない。その上で、モニタリングサーバ1が、上述した(2)モニタリング情報提供処理におけるステップS123及びS124において複数時点における画像情報及び農作物情報をそれぞれ読み出し、それらの画像情報及び農作物情報に基づきステップS125において画面情報を生成するようにすればよい。
【0071】
なお、上記の例では、複数時点における農作物の様子がそれぞれ別画面で表示されているが、一つの画面中に複数時点における農作物の様子を表示することも可能である。この場合、それぞれの農作物の様子をより容易に対比することが可能になる。
【0072】
上記の各実施の形態の農作物モニタリングシステムは、農作物を屋外及び屋内の何れの環境で栽培する場合でも使用することが可能である。いわゆる植物工場においても使用することができ、その場合はカメラの設置及びメンテナンスが容易になる等の利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の農作物モニタリング方法、農作物モニタリングシステム及び農作物モニタリング装置は、インターネット等の通信技術を用いて野菜及び果物などの各種の農作物のモニタリングを行うための農作物モニタリング方法、農作物モニタリングシステム及び農作物モニタリング装置等として有用である。
【符号の説明】
【0074】
1 モニタリングサーバ
2 クライアント端末
3 カメラ
3A 支柱
4A,4B,4C 苗
5 モニタリングサーバ
11 主記憶装置
12 補助記憶装置
12A 会員情報データベース
12B 予約情報データベース
12C 農作物情報データベース
12D 画像情報データベース
12E 生長度合情報データベース
100 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置による撮像により得られた画像データを記憶する記憶部を具備するサーバと、前記サーバと通信ネットワークを介して通信可能に接続され、表示部を具備するクライアント端末とを用いて、農作物のモニタリングを行う農作物モニタリング方法において、
前記撮像装置が、生育中の農作物を撮像する撮像工程を実行し、
前記サーバが、
前記撮像装置による撮像の結果得られた画像データを当該撮像装置から受け付け、その受け付けた画像データを前記記憶部に記憶する画像データ記憶工程と、
前記記憶部に記憶されている画像データに含まれる農作物の生育状態を、当該農作物を含む前記画像データに基づいて判定する生育状態判定工程と、
既に購入予約がなされた農作物の生育経過を示す情報の要求を前記クライアント端末から受けた場合、前記記憶部に記憶されている当該農作物を含む画像データに前記生育状態判定工程による当該農作物の生育状態の判定結果を付与し、その判定結果が付与された画像データを当該クライアント端末に対して送信する画像データ送信工程とを実行し、
前記クライアント端末が、
前記サーバから送信された画像データを受信し、その受信した画像データを前記表示部に表示する表示工程を実行する
ことを特徴とする、農作物モニタリング方法。
【請求項2】
前記撮像工程において、前記撮像装置が、生育中の農作物を、時間を隔てて繰り返し撮像し、
前記生育状態判定工程において、前記サーバが、前記記憶部に記憶されている複数の画像データを比較し、その比較した結果に基づいて農作物の生育状態を判定する、請求項1に記載の農作物モニタリング方法。
【請求項3】
前記サーバが、前記複数の画像データに含まれている農作物が同一のものであるか否かを判定する農作物同定工程をさらに実行し、
前記生育状態判定工程において、前記サーバが、前記農作物同定工程によって同一のものであると判定された農作物を含む画像データを比較し、その比較した結果に基づいて当該農作物の生育状態を判定する、請求項2に記載の農作物モニタリング方法。
【請求項4】
前記生育状態判定工程において、前記サーバが、前記画像データに基づいて前記農作物のサイズを特定し、その特定したサイズに基づいて当該農作物の生育状態を判定する、請求項1乃至3の何れかに記載の農作物モニタリング方法。
【請求項5】
前記生育状態判定工程において、前記サーバが、前記画像データから前記農作物の色情報を取得し、その取得した色情報に基づいて当該農作物の生育状態を判定する、請求項1乃至4の何れかに記載の農作物モニタリング方法。
【請求項6】
前記サーバが、前記生育状態判定工程による判定結果に基づいて、前記購入予約がなされた農作物の収穫時期を推定する収穫時期推定工程をさらに実行し、
前記画像データ送信工程において、前記サーバが、前記収穫時期推定工程によって推定された収穫時期に関する収穫時期情報を前記記憶部に記憶されている画像データに付与し、その収穫時期情報が付与された画像データを送信する、請求項1乃至5の何れかに記載の農作物モニタリング方法。
【請求項7】
撮像装置による撮像により得られた画像データを記憶する記憶部を具備するサーバと、前記サーバと通信ネットワークを介して通信可能に接続され、表示部を具備するクライアント端末とを備え、前記サーバと前記クライアント端末との間で通信を行うことにより農作物のモニタリングを行う農作物モニタリングシステムにおいて、
前記サーバが、
撮像装置による撮像の結果得られた生育中の農作物の画像データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている画像データに含まれる農作物の生育状態を、当該農作物を含む前記画像データに基づいて判定する生育状態判定手段と、
既に購入予約がなされた農作物の生育経過を示す情報の要求を前記クライアント端末から受けた場合、前記記憶部に記憶されている当該農作物を含む画像データに前記生育状態判定工程による当該農作物の生育状態の判定結果を付与し、その判定結果が付与された画像データを当該クライアント端末に対して送信する画像データ送信手段とを
を具備し、
前記クライアント端末が、
前記サーバから送信された画像データを受信し、その受信した画像データを表示する表示部を具備する
ことを特徴とする、農作物モニタリングシステム。
【請求項8】
撮像装置による撮像の結果得られた生育中の農作物の画像データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている画像データに含まれる農作物の生育状態を、当該農作物を含む前記画像データに基づいて判定する生育状態判定手段と、
既に購入予約がなされた農作物の生育経過を示す情報の要求を前記クライアント端末から受けた場合、前記記憶部に記憶されている当該農作物を含む画像データに前記生育状態判定工程による当該農作物の生育状態の判定結果を付与し、その判定結果が付与された画像データを当該クライアント端末に対して送信する画像データ送信手段と
を備える、農作物モニタリング装置。
【請求項9】
前記記憶部が、前記撮像装置によって時間を隔てて繰り返し行われる撮像の結果得られた生育中の農作物の複数の画像データを記憶するように構成されており、
前記生育状態判定手段が、前記記憶部に記憶されている複数の画像データを比較し、その比較した結果に基づいて農作物の生育状態を判定するように構成されている、請求項8に記載の農作物モニタリング装置。
【請求項10】
前記複数の画像データに含まれている農作物が同一のものであるか否かを判定する農作物同定手段をさらに備え、
前記生育状態判定手段が、前記農作物同定手段によって同一のものであると判定された農作物を含む画像データを比較し、その比較した結果に基づいて当該農作物の生育状態を判定するように構成されている、請求項9に記載の農作物モニタリング装置。
【請求項11】
前記生育状態判定手段が、前記画像データに基づいて前記農作物のサイズを特定し、その特定したサイズに基づいて当該農作物の生育状態を判定するように構成されている、請求項8乃至10の何れかに記載の農作物モニタリング装置。
【請求項12】
前記生育状態判定手段が、前記画像データから前記農作物の色情報を取得し、その取得した色情報に基づいて当該農作物の生育状態を判定するように構成されている、請求項8乃至11の何れかに記載の農作物モニタリング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate


【公開番号】特開2011−192022(P2011−192022A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57609(P2010−57609)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】