農作物管理方法及び農作物管理装置
【課題】 生育中であり且つ購入の予約がなされた農作物の位置を購入予定者に対して提示することができる農作物管理方法及び農作物管理装置を提供する。
【解決手段】
農作物管理装置１は、生育中の農作物の購入予約に関する予約情報を記憶する予約情報ＤＢ１２Ｃと、当該農作物の農園内における位置に関する位置情報を記憶する農作物情報ＤＢ１２Ｂとを備えており、これらの予約情報及び位置情報に基づいて、前記生育中の農作物のうち既に購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成し、生成した農作物位置情報をディスプレイ６に表示することにより、前記購入予約を行った購入予定者に対して当該農作物位置情報を提示する。
【解決手段】
農作物管理装置１は、生育中の農作物の購入予約に関する予約情報を記憶する予約情報ＤＢ１２Ｃと、当該農作物の農園内における位置に関する位置情報を記憶する農作物情報ＤＢ１２Ｂとを備えており、これらの予約情報及び位置情報に基づいて、前記生育中の農作物のうち既に購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成し、生成した農作物位置情報をディスプレイ６に表示することにより、前記購入予約を行った購入予定者に対して当該農作物位置情報を提示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、各種の農作物を販売するために当該農作物を管理する農作物管理方法に関し、特に購入予定者によって購入予約がなされた育成中の農作物の管理を行う農作物管理方法、及びその方法を実施するための農作物管理装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、インターネットが急速に普及していることに伴って、インターネットを利用した農作物の販売システムが種々提案されている。例えば、特許文献１には、商品情報、商品履歴情報及び生産環境情報を掲示することができる商品掲示サーバとクライアント端末とを備え、クライアント端末が商品掲示サーバにアクセスし、商品掲示サーバが掲示する商品情報、商品履歴情報及び生産環境情報に基づいて商品を選択して注文することができる販売システムが開示されている。この販売システムによれば、購入者は、商品情報に加えて、商品履歴情報及び生産環境情報をも参照することができるため、生産現場の臨場感を得ながら商品注文を行うことができる。
【０００３】
また、特許文献２には、インターネットを介して、農作物の出荷状態を示す商品見本となる商品画像データと、農作物の播種日から出荷日までを表す生産計画データとを購入者に提供し、その購入者から注文を受け付ける販売システムが開示されている。この販売システムによれば、購入者の希望する量及び希望する日等の各種購入条件に対応した生産計画を立てることができるため、農作物の受注生産を実現することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００３−２５６６７９号公報
【特許文献２】特開２００５−７８２３８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上述したような従来の販売システムによれば、インターネットを用いて農作物の購入を予約することができる。しかしながら、これらの販売システムにおいては、購入者は商品見本となる画像等を確認するのみであって、実際に購入する農作物を確認した上で購入の予約をすることはできない。そのため、後日購入者の下に届けられた農作物と購入者が予約の際に想像していた農作物とが大きく異なる場合がある等の不都合が生じるという問題があった。
【０００６】
このような不都合を解消するために、購入者の下に実際に届けられる収穫後の農作物そのものを画像等で提示する販売システムも考えられるが、この場合では収穫から購入者に届けられるまでの期間が長くなってしまうため、新鮮な状態の農作物を提供することができないという問題がある。
【０００７】
上記を考慮すると、実際に購入する農作物であって、しかも収穫前のものについて購入の予約を行うことができることが望ましい。このような農作物について購入の予約を行うことができる場合において、購入者自らが農園に出向いてその農作物の収穫を行うようなときは、どの農作物が予約に係るものであるのか、すなわちどの農作物を収穫すべきであるのかを購入者が認識することができなければならない。
【０００８】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、農園内の多くの農作物の中から購入予約がなされた農作物を容易に特定することができる農作物管理方法、及びその方法を実施するための農作物管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の農作物管理方法は、コンピュータを用いて農園内で生育中の農作物の管理を行う農作物管理方法において、前記コンピュータは、前記生育中の農作物の購入予約に関する予約情報及び当該農作物の前記農園内における位置に関する位置情報を記憶する記憶部を具備しており、前記コンピュータが、前記記憶部に記憶されている予約情報及び位置情報に基づいて、前記生育中の農作物のうち既に購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成するステップと、前記コンピュータによって生成された農作物位置情報を前記農園内又はその周辺に設置された表示装置にて表示することによって、前記購入予約を行った購入予定者に対して当該農作物位置情報を提示するステップとを有する。
【００１０】
前記態様において、前記購入予約がなされた農作物を前記購入予定者が収穫する前に当該農作物の存在がなくなった場合、前記コンピュータが、当該農作物に代わる農作物を前記生育中の農作物の中から選択するステップをさらに有し、前記農作物位置情報を生成するステップにおいて、前記コンピュータが、前記農作物の中から選択された農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成するようにしてもよい。
【００１１】
また、前記態様において、前記コンピュータが、撮像手段を具備する携帯型端末から当該撮像手段により得られた前記購入予約がなされた農作物を含む画像データを受信するステップと、前記コンピュータが、受信した画像データに前記購入予約がなされた農作物が含まれているか否かを判定するステップと、前記コンピュータが、前記農作物位置情報と併せて、前記判定手段による判定結果を示す判定結果情報を前記携帯型端末へ送信するステップとをさらに有してもよい。
【００１２】
また、前記態様において、前記コンピュータが、前記購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す情報を前記画像データに付与し、当該農作物の位置を示す情報が付与された前記画像データを前記携帯型端末に送信するステップをさらに有していてもよい。
【００１３】
前記態様の前記農作物位置情報を提示するステップにおいて、前記コンピュータによって生成された農作物位置情報を前記農園内又はその周辺に設置された印刷装置にて印刷するようにしてもよい。
【００１４】
本発明の一の態様の農作物管理装置は、農園内で生育中の農作物を管理する農作物管理装置において、前記生育中の農作物の購入予約に関する予約情報及び当該農作物の前記農園内における位置に関する位置情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている予約情報及び位置情報に基づいて、前記生育中の農作物のうち既に購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成する農作物位置情報生成手段と、前記農作物位置情報生成手段によって生成された農作物位置情報を、前記購入予約を行った購入予定者に対して提示する農作物位置情報提示手段とを備える。
【００１５】
前記態様において、前記購入予約がなされた農作物を前記購入予定者が収穫する前に当該農作物の存在がなくなった場合、当該農作物に代わる農作物を前記生育中の農作物の中から選択する代替農作物選択手段をさらに備え、前記農作物位置情報生成手段が、前記代替農作物選択手段によって選択された農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成するように構成されていてもよい。
【００１６】
また、前記態様において、撮像手段を具備する携帯型端末から当該撮像手段により得られた前記購入予約がなされた農作物を含む画像データを受信する画像データ受信手段と、前記画像データ受信手段によって受信された画像データに前記購入予約がなされた農作物が含まれているか否かを判定する判定手段とをさらに備え、前記農作物位置情報提示手段は、前記農作物位置情報と併せて、前記判定手段による判定結果を示す判定結果情報を前記携帯型端末へ送信するように構成されていてもよい。
【００１７】
また、前記態様において、前記農作物位置情報提示手段が、前記購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す情報を前記画像データに付与し、当該農作物の位置を示す情報が付与された前記画像データを前記携帯型端末に送信するように構成されていてもよい。
【００１８】
また、前記態様において、前記農作物位置情報提示手段が、前記農園付近に設けられた表示装置を具備しており、前記農作物位置情報生成手段によって生成された農作物位置情報を当該表示装置に表示するように構成されていてもよい。
【００１９】
さらに、前記態様において、前記農作物位置情報提示手段が、前記農園付近に設けられた印刷装置を具備しており、前記農作物位置情報生成手段によって生成された農作物位置情報を示す印刷物を当該印刷装置にて生成するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【００２０】
本発明に係る農作物管理方法及び農作物管理装置によれば、農園内の多くの農作物の中から購入予約がなされた生育中の農作物を容易に特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】実施の形態１の農作物管理装置の構成を示すブロック図。
【図２】農作物を撮像するカメラの設置態様を示す斜視図。
【図３】実施の形態１の農作物管理装置に設けられている会員情報ＤＢのレイアウトの一例を示す図。
【図４】実施の形態１の農作物管理装置に設けられている農作物情報ＤＢのレイアウトの一例を示す図。
【図５】実施の形態１の農作物管理装置に設けられている予約情報ＤＢのレイアウトの一例を示す図。
【図６】実施の形態１の農作物管理装置に設けられている画像情報ＤＢのレイアウトの一例を示す図。
【図７】実施の形態１の農作物管理装置が実行する農作物情報更新処理の手順を示すフローチャート。
【図８】実施の形態１の農作物管理装置が実行する位置特定情報提供処理の手順を示すフローチャート。
【図９】実施の形態１の農作物管理装置のプリンタにて印刷される印刷物及びディスプレイにて表示される画面の一例を示す図。
【図１０】実施の形態１の農作物管理装置のプリンタにて印刷される印刷物及びディスプレイにて表示される画面の一例を示す図。
【図１１】実施の形態１の農作物管理装置のプリンタにて印刷される印刷物及びディスプレイにて表示される画面の一例を示す図。
【図１２】実施の形態２の農作物管理装置に設けられている農作物情報ＤＢのレイアウトの一例を示す図。
【図１３】実施の形態２の農作物管理装置が実行する収穫情報更新処理の手順を示すフローチャート。
【図１４】実施の形態２の農作物管理装置が実行する代替農作物提示処理の手順を示すフローチャート。
【図１５】実施の形態２の農作物管理装置が実行する代替農作物設定処理の手順を示すフローチャート。
【図１６】実施の形態２の農作物管理装置のプリンタにて印刷される印刷物及びディスプレイにて表示される画面の一例を示す図。
【図１７】実施の形態２の農作物管理装置のプリンタにて印刷される印刷物及びディスプレイにて表示される画面の一例を示す図。
【図１８】実施の形態３の農作物管理装置と携帯型電話機との接続態様を示すブロック図。
【図１９】実施の形態３の農作物管理装置の構成を示すブロック図。
【図２０】管理サーバ及び携帯型電話機が実行する位置特定情報提供処理の手順を示すフローチャート。
【図２１】携帯型電話機の表示部に表示される画面の一例を示す図。
【図２２】携帯型電話機の表示部に表示される画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【００２２】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【００２３】
（実施の形態１）
［農作物管理装置の構成］
図１は、本発明の実施の形態１に係る農作物管理装置の構成を示すブロック図である。図１に示すとおり、本実施の形態の農作物管理装置１は、ＣＰＵ１０と、そのＣＰＵ１０に接続された主記憶装置１１、補助記憶装置１２、入出力インタフェース（Ｉ／Ｆ）１３及び画像出力インタフェース（Ｉ／Ｆ）１４とを備えている。なお、これらのＣＰＵ１０、主記憶装置１１、補助記憶装置１２、入出力Ｉ／Ｆ１３及び画像出力Ｉ／Ｆ１４はバスによって接続されている。
【００２４】
ＣＰＵ１０は、補助記憶装置１２に記憶されているコンピュータプログラムを実行する。これにより、農作物管理装置１は、各種のデバイスの動作を制御しながら、後述する各種の処理を実行することが可能になる。
【００２５】
主記憶装置１１は、ＳＲＡＭまたはＤＲＡＭ等によって構成されており、補助記憶装置１２に記憶されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、主記憶装置１１は、ＣＰＵ１０がコンピュータプログラムを実行するときに、ＣＰＵ１０の作業領域としても利用される。
【００２６】
補助記憶装置１２は、フラッシュメモリ又はハードディスクなどの不揮発性記憶装置によって構成されており、ＣＰＵ１０に実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等を記憶している。また、補助記憶装置１２には、会員情報データベース（ＤＢ）１２Ａ、農作物情報データベース（ＤＢ）１２Ｂ、予約情報データベース（ＤＢ）１２Ｃ及び画像情報データベース（ＤＢ）１２Ｄが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。
【００２７】
入出力Ｉ／Ｆ１３は、ＣＰＵ１０と各種の外部装置とを接続するためのインタフェース装置である。この入出力Ｉ／Ｆ１３には、ＣＣＤ（Charge Coupled Device）又はＣＭＯＳ（Complementary Metal Oxide Semiconductor）等の撮像素子で構成された複数のカメラ３，３，…が接続されている。農作物管理装置１は、この入出力Ｉ／Ｆ１３を介して、カメラ３，３，…から画像データを受信する。
【００２８】
図２は、カメラ３，３，…の設置態様を示す斜視図である。図２において、符号Ｆは農園を示している。農園Ｆには、複数の畝Ｈ，Ｈ，…が並列状に形成されており、各畝Ｈの長手方向に沿ってキュウリの複数の苗１０Ａ，１０Ａ，…、トマトの複数の苗１０Ｂ，１０Ｂ，…、及びナスの複数の苗１０Ｃ，１０Ｃ，…等が整列して定植されている。このように、本実施の形態では複数の苗が土壌で形成された畝Ｈに定植されているが、本発明はこれに限定されるわけではなく、例えば養液栽培用の栽培ベッド等に定植されていてもよい。また、本実施の形態では農園Ｆ内に複数種類の果菜類の苗が定植されているが、１種類であってもよい。
【００２９】
図２に示すとおり、支柱３Ａによって適宜の高さに固定された２台のカメラ３，３が畝Ｈの長手方向に沿って並設されており、また、同様にして固定された２台のカメラ３，３が畝Ｈ，Ｈ，…の並列方向に沿って並設されている。なお、これらのカメラ３，３，…は、その設置角度が調節可能なように支柱３Ａに取り付けられており、この設置角度を調節することにより撮像範囲を適宜調整することができる。
【００３０】
本実施の形態では４台のカメラ３，３，…が設けられているが、この数に限られるわけではないことは勿論である。また、カメラ３，３，…が設置される位置も図２に示すものに限定されるわけではなく、農園Ｆ内で生育中の農作物を撮像することができる位置に設けられていればよい。
【００３１】
入出力Ｉ／Ｆ１３には、上記のカメラ３，３，…以外にも、キーボード又はタッチパネル等で構成される入力部４と、種々の情報を印刷するプリンタ５とが接続されている。この入力部４は、農園Ｆ内又はその周辺に設置されており、農園Ｆに出向いた購入予定者によって操作される。また、プリンタ５も同様にして農園Ｆ内又はその周辺に設けられており、プリンタ５によって作成された印刷物は農園Ｆに出向いた購入予定者が取得することになる。
【００３２】
また、画像出力Ｉ／Ｆ１４は、ＬＣＤ等で構成されるディスプレイ６と通信するためのインタフェース装置であり、ＣＰＵ１０から与えられた画像データに応じた映像信号をディスプレイ６に出力する。ディスプレイ６は、入力された映像信号にしたがって画像を表示する。このディスプレイ６は、農園Ｆ内又はその周辺に設置されている。農園Ｆ内で生育中であり且つ購入の予約がなされた農作物を収穫するために購入予定者が農園Ｆを訪れたときに、その購入予定者がディスプレイ６の表示を確認することになる。
【００３３】
次に、上記の会員情報ＤＢ１２Ａ、農作物情報ＤＢ１２Ｂ、予約情報ＤＢ１２Ｃ及び画像情報ＤＢ１２Ｄについて説明する。
図３は、実施の形態１の農作物管理装置１に設けられている会員情報ＤＢ１２Ａのレイアウトの一例を示す図である。図３に示すように、会員情報ＤＢ１２Ａは、各会員を識別するための会員ＩＤが格納される会員ＩＤフィールド１０１、各会員の氏名が格納される氏名フィールド１０２、各会員の電子メールアドレスが格納される電子メールアドレスフィールド１０３、及び各会員の住所が格納される住所フィールド１０４を有している。
【００３４】
上述した会員情報ＤＢ１２Ａに格納される情報は、本実施の形態の農作物管理装置を利用するための事前登録の際に各利用者から受け付けた内容に基づいて生成される。この事前登録を済ませた利用者は、本実施の形態の農作物管理装置１を利用して農作物の収穫を行うことができる会員となる。
【００３５】
図４は、実施の形態１の農作物管理装置１に設けられている農作物情報ＤＢ１２Ｂのレイアウトの一例を示す図である。図４に示すように、農作物情報ＤＢ１２Ｂは、各農作物を識別するための農作物ＩＤが格納される農作物ＩＤフィールド１１１、各農作物の名称が格納される農作物名フィールド１１２、各農作物の播種日が格納される播種日フィールド１１３、各農作物の寸法（サイズ）を示す情報が格納されるサイズフィールド１１４、各農作物の表面の色に関する情報が格納される彩度フィールド１１５、各農作物の生育状態を示す情報が格納される状態フィールド１１６、各農作物の収穫予定日が格納される収穫予定日フィールド１１７、各農作物が予約されているか否かを示す情報が格納される予約フィールド１１８、及び農園内における各農作物の位置を示す位置情報が格納される位置フィールド１１９を有している。
【００３６】
なお、本実施の形態において、サイズフィールド１１４には、農作物のサイズに応じて、“Ｌ（大）”、“Ｍ（中）”及び“Ｓ（小）”の何れかの情報が格納され、彩度フィールド１１５には、特定の色（例えば、農作物がトマトの場合は赤、キュウリの場合は緑等）の彩度に応じて、“濃”及び“薄”の何れかの情報が格納される。また、状態フィールド１１６には、農作物の生育状態に応じて、“良好”、“普通”及び“不良”の何れかの情報が格納される。
【００３７】
さらに、位置フィールド１１９には、各畝を識別するためのアルファベット文字と、各畝における苗の位置を識別するための数字と、当該苗になっている実（農作物）の位置を識別するための数字との組で構成される位置情報が格納される。図４に示す例では、“Ｂ１−３”等の位置情報が位置フィールド１１９に格納されている。この例における“Ｂ１−３”は、特定の畝を示す“Ｂ”と、その畝の長手方向に沿って定植されている複数の苗のうちの一つの苗を示す“１”と、その苗になっている複数の実のうちの一つの実を示す“３”との組からなっている。ここで、“１”は特定の基準位置（例えば畝の一端）から数えて１番目の苗を表し、また、“３”は苗の下方（根元側）から上方（先端側）に向かって数えたときに３番目になっている実を表すこと等が考えられる。この位置フィールド１１９に格納される位置情報は、人間が目視等で確認した内容に基づいて人手で入力するようにしてもよく、カメラ３，３，…によって取得された画像データに対してエッジ抽出等の所定の画像処理を施す等して農作物管理装置１が自動的に生成するようにしてもよい。
【００３８】
上述した農作物情報ＤＢ１２Ｂに格納される情報は、カメラ３，３，…により取得された画像データに基づいて適宜更新される。その処理の詳細については後述する。
【００３９】
図５は、実施の形態１の農作物管理装置１に設けられている予約情報ＤＢ１２Ｃのレイアウトの一例を示す図である。図５に示すように、予約情報ＤＢ１２Ｃは、会員によりなされた各予約を識別するための予約ＩＤが格納される予約ＩＤフィールド１２１、各予約がなされた日時が格納される予約日時フィールド１２２、各予約を行った会員の会員ＩＤが格納される会員ＩＤフィールド１２３、及び各予約がなされた農作物を識別するための農作物ＩＤが格納される農作物ＩＤフィールド１２４を有している。この予約情報ＤＢ１２Ｃに格納される予約情報は、会員が予約をする都度更新される。
【００４０】
画像情報ＤＢ１２Ｄには、カメラ３，３，…が農園Ｆ内を撮像することにより得られた農作物を含む画像データが格納される。カメラ３，３，…は、予め設定された時間間隔（例えば、３時間毎等）で繰り返し撮像処理を実行する。そして、その結果得られた複数の画像データが、撮像日時等の情報と共に、画像情報ＤＢ１２Ｄに格納される。具体的には、図６に示すようにして格納されている。
【００４１】
図６は、実施の形態１の農作物管理装置１に設けられている画像情報ＤＢ１２Ｄのレイアウトの一例を示す図である。図６に示すように、画像情報ＤＢ１２Ｄは、各画像データを識別するための画像ＩＤが格納される画像ＩＤフィールド１３１、各画像データの撮像日時が格納される撮像日時フィールド１３２、補助記憶装置１２における画像データの記憶位置を示す情報が格納される画像データフィールド１３３、及び画像データに含まれている農作物の農作物ＩＤが格納される農作物ＩＤフィールド１３４を有している。なお、この図６に示す例では、農作物ＩＤフィールド１３４に農作物ＩＤが一つのみ格納されているが、撮像範囲に複数の農作物が含まれている場合には複数の農作物ＩＤが格納されることになる。画像データと農作物ＩＤとの対応付けは、画像データの内容をオペレータが確認する等しながら人手で行ってもよく、各カメラ３の撮像範囲等に基づいて予め定められていてもよい。また、所定の画像処理を実行することによって農作物管理装置１が自動的に行ってもよい。
【００４２】
［農作物管理装置の動作］
次に、上述したように構成された農作物管理装置の動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の農作物管理装置が実行する主な処理には、（１）農作物情報の更新を行うための農作物情報更新処理、及び（２）購入の予約がなされている生育中の農作物の位置を特定することができる情報を購入予定者に対して提供するための位置特定情報提供処理がある。以下では、これらの各処理の詳細について説明する。
【００４３】
（１）農作物情報更新処理
図７は、実施の形態１の農作物管理装置１が実行する農作物情報更新処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の農作物情報更新処理は、例えばカメラ３，３，…による撮像処理が実行される都度等、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【００４４】
農作物管理装置１はまず、農作物情報更新処理の対象となる農作物の農作物ＩＤを所定のルール（例えば番号の小さい順等）にしたがって決定する（Ｓ１０１）。次に、農作物管理装置１は、画像情報ＤＢ１２Ｄにアクセスし、処理対象とした農作物の農作物ＩＤが含まれている画像情報を読み出す（Ｓ１０２）。これにより、例えば直近１０回の撮像処理により得られた１０個の画像データを取得する。なお、ここでの「１０」は例示であり、その他の数であってもよいことは言うまでもない。ただし、後述するように画像データの比較処理を行うためには２個以上の画像データが必要になる。
【００４５】
次に、農作物管理装置１は、最も新しい画像データに対してエッジ抽出等の所定の画像処理を施すことによって農作物のサイズを特定する（Ｓ１０３）。例えば、農作物がトマトの場合、トマトの直径を算出し、その数値に応じて“Ｌ”、“Ｍ”及び“Ｓ”の３段階にランク付けする。
【００４６】
また、農作物管理装置１は、最も新しい画像データに対して所定の画像処理を施すことによって農作物の表面の色に関する色情報を取得し、その色情報の解析を行う（Ｓ１０４）。例えば、農作物がトマトの場合、赤色の彩度が所定値よりも高いか否か等によって、処理対象の農作物の表面の色が“濃”及び“薄”の何れであるのかの判定を行う。
【００４７】
さらに、農作物管理装置１は、取得した１０個の画像データを比較する処理を実行する（Ｓ１０５）。これにより、処理対象の農作物（実）の大きさ及びその実がなっている苗の大きさ等の時間変化を測定することができ、その時間変化に基づいて当該農作物の生長度合いを算出することができる。
【００４８】
次に、農作物管理装置１は、ステップＳ１０３により特定された農作物のサイズ、ステップＳ１０４の解析結果、及びステップＳ１０５の結果得られた農作物の生長度合い等に関する情報に基づいて、農作物の生育状態を３段階にランク付けすることにより、農作物の生育状態の判定を行う（Ｓ１０６）。この判定処理は、次のようにして与えられる得点に基づいて行うこと等が考えられる。サイズが“Ｌ”、“Ｍ”及び“Ｓ”の順に高い得点を与え、表面の色が“濃”と判定された場合に“薄”と判定された場合と比べて高い得点を与えるようにする。また、農作物の生長度合いの平均値を示す統計データを記憶しておき、その統計データと比較した結果、生長度合いが平均以上の場合に高い得点を与え、平均を下回る場合には低い得点を与えるようにする。そして、これらの得点の合計点が高い順に、“良好”、“普通”、“不良”とランク付けすることにより生育状態の判定を行う。
【００４９】
次に、農作物管理装置１は、ステップＳ１０６にて判定された生育状態に基づいて、処理対象の農作物の収穫日を推定する（Ｓ１０７）。具体的には、農作物の種類毎に農作物の収穫適期に関する収穫適期データ（例えば、播種日から３ヶ月後等）を記憶しておき、生育状態が“良好”の場合は収穫適期データよりも２週間早く収穫日を迎え、生育状態が“普通”の場合は収穫適期データのとおりに収穫日を迎え、生育状態が“不良”の場合は収穫適期データよりも２週間遅く収穫日を迎える等と判断することにより、処理対象の農作物の収穫日を推定する。
【００５０】
さらに、農作物管理装置１は、処理対象の農作物に係る農作物情報の位置フィールド１１９に既に格納されている位置情報が正しいか否かを確認する（Ｓ１０８）。具体的には、最も新しい画像データに表されている処理対象の農作物の位置が、その位置情報で表されている位置であるか否かを判定する。ここで、当該位置が異なっていると判定した場合（例えば、根元側に新たな実がついたために位置情報を“Ｂ１−３”から“Ｂ１−４”へ変更する必要が生じたり、根元側の実が収穫されたために位置情報を“Ｂ１−３”から“Ｂ１−２”へ変更する必要が生じたりした場合）、農作物管理装置１は、正しい位置情報を生成する。
【００５１】
次に、農作物管理装置１は、上記の各ステップにより得られた情報を農作物情報ＤＢ１２Ｂの各フィールドに格納することによって、農作物情報ＤＢ１２Ｂを更新する（Ｓ１０９）。具体的には、ステップＳ１０３により得られた“Ｌ”、“Ｍ”及び“Ｓ”の何れかの情報をサイズフィールド１１４に格納し、ステップＳ１０４により得られた“濃”及び“薄”の何れかの情報を彩度フィールド１１５に格納し、ステップＳ１０６により得られた“良好”、“普通”及び“不良”の何れかの情報を状態フィールド１１６に格納し、ステップＳ１０７により推定された収穫日を収穫予定日フィールド１１７に格納し、さらにステップＳ１０８において位置情報が誤っていると判定した場合は正しい位置情報を位置フィールド１１９に格納することにより、農作物情報ＤＢ１２Ｂの更新を行う。
【００５２】
次に、農作物管理装置１は、農園Ｆ内のすべての農作物について農作物情報更新処理を実行したか否かを判定する（Ｓ１１０）。ここで、まだ処理対象となっていない農作物が存在すると判定した場合（Ｓ１１０でＮＯ）、農作物管理装置１はステップＳ１０１に戻り、それ以降のステップＳ１０２乃至Ｓ１０９を実行する。他方、すべての農作物について農作物情報更新処理が行われたと判定した場合（Ｓ１１０でＹＥＳ）、農作物管理装置１は処理を終了する。
このようにして更新された農作物情報ＤＢ１２Ｂの内容に基づいて、次の（２）位置特定情報提供処理が実行される。
【００５３】
（２）位置特定情報提供処理
図８は、実施の形態１の農作物管理装置１が実行する位置特定情報提供処理の手順を示すフローチャートである。以下の位置特定情報提供処理は、農作物の購入の予約を行った購入予定者が自ら農園Ｆに出向いて当該農作物の収穫作業を行う場合に実行される。
【００５４】
購入予定者である会員は、農園Ｆ内又はその周辺に設けられている入力部４を用いて会員ＩＤを入力する。農作物管理装置１は、会員から会員ＩＤの入力を受け付けた場合（Ｓ１１１）、会員情報ＤＢ１２Ａにアクセスしてその会員ＩＤの会員が存在することを確認した後、当該会員ＩＤを検索キーとして予約情報ＤＢ１２Ｃから当該会員に係る予約情報を読み出す（Ｓ１１２）。次に、農作物管理装置１は、その読み出した予約情報における農作物ＩＤを検索キーとして農作物情報ＤＢ１２Ｂから予約済みの農作物（以下、「予約農作物」という）に係る農作物情報を読み出す（Ｓ１１３）。さらに、農作物管理装置１は、同じく農作物ＩＤを検索キーとして画像情報ＤＢ１２Ｄから予約農作物に係る画像情報を読み出す（Ｓ１１４）。
【００５５】
次に、農作物管理装置１は、上述したようにして読み出した画像情報及び農作物情報に基づいて、プリンタ５にて印刷され且つディスプレイ６にて表示される情報である出力用情報を生成する（Ｓ１１５）。具体的には、ステップＳ１１３にて読み出した農作物情報に含まれている農作物名・播種日・生育状態・サイズ・収穫予定日に関する情報及び予約ＩＤ、並びにステップＳ１１４にて読み出した画像情報に含まれている画像データを含む出力用情報を生成する。農作物管理装置１は、このようにして生成された出力用情報をディスプレイ６にて表示し（Ｓ１１６）、さらに、プリンタ５にて印刷する（Ｓ１１７）。
【００５６】
図９及び図１０は、実施の形態１の農作物管理装置１のプリンタ５にて印刷される印刷物及びディスプレイ６にて表示される画面の一例を示す図である。ここで、図９は苗の位置を特定するための印刷物及び画面の例を示しており、図１０はその苗になっている予約農作物の位置を特定するための印刷物及び画面の例を示している。なお、図９及び図１０に示す例が一枚の印刷物及び一つの画面に表されていてもよく、別々の印刷物及び別々の画面に表されていてもよい。また、本実施の形態ではこれらの印刷物及び画面が同一である場合を例示しているが、それぞれが異なる内容であってもよい。
【００５７】
図９に示す例では、農園Ｆ内の複数の畝にそれぞれ定植されている複数の苗が画像で表示されており、さらに予約農作物がなっている苗を囲む矩形状の枠Ｆ０が表されている。この枠Ｆ０の位置は、農作物情報における位置情報に基づいて決定される。購入予定者は、このような表示を確認することによって、どの苗に対して収穫作業を行えばよいのかを容易に知ることができる。
【００５８】
また、図１０に示す例では、１本の苗が含まれる画像と、その画像中の苗になっている予約農作物（実）の拡大画像と、その予約農作物に関する各種の情報とが対応付けて表示されている。この予約農作物に関する各種の情報として、図１０に示す例では、農作物名、播種日、生育状態、サイズ、及び収穫予定日に関する情報、並びに予約ＩＤが表示されている。購入予定者は、このような表示を確認することによって、予約農作物がどの位置になっているのか、その予約農作物がどのような生育状態なのか等を知ることができる。
【００５９】
購入予定者は、ディスプレイ６の表示画面を確認した上で、プリンタ５にて印刷された印刷物を携行して農園Ｆ内の収穫現場に向かう。これにより、購入予定者は、どの農作物が予約農作物であるのか、すなわちどの農作物を収穫すべきであるのかを容易に把握することができるため、予約農作物を確実に収穫することが可能になる。
【００６０】
なお、図９及び図１０に示すような予約農作物がなっている位置の高さを特定することが可能な画像表示は、会員の目線にあったものであることが好ましい。その場合、例えば会員情報に年齢等の情報を含ませて会員の年齢を特定できるようにしておき、購入予定者が大人である場合は比較的高い位置（目線）から苗を見たときの画像を表示するようにし、購入予定者が子供である場合は比較的低い位置から苗を見たときの画像を表示するようにする。また、この画像表示を裸眼立体視可能なものにしてもよい。
【００６１】
また、図１０では、予約農作物を一方向から映した画像が例示されているが、他の方向から映した画像を併せて表示（又は別途表示）するようにしてもよい。この場合、どの方向から見た画像であるのかを購入予定者が認識することができるようにするために、画像の内容のみではなく、その画像がどの方向から映されたものであるのかを確認することができる表示がなされることが好ましい。図１１は、そのような表示の一例を示す図である。図１１には、農園Ｆを平面視した画像に重ねて、カメラ３，３，…によって８方向から農園内が撮像されていることを表す８個の矢印が表示されており、そのうち特定の一方向（図中のハッチングが施された矢印の方向）からの画像が図１０に示す画像である旨が示されている。また、特定の畝中の○印は、予約農作物の位置を示している。図１０に示す表示と併せて、この図１１のような表示を印刷物及び／又は画面で参照することによって、購入予定者はより容易に予約農作物の位置を把握することができる。なお、購入予定者が、上記の８方向の何れかを指定することによって、所望の方向から得た図１０に示すような画像を確認することができるようにしてもよい。この場合、農作物管理装置１は、購入予定者から一つの方向を示す情報の入力を受け付け、その方向から撮像しているカメラ３により取得された画像データを用いて、図１０に示すような画像を生成すればよい。
【００６２】
（実施の形態２）
本発明のように、購入予約の対象が生育中の農作物である場合、生育過程において風雨の影響等によって自然に苗から落ちてしまうことが考えられる。また、購入予定者以外の会員が当該購入予定者の予約農作物を誤って収穫してしまうこともあり得る。実施の形態２の農作物管理装置は、これらの場合に予約農作物の代わりとなる農作物を特定し、その農作物の位置を購入予定者に知らせることができるように構成されている。
【００６３】
［農作物管理装置の構成］
本実施の形態の農作物管理装置の構成は、農作物情報ＤＢ１２Ｂの内容が異なるものの、それ以外については実施の形態１の場合と同様である。そのため、以下では、この農作物情報ＤＢ１２Ｂの詳細のみについて説明し、それ以外の構成については説明を省略する。
【００６４】
図１２は、実施の形態２の農作物管理装置に設けられている農作物情報ＤＢ１２Ｂのレイアウトの一例を示す図である。農作物ＩＤフィールド、農作物名フィールド、播種日フィールド、サイズフィールド、彩度フィールド、状態フィールド、収穫予定日フィールド、予約フィールド及び位置フィールドについては、実施の形態１の場合と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【００６５】
上記の各フィールドに加えて、本実施の形態の農作物情報ＤＢ１２Ｂは、各農作物が既に収穫されているか否かを示す収穫情報が格納される収穫フィールド１２０を有している。図１２に示す例では、収穫されている場合は“済”が、収穫されていない場合は“未”がそれぞれ収穫フィールド１２０に格納されている。ここで、収穫作業によって人為的に収穫された場合のみではなく、何らかの原因によって自然に苗から落ちてしまった場合も“済”が格納されることとする。
【００６６】
［農作物管理装置の動作］
次に、上述したように構成された農作物管理装置の動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。
本実施の形態の農作物管理装置は、実施の形態１の場合と同様の農作物情報更新処理を実行するとともに、下記の収穫情報更新処理を実行する。さらに、本実施の形態の農作物管理装置は、予約農作物が収穫済みであった場合にその代わりとなる農作物（以下、「代替農作物」という）を提示する代替農作物提示処理を実行する。以下、上記の（１）収穫情報更新処理、及び（２）代替農作物提示処理の詳細について説明する。
【００６７】
（１）収穫情報更新処理
図１３は、実施の形態２の農作物管理装置が実行する収穫情報更新処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の収穫情報更新処理は、例えば上記の農作物更新処理が実行される都度等、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【００６８】
農作物管理装置はまず、収穫情報更新処理の対象となる農作物の農作物ＩＤを所定のルール（例えば番号の小さい順等）にしたがって決定する（Ｓ２０１）。次に、農作物管理装置は、画像情報ＤＢ１２Ｄにアクセスし、処理対象とした農作物の農作物ＩＤが含まれている画像情報を読み出す（Ｓ２０２）。これにより、最も新しい画像データを取得する。
【００６９】
次に、農作物管理装置は、取得した画像データに対してエッジ抽出等の所定の画像処理を施すことによって処理対象の農作物が画像データ中に存在するか否か、すなわち収穫済みであるか否かを判定する（Ｓ２０３）。ここで、収穫済みであると判定した場合（Ｓ２０３でＹＥＳ）、農作物管理装置は、その旨を示す“済”を処理対象の農作物情報の収穫フィールド１２０に格納することによって、農作物情報ＤＢ１２Ｂを更新する（Ｓ２０４）。他方、収穫済みではないと判定した場合（Ｓ２０３でＮＯ）、農作物管理装置はステップＳ２０４を実行することなくステップＳ２０５に進む。
【００７０】
次に、農作物管理装置は、農園Ｆ内のすべての農作物について収穫情報更新処理を実行したか否かを判定する（Ｓ２０５）。ここで、まだ処理対象となっていない農作物が存在すると判定した場合（Ｓ２０５でＮＯ）、農作物管理装置はステップＳ２０１に戻り、それ以降のステップＳ２０２乃至Ｓ２０４を実行する。他方、すべての農作物について収穫情報更新処理が行われたと判定した場合（Ｓ２０５でＹＥＳ）、農作物管理装置は処理を終了する。
【００７１】
なお、本実施の形態では上述したように１個の画像データに基づいて農作物が収穫されたか否かを判定しているが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、最新の画像データと１つ前に得られた画像データである前回画像データとを比較し、前回画像データに含まれている農作物が最新の画像データに含まれていない場合に当該農作物が収穫されたと判定するようにしてもよい。
【００７２】
また、収穫されたか否かを人間が目視等で確認し、その確認結果を人手で入力することによって、農作物管理装置に対して収穫済みであるか否かを指示するようにしてもよい。
【００７３】
以上の収穫情報更新処理及び実施の形態１において説明した農作物情報更新処理によって更新された農作物情報ＤＢ１２Ｂの内容に基づいて、次の（２）代替農作物提示処理が実行される。
【００７４】
（２）代替農作物提示処理
図１４は、実施の形態２の農作物管理装置が実行する代替農作物提示処理の手順を示すフローチャートである。以下の代替農作物提示処理は、農作物の購入の予約を行った購入予定者が自ら農園Ｆに出向いて当該農作物の収穫作業を行う場合に実行される。
【００７５】
購入予定者である会員は、農園Ｆ内又はその周辺に設けられている入力部４を用いて会員ＩＤを入力する。農作物管理装置は、会員から会員ＩＤの入力を受け付けた場合（Ｓ２１１）、会員情報ＤＢ１２Ａにアクセスしてその会員ＩＤの会員が存在することを確認した後、当該会員ＩＤを検索キーとして予約情報ＤＢ１２Ｃから当該会員に係る予約情報を読み出す（Ｓ２１２）。次に、農作物管理装置は、その読み出した予約情報における農作物ＩＤを検索キーとして農作物情報ＤＢ１２Ｂから予約農作物の農作物情報を読み出す（Ｓ２１３）。
【００７６】
次に、農作物管理装置は、ステップＳ２１３によって読み出した農作物情報における収穫情報を確認し、予約農作物が収穫済みであるか否かを判定する（Ｓ２１４）。ここで、収穫済みではないと判定した場合（Ｓ２１４でＮＯ）、農作物管理装置は後述するステップＳ２１６を実行する。他方、収穫済みであると判定した場合（Ｓ２１４でＹＥＳ）、農作物管理装置は、代替農作物を設定するための代替農作物設定処理を実行する（Ｓ２１５）。
【００７７】
図１５は、実施の形態２の農作物管理装置が実行する代替農作物設定処理の手順を示すフローチャートである。
図１５に示すとおり、農作物管理装置は、この代替農作物設定処理によって代替農作物に設定される候補（以下、「代替候補」という）となる農作物の農作物ＩＤを所定のルール（例えば番号の小さい順等）にしたがって決定する（Ｓ２２１）。次に、農作物管理装置は、農作物情報ＤＢ１２Ｂの予約フィールド１１８に格納されている情報を参照し、代替候補の農作物が予約済みではないかどうかを判定する（Ｓ２２２）。ここで予約済みではないと判定した場合（Ｓ２２２でＹＥＳ）、農作物管理装置は、農作物情報ＤＢ１２Ｂの状態フィールド１１６に格納されている情報を参照し、代替候補の農作物の生育状態が“不良”ではないかどうかを判定する（Ｓ２２３）。ここで生育状態が“不良”ではない（つまり“良好”又は“普通”である）と判定した場合（Ｓ２２３でＹＥＳ）、農作物管理装置は、農作物情報ＤＢ１２Ｂの播種日フィールド１１３に格納されている情報を参照し、検査対象の農作物の播種日と代替候補の農作物の播種日との差が１０日以内であるか否かを判定する（Ｓ２２４）。
【００７８】
ステップＳ２２４において播種日の差が１０日以内であると判定した場合（Ｓ２２４でＹＥＳ）、農作物管理装置は、農作物情報ＤＢ１２Ｂの収穫予定日フィールド１１７に格納されている情報を参照し、予約農作物の収穫予定日と代替候補の農作物の収穫予定日との差が１０日以内であるか否かを判定する（Ｓ２２５）。ここで収穫予定日の差が１０日以内であると判定した場合（Ｓ２２５でＹＥＳ）、農作物管理装置は、代替候補の農作物を代替農作物に決定し（Ｓ２２６）、処理をリターンする。
【００７９】
他方、ステップＳ２２２で代替候補の農作物が予約済みであると判定した場合（Ｓ２２２でＮＯ）、ステップＳ２２３で代替候補の農作物の生育状態が不良であると判定した場合（Ｓ２２３でＮＯ）、ステップＳ２２４で播種日の差が１０日より大きいと判定した場合（Ｓ２２４でＮＯ）、又はステップＳ２２５で収穫予定日の差が１０日より大きいと判定した場合（Ｓ２２５でＮＯ）、農作物管理装置は、代替候補の農作物を予約農作物の代替農作物として設定することはできないと判断し、農園Ｆ内のすべての農作物に対して代替農作物設定処理が実行されたか否か（すなわち、すべての農作物が代替候補となったか否か）を判定する。ここで、まだ代替候補となっていない農作物が存在すると判定した場合（Ｓ２２７でＮＯ）、農作物管理装置はステップＳ２２１に戻り、それ以降のステップＳ２２２乃至Ｓ２２６を実行する。他方、すべての農作物が代替候補となった判定した場合（Ｓ２２７でＹＥＳ）、農作物管理装置は、代替農作物の設定が行われなかったことを示す代替農作物設定失敗情報をディスプレイ６に表示する（Ｓ２２８）。
【００８０】
図１４に戻り、農作物管理装置は、画像情報ＤＢ１２Ｄにアクセスし、代替農作物設定処理によって代替農作物となった農作物の農作物ＩＤが含まれている画像情報を読み出す（Ｓ２１６）。次に、農作物管理装置１は、上述したようにして読み出した画像情報及び代替農作物の農作物情報に基づいて、プリンタ５にて印刷され且つディスプレイ６にて表示される情報である出力用情報を生成する（Ｓ２１７）。具体的には、その代替農作物の農作物情報に含まれている農作物名・播種日・生育状態・サイズ・収穫予定日に関する情報、及びステップＳ２１６にて読み出した画像情報に含まれている画像データを含む出力用情報を生成する。農作物管理装置は、このようにして生成された出力用情報をディスプレイ６にて表示し（Ｓ２１８）、さらに、プリンタ５にて印刷する（Ｓ２１９）。
【００８１】
図１６及び図１７は、実施の形態２の農作物管理装置のプリンタ５にて印刷される印刷物及びディスプレイ６にて表示される画面の一例を示す図である。ここで、図１６は苗の位置を特定するための印刷物及び画面の例を示しており、図１７はその苗になっている代替農作物の位置を特定するための印刷物及び画面の例を示している。なお、図１６及び図１７に示す例が一枚の印刷物及び一つの画面に表されていてもよく、別々の印刷物及び別々の画面に表されていてもよい。また、ここではこれらの印刷物及び画面が同一である場合を例示しているが、それぞれが異なる内容であってもよい。
【００８２】
図１６に示す例では、農園Ｆ内の複数の畝にそれぞれ定植されている複数の苗が画像で表示されており、さらに予約農作物がなっている苗を囲む矩形状の枠Ｆ１と代替農作物がなっている苗を囲む矩形状の枠Ｆ２とが表されている。ここで、枠Ｆ１には×印が付されており、また、枠Ｆ２の上方には「こちらの実を収穫して下さい」との文言が矢印と共に表示されている。なお、これらの枠Ｆ１及びＦ２の位置は、農作物情報における位置情報に基づいて決定される。購入予定者は、このような表示を確認することによって、予約農作物の収穫ができないこと及びその代わりにどの苗に対して収穫作業を行えばよいのかを容易に知ることができる。
【００８３】
また、図１７に示す例では、１本の苗が含まれる画像と、その画像中の苗になっている代替農作物（実）の拡大画像と、その代替農作物に関する各種の情報とが対応付けて表示されている。この代替農作物に関する各種の情報として、図１７に示す例では、農作物名、播種日、生育状態、サイズ、及び収穫予定日に関する情報が表示されている。購入予定者は、このような表示を確認することによって、代替農作物がどの位置になっているのか、その代替農作物がどのような生育状態なのか等を知ることができる。
【００８４】
購入予定者は、ディスプレイ６の表示画面を確認した上で、プリンタ５にて印刷された印刷物を携行して農園Ｆ内の収穫現場に向かう。これにより、購入予定者は、どの農作物が代替農作物であるのか、すなわちどの農作物を収穫すべきであるのかを容易に把握することができるため、予約農作物が収穫済みの場合であっても、その代わりとなる代替農作物を収穫することが可能になる。
【００８５】
（実施の形態３）
実施の形態３の農作物管理装置は、購入予定者である会員が携帯型電話機で撮像した画像データを用いて、当該会員に対して予約農作物の位置を知らせることができるように構成されている。以下、本実施の形態の農作物管理装置の構成及び動作について説明する。
【００８６】
［農作物管理装置の構成］
図１８は、実施の形態３の農作物管理装置と携帯型電話機との接続態様を示すブロック図である。図１８に示すとおり、本実施の形態の農作物管理装置３０は、会員が操作する携帯型電話機３２，３２，…とインターネット１００を介して通信可能に接続された管理サーバ３１と、実施の形態１の場合と同様に農園内に設置された複数のカメラ３，３，…とを備えている。これらの管理サーバ３１とカメラ３，３，…とは専用線を介して通信可能に接続されており、カメラ３，３，…によって取得された画像データが当該専用線を介して管理サーバ３１へ送信される。また、携帯型電話機３２，３２，…は、ＣＣＤ又はＣＭＯＳ等の撮像素子で構成された撮像部と、液晶ディスプレイ等の表示部とを備えている。
【００８７】
図１９は、実施の形態３の農作物管理装置３０の構成を示すブロック図である。図１９に示すとおり、本実施の形態の農作物管理装置３０は、ＣＰＵ４０と、そのＣＰＵ４０に接続された主記憶装置４１、補助記憶装置４２、通信インタフェース（Ｉ／Ｆ）４３と、入出力Ｉ／Ｆ４４とを具備する管理サーバ３１を備えている。これらのＣＰＵ４０、主記憶装置４１、補助記憶装置４２、通信Ｉ／Ｆ４３及び入出力Ｉ／Ｆ４４はバスによって接続されている。通信Ｉ／Ｆ４３は、インターネット１００に接続するためのインタフェース装置である。農作物管理装置３０は、この通信Ｉ／Ｆ４３を介して、携帯型電話機３２，３２，…との間で各種のデータの送受信を行う。その他のＣＰＵ４０、主記憶装置４１、補助記憶装置４２及び入出力Ｉ／Ｆ４４は、実施の形態１の農作物管理装置１の場合と同様であるので、説明を省略する。補助記憶装置４２に設けられている会員情報ＤＢ４２Ａ、農作物情報ＤＢ４２Ｂ、予約情報ＤＢ４２Ｃ及び画像情報ＤＢ４２Ｄも、実施の形態１の農作物管理装置１の場合と同様であるので、説明を省略する。
【００８８】
［農作物管理装置の動作］
次に、上述したように構成された農作物管理装置３０の動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。
本実施の形態の農作物管理装置３０は、実施の形態１の場合と同様の農作物情報更新処理を実行することにより、農作物情報ＤＢ４２Ｂを更新する。これにより農作物情報ＤＢ４２Ｂの内容が最新のものに保持された状況において、本実施の形態では、管理サーバ３１及び携帯型電話機３２によって以下に説明する位置特定情報提供処理が実行される。
【００８９】
図２０は、管理サーバ３１及び携帯型電話機３２が実行する位置特定情報提供処理の手順を示すフローチャートである。以下の位置特定情報提供処理は、実施の形態１の場合と同様に、農作物の購入の予約を行った購入予定者が自ら農園Ｆに出向いて当該農作物の収穫作業を行う場合に実行される。
【００９０】
購入予定者である会員は、農園Ｆ内の農作物の中から予約農作物と推測されるものを見つけ、その農作物を撮像すべく携帯型電話機３２を操作する。携帯型電話機３２は、会員による操作に応じて、予約農作物と推測される農作物を含む画像データを撮像部にて撮像する（Ｓ３１１）。次に、携帯型電話機３２は、会員から会員ＩＤの入力を受け付けた後、その会員ＩＤとステップＳ３１１にて取得した画像データとを含む電子メールを管理サーバ３１宛に送信する（Ｓ３１２）。
【００９１】
管理サーバ３１は、携帯型電話機３２から送信された電子メールを受信した場合（Ｓ４１１）、会員情報ＤＢ４２Ａにアクセスして電子メールに含まれる会員ＩＤの会員が存在することを確認した後、当該会員ＩＤを検索キーとして予約情報ＤＢ１２Ｃから当該会員に係る予約情報を読み出す（Ｓ４１２）。次に、管理サーバ３１は、その読み出した予約情報における農作物ＩＤを検索キーとして農作物情報ＤＢ４２Ｂから予約農作物に係る農作物情報を読み出す（Ｓ４１３）。さらに、管理サーバ３１は、同じく農作物ＩＤを検索キーとして画像情報ＤＢ４２Ｄから予約農作物に係る画像情報を読み出す（Ｓ４１４）。これにより、最も新しい画像データを取得する。
【００９２】
次に、管理サーバ３１は、ステップＳ４１４にて取得した画像データと電子メールに含まれる携帯型電話機３２にて撮像された画像データ（以下、「携帯画像データ」という）とを比較し、その携帯画像データに予約農作物が含まれているか否かを判定する（Ｓ４１５）。具体的には、ステップＳ４１４にて取得した画像データの中から予約農作物及びその予約農作物がなっている苗の輪郭を抽出し、それらの輪郭と合致する農作物及び苗が携帯画像データに含まれているか否かを判定すること等によりステップＳ４１５を実行する。なお、このステップＳ４１５の判定精度を高めるためには、携帯型電話機３２が複数の異なる角度から農作物を撮像し、その結果得られた複数の携帯画像データを管理サーバ３１に対して送信することが好ましい。
【００９３】
ステップＳ４１５において携帯画像データに予約農作物が含まれていると判定した場合（Ｓ４１５でＹＥＳ）、管理サーバ３１は、携帯画像データ及びステップＳ４１３にて読み出した農作物情報における位置情報に基づいて返信用画像データを生成する（Ｓ４１６）。他方、携帯画像データに予約農作物が含まれていないと判定した場合（Ｓ４１５でＮＯ）、管理サーバ３１は、ステップＳ４１４にて読み出した画像情報及び前記位置情報に基づいて、携帯型電話機３２の表示部にて表示される返信用画像データを生成する（Ｓ４１７）。
【００９４】
管理サーバ３１は、上述したようにして生成された返信用画像データを含む電子メールを携帯型電話機３２宛に送信する（Ｓ４１８）。携帯型電話機３２は、管理サーバ３１から送信された電子メールを受信した場合（Ｓ３１３）、受信した電子メールに含まれている返信用画像データを表示部に表示する（Ｓ３１４）。
【００９５】
図２１及び図２２は、携帯型電話機３２の表示部に表示される画面の一例を示す図である。ここで、図２１は上述したステップＳ４１６で生成された返信用画像データを表示する画面の例を示しており、図２２は上述したステップＳ４１７で生成された返信用画像データを表示する画面の例を示している。
図２１に示す例では、農園Ｆ内の特定の畝に定植されている複数の苗が画像で表示されており、さらに予約農作物を囲む矩形状の枠Ｆ３が表されている。この返信用画像データは、管理サーバ３１が携帯画像データに枠Ｆ３を付与することにより生成されたデータである。ここで、枠Ｆ３を付与する位置は、位置情報に基づいて決定される。購入予定者は、このような表示を確認することによって、どの苗に対して収穫作業を行えばよいのかを容易に知ることができる。
【００９６】
また、図２２に示す例では、農園Ｆ内の特定の畝に定植されている複数の苗が画像で表示されており、さらに予約農作物を囲む矩形状の枠Ｆ４が表されている。さらに、枠Ｆ４の上方には「手前から３番目の苗です」との文言が矢印と共に表示されている。この返信用画像データは、管理サーバ３１が画像情報ＤＢ４２Ｄに記憶されている画像データに枠Ｆ４並びに上記の文言及び矢印を付与することにより生成されたデータである。ここで、枠Ｆ４を付与する位置及び手前から何番目の苗であるかは、位置情報に基づいて決定される。購入予定者は、このような表示を確認することによって、予約農作物だと推測した農作物が予約農作物ではなかったこと及び予約農作物の位置等を知ることができる。
【００９７】
（その他の実施の形態）
上記の各実施の形態では、購入予定者に提示する農作物の位置を特定する情報として画像データを用いているが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、農園内のマップを用意し、そのマップに農作物の位置を特定する情報を加えることによって購入予定者に購入する農作物の位置を提示するようにしてもよい。また、音声等によって農作物の位置を知らせるような態様であってもよい。
【００９８】
上記の各実施の形態の農作物管理装置は、農作物を屋外及び屋内の何れの環境で栽培する場合でも使用することが可能である。いわゆる植物工場においても使用することができ、その場合はカメラの設置及びメンテナンスが容易になる等の利点がある。
【００９９】
上述した各実施の形態は適宜組み合わせることが可能である。したがって、例えば、実施の形態１と実施の形態３とを組み合わせることによって、図９及び図１０に示すような出力用情報を会員の携帯型電話機に送信するような農作物管理装置を実現することも可能である。また、実施の形態２と実施の形態３とを組み合わせることによって、図１６及び図１７に示すような出力用情報を会員の携帯型電話機に送信するような農作物管理装置を実現することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【０１００】
本発明の農作物管理方法及び農作物管理装置は、生育中であって収穫作業前の野菜及び果物などの各種の農作物を管理する農作物管理方法及び農作物管理装置等として有用である。
【符号の説明】
【０１０１】
１ 農作物管理装置
３ カメラ
３Ａ 支柱
４ 入力部
５ プリンタ
６ ディスプレイ
１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ 苗
１１ 主記憶装置
１２ 補助記憶装置
１２Ａ 会員情報データベース
１２Ｂ 農作物情報データベース
１２Ｃ 予約情報データベース
１２Ｄ 画像情報データベース
３０ 農作物管理装置
３１ 管理サーバ
３２ 携帯型電話機
４１ 主記憶装置
４２ 補助記憶装置
４２Ａ 会員情報データベース
４２Ｂ 農作物情報データベース
４２Ｃ 予約情報データベース
４２Ｄ 画像情報データベース
１００ インターネット
【技術分野】
【０００１】
本発明は、各種の農作物を販売するために当該農作物を管理する農作物管理方法に関し、特に購入予定者によって購入予約がなされた育成中の農作物の管理を行う農作物管理方法、及びその方法を実施するための農作物管理装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、インターネットが急速に普及していることに伴って、インターネットを利用した農作物の販売システムが種々提案されている。例えば、特許文献１には、商品情報、商品履歴情報及び生産環境情報を掲示することができる商品掲示サーバとクライアント端末とを備え、クライアント端末が商品掲示サーバにアクセスし、商品掲示サーバが掲示する商品情報、商品履歴情報及び生産環境情報に基づいて商品を選択して注文することができる販売システムが開示されている。この販売システムによれば、購入者は、商品情報に加えて、商品履歴情報及び生産環境情報をも参照することができるため、生産現場の臨場感を得ながら商品注文を行うことができる。
【０００３】
また、特許文献２には、インターネットを介して、農作物の出荷状態を示す商品見本となる商品画像データと、農作物の播種日から出荷日までを表す生産計画データとを購入者に提供し、その購入者から注文を受け付ける販売システムが開示されている。この販売システムによれば、購入者の希望する量及び希望する日等の各種購入条件に対応した生産計画を立てることができるため、農作物の受注生産を実現することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００３−２５６６７９号公報
【特許文献２】特開２００５−７８２３８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上述したような従来の販売システムによれば、インターネットを用いて農作物の購入を予約することができる。しかしながら、これらの販売システムにおいては、購入者は商品見本となる画像等を確認するのみであって、実際に購入する農作物を確認した上で購入の予約をすることはできない。そのため、後日購入者の下に届けられた農作物と購入者が予約の際に想像していた農作物とが大きく異なる場合がある等の不都合が生じるという問題があった。
【０００６】
このような不都合を解消するために、購入者の下に実際に届けられる収穫後の農作物そのものを画像等で提示する販売システムも考えられるが、この場合では収穫から購入者に届けられるまでの期間が長くなってしまうため、新鮮な状態の農作物を提供することができないという問題がある。
【０００７】
上記を考慮すると、実際に購入する農作物であって、しかも収穫前のものについて購入の予約を行うことができることが望ましい。このような農作物について購入の予約を行うことができる場合において、購入者自らが農園に出向いてその農作物の収穫を行うようなときは、どの農作物が予約に係るものであるのか、すなわちどの農作物を収穫すべきであるのかを購入者が認識することができなければならない。
【０００８】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、農園内の多くの農作物の中から購入予約がなされた農作物を容易に特定することができる農作物管理方法、及びその方法を実施するための農作物管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の農作物管理方法は、コンピュータを用いて農園内で生育中の農作物の管理を行う農作物管理方法において、前記コンピュータは、前記生育中の農作物の購入予約に関する予約情報及び当該農作物の前記農園内における位置に関する位置情報を記憶する記憶部を具備しており、前記コンピュータが、前記記憶部に記憶されている予約情報及び位置情報に基づいて、前記生育中の農作物のうち既に購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成するステップと、前記コンピュータによって生成された農作物位置情報を前記農園内又はその周辺に設置された表示装置にて表示することによって、前記購入予約を行った購入予定者に対して当該農作物位置情報を提示するステップとを有する。
【００１０】
前記態様において、前記購入予約がなされた農作物を前記購入予定者が収穫する前に当該農作物の存在がなくなった場合、前記コンピュータが、当該農作物に代わる農作物を前記生育中の農作物の中から選択するステップをさらに有し、前記農作物位置情報を生成するステップにおいて、前記コンピュータが、前記農作物の中から選択された農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成するようにしてもよい。
【００１１】
また、前記態様において、前記コンピュータが、撮像手段を具備する携帯型端末から当該撮像手段により得られた前記購入予約がなされた農作物を含む画像データを受信するステップと、前記コンピュータが、受信した画像データに前記購入予約がなされた農作物が含まれているか否かを判定するステップと、前記コンピュータが、前記農作物位置情報と併せて、前記判定手段による判定結果を示す判定結果情報を前記携帯型端末へ送信するステップとをさらに有してもよい。
【００１２】
また、前記態様において、前記コンピュータが、前記購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す情報を前記画像データに付与し、当該農作物の位置を示す情報が付与された前記画像データを前記携帯型端末に送信するステップをさらに有していてもよい。
【００１３】
前記態様の前記農作物位置情報を提示するステップにおいて、前記コンピュータによって生成された農作物位置情報を前記農園内又はその周辺に設置された印刷装置にて印刷するようにしてもよい。
【００１４】
本発明の一の態様の農作物管理装置は、農園内で生育中の農作物を管理する農作物管理装置において、前記生育中の農作物の購入予約に関する予約情報及び当該農作物の前記農園内における位置に関する位置情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている予約情報及び位置情報に基づいて、前記生育中の農作物のうち既に購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成する農作物位置情報生成手段と、前記農作物位置情報生成手段によって生成された農作物位置情報を、前記購入予約を行った購入予定者に対して提示する農作物位置情報提示手段とを備える。
【００１５】
前記態様において、前記購入予約がなされた農作物を前記購入予定者が収穫する前に当該農作物の存在がなくなった場合、当該農作物に代わる農作物を前記生育中の農作物の中から選択する代替農作物選択手段をさらに備え、前記農作物位置情報生成手段が、前記代替農作物選択手段によって選択された農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成するように構成されていてもよい。
【００１６】
また、前記態様において、撮像手段を具備する携帯型端末から当該撮像手段により得られた前記購入予約がなされた農作物を含む画像データを受信する画像データ受信手段と、前記画像データ受信手段によって受信された画像データに前記購入予約がなされた農作物が含まれているか否かを判定する判定手段とをさらに備え、前記農作物位置情報提示手段は、前記農作物位置情報と併せて、前記判定手段による判定結果を示す判定結果情報を前記携帯型端末へ送信するように構成されていてもよい。
【００１７】
また、前記態様において、前記農作物位置情報提示手段が、前記購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す情報を前記画像データに付与し、当該農作物の位置を示す情報が付与された前記画像データを前記携帯型端末に送信するように構成されていてもよい。
【００１８】
また、前記態様において、前記農作物位置情報提示手段が、前記農園付近に設けられた表示装置を具備しており、前記農作物位置情報生成手段によって生成された農作物位置情報を当該表示装置に表示するように構成されていてもよい。
【００１９】
さらに、前記態様において、前記農作物位置情報提示手段が、前記農園付近に設けられた印刷装置を具備しており、前記農作物位置情報生成手段によって生成された農作物位置情報を示す印刷物を当該印刷装置にて生成するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【００２０】
本発明に係る農作物管理方法及び農作物管理装置によれば、農園内の多くの農作物の中から購入予約がなされた生育中の農作物を容易に特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】実施の形態１の農作物管理装置の構成を示すブロック図。
【図２】農作物を撮像するカメラの設置態様を示す斜視図。
【図３】実施の形態１の農作物管理装置に設けられている会員情報ＤＢのレイアウトの一例を示す図。
【図４】実施の形態１の農作物管理装置に設けられている農作物情報ＤＢのレイアウトの一例を示す図。
【図５】実施の形態１の農作物管理装置に設けられている予約情報ＤＢのレイアウトの一例を示す図。
【図６】実施の形態１の農作物管理装置に設けられている画像情報ＤＢのレイアウトの一例を示す図。
【図７】実施の形態１の農作物管理装置が実行する農作物情報更新処理の手順を示すフローチャート。
【図８】実施の形態１の農作物管理装置が実行する位置特定情報提供処理の手順を示すフローチャート。
【図９】実施の形態１の農作物管理装置のプリンタにて印刷される印刷物及びディスプレイにて表示される画面の一例を示す図。
【図１０】実施の形態１の農作物管理装置のプリンタにて印刷される印刷物及びディスプレイにて表示される画面の一例を示す図。
【図１１】実施の形態１の農作物管理装置のプリンタにて印刷される印刷物及びディスプレイにて表示される画面の一例を示す図。
【図１２】実施の形態２の農作物管理装置に設けられている農作物情報ＤＢのレイアウトの一例を示す図。
【図１３】実施の形態２の農作物管理装置が実行する収穫情報更新処理の手順を示すフローチャート。
【図１４】実施の形態２の農作物管理装置が実行する代替農作物提示処理の手順を示すフローチャート。
【図１５】実施の形態２の農作物管理装置が実行する代替農作物設定処理の手順を示すフローチャート。
【図１６】実施の形態２の農作物管理装置のプリンタにて印刷される印刷物及びディスプレイにて表示される画面の一例を示す図。
【図１７】実施の形態２の農作物管理装置のプリンタにて印刷される印刷物及びディスプレイにて表示される画面の一例を示す図。
【図１８】実施の形態３の農作物管理装置と携帯型電話機との接続態様を示すブロック図。
【図１９】実施の形態３の農作物管理装置の構成を示すブロック図。
【図２０】管理サーバ及び携帯型電話機が実行する位置特定情報提供処理の手順を示すフローチャート。
【図２１】携帯型電話機の表示部に表示される画面の一例を示す図。
【図２２】携帯型電話機の表示部に表示される画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【００２２】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【００２３】
（実施の形態１）
［農作物管理装置の構成］
図１は、本発明の実施の形態１に係る農作物管理装置の構成を示すブロック図である。図１に示すとおり、本実施の形態の農作物管理装置１は、ＣＰＵ１０と、そのＣＰＵ１０に接続された主記憶装置１１、補助記憶装置１２、入出力インタフェース（Ｉ／Ｆ）１３及び画像出力インタフェース（Ｉ／Ｆ）１４とを備えている。なお、これらのＣＰＵ１０、主記憶装置１１、補助記憶装置１２、入出力Ｉ／Ｆ１３及び画像出力Ｉ／Ｆ１４はバスによって接続されている。
【００２４】
ＣＰＵ１０は、補助記憶装置１２に記憶されているコンピュータプログラムを実行する。これにより、農作物管理装置１は、各種のデバイスの動作を制御しながら、後述する各種の処理を実行することが可能になる。
【００２５】
主記憶装置１１は、ＳＲＡＭまたはＤＲＡＭ等によって構成されており、補助記憶装置１２に記憶されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、主記憶装置１１は、ＣＰＵ１０がコンピュータプログラムを実行するときに、ＣＰＵ１０の作業領域としても利用される。
【００２６】
補助記憶装置１２は、フラッシュメモリ又はハードディスクなどの不揮発性記憶装置によって構成されており、ＣＰＵ１０に実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等を記憶している。また、補助記憶装置１２には、会員情報データベース（ＤＢ）１２Ａ、農作物情報データベース（ＤＢ）１２Ｂ、予約情報データベース（ＤＢ）１２Ｃ及び画像情報データベース（ＤＢ）１２Ｄが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。
【００２７】
入出力Ｉ／Ｆ１３は、ＣＰＵ１０と各種の外部装置とを接続するためのインタフェース装置である。この入出力Ｉ／Ｆ１３には、ＣＣＤ（Charge Coupled Device）又はＣＭＯＳ（Complementary Metal Oxide Semiconductor）等の撮像素子で構成された複数のカメラ３，３，…が接続されている。農作物管理装置１は、この入出力Ｉ／Ｆ１３を介して、カメラ３，３，…から画像データを受信する。
【００２８】
図２は、カメラ３，３，…の設置態様を示す斜視図である。図２において、符号Ｆは農園を示している。農園Ｆには、複数の畝Ｈ，Ｈ，…が並列状に形成されており、各畝Ｈの長手方向に沿ってキュウリの複数の苗１０Ａ，１０Ａ，…、トマトの複数の苗１０Ｂ，１０Ｂ，…、及びナスの複数の苗１０Ｃ，１０Ｃ，…等が整列して定植されている。このように、本実施の形態では複数の苗が土壌で形成された畝Ｈに定植されているが、本発明はこれに限定されるわけではなく、例えば養液栽培用の栽培ベッド等に定植されていてもよい。また、本実施の形態では農園Ｆ内に複数種類の果菜類の苗が定植されているが、１種類であってもよい。
【００２９】
図２に示すとおり、支柱３Ａによって適宜の高さに固定された２台のカメラ３，３が畝Ｈの長手方向に沿って並設されており、また、同様にして固定された２台のカメラ３，３が畝Ｈ，Ｈ，…の並列方向に沿って並設されている。なお、これらのカメラ３，３，…は、その設置角度が調節可能なように支柱３Ａに取り付けられており、この設置角度を調節することにより撮像範囲を適宜調整することができる。
【００３０】
本実施の形態では４台のカメラ３，３，…が設けられているが、この数に限られるわけではないことは勿論である。また、カメラ３，３，…が設置される位置も図２に示すものに限定されるわけではなく、農園Ｆ内で生育中の農作物を撮像することができる位置に設けられていればよい。
【００３１】
入出力Ｉ／Ｆ１３には、上記のカメラ３，３，…以外にも、キーボード又はタッチパネル等で構成される入力部４と、種々の情報を印刷するプリンタ５とが接続されている。この入力部４は、農園Ｆ内又はその周辺に設置されており、農園Ｆに出向いた購入予定者によって操作される。また、プリンタ５も同様にして農園Ｆ内又はその周辺に設けられており、プリンタ５によって作成された印刷物は農園Ｆに出向いた購入予定者が取得することになる。
【００３２】
また、画像出力Ｉ／Ｆ１４は、ＬＣＤ等で構成されるディスプレイ６と通信するためのインタフェース装置であり、ＣＰＵ１０から与えられた画像データに応じた映像信号をディスプレイ６に出力する。ディスプレイ６は、入力された映像信号にしたがって画像を表示する。このディスプレイ６は、農園Ｆ内又はその周辺に設置されている。農園Ｆ内で生育中であり且つ購入の予約がなされた農作物を収穫するために購入予定者が農園Ｆを訪れたときに、その購入予定者がディスプレイ６の表示を確認することになる。
【００３３】
次に、上記の会員情報ＤＢ１２Ａ、農作物情報ＤＢ１２Ｂ、予約情報ＤＢ１２Ｃ及び画像情報ＤＢ１２Ｄについて説明する。
図３は、実施の形態１の農作物管理装置１に設けられている会員情報ＤＢ１２Ａのレイアウトの一例を示す図である。図３に示すように、会員情報ＤＢ１２Ａは、各会員を識別するための会員ＩＤが格納される会員ＩＤフィールド１０１、各会員の氏名が格納される氏名フィールド１０２、各会員の電子メールアドレスが格納される電子メールアドレスフィールド１０３、及び各会員の住所が格納される住所フィールド１０４を有している。
【００３４】
上述した会員情報ＤＢ１２Ａに格納される情報は、本実施の形態の農作物管理装置を利用するための事前登録の際に各利用者から受け付けた内容に基づいて生成される。この事前登録を済ませた利用者は、本実施の形態の農作物管理装置１を利用して農作物の収穫を行うことができる会員となる。
【００３５】
図４は、実施の形態１の農作物管理装置１に設けられている農作物情報ＤＢ１２Ｂのレイアウトの一例を示す図である。図４に示すように、農作物情報ＤＢ１２Ｂは、各農作物を識別するための農作物ＩＤが格納される農作物ＩＤフィールド１１１、各農作物の名称が格納される農作物名フィールド１１２、各農作物の播種日が格納される播種日フィールド１１３、各農作物の寸法（サイズ）を示す情報が格納されるサイズフィールド１１４、各農作物の表面の色に関する情報が格納される彩度フィールド１１５、各農作物の生育状態を示す情報が格納される状態フィールド１１６、各農作物の収穫予定日が格納される収穫予定日フィールド１１７、各農作物が予約されているか否かを示す情報が格納される予約フィールド１１８、及び農園内における各農作物の位置を示す位置情報が格納される位置フィールド１１９を有している。
【００３６】
なお、本実施の形態において、サイズフィールド１１４には、農作物のサイズに応じて、“Ｌ（大）”、“Ｍ（中）”及び“Ｓ（小）”の何れかの情報が格納され、彩度フィールド１１５には、特定の色（例えば、農作物がトマトの場合は赤、キュウリの場合は緑等）の彩度に応じて、“濃”及び“薄”の何れかの情報が格納される。また、状態フィールド１１６には、農作物の生育状態に応じて、“良好”、“普通”及び“不良”の何れかの情報が格納される。
【００３７】
さらに、位置フィールド１１９には、各畝を識別するためのアルファベット文字と、各畝における苗の位置を識別するための数字と、当該苗になっている実（農作物）の位置を識別するための数字との組で構成される位置情報が格納される。図４に示す例では、“Ｂ１−３”等の位置情報が位置フィールド１１９に格納されている。この例における“Ｂ１−３”は、特定の畝を示す“Ｂ”と、その畝の長手方向に沿って定植されている複数の苗のうちの一つの苗を示す“１”と、その苗になっている複数の実のうちの一つの実を示す“３”との組からなっている。ここで、“１”は特定の基準位置（例えば畝の一端）から数えて１番目の苗を表し、また、“３”は苗の下方（根元側）から上方（先端側）に向かって数えたときに３番目になっている実を表すこと等が考えられる。この位置フィールド１１９に格納される位置情報は、人間が目視等で確認した内容に基づいて人手で入力するようにしてもよく、カメラ３，３，…によって取得された画像データに対してエッジ抽出等の所定の画像処理を施す等して農作物管理装置１が自動的に生成するようにしてもよい。
【００３８】
上述した農作物情報ＤＢ１２Ｂに格納される情報は、カメラ３，３，…により取得された画像データに基づいて適宜更新される。その処理の詳細については後述する。
【００３９】
図５は、実施の形態１の農作物管理装置１に設けられている予約情報ＤＢ１２Ｃのレイアウトの一例を示す図である。図５に示すように、予約情報ＤＢ１２Ｃは、会員によりなされた各予約を識別するための予約ＩＤが格納される予約ＩＤフィールド１２１、各予約がなされた日時が格納される予約日時フィールド１２２、各予約を行った会員の会員ＩＤが格納される会員ＩＤフィールド１２３、及び各予約がなされた農作物を識別するための農作物ＩＤが格納される農作物ＩＤフィールド１２４を有している。この予約情報ＤＢ１２Ｃに格納される予約情報は、会員が予約をする都度更新される。
【００４０】
画像情報ＤＢ１２Ｄには、カメラ３，３，…が農園Ｆ内を撮像することにより得られた農作物を含む画像データが格納される。カメラ３，３，…は、予め設定された時間間隔（例えば、３時間毎等）で繰り返し撮像処理を実行する。そして、その結果得られた複数の画像データが、撮像日時等の情報と共に、画像情報ＤＢ１２Ｄに格納される。具体的には、図６に示すようにして格納されている。
【００４１】
図６は、実施の形態１の農作物管理装置１に設けられている画像情報ＤＢ１２Ｄのレイアウトの一例を示す図である。図６に示すように、画像情報ＤＢ１２Ｄは、各画像データを識別するための画像ＩＤが格納される画像ＩＤフィールド１３１、各画像データの撮像日時が格納される撮像日時フィールド１３２、補助記憶装置１２における画像データの記憶位置を示す情報が格納される画像データフィールド１３３、及び画像データに含まれている農作物の農作物ＩＤが格納される農作物ＩＤフィールド１３４を有している。なお、この図６に示す例では、農作物ＩＤフィールド１３４に農作物ＩＤが一つのみ格納されているが、撮像範囲に複数の農作物が含まれている場合には複数の農作物ＩＤが格納されることになる。画像データと農作物ＩＤとの対応付けは、画像データの内容をオペレータが確認する等しながら人手で行ってもよく、各カメラ３の撮像範囲等に基づいて予め定められていてもよい。また、所定の画像処理を実行することによって農作物管理装置１が自動的に行ってもよい。
【００４２】
［農作物管理装置の動作］
次に、上述したように構成された農作物管理装置の動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の農作物管理装置が実行する主な処理には、（１）農作物情報の更新を行うための農作物情報更新処理、及び（２）購入の予約がなされている生育中の農作物の位置を特定することができる情報を購入予定者に対して提供するための位置特定情報提供処理がある。以下では、これらの各処理の詳細について説明する。
【００４３】
（１）農作物情報更新処理
図７は、実施の形態１の農作物管理装置１が実行する農作物情報更新処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の農作物情報更新処理は、例えばカメラ３，３，…による撮像処理が実行される都度等、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【００４４】
農作物管理装置１はまず、農作物情報更新処理の対象となる農作物の農作物ＩＤを所定のルール（例えば番号の小さい順等）にしたがって決定する（Ｓ１０１）。次に、農作物管理装置１は、画像情報ＤＢ１２Ｄにアクセスし、処理対象とした農作物の農作物ＩＤが含まれている画像情報を読み出す（Ｓ１０２）。これにより、例えば直近１０回の撮像処理により得られた１０個の画像データを取得する。なお、ここでの「１０」は例示であり、その他の数であってもよいことは言うまでもない。ただし、後述するように画像データの比較処理を行うためには２個以上の画像データが必要になる。
【００４５】
次に、農作物管理装置１は、最も新しい画像データに対してエッジ抽出等の所定の画像処理を施すことによって農作物のサイズを特定する（Ｓ１０３）。例えば、農作物がトマトの場合、トマトの直径を算出し、その数値に応じて“Ｌ”、“Ｍ”及び“Ｓ”の３段階にランク付けする。
【００４６】
また、農作物管理装置１は、最も新しい画像データに対して所定の画像処理を施すことによって農作物の表面の色に関する色情報を取得し、その色情報の解析を行う（Ｓ１０４）。例えば、農作物がトマトの場合、赤色の彩度が所定値よりも高いか否か等によって、処理対象の農作物の表面の色が“濃”及び“薄”の何れであるのかの判定を行う。
【００４７】
さらに、農作物管理装置１は、取得した１０個の画像データを比較する処理を実行する（Ｓ１０５）。これにより、処理対象の農作物（実）の大きさ及びその実がなっている苗の大きさ等の時間変化を測定することができ、その時間変化に基づいて当該農作物の生長度合いを算出することができる。
【００４８】
次に、農作物管理装置１は、ステップＳ１０３により特定された農作物のサイズ、ステップＳ１０４の解析結果、及びステップＳ１０５の結果得られた農作物の生長度合い等に関する情報に基づいて、農作物の生育状態を３段階にランク付けすることにより、農作物の生育状態の判定を行う（Ｓ１０６）。この判定処理は、次のようにして与えられる得点に基づいて行うこと等が考えられる。サイズが“Ｌ”、“Ｍ”及び“Ｓ”の順に高い得点を与え、表面の色が“濃”と判定された場合に“薄”と判定された場合と比べて高い得点を与えるようにする。また、農作物の生長度合いの平均値を示す統計データを記憶しておき、その統計データと比較した結果、生長度合いが平均以上の場合に高い得点を与え、平均を下回る場合には低い得点を与えるようにする。そして、これらの得点の合計点が高い順に、“良好”、“普通”、“不良”とランク付けすることにより生育状態の判定を行う。
【００４９】
次に、農作物管理装置１は、ステップＳ１０６にて判定された生育状態に基づいて、処理対象の農作物の収穫日を推定する（Ｓ１０７）。具体的には、農作物の種類毎に農作物の収穫適期に関する収穫適期データ（例えば、播種日から３ヶ月後等）を記憶しておき、生育状態が“良好”の場合は収穫適期データよりも２週間早く収穫日を迎え、生育状態が“普通”の場合は収穫適期データのとおりに収穫日を迎え、生育状態が“不良”の場合は収穫適期データよりも２週間遅く収穫日を迎える等と判断することにより、処理対象の農作物の収穫日を推定する。
【００５０】
さらに、農作物管理装置１は、処理対象の農作物に係る農作物情報の位置フィールド１１９に既に格納されている位置情報が正しいか否かを確認する（Ｓ１０８）。具体的には、最も新しい画像データに表されている処理対象の農作物の位置が、その位置情報で表されている位置であるか否かを判定する。ここで、当該位置が異なっていると判定した場合（例えば、根元側に新たな実がついたために位置情報を“Ｂ１−３”から“Ｂ１−４”へ変更する必要が生じたり、根元側の実が収穫されたために位置情報を“Ｂ１−３”から“Ｂ１−２”へ変更する必要が生じたりした場合）、農作物管理装置１は、正しい位置情報を生成する。
【００５１】
次に、農作物管理装置１は、上記の各ステップにより得られた情報を農作物情報ＤＢ１２Ｂの各フィールドに格納することによって、農作物情報ＤＢ１２Ｂを更新する（Ｓ１０９）。具体的には、ステップＳ１０３により得られた“Ｌ”、“Ｍ”及び“Ｓ”の何れかの情報をサイズフィールド１１４に格納し、ステップＳ１０４により得られた“濃”及び“薄”の何れかの情報を彩度フィールド１１５に格納し、ステップＳ１０６により得られた“良好”、“普通”及び“不良”の何れかの情報を状態フィールド１１６に格納し、ステップＳ１０７により推定された収穫日を収穫予定日フィールド１１７に格納し、さらにステップＳ１０８において位置情報が誤っていると判定した場合は正しい位置情報を位置フィールド１１９に格納することにより、農作物情報ＤＢ１２Ｂの更新を行う。
【００５２】
次に、農作物管理装置１は、農園Ｆ内のすべての農作物について農作物情報更新処理を実行したか否かを判定する（Ｓ１１０）。ここで、まだ処理対象となっていない農作物が存在すると判定した場合（Ｓ１１０でＮＯ）、農作物管理装置１はステップＳ１０１に戻り、それ以降のステップＳ１０２乃至Ｓ１０９を実行する。他方、すべての農作物について農作物情報更新処理が行われたと判定した場合（Ｓ１１０でＹＥＳ）、農作物管理装置１は処理を終了する。
このようにして更新された農作物情報ＤＢ１２Ｂの内容に基づいて、次の（２）位置特定情報提供処理が実行される。
【００５３】
（２）位置特定情報提供処理
図８は、実施の形態１の農作物管理装置１が実行する位置特定情報提供処理の手順を示すフローチャートである。以下の位置特定情報提供処理は、農作物の購入の予約を行った購入予定者が自ら農園Ｆに出向いて当該農作物の収穫作業を行う場合に実行される。
【００５４】
購入予定者である会員は、農園Ｆ内又はその周辺に設けられている入力部４を用いて会員ＩＤを入力する。農作物管理装置１は、会員から会員ＩＤの入力を受け付けた場合（Ｓ１１１）、会員情報ＤＢ１２Ａにアクセスしてその会員ＩＤの会員が存在することを確認した後、当該会員ＩＤを検索キーとして予約情報ＤＢ１２Ｃから当該会員に係る予約情報を読み出す（Ｓ１１２）。次に、農作物管理装置１は、その読み出した予約情報における農作物ＩＤを検索キーとして農作物情報ＤＢ１２Ｂから予約済みの農作物（以下、「予約農作物」という）に係る農作物情報を読み出す（Ｓ１１３）。さらに、農作物管理装置１は、同じく農作物ＩＤを検索キーとして画像情報ＤＢ１２Ｄから予約農作物に係る画像情報を読み出す（Ｓ１１４）。
【００５５】
次に、農作物管理装置１は、上述したようにして読み出した画像情報及び農作物情報に基づいて、プリンタ５にて印刷され且つディスプレイ６にて表示される情報である出力用情報を生成する（Ｓ１１５）。具体的には、ステップＳ１１３にて読み出した農作物情報に含まれている農作物名・播種日・生育状態・サイズ・収穫予定日に関する情報及び予約ＩＤ、並びにステップＳ１１４にて読み出した画像情報に含まれている画像データを含む出力用情報を生成する。農作物管理装置１は、このようにして生成された出力用情報をディスプレイ６にて表示し（Ｓ１１６）、さらに、プリンタ５にて印刷する（Ｓ１１７）。
【００５６】
図９及び図１０は、実施の形態１の農作物管理装置１のプリンタ５にて印刷される印刷物及びディスプレイ６にて表示される画面の一例を示す図である。ここで、図９は苗の位置を特定するための印刷物及び画面の例を示しており、図１０はその苗になっている予約農作物の位置を特定するための印刷物及び画面の例を示している。なお、図９及び図１０に示す例が一枚の印刷物及び一つの画面に表されていてもよく、別々の印刷物及び別々の画面に表されていてもよい。また、本実施の形態ではこれらの印刷物及び画面が同一である場合を例示しているが、それぞれが異なる内容であってもよい。
【００５７】
図９に示す例では、農園Ｆ内の複数の畝にそれぞれ定植されている複数の苗が画像で表示されており、さらに予約農作物がなっている苗を囲む矩形状の枠Ｆ０が表されている。この枠Ｆ０の位置は、農作物情報における位置情報に基づいて決定される。購入予定者は、このような表示を確認することによって、どの苗に対して収穫作業を行えばよいのかを容易に知ることができる。
【００５８】
また、図１０に示す例では、１本の苗が含まれる画像と、その画像中の苗になっている予約農作物（実）の拡大画像と、その予約農作物に関する各種の情報とが対応付けて表示されている。この予約農作物に関する各種の情報として、図１０に示す例では、農作物名、播種日、生育状態、サイズ、及び収穫予定日に関する情報、並びに予約ＩＤが表示されている。購入予定者は、このような表示を確認することによって、予約農作物がどの位置になっているのか、その予約農作物がどのような生育状態なのか等を知ることができる。
【００５９】
購入予定者は、ディスプレイ６の表示画面を確認した上で、プリンタ５にて印刷された印刷物を携行して農園Ｆ内の収穫現場に向かう。これにより、購入予定者は、どの農作物が予約農作物であるのか、すなわちどの農作物を収穫すべきであるのかを容易に把握することができるため、予約農作物を確実に収穫することが可能になる。
【００６０】
なお、図９及び図１０に示すような予約農作物がなっている位置の高さを特定することが可能な画像表示は、会員の目線にあったものであることが好ましい。その場合、例えば会員情報に年齢等の情報を含ませて会員の年齢を特定できるようにしておき、購入予定者が大人である場合は比較的高い位置（目線）から苗を見たときの画像を表示するようにし、購入予定者が子供である場合は比較的低い位置から苗を見たときの画像を表示するようにする。また、この画像表示を裸眼立体視可能なものにしてもよい。
【００６１】
また、図１０では、予約農作物を一方向から映した画像が例示されているが、他の方向から映した画像を併せて表示（又は別途表示）するようにしてもよい。この場合、どの方向から見た画像であるのかを購入予定者が認識することができるようにするために、画像の内容のみではなく、その画像がどの方向から映されたものであるのかを確認することができる表示がなされることが好ましい。図１１は、そのような表示の一例を示す図である。図１１には、農園Ｆを平面視した画像に重ねて、カメラ３，３，…によって８方向から農園内が撮像されていることを表す８個の矢印が表示されており、そのうち特定の一方向（図中のハッチングが施された矢印の方向）からの画像が図１０に示す画像である旨が示されている。また、特定の畝中の○印は、予約農作物の位置を示している。図１０に示す表示と併せて、この図１１のような表示を印刷物及び／又は画面で参照することによって、購入予定者はより容易に予約農作物の位置を把握することができる。なお、購入予定者が、上記の８方向の何れかを指定することによって、所望の方向から得た図１０に示すような画像を確認することができるようにしてもよい。この場合、農作物管理装置１は、購入予定者から一つの方向を示す情報の入力を受け付け、その方向から撮像しているカメラ３により取得された画像データを用いて、図１０に示すような画像を生成すればよい。
【００６２】
（実施の形態２）
本発明のように、購入予約の対象が生育中の農作物である場合、生育過程において風雨の影響等によって自然に苗から落ちてしまうことが考えられる。また、購入予定者以外の会員が当該購入予定者の予約農作物を誤って収穫してしまうこともあり得る。実施の形態２の農作物管理装置は、これらの場合に予約農作物の代わりとなる農作物を特定し、その農作物の位置を購入予定者に知らせることができるように構成されている。
【００６３】
［農作物管理装置の構成］
本実施の形態の農作物管理装置の構成は、農作物情報ＤＢ１２Ｂの内容が異なるものの、それ以外については実施の形態１の場合と同様である。そのため、以下では、この農作物情報ＤＢ１２Ｂの詳細のみについて説明し、それ以外の構成については説明を省略する。
【００６４】
図１２は、実施の形態２の農作物管理装置に設けられている農作物情報ＤＢ１２Ｂのレイアウトの一例を示す図である。農作物ＩＤフィールド、農作物名フィールド、播種日フィールド、サイズフィールド、彩度フィールド、状態フィールド、収穫予定日フィールド、予約フィールド及び位置フィールドについては、実施の形態１の場合と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【００６５】
上記の各フィールドに加えて、本実施の形態の農作物情報ＤＢ１２Ｂは、各農作物が既に収穫されているか否かを示す収穫情報が格納される収穫フィールド１２０を有している。図１２に示す例では、収穫されている場合は“済”が、収穫されていない場合は“未”がそれぞれ収穫フィールド１２０に格納されている。ここで、収穫作業によって人為的に収穫された場合のみではなく、何らかの原因によって自然に苗から落ちてしまった場合も“済”が格納されることとする。
【００６６】
［農作物管理装置の動作］
次に、上述したように構成された農作物管理装置の動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。
本実施の形態の農作物管理装置は、実施の形態１の場合と同様の農作物情報更新処理を実行するとともに、下記の収穫情報更新処理を実行する。さらに、本実施の形態の農作物管理装置は、予約農作物が収穫済みであった場合にその代わりとなる農作物（以下、「代替農作物」という）を提示する代替農作物提示処理を実行する。以下、上記の（１）収穫情報更新処理、及び（２）代替農作物提示処理の詳細について説明する。
【００６７】
（１）収穫情報更新処理
図１３は、実施の形態２の農作物管理装置が実行する収穫情報更新処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の収穫情報更新処理は、例えば上記の農作物更新処理が実行される都度等、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【００６８】
農作物管理装置はまず、収穫情報更新処理の対象となる農作物の農作物ＩＤを所定のルール（例えば番号の小さい順等）にしたがって決定する（Ｓ２０１）。次に、農作物管理装置は、画像情報ＤＢ１２Ｄにアクセスし、処理対象とした農作物の農作物ＩＤが含まれている画像情報を読み出す（Ｓ２０２）。これにより、最も新しい画像データを取得する。
【００６９】
次に、農作物管理装置は、取得した画像データに対してエッジ抽出等の所定の画像処理を施すことによって処理対象の農作物が画像データ中に存在するか否か、すなわち収穫済みであるか否かを判定する（Ｓ２０３）。ここで、収穫済みであると判定した場合（Ｓ２０３でＹＥＳ）、農作物管理装置は、その旨を示す“済”を処理対象の農作物情報の収穫フィールド１２０に格納することによって、農作物情報ＤＢ１２Ｂを更新する（Ｓ２０４）。他方、収穫済みではないと判定した場合（Ｓ２０３でＮＯ）、農作物管理装置はステップＳ２０４を実行することなくステップＳ２０５に進む。
【００７０】
次に、農作物管理装置は、農園Ｆ内のすべての農作物について収穫情報更新処理を実行したか否かを判定する（Ｓ２０５）。ここで、まだ処理対象となっていない農作物が存在すると判定した場合（Ｓ２０５でＮＯ）、農作物管理装置はステップＳ２０１に戻り、それ以降のステップＳ２０２乃至Ｓ２０４を実行する。他方、すべての農作物について収穫情報更新処理が行われたと判定した場合（Ｓ２０５でＹＥＳ）、農作物管理装置は処理を終了する。
【００７１】
なお、本実施の形態では上述したように１個の画像データに基づいて農作物が収穫されたか否かを判定しているが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、最新の画像データと１つ前に得られた画像データである前回画像データとを比較し、前回画像データに含まれている農作物が最新の画像データに含まれていない場合に当該農作物が収穫されたと判定するようにしてもよい。
【００７２】
また、収穫されたか否かを人間が目視等で確認し、その確認結果を人手で入力することによって、農作物管理装置に対して収穫済みであるか否かを指示するようにしてもよい。
【００７３】
以上の収穫情報更新処理及び実施の形態１において説明した農作物情報更新処理によって更新された農作物情報ＤＢ１２Ｂの内容に基づいて、次の（２）代替農作物提示処理が実行される。
【００７４】
（２）代替農作物提示処理
図１４は、実施の形態２の農作物管理装置が実行する代替農作物提示処理の手順を示すフローチャートである。以下の代替農作物提示処理は、農作物の購入の予約を行った購入予定者が自ら農園Ｆに出向いて当該農作物の収穫作業を行う場合に実行される。
【００７５】
購入予定者である会員は、農園Ｆ内又はその周辺に設けられている入力部４を用いて会員ＩＤを入力する。農作物管理装置は、会員から会員ＩＤの入力を受け付けた場合（Ｓ２１１）、会員情報ＤＢ１２Ａにアクセスしてその会員ＩＤの会員が存在することを確認した後、当該会員ＩＤを検索キーとして予約情報ＤＢ１２Ｃから当該会員に係る予約情報を読み出す（Ｓ２１２）。次に、農作物管理装置は、その読み出した予約情報における農作物ＩＤを検索キーとして農作物情報ＤＢ１２Ｂから予約農作物の農作物情報を読み出す（Ｓ２１３）。
【００７６】
次に、農作物管理装置は、ステップＳ２１３によって読み出した農作物情報における収穫情報を確認し、予約農作物が収穫済みであるか否かを判定する（Ｓ２１４）。ここで、収穫済みではないと判定した場合（Ｓ２１４でＮＯ）、農作物管理装置は後述するステップＳ２１６を実行する。他方、収穫済みであると判定した場合（Ｓ２１４でＹＥＳ）、農作物管理装置は、代替農作物を設定するための代替農作物設定処理を実行する（Ｓ２１５）。
【００７７】
図１５は、実施の形態２の農作物管理装置が実行する代替農作物設定処理の手順を示すフローチャートである。
図１５に示すとおり、農作物管理装置は、この代替農作物設定処理によって代替農作物に設定される候補（以下、「代替候補」という）となる農作物の農作物ＩＤを所定のルール（例えば番号の小さい順等）にしたがって決定する（Ｓ２２１）。次に、農作物管理装置は、農作物情報ＤＢ１２Ｂの予約フィールド１１８に格納されている情報を参照し、代替候補の農作物が予約済みではないかどうかを判定する（Ｓ２２２）。ここで予約済みではないと判定した場合（Ｓ２２２でＹＥＳ）、農作物管理装置は、農作物情報ＤＢ１２Ｂの状態フィールド１１６に格納されている情報を参照し、代替候補の農作物の生育状態が“不良”ではないかどうかを判定する（Ｓ２２３）。ここで生育状態が“不良”ではない（つまり“良好”又は“普通”である）と判定した場合（Ｓ２２３でＹＥＳ）、農作物管理装置は、農作物情報ＤＢ１２Ｂの播種日フィールド１１３に格納されている情報を参照し、検査対象の農作物の播種日と代替候補の農作物の播種日との差が１０日以内であるか否かを判定する（Ｓ２２４）。
【００７８】
ステップＳ２２４において播種日の差が１０日以内であると判定した場合（Ｓ２２４でＹＥＳ）、農作物管理装置は、農作物情報ＤＢ１２Ｂの収穫予定日フィールド１１７に格納されている情報を参照し、予約農作物の収穫予定日と代替候補の農作物の収穫予定日との差が１０日以内であるか否かを判定する（Ｓ２２５）。ここで収穫予定日の差が１０日以内であると判定した場合（Ｓ２２５でＹＥＳ）、農作物管理装置は、代替候補の農作物を代替農作物に決定し（Ｓ２２６）、処理をリターンする。
【００７９】
他方、ステップＳ２２２で代替候補の農作物が予約済みであると判定した場合（Ｓ２２２でＮＯ）、ステップＳ２２３で代替候補の農作物の生育状態が不良であると判定した場合（Ｓ２２３でＮＯ）、ステップＳ２２４で播種日の差が１０日より大きいと判定した場合（Ｓ２２４でＮＯ）、又はステップＳ２２５で収穫予定日の差が１０日より大きいと判定した場合（Ｓ２２５でＮＯ）、農作物管理装置は、代替候補の農作物を予約農作物の代替農作物として設定することはできないと判断し、農園Ｆ内のすべての農作物に対して代替農作物設定処理が実行されたか否か（すなわち、すべての農作物が代替候補となったか否か）を判定する。ここで、まだ代替候補となっていない農作物が存在すると判定した場合（Ｓ２２７でＮＯ）、農作物管理装置はステップＳ２２１に戻り、それ以降のステップＳ２２２乃至Ｓ２２６を実行する。他方、すべての農作物が代替候補となった判定した場合（Ｓ２２７でＹＥＳ）、農作物管理装置は、代替農作物の設定が行われなかったことを示す代替農作物設定失敗情報をディスプレイ６に表示する（Ｓ２２８）。
【００８０】
図１４に戻り、農作物管理装置は、画像情報ＤＢ１２Ｄにアクセスし、代替農作物設定処理によって代替農作物となった農作物の農作物ＩＤが含まれている画像情報を読み出す（Ｓ２１６）。次に、農作物管理装置１は、上述したようにして読み出した画像情報及び代替農作物の農作物情報に基づいて、プリンタ５にて印刷され且つディスプレイ６にて表示される情報である出力用情報を生成する（Ｓ２１７）。具体的には、その代替農作物の農作物情報に含まれている農作物名・播種日・生育状態・サイズ・収穫予定日に関する情報、及びステップＳ２１６にて読み出した画像情報に含まれている画像データを含む出力用情報を生成する。農作物管理装置は、このようにして生成された出力用情報をディスプレイ６にて表示し（Ｓ２１８）、さらに、プリンタ５にて印刷する（Ｓ２１９）。
【００８１】
図１６及び図１７は、実施の形態２の農作物管理装置のプリンタ５にて印刷される印刷物及びディスプレイ６にて表示される画面の一例を示す図である。ここで、図１６は苗の位置を特定するための印刷物及び画面の例を示しており、図１７はその苗になっている代替農作物の位置を特定するための印刷物及び画面の例を示している。なお、図１６及び図１７に示す例が一枚の印刷物及び一つの画面に表されていてもよく、別々の印刷物及び別々の画面に表されていてもよい。また、ここではこれらの印刷物及び画面が同一である場合を例示しているが、それぞれが異なる内容であってもよい。
【００８２】
図１６に示す例では、農園Ｆ内の複数の畝にそれぞれ定植されている複数の苗が画像で表示されており、さらに予約農作物がなっている苗を囲む矩形状の枠Ｆ１と代替農作物がなっている苗を囲む矩形状の枠Ｆ２とが表されている。ここで、枠Ｆ１には×印が付されており、また、枠Ｆ２の上方には「こちらの実を収穫して下さい」との文言が矢印と共に表示されている。なお、これらの枠Ｆ１及びＦ２の位置は、農作物情報における位置情報に基づいて決定される。購入予定者は、このような表示を確認することによって、予約農作物の収穫ができないこと及びその代わりにどの苗に対して収穫作業を行えばよいのかを容易に知ることができる。
【００８３】
また、図１７に示す例では、１本の苗が含まれる画像と、その画像中の苗になっている代替農作物（実）の拡大画像と、その代替農作物に関する各種の情報とが対応付けて表示されている。この代替農作物に関する各種の情報として、図１７に示す例では、農作物名、播種日、生育状態、サイズ、及び収穫予定日に関する情報が表示されている。購入予定者は、このような表示を確認することによって、代替農作物がどの位置になっているのか、その代替農作物がどのような生育状態なのか等を知ることができる。
【００８４】
購入予定者は、ディスプレイ６の表示画面を確認した上で、プリンタ５にて印刷された印刷物を携行して農園Ｆ内の収穫現場に向かう。これにより、購入予定者は、どの農作物が代替農作物であるのか、すなわちどの農作物を収穫すべきであるのかを容易に把握することができるため、予約農作物が収穫済みの場合であっても、その代わりとなる代替農作物を収穫することが可能になる。
【００８５】
（実施の形態３）
実施の形態３の農作物管理装置は、購入予定者である会員が携帯型電話機で撮像した画像データを用いて、当該会員に対して予約農作物の位置を知らせることができるように構成されている。以下、本実施の形態の農作物管理装置の構成及び動作について説明する。
【００８６】
［農作物管理装置の構成］
図１８は、実施の形態３の農作物管理装置と携帯型電話機との接続態様を示すブロック図である。図１８に示すとおり、本実施の形態の農作物管理装置３０は、会員が操作する携帯型電話機３２，３２，…とインターネット１００を介して通信可能に接続された管理サーバ３１と、実施の形態１の場合と同様に農園内に設置された複数のカメラ３，３，…とを備えている。これらの管理サーバ３１とカメラ３，３，…とは専用線を介して通信可能に接続されており、カメラ３，３，…によって取得された画像データが当該専用線を介して管理サーバ３１へ送信される。また、携帯型電話機３２，３２，…は、ＣＣＤ又はＣＭＯＳ等の撮像素子で構成された撮像部と、液晶ディスプレイ等の表示部とを備えている。
【００８７】
図１９は、実施の形態３の農作物管理装置３０の構成を示すブロック図である。図１９に示すとおり、本実施の形態の農作物管理装置３０は、ＣＰＵ４０と、そのＣＰＵ４０に接続された主記憶装置４１、補助記憶装置４２、通信インタフェース（Ｉ／Ｆ）４３と、入出力Ｉ／Ｆ４４とを具備する管理サーバ３１を備えている。これらのＣＰＵ４０、主記憶装置４１、補助記憶装置４２、通信Ｉ／Ｆ４３及び入出力Ｉ／Ｆ４４はバスによって接続されている。通信Ｉ／Ｆ４３は、インターネット１００に接続するためのインタフェース装置である。農作物管理装置３０は、この通信Ｉ／Ｆ４３を介して、携帯型電話機３２，３２，…との間で各種のデータの送受信を行う。その他のＣＰＵ４０、主記憶装置４１、補助記憶装置４２及び入出力Ｉ／Ｆ４４は、実施の形態１の農作物管理装置１の場合と同様であるので、説明を省略する。補助記憶装置４２に設けられている会員情報ＤＢ４２Ａ、農作物情報ＤＢ４２Ｂ、予約情報ＤＢ４２Ｃ及び画像情報ＤＢ４２Ｄも、実施の形態１の農作物管理装置１の場合と同様であるので、説明を省略する。
【００８８】
［農作物管理装置の動作］
次に、上述したように構成された農作物管理装置３０の動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。
本実施の形態の農作物管理装置３０は、実施の形態１の場合と同様の農作物情報更新処理を実行することにより、農作物情報ＤＢ４２Ｂを更新する。これにより農作物情報ＤＢ４２Ｂの内容が最新のものに保持された状況において、本実施の形態では、管理サーバ３１及び携帯型電話機３２によって以下に説明する位置特定情報提供処理が実行される。
【００８９】
図２０は、管理サーバ３１及び携帯型電話機３２が実行する位置特定情報提供処理の手順を示すフローチャートである。以下の位置特定情報提供処理は、実施の形態１の場合と同様に、農作物の購入の予約を行った購入予定者が自ら農園Ｆに出向いて当該農作物の収穫作業を行う場合に実行される。
【００９０】
購入予定者である会員は、農園Ｆ内の農作物の中から予約農作物と推測されるものを見つけ、その農作物を撮像すべく携帯型電話機３２を操作する。携帯型電話機３２は、会員による操作に応じて、予約農作物と推測される農作物を含む画像データを撮像部にて撮像する（Ｓ３１１）。次に、携帯型電話機３２は、会員から会員ＩＤの入力を受け付けた後、その会員ＩＤとステップＳ３１１にて取得した画像データとを含む電子メールを管理サーバ３１宛に送信する（Ｓ３１２）。
【００９１】
管理サーバ３１は、携帯型電話機３２から送信された電子メールを受信した場合（Ｓ４１１）、会員情報ＤＢ４２Ａにアクセスして電子メールに含まれる会員ＩＤの会員が存在することを確認した後、当該会員ＩＤを検索キーとして予約情報ＤＢ１２Ｃから当該会員に係る予約情報を読み出す（Ｓ４１２）。次に、管理サーバ３１は、その読み出した予約情報における農作物ＩＤを検索キーとして農作物情報ＤＢ４２Ｂから予約農作物に係る農作物情報を読み出す（Ｓ４１３）。さらに、管理サーバ３１は、同じく農作物ＩＤを検索キーとして画像情報ＤＢ４２Ｄから予約農作物に係る画像情報を読み出す（Ｓ４１４）。これにより、最も新しい画像データを取得する。
【００９２】
次に、管理サーバ３１は、ステップＳ４１４にて取得した画像データと電子メールに含まれる携帯型電話機３２にて撮像された画像データ（以下、「携帯画像データ」という）とを比較し、その携帯画像データに予約農作物が含まれているか否かを判定する（Ｓ４１５）。具体的には、ステップＳ４１４にて取得した画像データの中から予約農作物及びその予約農作物がなっている苗の輪郭を抽出し、それらの輪郭と合致する農作物及び苗が携帯画像データに含まれているか否かを判定すること等によりステップＳ４１５を実行する。なお、このステップＳ４１５の判定精度を高めるためには、携帯型電話機３２が複数の異なる角度から農作物を撮像し、その結果得られた複数の携帯画像データを管理サーバ３１に対して送信することが好ましい。
【００９３】
ステップＳ４１５において携帯画像データに予約農作物が含まれていると判定した場合（Ｓ４１５でＹＥＳ）、管理サーバ３１は、携帯画像データ及びステップＳ４１３にて読み出した農作物情報における位置情報に基づいて返信用画像データを生成する（Ｓ４１６）。他方、携帯画像データに予約農作物が含まれていないと判定した場合（Ｓ４１５でＮＯ）、管理サーバ３１は、ステップＳ４１４にて読み出した画像情報及び前記位置情報に基づいて、携帯型電話機３２の表示部にて表示される返信用画像データを生成する（Ｓ４１７）。
【００９４】
管理サーバ３１は、上述したようにして生成された返信用画像データを含む電子メールを携帯型電話機３２宛に送信する（Ｓ４１８）。携帯型電話機３２は、管理サーバ３１から送信された電子メールを受信した場合（Ｓ３１３）、受信した電子メールに含まれている返信用画像データを表示部に表示する（Ｓ３１４）。
【００９５】
図２１及び図２２は、携帯型電話機３２の表示部に表示される画面の一例を示す図である。ここで、図２１は上述したステップＳ４１６で生成された返信用画像データを表示する画面の例を示しており、図２２は上述したステップＳ４１７で生成された返信用画像データを表示する画面の例を示している。
図２１に示す例では、農園Ｆ内の特定の畝に定植されている複数の苗が画像で表示されており、さらに予約農作物を囲む矩形状の枠Ｆ３が表されている。この返信用画像データは、管理サーバ３１が携帯画像データに枠Ｆ３を付与することにより生成されたデータである。ここで、枠Ｆ３を付与する位置は、位置情報に基づいて決定される。購入予定者は、このような表示を確認することによって、どの苗に対して収穫作業を行えばよいのかを容易に知ることができる。
【００９６】
また、図２２に示す例では、農園Ｆ内の特定の畝に定植されている複数の苗が画像で表示されており、さらに予約農作物を囲む矩形状の枠Ｆ４が表されている。さらに、枠Ｆ４の上方には「手前から３番目の苗です」との文言が矢印と共に表示されている。この返信用画像データは、管理サーバ３１が画像情報ＤＢ４２Ｄに記憶されている画像データに枠Ｆ４並びに上記の文言及び矢印を付与することにより生成されたデータである。ここで、枠Ｆ４を付与する位置及び手前から何番目の苗であるかは、位置情報に基づいて決定される。購入予定者は、このような表示を確認することによって、予約農作物だと推測した農作物が予約農作物ではなかったこと及び予約農作物の位置等を知ることができる。
【００９７】
（その他の実施の形態）
上記の各実施の形態では、購入予定者に提示する農作物の位置を特定する情報として画像データを用いているが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、農園内のマップを用意し、そのマップに農作物の位置を特定する情報を加えることによって購入予定者に購入する農作物の位置を提示するようにしてもよい。また、音声等によって農作物の位置を知らせるような態様であってもよい。
【００９８】
上記の各実施の形態の農作物管理装置は、農作物を屋外及び屋内の何れの環境で栽培する場合でも使用することが可能である。いわゆる植物工場においても使用することができ、その場合はカメラの設置及びメンテナンスが容易になる等の利点がある。
【００９９】
上述した各実施の形態は適宜組み合わせることが可能である。したがって、例えば、実施の形態１と実施の形態３とを組み合わせることによって、図９及び図１０に示すような出力用情報を会員の携帯型電話機に送信するような農作物管理装置を実現することも可能である。また、実施の形態２と実施の形態３とを組み合わせることによって、図１６及び図１７に示すような出力用情報を会員の携帯型電話機に送信するような農作物管理装置を実現することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【０１００】
本発明の農作物管理方法及び農作物管理装置は、生育中であって収穫作業前の野菜及び果物などの各種の農作物を管理する農作物管理方法及び農作物管理装置等として有用である。
【符号の説明】
【０１０１】
１ 農作物管理装置
３ カメラ
３Ａ 支柱
４ 入力部
５ プリンタ
６ ディスプレイ
１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ 苗
１１ 主記憶装置
１２ 補助記憶装置
１２Ａ 会員情報データベース
１２Ｂ 農作物情報データベース
１２Ｃ 予約情報データベース
１２Ｄ 画像情報データベース
３０ 農作物管理装置
３１ 管理サーバ
３２ 携帯型電話機
４１ 主記憶装置
４２ 補助記憶装置
４２Ａ 会員情報データベース
４２Ｂ 農作物情報データベース
４２Ｃ 予約情報データベース
４２Ｄ 画像情報データベース
１００ インターネット
【特許請求の範囲】
【請求項１】
コンピュータを用いて農園内で生育中の農作物の管理を行う農作物管理方法において、
前記コンピュータが、前記生育中の農作物の購入予約に関する予約情報及び当該農作物の前記農園内における位置に関する位置情報を記憶する記憶部を具備しており、
前記コンピュータが、前記記憶部に記憶されている予約情報及び位置情報に基づいて、前記生育中の農作物のうち既に購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成するステップと、
前記コンピュータによって生成された農作物位置情報を前記農園内又はその周辺に設置された表示装置にて表示することによって、前記購入予約を行った購入予定者に対して当該農作物位置情報を提示するステップと
を有することを特徴とする、農作物管理方法。
【請求項２】
前記購入予約がなされた農作物を前記購入予定者が収穫する前に当該農作物の存在がなくなった場合、前記コンピュータが、当該農作物に代わる農作物を前記生育中の農作物の中から選択するステップをさらに有し、
前記農作物位置情報を生成するステップにおいて、前記コンピュータが、前記農作物の中から選択された農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成する、請求項１に記載の農作物管理方法。
【請求項３】
前記コンピュータが、撮像手段を具備する携帯型端末から当該撮像手段により得られた前記購入予約がなされた農作物を含む画像データを受信するステップと、
前記コンピュータが、受信した画像データに前記購入予約がなされた農作物が含まれているか否かを判定するステップと、
前記コンピュータが、前記農作物位置情報と併せて、前記判定手段による判定結果を示す判定結果情報を前記携帯型端末へ送信するステップと
をさらに有する、請求項１又は２に記載の農作物管理方法。
【請求項４】
前記コンピュータが、前記購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す情報を前記画像データに付与し、当該農作物の位置を示す情報が付与された前記画像データを前記携帯型端末に送信するステップをさらに有する、請求項３に記載の農作物管理方法。
【請求項５】
前記農作物位置情報を提示するステップにおいて、前記コンピュータによって生成された農作物位置情報を前記農園内又はその周辺に設置された印刷装置にて印刷する、請求項１乃至４の何れかに記載の農作物管理方法。
【請求項６】
農園内で生育中の農作物を管理する農作物管理装置において、
前記生育中の農作物の購入予約に関する予約情報及び当該農作物の前記農園内における位置に関する位置情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている予約情報及び位置情報に基づいて、前記生育中の農作物のうち既に購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成する農作物位置情報生成手段と、
前記農作物位置情報生成手段によって生成された農作物位置情報を、前記購入予約を行った購入予定者に対して提示する農作物位置情報提示手段と
を備えることを特徴とする、農作物管理装置。
【請求項７】
前記購入予約がなされた農作物を前記購入予定者が収穫する前に当該農作物の存在がなくなった場合、当該農作物に代わる農作物を前記生育中の農作物の中から選択する代替農作物選択手段をさらに備え、
前記農作物位置情報生成手段が、前記代替農作物選択手段によって選択された農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成するように構成されている、請求項６に記載の農作物管理装置。
【請求項８】
撮像手段を具備する携帯型端末から当該撮像手段により得られた前記購入予約がなされた農作物を含む画像データを受信する画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段によって受信された画像データに前記購入予約がなされた農作物が含まれているか否かを判定する判定手段と
をさらに備え、
前記農作物位置情報提示手段は、前記農作物位置情報と併せて、前記判定手段による判定結果を示す判定結果情報を前記携帯型端末へ送信するように構成されている、請求項６又は７に記載の農作物管理装置。
【請求項９】
前記農作物位置情報提示手段が、前記購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す情報を前記画像データに付与し、当該農作物の位置を示す情報が付与された前記画像データを前記携帯型端末に送信するように構成されている、請求項８に記載の農作物管理装置。
【請求項１０】
前記農作物位置情報提示手段が、前記農園付近に設けられた表示装置を具備しており、前記農作物位置情報生成手段によって生成された農作物位置情報を当該表示装置に表示するように構成されている、請求項６乃至９の何れかに記載の農作物管理装置。
【請求項１１】
前記農作物位置情報提示手段が、前記農園付近に設けられた印刷装置を具備しており、前記農作物位置情報生成手段によって生成された農作物位置情報を示す印刷物を当該印刷装置にて生成するように構成されている、請求項６乃至１０の何れかに記載の農作物管理装置。
【請求項１】
コンピュータを用いて農園内で生育中の農作物の管理を行う農作物管理方法において、
前記コンピュータが、前記生育中の農作物の購入予約に関する予約情報及び当該農作物の前記農園内における位置に関する位置情報を記憶する記憶部を具備しており、
前記コンピュータが、前記記憶部に記憶されている予約情報及び位置情報に基づいて、前記生育中の農作物のうち既に購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成するステップと、
前記コンピュータによって生成された農作物位置情報を前記農園内又はその周辺に設置された表示装置にて表示することによって、前記購入予約を行った購入予定者に対して当該農作物位置情報を提示するステップと
を有することを特徴とする、農作物管理方法。
【請求項２】
前記購入予約がなされた農作物を前記購入予定者が収穫する前に当該農作物の存在がなくなった場合、前記コンピュータが、当該農作物に代わる農作物を前記生育中の農作物の中から選択するステップをさらに有し、
前記農作物位置情報を生成するステップにおいて、前記コンピュータが、前記農作物の中から選択された農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成する、請求項１に記載の農作物管理方法。
【請求項３】
前記コンピュータが、撮像手段を具備する携帯型端末から当該撮像手段により得られた前記購入予約がなされた農作物を含む画像データを受信するステップと、
前記コンピュータが、受信した画像データに前記購入予約がなされた農作物が含まれているか否かを判定するステップと、
前記コンピュータが、前記農作物位置情報と併せて、前記判定手段による判定結果を示す判定結果情報を前記携帯型端末へ送信するステップと
をさらに有する、請求項１又は２に記載の農作物管理方法。
【請求項４】
前記コンピュータが、前記購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す情報を前記画像データに付与し、当該農作物の位置を示す情報が付与された前記画像データを前記携帯型端末に送信するステップをさらに有する、請求項３に記載の農作物管理方法。
【請求項５】
前記農作物位置情報を提示するステップにおいて、前記コンピュータによって生成された農作物位置情報を前記農園内又はその周辺に設置された印刷装置にて印刷する、請求項１乃至４の何れかに記載の農作物管理方法。
【請求項６】
農園内で生育中の農作物を管理する農作物管理装置において、
前記生育中の農作物の購入予約に関する予約情報及び当該農作物の前記農園内における位置に関する位置情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている予約情報及び位置情報に基づいて、前記生育中の農作物のうち既に購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成する農作物位置情報生成手段と、
前記農作物位置情報生成手段によって生成された農作物位置情報を、前記購入予約を行った購入予定者に対して提示する農作物位置情報提示手段と
を備えることを特徴とする、農作物管理装置。
【請求項７】
前記購入予約がなされた農作物を前記購入予定者が収穫する前に当該農作物の存在がなくなった場合、当該農作物に代わる農作物を前記生育中の農作物の中から選択する代替農作物選択手段をさらに備え、
前記農作物位置情報生成手段が、前記代替農作物選択手段によって選択された農作物の前記農園内における位置を示す農作物位置情報を生成するように構成されている、請求項６に記載の農作物管理装置。
【請求項８】
撮像手段を具備する携帯型端末から当該撮像手段により得られた前記購入予約がなされた農作物を含む画像データを受信する画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段によって受信された画像データに前記購入予約がなされた農作物が含まれているか否かを判定する判定手段と
をさらに備え、
前記農作物位置情報提示手段は、前記農作物位置情報と併せて、前記判定手段による判定結果を示す判定結果情報を前記携帯型端末へ送信するように構成されている、請求項６又は７に記載の農作物管理装置。
【請求項９】
前記農作物位置情報提示手段が、前記購入予約がなされた農作物の前記農園内における位置を示す情報を前記画像データに付与し、当該農作物の位置を示す情報が付与された前記画像データを前記携帯型端末に送信するように構成されている、請求項８に記載の農作物管理装置。
【請求項１０】
前記農作物位置情報提示手段が、前記農園付近に設けられた表示装置を具備しており、前記農作物位置情報生成手段によって生成された農作物位置情報を当該表示装置に表示するように構成されている、請求項６乃至９の何れかに記載の農作物管理装置。
【請求項１１】
前記農作物位置情報提示手段が、前記農園付近に設けられた印刷装置を具備しており、前記農作物位置情報生成手段によって生成された農作物位置情報を示す印刷物を当該印刷装置にて生成するように構成されている、請求項６乃至１０の何れかに記載の農作物管理装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
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【図４】
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【図１３】
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【図１９】
【図２０】
【図２１】
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【公開番号】特開２０１１−２０３８７４（Ｐ２０１１−２０３８７４Ａ）
【公開日】平成２３年１０月１３日（２０１１．１０．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−６８９７１（Ｐ２０１０−６８９７１）
【出願日】平成２２年３月２４日（２０１０．３．２４）
【出願人】（３０２０６４７６２）株式会社日本総合研究所 (367)
【公開日】平成２３年１０月１３日（２０１１．１０．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年３月２４日（２０１０．３．２４）
【出願人】（３０２０６４７６２）株式会社日本総合研究所 (367)
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