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農業用ビニールハウスのビニールシート固定用クリップ
説明

農業用ビニールハウスのビニールシート固定用クリップ

【課題】農業用ビニールハウスのビニールシート端部にパイプ材を着脱自在に固定するため、パイプ材への装着を簡単容易にし、かつ把持力を強くすることができ、またその経年劣化による把持力低下を防止することができ、さらにパイプ材に対する把持面の周方向長さをパイプ材の全周とほぼ同程度に長くすることができるクリップを提供する。
【解決手段】プラスチック製でC型のクリップ本体10と金属バンド25によるクリップについて、上記クリップ本体10の背面に背筋溝11があり、当該背筋溝11の底が肉薄の可撓ヒンジ部になっており、棒状部材30に複数の金属バンド25の背面中央部を固着してあり、上記金属バンド25がC型バンドであり、上記金属バンド25が上記クリップ本体10に嵌められ、上記棒状部材30がクリップ本体10の背筋溝11に圧入して着脱自在に固定されている農業用ビニールハウスのビニールシート固定用クリップ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は農業用ビニールハウスのビニールシートの端縁をパイプ材(例えば巻き上げパイプ材)Pに着脱自在に固定するためのクリップに関するものであり、そのパイプ材Pへの着脱操作が極めて簡単容易であり、かつ、当該クリップの把持力の安定性が高く、経年変化によって緩みが生じることのないものである。
【背景技術】
【0002】
農業用ビニールハウスの構造は例えば図3に示すようなものであり、そのビニールシート(例えば、屋根シート)100の端縁が多数のクリップCでパイプ材Pに着脱自在に固定されている(例えば、特開2001−120081号公報、特許第3049736号公報)。図3のビニールハウスでは、ビニールシート100の端縁を巻き上げパイプ材Pに巻き付け、その上からクリップCを嵌めて固定してあり、ハンドル操作軸50で巻き上げ装置Mが駆動されると巻き上げ装置Mで巻き上げ用のパイプ材Pが駆動され、パイプ材Pにビニールシート100が巻き上げられる。
【0003】
上記従来技術によるクリップCの具体的構造は様々なものが公知であるが、取り扱いが容易で廉価であるなどの理由から、肉厚のプラスチック製のものが多用されている(特公平2−14009号公報の図5、図6、実用新案登録第3076360号公報の図1、図2)。そしてこのクリップCの断面形状はC型、あるいはΩ型である。
図4に例示した従来のものはΩ型のクリップであり、クリップ本体60の左右両縁60a,60b間の開口63からパイプ材Pを圧入嵌合してクリップ全体を拡開させて開口63からパイプ材Pを嵌め込み、クリップ本体の弾性復元力でビニールシート100をパイプ材に固定するものである。上記クリップ本体がΩ型であるので、パイプ材Pに対するクリップ本体60による把持面の周方向長さを長くすることができ、左右両縁60a,60b間の開口63にパイプ材Pを押し込み易い。左右両縁60a,60b間の開口63の幅が小さいほどパイプ材Pに対するクリップによる把持面の周方向長さが長くて把持効果を高くするのに好都合である。しかしそうすると、パイプ材Pにクリップ本体60を嵌めることが困難であるので、この開口63の幅はパイプ材Pの外経よりも少し小さい程度(例えばパイプ材Pの外径が22.2mmのとき、上記開口63の幅は14.5mm)にしてあり、これを余り小さくすることはできない。
【0004】
C型又はΩ型のクリップはプラスチック製であるから、弾性変形に対する抵抗を大きくすることによって把持力を強くすることができるが、経年変化によって把持力が低下し(プラスチック材のクリープ現象による)、このためにビニールシートにかかる強い張力でパイプ材Pに対して部分的に滑ってずれを生じ、ビニールシートが部分的に弛んでしまうという問題があり、また、パイプ材Pでビニールシートを巻き上げる場合は、部分的な弛みのためにその全幅に亘って均等に巻き上げることができなくなるという不都合を生じる。
他方、把持力を余り強くするとそれだけクリップを拡開させるのが困難になり、その結果、そのパイプ材への着脱作業が困難になり作業能率が損なわれる。したがって、クリップCの経年劣化による把持力低下を見込んで予じめその把持力を強くすることはできない。
【0005】
プラスチック製クリップの把持力をより強くしつつ把持力低下を低減するものとしてクリップ本体とC型の金属バンドとを複合したものが実開昭53−32142号公報に記載されている。当該公開公報に記載されているものは断面C型のクリップ本体の内面に断面C型の金属バンドを埋設して複合したものであるが、Ω型のクリップ本体とC型の金属バンドによるもの(図4参照)も実用されている。
【0006】
図4に示す従来例は例えば、外径22.2mmのパイプ材Pに対するもので長さが150mm程度であるが、クリップ本体60の外周に幅4mmの金属バンド61を埋設して組み合わせているものであり、そのクリップ本体60の弾発力を弱くし、金属バンド61で補強してクリップの所要把持力を確保することで、クリップ本体の経年劣化による把持力への影響を低減している。しかし、このものはクリップ本体60の反発力を利用して所要の把持力を確保しているのであるから、この部分の経年劣化に伴ってクリップ全体の把持力が低下するのは避けられない。
【0007】
他方、クリップ本体60はその全長に亘って均等にパイプ材Pを把持するものでなければならないから全体として硬いものでなければならず、したがって、クリップ本体自体の把持力を弱くしてその分だけ金属バンド61による把持力を強くすることはできない。それゆえ、図4に示す従来例についても、クリップ本体の経年劣化の把持力に対する影響を大幅に低減して、クリップ本体の経年劣化による上記の問題を解消することはできない。
【0008】
また、クリップ本体60の左右両縁60a,60b間の開口63を狭くして、クリップ本体60のパイプ材Pに対する把持面の周方向長さを長くすることにより、クリップによってビニールシート100のパイプ材Pへの固定機能が高められる。しかし、上記開口63を狭くするとそれだけパイプ材Pへの嵌め込み、取り外しが困難になるので、開口63をさらに狭くして把持面の周方向長さを長くすることもできない。
【特許文献1】特開2001−120081号公報
【特許文献2】特許第3049736号公報
【特許文献3】特公平2−14009号公報
【特許文献4】実用新案登録第3076360号公報
【特許文献5】実開昭53−32142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、プラスチック製でC型のクリップのパイプ材への装着を極めて簡単容易にし、かつ把持力を十分に強くすることができ、またその経年劣化による把持力低下を防止することができ、さらにパイプ材に対する把持面の周方向長さをパイプ材の全周とほぼ同程度に長くすることができるようにクリップの構造を工夫することを、その課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための手段は、農業用ビニールハウスのビニールシートの端部にパイプ材を着脱自在に固定するためのクリップであって、プラスチック製でC型のクリップ本体と金属バンドによるクリップについて、次の(イ)〜(ニ)によるものである。
(イ)上記クリップ本体の背面に背筋溝があり、当該背筋溝の底が肉薄の可撓ヒンジ部になっており、
(ロ)棒状部材に複数の金属バンドの背面中央部を固着してあり、
(ハ)上記金属バンドがC型バンドであり、
(ニ)上記金属バンドが上記クリップ本体に嵌められ、上記棒状部材がクリップ本体の背筋溝に圧入され、着脱自在に固定されていること。
さらに、
(ホ)上記クリップ本体の左右の外側面に上記背筋溝と平行な側溝が設けられていることである。
【0011】
なお、上記金属バンドを、一つの棒状部材に2〜3個取り付けることが望ましい。これによって、複数の金属バンドをクリップ本体に容易に装着することができ、また金属バンドによる締め付け力をクリップ本体の全長にほぼ均等に分散させることができる。一個の金属バンドによる場合は金属バンドを幅広にし、また、拡開操作を容易にするための工夫が必要である。
また、必ずしも好ましい形態ではないが、金属バンドに半径方向内方に突出部を設け、これが上記背筋溝に押し込まれる楔として機能するときは、上記棒状部材は必ずしも必要でない。
【発明の効果】
【0012】
クリップ本体がプラスチック製でC型であるからその左右両縁は互いに近接しており、また、その背面に上記背筋溝による可撓ヒンジ部があるからクリップ本体は肉厚で十分硬くても、極めて容易に左右に開かれる。したがって、クリップ本体を十分硬いものにしてもこれを容易にパイプ材に嵌め込むことができる。
【0013】
そしてC型の上記クリップ本体をパイプ材に嵌めると、当該パイプ材のほぼ全周囲が上記クリップ本体で把持される。パイプ材に嵌められたクリップ本体に上記金属バンドを拡開させて嵌めるとき拡開操作されるのは金属バンドだけであるから、この拡開操作は比較的容易である。金属バンドをクリップ本体に嵌め込んだ後、上記棒状部材を上記背筋溝に押し込んで固定することで、棒状部材、金属バンドがクリップに固定される。また、棒状部材のくさび作用で背筋溝が押し広げられるので、クリップ本体を拡開させる外力に対するクリップ本体の剛性が高くなる。そして、金属バンドは容易に装着されるのでこれを十分強いものにすることができ、したがって、クリップ本体の把持力はなくても、金属バンドの強さでパイプ材が強く把持される。それ故、クリップ本体のパイプ材に対する把持が緩むことはない。
【0014】
そして、プラスチック製のクリップ本体については、これを硬いものにすることは支障なくできるので、金属バンドによる把持力はクリップ本体の軸方向全長に亘ってほぼ均等であり、また、時間の経過に関わりなく一定である。
【0015】
また、上記クリップ本体の左右の外側面に上記背筋溝と平行な側溝が設けられていると、この側溝の底の部分が薄くて比較的容易に変形するので、クリップのパイプ材への嵌め込み作業が容易になる。
金属バンドについては、Ω型であればクリップ本体への圧入嵌合が容易であるが、しかし、容易に嵌め込めるのであればC型バンドでも支障はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ビニールハウスの屋根シートを巻き上げパイプに固着するのにこの発明を適用した実施例1、実施例2、実施例3を図1、図2、図2−1、図2−2を参照して説明する。
〔実施例1〕
実施例1は塩化ビニール製のクリップ本体10とΩ型金属バンド25,25と棒状部材30とによるものであり、外径19.1〜22.2mmのパイプ材Pに装着されるものである。
C型のクリップ本体10の自由状態での内径は18mm、外径は32.2mmであり、全長Lは60〜150mmである。そして、クリップ本体10の背面に長手方向の背筋溝11がある。この背筋溝11の底は薄肉のヒンジ部11aになっている。また、背筋溝の左右両側部分、すなわち、クリップ本体10の左右の翼10a,10bの外側面に背筋溝11と同様の側溝12がそれぞれ設けられている。
上記背筋溝11は内径6mmの上向きのC型溝であり、その深さは4mm、開口幅gは5.5mmである。上記側溝12は内径3mmの横向きのC型溝である。
【0017】
2つのΩ型の金属バンド25,25が棒状部材30を跨いだ状態で組み合わされ、金属バンド25の中央下面に断面円形の棒状部材30が止めねじ33で固定されている。そして、金属バンド25はバネ鋼製であり、その自由状態での内径は30mmであり、断面円形の棒状部材30の外径は5.5mmである。
金属バンド25の自由状態での内径は、パイプ材Pに嵌められた状態のクリップ本体10の外径よりも小さく、金属バンド25がクリップ本体10に嵌められたとき拡開された状態になる。
金属バンド25は太めの金属線材製でもよく、幅狭の金属板製でもよいが、この実施例の金属バンド25は厚さが1mm、幅が5mmである。そして、その左右両翼25a,25bの先端と先端の間の幅xは23.2mmであり、クリップ本体10の外径よりも9mm小さい。
そしてクリップ本体10の左右両端縁(左右両翼10a,10bの先端)間の開口10wの幅はほぼ40mm程度である。
【0018】
棒状部材30の直径は、クリップ本体10が自由状態にあるときの背筋溝11の内径とほぼ同じであるが、クリップ本体10がパイプ材Pに嵌められるとその左右両翼10a,10bが左右に開かれ、このために背筋溝11が若干潰されて棒状部材30の太さよりも若干細くなっている。金属バンド25をクリップ本体10に嵌め、棒状部材30をその背筋溝11に圧入させることで棒状部材30がクリップ本体10に固定される。
【0019】
クリップ本体10の左右両縁10e,10fの間の開口10wの幅を十分小さくしても、背筋溝11の底のヒンジ部11aを支点にして左右両翼が容易に開かれる。したがって、クリップ本体10は容易に拡開されるので、パイプ材への装着は容易である。また、左右両翼10a,10bに側溝12がある場合はその底部が可撓性ヒンジになっているのでさらに容易である。
【0020】
パイプ材Pにビニールシート(具体的には屋根シート)100の下端を巻き付けた状態でこれにクリップ本体10を嵌め、その後、クリップ本体10に2つの金属バンド25,25を嵌め、棒状部材30を背筋溝11に圧入してこれらを固定する。
棒状部材30はクリップ本体10よりも少し長く、背筋溝に嵌め込まれたとき、その一端がクリップ本体の端部から少しはみ出るようになっている。このようにすることで、棒状部材30の一端を掴んで上方(図1において上方)に引き上げることにより、棒状部材30が背筋溝11から容易に外れ、金属バンドも容易に外される。
【0021】
〔実施例2〕
実施例1の上記棒状部材30は背筋溝11に圧入嵌合され、これによって金属バンドをクリップ本体に固定する機能と楔作用とを奏するものであるから、これらの機能を奏する他の構造を採用することもできる。実施例2はその一例であり、図2−1に示されているものである。これは幅5mmの金属バンド35の中央にC型突起35aを半径方向内方に形成したものであり、C型突起25aがクリップ本体10の背筋溝11に圧入嵌合され、背筋溝11を拡開させる楔として機能する。
【0022】
〔実施例3〕
また、実施例3は実施例2の金属バンド35と同様の2つの金属バンド45,45を角形の棒状部材46で連結し、この棒状部材46をクリップ本体40の背筋溝41に嵌めて固定したものである。棒状部材46は、背筋溝41に押し込まれてこれに固定されるから楔として機能する。したがって、金属バンド45のC型突起45aは、実施例2の金属バンド35のC型突起35aと違って楔として機能する必要はない。
棒状部材46には2つの切り欠き46aが設けられており、この切り欠き46aに金属バンド45のC型突起45aが嵌められ、これによって金属バンド45が棒状部材46に連結される。
なお、以上の実施例における寸法は一例であり、一つの目安である。そして、クリップ本体の材質の硬さ、金属バンドの硬さの如何により、また、固定すべきパイプ径、ビニールシートの厚さ、硬さ等との関係で適宜選択されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】は、実施例1の斜視図
【図2】は、図1のクリップ本体の拡大図
【図2−1】は、実施例2の金属バンドの斜視図
【図2−2】は、実施例3の斜視図
【図3】は、農業用ビニールハウスの全体斜視図
【図4】は、従来技術のクリップ本体の拡大図
【符号の説明】
【0024】
10:クリップ本体
10a:クリップ本体10の左翼
10b:クリップ本体10の右翼
10e:左縁
10f:右縁
10w:開口
11:背筋溝
11a:背筋溝の底(薄肉のヒンジ)
12:側溝
25,35,45:金属バンド
25a:金属バンドの左翼
25b:金属バンドの右翼
30,46:棒状部材
100:ビニールシート
C:クリップ
g:背筋溝の開口幅
P:パイプ材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業用ビニールハウスのビニールシートの端部にパイプ材を着脱自在に固定するための、プラスチック製でC型のクリップ本体と金属バンドによるクリップであって、
上記クリップ本体の背面に背筋溝があり、当該背筋溝の底が肉薄の可撓ヒンジ部になっており、
棒状部材に複数の金属バンドの背面中央部を固着してあり、
上記金属バンドがC型バンドであり
上記金属バンドが上記クリップ本体に嵌められ、上記棒状部材がクリップ本体の背筋溝に圧入されて着脱自在に固定されていることを特徴とする農業用ビニールハウスのビニールシート固定用クリップ。
【請求項2】
上記クリップ本体の左右の外側面に上記背筋溝と平行な側溝が設けられている請求項1の農業用ビニールハウスのビニールシート固定用クリップ。
【請求項3】
上記金属バンドが金属板材又は金属線材によるものである請求項1の農業用ビニールハウスのビニールシート固定用クリップ。
【請求項4】
上記金属バンドがΩ型のバンドである請求項1の農業用ビニールハウスのビニールシート固定用クリップ。

【図1】
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【図2】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−183252(P2009−183252A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29279(P2008−29279)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(507365053)
【Fターム(参考)】