説明

農業用プラスチック気泡シート

【課題】バックフィルム、キャップフィルムおよびライナーフィルムからなる三層構成の農業用プラスチック気泡シートにおいて、垂直に吊り下げて使用しても断熱性能が高く、紫外線にさらされたときに劣化しにくく、長期の使用に耐える、改良された製品を提供する。
【解決手段】溶融押出ししたポリオレフィンのフィルムを真空成形ロールで成形してキャップフィルム2を得、キャップフィルム2にバックフィルム1を融着し、キャップの頂きにライナーフィルム3を融着する工程によってプラスチック気泡シートを製造する。このとき、真空成形ロールの一方の端が成形キャビティの列を欠くものを使用するとともに、ライナーフィルム3の端をキャップフィルム2とバックフィルム1とが融着したものに融着させることにより、3枚のフィルムが一体となった縁辺4を形成させる。キャップの断面形状の選択により、光線の拡散透過率が高い製品が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業や園芸のため(以下「農業用」で代表させる)のハウスに、保温材として使用するプラスチック気泡シートに関し、その使用方法をも包含する。
【背景技術】
【0002】
農業用のハウスの保温材として、プラスチック気泡シートが好んで用いられている。この農業用プラスチック気泡シートは、通常、いずれもプラスチック材料で製造した、平坦なバックフィルム、多数のキャップ状の突起を有するキャップフィルム、およびもう1枚の平坦なライナーフィルムからなる三層構成のものである。
【0003】
出願人はかつて、この種のプラスチック気泡シートにおいて、その一側または両側に、所要幅の赤外線不透過性とした柔軟性シート状縁部を設けてなる農業用保温シートを考案して、提案したことがある(特許文献1)。この柔軟性シート状縁部は、保温シートを農業用ハウスの保温材として側面に吊り下げたとき、地面に接する縁が地面の凹凸に応じてその形状を変化させ、密閉性を高めるという効果がある。従来は、下方の縁部が柔軟とはいえず、地面との密着性が悪くて隙間ができ、この部分から熱が放散し、とくに夜間においてハウス内の温度が低下してしまう、という欠点があった。
【特許文献1】実開昭57−123224号公報
【0004】
その後の使用経験から、このような農業用プラスチック気泡シートには、つぎのような問題があることがわかった。
・プラスチック気泡シートを垂直に吊り下げて使用した場合、断熱性能が期待したほど高くないこと。その原因は、バックフィルムとライナーフィルムとの間の、キャップ外側にある非密閉空間を空気が流通するためである。
・紫外線にさらされて劣化し、長期の使用に耐えないこと。
・使用条件によっては表面に結露することがあり、結露すると光線透過率が低下して、ハウス内の温度を高めたいという希望が満たされなくなること。
【0005】
さらに研究を進めた結果、夜間の放射冷却によるハウス内の温度低下を軽減するためには、プラスチック気泡シートを構成するキャップフィルム、バックフィルムおよびライナーフィルムの少なくとも一つに、無機物質の粉末を充填剤として添加することが効果的であることを知った。また、農業用シートとしては、光線透過率が高いものが好まれるが、近年、透過光が散乱する割合が高い方が、農作物にまんべんなく光があたって、色づきや発育がよくなることが知られるに至った。つまり、全光線透過率が高く、かつ拡散透過率が高い農業用シートが要望されるわけである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の基本的な目的は、上記した諸問題を一挙に解決し、垂直に吊り下げて使用しても断熱性能が高く得られ、紫外線にさらされたときに劣化しにくく、長期の使用に耐える農業用プラスチック気泡シートを提供することにある。本発明の追加的な目的は、これらの特性に加えて、下記の特性の少なくとも一つを有する農業用プラスチック気泡シートを提供することにある。
A)保温性能がいっそう向上している。
B)結露を生じやすい条件下で使用しても結露しにくく、したがって結露による光線透過率の低下が防げる。
C)全光線透過率が高く、かつ拡散透過率が高いこと。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の基本的な目的を達成する農業用プラスチック気泡シートは、図1に示すように、ポリエチレンおよびポリプロピレンから選んだポリオレフィン樹脂を材料とする、平坦なバックフィルム(1)、多数のキャップ状の突起を有するキャップフィルム(2)、およびもう1枚の平坦なライナーフィルム(3)からなる三層構成のプラスチック気泡シートであって、
気泡シートの一方の縁が、キャップフィルムとバックフィルムとの融着物の上にライナーフィルムが融着して3層のフィルムが一体となった縁辺(4)を形成した構造であり、材料のポリオレフィン樹脂が耐候性向上剤を含有することを特徴とする農業用プラスチック気泡シートである。
【0008】
本発明の追加的な目的を達成する農業用プラスチック気泡シートは、上記した基本的な目的を達成するための構成に加えて、つぎの、それぞれ追加的な目的に資する構成を有することを特徴とする。これらの構成は、必要に応じてその一つ、二つまたは三つを選択して与えればよい。
A)バックフィルムおよびライナーフィルムの少なくとも一方に、好ましくは両方に、防曇剤を添加して、結露しにくくしたたこと。
B)キャップフィルム、バックフィルムおよびライナーフィルムの少なくとも一つに、無機物質の粉末からなる充填剤を1〜20重量%添加して、保温性能を高めたこと。
C)キャップ状の突起がテーパをもった円錐台形状であって、キャップの底部の径(D)と、頭部の径(d)およびキャップの高さ(t)との間に、図2に示すように、つぎの関係をもたせることにより、
d=(0.7〜0.9)D
t=(0.3〜0.45)D
全光線透過率が80%以上であって、拡散透過率が20%以上であるようにしたこと。
【発明の効果】
【0009】
上述の基本的な目的を達成するための構造を有する本発明の農業用プラスチック気泡シートは、垂直に吊り下げて使用する場合にも、バックフィルムとライナーフィルムに挟まれ、キャップの外側にある閉鎖空間(6)の空気が流通しにくく、プラスチック気泡シートが本来もっている保温性能が、この部分における空気の流通によって損なわれることが、ほとんど防止できる。キャップ内部の密閉空間(5)は、もともと保温作用に大いに寄与している。フィルムが融着して形成した縁辺はまた、その部分をクリップしたり、ハトメを取り付けてロープを通したりするなどの利用が容易である。
【0010】
本発明の農業用プラスチック気泡シートは、三層のフィルムがすべて耐候性向上剤を含有することにより、紫外線による劣化が遅くなるから、耐候性向上剤を含有しないものが、通常は一シーズンしか使用できなかったのに比べて、はるかに長期にわたり使用可能である。
【0011】
真空成形ロールを使用して連続的に製造したプラスチック気泡シートは、一般にコイルに巻き取って輸送したり貯蔵したりするが、そのとき、一方の端に3層のフィルムが一体化した縁辺があることが、ある程度の剛性を与え、コイルの座りをよくし、取り扱いを容易にするという利益もある。使用目的に対して原反の幅が広すぎる場合は、上記の縁辺を基準に適宜の幅にスリットすることによって、それに対応することができる。
【0012】
バックフィルムおよび(または)ライナーフィルムに防曇剤を添加した態様のものは、結露による光線透過率の低下が防げ、農業用ハウスとしての機能が向上する。これも容易に理解されるとおり、防曇剤の添加は、一般にハウスの内側に位置するフィルムだけに行なえば足りるのではあるが、両面に添加してあれば、製品の使用に当たって表裏を考える必要がなく、使い勝手がよいから、バックフィルムとライナーフィルムの両方に防曇剤を添加することが推奨される。プラスチック材料に保温剤を添加した態様のプラスチック気泡シートは、夜間に進むハウス内部の冷却が緩和される。
【0013】
キャップフィルムのキャップの形状を特定した態様のプラスチック気泡シートは、全光線透過率が高い上に、拡散透過率が高いために、ハウス内の農作物によく光線が当たり、かつ、当たり方がまんべんなく行なわれるため、生育が平均的であり、色づきがよくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上述の農業用プラスチック気泡シートを製造する本発明の方法は、図5に示すように、ポリエチレンおよびポリプロピレンから選んだポリオレフィン樹脂に、耐候性向上剤を添加したものを材料として使用し、Tダイ(T)から溶融押出ししたプラスチックフィルムをキャップフィルム用フィルム(F)として供給し、キャップ形状のキャビティを多数有する、回転可能に設置した真空成形ロール(R)で成形することにより、多数のキャップ状の突起を有するキャップフィルム(2)を得、別のTダイ(T)から溶融押出ししたプラスチックフィルムをバックフィルム用フィルム(F)として供給し、得られたキャップフィルムのキャップの底部に融着してバックフィルム(1)とすることにより二層構成のプラスチック気泡シート(I)を得、続いて、さらに別のTダイ(T)から溶融押出ししたプラスチックフィルムをライナーフィルム用フィルム(F)として供給し、ライナー融着ロール(R)において二層構成のプラスチック気泡シートのキャップの頂部に融着してライナーフィルム(3)とすることにより三層構成のプラスチック気泡シート(II)を完成する工程からなり、
真空成形ロールの一方の端が上記キャビティの列を欠く真空成形ロールを使用してキャップフィルムを製造することにより、一方の端にキャップの列を欠く二層フィルム積層材の部分を有する二層構成のプラスチック気泡シートを得ることと、ライナーフィルムをキャップの頂きに融着するに当たって、ライナー融着ロール(R)上をキャップが上側に位置して通過する二層構成のプラスチック気泡シートに対して、ライナーフィルム用フィルム(F)をキャップにもたれるように傾けて接触させることにより、ライナーフィルム(3)の形成と同時に、上記のキャップの列を欠く二層フィルム積層材の部分に融着させて三層フィルム積層材からなる縁辺(4)を形成させることを特徴とする農業用プラスチック気泡シートの製造方法である。図5において、符号(R,R)は加圧ロール、(R)は剥離ロールである。
【0015】
本発明の農業用プラスチック気泡シートの製造に当たっては、前記のように、「一方の端が上記キャビティの列を欠く真空成形ロールを使用」する。このような真空成形ロールは、図6にみるような、既存の真空成形ロールの一方の端に並んだキャビティ(7)を埋めて、真空成形の機能を失わせることによって容易に実現することができるから、わざわざ新しい装置を用意するまでもない。また、そのように調整した装置を、必要がなくなれば、キャビティを埋めたものを取り除くことにより、元に戻すことが可能である。所望される農業用プラスチック気泡シートの幅が一定である場合は、真空成形ロールの他方の端も同様に、キャビティの列を欠くものとすることができるのはもちろんである。それにより、吊り下げた下側も縁辺で補強された、強固な農業用プラスチック気泡シートが得られる。
【0016】
キャップフィルムのキャップを欠く部分にバックフィルムおよびライナーフィルムが融着して三層フィルム積層材からなる縁辺を形成するたには、上記のように、「ライナーフィルム用フィルム(F)をキャップにもたれるように傾けて接触させる」ことが必要であり、このとき、ライナーフィルムの傾斜を十分大きくして、キャップフィルムのキャップのない部分に融着させることが肝要である。必要であれば、小さいロールによる圧着などを併用するとよい。
【0017】
前述の耐候性向上剤としては、任意のものを採用することができるが、本発明の用途には、市販品の有機リン化合物およびフェノール系から選んだ1種または2種が好適であって、その含有量は、2種の場合は合計量で、1500〜7000ppmの範囲から選べばよい。
【0018】
これも前述した防曇剤としては、同じく任意に選択することができるが、本発明にとっては、市販品からモノグリセライドおよびポリグリセリンから選んだ1種または2種を使用することが好適である。添加量としては、これも2種の場合は合計量で、5000〜20000ppmの範囲が適切である。
【0019】
プラスチック気泡シートの保温性を高める充填剤とする、無機物質の粉末は、プラスチックのフィルムの製造に当たって添加することができる任意のものを選択することができるが、赤外線遮断効果が高いものが好ましい。そのような無機物質の粉末としては、炭化ジルコニウムやハイドロタルサイトの粉末が有用であることが知られているが、とくに後者が好適である。
【0020】
光線の透過特性に関して好適な態様の農業用プラスチック気泡シートは、図2に示すキャップ状の突起の、キャップ底部の径(D)と頭部の径(d)およびキャップの高さ(t)との間に、前記した d=(0.7〜0.9)D t=(0.3〜0.45)D の関係がある。
この関係は、プラスチック気泡シートに入射した光線が、高い割合で透過するとともに、適度に拡散されるための条件である。
【0021】
一例として、常用の低密度ポリエチレンを材料とし、三層構成のプラスチック気泡シートであって、単位面積当たりの重量が62g/mのものを、下記のキャップ形状で製造し、それぞれの光線透過特性を、JIS K7105に定める方法に従って測定した。結果を付記する。
[実施例] 本発明に従うプラスチック気泡シート
D=10.0mm d=8.5mm t=3.5mm キャップのピッチ=11.5mm 千鳥配置
入射光に対する全光線透過率:84% 拡散透過率:26%
[比較例] 従来のプラスチック気泡シート
D=10.0mm d=10.0mm t=4.0mm キャップのピッチ=11.5mm 千鳥配置
入射光に対する全光線透過率:84% 拡散透過率:26%
本発明のキャップ形状を採用することにより、全光線透過率はほぼ同等であるが、拡散透過率が8%高まり、これは33%の増加に相当する。
【0022】
この農業用プラスチック気泡シートを使用して農業用ハウスを保温するときの使用法は、前掲の特許文献1に記載されているような、カマボコ型のハウスに一面に載せる使用法、屋根型ハウスの壁面に沿って吊り下げる使用法など任意であるが、3層のフィルムが融着して一体となって形成した縁辺(4)が、上部に来るようにすることが好ましい。容易に理解されるように、その方が、上記の閉鎖空間(6)にある空気が上部に抜け出て流通するという、移動が起こりにくいからである。シートが地面に接触する部分で、その凹凸に応じてシートが変形して地面との間の密閉性を保つことを希望する場合は、特許文献1の技術またはその他の技術を利用して、下方の縁が柔軟になるようにすることが望ましい。
【0023】
農業用プラスチック気泡シートの使用に当たって、縁辺(4)をクリップで吊り下げたり、ハトメを取り付けてロープを通したりしたときの耐久性を高めたい場合は、縁辺と同じ幅をもった、もう1枚のフィルムを縁辺に融着させて補強することができる。必要により、縁辺より広く、その外側に伸びるフィルムで補強してもよいことは、もちろんである。このような変更態様を実現するには、前記の二層構成のプラスチック気泡シート(I)の形成と同時に行なうことが有利であって、たとえば、真空成形ロール(R)へのバックフィルム用フィルム(F)の融着を助ける加圧ロール(R)に、補強用のプラスチックテープを噛み込ませて、キャップフィルムおよびバックフィルムと一緒に積層することができる。
【0024】
このとき、もう1枚のフィルムの方に、商品名、メーカーまたは販売者の名、材質の表示、ロット番号、さらには使用上の注意などの、商品として必要な情報を印刷しておき、積層と同時にこれらの情報を製品に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の農業用プラスチック気泡シートの一例を示す斜視図。
【図2】本発明の農業用プラスチック気泡シートであって、光線の透過特性に関して好適な態様を説明するための、概念的な拡大断面図。
【図3】図2に示した好適な態様における、光線の透過率を説明するための概念的な説明図。
【図4】比較例における、光線の透過率を説明するための概念的な説明図。
【図5】本発明の農業用プラスチック気泡シートの製造方法を説明するための、装置の主要部の配置を概念的に示した図。
【図6】図5の装置における、真空成形ロールを説明する平面図。
【符号の説明】
【0026】
1 バックフィルム
2 キャップフィルム
3 ライナーフィルム
4 縁辺
5 密閉空間(キャップの内部)
6 閉鎖空間(キャップの外部)
7 キャビティ
バックフィルム用フィルム
キャップフィルム用フィルム
ライナーフィルム用フィルム
真空成形ロール
ライナー融着ロール
,R 加圧ロール
剥離ロール
,T,T Tダイ
I 二層構成のプラスチック気泡シート
II 三層構成のプラスチック気泡シート(農業用プラスチック気泡シート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレンおよびポリプロピレンから選んだポリオレフィン樹脂を材料とする、平坦なバックフィルム(1)、多数のキャップ状の突起を有するキャップフィルム(2)、およびもう1枚の平坦なライナーフィルム(3)からなる三層構成のプラスチック気泡シートであって、
気泡シートの一方の縁が、キャップフィルムとバックフィルムとの融着物の上にライナーフィルムが融着して3層のフィルムが一体となった縁辺(4)を形成した構造であり、材料のポリオレフィン樹脂が耐候性向上剤を含有することを特徴とする農業用プラスチック気泡シート。
【請求項2】
耐候性向上剤として、有機リン化合物およびフェノール系から選んだ1種または2種を1500〜7000ppm含有する請求項1の農業用プラスチック気泡シート。
【請求項3】
バックフィルムおよび(または)ライナーフィルムとなるポリオレフィン樹脂に防曇剤を添加した請求項1の農業用プラスチック気泡シート。
【請求項4】
防曇剤として、モノグリセライドおよびポリグリセリンから選んだ1種または2種を5000〜20000ppm添加した請求項3の農業用プラスチック気泡シート。
【請求項5】
キャップフィルム、バックフィルムおよびライナーフィルムの少なくとも一つに、無機物質の粉末からなる充填剤を1〜20重量%添加して保温性能を高めた請求項1の農業用プラスチック気泡シート。
【請求項6】
充填剤とする無機物質の粉末が、ハイドロタルサイトの粉末である請求項5の農業用プラスチック気泡シート。
【請求項7】
キャップ状の突起がテーパをもった円錐台形状であって、キャップの底部の径(D)と、頭部の径(d)およびキャップの高さ(t)との間に、つぎの関係があり、
d=(0.7〜0.9)D
t=(0.3〜0.45)D
全光線透過率が80%以上であって拡散透過率が20%以上である請求項1の農業用プラスチック気泡シート。
【請求項8】
ポリエチレンおよびポリプロピレンから選んだポリオレフィン樹脂に、耐候性向上剤を添加したものを材料として使用し、Tダイ(T)から溶融押出ししたプラスチックフィルムをキャップフィルム用フィルム(F)として供給し、キャップ形状のキャビティを多数有する、回転可能に設置した真空成形ロール(R)で成形することにより、多数のキャップ状の突起を有するキャップフィルム(2)を得、別のTダイ(T)から溶融押出ししたプラスチックフィルムをバックフィルム用フィルム(F)として供給し、得られたキャップフィルムのキャップの底部に融着してバックフィルム(1)とすることにより二層構成のプラスチック気泡シート(I)を得、続いて、さらに別のTダイ(T)から溶融押出ししたプラスチックフィルムをライナーフィルム用フィルム(F)として供給し、ライナー融着ロール(R)において二層構成のプラスチック気泡シートのキャップの頂部に融着してライナーフィルム(3)とすることにより三層構成のプラスチック気泡シート(II)を完成する工程からなり、
真空成形ロールの一方の端が上記キャビティの列を欠く真空成形ロールを使用してキャップフィルムを製造することにより、一方の端にキャップの列を欠く二層フィルム積層材の部分を有する二層構成のプラスチック気泡シートを得ることと、ライナーフィルムをキャップの頂きに融着するに当たって、ライナー融着ロール(R)上をキャップが上側に位置して通過する二層構成のプラスチック気泡シートに対して、ライナーフィルム用フィルム(F)をキャップにもたれるように傾けて接触させることにより、ライナーフィルム(3)の形成と同時に、上記のキャップの列を欠く二層フィルム積層材の部分に融着させて三層フィルム積層材からなる縁辺(4)を形成させることを特徴とする農業用プラスチック気泡シートの製造方法。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかに記載の農業用プラスチック気泡シートを使用した農業用ハウスの保温方法であって、3層のフィルムが一体となった縁辺(4)がシートの上方に位置するように吊り下げることを特徴とする保温方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−45060(P2009−45060A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182084(P2008−182084)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(000199979)川上産業株式会社 (203)
【Fターム(参考)】