説明

農業用化学薬品処方物のためのアジュバントとしてのアルコールアルコキシレート

式(I)RO[BO][AO]のバイオパフォーマンス増強アジュバントであって、ここでBOは、ブチレンオキシドであり;各AOは、独立して、プロピレンオキシドもしくはエチレンオキシドであり;nは、1〜12であり;mは、0〜20であり;Rは、必要に応じて置換されたC4−20アルキルもしくは必要に応じて置換されたC4−20アルケニルであり;Rは、水素もしくは必要に応じて置換されたC1−3アルキルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオパフォーマンス増強アジュバント(bioperformance enhancing adjuvant)およびこのようなアジュバントの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
農業用化学薬品のバイオパフォーマンスを増強する多くのアジュバントが公知である。浸透促進物質(penetration aid)としてのアルコールアルコキシレートの広い言及が、特許文献1においてなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2008/037375号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、式(I)のバイオパフォーマンス増強アジュバント:
O[BO][AO] (I)
を提供し、ここでBOは、ブチレンオキシドであり;各AOは、独立して、プロピレンオキシドもしくはエチレンオキシドであり;nは、1〜12であり;mは、0〜20であり;Rは、必要に応じて置換されたC4−20アルキルもしくは必要に応じて置換されたC4−20アルケニルであり;Rは、水素もしくは必要に応じて置換されたC1−4アルキルであるが;ただしRは、Rより多い炭素原子を含む。
【0005】
各アルキル鎖は、独立して、直鎖もしくは分枝鎖である。
【0006】
上記アルキル基およびアルケニル基上の必要に応じた置換基は、独立して、ヒドロキシ基およびエポキシ基である。
【0007】
特定のブチレンオキシド−エチレンオキシドブロックコポリマーは、J.Colloid and Interface Science 206,77−82(1998)においてJ.Chlebickiによって開示されている。
【0008】
従って、別の局面において、本発明は、式(Ia)の化合物:
O[CHCH(C)O][CO]H (Ia)
ではないことを条件として、上記に定義される式(I)の化合物を提供し、
が、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチルもしくはn−デシルである場合;aは、1、2、3もしくは4であり;bは、9.7〜10.2である。
【0009】
が、必要に応じて置換されたアルキルである場合、適切には、Rは、必要に応じて置換されたC6−18アルキルであり;より適切には、Rは、必要に応じて置換されたC10−16アルキルであり;さらにより適切には、Rは、必要に応じて置換されたC13−15アルキルである。
【0010】
が、必要に応じて置換されたアルケニルである場合、適切には、Rは、必要に応じて置換されたC6−18アルケニルであり;より適切には、Rは、必要に応じて置換されたオレイルであり;さらにより適切には、Rは、オレイルである。
【0011】
適切には、Rは、水素もしくは必要に応じて置換されたC1−3アルキルであり;より適切には、Rは、水素もしくは必要に応じて置換されたC1−2アルキルであり;さらにより適切には、Rは、水素もしくは必要に応じて置換されたメチルであり;もっとも適切には、Rは、水素である。
【0012】
適切には、Rは、置換されていないアルキルである。
【0013】
適切には、Rは、水素もしくは置換されていないアルキルである。
【0014】
BO[ブチレンオキシド]は、実験式COを有する。あらゆるBOユニットは、式CH(R)CH(R)Oを有するが、各々のBOユニットは、以下の選択肢から独立して選択される:Rは、メチルであり、Rは、メチルであるか;またはRは、エチルであり、Rは、水素であるか;またはRは、水素であり、Rは、エチルである。
【0015】
プロピレンオキシド[PO]は、実験式COを有する。あらゆるPOユニットは、式CH(R)CH(R)Oを有するが、各POユニットは、以下の選択肢から独立して選択される:Rは、メチルであり、Rは、水素であるか;またはRは、水素であり、Rは、メチルである。
【0016】
一局面において、ブロック[AO]は、POブロック、続いて、EOブロックであり、ここで上記POブロックは、上記BOブロックに結合され、その結果、上記アジュバントは、式(Ib):
O[BO][PO]m’[EO]m’’ (Ib)
であり、ここで(m’+m”=m)およびR、R、nおよびmは、式(I)の化合物について定義されるとおりである。
【0017】
適切には、AOは、エチレンオキシドである。
【0018】
適切には、nは、2〜8であり;より適切には、3〜6であり;さらにより適切には、4である。
【0019】
適切には、mは、5〜15であり;より適切には、8〜12であり;さらにより適切には、10である。
【0020】
一局面において、m=0である。m=0であるアジュバントは、非常に低いレベルの植物毒性[すなわち、植物に対してほとんど損傷がない]を示し得る。
【0021】
本発明のバイオパフォーマンス増強アジュバントは、従来のアジュバントについての有効濃度より遙かに低い濃度で効率的に使用され得る。
【0022】
本発明のバイオパフォーマンス増強アジュバントは、他の本発明のバイオパフォーマンス増強アジュバントとともに、もしくは従来のアジュバントとともに相乗作用的に使用され得る。
【0023】
nおよびmの値は、個々の種および化合物の分布に拡がる平均の両方についての値を表す。このことは、当業者によって十分に理解される。
【0024】
適切には、本発明のバイオパフォーマンス増強アジュバントは、農薬のバイオパフォーマンスを増強するために使用される。本発明とともに使用するのに適した農薬としては、農業において問題である病害虫、病気もしくは雑草を制御するのに適した殺虫剤、殺真菌剤、除草剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤および殺生物剤が挙げられる。多くのこのような病害虫は、公知であり、British Crop Protection Councilによって、2006年に刊行されたThe Pesticide Manual 第14版に記載される。
【0025】
本発明は、以下の非限定的な実施例によって例示され、実施例において、全ての部およびパーセンテージは、特段示されなければ重量による。
【実施例】
【0026】
(実施例1)
本実施例は、本発明の化合物を例示する。28個のブチレンオキシドベースの化合物を、当業者が精通した標準的技術を使用して合成した[例えば、EP0681865Aを参照のこと]。各サンプルは、炭化水素テール、上記炭化水素につながれたブチレンオキシドセクション、続いて、上記ブチレンオキシドセクションにつながれたエチレンオキシドセクションからなり;上記サンプルは、式(I)の化合物であり、ここでAOは、エチレンオキシドであり、Rは、水素であり;そしてR、nおよびmは、表1に定義されるとおりである。サンプル1〜3および24〜27を、平均13個の炭素原子を含む分枝状アルコールを使用して調製した。サンプル4〜7を、2−エチルヘキシルアルコールで調製した。サンプル8〜11を、出発溶媒としてブタノールを使用して調製した。サンプル12〜14およびサンプル28は、長さが12〜15個の炭素の範囲に及ぶわずかなアルコールを使用した。サンプル15〜23は、C12〜C16の範囲に及ぶアルコールを使用した。nおよびmの値は、平均値である。
【0027】
【表1−1】

【0028】
【表1−2】

(実施例2)
本実施例は、表1のサンプル15、17、24および25が、赤さび病(puccinia recondita)に対して使用される殺真菌剤のためのアジュバントとして機能することを示す。コムギを、屋外の圃場で生長させた。各圃場に、15リットル/ヘクタールの割合で水を噴霧した。上記水は、0.1g/ヘクタール、1g/ヘクタール、3g/ヘクタール、10g/ヘクタール、もしくは30g/ヘクタールの農薬適用割合を可能にする濃度で、ジフェノコナゾールもしくはシプロコナゾールのいずれかを含んだ。アジュバントを、使用される噴霧量の0.2% v/vの標準割合で添加した。公知のアジュバントであるBrijTM 96およびTEHP(トリス 2−エチルヘキシルホスフェート)もまた、比較のために試験した。各実験を、4回繰り返し、結果を、各割合で平均化した。植物を、保護作用および治癒効果の両方について試験した。標準的な数学的分析技術を使用した:各アジュバントに関する農薬濃度に対する効果のプロットを、ロジット変換し、90%効果(ED90)に必要とされる濃度を推定するために使用した。各サンプルに関して、そのED90値を、相対的有効性を生成するために、公知のアジュバントであるBrijTM96もしくはTEHPのものと比較した;上記相対的有効性は、上記ED90値の比である。相対的有効性を、表2[ジフェノコナゾールについてのBrijTM96と比較した相対有効性の結果]および表3[シプロコナゾールについてのTEHPと比較した相対有効性の結果]に示す。上記標準的アジュバントより良好に機能したアジュバントは、1より大きな相対的有効性を有する。
【0029】
【表2】

【0030】
【表3】

(実施例3)
本実施例において、表1のサンプル13を、油アジュバントブレンドであるTurbochargeTMと比較した。除草剤であるフォメサフェンを雑草種xanthium strumarium(XANST)、setaria viridis(SETVI)、abutilon theophrasti(ABUTH)、およびchenopodium album(CHEAL)に、60g/ヘクタールもしくは120g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器を使用して適用した。各実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用7日後、14日後、および21日後の時期に視覚的に評価した。各アジュバントを、上記噴霧水量の0.5%の割合で適用した。4つの効果を評価した:農薬割合(2つのレベル)、アジュバントタイプ(2つのレベル)、雑草種(4つのレベル)および適用後日数(3つのレベル)。標準的な単純線型モデルを構築して、これら効果の有意性について判断した。これら効果は、5%レベルで有意であることが分かった。モデルを、統計学パッケージJMP(SAS group)を使用して、多重線形回帰を使用してフィットさせた。各アジュバントの効果を、上記モデルから引き出し、最小有意差を、スチューデントt検定法を使用して評価した。さらなる例において、2種より多くのアジュバントを比較した場合、Tukey’s HSD検定法を使用した。
【0031】
表4は、4種の雑草種の間で上記油アジュバントTurbochargeと比較し、および単一の雑草種で比較した、上記ブチレンオキシドアジュバント番号13および農薬フォメサフェンの平均効力を示す。平均値および有意差を示す文字コードを示す(同じ文字を有するサンプルは、5%レベルで互いに有意差がない)。さらに、個々の雑草種に従って分けられた上記平均値もまた、示される。認められ得るように、サンプル13は、上記雑草種にわたって、標準的アジュバントTurbochargeTMより有効であり、個々の雑草に対して同様に良好かもしくはより良好であった。
【0032】
【表4】

(実施例4)
本実施例において、表1のサンプル13を、アジュバントBrijTM96Vと比較した。除草剤フォメサフェンを、60g/ヘクタールもしくは120g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるxanthium strumarium(XANST)、setaria viridis(SETVI)、abutilon theophrasti(ABUTH)、およびchenopodium album(CHEAL)に適用した。各実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用7日後、14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。各アジュバントを、上記噴霧水量の0.2%の割合で適用した。
【0033】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0034】
表5は、4種の雑草種にわたってアジュバントBrij 96と比較し、および単一の雑草種と比較した、ブチレンオキシドアジュバント番号13および農薬フォメサフェンの平均効力を示す。平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。さらに、個々の雑草種に従って分けられた上記平均値もまた、示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントは、上記雑草種にわたって上記標準的アジュバントより有効であり、個々の雑草に対して同様に良好かもしくはより良好であった。
【0035】
【表5】

(実施例5)
本実施例において、表1のブチレンオキシドアジュバント番号13の応答割合を測定して、アジュバントBrijTM96Vと比較して非常に低い割合でのこのアジュバントの優れた性能を示した。除草剤フォメサフェンを、60g/ヘクタールもしくは120g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるxanthium strumarium(XANST)、setaria viridis(SETVI)、abutilon theophrasti(ABUTH)、およびchenopodium album(CHEAL)に適用した。各実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用7日後、14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。上記アジュバントを、上記噴霧水量の0.2%の割合で各々適用した。
【0036】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。サンプルが1より多い文字を有する場合、それらの文字のうちの1つを有するいかなる他のサンプルに対しても有意差がない。
【0037】
表6は、4種の雑草種にわたって上記アジュバントBrij 96Vと比較した、農薬フォメサフェンおよびいくつかの添加割合での上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13の平均効力を示し、平均値および各アジュバントが属する群を示す文字を示す。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントは、上記雑草種にわたって上記標準的アジュバントより有効であった。さらに、上記ブチレンオキシドアジュバントは、上記標準的Brij96Vの割合の1/2で有効であった(0.2%でのBrij 96Vに対して、0.1%でのサンプル13)。アジュバントなしより統計的に良好であった上記ブチレンオキシドアジュバントの添加レベルは、0.025%であった。これは、非常に低いレベルのアジュバント添加であり、このことは、このアジュバントの顕著な効力を示す。
【0038】
【表6】

(実施例6)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13を、アジュバントTweenTM 20と比較した。除草剤メソトリオンを、45g/ヘクタールおよび90g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるbrachiaria platyphyla(BRAPL)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、polygonum convolvulus(POLCO)およびamaranthus tuberculatus(AMATU)に適用した。各場合に、実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用7日後、14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。上記アジュバントを、噴霧水量の0.5%の割合で適用した。
【0039】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0040】
表7は、4種の雑草種にわたって上記アジュバントTween 20と比較し、および単一の雑草種と比較して、農薬メソトリオンを伴なった0.5% v/vの割合での上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13の平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。さらに、個々の雑草種に従って分けられた上記平均値もまた、示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントは、上記雑草種にわたって、上記標準的アジュバントより有効であり、個々の雑草に対して同様に良好かもしくはより良好であった。
【0041】
【表7】

(実施例7)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13を、上記アジュバントBrijTM96Vと比較した。除草剤メソトリオンを、45g/ヘクタールもしくは90g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるbrachiaria platyphyla(BRAPL)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、polygonum convolvulus(POLCO)およびamaranthus tuberculatus(AMATU)に適用した。各実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用7日後、14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。上記アジュバントを、上記噴霧水量の0.2%の割合で適用した。
【0042】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0043】
表8は、4種の雑草種にわたって上記アジュバントBrij 96Vと比較し、および単一の雑草種と比較して、農薬メソトリオンを伴なった0.2% v/vの割合での上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13の平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。さらに、個々の雑草種に従って分けられた上記平均値もまた、示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントは、上記雑草種にわたって、上記標準的アジュバントより有効であり、個々の雑草に対して同様に良好かもしくはより良好であった。
【0044】
【表8】

(実施例8)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13の応答割合を測定して、上記アジュバントBrijTM96Vと比較して、非常に低い割合でのこのアジュバントの優れた性能を示した。除草剤メソトリオンを、45g/ヘクタールもしくは90g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるbrachiaria platyphyla(BRAPL)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、polygonum convolvulus(POLCO)およびamaranthus tuberculatus(AMATU)に適用した。各実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用7日後、14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。上記ブチレンオキシドアジュバントを、上記噴霧水の0.025% w/v、0.05% w/v、0.1% w/v、0.2% w/vおよび0.5% w/vの割合で適用した。比較のために、Brij96Vを、0.2% w/vの割合で添加した。
【0045】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0046】
表9は、4種の雑草種にわたって上記アジュバントBrij 96Vと比較した、農薬メソトリオンおよびいくつかの添加割合での上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13の平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントの割合の1/2は、上記標準的アジュバントより有効であった(0.1% 対 0.2%)。さらに、上記ブチレンオキシドアジュバントは、上記標準物質Brij96Vの割合の1/4で有効であった(0.05% 対 0.2%)。アジュバントなしより統計的に良好であった上記ブチレンオキシドアジュバントの添加レベルは、0.025%であった。これは、非常に低いレベルのアジュバント添加であり、このことは、このアジュバントの顕著な効力を示す。
【0047】
【表9】

(実施例9)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13の応答割合を測定して、非常に低い割合でのこのアジュバントの優れた性能を示した。除草剤ピノキサデンを、7.5g/ヘクタールもしくは15g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるlolium perenne(LOLPE)、alopecurius myosuirides(ALOMY)、setaria viridis(SETVI)およびavena fatua(AVEFA)に適用した。各実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。上記ブチレンオキシドアジュバントを、上記噴霧水の0.025% w/v、0.05% w/v、0.1% w/v、0.2% w/vおよび0.5% w/vの割合で適用した。
【0048】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0049】
表10は、いくつかの添加割合での上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13および農薬ピノキサデンの平均効力を示す。結果を、4種の雑草種にわたって示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。上記結果は、上記ブチレンオキシドアジュバントが、非常に低いレベル(0.025%)で有効であること、および上記添加したアジュバントに対して強い応答割合があることを示す。
【0050】
【表10】

(実施例10)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13を、市販の油アジュバントブレンドAtplusTM411Fと比較した。除草剤ニコスルフロンを、30g/ヘクタールもしくは60g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるchenopodium album(CHEAL)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、setaria viridis(SETVI)およびabutilon theophrasti(ABUTH)に適用した。各実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。上記アジュバントを、上記噴霧水量の0.5%の割合で適用した。
【0051】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0052】
表11は、4種の雑草種にわたって上記油アジュバントAtplusTM411Fと比較し、および単一の雑草種と比較して、農薬ニコスルフロンを伴なった0.5%v/vの割合での上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13の平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。さらに、個々の雑草種に従って分けられた上記平均値もまた、示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントは、上記雑草種にわたって、上記標準的アジュバントより有効であり、個々の雑草に対して同様に良好かもしくはより良好であった。
【0053】
【表11】

(実施例11)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13を、市販のアジュバントであるトリス2−エチルヘキシルホスフェート(TEHP)と比較した。除草剤ニコスルフロンを、30g/ヘクタールもしくは60g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるchenopodium album(CHEAL)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、setaria viridis(SETVI)およびabutilon theophrasti(ABUTH)に適用した。各実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。上記アジュバントを、上記噴霧水量の0.2%の割合で適用した。
【0054】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0055】
表12は、4種の雑草種にわたって同じ割合での上記アジュバントTEHPと比較し、および単一の雑草種と比較して、農薬ニコスルフロンを伴なった0.2% v/vの割合での上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13の平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字は、標準誤差とともに示される。さらに、個々の雑草種に従って分けられた上記平均値もまた、示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントは、上記雑草種にわたって、上記標準的アジュバントより有効であり、個々の雑草に対して同様に良好かもしくはより良好であった。
【0056】
【表12】

(実施例12)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13の応答割合を測定し、上記アジュバントTEHPと比較した。除草剤ニコスルフロン(nicosufuron)を、30g/ヘクタール〜60g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるchenopodium album(CHEAL)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、setaria viridis(SETVI)およびabutilon theophrasti(ABUTH)に適用した。各実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。上記ブチレンオキシドアジュバントを、上記噴霧水の0.025% w/v、0.05% w/v、0.1% w/v、0.2% w/vおよび0.5% w/vの割合で適用した。比較のために、TEHPを、0.2% w/vの割合で加えた。
【0057】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0058】
表13は、いくつかの添加割合での上記ブチレンオキシドアジュバントサンプル13および農薬ニコスルフロンの平均効力を示す。結果を、4種の雑草種にわたって示す。比較として、上記アジュバントTEHPを、0.2% v/vで添加した。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントの割合の1/2は、上記標準的アジュバントより有効であった(0.2%でのTEHPと比較して、0.1%でのサンプル13)。さらに、上記ブチレンオキシドアジュバントは、上記標準物質TEHPの割合の1/4で同様に有効であった(0.2%と比較して0.05%)。アジュバントなしより統計的に良好であった上記ブチレンオキシドアジュバントの添加レベルは、0.025%であった。これは、非常に低いレベルのアジュバント添加であり、このことは、このアジュバントの顕著な効力を示す。
【0059】
【表13】

(実施例13)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバント13、17、19、21、22および23の応答を、使用した噴霧溶液量の0.2%の適用割合で測定した。それらを、市販のタンクミックスアジュバントAtplusTM411F(これを、0.5容量%の推奨される割合で適用した)と比較した。除草剤ニコスルフロン(nicosufuron)を、30g/ヘクタールもしくは60g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるchenopodium album(CHEAL)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、setaria viridis(SETVI)およびabutilon theophrasti(ABUTH)に適用した。各実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。
【0060】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0061】
表14は、0.2%の添加割合での6種のブチレンオキシドアジュバントおよび農薬ニコスルフロンの平均効力を示す。結果を、2種の農薬割合にわたって示す。各サンプルを、4回繰り返した。比較として、上記アジュバントAtplusTM 411Fを、0.5% v/vで添加した。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。そのデータは、上記ブチレンオキシドアジュバントが、上記ブチレンオキシドアジュバントより高い割合で使用した標準物質と少なくとも同程度良好であったことを示す(0.5%と比較して0.2%)。
【0062】
【表14】

(実施例14)
本実施例において、上記アジュバント13、17、19、21、22および23の応答を、使用される上記噴霧溶液量の0.2%の適用割合で測定した。それらを、上記アジュバントトリス2−エチルヘキシルホスフェート(TEHP)(これを、0.5容量%の割合で適用した)と比較した。除草剤ピノキサデンを、7.5g/ヘクタールもしくは15g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるlolium perenne(LOLPE)、alopecurius myosuirides(ALOMY)、setaria viridis(SETVI)およびavena fatua(AVEFA)に適用した。各場合において、上記実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。
【0063】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0064】
表15は、0.2%の添加割合で6種のブチレンオキシドアジュバントおよび農薬ピノキサデンの平均効力を示す。結果を、2種の農薬割合にわたって示す。各サンプルを4回繰り返した。比較として、上記アジュバントトリス2エチルヘキシルホスフェートを、0.5% v/vで添加した。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字を、標準誤差とともに示す。上記標準物質TEHPを、上記ブチレンオキシドアジュバントより高い割合で使用した(0.5%と比較して0.2%)。
【0065】
【表15】

(実施例15)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドサンプル27の応答割合を測定し、0.5容量%の割合で使用した市販のアジュバントTurbochargeTMと比較して、このアジュバントの優れた性能を示した。除草剤フォメサフェンを、60g/ヘクタールもしくは120g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるxanthium strumarium(XANST)、setaria viridis(SETVI)、abutilon theophrasti(ABUTH)、およびchenopodium album (CHEAL)に適用した。各実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用7日後、14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。サンプル27を、上記噴霧水量の0.2%の割合で適用した。
【0066】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0067】
表16は、0.5%の割合での上記アジュバントTurbochargeと比較した、0.2% v/vの割合での上記ブチレンオキシドアジュバント27および農薬フォメサフェンの平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字を、標準誤差とともに示す。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントは、市販のアジュバントについての0.5%とは対照的に、0.2%で適用したとしてもTurbochargeと同程度に有効であった。
【0068】
【表16】

(実施例16)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバント27の応答割合を測定して、0.5容量%の割合で使用した市販のアジュバントTweenTM20と比較して、このアジュバントの優れた性能を示した。除草剤メソトリオンを、45g/ヘクタールもしくは90g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるbrachiaria platyphyla(BRAPL)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、polygonum convolvulus(POLCO)およびamaranthus tuberculatus(AMATU)に適用した。各実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用7日後、14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。サンプル27を、上記噴霧水量の0.2%の割合で適用した。
【0069】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0070】
表17は、0.5%の割合での上記アジュバントTween 20と比較して、0.2% v/vの割合での上記ブチレンオキシドアジュバント27および農薬メソトリオンの平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントは、市販のアジュバントについての0.5%とは対照的に、0.2%で適用されたとしてもTween 20と同程度に有効であった。
【0071】
【表17】

(実施例17)
本実施例において、表1のブチレンオキシドサンプル27の応答を、使用される上記噴霧溶液量の0.2%の適用割合で測定した。これを、上記アジュバントGenopolTMX080(これはまた、0.2容量%の割合で適用した)と比較した。このアジュバントは、サンプル27と同じアルキル鎖およびエチレンオキシドヘッド基を有するが、ブチレンオキシド部分を含まない。除草剤ピノキサデンを、7.5g/ヘクタールもしくは15g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるlolium perenne(LOLPE)、alopecurius myosuirides(ALOMY)、setaria viridis(SETVI)およびavena fatua(AVEFA)に適用した。各実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。
【0072】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0073】
表18は、0.2% v/vの割合での上記アジュバントGenapol X080と比較して、同じ割合での上記ブチレンオキシドアジュバント27および農薬ピノキサデンの平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。そのデータは、上記ブチレンオキシドアジュバントが、試験した雑草種の範囲にわたって、Genapol X080より有意に有効であったことを示す。
【0074】
【表18】

(実施例18)
本実施例において、表1のブチレンオキシドサンプル27の応答を、使用される上記噴霧溶液の0.2容量%の適用割合で測定した。上記ブチレンオキシドサンプル27を、市販のタンクミックスアジュバントAtplusTM411F(これは、0.5容量%の推奨される割合で適用した)と比較し、かつ0.2%で適用した上記アジュバントGenapolTMX080と比較した。このアジュバントは、サンプル27と同じアルキル鎖およびエチレンオキシドヘッド基を有するが、ブチレンオキシド部分を含まない。除草剤ニコスルフロン(nicosufuron)を、30g/ヘクタールもしくは60g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるchenopodium album(CHEAL)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、setaria viridis(SETVI)およびabutilon theophrasti(ABUTH)に適用した。各場合において、実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。
【0075】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0076】
表19は、0.2% v/vの割合での上記アジュバントGenapol X080、および0.5%のより高い割合で適用されたAtplus 411Fと比較して、0.2% v/vの割合での上記ブチレンオキシドアジュバント27および農薬ニコスルフロンの平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。そのデータは、上記ブチレンオキシドアジュバントが、上記ブチレンオキシドアジュバントより高い割合で使用されたAtplus 411Fと同程度に良好であった(0.5%と比較して、0.2%)ことを示す。上記ブチレンオキシドアジュバントは、Genapol X080より有効であった。
【0077】
【表19】

(実施例19)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバント13の応答割合を測定して、0.5容量%の割合で使用した市販のアジュバントTurbochargeTMと比較して、このアジュバントの優れた性能を示した。除草剤フォメサフェンを、60g/ヘクタール、90g/ヘクタールもしくは120g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるxanthium strumarium(XANST)、abutilon theophrasti(ABUTH)、およびchenopodium album(CHEAL)に適用した。各場合において、実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。サンプル13を、上記噴霧水量の0.2%の割合で適用した。
【0078】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0079】
表21は、0.5%のより高い割合で適用した上記アジュバントTurbochargeと比較して、0.2% v/vの割合での上記ブチレンオキシドアジュバント13および農薬フォメサフェンの平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントは、市販のアジュバントについての0.5%とは対照的に、0.2%で適用されたとしてもTurbochargeより有効であった。
【0080】
【表20】

(実施例20)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバント13の応答割合を測定して、0.5容量%の割合で使用した市販のアジュバントTweenTM20と比較して、そのアジュバントの優れた性能を示した。除草剤メソトリオンを、30g/ヘクタール、60g/ヘクタールもしくは90g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるbrachiaria platyphyla(BRAPL)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、およびpolygonum convolvulus(POLCO)に適用した。サンプル13を、上記噴霧水量の0.2%の割合で適用した。各場合において、上記実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。
【0081】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0082】
表21は、0.5%のより高い割合で適用された上記アジュバントTween 20と比較して、0.2% v/vの割合での上記ブチレンオキシドアジュバント13および農薬メソトリオンの平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントは、市販のアジュバントについての0.5%とは対照的に、0.2%で適用されたとしてもTween 20より有効であった。
【0083】
【表21】

(実施例21)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバント13の応答を、使用した上記噴霧溶液量の0.2%の適用割合で測定した。上記ブチレンオキシドアジュバント13を、市販のタンクミックスアジュバントAtplusTM411F(これを、0.5容量%の推奨される割合で適用した)と比較した。除草剤ニコスルフロン(nicosufuron)を、30g/ヘクタール、45g/ヘクタールもしくは60g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるchenopodium album(CHEAL)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、およびabutilon theophrasti(ABUTH)に適用した。各場合において、上記実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。
【0084】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0085】
表22は、0.5%のより高い割合で適用した上記アジュバントAtplus 411Fと比較して、0.2% v/vの割合での上記ブチレンオキシドアジュバント13および農薬ニコスルフロンの平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。そのデータは、上記ブチレンオキシドアジュバントが、上記ブチレンオキシドアジュバントより高い割合で使用されたAtplus 411Fと同程度に良好であった(0.2%と比較して、0.5%)ことを示す。
【0086】
【表22】

(実施例22)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバント13の応答を、使用した上記噴霧溶液量の0.2%の適用割合で測定した。上記ブチレンオキシドアジュバント13を、上記アジュバントトリス2−エチルヘキシルホスフェート[TEHP](これを、0.5容量%のより高い割合で適用した)と比較した。除草剤ピノキサデンを、7.5g/ヘクタール、11.25g/ヘクタールもしくは15g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるlolium perenne(LOLPE)、alopecurius myosuirides(ALOMY)、およびavena fatua(AVEFA)に適用した。各場合において、上記実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。
【0087】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0088】
表23は、0.5%のより高い割合で適用した上記アジュバントトリス2−エチルヘキシルホスフェートと比較して、0.2% v/vの割合でのブチレンオキシドアジュバント13および農薬ピノキサデンの平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。そのデータは、上記ブチレンオキシドアジュバントが、試験した雑草種の範囲にわたってTEHPと同程度に有効であったことを示す。
【0089】
【表23−1】

(実施例23)
本実施例において、表1の22個のブチレンオキシドアジュバントの応答割合を、0.2容量%のアジュバント割合で測定して、このアジュバントの優れた性能を、市販のアジュバントTurbocharge(これを、0.5容量%の割合で使用した)と比較して、示した。除草剤メソトリオンを、60g/ヘクタールもしくは120g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるbrachiaria platyphyla(BRAPP)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、abutilon theophrasti(ABUTH)およびamaranthus retroflexus(AMARE)に適用した。各場合において、上記実験を4回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。全ての上記ブチレンオキシドアジュバントを、上記噴霧水の0.2%量の割合で適用したのに対して、Turbochargeを0.5%で使用した。
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0090】
表23は、0.5%のより高い割合で適用した上記アジュバントTurbochargeと比較して、0.2% v/vの割合で使用した22個のブチレンオキシドアジュバントおよび農薬メソトリオンの平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントの大部分は、市販のアジュバントについての0.5%とは対照的に、たとえ0.2%で適用されたとしても、Turbochargeより有効であった。上記ブチレンアジュバントの全ては、Turbochargeと同程度に良好であった。
【0091】
【表23−2】

(実施例24)
本実施例において、表1の上記ブチレンオキシドアジュバント7、14、24および25の応答を、使用した上記噴霧溶液量の0.2%の適用割合で測定した。それらを、上記アジュバントBrijTM96V(これを、同じ割合で適用した)と比較した。除草剤ピノキサデンを、雑草種であるlolium perenne(LOLPE)、alopecurius myosuirides(ALOMY)、setaria viridis(SETVI)およびavena fatua(AVEFA)に、7.5g/ヘクタールもしくは15g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって適用した。各実験を3回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用13日後に視覚的に評価した。
【0092】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0093】
表25は、0.2% v/vの割合で適用した上記アジュバントBrij 96Vと比較して、同じ割合で使用した4種のブチレンオキシドアジュバントおよび農薬ピノキサデンの平均効力を示す。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。そのデータは、上記ブチレンオキシドアジュバントのうちの2種が、Brij 96Vより有効であり、2種が、試験した雑草種の範囲にわたってBrij 96Vと同程度に良好であったことを示す。
【0094】
【表25】

(実施例25)
本実施例において、0.2%で適用した表1の4種のブチレンオキシドアジュバントの応答割合は、0.5%の割合で使用した市販のアジュバントTurbochargeTMと比較した場合、優れた性能を示し;0.5%で使用したトリス2−エチルヘキシルホスフェート(TEHP)と比較した場合も、同様であった。除草剤フォメサフェンを、60g/ヘクタールもしくは120g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるxanthium strumarium(XANST)、abutilon theophrasti(ABUTH)、setaria viridis(SETVI)およびchenopodium album(CHEAL)に適用した。各実験を6回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用7日後および13日後の時期に視覚的に評価した。
【0095】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0096】
表26は、上記アジュバントトリス2−エチルヘキシルホスフェート(TEHP)およびTurbochargeと比較して、0.2% v/vの割合で使用した4種のブチレンオキシドアジュバントおよび農薬フォメサフェンの平均効力を示す。前者2種のアジュバントを、0.5% v/vのより高い割合で適用した。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字は、標準誤差とともに示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントの4種全ての性能は、上記標準物質Turbochargeと少なくとも同程度に良好であり、上記アジュバントの大部分は、TEHPと同程度かもしくはこれより良好であった。
【0097】
【表26】

(実施例26)
本実施例において、0.2容量%で適用された表1のサンプル28(非エトキシル化アジュバント)の応答割合を測定して、0.5%の割合で使用した市販のアジュバントTurbochargeと比較して、上記アジュバントの性能を示した。除草剤フォメサフェンを、雑草種であるxanthium strumarium(XANST)、abutilon theophrasti(ABUTH)、setaria viridis(SETVI)およびchenopodium album(CHEAL)に、60g/ヘクタールもしくは120g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって適用した。各実験を3回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。
【0098】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0099】
表27は、上記アジュバントTurbochargeと比較して、0.2% v/vの割合で使用した非エトキシル化ブチレンオキシドアジュバントおよび農薬フォメサフェンの平均効力を示す。Turbochargeを、0.5%のより高い割合で適用した。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントの性能は、上記標準物質Turbochargeと同程度に良好であった。
【0100】
【表27】

(実施例27)
本実施例において、表1のサンプル28(非エトキシル化ブチレンオキシドアジュバント)の応答を、トリス2−エチルヘキシルホスフェート(TEHP)と比較した。上記ブチレンオキシドアジュバントを、使用した上記噴霧溶液の0.2容量%の適用割合で適用したのに対して、TEHPを、0.5%で適用した。除草剤ピノキサデンを、雑草種であるlolium perenne(LOLPE)、alopecurius myosuirides(ALOMY)、setaria viridis(SETVI)およびavena fatua(AVEFA)に、7.5g/ヘクタールもしくは15g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって適用した。各実験を3回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後に視覚的に評価した。
【0101】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0102】
表28は、TEHPおよび農薬ピノキサデンと比較した、非エトキシル化ブチレンオキシドアジュバントの平均効力を示す。上記非エトキシル化ブチレンオキシドアジュバントの割合は、0.2%であったのに対して、TEHPは、0.5%で適用した。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。そのデータは、上記ブチレンオキシドアジュバントが、試験した雑草種の範囲にわたって、TEHPと同程度に有効であったことを示す。
【0103】
【表28】

(実施例28)
本実施例において、非エトキシル化ブチレンオキシドアジュバントの応答割合は、0.5容量%の割合で使用した市販のアジュバントであるTween 20と比較して、そのアジュバントの優れた性能を示すために、0.2容量%のアジュバント割合で測定した。除草剤メソトリオンを、45g/ヘクタールもしくは90g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるbrachiaria decumbens(BRADE)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、polygonum convolvulus(POLCO)およびamaranthus retroflexus(AMARE)に適用した。各場合において、上記実験を3回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用7日後、14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。上記ブチレンオキシドアジュバントを、上記噴霧水量の0.2%の割合で適用したのに対して、Tween 20を、0.5%で使用した。
【0104】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0105】
表29は、Tween 20および農薬メソトリオンと比較して、非エトキシル化ブチレンオキシドアジュバントの平均効力を示す。上記非エトキシル化ブチレンオキシドアジュバントの割合は、0.2%であったのに対して、Tween 20を0.5%で適用した。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字が示される。認められ得るように、上記ブチレンオキシドアジュバントは、市販のアジュバントについての0.5%とは対照的に、0.2%で適用したとしても、Tween 20と同程度に有効であった。
【0106】
【表29】

(実施例29)
本実施例において、表1のサンプル28(非エトキシル化ブチレンオキシドアジュバント)の応答を、使用した上記噴霧溶液量の0.2%の適用割合で測定した。これを、0.5容量%という推奨される割合で適用した市販のタンクミックスアジュバントAtplusTM411Fと比較した。除草剤ニコスルフロン(nicosufuron)を、30g/ヘクタールもしくは60g/ヘクタールの割合で、実験用トラック噴霧器によって、雑草種であるchenopodium album(CHEAL)、digitaria sanguinalis(DIGSA)、setaria viridis(SETVI)およびabutilon theophrasti(ABUTH)に適用した。各場合において、上記実験を3回繰り返し、上記雑草に対する%損傷を、適用14日後および21日後の時期に視覚的に評価した。
【0107】
実施例3において適用した同じ統計学的方法論をここで使用した。
【0108】
表30は、Atplus 411Fおよび農薬ニコスルフロンと比較して、非エトキシル化ブチレンオキシドアジュバントの平均効力を示す。上記非エトキシル化ブチレンオキシドアジュバントの割合は、0.2%であったのに対して、Atplus 411Fを、0.5%で適用した。上記平均値および各アジュバントが属する群を示す文字を、標準誤差とともに示す。そのデータは、上記ブチレンオキシドアジュバントが、上記ブチレンオキシドアジュバントより高い割合で使用したAtplus 411Fと同程度に良好であった(0.5%と比較して0.2%)ことを示す。
【0109】
【表30】

(実施例30)
本実施例は、表1のサンプル29およびサンプル30が、真菌であるseptoria triticiに対して使用される殺真菌剤用のアジュバントとして機能することを示す。コムギに、200リットル/ヘクタールの割合で水を噴霧した。上記水は、イソピラザムもしくはエポキシコナゾールのいずれかを、0.6g/ヘクタール、2g/ヘクタール、6g/ヘクタールもしくは20g/ヘクタールの農薬適用割合を可能にする濃度で含んだ。サンプル29を、使用した上記噴霧量の0.2% v/vの割合で適用し、サンプル30を、0.1% v/vの割合で添加した。これらアジュバントとの比較として、同じ処方物を、標準として、上記アジュバントなしで試験した。各実験を12回繰り返し、その結果を、各割合で平均化した。植物を、治癒効果について試験した。各サンプルに関する%病気を視覚的に評価し、各割合での反復実験(replicate)にわたって平均化した。これを、農薬を含めなかったブランクスプレー適用を使用して噴霧した植物に関する上記病気レベルと比較することによって、%制御に変換した。
【0110】
表31は、4つのレベルのイソピラザムとともに使用した上記2種のアジュバントならびにブランク処方物についての%septoria制御を示す。表32は、4つのレベルのエポキシコナゾールとともに使用した上記2種のアジュバントならびにブランク処方物についての%septoria制御を示す。各場合において、上記アジュバントが、上記殺真菌剤の性能を改善したことが認められ得る。
【0111】
【表31】

【0112】
【表32】

(実施例31)
これは、殺虫剤の実施例である:表1のサンプル28は、Aphis craccivoraに対する殺虫剤チアメトキサム用のアジュバントとして機能することを示す。インゲンマメの葉の下側に、クリップケージ(clip cage)中に含めた混合した年代のアブラムシ個体群Aphis craccivoraを感染させた。上記葉の上側には、アブラムシ感染の1日後に試験溶液を噴霧した。インゲンマメに、200リットル/ヘクタールの割合で水を噴霧し、上記水は、3ppm、6ppm、12.5ppmおよび25ppmのチアメトキサムを含んでいた。サンプル28を、使用した上記噴霧量の0.1% v/vの割合で添加した。このアジュバントに対する比較として、同じ処方物を、標準として、上記アジュバントなしで試験した。噴霧適用の5日後、上記アブラムシを、死滅率について視覚的にチェックした。各実験を2回繰り返し、その結果を、各割合で平均化した。コントロール実験において、マメに水を噴霧したところ、死滅率は観察されなかった。
【0113】
【表33】

ActaraTM WG25は、チアメトキサムを含む市販品である。
【0114】
(実施例32)
これは、植物毒性の実施例である:表1のサンプル28は、ダイズ、インゲンマメおよびハクサイに対して植物毒性でないことを示す。上記植物に、約500リットル/ヘクタールの割合で水を噴霧した。上記水は、0.1% v/vもしくは0.2% v/vのアジュバントを含んだ。上記植物を、植物毒性について、噴霧適用の7日後に評価した。各実験を2回繰り返し、その結果を平均化した。コントロール実験において、上記植物に、水を噴霧したところ、植物毒性は認められなかった。上記結果は、上記アジュバントサンプル28が、アルコールエトキシレートアジュバントGenapol O100より上記作物に対して安全であることを示す。
【0115】
【表34】

GenapolTM O100は、Clariant製の市販の界面活性剤である10モルのエチレンオキシドを有するオレイルエトキシレートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオパフォーマンス増強アジュバントとしての式(I)の化合物:
O[BO][AO] (I)
の使用であって、
ここでBOは、ブチレンオキシドであり;各AOは、独立して、プロピレンオキシドもしくはエチレンオキシドであり;nは、1〜12であり;mは、0〜20であり;Rは、C4−20アルキルもしくはC4−20アルケニルであり;Rは、水素もしくはC1−3アルキルである、使用。
【請求項2】
式(Ia)の化合物:
O[CHCH(C)O][CO]H (Ia)
ではないことを条件とする、請求項1に記載の式(I)の化合物であって、
ここでRは、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチルもしくはn−デシルであり;aは、1、2、3もしくは4であり;bは、9.7〜10.2である、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
は、C6−18アルキルもしくはC6−18アルケニルである、請求項2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
はオレイルである、請求項3に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
は、水素もしくはC1−2アルキルである、請求項2〜4のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
式(Ib)の化合物:
O[BO][PO]m’[EO]m’’ (Ib)
であり、(m’+m”=m)である、請求項2〜5のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
nは、2〜8である、請求項2〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
mは、5〜15である、請求項2〜7のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
m=0である、請求項2〜5および7のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
AOは、エチレンオキシドである、請求項1に記載の使用もしくは請求項2に記載の生成物。

【公表番号】特表2012−524768(P2012−524768A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506567(P2012−506567)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000821
【国際公開番号】WO2010/122313
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【Fターム(参考)】