説明

農産物皮剥き装置

【課題】 回転体間に農産物が挟まれたりすることがなく、重量の重い農産物であっても跳ね上げて姿勢を変えさせることができ、皮をむらなく剥くことができる農産物皮剥き装置を提供する。
【解決手段】 ジャガイモ等の農産物Pの皮を剥く皮剥きユニットDを平行に配置された一対の回転体13A、13bで構成する。両回転体13A、13B間の上側の空間を搬送路14とし、この搬送路14に農産物Pを供給する。一方の回転体13Aの周面には、多数のパンチング孔12を形成し、これによって農産物Pの皮を剥く。他方の回転体13Bの外周面には、農産物Pを跳ね上げる弾性を有する多数の突起19を突設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャガイモ、里芋、キュウイ、アボガド等の農産物の皮を剥く農産物皮剥き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ジャガイモ等の農産物の皮を自動的に剥く装置としては、例えば特許文献1に記載されている農産物皮剥き装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載されている農産物皮剥き装置は、周面に多数のパンチング孔を設けた一対の円筒を平行に対向させて配設し、これら円筒間の上部側空間をジャガイモ等の農産物の搬送路として両円筒を上側において互いに外側方向に回転させることにより、農産物の皮をパンチング孔の孔縁によって剥くようにしている。
【0004】
このような農産物皮剥き装置によって農産物の皮を全周にわたって均等に剥くためには、農産物が搬送路を通過する間に逆さまになったり横を向いたりして姿勢を変え、円筒の周面に形成したパンチング孔に農産物の皮をむらなく接触させることが重要なポイントとなる。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3084921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献1に記載されている従来の農産物皮剥き装置においては、重量が軽い農産物の場合、パンチング孔の孔縁によって農産物を削りながら押し上げたり姿勢を変えさせることが容易なため、皮を一様に剥くことができる。しかし、重量が比較的重い農産物の場合は、パンチング孔の孔縁によって農産物を跳ね上げることができなくなるため、一対の円筒間に農産物が挟まった状態になり、扁平に削られたり、削り方が不十分であったりするという問題があった。
【0007】
このような問題を解決するために、農産物を支承部材によって下から支承することにより、農産物が一対の回転体間に挟まれないようにした農産物皮剥き装置が本出願人によって既に提案され実用化されている(特願2008−135366)。このような農産物皮剥き装置によれば、皮を剥くときの削り量を制御することができるため、きわめて有効な手段ではあるが、支承部材自体には農産物を跳ね上げて姿勢を変えさせる機能を備えていないため、重量の重い農産物に対しては跳上げて姿勢を変えさせることが不十分で皮をむらなく剥くことができず、未だ改良の余地があった。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、回転体間に農産物が挟まれたりすることがなく、重量の重い農産物であっても跳ね上げて姿勢を変えさせることができ、皮をむらなく剥くことができる農産物皮剥き装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、平行に配設され上側において互いに外側に回転する一対の回転体と、これらの回転体間の上側空間に形成されジャガイモ等の農産物を移動させる搬送路とを備え、前記一対の回転体のうちいずれか一方の外周面に少なくとも前記農産物の皮を剥く多数の切削体を設け、他方の外周面に少なくとも前記農産物を跳ね上げる弾性を有する多数の突起を設けたものである。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、一方の回転体には前記切削体のみが全周にわたって形成され、他方の回転体には前記弾性を有する突起のみが全周にわたって突設されているものである。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、一方の回転体には切削体と弾性を有する突起が回転体の軸線方向に所定の間隔をおいて交互に設けられ、他方の回転体には前記一方の回転体の切削体と弾性を有する突起に対する部位に、弾性を有する突起と切削体が設けられているものである。
【0012】
さらに、本発明は、上記発明において、前記回転体が円筒体からなり、切削体がパンチング孔とされるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、農産物が弾性を有する突起に当たると、その重量によって突起を弾性変形させる。突起は、弾性変形するとその弾撥力によって農産物を跳ね上げる。したがって、農産物は、回転体間に挟まれたりするおそれがなく、姿勢を変えながら搬送路中を移動し、この間に回転体の切削体が農産物の皮をむらなく剥くことができる。
【0014】
一方の回転体に切削体のみを設け、他方の回転体に弾性を有する突起のみを設けた発明においては、回転体の製作が容易である。
【0015】
両方の回転体に切削体と弾性を有する突起を交互に設けた発明においては、農産物を跳ね上げる方向が交互に変わるため、農産物の各回転体に対する負荷を等しくすることができる。
【0016】
さらに、切削体がパンチング孔の回転体は、パンチングプレートを円筒形に変形し、周方向の端縁どうしを溶接することによって製作することができるから、安価に製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る農産物皮剥き装置の一実施の形態を示す正面図、図2は同皮剥き装置の平面図、図3は同皮剥き装置の皮剥きユニットの側板を外して内部を示す図、図4は同皮剥きユニットの受入れホッパ周辺の拡大図、図5は一対の回転体の平面図、図6は回転体により農産物の皮を剥いている状態を示す図、図7は回転体の要部の拡大断面図、図8(a)は突起の千鳥配列を示す図、(b)は突起の並列配列を示す図、図9は本発明の他の実施の形態を示す一対の回転体の平面図である。
【0018】
図1〜図4において、農産物皮剥き装置100は、ジャガイモ等の農産物Pの搬送方向(図1の矢印101方向)の供給側から排出側に向かって順に、農産物Pを供給するための供給装置Aと、農産物Pを受け入れるホッパーBと、農産物Pを整列させながら順次下流方向(図1において左方)へ供給する2系統の整列用供給ユニット(フィーダ)C、Cと、それぞれ一対一組からなり各整列用供給ユニットCの下流側に平行に横架された合計4本の回転体13(13A、13B)と、それぞれ一対一組からなる回転体13A、13B間の上側空間にそれぞれ形成した2系統の搬送路14、14と、これらの搬送路14、14に前記農産物Pをそれぞれ供給してその皮を剥く2系統の皮剥きユニットD、D等を備えている。
【0019】
前記供給装置Aは、コンテナ1を搭載可能で、かつ上下方向に回動自在な回動アーム2と、この回動アーム2を保持するガスダンパ3とを備えている。前記回動アーム2は、前記コンテナ1が搭載されたコンテナ載置姿勢(図1の実線で示す水平な状態)と、搭載したコンテナ1を横倒しにして農産物PをホッパーBに供給する農産物供給姿勢(図1の2点鎖線で示す垂直な状態)との間で回動できるようになっており、先端には支持アーム2を回動させるためのハンドル4が取付けられている。
【0020】
前記ホッパーBは、幅広の受入口5(図2)と、各整列用供給ユニットC、Cに応する2つの排出口6、6とを有し、かつその排出口6側が受入口5よりも低くなるように皮剥きユニットDに向かって傾斜して配設されている。したがって、供給装置AからホッパーBに供給される農産物Pは、ホッパーB内を自重により傾斜した内底面に沿って移動し、各排出口6、6から徐々に排出され2系統の整列用供給ユニットC、Cに供給される。
【0021】
前記2系統の整列用供給ユニットC、Cは、前記ホッパーBの排出口6、6からそれぞれ供給された農産物Pを一列に整列させ、前記皮剥きユニットDへ向けて搬送するユニットである。このため、各整列用供給ユニットC、Cは、それぞれ両側部が反り上がった断面弧状をなす鋼板製の基盤の上面に多数の弾性突起を形成した搬送用板体7と、この搬送用板体7を弾性支持するばね(図示せず)と、搬送用板体7に振動を加える加振機構9とを備えている。
【0022】
前記搬送用板体7上の農産物Pは、加振機構9によって加えられる振動により、一列に整列され、皮剥きユニットDへ搬送、供給される。前記加振機構9の振動は、図示しない制御部からの駆動信号によって適宜制御されるようになっており、これによって農産物Pの皮剥きユニットDへの供給量が調整される。なお、図1および図2において、符号10で示すものは、前記供給装置A、ホッパーBおよび整列用供給ユニットC、Cを支持する機枠である。
【0023】
図2において、前記皮剥きユニットDは、2系統の皮剥きラインD1、D2を備えており、各ラインD1、D2は、前記各整列用供給ユニットC、Cより順次供給される農産物Pの皮を剥くものである。
【0024】
前記皮剥きラインD1は、農産物Pの皮を剥く一対の回転体13A、13Bを備えている。これらの回転体13A、13Bは、それぞれ円筒体からなり、農産物Pが落下しない狭い間隔をおいて機枠11に平行かつ回転自在に横架されている。両回転体13A、13B間の上側の空間(谷間)は、回転体13の軸線方向から見て略三角形(撥型)の空間で、これによって農産物Pを搬送する搬送路14を形成している。
【0025】
農産物Pは、整列用供給ユニットCから受入シュート16(図3、図4参照)を経て一対の回転体13A、13Bの搬送路14に供給されると、搬送路14に沿って投入部側から排出部側に向かって所定速度で移動し、この間に一方の回転体13Aの周面に形成されている切削体としての多数のパンチング孔12の孔縁によって表面を覆っている皮が剥かれ、排出シュート17に排出される。回転体13Aは、裏面側から多数のパンチング孔12が打ち抜き加工されたパンチングプレートを円筒体に形成することにより製作される。
このため、回転体13Aの外周面でパンチング孔12の孔縁には、図7に示すようにバリ12aが生じる。このバリ12aは、ポンチとダイスの位置をずらしてパンチング孔12を打ち抜き加工することにより、孔縁の全周にわたって均一な高さではなく、回転体13Aの回転方向に向かって高さが徐々に低くなるように勾配をつけて形成されている。このようにバリ12aに勾配を付けておくと、バリ12aが農産物Pの表面に食い込んで切削体として作用するので、断面的にバリのついていないパンチング孔に比べて皮を剥く効率がより向上するという利点がある(たとえるなら、ヤスリの目立ての方向と逆の方向にヤスリを動かしても良く削れない)。なお、残りの皮剥きラインD2は、前述した皮剥きラインD1と全く同一構造であるため、同一箇所に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0026】
前記一対の回転体13A、13Bは、上側の周面が外向きになる方向(図6の矢印方向)、言い換えれば搬送路14中の農産物Pを押し上げる方向に回転することにより、搬送路14中の農作物Pを上方に跳ね上げ、これと同時に後述する押当板15が農作物Pを排出方向に移動させるように構成されている。なお、回転体13A、13Bの下方には、剥かれた皮の屑を機枠11の前方に排出する皮排出用コンベア18が配設されている。
【0027】
さらに、前記一対の回転体13A、13Bの詳細について説明する。一対の回転体13A、13Bのうち一方の回転体13Aは、パンチングプレートによって形成された円筒体からなる主体部13a-1と、この主体部13a-1の両端にそれぞれ設けられた一対の軸13a-2、13a-3とを備え、主体部13a-1には多数のパンチング孔12が全周にわたって形成されている。主体部13aの寸法は、直径165mm、長さ1.3m程度である。このような回転体13は、パンチングプレートを円筒状に湾曲させて、その周方向の両端縁を溶接するとともに、軸線方向の両端に軸13a-2、13a-3をそれぞれ溶接することにより、容易かつ安価に製作することができる。主体部13a-1の直径は100〜200mm程度、長さは1〜2m程度の範囲内で適宜設定することができる。主体部13a-1の周面に形成されているパンチング孔12は、穴径が例えば6mmφから20mmφ程度の範囲内で適宜設定できるが、ここでは、図5に示すように回転体13Aの上流側において、大きい穴径(例えば、10mm)のパンチング孔12aを形成し、下流側において小さい穴径(例えば、6mm)のパンチング孔12bを形成した例を示したが、これに限らず、全長にわたって同一の穴径のパンチング孔を形成したり、あるいは穴径の異なる2種類以上のパンチング孔を形成したものであってもよい。
【0028】
パンチング孔12の穴径を小さくした場合は、剥いた皮の屑には実(食用に供される部分)の付着が少なく歩留まりが良く、農産物Pの切削面は球状に近くなるものの、剥くのに時間を要する。一方、パンチング孔12の穴径を大きくした場合は、剥いた皮の屑には実の付着が多くなり歩留まりが悪く、農産物Pの切削面は粗くなるが、剥く時間を短縮できる。里芋、キュウイ、アボガド等の場合は、ジャガイモの場合よりも、穴径の小さいパンチング孔12が良いと考えられる。
【0029】
パンチング孔12の穴径が全て同じで農産物Pの移動速度が一定な場合、いわゆるスモールサイズの農産物Pは、搬送路14の始端から皮が剥かれ始めて搬送路14の中間部に移動する頃には剥かれ終わる。これに対して、比較的大きいサイズの農産物Pは、搬送路14の終端でようやく剥け終わる。すなわち、スモールサイズの農産物Pの場合は、搬送路14が短くてもよいが、大きいサイズの農産物Pの場合はより長い搬送路14が必要となる。そこで、このような場合、農産物Pの大きさによって搬送路14への供給位置を変更することで対応することができる。たとえば、比較的大きいサイズの農産物の場合は搬送路14の始端から供給し、スモールサイズの場合は、皮剥きユニットDの側方や上方に供給ユニットを設置し、搬送路14の途中に供給できるようにすればよい。
【0030】
回転体13Aに穴径が異なる2種類以上のパンチング孔を設ける場合は、回転体13Aの始端側(搬送路14の上流部側)のパンチング孔12の穴径を最も大きくし、終端側(搬送路14の下流部側)の穴径を最も小さくすればよい。このように、上流側から下流側に向かってパンチング孔12の穴径を小さくしておくと、始端側では農産物Pの表面を粗く削り、終端側では滑らかに削ることができる。なお、回転体13Aのパンチング孔12の穴径は、農産物Pの種類、大きさ、切削面、歩留まり、加工時間等を考慮して適宜決定される。
【0031】
また、パンチング孔12としては、円形のパンチング孔に限らず、長楕円形のパンチング孔であってもよい。その場合は、下流側端が上流側端より搬送路14の外側になるように回転体13の軸線に対して傾斜した長楕円形のパンチング孔を形成すればよい。これにより、農産物Pを回転体13Aの外側でかつ下流方向に付勢することができる。すなわち、傾斜角度の付いたパンチング孔の切削抵抗により、農産物Pの皮を剥きながら確実に下流に送ることができる。
【0032】
このような長楕円形のパンチング孔を有する回転体13Aを使用した場合は、農産物Pの重量や大きさ等の条件によって、後述する押当板15を省略することも可能となり、よりシンプルな装置とすることができる。
【0033】
他方の回転体13Bは、前記一方の回転体13Aと略同一の大きさであって、パンチングプレートによって形成された円筒体からなる主体部13b-1と、この主体部13b-1の両端にそれぞれ設けられた一対の軸13b-2、13b-3とを備え、主体部13b-1の外周面には弾性を有する多数の突起19が全周にわたって突設されている。突起19は、ゴム等の弾性材料からなり、主体部13b-1の外周面に一体成形によって形成されている。突起19は、截頭円錐形で、基端の外径が4mm、先端の外径が2mm、主体部13b-1の外周面からの突出寸法が10mm程度とされる。
【0034】
このような突起19は、規則的な配列、例えば、図8(a)に示すように千鳥状に配列されるか、または図8(b)に示すように並列に配列されているが、これに限らず不規則的な配列であってもよい。また、突起19の大きさ、弾性力、数等は、農産物Pの大きさ、重量等を考慮して適宜決定される。隣り合う突起19どうしの間隔は、前記一方の回転体13Aのパンチング孔12の間隔と略同じであればよい。なお、一対の回転体13A、13Bは、互いに接触しないように適宜な隙間(例えば、数mm〜10mm程度の隙間)を保って平行に配設されている。
【0035】
図2〜図4において、前記押当板15は、無端移動機構Eに装架されている。無端移動機構Eは、機枠11の上方に回転自在に軸支され、回転体13A、13Bの基端部上方および終端部上方にそれぞれ位置する前後一対からなる2組のスプロケット21および22、24および25と、これらのスプロケット21および22、24および25にそれぞれ掛け渡された2つのチェーン20、23と、これらのチェーン20、23に所定の間隔をおいて掛け渡された複数個の支持杆26と、前記チェーン20、23を同期して農産物Pの搬送方向に走行させるモータ27等を備え、各支持杆26に前記押当板15が取付けられている。
【0036】
前記押当板15は、モータ27の駆動によってチェーン20、23が走行すると、搬送路14内を所定の間隔をおいてチェーン20、23とともに移動し、搬送路14に投入された農産物Pを投入部から排出部に向けて移動させる。
【0037】
前記モータ27は、制御部からの駆動信号によって駆動制御され、農産物Pの搬送時に駆動することにより、チェーン20、23を25〜90mm/s程度の速度で走行させる。なお、チェーン20、23は、回転体13Aのパンチング孔12の穴径との関係において、穴径が大きくなればなるほど速く走行することが好ましい。
【0038】
このような構造からなる農産物皮剥き装置100において、農産物Pは、搬送路14を供給側から排出側へ向かって移動する間において、一方の回転体13Aのパンチング孔12によって皮が剥かれる。このとき、他方の回転体13Bの突起19は、図6に示すように農産物Pに下から当たると農産物Pの重量によって当該回転体13Bの回転方向とは反対方向に弾性変形し、その弾撥力と回転体13Bの回転力とによって農産物Pを跳ね上げる。このため、農産物Pは、搬送路14内を跳ね上がったり転がったりしながら回転体13Aのパンチング孔12の孔縁によって皮を剥かれ下流側に移動する。したがって、農産物Pは一対の回転体13A、13Bに挟まれてパンチング孔12の孔縁により扁平に削られることがなく、全面にわたって皮をむらなく綺麗に剥かれる。
【0039】
図9は本発明の他の実施の形態を示す回転体の平面図である。
この実施の形態は、一対の回転体13A、13Bの外周面に、多数のパンチング孔1212(12a、12b)と多数の突起19をそれぞれ軸線方向に所定の間隔をおいて交互に設けたものである。パンチング孔12は、大径のパンチング孔12aと、小径のパンチング孔12bの2種類が形成されているが、これに限らず1種類または2種類以上であっても良い。また、一対の回転体13A、13Bは、パンチング孔12と突起19が互いに対向するように形成されている。すなわち、他方の回転体13Bは、一方の回転体13Aのパンチング孔12に対応する部位に弾性を有する突起19が突設され、一方の回転体13Aの弾性を有する突起19に対応する部位にパンチング孔12が形成されている。
【0040】
このような構造からなる回転体13A、13Bを備えた農産物皮剥き装置においては、農産物Pが搬送路を移動する過程において、突起19によって農産物Pを跳上げる方向が繰り返し交互に変わるため、農産物Pの各回転体13A、13Bに対する負荷を等しくすることができる。
【0041】
なお、本実施の形態においては、回転体13Aを円筒状に形成し、その周面に形成した多数のパンチング孔12を農産物Pの皮を剥くための切削体として用いたが、これに限らず、機械加工によって形成された孔であってもよく、また周面に図7に示したバリ12aと同様な形状のヤスリまたは刃を形成し、これらを切削体として用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る農産物皮剥き装置の一実施の形態を示す正面図である。
【図2】同皮剥き装置の平面図である。
【図3】同皮剥き装置の皮剥きユニットの側板を外して内部を示す図である。
【図4】同皮剥きユニットの受入ホッパ周辺の拡大図である。
【図5】一対の回転体の平面図である。
【図6】回転体による農産物の皮を剥いている状態を示す図である。
【図7】回転体の要部の拡大断面図である。
【図8】(a)、(b)はそれぞれ突起の配列例を示す図である。
【図9】本発明の他の実施の形態を示す一対の回転体の平面図である。
【符号の説明】
【0043】
A…供給装置、B…ホッパー、C…整列用供給ユニット、D…皮剥きユニット、P…農産物、12、12a、12b…パンチング孔、13A、13B…回転体、14…搬送路、19…突起、100…農産物皮剥き装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配設され上側において互いに外側に回転する一対の回転体と、これらの回転体間の上側空間に形成されジャガイモ等の農産物を移動させる搬送路とを備え、
前記一対の回転体のうちいずれか一方の外周面に少なくとも前記農産物の皮を剥く多数の切削体を設け、他方の外周面に少なくとも前記農産物を跳ね上げる弾性を有する多数の突起を設けたことを特徴とする農産物皮剥き装置。
【請求項2】
請求項1記載の農産物皮剥き装置において、
一方の回転体には前記切削体のみが全周にわたって形成され、他方の回転体には前記弾性を有する突起のみが全周にわたって突設されていることを特徴とする農産物皮剥き装置。
【請求項3】
請求項1記載の農産物皮剥き装置において、
一方の回転体には、切削体と弾性を有する突起が回転体の軸線方向に所定の間隔をおいて交互に設けられ、
他方の回転体には、前記一方の回転体の切削体と弾性を有する突起に対する部位に、弾性を有する突起と切削体が設けられていることを特徴とする農産物皮剥き装置。
【請求項4】
請求項1、2、3のうちのいずれか一項記載の農産物皮剥き装置において、
前記回転体が円筒体からなり、切削体がパンチング孔であることを特徴とする農産物皮剥き装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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