説明

農畜産物の洗浄装置

【課題】占有面積の削減が図られる農畜産物の洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗浄装置ECMには、鶏卵搬入部EIPと洗浄部CPと乾燥部DPと鶏卵搬出部EOPとが設けられている。洗浄部CPは多段構造とされて、第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2および第3洗浄部CP3は、傾斜の向きが互いに反対の向きになるように傾斜させて、上下方向に配置されている。第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2および第3洗浄部CP3の順に搬送される鶏卵が、第3洗浄部CP3、第2洗浄部CP2および第1洗浄部CP1の順に流れてくる洗浄液としての湯によって洗浄される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農畜産物の洗浄装置に関し、特に、鶏卵等の農畜産物を搬送させながら洗浄する洗浄部を上下方向に複数配置させた農畜産物の洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鶏舎において産卵された鶏卵は、鶏卵を選別して包装するGPセンター(Grading and Packaging Center)へ運ばれ、GPセンターの搬送ラインにおける所定の位置において、たとえば6列等の所定の列に区分けされる。区分けされた鶏卵は、洗浄装置に搬入されて所定の洗浄処理と乾燥処理が施され、その後、次工程へ向けて搬出される。
【0003】
ここで、この種の洗浄装置の一例として、特許文献1に開示された洗浄装置について説明する。この洗浄装置では、鶏卵を搬送させる搬送通路が設けられ、その搬送通路には、区分けされた鶏卵がその状態で搬送されるように、樋状の複数の条が形成されている。搬送通路は、鶏卵の搬送方向の上流側が低く下流側が高くなるように傾斜させて配置されている。また、搬送通路の上方には洗浄用のブラシが配置されている。さらに、傾斜が高い側の搬送経路の上方には、搬送通路へ向けて洗浄用の湯を供給する給湯口が設けられている。
【0004】
この種の洗浄装置では、給湯口から放出された湯は、搬送通路の傾斜の高い側から低い側へ向かって樋状の搬送通路を流れる。鶏卵は、傾斜の低い側から高い側へ向かって搬送されている間に、傾斜の高い側から低い側へ向かって流れる湯に浸されながらブラシ等によって洗浄される。洗浄された鶏卵には乾燥処理が施されて、次工程へ向けて送り出されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭53−046234号公報(登録実用新案第1288954号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の農畜産物の洗浄装置では、次のような問題点があった。鶏卵等に付着した汚れ等をブラシによって確実に落とそうとすると、あらかじめ鶏卵等を十分に湯浴みさせておく必要がある。一方、GPセンターでは、大量の鶏卵を処理する必要があるため、洗浄装置にも処理能力の向上が求められている。
【0007】
ところが、洗浄装置の処理能力を向上させようとして搬送速度を上げようとすると、湯に浸されながら搬送通路を搬送される鶏卵等を十分に湯浴みさせることができなくなり、鶏卵等に付着した汚れ等をブラシによって落とすことができなくなってしまう。そこで、このような問題を回避するために、搬送通路を長く設定して湯浴み時間を確保する必要がある。その結果、洗浄装置の占有面積が増加してしまうという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、占有面積の削減が図られる農畜産物の洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る洗浄装置は、農畜産物を搬送しながら洗浄する農畜産物の洗浄装置であって、農畜産物が搬入される搬入部と、農畜産物が搬出される搬出部と、搬送部と、複数の洗浄部とを備えている。搬送部は、搬入部に搬入された農畜産物を搬出部へ向けて搬送する。複数の洗浄部は、農畜産物を搬送しながら洗浄する搬送通路をそれぞれ含み、上下方向に配置されている。複数の洗浄部のうち、上下方向に隣り合う一の洗浄部と他の洗浄部では、一の洗浄部の一の搬送通路と他の洗浄部の他の搬送通路とは、傾きが互いに反対の向きになるようにそれぞれ傾けられている。一の洗浄部では、一の搬送通路の傾斜の低い側から高い側へ向かって搬送される農畜産物が、一の搬送通路の傾斜の高い側から低い側へ向かって流れる所定の洗浄液によって洗浄される。他の洗浄部では、一の洗浄部を経て、他の搬送通路の傾斜の低い側から高い側へ向かって搬送される農畜産物が、他の搬送通路の傾斜の高い側から低い側へ向かって流れる他の所定の洗浄液によって洗浄される。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る洗浄装置によれば、上下方向に配置されている複数の洗浄部のうち、上下方向に隣り合う一の洗浄部と他の洗浄部では、一の洗浄部の一の搬送通路と他の洗浄部の他の搬送通路とは、傾きが互いに反対の向きになるようにそれぞれ傾けられている。これにより、洗浄装置の占有面積を広げることなく、農畜産物を十分に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る洗浄装置の構造を概略的に示す側面図である。
【図2】同実施の形態において、洗浄部における第1波板、第2波板および第3波板の配置関係を示す斜視図である。
【図3】同実施の形態において、波板の構造を示す部分断面斜視図である。
【図4】同実施の形態において、搬送機構を示す部分断面斜視図である。
【図5】同実施の形態において、搬送パイプを示す斜視図である。
【図6】同実施の形態において、コンベアチェーンとチェーンガイドを示す部分斜視図である。
【図7】同実施の形態において、折り返し部とその周辺を示す部分斜視図である。
【図8】同実施の形態において、図7に示される点線枠A内を示す部分拡大斜視図である。
【図9】同実施の形態において、折り返し部とその周辺を示す部分側面図である。
【図10】同実施の形態において、折り返し部における鶏卵の位置関係を示す部分断面図である。
【図11】同実施の形態において、洗浄装置の動作を説明するための側面図である。
【図12】同実施の形態において、洗浄部における第1波板、第2波板および第3波板を流れる湯を示す斜視図である。
【図13】同実施の形態において、第1洗浄部において鶏卵が洗浄される様子を示す部分断面斜視図である。
【図14】同実施の形態において、第1洗浄部から折り返し部を経て第2洗浄部へ搬送される鶏卵を示す部分斜視図である。
【図15】同実施の形態において、第2洗浄部において鶏卵が洗浄される様子を示す部分断面斜視図である。
【図16】同実施の形態において、第2洗浄部から折り返し部を経て第3洗浄部へ搬送される鶏卵を示す部分斜視図である。
【図17】同実施の形態において、第3洗浄部において鶏卵が洗浄される様子を示す部分断面斜視図である。
【図18】本発明の実施の形態2に係る洗浄装置の構造を概略的に示す側面図である。
【図19】同実施の形態において、搬送機構を示す部分断面斜視図である。
【図20】同実施の形態において、押しドグを示す斜視図である。
【図21】同実施の形態において、折り返し部とその周辺を示す部分斜視図である。
【図22】同実施の形態において、折り返し部とその周辺を示す部分側面図である。
【図23】同実施の形態において、洗浄装置の動作を説明するための側面図である。
【図24】同実施の形態において、第1洗浄部において鶏卵が洗浄される様子を示す部分断面斜視図である。
【図25】同実施の形態において、第1洗浄部から折り返し部を経て第2洗浄部へ搬送される鶏卵を示す部分斜視図である。
【図26】同実施の形態において、第2洗浄部において鶏卵が洗浄される様子を示す部分断面斜視図である。
【図27】同実施の形態において、第2洗浄部から折り返し部を経て第3洗浄部へ搬送される鶏卵を示す部分斜視図である。
【図28】同実施の形態において、第3洗浄部において鶏卵が洗浄される様子を示す部分断面斜視図である。
【図29】同実施の形態において、コンベアチェーンの変極点部分を示す部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1
本発明の実施の形態1に係る農畜産物の洗浄装置として、鶏卵の洗浄装置の一例について説明する。
【0013】
図1に示すように、洗浄装置ECMには、前工程から搬送された鶏卵を受け入れる鶏卵搬入部EIPと、搬入された鶏卵を搬送しながら洗浄する洗浄部CPと、洗浄された鶏卵を水切りする乾燥部DPと、水切りが終わった鶏卵を次工程へ向けて送り出す鶏卵搬出部EOPとが設けられている。また、鶏卵搬入部EIPに受け入れられた鶏卵を、鶏卵搬出部EOPへ向けて搬送する搬送機構(搬送部)として、無限軌道をなすコンベアチェーンCCと搬送用パイプPP(図4参照)等が取り付けられている。コンベアチェーンCCは、電動機、ベルトおよびスプロケット(いずれも図示せず)等を介して駆動される。
【0014】
次に、洗浄部CPについて詳しく説明する。洗浄部CPは多段(多層)構造とされて、洗浄部CPとして、第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2および第3洗浄部CP3が、上下方向に配置されている。後述するように、第1洗浄部CP1と第2洗浄部CP2において前洗浄が行われ、第3洗浄部CP3において本洗浄が行われる。第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2および第3洗浄部CP3のそれぞれには、鶏卵が搬送される通路として、波板TB(第1波板TB1、第2波板TB2、第3波板TB3)が配置されている。
【0015】
図2に示すように、その波板TB(第1波板TB1、第2波板TB2、第3波板TB3)には、鶏卵を搬送させながら洗浄液としての湯が流される樋が形成されている。図3に示すように、波板TBには、樋として、板状の底面部BTと斜面部SLとが形成されている。斜面部SLは、底面部BTから搬送方向と略直交する一方と他方とに向かって傾斜している。底面部BTは、鶏卵EGの重力を実質的に受ける役割を担っている。斜面部SLは、底面部BTに支持されている部分に対して鶏卵EGの鈍端側または鋭端側に位置する所定の部分を支持する役割を担っている。このような構造にすることで、鶏卵EGの長軸を搬送用パイプPPと略平行に保持しながら、鶏卵EGを搬送させることができる。なお、この波板TBでは、一例として6つの樋が形成されている。
【0016】
図1および図2に示すように、第1波板TB1、第2波板TB2および第3波板TB3のそれぞれは、鶏卵の搬送方向(矢印TV参照)の下流側が搬送方向の上流側よりも高くなるように配置されている。第2洗浄部CP2の第2波板TB2は、第1洗浄部CP1の第1波板TB1の傾斜の向きとは反対の向きに傾斜させて配置されている。また、第3洗浄部CP3の第3波板TB3は、第2洗浄部CP2の第2波板TB2の傾斜の向きとは反対の向きに傾斜させて配置されている。
【0017】
第1波板TB1の傾斜が高い側と第2波板TB2の傾斜が低い側とは、折り返し部TPによって繋がっている。第1洗浄部CP1を搬送されてきた鶏卵は、折り返し部TPによってその搬送方向がほぼ反転されて、第2洗浄部CP2へ搬送されることになる。また、第2波板TB2の傾斜が高い側と第3波板TB3の傾斜が低い側とは、折り返し部TPによって繋がっている。第2洗浄部CP2を搬送されてきた鶏卵は、折り返し部TPによってその搬送方向がほぼ反転されて、第3洗浄部CP3へ搬送されることになる。
【0018】
第1波板TB1、第2波板TB2および第3波板TB3のそれぞれの上方には、鶏卵に付着した汚れ等を搬送しながら除去する洗浄ブラシSCBが配置されている。第3波板TB3の傾斜の高い側の上方には、洗浄液としての湯を第3波板TB3に向けて放出する湯供給部YSが設けられている。湯供給部YSから放出された湯は、傾斜した第3波板TB3、第2波板TB2および第1波板TB1を順次流れていくことになる。
【0019】
なお、洗浄液としての湯の供給の仕方としては、このように、第1洗浄部CP1に供給された湯を、第2洗浄部CP2および第3洗浄部CP3において再利用する態様の他に、一の洗浄部で使用した湯を他の洗浄部において再利用しないように、第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2および第3洗浄部CP3のそれぞれに湯供給部YSを設けて、清浄度の高い湯を、第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2および第3洗浄部CP3のそれぞれに供給するようにしてもよい。
【0020】
次に、鶏卵を搬送する搬送機構について詳しく説明する。図4に示すように、無限軌道をなすコンベアチェーンCCは、波板TBの樋に載置された鶏卵を挟み込む態様で、1対のコンベアチェーンCCとして取り付けられている。1対のコンベアチェーンCCには、一方のコンベアチェーンCCと他方のコンベアチェーンCCとの間を繋ぐように、複数の搬送用パイプPPが、搬送方向に互いに間隔を隔てて取り付けられている。図5に示すように、搬送用パイプPPは、金属パイプMPと樹脂パイプRPとを含み、樹脂パイプRPに金属パイプMPが挿通されている。搬送用パイプPPは、金属パイプMPの両端にコロ軸の突出部KAを挿通させることによってコンベアチェーンCCに取り付けられている。
【0021】
鶏卵搬入部EIPに搬入された鶏卵EGは、互いに隣接する一の搬送用パイプPPと他の搬送用パイプPPとの間に挟まれることによって、搬送方向と略直交する方向に整列される。コンベアチェーンCCの駆動に合わせて、各搬送用パイプPPが、搬送方向の前方に位置する鶏卵EGを押しながら移動することによって、鶏卵EGが波板TBを搬送されることになる。
【0022】
また、図6に示すように、搬送方向を反転させる折り返し部TPには、コンベアチェーンCCをガイドする、略半円形の樹脂製のチェーンガイドCGが設けられている。コンベアチェーンCCのコロを、チェーンガイドCGの円弧の端面に接触させることによって、コンベアチェーンCCの駆動方向が反転される。このようなチェーンガイドCGの他に、洗浄装置ECMには、搬送方向の鉛直成分あるいは水平成分を変える変極点にスプロケットが設けられている。
【0023】
次に、折り返し部TPについて詳しく説明する。図7、図8および図9に示すように、折り返し部TPでは、コンベアチェーンの動きに合わせて鶏卵を保持(あるいは支持)しながら搬送するために、板状ガイド部BG、針金状ガイド部WGおよび板ばねPSが配置されている。板状ガイド部BGおよび針金状ガイド部WGは、略半円形のチェーンガイドCGにガイドされるコンベアチェーンの動きに対応するように、円弧状に配置されている。なお、図面の簡略化のために、図7では、板ばねは図示されていない。また、図8では、2組の板ばねPSを示す。
【0024】
板状ガイド部BGおよび針金状ガイド部WGとして、板状ガイド部BGSおよび針金状ガイド部WGSと、板状ガイド部BGUおよび針金状ガイド部WGUとが配置されている。板状ガイド部BGSは第1波板TB1の底面部BTと繋がり、針金状ガイド部WGSは第1波板TB1の斜面部SLと繋がっている。第1波板TB1を搬送されてきた鶏卵は、この板状ガイド部BGSおよび針金状ガイド部WGSによって支持されることになる。
【0025】
その板状ガイド部BGSには、その途中に分断された箇所があり、その箇所に板ばねPSが配置されている。板ばねPSは、板状ガイド部BGSおよび針金状ガイド部WGSにより支持されながら搬送される鶏卵を、板状ガイド部BGUおよび針金状ガイド部WGUの側に付勢するように配置されている。つまり、板ばねPSは、下から上に向かって円弧状に搬送される鶏卵を、外側から内側へ向かって付勢するように配置されている。
【0026】
一方、板状ガイド部BGUは第2波板TB2の底面部BTと繋がり、針金状ガイド部WGUは第2波板TB2の斜面部SLと繋がっている。図10に示すように、当初、板状ガイド部BGSおよび針金状ガイド部WGSによって支持されている鶏卵(実線)は、搬送される途中で、板ばねPSによって円弧の内側に付勢されて、板状ガイド部BGUおよび針金状ガイド部WGUによって支持されることになる(点線の鶏卵EG参照)。
【0027】
次に、上述した鶏卵の洗浄装置ECMの洗浄動作について説明する。図11に示すように、鶏卵搬入部EIPに搬入された鶏卵は、第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2および第3洗浄部CP3の順に搬送される。第1洗浄部CP1および第2洗浄部CP2では、前洗浄として鶏卵の湯浴みをし、第3洗浄部CP3では、湯浴みした鶏卵に本洗浄が行われる。
【0028】
その洗浄動作についてさらに詳しく説明する。図12に示すように、湯供給部YSから、洗浄液としての湯YLが第3波板TB3に向けて放出される。第3波板TB3の傾斜の高い側に放出された湯YLは、傾斜の低い側へ向かって第3波板TB3を流れ、その傾斜の低い側の端部から、下方に配置された第2波板TB2に流れ落ちる。第2波板TB2の傾斜の高い側に流れ落ちた湯YLは、傾斜の低い側へ向かって第2波板TB2を流れ、その傾斜の低い側の端部から、下方に配置された第1波板TB1に流れ落ちる。第1波板TB1の傾斜の高い側に流れ落ちた湯YLは、傾斜の低い側へ向かって第1波板TB1を流れ、その傾斜の低い側の端部から、ドレン(図示せず)へ流れ落ちる。鶏卵は、このように第3波板TB3、第2波板TB2および第1波板TB1を流れる湯とは反対方向に搬送させながら洗浄される。
【0029】
鶏卵搬入部EIPに搬入された鶏卵は、まず、第1洗浄部CP1に搬送される(図11参照)。第1洗浄部CP1では、前洗浄として、第3波板TB3と第2波板TB2を流れてきた湯YLによって鶏卵の湯浴みをする。図13に示すように、鶏卵EGは、搬送用パイプPPによって第1波板TB1の樋を、湯YLの流れ(矢印YV)とは反対方向に搬送される(矢印TV参照)。なお、図13では、図の簡略化のために、一つの樋を搬送される鶏卵EGを示す。
【0030】
このとき、鶏卵EGは、樋を流れる湯YLを堰き止めるようにしながら搬送されることになるため、少しの湯で鶏卵EGの湯浴みをすることができ、湯の節約に貢献することができる。また、鶏卵EGに付着している汚れ等のうち、比較的除去しやすい汚れ等は、洗浄ブラシSCBによって除去される。
【0031】
こうして、第1洗浄部CP1の第1波板TB1を搬送された鶏卵EGは、図11および図14に示すように、折り返し部TPによって、第2洗浄部CP2の第2波板TB2へ搬送される。搬送用パイプPPによって第1波板TB1を搬送されてきた鶏卵EGは、図14に示すように、第1波板TB1の樋の底面部BTと繋がっている板状ガイド部BGSと、斜面部SLと繋がっている針金状ガイド部WGSとに支持されて円弧を描きながら上方へ向けて搬送される。
【0032】
図8または図9に示すように、上方へ向けて搬送される途中に、鶏卵EGは、板ばねPSによって円弧の内側へ付勢されて、第2波板TB2の樋の底面部BTと繋がっている板状ガイド部BGUと、斜面部SLと繋がっている針金状ガイド部WGSとに接触する。板ばねPSによって板状ガイド部BGUと針金状ガイド部WGSとに接触させられた状態で搬送される鶏卵は、円弧を描くように上方へ搬送されるにしたがい、重力により板状ガイド部BGUと針金状ガイド部WGSとに支持された状態で折り返し部TPを搬送されることになる。折り返し部TPを搬送された鶏卵EGは、第2洗浄部CP2へ送られる。
【0033】
第2洗浄部CP2では、前洗浄として、第3波板TB3を経て第2波板TB2を流れる湯YLによって鶏卵の湯浴みをする。図15に示すように、鶏卵EGは、搬送用パイプPPによって第2波板TB2の樋を、湯YLの流れ(矢印YV)とは反対方向に搬送される(矢印TV参照)。なお、図15では、図の簡略化のために、一つの樋を搬送される鶏卵EGを示す。
【0034】
このとき、第2洗浄部CP2では、第1洗浄部CP1と同様に、鶏卵EGは、樋を流れる湯YLを堰き止めるようにしながら搬送されることになるため、少しの湯で鶏卵EGの湯浴みをすることができ、湯の節約に貢献することができる。また、第2洗浄部CP2には、第1洗浄部CP1において湯浴みをした鶏卵が搬送されてくるため、鶏卵EGに付着している汚れ等が浮いて、洗浄ブラシSCBによって除去しやすくなる。
【0035】
こうして、第2洗浄部CP2の第2波板TB2を搬送された鶏卵EGは、図11および図16に示すように、折り返し部TPによって、第1洗浄部CP1と第2洗浄部CP2とを繋ぐ折り返し部TPと同様にして、第3洗浄部CP3の第3波板TB3へ円弧を描きながら搬送される。
【0036】
第3洗浄部CP3では、第1洗浄部CP1と第2洗浄部CP2において湯浴みをした鶏卵が、本洗浄として、第3波板TB3を流れる湯YLによって洗浄される。図17に示すように、鶏卵EGは、搬送用パイプPPによって第3波板TB3の樋を、湯YLの流れ(矢印YV)とは反対方向に搬送される(矢印TV参照)。なお、図17では、図の簡略化のために、一つの樋を搬送される鶏卵EGを示す。
【0037】
このとき、第3洗浄部CP3では、第1洗浄部CP1と第2洗浄部CP2において十分に湯浴みをした鶏卵が搬送されてくるため、鶏卵EGに付着している汚れ等が洗浄ブラシSCBによってさらに除去しやすくなる。しかも、第3洗浄部CP3の第3波板TB3には、湯供給部YSから放出される湯が、直接、傾斜の高い側から低い側へ向かって流れてくるため、傾斜の低い側から傾斜の高い側へ向かって鶏卵が搬送されるにしたがい、鶏卵は、清浄度の高い湯によって洗浄されることになる。
【0038】
清浄度の高い湯によって洗浄された鶏卵は、図11に示すように、乾燥部DPへ搬送される。乾燥部DPには、乾燥した空気を吹き付けるエアー供給部ASが設けられている。洗浄が完了した鶏卵は、エアー供給部ASから吹き出す乾燥した空気によって水切りされる。水切りされた鶏卵は、鶏卵搬出部EOPから次の工程へ向けて搬出される。こうして、洗浄装置ECMによる、鶏卵の一連の洗浄処理が完了する。
【0039】
上述した洗浄装置では、洗浄部CPは多段(多層)構造とされる。これにより、洗浄装置の占有面積を広げることなく、しかも、処理能力を下げることなく、鶏卵を十分に洗浄することができる。このことについて説明する。
【0040】
鶏卵の洗浄効果を高めるために、前洗浄として十分な湯浴みをしようとすると、搬送経路を長く設定して前洗浄を行う(手法A)か、搬送経路を長く設定できない場合には、鶏卵をゆっくり搬送しながら前洗浄を行なう(手法B)必要がある。ところが、手法Aでは、搬送経路が長くなることで洗浄装置の占有面積が広がってしまうことになる。また、手法Bでは、前洗浄における鶏卵の搬送速度が落ちてしまい、洗浄装置全体として処理能力を下げてしまうことになる。
【0041】
これに対して、上述した洗浄装置ECMでは、前洗浄部PCP(第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2)と本洗浄部MCP(第3洗浄部CP3)とが多段構造とされて、第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2および第3洗浄部CP3は、傾斜の向きが互いに反対の向きになるように傾斜させて、上下方向に配置されている。これにより、洗浄装置の占有面積を広げることなく、鶏卵の搬送経路を長くして鶏卵の湯浴みをする時間を確保することができる。また、鶏卵の搬送経路を長く設定できることで、鶏卵の搬送速度を下げる必要がなく、洗浄装置全体の処理能力を下げることもない。
【0042】
また、上述した洗浄装置では、第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2および第3洗浄部CP3は、第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2および第3洗浄部CP3の順に、下から上へ向かって配置されている。これにより、第3洗浄部CP3へ放出される洗浄液としての湯YLが、第3洗浄部CP3、第2洗浄部CP2および第1洗浄部CP1の順に、それぞれの波板TB(第3波板TB3、第2波板TB2および第1波板TB1)の樋を流れ、その樋を流れる湯YLに対して、鶏卵EGは、湯YLを堰き止めるようにしながら搬送されることになる。このため、少しの湯によって鶏卵EGの湯浴み等をすることができ、湯を節約することができる。
【0043】
さらに、上述した洗浄装置では、搬送用パイプPPや板ばねPSとしては、既存のものを適用することができ、製造コストの削減にも寄与することができる。
【0044】
実施の形態2
前述した洗浄装置では、鶏卵を搬送する搬送機構として、コンベアチェーンに搬送パイプが取り付けられた搬送機構を例に挙げて説明した。実施の形態2では、搬送機構として押しドグを適用した洗浄装置について説明する。図18および図19に示すように、洗浄装置ECMには、コンベアチェーンCCに押しドグPDが取り付けられている。また、後述するように、折り返し部TPに板ばねは不要とされる。なお、これ以外の構成については、図1等に示す洗浄装置と同一なので、同一部材については同一符号を付しその説明を繰り返さないこととする。
【0045】
次に、その搬送機構について詳しく説明する。図19に示すように、1対のコンベアチェーンCCには、一方のコンベアチェーンCCと他方のコンベアチェーンCCとの間をチェーンアタッチCAを介して繋ぐように、シャフトSHが搬送方向に互いに間隔を隔てて取り付けられている。そのシャフトSHには6つの押しドグPDが装着されている。図19では、図面の簡略化のために2つの押しドグPDを示す。押しドグPDは、波板TBの樋に対応するように互いに間隔を隔てられている。シャフトSHの断面形状は矩形とされる。
【0046】
図20に示すように、押しドグPDは、2枚の平板部FPと接続部CJからなり、対向する2枚の平板部FPを繋ぐように接続部CJが設けられている。2枚の平板部FPと接続部CJには、シャフトSHの断面形状に対応した矩形の貫通穴THが形成されている。また、接続部CJには、鶏卵の外形形状に対応した接触部ACJが形成されている。
【0047】
シャフトSHには、押しドグPDの他に、スペーサDPLとスペーサDPSが装着される。スペーサDPLによって互いに隣り合う、押しドグPDと押しドグPDとの間隔が保持される。また、スペーサDPSによって、端に位置する押しドグPDとチェーンアタッチCAとの間隔が保持される。シャフトSHおよびコンベアチェーンCCへの取り付け構造から、押しドグPDは、その長手方向(平板部の延在する方向)を、コンベアチェーンCCの搬送方向(あるいは接線方向)とほぼ直交させた状態で移動することになる。
【0048】
次に、折り返し部について説明する。前述した洗浄装置の折り返し部とは異なり、押しドグPDを適用した搬送機構では、折り返し部に、板ばねは不要とされる。図21および図22に示すように、折り返し部TPでは、板状ガイド部BGおよび針金状ガイド部WGが配置されている。板状ガイド部BGおよび針金状ガイド部WGとして、板状ガイド部BGSおよび針金状ガイド部WGSと、板状ガイド部BGUおよび針金状ガイド部WGUとが配置されている。
【0049】
板状ガイド部BGSは第1波板TB1の底面部BTと繋がり、針金状ガイド部WGSは第1波板TB1の斜面部SLと繋がっている。第1波板TB1を搬送されてきた鶏卵は、この板状ガイド部BGSおよび針金状ガイド部WGSによって支持されることになる。
【0050】
一方、板状ガイド部BGUは第2波板TB2の底面部BTと繋がり、針金状ガイド部WGUは第2波板TB2の斜面部SLと繋がっている。当初、板状ガイド部BGSおよび針金状ガイド部WGSによって支持されている鶏卵は、搬送される途中で、円弧の内側に向かって押しドグPD上をスライド(図22の矢印EV参照)して、板状ガイド部BGUおよび針金状ガイド部WGUによって支持されることになる。
【0051】
次に、洗浄装置による洗浄動作について説明する。図23および図12に示すように、上述した洗浄装置では、実施の形態1において説明した洗浄装置と同様に、鶏卵は、湯供給部YSから供給されて、第3波板TB3、第2波板TB2および第1波板TB1を流れる湯とは反対方向に搬送させながら洗浄される。
【0052】
まず、第1洗浄部CP1では、前洗浄として、第3波板TB3と第2波板TB2を流れてきた湯YLによって鶏卵の湯浴みをする。図24に示すように、鶏卵EGは、押しドグPDによって第1波板TB1の樋を、湯YLの流れ(矢印YV)とは反対方向に搬送される(矢印TV参照)。
【0053】
こうして、第1洗浄部CP1の第1波板TB1を搬送された鶏卵EGは、図23および図25に示すように、折り返し部TPによって、第2洗浄部CP2の第2波板TB2へ搬送される。押しドグPD等によって第1波板TB1を搬送されてきた鶏卵EGは、図25に示すように、第1波板TB1の樋の底面部BTと繋がっている板状ガイド部BGSと、斜面部SLと繋がっている針金状ガイド部WGSとに支持されて円弧を描きながら上方へ向けて搬送される。
【0054】
円弧を描くように上方へ搬送されるにしたがい、鶏卵EGは、その重力によって押しドグPD上をスライドして(図22参照)、第2波板TB2の樋の底面部BTと繋がっている板状ガイド部BGUと、斜面部SLと繋がっている針金状ガイド部WGSとに接触して、板状ガイド部BGUと針金状ガイド部WGSとに支持された状態で折り返し部TPを搬送されることになる。折り返し部TPを搬送された鶏卵EGは、第2洗浄部CP2へ送られる。
【0055】
第2洗浄部CP2では、前洗浄として、第3波板TB3を経て第2波板TB2を流れる湯YLによって鶏卵の湯浴みをする。図26に示すように、鶏卵EGは、押しドグPDによって第2波板TB2の樋を、湯YLの流れ(矢印YV)とは反対方向に搬送される(矢印TV参照)。
【0056】
こうして、第2洗浄部CP2の第2波板TB2を搬送された鶏卵EGは、図23および図27に示すように、折り返し部TPによって、第1洗浄部CP1と第2洗浄部CP2とを繋ぐ折り返し部TPと同様にして、第3洗浄部CP3の第3波板TB3へ円弧を描きながら搬送される。
【0057】
第3洗浄部CP3では、第1洗浄部CP1と第2洗浄部CP2において湯浴みをした鶏卵が、本洗浄として、第3波板TB3を流れる湯YLによって洗浄される。図28に示すように、鶏卵EGは、押しドグPDによって第3波板TB3の樋を、湯YLの流れ(矢印YV)とは反対方向に搬送される(矢印TV参照)。
【0058】
本洗浄部MCP(第3洗浄部CP3)において洗浄された鶏卵は、図23に示すように、乾燥部DPへ搬送される。洗浄が完了した鶏卵は、エアー供給部ASから吹き出す乾燥した空気によって水切りされる。水切りされた鶏卵は、鶏卵搬出部EOPから次の工程へ向けて搬出される。こうして、洗浄装置ECMによる、鶏卵の一連の洗浄処理が完了する。
【0059】
上述した洗浄装置では、前洗浄部PCP(第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2)と本洗浄部MCP(第3洗浄部CP3)とが多段構造とされて、第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2および第3洗浄部CP3は、傾斜の向きが互いに反対の向きになるように傾斜させて、上下方向に配置されている。これにより、前述したように、洗浄装置の占有面積を広げることなく、鶏卵の搬送経路を長くして鶏卵の湯浴みをする時間を確保することができる。また、鶏卵の搬送経路を長く設定できることで、鶏卵の搬送速度を下げる必要がなく、洗浄装置全体の処理能力を下げることもない。
【0060】
また、上述した洗浄装置では、第3洗浄部CP3へ放出される洗浄液としての湯YLが、第3洗浄部CP3、第2洗浄部CP2および第1洗浄部CP1の順に、それぞれの波板TB(第3波板TB3、第2波板TB2および第3波板TB3)の樋を流れ、その樋を流れる湯YLに対して、鶏卵EGは、湯YLを堰き止めるようにしながら搬送されることになる。これにより、少しの湯によって鶏卵EGの湯浴み等をすることができ、湯を節約することができる。
【0061】
なお、上述した洗浄装置では、コンベアチェーンCCの搬送方向の変極点においては、押しドグPDは、押しドグPDの長手方向をその搬送方向の接線方向とほぼ直交させた状態で移動することになる。このため、たとえば、図29に示すように、搬送経路を側方から見て、搬送経路が凹状に変極している箇所では、互いに隣り合う押しドグPDの上端部同士が接近して両者の間隔Lが縮まってしまい、その押しドグPDと押しドグPDとの間に位置して搬送される鶏卵が損傷を受けることが想定される。
【0062】
このため、搬送される鶏卵EGを、互いに隣り合う押しドグPDの下端部同士が離れている下方の側へ逃がすように、鶏卵EGを支持する板状ガイド部BGおよび針金状ガイド部WGを、多少下方へ配置させることが望ましい。
【0063】
また、上述した各洗浄装置では、前洗浄部PCPと本洗浄部MCPを備えた場合について説明したが、前洗浄部PCPにおいて鶏卵に十分な湯浴みをして、本洗浄部MCPにおいて鶏卵の汚れ等を効果的に除去するため、前洗浄部PCPの長さを本洗浄部MCPの長さよりも長く設定してもよい。
【0064】
さらに、上述した各洗浄装置では、前洗浄部PCPとして、第1洗浄部CP1と第2洗浄部CP2との2つの前洗浄部PCPを備えた場合について説明したが、前洗浄部PCPの数(段数)としては、2つに限られず、必要に応じて増減してもよい。たとえ、3つ以上の前洗浄部PCPを備える場合であっても、上下方向に配置させることで洗浄装置ECMの占有面積が増えることはない。
【0065】
また、洗浄部CPにおける、第1洗浄部CP1、第2洗浄部CP2および第3洗浄部CP3のそれぞれの傾斜角度が変えられるように傾斜機構を設けるようにしてもよい。波板TBの傾斜角度を変えることで、洗浄液としての湯の流れる速度を変えて、洗浄のバリエーションを増やすこともできる。
【0066】
さらに、第3洗浄部から流れてくる湯を受ける第2洗浄部における傾斜の高い側では、その部分の傾斜角度を、湯が実質的に流れる第2波板TB2の傾斜角度よりも大きくしておくことが望ましい。こうすることで、湯を確実に第2波板TB2の傾斜の低い側に向かって流すことができる。
【0067】
また、各実施の形態では、洗浄装置ECMの折り返し部TPとして、下から上に向かって鶏卵を搬送する場合について説明したが、鶏卵を上から下へ向かって搬送する場合にも適用することができる。この場合、板ばねPSを備えた折り返し部TP(図7等参照)では、上から下に向かって円弧状に搬送される鶏卵を、円弧の内側から外側へ向かって付勢するように板ばねを配置することが望ましい。
【0068】
また、この折り返し部は、洗浄部同士に限られず、上下方向に位置する搬送部を繋ぐ部分として適用することができる。さらに、洗浄の対象としては鶏卵の他に、他の鳥類等の卵や果実等でもよく、農畜産物の洗浄に適用することができる。
【0069】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、鶏卵をはじめ、農畜産物の洗浄に有効に利用される。
【符号の説明】
【0071】
ECM 洗浄装置、CP 洗浄部、PCP 前洗浄部、MCP 本洗浄部、CP1 第1洗浄部、CP2 第2洗浄部、CP3 第3洗浄部、YS 湯供給部、YL 湯、TB 波板、TB1 第1波板、TB2 第2波板、TB3 第3波板、BT 底面部、SL 斜面部、TP 折り返し部、BG,BGS,BGU 板状ガイド部、WG,WGS,WGU 針金状ガイド部、CG チェーンガイド、PS 板ばね、SCB 洗浄ブラシ、DP 乾燥部、AS エアー供給部、CC コンベアチェーン、KA コロ軸突出部、TP 搬送用パイプ、MP 金属パイプ、RP 樹脂パイプ、PD 押しドグ、FP 平板部、CJ 接続部、ACJ 接触部、TH 貫通穴、CA チェーンアタッチ、DPL スペーサ、DPS スペーサ、SH シャフト、EIP 鶏卵搬入部、EOP 鶏卵搬出部、EG 卵。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農畜産物を搬送しながら洗浄する農畜産物の洗浄装置であって、
農畜産物が搬入される搬入部と、
農畜産物が搬出される搬出部と、
前記搬入部に搬入された農畜産物を前記搬出部へ向けて搬送する搬送部と、
農畜産物を搬送しながら洗浄する搬送通路をそれぞれ含み、上下方向に配置された複数の洗浄部と
を備え、
複数の前記洗浄部のうち、上下方向に隣り合う一の洗浄部と他の洗浄部では、
前記一の洗浄部の一の搬送通路と前記他の洗浄部の他の搬送通路とは、傾きが互いに反対の向きになるようにそれぞれ傾けられ、
前記一の洗浄部では、前記一の搬送通路の傾斜の低い側から高い側へ向かって搬送される農畜産物が、前記一の搬送通路の傾斜の高い側から低い側へ向かって流れる所定の洗浄液によって洗浄され、
前記他の洗浄部では、前記一の洗浄部を経て、前記他の搬送通路の傾斜の低い側から高い側へ向かって搬送される農畜産物が、前記他の搬送通路の傾斜の高い側から低い側へ向かって流れる他の所定の洗浄液によって洗浄される、農畜産物の洗浄装置。
【請求項2】
前記一の搬送通路の傾斜の高い側から前記他の搬送通路の傾斜の低い側へ向かって農畜産物を搬送する折返し部を備えた、請求項1記載の農畜産物の洗浄装置。
【請求項3】
前記折り返し部は、
前記一の搬送通路から搬送される農畜産物をガイドする第1ガイド部材と、
前記第1ガイド部材によってガイドされて搬送される農畜産物を、前記他の搬送通路へガイドする第2ガイド部材と
を含む、請求項2記載の農畜産物の洗浄装置。
【請求項4】
前記一の搬送通路と前記他の搬送通路は、
農畜産物の重量を実質的に下方から支持する底面部と、
前記底面部から前記搬送方向と交差する一方と他方とに延在する斜面部と
を含み、
前記第1ガイド部材は、
前記一の搬送通路の前記底面部と繋がる第1板状ガイド部と、
前記一の搬送通路の前記斜面部と繋がる第1丸棒状ガイド部と
を含み、
前記第2ガイド部材は、
前記他の搬送通路の前記底面部と繋がる第2板状ガイド部と、
前記他の搬送通路の前記斜面部と繋がる第2丸棒状ガイド部と
を含む、請求項3記載の農畜産物の洗浄装置。
【請求項5】
前記第1ガイド部材は、搬送される農畜産物を前記第2ガイド部材の側へ付勢する付勢部材を含む、請求項3または4に記載の農畜産物の洗浄装置。
【請求項6】
前記搬送部は、
1対のコンベアチェーンと、
前記1対のコンベアチェーンの一方のコンベアチェーンと他方のコンベアチェーンとの間を繋ぐように装着されて、前記1対のコンベアチェーンの駆動に伴って農畜産物を押す部材と
を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の農畜産物の洗浄装置。
【請求項7】
前記農畜産物を押す部材はドグを含む、請求項6記載の農畜産物の洗浄装置。
【請求項8】
前記一の洗浄部と前記他の洗浄部では、
前記他の所定の洗浄液が、前記他の搬送通路の傾斜の高い側に供給されて傾斜の低い側へ向かって流され、
前記他の搬送通路を流れてきた前記他の所定の洗浄液は、前記一の搬送通路の傾斜の高い側に受けられ、
前記一の搬送通路に受けられた前記他の所定の洗浄液は、前記一の搬送通路の傾斜の高い側から低い側へ向かって流され、
前記一の洗浄部の前記一の搬送通路を流れる前記所定の洗浄液は、前記他の洗浄部から流れてきた前記他の所定の洗浄液である、請求項1〜7のいずれかに記載の農畜産物の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2013−94134(P2013−94134A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241042(P2011−241042)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(597017812)株式会社ナベル (56)
【Fターム(参考)】