説明

農薬として用いるためのハロアルキル置換化アリロキシアルキルイミダゾリン

本発明は、新規なイミダゾリン誘導体、並びに殺虫性、殺ダニ性、殺軟体動物性及び殺線虫性薬剤としてのその使用に関する。本発明はまた、上記イミダゾリン誘導体を含む、殺虫性、殺ダニ性、殺軟体動物性及び殺線虫性組成物、並びに昆虫、ダニ、軟体動物及び線虫害虫を防除及び抑制するための上記誘導体及び/又は組成物の使用方法に関する。式(I)の化合物;並びにその塩及びN−オキシド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なイミダゾリン誘導体、並びに殺虫性、殺ダニ性、殺軟体動物性及び殺線虫性薬剤としてのそれらの使用に関する。本発明はまた、上記イミダゾリン誘導体を含む殺虫性、殺ダニ性、殺軟体動物性及び殺線虫性組成物、並びに昆虫、ダニ、軟体動物及び線虫害虫を防除及び抑制するための上記誘導体及び/又は組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のイミダゾリン誘導体が公知であり、例えば、欧州特許出願第0423802号明細書は、医薬用途のためのアリールオキシアルキルイミダゾリンを開示している。Moormannら(1990 J.Med Chem 33:614−626)は、可能性のある止瀉薬として2−[(アリールオキシ)アルキル]イミダゾリンを記載し、そして化合物3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−3−(2,6−ジメチル−フェノキシ)−プロパン−1−オールを開示する。
【0003】
外部寄生生物及び/又はコナダニの防除において用いるためのアリールオキシメチルイミダゾリンが、先行技術において公知であり、例えば、米国特許第5,128,361号明細書、同第4,226,876号明細書、同第4,414,223号明細書、ドイツ国特許第2 818 367号明細書、欧州特許第0 011 596号明細書、米国特許第4,276,302号明細書、同第4,232,011号明細書、同第4,241,075号明細書、同第4,233,306号明細書を参照のこと。しかし、これらには、アリールオキシ基及びイミダゾリン環の間の分岐鎖のアルキレン基と組み合わせて、フェニル環の3位にハロアルキル基を有する化合物が示されていない。
【0004】
特開昭51−106739号公報には、殺ダニ活性及び殺虫活性を有する特定のアリールオキシメチル−イミダゾリンが記載されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明者は、驚くべきことに、良好な農薬活性、特に驚くべきことに、良好な殺虫及び/又は殺ダニ活性を有するさらに新規なイミダゾリン誘導体を見出した。
従って、本発明の第1の態様によると、次の式(I)の化合物、並びにそれらの塩及びN−オキシドが提供される:
【化1】

(式中、
1は、C1〜10アルキルであり;
2は、C1〜5アルキル、C1〜5ハロアルキル、C1〜5ヒドロキシアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5ハロアルケニル、C2〜5アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜5アルコキシ、C1〜5ハロアルコキシ、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルコキシ(C2〜3)アルケニル、C1〜5アルキルチオ、C1〜5ハロアルキルチオ、C1〜5アルキルスルフィニル、C1〜5アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、ホルミル、又は−CH=N−R18基であり、ここでR18は、ヒドロキシ又はC1〜3アルコキシであり;
3は、C1〜5ハロアルキルであり;
Zは、水素、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ロダノ(rhodano)、ホルミル、G−、G−S−、G−S−S−、G−A−、R78N−、R78N−S−、R78N−A−、G−O−A−、G−S−A−、(R10O)(R11O)P(X)−、(R10O)(R11S)P(X)−、(R10O)(R11)P(X)−、(R10S)(R11S)P(X)−、(R10O)(R1415N)P(X)−、(R11)(R1415N)P(X)−、(R1415N)(R1617N)P(X)−、G−N=CH−、G−O−N=CH−、N≡C−N=CH−であり、又はZは、次の式(II):
【化2】

(式中、Bは、S−、S−S−、S(O)−、C(O)−、又は(CH2n−であり、nは、1〜6の整数であり;R1、R2及びR3は、上記定義の通りである)の化合物であり、そして
Gは、所望により置換されているC1〜10アルキル、所望により置換されているC2〜10アルケニル、所望により置換されているC2〜10アルキニル、所望により置換されているC3〜7シクロアルキル、所望により置換されているC3〜7シクロアルケニル、所望により置換されているアリール、所望により置換されているヘテロアリール又は所望により置換されているヘテロシクリルであり;
Aは、S(O)、SO2、C(O)、又はC(S)であり;
7及びR8は、それぞれ独立して、水素又はGであり;又はR7及びR8は、それらが結合するN原子と共に、N=CR1213基を形成し;あるいはR7及びR8は、それらが結合するN原子と共に、5,6又は7員複素環を形成し、上記複素環は、O,N又はSから選択される1又は2のさらなるヘテロ原子を所望により含み、そして1つ又は2つのC1〜6アルキル基により所望により置換されており;
10及びR11は、それぞれ独立して、C1〜6アルキル、ベンジル又はフェニルであり、ここで上記フェニル基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3ハロアルコキシで所望により置換されており;
12,R13,R14,R15,R16及びR17は、それぞれ独立して、水素又はC1〜6アルキルであり;
Xは、O又はSである。
【0006】
疑いを避けるため、本明細書において、用語「化合物」は、明確に規定されたとまではいえないが、当該化合物の全ての塩及びN−オキシドを含む。
式(I)の化合物は、種々の幾何学的若しくは光学異性形態、又は種々の互変異性形態において存在することができる。1又は2以上のキラリティの中心が、キラル炭素原子CHR1又はG基内のキラル炭素単位、あるいはZ基内のZ基単位に存在することができ、そのケースでは、式(I)の化合物が、純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、純粋なジアステレオマー、又はジアステレオマーの混合物として存在することができる。上記分子内に二重結合、例えば、C=C又はC=N結合が存在することができ、そのケースでは、式(I)の化合物は、単一の異性体、又は異性体の混合物として存在することができる。互変異性化の中心が存在することができる。本発明は、上記異性体及び互変異性体、及び全ての比率におけるそれらの混合物、並びに同位体形態、例えば、重水素化化合物をカバーする。
【0007】
好適な酸付加塩には、無機酸、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸、又は有機カルボン酸、例えば、シュウ酸、酒石酸、乳酸、酪酸、トルイル酸、ヘキサン酸及びフタル酸、あるいはスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びトルエンスルホン酸を有するものが含まれる。有機カルボン酸の他の例には、ハロ酸、例えば、トリフルオロ酢酸が含まれる。
【0008】
N−オキシドは、第3級アミンの酸化形態、又は窒素含有ヘテロ芳香族化合物の酸化形態である。それらは、複数の書籍、例えば、Angelo Albini及びSilvio Pietraによる「Heterocyclic N−oxides」CRC Press,Boca Raton,Florida,1991に記載されている。
疑いを避けるために、基が、「所望により置換されている」と、又は明確に置換されていると本明細書において特に言及されてない限り、上記基は、非置換であると理解されるべきである。
【0009】
単体又はより大きな基(例えば、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル)の一部としての各アルキル部分は、直鎖又は分岐鎖であり、そして例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル又はネオペンチルである。上記アルキル基は、好適にはC1〜C10アルキル基であるが、好ましくはC1〜8、さらにいっそう好ましくはC1〜6、そして最も好ましくはC1〜4アルキル基である。
環又は鎖を形成するアルキレン、アルケニレン及びアルキニレン(alkinylene)基は、1又は2以上のハロゲン、C1〜3アルキル及び/又はC1〜3アルコキシにより所望によりさらに置換されることができる。
【0010】
存在する場合には、アルキル部分(単独又はより大きな基の一部として)の所望による置換基は、1又は2以上のハロゲン、ニトロ、シアノ、ロダノ、イソチオシアナト、C3〜7シクロアルキル(それ自体、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、C5〜7シクロアルケニル(それ自体、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、ヒドロキシ、C1〜10アルコキシ、C1〜10アルコキシ(C1〜10)アルコキシ、トリ(C1〜4)アルキルシリル(C1〜6)アルコキシ、C1〜6アルコキシカルボニル(C1〜10)アルコキシ、C1〜10ハロアルコキシ、アリール(C1〜4)アルコキシ(アリール基は、所望により置換されている)、C3〜7シクロアルコキシ(cycloalkyoxy)(シクロアルキル基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、C2〜10アルケニルオキシ、C2〜10アルキニルオキシ、メルカプト、C1〜10アルキルチオ、C1〜10ハロアルキルチオ、アリール(C1〜4)アルキルチオ(アリール基は、所望により置換されている)、C3〜7シクロアルキルチオ(シクロアルキル基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、トリ(C1〜4)アルキルシリル(C1〜6)アルキルチオ、アリールチオ(アリール基は、所望により置換されている)、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6ハロアルキルスルホニル、C1〜6アルキルスルフィニル、C1〜6ハロアルキルスルフィニル、アリールスルホニル(アリール基は、所望により置換されていてもよい)、トリ(C1〜4)アルキルシリル、アリールジ(C1〜4)アルキルシリル、(C1〜4)アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アリール(C1〜4)アルキルチオ(C1〜4)アルキル、アリールオキシ(C1〜4)アルキル、ホルミル、C1〜10アルキルカルボニル、ヒドロキシカルボニル、C1〜10アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1〜6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1〜6アルキル)アミノカルボニル、N−(C1〜3アルキル)−N−(C1〜3アルコキシ)アミノカルボニル、C1〜6アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ(アリール基は、所望により置換されている)、C1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ(C1〜6)アルキルアミノカルボニルオキシ、オキシム及びオキシムエーテル(oximether)、例えば、=NO−C1〜6アルキル、=NO−C1〜6ハロアルキル及び=NO−C1〜2アリール(それ自体、所望により置換されている)、アリール(それ自体、所望により置換されている)、ヘテロアリール(それ自体、所望により置換されている)、ヘテロシクリル(それ自体、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、アリールオキシ(アリール基は、所望により置換されている)、ヘテロアリールオキシ、(ヘテロアリール基は、所望により置換されている)、ヘテロシクリルオキシ(ヘテロシクリル基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミノ、C1〜6アルキルカルボニルアミノ、(C1〜6)アルキルカルボニル−N−(C1〜6)アルキルアミノ、C2〜6アルケニルカルボニル、C2〜6アルキニルカルボニル、C3〜6アルケニルオキシカルボニル、C3〜6アルキニルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル(アリール基は、所望により置換されている)及びアリールカルボニル(アリール基は、所望により置換されている)を含む。
【0011】
アルケニル及びアルキニル部分は、直鎖又は分岐鎖形状であることができ、そして上記アルケニル部分は、(E)−又は(Z)−配置のどちらかであることができる。例は、ビニル、アリル及びプロパルギルである。アルケニル及びアルキニル部分は、任意の組み合わせにおいて、1又は2以上の二重及び/又は三重結合を含むことができる。これらの用語には、アレニル及びアルキニル(alkinyl)アルケニルが含まれることが理解される。
【0012】
存在する場合には、アルケニル又はアルキニル上の所望による置換基には、アルキル部分に関して上述された、所望による置換基が含まれる。
本明細書の文脈において、アシルは、所望により置換されているC1〜6アルキルカルボニル(例えば、アセチル)、所望により置換されているC2〜6アルケニルカルボニル、所望により置換されているC3〜6シクロアルキルカルボニル(例えば、シクロプロピルカルボニル、所望により置換されているC2〜6アルキニルカルボニル、所望により置換されているアリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、又は所望により置換されているヘテロアリールカルボニル(例えば、ニコチノイル又はイソニコチノイル)である。
【0013】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
ハロアルキル基は、1又は2以上の同一又は異なるハロゲン原子で置換されているアルキル基であり、そして、例えば、CF3、CF2Cl、CF2H、CCl2H、CH2F、CH2Cl、CH2Br、CH3CHF、(CH32CF、CF3CH2又はCHF2CH2である。
ハロアルケニル基は、1又は2以上の、同一又は異なるハロゲン原子で置換されているアルケニル基である。
【0014】
本明細書の文脈において、用語「アリール」、「芳香環」及び「芳香環系」は、単環、二環又は三環式であることができる環系を指す。上記環の例には、フェニル、ナフタレニル、アントラセニル、インデニル又はフェナントレニルが含まれる。好ましいアリール基は、フェニルである。さらに、用語「ヘテロアリール」、「ヘテロ芳香環」又は「ヘテロ芳香環系」は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み且つ単環又は2若しくは3以上の縮合環から成る芳香環系を指す。好ましくは、単環は、最大3の、そして二環系は、最大4のヘテロ原子(好ましくは、窒素、酸素及び硫黄から選択される)を含むであろう。上記基の例には、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、ベンゾフリル、ベンズイソフリル(benzisofuryl)、ベンゾチエニル、ベンズイソチエニル(benzisothienyl)、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソチアゾリル(benzisothiazolyl)、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル(benzisoxazolyl)、ベンズイミダゾリル(benzimidazolyl)、2,1,3−ベンズオキサジアゾール(2,1,3−benzoxadiazole)、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、ベンゾトリアジニル、プリニル、プテリジニル及びインドリジニルが含まれる。ヘテロ芳香族基の好ましい例には、ピリジル、ピリミジル、トリアジニル、チエニル、フリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、2,1,3−ベンズオキサジアゾール及びチアゾリルが含まれる。
【0015】
存在する場合には、アリール又はヘテロアリール上の所望による置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ロダノ、イソチオシアナト、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ−(C1〜6)アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6ハロアルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル(それ自体、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、C5〜7シクロアルケニル(それ自体、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、ヒドロキシ、C1〜10アルコキシ、C1〜10アルコキシ(C1〜10)アルコキシ、トリ(C1〜4)アルキル−シリル(C1〜6)アルコキシ、C1〜6アルコキシカルボニル(C1〜10)アルコキシ、C1〜10ハロアルコキシ、アリール(C1〜4)アルコキシ(アリール基は、ハロゲン又はC1〜6アルキルで所望により置換されている)、C3〜7シクロアルキルオキシ(当該シクロアルキル基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、C2〜10アルケニルオキシ、C2〜10アルキニルオキシ、メルカプト、C1〜10アルキルチオ、C1〜10ハロアルキルチオ、アリール(C1〜4)アルキルチオ、C3〜7シクロアルキルチオ(当該シクロアルキル基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、トリ(C1〜4)−アルキルシリル(C1〜6)アルキルチオ、アリールチオ、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6ハロアルキルスルホニル、C1〜6アルキルスルフィニル、C1〜6ハロアルキルスルフィニル、アリールスルホニル、C1〜10アルキルカルボニル、ヒドロキシカルボニル、C1〜10アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1〜6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1〜6アルキル)−アミノカルボニル、N−(C1〜3アルキル)−N−(C1〜3アルコキシ)アミノカルボニル、C1〜6アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、C1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ(C1〜6)アルキルアミノカルボニルオキシ、アリール(それ自体、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、ヘテロアリール(それ自体、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、ヘテロシクリル(それ自体、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、アリールオキシ(アリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、ヘテロアリールオキシ(当該ヘテロアリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、ヘテロシクリルオキシ(当該ヘテロシクリル基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミノ、C1〜6アルキルカルボニルアミノ、C1〜6アルキルカルボニル−N−(C1〜6)アルキルアミノ、アリールカルボニル(当該アリール基は、それ自体、ハロゲン又はC1〜6アルキルで所望により置換されている)から独立して選択されるか、あるいはアリール又はヘテロアリール系上の2つの隣接する位置が環化して、それ自体、ハロゲン又はC1〜6アルキルで所望により置換されている、4,5,6又は7員の炭素環式環又は複素環を形成することができる。アリール又はヘテロアリールに関するさらなる置換基には、アリールカルボニルアミノ(当該アリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで置換されている)、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ、C1〜6アルコキシカルボニル−N−(C1〜6)アルキルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ(当該アリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで置換されている)、アリールオキシカルボニル−N−(C1〜6)アルキルアミノ(当該アリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで置換されている)、アリールスルホニルアミノ(当該アリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで置換されている)、アリールスルホニル−N−(C1〜6)アルキルアミノ(当該アリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで置換されている)、アリール−N−(C1〜6)アルキルアミノ(当該アリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで置換されている)、アリールアミノ(当該アリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで置換されている)、ヘテロアリールアミノ(当該ヘテロアリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで置換されている)、ヘテロシクリルアミノ(当該ヘテロシクリル基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで置換されている)、アミノカルボニルアミノ、C1〜6アルキルアミノカルボニルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミノカルボニルアミノ、アリールアミノカルボニルアミノ(当該アリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで置換されている)、アリール−N−(C1〜6)アルキルアミノカルボニルアミノ(当該アリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで置換されている)、C1〜6アルキルアミノカルボニル−N−(C1〜6)アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミノカルボニル−N−(C1〜6)アルキルアミノ、アリールアミノカルボニル−N−(C1〜6)アルキルアミノ(当該アリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで置換されている)及びアリール−N−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル−N−(C1〜6)アルキルアミノ(当該アリール基は、C1〜6アルキル又はハロゲンで置換されている)が含まれる。
【0016】
用語「複素環」及び「ヘテロシクリル」は、O,S及びNから選択される、1又は2以上(好ましくは、1又は2)のヘテロ原子を含む、最大10個の原子を含む、非芳香族(好ましくは、単環式又は二環式)の環系を指す。上記環の例には、1,3−ジオキソラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、モルホリン、チオモルホリン及びピペラジンが含まれる。
存在する場合には、ヘテロシクリル上の所望による置換基には、C1〜6アルキル及びC1〜6ハロアルキル、オキソ基(環内の炭素原子の1つを、ケト基の状態とすることができる)、並びにアルキル部分に関して上述される所望による置換基が含まれる。
【0017】
シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが含まれる。シクロアルキルアルキルは、好ましくは、シクロプロピルメチルである。シクロアルケニルには、シクロペンテニル及びシクロヘキセニルが含まれる。
存在する場合には、シクロアルキル又はシクロアルケニル上の所望による置換基には、C1〜3アルキル、並びにアルキル部分に関して上述される所望による置換基が含まれる。
炭素環には、アリール、シクロアルキル及びシクロアルケニル基が含まれる。
【0018】
置換されたフェニル部分、ヘテロシクリル及びヘテロアリール基に関して、1つ又は2つ以上の置換基が、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルスルフィニル、C1〜6ハロアルキルスルフィニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6ハロアルキルスルホニル、C2〜6アルケニル、C2〜6ハロアルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシカロニル(caronyl)、C1〜6アルキルカルボニル、C1〜6アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、C1〜6アルキルアミノカルボニル、又はジ(C1〜6アルキル)アミノカルボニルから独立して選択されることが好ましい。
【0019】
ジアルキルアミノ置換基は、ジアルキル基が、それらが結合されているN原子と共に、5,6又は7員の複素環(O,N又はSから選択される1又は2つのさらなるヘテロ原子を含むことができ、そして1つ、又は独立して選択される2つの(C1〜6)アルキル基により所望により置換されている)を形成するものを含むことが理解されるべきである。複素環がN原子上の2つの基を連結することにより形成される場合には、得られる環は、好適には、ピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペラジン、チオモルホリン及びモルホリン(1つ、又は独立して選択される2つの(C1〜6)アルキル基により置換されていてもよい)である。
【0020】
好ましくは、アルキル部分上の所望による置換基には、1又は2以上のハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1〜10アルコキシ(それ自体、C1〜10アルコキシにより所望により置換されている)、アリール(C1〜4)アルコキシ、C1〜10アルキルチオ、C1〜10アルキルカルボニル、C3〜5シクロアルキルカルボニル、C1〜10アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルアミノカルボニル、ジ−(C1〜6アルキル)−アミノカルボニル、C1〜6アルキルカルボニルオキシ、所望により置換されているフェニル、ヘテロアリール、アリールオキシ、アリールカルボニルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、C3〜7シクロアルキル(それ自体、(C1〜6)アルキル又はハロゲンで所望により置換されている)、C3〜7シクロアルキルオキシ、C5〜7シクロアルケニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルスルフィニル、トリ(C1〜4)アルキルシリル、トリ(C1〜4)アルキルシリル(C1〜6)アルコキシ、アリールジ(C1〜4)アルキルシリル、(C1〜4)アルキルジアリールシリル及びトリアリールシリルが含まれる。
【0021】
好ましくは、アルケニル又はアルキニル上の所望による置換基には、1又は2以上のハロゲン、アリール及びC3〜7シクロアルキルが含まれる。
ヘテロシクリルに関する特に好ましい所望による置換基は、C1〜3アルキルである。
好ましくは、シクロアルキルに関する所望による置換基には、ハロゲン、シアノ及びC1〜6アルキルが含まれる。
シクロアルケニルに関する所望による置換基には、C1〜3アルキル、ハロゲン及びシアノが含まれることが好ましい。
【0022】
本発明の特に好ましい実施形態において、式(I)の化合物において、R1,R2,R3、及びZに関する好ましい基は、それらの任意の組み合わせにおいて、下記に詳述される。
好ましい実施形態では、R1は、C1〜5アルキルである。さらに好ましくは、R1は、C2〜4アルキルである。さらにいっそう好ましくは、R1は、エチル、n−プロピル、n−ブチル又はi−プロピルである。最も好ましくは、R1は、エチル又はn−プロピルである。
ある実施形態では、R2は、C1〜5アルキル、C1〜5ハロアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5ハロアルケニル、C2〜5アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜5アルコキシ、C1〜5ハロアルコキシ、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル、C1〜5アルキルチオ、C1〜5ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロ、又はホルミルである。
【0023】
さらに好ましい実施形態では、R2は、C1〜2アルキル、c−プロピル、C1〜2ハロアルキル、C2〜3アルケニル、C2〜3ハロアルケニル、又は−CH=NR18基であり、ここでR18は、ヒドロキシ又はメトキシである。最も好ましくは、R2はメチルである。
好ましい実施形態では、R3は、C1〜2ハロアルキルである。さらに好ましくは、R3は、フルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルである。最も好ましくは、R3は、トリフルオロメチルである。
【0024】
式(I)の化合物の好ましい基において、Zは、水素;シアノ;ホルミル;所望により置換されているC1〜6アルキル;C3〜6アルケニル;C3〜6ハロアルケニル;C3〜6アルキニル;C1〜6アルキルチオ;C1〜6ハロアルキルチオ;C1〜6シアノアルキルチオ;所望により置換されているフェニルチオ(上記置換は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル及びC1〜3アルコキシから選択される);C1〜6アルキルジチオ;ジ(C1〜4アルキル)アミノチオ;所望により置換されているC1〜6アルキルカルボニル(上記置換は、ハロゲン、シアノ及びC1〜3アルコキシから選択される);C2〜6アルケニルカルボニル;C3〜6シクロアルキルカルボニル;所望により置換されているフェニルカルボニル(上記置換は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル及びC1〜3アルコキシから選択される);所望により置換されているヘテロアリールカルボニル(上記置換は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル及びC1〜3アルコキシから選択される);C1〜6アルコキシカルボニル;C1〜6アルキルチオ−カルボニル;所望により置換されているフェニルチオ−カルボニル(上記置換は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル及びC1〜3アルコキシから選択される);N,N−ジC1〜3アルキルアミノカルボニル;C1〜3アルキルアミノカルボニル;C3〜5アルケニルアミノカルボニル;C3〜5アルキニルアミノカルボニル;フェニルアミノカルボニル(上記フェニル基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されている);N−フェニル−N−メチルアミノカルボニル(上記フェニル基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されている);C1〜6アルコキシチオノカルボニル;C1〜6アルキルチオチオノカルボニル;ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されているフェニルチオチオノカルボニル;N,N−ジC1〜3アルキルアミノチオノカルボニル;C1〜3アルキルアミノチオノカルボニル;フェニルアミノチオノカルボニル(上記フェニル基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されている);N−フェニル−N−メチルアミノチオノカルボニル(上記フェニル基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されている);C1〜3アルキルスルホニル;C1〜3ハロアルキルスルホニル;C1〜3アルケニルスルホニル;ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されているフェニルスルホニル;N,N−ジC1〜3アルキルアミノスルホニル;ジC1〜3アルコキシ−P(=O)−;ジC1〜3アルキルチオ−P(=O)−;ジC1〜3アルコキシ−P(=S)−;ジC1〜3アルキルチオ−P(=S)−;(C1〜3アルコキシ)(フェニル)P(=O)−;(C1〜3アルコキシ)(フェニル)P(=S)−;C1〜3アルキル−N=CH−;C1〜3アルコキシ−N=CH−;シアノ−N=CH−;フェニル−N=CH−(上記フェニル基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されている);2−ピリジル−N=CH−;3−ピリジル−N=CH−;2−チアゾリル−N=CH−;又は式(II)の化合物(Bが、S−又はCH2−である)であり、そしてZが所望により置換されているC1〜6アルキル基の場合には、上記置換は、下記から選択される:1〜7個のフッ素原子;1〜3個の塩素原子;1〜3個の臭素原子;シアノ基;1〜2個のC1〜3アルコキシ基;C1〜3ハロアルコキシ基;C1〜3アルキルチオ基;C1〜3ハロアルキルチオ基;アリルオキシ基;プロパルギルオキシ基;C3〜6シクロアルキル基;フェニル基(上記フェニル基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシで所望により置換されている);C1〜3アルキルカルボニルオキシ基;C1〜3アルコキシカルボニル基;C1〜3アルキルカルボニル基;及び所望により置換されているベンゾイル(上記置換は、ハロゲン、ニトロ、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ及びシアノ基から選択される)。
【0025】
さらに好ましくは、Zは、下記から選択される:水素;シアノ;ホルミル;C1〜3アルキル;C1〜3ハロアルキル;C1〜3シアノアルキル;C1〜3アルコキシ−C1〜3アルキル;C1〜3ベンジルオキシ−C1〜3アルキル;アリル;プロパルギル;C1〜6アルキルチオ;C1〜6ハロアルキルチオ;ハロゲン、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシで所望により置換されているフェニルチオ;C1〜6アルキルカルボニル;ハロゲン、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシで所望により置換されているフェニルカルボニル;C1〜6アルコキシカルボニル;C1〜3アルキルアミノカルボニル;フェニルアミノカルボニル(上記フェニル基は、ハロゲン、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシで所望により置換されている);C1〜3アルキルアミノチオノカルボニル;フェニルアミノチオノカルボニル(上記フェニル基は、ハロゲン、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシで所望により置換されている);C1〜3アルキルスルホニル;C1〜3ハロアルキルスルホニル;ジC1〜3アルコキシ−P(=O)−;C1〜3アルコキシ−N=CH−;シアノ−N=CH−;及び2−ピリジル−N=CH−。
最も好ましくは、Zは水素である。
【0026】
以下に記載される化合物は、本発明の新規な化合物の実例である。
表1は、次の式Ia:
【化3】

(式中、R2及びR3の値が、表1に与えられる)
の56個の化合物を提供する。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
次の式Ib:
【化4】

(式中、R2及びR3の値は、化合物I−1〜I−56に関して、表1に与えられる通りである)
の56個の化合物が、それぞれ、化合物番号II−1〜II−56として表わされる。
【0030】
次の式Ic:
【化5】

(式中、R2及びR3の値は、化合物I−1〜I−56に関して、表1に与えられる通りである)
の56個の化合物が、それぞれ、化合物番号III−1〜III−56として表わされる。
【0031】
次の式Id:
【化6】

(式中、R2及びR3の値は、化合物I−1〜I−56に関して、表1に与えられる通りである)
の56個の化合物が、それぞれ、化合物番号IV−1〜IV−56として表わされる。
【0032】
表2は、次の式Ie:
【化7】

(式中、R1及びZの値は、以下の表2に与えられる)
の194個の化合物を提供する。
【0033】
【表3】

【0034】
【表4】

【0035】
【表5】

【0036】
【表6】

【0037】
次の式If:
【化8】

(式中、R1及びZの値は、化合物V−1〜V−194に関して、表2に与えられる通りである)
の194個の化合物が、それぞれ、化合物VI−1〜VI−194と称される。
【0038】
次の式Ig:
【化9】

(式中、R1及びZの値は、化合物V−1〜V−194に関して、表2に与えられる通りである)
の194個の化合物が、それぞれ、化合物VII−1〜VII−194と称される。
【0039】
次の式Ih:
【化10】

(式中、R1及びZの値は、化合物V−1〜V−194に関して、表2に与えられる通りである)
の194個の化合物が、それぞれ、化合物VIII−1〜VIII−194と称される。
【0040】
次の式Ii:
【化11】

(式中、R1及びZの値は、化合物V−1〜V−194に関して、表2に与えられる通りである)
の194個の化合物が、それぞれ、化合物IX−1〜IX−194と称される。
【0041】
次の式Ij:
【化12】

(式中、R1及びZの値は、化合物V−1〜V−194に関して、表2に与えられる通りである)
の194個の化合物が、それぞれ、化合物X−1〜X−194と称される。
【0042】
下記の表3は、上述の化合物のいくつかに関する、特徴とするデータを提供する;他の化合物は、特徴とするデータのこの表にのみ記載されている。
【0043】
【表7】

【0044】
本発明の化合物は、種々の方法、例えば、以下に記載されるものにより調製されうる。
式Iの化合物(式中、Zは、Hでない)は、適切な試薬を用いて処理することにより、式Iの化合物(式中、ZがHではない)から調製されうる。Zの性質にもよるが、これは、例えば、アルキル化剤、アシル化剤、カルバモイル化剤、リン酸化剤、スルフェニル化剤(sulfenylating agent)又は酸化剤でありうる。これらの誘導体化剤は、一般的に、求電子試薬である。NH基をNZ基に転換する方法は、例えば、T.W.Greene及びP.G.M.Wuts「Protecting Groups in Organic Synthesis」3rd Edition,Wiley,NY 1999に見出されうる。
【0045】
【化13】

【0046】
式Iの化合物は、次の式3の2−ハロアルキルイミダゾリンを用いて、次の式2のフェノールをアルキル化することにより調製されうる(J.Am.Chem.Soc.1947,69,1688)。
【化14】

【0047】
式Iの化合物は、式5のジアミンを用いて処理することにより、式4のニトリルから調製されうる(ここで、Zは、上述の意味を有する)。これは、有利には、触媒、例えば、CS2、P25(J.of Med.Chem.,2003 46,1962)又はNa24(ドイツ国特許第2512513号明細書)の存在下で実施される。ニトリル4は、アルコール(例えば、メタノール)及び触媒量の塩基(例えば、NaOH)を用いて、式6のイミデート、又はアルコール(例えば、メタノール又はエタノール)及び酸(例えば、HCl)を用いて式6のイミデートに転換されうる。式6のイミデートは、式5のジアミンを用いた処理の際に、式Iの化合物に転換されうる(J.of Med.Chem.,2004,47,6160;J.Am.Chem.Soc.1947,69,1688)。式4のニトリルは、脱離基L1を有する、式8のニトリルを用いて、式2のフェノールをアルキル化することにより調製されうる(J.Am.Chem.Soc.1947,69,1688)。
【0048】
【化15】

【0049】
式4の化合物(式中、R1は、C1〜10アルキルであり;R2は、C1〜5アルキル、C1〜5ハロアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5ハロアルケニル、C2〜5アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜5アルコキシ、C1〜5ハロアルコキシ、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル、C1〜5アルキルチオ、C1〜5ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロ又はホルミルであり;そしてR3は、C1〜5ハロアルキル、ヒドロキシ−C1〜6アルキル、又はホルミルである)が、式Iの化合物の合成のための中間体として特に設計され、ひいては、本発明のさらなる態様を形成する。
【0050】
【表8】

【0051】
式7のエステルは、式5のジアミンを用いた処理により、式Iのイミダゾリンに転化されうる(J.Am.Chem.Soc.1950,72,4443−5)。この反応を促進する優位性を有するアルキルアルミニウム試薬が用いられうる。この転換は、式Iのイミダゾリンへの前駆体としてはたらくことができるモノアミド10を最初に形成することによる、2ステップにおいて生ずる。式7のエステルは、式9のエステル(式中、L2は脱離基であり、そしてRxxは、所望により置換されているアルキル又はアリール基(典型的にはC1〜6アルキル、フェニル又はベンジル)である)を用いて、式2のフェノールをアルキル化することにより調製されうる。
【0052】
脱離基L1及びL2は、概して、SN2反応に用いられるものである。L1及びL2は、それらの基部8及び9から脱離する際に、有機酸又は無機酸のアニオンになる。典型的な脱離基は、例えば、ハライド、例えば、塩素又は臭素、アルキルスルホネート、例えば、メシレート、及びアリールスルホネート、例えば、p−トシレートである。
【0053】
【化16】

【0054】
式Iの化合物は、R1基の導入により、式11のイミダゾリンから調製されうる。これは、11を塩基で処理し、続いてR1基を導入することができる求電子試薬を用いて処理することによりなされうる。典型的な求電子試薬は、ハライド、例えば、R1−Cl、R1−Br、又はR1−Iであることができる。典型的な塩基は、n−ブチルリチウム又はメシチル−リチウムであることができる。Z基は、必要に応じて除去することができる保護基、例えば、tBuOC(O)又は(CH33Siであることができ、そして種々のZ基を、所望により、上述のように結合させることができる。
【0055】
【化17】

【0056】
式(2),(3),(5),(8)及び(9)の化合物は、公知の化合物であるか、又は当業界に慣用であり、そして当業者によく知られている方法を用いて、公知の化合物から簡易に得られる。式(11)の化合物(式中、R3及びZが、本明細書の上記に規定される通りであり、そしてR2は、C2〜5アルキル、C1〜5ハロアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5ハロアルケニル、C2〜5アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜5アルコキシ、C1〜5ハロアルコキシ、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル、C1〜5アルキルチオ、C1〜5ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロ又はホルミルである)が新規である。これらの新規な中間体が、本発明のさらなる態様を形成する。
【0057】
本発明の第2の態様では、式(I)の化合物を用いて、害虫、例えば、鱗翅目(Lepidoptera)、双翅目(Diptera)、半翅目(Hemiptera)、総翅目(Thysanoptera)、直翅目(Orthoptera)、ジクチオプテラ(Dictyoptera)、甲虫類(Coleoptera)、ノミ目(Siphonaptera)、膜翅目(Hymenoptera)及び等翅目(Isoptera)及び他の無脊椎の害虫、例えば、コナダニ、線虫及び軟体動物害虫の蔓延を防除し、そして抑制するために用いられうる。昆虫、コナダニ、線虫及び軟体動物を、本明細書の以下において、集合的に害虫と称する。
【0058】
用語「防除する(combat)」又は「防除している(combating)」は、式(I)の化合物が、作物又は作物の位置の害虫の発生を予防又は阻害するために用いられうることを意味する。発生の水準は、当業者に公知の適切な方法により評価されうる。発生の阻害は、式(I)の化合物で処理されていない作物/作物の位置において観察又は予測される発生の水準と比較して、式(I)の化合物で処理された作物/作物の位置における発生の水準が低いところで観察される。
【0059】
用語「抑制する(control)」又は「抑制している(controlling)」は、害虫が、忌避され、給餌することができず、繁殖することができず、そして/又は殺生されることを意味する。従って、本発明の方法は、上記害虫を忌避するために十分である活性成分の量(すなわち、防虫剤として効果的な量の活性成分)、害虫への給餌を停止するために十分な活性成分の量、繁殖を阻害するために十分な活性成分の量(例えば、産卵又は排卵を阻害することにより、又は殺卵性作用を媒介することにより)の使用を含むことができ、又は本発明の方法は、殺虫剤として、殺線虫剤として、若しくは殺軟体動物剤として効果的な量の活性成分(すわなち、上記害虫を殺生するために十分な量)の使用を含むことができ、あるいは本発明の方法は、上記作用の任意の組み合わせを含むことができる。
【0060】
本発明の化合物の使用により防除及び抑制されうる害虫には、農業(当該用語は、食品、燃料、及び繊維製品用の作物の生長を含む)、園芸及び畜産、コンパニオンアニマル、林業及び野菜起源(例えば、果物、穀類及び材木)の生成物の貯蔵に関連する害虫;人工建造物のダメージ及び人類及び動物の病気の伝染に関連する害虫;並びに有害な害虫(例えば、ハエ)が含まれる。
【0061】
式(I)の化合物により抑制されうる害虫の種類の例には、下記が含まれる:ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae)(アブラムシ)、アフィス・ゴシピイ(Aphis gossypii)(アブラムシ)、アフィス・ファバエ(Aphis fabae)(アブラムシ)、リグス(Lygus)spp.(カプシド)、ディシデルクス(Dysdercus)spp.(カプシド)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)(ウンカ)、ネホテチック・インクチセプス(Nephotettixc incticeps)(ヨコバイ)、ネザラ(Nezara)spp.(スティンクバグ(stinkbug))、エウスチスツス(Euschistus)spp.(スティンクバグ(stinkbug))、レプトコリサ(Leptocorisa)spp.(スティンクバグ(stinkbug))、フランクキニエラ・オシデンタリス(Frankliniella occidentalis)(アザミウマ)、スリップ(Thrip)spp.(アザミウマ)、レプチノタルサ・デセムィネアタ(Leptinotarsa decemlineata)(コロラドハムシ)、アンソノムス・グランディス(Anthonomus grandis)(ワタミハナゾウムシ)、アオニディエラ(Aonidiella)spp.(カイガラムシ)、トリアレウロデス(Trialeurodes)spp.(コナジラミ)、ベミシア・タバシ(Bemisia tabaci)(コナジラミ)、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)(アワノメイガ)、スポドプテラ・リットライリス(Spodoptera littoralis)(コットンリーフワーム(cotton leafworm))、ヘリオシス・ビレセンス(Heliothis virescens)(タバコバドウォーム)、ヘリコベルパ・アーミゲラ(Helicoverpa armigera)(オオタバコガ)、ヘリコベルパ・ゼア(Helicoverpa zea)(オオタバコガ)、シレプタ・デロガタ(Sylepta derogata)(ワタノメイガ)、ピエリス・ブラッシカエ(Pieris brassicae)(ホワイトバタフライ(white butterfly))、プルテッラ・キシロステラ(Plutella xylostella)(コナガ)、アグロチス(Agrotis)spp.(ヨトウムシ)、チロ・スップレッサリス(Chilo suppressalis)(ライス・ステム・ボレラ(rice stem borer))、ローカスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria)(バッタ)、コルティオセテス・テルミニヘラ(Chortiocetes terminifera)(バッタ)、ディアブロティカ(Diabrotica)spp.(ネクイムシ)、パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)(リンゴハダニ)、パノニクス・シトリ(Panonychus citri)(ミカンハダニ)、テトラニクス・ウルティカエ(Tetranychus urticae)(ナミハダニ)、テトラニクス・ニンナバリヌス(Tetranychus cinnabarinus)(ニセナミハダニ)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)(シトラス・ルスト・マイト(citrus rust mite))、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)(チャノホコリダニ)、ブレビパルプス(Brevipalpus)spp.(ブロード・マイト(broad mite))、ボオフィルス・ミクロプルス(Boophilus microplus)(ウシダニ)、デルマデントル・バリアビリス(Dermacentor variabilis)(アメリカイヌカクマダニ)、クテノセファリデス・ドメスチカ(Ctenocephalides felis)(ネコノミ)、リリオミザ(Liriomyza)spp.(葉潜り虫)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)(イエバエ)、アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti)(蚊)、アノフェレス(Anopheles)spp.(蚊)、クレックス(Culex)spp.(蚊)、ルシッリア(Lucillia)spp.(クロバエ)、ブラッテッラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)(ゴキブリ)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)(ゴキブリ)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)(ゴキブリ)、マストテルミチダエ(Mastotermitidae)(例えば、マストテルメス(Mastotermes)spp.)、カロテルミチダエ(Kalotermitidae)(例えば、ネオテルメス(Neotermes)spp.)、リノテミチダエ(Rhinotermitidae)(例えば、コプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、R.スペラツ(speratu)、R.バージニカス(virginicus)、R.ヘスペルス(hesperus)、及びR.サントネンシス(santonensis))及びテルミチダエ(Termitidae)(例えば、グロビテルメス・サルファレウス(Globitermes sulphureus))のシロアリ、ソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminata)(ハリアリ)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)(イエヒメアリ)、ダマリニア(Damalinia)spp.及びリノグナツス(Linognathus)spp.(バイティング・アンド・サッキング・ライス(biting and sucking lice)、及びデロセラス・レチクラツム(Deroceras reticulatum)(ナメクジ)。
【0062】
従って、本発明は、昆虫、コナダニ又は軟体動物を防除及び抑制する方法を提供し、当該方法は、殺虫剤として、殺ダニ剤として又は軟体動物駆除剤として効果的な量の式(I)の化合物、あるいは式(I)の化合物を含む組成物を、害虫、害虫の位置、又は害虫により浸食される余地がある植物に施用することを含む。式(I)の化合物は、昆虫又はダニに対して用いられることが好ましい。
本明細書において、用語「植物」は、種、苗木、低木及び木を含む。
【0063】
特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物及び当該化合物を含む組成物は、半翅目(Hemiptera)、鱗翅目(Lepidoptera)、甲虫類(Coleoptera)、総翅目(Thysanoptera)、双翅目(Diptera)、ブラットッデア(Blattodea)、等翅目(Isoptera)、ノミ目(Siphonaptera)、膜翅目(Hymenoptera)、及び/又は直翅目(Orthoptera)の順における昆虫を抑制及び防除する方法において用いられる。ある実施形態では、上記化合物及び組成物は、半翅目(Hemiptera)、鱗翅目(Lepidoptera)、甲虫類(Coleoptera)、総翅目(Thysanoptera)、又は双翅目(Diptera)を抑制及び防除するために特に有用である。さらなる実施形態では、上記化合物及び組成物は、鱗翅目(Lepidoptera)、総翅目(Thysanoptera)、等翅目(Isoptera)、ノミ目(Siphonaptera)、膜翅目(Hymenoptera)、又は直翅目(Orthoptera)の抑制及び防除において特に有用である。式(I)の化合物、及びこれらの化合物を含む組成物は、半翅目(Hemiptera)の昆虫に対して用いられることが特に好ましい。
【0064】
式(I)の化合物を、殺虫剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤又は軟体動物駆除剤として、害虫、害虫の位置、又は害虫により浸食される余地がある植物に施用するために、式(I)の化合物は、通常、式(I)の化合物に加えて、好適な不活性希釈剤又はキャリア、及び所望による界面活性剤(SFA)を含む組成物に処方される。好適な不活性希釈剤又はキャリアは、例えば、一定の製剤種に関して、本明細書に記載され、ひいては上記用語は、固形希釈剤、無機系水溶性塩、水溶性有機固体等、並びに簡素な希釈剤、例えば、水及び/又はオイルを含む。SFAは、界面張力を下げることにより、界面(例えば、液体/固体、液体/空気、又は液体/液体界面)の特性を改良することができる化学物質であり、それにより他の特性(例えば、分散、乳化及び湿潤)に変化がもたらされる。全ての組成物(固体及び液体配合物の両方)が、0.0001〜95質量%、さらに好ましくは1〜85質量%、例えば5〜60質量%の式(I)の化合物を含むことが好ましい。上記組成物は、式(I)の化合物が、0.1g〜10kg/ヘクタール、好ましくは1g〜6kg/ヘクタール、さらに好ましくは1g〜1kg/ヘクタールの割合で施用されるように、害虫を抑制するために用いられるのが一般的である。
【0065】
種子粉衣に用いられる場合、式(I)の化合物は、種子1kg当たり、0.0001g〜10g(例えば、0.001g又は0.05g)、好ましくは0.005g〜10g、さらに好ましくは0.005g〜4gの割合で用いられる。
別の態様では、本発明は、殺虫剤として、殺ダニ剤として、殺線虫剤として又は軟体動物駆除剤として効果的な量の式(I)の化合物と、それらのために好適なキャリア又は希釈剤とを含む、殺虫性、殺ダニ性、殺線虫性又は殺軟体動物性組成物を提供する。上記組成物は、好ましくは、殺虫性、殺ダニ性、殺線虫性又は殺軟体動物性組成物である。
【0066】
さらなる態様では、本発明は、殺虫剤として、殺ダニ剤として、殺線虫剤として又は軟体動物駆除剤として効果的な量の式(I)の化合物を含む組成物を用いて、害虫又は外注の位置を処理することを含む、上記位置における害虫を防除及び抑制する方法を提供する。上記組成物は、昆虫、コナダニ又は線虫に対して用いられることが好ましい。
【0067】
上記組成物は、複数の製剤種、例えば、粉剤(DP)、水溶剤(SP)、顆粒水溶剤(SG,water soluble granule)、顆粒水和剤(WG,water dispersible granule)、水和剤(WP)、粒剤(GR)(徐放又は即放)、液剤(SL)、油剤(OL)、微量散布用液剤(ultra low volume liquid)(UL)、乳剤(EC)、分散製剤(DC,dispersible concentrate)、乳剤(水中油型(EW)及び油中水型(EO)の両方)、マイクロエマルジョン製剤(ME)、ゾル剤(SC)、エアロゾル製剤、噴霧/煤煙製剤、カプセル懸濁液剤(CS,capsule suspension)及び種子処理製剤から選択されうる。任意の例において選択される製剤種は、想定される特定の用途、並びに式(I)の化合物の物理的、化学的及び生物学的性質によって決まるであろう。
【0068】
粉剤(DP)は、式(I)の化合物を、1種又は2種以上の固形希釈剤(例えば、天然粘土、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、チョーク、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム及びマグネシウム、硫黄、石灰、穀粉、タルク、並びに他の有機系及び無機系固体キャリア)と混合し、そして当該混合物を微粉に、機械的に磨砕することにより調製されうる。
【0069】
水溶剤(SP)は、式(I)の化合物を、1種若しくは2種以上の水溶性無機塩(例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム又は硫酸マグネシウム)、又は1種若しくは2種以上の水溶性有機系固体(例えば、多糖類)、及び水分散性/溶解性を改良するための、所望による、1種又は2種以上の湿潤剤、1種又は2種以上の分散剤、又は上記薬剤の混合物と混合することにより調製されうる。次いで、当該混合物を微粉に粉砕する。同様の組成物をまた、粒状にし、顆粒水溶剤(SG)を形成することができる。
【0070】
水和剤(WP)は、式(I)の化合物を、1種又は2種以上の固形希釈剤又はキャリア、1種又は2種以上の湿潤剤、及び、好ましくは、1種又は2種以上の分散剤、及び、所望による、1種又は2種以上の懸濁化剤(液体への分散を促進するため)と混合することにより調製されうる。次いで、当該混合物を微粉に粉砕する。同様の組成物をまた、粒状にし、顆粒水和剤(WG)を形成することができる。
【0071】
粒剤(GR)は、式(I)の化合物及び1種又は2種以上の粉末化された固形希釈剤又はキャリアの混合物を粒状にすること(又は多孔質の粒状材料(例えば、軽石、アタパルガイト粘土、フラー土、珪藻土、珪藻土又は粉砕されたトウモロコシの穂軸)内で式(I)の化合物(又は好適な薬剤内のそれらの溶液)から)、あるいは式(I)の化合物(又は好適な薬剤内のそれらの溶液)を、硬い芯の材料(例えば、砂、シリケート、無機炭酸塩、硫酸塩又はリン酸塩)上に吸着させ、必要に応じて乾燥することのどちらかにより形成されうる。吸収又は吸着を補助するために一般的に用いられる薬剤には、溶媒(例えば、脂肪族及び芳香族系石油溶媒、アルコール、エーテル、ケトン及びエステル)及び固着剤(例えば、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖及び植物油)が含まれる。1種又は2種以上の他の添加剤(例えば、乳化剤、湿潤剤又は分散剤)がまた、粒剤に含まれうる。
【0072】
分散製剤(DC)は、式(I)の化合物を、水又は有機溶媒、例えば、ケトン、アルコール又はグリコールエーテルに溶解することにより調製されうる。これらの溶液には、界面活性剤(例えば、水希釈物を改良するため、又はスプレー槽内の晶出を予防するため)が含まれうる。
【0073】
乳剤(EC)又は水中油型乳剤(EW)は、式(I)の化合物を、有機溶媒(所望により、1種又は2種以上の湿潤剤、1種又は2種以上の乳化剤、あるいは上記薬剤の混合物を含む)に溶解することにより調製されうる。ECにおいて用いるために好適な有機溶媒には、芳香族系炭化水素(例えば、アルキルベンゼン又はアルキルナフタレン、SOLVESSO 100,SOLVESSO 150及びSOLVESSO 200により例証される;SOLVESSOは、登録商標である)、ケトン(例えば、シクロヘキサノン又はメチルシクロヘキサノン)及びアルコール(例えば、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール又はブタノール)、N−アルキルピロリドン(例えば、N−メチルピロリドン又はN−オクチルピロリドン)、脂肪酸のジメチルアミド(例えば、C8〜C10脂肪酸ジメチルアミド)及び塩素化炭化水素が含まれる。EC製品は、水を添加すると自発的に乳化し、適切な装置を介してスプレー施用を可能とする十分な安定性を有する乳剤を製造することができる。EWの調製には、式(I)の化合物を、液体(式(I)の化合物が室温で液体でない場合には、妥当な温度、典型的には70℃未満で溶融させることができる)又は溶液(適切な溶媒に溶解させることにより)のどちらかとして得て、次いで、得られた液体又は溶液を、高せん断の下、1種又は2種以上のSFAを含む水に乳化し、乳剤を生成することが含まれる。EWにおいて用いるために好適な溶媒には、植物油、塩素化炭化水素(例えば、クロロベンゼン)、芳香族系溶媒(例えば、アルキルベンゼン又はアルキルナフタレン)及び水への溶解性が低い他の適切な有機溶媒が含まれる。特に好ましい実施形態では、式Iの化合物は、EC又はEW製剤として処方されるであろう。
【0074】
マイクロエマルション製剤(ME)は、水を、1種又は2種以上のSFAを有する1種又は2種以上の溶媒のブレンドと混合し、自発性の、熱力学的に安定な等方性の液体配合物を生成することにより調製されうる。式(I)の化合物は、水又は溶媒/SFAブレンドのどちらかの中に、当初は存在する。MEにおいて用いるために好適な溶媒には、EC又はEW内で用いるために本明細書に記載されるものが含まれる。MEは、水中油型又は油中水型系(存在する系は、導電性の測定により決定されうる)のどちらかであることができ、そして同一製剤内で水溶性及び油溶性農薬を混合するために好適である。MEは、マイクロエマルション製剤のままであるか、又は一般的な水中油型乳剤を形成するかのどちらかで、水中に希釈するために好適である。
【0075】
ゾル剤(SC)は、式(I)の化合物の、微細に分割された不溶性固体粒子の水性又は非水性懸濁物を含むことができる。SCは、所望により、1種又は2種以上の分散剤を用いて、好適な媒体内で、固形の式(I)の化合物をボール又はビーズ粉砕し、上記化合物の微粒子懸濁物を製造することにより調製されうる。1種又は2種以上の湿潤剤が、上記組成物に含まれることができ、そして懸濁化剤が、粒子が沈降する速度を低下するために含まれうる。あるいは、式(I)の化合物を、乾燥微粉砕し、そして本明細書に記載される薬剤を含む水に添加して、所望の最終製品を製造することができる。
【0076】
エアロゾル製剤は、式(I)の化合物と、好適な噴射剤(例えば、n−ブタン)とを含む。式(I)の化合物がまた、好適な媒体(例えば、水又は水混和性液体、例えば、n−プロパノール)に溶解又は分散され、非加圧式の、手動式スプレーポンプにおいて用いるための組成物を提供することができる。
【0077】
式(I)の化合物を、火工用混合物と乾燥状態で混合して、閉ざされた空間内で、上記化合物を含む煤煙を発生させるために好適な組成物を生成することができる。
【0078】
カプセル懸濁液剤(CS)は、EW製剤の調製と同様であるが、油滴の水性分散液が得られるような追加の重合段階を用いる様式において調製されることができ、そこでは、各油滴が高分子量シェルにより密閉され、そして式(I)の化合物と、所望によるそれら用のキャリア又は希釈剤とを含む。上記高分子量シェルは、界面の重縮合反応又はコアセルベーション手順のどちらかにより生成されうる。上記組成物は、式(I)の化合物の制御放出を提供することができ、そしてそれらは、種子処理のために用いられうる。式(I)の化合物はまた、生分解性ポリマーマトリックス内に処方され、上記化合物の遅い制御放出を提供することができる。
【0079】
組成物は、上記組成物(例えば、表面に対する湿潤性、保持性又は分布;処理された表面の雨に対する抵抗性;あるいは式(I)の化合物の取込み又は流動性を改良する)の生物系性能を改良するための1種又は2種以上の添加剤を含むことができる。上記添加剤は、界面活性剤、オイル、例えば、一定の鉱物油又は天然植物油(例えば、大豆及びナタネ種油)に基づくスプレー添加剤、及び生物強化(bio−enhancing)アジュバント(式(I)の化合物の作用を補助又は改良することができる材料)とのこれらのブレンドを含む。
【0080】
式(I)の化合物はまた、種子処理として、例えば、粉末組成物、例えば、乾燥種子処理(DS,dry seed treatment)、水溶剤(SS)又はスラリー処理用の水分散性粉末(WS,water dispersible powder for slurry treatment)用の粉末として、あるいは液状組成物、例えば、フロアブル製剤(FS,flowable concentrate)、液剤(LS)又はカプセル懸濁液剤(CS)として用いるために処方されうる。DS,SS,WS,FS及びLS組成物の調製は、それぞれ、上述のDP,SP,WP,SC及びDC組成物の調製と非常に似通っている。種子を処理するための組成物には、常時組成物の種子への付着を補助するための薬剤(例えば、鉱物油又はフィルム形成バリア)が含まれうる。
【0081】
湿潤剤、分散剤及び乳化剤は、カチオン性、アニオン性、両性又は非イオン性種のSFAであることができる。
カチオン性種の好適なSFAには、第4級アンモニウム化合物(例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド)、イミダゾリン及びアミン塩が含まれる。
【0082】
好適なアニオン性のSFAには、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化芳香族化合物の塩(例えば、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カルシウム、ブチルナフタレンスルホネート、並びにジイソプロピル-及びトリイソプロピル−ナフタレンスルホン酸ナトリウムの混合物)、エーテルスルフェート、アルコールエーテルスルフェート(例えば、ラウレス(laureth)−3−硫酸ナトリウム)、エーテルカルボキシレート(例えば、ラウレス−3−カルボン酸ナトリウム)、ホスフェートエステル(1種又は2種以上の脂肪アルコール及びリン酸(主にモノ−エステル)又は五酸化リン(主にジ−エステル)の間の反応からの生成物、例えば、ラウリルアルコール及びテトラリン酸の間の反応;さらに、これらの生成物は、エトキシ化されていてもよい)、スルホスクシナメート、パラフィン又はオレフィンスルホネート、タウレート及びリグノスルホネートが含まれる。
【0083】
両性種の好適なSFAには、ベタイン、プロピオネート及びグリシネートが含まれる。
非イオン性種の好適なSFAには、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物)の、脂肪アルコール(例えば、オレイルアルコール又はセチルアルコール)又はアルキルフェノール(例えば、オクチルフェノール、ノニルフェノール又はオクチルクレゾール)との縮合生成物、;長分子鎖脂肪酸又はヘキシトール無水物に由来する部分エステル;上記部分エステルの、エチレンオキシドとの縮合生成物;ブロックポリマー(エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含む);アルカノールアミド;簡素なエステル(例えば、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えば、ラウリルジメチルアミン酸化物);及びレシチンが含まれる。
【0084】
好適な懸濁化剤には、親水性コロイド(例えば、多糖類、ポリビニルピロリドン又はカルボキシメチルセルロースナトリウム)及び膨潤粘土(例えば、ベントナイト又はアタパルガイト)が含まれる。
【0085】
式(I)の化合物は、農薬化合物を施用する公知の手段により施用することができる。例えば、式(I)の化合物を、害虫、又は害虫の位置(例えば、害虫の生息場所、又は害虫の発生しやすい生長中の植物)に、又は植物の一部、例えば、葉、茎、枝又は根の一部に、又は蒔かれる前の種子、又は植物が生長するか又は植えられる他の媒体(例えば、根を囲む土壌、土壌、概して、水田の水、又は水耕栽培システム)に、直接、施用するか、処方するか、又は処方されないか、あるいは、式(I)の化合物を、スプレーするか、散布するか、ディッピングにより施用するか、クリーム又はペースト製剤として施用するか、蒸気として施用するか、又は組成物(例えば、粒状組成物、又は水溶性バッグ内に包まれた組成物)の、土壌又は水性環境内への分布又は導入を介して施用することができる。
【0086】
式(I)の化合物をまた、植物に注入するか、又は電気力学的技法若しくは他の少量法を用いて植物に施用するか、あるいは土地灌漑システム又は航空灌漑システムにより施用することができる。
【0087】
水性調製物(水性溶液又は分散液)として用いるための組成物は、一般的に、高比率の活性成分を含む濃縮物の状態で供給され、当該濃縮物は、使用前に水に添加される。DC,SC,EC,EW,ME,SG,SP,WP,WG及びCSを含むことができるこれらの濃縮物は、長期間の貯蔵に耐え、そして上記貯蔵の後、水に添加し、水性調製物(十分な期間、それらが、一般的なスプレー装置により施用されることができるように均質のままである)を形成できることが要求されることが多い。上記水性調製物は、それらが用いられるべき用途によって、種々の量の式(I)の化合物(例えば、0.0001〜10質量%)を含むことができる。
【0088】
式(I)の化合物は、肥料(例えば、窒素、カリウム又はリン含有肥料)との混合物中で用いられうる。好適な製剤種には、顆粒の肥料が含まれる。上記混合物は、好ましくは、最大25質量%の式(I)の化合物を含む。
従って、本発明はまた、肥料及び式(I)の化合物を含む肥料組成物を提供する。
本発明の組成物は、生物活性を有する他の化合物、例えば、微量元素、あるいは殺菌活性、又は植物生長調節活性、除草活性、殺虫活性、殺線虫活性若しくは殺ダニ活性を有する化合物を含むことができる。
【0089】
式(I)の化合物は、上記組成物の唯一の活性成分であることができ、又は式(I)の化合物は、必要に応じて、1種又は2種以上の追加の活性成分、例えば、農薬、殺菌剤、相乗剤、除草剤又は植物生長調節因子と混合されうる。追加の活性成分は、より広い範囲の活性又はある位置における高い持続性を有する組成物を提供することができ;式(I)の化合物の活性の相乗効果を示すか、又は活性を補完する(例えば、作用の速度を速くするか、又は忌避性を圧倒することにより)ことができ;あるいは個々の成分に対する抵抗性の進歩を克服するか又は予防することができる。特定の追加の成分は、上記組成物の意図される実用性によって決まるであろう。
好適な農薬の例には、下記が含まれる:
a)ピレスロイド、例えば、ペルメトリン、シペルメトリン、フェンバレラート、エスフェンバレレート、デルタメトリン、シハロトリン(特にλ−シハロトリン)、ビフェントリン、フェンプロパトリン、シフルトリン、テフルトリン、フィッシュセーフ(fish safe)ピレスロイド(例えば、エトフェンプロックス)、天然ピレトリン、テトラメトリン、s−ビオアレトリン(bioallethrin)、フェンフルトリン、プラレトリン又は5−ベンジル−3−フリルメチル−(E)−(1R,3S)−2,2−ジメチル−3−(2−オキソチオラン−3−イリデンメチル)シクロプロパンカルボキシレート;
b)オルガノホスフェート、例えば、プロフェノホス、スルプロホス、アセフェート、メチルパラチオン、アジンホスメチル、デメトン−s−メチル、ヘプテノホス、チオメトン、フェナミホス、モノクロトホス、プロフェノホス、トリアゾホス、メタミドホス、ジメトエート、ホスファミドン、マラチオン、クロルピリホス、ホサロン、テルブホス、フェンスルホチオン、ホノホス、ホレート、ホキシム、ピリミホスメチル、ピリミホス−エチル、フェニトロチオン、ホスチアゼート又はダイアジノン;
c)カルバメート(アリールカルバメートを含む)、例えば、ピリミカルブ、トリアザメート、クロエトカルブ(cloethocarb)、カルボフラン、フラチオカルブ、エチオフェンカルブ、アルジカルブ、チオフロックス(thiofurox)、カルボスルファン、ベンダイオカルブ、フェノブカルブ、プロポクサー、メトミル又はオキサミル;
d)ベンゾイルウレア、例えば、ジフルベンズロン、トリフルムロン、ヘキサフルムロン、フルフェノクススロン又はクロルフルアズロン;
e)有機スズ化合物、例えば、シヘキサチン、フェンブタチンオキシド又はアゾシクロチン;
f)ピラゾール、例えば、テブフェンピラド及びフェンピロキシメート;
g)マクロライド、例えば、アベルメクチン又はミルベマイシン、例えば、アバメクチン、エマメクチンベンゾエート、イベルメクチン、ミルベマイシン、スピノサッド又はアザジラクチン;
h)ホルモン又はフェロモン;
i)有機塩素化合物、例えば、エンドスルファン、ベンゼンヘキサクロリド、DDT、クロルダン又はジエルドリン;
j)アミジン、例えば、クロルジメホルム又はアミトラズ;
k)くん蒸剤、例えば、クロロピクリン、ジクロロプロパン、メチルブロミド又はメタム(metam);
l)ネオニコチノイド化合物、例えば、イミダクロプリド、チアクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、チアメトキサム又はスルホキサフロル(sulfoxaflor);
m)ジアシルヒドラジン、例えば、テブフェノジド、クロマフェノジド又はメトキシフェノジド;
n)ジフェニルエーテル、例えば、ジオフェノラン(diofenolan)又はピリプロキシフェン(pyriproxifen);
o)インドキサカルブ;
p)クロルフェナピル;又は
q)ピメトロジン、特にピメトロジン二水和物;
r)テトロン酸、例えば、スピロテトラマト、スピロジクロフェン、スピロメシフェン;
s)スピノシン、例えば、スピノサッド、又はスピネトラム;又は
t)アントラニル酸ジアミド(Anthranilic diamide)、例えば、フルベンジアミド、Cyazypyr(商標)又はRynaxypyr(商標)。
【0090】
上記列挙された農薬の主要な化学的分類に加えて、特定のターゲットを有する他の農薬を、上記組成物の目的とする実用性のために適切な場合、上記組成物内で用いることができる。例えば、特定の作物のための選択的な殺虫剤、例えば、ステムボラー(stemborer)用の特定の殺虫剤(例えば、カルタップ)、又は稲の中で用いるためのホッパー用特定の殺虫剤(例えば、ブプロフェジン)を用いることができる。あるいは、特定の昆虫種/ステージのための特定の殺虫剤又はダニ駆除剤がまた、上記組成物(例えば、殺ダニ性の殺卵−幼虫剤(ovo−larvicide)、例えば、クロフェンテジン、フルベンジミン(flubenzimine)、ヘキシチアゾクス又はテトラジホン;殺ダニ性モチリシド(motilicide)、例えば、ジコホール又はプロパルギット;ダニ駆除剤、例えば、ブロモプロピレート又はクロロベンジレート;又は生長調節因子、例えば、ヒドラメチルノン、シロマジン、メトプレン、クロルフルアズロン又はジフルベンズロン)に含まれうる。
【0091】
本発明の組成物に含まれうる殺菌性化合物の例は、(E)−N−メチル−2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−メトキシ−イミノアセトアミド(SSF−129)、4−ブロモ−2−シアノ−N,N−ジメチル−6−トリフルオロ−メチル−ベンズイミダゾール−1−スルホンアミド、α−[N−(3−クロロ−2,6−キシリル)−2−メトキシ−アセトアミド]−γ−ブチロラクトン、4−クロロ−2−シアノ−N,N−ジメチル−5−p−トリルイミダゾール−1−スルホンアミド(IKF−916、シアミダゾスルファミド(cyamidazosulfamid))、3−5−ジクロロ−N−(3−クロロ−1−エチル−1−メチル−2−オキソプロピル)−4−メチルベンズアミド(RH−7281,ゾキサミド(zoxamide))、N−アリル−4,5−ジメチル−2−トリメチルシリルチオフェン−3−カルボキサミド(MON65500)、N−(1−シアノ−1,2−ジメチルプロピル)−2−(2,4−ジクロロフェンオキシ)−プロピオンアミド(AC382042)、N−(2−メトキシ−5−ピリジル)−シクロ−プロパンカルボキサミド、アシベンゾラル(CGA245704)、アラニカルブ、アルジモルフ(aldimorph)、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ビロキサゾール(biloxazol)、ビテルタノール、ブラストサイジンS、ブロムコナゾール、ブピリメート、カプタホール、カプタン、カルベンダジム、カルベンダジムクロルヒドレート、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、CGA41396,CGA41397、キノメチオネート、クロロタロニル、クロロゾリネート(chlorozolinate)、クロジラコン(clozylacon)、銅含有化合物、例えば、オキシ塩化銅(copper oxychloride)、オキシキノリン酸銅(copper oxyquinolate)、硫酸銅、銅タレート(copper tallate)及びボルドー液、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、デバカルブ、ジ−2−ピリジルジスルフィド1,1’−ジオキシド、ジクロフルアニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフィウメトリム(difiumetorim)、O,O−ジ−イソプロピル−S−ベンジルチオホスフェート、ジメフルアゾール(dimefluazole)、ジメトコナゾール、ジメトモルフ、ジメチリモール、ジニコナゾール、ジノカップ、ジチアノン、ドデシルジメチル塩化アンモニウム、ドデモルフ(dodemorph)、ドダイン(dodine)、ドグアジン(doguadine)、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エチリモール、エチル(Z)−N−ベンジル−N([メチル(メチル−チオエチリデンアミノ−オキシカルボニル)アミノ]チオ)−β−アラニネート、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェンアミドン(RPA407213)、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム(fenfuram)、フェンヘキサミド(KBR2738)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチンアセテート、フェンチンヒドロキシド、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトベル(flumetover)、フルオロイミド、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトラニル、フルトリアホール、フォルペット、フベリダゾール(fuberidazole)、フララキシル(furalaxyl)、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒドロキシイソオキサゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イミノクタジン、イミノクタジントリアセテート、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ(SZX0722)、イソプロパンylブチルカルバメート、イソプロチオラン、カスガマイシン、クレソキシムメチル、LY186054,LY211795,LY248908、マンコゼブ、マンネブ、メフェノキサム(mefenoxam)、メパニピルム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メチラム、メチラム−亜鉛、メトミノストロビン、ミクロブタニル、ネオアソジン(neoasozin)、ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニトロタール−イソプロピル、ヌアリモル(nuarimol)、オフラセ(ofurace)、有機水銀化合物、オキサジキシル、オキサスルフロン、オキソリン酸、オキスポコナゾール(oxpoconazole)、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾールe、ペンシクロン、フェナジンオキシド、ホセチル−Al、リン酸、フタリド、ピコキシストロビン(ZA1963)、ポリオキシンD、ポリラム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロピオン酸、ピラゾホス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、ピロキシフル(pyroxyfur)、ピロールニトリン、第4級アンモニウム化合物、キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、シプコナゾール(sipconazole)(F−155)、ペンタクロロ石炭酸ナトリウム(sodium pentachlorophenate)、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、チオファネート−メチル、サイラム、チミベンコナゾール(timibenconazole)、トルクロホス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアズブチル(triazbutil)、トリアゾキシド(triazoxide)、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン(CGA279202)、トリホリン、トリフルミゾール、トリチコナゾール、バリダマイシンA、バパム(vapam)、ビンクロゾリン、ジネブ及びジラムである。
【0092】
式(I)の化合物を、土壌、泥炭、あるいは種子伝染病、土壌伝染病、又は葉の菌類病に対して、植物の保護のための他の発根媒体と混合することができる。
上記組成物内で用いるための好適な相乗剤の例には、ピペロニルブトキシド、セサメックス(sesamex)、サフロキサン及びドデシルイミダゾールが含まれる。
上記組成物内に含ませるために好適な除草剤及び植物生長調節因子は、意図されるターゲット及び要求される効果によって決まるであろう。
含まれうる稲用の選択的な除草剤の例は、プロパニルである。綿内で用いるための植物生長調節因子の例は、PIX(商標)である。
【0093】
いくつかの混合物は、有意に異なる物理的、化学的又は生物学的作用を有する活性成分を、それらが同一の一般的な剤形種に容易に役立たないように含むことができる。これらの環境では、他の製剤種が調製されうる。例えば、活性成分の一つが、水、不溶性固体及び他の水不溶性液体である場合には、懸濁剤として固体活性成分を分散する(SCのものに類似の調製を用いる)が、エマルションとして液体活性成分を分散する(EWのものに類似の調製を用いる)ことにより、同一の連続する水性相内に各活性成分を分散することが可能である。得られた組成物は、サスポエマルジョン製剤(SE)である。
【0094】
本発明の種々の態様及び実施形態を、例としてさらに詳細に説明する。本発明の範囲から外れることなく、列挙したものの改良がなされうることが正しく理解されるであろう。
疑いを避けるために、書籍の参考文献、特許文献、又は特許が本明細書に引用される場合には、上記引用の全体を参照し、本明細書に援用する。
【実施例】
【0095】
[例1 本発明の化合物の調製]
[例1.1 2−(2−メチル−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ブチロニトリル]の調製
アセトニトリル(20mL)中の2−(メタンスルホニルオキシ)−ブチロニトリル(449mg,2.75mmol)、2−メチル−3−トリフルオロメチルフェノール(440mg,2.5mmol)、炭酸カリウム(432mg,3.13mmol)及びヨウ化カリウム(42mg,0.25mmol)の混合物を、80℃で一晩中撹拌した。上記混合物を、tBuOMe及び水の間で振とうし、NaCl(水性、飽和)、及びMgSO4で乾燥させたエーテル相で洗浄し、そして蒸発させた。粗生成物を、EtOAc及びヘキサンを有するシリカ上でクロマトグラフをかけ、2−(2−メチル−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ブチロニトリルを得た。
1H−NMR(CDCl3)1.20 t,3H;2.15 dt,2H;2.36 s,3H;4.75,t,2H;7.17,d,1H;7.28,t,1H;7.37 d,1H。
【0096】
[例1.2 2−[1−(2−メチル−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−プロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾールの調製]
2−(2−メチル−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ブチロニトリル(192mg,0.790mmol)、エチレンジアミン(0.216mL,3.16mmol)及び四硫化ナトリウム(7mg,0.04mmol)の混合物を、75℃で4時間撹拌し、次いで冷却し、そして水で撹拌した(ca 6mL)。固体をろ過し、水で洗浄し、そして減圧下で乾燥して、2−[1−(2−メチル−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−プロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール(m.p.120〜122℃)を得た。
【0097】
[例2 生物系効力]
この例は、式(I)の化合物の農薬/殺虫特性を具体的に説明する。化合物は、特性付けデータの表(すなわち、表3及び4)に割り当てられた数字に関して同定される。種々の害虫種に対する試験を、以下に記載されるように実施した。
【0098】
[2.1 ヘリオシス・ビレセンス(Heliothis virescens)(タバコバドウォーム)]
卵(0〜24h経過)を、人工飼料上の24ウェルのマイクロタイタープレート内に置き、そしてピペットで加えることにより、200ppmの施用率で、試験溶液を用いて処理した。4日のインキュベーション期間の後、試料を、卵の死亡率、幼虫の死亡率及び成長調節に関してチェックした。
次の化合物は、100%抑制した:1.016,1.020及び1.024。次の化合物は、80%抑制した:1.001,1.003及び1.022。次の化合物は、50%抑制した:1.004,1.007,及び1.014。
【0099】
[2.2 ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae)(グリーンピーチアブラムシ)]
ヒマワリ葉片を、24ウェルのマイクロタイタープレート内の寒天上に置き、そして200ppmの施用率で、試験溶液を噴霧した。乾燥の後、上記葉片に、混合された世代のアブラムシ個体群を寄生させた。6DATのインキュベーション期間の後、試料を、死亡率に関してチェックした。次の化合物は、100%抑制した:1.001,1.003,1.004,1.005,1.006,1.007,1.008,1.016,1.017,1.019,1.021,1.023及び1.024。次の化合物は、80%抑制した:1.002及び1.026。次の化合物は、50%抑制した:1.010,1.018,1.025及び1.027。
【0100】
[2.3 ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae)(グリーンピーチアブラムシ)]
混合された世代のアブラムシ個体群を有するエンドウ苗木の根を、24ppmの試験溶液内に直接置いた。導入後6日において、死亡率に関して試料を試験した。次の化合物は、100%抑制した:1.001,1.003,1.016,1.021,1.022及び1.024。次の化合物は、80%抑制した:1.005,1.019,1.020及び1.023。
【0101】
[2.4 テトラニクス・ウルティカエ(Tetranychus urticae)(ナミハダニ)]
24ウェルのマイクロタイタープレート内の寒天上の豆の葉片を、200ppmの施用率で、試験溶液をスプレーした。乾燥後、上記葉片に混合された世代のアブラムシ個体群を寄生させた。8日後、葉片を、卵の死亡率、幼虫の死亡率及び生体の死亡率に関してチェックした。次の化合物は、100%抑制した:1.001,1.003,1.004,1.005,1.007,1.016,1.021,1.022,1.023,及び1.024。次の化合物は、80%抑制した:1.019,1.025及び1.027。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式(I):
【化1】

の化合物、並びにその塩及びN−オキシド
(式中、R1は、C1〜10アルキルであり;
2は、C1〜5アルキル、C1〜5ハロアルキル、C1〜5ヒドロキシアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5ハロアルケニル、C2〜5アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜5アルコキシ、C1〜5ハロアルコキシ、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルコキシ(C2〜3)アルケニル、C1〜5アルキルチオ、C1〜5ハロアルキルチオ、C1〜5アルキルスルフィニル、C1〜5アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、ホルミル、又は−CH=N−R18基であり、ここでR18は、ヒドロキシ又はC1〜3アルコキシであり;
3は、C1〜5ハロアルキルであり;
Zは、水素、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ロダノ、ホルミル、G−,G−S−,G−S−S−,G−A−,R78N−,R78N−S−,R78N−A−,G−O−A−,G−S−A−,(R10O)(R11O)P(X)−,(R10O)(R11S)P(X)−,(R10O)(R11)P(X)−,(R10S)(R11S)P(X)−,(R10O)(R1415N)P(X)−,(R11)(R1415N)P(X)−,(R1415N)(R1617N)P(X)−,G−N=CH−,G−O−N=CH−,N≡C−N=CH−であるか、又はZは、次の式(II):
【化2】

(式中、Bは、S−,S−S−,S(O)−,−C(O)−、又は(CH2n−であり、nは、1〜6の整数であり、そしてR1、R2及びR3は、前記定義の通りである)
の化合物であり;
Gは、所望により置換されているC1〜10アルキル、所望により置換されているC2〜10アルケニル、所望により置換されているC2〜10アルキニル、所望により置換されているC3〜7シクロアルキル、所望により置換されているC3〜7シクロアルケニル、所望により置換されているアリール、所望により置換されているヘテロアリール、又は所望により置換されているヘテロシクリルであり;
Aは、S(O),SO2,C(O)又はC(S)であり;
7及びR8は、それぞれ独立して、水素又はGであり;又はR7及びR8は、それらが結合するN原子と共に、N=CR1213基を形成し;あるいはR7及びR8は、それらが結合するN原子と共に、5、6又は7−員の複素環を形成し、前記複素環は、O,N又はSから選択されるさらなるヘテロ原子を1つ又は2つ所望により含み、そして1つ又は2つのC1〜6アルキル基により所望により置換されている;
10及びR11は、それぞれ独立して、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3ハロアルコキシで所望により置換されているC1〜C6アルキル、ベンジル又はフェニルであり;
12,R13,R14,R15,R16及びR17は、それぞれ独立して、水素又はC1〜C6アルキルであり;そして
Xは、O又はSである)。
【請求項2】
3がC1〜2ハロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
3が、フルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
2が、C1〜2アルキル、c−プロピル、C1〜2ハロアルキル、C2〜3アルケニル、C2〜3ハロアルケニル、又は−CH=NR18基であり、ここでR18は、ヒドロキシル又はメトキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
2がメチルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
1が、C1〜5アルキルであり、そして
Zが、水素;シアノ;ホルミル;所望により置換されているC1〜6アルキル;C3〜6アルケニル;C3〜6ハロアルケニル;C3〜6アルキニル;C1〜6アルキルチオ;C1〜6ハロアルキルチオ;C1〜6シアノアルキルチオ;所望により置換されているフェニルチオ(前記置換は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル及びC1〜3アルコキシから選択される);C1〜6アルキルジチオ;ジ(C1〜4アルキル)アミノチオ;所望により置換されているC1〜6アルキルカルボニル(前記置換は、ハロゲン、シアノ及びC1〜3アルコキシから選択される);C2〜6アルケニルカルボニル;C3〜6シクロアルキルカルボニル;所望により置換されているフェニルカルボニル(前記置換は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル及びC1〜3アルコキシから選択される);所望により置換されているヘテロアリールカルボニル(前記置換は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル及びC1〜3アルコキシから選択される);C1〜6アルコキシカルボニル;C1〜6アルキルチオ−カルボニル;所望により置換されているフェニルチオ−カルボニル(前記置換は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル及びC1〜3アルコキシから選択される);N,N−ジC1〜3アルキルアミノカルボニル;C1〜3アルキルアミノカルボニル;C3〜5アルケニルアミノカルボニル;C3〜5アルキニルアミノカルボニル;フェニルアミノカルボニル(前記フェニル基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されている);N−フェニル−N−メチルアミノカルボニル(前記フェニル基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されている);C1〜6アルコキシチオノカルボニル;C1〜6アルキルチオチオノカルボニル;ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されているフェニルチオチオノカルボニル;N,N−ジC1〜3アルキルアミノチオノカルボニル;C1〜3アルキルアミノチオノカルボニル;フェニルアミノチオノカルボニル(前記フェニル基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されている);N−フェニル−N−メチルアミノチオノカルボニル(前記フェニル基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されている);C1〜3アルキルスルホニル;C1〜3ハロアルキルスルホニル;C1〜3アルケニルスルホニル;ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されているフェニルスルホニル;N,N−ジC1〜3アルキルアミノスルホニル;ジC1〜3アルコキシ−P(=O)−;ジC1〜3アルキルチオ−P(=O)−;ジC1〜3アルコキシ−P(=S)−;ジC1〜3アルキルチオ−P(=S)−;(C1〜3アルコキシ)(フェニル)P(=O)−;(C1〜3アルコキシ)(フェニル)P(=S)−;C1〜3アルキル−N=CH−;C1〜3アルコキシ−N=CH−;シアノ−N=CH−;フェニル−N=CH−(前記フェニル基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシにより所望により置換されている);2−ピリジル−N=CH−;3−ピリジル−N=CH−;2−チアゾリル−N=CH−;及び式(II)の化合物(式中、Bが、S−又はCH2−である)から選択され、そして
Zが、所望により置換されているC1〜6アルキル基である場合には、前記置換は、1〜7個のフッ素原子;1〜3個の塩素原子;1〜3個の臭素原子;シアノ基;1〜2個のC1〜3アルコキシ基;C1〜3ハロアルコキシ基;C1〜3アルキルチオ基;C1〜3ハロアルキルチオ基;アリルオキシ基;プロパルギルオキシ基;C3〜6シクロアルキル基;フェニル基(前記フェニル基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜3アルキル又はC1〜3アルコキシで所望により置換されている);C1〜3アルキルカルボニルオキシ基;C1〜3アルコキシカルボニル基;C1〜3アルキルカルボニル基;及び所望により置換されているベンゾイル(前記置換は、ハロゲン、ニトロ、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ及びシアノ基から選択される)から選択される、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Zが水素である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、又はその塩若しくはN−オキシドと、不活性希釈剤又はキャリアとを含む、殺虫性、殺ダニ性、殺線虫性又は殺軟体動物性組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の式(I)の化合物の調製方法であって、
次の式(4):
【化3】

(式中、R1、R2及びR3は、請求項1に規定される通りである)
の化合物を、触媒の存在下で、次の式(5):
2NCH2CH2NHZ (5)
(式中、Zは、請求項1に規定される通りである)
のジアミンと反応させることを含む方法。
【請求項10】
次の式(4):
【化4】

(式中、
1は、C1〜10アルキルであり;
2は、C1〜5アルキル、C1〜5ハロアルキル、C1〜5ヒドロキシアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5ハロアルケニル、C2〜5アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜5アルコキシ、C1〜5ハロアルコキシ、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルコキシ(C2〜3)アルケニル、C1〜5アルキルチオ、C1〜5ハロアルキルチオ、C1〜5アルキルスルフィニル、C1〜5アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、ホルミル、又は−CH=N−R18基であり、ここでR18は、ヒドロキシ又はC1〜3アルコキシであり;そして
3は、C1〜5ハロアルキル、ヒドロキシ−C1〜6アルキル、又はホルミルである)
の化合物。
【請求項11】
次の式(11):
【化5】

(式中、R3及びZは、請求項1に規定される通りであり、そしてR2は、C1〜5アルキル、C1〜5ハロアルキル、C1〜5ヒドロキシアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5ハロアルケニル、C2〜5アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜5アルコキシ、C1〜5ハロアルコキシ、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルコキシ(C2〜3)アルケニル、C1〜5アルキルチオ、C1〜5ハロアルキルチオ、C1〜5アルキルスルフィニル、C1〜5アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、ホルミル、及び−CH=N−R18基から選択され、ここで、R18は、ヒドロキシ又はC1〜3アルコキシである)
の化合物。
【請求項12】
昆虫、コナダニ、線虫及び軟体動物から成る群から選択される害虫を防除及び/又は抑制する方法であって、
前記害虫、又は前記害虫の位置、あるいは前記害虫により浸食される余地がある植物に、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、又はそのN−オキシド若しくは塩、あるいは請求項10に記載の組成物を施用することを含む方法。
【請求項13】
前記害虫が、半翅目(Hemiptera)、鱗翅目(Lepidoptera)、甲虫類(Coleoptera)、総翅目(Thysanoptera)、双翅目(Diptera)、ブラットデア(Blattodea)、等翅目(Isoptera)、ノミ目(Siphonaptera)、膜翅目(Hymenoptera)又は直翅目(Orthoptera)の目の昆虫である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記昆虫が、半翅目(Hemiptera)、鱗翅目(Lepidoptera)、甲虫類(Coleoptera)、総翅目(Thysanoptera)又は双翅目(Diptera)の目に属する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記昆虫が、半翅目(Hemiptera)の目に属する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記昆虫が、鱗翅目(Lepidoptera)、総翅目(Thysanoptera)、等翅目(Isoptera)、ノミ目(Siphonaptera)、膜翅目(Hymenoptera)又は直翅目(Orthoptera)の目に属する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記害虫がコナダニである、請求項12に記載の方法。

【公表番号】特表2011−503043(P2011−503043A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532649(P2010−532649)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/GB2008/003604
【国際公開番号】WO2009/060174
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】