説明

農薬組成物

【課題】昆虫またはダニ目の代表的なものを駆除するための組成物の提供。
【解決手段】式


で表される化合物と、a)ラムダ−サイ−ハロトリン(lambda-cy-halothrin)、b)メトミル(methomyl)、c)アバメクチン(abamectin)、d)フィプロニル(fipronil)およびe)ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)から選択される化合物と、少なくとも1種の助剤との組み合わせを含んでいる組成物ならびに上記組成物で有害生物を駆除する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬活性化合物の組み合わせを含んでいる組成物、この組成物による有害生物を駆除するための方法、その組成物の調製のための方法、その使用およびそれで処理された植物増殖材、並びにその組成物の調製のための以下の式(A)の化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
文献において、有害生物駆除のために、活性化合物の特定の混合物が提案されている。しかしながら、既知の化合物のこれらの混合物の生物学的な特性は、有害生物駆除の分野において完全に満足のいくものではなく、この理由のために、特に昆虫およびダニ目の代表的なものの駆除のための、相乗的な有害生物駆除特性を有する、さらなる混合物を提供する必要がある。この目的は、本発明に準じ、本発明の組成物を提供することによって達成される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
従って、本発明は、昆虫およびダニ目の代表的なものを駆除するための組成物であって、
遊離した形または塩の形、適当な互変異性体である場合には、その遊離した形または塩の形の、下記の式
【0004】
【化1】

【0005】
の1種またはそれ以上の化合物、
下記の化合物(I)〜(CLXXXIV)の1種またはそれ以上、および
少なくとも1種の助剤、
のさまざまな量の組み合わせを含んでいる組成物であって、
【0006】
上式中、
Aは、置換されていないか、または、その環構造における置換の可能性に応じて、一〜四置換された、芳香族または非芳香族の、一環式または二環式の複素環ラジカルであって、ここで、Aの置換基は、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、ハロゲン、ハロ−C1〜C3アルキル、シクロプロピル、ハロシクロプロピル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、ハロ−C2〜C3アルケニル、ハロ−C2〜C3アルキニル、ハロ−C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキルチオ、ハロ−C1〜C3アルキルチオ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、アリルチオ、プロパルギルチオ、ハロアリルオキシ、ハロアリルチオ、シアノおよびニトロからなる群より選ばれ、
Rは、水素、C1〜C6アルキル、フェニル−C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニルまたはC2〜C6アルキニルであり、そして
Xは、N−NO2またはN−CNであって、
【0007】
前記の化合物(I)〜(CLXXXIV)が、
(I)アルジカルブ(aldicarb)、
(II)アジンフォス−メチル(azinphos−methyl)、
(III)ベンフラカルブ(benfuracarb)、
(IV)ビフェントリン(bifenthrin)、
(V)ブプロフェジン(buprofezin)、
(VI)カルボフラン(carbofuran)、
(VII)ジブチルアミノチオ(dibutylaminothio)、
(VIII)カルタップ(cartap)、
(IX)クロロフルアズロン(chlorofluazuron)、
(X)クロロピリフォス(chloropyrifos)、
(XI)サイフルトリン(cyfluthrin)、
(XII)ラムダ−サイ−ハロトリン(lambda−cy−halothrin)、
(XIII)アルファ−サイパーメトリン(alpha−cypermethrin)、
(XIV)ゼータ−サイパーメトリン(zeta−Cypermethrin)、
(XV)デルタメトリン(deltamethrin)、
(XVI)ジフルベンツロン(diflubenzuron)、
(XVII)エンドスルファン(endosulfan)、
(XVIII)エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、
(XIX)フェニトロチオン(fenitrothion)、
(XX)フェノブカルブ(fenobucarb)、
【0008】
(XXI)フェンバレレート(fenvalerate)、
(XXII)フォルモチオン(formothion)、
(XXIII)メチオカルブ(methiocarb)、
(XXIV)ヘプテノフォス(heptenophos)、
(XXV)イミダクロプリド(imidacloprid)、
(XXVl)イソプロカルブ(isoprocarb)、
(XXVII)メタミドフォス(methamidophos)、
(XXVIII)メトミル(methomyl)、
(XXIX)メビンフォス(mevinphos)、
(XXX)パラチオン(parathion)、
(XXXI)パラチオン−メチル(parathion−methyl)、
(XXXII)フォサローン(phosalone)、
(XXXIII)ピリミカルブ(pirimicarb)、
(XXXIV)プロポクスール(propoxur)、
(XXXV)テフルベンツロン(teflubenzuron)、
(XXXVI)テルブフォス(terbufos)、
(XXXVII)トリアザメート(triazamate)、
(XXXVIII)アバメクチン(abamectin)、
(XXXIX)フェノブカルブ(fenobucarb)、
(XL)テブフェノジド(tebufenozide)、
【0009】
(XLI)フィプロニル(fipronil)、
(XLll)ベータ−サイフルトリン(beta−cyfluthrin)、
(XLIII)シラフルオフェン(silafluofen)、
(XLIV)フェンピロキシメート(fenpyroximate)、
(XLV)ピリダベン(pyridaben)、
(XLVI)フェナザクイン(fenazaquin)、
(XLVII)ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、
(XLVIII)ピリミジフェン(pyrimidifen)、
(XLIX)ニテンピラム(nitenpyram)、
(L)NI−25,アセトアミプリド(NI−25,acetamiprid)、
(LI)アベルメクチンB1(アバメクチン)(avermectinB1(abamectin))、
(LII)昆虫に対して活性のある植物抽出物、
(LIII)昆虫に対して活性のある線虫を含んでいる配合物、
(LIV)枯草菌から得られる配合物、
(LV)昆虫に対して活性のある菌類を含んでいる配合物、
(LVI)昆虫に対して活性のあるウイルスを含んでいる配合物、
(LVII)AC 303 630、
(LVIII)アセフェート(acephate)、
(LIX)アクリナトリン(acrinathrin)、
(LX)アラナイカルブ(alanycarb)、
【0010】
(LXI)アルファメトリン(alphamethrin)、
(LXII)アミトラズ(amitraz)、
(LXIII)AZ 60541、
(LXIV)アジンフォスA(azinphosA)、
(LXV)アジンフォスM(azinphosM)、
(LXVI)アゾサイクロチン(azocyclotin)、
(LXVII)ベンジオカルブ(bendiocarb)、
(LXVIII)ベンスルタップ(bensultap)、
(LXIX)ベータサイフルトリン(betacyfluthrin)、
(LXX)BPMC、
(LXXI)ブロフェンプロックス(brofenprox)、
(LXXII)ブロモフォスA(bromophosA)、
(LXXIII)ブフェンカルブ(bufencarb)、
(LXXIV)ブトカルボキシン(butocarboxin)、
(LXXV)ブチルピリダベン(butylpyridaben)、
(LXXVI)カズサフォス(cadusafos)、
(LXXVII)カルバリル(carbaryl)、
(LXXVIII)カルボフェノチオン(carbophenothion)、
(LXXIX)クロエトカルブ(chloethocarb)、
(LXXX)クロロエトキシフォス(chloroethoxyfos)、
【0011】
(LXXXI)クロロメフォス(chloromephos)、
(LXXXII)シス−レス−メトリン(cis−res−methrin)、
(LXXXIII)クロサイトリン(clocythrin)、
(LXXXIV)クロフェンテジン(clofentezin)、
(LXXXV)シアノフォス(cyanophos)、
(LXXXVI)シクロプロトリン(cycloprothrin)、
(LXXXVII)サイヘキサチン(cyhexatin)、
(LXXXVIII)デメトンM(demetonM)、
(LXXXIX)デメトンS(demetonS)、
(XC)デメトン−S−メチル(demeton−S−methyl)、
(XCI)ジクロフェンチオン(dichlofenthion)、
(XCII)ジクリフォス(dicliphos)、
(XCIII)ジエチオン(diethion)、
(XCIV)ジメトエート(dimethoate)、
(XCV)ジメチルビンフォス(dimethylvinphos)、
(XCVI)ジオキサチン(dioxathion)、
(XCVII)エジフェンフォス(edifenphos)、
(XCVIII)エマメクチン(emamectin)、
(XCIX)エスフェンバレレート(esfenvalerate)、
(C)エチオン(ethion)、
【0012】
(CI)エトフェンプロックス(ethofenprox)、
(CII)エトプロフォス(ethoprophos)、
(CIII)エトリムフォス(etrimphos)、
(CIV)フェナミフォス(fenamiphos)、
(CV)フェンブタチンオキシド(fenbutatinoxide)、
(CVI)フェノチオカルブ(fenothiocarb)、
(CVII)フェンプロパトリン(fenpropathrin)、
(CVIII)フェンピラド(fenpyrad)、
(CIX)フェンチオン(fenthion)、
(CX)フルアジナム(fluazinam)、
(CXI)フルサイクロクスロン(flucycloxuron)、
(CXII)フルサイトリネート(flucythrinate)、
(CXIII)フルフェノクスロン(flufenoxuron)、
(CXIV)フルフェンプロックス(flufenprox)、
(CXV)フォノフォス(fonophos)、
(CXVI)フォスチアゼート(fosthiazate)、
(CXVII)ファブフェンプロックス(fubfenprox)、
(CXVIII)HCH、
(CXIX)ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、
(CXX)ヘキシチアゾックス(hexythiazox)、
【0013】
(CXXI)イプロベンフォス(iprobenfos)、
(CXXII)イソフェンフォス(isofenphos)、
(CXXIII)イソキサチオン(isoxathion)、
(CXXIV)イベルメクチン(ivermectin)、
(CXXV)ラムダ−サイハロトリン(lambda−cyhalothrin)、
(CXXVI)マラチオン(malathion)、
(CXXVII)メカルバム(mecarbam)、
(CXXVIII)メスルフェンフォス(mesulfenphos)、
(CXXIX)メトアルデヒド(metaldehyde)、
(CXXX)メトールカルブ(metolcarb)、
(CXXXI)ミルベメクチン(milbemectin)、
(CXXXII)モキシデクチン(moxidectin)、
(CXXXIII)ネールド(naled)、
(CXXXIV)NC 184、
(CXXXV)オメトエート(omethoate)、
(CXXXVI)オキサミル(oxamyl)、
(CXXXVII)オキサデメトンM(oxydemethonM)、
(CXXXVIII)オキシデプロフォス(oxydeprofos)、
(CXXXIX)パーメトリン(permethrin)、
(CXL)フェントエート(phenthoate)、
【0014】
(CXLI)フォレート(phorate)、
(CXLII)フォスメット(phosmet)、
(CXLIII)フォキシム(phoxim)、
(CXLIV)ピリミフォスM(pirimiphosM)、
(CXLV)ピリミフォスA(pirimiphosA)、
(CXLVI)プロメカルブ(promecarb)、
(CXLVII)プロパフォス(propaphos)、
(CXLVIII)プロチオフォス(prothiofos)、
(CXLIX)プロトエート(prothoate)、
(CL)ピラクロフォス(pyrachlophos)、
(CLI)ピラダ−フェンチオン(pyrada−phenthion)、
(CLII)ピレスメトリン(pyresmethrin)、
(CLIII)ピレトラム(pyrethrum)、
(CLIV)RH 5992、
(CLV)サリチオン(salithion)、
(CLVI)セブフォス(sebufos)、
(CLVII)スルフォテップ(sulfotep)、
(CLVIII)スルプロフォス(sulprofos)、
(CLIX)テブフェンピラド(tebufenpyrad)、
(CLX)テブピリンフォス(tebupirimphos)、
【0015】
(CLXI)テフルトリン(tefluthrin)、
(CLXII)テメフォス(temephos)、
(CLXIII)テルバム(terbam)、
(CLXIV)テトラクロロビンフォス(tetrachlorovinphos)、
(CLXV)チアフェノックス(thiafenox)、
(CLXVI)チオジカルブ(thiodicarb)、
(CLXVII)チオファノックス(thiofanox)、
(CLXVIII)チオナジン(thionazin)、
(CLXIX)スリンジエンシン(thuringiensin)、
(CLXX)トラロメトリン(tralomethrin)、
(CLXXI)トリアルテン(triarthen)、
(CLXXII)トリアゾフォス(triazophos)、
(CLXXIII)トリアズロン(triazuron)、
(CLXXIV)トリクロロフォン(trichlorofon)、
(CLXXV)トリフルムロン(triflumuron)、
(CLXXVI)トリメタカルブ(trimethacarb)、
(CLXXVII)バミドチオン(vamidothion)、
(CLXXVIII)キシリルカルブ(xylylcarb)、
(CLXXIX)YI5301/5302、
(CLXXX)ゼータメトリン(zetamethrin)、
【0016】
(CLXXXI)DPX−MP062、
(CLXXXII)RH−2485、
(CLXXXIII)D2341、または
(CLXXXIV)XMC(3,5−キシリルメチルカルバメート)、
である組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
式(A)の化合物は、欧州特許第EP−A−580553号において説明されている。
化合物(I)〜(CLXXXIV)は当業者に既知である。特に、
【0018】
(I) 2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒドO−メチルカルバモイルオキシム(アルジカルブ)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの16頁から既知であり、
【0019】
(II) S−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオアート(アジンフォス−メチル)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの46頁から既知であり、
【0020】
(III) エチルN−[2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ]−N−イソプロピル−β−アラニナート(ベンフラカルブ)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの57頁から既知であり、
【0021】
(IV) 2−メチルビフェニル−3−イルメチル(Z)−(1RS)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロパ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(ビフェントリン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council,Londonの73頁から既知であり、
【0022】
(V) 2−t−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジン−4−オン(ブプロフェジン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 105頁から既知であり、
【0023】
(VI)2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルメチルカルバメート(カルボフラン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 126頁から既知であり、
【0024】
(VII) 2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル(ジブチルアミノチオ)−メチルカルバメート(カルボスルファン(carbosulfan))は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 129頁から既知であり、
【0025】
(VIII)S,S’−(2−ジメチルアミノトリメチレン)ビス(チオカルバメート(カルタップ)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 132頁から既知であり、
【0026】
(IX) 1−[3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−ウレア(クロロフルアズロン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 143頁から既知であり、
【0027】
(X) O,O−ジエチルO−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオアート(クロロピリフォス)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 166頁から既知であり、
【0028】
(XI) (RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1RS)−シス−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(サイフルトリン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 198頁から既知であり、
【0029】
(XII) (S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジルZ−(1R)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートと、(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジルZ−(1S)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートとの混合物(ラムダ−サイハロトリン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 203頁から既知であり、
【0030】
(XIII)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R)−シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートと、(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1S)−シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートとのラセミ化合物(アルファ−サイパーメトリン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council,Londonの 210頁から既知であり、
【0031】
(XIV) (S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートと、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートとの混合物(ゼータ−サイパーメトリン)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 265頁から既知であり、
【0032】
(XV)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R)−シス−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(デルタメトリン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 232頁から既知であり、
【0033】
(XVI)(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(ジフルベンツロン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 281頁から既知であり、
【0034】
(XVII) (1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ−8,9,10−トリノルボルン−5−エン−2,3−イレンビスメチレン)スルフィット(エンドスルファン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 332頁から既知であり、
【0035】
(XVIII) α−エチルチオ−o−トリルメチルカルバメート(エチオフェンカルブ)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 343頁から既知であり、
【0036】
(XIX) O,O−ジメチルO−4−ニトロ−m−トリルホスホロチオアート(フェニトロチオン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 369頁から既知であり、
【0037】
(XX)2−s−ブチルフェニルメチルカルバメート(フェノブカルブ)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 371頁から既知であり、
【0038】
(XXI)(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート(フェンバレレート)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 388頁から既知であり、
【0039】
(XXII) [ホルミル(メチル)カルバモイルメチル]O,O−ジメチルホスホロジチオアート(フォルモチオン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 440頁から既知であり、
【0040】
(XXIII) 4−メチルチオ−3,5−キシリルメチルカルバメート(メチオカルブ)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 677頁から既知であり、
【0041】
(XXIV)7−クロロビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2,6−ジエン−6−イルジメチルホスフェート(ヘプテノフォス)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 467頁から既知であり、
【0042】
(XXV)(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン(イミダクロプリド)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 491頁から既知であり、
【0043】
(XXVl)2−イソプロピルフェニルメチルカルバメート(イソプロカルブ)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 504頁から既知であり、
【0044】
(XXVII) O,S−ジメチルホスホルアミドチオアート(メタミドフォス)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 563頁から既知であり、
【0045】
(XXVIII)S−メチルN−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミダート(メトミル)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 570頁から既知であり、
【0046】
(XXIX)メチル3−(ジメトキシホスフィノイルオキシ)ブト−2−エノアート(メビンフォス)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 592頁から既知であり、
【0047】
(XXX) O,O−ジエチルO−4−ニトロフェニルホスホロチオアート(パラチオン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 648頁から既知であり、
【0048】
(XXXI)O,O−ジメチルO−4−ニトロフェニルホスホロチオアート(パラチオン−メチル)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 650頁から既知であり、
【0049】
(XXXII) S−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3−ベンゾオキサゾール−3−イルメチルO,O−ジエチルホスホルジチオアート(フォサローン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 674頁から既知であり、
【0050】
(XXXIII)2−ジメチルアミノ−5,6−ジメチルピリミジン−4−イルジメチルカルバメート(ピリミカルブ)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 690頁から既知であり、
【0051】
(XXXIV) 2−イソプロポキシフェニルメチルカルバメート(プロポクスール)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 727頁から既知であり、
【0052】
(XXXV) 1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(テフルベンツロン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 790頁から既知であり、
【0053】
(XXXVI) S−t−ブチルチオメチルO,O−ジメチルホスホロジチオアート(テルブフォス)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 795頁から既知であり、
【0054】
(XXXVII) エチル(3−t−ブチル−1−ジメチルカルバモイル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル−チオ)アセテート(トリアザメート)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの1006頁から既知であり、
【0055】
(XXXVIII) アバメクチンは The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 3頁から既知であり、
【0056】
(XXXIX) 2−s−ブチルフェニルメチルカルバメート(フェノブカルブ)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 371頁から既知であり、
【0057】
(XL)N−t−ブチル−N’−(4−エチルベンゾイル)−3,5−ジメチルベンゾヒドラジド(テブフェノジド)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 943頁から既知であり、
【0058】
(XLI)(±)−5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−4−トリフルオロメチル−スルフィニルピラゾール−3−カルボニトリル(フィプロニル)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 463頁から既知であり、
【0059】
(XLll)α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(ベータ−サイフルトリン)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 250頁から既知であり、
【0060】
(XLIII)(4−エトキシフェニル)[3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル](ジメチル)シラン(シラフルオフェン)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 912頁から既知であり、
【0061】
(XLIV)t−ブチル(E)−α−(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イル−メチレンアミノ−オキシ)−p−トルアート(フェンピロキシメート)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 450頁から既知であり、
【0062】
(XLV) 2−t−ブチル−5−(4−t−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン −3(2H)−オン(ピリダベン)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 879頁から既知であり、
【0063】
(XLVI)4−t−ブチルフェネチルキナゾリン−4−イルエーテル(フェナザクイン)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 426頁から既知であり、
【0064】
(XLVII) 4−フェノキシフェニル(RS)−2−(ピリジルオキシ)プロピルエーテル(ピリプロキシフェン)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 887頁から既知であり、
【0065】
(XLVIII)5−クロロ−N−{2−[4−(2−エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ]エチル}−6−エチルピリミジン−4−アミン(ピリミジフェン)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 887頁から既知であり、
【0066】
(XLIX) (E)−N−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−エチル−N’−メチル−2−ニトロビニリデンジアミン(ニテンピラム)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 736頁から既知であり、
【0067】
(L)(E)−N1−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−N2−シアノ−N1−メチルアセトアミド(NI−25,アセトアミプリド)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 730頁から既知であり、
【0068】
(LI)アベルメクチンB1(アバメクチン)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 1頁から既知であり、
【0069】
(LII) 昆虫に対して活性のある植物抽出物、特に (2R,6aS,12aS)−1,2,6,6a,12,12a−ヘキサヒドロ−2−イソプロペニル−8,9−ジメトキシ−クロメノ[3,4−b]フロ[2,3−h]−クロメン−6−オン(ロテノン)は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 758頁から既知であり、アザジラキタ・インディカ(Azadirachta indica)からの抽出物、特にアザジラキチン(azadirachtin)はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの54頁から既知であり、
【0070】
(LIII)昆虫に対して活性のある線虫、好ましくはヘテロラブディチス・バクテリオフォラ(Heterorhabditis bacteriophora)、ヘテロラブディチス・メジディス(Heterorhabditis megidis)を含んでいる配合物はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 560頁から既知であり、シュタイナーニーマ・フェルチアエ(Steinernema feltiae)を含んでいるものはThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 920頁から既知であり、そしてシュタイナーニーマ・スカプテリスキ(Steinernema scapterisci)を含んでいるものはThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 921頁から既知であり、
【0071】
(LIV) 枯草菌から得られる配合物はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの62頁から既知であり、またはGC91からかもしくは NCTC11821から単離される化合物を除く、バシルス・サーリンギエンシス(Bacillus thuringeinsis)菌株から得られるものが既知であり、
【0072】
(LV)昆虫に対して活性のある菌類、好ましくはベルチシリウム・レカニイ(Verticillium lecanii)を含んでいる配合物はThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの1040頁から既知であり、ボーベリア・ブログニアルチイ(Beauveria brogniartii) を含んでいるものはThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの69頁から既知であり、そしてボーベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana)を含んでいるものはThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの69頁から既知であり、
【0073】
(LVI) 昆虫に対して活性のあるウイルス、好ましくはネオジプリオン・セルチフェルNPV(Neodiprion sertifer NPV)を含んでいる配合物は The Pesticide Manual, 9th Ed. (1991), The British Crop Protection Council, Londonの 616頁から既知であり、マメストラ・ブラッシカエNPV(Mamestra brassicae NPV)を含んでいるものはThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 633頁から既知であり、そしてシジア・ポモネラ・グラニュロシス(Cydia pomonella granulosis)ウイルスを含んでいるものはThe Pesticide Manual, 10th Ed. (1994), The British Crop Protection Council, Londonの 247頁から既知であり、
【0074】
(CLXXXI)インデノ[1,2−e][1,3,4]オキサジアジン−4a(3H)−カルボン酸7−クロロ−2,5−ジヒドロ−2−[[(メトキシカルボニル)[(4−トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]カルボニル]−メチルエステル(DPX−MP062)は the Bringhton Crop Protection Conference, 1996, 449−456;から既知であり、
【0075】
(CLXXXII)N’−t−ブチル−N’−(3,5−ジメチルベンゾイル)−3−メトキシ−2−メチルベンゾヒドラジド(RH−2485、メトキシフェノジド)は the Bringhton Crop Protection Conference, 1996, 481−486;から既知であり、そして
【0076】
(CLXXXIII)N’−[4−メトキシビフェニル−3−イル]ヒドラジンカルボン酸イソプロピルエステル(D 2341)は the Bringhton Crop Protection Conference, 1996, 487−493; から既知である。
【0077】
式(A)の化合物は、場合によっては、互変異性体の形であってもよい。例えば、Rが水素である場合には、その式(A)の対応する化合物、すなわち3H−4−イミノ−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン部分構造を有するものは、4−アミノ−1,2,5,6−テトラヒドロ−1,3,5−オキサジアジン部分構造を含有する特定の互変異性体との平衡にあってもよい。従って、上記および下記の式(A)の化合物は、後者については、各々の場合において特に述べられていなくても、適当な場合には、対応する互変異性体を意味すると解されるべきでもある。
【0078】
少なくとも1つの塩基中心を含有している式(A)の化合物は、例えば、酸付加塩を形成することができる。例えば、これらは、強無機酸、例えば鉱酸(例えば過塩素酸、硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸または塩化水素酸)と共に、強有機カルボン酸、例えば、置換されていないかもしくは、例えばハロゲンによって置換されたC1〜C4アルカンカルボン酸(例えば酢酸)、飽和もしくは不飽和のジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸またはフタル酸)、ヒドロキシカルボン酸(例えばアスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸)、または安息香酸と共に、あるいは有機スルホン酸、例えば置換されていないかもしくは、例えばハロゲンによって置換されたC1〜C4アルカンスルホン酸またはアリールスルホン酸(例えばメタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸)と共に形成される。
【0079】
少なくとも1つの酸根を有する式(A)の化合物は、さらに、塩基との塩を形成することができる。例えば、好適な塩基との塩は、金属塩、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩(例えばナトリウム、カリウムまたはマグネシウムの塩)、あるいはアンモニアまたは有機アミン、例えばモルホリン、ピペラジン、ピロリジン、モノ−、ジ−もしくはトリ−低級アルキルアミン(例えばエチル−、ジエチル−、トリエチル−またはジメチル−プロピル−アミン)、またはモノ−、ジ−もしくはトリヒドロキシ−低級アルキルアミン(例えばモノ−、ジ−、トリエタノールアミン)である。適当な場合には、対応する内部塩をさらに形成していてもよい。本発明に関しては、農薬として好都合な塩が好ましいとされる。遊離した形およびそれらの塩の形になっている式(A)の化合物の間の密接な関係の結果として、上記および下記の式(A)の化合物およびそれらの塩は、適当な場合には、その式(A)の対応する塩および遊離した化合物を意味すると解されるのが適当かつ好都合でもある。同じことが、式(A)の化合物の互変異性体およびそれらの塩に相応じてあてはまる。各々の場合においては、一般に、その遊離した形が好ましいとされる。
【0080】
本発明に関しては、式(A)の化合物を、その遊離した形で含んでいる組成物が好ましいとされる。
【0081】
上記および下記において使用されている一般用語は、特に示さない限り、下記に示されている意味を有する。
上記複素環ラジカルRの環状基本骨格におけるヘテロ原子は、少なくとも2個の共有結合を形成することができる、周期表のすべての元素である。NおよびSが好ましいとされる。
【0082】
(基それ自体として、および他の基および化合物、例えばハロアルキル、ハロアルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロシクロプロピル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリルオキシおよびハロアリルチオの構造要素としての)ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にフッ素、塩素または臭素、とりわけフッ素または塩素、特に塩素である。
【0083】
特に規定しない限り、各々の場合における炭素を含有している基および化合物は、1〜6個(6個を含む)、好ましくは1〜3個(3個を含む)、特に1または2個の炭素原子を含有している。
【0084】
シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル、好ましくはシクロプロピルである。
【0085】
(基それ自体として、および他の基および化合物、例えばフェニルアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオおよびハロアルキルチオの構造要素としての)アルキルは、各々の場合において、その対応する基または化合物に含有されている炭素原子の数を十分考慮して、直鎖、すなわちメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルもしくはヘキシル、または枝分かれしたもの、例えばイソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソペンチル、ネオペンチルもしくはイソヘキシルのいずれかに、それぞれの場合に定義される。
【0086】
アルケニル、ハロアルケニル、アルキニルおよびハロアルキニルは直鎖または枝分かれしたものであり、各々の場合において2個または好ましくは1個の不飽和の炭素−炭素結合を含有している。この置換基の二重または三重結合は、少なくとも1個の飽和炭素原子によって式(A)の化合物の残りの部分から隔てられているのが好ましい。例は、アリル、メタリル、ブト−2−エニル、ブト−3−エニル、プロパルギル、ブト−2−イニルおよびブト−3−イニルである。
【0087】
ハロゲンで置換された炭素を含有している基および化合物、例えばハロアルキル、ハロアルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロシクロプロピル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリルオキシおよびハロアリルチオは、部分的にハロゲン化されていても、またはペルハロゲン化されていてもよく、多重ハロゲン化の場合、それらのハロゲン置換基は同一であっても、または異なっていてもよい。
【0088】
(基それ自体として、および他の基および化合物、例えばハロアルキルチオおよびハロアルコキシの構造要素としての)ハロアルキルの例は、フッ素、塩素および/または臭素によって一〜三置換されたメチル(例えばCHF2またはCF3)、フッ素、塩素および/または臭素によって一〜五置換されたエチル(例えばCH2CF3、CF2CF3、CF2CCl3、CF2CHCl2、CF2CHF2、CF2CFCl2、CF2CHBr2、CF2CHClF、CF2CHBrFまたはCClFCHClF)、フッ素、塩素および/または臭素によって一〜七置換されたプロピルまたはイソプロピル(例えばCH2CHBrCH2Br、CF2CHFCF3、CH2CF2CF3、CF2CF2CF3またはCH(CF32)、並びにフッ素、塩素および/または臭素によって一〜九置換されたブチルまたはその異性体の1種(例えばCF(CF3)CHFCF3、CF2(CF22CF3またはCH2(CF22CF3)である。
【0089】
ハロアルケニルの例は、2,2−ジフルオロエテン−1−イル、2,2−ジクロロエテン−1−イル、2−クロロプロポ−1−エン−3−イル、2,3−ジクロロプロポ−1−エン−3−イルおよび2,3−ジブロモプロポ−1−エン−3−イルである。ハロアルキニルの例は、2−クロロプロポ−1−イン−3−イル、2,3−ジクロロプロポ−1−イン−3−イルおよび2,3−ジブロモプロポ−1−イン−3−イルである。ハロシクロプロピルの例は、2−クロロシクロプロピル、2,2−ジフルオロシクロプロピルおよび2−クロロ−2−フルオロシクロプロピルである。
【0090】
ハロアリルオキシの例は、2−クロロプロポ−1−エン−3−イルオキシ、2,3−ジクロロプロポ−1−エン−3−イルオキシおよび2,3−ジブロモプロポ−1−エン−3−イルオキシである。ハロアリルチオの例は、2−クロロプロポ−1−エン−3−イルチオ、2,3−ジクロロプロポ−1−エン−3−イルチオおよび2,3−ジブロモプロポ−1−エン−3−イルチオである。
【0091】
フェニルアルキルにおいては、式(A)の化合物の残りの部分に結合されたアルキル基がフェニル基によって置換されており、そのアルキル基は直鎖であるのが好ましく、そのフェニル基は、そのアルキル基に、そのα位よりも高い位置、特にそのω位において結合されているのが好ましく、例は、ベンジル、2−フェニルエチルおよび4−フェニルブチルである。
【0092】
式(A)の特に好ましいとされる化合物は、
(1)Rが水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニルまたはC2〜C6アルキニル、特にHまたはCH3であるもの、
(2)Aの環状基本骨格が2〜4個の、好ましくは共役の、二重結合を含有しており、好ましくは2個の、好ましくは共役二重結合を含有しており、特に芳香族性を有しているもの、
(3)Aの環状基本骨格が1〜4個(4個を含む)、特に1〜3個(3個を含む)、とりわけ1または2個のヘテロ原子、特に好ましくは2個のヘテロ原子を含有しているもの、
(4)Aの環状基本骨格が、酸素、硫黄および窒素からなる群より選ばれるヘテロ原子を1個、2個または3個含有しており、その環状基本骨格に含有されているヘテロ原子の1個以下が酸素または硫黄原子であり、好ましくは少なくとも1個は窒素であるもの、
(5)Aが、ハロゲンおよびC1〜C3アルキルからなる群より選ばれる置換基によって、特にハロゲンによって、とりわけ塩素によって一置換または二置換された式(A)の化合物、
【0093】
(6)Aの環状基本骨格がピリジル基、1−オキシドピリジニオ基またはチアゾリル基であり、
好ましくは、Aの環状基本骨格がピリジ−3−イル基、1−オキシド−3−ピリジニオ基またはチアゾール−5−イル基であり、
特に、Aがピリジ−3−イル基、2−ハロピリジ−5−イル基、2,3−ジハロピリジ−5−イル基、2−C1〜C3アルキルピリジ−5−イル基、1−オキシド−3−ピリジニオ基、2−ハロ−1−オキシド−5−ピリジニオ基、2,3−ジハロ−1−オキシド−5−ピリジニオ基または2−ハロチアゾール−5−イル基であり、
Aが、とりわけ、ピリジ−3−イル基、2−ハロピリジ−5−イル基、2−ハロ−1−オキシド−5−ピリジニオ基または2−ハロチアゾール−5−イル基であり、
好ましくは、Aが2−クロロピリジ−5−イル基、2−メチルピリジ−5−イル基、1−オキシド−3−ピリジニオ基、2−クロロ−1−オキシド−5−ピリジニオ基、2,3−ジクロロ−1−オキシド−5−ピリジニオ基または2−クロロチアゾール−5−イル基であり、
Aが、とりわけ、ピリジ−3−イル基、2−クロロピリジ−5−イル基、2−クロロ−1−オキシド−5−ピリジニオ基または2−クロチアゾール−5−イル基であり、
特に、Aが2−クロロピリジ−5−イル基または、好ましくは、2−クロロチアゾール−5−イル基である、式(A)の化合物、
(7)XがN−NO2である、式(A)の化合物、
(8)Aが2−クロロチアゾール−5−イル基または2−クロロピリジ−5−イル基であり、RがC1〜C4アルキルであり、XがN−NO2である、式(A)の化合物、
である。
【0094】
本発明に関して好ましいとされるものとして挙げられる、式(A)の化合物は、
(A.1)(2−クロロピリジ−5−イルメチル)−3−メチル−4−ニトロイミノ−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン、
(A.2)(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−エチル−4−ニトロイミノ−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン、
(A.3)3−メチル−4−ニトロイミノ−5−(1−オキシド−3−ピリジニオメチル)−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン、
(A.4)(2−クロロ−1−オキシド−5−ピリジニオメチル)−3−メチル−4−ニトロイミノ−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン、
(A.5)(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−4−ニトロイミノ−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン、
(A.6)3−メチル−5−(2−メチルピリジ−5−イルメチル)−4−ニトロイミノ−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン、
(A.7)(2−クロロピリジ−5−イルメチル)−4−ニトロイミノ−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン、
(A.8)(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−4−ニトロイミノ−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン、または
(A.9)(2−クロロピリジ−5−イルメチル)−3−エチル−4−ニトロイミノ−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン、
である。
【0095】
5−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−4−ニトロイミノ−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジンは、本発明に関して、式(A)の混合相手としてとりわけ好ましいとされる。式(A)の化合物に加えて、農薬活性を有する化合物(I)〜(CLXXXIV)の1種のみをさらにまた含んでいる組成物もまた好ましいとされる。式(A)の化合物に加えてピリミカルブを含んでいる組成物がなお一層好ましいとされる。式(A)の化合物に加えて、ピリプロキシフェン、フィプロニル、エンドスルファンまたはブプロフェジンを含んでいる組成物も同様に好ましいとされる。
【0096】
本発明にかかる活性化合物の組み合わせは、式(A)の活性化合物と、活性化合物(I)〜(CLXXXIV)の1種とを、100:1〜1:6000、特に1:50〜50:1の混合比で、特に1:20〜20:1、特に10:1〜1:10、とりわけ5:1〜1:5、特に好ましくは2:1〜1:2、そしてまた好ましくは4:1〜2:1の比で、とりわけ1:1、または5:1、または5:2、または5:3、または5:4、または4:1、または4:2、または4:3、または3:1、または3:2、または2:1、または1:5、または2:5、または3:5、または4:5、または1:4、または2:4、または3:4、または1:3、または2:3、または1:2、または1:600、または1:300、または1:150、または1:35、または2:35、または4:35、または1:75、または2:75、または4:75、または1:6000、または1:3000、または1:1500、または1:350、または2:350、または4:350、または1:750、または2:750、または4:750の比で含んでいるのが好ましい。これらの比は、一方では重量比を、そしてまた他方ではモル比をも意味すると解される。
【0097】
驚くべきことに、式(A)の化合物、またはその塩の1種と、活性化合物(I)〜(CLXXXIV)の1種との組み合わせは、原則的に予想されるべき、駆除されるべき有害生物に対する作用スペクトルにおける加法的な増大を引き起こすのみならず、相乗効果を達成し、2つの面において、両方の配合物の作用限界を広げるということが今ここに見出された。
【0098】
一方では、式(A)の化合物および個々の化合物(I)〜(CLXXXIV)の適用量を下げて、同じ良好な活性が得られる。他方では、その併せられた混合物は、その2種の個々の物質では完全に不活性となるような過度に低い適用量の範囲においても、まだ高度な有害生物駆除をも有する。これは、一方では、駆除することができる有害生物のスペクトルを相当拡大させ、他方では、適用の信頼性を高める。
【0099】
しかしながら、農薬活性に関する上記の実際の相乗作用の他にも、本発明にかかる組成物は、より広い意味でも相乗的であるといえるという、さらなる驚くべき長所をもさらに有しており、例えば個々の化合物(A)または(I)〜(CLXXXIV)では駆除できないか、または十分に効果的には駆除できない有害生物を駆除することが可能であり、本発明にかかる組成物は、それらの個々の化合物(A)および(I)〜(CLXXXIV)よりも、より良好な植物による許容度、すなわち、例えば、低減された植物毒性を示す。それらの個々の化合物(A)および(I)〜(CLXXXIV)は、例えば、成虫駆除剤としてのみ、または極めて特定の幼虫期に対する幼虫駆除剤としてのみ使用することができるので、時として、これらの化合物ではあてはまらない昆虫のさまざまな発育段階において、それらをなお一層駆除することができる。さらに、その化合物(A)と特定の化合物(I)〜(CLXXXIV)との組み合わせは、粉砕、混合、貯蔵およびまた噴霧の間、より好都合な性質を示す。
【0100】
本発明にかかる組成物は、有害生物駆除の分野において、低い濃度においてさえ、予防的および/または治療的に価値があり、温血動物、魚類および植物により許容される一方で、非常に好都合な殺生剤スペクトルを有する。本発明にかかる組成物は、普通は敏感であり、耐性もある有害動物、例えば昆虫およびダニ目の代表的なもののすべてのまたは個々の発育段階に対して活性がある。本発明にかかる組成物の殺虫剤および/またはダニ駆除剤作用は、直接的(すなわち直ちに、もしくはいくらかの時間の後に、例えば脱皮の間に起こるそれらの有害生物の駆除)または間接的(例えば産卵および/または孵化の率の低下として)に発揮することができ、その良好な作用は、少なくとも50〜60%の駆除率(死亡率)に相当する。
【0101】
上記有害動物は、例えば、
チョウ目からは、
アクレリス(Acleris)種、アドキソファイエス(Adoxophyes)種、スカシバ(Aegeria)種、アグロチス(Agrotis)種、アラバマ・アルギラケアエ(Alabama argillaceae)、アマイロイス(Amylois)種、アンチカルシア・ゲンマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アルチプス(Archips)種、アルガイロタエニア(Argyrotaenia)種、アウトグラファ(Autographa)種、ブッセオラ・フスカ(Busseola fusca)、カドラ・カウテラ(Cadra cautella)、カルポシナ・ニッポネンシス(Carposina nipponensis)、ニカメイガ(Chilo)種、チョリストネウラ(Choristoneura)種、クライシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロクロキス(Cnaphalocrocis)種、クネファシア(Cnephasia)種、コチャイリス(Cochylis)種、コレオフォラ(Coleophora)種、クロキドロミア・ビノタリス(Crocidolomia binotalis)、クライプトフレビア・レウコトレタ(Cryptophlebia leucotreta)、カイジア(Cydia)種、ジアトラエア(Diatraea)種、ジパロプシス・カスタネア(Diparopsis castanea)、エアリアス(Earias)種、コナマダラメイガ(Ephestia)種、エウコスマ(Eucosma)種、エウポエキリア・アンビグエラ(Eupoecilia ambiguella)、ドクガ(Euproctis)種、エウキソア(Euxoa)種、グラフォリタ(Grapholita)種、ヘジャ・ヌビフェラナ(Hedya nubiferana)、ヘリオティス(Heliothis)種、ヘルラ(Hellula)種、ハイファントリア・クネア(Hyphantria cunea)、ケイフェリア・ライコペルシケラ(Keiferia lycopersicella)、レウコプテラ・スキテラ(Leucoptera scitella)、リトコレティス(Lithocollethis)種、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)、マイマイガ(Lymantria)種、ライオネチア(Lyonetia)種、マラコソマ(Malacosoma)種、マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae)、メンドゥカ・セクストラ(Manduca sexta)、オペロフテラ(Operophtera)種、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パンメネ(Pammene)種、パンデミス(Pandemis)種、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、ペクチノフォラ・ゴッサイピエラ(Pectinophora gossypiella)、フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella)、ピエリス・ラパエ(Pieris rapae)、シロチョウ(Pieris)種、プルテラ・キサイロステラ(Plutella xylostella)、プライス(Prays)種、スキルポファガ(Scirpophaga)種、セサミア(Sesamia)種、スパルガノティス(Sparganothis)種、スポドプテラ(Spodoptera)種、サイナンテドン(Synanthedon)種、タウメトポエア(Thaumetopoea)種、ハマキガ(Tortrix)種、トリチョプルシア・ニ(Trichoplusia ni)およびイポノメウタ(Yponomeuta)種、
【0102】
コウチュウ目からは、例えば、
アグリオテス(Agriotes)種、イチゴハナゾウムシ(Anthonomus)種、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)、チャエトクネマ・チビアリス(Chaetocnema tibialis)、コスモポリテス(Cosmopolites)種、ゾウムシ(Curculio)種、デルメステス(Dermestes)種、ジアブロチカ(Diabrotica)種、エピラチュナ(Epilachna)種、エレムヌス(Eremnus)種、レプチノタルサ・デケンリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リッソルホプトルス(Lissorhoptrus)種、メロロンタ(Melolontha)種、オライザエフィルス(Oryzaephilus)種、オチオラインチュス(Otiorhynchus)種、フライクチヌス(Phlyctinus)種、マメコガネ(Popillia)種、プサイリオデス(Psylliodes)種、リゾペルタ(Rhizopertha)種、スカラベイダエ(Scarabeidae)、シトフィルス(Sitophilus)種、シトトロガ(Sitotroga)種、ゴミムシダマシ(Tenebrio)種、トリボリウム(Tribolium)種およびトロゴデルマ(Trogoderma)種、
【0103】
バッタ目からは、例えば、
トウヨウゴキブリ(Blatta)種、チャバネゴキブリ(Blattella)種、ケラ(Gryllotalpa)種、レウコファエア・マデラエ(Leucophaeamaderae)、トノサマバッタ(Locusta)種、ワモンゴキブリ(Periplaneta)種およびスチストケルカ(Schistocerca)種、
【0104】
シロアリ目からは、例えば、
ヤマトシロアリ(Reticulitermes)種、
チャタテムシ目からは、例えば、
コナチャタテ(Liposcelis)種、
シラミ目からは、例えば、
ブタジラミ(Haematopinus)種、ブタジラミ(Linognathus)種、キモノジラミ(Pediculus)種、ペンフィグス(Pemphigus)種およびネアブラムシ(Phylloxera)種、
ハジラミ目からは、例えば
ダマリネア(Damalinea)種およびイヌハジラミ(Trichodectes)種、
【0105】
アザミウマ目からは、例えば、
フランクリニエラ(Frankliniella)種、ヘルキノトリプス(Hercinothrips)種、タエニオトリプス(Taeniothrips)種、トリプス・パルミ(Thrips palmi)、トリプス・タバキ(Thrips tabaci)およびスクルトトリプス・アウランチイ(Scirtothrips aurantii)、
【0106】
カメムシ亜目からは、例えば、
ナンキンムシ(Cimex)種、ジスタンチエラ・テオブロマ(Distantiella theobroma)、ダイスデルクス(Dysdercus)種、エウチスツス(Euchistus)種、エウライガステル(Eurygaster)種、レプトコリサ(Leptocorisa)種、ネザラ(Nezara)種、ピエスマ(Piesma)種、ロドニウス(Rhodnius)種、サールベルゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノファラ(Scotinophara)種およびサシガメ(Triatoma)種、
【0107】
ヨコバイ亜目からは、例えば、
アレウロトリクスウス・フロッコスス(Aleurothrixus floccosus)、アレイロデス・ブラッシカエ(Aleyrodes brassicae)、アオニジエラ(Aonidiella)種、アフィジダエ(Aphididae)、ワタアブラムシ(Aphis)種、アスピジオツス(Aspidiotus)種、ベミシア・タバキ(Bemisia tabaci)、ケロプラステル(Ceroplaster)種、チュライソンファルス・アオニジウム(Chrysomphalus aonidium)、チュライソンファルス・ジクチョスペルミ(Chrysomphalus dictyospermi)、コッカス・ヘスペリドゥム(Coccus hesperidum)、エンポアスカ(Empoasca)種、エリオソマ・ラニゲルム(Eriosoma lanigerum)、エライトロネウラ(Erythroneura)種、ガスカルジア(Gascardia)種、ラオデルファクス(Laodelphax)種、レカニウム・コルニ(Lecanium corni)、レピドサフェス(Lepidosaphes)種、マクロシフス(Macrosiphus)種、マイズス(Myzus)種、ツマグロヨコバイ(Nephotettix)種、ニラパルバタ(Nilaparvata)種、パラトリア(Paratoria)種、ペンフィグス(Pemphigus)種、プラノコッカス(Planococcus)種、プセウドアウラカスピス(Pseudaulacaspis)種、プセウドコッカス(Pseudococcus)種、キジラミ(Psylla)種、プルビナリア・アエティオピカ(Pulvinaria aethiopica)、クワドラスピジオツス(Quadraspidiotus)種、ロパロシフム(Rhopalosiphum)種、サイッセチア(Saissetia)種、スカフォイデウム(Scaphoideus)種、スチザフィス(Schizaphis)種、シトビオン(Sitobion)種、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ・エライトレアエ(Trioza erytreae)およびウナスピス・キトリ(Unaspis citri)、
【0108】
ハチ目からは、例えば、
アクロマイルメックス(Acromyrmex)、アッタ(Atta)種、ケフス(Cephus)種、ジプリオン(Diprion)種、マツハバチ(Diprionidae)、ギルピニア・ポライトマ(Gilpinia polytoma)、ホプロカンパ(Hoplocampa)種、ラシウス(Lasius)種、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ネオジプリオン(Neodiprion)種、ソレノプシス(Solenopsis)種およびスズメバチ(Vespa)種、
【0109】
ハエ目からは、例えば、
ヤブカ(Aedes)種、アンテリゴナ・ソッカタ(Antherigona soccata)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリフォラ・エライトロケファラ(Calliphora erythrocephala)、ケラチチス(Ceratitis)種、オビキンバエ(Chrysomyia)種、アカイエカ(Culex)種、ウサギヒフバエ(Cuterebra)種、ダクス(Dacus)種、ドロソフィラ・メラノガステル(Drosophila melanogaster)、ヒメイエバエ(Fannia)種、ウマバエ(Gastrophilus)種、ツェツェバエ(Glossina)種、ヒフバエ(Hypoderma)種、ハイッポボスカ(Hyppobosca)種、リリオマイザ(Liriomyza)種、キンバエ(Lucilia)種、メラナグロマイザ(Melanagromyza)種、イエバエ(Musca)種、ヒツジバエ(Oestrus)種、オルセオリア(Orseolia)種、オスキネラ・フリト(Oscinella frit)、ペゴマイイア・ハイオスカイアミ(Pegomyia hyoscyami)、フォルビア(Phorbia)種、ラゴレチス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella)、ギョウレツウジバエ(Sciara)種、ストモキサイス(Stomoxys)種、ウシアブ(Tabanus)種、タンニア(Tannia)種およびガガンボ(Tipula)種、
【0110】
ノミ目からは、例えば、
ナガノミ(Ceratophyllus)種およびキセノプサイラ・チェオピス(Xenopsylla cheopis)、
シミ目からは、例えば、
レピスマ・サチャリナ(Lepisma saccharlna)、並びに
【0111】
ダニ目からは、例えば、
アカルス・シロ(Acarus siro)、アケリア・アヘルドニ(Aceriasheldoni)、アクルス・シュレチュテンダリ(Aculus schlechtendali)、アンブライオンマ(Amblyomma)種、ヒメダニ(Argas)種、ブーフィルス(Boophilus)種、ブレビパルプス(Brevipalpus)種、ブライオビア・プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、カリピトリメルス(Calipitrimerus)種、チョリオプテス(Chorioptes)種、デルマナイッスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラナイチュス・カルピニ(Eotetranychus carpini)、エリオファイエス(Eriophyes)種、ハイアロンマ(Hyalomma)種、マダニ(Ixodes)種、オリゴナイチュス・プラテンシス(Olygonychus pratensis)、オルニトドロス(Ornithodoros)種、パノナイチュス(Panonychus)種、ファイロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポライファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス(Psoroptes)種、リピケファルス(Rhipicephalus)種、リゾグライフス(Rhizoglyphus)種、ヒゼンダニ(Sarcoptes)種、ホコリダニ(Tarsonemus)種およびナミハダニ(Tetranychus)種、
を包含している。
【0112】
本発明にかかる活性化合物混合物を使用して、特に、植物、とりわけ農業、園芸および林業において有用な植物および観葉植物に、またはこのような植物の部分、例えば果実、花、葉、茎、塊茎もしくは根に発生する上述のタイプの有害生物を駆除、すなわち抑制もしくは駆除することができ、場合によっては、後にさらに生長する植物の部分をも、これらの有害生物からさらに保護する。
【0113】
本発明にかかる農薬混合物は、
穀類、例えばトウモロコシもしくはモロコシ、
果物、例えばナシ状果、石果および小果樹の実(例えばリンゴ、セイヨウナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボまたは液果(例えばイチゴ、キイチゴおよびブラックベリー))、
マメ科植物、例えばインゲンマメ、ヒラマメ、エンドウもしくは大豆、
含油作物、例えば油科種子ナタネ、カラシ、ケシの実、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、ヒマ、カカオもしくは落花生(groundnuts)、
ヒョウタン類、例えばカボチャ、キュウリもしくはメロン、
繊維植物、例えば綿、亜麻、アサおよびツナソ、
柑橘類果実、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツもしくはマンダリンミカン、
【0114】
野菜、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ品種、ニンジン、ネギ、トマト、ジャガイモもしくはトウガラシ、
クスノキ科植物、例えばアボカドノキ、シナモン、樟脳、または
タバコ、ナッツ、コーヒー、ナス、サトウキビ、茶、コショウ、ブドウ、ホップ、バショウ科植物、天然ゴムの木もしくは観賞植物における有害生物駆除に好都合に用いることができ、
特にトウモロコシ、モロコシ、ナシ状果および石果、マメ科植物、ウリ類、綿、柑橘類果実、野菜、ナス、ブドウ、ホップもしくは観葉植物、
とりわけトウモロコシ、モロコシ、リンゴ、セイヨウナシ、プラム、モモ、インゲンマメ、エンドウ、大豆、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、カカオ、落花生、キュウリ、カボチャ、柑橘類果実、キャベツ品種、トマト、ジャガイモ、ブドウ、ホップもしくは綿、
特に好ましくはブドウ、柑橘類果実、リンゴ、セイヨウナシ、トマトおよび綿、
における有害生物駆除に好都合に用いることができる。
【0115】
本発明にかかる活性化合物混合物の他の使用分野は、上述のタイプの有害生物からの、貯蔵されている生産品および飼育用動物、および素材の保護、並びに衛生セクターにおける保護、特に家畜および増殖性の家畜の保護である。
【0116】
達成されるべき企図および与えられた環境に応じて、本発明にかかる農薬は、本発明にかかる式(A)の化合物またはその塩の1種と、もう一方の活性化合物(I)〜(CLXXXIV)の1種とを含んでいる乳化性濃縮物、懸濁液濃縮物、直接噴霧可能なまたは希釈可能な溶液、塗布性ペースト、希薄乳濁液、噴霧可能な粉末、可溶性粉末、分散性粉末、湿潤製粉末、ダスト、粒体または高分子物質中へのカプセル封入物である。
【0117】
上記活性化合物は、純粋な形で、例えばその固体の活性化合物を特定の粒径にして用いるか、または、好ましくは配合技術において従来から使用されている助剤、例えば増量剤(例えば溶媒または固体キャリア)、もしくは表面活性化合物(界面活性剤)の(少なくとも)1種といっしょに用いる。
【0118】
溶媒は、例えば、水素添加されていないかまたは部分的に水素添加された芳香族炭化水素、好ましくはアルキルベンゼンのC8〜C12留分、例えばキシレン混合物、アルキル化ナフタレンまたはテトラヒドロナフタレン、脂肪族または脂環式炭化水素、例えばパラフィンまたはシクロヘキサン、アルコール、例えばエタノール、プロパノールまたはブタノール、それらのエーテルおよびエステル、例えばプロピレングリコール、ジプロピレングリコールエーテル、エチレングリコールまたはエチレングリコールモノメチルエーテルまたはエチレングリコールモノエチルエーテル、ケトン、例えばシクロヘキサノン、イソホロンまたはジアセトンアルコール、強極性溶媒、例えばN−メチルピロリジ−2−オン、ジメチルスルホキシドまたはN,N−ジメチルホルムアミド、水、エポキシ化されていないかまたはエポキシ化された植物油、例えばエポキシ化されていないかまたはエポキシ化されたナタネ油、ヒマシ油、ココナツ油または大豆油、およびシリコーン油である。
【0119】
例えばダストおよび分散性粉末にたいてい使用される固体キャリアは、天然岩石の粉末、例えば方解石、タルク、カオリン、モンモリロン石またはアタパルジャイトである。高度に分散された珪酸または高度に分散された吸着剤ポリマーを添加して、それらの物理的性質を改良することもできる。粒状の、吸着性粒体キャリヤは、多孔質タイプ、例えば軽石、レンガ片、海泡石またはベントナイトであり、非吸着性のキャリヤー材料は方解石または砂である。無数の無機または有機系の粒状化された材料、特にドロマイトまたは微粉砕された植物残留物をさらに使用することができる。
【0120】
表面活性化合物は、配合されるべき活性化合物の性状に応じて、良好な乳化、分散および湿潤特性を有する非イオン、陽イオンおよび/または陰イオンの界面活性剤または界面活性剤混合物である。下記に列挙されている界面活性剤は、本明細書における単なる例とみなされるべきものであり、配合技術において従来から使用されている多くの他の界面活性剤が関連文献において説明されている。
【0121】
非イオン界面活性剤は、特に、脂肪族または脂環式アルコール、飽和または不飽和脂肪酸およびアルキルフェノールのポリグリコールエーテル誘導体であり、3〜30個のグリコールエーテル基およびその(脂肪族)炭化水素ラジカル中に8〜20個の炭素原子およびそれらのアルキルフェノールのアルキルラジカル中に6〜18個の炭素原子を含んでいてもよい。ポリプロピレングリコール、エチレンジアミノポリプロピレングリコール、およびそのアルキル鎖中に1〜10個の炭素原子を有するアルキルポリプロピレングリコールへの、ポリエチレンオキシドの水溶性付加物であって、20〜250個のエチレングリコールエーテル基および10〜100個のプロピレングリコールエーテル基を含有しているものが、さらに好適である。上述の化合物は通常はプロピレングリコール単位あたりに1〜5個のエチレングリコール単位を含んでいる。例は、ノニルフェニル−ポリエトキシエタノール、ヒマシ油ポリグリコールエーテル、ポリプロピレン/ポリエチレンオキシド付加物、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリエチレングリコールおよびオクチルフェノキシポリエトキシエタノールである。ポリオキシエチレン−ソルビタンの脂肪酸エステル、例えばトリオレイン酸ポリオキシエチレン−ソルビタンはさらに可能である。
【0122】
陽イオン界面活性剤は、特に、置換基として、8〜22個のC原子を有するアルキルラジカルを少なくとも1つ、さらなる置換基としてハロゲン化されていないかまたはハロゲン化されている低級アルキル、ベンジル、または低級ヒドロキシアルキルラジカルを含有している第四級アンモニウム塩である。それらの塩は、ハロゲン化物、メチル硫酸塩またはエチル硫酸塩の形であるのが好ましい。例は、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムおよび臭化ベンジルジ(2−クロロエチル)エチルアンモニウムである。
【0123】
好適な無機界面活性剤は、水溶性石鹸および水溶性合成表面活性化合物の両方であってもよい。好適な石鹸は、高級脂肪酸(C10〜C22)のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩および置換されているかまたは置換されていないアンモニウム塩、例えばオレイン酸もしくはステアリン酸の、または例えばココナツ油またはタル油から得られる天然に生ずる脂肪酸混合物のナトリウム塩またはカリウム塩であり、さらに上記脂肪酸のメチル−タウリン塩でもある。しかしながら、合成界面活性剤、特に脂肪スルホン酸塩、脂肪硫酸塩、スルホン化ベンゾイミダゾール誘導体またはアルキルアリールスルホン酸塩がより頻繁に使用されている。それらの脂肪スルホン酸塩および硫酸塩は、たいていアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩または置換されているかもしくは置換されていないアンモニウム塩の形となっており、一般に8〜22個のC原子を有するアルキルラジカル(アルキルはアシルラジカルのアルキル部分をも包含している)を含有し、例は、リグニンスルホン酸の、ドデシル硫酸エステルの、または天然に生ずる脂肪アルコールから調製される脂肪アルコール硫酸エステル混合物のナトリウム塩またはカルシウム塩である。これらは、脂肪アルコール−エチレンオキシド付加物の硫酸エステルおよびスルホン酸の塩をも包含している。上記スルホン化ベンゾイミダゾール誘導体は、スルホン酸基を2個、および約8〜22個のC原子を有する脂肪酸ラジカルを1個、含有しているのが好ましい。アルキルアリールスルホン酸塩は、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸の、ジブチルナフタレンスルホン酸のまたはナフタレンスルホン酸−ホルムアルデヒド縮合生成物のナトリウム塩、カルシウム塩またはトリエタノールアンモニウム塩である。さらに、相当するホスフェート、例えばp−ノニルフェノール−(4−14)−エチレンオキシド付加物のリン酸エステルまたはリン脂質もまた好適である。
【0124】
上記組成物は、たいてい、式(A)の活性化合物と活性化合物(I)〜(CLXXXIV)との混合物を0.1〜99%、特に0.1〜95%、および(少なくとも)1種の固体または液体の助剤を1〜99.9%、特に5〜99.9%含んでおり、たいていは、それらの組成物の0〜25%、特に0.1〜20%が界面活性剤であってもよい(%は各々の場合において重量パーセントである)。商品としては濃縮組成物がより好ましいとされるけれども、最終使用者は、たいてい、かなり低い活性化合物濃度を有する希薄組成物を使用する。好ましいとされる組成物は、特に、以下の組成を有する(%は重量パーセントである)。
【0125】
乳化性濃縮物:
活性化合物混合物: 1〜90%、好ましくは 5〜20%
界面活性剤: 1〜30%、好ましくは10〜20%
溶媒: 5〜98%、好ましくは70〜85%
ダスト:
活性化合物混合物: 0.1〜10%、好ましくは 0.1〜 1%
固体キャリア: 99.9〜90%、好ましくは99.9〜99%
懸濁液濃縮物:
活性化合物混合物: 5〜75%、好ましくは10〜50%
水: 94〜24%、好ましくは88〜30%
界面活性剤: 1〜40%、好ましくは 2〜30%
湿潤性粉末:
活性化合物混合物: 0.5〜90%、好ましくは 1〜80%
界面活性剤: 0.5〜20%、好ましくは 1〜15%
固体キャリア: 5〜99%、好ましくは15〜98%
粒体:
活性化合物混合物: 0.5〜30%、好ましくは 3〜15%
固体キャリア: 99.5〜70%、好ましくは97〜85%
【0126】
本発明にかかる組成物は、他の固体または液体の助剤、例えば安定剤(例えばエポキシ化されていないかまたはエポキシ化された植物油(例えばエポキシ化ココナツ油、ナタネ油または大豆油))、脱泡剤(例えばシリコーンオイル)、防腐剤、粘度調整剤、結合剤および/または粘着性付与剤、並びに肥料または特殊な効果を達成するための他の活性化合物、例えば殺菌剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺軟体類剤(molluscicide)または除草剤をも含んでいてもよい。
【0127】
本発明にかかる組成物は、既知の方法により、助剤の不在下で、例えば、固体活性化合物または活性化合物混合物を粉砕、篩い分けおよび/または加圧して、例えば特定の粒径とすることにより、また、少なくとも1種の助剤が存在する場合には、例えば、その活性化合物または活性化合物混合物とそのまたはそれらの助剤との均質混合および/または粉砕によって調製される。ゆえに、本発明は、それらの組成物の調製方法にも関する。
【0128】
式(A)の化合物と化合物(I)〜(CLXXXIV)の1種またはそれ以上との混合物は、配合技術において従来から使用されている助剤と共に用いるのが好ましく、その結果、既知の方法によって、例えば、乳化性濃縮物、直接噴霧可能なまたは希釈可能な溶液、希薄乳濁液、湿潤性粉末、可溶性粉末、ダストおよび粒体に加工され、また、例えば、高分子物質中へのカプセル封入物とされる。その組成物の性状により、達成されるべき企図および与えられた環境に応じて、適用方法、例えば噴霧、アトマイジング、ダスチング、湿潤、散乱または流し込みが選ばれる。
【0129】
本発明は、さらに、上記組成物の適用方法、すなわち達成されるべき企図および与えられた環境によって選択されるべき上述のタイプの有害生物の駆除方法、例えば噴霧、アトマイジング、ダスチング、塗布、ドレッシング、散乱または流し込みに関し、また、上述のタイプの有害生物の駆除のためのそれらの組成物の使用にも関する。本明細書における活性化合物の典型的な濃度は0.1〜1000ppm、好ましくは0.1〜500ppmである。適用量は幅広い限界内で変えることができ、土壌の性状、適用の性状(葉適用、種子ドレッシング、種蒔き用の溝への適用)、作物植物、駆除されるべき有害生物、個々の支配的な気候環境および適用の性状、適用の時期および対象とする作物によって決定される他の要因に依存する。ヘクタールあたりの適用量は一般にヘクタールあたり1〜2000gの活性化合物、特に10〜1000g/ha、好ましくは20〜600g/haである。
【0130】
作物保護分野において好ましいとされる方法は、上記植物の葉への適用(葉適用)であり、その適用頻度および適用量は、個々の有害生物による侵襲の危険性によって決定することができる。しかしながら、それらの植物の所在地を液体組成物で浸すことによるか、または固体の形の活性化合物をそれらの植物の所在地に、例えば粒体の形で、例えばその土壌中に導入すること(土壌適用)により、その根系を介して、その活性化合物をそれらの植物に侵入させることができる(全身性作用)。水稲作物の場合、水を張った水田に、このような粒体を計量供給することができる。
【0131】
本発明にかかる組成物は、植物増殖材、例えば、実(例えば果実、塊茎もしくは穀果)または植物の苗木の有害動物からの保護にも好適である。植え付け前に、その組成物を用いてその増殖材を処理することができ、例えば、種蒔きの前に実をドレッシングすることができる。穀果を液体組成物に浸すか、またはそれらを固体組成物でコーティングすることのいずれかにより、本発明にかかる活性化合物を穀果に適用することもできる(コーティング)。散布の間に、その増殖材を植え付る立地に、その組成物を適用することもでき、例えば、種蒔きの間に、種を蒔く溝の中に適用することもできる。本発明は、さらに、植物増殖材の処理方法およびこのように処理された植物増殖材にも関する。
【0132】
以下の実施例は本発明を説明するのに役立つ。それらは本発明を限定するものではない。
【0133】
配合実施例(%は重量%、活性化合物比は重量比である)
【0134】
【表1】

【0135】
EOは、ヒマシ油またはトリブチルフェノールのエトキシル化度である。
水で希釈することによって、このような濃縮物から、あらゆる望まれる濃度の乳濁液を調製することができた。
【0136】
【表2】

【0137】
上記溶液は、微小液滴の形で使用するのに好適であった。
【0138】
【表3】

【0139】
上記活性化合物を塩化メチレンにいっしょに溶解し、その溶液をキャリア上に噴霧し、その溶媒を次に真空中で蒸発させた。
【0140】
【表4】

【0141】
上記キャリアと上記活性成分とを均質混合したところ、すぐに使えるダストが得られた。
【0142】
【表5】

【0143】
上記活性化合物を上記添加剤と混合し、好適なミルの中で徹底的に粉砕した。水で希釈してあらゆる望まれる濃度の懸濁液を生ずることができる湿潤性粉末が得られた。
【0144】
【表6】

【0145】
水で希釈することにより、この濃縮液から、あらゆる望まれる濃度の乳濁液を調製することができた。
【0146】
【表7】

【0147】
上記活性化合物を上記キャリアと混合し、その混合物を好適なミルで粉砕することによって、すぐに使用できるダストが得られた。
【0148】
【表8】

【0149】
上記活性化合物を上記添加剤と混合し、その混合物を粉砕し、水で湿らせた。この混合物を押出し、次に気流中で乾燥させた。
【0150】
【表9】

【0151】
ミキサーの中で、ポリエチレングリコールで湿らせたカオリンに、細かく粉砕した活性化合物を均一に加えた。この方法により、無粉塵性のコートされた粒体が得られた。
【0152】
【表10】

【0153】
細かく粉砕した活性化合物を上記添加剤と均質に混合した。水で希釈することによってあらゆる望まれる濃度の懸濁液を調製することができる懸濁液濃縮物が、このようにして得られた。
式(A)の化合物とその混合相手(I)〜(CLXXXIV)の1種とを個別に配合し、次に、それらを、適用直前に上記の水の中で「タンク混合(tank mixing)」として、望まれる混合比で、そのアプリケーター中で併せるのがより実用的であることが多い。
【0154】
生物学的実施例(特に述べない限り%は重量パーセントである)
式(A)の活性化合物と活性化合物(I)〜(CLXXXIV)の1種との組み合わせの作用EAが個別に適用された活性化合物の作用の合計よりも大きい場合には、相乗効果が必ず存在する。
EA1 > X + Y (B)
しかしながら、2種の農薬の所定の組み合わせに対して予想される農薬作用EAは、以下のように計算することもできる(COLBY, S.R., “Calculating synergetic and antagonistic response of herbicide combinations”, Weeds 15, Pages 20−22, 1967 を参照されたい)。
【0155】
【数1】

【0156】
この方程式において、
X=未処理の対照標準(=0%)と比較した、ヘクタールあたりpkgの適用量における式(A)の化合物による処理時の死亡率(パーセント)
Y=未処理の対照標準と比較した、ヘクタールあたりqkgの適用量における化合物(I)〜(CLXXXIV)による処理時の死亡率(パーセント)
EA=ヘクタールあたりp+qkgの活性化合物の適用量における式(A)の化合物および化合物(I)〜(CLXXXIV)による処理の後に予想される農薬作用(未処理の対照標準と比較した死亡率(パーセント))
【0157】
もしも実際に観察される作用が予想された値EAよりも大きい場合は、相乗効果が存在する。
【0158】
実施例B1:ベミシア・タバキ(Bemisia tabaci)に対する作用
ツルナシインゲンの植物を網籠に入れ、ベミシア・タバキの成虫を生息させた。産卵が起こった後に、すべての成虫を取り出した。10日後に、その上に若虫を有する植物に、50 ppmの上記活性化合物混合物を含んでいる水性懸濁液噴霧液を噴霧した。さらに14日後に、それらの卵の孵化率を、未処理の対照標準バッチと比較して評価した。
この試験において、式(A)の活性化合物と活性化合物(I)〜(CLXXXIV)の1種との組み合わせは相乗効果を示した。特に、40ppmの化合物(A.5)と10ppmの化合物(II)とを含む懸濁液噴霧液は80%を超える活性を示した。
【0159】
実施例B2:スポドプテラ・リットラリス(Spodoptera littoralis)の幼虫に対する作用
若い大豆の植物に、360ppmの上記活性化合物混合物を含んでいる水性乳濁液噴霧液を噴霧した。その噴霧コーティングが乾燥した後、それらの大豆の植物にスポドプテラ・リトラリスの第3期にある10匹の幼虫を生息させ、プラスチック容器の中に置いた。3日後に評価を行った。処理した植物における死亡した幼虫の数および摂食による損傷と未処理の植物におけるそれらとの比較から、個体数の減少率および摂食による損傷の減少率(作用(%))を測定した。
この試験において、式(A)の活性化合物と活性化合物(I)〜(CLXXXIV)の1種との組み合わせは相乗効果を示した。特に、200ppmの化合物(A.2)と160ppmの化合物(XXIX)とを含む懸濁液噴霧液および120ppmの化合物(A)と240ppmの化合物(XXIV)とを含む懸濁液噴霧液は80%を超える活性を示した。
【0160】
実施例B3:ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)に対する殺卵子性作用
濾紙の上に置いたロベシア・ボトラナの卵を、試験されるべき活性化合物を400ppm含んでいるアセトン水溶液試験溶液に短時間浸した。その試験溶液が乾燥した後に、それらの卵をペトリ皿中で培養した。6日後、それらの卵の孵化率を、未処理の対照標準バッチと比較して評価した(孵化の減少率)。
この試験において、式(A)の活性化合物と活性化合物(I)〜(CLXXXIV)の1種との組み合わせは相乗効果を示した。特に、300ppmの化合物(A.5)と100ppmの化合物(III)とを含む懸濁液噴霧液および200ppmの化合物(A.2)と200ppmの化合物(LVII)とを含む懸濁液噴霧液は80%を超える活性を示した。
【0161】
実施例B4:ヘリオティス・ビレスケンス(Heliothis virescens) に対する殺卵子性作用
濾紙の上に置いたヘリオティス・ビレスケンスの卵を、試験されるべき活性化合物を400ppm含んでいるアセトン水溶液試験溶液に短時間浸した。その試験溶液が乾燥した後に、それらの卵をペトリ皿中で培養した。6日後、それらの卵の孵化率を、未処理の対照標準バッチと比較して評価した(孵化の減少率)。
この試験において、式(A)の活性化合物と活性化合物(I)〜(CLXXXIV)の1種との組み合わせは相乗効果を示した。特に、240ppmの化合物(A.1)と160ppmの化合物(I)とを含む懸濁液噴霧液および100ppmの化合物(A.5)と300ppmの化合物(I)とを含む懸濁液噴霧液は80%を超える活性を示した。
【0162】
実施例B5:プルテラ・キサイロステラ(Plutella xylostella)の幼虫に対する作用
若いキャベツの植物に、440ppmの上記活性化合物を含む水性乳濁液噴霧液を噴霧した。その噴霧コーティングが乾燥した後に、それらのキャベツの植物にプルテラ・キシロステラの第3期にある10匹の幼虫を生息させ、プラスチック容器の中に置いた。3日後に評価を行った。処理した植物における死亡した幼虫の数および摂食による損傷の未処理の植物におけるそれらとの比較から、個体数の減少率および摂食による損傷の減少率(作用(%))を測定した。
この試験において、式(A)の活性化合物と活性化合物(I)〜(CLXXXIV)の1種との組み合わせは相乗効果を示した。特に、40ppmの化合物(A.5)と400ppmの化合物(XI)とを含む懸濁液噴霧液および220ppmの化合物(A.7)と220ppmの化合物(L)とを含む懸濁液噴霧液は80%を超える活性を示した。
【0163】
実施例B6:マイズス・ペルシカエ(Myzus persicae)に対する作用
エンドウの苗木をマイズス・ペルシカエに感染させ、続いて400ppmの上記活性化合物を含んでいる噴霧液を噴霧し、20℃で培養した。3日後および6日後に評価を行った。処理した植物において死亡した幼虫の数の、未処理の植物におけるそれとの比較から、個体数の減少率(作用(%))を測定した。
この試験において、式(A)の活性化合物と活性化合物(I)〜(CLXXXIV)の1種との組み合わせは相乗効果を示した。特に、1ppmの化合物(A.5)と40ppmのピリミカルブとを含む懸濁液噴霧液および0.2ppmの化合物(A.5)と75ppmのピリミカルブとを含む懸濁液噴霧液は80%を超える活性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昆虫またはダニ目の代表的なものを駆除するための組成物であって、式
【化1】

で表される化合物と、a)ラムダ−サイ−ハロトリン(lambda-cy-halothrin)、
b)メトミル(methomyl)、c)アバメクチン(abamectin)、d)フィプロニル(fipronil)およびe)ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)から選択される化合物と、少なくとも1種の助剤との組み合わせを含んでいる組成物。
【請求項2】
フィプロニルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ラムダ−サイ−ハロトリンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
アバメクチンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において規定されている組成物を有害生物またはそれらの環境に適用することを含む、有害生物を駆除する方法。
【請求項6】
植物増殖材を保護する請求項5に記載の方法であって、その植物増殖材またはその植物増殖材を植え付ける立地を処理することを含む方法。

【公開番号】特開2009−197006(P2009−197006A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98056(P2009−98056)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【分割の表示】特願平9−538515の分割
【原出願日】平成9年4月17日(1997.4.17)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】