説明

迅速溶解性組成物およびそれを基にした錠剤

【課題】従来の超崩壊剤を必要とせず40秒未満で口腔内において溶解することができ、1%未満の破砕性を有する経口剤型をつくるために有用な組成物であって、リクイフラッシュ粒子および賦形練剤を包含する組成物の提供。
【解決手段】本発明によれば、直接に圧縮し得る無機塩、セルロース誘導体、または直接に圧縮し得る無機塩およびセルロース誘導体の組合せを含有する。好ましくは、リクイフラッシュ粒子および賦形練剤が、硬度20から50Nを有する剤型を得るために組成物が圧縮されるとき、微小球体内に実質的に有効成分が残存するような比率で組合わされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する特許申請)
本特許出願は、1998年10月27日出願の米国特許出願番号09/179,926の継続出願であり、その内容の全文を参考として本明細書に載せてある。
【0002】
本発明は、圧縮可能な組成物およびそれを基にした剤形で、錠剤やトローチ剤のように、摂取したとき口の中で迅速に溶解し、その中の活性薬剤の不快な味を効果的に覆い隠す剤形に関する。また本発明は、複雑な包装装置を必要とせずに形削り、例えば打錠が可能な、高い破砕性と硬度特性を持ち容易に加工可能な組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
生命科学領域のポストゲノム期には、病気に対する分子生物学の新しい考え方に基づいて特定の疾患を標的にする探求がなされ、多くの新しい小分子が産み出された。分子構造生物学において達成した途方もない進展は、有効な分子、所謂「スマートドラッグ」の同定およびデノボ合成の設計を可能にした。ヒトゲノムの解明を基盤にした新しい技術により、コンビナトリアル・ケミストリーの効率性と相まってコード化された酵素類の構造解明に著しい進展がもたらされ、今後も引き続き、効果があり感覚的に受け入れられる形態で患者に投与すべき小分子が創り出される。口に合わない嫌な分子の摂取効率を高めるための一つの方策は、錠剤やトローチ剤のように摂取したとき口の中で迅速に溶解する剤形で処方物を提供することである。
錠剤は、適切な充填剤を添加または無添加の製剤原料を含有する固形投与の医薬剤型と定義される。それらは加工の補助および製品の特性改善のために選択された賦形剤と薬剤を含有する処方物を加圧または圧縮することによって製造される。錠剤はコーティングしてもしなくても良く、粉末にした結晶原料から作られる。錠剤は種々の希釈剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、滑走剤、および多くの場合着色剤が含まれる。使用される賦形剤はそれらが発揮する機能に従って分類される。例えば、滑走剤はホッパー内および打錠金型への粉末混合の流れを改善するために使われる。
【0004】
19世紀後半以来、錠剤の使用が普及し、大多数の医薬品の剤形は錠剤として市販された。製薬業界で投薬形態として錠剤が普及した大きな理由は、製造の簡便性、低コスト、および生産速度にある。他の理由としては、製品薬剤の安定性、包装、発送、および調剤の容易性が挙げられる。患者または消費者に対して錠剤が提供する点は、投与の利便性、正確な投薬の容易性、小型、携帯性、無味性、投与の容易性、および簡潔で独特な外観である。
【0005】
錠剤は、無地、フィルムまたは糖被覆状、分割状、型押し状、垂構造、または除放性にすることが出来る。これらはいろいろなサイズ、形体、および色調で作ることが出来る。錠剤は、飲み込むことも、噛むことも、あるいは口腔内または舌下で溶かすことも出来る。錠剤は、患部或いは局所に使用するために水に溶解することが出来る。無菌錠剤は通常、非経口用溶液および皮下埋込み用に使われる。
【0006】
活性成分または治療成分に加え、錠剤には賦形剤として知られる多数の不活性な原料が含まれる。それらは最終的な錠剤で果たす役割によって分類される。主要な構成物として充填剤、結合剤、潤滑剤および滑走剤が挙げられる。最終製品の錠剤に物理的特性を持たせる他の賦形剤は着色剤、およびチュアブル錠の場合の香料である。賦形剤なしでは、たいていの薬剤および医薬成分を錠剤にするために直接加圧することが出来ない。この主な理由は、たいていの薬剤の流れの悪さと粘着性にある。概して賦形剤は、圧縮される原料に円滑な流れと圧縮特性を与えるために処方物に添加される。そのような特性は、湿式造粒、スラッギング、スプレードライ球状化、あるいは結晶化のような前処理段階を経ることによってこれら賦形剤に賦与される。
【0007】
一般に潤滑剤は、錠剤原料の穿孔機への付着防止、錠剤圧縮中の摩擦の極小化、および圧縮した錠剤の金型からの離脱を容易にするために添加される。このような潤滑剤は、通常は、最終の錠剤混合物中に重量で1%未満の量が含まれる。
【0008】
また錠剤には、混合物の全体重量を増し実用的な圧縮サイズにするための希釈剤が含まれることがある。これは薬剤の損失が比較的小さいところでしばしば必要である。
【0009】
一般に錠剤に使われる別の賦形剤の部類は結合剤である。結合剤は粉末の原料に粘着特性を持たせる物質である。通常使われる結合剤として、澱粉、およびグルコース、デキストロースおよびラクトースのような糖類が挙げられる。
【0010】
崩壊剤は、錠剤が適度な速さで分解することを確実にするためにしばしば添加される。代表的な崩壊剤として、澱粉誘導体およびカルボキシメチルセルロースの塩類が挙げられる。
【0011】
賦形剤の他の望ましい特性として、未満の点が挙げられる:
・低い加圧力で強靭な錠剤が出来る高い圧縮性。
・配合物中の他の賦形剤の流れを改善する事が出来る良い流れ特性。
・密着性(加工、輸送および取り扱い中の錠剤の破砕を防ぐため)。
【0012】
圧縮された錠剤を作るための3つの工程は、湿式造粒、直接圧縮および乾式造粒(スラッギングあるいはローラー圧縮)である。調製の方法および賦形剤のタイプは、錠剤を迅速圧縮するのに望ましい物理的特性を錠剤配合物に付与できるように選択される。圧縮後の錠剤は、外観、硬度、崩壊能、および適度な溶解性など、さらに多くの特性を持たなければならない。充填剤および他の賦形剤の選択は、薬剤の化学的および物理的な特性、処理工程中の混合物の挙動、および最終錠剤の特性に依存する。提案される賦形剤と活性成分の化学的および物理的な適合性は予備製剤試験を行って決定される。
【0013】
薬剤の特性、その剤形、および工程の経済性によって錠剤化の最適な行程が決められる。一般に、錠剤開発には湿式造粒と直接圧縮の両方法が用いられる。
【0014】
乾式造粒法は、薬剤または希釈剤の成分の一つが錠剤化のために十分な粘着特性を有している場合に適用される。その方法には、混合、成分のスラッギング、乾式選別、潤滑化、および圧縮から成る。湿式造粒法は、粉末混合物を錠剤化に適切な流れと粘着特性を有する顆粒に変換するために用いられる。その手順は、適当な混合装置内での粉末の混合、続いて剪断条件下で造粒溶液を混合粉末に添加して錠剤化することから成る。湿った塊は適切な篩で選別し、トレー乾燥または流動床乾燥で乾燥させる。または、湿った塊は乾燥させ粉砕機に通すことが出来る。全体の工程としては、秤量、乾燥粉末混合、湿式造粒、乾燥、粉砕、潤滑剤混合および圧縮が挙げられる。
【0015】
一般に粉末は、硬く丈夫な錠剤を作るのに十分な接着性または粘着特性を有していない。大抵の粉末は粘着性が低いため、通常、粉末粒子を互いに結合させるために結合剤の添加が必要である。熱および湿度感受性の薬剤は、通常、湿式造粒法で製造することは出来ない。多数の加工工程の段数および処理時間は製造コストの増大になり問題である。湿式造粒法もまた、セルロース微結晶のようなある種の医薬賦形剤の圧縮特性を低下させることが知られている。
【0016】
直接圧縮は、粉末原料が薬剤の物理的および化学的特性を変えることなく直接に加圧できる場合には比較的迅速な工程と見なされている。活性成分、直接加圧用賦形剤、および他の補助物質例えば滑走剤や潤滑剤のような物質は、錠剤に加圧する前にツインシェル・ブレンダーまたは同じような低剪断装置内で混合される。このタイプの混合は、“薬学的に許容される”投薬形態を作るために必須であると信じられていた。例えば、「レミントンの薬学」(RPS)、1985年、第17版、1203−1932頁は、薬剤学者に対して、潤滑剤を処方物に加える様式を注意深く制御しなければならないと警告している。
【0017】
したがって潤滑剤は、通常穏やかな撹拌下で造粒物に加えられる。RPSは、潤滑剤と処方物の混合操作が長くなると、出来上がる錠剤の硬度および崩壊時間に著しい影響が出ると警告している。さらに、Anselらの著書「薬剤の剤形および薬物送達システム」、1995年、第6版、199頁では、潤滑剤と顆粒成分の混合を過剰に行うと顆粒を防水加工してしまい、錠剤の硬度および圧縮錠剤の強度を低下させると指摘している。これらの理由により、高剪断の混合条件は直接圧縮剤形の調製には用いられていない。
【0018】
直接圧縮の利点には、混合の均一性、少ない製造工程、(即ち、全工程に含まれるのは、粉末の秤量、混合および圧縮であり、従って低コスト)、熱および水分の排除、主要粒子の解離、および物理的安定性が挙げられる。
【0019】
急速崩壊または溶解性の固形経口製剤の現在の製造者として、首題出願の譲受人であるBiovail Laboratoriesに加え、Cima Labs、Prographarm/Ethypharm、R.P.Scherer、およびYamanouchi−Shaklee各社が挙げられる。これらの全ての製造者は異なったタイプの急速溶解性の固形経口剤形を市販している。
【0020】
Cima Labsは、口腔溶解時間が5秒から30秒と言われる発泡性の直接圧縮錠剤、OraSolv(商標)、および口腔溶解時間が15秒から45秒と言われる味覚遮蔽活性薬剤の直接圧縮錠剤、DuraSolv(商標)、を市販している。“経口投与剤形のための味覚遮蔽微粒子”と題するCima社の米国特許番号5,607,697には、口腔内で崩壊する被覆微粒子からなる固体剤形が述べられている。微粒子の芯には薬剤とマンニトール、ソルビトール、人口甘味料とメントール混合物、糖とメントールの混合物、およびサリチル酸メチルから選ばれる1種以上の冷涼感を与える甘味化合物が含まれる。微粒子芯は、口腔内での溶解を遅らせ、薬剤の味覚を遮蔽する材料で、少なくとも部分的にコーティングされる。そこで、微粒子は圧縮されて錠剤となる。他の賦形剤も錠剤の処方物に加えることが出来る。
【0021】
“迅速溶解性で堅牢な剤形”と題したCima Labsの特許、国際公開番号WO98/46215は、活性成分と少なくとも一つの非直接圧縮充填剤と潤滑剤のマトリックスから成り、硬く圧縮された迅速溶解性の処方物を指向している。一般に非直接圧縮充填剤は、直接圧縮(DCグレード)充填剤と異なって流動性が悪く、自由な流れをする顆粒にするためにさらに加工が必要である。
【0022】
Cima社は、米国特許および国際特許出願も有しており、発泡性剤形(米国特許番号5,503,846;5,223,264;および5,178,878)および迅速溶解性剤形の錠剤助剤(米国特許番号5,401,513および5,219,574)、および水溶性薬剤用の迅速溶解性剤形(“味覚遮蔽ミクロカプセル組成物及び製造法”と題した国際特許出願、国際公開番号WO98/14179)を対象にしている。
【0023】
Prographarm/Ethypharm社は、カルボキシメチルセルロースのような崩壊剤、修飾澱粉のような膨潤剤、および味覚遮蔽した活性薬剤を含む速溶性錠剤であるFlashtab(商標)を市販している。その錠剤は口腔内崩壊時間が1分未満と言われている(米国特許番号5,464,632)。
【0024】
R.P.Scherer社は、口腔内溶解時間が2〜5秒の凍結乾燥錠剤であるZydis(商標)を市販している。凍結乾燥した錠剤は生産コストが高く、錠剤が湿度と温度に敏感なため包装が困難である。米国特許番号4,642,903(R.P.Scherer社)は、凍結乾燥する溶液あるいは懸濁液の全体に気体を分散させることによって調製される速溶性剤形に言及している。米国特許番号5,188,825(R.P.Scherer社)は、水溶性の活性薬剤をイオン交換樹脂に結合または複合させて実質的な水不溶性の複合体を形成させ、それを適切な担体と混合して凍結乾燥することによって調製した凍結乾燥剤形に言及している。米国特許番号5,631,023(R.P.Scherer社)は、ゼラチンと活性薬剤の懸濁液にキサンタン・ガムを添加することによって作られた凍結乾燥薬剤の剤形に言及している。米国特許番号5,827,541(R.P.Scherer社)は、疎水性物質の固形医薬剤形を調製する工程を開示している。その工程には、非水系での疎水性活性成分と界面活性剤を含む分散物、および水系での疎水性活性成分と担体原料を含む分散物の凍結乾燥が含まれる。
【0025】
Yamanouchi−Shaklee社は、成形性の低い糖類と高い糖類の組合せを有する錠剤、Wowtab(商標)を市販している。この技術を対象とする米国特許としては、“口腔内溶解性圧縮成形物及びその製造工程”と題した米国特許番号5,576,014および“口腔内崩壊性調製物及びその製造”と題した米国特許番号5,446,464が挙げられる。
【0026】
他に迅速溶解技術を有している企業として、Janssen Pharmaceutica者が挙げられる。同社の米国特許には、2つのポリペプチド(またはゼラチン)成分と1つの充填剤を含み、2つの成分の正味の電荷が同じ型であり、第一の成分は第二の成分よりも水溶液での溶解性が高い迅速溶解性錠剤が述べられている。“迅速溶解性錠剤”と題する米国特許番号5,807,576、“迅速溶解性錠剤の製造法”と題する米国特許番号5,635,210、“迅速溶解性錠剤の製造のための微粒子支持マトリックス”と題する米国特許番号5,595,761、“迅速溶解性錠剤製造のための微粒子支持マトリックスの製造工程”と題する米国特許番号5,587,180、および“迅速溶解性剤形”と題する米国特許番号5,776,491を参照のこと。
【0027】
Eurand America社は、重曹、クエン酸、およびエチルセルロースの混合物を含む迅速溶解発泡性組成物を対象とした米国特許を所有している(米国特許番号5,639,475、および5,709,886)。
【0028】
L.A.B.Pharmaceutical Research社は、1対の発泡性の酸と発泡性の塩基を含み発泡性を基盤とする迅速溶解性製剤を対象とした米国特許を所有している(米国特許番号5,807,578、および5,807,577)。
【0029】
Schering社は、活性薬剤、賦形剤(界面活性剤でもよい)またはショ糖、乳糖またはソルビトールの内の少なくとも1種、およびステアリン酸マグネシウムまたはドデシル硫酸ナトリウムのどちらかを含む口腔錠に関する技術を有している(米国特許番号5,112,616および5,073,374)。
【0030】
Laboratoire L.LaFon社は、2相の内の少なくとも1相に界面活性剤を含む水中油エマルジョンの凍結乾燥によって作られる従来の剤形を対象とした技術を保有している(米国特許番号4,616,047)。このタイプの処方物は、活性成分が凍結懸濁状態に保たれ、活性薬剤を損傷させないために微粉化したり圧縮したりせずに錠剤化される。
【0031】
Takeda Chemicals社は、活性薬剤と湿らせた可溶性炭水化物を圧縮成形して錠剤にし、その後に乾燥させる方法を指向した迅速溶解性錠剤の製造技術を保有する。
【0032】
Biovail社(首題出願代理人の親会社)は、Shearform(商標)と呼ばれる加工された賦形剤を含む直接圧縮錠剤、Flash Dose(商標)を市販している。Shearform(商標)は無定形繊維に変換された混合多糖体のフロス(絹綿)状物質である。この技術を説明した米国特許として、“迅速溶解性投与単位製造の装置”と題する米国特許番号5,871,781、“高速/高圧条件下で形成される急速溶解性食用単位”と題する米国特許番号5,869,098、“迅速溶解性投薬単位製造のための工程と装置及びそれの生産物”と題する3件の米国特許番号5,866,163、5,851,553、および5,622,719、“コントロールされた放出システムの送達”と題する米国特許番号5,567,439、および“迅速分散性食用単位形成のための工程及びそれによる生産物”と題する米国特許番号5,587,172が挙げられる。
【0033】
自己結束性で流動性の処方物を得る一つの方法は、Shearform(商標)のマトリックスまたはフロスを用いて処方することである。これらのマトリックスは次に示す米国特許にあるような或る加工技術を用いたときに出来るものである。参考として本明細書に載せた米国特許番号5,587,172では、ショ糖含有のシアフォーム・フロスを製造するための急速加熱技術の利用が論じられている。
【0034】
食用に適する単位を形成するためのシアフォーム・マトリックスの使用については、国際特許出願番号PCT/US95/07144、出願日、1995年6月6日の国際公開番号WO95/34290(公開日、1995年12月21日)に述べられている。この場合の出願は、迅速溶解性錠剤が(1)シアフォーム・マトリックスを作るためのフラッシュ・フロー技術を使って形成される、(2)流動性で成形性がある粒子状混合物を形成するために、部分的に結晶化したシアフォーム・マトリックスを添加物と混合することによって形成される、(3)錠剤のような剤形を作るために、混合物を比較的低圧で成形することによって形成される。
【0035】
さらに、1995年6月6日出願の国際特許出願番号PTC/US95/07194からのPTC国際公開番号WO95/34293(公開日、1995年12月21日)は、フラッシュ・フロー処理により迅速溶解性剤形を作るための工程および装置を開示している。この国際出願において、シアフォーム・マトリックスはフラッシュ・フロー工程で形成され、シアフォーム・マトリックスは添加物と配合され、そのマトリックスは単位剤形に成形される。
【0036】
共同所有の米国特許出願番号08/915,068、1997年8月20日出願、現在は米国特許番号5,840,331;および出願番号09/132,986、1998年8月12日出願、現在は米国特許番号6,048,541は、糖類基盤の担体から誘導した錠剤配合について述べており、その中で、供給原料性分のユニークな配合によって自己結束性で流動性のマトリックスおよび錠剤組成物を生み出している。糖アルコール類、すなわちソルビトールとキシリトールの混合物を用いるこの配合は、粘着特性と流動性がグリセリンよりも優れている。
【0037】
これらの糖アルコール類を含み、或る程度湿ったマトリックスから誘導される成形可能な、好ましくは錠剤化可能な組成物は、錠剤化助剤の存在下で高圧および低圧での錠剤化工程に有用である。これによって作られた錠剤および他の剤形、たとえばトローチ剤は、口に含まれたとき急速に、通常30秒未満に溶解する。
【0038】
活性薬剤を含む微小球体の生産は、参考として本明細書に載せた共同所有の米国特許番号5,683,720に記述されている。この特許は、1個以上の活性薬剤を含む組成物を球状化するためのLiquiflash(商標)の利用について論じている。
【0039】
共同所有の米国特許番号6,165,512は、改良された特性を有する組成物および成形された経口剤形を提供している。これらの改良された特性は成形前の処理可能性と高い溶解性および剤形使用時の味覚遮蔽特性である。’512特許の組成物は、マトリックス、または少なくとも一つの糖アルコールを包含するフロスを基本にしたもので、マトリックスは一般に「単一フロス」または「ユニフロス」システムと考えられている。これらのシステムはキシリトール含有シアフォーム・マトリックスまたはフロスに代表され、担体と2種以上の糖アルコールを包む。
【0040】
種々の原料、たとえば活性薬剤を包含する被覆微小球体などの適切な量は、マトリックスを集めて細断した後、錠剤化などによる成形の前に、本発明の組成物に加えられる。
【0041】
有用性の高い剤形は、活性薬剤、可溶化助剤および球状化助剤を含む組成物から作られる微小球体を味覚遮蔽剤でコーティングし、そこでフロスおよび従来の製薬原料を混ぜたときに出来上がる。出来上がった錠剤は、グリセリンを使わないフロス使用による加工の容易さ、および被覆微小球体による味覚と放出特性を享受する。
【0042】
上記の現有高速溶解技術には多数の制限がある。上記Prographarm(Ethypharm)社の剤形は比較的高濃度の超崩壊剤が必要であり、それによって使用が複雑になると共に破壊性と硬さが制限され、特殊な包装が必要になる。同様に、Cima社の剤形には発泡性の賦形剤が必要で、これもまた破壊性と硬度特性が制限される。RPScherer,YamanouchiおよびTakeda各社の技術では、複雑な処理技術が採用されている(すなわち、凍結乾燥、溶媒加熱処理、あるいは乾燥)。これらの技術は、大量生産における剤形調製のコストを増大させる。
【0043】
Shearform(商標)マトリックスは業界において優位にあるが、これもまた、大量使用が制限されるフロス状マトリックスの加工処理に伴うコスト増大の問題を抱えている。同様に、これらの無定形マトリックスはロボット的な特殊な打錠装置が必要で、通常壜詰めのような大量包装に要求される破壊特性および硬度特性は得られない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0044】
上記のように崩壊剤は、錠剤が許容される崩壊速度を確実に有するようにしばしば添加される。典型的な崩壊剤として、澱粉誘導体およびカルボキシメチルセルロースの塩類が挙げられる。従って、付着姓が無く錠剤化が可能で、過剰の超崩壊剤または特殊な処理装置を必要とせずに、迅速溶解性で快適な味覚の剤形を低コストで作るために使える組成物の必要性が未だに残っている。
【課題を解決するための手段】
【0045】
本発明は、迅速溶解性Flashdose(商標)錠剤がフロス状マトリックスを必要とせずに調製できるという予期しない発見に基づく。本発明者らは或る処理条件下で、Liquiflash(商標)微小球体、特に共同所有の米国特許出願番号09/179,926に従って調製した微小球体の直接圧縮により、下記のようにフロス状マトリックスまたは超崩壊剤を必要とせずに、或いは背景技術の項で論じた剤形での使用量よりかなり少ない量の超崩壊剤で急速溶解剤形が得られる事を偶然発見した。
【0046】
本発明の組成物によって提供される急速溶解特性に加え、本発明の他の利点として、適切な賦形練剤(例えば、直接圧縮可能な無機塩、セルロース誘導体など)が挙げられ、それが次の組成物の加工を促進させるため複雑な処理装置の必要性が無くなる。本発明の組成物の成分およびその処理方法は、本発明の迅速溶解性剤形の生産に伴うコストを実質的に低下させ、延いては、大量処理における使用が促進される。また、本発明の剤形を生成するのに使われる賦形剤および技術の単純化により、剤形製造の工程数が少なくなり、それによって汚染するリスクおよび他の品質にあたえる悪影響が激減される。また、本発明の剤形の利点は、活性薬剤をより高負荷に出来ることである。
【0047】
同様に、本発明の組成物および剤形は、包装を単純化できることで非常に有利である。実際に本発明は、原料と加工技術の独特な組合せを提供しており、そのことにより、使用者に普通に使用され容易に入手できる処方薬として、または店頭市販用の壜詰めおよびブリスター包装として迅速溶解性剤形の包装を可能にしている。本発明の組成物の簡単な包装の優位性は、少なくとも一部は、本発明の迅速溶解性剤形で得られた改良された破砕性と硬度による。
【0048】
一つの実施態様において、本発明は、従来の超崩壊剤を必要とせずに口腔内にて40秒未満で溶解する能力があり、1%未満の破砕性を有する経口用剤形を作るのに有用で、薬剤含有リクイフラッシュ粒子と賦形練剤から成る組成物を提供する。好ましい賦形練剤には、直接圧縮可能な無機塩、セルロース誘導体、または直接圧縮可能な塩とセルロース誘導体の混合物が包含される。好ましくは、硬度が約20Nから50Nの剤形を得るために組成物が圧縮されるとき活性成分が実質的に微小球体内に留まるようにリクイフラッシュ粒子と賦形練剤が配合される。硬度および破砕性の改良は、微小球体と賦形練剤の配合がより高い圧縮圧を可能にするという発見によって得られたものである。
【0049】
リクイフラッシュ粒子は、好ましくは少なくとも1種の味覚遮蔽被覆剤でコーティングされる。コーティング剤には、好ましくは少なくとも一つのセルロースポリマーが含まれる。本発明剤形の溶解特性を改良するために、超崩壊剤の特性を有さずに口腔内で崩壊させる微結晶セルロースを組成物に包含させることが出来る。好ましい直鎖状のポリオールはマンニトール単独或いはソルビトールとの組合せから成る。
【0050】
本発明の好ましい実施態様は、口腔内にて30秒未満で溶解し1%未満の破砕性を有する経口用剤形を作るために有用な組成物を提供するものであり、該組成物が、少なくとも一つの生物作用剤及び少なくとも一つの溶解剤と少なくとも一つの球状化助剤の配合物を含み、球状化後コーティングしたリクイフラッシュ粒子、賦形練剤および重量で2.5%未満の超崩壊剤を含む練剤から成る。
【0051】
下に示すように、本発明の組成物は、多様な活性薬剤の経口用剤形を調製するために首尾よく使われる。特に好ましい活性薬剤として、フルオキセチン(fluoxetine);パロキセチン(paroxetine)およびゾルピデム(zolpidem)が挙げられる。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明は、原料成分の特異な配合物を含む組成物から製造された生物作用を有する微粒子に関する。組成物、微粒子、それらの製造およびそれを含む食用単位を開示する。
【0053】
特に明記しない限り、ここに列挙したパーセントは全組成重量を基にした重量パーセントである。
【0054】
I.崩壊剤および超崩壊剤
崩壊剤は一つの賦形剤であり、錠剤またはカプセル混合物に加えられ、これらが液体環境に置かれたときに圧縮された塊が崩壊するのを助ける働きをする。これは特に薬剤物質の急速な放出を必要とする即時放出製品に重要である。崩壊剤は、直接圧縮またはカプセル充填するために粉末混合物に添加される。また、これは湿式造粒した製品にも使うことが出来る。湿式造粒の処方物では、崩壊剤は通常顆粒中に取り込んだ(顆粒内の)場合に効果的である。しかし、崩壊剤を(最終の乾燥混合物中で)50%を顆粒内に、50%を顆粒外に加えた場合がより効果がある。崩壊を補助するいくつかの錠剤用充填剤(例えば、澱粉および微結晶セルロース)がある一方、超崩壊剤と呼ばれる更に効果のある物質がある。いくつかの超崩壊剤とその特徴を下の表に示す。

【0055】
本発明に記載の超崩壊剤は、25℃/90%RH(相対湿度)における含水当量が50%を越す崩壊剤である。典型的な崩壊剤、超崩壊剤およびある崩壊性を有する他の成分の表を下に示す。



【0056】
II.組成物
本発明の組成物には任意の賦形剤が(a)生物作用剤および(b)一つ以上の加工助剤と共に用いられる。
【0057】
A.生物作用剤
ここで有用な活性成分は、治療剤の大きな集団から選択される。それぞれのクラスは次の薬剤分類に含まれる:ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤;アルカロイド;制酸剤、鎮痛剤、同化促進剤、抗アンギナ症薬、抗アレルギー薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、抗生物質、抗コレステロール血症薬、抗痙攣薬、抗凝固剤、抗欝剤、下痢止め薬、制吐剤、抗ヒスタミン剤、降圧剤、感染防止剤、抗炎症剤、抗脂肪薬、抗躁病薬、抗片頭痛薬、制嘔吐剤、抗精神病薬、抗卒中薬、抗甲状腺薬、同化促進薬、肥満抑制薬、駆虫薬、鎮痙薬、抗血栓剤、抗がん剤、鎮咳剤、抗潰瘍薬、抗尿酸血症薬、抗不安薬、食欲増進剤、β−ブロッカー、気管支拡張剤、心血管作動薬、脳拡張剤、キレート剤、コレシストキニン拮抗薬、化学療法剤、認知力活性化剤、避妊薬、冠動脈拡張剤、鎮咳剤、充血除去剤、脱臭剤、皮膚病薬、糖尿病薬、利尿剤、皮膚軟化剤、酵素、赤血球増殖剤、去痰剤、排卵促進剤、殺菌剤、胃腸薬、生長調節剤、ホルモン補充剤、高血糖症薬、低血糖症薬、イオン交換樹脂、緩下剤、偏頭痛治療薬、無機物補充剤、ムコ多糖分解剤、麻酔薬、神経遮断剤、神経筋肉薬、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、栄養補助剤、抹消血管拡張剤、ポリペプチド、プロスタグランジン、向精神薬、レニン阻害剤、呼吸刺激剤、鎮静剤、ステロイド、興奮剤、交感神経遮断剤、甲状腺製剤、精神安定剤、子宮弛緩剤、膣製剤、血管収縮剤、血管拡張剤、めまい薬、ビタミン、創傷治療剤など。本発明に使われる活性薬剤として、アセトアミノフェン;酢酸;アセチルサリチル酸及びその緩衝化物;アクリバスチン;アルブテロール及びその硫酸塩;アルコール;アルカリホスファターゼ;アラントイン;アロエ;アルミニウム・酢酸塩、炭酸塩、塩酸塩および水酸化物;アルプロゾラム;アミノ酸;アミノ安息香酸;アモキシリン;アンピシリン;アムサクリン;アムサログ;アネトール;アスコルビン酸;アスパルテーム;アテノロール;アザチジン及びそのマレイン酸塩;バシトラシン;バルサム・ペルー;BCNU(カルムスチン);ベクロメタゾン・ジプロピオネート;ベンゾカイン;安息香酸;ベンゾフェノン;過酸化ベンゾイル;ベンゾキナミド及びその塩酸塩;ベタネコール;ビオチン;ビサコディル;ビスマス・塩基性サリチル酸塩;酢酸ボルニル;ブロモフェニラミン及びそのマレイン酸塩;バスピローネ;カフェイン;カラミン;カルシウム・炭酸塩、カゼイン酸塩及び水酸化物;カンフル;カプトプリル;カスカラサグラダ;ヒマシ油、セファクロール;セファドロキシル;セファレキシン;セントリジン及びその塩酸塩;セチルアルコール;塩化セチルピリジニウム;キレート化ミネラル;クロラムフェニコール;クロルシクリジン・塩酸塩;クロルヘキシジン・グリコール酸塩;クロロキシレノール;クロロペントスタチン;クロロフェニラミン及びそのマレイン酸塩及びタンニン酸塩;クロロプロマジン;コレスチラミン樹脂;コリン重酒石酸塩;軟骨生成刺激たんぱく質;シメチジン及びその塩酸塩;シナメジン塩酸塩;シタロプラム;クエン酸;クラリスロマイシン;クラマスチン及びそのフマル酸塩;クロニジン及びその塩酸塩;クロフィブレート;ココアバター;タラ肝油;コデイン及びそのフマル酸塩及びリン酸塩;コルチゾン・酢酸塩;シプロフロキサシン・塩酸塩;シアノコバラミン;シクリジン・塩酸塩;シプロヘプタジン及びその塩酸塩;ダンスロン;デクスブロモフェニラミン・マレイン酸塩;デキストロメトルファン及びその塩酸塩;ジアゼパン;ジブカイン;ジクロロアルフェナゾン;ジクロフェン及びそのアルカリ金属塩;ジクロフェナック・ナトリウム;ジゴキシン;ジヒドロエルゴタミン及びその水素化物/メシラート;ジルチアゼム;ジメチコン;ジオキシベンゾン;ジフェンヒドラミン及びそのクエン酸塩;ジフェンヒドラミン及びその塩酸塩;ジバルプロックス及びそのアルカリ金属塩;ドキュセート・カルシウム、カリウム及びナトリウム;ドキシサイクリン・水和物;ドキシラミン・コハク酸塩;ドロナビノール;エファロキサン;エナラプリル;エノキサシン;エルゴタミン及びその酒石酸塩;エリスロマイシン;エストロピペート;エチニルエストラジオール;エフェドリン;エピネフェリン重酒石酸塩;エリスロポイエチン;ユーカリプトール;ファモチジン;フェノプロフェン及びその金属塩;第二鉄・フマル酸塩、グルコン酸塩及び硫酸塩;フルオキセチン;葉酸;フォスフェニトイン;5−フルオロウラシル(5−FU);フルオキセチン及びその塩酸塩;フルルビプロフェン;フロセミド;ガバペンタン;ゲンタマイシン;ゲムフェブロジル;グリピジド;グリセリン;ステアリン酸グリセリル;グラニセトロン及びその塩酸塩;グリセオフルビン;成長ホルモン;ガフェネシン;ヘキシルレゾルシノール;ヒドロクロロチアジド;ヒドロコドン及びその酒石酸塩;ハイドロコルチゾン及びその酒石酸塩;8−ヒドロキシキノリン・硫酸塩;ヒドロキシジン及びそのパモ酸塩及び塩酸塩;イブプロフェン;インドメタシン;イノシトール;インシュリン;ヨウ素;吐根;鉄;イソソルビド及びその一及び二硝酸塩;イソキシカム;ケタミン;カオリン;ケトプロフェン;乳酸;ラノリン;レシチン;ロイプロリド・酢酸塩;リドカイン及びその塩酸塩;リフィノプリル;リオトリックス;ロラタジン;ロバスタチン;黄体形成ホルモン;LHRH(黄体形成ホルモン放出ホルモン);マグネシュウム・炭酸塩、水酸化物、サリチル酸塩、及び三珪酸塩;メクリジン及びその塩酸塩;メフェナム酸;メクロフェナム酸;メクロフェナム酸ナトリウム;メドロキシプロゲステロン・酢酸塩;メテナミン・マンデル酸塩;メントール;メペリジン・塩酸塩;メタプロテレノール・硫酸塩;メトスコポラミン及びその硝酸塩;メトセルギド及びその酒石酸塩;ニコチン酸メチル;メチルセルロース;メトサクシミド;メトクロプラミド及びそのハロゲン化物/水和物;メトロニダゾール及びその塩酸塩;メトプロトール・酒石酸塩;ミコナゾール・硝酸塩;鉱油;ミノキシジル;モルヒネ;ナプロキセン及びそのアルカリ金属ナトリウム塩;ニフェジピン;ネオマイシン・硫酸塩;ナイアシン;ナイアシナミド;ニコチン;ニコチンアミド;ニメスリド;ニトログリセリン;ノノキシノール−9;ノレチンドロン及びその酢酸塩;ナイスタチン;オクトキシノール;オクトキシノール−9;オクチルジメチルPABA;オクチル・メトキシ桂皮酸エステル;オメガ−3ポリ不飽和脂肪酸;オメプラゾール;オンダンセトロン及びその塩酸塩;オキソリン酸;オキソベンゾン;オクストリフィリン;パラアミノ安息香酸(PABA);パディメート−O;パラメタジオン;ペンタスタチン;ペパーミント油;ペンタエリスリトール・四硝酸塩;ペントバルビタール・ナトリウム;ペルフェナジン;フェネルジン・硫酸塩;フェニンダミン及びその酒石酸塩;フェニラミン・マレイン酸塩;フェノバルビタール;フェノール;フェノールフタレイン;フェニルエフェリン及びそのタンニン酸塩及び塩酸塩;フェニルプロパノーラミン及びその塩酸塩;フェニトイン;ピルメノール;ピロキシカム及びその塩;ポリミシン−B・硫酸塩;塩化カリウム及び硝酸カリウム;プラゼパム;プロカイナミド・塩酸塩;プロカテロール;プロメタジン及びその塩酸塩;プロポキシフェン及びその塩酸塩及びナプシレート;プラミラセチン;プラモキシン及びその塩酸塩;プロクロルペラジン及びそのマレイン酸塩;プロパノロール及びその塩酸塩;プロメタジン及びその塩酸塩;プロパノール;シュードエフェドリン及びその硫酸塩及び塩酸塩;ピリドキシン;ピロラミン及びその塩酸塩及びタンニン酸塩;キナプリル;キニジングルコン酸塩及び硫酸塩;キネストロール;ラリトリン;ラニタジン、レゾルシノール;リボフラビン;サリチル酸;スコポラミン;胡麻油;サメ肝油;シメチコン;重曹、クエン酸ナトリウム及びフッ化ナトリウム;一フッ化リン酸ナトリウム;スクラルフェート;スルファネトキサゾール;スルファサラジン;硫黄;スマトリプタン及びそのコハク酸塩;タクリン及びその塩酸塩;テオフィリン;テルフェナジン;チエチルペラジン及びそのマレイン酸塩;チモール及びそのマレイン酸塩;チオペリドン;トラマドール;トリメトレキセート;トリアゾラム;トレチノイン;テトラサイクリン・塩酸塩;トルメチン;トルナフテート;トリクロサン;トリメトベンザミド及びその塩酸塩;トリペレナミン及びその塩酸塩;トリポリジン・塩酸塩;ウンデシレン酸;バンコマイシン;ベラパミル・塩酸塩;ビダリビン・リン酸塩;ビタミンA,B,C,D,B1,B2,B6,B12,E,及びK;アメリカマンサク;キシロメタゾリン・塩酸塩;亜鉛;硫酸亜鉛;ウンデシレン酸亜鉛が挙げられる。混合物及び薬学的に許容されるこれらの塩類及び他の活性体を用いることが出来る。
【0058】
特に有用な活性薬剤は、溶解性の低い固体の薬剤で、その溶解性及び放出特性がここに用いた溶解剤により高められる薬剤である。このような薬剤として、HZ拮抗薬、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)を含む鎮痛剤、抗コレステロール血症剤、抗アレルギー剤、及び抗偏頭痛薬が挙げられる。
【0059】
鎮痛剤としては、アスピリン、アセトアミノフェン、カフェイン添加アセトアミノフェン、及び非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)、例えばイブプロフェン及びニメスリドが挙げられる。
【0060】
有用なNSAIDsとして、イブプロフェン;ジクロフェナック及びそのアルカリ金属塩;フェノプロフェン及びその金属塩;フルリプロフェン;ケトプロフェン;ナプロキセン及びその金属塩;ニメスリド;及びプロキシカム及びその塩が挙げられる。
【0061】
本発明で使用を検討したH−拮抗薬として、シメチジン、ラニチジン・塩酸塩、ファモチジン、エブロチジン、ミフェチジン、ロキサチジン、ピサチジン及びアセロキサチジンが挙げられる。
【0062】
有用な抗アレルギー剤として、ハイドリコドン及びその酒石酸塩;クレマスチン及びそのフマル酸塩;アザタジン及びそのマレイン酸塩;アセタミノフェン;ヒドロキシジン及びそのパモ酸塩及び塩酸塩;クロルフェニラミン及びそのマレイン酸塩及びタンニン酸塩;シュードエフェドリン及びその硫酸塩及び塩酸塩;ブロイノフェニラミン及びそのマレイン酸塩;デキストロメトルファン及びそのハロゲン酸塩;ロラタジン;フェニルエフリン及びそのタンニン酸塩及び塩酸塩;メトスコポラミン及びその硝酸塩;フェニルプロパノーラミン及びその塩酸塩;コデイン及びその塩酸塩;コデイン及びそのリン酸塩;テルフェナジン;アクリバスチン;アステミゾール;セトリジン及びその塩酸塩;フェニンダミン及びその酒石酸塩;トリペレナミン及びその塩酸塩;シプロヘプタジン及びその塩酸塩;プロメタジン及びその塩酸塩;及びピリラミン及びその塩酸塩及びタンニン酸塩が挙げられる。
【0063】
有用な抗偏頭痛薬として、ジバルプロエックス及びそのアルカリ金属塩;チモロール及びそのマレイン酸塩;プロパノロール及びそのハロゲン酸塩;エルゴタミン及びその酒石酸塩;カフェイン;スマトリプタン及びそのコハク酸塩;ジヒドロエルゴタミン、その水素化物/メシラート;メトセルギド及びそのマレイン酸塩;イソメテプテン・ムカート;及びジクロラルフェナゾンが挙げられる。
【0064】
使用できる薬剤の他のクラスは制嘔吐剤である。有用な制嘔吐剤としては、メクリジン及びその塩酸塩;ヒドロキシジン及びその塩酸塩及びパモ酸塩;ジフェニルドラミン及びその塩酸塩;プロクロロペラジン及びそのマレイン酸塩;ベンズキナミド及びその塩酸塩;グラニセトロン及びその塩酸塩;ドロナビノール;ビスマス・塩基性サリチル酸塩;プロメタジン及びその塩酸塩;メトクロプラミド及びそのハロゲン化物/水和物;クロルプロマジン;トリメトベンザミド及びその塩酸塩;チエチルペラジン及びそのマレイン酸塩;スコポラミン;ペルフェナジン;及びオンダンセトロン及びその塩酸塩が挙げられる。
【0065】
本発明で使われる他の活性成分としては、インモジウムADのような下痢止め剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、充血除去剤、ビタミン類、及び脱口臭剤が挙げられる。また、使用を検討したものには、Xanaxのような抗不安薬;Clozaril及びHaldonのような抗精神病薬;Seldane、Hismanal、Relafen、及びTavistのような抗ヒスタミン剤;Kytril及びCesametのような制嘔吐剤;Bentolin、Proventilのような気管支拡張剤;Prozac,Zoloft,及びPaxilのような抗鬱病薬;Imigranのような抗偏頭痛薬;Vasotec,Capoten及びZestrilのようなACE−阻害剤;Nicergolineのような抗アルツハイマー薬;Procardia,Adalat,及びCalanのようなカルシウム拮抗薬がある。
【0066】
抗コレステロール血症薬の中で、スタチン類、例えばロバスタチン、プロバスタチンなどは注目に値する。
【0067】
フルオキセチン、パロキセチン及びゾルピデムは好ましい活性薬剤である。
【0068】
個々の薬剤の配合と同様に、種々のタイプの薬剤の配合が検討される。
【0069】
B.加工助剤
本発明の加工助剤として、高分子量ポリエチレングリコール類(PEG)及び/またはポリエチレングリコール・グリセリルエステルが挙げられる。微小球体を作るとき、これらの材料は「球状化助剤」と呼ばれる。
【0070】
出願者が意味する「高分子量ポリエチレングリコール類(PEG)」は、分子量約3,000から約8,000のPEGを指す。分子量約4,400から4,800の平均分子量を有する「PEG4600」は好ましい材料である。混合して使うことが出来る。
【0071】
化学的表現では、有用なPEGsはHOCH(CHOCHCHOHの構造式を有する分子で、mはオキシエチレングループの平均数を示す。本発明に使用するPEGはmが約0から約13のものである。
【0072】
有用なPEGは固体である。このことは、「製薬の賦形剤ハンドブック」第2版(1994)、355〜361頁に論じられている。
【0073】
ここに有用なポリエチレングリコール・グリセリルエステルは、約30から約35のオキシエチレングループを有するものの中から選択される。フランスのGattefosse社から「GELUCIRE 50/13」として市販されているポリエチレングリコール32グリセリルエステルは好ましいエステルである。混合しても使える。
【0074】
組成物に使われる原材料の量は、一般に次に示した表の範囲内である。

【0075】
III.加工
本発明の微粒子を作るために有用な加工工程には、例えば押し出し成形として知られる他の熱成形と同じようにリクイフラシュ条件が含まれる。「リクイフラシュ条件」とは、一般に供給原料と呼ばれる材料が粒子内流動を起こし、部分的な変質または液化が起こり、適切な回転吐出装置内の開口部を通過できる点まで急速に加熱される条件のことである。リクイフラシュ粒子の開口部通過は、回転ヘッドの遠心力に対応するもので、その遠心力で粒子は不連続な固体として装置から外に放出される。放出された原料は、外部から成形力を加えることなしに、即時に粒子として再形成するが、処理後の粒子の形態学的性質は供給原料のそれとは異なっている。
【0076】
本申請者らは、一つの特殊な吐出装置が本発明の微小球体を作る上で有用性が高いことを見出した。米国特許番号5,458,823に、本体とカバーから成る吐出ヘッドを使った吐出装置が述べられている。間隔の狭い複数の加熱素子が本体とカバーの間に置かれ、それが処理する物質の通り抜ける関門を形成している。使用中にヘッドが回転し、加熱素子は加工される原料がリクイフレシュ状態になるように加熱される。吐出ヘッドが回転するため、原料物質は回転により生じる遠心力により加熱素子の間の空間を通って放出される。原料物質は、ばらばらの、通常は球状粒子を自然に形成する。
【0077】
本発明に用いる微小球体の生産は、吐出ヘッド内部にV字溝の挿入物を使うことによって最適化される。挿入物については、審査中の米国特許出願番号08/874,515、1997年6月13日出願に記載されている。挿入物には長さに対して均一な深さと幅を有する溝があり、それによって均一性の高い不連続の微小球体または粒子が生産される。この挿入物或いは類似の挿入物を用い、吐出装置は、50〜70Hz、約10〜25%出力、及びリクイフラシュ状になる温度で運転される。
【0078】
ただし、リクイフラシュ状態は、処理する原料、すなわち供給原料の特性によって変動する。供給原料は多くの様々な量の物質を含むため、特定の混合物のリクイフラシュ状態を作るパラメーターは、大量に処理する前に少量又はサンプルの処理により確認する必要がある。通常、供給原料には活性薬剤と処理助剤が含まれる。
【0079】
生物作用物質を含む微小球体の調製に関する共同所有の特許及び特許出願には、米国特許番号5,458,823;米国特許番号5,0q、720;及び米国特許出願番号08/874,215、1997年6月13日出願がある。
【0080】
III.微粒子
いろいろな熱処理技術で作られる粒子が有用であるが、下に述べる微小球体が好ましい。
【0081】
微小球体または他の粒子は一般に固形の球体で、平均粒子径が約150ミクロンから約250ミクロンである。
【0082】
それらは、リクイフラシュまたは適切な技術のような、直接球状化工程を経由して製造されることが好ましい。しかしそれらは、非球状粒子のサイズ及び/または形状を押出成形/球状化または溶融造粒により物理的に変換させることによって作ることが出来る。
【0083】
活性薬剤、脂肪性エステル類及び任意の乳化剤/界面活性剤を含む組成物を直接球状化する場合、脂肪酸エステル類が球状化助剤として働く。
【0084】
微小球体は粉末製品または袋入り製品として、活性薬剤のデリバリーに使うことが出来る。或いは、それらは固形、液状(懸濁状)、または半固体(例えば、ゲル状)の口に入れる錠剤などの生産に使うことが出来る。錠剤及びカプセルは好ましい。
【0085】
本発明の微小球体をフロスまたはマトリックス粒子に成形された賦形剤と混合して使うことが好ましい。有用なフロスは一般に糖質を基にする担体から作られる。米国特許番号5,622,719及び5,587,172を参照のこと。
【0086】
フロスと微小球体成分が混合されるとすぐに、口に入れる錠剤に成形される。
【0087】
IV.コーティング
微小球体及び投薬単位の一方または両方は、少なくとも一つのコーティング剤で被覆または被包することが出来る。有用なコーティング処方物には従来被覆に使われている賦形剤と同じようにポリマー性成分が含まれる。一般にコーティング剤は、味覚遮蔽、放出制御などの目的に使われる。
【0088】
有用な味覚遮蔽用のコーティング材として、(メタ)アクリレート/セルロース系ポリマーが挙げられる。エチルセルロース(EC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、およびEudrgit RS,Eudragit RLまたはその混合物のようなポリメタクリレートポリマーが有用である。
【0089】
放出制御のコーティング剤には、一般に、次の内の少なくとも一つが含まれる:エチルセルロース(EC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース・フタル酸エステル、セルロース・酢酸及びフタル酸エステルなど。NE300,RS,L30Dと記されたEudragit類は有用である。混合物でも実施可能である。
【0090】
被覆度は約0%から約150%が効果的であり、約5%から約30%が好ましい。
【0091】
コーティング装置としては、従来医薬加工用に使われる装置が挙げられるが、流動層塗装装置が好ましい。
【0092】
本発明に記載の処方物を実施例によって以下に示すが、これによって添付の請求項の範囲が制限されるものではない。下に示す破砕性の結果は、2個の分離したドラムが付いたRocheドラムをモーターで100回転/分で回転させて実施したドロップテストに該当する。実物のドラムはプレキシガラスで出来ており、ドラム本体と取外し可能なカバーから成り、充填、排出およびドラム洗浄のために開けることが出来る。磨耗試験には、これら2個のドラムの1個を磨耗用ドラムに交換して使用した。
【実施例】
【0093】
以下にあげる実施例および比較実施例は、本発明による剤型を形成するための処方および処理条件を例示するものである。
【0094】
処方1
CEFORM(商標)または他の被覆された粒子:5〜45%W/W、好ましくは5〜35%W/W、(35〜45%は速崩壊性錠剤であるが、砂が入ったような感じである)
マンニトール:29.1〜77.1%
微結晶セルロース**:12〜18%
1−HPC,LH−11:2〜4%
クエン酸:1.5%
アセスルファムK:0.2%
Magnasweet 100:0.2%
着香料:0.5%
サイロイド:0.5%
Pruv:1.0%
【0095】
処方2
CEFORM(商標)または他の被覆された粒子:5〜45%W/W、好ましくは5〜35%、(35〜45%は速崩壊性錠剤であるが、砂が入ったような感じがする)
マンニトール:29.1〜77.1%
微結晶セルロース**:12〜18%、好ましくは15〜18%
Kollidon CL:2〜4%
クエン酸:1.5%
アセスルファムK:0.2%
Magnasweet 100:0.2%
着香料:0.5%
サイロイド:0.5%
Pruv:1.0%
【0096】
処方3(より好ましい処方)
CEFORM(商標)または他の被覆された粒子:5〜45%W/W、好ましくは5〜35%、(35〜45%は速崩壊性錠剤であるが、砂が入ったような感じがする)
マンニトール:27.1〜83.6%
微結晶セルロース**:5〜20%、好ましくは15〜18%
Kollidon CL:2%
1−HPC,LH−11:2%
クエン酸:1.5%
アセスルファムK:0.2%
Magnasweet 100:0.2%
着香料:0.5%
サイロイド:0.5%
Pruv:1.0%
評価し受け入れ可能であるとされたマンニトール:パーリトール(Pearlitol)400DC、300DC、パーテック(Parteck)M200、パーテックM300、Roquette Lab3038。崩壊時間に差はみられなかった。
**評価し受け入れ可能であるとされた微結晶セルロース:アビセルPH101、102、113、プロソルブ50、プロソルブ90。崩壊時間に差は見られなかった。
【0097】

【0098】

【0099】

【0100】

【0101】

【0102】

【0103】

【0104】

【0105】

【0106】

【0107】

【0108】

【0109】

【0110】

【0111】

【0112】

【0113】

【0114】

【0115】

【0116】

【0117】

【0118】

【0119】

【0120】

【0121】

【0122】

【0123】

【0124】

【0125】

【0126】

【0127】

【0128】

【0129】

【0130】

【0131】

【0132】

【0133】

【0134】

【0135】

【0136】

【0137】

【0138】

【0139】

【0140】

【0141】

【0142】

【0143】

【0144】

【0145】

【0146】

【0147】

【0148】

【0149】

【0150】

【0151】

【0152】

【0153】

【0154】

【0155】

【0156】

【0157】

【0158】

【0159】

【0160】

【0161】

【0162】

【0163】

【0164】

【0165】

【0166】
直接に圧縮し得る無機塩、単独またはセルロース誘導体との組合せに基づいた好ましい処方
本発明の好ましい例示的実施態様は、セルロース誘導体と共に直接的に圧縮し得る無機塩の導入に関する。
【0167】
処方I:
この処方は、リン酸水素カルシウム二水化物(Emcompress)と微結晶セルロース(アビセル)の混合物を含有する賦形剤集合体に基づいている。

フルオキセチンTMMS: 28.69
パーリトール400DC: 36.31
Emcompress: 12.10
アビセルPH 101: 15.00
L-HPC LH-11: 2.00
XL Kollidon: 2.00
Acesulfame K: 0.20
Magnasweet 100: 0.20
タンジェリンフレーバー: 0.50
無水クエン酸: 1.50
サイロイド244FP: 0.50
Pruv: 1.00
【0168】
処方II:
この処方は、マンニトールをリン酸水素カルシウム二水化物(Emcompress)に置き換えた賦形剤集合体に基づいている。

フルオキセチンTMMS: 28.69
Emcompress: 48.41
アビセルPH 101: 15.00
L-HPC LH-11: 2.00
XL Kollidon: 2.00
Acesulfame K: 0.20
Magnasweet 100: 0.20
タンジェリンフレーバー: 0.50
無水クエン酸: 1.50
サイロイド244FP: 0.50
Pruv: 1.00
【0169】
処方III:
この処方は、微結晶セルロース(アビセル)をリン酸二カルシウム二水化物(Emcompress)に置き換えた賦形剤集合体に基づいている。

フルオキセチンTMMS: 28.69
パーリトール400DC: 48.41
Emcompress: 15.00
L-HPC LH-11: 2.00
XL Kollidon: 2.00
Acesulfame K: 0.20
Magnasweet 100: 0.20
タンジェリンフレーバー: 0.50
無水クエン酸: 1.50
サイロイド244FP: 0.50
Pruv: 1.00
【0170】
処方IV:
この処方は、パーリトール400DC/リン酸二カルシウム二水化物の比率75/25の組合せを含有する賦形剤集合体に基づいている。

フルオキセチンTMMS: 28.69
パーリトール400DC: 36.69
Emcompress: 12.10
アビセルPH 101: 15.00
XL Kollidon: 2.00
L-HPC LH-11: 2.00
Acesulfame K: 0.20
Magnasweet 100: 0.20
タンジェリンフレーバー: 0.50
無水クエン酸: 1.50
サイロイド244FP: 0.50
Pruv: 1.00
【0171】
処方V:

フルオキセチンTMMS: 28.69
パーリトール400DC: 36.31
Emcompress: 17.10
アビセルPH 101: 10.00
XL Kollidon: 2.00
L-HPC LH-11: 2.00
Acesulfame K: 0.20
Magnasweet 100: 0.20
タンジェリンフレーバー: 0.50
無水クエン酸: 1.50
サイロイド244FP: 0.50
Pruv: 1.00
【0172】
処方VI:
この処方は、低レベルのアビセルとEmcompressの組合せを含有する賦形剤集合体に基づいている。

フルオキセチンTMMS: 28.69
パーリトール400DC: 43.81
Emcompress: 12.10
アビセルPH 101: 7.50
XL Kollidon: 2.00
L-HPC LH-11: 2.00
Acesulfame K: 0.20
Magnasweet 100: 0.20
タンジェリンフレーバー: 0.50
無水クエン酸: 1.50
サイロイド244FP: 0.50
Pruv: 1.00
【0173】
処方VII:

フルオキセチンTMMS: 28.69
パーリトール400DC: 48.41
Emcompress: 7.50
アビセルPH 101: 7.50
XL Kollidon: 2.00
L-HPC LH-11: 2.00
Acesulfame K: 0.20
Magnasweet 100: 0.20
タンジェリンフレーバー: 0.50
無水クエン酸: 1.50
サイロイド244FP: 0.50
Pruv: 1.00
【0174】
処方VIII:
この処方は、本発明による錠剤処方においてクレー(magnabrite)の導入が、どのようにミクロスフェアの不快な砂のような味をカバーすることができるか、それによって本処方に基づいた錠剤を嚥下する患者の力を改善するかを例示している。

フルオキセチンTMMS: 28.69
パーリトール400DC: 43.81
Emcompress: 12.10
アビセルPH 101: 6.50
XL Kollidon: 2.00
L-HPC LH-11: 2.00
Magnabrite F: 1.00
Acesulfame K: 0.20
Magnasweet 100: 0.20
タンジェリンフレーバー: 0.50
無水クエン酸: 1.50
サイロイド244FP: 0.50
Pruv: 1.00
【0175】
処方IX:

フルオキセチンTMMS: 28.69
パーリトール400DC: 43.81
Emcompress: 12.10
アビセルPH 101: 7.50
XL Kollidon: 2.00
Magnabrite F: 2.00
Acesulfame K: 0.20
Magnasweet 100: 0.20
タンジェリンフレーバー: 0.50
無水クエン酸: 1.50
サイロイド244FP: 0.50
Pruv: 1.00
【0176】
処方X:

フルオキセチンTMMS: 28.69
パーリトール400DC: 43.81
Emcompress: 12.10
アビセルPH 101: 7.50
Magnabrite F: 4.00
Acesulfame K: 0.20
Magnasweet 100: 0.20
タンジェリンフレーバー: 0.50
無水クエン酸: 1.50
サイロイド244FP: 0.50
Pruv: 1.00
注:
TMMS:味をマスクしたミクロスフェア(Taste Masked Microspheres)。フルオキセチンをモデル薬物として使用した、しかしこれらの処方は、いかなる被覆または非被覆CEFORM(商標)ミクロスフェアの使用をも包含している。
【0177】
当業者に起こり得るような合理的な変形例は、本発明の範囲から離れることなくここにおいて実施することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超崩壊剤を必要としない直接圧縮迅速溶解錠剤であって、該迅速溶解錠剤は、
(a)薬物含有微小球体、及び
(b)直接圧縮し得る無機塩、セルロース誘導体、及びそれらの混合物のうちの少なくとも一つを含む賦形練剤、
を含み、該迅速溶解錠剤は、40秒未満で口腔内において溶解することができ;1%未満の破砕性を有し;直接圧縮工程によって製造されており;及び、フロスマトリックスなしで製造される、上記錠剤。
【請求項2】
超崩壊剤を含まない、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項3】
薬物含有微小球体が、少なくとも一つの薬物、並びに高分子ポリエチレングリコール類、ポリエチレングリコール・グリセリルエステル及び脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つの球体化補助剤を含有する請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項4】
賦形練剤が50%の直接圧縮し得る無機塩及び50%のセルロース誘導体から形成される請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項5】
賦形練剤が、直接圧縮し得るリン酸水素カルシウム二水化物、ケイ酸マグネシウムアルミニウムNF及びそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも一つの直接圧縮し得る無機塩を含む、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項6】
賦形練剤が直鎖ポリオールを含む請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項7】
賦形練剤が直接圧縮し得るポリオールを含む請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項8】
賦形練剤がマンニトール、キシリトール、ソルビトール又はそれらの混合物を含む請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項9】
賦形練剤がラクトース、マルトース、ショ糖又はそれらの混合物を含む請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項10】
薬物含有微小球体がリクイフラッシュ粒子であり、薬物含有粒子及び賦形練剤が硬度20Nから50Nを得るように錠剤が圧縮されるとき、薬物がリクイフラッシュ粒子内に残存するよう選択された比率で組み合わされる、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項11】
薬物含有微小球体が被覆される請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項12】
薬物含有微小球体が少なくとも一つの味をマスクする被膜で被覆される請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項13】
被膜が少なくとも一つのセルロースポリマーを含有する請求項11の迅速溶解錠剤。
【請求項14】
被膜がポリメタクリラートポリマーを含む、請求項11の迅速溶解錠剤。
【請求項15】
口腔内において30秒未満で溶解する、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項16】
口腔内において30秒未満で溶解し、5〜45重量%の薬物含有微小球体及び25.0〜85.0重量%の賦形練剤を含む請求項1の迅速溶解錠剤であって、該賦形練剤は、2.5重量%未満の超崩壊剤を含む、上記錠剤。
【請求項17】
5〜20重量%の微結晶セルロースを含む、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項18】
15〜18重量%の微結晶セルロースを含む、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項19】
超崩壊剤が2.5重量%未満の量で存在する請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項20】
超崩壊剤が2.0重量%未満の量で存在する請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項21】
超崩壊剤が1.5重量%未満の量で存在する請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項22】
薬物含有微小球体が、フルオキセチン、パロキセチン、ゾルピデム、テベネン(tevenen)、Cox−2阻害薬、Ace阻害薬、カルシウムチャンネルブロッカー及びそれらの混合物よりなる群から選択される有効成分を含有する請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項23】
薬物含有微小球体が、鎮咳薬、抗ヒスタミン薬、鬱血除去薬、アルカロイド、ミネラルサプリメント、緩下薬、ビタミン、制酸薬、イオン交換樹脂、抗コレステロール血症薬、抗脂質薬、抗不整脈薬、解熱薬、鎮痛薬、食欲抑制薬、去痰薬、抗不安薬、抗潰瘍薬、抗炎症物質、冠動脈拡張薬、脳拡張薬、末梢血管拡張薬、抗感染薬、抗精神薬、抗躁病薬、興奮薬、胃腸薬、鎮静薬、下痢止め薬、抗狭心症薬、血管拡張薬、抗高血圧薬、血管収縮薬、偏頭痛治療薬、抗生物質、トランキライザー、抗精神病薬、抗腫瘍薬、抗凝血薬、抗血栓症薬、催眠薬、制吐薬、鎮吐薬、抗痙攣薬、神経筋薬、高血糖および低血糖薬、甲状腺および抗甲状腺薬、利尿薬、鎮痙薬、子宮弛緩薬、ミネラルおよび栄養補助剤、抗肥満薬、同化作用薬、造赤血球薬、抗喘息薬、咳抑制薬、ムコ多糖類分解薬、H2拮抗薬、抗尿酸薬およびこれらの混合物よりなる薬物の群から選択された活性剤を含有する請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項24】
口腔内において15秒未満で溶解する、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項25】
薬物含有微小球体がステアリン酸グリセリルを含む、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項26】
薬物含有微小球体がヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項27】
賦形練剤が低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項28】
賦形練剤が微結晶セルロースを含む、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項29】
賦形練剤がクロスポビドンを含む、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項30】
賦形練剤が微結晶セルロース、クロスポビドン、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項31】
賦形練剤がさらに甘味剤を含む、請求項1の迅速溶解錠剤。
【請求項32】
超崩壊剤を必要としない直接圧縮迅速溶解トローチ剤であって、該迅速溶解トローチ剤は、
(a)薬物含有微小球体、及び
(b)直接圧縮し得る無機塩、セルロース誘導体、及びそれらの混合物のうちの少なくとも一つを含む賦形練剤、
を含み、該迅速溶解トローチ剤は、40秒未満で口腔内において溶解することができ;1%未満の破砕性を有し;直接圧縮工程によって製造されており;及び、フロスマトリックスなしで製造される、上記トローチ剤。

【公開番号】特開2011−79864(P2011−79864A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6565(P2011−6565)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【分割の表示】特願2004−516037(P2004−516037)の分割
【原出願日】平成15年6月23日(2003.6.23)
【出願人】(510008813)バイオヴェイル ラボラトリーズ インターナショナル エスアールエル (2)
【Fターム(参考)】