説明

迅速硬化フルオロエラストマー組成物、接着性フルオロエラストマー組成物およびフルオロエラストマー組成物を結合する方法

【課題】フルオロエラストマー組成物を提供すること。
【解決手段】少なくとも1種類の硬化性フルオロオポリマーであって、このフルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、硬化性フルオロポリマー;このフルオロポリマーを架橋できる硬化剤であって、官能化ビフェニルベースの化合物と、種々のモノアミジンおよびモノアミドキシム化合物、並びにビスアミド化合物と、これらの組合わせとからなる群から選択される、硬化剤;および有機ペルオキシド、または有機ペルオキシドと着色剤との組合わせである少なくとも1種類の硬化促進剤を含む組成物が開示されている。着色剤を含む接着性フルオロエラストマー組成物も提供される。記載される組成物は、有益な物理的特性、高い耐プラズマ性、特異な接着特性および/または外部接着剤の使用と関連した汚染の低減をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国特許法第119条第(e)項のもとで、2004年3月31日出願の米国仮特許出願第60/558,020号に基づく優先権の利益を主張する。この米国仮特許出願第60/558,020号の開示の全体が本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
フルオロエラストマー、特にペルフルオロエラストマーは高度の耐薬品性、耐プラズマ性、容認できる圧縮永久歪抵抗および満足できる機械的特性を有することから、よく知られている物質である。したがってフルオロエラストマーはシール類、ガスケット類およびライニング類として使用される。高温、または攻撃的或いは苛酷な環境、例えば腐食性流体、溶媒、潤滑剤、滑剤、および酸化または還元条件などにさらされる場合に、ペルフルオロエラストマーは選択される材料である。フルオロエラストマーは弗素化モノマーを使用して種々の経路によって作られる。ペルフルオロエラストマーは一般には、過弗素化硬化部位モノマーなどの過弗素化モノマーを使用し、上記モノマー類を重合し、組み込まれた硬化部位モノマーと反応する硬化剤を用いて上記組成物を硬化(架橋)して、エラストマー特性を示す材料を生成するというやり方で作られる。適切な硬化部位モノマーとして特に挙げられるのは、シアノ硬化部位を有するものである。一級および二級シアノ含有硬化部位モノマーの例は当業者には公知である。シアノ硬化部位を有する硬化部位モノマーにおいて、ある種の硬化剤はシアノ硬化部位を三量体化し、トリアジンの形成に関係すると考えられている。
【0003】
公知の硬化剤としては有機金属化合物およびそれらの水酸化物、特に有機錫化合物(例えばアリル、プロパルギル、トリフェニルおよびアレニル錫)および水酸化物が含まれる。テトラアルキル錫化合物またはテトラアリール錫化合物、例えばテトラフェニル錫などが一般的である。しかしこれらの硬化剤は比較的遅い硬化速度を有し、有毒であり、生成するエラストマーに金属性汚染物を混入することがある。
【0004】
ジアルキルペルオキシドのような有機ペルオキシド類も、架橋のためにCHXおよび同様な官能基を組み込んだペルフルオロポリマーを硬化させるための補助剤(例えば、トリアリルイソシアヌレート)と共に使用される公知の一級硬化剤である。有機性ペルオキシドによる硬化は上記のものよりも一般的に速く、良い耐薬品性および良い加工性をもたらすが、熱には比較的不安定である。このようなペルオキシドと補助剤との硬化系は公知であり、特許文献1に例示されている。同様に、このような硬化系と第二の異なる硬化系との組合わせ、いわゆる二重硬化系も知られており、例えば特許文献2および特許文献3などである。
【0005】
アミノ基を含む硬化剤も使用される。これらにはジアミン類およびジアミンカルバメート類、例えばN,N’−ジシンナミリデン−1、6−ヘキサンジアミン、トリメチレンジアミン、シンナミリデントリメチレンジアミン、シンナミリデンエチレンジアミン、およびシンナミリデンヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンカルバメート、1、3−ジアミノプロパンモノカルバメート、エチレンジアミンカルバメートおよびトリメチレンジアミンカルバメートなどがある。
【0006】
ビスアミノフェノール類、ビスアミノチオフェノール類およびビスアミドラゾン類も種々のフルオロおよびペルフルオロエラストマー類と共に使用される公知の硬化剤である。各フェニル環上にアミノおよびヒドロキシル、ジアミン、およびアミノおよびチオの置換基を有するジフェニル構造を有するものは、この分野では−SO−、−O−、CO−、炭素原子数1〜6個のアルキル基、および炭素−炭素二重結合を含む構造によって結合するものとされる。炭素原子1〜10個のペルフルオロアルキル基は個々に報告されてはいるが、このような化合物の実際の合成および硬化剤としての使用は明らかにされていない。現在用いられており、公知の合成例を有するものは、主として、炭素3個のアルキル基を有し、フェニル基が中心(第二)炭素にビス位置で結合しているこの種の化合物類である。例えばこのタイプの最もよく知られている硬化剤は2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシルフェニル]ヘキサフルオロプロパンである。これはジアミノビスフェノールAFまたはBOAPとしても知られている。BOAPは約245〜248℃の融点を有する結晶性固体である。BOAPはペルフルオロエラストマーとは非常によくは適合せず、ペルフルオロエラストマーと共に速やか且つ均質に分散することは難しく、したがって比較的徐々に作用する硬化剤である。よって所望する硬化時間および加工を実現するために、大抵の場合に硬化の促進が当業者には必要である。硬化剤としてBOAPを使用する例は特許文献4に見いだされる。
【0007】
BOAPのような遅い硬化剤を加速する方法としては有機または無機アンモニウム塩、例えばペルフルオロオクタノエート、ペルフルオロ酢酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、およびスルファミン酸アンモニウム;尿素;t−ブチルカルバメート;アセタルデヒドアンモニア;テトラアルキルホスホニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、およびトリアルキルスルホニウム塩、例えば塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム、臭化ベンジルトリフェニルホスホニウム、ビスフェノールAFのベンジルトリフェニルホスホニウムフェノレート、テトラブチルアンモニウム硫酸水素、および臭化テトラブチルアンモニウムなどがある。しかしこのような化合物は好ましくない副産物の生成という副反応を有する傾向がある。
【0008】
これらの硬化系の全ては改良された加工、良い物理的特性、不純物の最小化、良いレオロジーおよび、ある場合にはより迅速な硬化を目的としているが、その一方で特に硬化速度については依然として改善が望まれ、粒子タイプ、ポリマー侵食またはエッチング、および粒子サイズに関して不純物を減少させる必要性が依然として増加しつつある。現在のペルフルオロエラストマー組成物の大部分は加工が難しく、一部不合格となり、その結果コストは高く、リードタイムは長くなる。このような組成物の強度を高めることも望まれる。
【0009】
よって当該分野では、フルオロエラストマーおよびペルフルオロエラストマー、特にシアノ硬化性ペルフルオロエラストマー中により容易に分散し、これらをより速く硬化できる改良硬化剤を依然として必要としている。さらに当該分野では、エラストマーの硬化速度を加速し、その有益な特性、例えばシーリング特性および耐薬品性および耐プラズマ特性などは保持するペルフルオロエラストマー硬化剤の硬化促進剤を必要としている。
【0010】
当該分野での上記の要求に加えて、特に半導体製造、ある種の化学的製造、および医薬品製造時に使用されるシールにおいて汚染を減らし続ける必要がある。この際金属汚染を減らし、可能ならばカーボンブラックを回避することに特に重点が置かれる。しかしある種の半導体およびその他の用途においては、適所、例えば金属部品に永久に接着できるエラストマーシールを有する部品を作る必要がある。半導体加工において、一般に真空室で用いられる接着スリットバルブ並びにシールが金属表面に永久的に接着しているエンドエフェクターパッドなどがこの例である。このような永久的接着に関する問題点は、一般に推奨される最高使用温度が350゜Fに過ぎず、加工時の汚染の一因となり得る外部接着剤の使用が必要となることである。それらの推奨使用温度により、より低い硬化温度の使用か接着剤分解かどちらかが要求される。このような市販の外部接着剤とは別に、特許文献5はPFAまたはFEPの溶液または分散系またはこれらポリマーのフィルム類を接着剤として使用する別法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第4,983,680号明細書
【特許文献2】米国特許第5,447,993号明細書
【特許文献3】国際公開第02/060969A1号パンフレット
【特許文献4】米国特許第6,114,452号明細書
【特許文献5】米国特許第5,252,401号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、一般に使用されている組成物に同様な諸特性を与え、接着のために外部接着剤の使用を必要とせず、そのため上記のような部品の硬化および接着に使用するのに適した硬化温度をもたらすフルオロエラストマーおよびペルフルオロエラストマー組成物を開発することが当該分野において有益であると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の概要)
本発明は、少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマーであって、このフルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、硬化性フルオロポリマー;官能化ビフェニルをベースとする化合物と、式(I)であらわされる化合物であって:
【0014】
【化13】

式中、Yは、炭素原子1〜約22個の置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;炭素原子約1〜約22個の置換または非置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基、および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアラルコキシ基からなる群から選択され;Rは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基;およびアミノ基であり;RはRまたはヒドロキシルである、化合物と、式(II)であらわされる化合物であって:
【0015】
【化14】

式中、Dは、炭素原子約1〜約22個を有する非置換または置換ハロゲン化アルキルアルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアルコキシ基からなる群から選択され、RおよびRは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基およびアミノ基となるように各々独立して選択される、化合物と、これらの組合わせとからなる群から選択される少なくとも1種類のフルオロポリマーを架橋できる硬化剤;およびペルオキシドを含む少なくとも1種類の硬化促進剤を含んでなるフルオロエラストマー組成物を含む。
【0016】
本発明は、(i)少なくとも1種類のフルオロポリマーであって、このフルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1種類のフルオロポリマーと、(ii)この少なくとも1種類のフルオロポリマーを硬化できる官能化ビフェニルベースの硬化剤とを含んでなるフルオロエラストマー組成物の硬化を促進する方法も含む。この方法は上記フルオロエラストマー組成物に、ペルオキシドを含む少なくとも1種類の硬化促進剤を加える工程を包含する。
【0017】
(a)少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマーであって、このフルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、硬化性フルオロポリマー;(b)官能化ビフェニルをベースとする化合物と、式(I)であらわされる化合物であって:
【0018】
【化15】

式中、Yは炭素原子1〜約22個の置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;炭素原子約1〜約22個の置換または非置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基、および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアラルコキシ基からなる群から選択され;Rは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基;およびアミノ基であり;RはRまたはヒドロキシルである、化合物と、式(II)であらわされる化合物であって:
【0019】
【化16】

式中、Dは炭素原子約1〜約22を有する非置換または置換ハロゲン化アルキルアルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;および炭素原子1〜約22のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアルコキシ基からなる群から選択され、RおよびRは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基およびアミノ基となるように各々独立して選択される、化合物と、これらの混合物および組合わせ、とからなる群から選択される、少なくとも1種類のフルオロポリマーを架橋できる硬化剤;および(c)ペルオキシドを含む少なくとも2種類の硬化促進剤を含んでなるフルオロエラストマー組成物も本発明の範囲内である。
【0020】
フルオロエラストマー組成物の硬化を促進する方法も本発明に含まれる。このフルオロエラストマー組成物は(i)少なくとも1種類のフルオロポリマーであって、上記フルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、フルオロポリマーと、(ii)この少なくとも1種類のフルオロポリマーを硬化できる官能化ビフェニルベースの硬化剤とを含む。上記方法は少なくとも2種類の硬化促進剤を上記フルオロエラストマー組成物に加える工程を包含し、この少なくとも2種類の硬化促進剤はペルオキシドを含む。
【0021】
本発明は:(a)少なくとも1種類の硬化性ペルフルオロポリマーであって、このペルフルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、硬化性ポリマーと;(b)この少なくとも1種類のペルフルオロポリマーを硬化できる官能化ビフェニルベースの硬化剤と;(c)ペルオキシドを含む少なくとも1種類の硬化促進剤とを含んでなるペルフルオロエラストマー組成物を含む。
【0022】
(i)少なくとも1種類のペルフルオロポリマーであって、このペルフルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を有する、ペルフルオロポリマーと(ii)この少なくとも1種類のペルフルオロポリマーを硬化できる官能化ビフェニルベースの硬化剤とを含んでなるペルフルオロエラストマー組成物の硬化を促進する方法も提供される。この方法はペルオキシドを含む少なくとも1種類の硬化促進剤を上記ペルフルオロエラストマー組成物に加える工程を包含する。
【0023】
(a)少なくとも1種類のフルオロポリマーであって、このフルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を有する、フルオロポリマーと;(b)この少なくとも1種類のフルオロポリマーを架橋できる官能化ビフェニルベースの硬化剤と;(c)金属元素を含まない着色剤とを含む接着性フルオロエラストマー組成物も本発明の範囲内に含まれる。
【0024】
上記の局面に加えて、本発明は金属部品に接着したフルオロエラストマーを含む製品を生成する方法を含む。この方法は(a)フルオロエラストマー組成物からフルオロエラストマープレフォームを形成する工程であって、ここでこのフルオロエラストマー組成物は、少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマーにおいてこのフルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、硬化性フルオロポリマーと、この少なくとも1種類のフルオロポリマーを架橋できる官能化ビフェニルベースの硬化剤と、金属元素を含まない着色剤とを含む、工程;(b)溝が画定された金属部品に上記プレフォームを備えつけ、その際上記プレフォームはこの溝内に置かれ、上記金属部品の表面に接触し、上記金属表面に接着剤は存在しないようにする工程;(c)上記プレフォームを加熱および加圧して上記プレフォームを硬化させ、上記金属部品に直接接着したフルオロエラストマーを含む製品を生成する工程、を包含する。
【0025】
(i)少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマーであって、このフルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を有する、硬化性フルオロポリマーを100重量部;(ii)官能化ビフェニルベースの化合物と、式(I)であらわされる化合物であって:
【0026】
【化17】

式中、Yは炭素原子1〜約22個の置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;炭素原子約1〜約22個の置換または非置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基、および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアラルコキシ基からなる群から選択され;Rは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基;およびアミノ基であり;RはRまたはヒドロキシルである、化合物と、式(II)であらわされる化合物であって:
【0027】
【化18】

式中、Dは炭素原子約1〜約22を有する非置換または置換ハロゲン化アルキルアルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;および炭素原子1〜約22のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアルコキシ基からなる群から選択され、RおよびRは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基およびアミノ基となるように各々独立して選択される化合物と、これらの組合わせとからなる群から選択される、上記少なくとも1種類のフルオロポリマーを架橋できる硬化剤を、上記少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマー100重量部あたり約0.1〜約10重量部;および(iii)金属元素を含まない少なくとも1種類の着色剤を上記少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマー100重量部あたり約0.1〜約20重量部含んでなるフルオロエラストマー組成物も本発明の範囲内である。
【0028】
本発明はさらに、(i)少なくとも1種類のペルフルオロポリマーであって、このペルフルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を有する、ペルフルオロポリマー100重量部;(ii)この少なくとも1種類のペルフルオロポリマーを架橋できる硬化剤であって、官能化ビフェニルベースの化合物と、式(I)であらわされる化合物であって:
【0029】
【化19】

式中、Yは、炭素原子1〜約22個の置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;炭素原子約1〜約22個の置換または非置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基、および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアラルコキシ基からなる群から選択され;Rは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基;およびアミノ基であり;RはRまたはヒドロキシルである、化合物と、式(II)であらわされる化合物であって:
【0030】
【化20】

式中、Dは、炭素原子約1〜約22個を有する非置換または置換ハロゲン化アルキルアルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;および炭素原子1〜約22のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアルコキシ基からなる群から選択され;RおよびRは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基およびアミノ基となるように各々独立して選択される、化合物と、これらの組合わせ、とからなる群から選択される硬化剤を、上記少なくとも1種類のペルフルオロポリマー100重量部あたり約0.1〜約10重量部;(iii)金属元素を含まない着色剤を上記ペルフルオロポリマー100重量部あたり約0.1〜約20重量部;ならびに(iv)ペルオキシドを含む少なくとも1種類の硬化促進剤を上記ペルフルオロポリマー100重量部あたり約0.1〜約5重量部とを含んでなる、ペルフルオロエラストマー組成物も包含する。
【0031】
本発明の上述の概要並びに以下の詳細な説明は、添付の図面を参照して読むと、より良く理解される。本発明を説明する目的において現在のところ好ましい実施形態がこれらの図面に示される。しかし本発明はここに示される精細な配置並びに手段に制限されるものではないことが理解されるべきである。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
フルオロエラストマー組成物であって:
(a)少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマーであって、該フルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、硬化性フルオロポリマー;
(b)硬化剤であって、
官能化ビフェニルベースの化合物と、
式(I)であらわされる化合物であって:
【化1】


式中、Yは炭素原子1〜約22個の置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;炭素原子約1〜約22個の置換または非置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基、および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキル、またはペルフルオロアラルコキシ基からなる群から選択され;Rは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基;およびアミノ基であり;RはRまたはヒドロキシルである、化合物と、
式(II)であらわされる化合物であって:
【化2】


式中、Dは、炭素原子約1〜約22個を有する非置換または置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアルコキシ基からなる群から選択され;RおよびRは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基およびアミノ基となるように各々独立して選択される、化合物と、
これらの組合わせ、
とからなる群から選択される、該少なくとも1種類のフルオロポリマーを架橋できる硬化剤;および
(c)ペルオキシドを含む少なくとも1種類の硬化促進剤、
を含む、フルオロエラストマー組成物。
(項目2)
前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1種類の硬化部位モノマーのポリマーを含むペルフルオロポリマーであり、該フルオロポリマーを架橋するための前記少なくとも1つの官能基が該少なくとも1種類の硬化部位モノマーに存在する、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記ペルフルオロポリマーが2種類の硬化部位モノマーを含み、前記少なくとも1つの官能基がシアノ基であり、該2種類の硬化部位モノマーの各々にシアノ基が位置する、項目2に記載の組成物。
(項目4)
前記硬化部位モノマー類の一方が一級シアノ基を有し、他方の硬化部位モノマーが二級シアノ基を有する、項目3に記載の組成物。
(項目5)
前記硬化剤が官能化ビフェニルベースの化合物である、項目1に記載の組成物。
(項目6)
前記硬化剤が2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパンである、項目5に記載の組成物。
(項目7)
前記官能化ビフェニルベースの硬化剤が式(III)であらわされる化合物であって:
【化3】


式中、rは0または1であり;
およびRは各々独立して、炭素原子と;アルキル基、ハロゲン化アルキル基およびペルフルオロアルキル基から選択される炭素原子約2〜約22個の置換および非置換並びに分岐鎖および直鎖炭素基とからなる群から選択され、該基の各々は少なくとも1つの酸素原子によって割り込まれていてもよく;
各Zはアミノ、メルカプト、スルフヒドリル、またはヒドロキシル基からなる群から独立して選択され;
各Jは独立して選択され、式(IV):
【化4】


またはAであり;
各Aは式(IV);弗素原子と;炭素原子1〜約22個のアルキル、ハロゲン化アルキルおよびペルフルオロアルキル基からなる群から選択される非置換および置換並びに分岐鎖および直鎖炭素ベースの基とからなる群から独立して選択され;該基の各々は少なくとも1つの酸素原子によって割り込まれていてもよく;rが0で、Rが炭素原子である場合、Jおよび各Aの少なくとも1つは式(IV)ではない、
項目5に記載の組成物。
(項目8)
前記硬化剤が式(I)であらわされる化合物であって、ペルフルオロオクタンアミジン、ヘプタフルオロブチリルアミジン、ベンズアミジン、トリフルオロメチルベンズアミドキシム、トリフルオロメトキシベンズアミドキシム、およびこれらの混合物並びに組合わせからなる群から選択される化合物である、項目1に記載の組成物。
(項目9)
前記ペルオキシドが、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン)、ジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)−ブチル]カーボネート、およびこれらの組合わせからなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目10)
着色剤をさらに含む、項目1に記載の組成物。
(項目11)
前記着色剤がキナクリドン類、ベンズイミダザロン類、インダンスロン類、ペリレン類、イソインドリノン類、イソインドリン類およびこれらの組合わせからなる群から選択される、項目10に記載の組成物。
(項目12)
前記着色剤がキナクリドンである、項目11に記載の組成物。
(項目13)
フルオロエラストマー組成物の硬化を促進する方法であって、該フルオロエラストマー組成物は、
(i)少なくとも1種類のフルオロポリマーであって、該フルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を有する、フルオロポリマーと、
(ii)該少なくとも1種類のフルオロポリマーを硬化できる官能化ビフェニルベースの硬化剤、
とを含み、該方法は、該フルオロエラストマー組成物に、ペルオキシドを含む少なくとも1種類の硬化促進剤を加える工程を包含する、方法。
(項目14)
前記フルオロエラストマー組成物がペルフルオロエラストマー組成物である、項目13に記載の方法。
(項目15)
フルオロエラストマー組成物であって:
(a)少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマーであって、該フルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、硬化性フルオロポリマー;
(b)硬化剤であって、
官能化ビフェニルベースの化合物と、
式(I)であらわされる化合物であって:
【化5】


式中、Yは炭素原子1〜約22個の置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;炭素原子約1〜約22個の置換または非置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアラルコキシ基からなる群から選択され;Rは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基;およびアミノ基であり;RはRまたはヒドロキシルである、化合物と、
式(II)であらわされる化合物であって:
【化6】


式中、Dは炭素原子約1〜約22の個を有する非置換または置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアルコキシ基からなる群から選択され;RおよびRは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基およびアミノ基となるように各々独立して選択される、化合物と、
これらの組合わせ、
とからなる群から選択される、該少なくとも1種類のフルオロポリマーを架橋できる硬化剤;および
(c)少なくとも1種類のペルオキシドを含む少なくとも2種類の硬化促進剤、
を含む、フルオロエラストマー組成物。
(項目16)
前記少なくとも1種類のペルオキシドが、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン)、ジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)−ブチル]カーボネート、およびこれらの組合わせからなる群から選択される、項目15に記載の組成物。
(項目17)
前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび2種類の硬化部位モノマーのポリマーを含むペルフルオロポリマーであり、該フルオロポリマーを架橋するための前記少なくとも1つの官能基が、該硬化部位モノマー類の各々に存在し、該少なくとも1つの官能基はシアノ基であり、該シアノ基が該2種類の硬化部位モノマーの各々に存在する、項目15に記載の組成物。
(項目18)
前記硬化剤が2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパンである、項目15に記載の組成物。
(項目19)
前記硬化剤が式(I)であらわされる化合物であり、ペルフルオロオクタンアミジン、ヘプタフルオロブチリルアミジン、ベンズアミジン、トリフルオロメチルベンズアミドキシム、トリフルオロメトキシベンズアミドキシムおよびこれらの組合わせからなる群から選択される、項目15に記載の組成物。
(項目20)
フルオロエラストマー組成物の硬化を促進する方法であって、該フルオロエラストマー組成物は、
(i)少なくとも1種類のフルオロポリマーであって、該フルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、フルオロポリマーと、
(ii)該少なくとも1種類のフルオロポリマーを硬化できる官能化ビフェニルベースの硬化剤と、
を含み、該方法は、少なくとも1種類のペルオキシドを含む少なくとも2種類の硬化促進剤を該フルオロエラストマー組成物に加える工程を包含する、方法。
(項目21)
前記フルオロエラストマー組成物が、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび2種類の硬化部位モノマーのポリマーを含むペルフルオロエラストマー組成物であり、前記フルオロポリマーを架橋するための前記少なくとも1つの官能基が該硬化部位モノマーの各々に存在し、該少なくとも1つの官能基がシアノ基であり、該シアノ基が該2種類の硬化部位モノマーの各々に存在する、項目20に記載の方法。
(項目22)
ペルフルオロエラストマー組成物であって;
(a)少なくとも1種類の硬化性ペルフルオロポリマーであって、該ペルフルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、硬化性ペルフルオロポリマーと;
(b)該少なくとも1種類のペルフルオロポリマーを硬化できる官能化ビフェニルベースの硬化剤と;
(c)ペルオキシドを含む少なくとも1種類の硬化促進剤、
とを含む、ペルフルオロエラストマー組成物。
(項目23)
キナクリドン類、ベンズイミダザロン類、インダンスロン類、ペリレン類、イソインドリノン類、イソインドリン類およびこれらの組合わせからなる群から選択される、金属元素不含有の着色剤をさらに含む、項目22に記載の組成物。
(項目24)
前記ペルオキシドが、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン)、ジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)−ブチル]カーボネート、およびこれらの組合わせからなる群から選択される、項目22に記載の組成物。
(項目25)
前記ペルフルオロポリマーが、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび2種類の硬化部位モノマーのポリマーを含み、該ペルフルオロポリマーを架橋するための前記少なくとも1つの官能基が該硬化部位モノマーの各々に位置し、該少なくとも1つの官能基がシアノ基であり、該シアノ基が該2種類の硬化部位モノマーの各々に存在する、項目22に記載の組成物。
(項目26)
前記硬化剤が2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパンである、項目22に記載の組成物。
(項目27)
ペルフルオロエラストマー組成物の硬化を促進する方法であって、該ペルフルオロエラストマー組成物は、
(i)少なくとも1種類のペルフルオロポリマーであって、該ペルフルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を有する、ペルフルオロポリマーと、
(ii)該少なくとも1種類のペルフルオロポリマーを硬化できる官能化ビフェニルベースの硬化剤、
とを含み、該方法は、ペルオキシドを含む少なくとも1種類の硬化促進剤を該ペルフルオロエラストマー組成物に加える工程を包含する、方法。
(項目28)
接着性フルオロエラストマー組成物であって;
(a)少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマーであって、該フルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、硬化性フルオロポリマーと;
(b)該少なくとも1種類のフルオロポリマーを架橋できる官能化ビフェニルベースの硬化剤と;
(c)金属元素を含まない着色剤、
とを含む、接着性フルオロエラストマー組成物。
(項目29)
さらにシリカを含む、項目28に記載の接着性フルオロエラストマー組成物。
(項目30)
前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび2種類の硬化部位モノマーのポリマーを含むペルフルオロポリマーであり、該フルオロポリマーを架橋するための該少なくとも1つの官能基が該硬化部位モノマーの各々に存在し、該少なくとも1つの官能基はシアノ基であり、該シアノ基が該2種類の硬化部位モノマーの各々に位置する、項目28に記載の接着性フルオロエラストマー組成物。
(項目31)
硬化促進剤であって、
(i)ペルオキシド類;
(ii)式(I)であらわされる化合物であって:
【化7】


式中、Yは炭素原子1〜約22個の置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;炭素原子約1〜約22個の置換または非置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基、および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアラルコキシ基からなる群から選択され;Rは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基;およびアミノ基であり;RはRまたはヒドロキシルである、化合物、およびこれらの混合物並びに組合わせ;および
(iii)式(II)であらわされる化合物であって:
【化8】


式中、Dは、炭素原子約1〜約22個を有する非置換または置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアルコキシ基からなる群から選択され;RおよびRは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基およびアミノ基となるように各々独立して選択される、化合物およびこれらの組合わせ、
からなる群から選択される、硬化促進剤、
をさらに含む、項目28に記載の接着性ペルフルオロエラストマー組成物。
(項目32)
金属部品に接着するフルオロエラストマーを含む製品を生成する方法であって、
(a)フルオロエラストマー組成物からフルオロエラストマープレフォームを形成する工程であって、該フルオロエラストマー組成物は、
少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマーであって、該フルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、硬化性フルオロポリマーと、
該少なくとも1種類のフルオロポリマーを架橋できる官能化ビフェニルベースの硬化剤と、
金属元素を含まない着色剤、
とを含む、工程;
(b)溝が画定されている金属部品に該プレフォームを置き、該プレフォームが該溝中に入って該金属部分の表面に接触するようにする工程であって、該金属表面に接着剤は存在しない、工程;ならびに
(c)該プレフォームを加熱および加圧して該プレフォームを硬化させ、該金属部品に直接接着したフルオロエラストマーを含む製品を生成する工程、
を包含する、方法。
(項目33)
前記製品が、フルオロエラストマースリットバルブシールと金属体とを含むスリットバルブである、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記金属部品の前記溝をサンドブラスティングし、該サンドブラスティングした溝を工程(b)の前にクリーニングする工程をさらに包含する、項目32に記載の方法。
(項目35)
工程(b)の前に前記金属部品を予備加熱する工程をさらに包含する、項目32に記載の方法。
(項目36)
工程(c)が、前記プレフォームおよび金属部品を金型内に置き、該金型を加熱プレスする工程をさらに包含する、項目32に記載の方法。
(項目37)
前記金型に真空を適用する工程をさらに包含する、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記製品を後硬化する工程(d)をさらに包含する、項目32に記載の方法。
(項目39)
前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび2種類の硬化部位モノマーのポリマーを含むペルフルオロポリマーであり、該フルオロポリマーを架橋するための前記少なくとも1つの官能基が該硬化部位モノマー類の各々に存在し、該少なくとも1つの官能基はシアノ基であり、該シアノ基が該2種類の硬化部位モノマーの各々に存在する、項目32に記載の方法。
(項目40)
フルオロエラストマー組成物であって:
(i)少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマーであって、該フルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、硬化性フルオロポリマーを100重量部;
(ii)該少なくとも1種類のフルオロポリマーを架橋できる硬化剤であって、
官能化ビフェニルベースの化合物と、
式(I)であらわされる化合物であって:
【化9】


式中、Yは炭素原子1〜約22個の置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;炭素原子約1〜約22個の置換または非置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基、および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアラルコキシ基からなる群から選択され;Rは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基;およびアミノ基であり;RはRまたはヒドロキシルである、化合物と、
式(II)であらわされる化合物であって:
【化10】


式中、Dは、炭素原子約1〜約22個を有する非置換または置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアルコキシ基からなる群から選択され;RおよびRは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基およびアミノ基となるように各々独立して選択される、化合物と、
これらの組合わせ、
とからなる群から選択される、硬化剤を、該少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマー100重量部あたり約0.1〜約10重量部;ならびに
(iii)金属元素を含まない少なくとも1種類の着色剤を、該少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマー100重量部あたり約0.1〜約20重量部
を含む、フルオロエラストマー組成物。
(項目41)
前記少なくとも1種類のフルオロポリマーが、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび2種類の硬化部位モノマーのポリマーを含むペルフルオロポリマーであり、該フルオロポリマーを架橋するための該少なくとも1つの官能基が該硬化部位モノマーの各々に存在し、該少なくとも1つの官能基がシアノ基であり、該シアノ基が2種類の硬化部位モノマーの各々に存在する、項目40に記載のフルオロエラストマー組成物。
(項目42)
前記ペルフルオロエラストマー組成物が、前記少なくとも1種類のペルフルオロポリマー100重量部あたり約0.1〜約5重量部のペルオキシド硬化促進剤をさらに含む、項目40に記載のフルオロエラストマー組成物。
(項目43)
前記着色剤がキナクリドン類、ベンズイミダザロン類、インダンスロン類、ペリレン類、イソインドリノン類、イソインドリン類およびこれらの組合わせからなる群から選択される、項目40に記載のフルオロエラストマー組成物。
(項目44)
シリカをさらに含む、項目40に記載のフルオロエラストマー組成物。
(項目45)
ペルフルオロエラストマー組成物であって、
(i)少なくとも1種類のペルフルオロポリマーであって、該少なくとも1種類のペルフルオロポリマーを架橋するための少なくとも1つの官能基を含む、フルオロポリマーを100重量部;
(ii)該少なくとも1種類のペルフルオロポリマーを架橋できる硬化剤であって、
官能化ビフェニルベースの化合物と、
式(I)であらわされる化合物であって:
【化11】


式中、Yは炭素原子1〜約22個の置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;炭素原子約1〜約22個の置換または非置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基、および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアラルコキシ基からなる群から選択され;Rは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基;およびアミノ基であり;RはRまたはヒドロキシルである、化合物と、
式(II)であらわされる化合物であって:
【化12】


式中、Dは、炭素原子約1〜約22個を有する非置換または置換ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基;および炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルまたはペルフルオロアルコキシ基からなる群から選択され;RおよびRは水素;炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基およびアミノ基となるように各々独立して選択される、化合物と、
これらの組合わせ、
とからなる群から選択される、硬化剤を、該少なくとも1種類の硬化性フルオロポリマー100重量部あたり約0.1〜約10重量部;
(iii)ペルオキシドを含む少なくとも1種類の硬化促進剤を、該ペルフルオロポリマー100重量部あたり約0.1〜約5重量部
を含む、ペルフルオロエラストマー組成物。
(項目46)
さらに(iv)金属元素を含まない着色剤を、前記ペルフルオロポリマー100重量部あたり約0.1〜約20重量部含む、項目45に記載のペルフルオロエラストマー組成物。
(項目47)
さらにシリカを含み、前記着色剤約0.1〜約5重量部と、ペルオキシドを含む前記硬化促進剤約0.5〜約1重量部とを含む、項目46に記載のペルフルオロエラストマー組成物。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明の一実施形態によって形成される接着されたスリットバルブである。
【図2】図2は、図1の接着スリットバルブの、線A−Aに沿った断面図である。
【図3】図3は、Bによって示される図2の拡大部分である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(発明の詳細な説明)
以下の説明において、幾つかの専門用語は便宜上使用されているに過ぎず、限定するものではない。単語「下方(lower)」および「上方(upper)」は、参照される図面における方向を示す。単語「内部(inner)」および「外部(outer)」は示される製品の幾何学的中心に向かう方向および上記幾何学的中心から離れる方向を示す。これらの用語は上に詳細に記述される単語、それらの派生語および同義の単語類を含む。図面において、同様な数字は全体を通して同様なエレメントを示すのに用いられる。
【0034】
本発明はフルオロエラストマー材料、より好ましくはペルフルオロエラストマー材料に関連する新規の組成物および方法に関係する。このような組成物および方法は本明細書にさらに詳しく述べる幾つかの硬化促進剤および着色剤の特異的組合わせを使用することに関係する。これらを使用してこの種の組成物類の硬化を促進し、耐プラズマ性や接着特性など、その他の特性を高めることができる。特に、上記硬化促進剤は好適な硬化剤、例えば2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン(一般にはビスフェノールAFまたはBOAPとして知られている)などの本明細書に引用される官能化ビフェニルベースの化合物類と共に作用して、硬化過程を促進する。さらに、標準的に使用される本明細書に記載の着色剤、より好ましくはシリカ充填フルオロエラストマー組成物は良好な耐プラズマ性並びに特異的接着特性を示し、その結果金属部品への接着の際に、このような部品を使用する工程、特に汚染を避けなければならない半導体加工および製薬工程において有害となり得るその他の接着剤を使用せずに上記のような組成物類を使用することが可能になる。さらに、生成した製品が金属に接着したフルオロエラストマー材料を含む場合に、より高い硬化温度の使用が可能になる。なぜならば上記のような追加的接着剤が存在しない場合にはより高い温度が使用できるからである。
【0035】
本明細書に使用される「フルオロエラストマー組成物」または「ペルフルオロエラストマー組成物」とはそれぞれ硬化性フルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーをそれぞれ含む重合組成物を言う。フルオロポリマーは2種類以上のモノマーを重合することによって形成され、好ましくはその1種類が弗素化または過弗素化されており、その少なくとも1種類が硬化を可能にする硬化部位モノマーであり、すなわち少なくとも1種類はフルオロポリマー硬化部位モノマーである。ペルフルオロポリマーは、硬化を可能にする少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1種類の過弗素化硬化部位モノマーを含む、2種類以上の過弗素化モノマーの重合によって作られる。このような材料はAmerican
Society for Testing and Materials(ASTM)(ASTM−D−1418−01a)の定義により一般名FKM(フルオロエラストマー)およびFFKM(ペルフルオロエラストマー)とも呼ばれる。この定義は、参考として本明細書にそのまま組み込まれ、本明細書にさら詳細に記載される。
【0036】
本明細書に記載のフルオロエラストマー組成物は、硬化してフルオロエラストマーを形成できる任意の適切な硬化性フルオロエラストマー系フルオロポリマー(FKM)および本明細書に記載の1種類以上の硬化剤を含むことができる。本明細書に記載のペルフルオロエラストマー組成物は硬化してペルフルオロエラストマーを形成できる任意の適切な硬化性ペルフルオロエラストマー系ペルフルオロポリマー(FFKM)および本明細書に記載の1種類以上の硬化剤を含むことができる。
【0037】
本明細書において使用されるペルフルオロエラストマー組成物は硬化性ペルフルオロポリマーを含むポリマー組成物である。上記のようなペルフルオロポリマーは2種類以上の過弗素化モノマーの重合によって、より好ましくは硬化を可能にする少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1種類の過弗素化モノマーも含む2つ以上の過弗素化モノマーの重合によって形成される。ペルフルオロエラストマーとは、ポリマー鎖上に全て弗素、ペルフルオロアルキルまたはペルフルオロアルコキシ置換基を有するポリメチレン型の過弗素化ゴムである;これらの基は、少ない割合で、加硫を容易にする官能性を含むことがある。フルオロエラストマーとはコモノマーとして弗化ビニリデンを用い、ポリマー鎖上に弗素、アルキル、ペルフルオロアルキルまたはペルフルオロアルコキシ置換基を有するポリメチレン型の弗素ゴムであり、(反応性ペンダント基を有する)硬化部位モノマーを有する場合も有しない場合もある。
【0038】
ペルフルオロエラストマー組成物は好ましくは、少なくとも1種類の弗素含有エチレン性不飽和モノマー、例えばテトラフルオロエチレン(TFE);過弗素化オレフィン、例えばヘキサフルオロプロピレン(HFP);および直鎖または分岐鎖アルキル基を含み、1つ以上のエーテル結合を含むペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、例えばペルフルオロ(メチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)および類似の化合物の種々の過弗素化コポリマーを2種類以上含む。好ましいPAVESの例は米国特許第5,001,278号およびWO00/08076に記載されているものを含む。これらは参考として本明細書に組み込まれる。その他の適切なPAVEが例えば米国特許第5,696,189号および第4,983,697号に記載されており、これらも参考として本明細書に組み込まれる。
【0039】
好ましいペルフルオロポリマーはTFE、PAVEおよび、ターポリマーの架橋を可能にする官能基を組み込んだ少なくとも1種類の過弗素化硬化部位モノマーのターポリマーまたはテトラポリマーである。それらの少なくとも1種類は本明細書に記載の硬化剤によって硬化され得る硬化部位を有し、それらは本発明の硬化促進剤単独、またはその他の硬化剤および促進剤との組合わせによって作用する際に好ましく加速された硬化を示すことができる。
【0040】
好ましいフルオロポリマーは、少なくともTFE、弗化ビニリデン(VF)およびペルフルオロポリマーに関して上述したその他のモノマーを含むコポリマーである。好ましくは上記フルオロポリマーは標準的硬化剤および/または本明細書に記載の好ましい硬化剤によって硬化できる硬化部位モノマーを有し、本発明による好ましい促進剤によって硬化が促進される。その上、使用するフルオロポリマーが当該分野で公知のより高度に弗素化されたフルオロポリマー(AflasおよびViton GFを含む)の群に含まれるのが好ましい。
【0041】
最も好ましい硬化部位モノマーはシアノ硬化部位を有するものを含む。この際シアノ基の位置は無関係であり、一級および二級シアノ基硬化部位モノマーでよい。シアノ硬化部位モノマーの例は本明細書に詳細に記載されており、例えば米国特許第4,281,092号明細書に見いだされる。このようなシアノ基を含む硬化部位モノマーは当該分野で公知である。これらの硬化部位モノマー類の1種類以上の相互の組合わせ、またはその他の周知の硬化部位モノマーとの組合わせも本発明の範囲内で使用できる。本発明による種々のペルフルオロポリマーだけの使用またはその他の容認されるペルフルオロポリマーと組合わせたこれらの使用も容認できる。
【0042】
有用なシアノ硬化部位モノマーには弗素化オレフィンおよび弗素化ビニルエーテルがあり、各々シアノ基を有する。それらの一般例を以下に示す:
CF=CF−O−[CF−CN、式中、nは約2〜約12であり、約2〜約6であるのが好ましい;
CF=CF−O−[CF−CF(CF)−O]−CF−CF(CF)−CN、式中、nは0〜約4であり、好ましくは0〜約2である。
【0043】
CF=CF−[OCFCF(CF)]−O−[CF−CN、式中、mは約1〜約2であり、nは約1〜約4である;
CF=CF−O−[CF−O−CF(CF)−CN、式中、nは2〜約4である。
【0044】
具体的な例として、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCN(一般には8−CNVEと言われる)のような一級硬化部位モノマー、およびCF=CF−O[CF−O−CF[CF]−CNのような二級硬化部位モノマーがある。このような硬化部位モノマーは単独でまたは組合わせて使用できる。次のようにフルオロポリマーまたはペルフルオロポリマー鎖に示される硬化部位モノマー類の組合わせが特に好ましい:
【0045】
【化21】

上記式において、pはフルオロポリマーまたはペルフルオロポリマー中に約0.1〜約12mol%、より好ましくは約1〜I約4mol%の量で存在する二級硬化部位モノマーをあらわし、αは約0.1〜約12mol%、より好ましくは約1〜約7mol%の量で存在する一級硬化部位モノマーをあらわす。上記コモノマーにおける一級硬化部位モノマー対二級硬化部位モノマーのモル比が約1:1〜約10:1であるのが好ましく、9:1であるのがより好ましい。
【0046】
この開示に基づいて、硬化部位としてシアノ基を含む硬化部位モノマーおよびシアノ基を含まない硬化部位モノマーというその他の型が上記の好ましい硬化部位モノマーに追加的に、またはある場合にはこれらに代わって使用できることは理解される。但し上記硬化部位モノマー類が本明細書に記載の硬化剤と促進剤との組合わせによって硬化できることが条件である。
【0047】
硬化部位モノマーのその他の型の一般例には、部分または全ハロゲン化オレフィンを含むオレフィン類、例えばエチレン、弗化ビニリデン、弗化ビニル、トリフルオロエチレン、ブロモテトラフルオロブテン、ブロモトリフルオロエチレン、1−ヒドロペンタフルオロプロペンおよび2−ヒドロペンタフルオロプロペンなどがある。このような追加的硬化部位モノマーは上記の範囲の量で存在してもよく、一般的に約0.1〜約5molパーセントが好ましく、約0.1〜約2.5molパーセントがより好ましく、約0.3〜約1.5molパーセントが最も好ましい。
【0048】
その他の添加剤、例えば本発明のもの以外の補助硬化剤、硬化剤または促進剤、酸受容体または強塩基のようなプロトンスポンジ、加工助剤、粉砕再生フルオロポリマーまたはペルフルオロポリマー材料、フィラーなども本発明のフルオロエラストマーおよびペルフルオロエラストマー組成物の任意成分として含むことができる。このような添加剤としてはグラファイト、カーボンブラック、クレー、二酸化珪素、フルオロポリマー粒子(例えばTFEホモポリマーおよびコポリマー微粉)、硫酸バリウム、シリカ、二酸化チタン、酸受容体、硬化促進剤、ガラス繊維、またはポリアラミド繊維(例えば、ケブラー(Kevlar))、フルオロエラストマー技術およびペルフルオロエラストマー技術において公知のまたは開発されるその他の硬化剤および/または可塑剤またはその他の添加剤がある。本発明の組成物、特に本明細書に記載される接着性フルオロエラストマー組成物を形成するためにはシリカを含むのが好ましい。好ましい典型的シリカ化合物はHarwick StandardからHi−Sil(登録商標)532 EPとして、Degussa CorporationからAerosil(登録商標)R972として、US SILICA Co.からMin−U−Sil(登録商標)およびSil−Co−Sil(登録商標)として、Celite c/o World MineralsからMicro−cel(登録商標)として、CabotからCab−o−sil(登録商標)として市販されている。
【0049】
好ましい市販のフルオロポリマー類/フルオロエラストマー類にはViton(登録商標)GF、Aflas(登録商標)および類似のポリマー類がある。好ましいペルフルオロポリマー類/ポリフルオロエラストマー類には、Freudenberg(ドイツ)から市販されるSimriz(登録商標)、Minnesota Mining & Manufacturing(ミネソタ)から入手できるDyneon(登録商標)、Daikin Industries,Ltd.(日本、大阪)から入手できるDai−el Perfluor(登録商標)がある。類似の材料がSolvay Solexis(イタリア)およびFederal State Unitary Enterprise S.V.Lebedev Institute of Synthetic Rubber(ロシア)からも入手できる。
【0050】
本発明の組成物類は、少なくとも1種類のフルオロポリマー、より好ましくはペルフルオロポリマーを架橋できる少なくとも1種類の硬化剤も含む。このような材料はBOAPを含む官能化ビフェニルベースの化合物を含む。その他の硬化剤としてはアミジンベースおよびアミドキシムベースの硬化剤、並びにビスアミジン硬化剤があり、これらの各々はペルフルオロエラストマー組成物において直接硬化剤、補助硬化剤または促進剤としても機能する。
【0051】
これらのアミジンベースおよびアミドキシムベースの化合物は下記の式(I)であらわされるモノアミジンおよびモノアミドキシムを含む。
【0052】
【化22】

式中、Yは1〜22個の炭素原子を有する置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基または非置換のまたは置換された全または部分ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基である。Yはまた、炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキル、またはペルフルオロアラルコキシ基、より好ましくは炭素原子約1〜約12個、より好ましくは1〜9個の炭素原子を有するペルフルオロアルキルまたはペルフルオロアルコキシ基でもよく、より好ましい;Rは水素または炭素原子1〜約6個の置換または非置換低級アルキルまたはアルコキシ基、またはアミノ基でよい。Rは独立して、Rに関して上に列挙した任意の基またはヒドロキシルである。Y、RまたはRの置換基としては非制限的に、ハロゲン化アルキル、ペルハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、ペルハロゲン化アルコキシ、チオ、アミン、イミン、アミド、イミド、ハロゲン、カルボキシル、スルホニル、ヒドロキシルなどがある。
【0053】
式(I)による好ましい化合物は、Rがヒドロキシル、水素または炭素原子1〜6個の置換または非置換アルキルまたはアルコキシ基であり、より好ましくはヒドロキシルまたは水素であるものを含む。Rが水素、アミノまたは炭素原子1〜6個の置換または非置換低級アルキルであり、Rが水素またはヒドロキシルである実施形態もより好ましい。Rが水素である実施形態が最も好ましい。さらに好ましい実施形態としては、Yが、上記のような鎖長を有するペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、置換または非置換アリール基および置換または非置換ハロゲン化アリール基であるものが含まれる。
【0054】
式(I)であらわされる典型的モノアミジンベースおよびモノアミドキシムベースの硬化剤としてはペルフルオロアルキルアミジン、アリールアミジン、ペルフルオロアルキルアミドキシム、アリールアミドキシムおよびペルフルオロアルキルアミドラゾンが含まれる。具体的な例としてペルフルオロオクタンアミジン、ヘプタフルオロブチリルアミジン、ベンズアミヂン、トリフルオロメチルベンズアミドキシム、およびトリフルオロメトキシベンズアミドキシムが含まれる。
【0055】
フルオロエラストマー組成物およびより好ましくはペルフルオロエラストマー組成物のために使用できるビスアミジンベースの硬化剤は式(II)によってあらわされる:
【0056】
【化23】

式中、Dは、炭素原子1〜22個を有する非置換または置換、全または部分ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルまたはアラルコキシ基、またはより好ましくは炭素原子1〜約22個のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキル、またはペルフルオロアラルコキシ基、より好ましくは炭素原子約1〜約12個のペルフルオロアルキルまたはペルフルオロアルコキシ基である。RおよびRは式(I)に関して上に定義したものと同様であるが、式(II)においてRはヒドロキシルではなく、上記のRと同じであるように独立して選択される。さらに、D、RおよびRは各々、式(I)に関して上に記載した基の1つ以上によって置換できる。式(II)において、RおよびRが水素であるのが最も好ましい。
【0057】
Y、RおよびRにおいてエーテル結合の形で酸素原子が含まれるのがより好ましい。Yは直鎖または分岐鎖であるのが好ましいが、Yが上記のように置換され得る環状または芳香族構造である場合も本発明の範囲内である。
【0058】
式(II)のビスアミジンに関して言えば、Dが弗素化されているのが好ましく、過弗素化されているのがより好ましい。しかしDが部分的にハロゲン化されている場合、上記化合物を安定化するために、アミジン基に隣接する炭素原子は各々2つの水素置換基を有するのが好ましい。Dの酸素原子もエーテル結合の形であるのがより好ましい。Dは直鎖または分岐鎖であるのが好ましいが、Dが、さらに置換され得る環状または芳香族構造である場合も本発明の範囲内である。このようなビスアミジン類の特に適切な例として、ペルフルオロスベラミジンおよびペルフルオロセバカミジンがある。適切なペルフルオロアルキルモノアミジンおよびビスアミジンはSynQuest Laboratories,Inc.(アラクア、フロリダ)から購入できる。このような材料はFederal State Unitary Enterprise S.V.Lebedev Institute of Synthetic Rubber(ロシア)から市販されている。本発明による好ましい典型的ビスアミジンとしてはペルフルオロスベラミジンおよびペルフルオロセバカミジンなどがある。
【0059】
上記のアミジン、アミドキシム材料を直接硬化剤の代わりに促進剤として使用する場合、例えばBOAPのようなジフェニルベースの硬化剤と組み合わせて使用するような場合は、選択される量は選択される特定のペルフルオロエラストマー、選択される硬化剤および/または補助硬化剤、および所望硬化特性、例えば最低規定ムーニー粘度の発生に必要な時間、組成物の歪み抵抗性、移動ダイ・レオメータで測定した最大規定トルクなどに基づいて決められる。適量はペルフルオロポリマー約100部あたり約0.1〜約5部の促進剤である。直接硬化剤として使用する場合、本発明の硬化剤または補助硬化剤の量および型は、硬化したフルオロエラストマーまたはペルフルオロエラストマーの所望特性(化学的攻撃に対する抵抗性、特定の破壊伸び、耐圧縮永久歪性、曲げ弾性率、引裂強さ、硬度など)を最適化するように選ばなければならない。使用量は所望架橋度、本発明の硬化剤によって硬化する硬化部位の型および数、本発明の範囲内にないその他の硬化剤によって硬化するその他の硬化部位の数、および所望硬化速度に依存する。本発明の任意の硬化剤の好ましい量は、フルオロエラストマーまたはペルフルオロエラストマー組成物中に存在する、本発明の硬化剤および補助硬化剤と反応できる硬化部位と反応するために必要な量より少し多い量に匹敵する量である。フルオロポリマーまたはペルフルオロポリマー約100部あたり約0.1〜約10重量部の上記硬化剤の使用が好ましく、約1〜約4重量部の上記硬化剤の使用がより好ましい。補助硬化剤として使用する場合はより少ない量が好ましい。なぜならば、同様に上記の部位数およびその他のパラメータに依存するその他の硬化反応も起きているからである。
【0060】
BOAPの他に、その他のジフェニルベースの硬化剤も本発明の組成物に使用できる。それらには、分岐鎖または直鎖アルキル、ハロゲン化アルキル、ペルハロゲン化アルキルおよびより好ましくはペルフルオロアルキル型化合物が含まれる。これらの化合物は1つ以上の酸素をもっていても、もっていなくともよく、置換されていてもされていなくてもよく、少なくとも2つのアミノフェニル基、より好ましくは2つのアミノフェノール基を有し、好ましくは融点が約240℃より高くなく、より好ましくは約230℃より高くなく、最も好ましくは約225℃になるように、十分に大きい分子量をもち(延長鎖)、それによって混和性は高まり、ペルフルオロエラストマー組成物、特に、シアノ型硬化部位モノマーを有する好ましいペルフルオロエラストマー類の硬化反応を速やかにする。
【0061】
このような硬化剤は好ましくは式(III)のジフェニルベースの硬化剤である:
【0062】
【化24】

式(III)において、rは0または1でよい。式(III)において、さらにRおよびRは独立して選択され、炭素原子か、または(直鎖であろうが分岐鎖であろうが)鎖中の炭素原子が約2〜約22個、より好ましくはこれらの鎖の炭素原子が10〜22個の、分岐鎖または直鎖炭素ベースの基(これらはさらに置換されてもよく、置換されなくともよい)であるように独立して選択され、これらの基は以下の典型的基のなかから選択される:アルキル基、全または部分ハロゲン化アルキル基、より好ましくは過弗素化アルキル基。これらの基の各々は少なくとも1個の酸素原子によって割り込まれる。それらの分岐鎖は例えばハロアルキル、フルオロアルキルおよびトリフルオロアルキルのような基を含むことができる。式(III)および置換可能基を含む旨本明細書に記載されているその他の式、例えば以下に記載の式(III)による好ましい処方物などにおいて利用できる置換は、そのような置換が所定の硬化反応にとって望ましい限り、式(I)および(II)について本明細書に記載したものと同じでよい。Zは好ましくはアミノ、メルカプト、チオフェノール、スルフヒドリルまたはヒドロキシル基であり、ヒドロキシル基が最も好ましい。
【0063】
各Jは独立して選択され、式(IV)であるか:
【0064】
【化25】

またはAと同じである。Aは式(III)においてRの両側で独立して選択され、式(IV)、水素原子、弗素原子、または下記の基から選択される分岐鎖または直鎖(置換または非置換)炭素ベースの基である:炭素原子1〜22個のアルキル、部分または全ハロゲン化アルキル、またはペルフルオロアルキル基、より好ましくはペルフルオロアルキル基;これらの基の各々は少なくとも1個の酸素原子によって割り込まれ、分岐鎖は例えばハロアルキル、フルオロアルキルおよびトリフルオロアルキルのような基を含むことができる。rが0で、Rが炭素原子である場合、Jおよび各Aの少なくとも1つは式(IV)ではない。A基が式(IV)であることは容認されるが、式(III)の硬化剤に出現するそのような基は2つだけであることが好ましい。例えばrが0でJが上の式(IV)であるならば、どちらのA基も式(IV)ではないことが好ましい。
【0065】
式(III)においてr=0で、Jが上記式IVに合致する場合の好ましい構造は、Rが炭素原子である構造、およびRが酸素を含むかまたは含まない直鎖または分岐鎖アルキルまたは過弗素化アルキル基である構造などである。rが0で、Rが炭素原子である場合に、Jが式(IV)で、Aの1つがトリフルオロメチルで、もう1つのAが炭素原子2〜22個の直鎖および分岐鎖ペルフルオロアルキルおよびペルフルオロアルキルエーテル基である構造がさらにより好ましい。
【0066】
モノアミジン、モノアミドキシム、ビスアミジン類および指定の官能化ジフェニルベースの硬化剤を含む上記の硬化剤およびそれらの合成は本発明の譲受人が所有する同時係属米国特許出願公開第2004/0214956 A1号にさらに詳細に記載されている;その全開示はこの目的のための参考として本明細書に組み込まれる。
【0067】
上記の好ましい硬化剤に加えてその他の硬化剤を使用することもでき、または存在する硬化部位モノマー、例えば有機錫のような有機金属化合物、ジアミン、アミジン、その他の一般的ビフェニル官能化誘導体類および/またはビスアミノチオフェノール類に依存して、1種類以上の硬化剤を使用することもできる。その他に、ペルフルオロポリマー類は、補助として、或いは本発明の組成物の好ましい硬化剤によって硬化しないその他の硬化部位を硬化するために、放射線硬化法を使用して硬化することができる。
【0068】
本発明は有機ペルオキシドの形の好ましい反応促進剤も含む。有機ペルオキシド類は、直接硬化剤として、並びに、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)のようなイソシアヌレートおよびトリアリルシアヌレート(TAC)などを一般に含む補助剤と組み合わせることによって官能化ジフェニルベースの硬化剤やその他の公知の硬化剤を含む硬化系に代わる硬化系として使用されている。本発明において、このような有機ペルオキシドは反応促進剤としてのイソシアヌレート補助剤を使わずに使用され、単独または直接硬化剤として使用されていない。驚くことにこのような化合物は、単に他の補助剤と一緒に使用される種々のペルフルオロポリマー硬化系として有効であるわけではなく、しかも特異的硬化部位を有するものではないが、その代わりに上記の官能化ジフェニルベースの化合物、モノおよびビスアミジンおよびモノアミドキシムを含む硬化系における反応促進剤として非常に効果的である。このような硬化剤が、有機ペルオキシドを使用する際に考えられる硬化メカニズムとは化学的に異なるメカニズムによって反応することは驚きであった。
【0069】
使用できる有機ペルオキシド類としては、TFE/PAVE/硬化部位モノマーのような系においてTAICおよびTACのようなイソシアヌレートベースの補助剤と共に標準的硬化剤として当該分野で使用する任意の有機ペルオキシドが含まれる。上記硬化部位モノマーはOkaらの米国特許第5,001,278号明細書に例示される、式XCHCFCF−(OCHCFCF−(OCFYCF−OCF=CFであらわされるものである。式中、Xは水素原子、または弗素、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン原子であり;Yは弗素またはトリフルオロメチル基であり;mは0〜5の整数であり;nは0、1または2である。使用するペルオキシドは、−COOH、−COCH、−CHOH、−CHX(この場合Xはハロゲンである)のようなその他の水素含有官能基を硬化する際に働くものでもよい。そのような有機ペルオキシドをTAIC、TACおよび同類の補助剤と共に使用することは当該分野で公知である。しかしそのような補助剤は本発明においては必要ない。
【0070】
好ましいペルオキシドとしては2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン)、ジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)−ブチル]カルボネートおよびこれらの組合わせなどがある。有機ペルオキシドはその他の反応促進性添加剤の使用量によって、少量で使用しなければならない。また別の反応促進剤として好ましい幾つかの硬化剤の使用可能性に関して上に述べたように、反応促進剤として選択される有機ペルオキシドの量は、選択されるフルオロエラストマーまたはペルフルオロエラストマー、選択される硬化剤および/または補助硬化剤および所望硬化特性、例えば特定の最低ムーニー粘度を得るために必要な時間、組成物の歪み抵抗性、および移動ダイ・レオメータによって測定した特定の最大トルクなどに基づいて決められる。適切な量はペルフルオロポリマー約100部あたり約0.1〜約5部の硬化促進剤、より好ましくはペルフルオロポリマー約100部あたり約0.5〜1.0部の硬化促進剤である。
【0071】
有機ペルオキシド硬化剤を組み込む組成物は、硬化促進を示す他に、良い加工性、低い不良率および良い物理的特性を示す。
【0072】
上記のような組成物に基づいて、本発明は、本明細書に記載される組成物のようなフルオロエラストマー組成物、より好ましくはペルフルオロエラストマー組成物の硬化を促進するための方法も提供する。上記方法は、有機ペルオキシドの形の少なくとも1種類の硬化促進剤を上記組成物類に加えることを含む。各組成物成分を述べるために本明細書に使用される用語「a」および「少なくとも1つの(at least one)」は1つ以上の成分を意味する。その他に、このような組成物および方法は、本明細書において以後述べるように、着色剤、好ましくは金属を含まない着色剤をさらに含み、異なる効果に達することがある。本明細書に用いる「金属を含まない」または「金属元素を含まない」は、金属元素が実質的に完全にないことを意味し、少量の痕跡金属元素は、好ましくはないが存在してもよいものと理解される。
【0073】
上記の組成物および方法の他に、好ましくは上記有機ペルオキシド硬化促進剤に加えて本明細書に記載の2、3の着色剤も含む組成物において、ペルオキシド硬化促進剤を単独でまたはその他の硬化促進剤と組み合わせて使用する際に硬化促進効果を得ることができる。着色剤と有機ペルオキシド促進剤とを含むこのような組成物は、本明細書に記載のように、すぐれた硬化時間および特性を有するという利点がある。しかし本発明による有機ペルオキシド硬化促進剤を使用しない場合でさえ、このような着色剤を含む組成物を含まない同様な化合物と比較して、このような着色剤が一般に良い耐プラズマ特性をもたらし、同時に、本明細書に記載された組成物から形成される成形部品に滑らかな美的外観を与えおよび/または材料のソースまたは種類の識別子として役立つことが見いだされた。例えばこのような着色剤をある組成物に使用して、上に定義した少なくとも1種類のフルオロポリマー、より好ましくはペルフルオロポリマーおよび本明細書に記載された型の硬化剤、好ましくは選択されたフルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーを架橋できる官能化ジフェニルベースの硬化剤を含むフルオロエラストマー組成物に、プラズマ抵抗など有益な利点をもたらす。使用するすべての着色剤は金属元素を含まないのが好ましい;このような組成物およびそれらから形成される硬化製品を、金属混入物およびその他の不純物を避けなければならない半導体および製薬機器および工程に使用する際に、特にこれが言える。さらに以下に記載のように、このような着色剤を用いて特異的接着特性を有するフルオロエラストマー組成物を形成できることが見いだされた。識別のためにペルフルオロエラストマーおよびフルオロエラストマーを着色することは過去に試みられたが、非金属着色剤(半導体およびその他の黒以外の最終用途においては、着色剤としてのカーボンブラックの使用は避けるのが好ましい)を使用することによって、プラズマ抵抗を高め、単独の、またはその他の硬化促進剤と組み合わせた本明細書に記載のペルオキシド硬化促進剤によってすぐれた硬化時間を有する組成物の添加剤として役立ち、目に見える表面色の欠陥を最小にする美的外観を有するシールを与え、ソースまたは種類を明らかにするのに役立ち、そして/または接着性フルオロエラストマー組成物を提供できることを出願人はここに記載する。
【0074】
本発明の範囲内の好ましい着色剤はC、H、NおよびOを含み、金属を含まない多環式構造であるものを含む。このような化合物は、色を変えるために塩素または臭素で置換してもよい。それらは熱に安定で、本発明に使用する硬化剤、好ましくは官能化ジフェニルベースの硬化剤、およびより好ましくはBOAPと適合しなければならない。このような条件に合格する好ましい材料は次の参考文献に見いだされる;W.Herbst et al.,Industrial Organic Pigments,VCH/Wiley,2nd ed.,1997。このような条件に合格する好ましい材料は当該分野で公知のColor Indexにも見いだされ、特にClariant、CibaおよびEngelhardから市販されている。上記の条件に合う特に好ましい着色剤の種類には、キナクリドン類、ベンズイミダザロン類、インダントロン類、ペリレン類、イソインドリノン類、およびイソインドリン類並びにこれら物質の組合わせなどがある。このような材料は、同様な構造を示す目的で参考として本明細書に組み込まれる米国特許第4,316,836号明細書にも記載されている。このような使用し得る化合物および市販の着色剤には、キナクリドン・マゼンタ(C.I.Pigment Red 122、192、202および206)、モナストラルレッドB、C.I.Violet 19のようなバイオレット色素、2,9−ジメチル置換キナクリドンおよびアントラキノン色素(C.I.60710、C.I.Dispersed Red 15、C.I.26050、C.I.Solvent Red 19)、ローダミンYS(C.I.Pigment Red 81)、C.I.Orange 48およびC.I.Orange 49のようなオレンジ色素、ジアリーライド(ベンジジン)イエロー(C.I.Pigment Yellow 12、13、14、16、17、55、83および155)、インダンスレン・ゴールデン・イエローGK、アリールアミド・イエロー(C.I.Pigment Yellow 1、3、10、73、74、97、105および111)などがあり、効果を変えたり、異なる組成物色を得るためにこれら着色剤の組合わせも使用できる。これらの材料のなかで最も好ましいのはClariantからPV Fast Violet ERとして市販される、次ぎに示す構造を有するキナクリドン
【0075】
【化26】

および下記の構造を有する、ClariantからPV Fast Pink Eとして市販される上記化合物の誘導体:
【0076】
【化27】

などである。
【0077】
このような着色剤をフルオロエラストマーおよびより好ましくはペルフルオロエラストマー組成物に添加すると、良好な耐プラズマ特性、特にNF、SFおよびCFプラズマに対する抵抗性が得られる。よって本発明においては、上記のフルオロポリマーおよびより好ましくはペルフルオロポリマーと、上記硬化剤、好ましくは官能化ジフェニルベースの硬化剤、より好ましくはBOAPと、単独のペルオキシド硬化促進剤または他の硬化促進剤と組み合わせたペルオキシド硬化促進剤と、上記の着色剤、最も好ましくはキナクリドン誘導体とを含む組成物類が提供される。このような組成物は好ましくは本発明の有機ペルオキシド硬化促進剤を上記着色剤と共に含み、上記硬化剤の使用時に好ましい硬化特性を示す組成物を提供する。したがって本発明は上記のフルオロエラストマー、より好ましくはペルフルオロエラストマー組成物に、上記のペルオキシド硬化促進剤を含む少なくとも2種類の硬化促進剤を加えることによって、上記組成物類の硬化を促進する方法も含む。これら組成物は本明細書に記載の上記着色剤も含むことができる。これら着色剤を含む組成物および製品が、金属混入が望ましくない半導体製造、ある種の化学薬品製造および医薬品製造において有用であるためには、上記着色剤は金属元素を含まないのが好ましい。
【0078】
ペルオキシド硬化促進剤を単独でおよび着色剤と組み合わせて使用する好ましい典型的および非制限的処方を以下に示す:
【0079】
【表1】

上に述べたこのような着色剤は特異的接着能力も示すことができる。接着の目的で使用する際、このような組成物は任意に本発明の有機ペルオキシド硬化促進剤を含むことができるが、本発明の組成物の接着効果を最大にすることが望まれる場合は上記のような有機ペルオキシドを最小量使用するかまたは排除することが好ましい。
【0080】
好ましくは硬化でき、外部接着剤を使用せずに金属表面に直接接着できる接着性フルオロエラストマー組成物およびより好ましくは接着性ペルフルオロエラストマー組成物を提供する好ましい組成物は、架橋可能の官能基を有する上記のような少なくとも1種類のフルオロポリマー、より好ましくはペルフルオロポリマーである。典型的金属表面としてはアルミニウム、ステンレス鋼、炭素鋼、銅などがある。このようなリストは全てを網羅するものではない。さらに、このような接着組成物はそれらの接着能力により、その他のエラストマーおよびポリマー表面などの非金属表面に接着するように硬化することができ、多くの潜在的用途をもたらす。本発明に使用するための上記のような硬化剤、およびより好ましくは上記のような官能化ジフェニルベースの硬化剤、および最も好ましくはBOAPも、上記の好ましい量を使用しなければならない。上記組成物に加える着色剤は、使用目的に応じて異なる量を使用できる(すなわち上記着色剤をプラズマ抵抗組成物の形成のために使用する場合と接着組成物の添加剤として使用する場合とでは異なる量が用いられる)。適切な量はペルフルオロエラストマー100重量部に対して約0.01〜約20重量部、より好ましくは約1〜約5重量部の範囲である。
【0081】
上記の種々の添加剤がこのような接着性組成物に加えられるが、接着性フルオロエラストマー組成物に本発明の着色剤と共に使用するための添加剤としてシリカが含まれるのが最も好ましい。その他に、種々のその他の硬化促進剤が上記のように接着性フルオロエラストマー組成物に添加剤として用いられるが、有機ペルオキシド硬化促進剤の使用は最小にすべきである。このような組成物は以下に記載される製品類に使用され、重要な流体操作、航空宇宙科学およびバイオメディカルの用途にも利用され、医学的装置、半導体部品(以下を参照)およびラミネート構造(例えばこのような構造には外部または保護的耐薬品性層が形成される)を形成するためのアセンブリーおよび部品類に形成される。直接接着が可能になることによって、当分野においてフルオロエラストマー類の接着のために使用される典型的接着剤の使用はもはや必要なくなる。
【0082】
本発明はさらに、金属部品に接着したフルオロエラストマーおよびより好ましくはペルフルオロエラストマーを含む製品の生成法も含む。このような金属部品は上記の金属類から形成され、これらの製品は、金属性基材、ベースまたはその他の作業部分が一つに結合した製品、好ましくは、溝にしっかりと接着するフルオロエラストマーまたはペルフルオロエラストマーシールを必要とする任意の製品である。上記溝は本明細書においてフルオロまたはペルフルオロエラストマーと接着するための合せ面として用いられる金属部品に延びる、または上記金属部品から延びる任意のくぼみまたは造形面でよい。このような製品の例としては、半導体加工のための真空室で使用される、フルオロエラストマーおよびアルミニウムから形成される接着スリットバルブおよびこれら同じ材料から形成されるエフェクタパッドなどがある。本明細書において接着したスリットバルブは、本発明の方法を説明するための非制限的例として用いられている。このようなバルブは一般的に、半導体装置に使用するために形成された金属ベースと、硬化して接着シールを形成するプレフォームの形のフルオロエラストマー組成物を受けるための、ベースに機械加工された溝とを有する。図1の参照により、このような製品は接着スリットバルブ10として示される。図1〜3に非常によく示されるように、上記バルブは金属部品12を有する。上記金属部品は上記部品12内に凹んだ溝14を有し、適切な形に作られたフルオロエラストマーシール16を受け入れる。上記製品、本明細書においては接着スリットバルブ10を形成するためには、先ず最初にシール製造技術において容認される任意の方法で上記シールのプレフォームを作ることが必要である。このような技術は周知であり、より詳細に説明する必要はなく、押出し、型押などを含む。上記プレフォームは、金属部品の同様の形に形成された表面に実質的に合うように形成されるのが一般的である。接着スリットバルブ10の場合は、先ず最初に未硬化のフルオロまたはペルフルオロエラストマー組成物から、シール16が溝14に実質的に合うように設計された形に成形される。部品12のような金属部品は標準的金属加工技術によって別個に機械加工できる。上記部品は機械加工され、フルオロポリマープレフォームに接する合せ面が先ず最初に標準的金型サンドブラスティング予備技術のような方法によって処理され、その後アセトンなどの容認できる溶媒で十分清浄にされる。サンドブラスティングは接着を容易にするために有効である。清浄になり、処理された表面をその後乾燥しなければならない。その後例えば接着スリットバルブ10の溝14とシール16とを一直線にすることによって、上記プレフォームを金属部品と接触させる。
【0083】
プレフォームと金属面とが接触した後、この二者を加熱および加圧してエラストマー組成物の硬化を開始する。このような硬化中、本発明の組成物は金属部品に直接接着し、その他の接着剤の使用は自由であり、汚染を避ける必要はなく、接着剤を使用した場合に一般に許容される温度より高い温度で上記エラストマー組成物を硬化することができる。上記プレフォームおよび金属部品は適切な金型に入れて加熱および加圧し、上記エラストマーおよび上記部品に対する損傷を避けることが好ましい。上記金属部品を先ず最初に金型に入れ、使用する部品類およびエラストマー類の標準的成形技術によって予備加熱することが好ましい。プレフォームを予備加熱後金属部品と接触させ、その後金型を閉め、好ましくは真空下で、しかも使用するエラストマーおよび適用する硬化系によって種々異なる条件で、このような部品を成形するための標準的方法にしたがって加熱および加圧を続け、増強する。実質的硬化が起こり、エラストマーが金属部品に接着するまで加熱および加圧を続けなければならない。最適な接着および硬化特性を確実に得るために、本発明の方法ではオーブン内の金型から取り出した際、使用エラストマーについて当該分野で公知の後硬化技術にしたがって上記製品を後硬化するという追加的処理を行うのが好ましい。
【0084】
後硬化後、または後硬化が望ましくない場合は成形後、上記製品をさらに仕上げすることができる。接着スリットバルブ10のような接着スリットバルブの場合、適用できる品質規格に合格するように追加的クリーニング、ばり取り、および検査を行うことができる。
【0085】
本発明によって作られるような製品類は、フルオロエラストマーのための標準的接着剤を使わないですむために、接着剤の分解を恐れることなく最適硬化温度を使用でき、その結果最適物理的特性を得ることができ、それに加えてある実施形態においては標準的接着剤の使用と比較して上記フルオロエラストマーと金属表面との接着強度も高まる。一例として、標準的ペルフルオロエラストマー外部接着剤において使用する一般的推奨最高温度は約350゜Fであるが、ある例では550゜F、24時間で最適硬化が起こり、後硬化温度が高温エラストマーにとってかなり過剰になることがあり、その結果、そのような接着剤を使用する際には接着強度は減少する。上記接着剤を使用しなければ、半導体適用の際に接着剤使用に起因する揮発性化学物質からのガス発生は減少し、生産品の有効寿命は改善されてより長くなる。
【実施例】
【0086】
本発明を下記の非制限的例にしたがって説明する:
(実施例1)
この実施例においては、参照として本明細書に組み込まれる国際公開第00/08076号パンフレットに詳細に記載されるように、水性エマルション中で回分式重合によって作られるテトラポリマーであるペルフルオロエラストマーをベースとして使用し、ペルフルオロエラストマー組成物を調製した。上記テトラポリマー中のモノマーとしてはテトラフルオロエチレン、ペルフルオロメチルビニルエーテルおよび2種類の硬化部位モノマー、すなわち二級シアノ硬化部位モノマー、CF=CFO(CFOCF(CF)CNおよび一級シアノ硬化部位モノマー、CF=CFOCFCF(CF)O(CFCNが含まれる。重合は、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンを含む水性エマルション中で、過硫酸アンモニウムまたは過硫酸アンモニウム/硫酸ナトリウム・レドックス開始によって行われた。界面活性剤混合物はペルフルオロヘプタン酸アンモニウムおよびペルフルオロノナン酸アンモニウムを含んでいた。使用した緩衝剤はリン酸二カリウムであった。テトラポリマー類は塩化マグネシウムで凝固させて分離し、熱水およびアルコールで洗い、60℃で乾燥した。上記組成物を19F NMRおよび炭素および弗素の元素分析によって確認した。ムーニー粘度を100℃でTechPro(登録商標)viscTECH TPD−1585粘度計で測定した。この実施例において、上記ペルフルオロポリマーはポリマーAと呼ばれ、非レドックス、65ムーニー粘度ポリマーである。
【0087】
これらの組成物に使用される上記のようなポリマーに硬化剤としてBOAPを加えた。BOAP(2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェノール]ヘキサフルオロプロパン)はTCI America(ポートランド、オレゴン)から購入した。これら組成物の幾つかは有機ペルオキシド、バロックス(DBPH50%)を組み込む。使用着色剤は上記のようなClariant PV Fast Violetである。
【0088】
試験試料は、ブラベンダー内部ミキサーを使用し、テトラポリマーと硬化剤とを混合してペルフルオロエラストマー組成物を生成するという仕方で作られた。上記化合物類は混合時にはO−リング・プレフォームの形になっており、このプレフォームをシールに成形、硬化し、その後表1に記載する硬化条件にしたがって空気中550゜Fで24時間という後硬化条件で後硬化し、Size214 O−リングにした。上記リングの引張特性をASTM−D−412、方法Bを用いて試験し、下記のパラメータを記録した:T(破壊引張強さ(psi));E(破壊伸び(%));M100(100%伸び率におけるモジュラス(psi))、M50(50%伸び率におけるモジュラス(psi))、および硬度(ジュロメーターM)。O−リング試料の圧縮永久歪をASTM−D−395、方法Bによって測定した。硬化特性はモンサントMDR2000を使用して下記の条件下で測定した:
移動ダイ周波数:1.6667Hz
振動振幅: 0.5° アーク
温度: 350゜F
試料の大きさ: 直径1.6インチ、厚さ0.17インチ、重量9.5gのディスク
試験持続時間: 60分間
次のような硬化パラメータを記録した:M(最大トルクレベル(Nm単位));M(最小トルクレベル(Nm単位));t2(Mより0.23Nm高くなるまでの分数);およびt90(Mの90%になるまでの分数)。これらのデータおよび組成物(重量部)を表1に示す。
【0089】
【表2】

上記のデータからわかるように、有機ペルオキシドと着色剤とを両方組み込んだ充填試料も有機ペルオキシドだけを組み込んだ試料(試料1および2)も良好な物理的特性および圧縮永久歪を有し、速やかなBOAP硬化を示した。ペルオキシドを含まず着色剤だけを使用した試料の硬化も速やかなBOAP硬化を示し、良い物理的特性および圧縮永久歪を示した。所望の組成物強度を得るためにシリカ充填剤を含まない試料は、予測通りこれに比例した物理的特性の低下を示したが、なお良好な硬化時間およびすぐれた圧縮永久歪を示した。
【0090】
(実施例2)
上記の同じ組成物について接着強度を評価した。これら組成物をASTM D429によるアルミニウムインサートを使用して試験し、全荷重規模2000lbsを有するインストロンモデル1125を使用して試験した。クロスヘッド速度は1インチ/分であった。試験は室温(73゜F)、相対湿度20%で行われた。接着剤を使用し、または使用せずに上記組成物を上記インサートに接着した。上の試料1〜4の各々について2枚のインサートを試験し、結果を下表2に報告する。
【0091】
【表3】

表2の結果は、ペルオキシドを使用せず着色剤だけを使用した場合(試料3)最良の全体的比較性能が得られることを示した(外部接着剤使用時を約35%改善する接着強度)。しかし着色剤と有機ペルオキシド硬化促進剤とを共に含み(試料1および4)、その間外部接着剤を使用した同じ組成物と比較して接着力を失ったこれら組成物では、シリカ充填剤を含まない試料4に付加的充填剤強度の低下があるにもかかわわず、接着力の喪失度(29%)に関して互いに同等な性能を示した。着色剤を全く含まないが有機ペルオキシドを組み込んだ試料(試料2)は、同じ組成物に比較して接着強度の最大低下を示し(39%)、最も貧弱な接着性を示した。試料3は好ましい試料であり、接着強度は高い。だが試料1および4は有用な組成物であり、許容できる程度の接着強度の低下は示すが、最適硬化パラメータを得るかまたは外部接着剤からの汚染を最小にするという点がより重要な関心事である場合に使用できるもう一つの組成物である。
【0092】
(実施例3)
この実施例において、その他の組成物類を調製し(比較試料5および試料6〜9)、BOAP硬化剤およびモノアミジン硬化促進剤(ペルフルオロオクタンアミジン)を組み込み、有機ペルオキシドは含まない組成物中の種々の量の着色剤の効果を明らかにした。この実施例には実施例1と同じポリマーAを使用した。BOAPも実施例1におけるものと同じ材料であった。モノアミジン硬化促進剤はSynQuest Laboratories,Inc.(アラクア、フロリダ)から入手した。これら組成物類を窒素中で550゜Fで24時間、後硬化した。硬化は350゜Fで5分間行った。結果および組成物は下の表3に示される。表3には、半導体製造において遭遇する一般的プラズマガス被曝の際の試料の重量損失が含まれる。
【0093】
【表4】

これらのデータは、硬化剤およびその他の促進剤と組み合わせる着色剤の最も効果的な量を決定し、種々のタイプのプラズマ中で良好な硬化および最適耐プラズマ性を実現できるように上記組成物が最適化されることを明らかにする。
【0094】
(実施例4)
この実施例において組成物10〜21は、本明細書の実施例1に使用されるペルフルオロポリマー100部を基にして調製された。これら組成物は硬化促進剤としての種々の量のバロックス活性ペルオキシド(DBPH)(これは50%活性である)と共に種々のタイプのカーボンブラック、オースチンブラックおよびN990を添加剤として含んでいた。シリかは、これらの処方物には加えなかった。実施例1に記載した諸特性を測定した。これらは表4に示される。
【0095】
【表5】

(実施例5)
この実施例においては、さらにその他の組成物(試料22〜33)を調製し、ペルオキシドの硬化促進効果を評価した。これらの組成物には実施例1と同じポリマーをN990カーボンブラックと共に使用した。硬化剤としては実施例1からのBOAP、実施例4からの活性ペルオキシドおよびシリカが含まれた。その上各実施例はペルフルオロポリマー100部あたり5部のTecospheres ESを含んでいた。これらの試料を350゜Fで10分間硬化させた。550゜F、24時間後硬化するための後硬化ガスも試料によって異なっていた。実施例1に記載される214 o−リングの圧縮永久歪および物理的特性を測定し、以下の表5に示す。
【0096】
【表6】

上記の実施形態の広い発明的概念から逸脱することなくこれらの実施形態を変更できることは当業者には当然である。したがって本発明は、開示される具体的な実施形態に制限されず、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の精神および範囲内における変更を含むものであることは理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−202182(P2011−202182A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−152350(P2011−152350)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【分割の表示】特願2007−506449(P2007−506449)の分割
【原出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(505283588)グリーン, ツイード オブ デラウェア, インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】