説明

近接スイッチ

【課題】 組み合わせる磁石の設置位置や、実装基板の厚みに対して設計自由度を広げた近接スイッチを提供すること。
【解決手段】 樹脂モールドケース14に、ガラス管11の長手方向と垂直に曲げられてリードスイッチ端子12を収納し、リードスイッチ端子12と平行に角柱形状の基板挿入部15を連設し、基板挿入部15の少なくとも1面に、底部の幅の等しい第1の基板固定用溝115と第2の基板固定用溝215を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁石と組み合わせて位置及び変位量を検出する近接スイッチに関し、特にプリント配線基板への実装を行う近接スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の近接スイッチとしては、特許文献1に開示されている技術がある。
【0003】
図16は従来の近接スイッチの説明図である。図16(a)は斜視図であり、図16(b)は正面図である。
【0004】
従来の近接スイッチ6は、図16(a)に示したように、リードスイッチが基板挿入部65を有する直方体形状の樹脂モールドケース64に収納されている。リードスイッチは、ガラス管11とリードスイッチ端子12からなり、一対のリードスイッチ端子12が、接点が所定の微小間隔を保って対向して他端部が引き出された状態でガラス管11に封入されている。
【0005】
樹脂モールドケース64の正面には、リードスイッチ端子12が、ガラス管11の長手方向と垂直に曲げられた形態で収納できる溝が設けられ、リードスイッチ端子12は、溝に収納されるとガラス管11の両側は圧入部13によって固定され、樹脂モールドケース64の下面から延びている。
【0006】
基板挿入部65は、図16(b)に示したように、リードスイッチ端子12が、延びている樹脂モールドケース64の下面に、リードスイッチ端子12と平行に連設されている。矢じり形状先端部と樹脂モールドケース下面との間に基板固定用溝165が設けられている。
【0007】
図17は、従来の近接スイッチの実装基板の平面図であり、実装基板66には、挿入孔166、リードスイッチ端子挿入孔366が設けられている。ここで実装基板66の電極パターンは省略した。
【0008】
図18は、従来の近接スイッチの実装状態を示す正面図である。図18において、実装基板66は断面で示した。
【0009】
従来の近接スイッチ6を実装基板66に実装するには、始めに基板挿入部65を実装基板66の挿入孔166に挿嵌し、次にリードスイッチ端子12をリードスイッチ端子挿入孔366に挿入し、電極パターン(図示せず)と半田付けしていた。基板挿入部65の基板固定用溝165における底部の幅は、実装基板66の厚みと同じであり、挿入孔166を貫通した先端部は矢じり形状になっているので、実装基板66に係着することができる。
【0010】
【特許文献1】特開2000−149741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近接スイッチでは、リードスイッチと組み合わせる磁石の設置位置によって、実装基板からの高さを調整する必要がある。ところが従来は、実装基板からの高さは樹脂モールドケースの実装基板からの高さに対応していた。
【0012】
そのため、従来の近接スイッチにおいて、リードスイッチと組み合わせる磁石の設置位置と樹脂モールドケースの実装基板からの高さが最適ではない場合には、新たに樹脂モールドケースを作製する必要が生じてくる。したがって、金型設計時間及び製作時間がかかり、金型製作費用もかかるという問題があった。
【0013】
また、近接スイッチを実装する実装基板の厚みが異なると、基板挿入部の基板固定用溝では固定できなくなるので、使用する実装基板厚みに応じて基板固定用溝の異なる樹脂モールドケースを作製する必要が生じる。この場合にも、金型設計時間及び製作時間がかかり、金型製作費用もかかるという問題があった。
【0014】
上記のように従来の近接スイッチでは、組み合わせる磁石の設置位置も使用する実装基板厚みについても設計自由度が限られ、新たに樹脂モールドケースを作製しようにも時間とコストがかかり効率が悪いという問題があった。
【0015】
本発明の課題は、リードスイッチと組み合わせる磁石の設置位置や、実装基板の厚みに対して設計自由度を広げた近接スイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、封止したガラス管の両端にリードスイッチ端子を備えたリードスイッチと、直方体形状の樹脂モールドケースからなり、前記樹脂モールドケースに、前記リードスイッチを前記リードスイッチ端子を折り曲げて収納し、前記リードスイッチ端子の折り曲げられた部分と平行に角柱形状の基板挿入部を連設し、前記基板挿入部の少なくとも1面に、複数の基板固定用溝を有することを特徴とする近接スイッチである。
【0017】
本発明は、封止したガラス管の両端にリードスイッチ端子を備えたリードスイッチと、直方体形状の樹脂モールドケースからなり、前記樹脂モールドケースに、前記リードスイッチを前記リードスイッチ端子を折り曲げて収納し、前記リードスイッチ端子の折り曲げられた部分と平行に角柱形状の基板挿入部を連設し、前記基板挿入部の少なくとも2面に、底部の幅の異なる基板固定用溝を有することを特徴とする近接スイッチである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の近接スイッチによれば、複数の基板固定用溝を用いて実装基板から複数の高さに実装することができる。
【0019】
本発明の近接スイッチによれば、複数の基板固定用溝を用いて複数の厚みの実装基板に実装することができる。
【0020】
したがって、組み合わせる磁石の設置位置も使用する実装基板厚みについても設計自由度の広い近接スイッチを提供することができる。
【0021】
ひとつの樹脂モールドケースで実装基板からの高さを複数設定でき、複数の基板厚みにも対応できるので、樹脂モールドケースの種類を減らすことができる。したがって、成形金型の種類も減らすことができるので、金型設計時間及び製作時間や金型製作費用も削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態における近接スイッチの正面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態における近接スイッチの実装基板の平面図である。図3は、本発明の第1の実施の形態における近接スイッチの実装状態を示す正面図である。図3(a)は第1の実装位置での正面図である。図3(b)は第2の実装位置での正面図である。図3において、実装基板16は断面で示した。
【0024】
本発明の第1の実施の形態の近接スイッチ1は、図1に示したように、ガラス管11、リードスイッチ端子12、直方体形状の樹脂モールドケース14、基板挿入部15から構成されている。ガラス管11には、一対のリードスイッチ端子12が、接点が所定の微小間隔を保って対向して他端部が引き出された状態で封入されている。
【0025】
樹脂モールドケース14の正面には、リードスイッチ端子12がガラス管11の長手方向と垂直に曲げられた状態で、装着できるように溝が形成され、ガラス管11の両側にはリードスイッチ端子12を固定するための圧入部13が設けられている。
【0026】
基板挿入部15は、角柱形状をなし、リードスイッチ端子12が導出し延びている樹脂モールドケース14の下面にリードスイッチ端子12と平行に連設され、リードスイッチ端子12側の面に、第1の基板固定用溝115と第2の基板固定用溝215を有している。第1の基板固定用溝115は、樹脂モールドケース14側に、第2の基板固定用溝215は先端部側に、それぞれ配設されている。第1の基板固定用溝115と第2の基板固定用溝215における底部の幅は同じである。
【0027】
近接スイッチ1の実装基板16は、図2に示したように、矩形状で大きさの異なる第1の挿入孔116、第2の挿入孔216と、リードスイッチ端子挿入孔316が穿設されている。第1の挿入孔116は基板挿入部15が挿入されると第1の基板固定用溝115が係着される、第2の挿入孔216は基板挿入部15が挿入されると第2の基板固定用溝215が係着される。リードスイッチ端子挿入孔316は、第1の挿入孔116、第2の挿入孔216と並んで穿設されている。
【0028】
磁石18の設置位置が実装基板16から近いときに近接スイッチ1を実装する場合には、図3(a)に示したように、実装基板16に穿設された第1の挿入孔116に、基板挿入部15を挿入すると、基板挿入部15の第2の基板固定用溝215は貫通するが、第1の基板固定用溝115と係着することができ、第1の基板固定用溝115における底部の幅は、実装基板16の厚みと同じであるため、実装基板16に挿嵌することができる。次に、リードスイッチ端子12を実装基板16のリードスイッチ端子挿入孔316に挿入して電極パターン(図示せず)と半田付けする。実装基板16から突出した基板挿入部15は、必要に応じカットしても良い。
【0029】
また、磁石18の設置位置が実装基板16から離れたときに近接スイッチ1を実装する場合には、図3(b)に示したように、実装基板16に穿設された第2の挿入孔216に、基板挿入部15を挿入すると、第2の基板固定用溝215と係着することができ、第2の基板固定用溝215における底部の幅は、実装基板16の厚みと同じであるため、実装基板16に挿嵌することができる。次に、リードスイッチ端子12を実装基板16のリードスイッチ端子挿入孔316に挿入して電極パターン(図示せず)と半田付けする。
【0030】
図4は、本発明の第2の実施の形態における近接スイッチの正面図である。図5は本発明の第2の実施の形態における近接スイッチの実装基板の平面図である。図6は、本発明の第2の実施の形態における近接スイッチの実装状態を示す正面図である。図6(a)は第1の実装位置での正面図である。図6(b)は第2の実装位置での正面図である。図6において、実装基板26は断面で示した。
【0031】
本発明の第2の実施の形態の近接スイッチ2は、図4に示したように、ガラス管11、リードスイッチ端子12、直方体形状の樹脂モールドケース24、基板挿入部25から構成されている。ガラス管11には、一対のリードスイッチ端子12が、接点が所定の微小間隔を保って対向して他端部が引き出された状態で封入されている。
【0032】
樹脂モールドケース24の正面には、リードスイッチ端子12がガラス管11の長手方向と垂直に曲げられた状態で、装着できるように溝が形成され、ガラス管11の両側にはリードスイッチ端子12を固定するための圧入部13が設けられている。
【0033】
基板挿入部25は、角柱形状をなし、リードスイッチ端子12が導出し延びている樹脂モールドケース24の下面にリードスイッチ端子12と平行に連設され、リードスイッチ端子12のガラス管11側の面に、第1の基板固定用溝125と第2の基板固定用溝225を有している。第1の基板固定用溝125は、樹脂モールドケース24側に、第2の基板固定用溝225は先端部側に、それぞれ配設されている。第1の基板固定用溝125と第2の基板固定用溝225における底部の幅は同じである。
【0034】
近接スイッチ2の実装基板26は、図5に示したように、矩形状で大きさの異なる第1の挿入孔126、第2の挿入孔226と、リードスイッチ端子挿入孔326が穿設されている。第1の挿入孔126は基板挿入部25が挿入されると第1の基板固定用溝125が係着され、第2の挿入孔226は基板挿入部25が挿入されると第2の基板固定用溝225が係着される。リードスイッチ端子挿入孔326は、第1の挿入孔126、第2の挿入孔226と並んで穿設されている。
【0035】
磁石18の設置位置が実装基板26から近いときに近接スイッチ1を実装する場合には、図6(a)に示したように、実装基板26に穿設された第1の挿入孔126に、基板挿入部25を挿入すると、基板挿入部25の第2の基板固定用溝225は貫通するが、第1の基板固定用溝125と係着することができ、第1の基板固定用溝125における底部の幅は、実装基板26の厚みと同じであるため、実装基板26に挿嵌することができる。次に、リードスイッチ端子12を実装基板26のリードスイッチ端子挿入孔326に挿入して電極パターン(図示せず)と半田付けする。実装基板26から突出した基板挿入部25は、必要に応じカットしても良い。
【0036】
また、磁石18の設置位置が実装基板26から離れたときに近接スイッチ1を実装する場合には、図6(b)に示したように、実装基板26に穿設された第2の挿入孔226に、基板挿入部25を挿入すると、第2の基板固定用溝225と係着することができ、第2の基板固定用溝225における底部の幅は、実装基板26の厚みと同じであるため、実装基板26に挿嵌することができる。次に、リードスイッチ端子12を実装基板26のリードスイッチ端子挿入孔326に挿入して電極パターン(図示せず)と半田付けする。
【0037】
図7は、本発明の第3の実施の形態における近接スイッチの正面図である。図8は本発明の第3の実施の形態における近接スイッチの実装基板の平面図である。図9は、本発明の第3の実施の形態における近接スイッチの実装状態を示す正面図である。図9(a)は第1の実装位置での正面図である。図9(b)は第2の実装位置での正面図である。図9において、実装基板16は断面で示した。
【0038】
本発明の第3の実施の形態の近接スイッチ3は、図7に示したように、ガラス管11、リードスイッチ端子12、直方体形状の樹脂モールドケース34、基板挿入部35から構成されている。ガラス管11には、一対のリードスイッチ端子12が、接点が所定の微小間隔を保って対向して他端部が引き出された状態で封入されている。
【0039】
樹脂モールドケース34の正面には、リードスイッチ端子12がガラス管11の長手方向と垂直に曲げられた状態で、装着できるように溝が形成され、ガラス管11の両側にはリードスイッチ端子12を固定するための圧入部13が設けられている。
【0040】
基板挿入部35は、角柱形状をなし、リードスイッチ端子12が導出し延びている樹脂モールドケース34の下面にリードスイッチ端子12と平行に連設され、リードスイッチ端子12側の面に第1の基板固定用溝135が、リードスイッチ端子12のガラス管11側の側面に第2の基板固定用溝235を有している。第1の基板固定用溝135は、樹脂モールドケース34側に、第2の基板固定用溝235は先端部側に、それぞれ配設されている。第1の基板固定用溝135と第2の基板固定用溝235における底部の幅は同じである。
【0041】
近接スイッチ3の実装基板36は、図8に示したように、矩形状で大きさの異なる第1の挿入孔136、第2の挿入孔236と、リードスイッチ端子挿入孔336が穿設されている。第1の挿入孔136は基板挿入部35が挿入されると第1の基板固定用溝135が係着され、第2の挿入孔236は基板挿入部35が挿入されると第2の基板固定用溝235が係着される。リードスイッチ端子挿入孔336は、第1の挿入孔136、第2の挿入孔236と並んで穿設されている。
【0042】
磁石18の設置位置が実装基板36から近いときに近接スイッチ3を実装する場合には、図9(a)に示したように、実装基板36に穿設された第1の挿入孔136に、基板挿入部35を挿入すると、基板挿入部35の第2の基板固定用溝235は貫通するが、第1の基板固定用溝135と係着することができ、第1の基板固定用溝135における底部の幅は、実装基板36の厚みと同じであるため、実装基板36に挿嵌することができる。次に、リードスイッチ端子12を実装基板36のリードスイッチ端子挿入孔336に挿入して電極パターン(図示せず)と半田付けする。実装基板36から突出した基板挿入部35は、必要に応じカットしても良い。
【0043】
また、磁石18の設置位置が実装基板36から離れたときに近接スイッチ3を実装する場合には、図9(b)に示したように、実装基板36に穿設された第2の挿入孔236に、基板挿入部35を挿入すると、第2の基板固定用溝235と係着することができ、第2の基板固定用溝235における底部の幅は、実装基板36の厚みと同じであるため、実装基板36に挿嵌することができる。次に、リードスイッチ端子12を実装基板36のリードスイッチ端子挿入孔336に挿入して電極パターン(図示せず)と半田付けする。図9(b)では、第2の挿入孔236に第2の基板固定用溝235を係着すると、第1の基板固定用溝135と第2の基板固定用溝235が基板挿入部35の別々の面に設けられているので、基板挿入部35が実装基板36の実装面と接する面積が広く取れ、自立できるので実装しやすい。
【0044】
図10は、本発明の第4の実施の形態における近接スイッチの正面図である。図11は本発明の第4の実施の形態における近接スイッチの実装基板の平面図である。図12は、本発明の第4の実施の形態における近接スイッチを実装した形態の正面図である。図12(a)は第1の実装位置での正面図である。図12(b)は第2の実装位置での正面図である。図12において、実装基板46は断面で示した。
【0045】
本発明の第4の実施の形態の近接スイッチ4は、図10に示したように、ガラス管11、リードスイッチ端子12、直方体形状の樹脂モールドケース44、基板挿入部45から構成されている。ガラス管11には、一対のリードスイッチ端子12が、接点が所定の微小間隔を保って対向して他端部が引き出された状態で封入されている。
【0046】
樹脂モールドケース44の正面には、リードスイッチ端子12がガラス管11の長手方向と垂直に曲げられた状態で、装着できるように溝が形成され、ガラス管11の両側にはリードスイッチ端子12を固定するための圧入部13が設けられている。
【0047】
基板挿入部45は、角柱形状をなし、リードスイッチ端子12が導出し延びている樹脂モールドケース44の下面にリードスイッチ端子12と平行に連設され、リードスイッチ端子12のガラス管11側の面に第1の基板固定用溝145と、リードスイッチ端子12側の面に第2の基板固定用溝245を有している。第1の基板固定用溝145は、樹脂モールドケース44側の面に、第2の基板固定用溝245は先端部側に、基板挿入部の長手方向にそれぞれ配設されている。第1の基板固定用溝145と第2の基板固定用溝245における底部の幅は同じである。
【0048】
近接スイッチ4の実装基板46は、図11に示したように、矩形状で大きさの異なる第1の挿入孔146、第2の挿入孔246と、リードスイッチ端子挿入孔346が穿設されている。第1の挿入孔146は基板挿入部45が挿入されると第1の基板固定用溝145が係着され、第2の挿入孔246は基板挿入部45が挿入されると第2の基板固定用溝245が係着される。リードスイッチ端子挿入孔346は、第1の挿入孔146、第2の挿入孔246と並んで穿設されている。
【0049】
磁石18の設置位置が実装基板46から近いときに近接スイッチ4を実装する場合には、図12(a)に示したように、実装基板46に穿設された第1の挿入孔146に、基板挿入部45を挿入すると、基板挿入部45の第2の基板固定用溝245は貫通するが、第1の基板固定用溝145と係着することができ、第1の基板固定用溝145における底部の幅は、実装基板46の厚みと同じであるため、実装基板46に挿嵌することができる。次に、リードスイッチ端子12を実装基板16のリードスイッチ端子挿入孔346に挿入して電極パターン(図示せず)と半田付けする。実装基板46から突出した基板挿入部45は、必要に応じカットしても良い。
【0050】
また、磁石18の設置位置が実装基板46から離れたときに近接スイッチ4を実装する場合には、図12(b)に示したように、実装基板46に穿設された第2の挿入孔246に、基板挿入部45を挿入すると、第2の基板固定用溝245と係着することができ、第2の基板固定用溝245における底部の幅は、実装基板46の厚みと同じであるため、実装基板46に挿嵌することができる。次に、リードスイッチ端子12を実装基板46のリードスイッチ端子挿入孔346に挿入して電極パターン(図示せず)と半田付けする。図12(b)では、第2の挿入孔246に第2の基板固定用溝245を係着すると、第1の基板固定用溝145と第2の基板固定用溝245が基板挿入部45の別々の面に設けられているので、基板挿入部45が実装基板46の実装面と接する面積が広く取れ、自立できるので実装しやすい。
【0051】
図13は、本発明の第5の実施の形態における近接スイッチの正面図である。図14は本発明の第5の実施の形態における近接スイッチの実装基板の平面図である。図14(a)は第1の厚みの実装基板であり、図14(b)は第2の厚みの実装基板である。図14(b)の方が厚い実装基板である。図15は、本発明の第5の実施の形態における近接スイッチの実装状態を示す正面図である。図15(a)は第1の厚みの実装基板の実装状態を示す正面図である。図15(b)は第2の厚みの実装基板の実装状態を示す正面図である。図15において、実装基板は断面図で示した。
【0052】
本発明の第5の実施の形態の近接スイッチ5は、図13に示したように、ガラス管11、リードスイッチ端子12、直方体形状の樹脂モールドケース54、基板挿入部55から構成されている。ガラス管11には、一対のリードスイッチ端子12が、接点が所定の微小間隔を保って対向して他端部が引き出された状態で封入されている。
【0053】
樹脂モールドケース54の正面には、リードスイッチ端子12がガラス管11の長手方向と垂直に曲げられた状態で、装着できるように溝が形成され、ガラス管11の両側にはリードスイッチ端子12を固定するための圧入部13が設けられている。
【0054】
基板挿入部55は、角柱形状をなし、リードスイッチ端子12が導出し延びている樹脂モールドケース54の下面にリードスイッチ端子12と平行に連設され、リードスイッチ端子12のガラス管11側の面に第1の基板固定用溝155と、リードスイッチ端子12側の面に第2の基板固定用溝255を有している。第1の基板固定用溝155と第2の基板固定用溝255における底部の幅は異なり、第2の基板固定用溝255の方が広い。
【0055】
近接スイッチ5の実装基板は、図14に示したように、厚みが異なる2種類である。図14(a)は実装基板56の平面図であり、矩形状の挿入孔156とリードスイッチ端子挿入孔356が穿設されている。挿入孔156は基板挿入部55が挿入されると第1の基板固定用溝155が係着される。リードスイッチ端子挿入孔356は、挿入孔156に並んで穿設されている。図14(b)は実装基板57の平面図であり、矩形状の挿入孔257とリードスイッチ端子挿入孔357が穿設されている。挿入孔257は基板挿入部55が挿入されると第2の基板固定用溝255が係着される。リードスイッチ端子挿入孔357は、挿入孔257に並んで穿設されている。ここで、実装基板56と実装基板57は、厚みが異なり、実装基板57の方が厚くなっている。
【0056】
実装基板56に近接スイッチ5を実装する場合には、図15(a)に示したように、挿入孔156に、基板挿入部55を挿入すると、基板挿入部55の第1の基板固定用溝155と係着することができ、第1の基板固定用溝155における底部の幅は、実装基板56の厚みと同じであるため、実装基板56に挿嵌することができる。次に、リードスイッチ端子12を実装基板56のリードスイッチ端子挿入孔356に挿入して電極パターン(図示せず)と半田付けする。
【0057】
実装基板56よりも厚い実装基板57に近接スイッチ5を実装する場合には、図15(b)に示したように、挿入孔257に、基板挿入部55を挿入すると、第2の基板固定用溝255と係着することができ、第2の基板固定用溝255における底部の幅は、実装基板57の厚みと同じであるため、実装基板57に挿嵌することができる。次に、リードスイッチ端子12を実装基板57のリードスイッチ端子挿入孔357に挿入して電極パターン(図示せず)と半田付けする。
【0058】
以上本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、樹脂モールドケースの基板挿入部2本に設けた基板固定用溝の開口部の向きが非対称であったり、底部の幅の等しい基板固定用溝の数が3箇所以上であってもよい。また、複数の基板固定用溝の底部の幅は、全て同じではなく、例えば、2箇所同じで、1箇所異なる等の組み合わせであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施の形態における近接スイッチの正面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における近接スイッチの実装基板の平面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態における近接スイッチの実装状態を示す正面図。図3(a)は第1の実装位置での正面図。図3(b)は第2の実装位置での正面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態における近接スイッチの正面図。
【図5】本発明の第2の実施の形態における近接スイッチの実装基板の平面図。
【図6】本発明の第2の実施の形態における近接スイッチの実装状態を示す正面図。図6(a)は第1の実装位置での正面図。図6(b)は第2の実装位置での正面図。
【図7】本発明の第3の実施の形態における近接スイッチの正面図。
【図8】本発明の第3の実施の形態における近接スイッチの実装基板の平面図。
【図9】本発明の第3の実施の形態における近接スイッチの実装状態を示す正面図。図9(a)は第1の実装位置での正面図。図9(b)は第2の実装位置での正面図。
【図10】本発明の第4の実施の形態における近接スイッチの正面図。
【図11】本発明の第4の実施の形態における近接スイッチの実装基板の平面図。
【図12】本発明の第4の実施の形態における近接スイッチの実装状態を示す正面図。図12(a)は第1の実装位置での正面図。図12(b)は第2の実装位置での正面図。
【図13】本発明の第5の実施の形態における近接スイッチの正面図。
【図14】本発明の第5の実施の形態における近接スイッチの実装基板の平面図。図14(a)は第1の厚みの実装基板。図14(b)は第2の厚みの実装基板。
【図15】本発明の第5の実施の形態における近接スイッチの実装状態を示す正面図。図15(a)は第1の厚みの実装基板の実装状態を示す正面図。図15(b)は第2の厚みの実装基板の実装状態を示す正面図。
【図16】従来の近接スイッチの説明図。図16(a)は斜視図。図16(b)は正面図。
【図17】従来の近接スイッチの実装基板の平面図。
【図18】従来の近接スイッチの実装状態を示す正面図。
【符号の説明】
【0060】
1、2、3、4、5 本発明の近接スイッチ
6 従来の近接スイッチ
11 ガラス管
12 リードスイッチ端子
13 圧入部
14、24、34、44、54、64 樹脂モールドケース
15、25、35、45、55、65 基板挿入部
16、26、36、46、56、57、66 実装基板
18 磁石
115、125、135、145、155 第1の基板固定用溝
116、126、136、146 第1の挿入孔
156、257、166 挿入孔
165 基板固定用溝
215、225、235、245、255 第2の基板固定用溝
216、226、236、246 第2の挿入孔
316、326、336、346、356、357、366 リードスイッチ端子挿入孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封止したガラス管の両端にリードスイッチ端子を備えたリードスイッチと、直方体形状の樹脂モールドケースからなり、前記樹脂モールドケースに、前記リードスイッチを前記リードスイッチ端子を折り曲げて収納し、前記リードスイッチ端子の折り曲げられた部分と平行に角柱形状の基板挿入部を連設し、前記基板挿入部の少なくとも1面に、複数の基板固定用溝を設けたことを特徴とする近接スイッチ。
【請求項2】
封止したガラス管の両端にリードスイッチ端子を備えたリードスイッチと、直方体形状の樹脂モールドケースからなり、前記樹脂モールドケースに、前記リードスイッチを前記リードスイッチ端子を折り曲げて収納し、前記リードスイッチ端子の折り曲げられた部分と平行に角柱形状の基板挿入部を連設し、前記基板挿入部の少なくとも2面に、底部の幅の異なる基板固定用溝を設けたことを特徴とする近接スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−54541(P2009−54541A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222707(P2007−222707)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】