説明

近接センサを使用した耐放射線回転検出装置による高精度位置検出制御方法及びこの方法に使用する装置

【課題】
構造が簡単な近接センサを使用した耐放射線回転検出器を使用し、ステッピングモータのパルス制御を監視することにより、高放射線環境下においても当該ステッピングモータによる直線移動対象物体の高精度の直線位置の検出、制御を可能にした。
【解決手段】
ステッピングモータ1の回転運動を直線運動に変換する直線移動機構2を介して移動対象物体5を直線移動させる装置において、上記ステッピングモータ1の回転軸1aに接続された同期回転軸7を軸支した回転検出装置6を設け、この同期回転軸7に羽根車8を設け、この羽根車8の羽根8bの一つにそれぞれ対向する位置に第1近接センサPX−A及び第2近接センサPX−Bを固定し、これらの第1近接センサPX−Aと第2近接センサPX−Bとは、一方のセンサが上記羽根の一つに完全に対向したとき他方のセンサは上記羽根の他の一つに半分対向する位置になるように設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換し、ある物体を近距離において精密に直線移動させる際、近接センサを使用した回転検出装置により、高精度にその物体の位置を検出、制御する方法及びその装置に関するものであり、特に高放射線環境における使用に適した方法及びその装置である。
【背景技術】
【0002】
ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換し、ある物体を近距離において精密に直線移動させる場合において、その物体の位置を検出するためには、ポテンショメータ等による絶対位置検出やエンコーダ等による回転検出が一般に知られている。しかしながら使用する場所が高放射線環境ではポテンショメータやエンコーダが放射線による劣化のため、使用できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、これらを使用しない方法としてステッピングモータの駆動パルス数をカウントし、駆動パルス数と回転数が比例することから回転数を算出し、さらに回転数を直線移動距離に換算するという手法がある。この手法では、高放射線環境でも使用できる。しかし、この手法では、ステッピングモータに駆動パルスを与えても過負荷等の理由によりステッピングモータが回転しない、いわゆる「脱調」が発生した場合には、誤った物体位置情報を提供することとなる。
【0004】
そこで、この発明は、構造が簡単な近接センサを使用した耐放射線回転検出器を使用し、ステッピングモータのパルス制御を監視することにより、高放射線環境下においても、当該ステッピングモータによる直線移動対象物体の高精度の直線位置の検出、制御と当該移動対象物体の原点位置検出、制御を可能にした、高精度位置検出制御方法及びその装置を提供し、上記課題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換する直線移動機構を介して移動対象物体を直線移動させる装置において、上記ステッピングモータの回転軸に接続された同期回転軸を軸支した回転検出装置を設け、この回転検出装置の回転軸にその中心孔を嵌めて固定した円板を設け、この円板の外周縁に沿って多数の切り欠き又は穴を設け、上記回転検出装置の、上記切り欠き又は穴の一つにそれぞれ対向する位置に第1近接センサ及び第2近接センサを固定し、これらの第1近接センサと第2近接センサとは、一方のセンサが上記切り欠き又は穴の一つに完全に対向したとき他方のセンサは上記切り欠き又は穴の他の一つに半分対向する位置になるように設けられた、近接センサを使用した耐放射線回転検出装置による高精度位置制御方法とした。
【0006】
また、請求項2の発明は、上記請求項1の発明において、上記円板の、上記外周縁に沿って設けた多数の切り欠き又は穴の内側に、原点検出用穴を設け、この原点検出用穴に対向して第3近接センサを設け、また、上記直線移動機構の、移動対象物体を直線的に動かす直線移動ロッドの一側に原点検出用突起を設け、この突起に対向して第4近接センサを設け、上記ステッピングモータを回転させて当該第4近接センサが上記突起を検出してさらにステッピングモータを回転させて上記第3近接センサが上記円板の原点検出用穴を検出した位置を移動対象物体の真の原点位置とする、近接センサを使用した耐放射線回転検出装置による高精度位置制御方法とした。
【0007】
また、請求項3の発明は、上記請求項1の発明において、上記直線移動機構の、移動対象物体を直線的に動かす直線移動ロッドの一側に原点検出用突起を設け、この突起に対向して第4近接センサを設け、上記ステッピングモータを回転させて一方から上記直線移動ロッドを動かして突起を第4近接センサに近づけ、当該第4近接センサが上記突起を検出した原点検出位置と、ステッピングモータを逆回転させて上記と逆方向から上記突起を第4近接センサに近づけ当該第4近接センサが上記突起を検出した原点検出位置との中間点を算出し、これを真の原点とする、近接センサを使用した耐放射線回転検出装置による高精度位置制御方法とした。
【0008】
また、請求項4の発明は、上記方法に使用する装置であり、ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換する直線移動機構を介して移動対象物体を直線移動させる装置において、上記ステッピングモータの回転軸に接続された同期回転軸を軸支した回転検出装置を設け、この回転検出装置の回転軸にその中心孔を嵌めて固定した円板を設け、この円板の外周縁に沿って多数の切り欠き又は穴を設け、上記回転検出装置の、上記切り欠き又は穴の一つにそれぞれ対向する位置に第1近接センサ及び第2近接センサを固定し、これらの第1近接センサと第2近接センサとは、一方のセンサが上記切り欠き又は穴の一つに完全に対向したとき他方のセンサは上記切り欠き又は穴の他の一つに半分対向する位置になるように設け、上記円板の、上記外周縁に沿って設けた多数の切り欠き又は穴の内側に、原点検出用穴を設け、この原点検出用穴に対向して第3近接センサを設け、また、上記直線移動機構の、移動対象物体を直線的に動かす直線移動ロッドの一側に原点検出用突起を設け、この突起に対向して第4近接センサを設け、上記ステッピングモータを回転させて当該第4近接センサが上記突起を検出してさらにステッピングモータを回転させて上記第3近接センサが上記円板の原点検出用穴を検出した位置を移動対象物体の真の原点位置とするよう構成した、近接センサを使用した耐放射線回転検出装置による高精度位置制御装置とした。
【0009】
また、請求項5の発明は、上記方法に使用する装置であり、ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換する直線移動機構を介して移動対象物体を直線移動させる装置において、上記ステッピングモータの回転軸に接続された同期回転軸を軸支した回転検出装置を設け、この回転検出装置の回転軸にその中心孔を嵌めて固定した円板を設け、この円板の外周縁に沿って多数の切り欠き又は穴を設け、上記回転検出装置の、上記切り欠き又は穴の一つにそれぞれ対向する位置に第1近接センサ及び第2近接センサを固定し、これらの第1近接センサと第2近接センサとは、一方のセンサが上記切り欠き又は穴の一つに完全に対向したとき他方のセンサは上記切り欠き又は穴の他の一つに半分対向する位置になるように設け、上記直線移動機構の、移動対象物体を直線的に動かす直線移動ロッドの一側に原点検出用突起を設け、この突起に対向して第4近接センサを設け、上記ステッピングモータを回転させて一方から上記直線移動ロッドの突起を第4近接センサに近づけ、当該第4近接センサが上記突起を検出した原点検出位置と、ステッピングモータを逆回転させて上記と逆方向から上記突起を第4近接センサに近づけ当該第4近接センサが上記突起を検出した原点検出位置との中間点を算出し、これを真の原点とする構成とした、近接センサを使用した耐放射線回転検出装置による高精度位置制御装置とした。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、ステッピングモータを使用する制御システムの位置検出において、近接センサを用いた極めて簡単な構造であるにもかかわらず、極めて正確に移動対象物体の位置を検出できる。しかも、製造、設置に際しての手間がかからず、安価にできる。また、ポテンショメータや汎用エンコーダ等の使用が困難な場所である5MGy程度の高放射線環境下での使用も可能である。さらに、この方法に使用する近接センサの巻線として、例えば特開平11−140187号公報に記載された耐放射線性に優れた巻線を使用することにより、更に高放射線環境における適応性をより高めることができる。
また、請求項2及び4の発明においては、上記請求項1の発明の効果に加え、第4近接センサに求められる許容誤差はステッピングモータ1回転分の直線移動距離とされているが、この発明では第4近接センサによる検出と、この検出に続いてステッピングモータと同期回転する円盤の1回転以下の回転を第3近接センサが検出することにより原点位置を検出するため、第4近接センサの誤差を補正して真の原点を高精度に検出することができる。
また、請求項3及び5の発明は、上記請求項1の発明の効果に加え、第4近接センサによる検出を移動対象物体を原点付近の両側からそれぞれ移動させて行い、双方の検出点の中間点を真の原点位置とするため、原点検出を極めて高精度に行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換する直線移動機構を介して移動対象物体を直線移動させる装置において、上記ステッピングモータの回転軸に接続された同期回転軸を軸支した回転検出装置を設け、この回転検出装置の回転軸にその中心孔を嵌めて固定した円板を設け、この円板の外周縁に沿って多数の切り欠き又は穴を設け、上記回転検出装置の、上記切り欠き又は穴の一つにそれぞれ対向する位置に第1近接センサ及び第2近接センサを固定し、これらの第1近接センサと第2近接センサとは、一方のセンサが上記切り欠き又は穴の一つに完全に対向したとき他方のセンサは上記切り欠き又は穴の他の一つに半分対向する位置になるように設け、上記円板の、上記外周縁に沿って設けた多数の切り欠き又は穴の内側に、原点検出用穴を設け、この原点検出用穴に対向して第3近接センサを設け、また、上記直線移動機構の、移動対象物体を直線的に動かす直線移動ロッドの一側に原点検出用突起を設け、この突起に対向して第4近接センサを設け、上記ステッピングモータを回転させて当該第4近接センサが上記突起を検出してさらにステッピングモータを回転させて上記第3近接センサが上記円板の原点検出用穴を検出した位置を移動対象物体の真の原点位置とする、近接センサを使用した耐放射線回転検出装置による高精度位置制御方法である。
【実施例1】
【0012】
図1はこの発明に使用する装置の概要を示す。
ステッピングモータ1の回転軸1aを、回転運動を直線運動に変換する直線移動機構2の減速機3の入力軸と接続している。この直線移動機構2から、軸方向に動く直線移動ロッド4を設け、この直線移動ロッド4の先端に移動対象物体5を係止している。そして、ステッピングモータ1を回転させると直線移動機構2において回転運動を直線運動に変え直線移動ロッド4が直線運動し、これに伴って移動対象物体5が直線移動する。
また、上記直線移動機構2と反対側に回転検出装置6を設け、この回転検出装置6において、上記ステッピングモータ1の回転軸1aに接続された同期回転軸7を軸支し、この同期回転軸7にその中心孔8aを嵌めて固定した羽根車8を設け、この羽根車8に対向した位置に、第1近接センサPX−A、第2近接センサPX−B、及び第3近接センサPX−Cがフレーム9に支持されて設けられている。
【0013】
図2は上記羽根車8と各近接センサの位置を示す図であり、羽根車8は、円板の外周に間隔をあけて8個の羽根8bを設けた形状で、さらに上記円板の内側一箇所に原点検出用穴8cを穿っている。そして、上記羽根8bの一つに対向する位置に第1近接センサPX−A及び第2近接センサPX−Bがそれぞれ固定されている。そして、これらの第1近接センサPX−Aと第2近接センサPX−Bとは、一方のセンサが上記羽根8bの中央に対向したとき、他方のセンサは上記羽根8bの他の一つに半分かかる位置になるように配置されている。また、第3近接センサPX−Cは、当該羽根車8の回転により、上記センサ検出用孔8cに対向する位置に配置されている。
【0014】
この装置を使ってステッピングモータ1の回転角度を検出する。ステッピングモータ1が1回転するごとに第1近接センサPX−Aが出力する8点の検出信号を使用する。つまり相対的な回転角度の検出は45度となる。このとき羽根車8の羽根8bの数は8枚に限定するものではなく、近接センサが羽根8bを正しく検出できる大きさであれば、羽根は何枚としてもよく、枚数が多いほど検出能力が高まる。さらに、羽根車8の代わりに、図3に示すような、円板10の外周縁にそって、上記第1近接センサPX−Aが検出できる8個の穴10bを配置してもよい。このようにして、第1近接センサPX−Aの出力信号の数を基にし、直線移動機構2の減速機3の減速比とを勘案して、上記移動対象物体5の位置を検出する。従って、直線位置検出、制御の精度は直線移動機構2の減速比と当該回転検出装置6の検出能力によって決定される。
なお、図3に示す円板10も、上記羽根車8と同様に、同期回転軸7に嵌める中心孔10a、上記穴10b及び原点検出用穴10cを有している。
【0015】
また、上記ステッピングモータ1の回転方向検出は、第1近接センサPX−Aが羽根8aの中心に重なるとき、第2近接センサPX−Bが羽根8bの中心から羽根1/2枚分ずれる位置になるように取り付けられているため、第1近接センサPX−Aと第2近接センサPX−Bの動作のタイミングを比較することにより判別する。図4はステッピングモータ1の正転時、逆転時の第1近接センサPX−Aと第2近接センサPX−Bの動作のタイミングを示す図である。
【0016】
次に、上記移動対象物体5の原点位置を検出する方法を示す。上記第3近接センサPX−Cと直線移動機構2の原点位置を検出する第4近接センサPX−Dを併用する。図1において、上記直線移動機構2の直線移動ロッド4の外周に原点検出用突起11を設け、この突起11を原点位置とする。そしてこの突起11を検出する第4近接センサPX−Dを上記直線移動ロッド4に対向して設けている。
【0017】
原点検出制御はこの第4近接センサPX−D単独で原点位置検出を行うと、第4近接センサPX−Dの誤差がそのまま原点位置検出の誤差となる。そこで、第4近接センサPX−Dと第3近接センサPX−Cを組み合わせることにより高精度な原点検出制御を行う。 すなわち、ある位置から原点に近づくようにステッピングモータ1を回転させ、第4近接センサPX−Dが上記直線移動ロッド4の突起11により原点付近を検出したのちもステッピングモータ1の回転を継続させ、上記第3近接センサPX−Cが羽根車8の原点検出用穴8cを検出した位置を真の原点とする。
【0018】
この方法による原点検出誤差は、第3近接センサPX−Cが回転する穴8cの位置を検出する際の回転角度誤差を直線移動距離に換算した値となるため、従来の第4近接センサPX−Dの単独検出による誤差と比べ無視できるほどの値となる。また、装置を設置する場合には第4近接センサPX−Dが原点付近を検出し、かつ第3近接センサPX−Cが原点検出用孔8cを検出した状態が原点位置となるよう調整する。これにより、精度の高い設置を行うことができる。また、第3近接センサPX−Cの検出対象は羽根車8の原点検出用穴8cとする以外に、ステッピングモータ1が回転するごとに第3近接センサPX−Cを1回通過する検出対象物を別の方法で設けてもよい。
【0019】
また、原点位置検出のもう一つの考え方として、第3近接センサPX−Cを用いない方法も考えられる。第4近接センサPX−Dの原点検出精度は温度や湿度等の外的環境条件により変動し誤差を生じるが、上記ステッピングモータ1を回転させて直線移動機構2の直線移動ロッド4を一方向から原点に近づけ、上記直線移動ロッド4の突起を第4近接センサPX−Dが検出することにより原点検出した位置と、上記ステッピングモータ1を逆回転させて、直線移動ロッド4を逆方向から原点に近づけ、上記突起を第4近接センサPX−Dが検出することにより原点検出した位置との中間点を算出し、これを真の原点とする。これにより高精度の原点位置の検出を行うことができる。
【0020】
また、具体的な直線位置制御を行う場合には、原点位置制御により一旦直線移動機構2の直線移動ロッド4を原点に戻してから行い、原点位置から目標位置までの移動距離を直線移動機構2の減速比等から必要な駆動パルスを計算してステッピングモータ1を制御する。その際、当該回転検出装置6を使用してフィードバック制御を行うことにより制御精度を高めることができる。
【0021】
また、上記実施例では回転角度検出等に羽根車又は円板を用いたが、羽根車はどのような形状でも良く、羽根車という言葉にとらわれず、円板の外周縁に沿って、適宜間隔で多数の切り欠きを設けたものも包含させる。また、上記実施例で使用した第1近接センサPX−A乃至第4近接センサPX−Dの各近接センサの巻線として、例えば特開平11−140187号公報に記載の、耐放射線性に優れた、絶縁被覆としてポリベンゾイミダゾールを有するポリベンゾイミダゾール電線を使用することもある。
以上により、この発明の構成となっている近接センサを使用した回転検出装置は耐放射線性に優れ、この発明の方法及びその装置は高放射線環境下で使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施例の装置の概略構成図である。
【図2】この発明の実施例の装置の回転検出装置の羽根車と近接センサの位置を示す正面図である。
【図3】この発明の他の実施例の装置の回転検出装置の円板と近接センサの位置を示す正面図である。
【図4】この発明の実施例の装置のステッピングモータ1の正転時、逆転時の第1近接センサPX−Aと第2近接センサPX−Bの動作のタイミングを示す図である。
【符号の説明】
【0023】
1 ステッピングモータ
1a 回転軸
2 直線移動機構
3 減速機
4 直線移動ロッド
5 移動対象物体
6 回転検出装置
7 同期回転軸
8 羽根車
8a 中心孔
8b 羽根
8c 原点検出用穴
9 フレーム
10 円板
10a 中心孔
10b 穴
10c 原点検出用孔
11 原点検出用突起
PX―A 第1近接センサ
PX−B 第2近接センサ
PX−C 第3近接センサ
PX−D 第4近接センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換する直線移動機構を介して移動対象物体を直線移動させる装置において、上記ステッピングモータの回転軸に接続された同期回転軸を軸支した回転検出装置を設け、この回転検出装置の回転軸にその中心孔を嵌めて固定した円板を設け、この円板の外周縁に沿って多数の切り欠き又は穴を設け、上記回転検出装置の、上記切り欠き又は穴の一つにそれぞれ対向する位置に第1近接センサ及び第2近接センサを固定し、これらの第1近接センサと第2近接センサとは、一方のセンサが上記切り欠き又は穴の一つに完全に対向したとき他方のセンサは上記切り欠き又は穴の他の一つに半分対向する位置になるように設けられたことを特徴とする、近接センサを使用した耐放射線回転検出装置による高精度位置制御方法。
【請求項2】
上記円板の、上記外周縁に沿って設けた多数の切り欠き又は穴の内側に、原点検出用穴を設け、この原点検出用穴に対向して第3近接センサを設け、また、上記直線移動機構の、移動対象物体を直線的に動かす直線移動ロッドの一側に原点検出用突起を設け、この突起に対向して第4近接センサを設け、上記ステッピングモータを回転させて当該第4近接センサが上記突起を検出してさらにステッピングモータを回転させて上記第3近接センサが上記円板の原点検出用穴を検出した位置を移動対象物体の真の原点位置とすることを特徴とする、請求項1に記載の近接センサを使用した耐放射線回転検出装置による高精度位置制御方法。
【請求項3】
上記直線移動機構の、移動対象物体を直線的に動かす直線移動ロッドの一側に原点検出用突起を設け、この突起に対向して第4近接センサを設け、上記ステッピングモータを回転させて一方から上記直線移動ロッドを動かして突起を第4近接センサに近づけ、当該第4近接センサが上記突起を検出した原点検出位置と、ステッピングモータを逆回転させて上記と逆方向から上記突起を第4近接センサに近づけ当該第4近接センサが上記突起を検出した原点検出位置との中間点を算出し、これを真の原点とすることを特徴とする、請求項1に記載の近接センサを使用した耐放射線回転検出装置による高精度位置制御方法。
【請求項4】
ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換する直線移動機構を介して移動対象物体を直線移動させる装置において、上記ステッピングモータの回転軸に接続された同期回転軸を軸支した回転検出装置を設け、この回転検出装置の回転軸にその中心孔を嵌めて固定した円板を設け、この円板の外周縁に沿って多数の切り欠き又は穴を設け、上記回転検出装置の、上記切り欠き又は穴の一つにそれぞれ対向する位置に第1近接センサ及び第2近接センサを固定し、これらの第1近接センサと第2近接センサとは、一方のセンサが上記切り欠き又は穴の一つに完全に対向したとき他方のセンサは上記切り欠き又は穴の他の一つに半分対向する位置になるように設け、上記円板の、上記外周縁に沿って設けた多数の切り欠き又は穴の内側に、原点検出用穴を設け、この原点検出用穴に対向して第3近接センサを設け、また、上記直線移動機構の、移動対象物体を直線的に動かす直線移動ロッドの一側に原点検出用突起を設け、この突起に対向して第4近接センサを設け、上記ステッピングモータを回転させて当該第4近接センサが上記突起を検出してさらにステッピングモータを回転させて上記第3近接センサが上記円板の原点検出用穴を検出した位置を移動対象物体の真の原点位置とするよう構成したことを特徴とする、近接センサを使用した耐放射線回転検出装置による高精度位置制御装置。
【請求項5】
ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換する直線移動機構を介して移動対象物体を直線移動させる装置において、上記ステッピングモータの回転軸に接続された同期回転軸を軸支した回転検出装置を設け、この回転検出装置の回転軸にその中心孔を嵌めて固定した円板を設け、この円板の外周縁に沿って多数の切り欠き又は穴を設け、上記回転検出装置の、上記切り欠き又は穴の一つにそれぞれ対向する位置に第1近接センサ及び第2近接センサを固定し、これらの第1近接センサと第2近接センサとは、一方のセンサが上記切り欠き又は穴の一つに完全に対向したとき他方のセンサは上記切り欠き又は穴の他の一つに半分対向する位置になるように設け、上記直線移動機構の、移動対象物体を直線的に動かす直線移動ロッドの一側に原点検出用突起を設け、この突起に対向して第4近接センサを設け、上記ステッピングモータを回転させて一方から上記直線移動ロッドの突起を第4近接センサに近づけ、当該第4近接センサが上記突起を検出した原点検出位置と、ステッピングモータを逆回転させて上記と逆方向から上記突起を第4近接センサに近づけ当該第4近接センサが上記突起を検出した原点検出位置との中間点を算出し、これを真の原点とする構成としたことを特徴とする、近接センサを使用した耐放射線回転検出装置による高精度位置制御装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−105652(P2006−105652A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289701(P2004−289701)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000004097)日本原子力研究所 (55)
【出願人】(000141060)株式会社関電工 (115)
【Fターム(参考)】