説明

近赤外線吸収性粘着剤組成物および近赤外線吸収性粘着剤層

【課題】耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性に優れた近赤外線吸収性粘着組成物を提供する。更に、上記近赤外線吸収性粘着剤組成物より得られる近赤外線吸収性粘着剤層、並びに該近赤外線吸収性粘着剤層を用いた、反射防止近赤外線吸収フィルム及びディスプレイ用フィルターを提供する。
【解決手段】近赤外線吸収色素としてフタロシアニンを主体に含有し、かつトリアジン系紫外線吸収剤を含有する近赤外線吸収性粘着剤組成物、および該近赤外線吸収性粘着剤組成物を用いた近赤外線吸収性粘着剤層。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は近赤外線吸収性粘着剤組成物に関し、また、該本発明の近赤外線粘着剤組成物より得られる近赤外線吸収性粘着剤層、並びに該近赤外線吸収性粘着剤層を有する近赤外線吸収フィルム、反射防止近赤外線吸収フィルム及びディスプレイ用フィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の薄型のディスプレイが普及している。これらのディスプレイには、各種機能を持ったディスプレイ用フィルターが配置されている。
【0003】
例えば、外光の反射や映り込みを防止するための反射防止機能や防眩機能、ディスプレイから発せられる電磁波を遮蔽するための電磁波遮蔽機能、ディスプレイから発せられる近赤外線を吸収するための近赤外線吸収機能、あるいはディスプレイを衝撃から保護する衝撃吸収機能等の機能を有するディスプレイ用フィルターが、ディスプレイパネルの前面に配置されている。
【0004】
特に、プラズマディスプレイは、近赤外線を比較的強く発し、その近赤外線が周辺の電子機器に悪影響を及ぼすことが知られている。従って、プラズマディスプレイパネルの前面に配置されるプラズマディスプレイ用フィルターには、通常、近赤外線吸収機能が付与されている。
【0005】
ディスプレイ用フィルターに近赤外線吸収機能を組み込む方法として、従来からプラスチックフィルム等の基材フィルムに近赤外線吸収色素を含む樹脂層(近赤外線吸収性樹脂層)が積層された、所謂、近赤外線吸収フィルムを用いることが一般的に行われている。
【0006】
一方、ディスプレイ用フィルターは、前述したような各種機能を併せ持つように設計されている。例えば、プラズマディスプレイ用フィルターは、通常、電磁波遮蔽機能、近赤外線吸収機能、及び反射防止機能を併せ持つように設計されており、電磁波遮蔽フィルム、近赤外線吸収フィルム、及び反射防止フィルムがそれぞれ粘着剤層で積層された構成になっている。このような積層構成において、粘着剤層に近赤外線吸収色素を含有させて近赤外線吸収機能を付与することにより、近赤外線吸収フィルムを省略し、それによってプラズマディスプレイ用フィルターの構成を簡素化することが提案されている(例えば、特許文献1〜5)。
【0007】
ディスプレイ用フィルターに近赤外線吸収機能を付与するための近赤外線吸収剤として、無機系金属や有機系色素(すなわち、近赤外線吸収色素)が知られているが、単位量当たりの近赤外線吸収能力、透明性、樹脂層や粘着剤層への添加の容易性等の観点から、近赤外線吸収色素が一般的に用いられている。しかしながら、近赤外線吸収色素は、耐光性に劣るという問題がある。すなわち、近赤外線吸収色素は、紫外線を含む光に曝されると劣化するという問題がある。
【0008】
上記問題を回避するために、近赤外線吸収フィルムを構成する基材フィルムに紫外線吸収剤を含有させ、紫外線を基材フィルムで遮断して近赤外線吸収色素を含有する層を紫外線から保護することが知られている(例えば、特許文献6、7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−319251号公報
【特許文献2】特表2008−540692号公報
【特許文献3】特開2009−13200号公報
【特許文献4】特開2009−73866号公報
【特許文献5】特開2009−84400号公報
【特許文献6】特開2006−184820号公報
【特許文献7】特開2007−334325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、近赤外線吸色素を含有する粘着剤層(近赤外線吸収性粘着剤層)の場合、粘着剤層は酸素や水分の透過率が従来の近赤外線吸収性樹脂層に比べて高く、粘着剤層に侵入した酸素や水分が近赤外線吸収色素の耐光性の悪化を助長させるという問題がある。
【0011】
また、粘着剤層は粘着性を確保するために、通常ガラス転移点の低い樹脂が用いられている。ガラス転移点が低い樹脂で構成される粘着剤層に近赤外線吸収色素を含有させた場合、粘着剤層中で近赤外線吸収色素が比較的容易に移動し、それによって反応性が高まり、その結果、近赤外線吸収色素の耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性の悪化を助長させるという問題がある。
【0012】
近赤外線吸収性粘着剤層に含有されている近赤外線吸収色素の耐光性、耐熱性、耐湿熱性が悪化すると、近赤外線領域の吸収性能低下(近赤外線領域の透過率上昇)という問題に加えて、近赤外線吸収性粘着剤層の視感透過率や色調(色度座標)が変化するという不都合が生じる。この問題は、近赤外線吸収性粘着剤層をプラズマディスプレイ用フィルター等のディスプレイ用フィルターに適用したときに重大な欠陥となる場合がある。
【0013】
上記した近赤外線吸収性粘着剤層における耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性の悪化の問題は、紫外線吸収剤を含有する基材フィルムを用いたとしても、十分に解決することができなかった。すなわち、紫外線吸収剤を含有する基材フィルムは長期間継続して紫外線を100%遮断することは困難であり、その結果、近赤外線吸収性粘着剤層に含有されている近赤外線吸収色素は長期的に耐光性が悪化する傾向にあり、また、耐熱性及び耐湿熱性の悪化は、紫外線吸収剤を含有する基材フィルムでは解決することはできない。
【0014】
また、紫外線吸収剤を含有する基材フィルム(例えば、プラスチックフィルム)の生産は、紫外線吸収剤を含有しない基材フィルムに比べて生産性が劣るという問題があり、近赤外線吸収フィルムあるいはディスプレイ用フィルターを構成する基材フィルムとして、紫外線吸収剤を含有しない基材フィルムを用いることが望まれており、益々、近赤外線吸収性粘着剤層における耐光性が重要になってきている。
【0015】
上記の観点から、上述の特許文献1〜5に開示されている近赤外線吸収性粘着剤層は、耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性を十分に満足するには至っていなかった。
【0016】
そこで、本発明の目的は、上述したような点に鑑み、耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性に優れた近赤外線吸収性粘着組成物を提供すること目的とする。
【0017】
また、本発明の他の目的は、上記近赤外線吸収性粘着剤組成物より得られる近赤外線吸収性粘着剤層、並びに該近赤外線吸収性粘着剤層を用いた、近赤外線吸収フィルム、反射防止近赤外線吸収フィルム及びディスプレイ用フィルターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した本発明の目的は、以下の1)の構成を有する近赤外線吸収性粘着組成物とすることにより達成できる。
【0019】
1)近赤外線吸収色素としてフタロシアニンを主体に含有し、かつトリアジン系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする近赤外線吸収性粘着剤組成物。
【0020】
また、かかる本発明の近赤外線吸収性粘着剤組成物において、以下の2)〜5)のいずれかの構成とするのが好ましい。
【0021】
2)近赤外線吸収色素の総量100質量%に対してフタロシアニンを60質量%以上含有することを特徴とする前記1)記載の近赤外線吸収性粘着剤組成物。
3)前記トリアジン系紫外線吸収剤が、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤であることを特徴とする前記1)または2)に記載の近赤外線吸収性粘着剤組成物。
4)前記フタロシアニンが、800nm以上で900nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニンの少なくとも1種と、900nm超で1000nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニンの少なくとも1種とを含むことを特徴とする前記1)〜3)のいずれかに記載の近赤外線吸収粘着剤組成物。
5)前記フタロシアニンが、下記A)〜D)からなる群の中から選ばれる3種以上のフタロシアニンを含むことを特徴とする前記1)〜4)のいずれかに記載の近赤外線吸収粘着剤組成物。
【0022】
A)800nm以上で850nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン
B)850nm超で900nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン
C)900nm超で950nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン
D)950nm超で1000nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン
また、本発明の上述した他の目的は、以下の6)の構成を有する近赤外線吸収性粘着剤層とすることにより達成することができる。
【0023】
6)前記1)〜5)のいずれかに記載の近赤外線吸収性粘着剤組成物より得られることを特徴とする近赤外線吸収性粘着剤層。
【0024】
また、本発明の上述した他の目的は、以下の7)の構成を有する赤外線吸収フィルムとすることにより達成することができる。
【0025】
7)前記6)に記載の近赤外線吸収性粘着剤層が、基材フィルム上に積層されていることを特徴とする近赤外線吸収フィルム。
【0026】
また、本発明の上述した他の目的は、以下の8)の構成を有する反射防止近赤外線吸収フィルムとすることにより達成することができる。
【0027】
8)一方の面に反射防止層を有する反射防止フィルムにおいて、前記反射防止層を有する面と反対側の面に請求項6に記載の近赤外線吸収性粘着剤層が積層されてなることを特徴とする反射防止近赤外線吸収フィルム。
【0028】
また、本発明の上述した他の目的は、以下の9)〜11)のいずれかの構成を有するディスプレイ用フィルターとすることにより達成することができる。
【0029】
9)前記6に記載の近赤外線吸収性粘着剤層を有することを特徴とするディスプレイ用フィルター。
【0030】
10)前記8に記載の反射防止近赤外線吸収フィルムを有することを特徴とするディスプレイ用フィルター。
【0031】
11)前記ディスプレイ用フィルターがプラズマディスプレイ用であることを特徴とする前記9)または10)に記載のディスプレイ用フィルター。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性が改良された近赤外線吸収性粘着剤組成物を提供することができる。
【0033】
また、本発明によれば、耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性が改良された近赤外線吸収性粘着剤層、並びに該近赤外線吸収性粘着剤層を用いた、近赤外線吸収フィルム、反射防止近赤外線吸収フィルム及びディスプレイ用フィルターを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の近赤外線吸収性粘着剤組成物は、粘着剤を主成分として含有する。言い換えれば、本発明の近赤外線吸収性粘着剤組成物は、粘着剤中に近赤外線吸収色素(フタロシアニンを主体に含む)とトリアジン系紫外線吸収剤を含有させたものである。
【0035】
本発明の近赤外線吸収性粘着剤組成物(以下、単に「粘着剤組成物」という)は、近赤外線吸収色素としてフタロシアニンを主体に含有する。ここで、近赤外線吸収色素としてフタロシアニンを「主体」に含有するとは、近赤外線吸収色素の総量100質量%に対してフタロシアニンを50質量%超含有することを意味する。該含有量は、好ましくは60質量%以上含有することであり、より好ましくは70質量%以上含有することであり、さらに好ましくは80質量%以上含有することであり、特に、最も好ましくは90質量%以上含有することである。上限は100質量%である。
【0036】
従来から近赤外線吸収色素として、フタロシアニン系、ジインモニウム系、ポリメチン系、ジチオール金属錯体系、スクアリリウム系、シアニン系、インドアニリン系、アゾ系、アントラキノン系、ナフトキノン系、ピリリウム系、チオピリリウム系、クロコニウム系、テトラデヒドロコリン系、トリフェニルメタン系、アミニウム系等が知られている。
【0037】
また、従来から紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系,ベンゾオキサジン系、サリチル酸エステル系、ジフェニルメタノン系、2−シアノプロペン酸エステル系、アントラニレート系、ケイヒ酸誘導体系、カンファー誘導体系、ベンザルマロネート誘導体系、レゾルシノール系、オキザリニド系、クマリン誘導体系等が知られている。
【0038】
上記の近赤外線吸収色素と紫外線吸収剤の中から、本発明は、フタロシアニンとトリアジン系紫外線吸収剤の組み合わせが、粘着剤組成物における耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性に優れており、かつ上記のフタロシアニンとトリアジン系紫外線吸収剤の組み合わせの効果は、近赤外線吸収色素としてフタロシアニンを主体に含有させた場合に初めて発現することを見いだした。
【0039】
フタロシアニン以外の近赤外線吸収色素、例えば一般的によく知られているジイモニウム系色素を主体に含有する粘着剤組成物にトリアジン系紫外線吸収剤を含有させると、耐熱性と耐湿熱性が逆に悪化すること、また、フタロシアニンとトリアジン系以外の紫外線吸収剤、例えば一般的によく知られているベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤を組み合わせても、耐光性は改良されないことがわかった。
【0040】
前述したように本発明の粘着剤組成物において、近赤外線吸収色素としてフタロシアニンの含有比率は大きい方が好ましいが、本発明の範囲内でフタロシアニンと他の色素を組み合わせることもできる。しかし、その場合であっても、他の色素としてジイモニウム系色素は実質的に用いないことが好ましい。他の色素としてジイモニウム系色素を含有させる場合は、近赤外線吸収色素の総量100質量%に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、全く含有させないことが更に好ましい。
【0041】
本発明にかかるフタロシアニンとしては、800nm〜1000nmの近赤外線領域に極大吸収波長を有する従来から知られているフタロシアニンを用いることができる。かかるフタロシアニンとしては、例えば、下記一般式1のフタロシアニンを挙げることができる。
【0042】
【化1】

式中、R〜R16は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ヒドロキシスルホニル基、アミノスルホニル基、または、窒素原子、硫黄原子、酸素原子およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでもよい炭素数1〜20の置換基を表し、かつ、隣り合う2個の置換基が連結基を介してつながっていてもよい。Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価又は4価の置換金属原子、あるいはオキシ金属を表す。
【0043】
上記一般式1において、窒素原子、硫黄原子、酸素原子およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでもよい炭素数1〜20の置換基としては、下記のa)〜u)の置換基が挙げられる。
【0044】
a)メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、等の直鎖、分岐又は環状のアルキル基。
【0045】
b)クロロメチル基、ジクロロメチル基、シクロヘキシル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基等のハロゲノアルキル基。
【0046】
c)メトキシメチル基、フェノキシメチル基、ジエチルアミノメチル基、フェニルチオメチル基、ベンジル基、p−クロロベンジル基、p−メトキシベンジル基、等のヘテロ原子や芳香環を含むアルキル基。
【0047】
d)フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、p−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基等のアリール基。
【0048】
e)メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等のアルコキシ基。
【0049】
f)フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチルメトキシ基、ジクロロメチルメトキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のハロゲノアルコキシ基、
g)メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシ基。
【0050】
h)ヒドロキシエトキシ基等のヒドロキシアルコキシ基。
【0051】
i)ベンジルオキシ基、p−クロロベンジルオキシ基、p−メトキシベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、p−t−ブチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、o−アミノフェノキシ基、p−ジエチルアミノフェノキシ基等のアリールオキシ基。
【0052】
j)アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、iso−プロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、iso−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、t−ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、n−ヘキシルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、n−ヘプチルカルボニルオキシ基、3−ヘプチルカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基。
【0053】
k)ベンゾイルオキシ基、p−クロロベンゾイルオキシ基、p−メトキシベンゾイルオキシ基、p−エトキシベンゾイルオキシ基、p−t−ブチルベンゾイルオキシ基、p−トリフロルオメチルベンゾイルオキシ基、m−トリフルオロメチルベンゾイルオキシ基、o−アミノベンゾイルオキシ基、p−ジエチルアミノベンゾイルオキシ基等のアリールカルボニルオキシ基。
【0054】
l)メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基等のアルキルチオ基。
【0055】
m)ベンジルチオ基、p−クロロベンジルチオ基、p−メトキシベンジルチオ基等のアラルキルチオ基。
【0056】
n)フェニルチオ基、p−メトキシフェニルチオ基、p−t−ブチルフェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、o−アミノフェニルチオ基、o−(n−オクチルアミノ)フェニルチオ基、o−(ベンジルアミノ)フェニルチオ基、o−(メチルアミノ)フェニルチオ基、p−ジエチルアミノフェニルチオ基、ナフチルチオ基等のアリールチオ基。
【0057】
o)メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−ヘプチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−n−ペンチルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−ヘプチルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基等のアルキルアミノ基。
【0058】
p)フェニルアミノ基、p−メチルフェニルアミノ基、p−t−ブチルフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ−p−メチルフェニルアミノ基、ジ−p−t−ブチルフェニルアミノ基等のアリールアミノ基。
【0059】
q)アセチルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、n−プロピルカルボニルアミノ基、iso−プロピルカルボニルアミノ基、n−ブチルカルボニルアミノ基、iso−ブチルカルボニルアミノ基、sec−ブチルカルボニルアミノ基、t−ブチルカルボニルアミノ基、n−ペンチルカルボニルアミノ基、n−ヘキシルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、n−ヘプチルカルボニルアミノ基、3−ヘプチルカルボニルアミノ基、n−オクチルカルボニルアミノ基等のアルキルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、p−クロロベンゾイルアミノ基、p−メトキシベンゾイルアミノ基、p−メトキシベンゾイルアミノ基、p−t−ブチルベンゾイルアミノ基、p−クロロベンゾイルアミノ基、p−トリフルオロメチルベンゾイルアミノ基、m−トリフルオロメチルベンゾイルアミノ基等のアリールカルボニルアミノ基。
【0060】
r)ヒドロキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、iso−プロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、iso−ブチルオキシカルボニル基、sec−ブチルオキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基。
【0061】
s)メトキシエトキシカルボニル基、フェノキシエトキシカルボニル基、ヒドロキシエトキシカルボニル基等のアルコキシアルコキシカルボニル基。
【0062】
ベンジルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、p−メトキシフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基、p−クロロフェノキシカルボニル基、o−アミノフェノキシカルボニル基、p−ジエチルアミノフェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基。
【0063】
t)アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、n−プロピルアミノカルボニル基、n−ブチルアミノカルボニル基、sec−ブチルアミノカルボニル基、n−ペンチルアミノカルボニル基、n−ヘキシルアミノカルボニル基、n−ヘプチルアミノカルボニル基、n−オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジ−n−プロピルアミノカルボニル基、ジ−n−ブチルアミノカルボニル基、ジ−sec−ブチルアミノカルボニル基、ジ−n−ペンチルアミノカルボニル基、ジ−n−ヘキシルアミノカルボニル基、ジ−n−ヘプチルアミノカルボニル基、ジ−n−オクチルアミノカルボニル基等のアルキルアミノカルボニル基。
【0064】
u)フェニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルアミノカルボニル基、p−t−ブチルフェニルアミノカルボニル基、ジフェニルアミノカルボニル基、ジ−p−メチルフェニルアミノカルボニル基、ジ−p−t−ブチルフェニルアミノカルボニル基等のアリールアミノカルボニル基。
【0065】
v)メチルアミノスルホニル基、エチルアミノスルホニル基、n−プロピルアミノスルホニル基、n−ブチルアミノスルホニル基、sec−ブチルアミノスルホニル基、n−ペンチルアミノスルホニル基、n−ヘキシルアミノスルホニル基、n−ヘプチルアミノスルホニル基、n−オクチルアミノスルホニル基、2−エチルヘキシルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ジエチルアミノスルホニル基、ジ−n−プロピルアミノスルホニル基、ジ−n−ブチルアミノスルホニル基、ジ−sec−ブチルアミノスルホニル基、ジ−n−ペンチルアミノスルホニル基、ジ−n−ヘキシルアミノスルホニル基、ジ−n−ヘプチルアミノスルホニル基、ジ−n−オクチルアミノスルホニル基等のアルキルアミノスルホニル基。
【0066】
w)フェニルアミノスルホニル基、p−メチルフェニルアミノスルホニル基、p−t−ブチルフェニルアミノスルホニル基、ジフェニルアミノスルホニル基、ジ−p−メチルフェニルアミノスルホニル基、ジ−p−t−ブチルフェニルアミノスルホニル基等のアリールアミノスルホニル基等。
【0067】
上記一般式1において、隣り合う2個の置換基が連結基を介してつながっていてもよい置換基としては、下記化学式で表されるようなヘテロ原子を介して5員環あるいは6員環を形成する置換基が挙げられる。
【0068】
【化2】

【0069】
上記一般式1において、Mで表される2価の金属原子の例としては、Cu(II)、Zn(II)、Fe(II)、Co(II)、Ni(II)、Ru(II)、Rh(II)、Pd(II)、Pt(II)、Mn(II)、Mg(II)、Ti(II)、Be(II)、Ca(II)、Ba(II)、Cd(II)、Hg(II)、Pb(II)、Sn(II)などが挙げられる。
【0070】
Mで表される3価の置換金属原子の例としては、Al−Cl、Al−Br、Al−F、Al−I、Ga−Cl、Ga−F、Ga−I、Ga−Br、In−Cl、In−Br、In−I、In−F、Tl−Cl、Tl−Br、Tl−I、Tl−F、Al−C65、Al−C64(CH3)、In−C65、In−C64(CH3)、Mn(OH)、Mn(OC65)、Mn〔OSi(CH33〕、Fe−Cl、Ru−Cl等が挙げられる。
【0071】
Mで表される4価の置換金属原子の例としては、CrCl2、SiCl2、SiBr2、SiF2、SiI2、ZrCl2、GeCl2、GeBr2、GeI2、GeF2、SnCl2、SnBr2、SnF2、TiCl2、TiBr2、TiF2、Si(OH)2、Ge(OH)2、Zr(OH)2、Mn(OH)2、Sn(OH)2、TiR2、CrR2、SiR2、SnR2、GeR2〔Rはアルキル基、フェニル基、ナフチル基、およびその誘導体を表す〕、Si(OR’)2、Sn(OR’)2、Ge(OR’)2、Ti(OR’)2、Cr(OR’)2〔R’はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基およびその誘導体を表す〕、Sn(SR”)2、Ge(SR”)2(R”はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、およびその誘導体を表す)などが挙げられる。
【0072】
Mで表されるオキシ金属の例としては、VO、MnO、TiOなどが挙げられる。
【0073】
上記のMで表される金属原子中でも特に好ましい金属原子は、Cu、Pd、AlCl、TiO、またはVOである。
【0074】
本発明に好ましく用いられるフタロシアニンは、上記の一般式1においてR〜R16が、ハロゲン原子、ハロゲン原子を含む炭素数1〜20の置換基、硫黄原子を介する炭素数1〜20の置換基、及び窒素原子を介する炭素数1〜20の置換基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基であり、かつMがCu、Pd、AlCl、TiO、またはVOであるフタロシアニンである。
【0075】
上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましい。
【0076】
上記のハロゲン原子を含む炭素数1〜20の置換基としては、ハロゲノアルキル基、ハロゲノアリール基、ハロゲノアルコキシ基、ハロゲノアリールオキシ基等が挙げられ、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子が好ましい。
【0077】
上記の硫黄原子を介する置換基としては、アミノスルホニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基等が挙げられる。
【0078】
上記の窒素原子を介する置換基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基等が挙げられる。
【0079】
本発明において、極大吸収波長の異なる2種以上のフタロシアニンを組み合わせて用いることが好ましい。例えば、800nm以上で900nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニンの少なくとも1種と、900nm超で1000nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニンの少なくとも1種とを組み合わせることが好ましい。
【0080】
本発明において更に好ましくは、極大吸収波長の異なる3種以上のフタロシアニンを組み合わせて用いることである。例えば、下記A)〜D)からなる群の中から選ばれる3種以上を組み合わせる態様が挙げられる。
【0081】
A)800nm以上で850nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン
B)850nm超で900nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン
C)900nm超で950nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン
D)950nm超で1000nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン
上記フタロシアニンの極大吸収波長は、粘着剤組成物にフタロシアニンを含有させた状態で測定されたものである。具体的には、上記フタロシアニンの極大吸収波長は、フタロシアニンを含有させた粘着剤組成物を厚み100μmのPETフィルム上に塗工、乾燥して、厚みが25μmの粘着剤層を形成した後、粘着剤層面をガラス板(厚み1.8mm)に貼り付けたサンプルを作製し、このサンプルを分光光度計(例えば、(株)島津製作所製の商品名「UV−3150」)で測定して求めたものである。
【0082】
上記した、A)〜D)のフタロシアニンとしては、例えば、以下のような化合物が挙げられる。
A)800nm以上で850nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニンとしては、例えば、上記一般式1の中で、R〜R16のうちの少なくとも4つは窒素原子を介する置換基であり、かつ、硫黄原子を介する置換基を含まず、Mが銅である化合物が挙げられる。
B)850nm超で900nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニンとしては、例えば、上記一般式1の中で、R〜R16のうちの少なくとも4つは窒素原子を介する置換基であり、かつ、硫黄原子を介する置換基を含まず、Mが酸化バナジウムである化合物が挙げられる。
C)900nm超で950nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニンとしては、例えば、上記一般式1の中で、R〜R16のうちの少なくとも4つは硫黄原子を介する置換基であり、かつ、R〜R16のうちの少なくとも3つは塩素原子を有する置換基であり、Mが酸化バナジウムである化合物が挙げられる。
D)950nm超で1000nmに極大吸収波長を有するフタロシアニンとしては、例えば、上記一般式1の中で、R〜R16のうちの少なくとも4つは硫黄原子を介する置換基であり、かつ、塩素原子を有する置換基は含まず、Mが酸化バナジウムである化合物が挙げられる。
【0083】
本発明の粘着剤組成物は、特にプラズマディスプレイ用フィルターの粘着剤層に好適に用いられるが、この場合、850nm、900nm、1000nmのそれぞれの波長における透過率が30%以下になるように調整されることが好ましく、25%以下がより好ましく、特に20%以下が好ましい。この観点から、上述したように極大吸収波長の異なる2種以上のフタロシアニンを組み合わせて用いることが好ましく、特に極大吸収波長の異なる3種以上のフタロシアニンを組み合わせて用いることが好ましい。
【0084】
本発明にかかる粘着剤組成物におけるフタロシアニンの含有量は、該粘着剤組成物が適用される製品や部材に要求される特性に応じて適宜設定される。例えば、プラズマディスプレイ用フィルターの粘着剤層に適用される場合は、フタロシアニンの含有比率は粘着剤100質量部に対して0.1〜20質量部の範囲が適当であり、0.3〜10質量部の範囲が好ましく、0.5〜8質量部の範囲がより好ましく、特に1〜5質量部の範囲が最も好ましい。
【0085】
本発明の粘着剤組成物はトリアジン系紫外線吸収剤を含有する。かかるトリアジン系紫外線吸収剤としては、従来から知られているものを用いることができる。
【0086】
本発明にかかるトリアジン系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が好ましく用いられる。ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤は、ヒドロキシフェニルのオルト位の水酸基がトリアジン環の窒素と相互作用して安定的に紫外線を吸収することができる。
【0087】
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤は、例えば、下記一般式2で表すことができる。
【0088】
【化3】

式中、R21、R22、R23は、それぞれ独立的に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、あるいはアルコキシ基を表し、R24、R25は、それぞれ独立的に、アルキル基あるいはアリール基を表す。
【0089】
上記一般式2の中でも、特に下記の一般式3の化合物が好ましい。
【0090】
【化4】

式中、R21、R22、R23は、一般式2と同義である。R26、R27、R28は、それぞれ独立的に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、あるいはアルコキシ基を表す。
【0091】
上記した一般式2、3で表されるヒドロキフェニルトリアジン系紫外線吸収剤の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ペントキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トレイル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トレイル−6−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トレイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トレイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トレイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ペントキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トレイル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トレイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トレイル−6−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヘキシルオキシエトキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン、
2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2′−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−ヒドロキシ−4−[(1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
等が挙げられる。
【0092】
上記したトリアジン系紫外線吸収剤は、チバ・ジャパン株式会社より、TINUVIN400、TINUVIN405、TINUVIN460、TINUVIN477、TINUVIN479という商品名で市販されており、入手することができる。
【0093】
本発明の粘着剤組成物において、トリアジン系紫外線吸収剤の含有量は、粘着剤100質量部に対し、0.5〜20質量部の範囲が適当であり、1〜15質量部の範囲がより好ましく、特に2〜10質量部の範囲が好ましい。
【0094】
本発明にかかる粘着剤組成物は、粘着剤を主成分として含有する。本発明の粘着剤組成物における粘着剤の含有量は、粘着剤組成物の固形分総量100質量%に対して、60〜99質量%の範囲が適当であり、70〜96質量%の範囲が好ましく、特に80〜95質量%の範囲が好ましい。
【0095】
かかる粘着剤としては、従来から知られている粘着剤を用いることができる。例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられ、これらの中でもアクリル系粘着剤が、透明性、耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性の点で好ましく用いられる。
【0096】
上記粘着剤を構成する樹脂のガラス転移点は、粘着性を確保するという観点から、0℃以下が好ましく、−10℃以下がより好ましく、特に−20℃以下が好ましい。下限は−80℃程度である。しかしながら、上記したようにガラス転移点が低い樹脂で構成される粘着剤中では、そこに含まれる近赤外線吸収色素は比較的容易に移動し、それによって反応性が高まり、その結果、近赤外線吸収色素の耐光性、耐熱性及び耐湿熱性の悪化を助長させていた。
【0097】
本発明の粘着剤組成物は、ガラス転移点が0℃以下、更には−10℃以下、特に−20℃以下の樹脂で構成される粘着剤を用いた場合であっても、近赤外線吸収色素の耐光性、耐熱性及び耐湿熱性の悪化を抑制することができる。
【0098】
本発明の粘着剤組成物は、架橋剤を含有することが好ましい。かかる架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマーなどが挙げられるが、本発明においては、ポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。
【0099】
上記のポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などを挙げることができる。
【0100】
上記架橋剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記架橋剤の含有量は、粘着剤100質量部に対して0.01〜20質量部の範囲が適当であり、0.1〜10質量部の範囲が好ましい。
【0101】
本発明の粘着剤組成物には、570〜610nmに極大吸収波長を有する色素、所謂、ネオン光カット色素を含有することが好ましい。プラズマディスプレイは、600nm付近を中心とするいわゆるネオンオレンジ光を発光し、赤色にオレンジ色が混ざり鮮やかな赤色が得られないという問題があり、上記のネオン光カット色素を含有させることにより上記の問題が解決できる。
【0102】
上記のネオン光カット色素としては、例えば、テトラアザポルフィリン系、シアニン系、スクアリリウム系、インドール化合物系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系、キノン系、アズレニウム系、ピリリウム系、クロコニウム系、ピロメテン系、ポルフィリン系等が挙げられる。これらの色素は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができるが、本発明においては、テトラアザポルフィリン系、シアニン系、スクアリリウム系の色素が好ましく用いられる。
【0103】
本発明の粘着剤組成物より得られる近赤外線吸収性粘着剤層が適用されるプラズマディスプレイ用フィルターの場合、570〜610nmにおける極大吸収波長の透過率は、40%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下となるように調整されることが好ましく、ネオン光カット色素の含有量は、上記透過率となるように適宜選択される。具体的には、ネオン光カット色素は、粘着剤100質量部に対して、0.001〜1質量部の範囲が適当であり、0.01〜0.5質量部の範囲が好ましい。
【0104】
本発明の粘着剤組成物には、色調調整のための可視領域に吸収を有する色素を含有することができる。かかる色調調整色素としては、アントラキノン系、シアニン系、スクアリリウム系、クマリン系、スチリル系、ローダミン系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系、キノン系、ペリノン系、アズレニウム系、ピリリウム系、クロコニウム系、ピロメテン系、ポルフィリン等が挙げられる。
【0105】
また、本発明の粘着剤組成物は、さらに、本発明の効果が損なわれない範囲で、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤あるいは可塑剤等を含有していてもよい。
【0106】
本発明の粘着剤組成物は、近赤外線吸収色素やトリアジン系紫外線吸収剤等を溶解して粘着剤中に混合するために、近赤外線吸収色素やトリアジン系紫外線吸収剤等を溶解するための有機溶剤を含有することが好ましい。かかる有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン系、メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール等のアルコール系、ヘキサン等の炭化水素系、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いてもよく、必要に応じて適宜混合して用いてもよい。
【0107】
本発明の粘着剤組成物は基材上に塗工され、乾燥もしくは硬化されることによって、本発明の近赤外線吸収性粘着剤層が得られる。以下、本発明の近赤外線吸収性粘着剤層は、単に「本発明の粘着剤層」という。
【0108】
本発明の粘着剤層を得るための粘着剤組成物の塗工方法としては、特に限定されず従来から知られている塗工方法を用いることができる。例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スロットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、コンマコーター法等のコーティング法などを用いることができる。
【0109】
本発明の粘着剤組成物が塗工される基材としては、プラスチックフィルム、ガラス板等が挙げられる。上記プラスチックフィルムは、離型フィルムであってもよいし、または後述する近赤外線吸収フィルム、反射防止近赤外線吸収フィルム、あるいはディスプレイ用フィルターを構成する基材フィルムであってもよい。
【0110】
基材フィルム上に、本発明の粘着剤組成物を塗工して本発明の粘着剤層を積層することによって、本発明の近赤外線吸収フィルムが得られる。ここで、基材フィルムは、近赤外線吸収機能以外の機能、例えば、反射防止機能、防眩機能、ハードコート機能、電磁波遮蔽機能、色調調整機能等の機能を有する基材フィルムであることが好ましく、特に。反射防止機能を有する基材フィルムであることが好ましい。上記の反射防止機能を有する基材フィルムに本発明の粘着剤層が積層されたものは、後述する反射防止近赤外線吸収フィルムと同義である。
【0111】
上記の基材フィルムとしてはプラスチックフィルムが好ましい。かかるプラスチックフィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アートン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びセルロース樹脂が好ましく、特にポリエステル樹脂が好ましく用いられる。これらのプラスチックフィルムは、該プラスチックフィルムに積層される層(本発明の粘着剤層、後述するハードコート層や反射防止層等)との密着性を向上させるための易接着層が予め設けられたプラスチックフィルムであることが好ましい。
【0112】
基材フィルムの厚みとしては、50〜300μmの範囲が適当であり、90〜250μmの範囲が好ましい。
【0113】
離型フィルムは、本発明の粘着剤層を保護するためのものであり、本発明の粘着剤層が使用される前には剥離されるものである。かかる離型フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックフィルムの表面に、粘着剤層からの剥離性を高めるための離型処理、例えば、シリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などが施されたものである。離型フィルムの厚みは、30〜100μm程度が適当である。
【0114】
本発明の粘着剤層の厚みは、3〜100μmの範囲が適当であり、5〜75μmの範囲が好ましく、特に10〜50μmの範囲が最も好ましい。
【0115】
本発明の粘着剤層は、反射防止近赤外線吸収フィルムあるいはディスプレイ用フィルターに好ましく用いられる。
【0116】
本発明の粘着剤層を有する反射防止近赤外線吸収フィルム(以下、「本発明の反射防止近赤外線吸収フィルム」という)は、反射防止フィルムの反射防止層が設けられていない面に本発明の粘着剤層が積層されたものである。
【0117】
本発明の反射防止近赤外線吸収フィルムに用いられる反射防止フィルムは、プラスチックフィルム等の基材フィルムの片面に反射防止層が設けられたものである。かかる反射防止層としては、従来から知られているものを用いることができる。反射防止層としては、例えば、低屈折率層の単層構成、高屈折率層と低屈折率層との積層構成が挙げられる。低屈折率層の屈折率は1.25〜1.44の範囲が一般的であり、1.30〜1.43の範囲が好ましい。高屈折率層の屈折率は、1.45〜1.80の範囲が一般的であり、1.50〜1.70の範囲が好ましい。
【0118】
また、本発明の反射防止近赤外線吸収フィルムに用いられる反射防止フィルムは、基材フィルムと反射防止層との間にハードコート層を設けられたものが好ましく、更に上記ハードコート層が反射防止層の高屈折率層を兼ねた高屈折率ハードコート層であることがより好ましい。上記高屈折率ハードコート層を用いた反射防止フィルムとしては、基材上に高屈折率ハードコート層と低屈折率層がこの順に積層されたものが好ましく用いられる。
【0119】
本発明の粘着剤層は、ディスプレイ用フィルター、特にプラズマディスプレイ用フィルターに好ましく用いられる。上記した本発明の反射防止近赤外線吸収フィルムも、プラズマディスプレイ用フィルターの構成部材として用いることができる。
【0120】
本発明の粘着剤層を反射防止近赤外線吸収フィルムあるいはプラズマディスプレイ用フィルターに適用する場合、本発明の粘着剤層の厚みは3〜100μmの範囲が適当であり、5〜75μmの範囲が好ましく、特に10〜50μmの範囲が最も好ましい。
【0121】
本発明の粘着剤層が適用されるプラズマディスプレイ用フィルターについて、詳細に説明する。
【0122】
プラズマディスプレイ用フィルターは、大きく分けて2つのタイプが知られている。1つのタイプは、ディスプレイパネルに対して間隔を空けて配置される、所謂、前置きタイプであり、もう1つのタイプはディスプレイパネルに直接に貼り付けられる、所謂、直貼りタイプである。
【0123】
従来から一般的に知られている前置きタイプは、ガラス板を必須構成とし、該ガラス板に、各種機能性フィルム、例えば反射防止フィルム、電磁波遮蔽フィルム、近赤外線吸収フィルム等が粘着剤層で貼り合わされた構成である。
【0124】
従来から一般的に知られている直貼りタイプは、上記した各種機能フィルムが粘着剤層で貼り合わされた積層フィルムの片面に直貼り用粘着剤層が積層されたものである。直貼りタイプは、通常、ガラス板は用いられない。
【0125】
また、上記した各種機能性フィルムの各種機能、例えば反射防止機能、電磁波遮蔽機能、近赤外線吸収機能等の2以上が統合された、機能統合フィルムも知られており、上記の前置きタイプや直貼りタイプを用いることが知られている。
【0126】
上記機能統合フィルムとしては、例えば、反射防止層と近赤外線吸収層が1枚のプラスチックフィルムに設けられたもの、電磁波遮蔽層と反射防止層が1枚のプラスチックフィルムに設けられたもの、電磁波遮蔽層と近赤外線吸収層が1枚のプラスチックフィルムに設けられたもの、あるいは反射防止層、電磁波遮蔽層、及び近赤外線吸収層が1枚のプラスチックフィルムに設けられたもの等が挙げられる。前述した本発明の反射防止近赤外線吸収フィルムも機能統合フィルムの1つである。
【0127】
本発明の粘着剤層は、上述した前置きタイプ及び直貼りタイプのプラズマディスプレイ用フィルターに適用することが好ましい。すなわち、前置きタイプの場合は、ガラス板に各種機能フィルムあるいは機能統合フィルムを貼り合わせるための粘着剤層として本発明の粘着剤層を用いることができ、直貼りタイプの場合は、各種機能フィルムあるいは機能統合フィルムを貼り合わせるための粘着剤層として、または直貼り用粘着剤層として本発明の粘着剤層を用いることができる。
【0128】
本発明の粘着剤層をプラズマディスプレイ用フィルター等のディスプレイ用フィルターに適用することによって、該ディスプレイ用フィルターに近赤外線吸収機能を付与するための近赤外線吸収フィルムや近赤外線吸収性樹脂層を省略することができ、その結果、構成部材の低減が図られ、ディスプレイ用フィルターの簡素化と低コスト化を実現することができる。
【0129】
本発明の粘着剤層を用いたプラズマディスプレイ用フィルターの構成例を以下に例示するが、本発明はこれらの例示に限定されない。
【0130】
なお、下記の構成例において、左側に記載された構成要素がディスプレイパネル側であり、「他の粘着剤層」は近赤外線吸収色素を含まない一般的な粘着剤層である。
【0131】
<前置きタイプの構成例>
a)電磁波遮蔽フィルム/本発明の粘着剤層/ガラス板/他の粘着剤層/反射防止フィルム
b)電磁波遮蔽フィルム/他の粘着剤層/ガラス板/本発明の粘着剤層/反射防止フィルム
c)ガラス板/本発明の粘着剤層/電磁波遮蔽反射防止機能統合フィルム
d)電磁波遮蔽フィルム/本発明の粘着剤層/ガラス板
【0132】
<直貼りタイプ>
e)直貼り用粘着剤層/電磁波遮蔽フィルム/本発明の反射防止近赤外線吸収フィルム(本発明の粘着剤層/反射防止フィルム)
f)本発明の粘着剤層(直貼り用粘着剤層を兼ねる)/電磁波遮蔽フィルム/他の粘着剤層/反射防止フィルム
g)本発明の粘着剤層(直貼り用粘着剤層を兼ねる)/電磁波遮蔽反射防止機能統合フィルム
上記構成例における電磁波遮蔽反射防止機能統合フィルムの具体的構成としては、例えば、イ)電磁波遮蔽層/基材フィルム/反射防止層(ハードコート層を含む)、ロ)基材フィルム/電磁波遮蔽層/反射防止層(ハードコート層を含む)が挙げられる。
【0133】
本発明にかかるプラズマディスプレイ用フィルターに用いられる電磁波遮蔽層としては、導電性金属層がメッシュパターンに加工された、所謂、導電性メッシュが、プラズマディスプレイ用フィルターの透過率の確保、電磁波遮蔽層の加工コスト、電磁波遮蔽性能の観点から好ましく用いられる。
【0134】
本発明の粘着剤層をプラズマディスプレイ用フィルター等のディスプレイ用フィルターに適用する場合、以下の構成のディスプレイ用フィルターに特に有効である。すなわち、本発明の粘着剤層を含むディスプレイ用フィルターをディスプレイパネルに装着したときに、粘着剤層より視認側に配置(ディスプレイパネルに対して粘着剤層より遠い位置に配置)された基材(プラスチックフィルムやガラス板)には、紫外線遮蔽機能が付与されていないディスプレイ用フィルターにおいて本発明の粘着剤層は特に有効である。
【実施例】
【0135】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0136】
なお、以下の実施例及び比較例に用いられる、PETフィルム、ガラス板、及び離型PETフィルムは、紫外線遮蔽機能は付与されていないものである。
【0137】
以下の実施例及び比較例で作製された各サンプルの評価方法を以下に示す。
(1)透過特性
分光光度計((株)島津製作所製、商品名「UV−3150」)を用い、各サンプルから切り出した50×50mm角の試験片のスペクトルを350〜1100nmの範囲で測定し、D65光源における380〜780nmの視感平均透過率Tv及び色度座標(x、y)を算出した。また、近赤外線領域(850nm、900nm、1000nm)の透過率をそれぞれTn1、Tn2、Tn3とした。各数値は室内の空気の透過率を比較対照とした。
【0138】
以下の耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性の評価において、試験前後の各測定値の差は絶対値である。いずれの特性も、試験前後の差は0に近いほど優れていることを意味する。
【0139】
評価の1つの判断基準として、視感平均透過率差(ΔTv)が1.0%以上になると実用上問題となる可能性があり、色度座標の差(Δx、Δy)が0.004以上となると実用上問題となる可能性があり、近赤外線領域(850nm、900nm、1000nm)の透過率差(ΔTn1、ΔTn2、ΔTn3)のいずれか1つが3.0%以上になると実用上問題となる可能性がある。
【0140】
(2)耐光性の評価
耐光性試験器(スガ試験機(株)製、商品名「キセノンフェードメーター」)内に上記(1)の方法で透過特性を測定した試験片をセットし、50時間(積算光量で約550W/m)照射射した。次いで、耐光性試験器から取り出した試験片の透過特性を上記(1)の方法で測定した。試験前後の視感平均透過率差(ΔTv)、色度座標の差(Δx、Δy)、近赤外線領域(850nm、900nm、1000nm)の透過率差(ΔTn1、ΔTn2、ΔTn3)を求め耐光性の指標とした。
【0141】
(3)耐熱性の評価
温度80℃に設定した定温恒温器内に上記(1)の方法で透過特性を測定した試験片を1000時間放置した。次いで、定温恒温器から取り出した試験片の透過特性を上記(1)の方法で測定した。試験前後の視感平均透過率差(ΔTv)、色度座標の差(Δx、Δy)、近赤外線領域(850nm、900nm、1000nm)の透過率差(ΔTn1、ΔTn2、ΔTn3)を求め耐熱性の指標とした。
【0142】
(4)耐湿熱性の評価
温度60℃、相対湿度90%に設定した恒温恒湿試験器内に上記(1)の方法で透過特性を測定した試験片を1000時間放置した。次いで、恒温恒湿試験器から取り出した試験片の透過特性を上記(1)の方法で測定した。試験前後の視感平均透過率差(ΔTv)、色度座標の差(Δx、Δy)、近赤外線領域(850nm、900nm、1000nm)の透過率差(ΔTn1、ΔTn2、ΔTn3)を求め耐湿熱性の指標とした。
【0143】
実施例1
<粘着剤組成物の調製>
近赤外線吸収色素として800nm以上で850nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン((株)日本触媒製、商品名「イーエクスカラーIR−14」)0.56質量部、850nm超で900nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン((株)日本触媒社製、商品名「イーエクスカラーIR−12」)0.46質量部、900nm超で950nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン((株)日本触媒製、商品名「イーエクスカラーIR−20」)0.2質量部、950nm超で1000nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン((株)日本触媒製、商品名「イーエクスカラーIR−915」)1.84質量部と、570〜610nmに極大吸収波長を有するネオン光カット色素としてテトラアザポルフィリン(三井化学(株)製、商品名「PD−320」)0.28質量部と、紫外線吸収剤としてヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(チバ・ジャパン(株)製、商品名「TINUVIN479」)10質量部とを、酢酸エチル155.2質量部とトルエン155.2質量部に溶解させ、アクリル系粘着剤(東洋インキ製造(株)製、商品名「BPS6271」;粘着剤含有率が29質量%となるように酢酸エチルとトルエンを混合)689.6質量部と混合し、更にイソシアネート系架橋剤(東洋インキ製造(株)製、商品名「BXX6105」)10.3質量部を混合して粘着剤組成物を調製した。
【0144】
<粘着剤層が積層されたサンプルの作製>
上記の粘着剤組成物を乾燥厚みが25μmとなるように、離型PETフィルム(厚み38μm)上にスロットダイコーターで塗工し、乾燥して粘着剤層を形成した。次いで、粘着剤層面にPETフィルム(厚み100μm)を貼合した。この状態で、常温で7日間放置した後、粘着剤層面上の離型フィルムを剥離して粘着剤層面をガラス板(厚み1.8mm)に貼合し、PETフィルム/粘着剤層/ガラス板がこの順に積層されたサンプルを作製した。
【0145】
実施例2
紫外線吸収剤をヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤であるチバ・ジャパン(株)製の商品名「TINUVIN405」に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作製した。この粘着剤組成物に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤層が積層されたサンプルを作製した。
【0146】
実施例3
近赤外線吸収色素を、800nm以上で850nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン((株)日本触媒製、商品名「イーエクスカラーIR−14」)0.56質量部、850nm超で900nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン((株)日本触媒製、商品名「イーエクスカラーIR−12」)0.46質量部、950nm超で1000nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン((株)日本触媒製、商品名「イーエクスカラーIR−915」)1.84質量部、ジチオール金属錯体系色素((株)エーピーアイコーポレーション製、商品名「APE−004」)0.6質量部にする以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作製した。この粘着剤組成物に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤層が積層されたサンプルを作製した。
【0147】
比較例1
紫外線吸収剤を含有しない以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作製した。この粘着剤組成物に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤層が積層されたサンプルを作製した。
【0148】
比較例2
紫外線吸収剤をベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・ジャパン(株)製、商品名「TINUVIN109」)に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作製した。この粘着剤組成物に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤層が積層されたサンプルを作製した。
【0149】
比較例3
紫外線吸収剤をベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成(株)製、SEESORB704)に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作製した。この粘着剤組成物に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤層が積層されたサンプルを作製した。
【0150】
比較例4
紫外線吸収剤をベンゾフェノン系紫外線吸収剤(チバ・ジャパン(株)製、商品名「CHIMASSORB81」)に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作製した。この粘着剤組成物に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤層が積層されたサンプルを作製した。
【0151】
比較例5
近赤外線吸収色素をジイモニウム系色素(日本化薬(株)製、商品名「IRG−069」)2質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作製した。この粘着剤組成物に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤層が積層されたサンプルを作製した。
【0152】
比較例6
近赤外線吸収色素をジイモニウム系色素(日本化薬(株)製、商品名「IRG−069」)1.5質量部、800nm以上で850nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン((株)日本触媒社製、商品名「イーエクスカラーIR−14」)0.56質量部、850nm超900nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン((株)日本触媒製、商品名「イーエクスカラーIR−12」)0.46質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作製した。この粘着剤組成物に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤層が積層されたサンプルを作製した。
【0153】
比較例7
近赤外線吸収色素をジチオール金属錯体系色素((株)エーピーアイコーポレーション製、商品名「APE−004」)4質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作製した。この粘着剤組成物に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤層が積層されたサンプルを作製した。
【0154】
比較例8
近赤外線吸収色素を、800nm以上で850nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン((株)日本触媒製、商品名「イーエクスカラーIR−14」)0.56質量部、950nm超で1000nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン((株)日本触媒製、商品名「イーエクスカラーIR−915」)1.84質量部、ジチオール金属錯体系色素((株)エーピーアイコーポレーション製、商品名「APE−004」)3.6質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作製した。この粘着剤組成物に変更する以外は、実施例1と同様にして粘着剤層が積層されたサンプルを作製した。
【0155】
〔評価〕
上記のようにして作製したサンプルについて、透過特性、耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性を評価した。サンプルの内容と試験前の透過性(初期値)の結果を表1、耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性の結果を表2に示す。
【0156】
【表1】

【0157】
【表2】

【0158】
上記結果から、本発明の実施例は、耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性のいずれにおいても、優れていることがわかる。
【0159】
これに対して、フタロシアニンを用いているが紫外線吸収剤を含有しない比較例1、フタロシアニンとベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を組み合わせた比較例2及び比較例3、並びにフタロシアニンとベンゾフェノン系紫外線吸収剤を組み合わせた比較例4は、いずれも耐光性が大きく悪化した。
【0160】
また、ジイモニウム系色素100質量%とヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を組み合わせた比較例5、及びジイモニウム系色素60質量%とフタロシアニンを40質量%含み、かつヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を含む比較例6は、いずれも耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性が悪化し、特に耐熱性と耐湿熱性が大きく悪化した。
【0161】
また、ジチオール金属錯体系色素100質量%とヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を組み合わせた比較例7、及びジチオール金属錯体系色素60質量%とフタロシアニンを40質量%含み、かつヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を含む比較例8は、いずれも耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性が大きく悪化した。
【0162】
実施例4
以下の要領で本発明の反射防止近赤外線吸収フィルムを作製した。
<粘着剤組成物の調製>
実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。
【0163】
<反射防止フィルムの作製>
PETフィルム(厚み100μm)の一方の面に、下記の反射防止層を積層した。反射防止層は、高屈折率ハードコート層と低屈折率層とをPETフィルム上に順次積層したものである。
【0164】
<高屈折率ハードコート層の積層>
ペルノックス(株)製の帯電防止性の高屈折率ハードコート塗料(XJC−0357;屈折率1.66)を、PETフィルム上にマイクログラビアコーターで塗工し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させ、厚みが約1.7μmの帯電防止性の高屈折率ハードコート層を設けた。
【0165】
<低屈折率層の積層>
市販の低屈折率塗料(JSR(株)製TU2180:屈折率1.37)に、メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルを1:1の比率で加えて、固形分濃度が3質量%の低屈折率層形成用塗布液を調製した。この低屈折率層形成用塗布液を、上記でPETフィルム上に積層された高屈折率ハードコート層上に、マイクログラビアコーターで塗工し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させ、厚み約100nmの低屈折率層を形成した。
【0166】
<本発明の反射防止近赤外線吸収フィルムの作製>
上記で作製した反射防止フィルムの裏面(反射防止層が積層された面の反対面)に、上記で調製した粘着剤組成物を乾燥厚みが25μmとなるようにスロットダイコーターで塗工し、乾燥して粘着剤層を形成した。次に、粘着剤層面に離型PETフィルム(厚み38μm)を貼合して、本発明の反射防止近赤外線吸収フィルムを作製した。
【0167】
〔評価〕
上記のようにして作製した反射防止近赤外線吸収フィルムについて、耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性を評価したところ、実施例1と同様に優れた結果が得られた。
【0168】
実施例5
次の要領でプラズマディスプレイ用フィルターを作製した。
<電磁波遮蔽フィルムの作製>
PETフィルム(厚み100μm)の片面に、スパッタリング法によるニッケル層(厚み0.02μm)、真空蒸着法による銅層(厚み2.5μm)、スパッタリング法による窒化銅層(厚み0.03μm)を形成し、その後、窒化銅層側の表面にフォトレジスト層を塗工形成し、格子状メッシュパターンのマスクを介してフォトレジスト層を露光、現像し、次いでエッチング処理を施して、メッシュパターンの(電磁波遮蔽層;導電性メッシュ)を形成して、電磁波遮蔽フィルムを作製した。
【0169】
<直貼り用粘着剤層>
プラズマディスプレイ用フィルターをパネルに直接に貼り付けるための直貼り用粘着剤層として、厚みが25μmのアクリル系粘着剤層の両面にそれぞれ離型PETフィルム(厚み38μm)が積層されたものを用意した。
【0170】
<プラズマディスプレイ用フィルターの作製>
実施例4と同様にして作製した本発明の反射防止近赤外線吸収フィルムの粘着剤層面の離型PETフィルムを剥離し、この粘着剤層を介して、本発明の反射防止近赤外線吸収フィルムと上記の電磁波遮蔽フィルムの電磁波遮蔽層面が向き合うように貼合した。次いで、電磁波遮蔽フィルムの電磁波遮蔽層面とは反対面に、直貼り用粘着剤層の一方の離型PETフィルムを剥離して積層した。
【0171】
上記のようにして作製したプラズマディスプレイ用フィルターは、離型PETフィルム/直貼り用粘着剤層/電磁波遮蔽フィルム/本発明の反射防止近赤外線吸収フィルム(本発明の粘着剤層/反射防止フィルム)がディスプレイパネル側から順に積層されたものである。
【0172】
〔評価〕
上記のようにして作製したプラズマディスプレイ用フィルターについて、耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性を評価したところ、実施例1と同様に優れた結果が得られた。
【0173】
実施例6
次の要領でプラズマディスプレイ用フィルターを作製した。
<電磁波遮蔽フィルムの作製>
実施例5と同様にして電磁波遮蔽フィルムを作製した。
【0174】
<電磁波遮蔽反射防止機能統合フィルムの作製>
上記で作製した電磁波遮蔽フィルムの電磁波遮蔽層上に、下記のハードコート層と反射防止層(低屈折率層)を順次積層して、電磁波遮蔽反射防止機能統合フィルムを作製した。
【0175】
<ハードコート層の積層>
市販のハードコート剤(JSR製 オプスター(登録商標)Z7534;固形分濃度60重量%)を、固形分濃度が35%重量となるようにメチルイソブチルケトンで希釈してハードコート層形成用塗料を作製した。このハードコート層形成用塗料を、上記で作製した電磁波遮蔽フィルムの電磁波遮蔽層上に、マイクログラビアコーターで塗工し、90℃で乾燥後、紫外線500mJ/cmを照射して硬化させ、厚みが約9μmのハードコート層を積層した。
【0176】
<低屈折率層の積層>
市販の低屈折率塗料(JSR(株)製TU2180:屈折率1.37)に、メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルを1:1の比率で加えて、固形分濃度が3質量%の低屈折率層形成用塗布液を調製した。この低屈折率層形成用塗布液を、上記で電磁波遮蔽フィルムの電磁波遮蔽層上に積層されたハードコート層上に、マイクログラビアコーターで塗工し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させ、厚み約100nmの低屈折率層を形成した。
【0177】
<プラズマディスプレイ用フィルターの作製>
実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を、上記で得られた電磁波遮蔽反射防止機能統合フィルムの電磁波遮蔽層とは反対面に、スロットダイコーターで、乾燥厚みが25μmとなるように塗工と乾燥をして本発明の粘着剤層を積層し、更に本発明の粘着剤層面に離型PETフィルム(厚み38μm)を積層してプラズマディスプレイ用フィルターを作製した。
【0178】
〔評価〕
上記のようにして作製したプラズマディスプレイ用フィルターについて、耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性を評価したところ、実施例1と同様に優れた結果が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近赤外線吸収色素としてフタロシアニンを主体に含有し、かつトリアジン系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする近赤外線吸収性粘着剤組成物。
【請求項2】
近赤外線吸収色素の総量100質量%に対してフタロシアニンを60質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の近赤外線吸収性粘着剤組成物。
【請求項3】
前記トリアジン系紫外線吸収剤が、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の近赤外線吸収性粘着剤組成物。
【請求項4】
前記フタロシアニンが、800nm以上で900nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニンの少なくとも1種と、900nm超で1000nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニンの少なくとも1種とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の近赤外線吸収粘着剤組成物。
【請求項5】
前記フタロシアニンが、下記A)〜D)からなる群の中から選ばれる3種以上のフタロシアニンを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の近赤外線吸収粘着剤組成物。
A)800nm以上で850nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン
B)850nm超で900nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン
C)900nm超で950nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン
D)950nm超で1000nm以下に極大吸収波長を有するフタロシアニン
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の近赤外線吸収性粘着剤組成物より得られることを特徴とする近赤外線吸収性粘着剤層。
【請求項7】
請求項6に記載の近赤外線吸収性粘着剤層が、基材フィルム上に積層されてなることを特徴とする近赤外線吸収フィルム。
【請求項8】
一方の面に反射防止層を有する反射防止フィルムにおいて、前記反射防止層を有する面と反対側の面に請求項6に記載の近赤外線吸収性粘着剤層が積層されてなることを特徴とする反射防止近赤外線吸収フィルム。
【請求項9】
請求項6に記載の近赤外線吸収性粘着剤層を有することを特徴とするディスプレイ用フィルター。
【請求項10】
請求項8に記載の反射防止近赤外線吸収フィルムを有することを特徴とするディスプレイ用フィルター。
【請求項11】
前記ディスプレイ用フィルターがプラズマディスプレイ用であることを特徴とする請求項9または10に記載のディスプレイ用フィルター。

【公開番号】特開2011−93958(P2011−93958A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246532(P2009−246532)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000222462)東レフィルム加工株式会社 (142)
【出願人】(594208075)フジプレアム株式会社 (15)
【Fターム(参考)】