説明

近距離レーダ装置及び測距方法

【課題】簡易な構成でありながら、高分解能での距離測定等が可能な近距離レーダ装置を提供する。
【解決手段】2系統の送受信部10,20と、処理部30とを備えたものとする。一方の送受信部10は、送信波と受信波との差周波数を持つ第1中間周波信号Vを出力し、他方の送受信部20は、第1周波数と異なる第2周波数の送信波を送受信部10と同時に放射するとともに、送信波と受信波との差周波数を持つ第2中間周波信号Vを出力する。処理部30は、これらの中間周波信号V,Vの比較結果に基づいてターゲット100までの距離Lを表すデータを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車レーダや道路監視レーダのほか、人間の目に触れない状態での人の検知、悪天候などにより超音波測定に影響を受けやすい場所での測距など、幅広い用途で使用される近距離レーダ装置に関する。
特に、2つの異なる周波数の送信波が、測距対象となる物体(ターゲット)から反射されて到達したときの、送信波と受信波の差周波数を持つ中間周波信号に基づいて、ターゲットまでの距離を高精度に測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近距離に存在するターゲットまでの距離をマイクロ波信号で測定するレーダ装置として、パルスレーダ装置、CWレーダ装置、FM−CWレーダ装置、ドップラレーダ装置等が実用化されている。これらのレーダ装置において、2つの異なる周波数のマイクロ波信号を用いることにより、距離の検出精度を高めることができることが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された2周波CWレーダ装置では、送信部が、基本周波数fに対してΔfの周波数差を有する一対の高周波信号(第1信号)と、fに対してΔf(<Δf)の周波数差を有する一対の高周波信号(第2信号)とを、それぞれ送信波としてターゲットに向けて同時に放射する。このときの送信波の周波数は、それぞれf±Δf/2、f±Δf/2となる。受信部は、第1信号に対応する受信波の位相差Δφと、第2信号に対応する受信波の位相差Δφとを検出するが、Δf<Δfであるため、第2信号に対応するターゲットの最大検出距離は、第1信号に対応する最大検出距離よりも遠くなる。
そこで、位相差Δφが閾値未満のとき、つまり、ターゲットまでの距離が大まかに検出されたときに、位相差φに基づいてターゲットまでの距離を演算することにより、本来の検出範囲外に強く電波を反射する物体が存在する場合においても、近距離に存在するターゲットまでの距離を高精度に測定できるようにしている。
【0004】
また、特許文献2に記載された測距装置では、送受信アンテナからターゲットまでの距離Lに対してλ(波長)/2の整数倍が等しいか1だけ異なるような2以上の周波数のマイクロ波を発振させてそれぞれの反射波の位相を検出し、検出した位相と発振波長(λ)とに基づいて距離Lを測定するようにしている。
この測距装置では、ターゲットからの反射時間を検出する必要がなくなるため、30[cm]〜10[m]程度の非常に近距離に存在するターゲットを正確に測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−166443号公報
【特許文献2】特開2004−12367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された2周波CWレーダ装置では、送信時に、基本周波数に対して2つの周波数差を有する2対の送信波を出力する。そのため、高周波発振器のほかに、高精度の低周波複数周波数発振器が必要となる。
特許文献2に記載された測距装置の場合も、電子同調が可能で少なくとも2つの周波数で発振するマイクロ波発振器(VCO)と、電子同調が可能な局部発振器(VCO)が必要となる。
一般に周波数可変型の発振器は高価である上に、出力する周波数を変化させるための制御手段も不可欠となる。
そのため、従来のこの種のレーダ装置では、コスト低減が困難であり、これが普及を阻害させる要因となっていた。
【0007】
本発明は、簡易な構成でありながら、高い分解能での距離測定を可能とする近距離レーダ装置、及び、測距方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の近距離レーダ装置は、第1周波数の送信波をターゲットに向けて放射するとともに、前記ターゲットで反射した受信波と前記第1周波数との差周波数を持つ第1中間周波信号を出力する第1送受信手段と、前記第1周波数と異なる第2周波数の送信波を前記第1周波数の送信波と同時に前記ターゲットに向けて放射するとともに、前記ターゲットで反射した受信波と前記第2周波数との差周波数を持つ第2中間周波信号を出力する第2送受信手段と、前記第1中間周波信号と前記第2中間周波信号との比較結果に基づいて、前記第1送受信手段又は前記第2送受信手段から前記ターゲットまでの距離を表すデータを出力する測距手段と、を備えて成る。
第1中間周波信号及び第2中間周波信号は、第1送受信手段から第1周波数の送信波を送信し、第2送受信手段から第2周波数の送信波を放射するだけで得られるので、従来のこの種のレーダ装置のように、周波数可変型の高周波発振器や局部発振器、及び、これらの制御手段を用意する必要が無くなり、装置構成が簡略化される。
なお、測距手段は、アナログ回路/デジタル処理回路のいずれで実現しても良い。
【0009】
前記第1送受信手段及び前記第2送受信手段は、具体的には、それぞれ、自ら放射しその振幅が減衰された送信波と、当該送信波並びに他方の送受信手段により放射された送信波が前記ターゲットで反射して到達した受信波とを混合することにより、自ら放射した送信波と他方の送受信手段により放射された送信波との差周波数を持つ信号を前記第1中間周波信号又は前記第2中間周波信号として取り出すミクサを備えて構成する。
【0010】
前記測距手段は、具体的には、前記第1中間周波信号及び前記第2中間周波信号の位相を比較することにより、前記ターゲットの変位後の距離を表すデータを出力する。これにより、ターゲットが移動する物体であっても、そのターゲットまでの距離を正確に測定することができる。
【0011】
ある実施の態様では、前記測距手段は、前記第1中間周波信号の位相を前記第2中間周波信号の位相の変位方向と同じになるように変換した上で、前記第1中間周波信号の位相及び前記第2中間周波信号の位相の差分を求め、この差分に基づいて前記データを出力するように構成する。これにより、第1中間周波信号の位相の変位方向と第2中間周波信号の位相の変位方向とが同じ方向になるので、位相の変位量が相対的なものとなり、長いスパンで位相の変化を測定することができる。
【0012】
本発明の測距方法は、レーダ装置の第1系統から第1周波数の送信波をターゲットに向けて放射し、同時に、前記レーダ装置の第2系統から前記第1周波数と異なる第2周波数の送信波を前記ターゲットに向けて放射する段階と、前記第1系統において前記ターゲットで反射した受信波と前記第1周波数との差周波数を持つ第1中間周波信号を出力するとともに、前記第2系統において前記ターゲットで反射した受信波と前記第2周波数との差周波数を持つ第2中間周波信号を出力する段階と、前記第1系統から出力された第1中間周波信号と前記第2系統から出力された第2中間周波信号との比較結果に基づいて、前記レーダ装置から前記ターゲットまでの距離を表すデータを出力する段階とを有する、レーダ装置を用いた測距方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、第1周波数の送信波をターゲットに向けて放射し、同時に、第2周波数の送信波をターゲットに向けて放射するとともに、ターゲットで反射した受信波と第1周波数との差周波数を持つ第1中間周波信号と、ターゲットで反射した受信波と第2周波数との差周波数を持つ第2中間周波信号とを出力し、この第1中間周波信号と第2中間周波信号との比較結果に基づいて、ターゲットまでの距離を表すデータを出力するようにしたので、高い分解能での測距が可能になるとともに、周波数可変型の高周波発振器や局部発振器、及び、これらの制御手段を用意する必要が無くなり、測距のための装置構成が簡略化されるという特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用した近距離レーダ装置の構成図。
【図2】近距離レーダ装置の送受信部の構成図。
【図3】3種類の中間周波信号の波形図。
【図4】中間周波信号と測距レンジとの関係を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態例を具体的に説明する。
図1は、本発明の近距離レーダ装置の構成例を示す図である。
この近距離レーダ装置は、互いに近接して配備された2系統の送受信部10,20と、各送受信部10,20から送られる中間周波信号V,Vに基づいてターゲット100までの距離Lと、ターゲット100の変位ΔLとを出力する処理部30を備えている。各送受信部10,20と処理部30とは、有線又は無線の信号線で接続される。
【0016】
図2を参照し、送受信部10は、発振器11、カプラ(方向性結合器)12、ミクサ13およびアンテナ14を備えている。送受信部20も同様に、発振器21、カプラ(方向性結合器)22、ミクサ23およびアンテナ24を備えている。
【0017】
発振器11は、周波数fのマイクロ波信号を送信波として出力する。発振器21は、周波数fのマイクロ波信号を送信波として出力する。
カプラ12,22は、伝送線路との結合によりその振幅が一定量減衰した送信波、すなわち自系統の送信波を取り出すとともに、アンテナ14,24で受信したマイクロ波信号である受信波、すなわち、自系統の送信波並びに他系統の送信波がターゲット100で反射して到達した受信波を取り出し(必要に応じて増幅し))、これらをミクサ13,23に出力する。
受信波の周波数は、周波数fの送信波がターゲット100で反射されたものであればfであり、周波数fの送信波がターゲット100で反射されたものであればfである。
【0018】
ミクサ13は、カプラ12から入力された送信波と受信波とを混合し、差周波数(Δf=|f−f|)の中間周波信号Vを出力する。他方、ミクサ23は、カプラ22から入力された送信波と受信波とを混合し、差周波数(Δf=|f−f|)の中間周波信号Vを出力する。
【0019】
送受信部10の送信アンテナ14から周波数fの送信波(=At1sin(ωt)=At1sin(2πft))、送受信部20のアンテナ24から周波数fの送信波(=At2sin(ωt)=At2sin(2πft))が、それぞれターゲット100に向けて同時に放射されたとすると、各送信波は、ターゲット100で反射され、アンテナ14及びアンテナ24の双方で受信される。
しかし、それぞれ自系統の受信波については送信波との周波数差が生じないので、中間周波信号は出力されない。そのため、ミクサ13から出力される中間周波信号V及びミクサ24から出力される中間周波信号Vは、それぞれ以下のようになる。
【0020】
=Ar1sin(ωt−2βL) ・・・(1)
=Ar2sin(ωt+2βL) ・・・(2)
(1),(2)式において、Ar1,Ar2は受信波の振幅、ωは角周波数差(=|2πf−2πf|)、βは2π/λ、βは2π/λ、λはc(光速)/f、λはc(光速)/fである。
【0021】
中間周波信号V,Vは、角周波数差ωが互いに等しいので、送受信部10と送受信部20の送信波の出力タイミングの同期がとれている間は、位相の比較が可能である。
便宜上、振幅Ar1,Ar2の差を無視できるとすると、中間周波信号VとVとの位相差は、下記式により求めることができる。
【0022】
2βL−2β
=2L(β1−β
=4π|f−f|・L/c
=4πL/λ ・・・(3)
但し、λは、マイクロ波信号の周波数fとfの差周波数の波長である。
(3)式は、ターゲット100までの距離Lの変位に対して、差周波数(Δf)の波長λが1/2動く毎に、2πだけシフトすることを表している。
【0023】
距離Lは、中間周波信号Vの位相φ(=−β・ΔL/π)と中間周波信号Vの位相(=β・ΔL/π)の符号を反転した位相φ1’(=−β・ΔL/π)とに基づき、下記式により算出することができる。
L=(|φ−φ1’|)/2|β−β| ・・・(4)
すなわち、中間周波信号V,Vの波長の1/2が測定可能な最大距離(フルスケール)となる。
【0024】
ターゲット100の変位ΔLは、中間周波信号VとVの位相差Δφ(=|φ−φ|)より、下記式で求めることができる。
ΔL=Δφ/4β ・・・(5)
但し、βは、(β+β)/2である。
すなわち、送信波の半波長合計値の1/4(λ+λの合計値の1/8)が測定可能な最大変位量(フルスケール)となる。
【0025】
そこで、本実施形態の近距離レーダ装置では、図1に示されるように、処理部30の位相演算処理部31において中間周波信号Vの位相(=β・ΔL/π)を反転させた中間周波信号V1’を求め、その結果を位相比較部32に出力する。
【0026】
位相比較部32には、中間周波信号V、Vが直接入力される。そのため、位相比較部32には、図3に示される3つの中間周波信号V、V、V1’が入力されることになる。ターゲット100が移動により変位したときは、中間周波信号V、V、V1’がそれぞれ破線の方向に変位するので、ターゲットの変位方向と変位量φ、φ、φ1’とを検出することができる。変位方向を表す情報と変位量φ、φ、φ1’は、距離/変位変換部33に出力される。
なお、位相の比較自体は、アナログ回路、デジタル処理回路のいずれによっても、公知技術を用いて容易に実現することができる。
【0027】
距離/変位変換部33は、位相比較部32から入力された情報に基づいて、距離Lと変位ΔLとを出力する。
例えば、各送受信部10,20の送信波のうち、fが24.15[GHz]、fが24.13[GHz]であり、これらが同時に放射されたとすると、送受信部10,20から出力される中間周波信号V、Vの周波数Δf(=|f−f|)は、20[MHz]となる。
Δfの波長λは15[m]であり、測定可能な距離Lの最大値は、λの1/2(2π=360度位相がシフトする最短長)であるから、距離/変位変換部33は、最大で7.5[m]の測距レンジで距離Lを出力する。
換言すれば、本実施形態の近距離レーダ装置で測定可能な距離Lの最大値を7.5[m]とする場合は、20[MHz]だけ2つのマイクロ波信号の周波数f,fを離しておけば良いということになる。Δfは、測距レンジをどこまでとするかにより、任意に定めることができる。
【0028】
変位ΔLについては、送信波(周波数:f.f)の波長合計値の1/8が、測定可能な変位ΔLの最大値となることは、上述したとおりである。従って、上記の周波数条件の場合、測定可能な変位ΔLの最大値は3.1[mm]となる。ターゲット100の移動に伴い、検出した位相φ、φ1’も同じ方向に変位するので、位相差は相対的なものとなり、図4に示すように、7.5[m]で1周期となるような、ロングスパンで位相差を検出することができる。
その結果、簡易な装置構成でありながら、移動するターゲット100の距離(L+ΔL)を、1[mm]以下の分解能で、精度良く測定することができる。
【0029】
このように、本実施形態の近距離レーダ装置では、2系統の送受信部10,20を設け、一方の送受信部10からは、周波数fの送信波をターゲット100に向けて放射するとともに、ターゲット100で反射した受信波と送信波(周波数f)との差周波数を持つ中間周波信号Vを出力するようにし、他方の送受信部20は、周波数fの送信波を送受信部10の送信波と同時にターゲット100に向けて放射するとともに、ターゲット100で反射した受信波と送信波(周波数f)との差周波数を持つ中間周波信号Vを出力するようにしたので、従来のこの種の近距離レーダ装置が備えていた、高価な周波数可変型の発振器や、周波数可変のための制御手段を備える必要が無くなる。
また、中間周波信号V,Vは、2つの送信波の周波数(f,f)の差周波数の信号であり、これらは、各送受信部10,20から固有の周波数の送信波を出力するだけで、ミクサ13,23から出力されるので、マイクロ波信号を中間周波数の信号に変換するための局部発振器やフィルタも不要となる。
これにより、装置構成を著しく簡略化することができる。
【0030】
また、このようにして得られた中間周波信号V,Vのうち、位相を表す成分は、送受信部10,20からターゲット100までの距離Lやその変位ΔLを表す情報を含んでいるので、中間周波信号V,V、例えば位相を比較することにより、ターゲット100が移動する場合であっても、移動によるターゲット100の変位を加味した高精度の測距が可能となる。
【0031】
特に、処理部30では、中間周波信号Vの位相(=β・ΔL/π)を極性反転し、これにより得られた位相φ1’(=−β・ΔL/π)と中間周波信号Vの位相φ(=−β・ΔL/π)との差分を求め、この差分に基づいて距離を表すデータを導出するようにしたので、1つの近距離レーダ装置でありながら、位相変化のスパンを長くすることができ、高い分解能での測距が可能となる。
【0032】
なお、本実施形態では、中間周波周波数V,Vの周波数を20[MHz]とするために、送信波の周波数として、fを24.15[GHz]、fを24.13[GHz]とした場合の例を示したが、fとfは、逆であっても良い。また、fを10.535[GHz]、fを10.515[GHz]としても良く、あるいは、他のバンド帯の周波数を使用するようにしても良い。
【0033】
また、本実施形態では、送受信部10,20がそれぞれ独自のアンテナ14,24を有するものとして説明したが、広帯域のアンテナを用いることにより、一つのアンテナを共用することができる。
【符号の説明】
【0034】
10,20・・・送受信部
11,21・・・発振器
12,22・・・カプラ
13,23・・・ミクサ
14,24・・・アンテナ
30・・・処理部
31・・・位相演算処理部
32・・・位相比較部
33・・・距離/変位変換部
100・・・ターゲット(ターゲット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1周波数の送信波をターゲットに向けて放射するとともに、前記ターゲットで反射した受信波と前記第1周波数との差周波数を持つ第1中間周波信号を出力する第1送受信手段と、
前記第1周波数と異なる第2周波数の送信波を前記第1周波数の送信波と同時に前記ターゲットに向けて放射するとともに、前記ターゲットで反射した受信波と前記第2周波数との差周波数を持つ第2中間周波信号を出力する第2送受信手段と、
前記第1中間周波信号と前記第2中間周波信号との比較結果に基づいて、前記第1送受信手段又は前記第2送受信手段から前記ターゲットまでの距離を表すデータを出力する測距手段と、を備えて成る、
近距離レーダ装置。
【請求項2】
前記第1送受信手段及び前記第2送受信手段は、それぞれ、自ら放射しその振幅が減衰された送信波と、当該送信波並びに他方の送受信手段により放射された送信波が前記ターゲットで反射して到達した受信波とを混合することにより、自ら放射した送信波と他方の送受信手段により放射された送信波との差周波数を持つ信号を前記第1中間周波信号又は前記第2中間周波信号として取り出すミクサを備える、
請求項1記載の近距離レーダ装置。
【請求項3】
前記ターゲットは移動する物体であり、
前記測距手段は、前記第1中間周波信号及び前記第2中間周波信号の位相を比較することにより、前記ターゲットの変位後の距離を表すデータを出力する、
請求項1又は2記載の近距離レーダ装置。
【請求項4】
前記測距手段は、前記第1中間周波信号の位相を前記第2中間周波信号の位相の変位方向と同じになるように変換した上で、前記第1中間周波信号の位相及び前記第2中間周波信号の位相の差分を求め、この差分に基づいて前記データを出力する、
請求項3記載の近距離レーダ装置。
【請求項5】
レーダ装置の第1系統から第1周波数の送信波をターゲットに向けて放射し、同時に、前記レーダ装置の第2系統から前記第1周波数と異なる第2周波数の送信波を前記ターゲットに向けて放射する段階と、
前記第1系統において前記ターゲットで反射した受信波と前記第1周波数との差周波数を持つ第1中間周波信号を出力するとともに、前記第2系統において前記ターゲットで反射した受信波と前記第2周波数との差周波数を持つ第2中間周波信号を出力する段階と、
前記第1系統から出力された第1中間周波信号と前記第2系統から出力された第2中間周波信号との比較結果に基づいて、前記レーダ装置から前記ターゲットまでの距離を表すデータを出力する段階とを有する、
レーダ装置を用いた測距方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−38836(P2011−38836A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184766(P2009−184766)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000006758)株式会社ヨコオ (158)
【Fターム(参考)】