説明

返却可能かつ再使用可能なバッグインドラム流体貯蔵および分配容器システム

【課題】保管、輸送および使用のためにコンパクトな構造を有するバッグインドラム流体容器と、かかるタイプの容器を利用する統合された流体供給システムを提供する。
【解決手段】液体の貯蔵および分配のためのバッグインドラム容器10であって、内部容積を有する実質的に剛性のオーバーパックと、前記内部容積に取り付けられ、液体を充填することができる、可撓性フィルム材料からなる3次元の閉鎖ライナ12とを備える容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の貯蔵および分配に有用な「バッグインドラム(bag−in−a−drum)」容器であって、その容器の保管、輸送および使用時の容積空間要件を最小化するようになされた容器に関する。特定の実施形態における容器設計は、外部ハウジングの費用効率のよい返却および再使用を可能にする着脱自在な蓋およびライナを含む。
【背景技術】
【0002】
半導体製造の分野において、かつ他の多くの産業用プロセスの応用において、流体容器はプロセス流体源として採用される。かかる流体容器は、最終使用施設から遠隔地で製造され充填される場合があり、使用場所までトラック、鉄道または航空運輸によって輸送される。
最終使用施設では、容器は、流体が利用されるプロセスシステムに導入されるまで在庫として貯蔵または保持される場合がある。流体使用プロセスシステムは、容器からシステムのプロセス装置に流体を選択的に分配するために容器が結合される流体流回路を備える場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
半導体製造において、かつ多数の他の流体の応用において、流体試薬の純度が高いことは必須である。かかる応用では、いかなる重大な流体汚染も、流体消費プロセスによって製造された製品をそれらの意図された目的に対し不完全または無用なものにすらする可能性がある。したがって、かかる製品を製造するプロセスシステムに流体を供給するために使用される容器は、プロセスにおいて汚染流出物の発生を防止する特徴を有していなければならない。特に、容器は、厳密に汚染されていない状態でなければならない。また、容器は、容器の流体に接触する部品から容器に貯蔵されている流体へ、「粒子発散」、気体放出および他の任意の形態で汚染がもたらされることを回避しなければならない。さらに、容器は、使用前の流体を、収納された流体の減成も分解もなしに純粋な状態で保持しなければならない。
【0004】
上述した流体消費製造作業の多くでは、流体容器の供給、輸送、保管および処分には、実質的な運営経費とともに、タンクファーム、流体容器貯蔵室等の提供における関連資本経費が必要である。本技術分野では、これらの資本および運営経費を最低限にする流体容器を提供するという関連する必要がある。
【0005】
テトラエチルオルソシリケート等の汎用化学製品のための化学製品専用のステンレス鋼容器の場合を除き、高純度容器は、通常、空の容器の返却輸送に関連する費用、使用済み容器を、純度要件を満たすレベルまで清掃する費用、および詰め替え可能な容器を化学製品に専用にするかまたは顧客専用にする必要に関連する運用上の困難により、詰め替え可能でも再使用可能でもない。したがって、高純度流体が消費される応用において、費用効率がよくかつ都合のよい方法で再使用可能な流体容器を提供することと、かかる容器を繰返し使用するために統合された供給システムを提供することと、は、本技術分野において重大な進歩となろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、保管、輸送および使用のためにコンパクトな構造を有するバッグインドラム流体貯蔵および分配容器と、かかるタイプの容器を利用する統合された流体供給システムと、に関する。
【0007】
一の態様では、本発明は、液体、たとえば高純度液体の貯蔵および分配のためのバッグインドラム容器に関する。容器は、内部容積を有する実質的に剛性なオーバーパックと、内部容積に取り付けられ液体を充填することができる可撓性フィルム材料からなる3次元の閉鎖ライナと、を備える。
【0008】
特定の実施形態では、本発明は、内部容積を有する実質的に剛性のオーバーパックと、内部容積に取り付けられ液体を充填することができる可撓性フィルム材料からなる3次元の閉鎖ライナと、を備え、高純度液体の貯蔵および分配のためのバッグインドラム容器に関する。オーバーパックは、対向して面する前壁および後壁と対向して面する側壁と床部材とを有する実質的に矩形の容部を備え、前壁、後壁および側壁は下方にテーパ加工されており、対応する容器の垂直に積み重ねられたアレイにおいて、容器の少なくとも実質的に剛性な容部を入れ子状に垂直に積み重ねることができるように、着脱自在にまたは他の方法で構成される上部を有する。1つのかかる実施形態では、容部は、実質的に矩形の平行六面体構造からなる。別のかかる実施形態では、容部は、入れ子状に重なるのを容易にするためにテーパ加工された側壁を有する円形である。いずれの実施形態でも、容部は、厚さが約0.005インチ〜約0.030インチの範囲であるバージン高分子フィルム材料から形成されたライナを有し、ライナは、液体が充填されるとヘッドスペースがゼロである構造を有する。ライナは、流体をライナに出し入れするための、ライナのコネクタとの結合を提供する少なくとも1つのポートと、ポートに結合されたキャップと、を有し、容部は、実質的に剛性の高分子材料から形成される。
【0009】
本発明のさらなる態様は、容器に入った液体をエンドユーザ市場に供給し、液体を消費した後の容器を再加工する方法に関する。この方法は、
(a)各々がオーバーパックと接液部品(すなわち、液体を収納し液体を出し入れするためのポートを有するライナならびにポートに結合されたキャップおよびディップチューブ)とを有する容器を製造するステップと、
(b)容器に液体を充填することにより液体充填容器を提供するステップと、
(c)エンドユーザ市場のエンドユーザに対し液体充填容器を輸送するステップであって、そこでエンドユーザが容器内の液体を使用して空の容器をもたらすステップと、
(d)空の容器の少なくともオーバーパックを再加工施設に輸送し、それを処理して空の容器のオーバーパックを含む再加工された容器を形成するステップと、
(e)再加工された容器を液体充填施設に輸送し、それに液体を充填することにより液体充填再加工容器を提供するステップと、
(f)ステップ(c)、(d)および(e)を順に繰り返すステップと、
を含む。
【0010】
かかる方法では、エンドユーザは、容器を空にした後に、接液部品(たとえば、ライナ)を取り除き、単に入れ子状に重ねられるオーバーパックを、再加工施設に輸送するために積み重なったアレイ状に積み重ねるだけでよい。別法として、空の容器を、エンドユーザが再加工施設に輸送してもよく、かかる施設において、接液部品(たとえば、ライナ)を取り除き、オーバーパックを清掃し検査した後、たとえば新たなライナを挿入し新たなまたは再利用されるキャップおよびディップチューブを取り付けることにより、再加工済み容器に再加工してもよい。
本発明の他の態様、特徴および実施形態は、次の開示および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による流体貯蔵および分配容器の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による3次元ライナの斜視図である。
【図3】容器の保管および輸送のための配置を画定する、入れ子状に重なり相互に連 結された関係での本発明による流体貯蔵および分配容器のアレイの正面図である。
【図4】入れ子状に重ねられたオーバーパックアレイの保管および輸送のための配置 を画定する、入れ子状に重ねられた関係での本発明による流体貯蔵および分配容器の オーバーパックのアレイの正面図である。
【図5】本発明の例示的な特定の態様による容器製造、使用、再加工化および再使用 システムの概略図である。
【図6】本発明による流体貯蔵および分配容器を使用する、統合された流体供給シス テムの一般化した概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本出願の出願日と同日に同時出願された以下の特許出願の開示は、引用によりその開示内容がすべて本明細書に組み込まれるものとする。すなわち、「超高純度液体における粒子の生成を最小化する装置および方法(APPARATUS AND METHOD FOR MINIMIZING THE GENERATION OF PARTICLES IN ULTRAPURE LIQUIDS)」と題する、ウエイン・ケリー(Wayne Kelly)およびデニス・チルコート(Dennis Chilcote)による2002年5月3日に出願された米国特許出願第10/139,185号明細書と、「電子情報記憶装置を備えた液体処理システム(LIQUID HANDLING SYSTEM WITH ELECTRONIC INFORMATION STORAGE)」と題する、ケヴィン T.オドウアティ(Kevin T. O’Dougherty)およびロバート E. アンドリュース(Robert E. Andrews)による米国特許出願第10/139,104号明細書と、である。
【0013】
一の態様における本発明は、容器の「バッグ」要素として液体を保持することができる可撓性で弾性のライナを備えたいわゆる「バッグインドラム」タイプの流体容器を提供する。ライナは、容器の「ドラム」要素を構成する略剛性ケーシングまたはハウジングに結合される。
【0014】
本発明の流体容器を、以下により完全に説明する特徴から選択された特徴を有するようにさまざまに製作することにより、本発明のさらなる態様として、同じく以下により完全に論ずる統合された供給システムにおいて再使用可能な流体貯蔵および分配物品を提供してもよい。
【0015】
図1は、本発明の一の実施形態による流体貯蔵および分配容器10の斜視図である。容器10は、略剛性のハウジング14に、液体、たとえば高純度液体(99.99重量%を超える純度を有する)を保持することができる可撓性で弾性のライナ12を有する。
【0016】
ライナ12は、3次元の頭部閉鎖ライナである。ライナの3次元の特徴は、通常、重ね合わされた平板材料片をそれらの重ね合わされた縁でヒートシールしてライナ構造を形成することによって形成される2次元ライナとは対照的に、管状素材から形成されることを意味する。管状素材、たとえばブロー管状高分子フィルム材料を使用することにより、ライナの側部に沿ったヒートシール溶接した合わせ目が現れない。そして、側部の溶接した合わせ目が無いことにより、ライナに応力を加える傾向がありしばしば2次元ライナの合わせ目の破損をもたらす力および圧力に、より耐えることができるライナが提供される。本発明の容器のライナは、有利には、頭部が閉鎖した特徴を有する。頭部閉鎖ライナは、ライナの頭部で首部が開口しまたはポートが開口して形成された頭部開口ライナとは対照的に、シールされまたは他の方法で閉鎖された頭部を有するライナである。
【0017】
本発明は、使い捨てで薄フィルムである3次元の頭部閉鎖ライナを使用する場合の技術の進歩を表す。操作時、ライナ12を使用毎に(たとえば、容器に収納された液体が使い尽くされた時に)取り除き、コンテナ10全体を再使用することができるように新たな事前に清掃されたライナと交換する。
【0018】
本発明の容器のライナの3次元の頭部が閉鎖した特徴は、ライナに対し顕著な耐久性を与える。たとえば、ライナの耐久性の適合性試験では、3次元の閉鎖ライナは70〜80時間の耐久性を示すが、対応する2次元の閉鎖ライナは、8〜20時間の有用な性能寿命を示す、と判断された。試験方法は、ランスモント(Lansmont)の可変周波数振動テーブル(Variable Frequency Vibration Table)を使用する道路輸送シミュレーション(Over the Road Shipment Simulation)を含み、それを、両方のタイプの液体が充填されたライナ容器(すなわち、一方の容器は3次元の閉鎖タイプの液体が充填されたライナを保持し、他方の容器は、2次元の頭部開口タイプの液体が充填されたライナを保持する)を用いて実施した。破損を、ライナの外側の液体漏れとして定義し、それぞれの容器のライナを、8時間置きに液体漏れがないか検査した。サンプルサイズは、3次元ライナと2次元ライナとに対し同じ(サンプルサイズ10)であった。3次元の頭部閉鎖液体ライナは、70時間より長く(通常約80時間)液体を収納し、2次元の頭部閉鎖ライナは、20時間より短く(通常約8時間)液体の中身を収納した。
【0019】
本発明の容器において3次元の頭部閉鎖ライナを使用することは、本発明の容器の重要な特徴である。今日まで、2次元の頭部閉鎖ライナかまたは3次元の頭部開口ライナしか製作されておらず、それらは、収納された液体の純度が重要ではない産業上の適用にしか利用できない。従来の2次元の頭部閉鎖ライナと3次元の頭部開口ライナとは、通常、フィルム製品のための標準プラスチック添加剤が完全に補充された高分子フィルム材料から作製されていた。かかる従来のプラスチック添加剤には、紫外線安定剤、可塑剤、抗酸化剤、充填剤、増量剤、顔料、発泡剤または鋳造剤等の処理剤がある。
【0020】
従来のライナが製作されていた材料であるフィルムにかかる多様な添加物を従来のように使用した結果、添加物がライナに収納された液体内に浸出するか、または分解されて、高分子フィルムにおいてより高い拡散率を有し表面に移動して可溶化するかまたは他の方法でライナ内の液体の汚染物質となる生成物になるため、フィルム要素は通常、汚染物質源をもたらしていた。
【0021】
その結果、従来の2次元の頭部閉鎖ライナと3次元の頭部開口ライナとは、たとえば構造の容器材料からの金属成分および抽出物に関し、液体試薬に対する高純度基準を有する半導体製造等の応用には適していない。
【0022】
これを、本発明の実施において、ライナを形成するために、上述したもの等のプラスチック添加物のないフィルム素材を利用することによって改善する。本発明は、ライナに対し、バージン(添加物のない)ポリエチレンフィルム、バージンポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムまたは他の適当な高分子材料等の実質的に純粋なフィルムを利用する。他の代替フィルム材料の例は、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリブチレン等である。
【0023】
目下、バージン高分子材料は、剛性容器、たとえばおよそ0.125インチ〜約0.25インチの壁厚さかまたはそれより厚さ寸法の大きいものに対してのみ利用されている。本発明のライナで利用するフィルムは、かかる厚さより薄い。たとえば、本発明の容器におけるライナを構成するフィルム材料の厚さは、有利には、約5ミル(0.005インチ)から約30ミル(0.030インチ)の範囲であり、たとえば20ミル(0.020インチ)の厚さである。
【0024】
3次元の頭部閉鎖ライナを適当な方法で形成してもよいが、好ましくは、容器の上端に、図1に示すようにポートまたはキャップ構造28に接合されてもよい、一体型充填開口が形成されたライナの管状ブロー成形を使用して製造する。このためライナは、流体のそれぞれの導入または排出を含む充填または分配操作のためにライナを適当なコネクタ手段に結合する開口を有してもよい。ライナポートに接合されたキャップは、手動で取外し可能であってもよく、ライナポートおよびキャップの特定の構造に関してさまざまに構成してもよい。また、キャップを、流体の導入または排出のためのディップチューブに任意の適当な結合方法で結合するように構成してもよい。
【0025】
このように、容器のライナ12は、3次元の密接嵌合形状を有し、同時押出しまたはバリア層を必要とすることなく処理可能である、バージンポリエチレン等の可撓性フィルム材料から形成される。フィルムは、顔料、UV抑制剤または処理剤、もしくは液体貯蔵および分配のために容器を使用している間にライナに収納される液体に対する純度要件に悪影響を与える他の成分を含まない。
【0026】
ライナ12は、図1に示すように、その上部に2つのポートを有する。ライナは、内部にライナ12を収納する下部容部16と上部積重ね・移動用把手部18とを含む、略矩形平行六面体形状である、実質的に剛性のハウジングまたはオーバーパック14内に配置される。積重ね・移動用把手部18は、図示するように、対向して面しているそれぞれ前壁20Aおよび後壁20Cと対向して面している側壁20Bおよび20Dとを有する。対向して面している側壁20Bおよび20Dは、それぞれの手動把手用開口22および24を有し、それにより、容器を使用する際に容器を手で把持し、物理的に持ち上げるかまたは別の方法で移動させることができる。
【0027】
略剛性ハウジング14の下部容部16を、垂直線に対して角度αにわずかにテーパ加工されているように示す。剛性ハウジング14は、(断面)形状が矩形(たとえば正方形)であってもまたは円形であってもよい。図1の図では、テーパ角度αを、テーパ加工された壁面の平面と上部積重ね・移動用把手部18の垂直壁面を含む(または容器の中心垂直軸に対して平行である)平面との間の角度として測定する。下部容部16の4つの壁のすべてを、下方にかつ内部へテーパ加工することにより、後により完全に説明するように、保管および輸送のための容器の積重ねが可能になる。
【0028】
略剛性ハウジング14はまた、図示するようにライナ12を収納しているハウジング1
4において内部空間の境界を画する、ハウジング14の壁に耐漏洩であるように接合され
るオーバーパック蓋26を有する。
【0029】
ライナは、キャップ28に結合され液体を分配するためにディップチューブ36を通して通路を提供するようになされた主上部ポートを含む、2つの剛性ポートを有する。ディップチューブ36は、ディップチューブ、分配ヘッド34、カプリング38および液体分配チューブ40を含む分配アセンブリの一部である。分配アセンブリはまた、カプリング42により分配ヘッド34に接合され、オーバーパック蓋26の内部容積ポート30に耐漏洩であるように結合可能な分配ヘッドの通路43と連通する、気体充填チューブ44を有する。それによって、ライナ12に収納された液体を、ライナから中空のディップチューブ36の内部通路を通り分配アセンブリを通って液体分配チューブ40まで移動させるように、分配操作においてライナ12に対し圧力を働かせるために気体が導入されるようにする。
【0030】
このように、ライナ12を、特徴として可撓しかつ折りたためるように十分な厚さのフィルム材料から形成する。1つの好ましい態様では、ライナは、定格充填容積、すなわちハウジング14内で完全に充填された場合にライナに収納することができる液体の容積の約10%以下まで圧縮可能である。このように、好ましいライナ材料は、交換部品として出荷中にライナを折り畳むかまたは圧縮することができるように十分に柔軟である。ライナは、好ましくは、粒子形成が、ライナに液体が収納された時に抑制され、半導体製造および他の高純度が不可欠な液体供給適用に対する純度要件に対応するのに十分低いレベルで維持される、構成および特徴を有する。
【0031】
半導体製造に応用する場合、半導体工業会(Semiconductor Industry Association)による「国際半導体技術ロードマップ(International Technology Roadmap for Semiconductors)」(SIA、ITRS)1999年版において示されている仕様に一貫して、容器のライナ12に収納される液体が有する粒子は、ライナを充填した時点で、直径が0.25ミクロンである粒子の場合、75粒子/ミリリットル未満でなければならず、ライナにおいて液体の全有機成分(total organic component)(TOC)は30ppb(parts per billion)未満でなければならず、カルシウム、コバルト、銅、クロム、鉄、モリブデン、マンガン、ナトリウム、ニッケルおよびタングステン等、重大な要素毎の金属抽出可能レベルは10ppt(parts per trillion)未満でなければならず、フッ化水素、過酸化水素および水酸化アンモニウムのライナ収納に対する要素毎の鉄および銅抽出可能レベルは150ppt未満でなければならない。
【0032】
ライナおよび容器を、3000マイル道路輸送でのライナ完全性の完全性評価に対応し、好ましい性能レベルが100,000ライナパッケージに対して2以下の破損であるように製作すべきである。
【0033】
図1の容器のライナ12は、任意の特徴として液状の中身の非侵入性の磁気攪拌を容易にするために、図示するように内部空間に金属パレット45を収納する。磁気攪拌パレット45は、研究室での作業で使用されるような従来のタイプのものであってもよく、適当な磁界を与えるテーブルとともに利用してもよく、それにより、容器を、ライナに液体を充填してテーブル上に載置した場合、液体を均質でありかつ沈殿に対し耐性があるようにするように攪拌することができる。さらに、かかる磁気攪拌機能を使用して、液状の中身の沈殿または相分離を促進する条件下で液体の遷移に続き液体の成分を可溶化してもよい。攪拌要素がかかる方法で遠隔に作動可能であることは、内部の密封されたライナへの侵入性の混合手段の導入が不要である、という利点を有する。
【0034】
引用によりその開示内容がすべて本明細書に包含されたものとする、「超高純度液体における粒子の生成を最小化する装置および方法(APPARATUS AND METHOD FOR MINIMIZING THE GENERATION OF PARTICLES IN ULTRAPURE LIQUIDS)」と題する、ウエイン・ケリー(Wayne Kelly)およびデニス・チルコート(Dennis Chilcote)による上述した米国特許出願第10/139,185号明細書においてより完全に開示されているように、ライナ12を、液体が充填されるとライナの内部容積においてヘッドスペースがゼロであるように、適当に構成する。
【0035】
かかる同時係属出願に述べられており後により完全に例示するように、ライナ内の気体/液体(たとえば、空気/液体)界面を無くすことにより、粒子生成は非常に低いレベルまで予想以上に抑制される。さらに、かかるヘッドスペースがゼロであるライナ構造および機能により、ライナ内部容積を液体で完全に充填することができ、それにより、ライナおよび関連する容器の容量が最大化される。
【0036】
このように、ライナ12に液体が充填されると、ライナの内部容積において気体/液体界面がない可能性が高い。上述した同時係属出願第10/139,185号明細書においてより完全に述べられているように、ライナが2つのポートを有するように製作されるように、ハウジング14のデッキ26のポート30がライナ上の剛性ポートと結合可能であってもよく、または別法として、ライナを、単一ポート構成を使用して通気可能であるように製作してもよい、ということが理解されよう。
【0037】
ハウジング14のデッキ26を、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルおよびポリブチレン等、ハウジングの残りの構造成分と同じ略剛性材料から形成してもよい。
【0038】
容器10のさらに任意の変更態様として、引用をもって開示内容がすべて本明細書内に包含されたものとする、「電子情報記憶デバイスを備えた液体処理システム(LIQUID HANDLING SYSTEM WITH ELECTRONIC INFORMATION STORAGE)」と題する、ケヴィン T.オドウアティ(Kevin T. O’Dougherty)およびロバート E. アンドリュース(Rovert E. Andrews)による上述した米国特許出願第10/139,104号明細書においてより完全に述べられているように、収納された液体および/またはその意図された使用に関する情報を提供する目的で、ライナに無線周波数識別タグ32を設けてもよい。無線周波数識別タグを、無線周波数トランスポンダおよび受信機を介してユーザまたは技術者に情報を提供するように構成してもよく、それによりユーザまたは技術者は、容器内の液体の状態、その識別、供給源、生成されてからの時間、意図された使用場所およびプロセス等を確かめることができる。無線周波数識別デバイスの代わりに、ハンドヘルドスキャナ、受信機手段を備えたコンピュータ等、遠隔検知手段によって読取可能かつ/または送信可能な他の情報記憶手段を採用してもよい。
【0039】
図1の容器において、ライナ12は、ハウジング14の支持剛性外板の内部の膨張可能なブラダとしての役割を果たす。膨張可能なブラダのようなライナは、温度変化により膨張する液体の能力を維持しながら、空気/液体界面を無くす。従来の剛性壁パッケージでは、温度の上昇による液体の膨張を考慮して、ヘッドスペースに空気がなければならない。このように、本発明の容器は、空気/液体接触がないことを含む、本技術分野における顕著な進歩を達成することにより、半導体製造ツールまたはプロセス作業に対して分配される液体が粒子を含む場合、半導体製造作業に対し有害な影響を与える粒子形成および粒子の凝集が防止され、または少なくとも最少化される。
【0040】
図1に示す容器10を用いる分配操作では、空気または他の気体(窒素、アルゴン等)をチューブ44内にかつ蓋26のポート30を通して導入し、それによりライナの外面に圧力が加わり、ライナが液体と接触して液体をディップチューブ36および分配アセンブリを通して液体分配チューブ40に移動させることができる。
【0041】
相応じて、空気をハウジング14の内部容積からポート30を通して排出することができ、それにより、空気は充填操作中分配ヘッド34の通路43を通ってチューブ44まで流れ、ライナがその液体充填中に膨張するにしたがって排出されるようになる。
【0042】
ハウジング14の下部16は、テーパ加工された壁を有してもよく、そのテーパ角度αは、後により完全に説明する図3に示すように、容器を複数の容器アレイに積重ねることを可能にする一方で、ハウジングの略平行六面体形状を維持するために十分な、15°未満、たとえば約2°と12°との間の角度である。
【0043】
図2は、本発明の一の実施形態による3次元の頭部閉鎖ライナ60の斜視図である。ライナ60は、ポリエチレンフィルム等のブロー管状フィルム材料から形成された主バッグ本体62を有する。主バッグ本体62は、その上端において、頭部部材64に耐漏洩であるように接合されることにより、ライナのバッグ構造を提供する。頭部部材64は、内部にキャップまたはクロージャ部材が配置されていてもよい、図示する実施形態では中央ポート開口66と、ライナがオーバーパックに取り付けられ液体分配操作のために配置された時にライナから液体を分配するためのディップチューブと、を有する。
【0044】
ここで図3を参照すると、積み重ねられ入れ子状に重ねられた容器102、104、106、108、110および112のアレイ100が示されており、そこでは、図3の左側部分に示すそれぞれのスタック102、106および110と、図の右側部分に示す容器104、108および112の垂直なスタックと、が垂直に入れ子状に重ねられており、重なっている各容器の下部テーパ付きハウジング部分が、次に隣接する下にある容器の上部空洞内に載置されている。さらに、それぞれの容器の上部には、横方向に隣接する容器106および108と横方向に隣接する容器110および112とに関して示すように、接続されたカプリング122を形成するように互いに分離可能に接続可能である相互連結可能なコネクタ120が備えられている。かかる方法では、複数の容器を横方向に互いに連結することにより横方向に延在する容器のアレイを構成することができる。
【0045】
本発明の容器のハウジング14の矩形平行六面体構造により、容器の垂直な積重ねとともに横方向に延在する列における容器の横方向の当接が可能になり、それにより、容器が、流体容器の保持に割り当てられた保管容積を極めて効率的に使用することができる。たとえば、従来の200リットルドラムに割り当てられた空間制約に、平行六面体構造と液体の300リットルの定格容量とを有する本発明による容器を配置することができる。
【0046】
言い換えれば、本発明の容器に関連する幾何学的形状因子により、所与の容積の保管/輸送設備の液体容量を50%増大させることができる。これにより、半導体製造設備における液体試薬保管空間を縮小することができ、それにより、相応じて、保管室、タンクルームまたは他の容器貯蔵所に関連する資本投資および運用費用(たとえば、光熱費)が低減する。
【0047】
別法として、同じサイズの特別な容積を流体容器に割り当てる場合、容器に入った総液体在庫に関し実質的により多くの容積が使用可能であり、それにより必要な容器の数に関する在庫の入れ替えの頻度が低減し、所与のサイズのトラックまたは船舶コンテナに対する容器の出荷の頻度が低減し、垂直に入れ子状に重ねることができるために、従来のドラムに関して容器の比較的高さのあるスタックを利用しやすくなる。
【0048】
図3に示すように他の同様の容器と垂直に積み重ねる場合、スタックの高さは、垂直スタックにおける個々の容器の高さの合計より低い。一実施形態では、容器のデッキまたは蓋を取り除いてもよく、容器の容部を互いに垂直に積み重ね入れ子状に重ねることにより、比較的低い高さ、たとえば垂直に積み重ねられたアレイにおける個々の容器の高さの合計より実質的に低い高さの垂直に積み重ねられたアレイを形成することができる。
【0049】
図3に示すアレイの容器を、上方の列の容器の下端がそれと垂直に位置合せされた次に下の容器のキャップ/デッキ構造上に載置されるように配置する、ということが理解されよう。デッキ(図1参照)を、オーバーパック内部構造の溝穴に嵌合するように、またはオーバーパックの上部の内面の保持突起または移動止め要素に係合するように構成してもよく、それにより、デッキがライナの頭部(図2参照)の上に重なり、それに近接する。
【0050】
別法として、図3に示すタイプの容器を、使用時に液体を空にした後に、デッキ部材をライナおよび他の接液部品とともに取り除いて、配置してもよく、それにより容器は互いに密接に入れ子状に重なることができる。
【0051】
本発明の広い実施における流体貯蔵および分配容器は、有利には、図1に示すように、オーバーパックの矩形または立方形状のために平行六面体構造を有するが、オーバーパックのサイズ、形状および構造は、任意の適当なタイプであってもよい。
【0052】
たとえば、図4は、入れ子状に重ねられたオーバーパックアレイの保管および輸送のための配置を画定する、入れ子状に重ねられた関係での、本発明による流体貯蔵および分配容器のオーバーパック162、164、166、168、170および172のアレイ160の正面図である。図示するオーバーパックは、略円柱形状を有し、関連するオーバーパックの垂直軸に対して直角の円形断面を有する。図4に示すオーバーパックは、上端に略円柱状のカラー部を有し、本体が下方にかつ内部方向にテーパ加工されている。かかる構成により、オーバーパックを、図示するもの等のアレイ状に垂直に積み重ねることができ、それによりライナと他の接液部品を使用してオーバーパックから取り除いた後の再加工設備への出荷が容易になる。
【0053】
図5は、本発明のさらなる態様による容器の製造、使用、再製品化および再使用システムの概略図である。
【0054】
図5に示すように、図1に示す一般的なタイプであってもよい本発明による容器は、ライナ、ディップチューブおよびキャップを含む、容器の接液部品すべてを製作する集中製造施設製造200で製造される。かかる部品は、略剛性ハウジング(オーバーパック)と組み立てられて容器を構成する。初めから製造された容器は、製造施設から、各容器のライナに必要な薬液を充填する化学製品供給業者208に送られる。そして、完成した液体容器は、たとえばラック210または別法として鉄道、航空機または船舶によりエンドユーザ212に出荷される。エンドユーザは、任意の適当な種類であってもよく、たとえば、施設において、液体容器が、半導体製造プロセスにおいて分配された液体を使用するために半導体製造ツールに結合された流路に接合される、半導体デバイス製造業者であってもよい。
【0055】
最終用途作業の特定の特徴に係らず、エンドユーザは、その作業において容器を使用して液体を選択的に分配する。液体は、徐々にかつ最終的に完全に容器から分配され、ライナ容器は空になる。そして、エンドユーザは、処分のためにライナを取り除き返却発送のためにオーバーパックを入れ子状に重ねるために、容器からオーバーパック蓋を取り除いてもよい。オーバーパックを入れ子状に重ねることにより運送費を最低限にする。そして、エンドユーザは、分解され(以前は組み立てられていた容器からオーバーパックを別個の要素とするように分解され)入れ子状に重ねられた容器の集配を調整する地域プラットフォームオペレータ204に連絡する。
【0056】
そして、地域プラットフォームオペレータは、すべての接液部品を交換し蓋をオーバーパックに再び取り付けることにより再加工された容器を製作することにより、使用済み容器を再生する。特に、ハウジング14(図1参照)に対し、たとえば洗浄および漏れ試験作業を含む、清掃および検査を行い、接液部品を交換することにより再加工された容器を完成する。接液部品は、新しくてもよく、または別法として再利用された部品であってもよい。
【0057】
そして、地域プラットフォームオペレータ204は、再加工された容器をトラック206または他の輸送方法(たとえば、鉄道車両、航空貨物または海上積替え)により、作業のサイクルを再び開始するために再加工された容器に液体を充填する化学製品供給業者208に出荷する。
【0058】
容器の接液部品(たとえば、ライナ、ディップチューブおよびキャップ)に関し、それらを、容器の製作/充填/使用/再加工サイクルの特性に応じて、さまざまな方法のうちの任意のものにより処理してもよい。たとえば、接液部品を、エンドユーザが容器アセンブリから取り除き処分するかまたは再利用する、使い捨て部品(生物分解性または再利用可能な高分子フィルム材料から形成)として製作してもよい。エンドユーザは、ライナ部品、キャップおよびディップチューブ等を収集し、地域プラットフォームオペレータに対し、空の容器から得られる入れ子状に重ねられたオーバーパックの集配時に、その地域プラットフォームオペレータがさらに処理し、使用しまたは廃棄するために提供する。
【0059】
別法として、エンドユーザは単に、空の容器をその組み立てられた形態で地域プラットフォームオペレータに供給してもよく、それにより地域プラットフォームオペレータが、容器を分解し、容器を再加工する際に再使用するためにオーバーパックと容器のあり得る他の部品とを清掃してもよい。このように、ライナ、ディップチューブおよびキャップを、エンドユーザが、または別法として地域プラットフォトームオペレータが、またはエンドユーザの施設から地域プラットフォームオペレータの施設まで容器を輸送する運送者が、空の容器から取り除くことができる。ライナを、本発明の所与の適用において必要または要望に応じて、焼却し(または他の方法で処分し)または再利用してもよい。容器のディップチューブおよびキャップも同様に、処分または再利用してもよいが、好ましい実施では再利用する。
【0060】
したがって、本発明は、容器に入った液体をエンドユーザ市場に供給し容器から液体が
消費された後に容器を再加工する方法であって、
(a)各々がオーバーパックと接液部品(すなわち、液体を収納し液体を出し入れするためのポートを有するライナならびにポートに結合されたキャップおよびディップチューブ)とを有する容器を製造するステップと、
(b)容器に液体を充填することにより液体充填容器を提供するステップと、
(c)エンドユーザ市場のエンドユーザに対し液体充填容器を輸送するステップであって、そこでエンドユーザが容器内の液体を使用して空の容器をもたらすステップと、
(d)空の容器の少なくともオーバーパックを再加工施設に輸送し、それを処理して空の容器のオーバーパックを含む再加工された容器を形成するステップと、
(e)再加工された容器を液体充填施設に輸送し、それに液体を充填することにより液体充填再加工容器を提供するステップと、
(f)ステップ(c)、(d)および(e)を順に繰り返すステップと、
を含む方法を企図する。
【0061】
再利用される接液部品は、容器のキャップおよびディップチューブであって、再加工された容器は新たな使い捨てライナを使用してもよく、あるいは、別法として、再利用される接液部品は3つの部品すべて(ライナ、キャップおよびディップチューブ)であってもよい。
【0062】
容器に入った液体をエンドユーザ市場に供給し収納された液体を消費した後に容器を再加工するこの方法において、液体充填施設と再加工施設とは、単体事業所企業の統合された作業であってもよく、あるいは、地理的に離れた作業であってもよい。容器に供給される液体の最終用途は、半導体製造であってもまたは他のプロセス適用であってもよい。半導体製造作業の場合、容器でエンドユーザに供給される液体は、たとえば酸剤、溶剤、基剤、フォトレジスト、ドーパント、有機金属試薬、シリコン原料化合物および化学機械平坦化(chemical mechanical planarization)(CMP)用組成物等の半導体製造試薬を含む多種多様なタイプのものであってもよい。
【0063】
容器ハウジングを再使用し再加工し容器のディップチューブ、キャップおよび任意にライナを再利用する図5に示す方法により、化学試薬に対する使い捨てのものの数が低減することに関する環境上の利益と、エンドユーザに地理的に近接して局所的な容器再製品化作業が可能になることにより局所的なまたは地域的作業が経済的に容易になるということと、に加えて、化学試薬のコストにおける実質的な利益が得られる。
【0064】
図6は、本発明による流体貯蔵および分配容器を使用する統合された流体供給システム300の一般化した概略フローチャートである。
【0065】
図6のフローチャートでは、容器製造施設302は、容器を製造する。この施設は、相手先ブランド製造施設であってもよく、あるいは異なる供給業者から調達されるオーバーパック、ライナ、キャップ、ディップチューブ、デッキ部材等を組み立てて完成した容器にする組立工場であってもよい。いずれの場合も、完成した容器はその後充填施設304に(概略的に矢印306で示す輸送手段により)輸送される。
【0066】
充填施設304では、容器に、容器の使用時に分配される流体または他の材料が充填される。流体は、たとえば、産業プロセス適用に対する液体化学試薬であってもよい。充填施設304を、図6に点線で表すように単一の容器製造および充填施設308で容器製造施設302と合併してもよい。かかる合併された施設308では、輸送手段306は、容器製造施設302と充填施設304とが互いに地理的に近接していない場合に使用されるような鉄道、航空機、トラック輸送、船舶または他の長距離輸送手段ではなく、コンベヤベルト、フォークリフト、組立ラインケーブル、手で移動可能なビン、手押し台車または他の局所的な輸送手段を含んでもよい。
【0067】
容器は、充填施設304において充填されると、矢印310によって概略的に示される輸送手段(それら手段は、本明細書で上述した輸送船舶または車両を含んでもよい)によってエンドユーザ312に輸送される。エンドユーザは、ライナ内に液体を保持する容器が液体のための供給容器として利用され、そこから液体がその最終的な用途のために選択的に分配される、産業プロセス、製造プロセス施設もしくは他の現場または適用を含んでもよい。
【0068】
エンドユーザ312は、その液体在庫の容器を空にした後、その空の容器を、図6において矢印314により概略的に表す輸送手段により、容器が分解される分解場所316に輸送してもよい。そして、ライナを容器のオーバーパックから取り除いて破棄し、複数の空にされ分解された容器からのオーバーパック構造を輸送のために積み重ねてもよい。積み重ねられたオーバーパックは、図6において矢印318によって概略的に表す輸送手段により再加工施設322に輸送される。
【0069】
別法として、エンドユーザ312は、分解場所316で容器を分解する代わりに、図6において矢印320によって概略的に表す輸送手段により再加工施設322に、空であるがまだ組み立てられている容器を輸送してもよい。さらなる代替態様として、容器を部分的にのみ分解した後、再加工施設322に出荷かもしくは他の方法で輸送してもよい。
【0070】
したがって、再加工施設322は、再加工処理のために少なくとも部分的な容器を受け取ってもよく、そこで、オーバーパックを清掃し、検査し、その後接液可能部品とともに、新たに使用するために適した再製品化された部品に構成する。再加工施設322を、容器のための再加工施設、および先に使用された容器の接液可能部品のための処分または再生施設として構成してもよい。このため、上述したように、使用済み容器のライナを焼却または他の方法で廃棄してもよく、あるいは、ライナを清掃した後に新たなライナのブロー成形のために再利用ストックとして使用してもよい。ディップチューブおよびキャップを清掃し殺菌し、その後に、再加工プロセスに導入して再加工された容器を形成してもよい。
【0071】
いずれの場合も、その後、最終的に再加工された容器を図6において矢印326によって概略的に表す輸送手段により、容器に貯蔵され容器から分配される新しい流体を容器のライナに充填するために充填施設304に輸送してもよい。
【0072】
別法として、再加工施設がまた、たとえば再加工工場に液体充填ステーションとして流体充填機能を組み込んでいる場合、再加工された容器を、図6において矢印324により概略的に表す輸送手段により直接エンドユーザ312に輸送してもよい。
【0073】
したがって、本発明の容器が、たとえば規模の経済を達成し半導体製造用薬液等の材料の環境的影響を最小限にするために、製造業者、材料供給業者、材料ユーザ、荷送業者および再生施設を統合された方法で連結するようにさまざまに実施することができる分配および再生ネットワークの一部として、容器の製造、充填、使用および再加工を容易に可能とする形態である、ということが理解されよう。
【0074】
また、図1に例示的に示す容器を、構造的特徴、部品かつ充填し分配する手段および方法に関してさまざまに変更してもよい、ということも理解されよう。たとえば、超小型電子読出し・書込み要素等の無線周波数識別タグ32の代わりに、他のタイプの超小型回路、たとえば「スマートチップ」をライナではなくハウジング14に埋め込んでもよく、あるいは、ライナまたはハウジングの表面に配置してもよい。たとえば、チップまたは超小型電子タグを、液体レベル、温度等を監視するためにライナの上に重なるデッキ26に配設するまたは埋設してもよく、もしくはかかるチップまたはタグを、側壁のうちの1つまたは別法としてハウジング14の床に配設するまたは埋設してもよい。
【0075】
容器を、フック・アンド・ループ式ファスナ、メカニカルファスナ、ベルトまたはラッピング構造等の任意の適当な相互接続手段によって互いに横方向に連結してもよい。さらに、ハウジングの上部に、ハウジングの床の底面の対応する連結構造と相補的に嵌合可能なキャップまたはデッキ上のロッキング構造を設けてもよい。かかる目的で、かかる相互接続を可能にするように、床を凹状に成形しまたは他の方法で形成してもよく、それにより、容器の垂直に積み重ねられたアレイが、非常に高い高さまで積み重ねられた場合であっても堅くされ構造的に安定にされる。
【0076】
別の実施形態では、入れ子状の重なりが、上に重なる容器のテーパ加工された部分の下にある容器の内部容積への実質的な挿入に適応するように、ハウジング14の上部は取外し可能なデッキまたは蓋26を有してもよく、それにより積み重ねられたアレイに対し追加の安定処理が不要であり、または構成要素であるハウジングユニットの深く入れ子状に重ねられた特徴により、複数のハウジングスタックを単一体として出荷または保管のために固定することができる。容器ハウジングを入れ子状に重ねることにより、空の容器の返却運送費が比例して低減される。
【0077】
本発明の容器は、特に容器のヘッドスペースがゼロである構成が採用される場合、化学機械平坦化(CMP)のための組成物の貯蔵および分配に対して特に有益である。CMP用組成物は組成物における空気の存在および空気の同伴/可溶化により悪影響を受ける。それは、組成物のスラリーまたは懸濁液から粒子の顕著な程度の凝集をもたらし、超小型電子デバイス構造の有効な研磨および平坦化のための組成物の有用性に悪影響を与える。容器のヘッドスペースがゼロである構造を使用することにより、空気/液体界面が相応じて除去され、粒子形成を促進する際の空気の悪影響が回避される。
【0078】
本発明の特徴および利点を、本発明の特徴および範囲に関して限定するように解釈されるべきではなく、単に本発明の広い実施において有用な特定の好ましい態様を例示することが意図されている、以下の実施例に関してより完全に示す。
【実施例1】
【0079】
実施例1
ライナの内部容積におけるヘッドスペースを変更して、図1を参照して概略的に図示し説明したタイプのバッグインドラム容器における液体の挙動をシミュレートするために、オキサイド・スラリー(Oxide Slurry)OS−70KL材料(コネチカット州ダンバリーのATMIマテリアルズ・ライフサイクル・ソリューションズ(ATMI Materials Lifecycle Solutions(Danbury,CT)))の同じロットから、OS−70KL材料を含むいくつかの異なるサンプルバイアルを製作した。
【0080】
サンプルバイアルを、以下の異なるヘッドスペースレベルで製作した。すなわち、0%、2%、5%および10%である。サンプルバイアルの各々を、1分間手で強く振り、その後バイアル内の液体を、後に広い粒子分布にアルゴリズム的に「ビン化する(bin)」ことができる粒子サイズレンジにおいて粒子カウントを取得する、カリフォルニア州サンタバーバラのサイテック・インク(Sci−Tec(Santa Barbara,CA))から市販されているサイズレンジパーティクルカウンタであるアキュサイザー780単一粒子光学検知器(Accusizer 780 Single Particle Optical Sizer)で分析した。
【0081】
この実験で取得されたデータを下の表1に示す。0%、2%、5%および10%のヘッドスペース容積(ヘッドスペース空隙容積を構成する液体の上の空気容積によって占有される総内部容積の割合として表す)のさまざまなヘッドスペース率の値での、粒子サイズ0.57μm、0.98μm、1.98μmおよび9.99μmの各々に対する粒子カウントを示す。
【0082】
【表1】

【0083】
粒子サイズ分析器により、ミリリットルあたりの粒子を単位としてマイクロメートル(μm)での特定の粒子サイズより大きい大型粒子のカウントに関するデータが提示された。半導体ウェハ上に超小型デバイスを製造するためにかかる粒子濃度を含む試薬を採用する場合に、粒子カウントデータを確定することにより、粒子カウントの大きさとウェハ欠陥との直接の相関が提供された。
【0084】
実験装置を振った直後に取られたデータは、特に0.98μm以上の粒子に対し、ヘッドスペース値が増大するに従いより大きい粒子カウントに向う何らかの傾向を示す。24時間後に取られたデータは、より高い粒子分布に向う同様の傾向を示す。
【0085】
データは、バイアル内のヘッドスペースが増大するに従い大型の粒子の凝集が増大したことを示しており、それは、半導体製造適用において有害であり、集積回路を破壊するかまたはウェハ上に形成されたデバイスをそれらの意図された目的に対して著しく不十分なものにする可能性がある。
【0086】
図1を参照して図示し説明したタイプのバッグインドラム容器に適用すると、この実施例の結果は、好ましいヘッドスペースがゼロである構成の値を示す。高純度液体を保持する容器においてヘッドスペースが著しい場合、収納された液体の対応する移動、たとえば跳ねをもたらす、容器の輸送にありがちなその容器の移動とあいまって、望ましくない粒子濃縮がもたらされる。したがって、収納された液体における粒子の形成を最小限にするために、ヘッドスペースを、可能な限りゼロのヘッドスペース状態に近づくように相応じて最小化しなければならない。
【0087】
好ましい例示的な実施形態では、本発明の容器は、顔料、UV抑制剤もしくは他の処理剤または添加剤を含まないバージンポリエチレンからブロー成形され、そのバージンポリエチレンのフィルム厚さが0.018〜0.025インチ厚さの範囲である、3次元の密接嵌合形状の300リットル液体容量ライナを備えてもよい。ライナは、上部に2つの剛性ポートを有する。ポートは、ライナをオーバーパック蓋にロックし、ディップチューブを保持し、液体を分配するために容器に結合される分配コネクタと係合するように構成される。ライナは、1つまたは2つのポート開口を有してもよい。
【0088】
ライナは、図3に関して上述したように、先の使用の後に容器を再製品化するための交換ユニットとして出荷するためにライナを折り曲げまたは圧縮することができる、その定格充填容積の10%まで圧縮可能である、柔軟な特徴を有する。ライナは、ライナに液体を充填した後にヘッドスペースを除去するように、設計され構成される。
【0089】
かかる好ましい実施形態における容器の外側の実質的に剛性なハウジングすなわちオーバーパックは、最大寸法として、高さが39インチ(990mm)であり幅が23.25インチ(590mm)である。オーバーパックは、頭部が開口した設計であり、ポリエチレンから形成され、1つまたは2つのポートを含むことが可能なカスタム蓋を有する。オーバーパックの最小壁厚さは、0.197インチ(5mm)である。オーバーパックドラム本体は、オーバーパックの上部を無くして入れ子状に重ねることが可能であり、2つの入れ子状に重ねられていないユニットの高さと等価である10ユニットの高さまで垂直に積み重ねることができる。容器は、充填後には3ユニットの高さまで積重ね可能である。容器は、任意に、上部出縁に排水穴がある場合に容器の操作中に出縁が外れる可能性を無くすように、一体化した出縁設計を採用してもよい。
【0090】
容器クロージャ要素は、2インチ直径のキャップであり、不正開封防止機能付きの特徴を提供し容器の溶接密閉プラグの汚染を防止する保護オーバーキャップを有する。クロージャは任意に穴が開けられかつ貫通されてなくてもよく、容器の中身を閉鎖するために容器上の一体型クイックコネクト部材を利用してもよい。
【0091】
容器のディップチューブを、ポリエチレンまたはPTFEから形成する。容器のオーバーパックまたは蓋に、再使用可能な読出し/書込みチップを組み込む。この読出し/書込機能を使用して、オーバーパック化学製品タイプ、充填サイクルの数、化学充填剤およびエンドユーザを追跡し識別し、容器の状態、現場のユニットの総数および状態レベル(たとえば、受け取られた、分解された、清掃されたおよび再製品化された)による利用可能なユニットの数による監視システムの自動更新等の在庫管理機能を提供する。
【0092】
充填および分配のために容器を連結するために使用するコネクタは、特徴として貫通してもまたは貫通しなくてもよく、クイックコネクト結合を利用してもよく、特定の充填コネクタなしに無関係の材料が容器内に導入されるのを防止するために容器に一体型遮断構成を利用してもよい。コネクタを、充填または分配コネクタとの適切な結合を確実にするためにキーコードでコード化してもよい。
【0093】
本発明を、本明細書において例示的な実施形態および特徴に関してさまざまに開示したが、上述した実施形態および特徴は本発明を限定するようには意図されておらず、当業者には、他の変形態様、変更態様および他の実施形態が思いつくであろう、ということが理解されよう。したがって、本発明は、以下に示す特許請求の範囲に一貫して広く解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の貯蔵および分配のためのバッグインドラム容器であって、
内部容積を有する実質的に剛性のオーバーパックと、前記内部容積に取り付けられ、液体を充填することができる、可撓性フィルム材料からなる3次元の閉鎖ライナと、を備える容器。
【請求項2】
前記オーバーパックは、実質的に矩形の平行六面体構造を有する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記オーバーパックは、前記実質的に矩形の平行六面体構造を画定する壁と床とを備える、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記ライナは、該ライナに収納される液体に汚染物質を導入する可能性のある添加物を含まない高分子フィルム材料から形成される、請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記高分子フィルム材料は、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルおよびポリブチレンからなる群から選択される、請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記高分子フィルム材料は、添加物を含まない、請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記高分子フィルム材料は、ポリエチレンフィルム材料を含む請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記ライナは、液体が充填されるとヘッドスペースがゼロの構造を有する、請求項4に記載の容器。
【請求項9】
前記ライナの厚さが、約0.125インチ未満である、請求項4に記載の容器。
【請求項10】
前記ライナの厚さが、約0.005インチ〜約0.030インチの範囲である、請求項4に記載の容器。
【請求項11】
前記ライナは、前記オーバーパックから取外し可能であり、前記オーバーパックは、複数の容器を含む垂直に積み重ねられたアレイを形成するように他の同様の容器と垂直に積み重ね可能であり、前記垂直に積み重ねられたアレイの高さが、該アレイの個々の容器の高さの合計より低い、請求項1に記載の容器。
【請求項12】
前記オーバーパックは、対応する容器の連結部材と嵌合係合可能である連結部材を有し、それにより複数の容器が互いに横方向に連結されて、横方向に延在する容器のアレイを構成することができる、請求項11に記載の容器。
【請求項13】
前記ライナに流体をさらに含む、請求項4に記載の容器。
【請求項14】
前記ライナは、ヘッドスペースがゼロの構造を有する、請求項13に記載の容器。
【請求項15】
前記液体は、半導体製造用の試薬を含む、請求項14に記載の容器。
【請求項16】
前記液体は、化学機械平坦化用組成物を含む、請求項15に記載の容器。
【請求項17】
前記ライナは、さらに攪拌要素を含む、請求項15に記載の容器。
【請求項18】
前記攪拌要素は、当該容器の外部で遠隔に作動可能である、請求項17に記載の容器。
【請求項19】
前記攪拌要素は、磁気攪拌要素を含む、請求項18に記載の容器。
【請求項20】
前記オーバーパックは、対向して面する前壁および後壁と、対向して面する側壁と、床部材と、を有する容部を備え、該前壁、後壁および側壁が、下方にかつ内部方向にテーパ加工される、請求項4に記載の容器。
【請求項21】
前記テーパ加工された前壁、後壁および側壁の各々が、15°未満のテーパ角度でテーパ加工される、請求項20に記載の容器。
【請求項22】
前記テーパ角度は、約2°と約12°との間である、請求項21に記載の容器。
【請求項23】
前記容部と嵌合可能なデッキ部材をさらに備える、請求項22に記載の容器。
【請求項24】
当該容器および/またはその中の液体に関する情報を提供する電子要素をさらに備える、請求項20に記載の容器。
【請求項25】
前記電子要素は、読出し書込み要素を含む、請求項24に記載の容器。
【請求項26】
前記読出し書込み要素が、前記ライナに配設される、または埋設される、請求項25に記載の容器。
【請求項27】
前記読出し書込み要素は、前記オーバーパックに配設される、または埋設される、請求項25に記載の容器。
【請求項28】
前記オーバーパックの容部と係合可能なデッキ部材をさらに備える、請求項20に記載の容器。
【請求項29】
前記デッキ部材は、前記ライナへの流体の出し入れのために、該ライナにコネクタを結合するためのポート開口を備える、請求項28に記載の容器。
【請求項30】
前記ライナを包囲する前記内部容積に対する流体の出し入れのために、前記デッキ部材に第2のポート開口を備える、請求項29に記載の容器。
【請求項31】
前記ライナは、該ライナへの流体の出し入れのためのポート開口を備える、請求項20に記載の容器。
【請求項32】
前記ライナは、該ライナへの流体の出し入れのための2つのポート開口を備える、請求項31に記載の容器。
【請求項33】
前記ポート開口は、キャップによって閉鎖される、請求項31に記載の容器。
【請求項34】
前記キャップは、前記ライナから取外し可能である、請求項33に記載の容器。
【請求項35】
前記容部は、高分子材料から形成される、請求項20に記載の容器。
【請求項36】
前記高分子材料は、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルおよびポリブチレンからなる群から選択される材料を含む、請求項35に記載の容器。
【請求項37】
前記高分子材料は、ポリエチレンを含む、請求項36に記載の容器。
【請求項38】
高純度液体を貯蔵し分配するためのバッグインドラム容器であって、内部容積を有する実質的に剛性のオーバーパックと、該内部容積に取り付けられ液体を充填することができる、可撓性フィルム材料からなる3次元の閉鎖ライナと、を備え、前記オーバーパックは、対向して面する前壁および後壁ならびに対向して面する側壁と、床部材と、を有する実質的に剛性の容部を備え、該前壁、後壁および側壁は、下方にテーパ加工され、前記オーバーパックは、対応する容器の垂直に積み重ねられたアレイでの、当該容器の少なくとも該実質的に剛性の容部の入れ子状に重ねられた垂直積重ねを可能にするように、取外し可能または他の方法で構成される上部を有し、当該容器の該容部が、実質的に矩形の平行六面体構造を有し、該ライナは、厚さが約0.005インチ〜約0.030インチの範囲であるバージン高分子フィルム材料から形成され、前記ライナは、液体が充填されるとヘッドスペースがゼロの構造を有し、前記ライナは、該ライナへの流体の出し入れのために該ライナのコネクタとの結合を提供する少なくとも1つのポートと、該ポートに結合されたキャップとを備え、前記容部が実質的に剛性の高分子材料から形成される、容器。
【請求項39】
前記ライナは、液体試薬で充填される、請求項38に記載の容器。
【請求項40】
前記液体試薬は、半導体製造用液体試薬を含む、請求項39に記載の容器。
【請求項41】
前記半導体製造用液体試薬は、化学機械平坦化用組成物を含む、請求項40に記載の容器。
【請求項42】
容器に入った液体をエンドユーザ市場に供給し、該容器からの該液体の消費の後に該容器を再加工する方法であって、
(a)各々容器がオーバーパックと、該液体を収納し液体を出し入れするためのポートを有するライナならびに該ポートに結合されたキャップおよびディップチューブを含む接液部品と、を備えた該容器を製造するステップと、
(b)液体充填容器を提供するように、該容器に液体を充填するステップと、
(c)該エンドユーザ市場におけるエンドユーザに該液体充填容器を輸送するステップであって、該エンドユーザが該容器内の該液体を使用して空の容器をもたらすものである、ステップと、
(d)該空の容器の少なくとも該オーバーパックを再加工施設に輸送し、該空の容器の該オーバーパックを含む再加工された容器を形成するように、該空の容器を処理するステップと、
(e)該再加工された容器を液体充填施設に輸送し、液体充填再加工容器を提供するように、該再加工された容器に液体を充填するステップと、
(f)ステップ(c)、(d)および(e)を順に繰り返すステップと、
を含む方法。
【請求項43】
前記再加工施設において前記接液部品の少なくともいくつかを再利用するステップを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
再利用される接液部品が、前記容器のキャップとディップチューブとを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記再利用される接液部品は、前記容器の前記ライナをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記再加工された容器は、使い捨てライナを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記液体充填施設と前記再加工施設とが、単体事業所企業の統合された作業である、請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記空の容器の少なくとも前記オーバーパックを前記再加工施設に輸送する前記ステップは、該空の容器の該オーバーパックのみを該再加工施設に輸送することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項49】
前記空の容器の少なくとも前記オーバーパックを前記再加工施設に輸送する前記ステップは、該空の容器の該オーバーパックと前記接液部品の少なくともいくつかとを該再加工施設に輸送することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項50】
前記空の容器の少なくとも前記オーバーパックを前記再加工施設に輸送する前記ステップは、該空の容器の該オーバーパックと該接液部品のすべてとを該再加工施設に輸送することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項51】
前記空の容器の少なくとも前記オーバーパックを処理して該空の容器の該オーバーパックを含む再加工された容器を形成する前記ステップは、該空の容器を該オーバーパックから該空の容器の前記接液部品を取り除くように処理するステップと、該接液部品を少なくともその一部が再利用される交換接液部品と交換することにより該再加工された容器を生成するステップと、を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項52】
前記空の容器の少なくとも前記オーバーパックを処理して該空の容器の該オーバーパックを含む再加工された容器を形成する前記ステップは、少なくとも一部が再利用される接液部品により該再加工された容器を加工するステップを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項53】
前記液体充填施設と前記再加工施設とが、地理的に離れた作業である、請求項42に記載の方法。
【請求項54】
前記液体の前記エンドユーザによる前記使用が、半導体製造作業を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項55】
前記液体は、半導体製造用試薬を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記半導体製造用試薬は、酸、溶剤、塩基、フォトレジスト、ドーパント、有機金属試薬、シリコン原料化合物および化学機械平坦化用組成物からなる群から選択される材料を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記オーバーパックは、入れ子状に重ねられたスタック構造で前記再加工施設に輸送される、請求項42に記載の方法。
【請求項58】
前記オーバーパックは、正方形または矩形断面を有する、請求項42に記載の方法。
【請求項59】
前記オーバーパックは、円形断面を有する、請求項42に記載の方法。
【請求項60】
前記接液部品は、3次元の頭部閉鎖ライナを備える、請求項42に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−280445(P2010−280445A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−178617(P2010−178617)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【分割の表示】特願2004−501286(P2004−501286)の分割
【原出願日】平成15年4月28日(2003.4.28)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】