説明

送信抑制システムおよび制御システム

【課題】電界伝達媒体に電界を誘起させて制御を行え且つ空間での放射による悪影響を防止する。
【解決手段】制御システムは、予め定められた位置に配置された電極1と、電界伝達媒体であるユーザUの人体とともに移動して使用される携帯端末10から送信され当該ユーザUの人体(生体)に電界を誘起させ電極1を介して伝達される信号により制御対象物である扉の解錠を制御する制御装置2と、電極1の近傍に配置される電極3と、携帯端末10から信号が送信されるのを抑制する送信抑制信号Sを電極3に印加する送信抑制装置4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信抑制システムおよび制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電界信号検出技術を利用し、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体である生体に誘起させ、この電界を用いて情報の送受信を行うトランシーバが記載されている。非特許文献2は、関連技術の利用シーンなどを紹介している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−352298号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】"RedTacton"、[online]、日本電信電話株式会社、[平成21年5月8日検索]、インターネット〈URL:http://www.redtacton.com/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電界を用いた従来のトランシーバの通信では、生体上に電界が誘起されるだけでなく、空間にも信号が放射している。
【0006】
例えば、図8において、ユーザUの携帯端末10から放射された信号Kが、人NUの人体(電界伝達媒体)に結合し、電極1を介して制御装置2に伝達される。これにより人NUが、ユーザUの携帯端末10から送信された信号Kに基づく本来受けられないサービスを受けられてしまう。例えば、制御装置2が扉(図示せず)を解錠すれば、人NUは、本来入れない部屋に入れてしまう。
【0007】
また、ユーザUが電極1の上を通過し、携帯端末10から送信された信号がユーザUの人体に電界を誘起させ、電極1を介して制御装置2に伝達されたときに、制御装置2がユーザUに課金するのであれば、このような本来課金すべきでないときに課金がなされる場合がある。
【0008】
つまり、ユーザUの前を進む別のユーザ(図示せず)が電極1の上を通過しているときに、携帯端末10から放射された信号Kが、前のユーザの人体に結合し、電極1を介して制御装置2に伝達され、ユーザUに課金されてしまうのである。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電界伝達媒体に電界を誘起させて制御を行え且つ空間での放射による悪影響を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、第1の本発明に係る送信抑制システムは、電界伝達媒体とともに移動して使用される携帯端末から送信されて当該電界伝達媒体に電界を誘起させ予め定められた位置に配置された電極を介して伝達される信号により所定の制御対象物を制御する制御装置とともに使用される送信抑制システムであって、前記電極の近傍に配置される電極と、前記携帯端末から信号が送信されるのを抑制する送信抑制信号を前記近傍に配置される電極に印加する送信抑制装置とを備えることを特徴とする。
【0011】
例えば前記近傍に配置される電極は、予め定められた前記電界伝達媒体の動線に沿って配置されていることを特徴とする。
【0012】
例えば、前記近傍に配置される電極は、予め定められた前記電界伝達媒体の動線を挟むように配置された2つの電極を含むことを特徴とする。
【0013】
例えば、前記近傍に配置される電極は、前記電界伝達媒体が前記予め定められた位置に配置された電極を通り越したときの前記電界伝達媒体の近傍、前記電界伝達媒体が前記予め定められた位置に配置された電極に至る手前の前記電界伝達媒体の近傍の、少なくとも一方に配置されていることを特徴とする。
【0014】
第2の本発明に係る制御システムは、予め定められた位置に配置された電極と、電界伝達媒体とともに移動して使用される携帯端末から送信され当該電界伝達媒体に電界を誘起させ前記電極を介して伝達される信号により所定の制御対象物を制御する制御装置と、前記電極の近傍に配置される電極と、前記携帯端末から信号が送信されるのを抑制する送信抑制信号を前記近傍に配置される電極に印加する送信抑制装置とを備えることを特徴とする。
【0015】
第3の本発明に係る送信抑制方法は、電界伝達媒体とともに移動して使用される携帯端末から送信され当該電界伝達媒体に電界を誘起させ予め定められた位置に配置された電極を介して伝達される信号により所定の制御対象物を制御する制御装置とともに使用される送信抑制システムが行う送信抑制方法であって、前記送信抑制システムは、前記電極の近傍に配置される電極を備え、前記送信抑制方法は、前記送信抑制システムに具備された送信抑制装置が、前記携帯端末から信号が送信されるのを抑制する送信抑制信号を前記近傍に配置される電極に印加するステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電界伝達媒体に電界を誘起させて制御を行え且つ空間での放射による悪影響を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態に係る制御システムの構成を示す図である。
【図2】電極3と送信抑制装置4の構成の例を示す図である。
【図3】送信抑制信号Sの波形の例を示す図である。
【図4】携帯端末10の構成の例を示す図である。
【図5】携帯端末10の構成の別な例を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係る制御システムの構成を示す図である。
【図7】第3の実施の形態に係る制御システムの構成を示す図である。
【図8】電界伝達媒体に電界を誘起させて制御を行うときの空間での放射による悪影響を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、同一または類似の要素には同一符号を付与し、重複説明を省略する。
【0019】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る制御システムの構成を示す図である。図1(a)は、制御システムの横からの様子を模式的に示し、図1(b)は、制御システムの上からの様子を模式的に示す。
【0020】
制御システムは、予め定められた位置に配置された電極1と、電界伝達媒体であるユーザUの人体とともに移動して使用される携帯端末10から送信され当該ユーザUの人体(生体)に電界を誘起させ電極1を介して伝達される信号により制御対象物である扉を解錠する制御装置2と、電極1の近傍に配置される電極3と、携帯端末10から信号が送信されるのを抑制する送信抑制信号Sを電極3に印加する送信抑制装置4とを備える。すなわち、制御システムは、電極3と送信抑制装置4とを備える送信抑制システムを含んでいる。
【0021】
具体的には、電極1は、壁に設けられた扉の外側に付いたドアノブと共用になっている。電極1は、リード線を介して、制御装置2に接続されている。電極3は床に設置されている。電極3は、例えば、図1(b)に示すように半円形状を有するものであり、電極1を掴む人の位置を囲むように配置されている。電極3は、リード線を介して、送信抑制装置4に接続されている。送信抑制装置4は、電極3に送信抑制信号Sを継続的に印加している。つまり、送信抑制システムは送信抑制方法を実行している。送信抑制信号Sは、携帯端末10内のトランシーバから信号が送信されるのを抑制する信号である。
【0022】
図2(a)に示すように、送信抑制装置4は、例えば、送信抑制信号Sをグラウンドと電極3の間に印加する。図2(b)に示すように、送信抑制装置4は、例えば、送信抑制信号Sを電極3と他の電極の間に印加する。図2(c)に示すように、電極3は複数に分割してもよい。
【0023】
図3は、送信抑制信号Sの波形の例を示す図である。
【0024】
図3(a)に示すように、送信抑制信号Sは、例えば、キャリアバンド方式で用いられる搬送波である。または、図3(b)に示すように、送信抑制信号Sは、例えば、変調されたキャリアバンド信号である。または、図3(c)に示すように、送信抑制信号Sは、例えば、ベースバンド方式で用いられるベースバンド信号である。
【0025】
図4は、携帯端末10の構成の例を示す図である。
【0026】
携帯端末10は、例えば、コンピュータ11と、トランシーバ12とを有する。
【0027】
トランシーバ12は、レーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法による信号検出技術を利用していて、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体である生体に誘起させ、この誘起した電界を用いて情報の送受信を行うものである。
【0028】
例えば、トランシーバ12は、コンピュータ11からの送信データを入出力(I/O)回路121を介して受け取ると、この送信データを送信部122を介して電極123に供給し、当該電極123および絶縁膜124を介して電界伝達媒体に電界を誘起させ、この電界を電界伝達媒体の他の部位に伝達させる。
【0029】
また、トランシーバ12は、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を絶縁膜124を介して電極123で検出し、この電界を電界検出光学部125に結合して電気信号に変換する。そして、この電気信号は、信号処理回路126で増幅、ノイズ除去などの信号処理を施され、更に波形整形回路127で波形整形がなされ、入出力回路121を介してコンピュータ11に出力するようになっている。
【0030】
図5は、携帯端末10の構成の別な例を示す図である。
【0031】
携帯端末10は、例えば、コンピュータ11と、トランシーバ13とを有する。
【0032】
トランシーバ13は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体である生体に誘起させ、この誘起した電界を用いて情報の送受信を行うトランシーバであって、I/O回路131と、送信部132と、受信部133と、と、電極134と、絶縁膜135と、を備える。
【0033】
トランシーバ13は、コンピュータ11からの送信データを入出力(I/O)回路131を介して受け取ると、この送信データを送信部132を介して電極134に供給し、当該電極134および絶縁膜135を介して電界伝達媒体に電界を誘起させ、この電界を電界伝達媒体の他の部位に伝達させる。送信部132は、送信データを発振器1322から出力される搬送波で変調するための変調回路1321と、搬送波を出力するための発振器1322とを備える。
【0034】
また、トランシーバ13は、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を絶縁膜135を介して電極134で検出し、この電界を受信部133で受信データに変換して入出力回路131を介してコンピュータ11に出力する。受信部133は、復調信号のHレベルとLレベルの反転が起きていないかを判定して補正するための補正回路1311と、搬送波再生回路1313で再生された搬送波と受信した信号をもとにデータを再生する復調回路1312と、受信した信号から搬送波を抽出する搬送波再生回路1313と、を備える。
【0035】
次に、制御システムの動作を説明する。
【0036】
図1において、ユーザUが電極3を通り越して電極1の位置まで赴き、電極1を掴むと、まず、携帯端末10からユーザUの識別情報を含む信号が送信される。信号は、ユーザUの人体に電界を誘起させ、電極1を介して制御装置2に伝達される。制御装置2は、信号から識別情報を取りだし、扉を解錠してよいか否かを識別情報により判定し、扉を解錠してよいと判定したなら、扉を解錠する。
【0037】
例えば、扉の解錠を許可されていない人NUは、このようにユーザUが扉を解錠できることを知っている。人NUは、例えば、電極3の上で友人Tと会話をしているユーザUに近づき、手で電極1を掴む。つまり、人NUは、携帯端末10からユーザUの識別情報を含む信号が空中に放射され、その信号が人NUの人体に結合し、電極1を介して制御装置2に伝達されることにより、扉を解錠しようする。
【0038】
一方、送信抑制装置4は、電極3に対して送信抑制信号Sを継続的に印加している。送信抑制信号Sは、ユーザUの人体に電界を誘起させ、携帯端末10に伝達される。携帯端末10は、送信抑制信号Sを受信しているときは、ユーザUの識別情報を含む信号など、いかなる信号も送信できない。
【0039】
よって、扉の解錠を許可されていない人NUが扉を解錠してしまう不都合の発生を防止することができる。つまり、電界伝達媒体に電界を誘起させて制御を行え且つ空間での放射による悪影響を防止することができる。
【0040】
[第2の実施の形態]
図6は、第2の実施の形態に係る制御システムの構成を示す図である。図6(a)は、制御システムの横からの様子を模式的に示し、図6(b)は、制御システムの上からの様子を模式的に示す。
【0041】
制御システムは、予め定められた位置に配置された電極1と、電界伝達媒体であるユーザUの人体とともに移動して使用される携帯端末10から送信され当該ユーザUの人体(生体)に電界を誘起させ電極1を介して伝達される信号により制御対象物であるユーザUの銀行口座などから一定の金額を引き落とすという制御を行う制御装置2と、電極1の近傍に配置される2つの電極3と、携帯端末10から信号が送信されるのを抑制する送信抑制信号Sを電極3に印加する送信抑制装置4とを備える。すなわち、制御システムは、各電極3と送信抑制装置4とを備える送信抑制システムを含んでいる。
【0042】
各電極1、3は、例えば、遊園地に入るときに通過するゲートに設けられている。つまり、各電極1、3は、ユーザUの動線に沿って配置されている。また、2つの電極3は、動線を挟むように配置されている。また、2つの電極3は、ユーザUの人体が電極1に至る手前にあるときの当該人体の近傍に配置されている。
【0043】
具体的には、電極1は、2つのゲート側壁の間の床に設置されている。電極1は、リード線を介して、制御装置2に接続されている。各電極3は、進行方向に向いて、電極1の手前に配置されている。一方の電極3は進行方向に向いて左のゲート側壁に、他方の電極3は右のゲート側壁に配置されている。送信抑制装置4は、各電極3に対して送信抑制信号Sを継続的に印加している。つまり、送信抑制システムは送信抑制方法を実行している。送信抑制信号Sは、ユーザUが電極3の間を通過するときに携帯端末10に送信される。
【0044】
次に、制御システムの動作を説明する。
【0045】
ユーザUは電極3の間を通過する。送信抑制装置4は、電極3に対して送信抑制信号Sを継続的に印加しているので、送信抑制信号Sは、電極3とユーザUの人体の間の空間、ユーザUの人体に電界を誘起させ、携帯端末10に伝達される。携帯端末10は、送信抑制信号Sを受信しているときは、ユーザUの識別情報など、いかなる情報も送信できない。
【0046】
よって、ユーザUが電極3の間を通過し、ユーザUの前を進むユーザ(図示せず)が電極1の上を通過しているときに、ユーザUの携帯端末10から送信されたユーザUの識別情報を含む信号の空間への放射が生じ、前を進むユーザの人体に信号が結合し、電極1を介して制御装置2に信号が伝達されれば、ユーザUへの課金を行える状況にあるが、携帯端末10は情報を送信できないので、このような本来課金すべきでないときに課金がなされてしまうのを防止することができる。特に、携帯端末10がユーザUの胸ポケットなどにあって、携帯端末10から放射された信号が前を進むユーザ(図示せず)の人体に結合しやすいときは、こうした意図しない課金の可能性が高まるが、携帯端末10は情報を送信できないので、課金はなされない。
【0047】
次に、ユーザUが電極3の間を通過し、電極1の上を通過するとき、携帯端末10は情報を送信できるようになり、携帯端末10から送信されたユーザUの識別情報を含む信号が、ユーザUの人体に電界を誘起させ、電極1を介して制御装置2に伝達される。制御装置2は、識別情報に対応する銀行口座などから一定の金額を引き落とすための処理など、つまりユーザUへの課金を行う。
【0048】
よって、ユーザUに対して課金が複数回なされるのを防止することができる。つまり、電界伝達媒体に電界を誘起させて制御を行え且つ空間での放射による悪影響を防止することができる。
【0049】
[第3の実施の形態]
図7は、第3の実施の形態に係る制御システムの構成を示す図である。図7(a)は、制御システムの横からの様子を模式的に示し、図7(b)は、制御システムの上からの様子を模式的に示す。
【0050】
制御システムは、予め定められた位置に配置された電極1と、電界伝達媒体であるユーザUの人体とともに移動して使用される携帯端末10から送信され当該ユーザUの人体(生体)に電界を誘起させ電極1を介して伝達される信号により制御対象物であるユーザUの銀行口座などから一定の金額を引き落とすという制御を行う制御装置2と、電極1の近傍に配置される2つの電極3と、携帯端末10から信号が送信されるのを抑制する送信抑制信号Sを各電極3にそれぞれ印加する2つの送信抑制装置4とを備える。すなわち、制御システムは、各電極3と各送信抑制装置4とを備える送信抑制システムを含んでいる。
【0051】
各電極1,3は、例えば、第2の実施の形態と同じように、遊園地に入るときに通過するゲートに設けられている。つまり、各電極1,3は、ユーザUの動線に沿って配置されている。また、一方の電極3は、ユーザUの人体が電極1に至る手前にあるときの当該人体の近傍に配置されている。他方の電極3は、ユーザUの人体が電極1を通り越したときにおける当該人体の近傍に配置されている。
【0052】
具体的には、電極1は、2つのゲート側壁の間の床に設置されている。電極1は、リード線を介して、制御装置2に接続されている。一方の電極3は、進行方向に向いて、電極1の手前の床に配置されている。他方の電極3は、電極1に対して、進行方向側(奥側)の床に配置されている。他方の電極3は、リード線を介して、他方の送信抑制装置4に接続されている。一方の送信抑制装置4は、一方の電極3に対して送信抑制信号Sを継続的に印加している。また、他方の送信抑制装置4は、他方の電極3に対して送信抑制信号Sを継続的に印加している。つまり、送信抑制システムは送信抑制方法を実行している。
【0053】
一方の送信抑制装置4から送信される送信抑制信号Sは、ユーザUが一方の電極3の上を通過するときに携帯端末10に送信される。他方の送信抑制装置4から送信される送信抑制信号Sは、ユーザUが他方の電極3の上を通過するときに携帯端末10に送信される。 次に、制御システムの動作を説明する。
【0054】
第2の実施の形態と同様に、ユーザUが手前の電極3の上を通過しているときは、携帯端末10に送信抑制信号Sが送信され、携帯端末10は情報を送信できないので、課金を防止することができる。
【0055】
第2の実施の形態と同様に、ユーザUが電極1の上を通過するとき、携帯端末10は情報を送信できるようになり、ユーザUへの課金が行われる。
【0056】
第2の実施の形態と同様に、ユーザUが奥側の電極3の上を通過しているときは、携帯端末10に送信抑制信号Sが送信され、携帯端末10は情報を送信できないので、課金を防止することができる。特に、携帯端末10がユーザUのズボンの後ろポケットなどにあって、携帯端末10から放射された信号が後ろを進むユーザ(図示せず)の人体に結合しやすいときは、こうした意図しない課金の可能性が高まるが、携帯端末10は情報を送信できないので、課金はなされない。
【0057】
よって、ユーザUに対して課金が複数回なされるのを防止することができる。つまり、電界伝達媒体に電界を誘起させて制御を行え且つ空間での放射による悪影響を防止することができる。
【0058】
なお、上記の説明では、「扉の解錠」と「課金」を制御の例としたが、他の制御(例えば、券売機の動作制御など)について、本発明を実施してもよい。
【0059】
また、上記の説明では、「人体」を電界伝達媒体の例としたが、動物などの生体や生体以外の物質などを電界伝達媒体とし、本発明を実施してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1、3 電極
2 制御装置
4 送信抑制装置
S 送信抑制信号
U ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界伝達媒体とともに移動して使用される携帯端末から送信されて当該電界伝達媒体に電界を誘起させ予め定められた位置に配置された電極を介して伝達される信号により所定の制御対象物を制御する制御装置とともに使用される送信抑制システムであって、
前記電極の近傍に配置される電極と、
前記携帯端末から信号が送信されるのを抑制する送信抑制信号を前記近傍に配置される電極に印加する送信抑制装置と
を備えることを特徴とする送信抑制システム。
【請求項2】
前記近傍に配置される電極は、予め定められた前記電界伝達媒体の動線に沿って配置されていることを特徴とする請求項1記載の送信抑制システム。
【請求項3】
前記近傍に配置される電極は、予め定められた前記電界伝達媒体の動線を挟むように配置された2つの電極を含むことを特徴とする請求項1記載の送信抑制システム。
【請求項4】
前記近傍に配置される電極は、前記電界伝達媒体が前記予め定められた位置に配置された電極を通り越したときの前記電界伝達媒体の近傍、前記電界伝達媒体が前記予め定められた位置に配置された電極に至る手前の前記電界伝達媒体の近傍の、少なくとも一方に配置されていることを特徴とする請求項2または3記載の送信抑制システム。
【請求項5】
予め定められた位置に配置された電極と、
電界伝達媒体とともに移動して使用される携帯端末から送信され当該電界伝達媒体に電界を誘起させ前記電極を介して伝達される信号により所定の制御対象物を制御する制御装置と、
前記電極の近傍に配置される電極と、
前記携帯端末から信号が送信されるのを抑制する送信抑制信号を前記近傍に配置される電極に印加する送信抑制装置と
を備えることを特徴とする制御システム。
【請求項6】
電界伝達媒体とともに移動して使用される携帯端末から送信され当該電界伝達媒体に電界を誘起させ予め定められた位置に配置された電極を介して伝達される信号により所定の制御対象物を制御する制御装置とともに使用される送信抑制システムが行う送信抑制方法であって、
前記送信抑制システムは、前記電極の近傍に配置される電極を備え、
前記送信抑制方法は、前記送信抑制システムに具備された送信抑制装置が、前記携帯端末から信号が送信されるのを抑制する送信抑制信号を前記近傍に配置される電極に印加するステップを含む
ことを特徴とする送信抑制方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−4041(P2011−4041A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144200(P2009−144200)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】