説明

送信機から受信された複数の信号について複数の一致検査を行なう方法

ここに開示の主題は、複数の全地球衛星航法システム(GNSS’)から受信された複数のナビゲーション信号成分を処理するためのシステムおよび方法に関する。特定の実施において、第1のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出は、第2のナビゲーション信号成分における情報に少なくとも部分的に基づいて分類される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された主題は、送信機から受信された複数の信号(multiple signals)について複数の一致検査(consistency checks)を行なう処理に関する。
【背景技術】
【0002】
情報:
衛星測位システム(satellite positioning system) (SPS)は一般的に複数の送信機のシステムを備え、これらは複数のエンティティ(entities)が地上におけるこれらの位置を複数の送信機から受信された複数の信号に少なくとも部分的に基づいて決定できるように配置される。このような送信機は、一般的に、設定(set)数のチップの繰返し(repeating)疑似ランダム雑音(PN)コードでマークされた(marked)信号を送信し、複数の地上ベース基準局(ground based control stations)、ユーザ装置(user equipment)および/または複数の衛星(space vehicles)上に配置され得る。特定の例において、このような複数の送信機は複数の地球軌道衛星に配置され得る。例えば、Compass、Glonass 、Galileo、または全地球測位システム(GPS)のような全地球衛星航法システム(Global Navigation Satellite System)(GNSS)の衛星群(constellation)内の衛星は、この衛星群内の他の複数の衛星によって送信された複数のPNコードから識別可能であるPNコードでマークされた信号を送信し得る。
【0003】
受信機で位置を推定するために、ナビゲーション・システムは、複数の周知技術を使用し、これら複数の衛星から受信された複数の信号における複数のPNコードの検出に少なくとも部分的に基づいて、この受信機から「見える("in view")」複数の衛星までの複数の擬似距離(pseudorange)の測定値を決定し得る。衛星までのこのような擬似距離は、受信機で受信信号を取得するプロセス中にこの衛星に関連するPNコードでマークされた受信信号において検出されたコード・フェーズ(code phase)に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。この受信信号を取得するため、ナビゲーション・システムは、一般的に、この受信信号を、衛星に関連しローカルに生成されたPNコードと相関させる。例えば、こうしたナビゲーション・システムは一般的にこのような受信信号を、このようにローカルに生成されたPNコードのマルチプルコードおよび/または時間シフトされた(shifted)バージョンと相関させる。最も高い信号パワーを有する相関結果を生じさせる特定の時間および/またはコード・シフトされたバージョンの検出は、上述の擬似距離の測定に使用される取得信号に関連したコード・フェーズを示し得る。
【0004】
GNSS衛星から受信された信号のコード・フェーズの検出に伴い、受信機は複数の(multiple)の擬似距離仮説を作り得る。付加的情報を使用し、受信機は、このような複数の擬似距離仮説を排除して、事実上、真の擬似距離の測定値に関連する曖昧さ(ambiguity)を減少させ得る。GNSS衛星から受信された信号のタイミング認識での十分な精度により、いくつかあるいは全ての偽の擬似距離仮説が排除され得る。
【0005】
図1は、SPSシステムの応用例を示し、それによって無線通信システムにおける移動局(MS)100は、見通し線(line-of-sight)内の複数の衛星102a、102b、102c、102dからMS 100への複数の送信を受信し、これら複数の送信のうちの4またはそれより多くのものから複数の時間測定値を導き出す。MS 100はこうした複数の測定値を、これら複数の測定値からこのステーションの位置を決定する位置決めエンティティ(position determination entity)(PDE)104に提供し得る。代わりに、この加入者ステーション100はこの情報からそれ自身の位置を決定してよい。
【0006】
MS 100は、特定の衛星からの送信を探索することが、この衛星のPNコードを受信信号と相関させることによりできる。この受信信号は、一般的に、雑音の存在する下でMS 100における受信機に対する見通し線内の1または複数の衛星からの複数の送信の複合物(composite)を含む。相関は、コード・フェーズ探索ウィンドウ(search window)WCPとして知られる複数のコード・フェーズ仮説のある範囲にわたって、およびドップラー探索ウィンドウWDOPPとして知られている複数のドップラー周波数仮説のある範囲にわたって行なわれ得る。上で指摘されるように、こうした複数のコード・フェーズ仮説は、一般的に、複数のPNコード・シフトのある範囲として表わされる。また、複数のドップラー周波数仮説は、一般的に、複数のドップラー周波数ビンとして表わされる。
【発明の概要】
【0007】
特定の一実施において、ナビゲーション信号が送信機から受信される方法が提供される。このナビゲーション信号は第1のナビゲーション信号成分と第2のナビゲーション信号成分を含む。第1のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出は、第2のナビゲーション信号成分に少なくとも部分的に基づいて分類される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下、様々な図面全体にわたって同様な参照符号が同様な部分を示す複数の図面を参照して、限定せず(Non-limiting)網羅的ではない(non-exhaustive)複数の特徴を説明する。
【図1】図1は一態様に従う衛星測位システム(SPS)の概略図である。
【図2】図2は一実施に従うナビゲーション・システムを示す。
【図3】図3は、特定の一実施に従う二次元探索ウィンドウ(two-dimensional search window)を示す図である。
【図4】図4は、特定の例において見通し線信号から得られることができるピークを示すエネルギ・プロットである。
【図5】図5は、特定の例において同一送信信号の複数のマルチパス・インスタンスによるいくつかのピークを示すエネルギ・プロットである。
【図6】図6は、複数の民間(civilian)ナビゲーション信号の送信に使用された様々な周波数を示す。
【図7】図7は、一実施に従う第1のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出を分類する方法を示す。
【図8】図8は、一態様に従う移動局の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「一例」、「1つの特徴」、「ある例」あるいは「1つの特徴」へのこの明細書全体にわたる参照は、特徴および/または例に関して記載された特定の特性(characteristic)、構造、あるいは特徴が請求項記載の主題の少なくとも1つの特徴および/または例の中に含まれることを意味する。従って、この明細書中の様々な箇所における「一例における」、「ある例」、「1つの特徴において」、あるいは「ある特徴」という句の掲載(appearances)は、必ずしも全てが同じ特徴および/または例を指すものではない。さらに、特定の複数の特徴、複数の構造、あるいは複数の特性は、1または複数の例および/または特徴において組み合わされ得る。
【0010】
ここで述べた複数の方法(methodologies)は、特定の複数の特徴および/または例による複数の応用例に依存し、様々な手段によって実施されることができる。例えば、こうした複数の方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはその複数の組合せで実施され得る。ハードウェア実施においては、例えば、処理装置は1または複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能な論理回路(PLD)、フィールド・プログラム可能なゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロ・コントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、ここに記載された複数のファンクション(functions)を行なうために設計された他のデバイス・ユニット、および/またはその組合せ内で実施され得る。
【0011】
ここで引用された「衛星」("space vehicle")(SV)は、地球の表面上の複数の受信機に複数の信号を送信可能な物体に係る。特定の例において、こうしたSVは静止衛星を含み得る。代わりに、SVは、軌道を移動し、および地上の固定した位置に対して移動する衛星を含み得る。しかしながら、これらは単に複数のSVの例であり、請求項記載の主題はこれらの点で限定されない。
【0012】
ここで述べた位置決定および/または推定技術は、無線広域ネットワーク(WWAN)、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、無線パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)等のような様々な無線通信ネットワークにおけるモバイル・デバイス(mobile device)に使用され得る。ここで述べたこうした位置決定および/または推定技術は、単独(Standalone)/自律(Autonomous)のGNSSを行なう非無線通信デバイスや、無線支援型GNSS受信機のような自律のGNSS受信機にも適用可能である。このような非無線通信デバイスは、無線ネットワーク接続なしに自律方式でも動作し得る。
【0013】
用語「ネットワーク」および「システム」はここにおいて入替可能に用いられ得る。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、単一キャリアFDMA(SC-FDMA)ネットワーク等であってよい。CDMAネットワークは、無線テクノロジーのほんの一例であるcdma2000、広帯域CDMA(W-CDMA)のような1または複数の無線アクセス・テクノロジー(RAT)を実施し得る。ここで、cdma2000は、IS-95、IS-2000およびIS-856標準に従って実現されるテクノロジーを含んでよい。TDMAネットワークは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、D-AMPS(Digital Advanced Mobile Phone System)、あるいは他のあるRATを実施し得る。GSMおよびW-CDMAは3GPP("3rd Generation Partnership Project")という名の団体からの文献に記載される。Cdma2000は、3GPP2("3rd Generation Partnership Project 2")という名の団体からの文献に記載される。3GPPと3GPP2の文献は公に入手可能である。WLANはIEEE 802.11xネットワークを含むことができ、 WPANは、例えば、ブルートゥースネットワーク、IEEE 802.15xを含み得る。ここで述べたこうした位置決定技術は、WWAN、WLANおよび/またはWPANの任意の組合せにも使用され得る。
【0014】
一例によれば、デバイスおよび/またはシステムは、複数のSVから受信された複数の信号に少なくとも部分的に基づいてその位置を推定し得る。特に、こうしたデバイスおよび/またはシステムは、複数の関連SVとある航行衛星受信機との間の複数の距離の複数の近似を含む「擬似距離」測定値を取得し得る。特定の例において、こうした擬似距離は、衛星測位システム(SPS)の一部として1つまたはそれより多くのSVからの複数の信号を処理可能な受信機において決定され得る。その位置を決定するために、衛星ナビゲーション(navigation)受信機は、送信している時間におけるそれらの位置、および3またはそれより多くの衛星までの擬似距離の測定値を取得し得る。
【0015】
ここで述べた技術は、いくつかのSPSのうちの任意の1つ、および/またはSPSの組合せと共に使用され得る。さらに、こうした技術は、複数のシュードライト(pseudolite)を利用する位置決定(positioning determination)システム、あるいは複数の衛星と複数のシュードライトとの組合せと共に使用され得る。複数のシュードライトは、時間と同期され得るL帯域(あるいは他の周波数)キャリア信号上で変調されたPNコードあるいは他のレンジング(ranging)コード(例えば、GPSまたはCDMAセルラー(cellular)信号に類似した)を放送する地上ベースの送信機を含み得る。こうした送信機は、遠隔受信機によって識別を可能にするようにユニーク(unique)PNコードを割り当てられ得る。複数のシュードライトは、軌道に乗っている衛星からの複数のGPS信号がトンネル、鉱山、建物、アーバン・キャニオン(urban canyons)あるいは他の閉鎖されたエリア中でのように利用不可能となり得る状況において有用である。複数のシュードライトの別の実施はラジオビーコン(radio-beacon)として知られる。ここで使用される「衛星(satellite)」という用語は、複数のシュードライト、シュードライトの均等物、並びにことによっては他のものを含むことを意図される。ここで使用される用語「複数のSPS信号」は、複数のシュードライトやこれらシュードライトの均等物からの複数のSPSのような(SPS-like)信号を含むことを意図される。
【0016】
ここで言及された「全地球衛星航法システム」(GNSS)は、共通のシグナリング・フォーマットに従って同期された複数のナビゲーション信号を送信する複数のSVを含むSPSに係る。こうしたGNSSは、例えば、衛星群内の複数のSVから地球の表面の広大な部分上の複数の位置に複数のナビゲーション信号を送信するように同期された複数の軌道における複数のSVの衛星群を含み得る。
【0017】
ここで述べた複数の技術は、インドによって展開されているインド地域航行衛星システム(IRNSS)、および日本によって展開されているQZSS (Quasi-Zenith Satellite System)のような地域衛星システムにも適用可能であり得る。上述のように、このような地域衛星システムは、SPSの少なくとも一部分を含み得る。
【0018】
GNSS衛星は、複数のナビゲーション信号成分を有するナビゲーション信号を送信し得る。これら複数のナビゲーション信号成分は、同一あるいは異なるキャリア周波数上で送信され得る。さらに、これら複数のナビゲーション信号成分は、同一搬送周波数上であるがBOC(Binary Offset Carrier)および BPSK(Binary Offset Carrier)のような異なるベースバンド変調で送信されてもよい。これら複数のナビゲーション信号成分は、異なるコード長に従って変調されたGNSS信号成分であり得る。例えば、これら複数のナビゲーション信号成分のうちの1つがレガシー(legacy) L1 C/A GPS信号である一方で、別ナビゲーション信号成分がL1C(L1C-D)GPS信号の提案されたデータ成分であり得る。しかしながら、これらは、ナビゲーション信号の複数の成分がどのように特徴付けられ得るかの単なる例に過ぎず、請求項記載の主題はこの点において限定されない。
【0019】
ナビゲーション信号の複数の成分の各々は、例えば、移動局中の受信機によって受信され得る。受信に伴い、ナビゲーション信号成分はこのナビゲーション信号成分に対応する既知の基準コード(reference code)に対して相関され得る。例えば、各ナビゲーション信号成分について、受信機は受信されたナビゲーション信号成分と相関すべき基準コードを生成し得る。
【0020】
ここで引用される「偽警報("false alarm")」は、受信信号が既知の周波数、周波数範囲、あるいはコード・フェーズ(例えば、この受信信号を変調するPNコードについて)のような、1または複数のある特性を有する、という誤った決定に係る。(a)複数の「雑音偽警報」(例えば、ガウス雑音による複数の偽警報)、(b)捜し求められている特定の衛星信号とは異なる衛星に対応する他の、より強い複数のGNSS信号による複数の相互相関、(c)内部あるいは外部の複数のジャマー(jammer)信号のような、異なるタイプの偽警報が存在し得る。こうした信号の受信に伴い、ナビゲーション受信機はこの信号を所望のナビゲーション信号成分のPNコードと相関させ得る。この相関は、複数の雑音偽警報、複数の相互相関、あるいは内部または外部の複数のジャマー信号が存在する場合に、複数のドップラー周波数およびコード・フェーズ仮説(hypothesis)によって定義されたエネルギ・グリッド中において相関ピークを生じさせ得る。偽警報は、上述の例(a)乃至(c)に限定されないが、これらのような注目の所望信号によらない、エネルギ・グリッド中の1または複数のピークに対応し得る。
【0021】
しかしながら、この関連ナビゲーション信号成分が存在しない場合、この相関プロセスが受信機雑音だけによるピークを生じさせる確率はゼロでない。こうした検出は、偽警報あるいは雑音偽警報とここで呼ばれる。
【0022】
一例において、受信されたコード・シーケンスの基準コードとの相関は、以下のような関係(1)に従ってこの基準コードの長さのある部分にわたってこの受信されたものと複数の基準コードとの積を積分することによって時間ドメインで行なわれ得る:
【数1】

【0023】
ここで、xは受信されたコードであり、rは長さNの基準コードであり、y(t)はオフセットtでの相関結果である。ここにおいて、この受信されたコードは複合ベースバンド信号(complex baseband signal)を含み得るので、この相関はこの受信されたコードのI成分およびQ成分のそれぞれに関して行なわれる。
【0024】
エネルギ計算は、サンプリングされた受信信号成分に関して行なわれ得る。特定の設計に依存し、複数のエネルギ結果は固定小数点あるいは浮動小数点の複数の値として表現され得るもので、これらは、例えば、これら複数のピーク間の相対的な差を決定するだけのためにこれら複数のエネルギ結果が使用される場合等に、任意のユニットであり得る。エネルギ結果が1または複数の他のタスク(例えば、他の複数のシステム・パラメータに比較された)にも使用され得る場合には、測定スケール(measurement scale)がこのような1または複数のタスクに適切であるように選択され得る。
【0025】
異なるSVに配置された複数の送信機は、同一周波数において、しかし異なる拡散コードを用いて複数のナビゲーション信号を送信し得る。受信機は、上記の関係(1)に示されるように受信されたナビゲーション信号成分を相関させるローカルの(local)基準コードを生成し得る。こうした受信機は、いくつかの実施において近くの複数のSVから複数のナビゲーション信号を受信し得る。例えば、SV1等の第1のSVがナビゲーション信号成分を見通し線経路でこの受信機へ送信する状況では、この受信されたナビゲーション信号成分が見通し線伝搬路の存在しないSV2のような第2のSVからの複数のナビゲーション信号成分よりも高い信号強度でしばしば受信される。
【0026】
複数のナビゲーション信号成分を有するナビゲーション信号を送信する送信機は、例えば、SVあるいは地上位置上に配置され得る。特定の一実施において、このようなナビゲーション信号は、例えば、図1に示されるMS 100のような移動局(MS)上の受信機で受信され得る。
【0027】
図2は、一実施に従うナビゲーション・システム200を示す。示されるように、ナビゲーション・システム200は複数の衛星SV1 205およびSV2 210を含む。ユーザ215は、この特定の実施において移動局内に配置された受信機220を保持する。示されるように、まっすぐな見通し線経路はSV1 205とこの受信機220との間に存在する。しかしながら、建造物225がSV2 210と受信機220との間に置かれているので、こうした見通し線経路はSV2 210と受信機220との間に存在しない。従って、SV2 210によって送信されたナビゲーション信号成分は、建造物225の壁あるいは他の構造要素を通って伝わったり、この受信機220に到達する前にこの建造物225から反射して低い信号パワーおよび/またはマルチパス(multipath)をもたらし得る。
【0028】
図3は、コード・フェーズ・ディメンジョン(code phase dimension)で32個のコード・フェーズ仮説あるいはビンと、周波数ディメンジョン(frequency dimension)で20個の仮説とに広がるコード・フェーズ探索ウィンドウの一例を示す。このコード・フェーズ探索ウィンドウの各ディメンジョンのこれら複数の仮説の特定の位置および/または間隔(spacing)の選択は、1または複数の以前の探索から、および/または、外部的に得られた情報によって導かれ得る。例えば、所望の信号が与えられたコード・フェーズからのある数のチップ内にあること、および/または、この信号が与えられた周波数付近のある帯域幅内に見だされ得ることは認知あるいは推定され得るので、このコード・フェーズ探索ウィンドウは適宜に定義され得る。複数の探索が2以上のコードについて行なわれる場合、複数の関連探索ウィンドウは複数の同一ディメンジョンを有する必要はない。
【0029】
探索は D×Cのエネルギ結果のグリッドを得るために行なわれ得る (例えば、D個の周波数仮説にC個のコード仮説を乗じた探索ウィンドウに従い)、各結果はD個の周波数仮説のうちの1つとC個のコード仮説のうちの1つに対応する。特定の周波数仮説に対する複数のコード・フェーズ仮説に対応した複数のエネルギ結果のセットは、ここにおいて「ドップラー・ビン("Doppler bin")」と呼ばれる。
【0030】
図4は、20個のドップラー・ビンのグリッドあるいはエネルギプロファイル内のピークの例を示し、各ビンは64個のコード・フェーズ仮説を有する。この例において、隣接したコード・フェーズ仮説は1/2チップ離れており、このグリッドがコード・スペースにおいて32個のチップに広がることになる。この図中のエネルギ・ピークは、ドップラー・ビン10におけるコード・フェーズ仮説16での選択されたSV信号の存在を示す。受信機 (あるいはこうしたデバイス内のサーチャ(searcher))は、受信信号の同じ部分から、いくつかの異なる対応SVについて複数のエネルギ・グリッドを生成することができ、これら複数のグリッドはおそらく異なるディメンジョンを有する。
【0031】
受信信号は、異なる経路上を伝搬して異なる時間(times)でこの受信機に到着する同一送信信号の複数のバージョンを含み得る。このような受信信号とその対応基準コードとの相関は、異なるグリッド・ポイントにおけるいくつかのピークに帰着することができ、各ピークはこの送信信号の異なるインスタンス(マルチパスとも呼ばれる)によるものである。これらのマルチパス・ピークは、同一ドップラー・ビン内にあり得る。
【0032】
図2を戻って参照すると、この実施においては、受信機220はSV1 205によって送信されたナビゲーション信号成分を取得しようと試み得る。SV1 205によって特定の搬送周波数で送信されたナビゲーション信号成分は、SV2 210によって同一搬送周波数で送信された受信ナビゲーション信号成分の信号パワーよりも強い信号パワーで受信され得る。SV1 205およびSV2 210によって送信されたナビゲーション信号成分が同一搬送周波数で送信されたとしても、この例においては、これらは異なる拡散コードを用いて変調され得る。異なる拡散コードを用いて変調されるにもかかわらず、SV1 205およびSV2 210によって送信されたこうした複数のナビゲーション信号成分は相互相関され得る。SV1 205によって送信されたナビゲーション信号成分が受信機220において基準コードと相関されることができる場合において、SV2 210から受信された任意の相互相関は、この例では、はるかに低い信号パワーを有することができ、この受信機220はSV2 210から受信された信号が相互相関であって、無視されるべきであることを決定し得る。
【0033】
しかしながら、この受信機220が、SV1 205によって送信されたナビゲーション信号と対照的に、SV2 210によって送信されたナビゲーション信号成分を取得しようと試みている場合、SV1 205によって送信されたナビゲーション信号成分による相互相関は結果として偽警報となり得る。これは、例えば、SV1 205によって送信されたこの見通し線ナビゲーション信号成分による相互相関の相関検出の受信されたエネルギが、SV2 210によって送信されたナビゲーション信号成分の相関検出のエネルギより高いことがあり得るシナリオにおいて発生し得る。このような場合において、SV2 210から受信されたナビゲーション信号成分は建造物225を通って伝わるか、あるいは建造物225から反射されるため、それは見通し線のものではない。
【0034】
特定の一実施において、受信機220は、エネルギプロファイルあるいはグリッド上の複数のエネルギ・ピークが複数の相互相関によって引き起こされた複数の偽警報であるかどうかを決定し得る。図5は、20個のドップラー・ビンのエネルギプロファイル、あるいはグリッド内の複数のピークの例を示し、各ビンは64個のコード・フェーズ仮説を有する。この例において、この表示されたエネルギ・グリッドの上に50より上の正規化された(normalized)エネルギ・レベルを有する4つの別個のピークが存在する。最も高いピークがSV2 210から受信されたナビゲーション信号成分に対応でき、ここで他の複数のピークが複数の相互相関であるか、あるいは他の信号雑音あるいはマルチパスによるものであり得る。
【0035】
受信機220は、例えば、図5に示される複数のエネルギ・ピークに対応する複数の受信信号の相関ピークを比較して、いずれが相互相関であるかを決定し得る。複数の相関ピーク(例えば、SV1 205およびSV2 210の各々からの複数の信号からの1つ)は、2つずつ(pairwise)比較される(例えば、SV1 205からの信号に関する相関ピークは、SV2 210からの信号に関する相関ピークと比較される)。この比較は、これら2つの相関ピーク間のドップラーシフトにおいておよび搬送波対雑音パワー比(Carrier-to-Noise power ratio)(C/No)において差を推定する。より弱い相関ピークがより強い相関ピークよりもある所定量だけ弱く、かつあるデルタ・ドップラー範囲(ここでは相互相関マスク(cross-correlation mask)と呼ばれる)内にある場合、それはより強いピークの相互相関として分類され(categorized)得る。こうした相互相関は無視されてよい。
【0036】
検出閾値が偽警報(PFA)の確率を特に制限するために所定の許容可能なレベルより低くなるように選択され得る。複数の検出閾値が任意に高く設定されて、このPFAを任意に低く強制してよい。しかしながら、実際に注目のナビゲーション信号成分がエネルギ・ピークを提供するために基準コードと相関される場合に対応する検出の確率(PD)において関連ペナルティ(penalty)が存在し得る。
【0037】
しかしながら、このPFAを高くさせ過ぎるペナルティが存在する。偽警報は、GNSS位置ソリューション(location solution)に組み込まれている場合、位置推定において重大な誤りを持つソリューションをもたらし得る。従って、達成可能な感度を位置への影響と釣り合わせる(balancing) PFAを選択することにおいて注意が払われてよい。
【0038】
受信信号に対する2つの系列相関(serial correlations)が最終的なPFAを低減させるために行なわれ得る。複数の系列相関を行なうことによって、例えば、信号相関におけるいくらかのエネルギ・ピークがランダム雑音によるものであったかどうかを決定することを可能にし得る。例えば、目標とされたPFA値PFA1およびPFA2をそれぞれ備えたナビゲーション信号成分に対する2つの系列相関は、結果のPFA=PFA1*PFA2 を持つことになる (例えば、エネルギ・ピークが特定のナビゲーション信号成分によるものであるかどうかを決定するためにこれら2つの連続した検出が必要であると仮定すると、起こりそうにない事象(unlikely event)を検出するために2つの雑音偽警報を持つことが必要となる)。コード・フェーズ一致検査(consistency check)が課される場合、この確率はさらに低減され得る。コード・フェーズ一致検査は、第1の相関から見出されたコード・フェーズと第2の相関から見出されたコード・フェーズが合理的に(reasonably)近いかどうかを決定し得る (例えば、複数の信号が見通し線受信され(received line-of-sight)、衛星とユーザとの間の相対的な動きが存在しない場合に、それぞれのコード・フェーズは厳密に同一でなければならない)。もしナビゲーション信号成分が受信機220で見通し線受信されたものである場合、この信号の両検出はコード・フェーズで事実上同一であり得る。
【0039】
例えば、マルチパスの存在する場合において、ナビゲーション信号成分の両方のシリアル検出(serial detections)はコード・フェーズにおいて非常に近くてもよい。これらのシリアル探索(serial searches)のためのコード・フェーズまたはコード・フェーズ仮説 探索ウィンドウがW個のチップを拡張し、複数のマルチパス検出が見通し線信号の検出からわずかT個のチップしか離れていないと仮定し、分類が行なわれ得る。具体的には、2つの相関からの複数の検出がT個より少ないチップだけ離れている場合、これは有効な検出として分類されることができ、これら2つのコード・フェーズの先のもの(earlier)が選択される。そうでなければ、両測定値は偽警報として拒絶され得る。一実施では、マルチパスのより少ない複数の信号がより先に受信される(すなわち、これらはより短い距離を伝わる)ので、このより先のコード・フェーズがこれら2つの測定値について(over)選択され得る。
【0040】
このアルゴリズムは、偽警報の確率全体をPFA=PFA1*PFA2*T/Wに低減し得る。このPFA=PFA1*PFA2*T/Wの式は、基本的な確率に基づいて決定され得る。すなわち、雑音が偽警報をエネルギ・グリッド内のどこかで起こす(すなわち、確率PFA1で起きる)場合、第1のもののT個の仮説内で起きる第2の偽警報の確率は、PFA2*T/Wである (すなわち、これら複数の探索パラメータがこれら2つの探索の間に変わらない場合、PFA1=PFA2である)。
【0041】
単一の周波数で単一のナビゲーション信号成分を追跡する複数の受信機に関して、このような系列相関の使用は偽警報確率を管理して受信機220の感度を高めるために適用され得る。
【0042】
SVが、例えば、同一または異なる周波数で複数のスペクトラム拡散信号を送信する場合、複数のスペクトラム拡散信号の相関に基づくこうした複数の雑音偽警報の検出および分類を改善させることも可能であり得る。例えば、複数の相関は、これら複数のスペクトラム拡散信号の各々に対して並列に行なわれ得る。
【0043】
一実施では、複数のナビゲーション信号成分を取得することは、所望のナビゲーション信号成分の拡散または基準コードに対する受信信号の相関を行なうことを含み得る。このような相関オペレーション(operation)は、図2に示されているSV1 205から送信された複数のナビゲーション信号成分のような、複数の見通し線衛星信号に関して周波数および時間において明確に定義された(well-defined)ピークを生じさせ得る。しかしながら、他の複数のナビゲーション信号成分は、相関オペレーションがSV2 210によって送信された複数のナビゲーション信号成分のような、明確に定義されたピークを生じさせないように、厳しく減衰され得る。このような場合、ブロックされた(blocked)衛星SV2 210からのナビゲーション信号成分を取得するための相関オペレーションは、代わりに、SV1 205によって送信されたより強い、妨害されていない(unobstructed)ナビゲーション信号成分による複数の相互相関ピークを示すことができる。このような複数のピークは、複数の各衛星によって送信された複数の信号を変調するために使用された複数の拡散コードの複数の相互相関特性のアーティファクト(artifacts)であり得る。このような複数の相関ピークは、これらが所望の衛星 SV2 210にレンジング(ranging)情報を提供せず、むしろ、この特定の例においてはSV1 205である他のあるより強い衛星の複数のアーティファクトであるため、複数の偽警報を表わし得る。この理由により、こうした複数のアーティファクトは検出され、複数の相互相関として分類され、計算された複数の位置にバイアスをかけないように削除および/または無視され得る。
【0044】
相互相関はいくつかのかなり明確に定義されたプロパティ(properties)を示し得る。GPS L1 C/Aコードについては、例えば、例示のための、特定の例における相互相関ピークは、複数の相互相関を生成するソース(source)信号の搬送波対雑音比(C/N)より約21dB以上低いことがあり得る。さらに、このような複数の相互相関はドップラーディメンジョンにおいてこのソース信号から1kHzのある倍数だけ離れていることが認識され得る。再び図5を参照すると、例えば、ソース信号が2100Hzのドップラーおよび特定のコード・フェーズで観察される場合、複数の相互相関が相互相関関数に従った様々なコード・フェーズ・オフセットで、および様々なドップラー値 (例えば、4100Hz、-1900Hz等)で検出され得る。これら複数のコード・フェーズ・オフセットおよび複数の相対的な強度は、当該の2つの拡散コードの相互相関関数によって決定され得る。他の複数のナビゲーション信号成分 (例えば、ガリレオ、GLONASS等)について、複数の相互相関は、同様に、これら衛星システムそれぞれ内の複数の拡散コードの間に存在し、類似した複数のプロパティを示し得る。
【0045】
特定の実施では、複数の相互相関検出オペレーションが、複数の弱い相関検出 (すなわち、複数の低いエネルギ・ピーク)を複数の強い相関検出 (すなわち、複数の大きいエネルギ・ピーク)と比較し、こうした複数の検出がドップラーにおいて近く(例えば、1 kHzを法とする小さいデルタ・ドップラー(small delta Doppler modulo 1 KHz)であり)、そして信号強度において実質的にはるかに離れている (例えば、強度において21dBの差より大きい)かどうかを決定し得る。
【0046】
こうした複数の弱い相関検出は、複数の相互相関あるいは正当な(legitimate)複数のナビゲーション信号成分の結果であり得る。一実施では、相互相関であると思われる複数の相関検出の有効な測定値は、位置決定(position fix)における実際の相互相関に関して廃棄され得る。何故ならそれは、後者が結果的にアウトライアー(outlier)位置(非常に大きい誤りを有する位置決定)になり得るからであり、それは1つの有効なナビゲーション信号測定値を失うことによる正確さにおけるソフト劣化(soft degradation)よりも悪いことがある。
【0047】
特定のSVが複数の同一または異なる周波数で複数のスペクトラム拡散ナビゲーション信号(すなわち、複数のナビゲーション信号)を送信する場合、複数の弱い測定の分類を改善するために複数のナビゲーション信号に関して複数の相関検出を並列に行なうことが可能であり得る。こうした複数の相関検出を並列に行なうことは、(a)相互相関検出ロバストネス(robustness) を改善でき (すなわち、より少ない相互相関の偽警報)、(b)そうでなければ複数の相互相関として分類され得る複数の有効な測定の検出を改善できる (すなわち、より少ない廃棄される有効な測定)。
【0048】
GNSSの近代化は、例えば、図6に示されるもののような、新しい複数の民間信号を含み得る。提案された新しい複数のGNSS信号は、例えば、いわゆるL2C、L5およびL1Cのような複数のGPS信号を含む。前者の2つは異なる周波数帯 (例えば、L2帯域=1.227GHz、L5帯域=1.176GHz)で送信され得る。後者はL1帯域においてレガシーC/A信号と共存する(co-exists)。こうした複数のGPS信号は、レガシーGPS C/A波形のために使用される拡散コードとは著しく異なる複数の拡散コードによって変調されたり、異なる周波数にあったりする。
【0049】
SV上のもののような複数の送信機が、L2Cおよび/またはL5ナビゲーション信号成分、およびレガシーL1 C/Aナビゲーション信号成分のような、異なる周波数での複数のナビゲーション信号成分を送信する場合、単一のSVからの両方の受信ナビゲーション信号成分に対応する情報は、これら複数のナビゲーション信号成分の相関に関連するPFAを減少するために使用され得る。
【0050】
同様に、提案されたガリレオGNSS衛星群は、様々な周波数帯域における複数の民間信号を送信し得る。一般に、任意のナビゲーション・システム (例えば、GPS、ガリレオ、GLONASS等)に関し、与えられた衛星が同一または異なる周波数で複数のナビゲーション信号成分を送信する場合、この衛星からの様々な受信ナビゲーション信号成分について系列相関を行なうことによりPFAを低減することが可能である。
【0051】
図2に示された受信機220のようなGNSS受信機が、同一衛星から送信された複数の異なるナビゲーション信号成分を検出可能な特定の実施では、複数のオペレーションが複数の雑音偽警報の識別を向上し、かつこれら複数のナビゲーション信号成分の相関に関連する全PFAを低減するために適用され得る。これは、感度を向上させるために個々の相関のPFAにおいて目標とした増大を可能にする。
【0052】
同様に、いくつかのオペレーションが複数の相互相関の正確な識別を向上し、かつ複数の相互相関に類似しているはずの複数の有効な相関検出を拒絶する確率を低減するために適用され得る。
【0053】
図7は、一実施に従って、第1のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出を分類する方法を示す。最初に、オペレーション700で、第1および第2のナビゲーション信号成分が送信機から受信される。例えば、この送信機はSVに配置され得る。次に、オペレーション705で、第1のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出が第2のナビゲーション信号成分に少なくとも部分的に基づいて分類され得る。例えば、第1および第2のナビゲーション信号成分の両方を並列に分析することにより、偽警報の確率は低減されることができる。同一の送信機が第1および第2のナビゲーション信号成分の両方を送信するので、これらが一致しているかどうかを決定するためにこれらは分析され得る。 SVのような同一送信機から送信された複数の信号は、これらが受信機とこのSVとの間における同一位置および速度ベクトルを示す場合に一致している。例えば、異なる搬送波周波数上の複数の信号は、たとえ、それがこの受信機とこのSVとの間の同一相対速度であっても、v*f1/c およびv*f2/c の複数のドップラーシフト (すなわち、搬送波周波数f1およびf2のための)を与え得る。一実施において、これら2つの信号は一致しているが異なる拡散コードを利用する場合、これらはそれぞれのコードを使用して信号の同一到着時間を示し得る。
【0054】
こうした情報は、エネルギ・ピークが「ジャマー」の結果または別の信号との単なる相互相関であるか、あるいは注目のナビゲーション信号成分との相関であるかを決定するために使用されることができる。ジャマー信号は、注目の第1および第2のナビゲーション信号成分が送信される衛星以外のソースから受信された雑音信号を含み得る。
【0055】
特定の一実施では、相互相関オペレーションが、上述した強いおよび弱いエネルギ検出の1対を複数の入力としてとり得る。ここにおいて、強いエネルギ検出は、「基準(reference)衛星」の「基準測定値」に関連付けられ得る。弱いエネルギ検出は、「候補((candidate))衛星」(「候補」は、ここでは、相互相関として分類される候補であるという状況において使用される)の「1または複数の候補(candidate)測定値」に関連付けられ得る。
【0056】
基準衛星測定値が与えられると、受信機は、エネルギ・ピークが相互相関によるかどうかを決定するために、例えば複数のエネルギ・ピークのような、複数の受信信号の1または複数の特性を相関検出後に分析し得る。候補衛星は複数の衛星信号にわたって探索されてよく、ここで、これら様々な信号は基準測定値のものと同一周波数、あるいはそれとは別の複数の周波数におけるものであってよい。換言すると、受信機は、受信されたナビゲーション信号成分の相関検出において候補衛星による相互相関が検出されるかどうかを検出しようと試み得る。
【0057】
この候補探索がちょうど1つのエネルギ・ピーク検出を生じさせる場合、この受信機は、このエネルギ・ピークがナビゲーション信号成分に対応するのか、あるいは相互相関に対応するのかを決定しようと試み得る。例えば、基準測定値および候補測定値に関するドップラー差とC/No差とを比較することを備え得る相互相関オペレーションが行なわれる。
【0058】
しかしながら、この候補探索が同一、および/または、異なる周波数で送信された2またはそれより多くの別個の信号に対応する2またはそれより多くのエネルギ・ピーク検出を生じさせる場合、他のいくつかの一致検査が行なわれ得る。これらの異なる信号を変調するために使用される異なる拡散コードのせいで、ある信号に関して認められた相互相関は、別の信号に関して認められた相互相関に関するランダム・コード・フェーズを有し得る。複数の改善された検出および分類オペレーションは、ナビゲーション信号成分の検出を改善するためにこの特徴を使用し得る。
【0059】
下記に示された表A-Cは、同一SVから送信された第1および、おそらく、第2のナビゲーション信号成分の受信に関する1つの可能な一致検査オペレーションを示す。こうしたオペレーションは、複数の信号を送信している別の衛星の相互相関マスク (すなわち、相互相関の決定された周波数およびコード・フェーズ)内にある複数の測定値の回復(recovery)と、より低いPFAとを可能にし得る。2つの独立した測定値が一致した結果を生じる場合は、複数のジャマー周波数により汚れた(contaminated)複数の信号も回復され得る。
【表1】

【0060】
表Aは、受信されたナビゲーション信号成分が第1のナビゲーション信号成分であるか、あるいは相互相関またはジャマーであるかを決定することに関する複数の決定/処理を示す。こうした決定/処理は、1つのナビゲーション信号成分だけが検出されるときに行なわれ得る。受信機220は、いくつかの実施においてこの処理を行ない得る。受信されたナビゲーション信号成分の信号強度に基づいて、第2のナビゲーション信号成分が検出可能/期待可能であるかどうかに関する決定がなされる。ナビゲーション信号成分が所定のレベルより上の信号強度で受信される一例において、受信機220は第2のナビゲーション信号成分が、ある状況下で検出可能であることを決定し得る。第2のナビゲーション信号成分が検出可能/期待可能であることを受信機220が決定する場合、この受信されたナビゲーション信号成分はさらなる処理について合格とされない。これは、例えば、受信信号成分が所望の衛星からの第1のナビゲーション信号成分ではないからである。例えば、受信されたナビゲーション信号成分は、相互相関、ジャマー、あるいは他のあるタイプの雑音であり得る。他方では、第2のナビゲーション信号成分が検出可能でない/期待されないことを受信機220が決定する場合、この受信されたナビゲーション信号成分は受入れられ、そのテストに合格し、複数の付加的テストがこの受信されたナビゲーション信号成分に関して行なわれ得る。
【0061】
受信されたナビゲーション信号成分がナビゲーション信号成分と対照的に確からしい(likely)雑音であるかどうかを受信機220が決定し得るので、偽警報の確率はチャートAにおける複数のオプションに従って決定をすることにより、減少され得る。
【0062】
下記の表BおよびCは、第1および第2のナビゲーション信号成分の両方が受信され、これらのナビゲーション信号成分が所望の衛星から送信されたものであるのか、あるいは相互相関、ジャマー、あるいは他の雑音であるのかを、受信機220が決定する、という一例において行なわれ得る決定/処理を示す。表Bは複数の相互相関一致検査の性能に関し、表Cは複数のジャマー一致検査に関する。この複数のジャマー一致検査は、受信信号が、第1または第2のナビゲーション信号成分のうちの1つであることと対照的に、ジャマー信号であるかどうかを決定するために行なわれ得る。上述のように、ジャマー信号は、注目の第1および第2のナビゲーション信号成分が送信される衛星以外のソースから受信された雑音信号を含み得る。
【表2】

【0063】
表Bは、受信機220によって行なわれ得るいくつかの決定を一覧にする。これらの決定は、第1および第2のナビゲーション信号成分に関する複数の相互相関検査の結果、第1および第2のナビゲーション信号成分が一致しているかどうかの決定、並びに付加的処理/テストに関して第1または第2のナビゲーション信号成分のいずれを合格とすべきかを含む。上述のように、複数の相関ピーク( 例えば、SV1 205およびSV2 210の各々からの複数の信号からの1つ)は2つずつ(pairwise)比較され、より弱い相関ピークがより強い相関ピークよりもある所定量だけ弱く、そしてあるデルタ・ドップラーの範囲内にある場合、それはより強いピークの相互相関として分類され得る。
【0064】
為すべき別の決定は、第1および第2のナビゲーション信号成分が互いに「一致している」かどうかである。上述のように、SVのような同一送信機から送信された複数のナビゲーション信号成分は、例えば、これらが受信機とこのSVとの間で同一位置および速度ベクトルを示す場合、「一致している」。
【0065】
第1および第2のナビゲーション信号成分が一致している場合、両方が受信機220の探索していた該第1および第2のナビゲーション信号成分であると決定され、相互相関検査に合格あるいは失敗するかにかかわらず、両方が複数の相互相関一致検査に合格し、さらなる信号処理について合格とされ得る。
【0066】
第1および第2のナビゲーション信号成分が一致していない場合、他方で受信機220は受信されたナビゲーション信号成分のうちのいずれか1つのみがこの相互相関一致検査に合格するか、あるいは両方が合格しないかを決定し得る。例えば、第1および第2のナビゲーション信号成分の両方がこれらのそれぞれ相互相関検査に合格するか、あるいは両方が失敗するかのいずれかである場合、いずれも相互相関一致検査に合格しない。両方が相互相関検査に合格した場合、これらは一致していないので、受信機220はナビゲーション信号成分が偽警報であると決定し得る。他方、両方が失敗した場合、受信機220は両ナビゲーション信号成分が相互相関であると決定する。
【0067】
第1および第2のナビゲーション信号成分が一致しておらず、第1のナビゲーション信号成分だけがその相互相関検査に合格する場合、第2のナビゲーション信号成分は相互相関であると決定され得る。この例では、第1のナビゲーション信号成分だけが相互相関一致検査に合格し、付加的な信号処理を受け得る。他方、第1および第2のナビゲーション信号成分が一致しておらず、第2のナビゲーション信号成分だけがその相互相関検査に合格する場合、第1のナビゲーション信号成分は相互相関であると決定され得る。この例では、第2のナビゲーション信号成分だけが相互相関一致検査に合格し、付加的な信号処理を受けることになる。
【0068】
表Cは、受信機220によって行なわれ得るジャマー一致検査に関するいくつかの決定を一覧しています。
【表3】

【0069】
表Cに関する複数の決定は、第1および第2のナビゲーション信号成分に関する複数のジャマー一致検査の結果、第1および第2のナビゲーション信号成分が一致しているかどうかの決定、並びに付加的処理/テストに関して第1または第2のいずれのナビゲーション信号成分を合格とすべきかを含む。
【0070】
第1および第2のナビゲーション信号成分が、例えば、相関ピークが該第1および第2のナビゲーション信号成分によるものであることと対照的に、ジャマー信号によるものであるかどうかを決定するためのいくつかの検査を満たす場合、これらのいずれかはジャマー検査に失敗し得る。
【0071】
雑音のあるジャマー信号が受信される場合、このようなジャマー信号は閾値レベルより上の信号強度を示し得る。第1のナビゲーション信号成分に関するジャマー検査を行なうことにおいて、ジャマー検査が第2のナビゲーション信号成分に関して行なわれるときとは異なる閾値レベルが使用され得ることが認識されるべきである。
【0072】
為すべき別の決定は、第1および第2のナビゲーション信号成分が互いと「一致している」かである。これら第1および第2のナビゲーション信号成分が一致している場合、両方が受信機220の探索していた第1および第2の各ナビゲーション信号成分であると決定され、両方がこれらのジャマー検査に合格あるいは失敗するかにかかわらず、ジャマー一致検査に合格し、さらなる信号処理に進み得る。
【0073】
例えば、第1および第2のナビゲーション信号成分が一致していない場合、受信機220は、受信されたナビゲーション信号成分のいずれか1つだけがジャマー一致検査に合格するか、あるいはいずれも合格しないと決定し得る。第1および第2のナビゲーション信号成分の両方がこれらの各ジャマー検査に合格するか、あるいは両方が失敗するかのいずれかの場合、いずれもジャマー一致検査に合格し得ない。両方がこれらの各ジャマー検査に合格した場合、これらは一致していないので、受信機220は、両ナビゲーション信号成分が偽警報であると決定し得る。他方、両方が失敗した場合、受信機220は、両ナビゲーション信号成分がジャマーであると決定し得る。
【0074】
例えば、第1および第2のナビゲーション信号成分が一致しておらず、第1のナビゲーション信号成分だけがそのジャマー検査に合格する場合、第2のナビゲーション信号成分はジャマーであると決定され得る。この例では、第1のナビゲーション信号成分だけがジャマー一致検査に合格し、付加的な信号処理を受け得る。他方、第1および第2のナビゲーション信号成分が一致しておらず、第2のナビゲーション信号成分だけがそのジャマー検査に合格する場合、第1のナビゲーション信号成分はジャマーであると決定され得る。この例では、第2のナビゲーション信号成分だけがジャマー一致検査に合格し、付加的な信号処理を受け得る。
【0075】
表BおよびC中には相互相関およびジャマー一致検査だけが示されているが、複数の付加的一致検査が、またあるいは代わりに、行なわれ得ることが理解されるべきである。こうした相互相関およびジャマー一致検査を行なうことは、偽警報の確率を低減させ、潜在的に、例えば、複数のGPS信号のような、受信された複数のGNSS信号からのより正確な複数の位置決定となり得る。
【0076】
上述のような相互相関および/またはジャマー一致検査のような、一致検査は、例えば、単一のデバイス内に配置された2つの別個のRF受信機によって得られた複数の信号のそれぞれに関して行なわれてよい。こうした複数のRF受信機は、「ダイバーシティ(diversity)受信機」と呼ばれることができ、同一周波数で受信された同一信号を処理し得る。一実施では、例えば、第1の受信機がナビゲーション信号成分を受信し、また第2の受信機が同一のナビゲーション信号成分を別に受信し得る。一致検査がその後、第1および第2の受信機によって受信されるナビゲーション信号の異なるインスタンスに関して行なわれ得る。
【0077】
ダイバーシティ受信機の一実施では、第1の受信機がナビゲーション信号成分を受信し、この受信されたナビゲーション信号成分に基づいて第1のナビゲーション信号成分検出を決定し得る。第2の受信機もこのナビゲーション信号成分を受信し、この受信されたナビゲーション信号成分に基づいて第2のナビゲーション信号成分検出を決定し得る。その後、プロセッサが、第1および第2のナビゲーション信号成分検出に関して複数の一致検査を行ない得る。
【0078】
図8は、無線トランシーバ806が音声またはデータのようなベースバンド情報を備えたRF搬送波信号をRF搬送波に変調し、こうしたベースバンド情報を得るためにRF搬送波を復調することに適用され得るMSの特定の実施を示す。アンテナ810は、変調されたRF搬送波を無線通信リンク上で送信し、変調されたRF搬送波を無線通信リンク上で受信することに適用され得る。
【0079】
ベースバンド・プロセッサ808は、無線通信リンク上での送信のためにCPU 802からトランシーバ806にベースバンド情報を提供することに適用され得る。ここで、CPU 802は、こうしたベースバンド情報をユーザ・インターフェース816内の入力デバイスから取得し得る。ベースバンド・プロセッサ808は、ユーザ・インターフェース816内の出力デバイスによる送信のためにトランシーバ806からCPU 802にベースバンド情報を提供することに適用され得る。
【0080】
ユーザ・インターフェース816は、音声またはデータのようなユーザ情報を入力あるいは出力するための複数のデバイスを含み得る。こうした複数のデバイスは、例えば、キーボード、表示スクリーン、マイクロホン、およびスピーカを含み得る。
【0081】
SPS受信機 (SPS Rx)812は、複数のSVから SPSアンテナ814への複数の送信を受信して復調し、復調された情報を相関器818に提供するために適用され得る。相関器818は、受信機812によって提供される情報から複数の相関関数を導き出すことに適用され得る。与えられたPNコードに関して、例えば、相関器818は、コード・フェーズ探索ウィンドウを説明する(set out)ための複数のコード・フェーズのある範囲に関して、および上記に示されている複数のドップラー周波数仮説のある範囲に関して定義された相関関数を生成し得る。従って、個々の相関は、定義されたコヒーレントおよび非コヒーレント積分(integration)パラメータに従って行なわれ得る。
【0082】
相関器818は、トランシーバ806によって提供された複数のパイロット信号に関する情報から複数のパイロット関連相関関数を導き出すことにも適用され得る。この情報は、加入者ステーションによって複数の無線通信サービスを取得するために使用され得る。
【0083】
チャネル復号器820は、ベースバンド・プロセッサ808から受けた複数のチャネル記号を、基礎となる複数のソース・ビットへ復号することに適用され得る。複数のチャネル記号がコンボリューショナルに(convolutionally)符号化された複数の記号を含む一例では、こうしたチャネル復号器が、ビタビ(Viterbi)復号器を備え得る。複数のチャネル記号が複数の重畳コードの直列または並列の複数の連接(concatenation)を含む第2の例において、チャネル復号器820はターボ復号器を含み得る。
【0084】
メモリ804は、記述あるいは示唆された1または複数のプロセス、例、実施、あるいはその例を行なうために実行可能な複数の機械可読命令を格納することに適用され得る。CPU 802は、こうした複数の機械可読命令にアクセスして実行することに適用され得る。これら機械可読命令の実行を通じて、CPU 802は相関器818によって提供された複数のSPS相関関数を分析し、これらの複数のピークから複数の測定値を導き出し、位置の推定が十分に正確かどうかを決定することを相関器818にさせ得る。しかしながら、これらは特定の態様においてCPUにより行なわれ得る複数のタスクの単なる例に過ぎず、本願の請求項記載の主題はこれらの点に限定されない。
【0085】
特定の例において、加入者ステーションにおけるCPU 802は、上述された複数のSVから受信された複数の信号に少なくとも部分的に基づいて加入者局の位置を推定し得る。CPU 802は、複数の特定の例に従って上述のように複数の第1の受信信号において検出されたコード・フェーズに少なくとも部分的に基づいて第2の受信信号を取得するためのコード検索範囲を決定することにも適用され得る。
【0086】
無線トランシーバ806は図8に示されるが、複数の非通信デバイスが他の複数の実施で利用され得ることについて理解されるべきである。さらに、1つのSPSおよび1つの無線トランシーバ806だけが図8に示されるが、他の複数の実施が複数のアンテナおよび/または複数の受信機を使用し得ることが理解されるべきである。
【0087】
ここで述べた様々な方法は、偽警報の確率を低減してシステム性能全体を改善するために実施され(implemented)得る。
【0088】
現状で例示的特徴と考えられるものを示し説明したが、当業者は、他の様々な変形が可能であり、複数の均等物が請求項記載の主題を逸脱せずに代用可能であることを理解するであろう。加えて、様々な変形が、ここで述べた主要な概念を逸脱することなく、請求項記載の主題の教示に対する特定の状況に適用するために為され得る。従って、請求項記載の主題が開示された複数の特定の例に限定されず、こうした請求項記載の主題が添付の請求項の技術的範疇内にある全ての態様およびそれらの均等物を含み得ることも意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機からの第1のナビゲーション信号成分および第2のナビゲーション信号成分を受信すること、および
前記第2のナビゲーション信号成分に少なくとも部分的に基づいて前記第1のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出を分類すること、
を備える方法。
【請求項2】
前記分類することは、
前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出が、コード・フェーズにおいておよびドップラーのうちの少なくとも1つにおいて、前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出と相関されていないことを決定することに応答して、前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出を偽警報として分類することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分類することは、前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出と前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出との間の少なくとも1つの特性を比較することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの特性は、前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出と前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出との間のドップラーシフト差および搬送波対雑音パワー比差のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記エネルギ検出は相関ピークを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のナビゲーション信号成分および前記第2のナビゲーション信号成分に関してジャマー・テストを実施することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記分類することは、前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出と前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出がコード・フェーズにおいておよびドップラーのうちの少なくとも1つにおいて相関されていないとの決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出と前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出の両方が偽警報であるかどうかを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記分類することは、相互相関テストおよびジャマー・テストを備えるテストのグループから選択された少なくとも1つのテストの結果に少なくとも部分的に基づいて、前記第1および第2のナビゲーション信号成分における複数の前記エネルギ検出を偽警報として分類することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記分類することは、
前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出と前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出はコード・フェーズにおいておよびドップラーのうちの少なくとも1つにおいて相関されていないとの決定、および
前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出は少なくとも1つの信号テストに合格するとの決定、
に少なくとも部分的に基づいて前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出が偽警報ではないと決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のナビゲーション信号成分は第1の搬送波周波数で送信され、前記第2のナビゲーション信号成分は第2の搬送波周波数で送信され、第1の搬送波周波数は少なくとも50メガHzだけ離されている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記受信することおよび前記分類することは、1つのデバイスの少なくとも2つの受信機によりそれぞれ行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
送信機からの第1のナビゲーション信号成分および第2のナビゲーション信号成分を受信する受信機と、
第2のナビゲーション信号成分に少なくとも部分的に基づいて前記第1のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出を分類するプロセッサと、
を備える装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記第1のナビゲーション信号成分と前記第2のナビゲーション信号成分がコード・フェーズにおいておよびドップラーのうちの少なくとも1つにおいて相関されていないことを決定することに応答して、前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出を偽警報として分類することに適用される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出と前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出との間の少なくとも1つの特性の比較に、少なくとも部分的に基づいて前記エネルギ検出を分類することに適用される、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの特性は、前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出と前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出との間のドップラーシフト差および搬送波対雑音パワー比差のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記第1のナビゲーション信号成分および前記第2のナビゲーション信号成分に関するジャマー・テストの実施に、少なくとも部分的に基づいて前記エネルギ検出を分類することに適用される、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記第1のナビゲーション信号成分および前記第2のナビゲーション信号成分に関する相互相関テストの実施に、少なくとも部分的に基づいて前記エネルギ検出を分類することに適用される、請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、
前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出と前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出はコード・フェーズにおいておよびドップラーのうちの少なくとも1つにおいて相関されていないとの決定、および
前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出は少なくとも1つの信号テストに合格するとの決定、
に少なくとも部分的に基づいて前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出が偽警報ではないと決定することに適用される、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
送信機からの第1のナビゲーション信号成分および第2のナビゲーション信号成分を受信するための受信手段と、
前記第2のナビゲーション信号成分に少なくとも部分的に基づいて前記第1のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出を分類するための処理手段と、
を備える装置。
【請求項20】
前記処理手段は、前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出と前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出との間の少なくとも1つの特性の比較に、少なくとも部分的に基づいて前記エネルギ検出を分類することに適用される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの特性は、前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出と前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出との間のドップラーシフト差および搬送波対雑音パワー比差のうちの少なくとも1つを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記処理手段は、前記第1のナビゲーション信号成分および前記第2のナビゲーション信号成分の相互相関テストに、少なくとも部分的に基づいて前記エネルギ検出を分類することに適用される、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記処理手段は、前記第1のナビゲーション信号成分および前記第2のナビゲーション信号成分に関するジャマー・テストの実施に、少なくとも部分的に基づいて前記エネルギ検出を分類することに適用される、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記処理手段は、前記第1のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出と前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出がコード・フェーズにおいておよびドップラーのうちの少なくとも1つにおいて相関されていないとの決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のナビゲーション信号成分と前記第2のナビゲーション信号成分が偽警報であるかどうかを決定することに適用される、請求項19に記載の装置。
【請求項25】
複数の機械可読命令を含む記憶媒体を備える物品であって、前記複数の機械可読命令はこの媒体上に格納され、計算プラットフォームによって実行される場合に、
送信機からの第1のナビゲーション信号成分および第2のナビゲーション信号成分を受信すること、および
第2のナビゲーション信号成分に少なくとも部分的に基づいて前記第1のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出を分類すること、
を前記計算プラットフォームができるようにすることに適用される物品。
【請求項26】
前記エネルギ検出を前記分類することは、前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出が、コード・フェーズにおいておよびドップラーのうちの少なくとも1つにおいて、前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出と相関されていないことを決定することに応答して、前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出を偽警報として分類することを含む、請求項25記載の物品。
【請求項27】
前記エネルギ検出を前記分類することは、前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出と前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出との間の少なくとも1つの特性を比較することを含む、請求項25記載の物品。
【請求項28】
前記少なくとも1つの特性は、前記第2のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出と前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出との間のドップラーシフト差および搬送波対雑音パワー比差のうちの少なくとも1つを含む、請求項27記載の物品。
【請求項29】
前記複数の機械可読命令は、前記第1のナビゲーション信号成分および前記第2のナビゲーション信号成分に関してジャマー・テストを実施することにさらに適用される、請求項25記載の物品。
【請求項30】
前記エネルギ検出を前記分類することは、前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出と前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出がコード・フェーズにおいておよびドップラーのうちの少なくとも1つにおいて相関されていないとの決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出と前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出の両方が偽警報であるかどうかを決定することを含む、請求項25記載の物品。
【請求項31】
前記エネルギ検出を前記分類することは、相互相関テストおよびジャマー・テストを備えるテストのグループから選択された少なくとも1つのテストの結果に少なくとも部分的に基づいて、前記第1および第2のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出を偽警報として分類することをさらに含む、請求項30記載の物品。
【請求項32】
前記エネルギ検出を前記分類することは、
前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出と前記第2のナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出はコード・フェーズにおいておよびドップラーのうちの少なくとも1つにおいて相関されていないとの決定、および
前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出は少なくとも1つの信号テストに合格するとの決定、
に少なくとも部分的に基づいて前記第1のナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出が偽警報ではないと決定することを含む、請求項25記載の物品。
【請求項33】
送信機からのナビゲーション信号成分を第1の受信機により受信して第1のナビゲーション信号成分検出を決定すること、
前記送信機からの前記ナビゲーション信号成分を第2の受信機により受信して第2のナビゲーション信号成分検出を決定すること、および
前記第1および第2のナビゲーション信号成分検出に少なくとも部分的に基づいて、前記ナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出を分類すること、
を備える方法。
【請求項34】
前記分類することは、前記第1のナビゲーション信号成分検出が、コード・フェーズにおいておよびドップラーのうちの少なくとも1つにおいて、前記第2のナビゲーション信号成分検出と相関されていないことを決定することに応答して、前記ナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出を偽警報として分類することを含む、請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記分類することは、前記第2のナビゲーション信号成分検出と前記第1のナビゲーション信号成分検出との間の少なくとも1つの特性を比較することを含む、請求項33記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの特性は、前記第2のナビゲーション信号成分検出と前記第1のナビゲーション信号成分検出との間のドップラーシフト差および搬送波対雑音パワー比差のうちの少なくとも1つを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記エネルギ検出は相関ピークを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記第1のナビゲーション信号成分検出および前記第2のナビゲーション信号成分検出に関してジャマー・テストを実施することをさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
送信機からのナビゲーション信号成分を受信して第1のナビゲーション信号成分検出を決定する第1の受信機と、
前記送信機からの前記ナビゲーション信号成分を受信して第2のナビゲーション信号成分検出を決定する第2の受信機と、
前記第1および第2のナビゲーション信号成分検出に少なくとも部分的に基づいて、前記ナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出を分類するプロセッサと、
を備える装置。
【請求項40】
前記プロセッサは、前記第1および第2のナビゲーション信号成分検出が、コード・フェーズにおいておよびドップラーのうちの少なくとも1つにおいて相関されていないことを決定することに応答して、前記ナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出を偽警報として分類することに適用される、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記プロセッサは、前記第2のナビゲーション信号成分検出と前記第1のナビゲーション信号成分検出との間の少なくとも1つの特性の比較に、少なくとも部分的に基づいて前記エネルギ検出を分類することに適用される、請求項39に記載の装置。
【請求項42】
前記少なくとも1つの特性は、前記第2のナビゲーション信号成分検出と前記第1のナビゲーション信号成分検出との間のドップラーシフト差および搬送波対雑音パワー比差のうちの少なくとも1つを含む、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記プロセッサは、前記第1のナビゲーション信号成分検出および前記第2のナビゲーション信号成分検出に関するジャマー・テストの実施に、少なくとも部分的に基づいて前記エネルギ検出を分類することに適用される、請求項39に記載の装置。
【請求項44】
前記プロセッサは、前記第1のナビゲーション信号成分検出および前記第2のナビゲーション信号成分検出に関する相互相関テストの実施に、少なくとも部分的に基づいて前記エネルギ検出を分類することに適用される、請求項39に記載の装置。
【請求項45】
送信機からのナビゲーション信号成分を受信して第1のナビゲーション信号成分検出を決定するための第1の受信手段と、
前記送信機からの前記ナビゲーション信号成分を受信して第2のナビゲーション信号成分検出を決定するための第2の受信手段と、
前記第1および第2のナビゲーション信号成分検出に少なくとも部分的に基づいて、前記ナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出を分類するための処理手段と、
を備える装置。
【請求項46】
前記処理手段は、前記第2のナビゲーション信号成分検出と前記第1のナビゲーション信号成分検出との間の少なくとも1つの特性の比較に、少なくとも部分的に基づいて前記エネルギ検出を分類することに適用される、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記少なくとも1つの特性は、前記第2のナビゲーション信号成分検出と前記第1のナビゲーション信号成分検出との間のドップラーシフト差および搬送波対雑音パワー比差のうちの少なくとも1つを含む、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記処理手段は、前記第1のナビゲーション信号成分検出および前記第2のナビゲーション信号成分検出の相互相関テストに、少なくとも部分的に基づいて前記エネルギ検出を分類することに適用される、請求項45に記載の装置。
【請求項49】
前記処理手段は、前記第1のナビゲーション信号成分検出および前記第2のナビゲーション信号成分検出に関するジャマー・テストの実施に、少なくとも部分的に基づいて前記エネルギ検出を分類することに適用される、請求項45に記載の装置。
【請求項50】
複数の機械可読命令を含む記憶媒体を備える物品であって、前記複数の機会可読命令は、この媒体上に格納され、計算プラットフォームによって実行される場合に、
送信機からのナビゲーション信号成分を第1の受信機により受信し、第1のナビゲーション信号成分検出を決定すること、
前記送信機からの前記ナビゲーション信号成分を第2の受信機により受信し、第2のナビゲーション信号成分検出を決定すること、および
前記第1および第2のナビゲーション信号成分検出に少なくとも部分的に基づいて、前記ナビゲーション信号成分におけるエネルギ検出を分類すること、
を前記計算プラットフォームができるようにすることに適用される、物品。
【請求項51】
前記エネルギ検出を前記分類することは、前記第1のナビゲーション信号成分検出が、コード・フェーズにおいておよびドップラーのうちの少なくとも1つにおいて、前記第2のナビゲーション信号成分検出と相関されていないことを決定することに応答して、前記ナビゲーション信号成分における前記エネルギ検出を偽警報として分類することを含む、請求項50記載の物品。
【請求項52】
前記エネルギ検出を前記分類することは、前記第2のナビゲーション信号成分検出と前記第1のナビゲーション信号成分検出との間の少なくとも1つの特性を比較することを含む、請求項50記載の物品。
【請求項53】
前記少なくとも1つの特性は、前記第2のナビゲーション信号成分検出と前記第1のナビゲーション信号成分検出との間のドップラーシフト差および搬送波対雑音パワー比差のうちの少なくとも1つを含む、請求項52記載の物品。
【請求項54】
前記複数の機械可読命令は、前記第1のナビゲーション信号成分検出および前記第2のナビゲーション信号成分検出に関してジャマー・テストを実施することにさらに適用される、請求項50記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−508391(P2012−508391A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536420(P2011−536420)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/063910
【国際公開番号】WO2010/056678
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】