説明

送信装置及び送信方法

【課題】スループットを低下させることなく、伝送レート要求用信号の情報量を低減するとともに、低消費電力にすること。
【解決手段】伝送レート要求用信号生成部102は、周波数毎に伝送レートを要求するための複数のビットからなる伝送レート要求用信号を周波数毎に生成する。上位ビット送信制御部104は、CQIの上位ビットを送信する第1の周波数間隔が、CQIの下位ビットを送信する第2の周波数間隔よりも長くなるように、上位ビットを送信する周波数を設定する。下位ビット送信制御部105は、CQIの下位ビットを送信する周波数を設定する。送信装置100は、上位ビット送信制御部104及び下位ビット送信制御部105により設定した周波数を用いて、CQIの上位ビット及び下位ビットを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送レート要求用信号を用いて伝送レートを要求する送信装置及び送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、3GPP(3rd Generation Partnership Project)規格において、通信端末装置等の送信装置から基地局装置等の受信装置へ、伝送レートの設定を要求するための制御信号である伝送レート要求用信号(3GPP規格では、CQI(Channel Quality Indicator))を送信することが検討されている。受信装置は、受信したCQIに応じて伝送レートを選択する。CQIは、複数のビットにより構成されている。
【0003】
伝送レート要求用信号の従来の送信方法として、伝送レート要求用信号が送信される送信時刻が固定的に決められており、送信時刻になった場合には送信装置が伝送レート要求用信号の全ビットを送信する方法がある(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TS25.212 V8.6.0(2009-09)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1においては、常に伝送レート要求用信号の全ビットを送信するので、伝送レート要求用信号の情報量が多くなる。この結果、送信装置では、伝送レート要求用信号の送信のための消費電力が増大するという問題がある。さらに、伝送レート要求用信号の情報量が多くなることにより、伝送レート要求用信号が他の端末に与える干渉量がより大きくなるという問題がある。
【0006】
そこで、伝送レート要求用信号の情報量を低減させるために、伝送レート要求用信号の送信間隔を長くすることが考えられる。しかしながら、回線状況は、時々刻々変動する。そのため、伝送レート要求用信号の送信間隔を長くすると、受信装置において伝送レート要求用信号を受信した時点の回線状況と、現時点の実際の回線状況との間に誤差が生じてしまう可能性がある。つまり、伝送レート要求用信号の精度が悪くなる可能性がある。この結果、受信装置が適切な伝送レートを選択できず、スループットが低下してしまうという問題がある。
【0007】
このように、伝送レート要求用信号の情報量の低減とスループットとの間にはトレードオフの関係がある。
【0008】
本発明の目的は、伝送レート要求用信号の上位ビットの送信周波数間隔を伝送レート要求用信号の下位ビットの送信周波数間隔よりも長くすることにより、スループットを低下させることなく、伝送レート要求用信号の情報量を低減することができるとともに、低消費電力にすることができる送信装置および送信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の送信装置は、周波数毎に伝送レートを要求するための複数のビットからなる伝送レート要求用信号を前記周波数毎に生成する生成手段と、前記複数のビットのうちの上位ビットを送信する第1の周波数間隔が、前記複数のビットのうちの前記上位ビット以外の下位ビットを送信する第2の周波数間隔よりも長くなるように、前記上位ビットを送信する周波数及び前記下位ビットを送信する周波数を設定する制御手段と、前記制御手段により設定した周波数を用いて、前記上位ビット及び前記下位ビットを送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
【0010】
本発明の送信方法は、周波数毎に伝送レートを要求するための複数のビットからなる伝送レート要求用信号を前記周波数毎に生成するステップと、前記複数のビットのうちの上位ビットを送信する第1の周波数間隔が、前記複数のビットのうちの前記上位ビット以外の下位ビットを送信する第2の周波数間隔よりも長くなるように、前記上位ビットを送信する周波数及び前記下位ビットを送信する周波数を設定するステップと、前記設定した周波数を用いて、前記上位ビット及び前記下位ビットを送信するステップと、を具備するようにした。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、伝送レート要求用信号の上位ビットの送信周波数間隔を伝送レート要求用信号の下位ビットの送信周波数間隔よりも長くすることにより、スループットを低下させることなく、伝送レート要求用信号の情報量を低減することができるとともに、低消費電力にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1におけるサブキャリアグループを示す図
【図4】本発明の実施の形態1におけるCQIの送信方法を示す図
【図5】本発明の実施の形態2に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態3に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態3におけるCQIの送信方法1を示す図
【図8】本発明の実施の形態3におけるCQIの送信方法2を示す図
【図9】本発明の実施の形態4に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態4におけるCQIの送信方法を示す図
【図11】本発明の実施の形態5に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態5におけるCQIの送信方法を示す図
【図13】本発明の実施の形態6に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図14】本発明の実施の形態6における2本のアンテナのうち一方のアンテナから送信されるCQIの送信方法を示す図
【図15】本発明の実施の形態6における2本のアンテナのうち他方のアンテナから送信されるCQIの送信方法を示す図
【図16】本発明の実施の形態7に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図17】本発明の実施の形態7におけるCQIの送信方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
<送信装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る送信装置100の構成を示すブロック図である。送信装置100は、例えば携帯電話等の通信端末装置に適用可能である。
【0015】
符号化及び変調部101は、入力した送信信号に対して、符号化処理および変調処理を施す。符号化及び変調部101は、変調処理後の送信信号をP/S変換部106に出力する。
【0016】
伝送レート要求用信号生成部102は、後述する回線品質推定部111から入力した送信装置100の回線状況を示す回線品質の推定結果に応じて、伝送レートを要求するための制御信号であるCQIを生成する。伝送レート要求用信号生成部102は、生成したCQIをS/P変換部103に出力する。ここで、CQIは、サブキャリアグループ毎(周波数毎)の伝送レートを要求するための複数のビットからなる伝送レート要求用信号であり、サブキャリアグループ毎に生成される。
【0017】
S/P変換部103は、伝送レート要求用信号生成部102から直列データ形式で入力したCQIを並列データ形式に変換(シリアル/パラレル(S/P)変換)する。S/P変換部103は、並列データ形式に変換したCQIを、上位ビットと下位ビットとに分離する。S/P変換部103は、CQIの上位ビットを上位ビット送信制御部104に出力し、CQIの下位ビットを下位ビット送信制御部105に出力する。
【0018】
上位ビット送信制御部104は、S/P変換部103から入力したCQIの上位ビットを送信するサブキャリアグループを決定する。この際、上位ビット送信制御部104は、CQIの上位ビットの送信周波数間隔を、後述する下位ビット送信制御部105で設定される、CQIの下位ビットの送信周波数間隔よりも長くなるように、上位ビットを送信するためのサブキャリアグループを設定する。上位ビット送信制御部104は、サブキャリアグループを設定した後に、CQIの上位ビットをP/S変換部106に出力する。上位ビット送信制御部104は、CQIの上位ビットの送信周波数間隔を固定または可変にする。なお、上位ビット及び下位ビットの送信周波数間隔を設定する方法については後述する。
【0019】
下位ビット送信制御部105は、S/P変換部103から入力したCQIの下位ビットを送信するサブキャリアグループを設定する。この際、下位ビット送信制御部105は、CQIの下位ビットの送信周波数間隔を、上位ビット送信制御部104で設定される、CQIの上位ビットの送信周波数間隔よりも短くなるように、下位ビットを送信するためのサブキャリアグループを設定する。下位ビット送信制御部105は、サブキャリアグループを設定した後に、CQIの下位ビットをP/S変換部106に出力する。
【0020】
P/S変換部106は、上位ビット送信制御部104から並列に入力されるCQIの上位ビット、または、下位ビット送信制御部105から並列に入力されるCQIの下位ビットを直列に変換(パラレル/シリアル(P/S)変換)する。P/S変換部106は、符号化及び変調部101から入力した送信信号と、上位ビット送信制御部104から入力したCQIの上位ビットまたは下位ビット送信制御部105から入力したCQIの下位ビットとから成る1系統の信号を生成する。P/S変換部106は、生成した信号を送信部107に出力する。
【0021】
送信部107は、P/S変換部106から入力した信号に対して送信処理を施し、送信処理後の信号をアンテナ108に出力する。
【0022】
アンテナ108は、送信部107から入力した信号を送信する。これにより、上位ビット送信制御部104及び下位ビット送信制御部105でそれぞれ設定された送信周波数間隔に基づいて、CQIの上位ビットおよび下位ビットがそれぞれ送信される。
【0023】
アンテナ109は、信号を受信し、受信した信号を受信部110に出力する。
【0024】
受信部110は、アンテナ109から入力した信号に対して受信処理を施し、受信処理後の信号を回線品質推定部111に出力する。
【0025】
回線品質推定部111は、受信部110から入力した信号を用いて回線品質を推定し、推定結果を伝送レート要求用信号生成部102に出力する。
【0026】
<受信装置の構成>
図2は、本発明の実施の形態1における受信装置200の構成を示すブロック図である。受信装置200は、例えば基地局装置に適用可能である。
【0027】
アンテナ201は、信号を受信し、受信した信号を伝送レート要求用信号受信部202に出力する。
【0028】
伝送レート要求用信号受信部202は、アンテナ201から入力した信号に対して受信処理を施し、CQIの上位ビットまたは下位ビットを取得する。伝送レート要求用信号受信部202は、取得したCQIの上位ビットまたは下位ビットを伝送レート要求用信号生成部203に出力する。
【0029】
伝送レート要求用信号生成部203は、伝送レート要求用信号受信部202から入力したCQIの上位ビットまたは下位ビットに基づいてCQIを生成する。具体的には、伝送レート要求用信号生成部203は、CQIの下位ビットのみを取得したサブキャリアグループについては、取得したCQIの下位ビットと、他のサブキャリアグループのCQIの上位ビットとを用いてCQIを生成する。伝送レート要求用信号生成部203は、生成したCQIを伝送レート割り当て部205に出力する。なお、伝送レート要求用信号生成部203は、伝送レート要求用信号受信部202からCQIの上位ビットと下位ビットとの双方が入力した際には、そのままCQIとして伝送レート割り当て部205に出力する。
【0030】
符号化及び変調部204は、入力した送信信号に対して、符号化処理および変調処理を施す。符号化及び変調部204は、変調処理後の送信信号を伝送レート割り当て部205に出力する。
【0031】
伝送レート割り当て部205は、伝送レート要求用信号生成部203から入力したCQIに基づいて、符号化及び変調部204から入力した送信信号に対して伝送レートを割り当てる。伝送レート割り当て部205は、伝送レートを割り当てた送信信号を送信部206に出力する。
【0032】
送信部206は、伝送レート割り当て部205から入力した送信信号に対して送信処理を施し、送信処理後の送信信号をアンテナ207に出力する。
【0033】
アンテナ207は、送信部206から入力した送信信号を送信する。これにより、送信装置100がCQIにより要求した伝送レートで送信信号が送信される。
【0034】
<CQIの送信方法>
CQIの送信方法について、図3及び図4を用いて具体的に説明する。図3は、本発明の実施の形態1におけるサブキャリアグループを示す図である。図4は、本発明の実施の形態1におけるCQIの送信方法を示す図である。
【0035】
以下では、CQIのビット数を5ビットとする場合を例に説明する。この場合、S/P変換部103は、5ビットのCQIのうち、上位3ビットを上位ビット送信制御部104に出力し、下位2ビットを下位ビット送信制御部105に出力する。また、以下では、CQIの値が大きくなるほど(または、CQIの値が小さくなるほど)、要求する伝送レートの値がより大きくなるものとする。例えば、CQIを構成するビット列「00000」(または「11111」)が最も低い伝送レートに対応し、CQIを構成するビット列「11111」(または「00000」)が最も高い伝送レートに対応する。つまり、「00000」から「11111」(または、「11111」から「00000」)は、最も低い伝送レートから昇順に対応付けられている。
【0036】
下位ビット送信制御部105は、CQIの下位2ビットの送信サブキャリアグループ間隔nをn=1に設定する。すなわち、下位ビット送信制御部105は、図3に示すグループ1、2、3、4、・・・を、CQIの下位2ビットを送信するサブキャリアグループとして設定する。
【0037】
上位ビット送信制御部104は、CQIの上位2ビットの送信サブキャリアグループ間隔nをn=4に設定する。すなわち、上位ビット送信制御部104は、図3に示すグループ1、5、9、・・・を、CQIの上位2ビットを送信するサブキャリアグループとして設定する。
【0038】
また、上位ビット送信制御部104は、上位から3ビット目の送信サブキャリアグループ間隔nをn=2に設定する。すなわち、上位ビット送信制御部104は、図3に示すグループ1、3、5、7、・・・を、CQIの上位から3ビット目を送信するサブキャリアグループとして設定する。
【0039】
上記の結果、図3に示すグループ1、5、9、・・・では、CQIの上位ビットと下位ビットとの全ビットを送信する。また、図3に示すグループ3、7、・・・では、CQIの下位3ビットのみを送信する。また、図3に示すグループ2、4、6、8、10、・・・では、CQIの下位2ビットのみを送信する。
【0040】
具体的には、図4より、送信装置100は、図3に示すグループ1では、CQIの全ビット「11111」を送信する。また、送信装置100は、図3に示すグループ5では、CQIの全ビット「10001」を送信する。一方、送信装置100は、図3に示すグループ2では、下位2ビットのみを送信する。送信装置100は、図3に示すグループ3では、下位3ビット「000」のみを送信する。送信装置100は、図3に示すグループ4では、下位2ビット「11」のみを送信する。
【0041】
<受信装置におけるCQI生成方法>
図4より、受信装置200は、図3に示すグループ1及びグループ5については、CQIの全ビットを受信する。一方、受信装置200は、図3に示すグループ2については、下位2ビットのみを受信するものの、伝送レート要求用信号生成部203は、受信し下位2ビット「01」とグループ1の上位3ビット「111」とを用いて、CQIの全ビット「11101」を生成することができる。また、受信装置200は、図3に示すグループ3については、下位3ビットのみを受信するものの、伝送レート要求用信号生成部203は、受信した下位3ビット「000」とグループ1の上位2ビット「11」とを用いて、CQIの全ビット「11000」を生成することができる。受信装置200は、図3に示すグループ4については、下位2ビットのみを受信するものの、伝送レート要求用信号生成部203は、受信した下位2ビット「11」とグループ5の上位3ビット「100」とを用いて、CQIの全ビット「10011」を生成することができる。
【0042】
<上位ビットよりも下位ビットの周波数間隔を短くする理由>
CQIが示す値は、回線状況に応じて変化する。CQIを構成する複数のビットのうち上位ビットほど、表すことができる値は大きい。つまり、CQIの上位ビットが変化する方が、CQIの下位ビットが変化するよりも、CQIが示す値の変動量はより大きくなる。
【0043】
従って、一般に、CQIでは、下位ビットから順に変化する可能性が高い。すなわち、CQIを表す複数のビットでは、回線状況の変動(回線変動)に応じて、下位ビットほど値が頻繁に変化しやすく、上位ビットほど値が変化しにくい。
【0044】
つまり、送信装置100は、値が変化しやすいCQIの下位ビットを送信する送信周波数間隔に対して、値が変化しにくいCQIの上位ビットを送信する送信周波数間隔を長くしても、受信装置に対して正確なCQIを通知することができる。換言すると、送信装置100は、CQIの下位ビットを送信する送信頻度に対して、CQIの上位ビットを送信する送信頻度を少なくしてもよい。
【0045】
そこで、上位ビット送信制御部104は、CQIの上位ビットの送信周波数間隔をCQIの下位ビットの送信周波数間隔よりも長くなるように設定する。換言すると、下位ビット送信制御部105は、CQIの下位ビットの送信周波数間隔を、CQIの上位ビットの送信周波数間隔よりも短くなるように設定する。
【0046】
図3及び図4の場合には、CQIの下位2ビットは、隣接するサブキャリアグループ間隔で値が変化する可能性が高い。これに対して、CQIの上位3ビットは、隣接するサブキャリアグループ間隔で値が変化する可能性が低い。よって、CQIの上位3ビットの送信間隔が、CQIの下位2ビットの送信間隔よりも長くても(CQIの上位3ビットの送信頻度が、CQIの下位2ビットの送信頻度よりも少なくても)、受信装置200では、各サブキャリアグループで用いるCQIの精度は劣化しない。このため、スループットの低下は生じない。
【0047】
<従来との比較>
例えば、サブキャリアグループ数を100とし、CQIの全ビット数を5ビットとした場合、従来のように全サブキャリアグループについてCQIの全ビットを送信する場合、CQIの送信ビット数は各時刻(シンボル)毎に500ビット(5ビット×100)必要となる。これに対して、本実施の形態では、CQIの送信ビット数は300ビット(12ビット×25)ですむことになる。消費電力はCQIの送信量に比例するため、本実施の形態では、CQIの送信に必要とする消費電力を、従来の3/5に低減することができる。また、他ユーザに与える干渉量は、本実施の形態では、従来例の3/5に低減することができる。
【0048】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、上位ビットを送信する周波数間隔を下位ビットを送信する周波数間隔よりも長くするので、スループットを低下させることなく、伝送レート要求用信号の情報量を低減することができるとともに、低消費電力にすることができる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、CQIのフォーマットを変更することなく、CQIの上位ビットおよび下位ビットの周波数間隔を制御するだけで、CQIの情報量を低減することができる。
【0050】
(実施の形態2)
<送信装置の構成>
図5は、本発明の実施の形態2に係る送信装置500の構成を示すブロック図である。送信装置500は、例えば携帯電話等の通信端末装置に適用可能である。
【0051】
図5に示す送信装置500は、図1に示す実施の形態1に係る送信装置100に対して、回線品質情報生成部501及び送信周波数間隔情報生成部503を追加し、上位ビット送信制御部104の代わりに上位ビット送信制御部502を有し、P/S変換部106の代わりにP/S変換部504を有する。なお、図5において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施の形態において、受信装置の構成は図2と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0052】
符号化及び変調部101は、入力した送信信号に対して、符号化処理および変調処理を施す。符号化及び変調部101は、変調処理後の送信信号をP/S変換部504に出力する。
【0053】
回線品質情報生成部501は、回線品質推定部111から入力した送信装置500と受信装置200との間の回線品質の推定結果に基づいて、回線変動速度を示す回線品質情報を生成する。回線品質情報生成部501は、生成した回線品質情報を上位ビット送信制御部502に出力する。ここで、回線変動速度は、例えば、回線品質の推定結果の変化量に基づいて算出される。
【0054】
上位ビット送信制御部502は、CQIの送信時刻を決定する送信制御手段として機能する。上位ビット送信制御部502は、S/P変換部103から入力したCQIの上位ビットの送信サブキャリアグループを設定する。この際、上位ビット送信制御部502は、CQIの上位ビットの送信周波数間隔を、下位ビット送信制御部105で設定される、CQIの下位ビットの送信周波数間隔よりも長くなるように、上位ビットを送信するためのサブキャリアグループを設定する。さらに、上位ビット送信制御部502は、回線品質情報生成部501から入力した回線品質情報により示される遅延分散(回線状況)に応じて、CQIの上位ビットの送信周波数間隔が可変になるように制御する。例えば、上位ビット送信制御部502は、遅延分散が大きいほど(周波数軸上の受信レベル変動が激しいほど)、CQIの上位ビットの送信周波数間隔が短くなるように、サブキャリアグループを設定する。
【0055】
上位ビット送信制御部502は、サブキャリアグループを設定した後に、CQIの上位ビットをP/S変換部504に出力する。上位ビット送信制御部502は、設定したサブキャリアグループにより特定される送信周波数間隔を示す情報を、送信周波数間隔情報生成部503に出力する。
【0056】
下位ビット送信制御部105は、S/P変換部103から入力したCQIの下位ビットの送信サブキャリアグループを設定する。この際、下位ビット送信制御部105は、CQIの下位ビットの送信周波数間隔を、上位ビット送信制御部502で設定される、CQIの上位ビットの送信周波数間隔よりも短くなるように、下位ビットを送信するためのサブキャリアグループを設定する。下位ビット送信制御部105は、サブキャリアグループを設定した後に、CQIの下位ビットをP/S変換部504に出力する。
【0057】
送信周波数間隔情報生成部503は、上位ビット送信制御部502から入力した送信周波数間隔を示す情報に基づいて、CQIの各送信時刻においてCQIの上位ビットの送信周波数間隔を示す送信周波数間隔情報を生成する。送信周波数間隔情報生成部503は、生成した送信周波数間隔情報をP/S変換部504に出力する。
【0058】
CQIの上位ビットの送信周波数間隔を可変にする場合、受信装置200では、CQIの上位ビットが送信されている周波数間隔を特定する必要がある。従って、送信装置500は、CQIの上位ビットが送信される時刻を受信装置200において特定するための情報として、送信周波数間隔情報を送信する。
【0059】
P/S変換部504は、符号化及び変調部101から入力した送信信号、CQIの上位ビットまたはCQIの下位ビット及び送信周波数間隔情報生成部503から入力した送信周波数間隔情報で構成される1系統の信号を生成する。なお、P/S変換部504における他の構成及び動作は、上記の実施の形態1のP/S変換部106と同様であるので、その説明を省略する。
【0060】
送信部107は、P/S変換部504から入力した信号に対して送信処理を施し、送信処理後の信号をアンテナ108に出力する。
【0061】
<CQIの送信方法>
以下では、上記の実施の形態1と同様に、CQIのビット数を5ビットとし、5ビットのうち最上位から3ビットを上位ビットとし、最下位ビットから2ビットを下位ビットとする場合を例に説明する。
【0062】
例えば、上位ビット送信制御部502は、回線品質情報生成部501から入力される回線品質情報に示される回線変動速度が予め設定された閾値以上の場合(回線変動速度が比較的速い場合)には、CQIの上位3ビットの送信サブキャリアグループ間隔nをn=2に設定する。つまり、上位ビット送信制御部502は、CQIの上位3ビットの送信サブキャリアグループ間隔nを、CQIの下位2ビットの送信サブキャリアグループ間隔nの2倍になるように設定する。
【0063】
一方、上位ビット送信制御部502は、遅延分散が予め設定された閾値未満の場合(遅延分散が比較的大きい場合)には、CQIの上位2ビットの送信サブキャリアグループ間隔nをn=4に設定する。つまり、上位ビット送信制御部502は、CQIの上位2ビットの送信間隔を、CQIの下位2ビットの送信間隔の4倍になるように設定する。また、上位ビット送信制御部502は、比較的遅延分散が小さい場合は、例えばCQIの上位2ビットの送信サブキャリアグループ間隔nをn=8に設定する。つまり、上位ビット送信制御部502は、遅延分散が比較的大きい場合の2倍のサブキャリアグループ間隔に設定する。
【0064】
ここで、遅延分散が大きいほど(サブキャリアグループ間の受信レベル変動が激しいほど)、CQIが頻繁に変化する可能性が高い。従って、この場合には、送信装置500は、CQIの上位ビットの送信間隔をより短くして、CQIの送信頻度を増やす必要がある。一方、回線変動速度が遅いほど(回線変動が緩慢であるほど)、CQIが変化しにくくなる可能性が高い。この場合には、送信装置500は、CQIの上位ビットの送信周波数間隔をより長くして送信頻度を減らす。この場合でも、受信装置200は、正確なCQIを用いて伝送レートを選択することができる。
【0065】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、遅延分散に応じて、CQIの上位ビットの送信周波数間隔を可変に設定する。これにより、上記の実施の形態1の効果に加えて、CQIの上位ビットを遅延分散に応じて必要な分だけ送信することができ、CQIの精度を劣化させることなくCQIの情報量を実施の形態1よりもさらに低減することができる。
【0066】
<本実施の形態の変形例>
本実施の形態において、回線状況として遅延分散を用いたが、本発明はこれに限らず、回線状況として遅延分散以外の任意の回線状況を示すパラメータを用いることができる。
【0067】
(実施の形態3)
<送信装置の構成>
図6は、本発明の実施の形態3に係る送信装置600の構成を示すブロック図である。送信装置600は、例えば携帯電話等の通信端末装置に適用可能である。
【0068】
図6に示す送信装置600は、図1に示す実施の形態1に係る送信装置100に対して、タイミング生成部601を追加し、上位ビット送信制御部104の代わりに上位ビット送信制御部602を有し、下位ビット送信制御部105の代わりに下位ビット送信制御部603を有する。なお、図6において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施の形態において、受信装置の構成は図2と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0069】
タイミング生成部601は、CQIの上位ビット及び下位ビットを送信するタイミングを示すタイミング情報を生成する。タイミング生成部601は、生成したタイミング情報を上位ビット送信制御部602及び下位ビット送信制御部603に出力する。ここで、タイミング情報が示すタイミングは、CQIの全ビットを送信するタイミングである。CQIの全ビットを送信するタイミングは、例えば、通信開始時刻、または通信開始後の特定の時刻である。特定の時刻とは、例えば、マルチパスにより受信レベルの落ち込みが大きい時刻、つまり、CQIの値の変化が激しくなる時刻である。
【0070】
上位ビット送信制御部602は、タイミング生成部601から入力したタイミング情報に示される時刻に基づいて、CQIの上位ビットの送信時刻を決定する。上位ビット送信制御部602は、決定した送信時刻においてCQIの上位ビットをP/S変換部106に出力する。なお、上位ビット送信制御部602における他の構成及び動作は上記の実施の形態1の上位ビット送信制御部104と同様であるので、その説明を省略する。
【0071】
下位ビット送信制御部603は、タイミング生成部601から入力したタイミング情報に示される時刻に基づいて、CQIの下位ビットの送信時刻を決定する。下位ビット送信制御部603は、決定した送信時刻においてCQIの下位ビットをP/S変換部106に出力する。なお、下位ビット送信制御部603における他の構成及び動作は上記の実施の形態1の下位ビット送信制御部105と同様であるので、その説明を省略する。
【0072】
P/S変換部106は、上位ビット送信制御部602から並列に入力されるCQIの上位ビット、または、下位ビット送信制御部603から並列に入力されるCQIの下位ビットを直列に変換する。なお、P/S変換部106における他の構成及び動作は上記の実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0073】
<CQIの送信方法1:通信開始時刻にCQIの全ビットを送信>
図7は、本発明の実施の形態3におけるCQIの送信方法1を示す図である。
【0074】
上位ビット送信制御部602は、図7に示すように、少なくとも通信開始時刻t1を、CQIの上位ビットの送信時刻として決定する。
【0075】
下位ビット送信制御部603は、図7に示すように、少なくとも通信開始時刻t1を、CQIの下位ビットの送信時刻として決定する。
【0076】
つまり、送信装置600は、タイミング生成部601から入力される情報に示される通信開始時刻t1では、CQIの上位ビットと下記ビットとの全ビットを送信する。
【0077】
<CQIの送信方法2:通信開始後の特定の時刻にCQIの全ビットを送信>
図8は、本発明の実施の形態3におけるCQIの送信方法2を示す図である。
【0078】
上位ビット送信制御部602は、通信開始時刻t1から時間間隔4m(ただし、m>0)毎の時刻を、CQIの上位ビットの送信時刻として決定する。すなわち、上位ビット送信制御部602は、図8に示すように、時刻t1、t4、・・・を、CQIの上位ビットの送信時刻として決定する。
【0079】
下位ビット送信制御部603は、通信開始時刻t1から時間間隔m毎の時刻を、CQIの下位ビットの送信時刻として決定する。すなわち、下位ビット送信制御部603は、図8に示すように、時刻t1、t2、t3、t4、t5、・・・を、CQIの下位ビットの送信時刻として決定する。
【0080】
つまり、送信装置600は、タイミング生成部601から入力される情報に示される通信開始時刻t1、t4では、CQIの全ビットを送信する。
【0081】
本実施の形態において、通信開始時刻にCQIの全ビットを送信することが好ましい。その理由は、送信装置600から送信されたCQIに回線誤りが発生すると、受信装置200は送信装置600が要求する伝送レートとは異なる伝送レートを選択してしまう可能性がある。そこで、CQIの回線誤りによる伝送レートの選択誤りを回避するために、受信装置200は、受信したCQIを複数回平均する方法が考えられる。しかし、通信開始時には、受信装置200におけるCQIの受信サンプル数が少ない。特に、CQIの上位ビットの送信間隔は下位ビットの送信間隔より長く、CQIの上位ビットのサンプル数が少なくなるため、CQIを平均化することによる上記の効果が得られず、受信装置200における伝送レートの選択を誤る確率が高くなる。
【0082】
しかし、通信開始時刻においてCQIの全ビットを送信することにより、受信装置200ではCQIの全ビットを受信することができるので、伝送レートの選択を誤る確率が高くなることを防ぐことができる。
【0083】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、通信開始時刻等の特定の時刻にCQIの全ビットを送信するので、スループットを低下させることなく、伝送レート要求用信号の情報量を低減することができるとともに、低消費電力にすることができる。
【0084】
また、本実施の形態によれば、CQIのフォーマットを変更することなく、CQIの上位ビットおよび下位ビットの送信周波数間隔(送信頻度)を制御するだけで、CQIの情報量を低減することができる。
【0085】
また、本実施の形態によれば、通信開始時刻にCQIの全ビットを送信する場合には、通信開始時における伝送レートの選択を誤る確率を低くすることができる。
【0086】
<本実施の形態の変形例>
本実施の形態において、通信開始時にCQIの全ビットを送信したが、本発明はこれに限らず、通信開始時にCQIの上位ビットのみを送信してもよい。
【0087】
(実施の形態4)
<送信装置の構成>
図9は、本発明の実施の形態4に係る送信装置900の構成を示すブロック図である。送信装置900は、例えば携帯電話等の通信端末装置に適用可能である。
【0088】
図9に示す送信装置900は、図1に示す実施の形態1に係る送信装置100に対して、サブキャリアグループ選択部901及びサブキャリアグループ選択制御情報生成部903を追加し、上位ビット送信制御部104の代わりに上位ビット送信制御部902を有し、P/S変換部106の代わりにP/S変換部904を有する。なお、図9において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施の形態において、受信装置の構成は図2と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0089】
サブキャリアグループ選択部901は、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを選択し、選択したサブキャリアグループを通知するための制御情報を上位ビット送信制御部902に出力する。例えば、サブキャリアグループ選択部901は、CQIの各送信時刻において、あらかじめ決めた順番でサブキャリアグループを順次選択する。
【0090】
S/P変換部103は、CQIの上位ビットを上位ビット送信制御部902に出力し、CQIの下位ビットを下位ビット送信制御部105に出力する。なお、S/P変換部103における他の構成及び動作は上記の実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0091】
上位ビット送信制御部902は、サブキャリアグループ選択部901から入力した制御情報により、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを設定する。上位ビット送信制御部902は、設定したサブキャリアグループにおいてCQIの全ビットが送信されるように、CQIの上位ビットをP/S変換部904に出力する。上位ビット送信制御部902は、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループとして設定したサブキャリアグループを、サブキャリアグループ選択制御情報生成部903に出力する。なお、上位ビット送信制御部902における他の構成及び動作は上記の実施の形態1の上位ビット送信制御部104と同様であるので、その説明を省略する。
【0092】
サブキャリアグループ選択制御情報生成部903は、上位ビット送信制御部902から入力したCQIの全ビットを送信するサブキャリアグループに基づいて、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループの組み合わせを示す制御情報を生成する。サブキャリアグループ選択制御情報生成部903は、生成した制御情報をP/S変換部904に出力する。
【0093】
P/S変換部904は、上位ビット送信制御部902から並列に入力されるCQIの上位ビット、または、下位ビット送信制御部105から並列に入力されるCQIの下位ビットを直列に変換(パラレル/シリアル(P/S)変換)する。P/S変換部904は、符号化及び変調部101から入力した送信信号と、サブキャリアグループ選択制御情報生成部903から入力した制御情報と、上位ビット送信制御部902から入力したCQIの上位ビットまたは下位ビット送信制御部105から入力したCQIの下位ビットとから成る1系統の信号を生成する。P/S変換部904は、生成した信号を送信部107に出力する。
【0094】
送信部107は、P/S変換部904から入力した信号に対して送信処理を施し、送信処理後の信号をアンテナ108に出力する。
【0095】
<CQIの送信方法>
図10は、本発明の実施の形態4におけるCQIの送信方法を示す図である。
【0096】
例えば、図10に示すように、所定の時間間隔m毎に、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを1グループずつシフトさせる。具体的には、サブキャリアグループ選択部901は、時刻t1では、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループとしてグループ1、3、5を選択する。サブキャリアグループ選択部901は、時刻t2では、時刻t1で選択したサブキャリアグループを1グループシフトして、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループとしてグループ2、4、6を選択する。サブキャリアグループ選択部901は、時刻t3では、時刻t2で選択したサブキャリアグループを1グループシフトして、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループとしてグループ1、3、5を選択する。サブキャリアグループ選択部901は、以下同様にしてサブキャリアグループを選択する。
【0097】
マルチパスにより受信レベルの落ち込みが大きいサブキャリアグループのCQIは、前後のサブキャリアグループのCQIとの差分が大きくなる場合がある。受信レベルの落ち込みが大きいサブキャリアグループが下位ビットのみを送信するサブキャリアグループである場合には、CQIの誤差が大きくなり、スループットの低下を招く恐れがある。しかし、本実施の形態によれば、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを1サブキャリアグループずつシフトして選択するので、スループットの低下を防ぐことができる。
【0098】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを1サブキャリアグループずつシフトして選択するので、スループットの低下を防ぐことができる。
【0099】
(実施の形態5)
図11は、本発明の実施の形態5に係る送信装置1100の構成を示すブロック図である。送信装置1100は、例えば携帯電話等の通信端末装置に適用可能である。
【0100】
図11に示す送信装置1100は、図1に示す実施の形態1に係る送信装置100に対して、タイミング生成部1101、サブキャリアグループ選択部1102及びサブキャリアグループ選択制御情報生成部1105を追加し、上位ビット送信制御部104の代わりに上位ビット送信制御部1103を有し、下位ビット送信制御部105の代わりに下位ビット送信制御部1104を有し、P/S変換部106の代わりにP/S変換部1106を有する。なお、図11において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施の形態において、受信装置の構成は図2と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0101】
タイミング生成部1101は、CQIの上位ビット及び下位ビットを送信するタイミングを示すタイミング情報を生成する。タイミング生成部1101は、生成したタイミング情報を上位ビット送信制御部1103及び下位ビット送信制御部1104に出力する。ここで、タイミング情報が示すタイミングは、CQIの全ビットを送信するタイミングである。CQIの全ビットを送信するタイミングは、例えば、他の情報(第1の情報)より良好な通信品質が要求される情報(第2の情報)を送信する特定の時刻である。他の情報より良好な通信品質が要求される情報とは、制御情報、再送情報、再送制御に使用するAck/Nack情報、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)情報または誤り訂正符号としてターボ符号の用いた場合のシステマティックビット等である。
【0102】
サブキャリアグループ選択部1102は、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを選択し、選択したサブキャリアグループを通知するための制御情報を上位ビット送信制御部1103に出力する。例えば、サブキャリアグループ選択部1102は、CQIの各送信時刻において、あらかじめ決めた順番でサブキャリアグループを順次選択する。
【0103】
S/P変換部103は、CQIの上位ビットを上位ビット送信制御部1103に出力し、CQIの下位ビットを下位ビット送信制御部1104に出力する。なお、S/P変換部103における他の構成及び動作は上記の実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0104】
上位ビット送信制御部1103は、タイミング生成部1101から入力したタイミング情報に示される時刻に基づいて、CQIの上位ビットの送信時刻を決定する。上位ビット送信制御部1103は、サブキャリアグループ選択部1102から入力した制御情報により、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを設定する。上位ビット送信制御部1103は、決定した送信時刻に、設定したサブキャリアグループにおいて全ビットが送信されるように、CQIの上位ビットをP/S変換部1106に出力する。上位ビット送信制御部1103は、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループとして設定したサブキャリアグループを、サブキャリアグループ選択制御情報生成部1105に出力する。なお、上位ビット送信制御部1103における他の構成及び動作は上記の実施の形態1の上位ビット送信制御部104と同様であるので、その説明を省略する。
【0105】
下位ビット送信制御部1104は、タイミング生成部1101から入力したタイミング情報に示される時刻に基づいて、CQIの下位ビットの送信時刻を決定する。下位ビット送信制御部1104は、決定した送信時刻においてCQIの下位ビットをP/S変換部1106に出力する。なお、下位ビット送信制御部1104における他の構成及び動作は上記の実施の形態1の下位ビット送信制御部105と同様であるので、その説明を省略する。
【0106】
サブキャリアグループ選択制御情報生成部1105は、上位ビット送信制御部1103から入力したCQIの全ビットを送信するサブキャリアグループに基づいて、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループの組み合わせを示す制御情報を生成する。サブキャリアグループ選択制御情報生成部1105は、生成した制御情報をP/S変換部1106に出力する。
【0107】
P/S変換部1106は、上位ビット送信制御部1103から並列に入力されるCQIの上位ビット、または、下位ビット送信制御部1104から並列に入力されるCQIの下位ビットを直列に変換する。P/S変換部1106は、符号化及び変調部101から入力した送信信号と、サブキャリアグループ選択制御情報生成部1105から入力した制御情報と、上位ビット送信制御部1103から入力したCQIの上位ビットまたは下位ビット送信制御部1104から入力したCQIの下位ビットとから成る1系統の信号を生成する。P/S変換部1106は、生成した信号を送信部107に出力する。
【0108】
送信部107は、P/S変換部1106から入力した信号に対して送信処理を施し、送信処理後の信号をアンテナ108に出力する。
【0109】
<CQIの送信方法>
図12は、本発明の実施の形態5におけるCQIの送信方法を示す図である。
【0110】
図12に示すように、特定の時刻t3においてはCQIの全ビットを送信する。特定の時刻t3は、例えば他の情報より良好な通信品質が要求される情報を送信する時刻である。他の情報より良好な通信品質が要求される情報とは、制御情報、再送情報、MBMS情報または誤り訂正符号としてターボ符号の用いた場合のシステマティックビット等である。なお、CQIのその他の送信方法は上記の実施の形態4と同様であるので、その説明を省略する。
【0111】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、特定の時刻についてはCQIの全ビットを送信することにより、他の情報より良好な通信品質が要求される情報の通信品質を、CQIの送信量をほとんど増加させることなく、改善することができる。
【0112】
<本実施の形態の変形例>
本実施の形態において、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを、所定の時間毎に1サブキャリアグループずつシフトさせたが、本発明はこれに限らず、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを、所定の時間毎に2サブキャリアグループずつシフトさせてもよいし、任意のサブキャリアグループずつシフトさせることができる。
【0113】
(実施の形態6)
図13は、本発明の実施の形態6に係る送信装置1300の構成を示すブロック図である。送信装置1300は、例えば携帯電話等の通信端末装置に適用可能である。
【0114】
符号化及び変調部1301は、入力した送信信号1に対して、符号化処理および変調処理を施す。符号化及び変調部1301は、変調処理後の送信信号1をP/S変換部1309に出力する。
【0115】
タイミング生成部1302は、CQIの上位ビットを送信するタイミングを示すタイミング情報を生成する。タイミング生成部1302は、生成したタイミング情報を上位ビット送信制御部1306及び下位ビット送信制御部1307に出力する。ここで、タイミング情報が示すタイミングは、CQIの全ビットを送信するタイミングである。CQIの全ビットを送信するタイミングは、例えば、通信開始時刻、または通信開始後の特定の時刻である。特定の時刻とは、例えば、マルチパスにより受信レベルの落ち込みが大きい時刻、つまり、CQIの値の変化が激しくなる時刻である。
【0116】
サブキャリアグループ選択部1303は、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを選択し、選択したサブキャリアグループを通知するための制御情報を上位ビット送信制御部1306に出力する。例えば、サブキャリアグループ選択部1303は、CQIの各送信時刻において、あらかじめ決めた順番でサブキャリアグループを順次選択する。
【0117】
伝送レート要求用信号生成部1304は、図示しない回線品質推定部から入力した送信装置1300の回線状況を示す回線品質の推定結果に応じて、伝送レートを要求するための制御信号であるCQIを生成する。伝送レート要求用信号生成部1304は、生成したCQIをS/P変換部1305に出力する。
【0118】
S/P変換部1305は、伝送レート要求用信号生成部1304から直列データ形式で入力したCQIを並列データ形式に変換する。S/P変換部1305は、並列データ形式に変換したCQIを、上位ビットと下位ビットとに分離する。S/P変換部1305は、CQIの上位ビットを上位ビット送信制御部1306に出力し、CQIの下位ビットを下位ビット送信制御部1307に出力する。
【0119】
上位ビット送信制御部1306は、CQIの送信時刻を決定する送信制御手段として機能する。上位ビット送信制御部1306は、S/P変換部1305から入力したCQIの上位ビットの送信サブキャリアグループを設定する。この際、上位ビット送信制御部1306は、CQIの上位ビットの送信周波数間隔を、後述する下位ビット送信制御部1307で設定される、CQIの下位ビットの送信周波数間隔よりも長くなるように設定する。上位ビット送信制御部1306は、タイミング生成部1302から入力したタイミング情報に示される時刻に基づいて、CQIの上位ビットの送信時刻を決定する。さらに、上位ビット送信制御部1306は、サブキャリアグループ選択部1303から入力した制御情報により、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを設定する。上位ビット送信制御部1306は、サブキャリアグループを設定した後、決定した送信時刻に、CQIの上位ビットをP/S変換部1309に出力する。上位ビット送信制御部1306は、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループとして設定したサブキャリアグループを、サブキャリアグループ選択制御情報生成部1308に出力する。上位ビット送信制御部1306は、上記の制御を上位ビット送信制御部1326とは独立して行う。
【0120】
下位ビット送信制御部1307は、S/P変換部1305から入力したCQIの下位ビットの送信サブキャリアグループを設定する。この際、下位ビット送信制御部1307は、CQIの下位ビットの送信周波数間隔を、上位ビット送信制御部1306で設定される、CQIの上位ビットの送信周波数間隔よりも短くなるように、下位ビットを送信するためのサブキャリアグループを設定する。下位ビット送信制御部1307は、タイミング生成部1302から入力したタイミング情報に示される時刻に基づいて、CQIの下位ビットの送信時刻を決定する。下位ビット送信制御部1307は、サブキャリアグループを設定した後、決定した送信時刻に、CQIの下位ビットをP/S変換部1309に出力する。
【0121】
サブキャリアグループ選択制御情報生成部1308は、上位ビット送信制御部1306から入力したCQIの全ビットを送信するサブキャリアグループに基づいて、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループの組み合わせを示す制御情報を生成する。サブキャリアグループ選択制御情報生成部1308は、生成した制御情報をP/S変換部1309に出力する。
【0122】
P/S変換部1309は、上位ビット送信制御部1306から並列に入力されるCQIの上位ビット、または、下位ビット送信制御部1307から並列に入力されるCQIの下位ビットを直列に変換する。P/S変換部1309は、符号化及び変調部1301から入力した送信信号と、サブキャリアグループ選択制御情報生成部1308から入力した制御情報と、上位ビット送信制御部1306から入力したCQIの上位ビットまたは下位ビット送信制御部1307から入力したCQIの下位ビットとから成る1系統の信号を生成する。P/S変換部1309は、生成した信号を送信部1310に出力する。
【0123】
送信部1310は、P/S変換部1309から入力した信号に対して送信処理を施し、送信処理後の信号をアンテナ1311に出力する。
【0124】
アンテナ1311は、送信部1310から入力した信号を送信する。これにより、上位ビット送信制御部1306及び下位ビット送信制御部1307でそれぞれ設定された送信周波数間隔に基づいて、CQIの上位ビットおよび下位ビットがそれぞれ送信される。
【0125】
符号化及び変調部1321は、入力した送信信号2に対して、符号化処理および変調処理を施す。符号化及び変調部1321は、変調処理後の送信信号2をP/S変換部1329に出力する。
【0126】
タイミング生成部1322は、CQIの上位ビットを送信するタイミングを示すタイミング情報を生成する。タイミング生成部1322は、生成したタイミング情報を上位ビット送信制御部1326及び下位ビット送信制御部1327に出力する。ここで、タイミング情報が示すタイミングは、CQIの全ビットを送信するタイミングである。CQIの全ビットを送信するタイミングは、例えば、通信開始時刻、または通信開始後の特定の時刻である。特定の時刻とは、例えば、回線変動速度が速い時刻、つまり、CQIの値の変化が激しくなる時刻である。
【0127】
サブキャリアグループ選択部1323は、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを選択し、選択したサブキャリアグループを通知するための制御情報を上位ビット送信制御部1326に出力する。例えば、サブキャリアグループ選択部1323は、CQIの各送信時刻において、あらかじめ決めた順番でサブキャリアグループを順次選択する。
【0128】
伝送レート要求用信号生成部1324は、図示しない回線品質推定部から入力した送信装置1300の回線状況を示す回線品質の推定結果に応じて、伝送レートを要求するための制御信号であるCQIを生成する。伝送レート要求用信号生成部1324は、生成したCQIをS/P変換部1325に出力する。
【0129】
S/P変換部1325は、伝送レート要求用信号生成部1324から直列データ形式で入力したCQIを並列データ形式に変換する。S/P変換部1325は、並列データ形式に変換したCQIを、上位ビットと下位ビットとに分離する。S/P変換部1325は、CQIの上位ビットを上位ビット送信制御部1326に出力し、CQIの下位ビットを下位ビット送信制御部1327に出力する。
【0130】
上位ビット送信制御部1326は、CQIの送信時刻を決定する送信制御手段として機能する。上位ビット送信制御部1326は、S/P変換部1325から入力したCQIの上位ビットの送信サブキャリアグループを設定する。この際、上位ビット送信制御部1326は、CQIの上位ビットの送信周波数間隔を、後述する下位ビット送信制御部1327で設定される、CQIの下位ビットの送信周波数間隔よりも長くなるように、上位ビットを送信するサブキャリアグループを設定する。上位ビット送信制御部1326は、タイミング生成部1322から入力したタイミング情報に示される時刻に基づいて、CQIの上位ビットの送信時刻を決定する。さらに、上位ビット送信制御部1326は、サブキャリアグループ選択部1323から入力した制御情報により、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを設定する。上位ビット送信制御部1326は、サブキャリアグループの設定の後、決定した送信時刻に、CQIの上位ビットをP/S変換部1329に出力する。上位ビット送信制御部1326は、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループとして決定したサブキャリアグループを、サブキャリアグループ選択制御情報生成部1328に出力する。上位ビット送信制御部1326は、上記の制御を上位ビット送信制御部1306とは独立して行う。
【0131】
下位ビット送信制御部1327は、S/P変換部1325から入力したCQIの下位ビットの送信サブキャリアグループを設定する。この際、下位ビット送信制御部1327は、CQIの下位ビットの送信周波数間隔を、上位ビット送信制御部1326で設定される、CQIの上位ビットの送信周波数間隔よりも短くなるように、下位ビットを送信するためのサブキャリアグループを設定する。下位ビット送信制御部1327は、タイミング生成部1322から入力したタイミング情報に示される時刻に基づいて、CQIの下位ビットの送信時刻を決定する。下位ビット送信制御部1327は、サブキャリアグループを設定した後、決定した送信時刻に、CQIの下位ビットをP/S変換部1329に出力する。
【0132】
サブキャリアグループ選択制御情報生成部1328は、上位ビット送信制御部1326から入力したCQIの全ビットを送信するサブキャリアグループに基づいて、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループの組み合わせを示す制御情報を生成する。サブキャリアグループ選択制御情報生成部1328は、生成した制御情報をP/S変換部1329に出力する。
【0133】
P/S変換部1329は、上位ビット送信制御部1326から並列に入力されるCQIの上位ビット、または、下位ビット送信制御部1327から並列に入力されるCQIの下位ビットを直列に変換する。P/S変換部1329は、符号化及び変調部1321から入力した送信信号と、サブキャリアグループ選択制御情報生成部1328から入力した制御情報と、上位ビット送信制御部1326から入力したCQIの上位ビットまたは下位ビット送信制御部1327から入力したCQIの下位ビットとから成る1系統の信号を生成する。P/S変換部1329は、生成した信号を送信部1330に出力する。
【0134】
送信部1330は、P/S変換部1329から入力した信号に対して送信処理を施し、送信処理後の信号をアンテナ1331に出力する。
【0135】
アンテナ1331は、送信部1330から入力した信号を送信する。これにより、上位ビット送信制御部1326及び下位ビット送信制御部1327でそれぞれ設定された送信周波数間隔に基づいて、CQIの上位ビットおよび下位ビットがそれぞれ送信される。
【0136】
<CQIの送信方法>
図14は、2本のアンテナのうち一方のアンテナ1311から送信されるCQIの送信方法を示す図である。図15は、2本のアンテナのうち他方のアンテナ1331から送信されるCQIの送信方法を示す図である。
【0137】
本実施の形態では、送信装置1300は、通信方式としてMIMO(Multi-Input Multi-Output)方式を用いた場合に、アンテナ毎に独立にCQIの全ビットを送信するサブキャリアグループ間隔を設定する。
【0138】
上位ビット送信制御部1306と上位ビット送信制御部1326とは、CQIの全ビットを送信する周波数間隔を、互いに独立して制御する。例えば、アンテナ数が2本の場合、上位ビット送信制御部1306は、1本目のアンテナ1311から送信されるCQIについて、図14に示すようなCQIの全ビットを送信するサブキャリアグループ間隔を設定する。また、上位ビット送信制御部1326は、2本目のアンテナ1331から送信されるCQIについて、図15に示すようなCQIの全ビットを送信するサブキャリアグループ間隔を設定する。
【0139】
例えば、送信装置1300は、時刻t1に送信されるCQIにおいて、アンテナ1311からはグループ2、4、6、8、・・・でCQIの全ビットを送信し、アンテナ1331からはグループ1、4、7、・・・でCQIの全ビットを送信する。このように、送信装置1300は、アンテナ1311から送信されるCQIの方がアンテナ1331から送信されるCQIよりも、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループ間隔を短くする。
【0140】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、MIMO方式において、アンテナ毎に独立にCQIの全ビットを送信するサブキャリアグループ間隔を設定することにより、他の情報より良好な通信品質が要求される情報の通信品質を、CQIの送信量をほとんど増加させることなく、改善することができる。
【0141】
<本実施の形態の変形例>
本実施の形態において、全てのアンテナにおいてCQIの全ビットを送信するサブキャリアグループ間隔を固定にしたが、本発明はこれに限らず、全てのアンテナのうちの一部または全部においてCQIの全ビットを送信するサブキャリアグループ間隔を可変にしてもよい。
【0142】
また、本実施の形態において、全てのアンテナにおいてCQIの全ビットを送信したが、本発明はこれに限らず、特定の1本のアンテナのみにおいてCQIの全ビットを送信するようにしてもよい。例えば、他の情報より良好な通信品質が要求される情報を送信するのが特定の1本のアンテナである場合には、この方法は有効である。
【0143】
また、本実施の形態において、アンテナ数を2本にしたが、本発明はこれに限らず、アンテナ数は2本より多い任意の数にすることができる。
【0144】
また、本実施の形態において、CQIの全ビットを送信するサブキャリアグループを、アンテナ毎に独立に設定してもよい。
【0145】
(実施の形態7)
図16は、本発明の実施の形態7に係る送信装置1600の構成を示すブロック図である。送信装置1600は、例えば携帯電話等の通信端末装置に適用可能である。
【0146】
図16に示す送信装置1600は、図1に示す実施の形態1に係る送信装置100に対して、伝送レート要求用信号判定部1601及び制御情報生成部1603を追加し、上位ビット送信制御部104の代わりに上位ビット送信制御部1602を有し、P/S変換部106の代わりにP/S変換部1604を有する。なお、図16において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施の形態において、受信装置の構成は図2と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0147】
伝送レート要求用信号生成部102は、回線品質推定部111から入力した送信装置1600の回線状況を示す回線品質の推定結果に応じて、伝送レートを要求するための制御信号であるCQIを生成する。伝送レート要求用信号生成部102は、生成したCQIをS/P変換部103及び伝送レート要求用信号判定部1601に出力する。
【0148】
伝送レート要求用信号判定部1601は、伝送レート要求用信号生成部102から順次入力するCQIを参照する。伝送レート要求用信号判定部1601は、参照の結果、前回生成されたCQIの最上位ビットに対して、今回生成されたCQIの最上位ビットの値が変化したか否かを判定する。伝送レート要求用信号判定部1601は、CQIの最上位ビットの値が変化したと判定した場合には、CQIの上位ビットを送信するように上位ビット送信制御部1602に指示する。
【0149】
上位ビット送信制御部1602は、伝送レート要求用信号判定部1601からCQIの上位ビットの送信を指示された場合には、指示された時刻をCQIの上位ビットの送信時刻として決定する。上位ビット送信制御部1602は、CQIの上位ビットの送信を指示された時刻を制御情報生成部1603に出力する。上位ビット送信制御部1602は、サブキャリアグループを設定した後に、指示された時刻に、CQIの上位ビットをP/S変換部1604に出力する。なお、上位ビット送信制御部1602における他の構成及び動作は上記の実施の形態1の上位ビット送信制御部104と同様であるので、その説明を省略する。
【0150】
制御情報生成部1603は、上位ビット送信制御部1602から入力した指示された時刻を通知する制御情報を生成する。この際、制御情報は、CQIの上位ビットの送信有りの場合には「1」を、CQIの上位ビットの送信無しの場合には「0」を設定する。制御情報生成部1603は、生成した制御情報をP/S変換部1604に出力する。
【0151】
P/S変換部1604は、上位ビット送信制御部1602から並列に入力されるCQIの上位ビット、または、下位ビット送信制御部105から並列に入力されるCQIの下位ビットを直列に変換する。P/S変換部1604は、符号化及び変調部101から入力した送信信号と、上位ビット送信制御部1602から入力したCQIの上位ビットまたは下位ビット送信制御部105から入力したCQIの下位ビットとから成る1系統の信号を生成する。この際、P/S変換部1604は、制御情報生成部1603から制御情報が入力した場合には、制御情報を含む1系統の信号を生成する。P/S変換部1604は、生成した信号を送信部107に出力する。
【0152】
<CQIの送信方法>
図17は、本発明の実施の形態7におけるCQIの送信方法を示す図である。
【0153】
図17より、送信装置1600は、時刻t1では、CQIの全ビット「11111」を送信する。一方、送信装置1600は、時刻t2では、下位2ビット「01」のみを送信する。送信装置1600は、時刻t3では、下位3ビット「000」のみを送信する。送信装置1600は、時刻t4では、下位3ビット「011」のみを送信する。一方、時刻t5では、CQIの最上位ビットが時刻t1〜t4で送信した「1」から「0」に変化している。従って、送信装置1600は、時刻t5では、CQIの全ビットを送信する。
【0154】
<受信装置におけるCQI生成方法>
図17より、受信装置200は、時刻t1及び時刻t5については、CQIの全ビットを受信する。一方、受信装置200は、時刻t2については、下位2ビットのみを受信するものの、伝送レート要求用信号生成部203は、受信した下位2ビット「01」と時刻t1で受信した上位3ビット「111」とを用いて、CQIの全ビット「11101」を生成することができる。また、受信装置200は、時刻t3については、下位3ビットのみを受信するものの、伝送レート要求用信号生成部203は、受信した下位3ビット「000」と時刻t1で受信した上位2ビット「11」とを用いて、CQIの全ビット「11000」を生成することができる。受信装置200は、図3に示す時刻t4については、下位2ビットのみを受信するものの、伝送レート要求用信号生成部203は、受信した下位2ビット「11」と時刻t5で受信する上位3ビット「100」とを用いて、CQIの全ビット「10011」を生成することができる。
【0155】
<CQIの最上位ビットが変化した際にCQIの全ビットを送信する理由>
CQIを表す複数のビットのうち、最上位ビットは表すことができる値が最も大きい。また、CQIの最上位ビットが変化する時刻では、CQIの最上位以外のすべてのビットが変化する可能性が高い。例えば、5ビットからなるCQIにおいて、CQIが「01111」から1つ値が上がると「10000」となり、CQIの最上位ビットが「0」から「1」に変化するとともに、CQIの最上位ビット以外のすべてのビットが「1111」から「0000」に変化する。CQIが「10000」から「01111」に変化する場合も同様である。
【0156】
ここで、送信装置1600は、CQIの上位ビットの送信間隔をCQIの下位ビットの送信間隔よりも長く設定するので、CQIの上位ビットの送信時刻以外の時刻に生成されるCQIの最上位ビットが、前回生成されたCQIの最上位ビットに対して変化してしまうことがあり得る。つまり、CQIの最上位ビットが変化する時刻(すなわち、CQIの最上位ビット以外のすべてのビットが変化し得る時刻)で、CQIの最上位ビットが送信されないこともあり得る。この場合、受信装置200は、受信したCQIを、実際のCQIと全く異なる値として特定してしまい、実際に送信装置1600が要求する伝送レートと異なる伝送レートを選択してしまう。そこで、本実施の形態では、送信装置1600は、CQIの最上位ビットが変化する時刻では、CQIの全ビットを送信する。
【0157】
つまり、送信装置1600は、CQIの最上位ビットの値が変化する時刻では、CQIの上位ビットを必ず送信する。これにより、受信装置200は、CQIの最上位ビットが変化する時刻では、CQIの全ビットを受信することができる。つまり、CQIの最上位ビットが変化する時刻では、受信装置200は、最新の回線状況を反映したCQIを用いて、適切な伝送レートを確実に選択することができる。
【0158】
因みに、本実施の形態では、制御情報を送信する分だけCQI送信のための情報量が増加する。しかし、送信装置1600は、CQIの上位ビットに対してのみ、送信の有無を示す制御情報を送信すればよいので、制御情報に要する情報量は1ビットで済む。よって、送信装置1600は、制御情報の情報量増加による性能劣化よりも、CQIの情報量低減効果を大きくすることが可能となる。つまり、本実施の形態では、制御情報の情報量増加による性能劣化の影響は、極めて小さい。
【0159】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、CQIの最上位ビットが変化する時刻に、CQIの全ビットを送信する。これにより、上記の実施の形態1の効果に加えて、受信装置は正確な値のCQIを受信できるため、実際に送信装置が要求する伝送レートと異なる伝送レートを誤って選択してしまうことを防ぐことができる。
【0160】
<全ての実施の形態に共通の変形例>
上記実施の形態1〜実施の形態7において、複数のサブキャリアから構成されるサブキャリアグループ毎にCQIを生成したが、本発明はこれに限らず、サブキャリア毎にCQIを生成してもよい。
【0161】
また、上記実施の形態1〜実施の形態7において、伝送レート要求用信号としてCQIを用いたが、本発明はこれに限らず、CQI以外の任意の信号を伝送レート要求用信号として用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0162】
本発明にかかる送信装置及び送信方法は、伝送レート要求用信号を用いて伝送レートを要求するのに好適である。
【符号の説明】
【0163】
100 送信装置
101 符号化及び変調部
102 伝送レート要求用信号生成部
103 S/P変換部
104 上位ビット送信制御部
105 下位ビット送信制御部
106 P/S変換部
107 送信部
108、109 アンテナ
110 受信部
111 回線品質推定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数毎に伝送レートを要求するための複数のビットからなる伝送レート要求用信号を前記周波数毎に生成する生成手段と、
前記複数のビットのうちの上位ビットを送信する第1の周波数間隔が、前記複数のビットのうちの前記上位ビット以外の下位ビットを送信する第2の周波数間隔よりも長くなるように、前記上位ビットを送信する周波数及び前記下位ビットを送信する周波数を設定する制御手段と、
前記制御手段により設定した周波数を用いて、前記上位ビット及び前記下位ビットを送信する送信手段と、
を具備する送信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
通信相手との回線状況に応じて、前記第1の周波数間隔または前記第2の周波数間隔を可変にする
請求項1記載の送信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記上位ビットの送信のために設定する周波数を可変にすることにより、前記複数のビットの全てを送信する周波数を可変にする
請求項1記載の送信装置。
【請求項4】
前記送信手段は、
前記複数のビットの全てを送信する周波数を示す情報を通信相手に送信する
請求項3記載の送信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
特定の時刻において全周波数で前記複数のビットの全てを送信するように、前記上位ビットを送信する周波数及び前記下位ビットを送信する周波数を設定する
請求項1記載の送信装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
通信開始時において全周波数で前記複数のビットの全てを送信するように、前記上位ビットを送信する周波数及び前記下位ビットを送信する周波数を設定する
請求項1記載の送信装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
第1の情報よりも良好な通信品質が要求される第2の情報を送信する際に、全周波数で前記複数のビットの全てを送信するように、前記上位ビットを送信する周波数及び前記下位ビットを送信する周波数を設定する
請求項1記載の送信装置。
【請求項8】
複数のアンテナをさらに具備し、
前記制御手段は、
前記複数のアンテナのアンテナ毎に独立して前記上位ビットを送信する周波数及び前記下位ビットを送信する周波数を設定し、
前記送信手段は、
前記複数のアンテナのアンテナ毎に、前記制御手段により設定した周波数を用いて、前記上位ビット及び前記下位ビットを送信する
請求項1記載の送信装置。
【請求項9】
複数のアンテナをさらに具備し、
前記制御手段は、
前記複数のアンテナのアンテナ毎に独立して前記上位ビットを送信する周波数を設定することにより前記複数のビットの全てを送信する周波数を設定し、
前記送信手段は、
前記複数のアンテナのアンテナ毎に、前記制御手段により設定した周波数を用いて、前記上位ビット及び前記下位ビットを送信する
請求項1記載の送信装置。
【請求項10】
前記制御手段は、
前記生成手段により前回生成した前記伝送レート要求用信号の最上位ビットに対して、前記生成手段により今回生成した前記伝送レート要求用信号の最上位ビットが変化した際に、前記複数のビットの全てを送信するように前記上位ビットを送信する周波数を設定する
請求項1記載の送信装置。
【請求項11】
請求項1記載の送信装置を具備する通信端末装置。
【請求項12】
請求項11記載の通信端末装置より送信された前記伝送レート要求用信号を受信する基地局装置。
【請求項13】
周波数毎に伝送レートを要求するための複数のビットからなる伝送レート要求用信号を前記周波数毎に生成するステップと、
前記複数のビットのうちの上位ビットを送信する第1の周波数間隔が、前記複数のビットのうちの前記上位ビット以外の下位ビットを送信する第2の周波数間隔よりも長くなるように、前記上位ビットを送信する周波数及び前記下位ビットを送信する周波数を設定するステップと、
前記設定した周波数を用いて、前記上位ビット及び前記下位ビットを送信するステップと、
を具備する送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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