説明

送出端末

【課題】これまで情報管理サーバーのタイムアウト時には、映像を送出しなければ分からなかった、映像の情報(当該映像のサブタイトル、映像尺、バージョン情報、ループ再生の有無)を送出端末の表示部の端末画面内に表示する。
【解決手段】送出端末、送出制御装置、およびデコーダを備えた送出システムの前記送出端末において、表示部を有し、情報管理サーバーに第1の映像データ取得要求を送信し、所定時間経過しても応答データが届かない場合には、応答タイムアウトと判定し、前記送出制御装置に第2の映像データ取得要求を送信し、前記送出制御装置から返信された応答データの項目を前記表示部の端末画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送出システムに関わり、特に、情報管理サーバーの障害によって、送出端末の表示情報が不足してしないように、送出システム内部から映像情報を検索し、補完表示する送出端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のビデオサーバーシステムにおいて、映像を送出する方法は、上位の指示を受けて送出を行う電子台本送出と、送出端末からの手動操作で送出を行うマニュアル送出とがある(特許文献1参照。)。マニュアル送出の場合には、送出端末の検索機能を用いて情報管理サーバーに問い合わせを行い、目的の映像を送出端末に呼び出し、送出端末の表示部に呼び出しした画面を表示する。その後ユーザが画面を確認してから送出する。映像は送出端末の表示部の表示画面(端末画面)にアイコンとして表示され、そのアイコンには、情報管理サーバーからの受信データをもとに、映像に関する情報が表示される。
送出端末の検索機能を用いた検索は、映像に関する情報を用いて行う。映像に関する情報としては、例えば、カテゴリ、項目コード、通番などがある。それらの情報の検索のほとんどは、情報管理サーバーが機能していなければ使用できない。
従って、所定時間、情報管理サーバーからの応答がない(タイムアウトした)場合には、従来は、映像のビデオID検索を行い、検索したビデオIDとサムネイルのみを表示していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−055255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、従来技術では、障害の発生によって情報管理サーバーが機能していなくても、唯一、映像固有のIDであるビデオIDによる検索は可能である。映像送出は情報管理サーバーの動作に影響を受けることなく行えなければならないため、このような救済機能を有している。
この情報管理サーバーのタイムアウト時のビデオIDによる検索では、アイコンにビデオIDと映像サムネイルしか表示されないため、情報が不足する。
本発明は、これまで情報管理サーバーのタイムアウト時には、映像を送出しなければ分からなかった、映像の情報(当該映像のサブタイトル、映像尺、バージョン情報、ループ再生の有無)を、送出端末の表示部の端末画面内に表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明の送出端末は、送出端末、送出制御装置、およびデコーダを備えた送出システムの前記送出端末において、表示部を有し、情報管理サーバーに第1の映像データ取得要求を送信し、所定時間経過しても応答データが届かない場合には、応答タイムアウトと判定し、前記送出制御装置に第2の映像データ取得要求を送信し、前記送出制御装置から返信された応答データの項目を前記表示部の端末画面に表示するものである。
上記本発明の送出端末は、さらに、前記送出システム内部から、映像の情報を検索し、不足した情報を補完することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、情報管理サーバーのタイムアウトに対して、送出制御装置内のファイルを利用することによって、不足したデータを補完することができる。
この結果、これまで情報管理サーバーのタイムアウト時には、映像を送出しなければ分からなかった、当該映像のサブタイトル、映像尺、バージョン情報、ループ再生の有無が送出端末の表示部の端末画面内に表示されるため、映像確認の手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の送出システムの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の送出システムの一実施例において、送出端末101の表示部の端末画面の検索エリアの概略図である。
【図3】本発明の送出システムにおけるビデオID検索ウィンドウの一実施例を示す図である。
【図4】本発明の送出システムにおけるビデオID検索処理の一実施例を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の送出システムにおけるビデオID検索処理における検索結果を表示する端末画面の一実施例を示す図である。
【図6】本発明の送出システムにおける情報管理サーバー障害時のビデオID検索処理の一実施例を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の送出システムにおけるビデオID検索処理における情報管理サーバー障害時の検索結果を表示する端末画面の一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の一実施形態を図面等を用いて説明する。
なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
また、各図の説明において、同一の機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、重複を避け、できるだけ説明を省略する。
【0009】
図1によって本発明の送出システムの一実施例の処理に関わる構成を説明する。図1は、本発明の送出システムの一実施例の構成を示すブロック図である。100は送出システム、104はビデオサーバーシステム内の情報管理サーバー、105は他システムである。送出システム100において、101は送出端末、102は送出制御装置、103はデコーダである。
送出システム100において、映像を送出する方法は、上位機器の指示を受けて送出を行う電子台本送出と、送出端末101からのユーザによる手動操作で送出を行うマニュアル送出とがある。
マニュアル送出の場合は、ユーザは、送出端末101の検索機能を用いて情報管理サーバー104に問い合わせを行い、目的の映像を送出端末101の表示部(図示しない)の端末画面に呼び出し、確認してから送出する。端末画面では、映像はアイコン(映像アイコン)として表示され、そのアイコンには情報管理サーバー104からの受信データをもとに映像に関する情報が表示される。
【0010】
例えば、図1において、ビデオサーバーシステム内の情報管理サーバー104は、送出端末101に受信データを出力する。送出端末101は、情報管理サーバー104から入力された受信データをもとに、図示しない表示部の端末画面に映像アイコンを表示し、ユーザが手動により送出する。
即ち、送出端末101からの送出命令は、送出制御装置102経由でデコーダ103を制御し、映像送出処理を行う。
なお、サムネイル画像は他史システム105から送出システム100に供給される。
【0011】
上述のマニュアル送出の場合には、ユーザが送出端末101で検索操作を行うことによって、送出端末101は、情報管理サーバー104に映像データの取得要求を送信する。
図2によって、本発明の送出システムの一実施例における送出端末の検索エリアについて説明する。図2は、本発明の送出システムの一実施例において、送出端末101の表示部の端末画面の検索エリアの概略図である。200は送出端末101の表示部の端末画面(検索エリア)である。端末画面200において、201はビデオID検索ボタン、202は検索結果表示エリアである。
図2の端末画面200において、エリア内には各種検索ボタン、検索結果表示エリア、結果表示形式を変更するボタンが存在する。各種検索ボタンおよび結果表示形式を変更するボタンは、図2では、長方形の白枠で示す。
ユーザが、GUI操作により、ビデオID検索ボタン201を押下すると、ビデオID検索ウィンドウが開く(図3参照。)。
【0012】
ビデオID検索ウィンドウの略図を示す。
図3によって、ビデオID検索ウィンドウについて説明する。図3は、本発明の送出システムにおけるビデオID検索ウィンドウの一実施例を示す図である。300は送出端末101の表示部の端末画面(ビデオID検索ウィンドウ)である。端末画面300において、301はビデオID入力ボックス、302はアルファベット入力ボタン、303は数字入力ボタン、304は検索実行ボタンである。
図3のビデオID検索ウィンドウ(端末画面300)において、ユーザがアルファベット入力ボタン302や数字入力ボタン303を押下すると、押下した文字または数字がビデオID入力ボックス301に入力される。全て入力し終えたあと、検索実行ボタン304を押下すると、検索が実行される。
【0013】
図4によって、本発明の検索処理の一実施例を説明する。図4は、本発明の送出システムにおけるビデオID検索処理の一実施例を示すシーケンス図である。401は映像データ取得要求、402は応答データ、403は画像データ取得要求、404はサムネイル画像データである。
図4において、送出端末101は、まず情報管理サーバー104に映像データ取得要求401を送信する。それを受信した情報管理サーバー104は、応答データ402を送出端末101に返信する。応答データ402を受信した送出端末101は、その応答データ402を元に、端送出末101内で保持している共有領域を更新する。送出端末101内の映像データは、この共有領域で管理しており、共有領域のデータからアイコンを作成し、送出端末101の表示部に表示する。
情報管理サーバー104からの応答(応答データ402)を受信後、送出端末101は、他システム105にサムネイル画像の取得要求(画像データ取得要求403)を送信する。他システム105は、要求された取得要求に応答して要求されたサムネイル画像データ404を送出端末101に送信する。送出端末101は、取得したサムネイル画像をアイコン内に表示する(図5参照。)。
【0014】
図5によって、本発明の検索結果表示の一実施例を説明する。図5は、本発明の送出システムにおけるビデオID検索処理における検索結果を表示する端末画面の一実施例を示す図である。500は端末画面(検索結果表示画面)である。端末画面500において、50はアイコンである。またアイコン50において、501はカテゴリ、502は日別通番、503はバージョン、504はサムネイル、505はタイトル、506はサブタイトル、507は条件、508はループアイコン、509は内容時間、510は放送時間、511は音声である。
図5の端末画面500に示すように、送出端末101は、その表示部に、情報管理サーバー104からの応答を正常に受信すると、アイコン50を表示する。
【0015】
図6によって、本発明の情報管理サーバー障害時の送出システムにおける検索処理の一実施例を説明する。図6は、本発明の送出システムにおける情報管理サーバー104の障害時のビデオID検索処理の一実施例を示すシーケンス図である。601は映像データ取得要求、602は応答データ、603は応答タイムアウト、604は映像データ取得要求、605は応答データ、606は画像データ取得要求、607はサムネイル画像データである。
図6において、送出端末101は、まず情報管理サーバー104に映像データ取得要求601を送信する。それを受信した情報管理サーバー104は、応答データ602を送出端末101に返信する。しかし、情報管理サーバー104に何らかの障害が発生し、応答データ602が送出端末101に所定時間t内に届かないとする。
【0016】
送出端末101は、映像データ取得要求601を送信してから、所定時間t経過しても応答データが届かない場合には、応答タイムアウト(情報管理サーバー104への要求がタイムアウトした)と判定する。応答タイムアウトと判定された場合には、送出端末101は、ビデオIDのみ存在する共有領域を作成する。
次に、送出端末101は、送出制御装置102に映像データ取得要求604を送信する。
送出制御装置102は、映像を送出するための情報をファイルとして保持しており、そのファイル内の項目を利用する。そのファイル内にあって、画面表示に適用できる項目は、バージョン番号、キューアップ点TC(Time Code)、OUT点TC、ループ再生点有無、サブタイトルである。
送出制御装置102は、送出端末101からの映像データ取得要求604を受信すると、上記ファイル内容の項目を応答データ605として送出端末101に返信する。
送出制御装置102から応答データ605を受信した送出端末101は、その応答データ605をもとに、送出端末101内で保持している共有領域を更新する。
その後、送出端末101は、他システム105にサムネイル画像の取得要求(画像データ取得要求606)を送信する。他システム105は、要求された取得要求に応答して要求されたサムネイル画像データ607を送出端末101に送信する。送出端末101は、取得したサムネイル画像をアイコン内に表示する。
【0017】
図7によって、本発明の情報管理サーバー104障害時の検索結果表示の一実施例を説明する。図7は、本発明の送出システムにおけるビデオID検索処理における情報管理サーバー障害時の検索結果を表示する端末画面の一実施例を示す図である。700は端末画面(検索結果表示画面)である。端末画面700において、70はアイコンである。またアイコン70において、701はバージョン、702はサムネイル、703はビデオID、704はサブタイトル、705はループアイコン、706は内容時間である。
図7において、情報管理サーバー104障害時には、映像のタイトルは取得できないため、代わりにビデオID703を表示する。内容時間706は、映像のキューアップ点からOUT点までの尺を表しているため、送出制御装置102から受信したデータから計算し、表示する。
【0018】
上述の実施例によれば、情報管理サーバーの障害に対して、送出制御装置内のファイルを利用することによって、完全ではないものの、不足したデータを補完して表示が行なわれる。
これにより、これまで情報管理サーバーの障害時は送出しなければ分からなかった、サブタイトル、映像尺、バージョン情報、ループ再生の有無が端末に表示され、映像確認の手間を省くことができる。
【符号の説明】
【0019】
50、70:アイコン、 100:送出システム、 101:送出端末、 102:送出制御装置、 103:デコーダ、 104:情報管理サーバー、 105:他システム、 200:端末画面、 201:ビデオID検索ボタン、 202:検索結果表示エリア、 300:端末画面、 301:ビデオID入力ボックス、 302:アルファベット入力ボタン、 303:数字入力ボタン、 304:検索実行ボタン、 401:映像データ取得要求、 402:応答データ、 403:画像データ取得要求、 404:サムネイル画像データ、 500:端末画面、 501:カテゴリ、 502:日別通番、 503:バージョン、 504:サムネイル、 505:タイトル、 506:サブタイトル、 507:条件、 508:ループアイコン、 509:内容時間、 510:放送時間、 511:音声、 601:映像データ取得要求、 602:応答データ、 603:応答タイムアウト、 604:映像データ取得要求、 605:応答データ、 606:画像データ取得要求、 607:サムネイル画像データ、 700:端末画面、 701:バージョン、 702:サムネイル、 703:ビデオID、 704:サブタイトル、 705:ループアイコン、 706:内容時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送出端末、送出制御装置、およびデコーダを備えた送出システムの前記送出端末において、
表示部を有し、情報管理サーバーに第1の映像データ取得要求を送信し、所定時間経過しても応答データが届かない場合には、応答タイムアウトと判定し、前記送出制御装置に第2の映像データ取得要求を送信し、前記送出制御装置から返信された応答データの項目を前記表示部の端末画面に表示することを特徴とする送出端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−26863(P2013−26863A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160385(P2011−160385)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】