説明

送受信時の承認ワークフローを考慮した情報共有システム

【課題】情報を送信するときと受信するときに承認を求めることで、不要な秘密情報を取得しない情報共有システムを提供する。
【解決手段】秘密情報を作成・送信する送信側グループ20と、秘密情報を受信する受信側グループ21と、共有する秘密情報を格納する共有サーバ22とから構成し、送信側グループ20では秘密情報を作成して送信承認の依頼をする情報作成端末201と、秘密情報を送信してもよいか判定する送信承認端末202とを設け、情報作成端末201からの送信依頼に依頼に応じて情報承認端末202が秘密情報を受信側グループ21に送信し、受信側グループ21では秘密情報を受信してもよいか判定する受信承認端末211と、秘密情報を受信してもよいか秘密情報の中身を確認して判定する検収端末212を設け、受信承認端末211が秘密情報を受信してもよいか判定し、受信してもよい場合は検収端末212が秘密情報の内容を確認して受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離れた場所にいるグループに対して、送信時と受信時の承認ワークフローを考慮して情報を伝達する情報共有システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
Webの発展に伴い、手軽に情報を共有することが可能になってきている。しかし、企業などの秘匿性の高いグループによって作成された秘密情報を他のグループに共有する場合は、責任者の承認が必要になる。
最近、秘密情報を作成した際に、責任者に承認を得た場合に限って公開される情報共有ワークフローシステムが普及しつつある。
【0003】
図1は、この情報共有ワークフローシステムの概要を示すブロック構成図であり、秘密情報を送信する送信側グループシステム(10)と、秘密情報を受信する受信側グループ(11)と、秘密情報を共有する共有サーバ(12)とから構成されている。
前記送信側グループシステム(10)は担当者が秘密情報を作成する情報作成端末(101)と、責任者がグループの外に秘密情報を送信してもよいか判断する送信承認端末(102)と、グループ内で秘密情報を共有するためのグループ内サーバ(103)とを備える。
このような構成の情報共有ワークフローシステムにおいては、担当者は情報作成端末(101)で秘密情報を作成してグループ内サーバ(103)に送信する。責任者は情報承認端末(102)でその秘密情報をグループ外に送信してよいか判断し、もし送信してよいなら共有サーバ(12)に秘密情報を送信する。受信側グループ(11)は、情報閲覧端末(110)で共有サーバに送信された秘密情報を閲覧する。
【0004】
本発明に関連する公知技術文献としては下記特許文献1があげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−101324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、秘密情報を送付するグループ側の承認だけではなく、秘密情報を受信するグループ側での承認や検収作業も必要になってきている。不用意に秘密情報を受領したら、第三者に流出するリスクが増加するためである。
このため、相手方から受信した秘密情報が、特許出願・論文発表・営業資料などに混入していないか確認する作業を行わなくてはならないといった不都合が生じている。
【0007】
本発明の目的は、秘密情報を送受信するときに承認と検収を必要とするワークフローを考慮した情報共有システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目標を達成するために、本発明の情報共有システムは、送信側グループシステムと受信側グループシステムと共有サーバとからなる情報共有システムであって、
前記送信側グループシステムは、秘密情報を作成する情報作成端末と、秘密情報を受信側グループシステムに送信してもよいか判定する送信承認端末と、送信側グループシステム内で秘密情報を共有するためのグループ内サーバとを備え、
前記情報作成端末は、秘密情報を前記グループ内サーバに送信して承認を依頼する情報送信手段を備え、前記送信承認端末は、前記秘密情報を送信してもよいか判定する送信承認手段と、受信側グループが前記秘密情報をどのように受信したか確認する受信確認手段とを備え、
前記受信側グループシステムは、前記秘密情報を受信してもよいか判定する受信承認端末と、前記秘密情報を受信してもよいか詳細に判定する検収端末と、グループ内で情報を共有するためのグループ内サーバとを備え、前記受信承認端末は、前記秘密情報を受信してもよいかを秘密情報の概要が記載されているチケットを確認することで判定する受信承認手段とを備え、前記検収端末は、前記秘密情報を受信してもよいかを秘密情報の内容を確認することで判定する検収手段を備え、
前記共有サーバは、送信する秘密情報、秘密情報の概要が記載されたチケット、送信内容の概要が記載された送信ログを格納する送信フォルダと、前記チケットを格納する受信フォルダとを備えることを特徴とする。
また、前記受信側グループシステムの検収手段は秘密情報を受信したことを示す情報が記録されているチケットを前記共有サーバに送信し、共有サーバ内の受信フォルダに格納し、前記送信側グループシステムの受信確認手段により受信側グループシステムが受信したか否かを確認可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報共有システムによれば、次のような効果がある。
(1)秘密情報を送信するときに承認を必要とするワークフローを考慮した情報共有システムを提供することで、送信側グループは社外に公開してはいけない秘密情報を不用意に送信しないことができるようになる。
(2)秘密情報を受信するときに承認と検収を必要とするワークフローを考慮した情報共有システムを提供することで、受信側グループは必要のない秘密情報を不用意に取得しないことができるようになる。
(3)秘密情報送受信情報の概要が記載されたチケットをグループ間でやり取りすることで、送信側グループは受信側グループに送信した秘密情報の状態を確認することができるようになる。
(4)一意に定められたチケット名とチケットのファイル容量を確認することで、ファイルを直接操作できない外部サーバ上に存在するチケットをファイルシステムにコピーすることなく確認することができ、送信側グループは変更のあるチケットのみ受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一般的なワークフローを考慮した情報共有システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態例を示すシステム構成図である。
【図3】チケットを示す説明図である。
【図4】接続先設定を示す説明図である。
【図5】送信ログファイルを示す説明図である。
【図6】チケットのステータスの遷移経緯を示す状態遷移図である。
【図7】送信側グループの担当者が秘密情報を作成して送信する処理を示すフローチャートである。
【図8】送信側グループの責任者が秘密情報を送信してもよいか確認する処理を示すフローチャートである。
【図9】受信側グループの責任者が秘密情報を受信してもよいか確認する処理を示すフローチャートである。
【図10】受信側グループの検収者が秘密情報を受信してもよいか検収する処理を示すフローチャートである。
【図11】送信側グループの責任者が送信した秘密情報のステータスを確認する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明の一実施の形態を示すシステム構成図である。
この実施形態の情報共有システムは、秘密情報を送信する送信側グループシステム(20)と、秘密情報を受信する受信側グループシステム(21)と、両グループ内で秘密情報をやり取りする共有サーバ(22)とから構成されている。
送信側グループシステム(20)と共有サーバ(22)、受信側グループシステム(21)と共有サーバ(22)はそれぞれWAN(Wide Area Network)で接続されている。
送信側グループシステム(20)は、担当者が秘密情報を作成する情報作成端末(201)と、送信側グループの責任者が秘密情報を送信してよいか判定する送信承認端末(202)と、グループ内で秘密情報を共有するグループ内サーバ(203)とから構成されている。
送信側グループシステム(20)の各端末やサーバはLAN(Local Area Network)で接続されている。
【0012】
送信側グループシステムの情報作成端末(201)は、送信側グループの担当者が受信側グループに送信したい情報を作成する情報送信手段(2011)を備える。送信承認端末(202)には、作成された秘密情報を送信してもよいか判断する送信承認手段(2021)と、受信側グループシステムに送信された秘密情報の状態を確認する受信確認手段(2022)を備える。
【0013】
送信側グループシステムのグループ内サーバ(203)には、送信フォルダ(2031) があり、内部には、相手に送信する秘密情報(2032)と、秘密情報の共有先やチケットのステータスなどが記載されているチケット1(2033)と、共有サーバのアドレスなどが記載されている接続先設定(2034)が格納されるようになっている。
【0014】
受信側グループシステム(21)は、受信側グループの責任者がチケットを確認して受信を承認する受信承認端末(211)と、受信側グループの検証者が秘密情報を検収する検収装置(212)と、グループ内サーバ(213)とから構成されている。
受信側グループシステム(21)の各端末やサーバはLANで接続されている。
受信承認端末(211)は、共有サーバ(22)にある新しい秘密情報を受信してもよいか判断する受信承認手段(2111)を備える。
検収端末は(212)は、受信された秘密情報の内容を検収する検収手段(2121)を持備える。
【0015】
受信側グループシステム(21)のグループ内サーバ(213)には受信フォルダ(2131)があり、内部には、接続先設定(2132)と、相手側から取得したチケット3(2133)と、送信側グループシステム(20)から受信した秘密情報(2134)が格納されるようになっている。
共有サーバ(22)には、送信フォルダ(221)と受信フォルダ(222)があり、送信フォルダ(221)には送信することを承認された秘密情報(2211)と、チケット2(2212)と、今まで送信されたチケットの履歴が記載された送信ログファイル(2213)が格納され、受信フォルダ(222)には、受信側グループシステム(21)に送信された秘密情報の状態、例えば受信承認待ちなのか受信済みなのかが記載されたチケット4(2221)が格納されるようになっている。
【0016】
図3は、秘密情報の共有先や状態を示すチケット(3)の一例を示す図である。
この例では、チケット(3)はXMLフォーマットで示してあるが、データベースに情報を格納してもよい。また、プレーンテキストに情報を格納してもよい。図に示すように、チケット(3)を一意に識別するためのチケットID(31)、共有先情報を得るための共有ID(32)、チケットの状態を示すステータス(33)、相手に伝えたいコメントを記載するコメント(34)、チケット名(35)、チケットのファイル容量(36)から構成される。
【0017】
共有先ID(32)を元に共有サーバ(22)に接続する情報を取得できる。また、共有ファイルサーバなどの直接ファイルを操作できない外部サーバ上に存在するファイルを取り扱う場合、ファイルの内部データを取得することは困難であり、取得するためにはいったんファイルをグループ内サーバにコピーした後でファイルを展開して取得する必要があるが、大量のチケットを毎回グループ内サーバにコピーすることは非効率である。そのため、チケット名(35)にチケットID(31)を含むことで、外部サーバ上でチケットIDのみ取得したい場合に容易に取得できるようにする。ファイル名はファイルが外部サーバ上にある場合でも、容易に取得することができるからである。同様に、ファイルの容量もファイルが外部サーバ上にある場合でも容易に取得することができる。ファイル容量が変更しているか確認することで、ファイルの内容が変更しているかを判定できる。
【0018】
図4は、共有先の情報が記載されている接続先設定情報(4)の一例を示す図である。
この例では、接続先設定情報(4)はXMLフォーマットで示してあるが、データベースに情報を格納してもよい。また、プレーンテキストに情報を格納してもよい。接続先設定情報は、所属するグループの共有先情報(41,42,4n)を持ち、複数のグループと秘密情報を共有することができる。共有先情報は、共有先を一意に識別するための共有先ID(411)、共有先アドレス(412)、秘密情報やチケットを送信する際に用いる送信フォルダ名(413)、秘密情報やチケットを受信する際に用いる受信フォルダ名(414)から構成される。
【0019】
図5は、過去に送信されたチケットの情報が記載された送信ログ(5)の一例を示す図である。この例では、送信ログはXMLフォーマットで示してあるが、データベースに情報を格納してもよい。また、プレーンテキストに情報を格納してもよい。送信ログ(5)は、過去に送信された複数のログ(51,52,5n)を持つ。ログ(5)は、ログを一意に識別するためのログID(511)、送信されたチケットのチケットID(512)、送信されたチケットが例えば送信承認待ちなのか受信済みなのかといったステータス(513)から構成され、秘密情報を送信した際の証明とすることができる。
【0020】
図6は、情報共有システムにおけるチケットのステータス(33)の変更経緯を示す状態遷移図である。送信側グループシステムの担当者は、情報共有端末(201)を用いて秘密情報を作成する。チケットのステータスは送信承認待ちになる(S601)。送信側グループの責任者は、送信承認端末(202)を用いて秘密情報を送信してもよいか確認をする。送信してもよい場合、チケットのステータスは受信承認待ちになる(S602)。送信しない場合、チケットのステータスは送信拒否になり(S603)、ワークフローは終了する。
【0021】
受信側グループの責任者は、受信承認端末(211)を用いて秘密情報を受信してもよいか、チケットを確認して判断する。受信してもよい場合、チケットのステータスは検収待ちになる(S604)。受信しない場合、チケットのステータスは受信拒否になり(S605)、ワークフローは終了する。
【0022】
受信側グループの検収者は、検収端末(212)を用いて秘密情報を受信してもよいか、秘密情報の中身を確認して判断する。受信してもよい場合、チケットのステータスは検収済みになり(S606)、ワークフローは終了する。受信しない場合、チケットのステータスは受信拒否になり(S605)、ワークフローは終了する。
【0023】
図7は、送信側グループシステムの担当者が秘密情報を作成して送信する処理を示すフローチャートである。
送信側グループの担当者は、情報作成端末(201)を利用して端末内で秘密情報を作成する。ここで、秘密情報を他のグループに送信する必要がある場合は、送信伝票に該当するチケット(3)を作成する。担当者は、共有先を選択して共有先ID(32)を入力し、コメント(34)を入力する。情報送信手段(2011)は、チケット(3)に、一意の値となるようにチケットID(31)を割り当て、ステータス(33)を「送信承認待ち」とする。そして、このとき作成したチケット(3)と秘密情報(2032)とを送信側のグループ内サーバ(2031)に送信する(S701)。この場合、チケット(3)はグループ内サーバ(203)の送信フォルダ(2031)内にチケット1(2033)として格納される。
【0024】
図8は、送信側グループシステム(20)の責任者が秘密情報を送信してもよいか確認する処理を示すフローチャートである。
送信承認装置(202)の送信承認手段(2021)は、送信側のグループ内サーバ内送信フォルダ(2031)にあるチケット1のステータス(33)を確認し、「送信承認待ち」のものがあれば送信側グループシステムの責任者に例えばメールで通知し(S801)、送信側グループの責任者は、送信承認手段(2021)を用いて、例えば秘密情報やチケットの内容を確認するなどして相手に秘密情報を送信しても良いか判断を行う(S802)。
【0025】
秘密情報を送信しても良いと判断した場合、送信承認手段(2021)は、チケット1(2033)のステータス(33)を「受信承認待ち」に変更し、接続先設定情報(2034)から共有先アドレス(412)と送信フォルダ名(413)を取得し、共有サーバ(22)の送信フォルダ(221)に秘密情報(2211)とチケット1(2033)を送信する(S803)。この場合、チケット1(2033)は、共有サーバ(22)の送信フォルダ(221)にチケット2(2212)として格納される。
【0026】
なお、送信側の責任者は、チケットのコメント(34)に例えば送信を承認した理由などの伝達情報を追記しても良い。送信ログファイル(2213)には、一意となるようにログID(511)を割り当て、送信するチケットのチケットID(411)を送信ログのチケットID(512)に追記し、ステータス(513)を「受信承認待ち」に変更し、送信したチケットのファイル容量(36)を送信ログのファイル容量(514)に追記する(S804)。秘密情報を送信しないと判断した場合、送信承認手段(2021)は、チケット1(2033)のステータス(33)を「受信拒否」に変更する。
【0027】
図9は、受信側グループシステム(21)の責任者が秘密情報を受信してもよいか確認する処理を示すフローチャートである。
受信側グループの責任者は受信承認手段(2111)を利用して、新規に送信されたチケット2(2212)がないか確認する。まず、受信側のグループ内サーバ(213)内にあるすべてのチケット3(2133)からチケットID(31)の一覧を取得し、次に接続先設定情報(2132)に記載されている全ての共有先アドレス(412)の送信フォルダ(413)に対して(S901)、新規に送信されたチケット2(2212)がチケット3のチケットID一覧内に存在するかを確認し、該当するチケットIDがなければそのチケット2は新規に送信されたチケットであるので、新規のチケット2(2212)を受信側のグループ内サーバ(21)の受信フォルダ(2131)に送信させ、チケット3(2133)として格納させる(S902)。
【0028】
受信側グループの責任者は受信承認手段(2111)を利用して、共有サーバ(22)の送信フォルダ(221)にある秘密情報(2211)を例えばチケット2(2212)のコメント(34)や秘密情報のファイル名など、容易に確認できる内容で受信してよいか判断を行う(S903)。
【0029】
秘密情報を受信すると判断した場合、受信承認手段(2111)は共有サーバ(22)の送信フォルダ(221)にある秘密情報(2211)を受信側のグループ内サーバ(213)にある受信フォルダ(2131)に送信させ、チケット3(2133)のステータス(33)を「検収待ち」に変更する(S904)。なお、受信側の責任者は、チケットのコメント(34)に例えば受信を承認した理由などの伝達情報を追記してもよい。秘密情報(2211)を受信しないと判断した場合、受信承認手段(2111)はチケット3(2133)のステータス(33)を「受信拒否」に変更する(S905)。
【0030】
なお、受信側の責任者は、チケットのコメント(34)に例えば受信を拒否した理由などの伝達情報を追記してもよい。
受信承認手段(2111)は、チケット3(2133)の共有先ID(32)を元に、接続先設定情報(2132)の共有先アドレス(412)の受信フォルダ(414)に受信側が秘密情報を受信したことを示す受信チケット4(2221)を送信する(S906)。
【0031】
図10は、受信側グループの検収者が秘密情報を受信してもよいか検収する処理を示すフローチャートである。
検収端末(212)の検収手段(2121)は、受信側のグループ内サーバ(213)の受信フォルダ(2131)にあるチケット3(2133)のステータス(33)を確認し、「検収待ち」のものがあれば受信側グループの検収者に例えばメールで通知する(S1001)。受信側グループの検収者は検収手段(2121)を利用して、受信側グループのグループ内サーバ(213)の受信フォルダ(2131)にある秘密情報(2134)を例えば秘密情報を展開して中身を確認するなどして詳細に確認することで、受信してよいか判断を行う(S1002)。
【0032】
秘密情報を受信してもよいと判断した場合、検収手段(2121)はチケット3(2133)のステータス(33)を「検収済み」に変更する(S1003)。なお、受信側の責任者は、チケットのコメント(34)に例えば受信を承認した理由などの伝達情報を追記してもよい。
ここで、検収者は受信側グループシステム(21)の受信フォルダ(2131)にある秘密情報(2134)を例えば受信側グループの担当者全員が閲覧できる共有フォルダに移すなどして情報を共有してもよい。秘密情報(2134)を受信しないと判断した場合、検収手段(2121)はチケット3(2133)のステータス(33)を「受信拒否」に変更する(S1004)。なお、受信側の検収者は、チケット3(2133)のコメント(34)に例えば受信を拒否した理由などの伝達情報を追記してもよい。
【0033】
検収手段(2121)は、チケット3(2133)の共有先ID(32)を元に、接続先設定(2132)の共有先アドレス(412)の受信フォルダ(414)にチケット4(2221)を送信する(S1005)。
【0034】
図11は、送信側グループシステム(20)の責任者が送信した秘密情報のステータスを確認する処理を示すフローチャートである。
送信側グループシステムの責任者は受信確認手段(2022)を利用して、秘密情報が受信側グループ(21)に受信されたかを確認する。送信側グループシステム(20)の接続先設定情報(2034)に記載されているすべての共有先アドレス(412)の送信フォルダ(413)に対して(S1101)、送信ログファイル(2213)を送信グループ側の例えばグループ内サーバ(203)の送信フォルダ(2031)に一時的にコピーする。
【0035】
次に、送信ログファイル(2213)のステータス(513)を確認し、「返信待ち」と「検収待ち」のログのチケットID(512)とファイルサイズ(514)を取得して一覧にする(S1102)。
次に、接続先設定の共有先アドレス(412)の受信フォルダ(414)にあるすべてのチケット4(2221)に対し(S1103)、チケットID(31)が一覧に存在するかをチケットのファイル名(35)を元に判定する(S1104)。該当するチケットIDを持つチケット4がない場合は(S1103)に戻り、次のチケットについて調べる。
該当するチケットIDを持つチケット4がある場合は、チケット4(2221)のチケット容量を確認し、送信ログファイル(2213)の一覧に記載されているチケット容量(36)と変更があるか判定する(S1105)。チケット4(2221)に変更がない場合は(S1103)に戻り、次のチケットについて調べる。
【0036】
チケットに変更がある場合は、チケット4(2221)のステータス(33)とコメント(34)をチケット1(2033)に転記し、チケット4(2221)のステータス(33)を送信ログファイルのステータス(513)に転記する(S1106)。送信側グループの責任者は、変更されたチケット1(2033)のステータス(33)とコメント(34)を確認することで、秘密情報が受信側グループに送信された後の状態を確認することができる(S1107)。
【符号の説明】
【0037】
20 送信側グループシステム
201 情報作成端末
2011 情報送信手段
202 送信承認端末
2021 送信承認手段
2022 受信確認手段
203 グループ内サーバ
2031 グループ内サーバ内送信フォルダ
2032 秘密情報
2033 チケット
2034 接続先設定
21 受信側グループシステム
211 受信承認端末
2111 受信承認手段
213 グループ内サーバ
2131 グループ内サーバ内受信フォルダ
2132 接続先設定
2133 チケット
2134 秘密情報
22 共有サーバ
221 共有サーバ内送信フォルダ
2211 秘密情報
2212 チケット
2213 送信ログファイル
222 受信フォルダ
2221 チケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側グループシステムと受信側グループシステムと共有サーバとからなる情報共有システムであって、
前記送信側グループシステムは、秘密情報を作成する情報作成端末と、秘密情報を受信側グループシステムに送信してもよいか判定する送信承認端末と、送信側グループシステム内で秘密情報を共有するためのグループ内サーバとを備え、
前記情報作成端末は、秘密情報を前記グループ内サーバに送信して承認を依頼する情報送信手段を備え、前記送信承認端末は、前記秘密情報を送信してもよいか判定する送信承認手段と、受信側グループが前記秘密情報をどのように受信したか確認する受信確認手段とを備え、
前記受信側グループシステムは、前記秘密情報を受信してもよいか判定する受信承認端末と、前記秘密情報を受信してもよいか詳細に判定する検収端末と、グループ内で情報を共有するためのグループ内サーバとを備え、前記受信承認端末は、前記秘密情報を受信してもよいかを秘密情報の概要が記載されているチケットを確認することで判定する受信承認手段とを備え、前記検収端末は、前記秘密情報を受信してもよいかを秘密情報の内容を確認することで判定する検収手段を備え、
前記共有サーバは、送信する秘密情報、秘密情報の概要が記載されたチケット、送信内容の概要が記載された送信ログを格納する送信フォルダと、前記チケットを格納する受信フォルダとを備えることを特徴とする情報共有システム。
【請求項2】
前記受信側グループシステムの検収手段は秘密情報を受信したことを示す情報が記録されているチケットを前記共有サーバに送信し、共有サーバ内の受信フォルダに格納し、前記送信側グループシステムの受信確認手段により受信側グループシステムが受信したか否かを確認可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の情報共有システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−59199(P2012−59199A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204425(P2010−204425)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)