説明

送受信間の複数のアンテナ通信路による高速通信のための反復復号化と等化の方法

複数の送信及び受信アンテナを有する周波数選択性通信路を介した高ビットレート通信のための反復復号化及び等化装置であって、異なる受信アンテナからデータを受信する判定帰還型等化器を備え、該等化器が、判定手段によって信号を供給された復号器の出力から計算されて重み付けされた再構成データを供給される順方向フィルタ及び再帰的逆方向フィルタ、更に順方向フィルタの出力データから逆方向フィルタの出力データを減算するための減算手段を有し、減算されたデータが、復号器の出力によって判定手段の入力に供給され、減算手段の出力における空間雑音相関を考慮する判定手段が、重み付けされた入力及び出力を有する通信路復号器に送られる統計値を生成し、判定手段と復号器とが、時空間インタリーブ処理によって分離され、順方向フィルタ及び逆方向フィルタが、減算手段の出力における平均二乗誤差を最小限にするように反復して適合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル通信の分野に関係するものである。本発明は、更に特に、複数の送信アンテナ通信路、更に特に複数の送信アンテナ及び受信アンテナを有する周波数選択性通信路を介した高速通信のための反復復号化と等化の方法に関係するものである。
【背景技術】
【0002】
アンテナ技術の開発に関して、TDMA、CDMA、POFDM、及びそれらの組み合わせに基づく通信モデルは、MIMO通信路を達成するために、系統的に修正されると共に、拡張される。異なる哲学を有する、以下のような2つの主要な時空間符号化の種類が想定される。
【0003】
ベル研究所によって開発されたBLAST(Bell laboratory LAyered Space-Time architecture)伝送は、通信路を介して送信され得るビットレートを増加するために、空間多重化を使用することを目的とする。BLASTを、2つの異なる階層化時空間符号化モデルを与えるエラー訂正チャンネル符号化と結合する2つの方法がある。第1の(ST−BICM)モデルにおいて、様々な階層を連結する1つの符号化動作は、時空間インタリーブ、及び空間逆多重化[参考文献1、LST−I、p.1350]の前のデータに適用される。第2の(MAC)モデルにおいて、データは、空間逆多重化されると共に、その後で、各階層[参考文献1、LST−II、p.1350]上で、独立して符号化されて、インタリーブされる。
【0004】
ダイバシティ方式には、更に効果的に通信路のフェーディングの影響と戦うと共に、性能を向上させるために、空間ダイバーシティを使用する。符号化を改良するSTTC方式、及び符号化利得が5にならず、多くの場合当該技術においてガウス通信路として知られている最適トレリス符号化変調と組み合わせられるSTBC方式(及び、それらの一般化であるOD、LDC等)がある。
【0005】
最近の理論上の貢献は、空間多重化及び空間ダイバーシティにおける改良が、妥協の関係によって連結されることを証明した。例えば、2つの上記アプローチは、送信アンテナと受信アンテナの任意に高い数M、Nに関して、同じ割合で容量を増大させ得ない。送信ダイバシティ方式は、情報理論の見地から、多数のアンテナを使用するMIMO通信路を介した高ビットレートの通信に対するそれらの妥当性に著しく疑問があるMISO構成{M、N}={2、1}においてのみ最適化されることが示され得る。
【0006】
ST−BICMアプローチのみが、min{M、N}によって、容量の線形の増大を保証する。
【0007】
こういうわけで、この種類の伝送を選択すると共に、本質的限界にできる限り近い性能を保証する適当な受信機に設計努力を集中させることが必要である。STBCと異なり、ST−BICMは、様々なアンテナによって送信されたデータストリームの相互の直交性を保証しない。
【0008】
周波数選択性MIMO通信路上の伝送の場合、この符号化戦略は、空間領域の多元接続干渉(MAI:multiple access interference)、及び時間領域の符号間干渉(ISI:intersymbol interference)を消去するために、従って受信機におけるデータの共同の復調を必要とする。
【0009】
共同のデータ復調機能は、特に、ST−BICMが、空間領域におけるダイバシティの全てを獲得するために、通信路復調化と復号化との間の反復処理を本来必要とするので、受信機の精密かつ複雑な要素を構成する。
【0010】
「周波数非選択性MIMO通信路上の反復復号化」
周波数非選択性MIMO通信路上のST−BICMの反復復号化は、完璧なISIキャンセルの2つの面を有する仮定の下で解決されるべき問題の特別な場合を構成すると共に、各シンボルに関して利用可能なエネルギーの全てを回復する。
【0011】
その場合に、問題は、以下の“空間的色付き雑音のある所での一様なMIMO通信路上のMAIのキャンセル”という用語に言い換えられ得る。それは、送信されたベクトルのシンボルのビットに関するAPPの計算を常に必要とする(復号器に送信されるべきデータに関する統計)。
【0012】
2つの方法が、文献で説明される。
【0013】
−完全なリスト(MAP)に基づくAPPの正確な計算。
【0014】
この方法の複雑さが、送信アンテナの数Mに従い指数的に増加すると共に、使用される信号点配置の次数Qの多項式関数であるので、この方法の複雑さは大変に高額である。
【0015】
−スフィア復号(球内復号)化アルゴリズム[参考文献2]によって生成された候補ベクトルの削減リストからのAPPの近似訂算。
【0016】
スフィア復号化アルゴリズムには、少なくとも、それはMAP基準を保存すると共に、使用される信号点配置の次数Qに影響を受けないO(M3)における複雑さを有するという、2つの利点がある。スフィア復号化アルゴリズムがファノ逐次復号化アルゴリズムの変形と見なされ得る点に注意が必要である。
【0017】
−逐次スタックアルゴリズムによって生成された候補ベクトルの最終候補リストからのAPPの近似訂算。
【0018】
スフィア復号化アルゴリズムは、周波数非選択性MIMO通信路に関して集中的に研究された。周波数選択性MIMO通信路の状況に一般化することが重要である。
【0019】
負担の重いアプローチは、ブロック反復であろう。このアプローチは、それが検索スペースのサイズを人工的に増大させる(従って複雑さを増大させる)と共に、シンボルの冗長な復号化を導入するので、関心が薄いアプローチである。
【0020】
[参考文献2]で説明されたアルゴリズムは、周波数非選択性MIMO通信路に関して導き出されている。それを周波数選択性MIMO通信路の状況に一般化することに関して、まだ結論は出ていない。
【0021】
これらの2つのアルゴリズムの性能は、好ましくは固定サイズである生成された候補のリストの品質によって本質的に決定される。あらゆる点で、1ビットの最適復号化、及び0ビットの最適復号化を含むことが、それにとって不可欠である。
【0022】
「周波数選択性MIMO通信路上の反復復号化」
反復構造に挿入されるいくつかの種類の復調器が提案された。
【0023】
−BCJRアルゴリズムに基づいてMAP基準を適用する、重み付けされた入力及び出力を有する復調器。
【0024】
O(QLxM)におけるこの受信機の複雑さは、高次の変調、及び多数の入力と高いメモリ需要を有するMIMO通信路に関して、明らかに高額である。
【0025】
−状態数[参考文献3]に関して非常に削減されたトレリスにおける効率的な検索アルゴリズムに基づくと共に、必要に応じて最小位相フィルタが前に配置される、次善の重み付けされた入力及び出力の復調器。
【0026】
このアプローチは、O(QLrxM)におけるその複雑さによってまだ制限される。ここで、Lrは削減された拘束長を表す。特に、多数の状態を有する信号点配置の使用が除外される。
【0027】
干渉の反復線形キャンセル([参考文献4]のマルチユーザ復調の環境参照)から構成された非線形復調器を、MIMO環境に置き換えることは、一般的に異なる利用者とアンテナとの間の共通点に基づいている。それらの実施は、従ってアンテナ毎に1つのフィルタを必要とすると共に、それらの性能は、その複雑さが送信アンテナ数の多項式関数であるという利点を有する、アンテナアプローチ毎の不連続MMSEによって制限される。
【非特許文献1】S. Ariyavisitakul, "Turbo Space-Time Processing to Improve Wireless Channel Capacity," IEEE Trans. Commun., vol. COM-48, no. 8, pp. 1347-1358, Aug. 2000.
【非特許文献2】B. M. Hochwald, S. Ten Brink, "Achieving Near-Capacity on a Multiple-Antenna Channel," IEEE Trans. Commun., vol. 51, no. 3, pp. 389-399, March 2003.
【非特許文献3】R. Visoz, A.O. Berthet, "Iterative Decoding and Channel Estimation for Space-Time BICM over MIMO Block Fading Multipath AWGN Channel," IEEE Trans. Commun., vol. COM-51, no. 8, pp. 1358-1367, Aug. 2003.
【非特許文献4】X. Wang, H.V. Poor, "Iterative (Turbo) Soft-Interference Cancellation and Decoding for Coded CDMA," IEEE Trans. Commun., vol. COM-47, no. 7, pp. 1046-1061, July 1999.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明の目的は、複数の送信及び受信アンテナを有する周波数選択性通信路を介した高ビットレートデジタル伝送のための、あまり複雑ではない高度な受信機を提案すると共に、特に、空間領域におけるアンテナ間の干渉、及び時間領域におけるシンボル間の干渉の処理を提供する一方で、大きな計算パワーを特に必要としない受信機を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
この目的を達するために、本発明は、複数の送信及び受信アンテナを有する周波数選択性通信路を介した高ビットレート通信のための反復復号化及び等化装置を提案する。前記装置は、異なる受信アンテナからデータを受信するように構成される判定帰還型等化器を備え、判定帰還型等化器は、判定手段によって信号を供給された復号器の出力から計算されて重み付けされた再構成データを供給される順方向フィルタ及び再帰的逆方向フィルタを有すると共に、更に前記順方向フィルタの出力データから前記逆方向フィルタの出力データを減算するための手段を有する。ここで、減算されたデータは、復号器の出力によって判定手段の入力に供給され、減算手段の出力における空間雑音相関を考慮する判定手段は、重み付けされた入力及び出力を有する通信路復号器に送られる統計値を生成し、判定手段と復号器とが、2進数の段階で実行される時空間インタリーブ処理によって分離される。前記装置は、順方向フィルタ及び逆方向フィルタが、減算手段の出力で平均二乗誤差を最小限にするように反復して適合されるという点で特徴付けられる。
【0030】
前述の種類の装置には、有利に、個々もしくは技術的に可能な全ての組み合わせにおける以下の補足的特徴がある。
−等化器の減算手段の出力における判定手段は、空間白色化タイプの手段であり、その後にスフィア復号器が接続される。
−等化器の減算手段の出力における判定手段は、等化器の減算手段の出力における残りの空間干渉をキャンセルするように構成される、直列及び/または並列タイプ(SIC/PIC)の手段である。
−空間白色化は、等化器の減算手段の出力で達成される。
−空間白色化は、判定手段によって達成される。
−空間白色化は、順方向フィルタ及び逆方向フィルタによって達成される。
−ある反復を発端として、順方向フィルタが適応フィルタになり、逆方向フィルタが中央係数がない同様の適応フィルタになる。
【0031】
本発明は、アンテナを異なる利用者と考えるアプローチとは根本的に異なる、新奇なアプローチから生じる。送信された信号は、T−次元の変調と見なされる。ここで、Tは送信アンテナの数である。この変更された見地は、その入力においてT−次元のベクトル変調が周波数選択性通信路と畳み込まれているとみなされると共に、通信路復号器(チャンネルデコーダ)のための適応性のある情報を生成することが可能であるT−次元の変調の復調器(例えば、スフィア復号器)がそのあとに接続される線形反復等化器によって構成される受信機の設計に対してかなりの影響を与える。このアプローチには、それが1つの(ベクトルの)フィルタを必要とするので、それがあまり複雑ではないと共に、それがベクトル復調基準の選択を可能にするので更に良い性能を提供するという点で、従来技術に対する2つの利点を有する。
【0032】
本発明は、同様に、前述の種類の等化及び復号化装置を含む受信機を備えるという点で特徴付けられた、複数の送信及び受信アンテナを有する周波数選択性通信路を介した高ビットレート通信のためのシステムに関係する。
【0033】
送信手段は、例えば有利なST−BICMタイプの手段である。
【0034】
本発明は、更に、異なる受信アンテナからデータを受信するように構成される判定帰還型等化器を使用した、複数の送信及び受信アンテナを有する周波数選択性通信路を介した高ビットレート通信のための反復復号化及び等化方法を提案する。判定帰還型等化器は、判定手段によって信号を供給された復号器の出力から計算されて重み付けされた再構成データを供給される順方向フィルタ及び再帰的逆方向フィルタを有し、前記順方向フィルタの出力データから前記逆方向フィルタの出力データを減算するための手段を使用する。ここで、減算されたデータは、復号器の出力によって判定手段の入力に供給され、減算手段の出力における空間雑音相関を考慮する判定手段は、重み付けされた入力及び出力を有する通信路復号器に送られる統計値を生成し、判定手段と復号器とが、2進数の段階で実行される時空間インタリーブ処理によって分離される。前記方法は、順方向フィルタ及び逆方向フィルタが、減算手段の出力で平均二乗誤差を最小限にするように反復して適合されるという点で特徴付けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の他の特徴、及び利点は、単に実例となり、そして発明に関して制限しないと共に、添付された図面と一緒に読まれるべきである以下の記述から明らかになる。
【0036】
「BLAST技術、及びST−BICM符号化」
図1は、BLAST構造の一般的な構成図である。
【0037】
時空間インタリーブ、及び空間逆多重化の後で、1つのベクトルの符号化装置EVで符号化されたデータは、複数の送信アンテナTXによって送信される。MIMO通信路の反対側において、送信された信号は、その出力においてはデータが復元される復号化手段DE(MIMO通信路)にそれらを送る、複数の受信アンテナRXによって受信される。
【0038】
以下の記述は、周波数選択性MIMO通信路に関係する。符号間干渉の存在は、受信機の複雑さを増大させる。
【0039】
図2は、ST−BICMの一般的な通信モデルを示す。
【0040】
伝送において、データは、エラー訂正チャンネル符号化(1)(畳み込み符号、ターボ符号、LDPC符号等)され、2進数の段階でインタリーブ(2)され、空間逆多重化(3)され、そして、各階層に関して変調(4−1から4−Mまで)される。成形フィルタ処理(5−1から5−Mまで)したあと、変調されたデータは、送信アンテナ(6−1から6−Mまで)に送られる。
【0041】
「送信処理及び受信処理の記述」
伝送において、データは、ST−BICM処理を受ける。
【0042】
これは、以下のステップを包含する。
−所定のビットレートでデジタルデータストリームを受信するステップ。
−符号化されたデジタルデータストリームを生成するためにエラー訂正チャンネル符号化(1)を適用するステップ。
−ビットの段階のインタリーバを用いて、符号化されたデジタルデータをインタリーブ(2)するステップ。
−送信機階層と呼ばれる複数の個別の符号化されたデジタルデータストリーム(M個の区別可能なストリームまたは送信機階層)を作成するために、符号化されインタリーブされたデジタルデータストリームを空間逆多重化(3)するステップ。
【0043】
そして、M個の区別可能な符号化されたデジタルデータストリームは、以下のように処理される。
−変調されたシンボルのストリームを獲得するための変調方式に従って、符号化されインタリーブされたデジタルデータストリーム15を変調(4−1から4−Mまで)する。
−変調されたストリームをフィルタ処理(5−1から5−Mまで)する。
−それ自身の送信アンテナ経由で、変調されたストリームを送信(6−1から6−Mまで)する。
【0044】
図3は、伝送システムの受信機を示す。
【0045】
それは、順方向フィルタ9、減算器10、判定アルゴリズム11、及び再帰的逆方向フィルタ12によって定義される判定帰還等化器を備える。
【0046】
再帰的逆方向フィルタ12は、決定アルゴリズム11によって信号が供給される復号器13の出力から、重み付けされ再構成された計算データを供給される。
【0047】
順方向フィルタ9及び逆方向フィルタ12は、MIMO等化器の平均二乗誤差(MSE)を最小限にするために、すなわち減算器10の出力におけるエラーを最小限にするために、反復して決定される。
【0048】
この目的を達するために、それらは、MIMO通信路の初期推定値8を使用する。
【0049】
例えば、使用される処理は、別表IIで示された種類の処理である。
【0050】
前述の処理に照らすと、残余誤差、及び雑音のベクトルの推定値が使用されると共に、順方向フィルタ及び逆方向フィルタは、このベクトルを最小限にするために、ブロック単位で計算される点に注意が必要である。
【0051】
このベクトルの処理は、計算を単純化する。
【0052】
判定手段11の入力は、減算器10の出力から、及び復号器13の出力から、データを受け取る。
【0053】
そのアルゴリズムは、異なる種類のアルゴリズム、特にSIC/PICタイプ(等化器の減算器手段の出力における残りの空間干渉の直列及び/または並列のキャンセル−別表III参照。)のアルゴリズムであり得る。
【0054】
代りに、そのアルゴリズムは、スフィア復号器アルゴリズムであり得る。
【0055】
この種類のアルゴリズムは、O(M)における複雑さを有している。(ここで、MはQから独立している送信アンテナの数である。)
【0056】
これは、ビットレートを増加する目的で多数の状態を有する変調の使用を可能にする。
【0057】
判定手段11の出力は、前記判定手段11と復号器13との間の2進数の段階で実施される時空間デインターリーブ処理14に送られる。
【0058】
復号器13の出力は、ビットの確率である。
【0059】
この確率は、最初に判定アルゴリズム11の入力に送られると共に、次に時空間インターリーブ(15)を実行したあとで、重み付けされたデータの再構成処理16に送られる。
【0060】
このように再構成された、重み付けされたデータは、逆方向フィルタ12の入力に送られる。
【0061】
逆方向フィルタ12の出力は、重み付けされた再生データを構成する。
【0062】
更に、減算器10の入力において注入される残りの干渉及び雑音と対応するエラーは、時間領域及び空間領域の両方で色付きである。
【0063】
時間相関は等化器によって実行された処理に対して影響をほとんど与えないが、空間相関は本質的役割を有している。
【0064】
こういうわけで、一実施例において、空間白色化がCholesky因数分解を用いて達成される。
【0065】
この空間白色化は、減算器10の出力で有利に達成される。
【0066】
一つの特別な実施例において、それは、スフィア復号化アルゴリズム11そのものによって達成されることができる。
【0067】
それは、順方向フィルタ9及び逆方向フィルタ12に、等しく統合されることができる。
【0068】
最終的に、一実施例において、反復のある所定の回数から、例えば、第2番目の反復から、順方向フィルタ9は、適応フィルタと有利に交換される。
【0069】
逆方向フィルタが直接順方向フィルタから推定されるので、適応フィルタの中央係数がない通信路との畳み込みが従ってこの場合に生じる。
【0070】
これは、図4において示されており、順方向フィルタ9は、適応フィルタMFとなると共に、一方逆方向フィルタ12BMFは、中央係数のない通信路と畳み込まれた適応フィルタとなる。
【0071】
【表1】

【0072】
『別表II』
「通信モデル」
複数の入力及び出力を有するP個のブロック通信路、メモリがMであるT個の周波数選択性送信アンテナ及びR個の周波数選択性受信アンテナを検討する。
【0073】
「A.時空間2進インターリーブ符号化変調」
仮に、Cが長さNCの線形符号を示すと共に、データベクトル“u ∈ F2ρcN”を認めて、符号化ワード“c ∈ F2N”を生成するF2に関してρCを与えるとする。もし畳み込み符号が使用される場合、与えられたρCは、テールビットを含むと仮定される。符号化ワードは、上手く設計された2進インターリーバпに入れられ、その出力行列“A ∈ F2Tq*PL”は、P個の行列“AP ∈ F2Tq*PL , p = 1, …, P”に分割される。行列APの列は、スタックされた2進数成分“ap<t,j>[n], … ap<t,j>[n]”を備えるT個のサブベクトル“apt [n] ∈ F2q, t = 1, …, T”(入力通信路毎に1個)を含む、“シンボルラベルベクトル”と呼ばれるベクトル“ap [n] ∈ F2Tq, n = 1, …, L”である。ここで、“<t,j>”は、インデックス“(t − 1) q+j”を示す。各行列APにおいて、全てのベクトル“ap[n]”は、シンボル“μ: {0, 1}qT → A”を有するビット符号化を経由して、基数“|A| = 2qT”の信号のセット“A ⊂ CD”に関して、無記憶性のD−次元変調器よって変調される。一般性の損失なしで、Aが同じ次数2qのT個の複素信号点配置Cの単純な積であると共に、各信号点配置に関してグレイ符号化が使用されると仮定される。信号の変換の後で、この符号化された変調プロセスは、同様に、全ての符号化ワード複素シンボル“P×L×T”が、P個の行列“Xp ∈ CT×L, p = 1, ..., P”に分割される時空間符号化変調方式と考えられる。行列“Xp”の列“xp [n] ∈ CT, n = 1, ..., L”は、“信号点配置シンボルベクトル”と呼ばれる。“シンボルラベルベクトル”ap [n]は、シンボル“μ−1”によるビット符号化の単純な反転によって“xp [n]”から獲得され得る。時空間符号の一般的なクラスに分類されて、このアーキテクチャは、時空間ビットインタリーブ符号化変調(STBICM:space-time bit-interleaved coded modulation)[参考文献3]と呼ばれる。ナイキスト(Nyquist)制限帯域の理想的なフィルタ処理条件から、(通信路毎に使用されるビットにおいて)与えられる送
信は、以下のようになる。
【0074】
【数1】

【0075】
図1は、この通信モデルの構成図を示す。
【0076】
「B.MIMO通信路」
仮に、“Hp ∈ CR×T×(M+1)”は、ブロックpに関するMIMO通信路であるとする。ここで、“p = 1, ..., P”であると共に、“H = {Hp}”は全ての通信路のセットであるとする。同様に、仮に、“Xp ∈ CT×L”、及び“Yp ∈ CR×L”は、それぞれ“信号点配置シンボル行列”、及び“通信路出力行列”とする。時刻“n = 1, ..., L”の離散時間“yp [n] ∈ CR”における同等のベースバンド内のベクトルの通信路出力は、以下のように書かれることができる。
【0077】
【数2】

【0078】
前述の方程式において、“xp [n] ∈ CT”は、各成分のエネルギーが“σx2”に等しい、時刻nにおいて送信される“信号点配置シンボルベクトル”である。“Hp [k] ∈ CR×T”は、通信路のインパルス応答のタップ数kの行列である。“wp [n] ∈ CR”は、付加的な複素ノイズベクトルである。付加的な複素ノイズベクトルwp [n]は、零及び円対称である複素ガウスタイプの互いに独立で同一の分布に従う平均を有すると仮定され、従って、“pdf N (0, σ2I)”となる。対応するブロック全体で一定である通信路Hpは、長さ“M+1”の有限インパルス応答(FIR)を有しており、その空間シンボルタップ“Hp [0], ...,Hp [M]”は、零平均のランダムな複素行列“R×T”であると共に、等しい電力システムの場合、その平均電力は以下に示す正規化の制限を満たす。
【0079】
【数3】

【0080】
ここで、演算子“†”は、共役の転置演算子に対応する。個々の複数の通信路成分の数が、大きな建造物及び反射している物体によって主として決定されると仮定すると、全ての“R×T”の可能性がある接続に関する同一通信路メモリは妥当な想定である。
【0081】
「MIMO干渉キャンセルの反復ブロック」
「A.理論、及びスケジューリング」
MIMO干渉キャンセラーの反復ブロックは、出力復号器によりフィードバックされたランダムな確率的情報を別々に使用して、各受信データブロック“Yp, p = 1, ..., P”を処理する。説明された全ての信号及び要素は、従ってブロック単位でインデックスを付けられる。この依存状態は、表記法を簡素化するために時々省かれる。各反復Iの間、ベクトルy[n]の各受信されたシンボルに適用された線形順方向フィルタFlは、ベクトル信号yl[n]を生成する。MAIの、及びx[n]を悪化させるISIの適切に構成された推定値el[n]は、zl[n]を生成するために、ベクトル信号yl[n]から減算される。
【0082】
【数4】

【0083】
反復I−1上で利用可能な予備的知識(付帯的な確率分布)を与えられて、ベクトルel[n]の推定値が、ベクトルx[n]に関する適応性のある判定試みベクトルxl[n]によって励起される逆方向フィルタBlの出力から提供される。
【0084】
説明は、次に、MIMOターボ−等化器の核心、すなわちのMIMO順方向有限インパルス応答フィルタ、及びMIMO逆方向有限インパルス応答フィルタの導出について考える。
【0085】
「B.順方向フィルタ及び逆方向フィルタの計算」
その記述は、順方向フィルタFlの瞬間的な出力yl[n]のいくつかの基礎的な操作で始まる。
【0086】
【数5】

【0087】
【数6】

【0088】
なので、各サンプルのyl[n]は、以下のように拡張されることができる。
【0089】
【数7】

【0090】
2つのフィルタ、フィルタHC及びフィルタFlの畳み込みに関する同等の行列表記は、以下のようになる。
【0091】
【数8】

【0092】
ここでは、
【0093】
【数9】

【0094】
は、次数“LF = LF1 + LF2 + 1”の順方向フィルタである。ここで、
【0095】
【数10】

【0096】
は、Toeplitz対角帯通信路行列であると共に、
【0097】
【数11】

【0098】
は、送信されたベクトルである。結合されたフィルタを導入すると、以下のようになる。
【0099】
【数12】

【0100】
そして、以下の最終の表現が獲得される。
【0101】
【数13】

【0102】
ここで、“LG1 = LF1”、“LG2 = LF2 + M”、そして“LG = LF + M”である。
【0103】
類推することによって、逆方向フィルタは、以下のとおりに定義される。
【0104】
【数14】

【0105】
スクランブル補正回路の出力は、以下のように書くことができる。
【0106】
【数15】

【0107】
雑音及び残りのスクランブルベクトルvl[n](MIMO等化器エラーベクトルとも呼ばれる)は、以下のように表される。
【0108】
【数16】

【0109】
ここでは、
【0110】
【数17】

【0111】
である。フィルタFl、及びフィルタBlは、“Gl[0] = I”という制限の下で、MIMO等化器の平均二乗誤差を最小限にするように、ブロック単位で計算され、MIMO状況における問題が、以下のように簡潔に公式化され得る。
【0112】
【数18】

【0113】
MSEの最小化は、2つの連続するステップにおいて実行され、そして最終的に以下のように与えられる。
【0114】
【数19】

【0115】
ここで、
【0116】
【数20】

【0117】
であると共に、ここで、
【0118】
【数21】

【0119】
であり、更に以下のように表される。
【0120】
【数22】

【0121】
減算器の出力における残りのスクランブルベクトルを加えた雑音は、空間的及び時間的に相関があるということが強調されるべきである。時間相関は、以下の処理に対して実際の影響を与えないが、しかし、空間相関は、この点において重要な役割を持っている。空間白色雑音は、相関行列Klvの単純なCholesky因数分解によって容易に獲得されることができる。
【0122】
提案2:相関行列Klvは正であると定義されるので、Cholesky因数分解が常に適用できる。これは、以下のように書くことができる。
【0123】
【数23】

【0124】
ここで、Lは下三角行列である。そして、順方向フィルタ、及び逆方向フィルタとして“Fl, = L-1 Fl”、及び“Bl, = L--1 Bl”を適用することによって、雑音を加えたスクランブルベクトルの相関行列は、単位行列に等しくなる。
【0125】
証明:証明は、自明である。
【0126】
【数24】

【0127】
図3のシミュレーションによって提案されたアルゴリズムの正当性を立証する。
【0128】
下記においては、等化器の出力は、以下の式のように、常に空間白色化と共に考察される。
【0129】
【数25】

【0130】
ここで、“Kvl = I”、及び“Gl[0] = L-1”である。
【0131】
MMSE基準はSNR(SN比)“tr{Gl[0]+KvlGl[0]}”を最大限にすることに対応する、ということに注目することは興味深い。適応フィルタに関して与えられた最大SNRが、“σx2 = σx2”に関して達成される。
【0132】
「C.包括的なAPP復号器」
反復の間に交換された全ての確率的な量は、以下で定義される。MIMO等化器の復調部分の目的は、新しい通信モデル(10)に従った行列Aのシンボルのビットに関する付帯的な情報を供給することである。ここで、“Gl[0]”は、“T × T”と同等の一様なMIMO通信路の役割を果たすと共に、“vl[n]”は、白色雑音を加えた残りの干渉である。シンボル“a<t,j>[n]”の全てのビットに関する対数比率APPは、以下のように定義される。
【0133】
【数26】

【0134】
簡単な省略化によって、以下の式が得られる。
【0135】
【数27】

【0136】
ここで、
【0137】
【数28】

【0138】
である。対数比率APPは、以下のように拡張されることができる。
【0139】
【数29】

【0140】
完璧な時空間インタリーブが、以下に示すように、それらの限界の数字成分の積に以前に加わった確率を広めることを認めると仮定する。
【0141】
【数30】

【0142】
vl[n]が、あらゆる手段(例えば、Cholesky因数分解)によって空間白色化されたと仮定すると、ユークリッドのメトリックが、以下のように確率の評価に使用されることができる。
【0143】
【数31】

【0144】
一般的な場合において、雑音ベクトルの相関行列Klvが、以下のように確率を評価する際に考慮されなければならない。
【0145】
【数32】

【0146】
ターボ復調器の分野において確立されたように、付帯的な対数確率レートが、方程式から推論される。
【0147】
【数33】

【0148】
MIMO復調器が提供する全ての対数の付帯的な情報サンプルは、全てのブロック“p = 1, …, P”から収集されて、時空間デインタリーブΠ-1のあと、その出力復号器が全ての符号化ワードビットに関する対数の付帯的な確率比率を供給するという前提で、以下に示すような単純な観測ベクトル“ζl,c ∈ RN”に再配置される。
【0149】
【数34】

【0150】
時空間デインタリーブΠのあと、ベクトルξl,cは、1つがデータApの各ブロックのためのものである、以前の対数確率レートのP個の行列Πl,pに広められる。各ブロック“p = 1, …, P”に関して、Πl,pに対する入力は、以下の方程式によって与えられる。
【0151】
【数35】

【0152】
これは、軟判定ベクトルxl[n]が、以下のように書き直され得ることを意味する。
【0153】
【数36】

【0154】
「D.スフィア復号された修正リストによる準最適MIMO復調」
“O(2qT)”ではその基数が様々である信号点配置“Ω<0><t,j> ”及び“Ω<1><t,j>”の全体のサブセットのポイント計数が、高次の変調、及び/または多数の送信アンテナのために急速に過出力になるので、最適MIMO復調は、高ビットレート通信シナリオが発生した場合は保持できない。確率値の注意深い分析は、それらの大きな数が取るに足らないということを示す。従って、本発明の有意の貢献として、我々は、詳細なポイント計数を、無視できない確率のみを含む、リストとも呼ばれるはるかに小さなサブセット“L<0><t,j>”及び“L<1><t,j>”のポイント計数に交換することを提案する。その場合に、対数の付帯的な確率比率は、以下のようになる。
【0155】
【数37】

【0156】
幾何学的表現において、それらは、注意深く選択されたポイント(例えば、制限がないポイントML、またはポイントMLそれ自身)を中心とする半径rの球における格子点を含む。スフィア復号器の変更バージョンは、これらのリスト[参考文献2]を示すために、いくらかの成功と共に使用された。選択された球の半径rは、対応するMIMO復調器の品質、及び複雑さを制御する。
【0157】
「E.PIC復調アルゴリズム」
スフィア復号器は、複雑過ぎると考えられ得る。復号器の複雑さを更に減少させる1つの方法は、各次元に関して独立してAPPのログを生成することである。反復Iに関して、成分xに関する判定変数は、以下のようになる。
【0158】
【数38】

【0159】
ここで、gkは、行列Gl[0]の列kである。その場合に、rlt[n]が平均値xtを有するガウス変数と仮定して、比率APPのログ“ξl<t,j>[n], j= 1,…, q”が計算され、以下のように、分散が推定される。
【0160】
【数39】

【0161】
第1の反復復調器は、以下の方法におけるSIC技術を用いて改良され得る。
【0162】
・初期化
例えば、それらの信号電力対干渉電力比(SIR:signal to interference ratio)の関数として、次数を減少しながら成分を分類する。
【0163】
【数40】

【0164】
ここで、
【0165】
【数41】

【0166】
である。再帰性は、繰り返し回数tを1からTまでとする(For t = 1 to T)。計算は、以下を実行する。
【0167】
【数42】

【0168】
rlt[n]が平均値xtを有するガウス変数と仮定して、比率APPのログ“ξl<t,j>[n] , j= 1,…, q”を計算すると共に、以下のように、分散を推定する。
【0169】
【数43】

【0170】
平均値xtが既知であるガウス変数rlt[n]のMMSE推定を計算する。
【0171】
【数44】

【0172】
『別表III』
「参考文献一覧」
[1] S. Ariyavisitakul, "Turbo Space-Time Processing to Improve Wireless Channel Capacity," IEEE Trans. Commun., vol. COM-48, no. 8, pp. 1347-1358, Aug. 2000.
[2] B. M. Hochwald, S. Ten Brink, "Achieving Near-Capacity on a Multiple-Antenna Channel," IEEE Trans. Commun., vol. 51, no. 3, pp. 389-399, March 2003.
[3] R. Visoz, A.O. Berthet, "Iterative Decoding and Channel Estimation for Space-Time BICM over MIMO Block Fading Multipath AWGN Channel," IEEE Trans. Commun., vol. COM-51, no. 8, pp. 1358-1367, Aug. 2003.
[4] X. Wang, H.V. Poor, "Iterative (Turbo) Soft-Interference Cancellation and Decoding for Coded CDMA," IEEE Trans. Commun., vol. COM-47, no. 7, pp. 1046-1061, July 1999.
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】VBLASTの概念を示す図である。
【図2】ST−BICM通信の一般的なモデルを示す図である。
【図3】本発明の一実施例に適合する反復受信機の構造を示す図である。
【図4】例えば第2番目の反復から、もしくは次の反復から使用され得る反復受信機の構造を示す図である。
【符号の説明】
【0174】
1 エラー訂正チャンネル符号化
2 インタリーブ
3 空間逆多重化
4−1〜4−M 変調
5−1〜5−M 成形フィルタ処理
6−1〜6−M 送信アンテナ
8 初期推定値
9 順方向フィルタ
10 減算器
11 判定アルゴリズム
12 再帰的逆方向フィルタ
13 復号器
14 時空間デインターリーブ処理
15 時空間インターリーブ処理
16 重み付けされたデータの再構成処理
EV 符号化装置
TX 送信アンテナ
DE 復号化手段
RX 受信アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送信及び受信アンテナを有する周波数選択性通信路を介した高ビットレート通信のための反復復号化及び等化装置であって、
前記装置は、異なる受信アンテナからデータを受信するように構成される判定帰還型等化器を備え、
前記判定帰還型等化器が、判定手段(11)によって信号を供給された復号器(13)の出力から計算されて重み付けされた再構成データを供給される順方向フィルタ(9)及び再帰的逆方向フィルタ(12)を有すると共に、更に前記順方向フィルタ(9)の出力データから前記逆方向フィルタ(12)の出力データを減算するための減算手段(10)を有し、
減算されたデータが、前記復号器(13)の出力によって前記判定手段(11)の入力に供給され、
前記減算手段(10)の出力における空間雑音相関を考慮する前記判定手段(11)が、重み付けされた入力及び出力を有する通信路復号器に送られる統計値を生成し、
前記判定手段(11)と前記復号器(13)とが、2進数の段階で実行される時空間インタリーブ処理によって分離され、
前記順方向フィルタ(9)及び前記逆方向フィルタ(12)が、前記減算手段(10)の出力における平均二乗誤差を最小限にするように反復して適合される
ことを特徴とする反復復号化及び等化装置。
【請求項2】
前記等化器の前記減算手段(10)の出力における前記判定手段(11)が、空間白色化タイプの手段であり、その後にスフィア復号器が接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記等化器の前記減算手段(10)の出力における前記判定手段(11)が、前記等化器の前記減算手段(10)の出力における残りの空間干渉をキャンセルするように構成される、直列及び/または並列タイプ(SIC/PIC)の手段である
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
空間白色化が、前記等化器の前記減算手段(10)の出力において達成される
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
空間白色化が、前記判定手段(11)によって達成される
ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
空間白色化が、前記順方向フィルタ(9)及び前記逆方向フィルタ(12)によって達成される
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項7】
ある反復を発端として、前記順方向フィルタ(9)が適応フィルタになる
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
複数の送信及び受信アンテナを有する周波数選択性通信路を介した高ビットレート通信のためのシステムであって、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載された復号化及び等化装置を有する受信機を備える
ことを特徴とするシステム。
【請求項9】
ST−BICMタイプの送信手段を備える
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
異なる受信アンテナからデータを受信するように構成される判定帰還型等化器を使用した、複数の送信及び受信アンテナを有する周波数選択性通信路を介した高ビットレート通信のための反復復号化及び等化方法であって、
前記判定帰還型等化器が、判定手段(11)によって信号を供給された復号器(13)の出力から計算されて重み付けされた再構成データを供給される順方向フィルタ(9)及び再帰的逆方向フィルタ(12)を有し、前記順方向フィルタ(9)の出力データから前記逆方向フィルタ(12)の出力データを減算するための減算手段(10)を使用すると共に、
減算されたデータが、前記復号器(13)の出力によって前記判定手段(11)の入力に供給され、
前記減算手段(10)の出力における空間雑音相関を考慮する前記判定手段(11)が、重み付けされた入力及び出力を有する通信路復号器に送られる統計値を生成し、
前記判定手段(11)と前記復号器(13)とが、2進数の段階で実行される時空間インタリーブ処理によって分離され、
前記順方向フィルタ(9)及び前記逆方向フィルタ(12)が、前記減算手段(10)の出力における平均二乗誤差を最小限にするように反復して適合される
ことを特徴とする反復復号化及び等化方法。
【請求項11】
判定帰還型等化の再帰的フィルタ処理が、同様に、前記等化器の入力で平均二乗誤差を最小限にするように反復して適合される
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
減算されたデータが、空間白色化を受ける
ことを特徴とする請求項9、または請求項10に記載の方法。
【請求項13】
判定アルゴリズム(11)が、スフィア復号器タイプのアルゴリズムである
ことを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
空間白色化が、判定アルゴリズム(11)によって達成される
ことを特徴とする請求項11と請求項12とを結合した請求項に記載の方法。
【請求項15】
ある反復を発端として、前記順方向フィルタ(9)が適応フィルタになる
ことを特徴とする請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−504693(P2007−504693A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524383(P2006−524383)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002104
【国際公開番号】WO2005/025118
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】