説明

送電鉄塔頂部構造

【課題】簡易な構成によって、架空地線を固定する送電鉄塔頂部の発錆等による劣化を防止する送電鉄塔頂部構造を提供する。
【解決手段】送電鉄塔の頂部100には、天面の全面が開放された天面開放構造である開放部18が形成され、頂部100の側部には、対向する一対の上部側板12−1及び12−2、一対の上部側板12−1及び12−2の下方に変位した下部側板16−1及び16−2を備え、頂板14が一対の上部側板12−1及び12−2の間に開放部18を確保した状態で架設される。これにより、頂部100の上下方向及び水平方向から空気が流入して、頂部100に設けられた部材に付着した水滴を速やかに乾燥させて湿気の発生を抑制し、頂板14の下方が発錆することを防止して送電鉄塔頂部構造10の劣化を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送電鉄塔頂部構造、特に、送電鉄塔の頂部を補強しつつ送電鉄塔間に架設される架空地線を固定する送電鉄塔頂部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、送電鉄塔間においては、送電線の上方で送電線に沿って架空地線が架線されている。架空地線で落雷を受けることによって、送電線に落雷が直撃することを防止して、送電障害を抑制している。この架空地線は、45m〜100m超の塔高を有する送電鉄塔の先端部分を含む領域である頂部に頂板を設けて固定することが、所定の製作基準によって定められている。この架空地線を送電鉄塔の頂部に固定しつつ送電鉄塔の頂部を補強する技術が、種々提案されている。
【0003】
特許文献1には、送電鉄塔の頂部において架空地線を固定する送電鉄塔頂部構造が開示されている。この送電鉄塔の頂部構造は、上面部及び側面部を有して下面が開放された矩形ボックス状の頂板を備え、開放された下面において頂板が送電鉄塔の頂部に被せられて取り付けられている。頂板の上面部には、平板状の基板が取り付けられており、この基板に架空地線を挟持して送電鉄塔の頂部に固定するクランプ部が設けられている。
【0004】
非特許文献1には、上部及び下部が開放された筒状で送電鉄塔の頂部に設けられる頂板、頂板の両側端から外方に突出して架空地線を固定するクランプ部を有する送電鉄塔頂部構造が開示されている。この送電鉄塔頂部構造は、頂板の上部及び下部が開放されて上下方向に貫通する経路が形成されていることから、空気の流通が許容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−267475号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】発明協会公開技報2009−501320号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に開示された送電鉄塔の頂部構造によれば、頂部に設けられる部材に雨水や結露によって水滴が長時間付着して湿気が発生すると、送電鉄塔の頂部に矩形ボックス状の頂板が被せられていることから、湿気がボックス状の頂板の内部に滞留しやすく、この湿気によって頂板の内部が発錆し、送電鉄塔頂部構造の劣化が促進されることが懸念される。特に、海岸付近に設置される送電鉄塔では、海風に含まれる塩分が送電鉄塔の頂部及び頂部に設けられた部材に付着しやすく、海岸から遠隔の地に設置された送電鉄塔と比較すると、塩分が付着した頂部構成部材の発錆及び発錆に起因する送電鉄塔頂部構造の劣化の進行が促進されることが懸念される。
【0008】
上記非特許文献1で開示された送電鉄塔頂部構造によると、頂板は上下方向にのみ貫通しているに過ぎず、送電鉄塔の頂部近傍で水平方向に流れる空気を、そのまま効率的に流通させることができない。従って、頂板の発錆を防止する観点からは、送電鉄塔の頂部近傍の空気を頂板内で更に効率的に流通させることが要求される。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成によって、架空地線を固定する送電鉄塔頂部の発錆等による劣化を防止する送電鉄塔頂部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明による送電鉄塔頂部構造は、複数の鉄骨で構成された送電鉄塔に架設される架空地線を前記送電鉄塔の頂部に固定する頂板を有する送電鉄塔頂部構造において、前記送電鉄塔の頂部は、天面の全面が開放された天面開放構造に形成され、前記頂部の側部は、対向する一対の上部側板と、該一対の上部側板の下方に変位した下部側板と、を備え、前記頂板が前記一対の上部側板間に前記天面の開放部分を確保した状態で架設されたことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、頂板が天面の開放部分を確保した状態で設けられていることから、送電鉄塔の頂部の上下方向の空気の流通及び雨水の流通を良好に確保することができる。更に、下部側板が一対の上部側板の下方に変位していることから、頂部の側部に頂部の水平方向に貫通する空隙が形成され、これによって、送電鉄塔の頂部の水平方向の空気の流通を良好に確保することができる。すなわち、送電鉄塔の頂部における上下方向及び水平方向の通風状態を良好に確保することができることから、降雨や結露によって、頂部に設けられた部材に付着した水滴を速やかに蒸発させることができる。従って、頂部に設けられた部材に水滴が長時間付着する状態を防止して湿気の発生を抑制し、頂部構成部材の発錆、特に頂板の下面側の発錆を防止することができ、送電鉄塔頂部構造の劣化を抑制することができる。
【0012】
また、海岸付近に設置される送電鉄塔の頂部には、海風に含まれる塩分が付着しやすく、海岸から遠隔の地に設置された送電鉄塔と比較すると、塩分が付着した頂部構成部材の発錆及び発錆に起因する送電鉄塔頂部構造の劣化の進行が促進されることが懸念されるところ、雨水が頂部の下方向に流下して頂部を構成する部材に付着した塩分を洗浄及び除去することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明による送電鉄塔頂部構造は、請求項1に記載の送電鉄塔頂部構造において、前記下部側板は、前記一対の上部側板の対向する方向と交差する方向で一対に形成されたことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、一対の上部側板の対向方向と交差する方向で対向する一対の下部側板によって、頂部の側部に頂部の水平方向に貫通する空隙が区分され、頂板と下部側板との間に流入する空気を、頂板の下方に効率よく誘導することができる。その結果、頂部に設けられる部材に付着した水滴を効率的に蒸発させることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明による送電鉄塔頂部構造は、請求項1または2に記載の送電鉄塔頂部構造において、前記頂板は、前記頂部の天面の開放部分の開放幅に対して狭小幅に形成されたことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、頂板を頂部の天面開放部分の開放幅に対して狭小幅に形成する簡易な構成によって、架空地線を固定したうえで頂部の天面の開放部分を比較的大きく確保することができ、送電鉄塔の頂部の上下方向の空気の流通及び雨水の流通を、更に良好に確保することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明による送電鉄塔頂部構造は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の送電鉄塔頂部構造において、前記頂板は、雨水を上方から下方に流下させる傾斜部を備えることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、頂板に衝突する雨水を傾斜部によって上方から下方に効率的に流下させることによって、雨水を頂部の天面の開放部分に流下せしめることができる。従って、頂板への雨水による水滴の付着を抑制することができ、湿気発生の抑制を更に効率的に実現することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明による送電鉄塔頂部構造は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の送電鉄塔頂部構造において、前記一対の上部側板及び前記下部側板に通風孔が形成されたことを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、一対の上部側板及び下部側板に通風孔が形成されていることから、この通風孔によって、送電鉄塔の頂部において更に良好に空気を流通させることができ、送電鉄塔頂部構造の頂部に設けられる部材に付着した水滴を効率的に蒸発させることができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、送電鉄塔の頂部の上下方向及び水平方向の空気を流通させることで、送電鉄塔の頂部における空気の通風状態を良好に確保することができ、頂部に設けられた部材に付着した水滴を速やかに蒸発させることができる。従って、頂部構成部材の発錆や塩害を防止することができることから、送電鉄塔頂部構造の劣化を抑制して、送電鉄塔頂部構造の強度や耐久性に対する信頼性を確保することができ、送電鉄塔頂部構造の劣化に伴う頂部を構成する部材の交換作業のコスト及びメンテナンスコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)本発明の実施の形態に係る送電鉄塔頂部構造の概略を説明する側面視図、(b)は、(a)のA矢視図である。
【図2】同じく、本実施の形態に係る送電鉄塔頂部構造の分解斜視図である。
【図3】同じく、本実施の形態に係る送電鉄塔頂部構造を流通する流体の流動方向の概略を説明する図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る送電鉄塔頂部構造の概略を説明する図である。
【図5】同じく、本発明の他の実施の形態に係る送電鉄塔頂部構造の概略を説明する図であり、(a)は側面視図、(b)は(a)のB矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施の形態について、図1〜図3に基づいて説明する。図1(a)は、本発明の実施の形態に係る送電鉄塔頂部構造の概略を説明する側面視図、図1(b)は、図1(a)のA矢視図である。なお、本実施の形態に係る送電鉄塔頂部構造が設けられる送電鉄塔の頂部が、塔高110mの送電鉄塔の先端部分を含む領域である場合を例として説明する。
【0024】
図1及び図2で示すように、複数の鉄骨である等辺山型鋼102がボルト等で締結されて構成された送電鉄塔の頂部10には、その天面の全面が開放された天面開放構造として開放部18が形成されている。この開放部18を有する送電鉄塔の頂部10には、架空地線Lを固定するとともに頂部10の強度を補強する送電鉄塔頂部構造が形成されている。
【0025】
この送電鉄塔頂部構造は、頂部10の側部に構成された、対向する一対の上部側板12−1及び12−2が設けられるとともに、一対の上部側板12−1及び12−2の下方に変位した位置に、一対の下部側板16−1及び16−2が設けられている。本実施の形態では、一対の下部側板16−1及び16−2は、一対の上部側板12−1及び12−2の下方に変位したうえで、一対の上部側板12−1及び12−2の対向する方向と交差する方向で対向して設けられている。
【0026】
一対の上部側板12−1及び12−2の上端間には、開放部18の開放部分を確保した状態で頂板14が架設されている。この頂板14は、本実施の形態では、開放部18の開放幅に対して狭小幅に形成、すなわち、頂板14の長尺方向と交差する幅方向の幅が開放部18の開放幅に対して狭小幅に形成されており、開放部18の開放幅が比較的大きく確保されている。更に本実施の形態では、頂板14は、雨水を上方から下方に流下させる傾斜部14bを備えており、頂板14に衝突する雨水を効率的に流下させることができる。
【0027】
次に、送電鉄塔頂部構造の各部の具体的構成について、図2で示す送電鉄塔頂部構造の分解斜視図に基づいて説明する。図示のように、一対の上部側板12−1及び12−2は、正面視略台形に形成された平板状の基部12a、及び基部12aから連続するとともに谷部12bを介して外方に折曲して傾斜して頂板14を支持する傾斜支持部12cを有して側面視略く字状に形成される。傾斜支持部12cの上端側の略中央部分には、頂板14をボルト106a及びナット106bによって締結するためのボルト締結孔12eが穿孔されている。
【0028】
一対の上部側板12−1及び12−2は、基部12aの角部にボルト挿入孔12dが穿孔される。上部側板12−1は、互いに隣接する等辺山型鋼102−1及び102−2に穿孔されたボルト第1締結孔102aにそれぞれ位置決めされて、ボルト106a及びナット106bによって締結されて頂部10の側部に取り付けられる。同様に、上部側板12−2も、等辺山型鋼102−1及び102−2と対向する等辺山型鋼102−3及び102−4に締結されて頂部10の側部に取り付けられる。
【0029】
一対の下部側板16−1及び16−2は、正面視略台形状に形成され、その角部にボルト挿入孔16aが穿孔される。下部側板16−1は、そのボルト挿入孔16aにおいて、互いに隣接する等辺山型鋼102−2及び102−4に穿孔されたボルト第2締結孔102bにそれぞれ位置決めされる。このとき、等辺山型鋼102−2と102−4との間で傾斜して取り付けられる補強用斜材104が、その一端に穿孔されたボルト挿入孔104aにおいて、下部側板16−1のボルト挿入孔16aの1つに位置決めされる。この状態で、下部側板16−1及び補強用斜材104が、ボルト106a及びナット106bによって締結されて、頂部10の側部に取り付けられる。
【0030】
同様に、下部側板16−2も、等辺山型鋼102−2及び102−4と対向する等辺山型鋼102−1及び102−3に締結されて、頂部10の側部に取り付けられる。
【0031】
頂板14は、一対の上部側板12−1及び12−2間に架設される方向が長尺の板状に形成され、その両端に平面状に延在する平面部14aを有し、それぞれの平面部14aから平面部14aに対して下方に折曲して平面部14aから離間する方向に傾斜する傾斜部14bを有する。更に、それぞれの傾斜部14bから上方に折曲して平面状に延在する本体部14cを有し、本体部14cが送電鉄塔の下方向に突出する。すなわち頂板14は、長尺方向の断面形状が凹状に形成される。この頂板14の平面部14aには、架空地線Lを挟持して固定するクランプ部20が取り付けられている。なお、クランプ部20は、既知のものを用いたものであることから、その詳細な説明を省略する。
【0032】
頂板14の傾斜部14bには、それぞれボルト挿入孔14dが穿孔され、このボルト挿入孔14dが、上部側板12−1及び12−2の傾斜支持部12cに穿孔されたボルト締結孔12eにそれぞれ位置決めされて、ボルト106a及びナット106bによって締結されて一対の上部側板12−1及び12−2間に架設される。
【0033】
次に、本実施の形態に係る送電鉄塔頂部構造の作用について、図3で示す送電鉄塔頂部構造を流通する流体の流動方向の概略説明図に基づいて説明する。
【0034】
図示のように、頂部10に設けられた送電鉄塔頂部構造の近傍において、送電鉄塔頂部構造の下部側板16−1及び16−2に向かう方向からの空気W1は、矢線Oで示す頂部10の水平方向に沿って、一対の下部側板16−1及び16−2によって区分された空隙への流入が許容され、流入した空気W1は、頂板14の下面側に効率よく流入が誘導されて頂板14の下面を通過する。一方、上部側板12−1及び12−2に向かう方向からの空気W2は、矢線Oで示す方向と交差する矢線Pで示す頂部10の水平方向に沿って、空隙への流入が許容されて、一対の上部側板12−1及び12−2の下方を通過して頂板14の架設方向と平行する方向に向かって流通する。
【0035】
従って、頂部10に設けられた一対の上部側板12−1及び12−2、一対の下部側板16−1及び16−2、頂板14等に雨水や結露による水滴が付着しても、矢線Oに沿って空気W1が流入するとともに、矢線Pに沿って空気W2が流入することによって、これらの部材に付着した水滴を速やかに蒸発させることができる。特に、頂板14の裏面に付着した水滴は、頂板14の裏面の直下を矢線Oに沿って流入する空気W1によって、効率的に蒸発されて、頂板14の裏面は良好に乾燥される。
【0036】
送電鉄塔頂部構造の上方からの降雨による雨水Rは、矢線Qで示す頂部10の上下方向に沿って、空隙への流入が許容される。矢線Qに沿って流入した雨水Rは、頂板14の側方を通過して頂部10の下方向に流下し、あるいは一対の上部側板12−1及び12−2の裏面や一対の下部側板16−1及び16−2の裏面に衝突して、頂部10の下方に滴り落ちていく。
【0037】
一方、頂板14の表面に衝突して空隙への流入が規制された雨水Rは、頂板14が傾斜部14bを有して断面凹状に形成されていることから、頂部10の下方向に効率よく流下するとともに、頂板14の上面から下面に滴り落ちる。従って、送電鉄塔が海岸付近に設置されており、海風に含まれる塩分が送電鉄塔頂部構造の各部に付着した場合であっても、送電鉄塔頂部構造の各部に雨水Rによる水滴が流動して、付着した塩分が洗浄されて除去される。
【0038】
更に、送電鉄塔頂部構造の一対の上部側板12−1及び12−2に向かう方向からの空気W2の一部W2aは、一対の上部側板12−1及び12−2の傾斜支持部12cの裏面に沿って整流されて、矢線Qで示す頂部100の下方向に沿って、空隙への流入が許容される。従って、矢線O及びPで示す頂部10の水平方向に沿って空隙に流入する空気W1及びW2と相乗して、送電鉄塔頂部構造における湿気の発生を効率的に抑制することができる。
【0039】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本発明の他の実施の形態の概略を説明する図4で示すように、上部側板12−1、12−2の略中央部分及び下部側板16−1、16−2の略中央部分に、正面視略矩形の通風孔30を形成してもよい。この通風孔30によって、矢線O、Pで示す方向に貫通する空隙のみならず、通風孔30にも空気W1、W2が流入し、空気W1及びW2が送電鉄塔の頂部100において更に良好に流通して、送電鉄塔頂部構造を構成する上部側板12−1及び12−2、側板14、下部側板16−1及び16−2に付着した水滴を効率的に蒸発させることができる。なお、通風孔30を一対の上部側板12−1及び12−2、一対の下部側板16−1及び16−2に複数形成してもよく、その形状も略矩形に限定されるものではなく、円形、楕円形等、種々の形状が含まれる。
【0040】
更に、図5(a)で本発明の他の実施の形態の側面図を示し、図5(b)で図5(a)のB矢視図を示すように、送電鉄塔頂部構造の頂板44を、断面凹状に形成せずに平板状に形成してもよい。一対の上部側板42−1及び42−2における支持部42cを頂部10の水平方向に沿って頂部10の外方に折曲することで、開放部18の開放部分に対して狭小幅に形成され、かつ平板状に形成された頂板44を上部側板42−1及び42−2間に架設して取り付けることができる。これにより、頂板44を折曲形成するコストを抑制したうえで、上記実施の形態と同様に、矢線O、Pで示す頂部10の水平方向に開放する空隙及び矢線Qで示す、頂部10の上下方向に開放する空隙によって、頂部10の近傍の空気を良好に流通させることができる。
【符号の説明】
【0041】
10 頂部
12−1、12−2 上部側板
12a 基部
12c 傾斜支持部
14 頂板
14a 平面部
14b 傾斜部
14c 本体部
16−1、16−2 下部側板
18 開放部(開放部分)
20 クランプ部
30 通風孔
L 架空地線
R 雨水
W1、W2 空気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鉄骨で構成された送電鉄塔に架設される架空地線を前記送電鉄塔の頂部に固定する頂板を有する送電鉄塔頂部構造において、
前記送電鉄塔の頂部は、天面の全面が開放された天面開放構造に形成され、
前記頂部の側部は、
対向する一対の上部側板と、
該一対の上部側板の下方に変位した下部側板と、を備え、
前記頂板が前記一対の上部側板間に前記天面の開放部分を確保した状態で架設されたことを特徴とする送電鉄塔頂部構造。
【請求項2】
前記下部側板は、
前記一対の上部側板の対向する方向と交差する方向で一対に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の送電鉄塔頂部構造。
【請求項3】
前記頂板は、
前記頂部の天面の開放部分の開放幅に対して狭小幅に形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の送電鉄塔頂部構造。
【請求項4】
前記頂板は、
雨水を上方から下方に流下させる傾斜部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送電鉄塔頂部構造。
【請求項5】
前記一対の上部側板及び前記下部側板に通風孔が形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の送電鉄塔頂部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−50214(P2012−50214A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189052(P2010−189052)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】