説明

送風装置およびそれを搭載した電気機器

【課題】外風圧等により、送風装置のファンが空転していても、磁石を減磁させることなく、スムーズかつ確実に始動することができる送風装置および換気装置などの電気機器を提供することを目的としている。
【解決手段】空転始動時磁極位置推定手段7が短時間の三相短絡を行い、逆起電力の極性が同極性となった二相の極性側のスイッチング素子をオンして二相短絡を行い、各相の逆起電力の大小関係と空転の回転方向を判別して、始動時に導通すべき相を決定して駆動することから、磁石回転子3の磁極位置に応じて、電機子巻線3に通電することから、磁石回転子3を減磁させるような強い反磁界が加わることが無いので、磁石回転子3が減磁することは無いとともになく、逆回転から正回転への切換わりをすばやく確実に実現できる送風装置および換気装置などの電気機器が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にレンジフードや天井埋め込み型等の排気用および給気用の換気装置や、加湿機、除湿機、冷凍機器、空気調和機、給湯機、ファンフィルタユニットなどに搭載する送風装置およびその送風装置を搭載した電気機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、換気装置等の電気機器に搭載する送風装置においては、低価格化、高効率化、静音化を実現した上で、どんな環境下においても速やかな始動ができる送風装置が求められている。
【0003】
従来、この種の送風装置は、特許文献1に開示された構成のものが知られている。
【0004】
以下、その送風装置について図8〜図10を参照しながら説明する。
【0005】
図に示すように、商用交流電源を整流平滑して出力する整流回路101と、周辺回路に電源を供給する内部電源113と、ファンモータ104が回転することによって発生する逆起電力を、フィルタ回路109を通してロータ磁極位置検出信号として出力する位置検出回路112と、ロータ磁極位置検出信号より実回転数を認識し外部回路から入力される指令の回転数を制御する回転数設定回路111と、回転数設定回路111からデューティー指令回路110を通して出力されるチョッパ基準信号と三角波発生回路106より出力される三角波信号との比較を行いチョッパ信号出力するチョッパ回路105と、回転数設定回路111から出力するドライブ信号とチョッパ信号によりパワ−素子(スイッチング素子)103を駆動させるドライブ回路102と、パワ−素子103の保護回路として電流制限回路107と過電流保護回路108からなるファンモ−タ駆動制御回路において、回転数設定回路111はあらかじめ設定してあるファンモータ運転時の回転方向(正回転)のロータ磁極位置信号パターンとの照合を行い、正回転時のロータ磁極位置検出信号のパターンと一致した場合、通常の起動方法である位置決めおよび低周波同期運転を行わずブラシレス運転を行い、正回転時のロータ磁極位置検出信号パターンと、位置検出回路112より回転数設定回路111に入力されたロータ磁極位置検出信号とが一致せず、逆回転方向のロータ磁極位置検出信号パターンと一致した場合、回転数設定回路111は同時にロ−タ磁極位置検出信号によりロータの回転数を判定し、判定した回転数に応じて、あらかじめ回転数設定回路111内部に設定してある減速レートの同期運転パターン(ブレ−キパタ−ン)を使用し、傾斜したインバ−タ電流をモ−タに印加し、継続して電流を最も大きく、若しくは適宜大きな電流を印加することにより、減速レートの同期運転(ブレ−キ動作)を行うことにより、起動前に逆転していたファンモ−タの回転を停止させ、正回転方向の同期始動、この始動後、ブラシレス運転に切り換えてモ−タ起動処理を終了させ、継続して負荷に応じた回転数にするブラシレス運転を行う構成としている。
【0006】
また、この種の送風装置に搭載するブラシレスDCモータの制御装置は、特許文献2および3に開示された構成のものが知られている。
【0007】
以下、その制御装置について図11〜図13を参照しながら説明する。
【0008】
図に示すように、ブラシレスDCモータ121は、回転子122と固定子123からなり、固定子123には、U、V、Wの3相の巻線126が装着され、回転子122には、永久磁石により4極の磁極が形成され、駆動回路124は、各々還流ダイオードDa+、Db+、Dc+が接続されたP側のトランジスタ、Ta+、Tb+、Tc+と、各々還流ダイオードDa-、Db-、Dc-が接続されたN側のトランジスタ、Ta-、Tb-、Tc-とから構成され、P側のトランジスタとN側のトランジスタとを一組組み合わせてチョッパ制御を行いかつチョッパのデューティを変えることにより、3相の直流電流を各相の巻線の内選択的に2つの巻線に順次励磁して磁界を形成して回転子を可変速に回転駆動させる。モード検出回路125は回転子122の回転により巻線126に逆起電力が発生すると、逆起電力により、開放相の端子電圧が変化し、P側の還流ダイオードのアノード電位がEd+よりも高くなるか、N側の還流ダイオードのカソード電位がEd-よりも低くなると、還流ダイオードが導通状態となることを利用して、基準電圧Edと各ダイオードの端子電圧を比較することにより、各ダイオードの導通状態を検出することにより回転子位置を検出しており、起動時には低周波同期起動を行う構成としている。
【特許文献1】特開平7−337080号公報
【特許文献2】特開平5−137386号公報
【特許文献3】特開平7−123774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような従来の送風装置およびブラシレスDCモータの制御装置によれば、オープンループ駆動となる低周波同期起動を行うため、外風等によりファンが逆回転している場合の起動においては、位相ずれが原因で脱調して始動できない場合があるという課題があり、逆回転している場合でも確実に始動できることが要求されている。
【0010】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、逆回転時においても確実に始動することができる送風装置を提供することを目的としている。
【0011】
また、回転子の磁石にフェライト磁石を用いた場合、逆回転時において、確実に始動させるために、大電流を供給しすぎて、低温時に磁石が減磁する可能性を有するとういう課題があり、磁石を減磁させることなく確実に始動できることが要求されている。
【0012】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、磁石を減磁させることなく確実に始動することができる送風装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の送風装置は上記目的を達成するために、ブラシレスDCモータの磁石回転子の回転により電機子巻線の各相に誘起する逆起電力を用いて前記磁石回転子の磁極位置を検出する位置検出手段と、この位置検出手段が検出した磁極位置に応じて前記電機子巻線に通流させる電流を導通遮断する上段と下段からなり、ブリッジ接続された複数のスイッチング素子と、前記ブラシレスDCモータの始動時に、前記ファンの空転の有無を検知するとともに、空転時には三相短絡と二相短絡を行うことによって前記電機子巻線の各相に誘起する逆起電力の大小関係を判別して前記磁石回転子の磁極位置を推定する空転始動時磁極位置推定手段とを備え、この空転始動時磁極位置推定手段は前記上段側または下段側スイッチング素子をすべてONすることにより三相短絡して逆起電力の極性が同一となる2相を判別した後、その判別された2相における逆起電力の極性側の前記スイッチング素子をONすることにより二相短絡して前記電機子巻線の各相に誘起する逆起電力の大小関係を推定することを特徴とする送風装置の構成としたものである。
【0014】
この手段により短時間三相短絡と短絡相を判別しての短時間二相短絡をすることによって、磁石回転子の磁極位置を確実に推定できるので、外風等によりファンが逆回転している場合でも、磁石を減磁させることなく、確実に始動できることができる送風装置および電気機器が得られる。
【0015】
また、本発明の送風装置は上記目的を達成するために、空転始動時磁極位置推定手段は三相短絡と二相短絡を周期的に繰り返すことを特徴とした送風装置の構成としたものである。
【0016】
この手段により逆起電力の大小関係の変化を観測することで、空転の回転方向と磁極位置をより確実に推定できることから、ファンが空転している場合でも、磁石を減磁させることなく、より一層確実に始動できることができる送風装置および電気機器が得られる。
【0017】
また、位置検出手段の内部状態である6ステップ信号を入力する駆動切換え手段を設け、この駆動切換え手段は6ステップ信号の示す磁石回転子の磁極位置と空転始動時磁極位置推定手段の推定結果が一致した時にセンサレス駆動に切換えることを特徴とする送風装置の構成としたものである。
【0018】
この手段により最適な転流タイミングにて駆動切換えを行うので、スムーズな空転時始動を実現できる送風装置および電気機器が得られる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、外風等によりファンが逆回転している場合において、磁石を減磁させることなく、確実な始動を実現できるという効果のある送風装置および電気機器を提供できる。
【0020】
また、本発明によれば、ファンが空転している場合でも、磁石を減磁させることなく、より一層確実に始動できることが実現できるという効果のある送風装置および電気機器を提供できる。
【0021】
また、本発明によれば、スムーズな空転時始動を実現できるという効果のある送風装置および電気機器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の請求項1記載の発明は、ブラシレスDCモータの始動時に、前記ファンの空転の有無を検知するとともに、空転時には三相短絡と二相短絡を行うことによって前記電機子巻線の各相に誘起する逆起電力の大小関係を判別して前記磁石回転子の磁極位置を推定する空転始動時磁極位置推定手段とを備え、この空転始動時磁極位置推定手段は前記上段側または下段側スイッチング素子をすべてONすることにより三相短絡して逆起電力の極性が同一となる2相を判別した後、その判別された2相における逆起電力の極性側の前記スイッチング素子をONすることにより二相短絡して前記電機子巻線の各相に誘起する逆起電力の大小関係を推定することを特徴とする送風装置の構成としたものであり、ファン空転時において、磁石回転子の磁極位置を確実に推定できるという作用を有する。
【0023】
請求項2に記載の発明は、空転始動時磁極位置推定手段は三相短絡と二相短絡を周期的に繰り返すことを特徴とした送風装置の構成としたものであり、空転の回転方向と磁極位置をより確実に推定できるという作用を有する。
【0024】
請求項3に記載の発明は、位置検出手段の内部状態である6ステップ信号を入力する駆動切換え手段を設け、この駆動切換え手段は6ステップ信号の示す磁石回転子の磁極位置と空転始動時磁極位置推定手段の推定結果が一致した時にセンサレス駆動に切換えることを特徴とする送風装置の構成としたものであり、最適な転流タイミングにて駆動切換えを行うことができるいう作用を有する。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1〜図6に示すように、1はブラシレスDCモータ11を搭載した遠心型送風機10を内蔵した送風装置で、9は送風装置1を内蔵した換気装置である。送風装置1によって吸い込まれた、煙草の煙や調理等で発生し、汚れた室内空気は換気装置9の吐出口、ダクト14を介して建物の壁を貫通して屋外に排出される。ブラシレスDCモータ11は固定子鉄心に電機子巻線2を巻装した固定子と、この固定子に対向して回転自在に配置された磁石回転子3よりなるセンサレス型であり、磁石回転子3は極配向させている。12はブラシレスDCモータ11を駆動する駆動回路で、13は遠心型送風機10の運転を制御する制御システムであり、ブラシレスDCモータ11と駆動回路12より構成される。6はインバータ回路で、上段側スイッチング素子Q1、Q3、Q5と下段側スイッチング素子Q2、Q4、Q6をブリッジ接続し、上段側スイッチング素子Q1、Q3、Q5と下段側スイッチング素子Q2、Q4、Q6にはそれぞれU相正極側還流ダイオードD1、V相正極側還流ダイオードD3、W相正極側還流ダイオードD5、U相負極側還流ダイオードD2、V相負極側還流ダイオードD4、W相負極側還流ダイオードD6が接続されている。4は磁石回転子3の磁極位置を検出する位置検出手段で、電機子巻線2の各相に誘起する逆起電力を利用し、その構成は図3に示すように、開放相の還流ダイオードの導通状態を検出することにより実現し、6ステップ信号を更新している。5は駆動ロジック制御手段で、位置検出手段4の内部状態である6ステップ信号に基づいて電機子巻線2に所定の方向と順序で順次全波通電となるよう上段側スイッチング素子Q1、Q3、Q5と下段側スイッチング素子Q2、Q4、Q6のON/OFFを制御する。7はブラシレスDCモータ11の始動時に遠心型送風機10に内蔵するファン10aの空転の有無を検知するとともに、下段側スイッチング素子Q2、Q4、Q6をONする三相短絡と、上段側スイッチング素子Q1、Q3、Q5と下段側スイッチング素子Q2、Q4、Q6のうち2つのスイッチング素子をONする二相短絡を短時間だけ行い、電機子巻線2の各相に誘起する逆起電力の大小関係を判別して磁石回転子3の磁極位置を推定する空転始動時磁極位置推定手段で、短時間の三相短絡と二相短絡を周期的に繰り返す。空転始動時磁極位置推定手段7は下段側スイッチング素子Q2、Q4、Q6をONして三相短絡を行い、逆起電力の極性が同一となる2相を判別した後、その判別された2相における逆起電力の極性側のスイッチング素子をONして二相短絡を行い、電機子巻線2の各相に誘起する逆起電力の大中小を判別するとともに、周期的に行うことで磁石回転子3の磁極位置を推定し、空転始動時に導通すべき相を決定している。8は駆動切換え手段で、位置検出手段4の内部状態である6ステップ信号の示す磁極位置と、空転始動時磁極位置推定手段7にて推定した磁極位置が一致した時にセンサレス駆動に切換える構成である。
【0027】
上記構成において、送風装置1に内蔵された遠心型送風機10に対して逆風等によりファン10aが空転している時に電源の投入をすると、空転始動時磁極位置推定手段7は短時間だけ三相短絡と二相短絡を行った直後の還流ダイオードの導通状態から磁石回転子3の磁極位置を推定している。ここで、ファン10aは回転しているため、電機子巻線2にはファン10aの回転数に比例した振幅と周波数の逆起電力が図4に示すように発生している。そして、図4の時刻A、すなわちU相逆起電力eu>0>V相逆起電力ev>W相逆起電力ewのポイントを想定した時、逆起電力の極性により、下段側スイッチング素子Q2、Q4、Q6をオンした三相短絡中には図5(a)の点線に示される経路を電流が増加する。三相短絡を解除した後、電流の連続性を保つため、U相正極側還流ダイオードD1、V相負極側還流ダイオードD4、W相負極側還流ダイオードD6を通して図5(b)の点線で示される経路を電流が流れ、電流は減少する。ここで、三相短絡時に巻線に発生する電流極性と導通する還流ダイオードは逆起電力の極性によって決まるため、各還流ダイオードの導通状態を検出することは逆起電力の極性を検出することに相当するので、U相の逆起電力の極性は正、V相とW相の極性は負であることが検出できる。次に、V相逆起電力evとW相逆起電力ewの大小を判定するため、下段側スイッチング素子Q4およびQ6をオンして二相短絡すると、図6(a)の点線で示されるような経路の電流が流れる。二相短絡解除後には図6(b)の点線に示すようにV相正極側還流ダイオードD3、W相負極側還流ダイオードD6を通して電流が流れるので、W相が逆起電力最小の相であることが判別できる。一方、図4の時刻Bにおいては、三相短絡によりW相の極性が負で、最小であること、U相およびV相の極性が正であることがわかるので、空転始動時磁極位置推定手段7は上段側スイッチング素子Q1およびQ2をオンして二相短絡する。この場合には、W相正極側還流ダイオードD5は逆バイアスとなるため、図7(a)のようにW相には電流が流れない。短絡解除後には図7(b)のようになり、U相の逆起電力euがV相の逆起電力evよりも大きいことが分かり、U相の逆起電力euが最大、W相の逆起電力ewが最小であることが判別できる。空転始動時磁極位置推定手段7はこのような動作を空転周期よりも十分に短い間隔で三相短絡と二相短絡を繰り返し行い、逆起電力の大小関係の変化を検知して、空転の回転方向を判定し、空転が正回転ならば、逆起電力の最大相から最小相へ、空転が逆回転ならば、逆起電力が最小相から最大相へ空転始動時に導通すべき二相を決定し、駆動ロジック制御手段5は電機子巻線2に所定の方向と順序で順次全波通電となるよう上段側スイッチング素子Q1、Q3、Q5と下段側スイッチング素子Q2、Q4、Q6のON/OFFを制御する。
【0028】
このような本発明の送風装置1によれば、空転始動時磁極位置推定手段7が短時間の三相短絡を行い、逆起電力の極性が同極性となった二相の極性側のスイッチング素子をオンして二相短絡を行い、各相の逆起電力の大小関係と空転の回転方向を判別して、始動時に導通すべき相を決定して駆動することから、磁石回転子3の磁極位置に応じて、電機子巻線2に通電することから、磁石回転子3を減磁させるような強い反磁界が加わることが無いので、磁石回転子3が減磁することは無いとともになく、逆回転から正回転への切換わりをすばやく確実に実現できる送風装置1および換気装置9などの電気機器が得られる。
【0029】
また、空転始動時磁極位置推定手段7は、空転周期よりも十分に短い間隔で三相短絡と二相短絡を繰り返し行うことから、空転の回転方向と磁極位置をより確実に推定できるため、より確実な空転時始動を実現できる送風装置および換気装置などの電気機器が得られる。
【0030】
また、駆動切換え手段8は、位置検出手段4の内部状態である6ステップ信号の示す磁極位置と、空転始動時磁極位置推定手段7にて推定した磁極位置が一致した時にセンサレス駆動に切換えるので、スムーズな空転時始動を実現できる送風装置および換気装置などの電気機器が得られる。
【0031】
なお、本実施の形態1では空転始動時磁極位置推定手段7は、下段側スイッチング素子Q2、Q4、Q6をオンして三相短絡を行っているが、上段側スイッチング素子Q1、Q3、Q5をオンして三相短絡を行っても良く、その作用効果に差異を生じない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上のように、本発明にかかる送風装置は、外風圧等の影響により送風機のファンが空転していても、磁石回転子の永久磁石を減磁させることなく、スムーズな始動ができることから、空転があっても、速やかな始動が要求される電気機器である換気装置、給湯機、エアコンなどの空気調和機、空気清浄機、除湿機、乾燥機、ファンフィルタユニットなどへの搭載が有用である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態1における送風装置を内蔵した換気装置の構成を示すブロック図
【図2】同送風装置に搭載するブラシレスDCモータの駆動システムにおける磁極位置検出回路図
【図3】同送風装置を内蔵した換気装置を示す図((a)正面図、(b)右側断面図、(c)平面図)
【図4】同送風装置に搭載するブラシレスDCモータにおける空転時の逆起電力を示す図
【図5】同送風装置に搭載するブラシレスDCモータの駆動システムの三相短絡動作における電流経路を示す図((a)三相短絡中の電流を示す図、(b)三相短絡直後の電流を示す図)
【図6】同送風装置に搭載するブラシレスDCモータの駆動システムの二相短絡動作における電流経路を示す図((a)二相短絡中の電流を示す図、(b)二相短絡直後の電流を示す図)
【図7】同送風装置に搭載するブラシレスDCモータの駆動システムの異なる磁極位置での二相短絡動作における電流経路を示す図((a)二相短絡中の電流を示す図、(b)二相短絡直後の電流を示す図)
【図8】従来の送風装置に搭載するブラシレスDCモータの駆動システムにおける回路ブロック図
【図9】同送風装置に搭載するブラシレスDCモータの駆動システムにおける制御ブロック図
【図10】同送風装置に搭載するブラシレスDCモータの駆動システムにおける逆回転時の起動パターン図
【図11】従来の他のブラシレスDCモータおよびインバータ回路を示す概略構成図
【図12】同ブラシレスDCモータの励磁パターンを示す図
【図13】同ブラシレスDCモータの起動シーケンスを示す図
【符号の説明】
【0034】
1 送風装置
2 電機子巻線
3 磁石回転子
4 位置検出手段
5 駆動ロジック制御手段
6 インバータ回路
7 空転始動時磁極位置推定手段
8 駆動切換え手段
9 換気装置
10 遠心型送風機
10a ファン
11 ブラシレスDCモータ
12 駆動回路
13 制御システム
14 ダクト
Q1 上段側スイッチング素子
Q2 下段側スイッチング素子
Q3 上段側スイッチング素子
Q4 下段側スイッチング素子
Q5 上段側スイッチング素子
Q6 下段側スイッチング素子
D1 U相正極側還流ダイオード
D2 U相負極側還流ダイオード
D3 V相正極側還流ダイオード
D4 V相負極側還流ダイオード
D5 W相正極側還流ダイオード
D6 W相負極側還流ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンと、このファンを駆動するブラシレスDCモータを備えた送風装置であって、前記ブラシレスDCモータの磁石回転子の回転により電機子巻線の各相に誘起する逆起電力を用いて前記磁石回転子の磁極位置を検出する位置検出手段と、この位置検出手段が検出した磁極位置に応じて前記電機子巻線に通流させる電流を導通遮断する上段と下段からなり、ブリッジ接続された複数のスイッチング素子からなるインバータ回路と、前記ブラシレスDCモータの始動時に、前記ファンの空転の有無を検知するとともに、空転時には三相短絡と二相短絡を行うことによって前記電機子巻線の各相に誘起する逆起電力の大小関係を判別して前記磁石回転子の磁極位置を推定する空転始動時磁極位置推定手段とを備え、この空転始動時磁極位置推定手段は前記上段側または下段側スイッチング素子をすべてONすることにより三相短絡して逆起電力の極性が同一となる2相を判別した後、その判別された2相における逆起電力の極性側の前記スイッチング素子をONすることにより二相短絡して前記電機子巻線の各相に誘起する逆起電力の大小関係を推定することを特徴とする送風装置。
【請求項2】
前記空転始動時磁極位置推定手段は三相短絡と二相短絡を周期的に繰り返すことを特徴とする請求項1記載の送風装置。
【請求項3】
前記位置検出手段の内部状態である6ステップ信号を入力する駆動切換え手段を設け、この駆動切換え手段は6ステップ信号の示す磁石回転子の磁極位置と空転始動時磁極位置推定手段の推定結果が一致した時にセンサレス駆動に切換えることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の送風装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の送風装置を搭載した電気機器。
【請求項5】
請求項4記載の電気機器は換気装置、除湿機、加湿機、空気調和機、給湯機、ファンフィルタユニットのいずれかであることを特徴とする電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−29046(P2008−29046A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−195234(P2006−195234)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年1月19日 国立大学法人 宇都宮大学主催の「平成17年度博士前期課程電気電子工学専攻・エネルギー環境科学専攻(電気系)・情報制御システム科学専攻(電気系)修士学位論文発表会」において文書をもって発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年3月9日 社団法人電気学会主催の「電気学会研究会」において文書をもって発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年3月15日発行の「平成18年電気学会全国大会 講演論文集」に発表
【出願人】(000006242)松下エコシステムズ株式会社 (36)
【出願人】(304036743)国立大学法人宇都宮大学 (209)
【Fターム(参考)】