説明

送風装置及び該送風装置の使用方法

【課題】壁等に設置されている空気調和機等の運転の有無にかかわらず、送風機能を有しないイオン発生装置とともに使用して、イオンを居住空間内に効率よく拡散することができる送風装置、及び該送風装置の使用方法を提供する。
【解決手段】送風装置1は、空気の流入が可能な2つの流入口3,4と、空気の流出が可能な流出口5とを備えたケーシング2内に、2つの流入口3,4と流出口5とを結ぶ通風路6を備え、通風路6に、送風方向が2つの流入口の一方4から流出口5へ向いた送風機7が配置してある。2つの流入口の他方3が、壁に設置された空調機11の吹出口11aに対向し、流出口5が、外部から流入した空気にイオン発生器10eで発生させたイオンを付加し、外部に送り出すイオン発生装置10の流入口10bに対向するように、送風装置1を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁等に設置された空調機等の吹出口から吹き出す空気に対してイオンを付加して室内等に供給するために使用される送風装置、及び該送風装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、イオンによって居住空間内の空気を清浄化するイオン発生装置が実用化されている。イオン発生装置では、大気中におけるコロナ放電によって正イオンであるH+(H2O)m(mは任意の自然数)と、負イオンであるO2-(H2O)n(nは任意の自然数)とを同等量発生させ、送風ファンによって外部に放出することにより、両イオンが空気中の浮遊カビ菌やウイルスの周りを取り囲んで付着し、その際に反応生成される活性種の水酸基ラジカル(・OH)の作用により、浮遊カビ菌等を不活性化することが可能である(特許文献1−3参照)。
【0003】
又、室内機にプラズマ発生器(イオン発生器)を備え、イオン発生機能を有する天井埋込型空気調和機も公知である(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−47651号公報
【特許文献2】特開2002−319472号公報
【特許文献3】特開2010−055960号公報
【特許文献4】特開2006−29665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のイオン発生機能を有する天井埋込型空気調和機では、予めイオン発生器を内蔵している。そのため、イオン発生器を内蔵していない天井埋込型空気調和機にイオン発生器を設ける場合には、既設の天井埋込型空気調和機の大規模な改造が必要となる。
【0006】
かかる問題に対して、本出願人は、空気の流入口及び流出口を備え、イオン発生器を内蔵したイオン発生装置(但し送風ファンは備えていない)について出願している。このイオン発生装置を既設の天井埋込型空気調和機の吹出口の下流側の天井面に設置し、天井埋込型空気調和機の吹出口から吹き出す空気を流入口に流入させて内部でイオンを付加した後、流出口から外部へ流出させることにより、室内等の居住空間内にイオンを供給することができる。但し、本イオン発生装置では、天井埋込型空気調和機の吹出口から吹き出す風を利用しているので、天井埋込型空気調和機が運転を停止し、吹出口から風が出ていない場合は、室内等にイオンを供給することができない。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、壁等に設置されている空気調和機等の運転の有無にかかわらず、送風機能を有しないイオン発生装置とともに使用して又はイオン発生装置を別途必要とせず、イオンを居住空間内に効率よく拡散することができる送風装置、及び該送風装置の使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る送風装置は、外部から流入した空気を外部へ送風する送風装置であって、空気の流入が可能な2つの流入口と、空気の流出が可能な流出口とを備えたケーシング内に、前記2つの流入口と流出口とを結ぶ通風路を備え、該通風路に、送風方向が前記2つの流入口の一方から前記流出口へ向いた送風機が配置してあることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、2つの流入口の一方に流入した空気が送風機によって送風されて通風路を流れ、流出口から外部へ流出することができる。また、2つの流入口の他方に流入した空気が流入した空気自身の流れの力によって通風路を流れ、流出口から外部へ流出することができる。そこで、上記2つの流入口の他方に空気調和機等から吹き出す空気を流入させ、上記流出口から流出する空気を送風機能のないイオン発生装置に流入させることにより、空気調和機等が運転している場合は、空気調和機等から吹き出した空気が2つの流入口の他方に流入して通風路を流れ、また、空気調和機等の運転が停止している場合は、送風機の送風力によって2つの流入口の一方に流入した空気が通風路を流れ、夫々流出口から外部へ流出する。そして、流出口から流出した空気が上記イオン発生装置に流入し、イオン発生装置内でイオンを付加され、イオン発生装置からイオンが付加された空気が流出する。
【0010】
本発明に係る送風装置は、前記送風機は、送風方向に沿って周囲を覆うカバーを備えたクロスフローファンであることを特徴とする。
本発明においては、クロスフローファンによって送風された空気がクロスフローファンの周囲を覆うカバーによってガイドされ、流出口から整流状態で流出してイオン発生装置に流入するので、イオン発生装置内でイオンを付加された空気も整流状態を維持し、イオンを居住空間内に均一に拡散することができる。
【0011】
本発明に係る送風装置は、前記カバーは、前記2つの流入口の他方に通じる開口を有していることを特徴とする。
本発明においては、クロスフローファンが作動していない場合は、空気調和機等から吹き出した空気が2つの流入口の他方に流入してクロスフローファンのカバーの開口からカバー内に入り、カバーによってガイドされて流れて流出口から流出する。クロスフローファンが作動している場合は、2つの流入口の一方に流入した空気がクロスフローファンによって送風され、一部はカバーの開口からカバー外に漏れるが、大部分はカバーによってガイドされてクロスフローファンの送風方向に流れ、流出口から流出する。その結果、クロスフローファンのカバーの一部に開口を設けるだけの簡素な手段により、空気調和機等の運転の有無にかかわらずイオン発生装置に対して空気を流出することができる。
【0012】
本発明に係る送風装置は、前記2つの流入口の他方への空気の流入を検知する流入検知センサと、該流入検知センサの検知結果に基づき、前記空気の流入が検知された場合に前記送風機の作動を停止させ、前記空気の流入が検知されない場合に前記送風機を作動させる制御部とを備えていることを特徴とする。
本発明においては、2つの流入口の他方への空気の流入が検知された場合は、空気調和機等が運転して吹き出し風が2つの流入口の他方へ流入しているので、送風機の作動を停止させる。2つの流入口の他方への空気の流入が検知されない場合は、空気調和機等の運転が停止しているので、送風機を作動させる。その結果、空気調和機等の運転の有無に自動的に対応してイオン発生装置に対して空気を流出することができる。
【0013】
本発明に係る送風装置は、前記2つの流入口の一方が前記通風路に連通し、他方が前記通風路に連通しない状態と、前記2つの流入口の他方が前記通風路に連通し、一方が前記通風路に連通しない状態とに切替可能な切替手段を備え、前記制御部は、前記空気の流入が検知された場合に前記2つの流入口の他方が前記通風路に連通するように前記切替手段を作動させ、前記空気の流入が検知されない場合に前記2つの流入口の一方が前記通風路に連通するように前記切替手段を作動させることを特徴とする。
【0014】
本発明においては、2つの流入口の他方への空気の流入が検知された場合は、空気調和機等からの吹き出し風が2つの流入口の他方へ流入しているので、送風機の作動を停止させると共に、2つの流入口の他方が前記通風路に連通し、一方が前記通風路に連通しない状態に切り替える。その結果、2つの流入口の他方に流入した空気を一方の流入口から外部に漏れることなく、効率よく流出口から流出させることができる。また、2つの流入口の他方への空気の流入が検知されない場合は、空気調和機等の運転が停止しているので、送風機を作動させると共に、2つの流入口の一方が前記通風路に連通し、他方が前記通風路に連通しない状態に切り替える。その結果、2つの流入口の一方に流入し、送風機で送風された空気を他方の流入口から外部に漏れることがなく、効率よく流出口から流出させることができる。
【0015】
本発明に係る送風装置は、前記切替手段は、前記2つの流入口の一方に通じる開口を形成し、他方に通じる開口を形成しない位置と、前記2つの流入口の他方に通じる開口を形成し、一方に通じる開口を形成しない位置との間に移動自在な前記クロスフローファンのカバーの可動部で構成してあることを特徴とする。
本発明においては、2つの流入口の他方への空気の流入が検知された場合は、クロスフローファンのカバーの可動部を2つの流入口の他方に通じる開口を形成し、一方に通じる開口を形成しない位置に移動させる。2つの流入口の他方への空気の流入が検知されない場合は、クロスフローファンのカバーの可動部を2つの流入口の一方に通じる開口を形成し、他方に通じる開口を形成しない位置に移動させる。その結果、クロスフローファンのカバーの一部を移動させる簡素な手段により、カバーにてガイドされる空気流を空気調和機等の運転の有無に自動的に対応して効率よく流出口から流出させることができる。
【0016】
本発明に係る送風装置の使用方法は、前記2つの流入口の他方が、壁に設置された空調機の吹出口に対向し、前記流出口が、外部から流入した空気にイオン発生器で発生させたイオンを付加し、外部に送り出すイオン発生装置の流入口に対向するように、前記送風装置を配置することを特徴とする。
【0017】
本発明においては、壁に設置された空調機が運転している場合は、空調機の吹出口から吹き出した空気が2つの流入口の他方に流入して通風路を流れ、流出口から外部へ流出し、空調機の運転が停止している場合は、送風機の送風力によって2つの流入口の一方に流入した空気が通風路を流れ、流出口から外部へ流出する。そして、流出口から外部へ流出した空気がイオン発生装置の流入口に流入し、イオン発生装置内のイオン発生器で発生させたイオンが付加され、イオン発生装置から外部に送り出される。
【0018】
本発明に係る送風装置は、前記通風路は、一端が夫々前記2つの流入口の一方と他方とに連通した2つの風路部分の他端が合流して前記流出口に至る合流部を有しており、該合流部にイオン発生器を備えていることを特徴とする。
本発明においては、2つの流入口の一方に流入した空気が送風機によって送風されて2つの流入口の一方に連通した風路部分及び合流部を流れ、合流部を流れるときにイオン発生器で発生したイオンが付加されて流出口から外部へ流出する。また、2つの流入口の他方に流入した空気が流入した空気自身の流れの力によって2つの流入口の他方に連通した風路部分及び合流部を流れ、合流部を流れるときにイオン発生器で発生したイオンが付加され流出口から外部へ流出する。その結果、別途イオン発生装置を必要とせず、送風装置によりイオンが付加された空気を流出することができる。
【0019】
本発明に係る送風装置の使用方法は、前記2つの流入口の他方が、壁に設置された空調機の吹出口に対向するように、前記イオン発生器を備えた送風装置を配置することを特徴とする。
本発明においては、壁に設置された空調機が運転している場合は、空調機の吹出口から吹き出した空気が2つの流入口の他方に流入して該2つの流入口の他方に連通した風路部分及び前記合流部を流れ、合流部を流れるときにイオン発生器で発生したイオンが付加されて流出口から外部へ流出する。空調機の運転が停止している場合は、送風機の送風力によって2つの流入口の一方に流入した空気が該2つの流入口の一方に連通した風路部分及び前記合流部を流れ、合流部を流れるときにイオン発生器で発生したイオンが付加されて流出口から外部へ流出する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、空気調和機等が運転されている場合は空気調和機等から吹き出す風を利用してイオンが付加された空気をイオン発生装置から流出させ、また、空気調和機等の運転が停止している場合は送風装置に内蔵した送風機の送風力によってイオンが付加された空気をイオン発生装置から流出させるので、壁等に設置されている空気調和機等の運転の有無にかかわらず、送風機能を有しないイオン発生装置とともに使用して、イオンを居住空間内に効率よく拡散することができる送風装置、及び、かかる送風装置の使用方法が提供される。
【0021】
本発明によれば、空気調和機等が運転されている場合は空気調和機等から吹き出す風を利用して送風装置内でイオンが付加された空気を流出し、また、空気調和機等の運転が停止している場合は送風装置内でイオンが付加された空気を内蔵した送風機の送風力によって流出するので、壁等に設置されている空気調和機等の運転の有無にかかわらず、別途イオン発生装置を必要とせず、イオンを居住空間内に効率よく拡散することができる送風装置、及び、かかる送風装置の使用方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態1に係る送風装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1に示す送風装置の制御構成のブロック図である。
【図3】イオン発生装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図4】図1の送風装置の天井への設置構造及び動作を示す断面図である。
【図5】図1の送風装置の他の動作状態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る送風装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図7】図6に示す送風装置の制御構成のブロック図である。
【図8】図6の送風装置の天井への設置構造及び動作を示す断面図である。
【図9】図6の送風装置の他の動作状態を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る送風装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図11】図10の送風装置の天井への設置構造及び動作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る送風装置及び該送風装置の使用方法の実施の形態について図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る送風装置の構成を模式的に示す断面図、図2は図1に示す送風装置の制御構成のブロック図、図3はイオン発生装置の構成を模式的に示す断面図である。
【0024】
本発明の実施の形態1に係る送風装置1は、矩形の断面を有し、一方向(図1の紙面に直交する方向)に長い形状のケーシング2を備え、ケーシング2は対向する2つの壁に第1流入口3と流出口5とを設け、他の壁に第2流入口4を設けてある。第1流入口3、第2流入口4及び流出口5はケーシング2の長手方向に沿って細長い矩形状をなす。ケーシング2内には、第1流入口3と第2流入口4と流出口5とを結ぶ通風路6を備えている。尚、送風装置1は、第2流入口4を下向きにして天井等に固定される。
【0025】
通風路6は、第1流入口3と流出口5とを略直線的に結ぶ第1風路6aと、第1風路6aと第2流入口4とを結ぶ第2風路6bとを有する。第2風路6bに、送風方向が第2流入口4から第1風路6a側に向いたクロスフローファン7が配置してある。
【0026】
クロスフローファン7は、送風方向に沿って周囲を覆うカバー8を備えている。カバー8は、第1流入口3に対向する部分に開口8aが形成されている。また、カバー8の流出口5側には、スタビライザー7aが設置されている。本来のクロスフローファンは、カバーがファンの周囲を全て覆っているが、スタビライザー7aを設置していれば、カバーに一部開口を形成しても、流出口5に対して送風することができる。その結果、カバー8に第1流入口3に通じる開口8aを形成することにより、第1流入口3から流入する風を送り出すことができる。クロスフローファン7は、クロスフローファンモータ7bによって回転駆動される。
【0027】
第1流入口3の周囲のケーシング2の外面に、第1流入口3への空気の流入を検知する風速センサ9を設けている。風速センサ9は、検出面に加わる風圧を検出する圧力センサ等で構成される。
【0028】
送風装置1は、制御部20を備え、制御部20に風速センサ9の検知情報が入力され、制御部20からクロスフローファンモータ7bに対する駆動信号が出力されている。
【0029】
本発明に係る送風装置1と一緒に使用されるイオン発生装置10は、台形の断面を有し、送風装置1と略同じ長さのケーシング10aを備えている。イオン発生装置10は、台形の2つの底面のうち面積の広い方の底面を上向きにして送風装置1と同様に天井等に固定される。ケーシング10aには、緩い傾斜の斜面の上側に流入口10bを設け、下側に流出口10cを設け、急傾斜の斜面に他の流出口10dを設けている。上壁の内面にイオン発生器10eが設けられ、下壁の内面に、流入口10bから流入した空気を下側の流出口10cに案内する上向きの案内板10fが突設されている。
【0030】
イオン発生器10eは、正イオンH+(H2O)m(mは任意の自然数)と、負イオンO 2-(H2O)n(nは任意の自然数)とを発生する。正負のイオンは空気中に送出されることによって、空気中の浮遊細菌やウィルスに付着し、その際に起こる反応によって水酸基ラジカルを生じその活性によって殺菌もしくは不活化をする。
【0031】
次に、本実施形態に係る送風装置1の使用方法について説明する。図4は図1の送風装置の天井への設置構造及び動作を示す断面図、図5は図1の送風装置の他の動作状態を示す断面図である。
【0032】
天井埋込型空気調和機11は、内部に送風機、熱交換器等(不図示)を備え、調和空気を吹き出す吹出口11aを備えている。吹出口11aには風向変更板(ルーバー)11bが設置されている。天井埋込型空気調和機11の運転時は、室内の空気を吸い込み、熱交換機を通した後、吹出口11aから吹き出す。
【0033】
送風装置1を、天井設置型イオン発生装置10の流入口10bと天井埋込型空気調和機11の吹出口11aとの間の天井に設置する。天井埋込型空気調和機11の運転が停止し、風速センサ9が吹出口11aからの吹き出し風を検知しない場合は、クロスフローファン7が作動し、図4の通りクロスフローファン7が送風する風によって、第2流入口4から流入した空気が流出口5に通流した後、流出口5から流出し、天井設置型イオン発生装置10に流入してイオン発生器10eで発生した正負イオンを空間に拡散させる。
【0034】
天井埋込型空気調和機11が運転していて、風速センサ9が吹出口11aからの吹き出し風を検知した場合は、クロスフローファン7は作動を停止し、図5の通り天井埋込型空気調和機11からの風が第1流入口3から流入し、第1風路6aを通流した後、流出口5から流出した空気が天井設置型イオン発生装置10に流入してイオン発生器10eで発生した正負イオンを空間に拡散させる。このようなシステムにより、天井埋込型空気調和機11の運転状況によらず、空間に正負イオンを拡散させることができ、また、クロスフローファン7を常時作動させる必要もないので、電力も効率よく使用することができる。
【0035】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2に係る送風装置の構成を模式的に示す断面図、図7は図6に示す送風装置の制御構成のブロック図、図8は図6の送風装置の天井への設置構造及び動作を示す断面図、図9は図6の送風装置の他の動作状態を示す断面図である。
【0036】
実施の形態2の送風装置1Aでは、カバー8に、第1流入口3をカバー8内に連通させ、第2流入口4のカバー8内への連通を遮断する位置と、第1流入口3のカバー8内への連通を遮断させ、第2流入口4をカバー8内に連通させる位置との間を移動自在な可動部8bが有する点が実施の形態1と異なる。尚、可動部8bを案内するレール21が設けられ、可動部8bはクロスフローファン7の回転軸と平行な軸回りに回転するように移動する。
【0037】
送風装置1Aは、可動部8bを移動させるためのカバー移動モータ8cを備えており、制御部20に風速センサ9の検知情報が入力され、制御部20からクロスフローファンモータ7b及びカバー移動モータ8cに対する駆動信号が出力されている。
【0038】
本実施の形態2においても、天井埋込型空気調和機11が停止し、風速センサ9が風を検知しない場合には、図8の通り、可動部8bが上側に移動して第1流入口3のカバー8内への連通を阻止するとともに、クロスフローファン7が作動し、クロスフローファン7からの風により、天井設置型イオン発生装置10で発生した正負イオンを空間に拡散させる。また、天井埋込型空気調和機11が運転していて、風速センサ9が風を検知した場合には、図9の通り、可動部8bが下側に移動することで、第2流入口4のカバー8内への連通を阻止するとともに、第1流入口3をカバー8内へ連通させ、天井埋込型空気調和機11からの風をイオン発生装置10へと通流させことが可能となり、これによって、イオン発生装置10で発生した正負イオンを空間に拡散させることが可能となる。
【0039】
(実施の形態3)
図10は本発明の実施の形態3に係る送風装置の構成を模式的に示す断面図、図11は図10の送風装置の天井への設置構造及び動作を示す断面図である。
【0040】
実施の形態3の送風装置1Bでは、第1風路6aの終端部に連なる第3風路6cが設けられ、第3風路6c内にイオン発生器22が設置され、第3風路6cの終端部に流出口5Aが設けてある点が実施の形態1と異なる。尚、イオン発生器22は前記イオン発生器10eと同一の構成のものであり、正負のイオンを発生させる。また、流出口5Aには風向変更板(ルーバー)23が設置されている。
【0041】
本実施の形態3においては、天井埋込型空気調和機11が停止し、風速センサ9が風を検知しない場合には、図11の通り、クロスフローファン7が作動し、クロスフローファン7からの風により、第3風路6cのイオン発生器22で発生した正負イオンを流出口5Aから流出させて空間に拡散させる。また、天井埋込型空気調和機11が運転していて、風速センサ9が風を検知した場合には、天井埋込型空気調和機11からの風が第1流入口3から流入し、第1風路6a及び第3風路6cを通流し、第3風路6cのイオン発生器22で発生した正負イオンを流出口5Aから流出させて空間に拡散させる。
【0042】
天井埋込型空気調和機11からの風をイオン発生器22に送る手段として、図10には実施の形態1と同様に、クロスフローファン7のカバー8を一部切り取って開口8aを形成したが、実施の形態2のように、クロスフローファン7のカバー8に可動部8bを設け、風速センサ9が風を検知した場合には、可動部8bが下側に移動して第1流入口3をカバー8内に連通させるようにしてもよい。
【0043】
実施の形態1、2において、送風装置1,1Aとイオン発生装置10とが別体であるため、天井埋込型空気調和機11から吹き出した風又は送風装置1,1Aのクロスフローファン7で発生させた風をイオン発生装置10に送り込む場合、送風装置1,1Aの流出口5とイオン発生装置10内のイオン発生器10eの間に天井設置型イオン発生装置10のケーシングがあるため、風量のロスがあったが、実施の形態3のようにイオン発生器22とクロスフローファン7を一体化させることによって、風量のロスを防ぐことができる。また、クロスフローファン7及びイオン発生器22を内蔵した送風装置1Bでは風向変更板(ルーバー)23の向きを調整してイオンを必要とされる方向に送ることができ、より効率的に空間にイオンを拡散させることができる。
【0044】
上記の実施の形態1−3では、本発明に係る送風装置を天井埋込型空気調和機11の吹出口11a近傍の天井に設置したが、天井埋込型空気調和機11に限らず、壁面に設置された空気調和機等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 送風装置
1A 送風装置
1B 送風装置
2 ケーシング
3 第1流入口(流入口)
4 第2流入口(流入口)
5 流出口
5A 流出口
6 通風路
6a 第1風路(風路部分)
6b 第2風路(風路部分)
6c 第3風路(合流部)
7 クロスフローファン(送風機)
8 カバー
8a 開口
8b 可動部(切替手段)
8c カバー移動モータ(切替手段)
9 風速センサ(流入検知センサ)
10 イオン発生装置
10b 流入口
10e イオン発生器
11 天井埋込型空気調和機(空調機)
11a 吹出口
20 制御部
22 イオン発生器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から流入した空気を外部へ送風する送風装置であって、
空気の流入が可能な2つの流入口と、空気の流出が可能な流出口とを備えたケーシング内に、前記2つの流入口と流出口とを結ぶ通風路を備え、該通風路に、送風方向が前記2つの流入口の一方から前記流出口へ向いた送風機が配置してあることを特徴とする送風装置。
【請求項2】
前記送風機は、送風方向に沿って周囲を覆うカバーを備えたクロスフローファンであることを特徴とする請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記カバーは、前記2つの流入口の他方に通じる開口を有していることを特徴とする請求項2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記2つの流入口の他方への空気の流入を検知する流入検知センサと、
該流入検知センサの検知結果に基づき、前記空気の流入が検知された場合に前記送風機の作動を停止させ、前記空気の流入が検知されない場合に前記送風機を作動させる制御部とを備えていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の送風装置。
【請求項5】
前記2つの流入口の一方が前記通風路に連通し、他方が前記通風路に連通しない状態と、前記2つの流入口の他方が前記通風路に連通し、一方が前記通風路に連通しない状態とに切替可能な切替手段を備え、
前記制御部は、前記空気の流入が検知された場合に前記2つの流入口の他方が前記通風路に連通するように前記切替手段を作動させ、前記空気の流入が検知されない場合に前記2つの流入口の一方が前記通風路に連通するように前記切替手段を作動させることを特徴とする請求項4に記載の送風装置。
【請求項6】
前記切替手段は、前記2つの流入口の一方に通じる開口を形成し、他方に通じる開口を形成しない位置と、前記2つの流入口の他方に通じる開口を形成し、一方に通じる開口を形成しない位置との間に移動自在な前記クロスフローファンのカバーの可動部で構成してあることを特徴とする請求項5に記載の送風装置。
【請求項7】
前記2つの流入口の他方が、壁に設置された空調機の吹出口に対向し、前記流出口が、外部から流入した空気にイオン発生器で発生させたイオンを付加し、外部に送り出すイオン発生装置の流入口に対向するように、請求項1から6の何れか1項に記載の送風装置を配置することを特徴とする送風装置の使用方法。
【請求項8】
前記通風路は、一端が夫々前記2つの流入口の一方と他方とに連通した2つの風路部分の他端が合流して前記流出口に至る合流部を有しており、該合流部にイオン発生器を備えていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の送風装置。
【請求項9】
前記2つの流入口の他方が、壁に設置された空調機の吹出口に対向するように、請求項8に記載の送風装置を配置することを特徴とする送風装置の使用方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−92273(P2013−92273A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232976(P2011−232976)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】