説明

逆上がり補助具

【課題】 この発明は、腕が伸びないようにする器具を用いることにより、補助者の介添えなしに、子どもが自力で逆上がりの練習をすることのできる補助具を得ることを課題とするものである。
【解決手段】 この発明の逆上がり補助具は、帯体1の両端部に、端部同士を固着するための固着具を設けると共に、帯体の中央部に前記端部同士の固着部を被覆固定する補助片4,5を設けて構成し、前記帯体1を背中から脇の下を通して左右の上腕部を巻き込んだ状態で帯体の両端部を固着し、固着部を前記補助片4,5で被覆するようにしたものである。
帯体1によって子どもの左右上腕部は帯体で巻き込まれているので、上腕部を前方に伸ばそうとしても伸ばすことができない。したがって、逆上がりの初期動作時に腕が伸びることがなく、腹部が鉄棒から離れないので、自力で無理なく逆上がりを行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄棒の逆上がりを練習するための補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小学生や幼児は体育の授業などで鉄棒の逆上がりが課題とされるが、これを収得できない子どもも多い。逆上がりが収得できない大きな原因は、初期動作時に腕が伸びて、腹部と鉄棒とが離れてしまうことにある。
【特許文献1】特開2000−296184号公報
【0003】
上記特許文献の発明は、腰部ベルト、腹部ベルト、背部ベルトで子どもに固定し、前記各ベルトの左右の結合部に紐の基端を連結した構成で、逆上がりを行う子どもの後に補助者が立ち、初期動作時に補助者が紐を引くことにより、初期動作時に腹部を鉄棒に近接させるようにしたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献の発明は、補助者がいなければ練習することができない。また、子どもにとっては、補助者の力添えによって逆上がりができた、ということになり自分でできた、自力でできたという達成感を得ることもできない。
この発明は、腕が伸びないようにする器具を用いることにより、補助者の介添えなしに、子どもが自力で逆上がりの練習をすることのできる補助具を得ることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の逆上がり補助具は、帯体の両端部に、端部同士を固着するための固着具を設けると共に、帯体の中央部に前記端部同士の固着部を被覆固定する補助片を設けて構成し、前記帯体を背中から脇の下を通して左右の上腕部を巻き込んだ状態で帯体の両端部を固着し、固着部を前記補助片で被覆するようにしたものである。
前記帯体は、柔軟な布が皮膚への負担が少ないので好ましいが、合成樹脂地、革など適宜使用することもできる。両端部の固着具は面ファスナーが使いやすいが、ボタンその他の係止具を用いることもできる。前記補助片は、前記帯体両端部の固着部を被覆することにより内外二重になる帯体をまとめるためのものであり、図に示すように上下に突出させるほか、上部又は下部のみに帯体を被服できる大きさのものを突出させてもよい。固着部を被覆した状態で固定するための面ファスナーを取り付ることが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
この発明の逆上がり補助具は、帯体の中央部を子どもの背中に当て、左右を脇の下を通して上腕部を巻き込んで背中に導き、両端部を結合固着する。次いで帯体中央部に設けられた補助片で前記帯体の固着部を被覆して、内外二重になっている帯体がばらばらにならないようにまとめる。
この状態において、子どもの左右上腕部は帯体で巻き込まれているので、上腕部を前方に伸ばそうとしても伸ばすことができない。したがって、逆上がりの初期動作時に腕が伸びることがなく、腹部が鉄棒から離れないので、自力で無理なく逆上がりを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
布製の帯体1の一端部表面及び他端部裏面に互いに係合する面ファスナー2,3が取り付けてあり、帯体1の中央部上下には補助片4,5が設けてある。各補助片4,5は前記帯体1とほぼ同じ幅であって、一方の補助片4の表面及び他方の補助片5の裏面には互いに係合する面ファスナー6,7が取り付けてある。
【0008】
上記のように構成された逆上がり補助具を使用するときは、図2,図3に示すように帯体1の中央部を子どもの背中11に当て、脇の下を通して左右の上腕部12を巻き込み、両端部を背中側へ導き、端部同士を面ファスナー2,3で結合固着する。次いで、補助片4,5を折り返して前記面ファスナーで固着された帯体1の両端部を被覆し、両補助片同士を面ファスナー6,7で固定する。
【0009】
この状態で、子どもの上腕部12は帯体1で巻き込まれているので、背中側へは自由に動かすことができるが、前方へ動かすことはできない。そのために、鉄棒を掴んだとき、鉄棒と子どもの腹部との距離は下腕部の長さ以上に離れることはない。したがって、この補助具を使用しないときには腕が伸びてしまう子どもであっても腕は伸びないので、逆上がりができない大きな原因である腹部が鉄棒から離れてしまうという現象が生じることはなく、逆上がりを行うことができる。
また、装着時において内外の帯体1は補助片4,5でくるまれて一体化されているので、子どもが上腕部を後側に移動させたときにおいても、補助具がずり落ちることがない。
【産業上の利用可能性】
【0010】
この発明は、逆上がりのできない子どもであっても補助者なしで自力で逆上がりをすることができるものであって、子どもに達成感を感じさせることのできる逆上がり補助具として、産業上の利用可能性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明実施形態の正面図
【図2】装着状態の正面図
【図3】装着状態の断面図
【符号の説明】
【0012】
1 帯体
2,3 面ファスナー
4,5 補助片
6,7 面ファスナー
11 背中
12 上腕部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯体の両端部に、端部同士を固着するための固着具を設けると共に、帯体の中央部に前記端部同士の固着部を被覆固定する補助片を設け、前記帯体を背中から脇の下を通して左右の上腕部を巻き込んだ状態で帯体の両端部を固着し、固着部を前記補助片で被覆するようにした、逆上がり補助具
【請求項2】
固着具は面ファスナーとし、補助片に固着部を被覆した状態で固定するための面ファスナーを取り付けた、請求項1記載の逆上がり補助具

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−311934(P2006−311934A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135856(P2005−135856)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(505168263)