逆型肩関節プロテーゼ
本発明の各種実施例は、逆型肩関節形成術(例としては、逆型全肩関節形成手術)の装置と方法に関連するものである。一つの具体例として、肩胛骨を表面再建するために使用される浅窩のコンポーネントを提供する。特に、従来の全肩関節形成術とは異なり、逆型肩における浅窩コンポーネントを凹面というよりむしろ凸面に形成することにより、肩腱板断裂関節症(CTA)の患者に典型的に発生する上腕頭の上方移動を物理的に阻止する作用を起こさせるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件出願は、2006年3月23日出願の米国仮特許出願第60/785,664号の利益をクレームするものである。また、本件出願は、2006年5月17日出願の米国仮特許出願第60/747,492号の利益をクレームする。更に、本件出願は、2007年2月9日出願の米国仮特許出願第60/888,982号の利益をクレームするものである。上記のそれぞれの出願は、そっくりそのまま参照されて本件出願と一体化している。
【0002】
本発明の各種の実施例は、逆型肩関節形成術(例としては、逆型全肩関節形成手術)の装置と方法に関連するものである。一つの具体例としては、肩胛骨を表面再建するために使用される浅窩のコンポーネントが提供される。特に、従来の全肩関節形成術とは異なり、逆型肩における浅窩コンポーネントを凹面というよりむしろ凸面に形成することにより、肩腱板断裂関節症(CTA)の患者に典型的に発生する上腕頭の上方移動を物理的に阻止する作用を起こさせるものである。
【0003】
本発明を記述するための用語である“Equinoxe”(例として、Equinoxe逆型肩プロテーゼあるいはEquinoxe逆型肩プロテーゼのように)は、本発明にかかる実施例であることを示すためのものである。
【背景技術】
【0004】
ニールは1972年に、大規模な全層回旋筋腱板断裂から生ずる慢性/進行性の肩峰下浸食を受けた腐食性/浸食性の状態である関節窩上腕関節の関節炎を説明するために、肩腱板断裂関節症という用語を新しく作り出した。その病状は、極度の痛みとほぼ完全な機能の喪失を伴う(Neer, CS. et al. 腱板断裂関節症. JBJS. #65: 1232-1244. 1983、参照)。
【0005】
腱板断裂関節症(CTA)は、歴史的には、肩峰形成術、関節鏡視下創面切除術(創傷清拭)、腱移植、上腕骨結節形成術(humeral tuberoplasty)、関節固定術、全肩関節形成術(固定、半固定、固定無し)、双極肩関節形成術、半関節形成術、(肩峰スペーサ有り又は無し)、そしてごく最近では(成功した例として)逆型肩関節形成術で治療されている。
【0006】
逆型/反対肩は、CTA(腱板断裂関節症)を患った患者を治療するために1970年前半に最初にニールによって考え出された;特に、この装置は、上腕頭の上方移動の抵抗による痛みの軽減、進行性肩峰(progressive acROMial)・烏口骨・肩関節の浸食を阻止することを目的として提供された。これは、雄または雌のボールおよびソケット(ball and socket joint=球関節)を逆にすることにより、理論上は達成されているので、現在では浅窩コンポーネントは凸面あり、上腕骨は凹面である;そうすることで、上腕骨の上方移動を妨げる物理的な阻止が作り出される。いくつかの逆型肩構造が着想され開発されてきた:ほんの数例を挙げればフェンリン、リーヴス、ジェラルド、ケッセル、ケルベル、およびニール−アヴェリル;これらのうちのケッセル構造だけは長期転帰(前述の各々の案はその後放棄されたと信じられている)が報告されている。固定された全肩関節形成術と同様に、固定された回旋点は固定障害により浅窩に過度の回転力がかかり、最終的に緩みを引き起こしていた。
【0007】
1987年、ポール グラモンは新しい逆型肩関節の構造を採用した。それは2つのコンポーネントから成るもので:浅窩は金属またはセラミックの42mmの球体(球体の〜2/3)からなり、また、上腕骨の構成材はポリエチレンの“トランペット形”カップ(その凹面の表面は球体の〜1/3)であった;上腕骨のコンポーネントはPMMAで固着されていた。このプロテーゼの予備段階での結果は1987年に公表された(グラモン、P.M.et al.を参照、Etude et Realisation D'une Novelle Prosthese D'Paule. Rhumatologie. #39: 17-22. 1987);6か月の手法の検証の後、6人の患者(8つの肩)は全て無痛になった;しかしながら、移動度は不定であった:3人の患者の、アクティブな前方の仰角は100°−130°の間のであり、3人の患者の、アクティブな前方の仰角は60°未満であった。これらの一貫しない結果は構造の再設計を必要とした。
【0008】
1991年、グラモン逆型肩はDeltaIII逆型肩プロテーゼとして再設計され改名された。固定化された浅窩は失敗に終わった;これにより、浅窩球体の構造は固定された中央のペグおよび分岐ネジを有する構造に変更された。関節窩に接して回旋点を直接設置するために、浅窩の球体の2/3は球体の1/3のために放棄(abandoned)された;それによって、硬骨表面上の回転力が減少した。上腕骨の構成材も、固結または非固結での利用のために設計された(Boileau, P. et al. グラモン逆型プロテーゼ:構造、原理、および、生体力学. JSES Jan/Feb: 147S-161S. 2005参照)。
【0009】
このプロテーゼは、三角筋の機能に依拠していることから“Delta”と呼ばれている。Delta IIIの構造原理を以下に詳述する:
・回旋の中心は、内側にシフトされる(挙上と外転のために、より多くの三角筋繊維を招集して、三角筋をより効率的なレバーアームとする)。
・回旋の中心は、上腕骨を下げることにより遠方にシフトされる(三角筋を伸延させる)。
・固定装置のトルクを制限し、また緩みに耐えるように、浅窩球体の中心は関節窩に直接配設される。
・関節窩上腕関節の逆型凹面は、上腕頭の上方移動を阻止するめに物理的な防止部を作る;CAアーチの状態はこの構成とは無関係である。
【0010】
Deltaのこれらの理論的な生体力学の利点は、現実に認識されるようになるだろうが、その信頼性は、実証する限られた長期研究結果(5年以上)を要するため、まだ確定してない;しかしながら、 短期と中期の研究結果でも、その構造は苦痛の軽減を提供し機能を回復させる(第1に外転/内転、おび部分的な屈曲/伸展;内旋/外旋が棘下および小円筋の状態に依拠する限られた基盤上で回復する)ことを示唆する。
この点に関しては、下記を参照:
Boileau, P. et al. グラモン逆型プロテーゼ:構造、理論、および、生体力学.JSES Jan/Feb:147S-161S.2005;
Rittmeister, M. et al. リウマチ性関節炎および再構成不可能な回旋腱板障害の患者におけるグラモン逆型全肩関節形成術. JSES. Jan/Feb: 17-22. 2001;
Vanhove, B. 回旋腱板関節形成術のためのグラモンの逆型肩プロテーゼ.32 Casesの遡及的研究(Retrospective Study). Acta Orthop BeIg. #70 (3): 219-225. 2004;
Sirveaux, F. et al. 腱板の広範破壊を伴う関節窩上腕の治療におけるグラモン反転全肩関節形成術. JBJS 86-B: 388-395. 2004;
Katzer, A. 反転プラントを使用した交換肩関節形成術の後の2年の結果。整形外科学 Vol. 27, #11:1165-1167. 2004;
Walch, G. 逆型のボールおよびソケット(球関節):When is it Indicated? OrthopaedicsToday(整形外科学トゥデイ), pp. 18- 20.
【0011】
留意すべきは、Delta逆型肩は、以下を含む多くの異なるタイプの合併症に関連しており、浅窩の緩み、肩甲骨“切痕”(より記述的には下浅窩浸食と呼ばれる)、肩峰破砕、脱臼(先端からポリ(重合体=超高分子量ポリエチレン)、または上腕骨ステムからポリが挿入される)、不安定な性質、上腕骨ステム破砕、上腕骨ステムの緩み、また浅窩のネジ破砕に関連している。この点に関しては、直前の引用を参照。
【特許文献1】特開2002−301094
【特許文献2】特開2004−073854
【特許文献3】特開2004−121850
【特許文献4】特開2006−095300
【0012】
図1A〜図1Cは、本発明の一つの実施例による、逆型肩形成術(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)の3つの斜視図を示している。
【0013】
図2は、図1A〜図1Cの実施例の他の斜視図を示している。
【0014】
図3A〜図3Cは、図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の更に3つの詳細な斜視図を示している。
【0015】
図4A〜図4Dは、図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体の更に4つの詳細な斜視図を示している(この実施例の浅窩球体は38mm浅窩球体である)。
【0016】
図4E〜図4Gは、本発明の実施例に従った西洋ナシ形の例の更に3つの詳細な斜視図を示している。
【0017】
図5A〜図5Cは、図1A〜図1Cの実施例の、西洋ナシ形の浅窩プレートの3つの更なる詳細な斜視図を示す(ステムに骨が“通って成長する”ための穴が穿設されている)。
【0018】
図5D〜5Fは、本発明の実施例に従った西洋ナシ形の他の実施例の更に3つの詳細な斜視図を示している(ステムに骨が“通って成長する”ための穴が穿設されている)。
【0019】
図6は、本発明で使用されるタイプの圧縮ネジの例の斜視図を示している。
【0020】
図7A〜図7Cは、本発明で使用されるタイプの固定キャップネジの実施例の斜視図を示している。
【0021】
図7D〜図7Fは、本発明で使用されるタイプの回転定義ネジ駆動要素の例の斜視図を示している。
【0022】
図8Aと8Bは、図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の2つの図を示している(浅窩球体が透視図で示されている)。
【0023】
図9A〜図9Cは(1)図1A〜図1Cの実施例の、浅窩プレート/圧縮ネジ/固定キャップネジの組立部品(2)圧縮ネジ/固定キャップネジの詳細;そして(3)圧縮ネジ/固定キャップネジの詳細(固定キャップネジが透視図で示されている)を示している。
【0024】
図10A〜図10Cには、本発明の実施例に沿った、逆型肩上腕骨ライナーの3つの図が示されている。
【0025】
図11A〜図11Eは、本発明の実施例に沿った、逆型肩上腕骨プレートの5つの図を示している。
【0026】
図12は、2つの解剖学的研究に起因する、西洋ナシ形の浅窩のアウトラインを示す: lannotti、J.P. et al. 正常な上腕関節窩の関係。JBJ。Vol.74−A、#4:491−500 1992およびChecroun、AJ.et al. 現在の浅窩のコンポーネント構造の適合:死体解剖研究。JSES.Vol.11、#6:614−617.2002(イメージはChecrounフォーラムを補正した);
【0027】
図13は、浅窩の従来の逆型肩浅窩球体プレートの適合を示す(イメージはChecrounフォーラムおよびAJet al.を補正したもので、現在の浅窩コンポーネント構造の適合している:死体解剖研究JSES.Vol.11、#6:614−617.2002)。
【0028】
図14は、浅窩の最良品質/深淵の領域を示す(イメージはChecrounフォーラムおよびAJ.et al.を補正したもので、現在の浅窩コンポーネント構造に適合している:死体解剖研究JSES.Vol.11、#6:614−617.2002)。
【0029】
図15は、本発明の実施例で示すように空孔パターンが変更された場合のA/P骨ネジのパーチェス(purchase=てがかり)の確率(可能性)の理論的な改良を示すものである(イメージはChecrounフォーラムおよびAJ.et al.を補正したもので、現在の浅窩コンポーネント構造に適合している:死体解剖研究JSES.Vol.11、#6:614−617.2002)。
【0030】
図16A〜図16Dは、本発明の実施例によって示される逆型肩プロテーゼ(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)の4つの斜視図を示す。
【0031】
図17A〜図17Dは、図16A〜図16Dの実施例の楕円形浅窩プレートの4つの更に詳細な斜視図を示している(上方移動したステムに骨が“通って成長する”ための穴が穿設されていることが示されている)。
【0032】
図18A〜図18Dは、本発明の実施例の楕円形浅窩プレートの4つの他の例の更に詳細な斜視図を示している(“通って成長する”ための穴が穿設されている上方移動した非円筒形状のステムを示している)。
【0033】
図19A〜図19Dは、図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体の4つの更に詳細な斜視図を示している(この実施例の浅窩球体は38mm浅窩球体である)。
【0034】
図20Aおよび図20Bは、図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体/浅窩プレート組立部の2つの図を示している(ここでは、図20Bで浅窩球体の透視図が示されており、また、この実施例の浅窩球体は38mm浅窩球体である)。
【0035】
図21A〜図21Dには、本発明の実施例の楕円形浅窩球体の4つの更に詳細な斜視図が示されている(この実施例の浅窩球体は42mm浅窩球体である)。
【0036】
図22Aと図22Bは、本発明の実施例の楕円形浅窩球体/浅窩プレート組立部の2つの図を示している(ここでは、図22Bで浅窩球体の透視図が示されており、また、この実施例の浅窩球体は38mm浅窩球体である)。
【0037】
図23A〜図23Dは、本発明の実施例の浅窩球体の4つの更なる詳細な斜視図を示している(この実施例の浅窩球体は46mm浅窩球体である)。
【0038】
図24Aおよび図24Bは、本発明の実施例の浅窩球体/浅窩プレート組立部の2つの図を示している(ここで、図24Bで浅窩球体の透視図が示されており、また、この実施例の浅窩球体は42mm浅窩球体である)。
【0039】
図25は本発明で使用されるタイプの圧縮ネジの例の斜視図を示す。
【0040】
図26は、ネック角度を10°減少させると関節可動域(ROM)が下方にシフトする結果となることを実証する試験結果を示すグラフである。
【0041】
図27は、Nyffelerによる研究で議論された状態を示している。
【0042】
図28は、本発明の他の実施例による浅窩プレートの数々の図を示している。
【0043】
図29は、4つの異なった浅窩球体の位置が検査された臨床効果のNyffelerによる研究から補正されたイメージを示している。
【0044】
図30Aおよび図30Bは、本発明の他の実施例を示すものであり、従来の釘固定浅窩を変換または補正可能にする構造の浅窩プレートの空孔位置に関するものである。
【0045】
図31Aおよび図31Bは、本発明のさらに他の実施例を示すものであり、従来の竜骨(keeled)浅窩を変換または補正可能にする構造の浅窩プレートの空孔位置に関するものである。
【0046】
図32は、前部/後部の浅窩球体フラット面(flats)に関する本発明の別の実施例を示すものである。
【0047】
図33は、骨保持器(cage)に関する本発明の他の実施例を示すものである。
【0048】
図34は、下方と上方における衝突の定義に関する略図を示している。
【0049】
図35は、ジャンプディスタンス(jump distance)の定義に関連する略図を示している。
【0050】
図36は、オフセットの定義に関する図を示している。
【0051】
図37は、上腕骨に対する制約の定義に関する図を示している。
【0052】
図38は、典型的なグラモント逆型肩のROM(間接可動域)に関する図を示している。
【0053】
図39は、ROMおよびジャンプディスタンス(jump distance)の上腕骨のネック角度に関するグラフを示している。
【0054】
図40は、衝突点における上腕骨ネック角度の変化による効果を示した図である(右から3番目の網掛け部は、典型的なグラモン構造を表わしている)。
【0055】
図41は、ROMに対する上腕骨の制限による効果を示した図である(中央の網掛け部は、典型的なグラモン構造を表わしている)。
【0056】
図42は、ROMの浅窩球体の厚さの変化による効果を示した図である(中央の網掛け部は、典型的なグラモン構造を表わしている)。
【0057】
図43は、ジャンプディスタンスの浅窩球体の直径の変化による効果を示した図である(左から2番目の網掛け部は、典型的なグラモン構造を表わしている)。
【0058】
図44は、肩甲骨ステムがニュートラルポジションにある時の下方衝突の程度が描かれているのNyffelerによる研究のイメージが示されている。
【0059】
図45は、逆型肩プロテーゼの別の実施例を示している。
【0060】
図46は、逆型浅窩プレート構造の別の実施例を示している。
【0061】
図47は、逆型浅窩球体構造の別の実施例を示している。
【0062】
図48は、逆型上腕骨プレート構造の他の実施例を示している。
【0063】
図49は、逆型上腕骨ライナーの他の実施例を示している。
【0064】
図50は、逆トルクの定められたネジ駆動部材の構造の別の実施例を示している。
【0065】
図51は、圧縮ねじ構造の別の具体例を示している。
【0066】
図52は、逆型肩浅窩球体の固定ネジ構造の別の実施例を示している(ネジ山は図の中に示されていない)。
【0067】
図53は、固定キャップの構造の別の実施例を示している。
【0068】
図54は、下位の明確な衝突点に関する図が示されている。
【0069】
図55は、上方の明確な衝突点に関する図が示されている。
【0070】
図56は、逆型肩プロテーゼの別の実施例に関するROMが示されている。
【0071】
図57は、本発明の実施例および典型的なグラモン逆型肩プロテーゼのジャンプディスタンス(jump distance)と外転/内転の比較に関するグラフを示している。
【0072】
図58は、本発明の実施例および典型的なグラモン逆型肩プロテーゼのためのROMの比較の表を示している。
【0073】
開示されたこれらの利点および改良点の中にあって、本発明の他の目的および効果は、以下の記載ならびに添付図面を参照することにより明確にされるであろう。図面は、この明細書の一部を構成するもので、本発明の実施態様を含んでおり、また様々な目的および特徴を含むものである。
【発明の開示】
【0074】
本発明の詳細な実施例をここに開示する;当然のことながら、開示された実施例は、様々な形式で実施されるかもしれない発明の単なる例証にすぎないものである。更に、発明の各種の実施例に関する例示は、単なる例証が目的であって、限定するものではない。また、図は必ずしも縮尺通りではなく、いくつかは特定のコンポーネントの詳細を示すために拡大誇張されている場合がある。したがって、ここに開示された特定の構造と機能の詳細は制限としてではなく、単に本発明を当業者が様々に利用出来るように教示するための代表的な基礎と理解されるものである。
【0075】
本発明の各種の実施例は、逆型肩プロテーゼを対象にする前記発明の利益のいくつか又は全てを取り入れたDelta逆型肩構造に関連するものであることに留意されたい(さらに観察された合併症の数および割合を最小限にすることを目的としている)。本発明の各種の実施例が包含している利点としては(これに限定するものではないが):1)筋肉効率を高めるための延長/引張三角筋;2)有効なモーメントアームを最小限にするために、関節窩上で回旋点を維持する;および/または、3)上腕頭の上方移動を妨げる物理的な阻害を引き起こさないように自然体の関節(ナチュラルジョイント)の窩を逆型に形成することにある。本発明の各種の実施例が最小限にする合併症として含んでいるものは(これに限定するものではないが):1)肩甲骨切痕および脱臼発生率の度合いを減少するために衝突を除去する;2)固定可能ポイントの数を増加することにより浅窩の固定を改善し、固定の可能性が最大化する様に固定ポイントの位置を調整し(例として、自然体浅窩の中の最良の質/深淵の骨の部位に対応するように、固定ポイントを配置する)、全てのネジが、いかなる方向にも配向/角度調節できることを可能にする(ねじパーチェス(purchase=てがかり)の向上)、そして/または、いかなる圧縮ネジも(その角度方向にかかわらず)固定ネジに変えることを可能にする(ネジの緩み脱落を防止する);3)解剖的に形成された浅窩プレートの使用を通じて応力転移を改善することにより、浅窩の骨溶解を縮小する(例として、解剖学的プレートは浅窩のATP側への突出を制限する)。また、4)より大きな直径の浅窩球体の使用を可能にすることにより、安定性とROMを改善する(本発明の特定の実施例では、典型的なグラモント設計で要求されるような近接する上腕骨基部の拡孔を必要としていない)、しばしば、近接する上腕骨は、配置することが出来るHnerの最大サイズの浅窩球体によってサイズが確定していた。
【0076】
図1A〜図1Cおよび図2を参照すると、本発明の実施例の組み立てられた構造100についての各種の図が示されている。このコンポーネントの構造は、次のものからなる:上腕骨ステム102(圧入あるいは接着という態様が用いられることもあり、例えばチタン製のこともある);上腕骨ライナー104(凸面の浅窩球体と接合する凹面のコンポーネントであり、この要素は、例えばUHMWPE(超高分子量ポリエチレン)からなることがある);上腕骨のアダプター板106(上腕骨のステムに上腕骨ライナーを接続するものであり、この要素はチタンで構成される場合がある);浅窩球体108(この要素は、例として、コバルト・クロムで構成される場合がある);西洋ナシ形の浅窩プレート110(この要素は、例として、チタンで構成される場合がある);また、個々のコンポーネント相互の組立て、または自然体の骨に構築する組立てのための複数のネジと固定装置(これらの要素は、例としてチタンで構成される場合がある)からなる。特記すべき点として、この実施例の浅窩プレートは西洋ナシ形からなる。
【0077】
図3A〜図3Cを参照すると、図1A〜図1Cの浅窩球体/浅窩プレート組立て部品の更に詳細な図が示されている(これらの図ではステム112が明確に表れている)。
【0078】
図4A〜図4Dを参照すると、図1A〜図1Cと図2の浅窩球体の更なる詳細な図が示されている(ここでは、浅窩球体は重量削減のために空洞とされることがある事が認められる)。
【0079】
図4E〜図4Gを参照すると、別の浅窩球体の更なる詳細な図が示されている(ここでも、浅窩球体は重量削減のために空洞とされることがある事が認められる)。
【0080】
図5A〜図5Cを参照すると、図1A〜図1Cと図2の西洋ナシ形浅窩プレートの更に詳細な図が示されている。ここでは、注目すべきいくつかの特徴があり:1)プレートの背面にある6つのネジ穴と、;2)プレートの前面および/または保持(cage)ステムの底面から、骨移植片を注入(例えば、注射器によって)可能とする、骨が“通って成長する”("through-growth") 保持(cage)ステムとからなる。
【0081】
図5D〜図5Fを参照すると、別の例における西洋ナシ形浅窩プレートである110Aの詳細な図が示されている。
【0082】
図6を参照すると、本発明の実施例である圧縮ネジ114が示されている(留意すべきは、浅窩プレート110の中でネジが、いかなる好ましい方向のいかなる角度にも固定装着できる(例えば、17.5°まで)ことを可能にする球状のヘッドであり−1つの具体的な例では、浅窩プレート110の穴は対応する凹面に形成されている場合もある)。
【0083】
図7A〜図7Cを参照すると、本発明の実施例による固定キャップネジ116が示されている(固定キャップネジは、圧縮ネジが緩んで脱落する(backing out)のを防ぐために、および/または、圧縮ネジを希望の角度方向に固定装着するために、圧縮ネジの上から浅窩プレートの中にねじ込まれる−図8A、8B、または、図9A〜9Cを参照)。さらに図7D〜7Fは、本発明に利用されるトルクの定められたネジ駆動部材118を図示している(例えば、所定のトルクで、ネジおよび/または固定キャップを駆動する(例えば、所定のトルクがかかった時には中断する(破壊する))。
【0084】
特に図8Aおよび図8Bを参照すると、更に詳細な図では、どのようにして圧縮ネジ114と固定キャップ116が浅窩プレート110と結合するかが開示されている。また、図8Aおよび図8Bでは、どのようにして浅窩球体108(透視図で描かれている)が取付ボルト118を用いて浅窩プレート110に取付けられるかを示している。図9A〜図9Cでは、圧縮ネジ114および固定キャップネジ116と浅窩プレート110との関係を更に明確にしている。これらの図9A〜図9Cでは、圧縮ネジ114と固定キャップネジ116の間の球状関節についても詳述しており−角度方向と関係無く圧縮ネジ114を固定することが可能な特徴を示している。
【0085】
図10A〜10Cを参照すると、図1A〜1Cおよび図2の上腕骨ライナー104を3つの図で示している。
【0086】
図11A〜11Eを参照すると、図1A〜1Cおよび図2の上腕骨プレート106を5つの図で示している。
【0087】
図16A〜16Dを参照すると、本発明の実施例によって取付けられた構成物1600の各種の図が示されている。この構成物のコンポーネントとしては:上腕骨ステム1602(例えば、圧入あるいは接着された態様のものが用いられ、チタンで構成される場合もある);上腕骨ライナー1604(凸面の浅窩球体と接合する凹面のコンポーネントで、この構成要素は、例えばUHMWPE(超高分子量ポリエチレン)で形成される場合もある);上腕骨アダプタープレート1606(上腕骨ステムに上腕骨ライナーを結合するもので、例えば、この構成要素はチタンで形成される事もある);浅窩球体1608(この構成要素は、例えば、コバルト・クロムで形成されることもある);楕円形浅窩プレート1610(この構成要素は、例えば、チタンで形成される事もある);個々のコンポーネント相互の組立て、または自然体の骨を構築するための複数のネジと固定装置(これらの要素は、例えばチタンで形成される事もある)。この実施例の浅窩プレート1610は楕円形状であることに留意されたい。
【0088】
図17A〜図17Dを参照すると、図16A〜図16Dの楕円形浅窩プレートの更に詳細な図が示されている(これらの図には、ステム1612が明確に現れている)。
【0089】
図18A〜図18Dを参照すると、楕円形浅窩プレート1610Aの別の実施例の更に詳細な図が開示されている(これらの図では、ステム1612Aは非円筒形である)。
【0090】
図19A〜図19Dを参照すると、図16A〜図16Dの浅窩球体の更に詳細な図が開示されている(留意すべき事項として、浅窩球体は重量削減のために空洞になっている場合がある)。
【0091】
図20A〜図20Bを参照すると、図16A〜図16Dの浅窩プレート/浅窩球体の組立部品の更に詳細な図が開示されている(図20Bの浅窩球体は透視図で示されている)。
【0092】
図21A〜図21Dを参照すると、浅窩球体の他の実施例の更に詳細な図が開示されている。
【0093】
図22A〜図22Bを参照すると、浅窩プレート/浅窩球体の組立部品の他の実施例の更に詳細な図が開示されている(図22Bの浅窩球体は透視図で示されている)。
【0094】
図23A〜図23Dを参照すると、浅窩球体の他の実施例の更に詳細な図が開示されている。
【0095】
図24A〜図24Bを参照すると、浅窩プレート/浅窩球体の組立部品の実施例の更になる詳細な図が示されている(図24Bの浅窩球体は透視図で示されている)。
【0096】
図25には、本発明の実施例による圧縮ネジ1614が示されている(留意すべきは、浅窩プレート110の中でネジが、いかなる望ましい方向のいかなる角度にも固定装着できる(例として、17.5°まで)ことを可能にする球状のヘッドであり−1つの具体例では、浅窩プレート110の穴は対応する凹面に形成されている場合もある)。
【0097】
もちろん、各種の形状、大きさ、材質(但し、限定されるものではない)からなる、本発明を含んだ別のコンポーネント、および/または、本発明の他の実施例があることは留意されるべきである。例えば(実施例は例示の目的であって限定するものではない)、上腕骨ライナーと浅窩球体の材質は逆転させることが可能である(逆型構造は典型的には金属の浅窩球体/浅窩プレートおよびプラスチックの上腕骨ライナー−代替の実施例は金属の上腕骨ライナーおよびプラスチックの浅窩球体から構成される)−それにより、自然体の浅窩骨に周期的に課される重量を理論的に減少することが可能である(より重い金属コンポーネントを除去することにより)。多数の必要とされる金属ネジおよび固定部品の除去により、また、装置のコストを削減になるであろう。別の実施例でも(その実施例は例示の目的であって限定するものではない)、浅窩球体および浅窩プレートの両方がプラスチックで製造された場合、この装置は、接合されたアプリケーションのみで使用できる可能性があり、−従来の肩関節形成術において標準治療として示されたアプリケーションとみられる。反対に、同じ素材から上腕骨ライナーおよび浅窩球体/プレートの両方を製造することもできるが、それにより、金属同士(あるいはセラミック同士)の関節構成を実現することが可能である(臀部関節形成術のアプリケーションにおいて、磨耗が少なく、または結果として骨溶解の事故が低減することが示されている)。また別の実施例において(その実施例も例示することが目的であって限定するものではない)、 浅窩プレート構造は、中央に保持(cage)ステムを備えるより、中央ネジを備える場合がある(中央ネジ孔は、中心骨欠陥が存在する時に有利になり得る;ネジは、ネジのパーチェス(purchase=てがかり)が得られるのを確保するために、様々な方向に配向することが可能である。
【0098】
本発明の実施例は、先行技術に対して多くの利点があり−これらの利点のうちのいくつかは既述の通りである。図12〜図15においては、−これらの利点のうちのいくつかにつていて更に詳述する。
【0099】
更に詳細には、図12は、2つの異なった解剖学的研究の結果を要約している(Iannotti、J.P. et al.を参照、正常な上腕関節窩の関係。JBJS。Vol.74-A(#4):491-500.1992年およびChecroun(AJ) その他、現在の浅窩のコンポーネント構造に適合する:解剖の死骸研究。JSES。11 Vol.、#6:614-617.2002)。−これらの各々の研究は、浅窩は下方において上方より広く、そして、西洋ナシまたは逆コンマ形状の特徴を備えていることを実証している。
【0100】
更に、図13は、典型的な関節窩上の従来のグラモンスタイル浅窩プレートの適合を図で示している;ネジ孔の典型的な4分円の位置が、肩胛骨の前部と後部の傾斜により理想的ではないと考えられていた−この傾斜は、それらの位置で薄い骨基底部となった(this slope results in a thin base of bone in these locations)。
【0101】
更に図14は、自然体の浅窩の中での最良の質/骨の深淵の領域を図で例証している。
【0102】
最後に、図15は、本発明の実施例に利用されているネジ孔位置の原理を図で示している。
【0103】
他の実施例(実施例は例示することが目的であって限定するものではない)では、本発明は以下のように構成されるであろう:
【0104】
・逆型肩浅窩プレート
・素材:Wrought Ti−6Al−4Vから機械加工される
・領域:1サイズ(38、42、46mmの浅窩球体が利用される)
・次元/特性:直径29mm、漸減5mm、長さ20mmの長さの骨が“通って成長する”) 保持(cage)、各ネジ孔は、圧縮ねじが15°の角度であることを可能にする球状の基部を備えており、各空孔は、さらに固定キャッチネジのためのネジ切り部を備えている。
【0105】
・逆型肩浅窩球体
・素材:鋳造Co−Crから機械加工される
・領域:3サイズ(直径および厚さ38/22mm、42/24mm、および46/26mm)
・次元/特性:浅窩球体は重量を減少するために空洞にしてある
【0106】
・逆型肩上腕骨ライナー
・素材:圧縮成形されたUHMWPE(超高分子量ポリエチレン)バー(改良されたポリ:GXL(プロクセル)の結合)から機械加工される)
・領域:3つの直径(38、42、46mmライナー);複数のオフセット
・次元/特性:回転安定性のために構成された上腕骨のプレートへの接合(例えば“キノコ型”または他の非円形形状)
【0107】
・逆型肩上腕骨プレート
・素材:Wrought Ti−6A1−4V から機械加工される
・領域:3サイズ(38、42、46mm)
・次元/特性: 回転安定性のために構成されたライナーへの接合(例えば“キノコ型”または他の非円形形状);回転安定性のために、雄ピンが上腕骨ステムに接合される。
【0108】
・逆型肩圧縮ネジ
・素材:Ti−6Al−4VまたはSS合金から機械加工される
・領域:多数の長さにおける1つの直径(4.0mm)
・次元/特性:可変な角度で装着するための球状のヘッド(例えば、最大で15°まで);カニューレが挿入された
【0109】
・逆型肩固定キャップネジ
・素材:Ti−6Al−4VまたはSS合金から機械加工される
・領域:1つのサイズ(長さ〜9mm、幅8mm)
・次元/特性:任意の角度で浅窩プレートへ圧縮ネジを固定する;カニューレが挿入された;浅窩球体の空洞になっている空間に適合する
【0110】
・浅窩球体固定ネジ
・素材:Ti−6Al−4VまたはSS合金から機械加工される
・領域:1つのサイズ(長さ〜25mm、幅4mm)
・次元/特性: 浅窩プレートに浅窩球体を固定する
【0111】
・逆型肩回転トルクの定められたネジ駆動部材
・素材:Wrought Ti−6A1−4Vしたから機械加工される;UHMWPE(超高分子量ポリエチレン)プラグ
・領域:1つのサイズ(必要に応じた最小の断面)
・次元/特性:破砕(fracture)の後に正方形ヘッドを保持するためにポリ・プラグを利用する構成
【0112】
別の実施例によれば(実施例は例示することが目的であって限定するものではない)本発明は以下の条件を満たすものである:
【0113】
逆型プロテーゼは、一次システム(primary system)と一体化する場合があり−補正のために一次ステムを保持する可能性がある(逆型肩の〜30%が補正として埋め込まれるので、その方が有益となる)。 更に、プロテーゼは、既存の上腕骨インプラントの器具(inventory)、既存の上腕骨器具類、または、同様の外科技術(すなわち、132.5°の上腕骨切断術を維持してもよい)を使用することもできる。
【0114】
ROM(関節可動域)の研究(以下に示す表1参照)で述べたように、逆型プロテーゼは、ROMの16.7%〜18.9%の増加と関係している可能性がある(従来のグラモントプロテーゼとの比較において)。
【0115】
ROM(関節可動域)の研究(以下に示す表1参照)で詳述したように、ネック角度を155℃から145℃への減少(従来のグラモン設計と比較して)と、上腕骨ライナーのサイズの増加(ライナーが近接する上腕骨から取り出されるかもしれないので)の結果として、逆型プロテーゼは、肩甲骨の切痕(すなわち、肩甲骨上の上腕骨の中間/下方での衝突)の発生率を減少させることに関連している可能性がある。
【0116】
逆型プロテーゼは、実証された従来のグラモンスタイル浅窩球体/ネジ/ベースプレート構造を利用することにより浅窩球体の緩みの低い発生率を維持することが出来る(註:浅窩球体構造は重量を削減するために空洞にしている場合がある)。
【0117】
浅窩プレートは、固定を増強するために、骨がそこを”通って成長する”("through-growth") 保持(cage)構造を利用する。
【0118】
浅窩プレートは、骨ネジのパーチェス(purchase=てがかり)を最大限にするたに任意の4つの空孔への圧縮ネジ(すなわち、最大で15°までの角度変化)の挿入を可能にする。
【0119】
浅窩プレートは、任意の圧縮ネジに取り付ける事が出来る固定キャップネジを使用することによって、各々のネジを固定/圧縮ネジとして利用することが可能となる。
【0120】
上腕骨ライナーは結合GXL(すなわち、強化ポリ)で製造され、また、上腕骨ライナーを上腕骨プレートへ取り付ける“マッシュルーム”頂点ロッキング機構を利用することができる(そのような実施例の上腕骨ライナーを示す図である10A〜10Cの3つの図、および、そのような実施例の上腕骨プレートを示す図である11A〜11Eの5つの図を参照とする)−これにより、上腕骨ライナーの磨耗と分離が低い発生率となることが期待できる。
表1−型肩ROM(関節可動域)の比較
【表1】
【0121】
本発明の別の実施例は、従来のグラモン逆型肩構造に備わっている多くのまたは全ての前述の利益を組入れた逆型肩プロテーゼとその移植方法に関するものであって、同時に、観察された合併症の数と率を最小限にするとともに、移植の方法に関連する他の関心分野の解決に取り組んでいる。関連する歴史的な利点は次のものを含んでいる(しかし限定されるものではない):1)筋肉効率を高めるための延長/引張三角筋;2)有効なモーメントアームを最小限にするための関節窩上(または近く)での回旋点の維持;および/または、3)上腕頭上方移動を防ぐ物理的な阻止を引き起こさないためのナチュラルジョイント(自然関節)くぼみの逆転。最小限にされた合併症/その関連(concerns)として次のものを含んでいる(ただし限定するものではない):1)衝突の発生率の減少;2)肩甲骨切痕の発生率の減少;3)安定性の向上;4)脱臼の発生率の減少;5)浅窩固定の向上;6)骨の保護;および/または、7)半分または全部の肩の逆型肩への変換のよりよい促進。前述の併発症/その関連を解決する、各々の創造の特徴の詳細な説明を以下に開示する。
【0122】
衝突および肩甲骨切痕の発生率を減少させるため、逆型肩コンポーネントのネック角度を155°(従来のグラモン逆型プロテーゼのネック角度、および、基本的に市場における全ての後発の逆型肩プロテーゼ)から145°に縮小させる。実験は、ネック角度における10°の減少が、関節可動域(ROM)での下方移動をもたらすことをを実証した(図26参照)...この下方移動は、患者の日常生活(ADL)によりよい整合調整をもたらすROMを提供した。ROMの下方移動の必要性を示す証拠は、従来のグラモン構造が16°の外転で下方衝突を伴うことをX線写真テンプレートにより証明したDe Wildeの研究によって客観的に実証された。(De Wilde, L. et al. 腱板断裂関節症を治療の肩プロテーゼ:相対的な生体力学的研究JOR22:1222−1230.2004を参照)。この構造欠陥の追加証拠は、4つの異なる状態で肩甲骨切痕の発生率を比較した、Nyffelerの研究で書面により証明された(Nyffeler、R. その他、逆型のDeltaIII全肩プロテーゼにおける浅窩のコンポーネントの位置調整の生体力学的な関連性を参照。JSES−Vol.14,#5:524−528.2005)。図27に表されているように、1)浅窩球体が、浅窩の中心に位置するとき;2)浅窩が、下方の浅窩の縁に位置するとき;3)浅窩球体が、下方に2〜4mm突出したとき;また、4)浅窩球体が、下方に15°傾いて肩甲骨ネックと同一平面であるとき。Nyffelerは、下方に2〜4mm突出した浅窩球体は、(下方衝突が減少した結果として)外転/内転のROM(関節可動域)の著しい改善に関連していると結論を下した。
【0123】
留意されるべきは、Nyffeler研究の浅窩球体の状態2〜4は、製造業者に承認された技術である[状態1]の手術的矯正法であると考えられていた−これらの改良は、特に前述の構造欠陥の解決に取り組むのに必要であると考えられていた。下方に突出するように浅窩球体を配置することに利益があるかもしれない、しかしながら、浅窩球体を下方に配置することにより、数々の新たな問題を提起することとなるであろうことに留意すべきである−中心骨欠陥の存在において、もっとも顕著なのは、一般的である全肩から逆型肩への変換の際である(典型的な逆型構造で下方浅窩球体の突出を得るには、浅窩の下方部分に空孔が掘削される必要があり、付加的な浅窩骨の除去を伴う)。これだけの必要とされる浅窩骨を保持するために、本発明の1つの実施例は、その中央ステムが上方に4mm移動されている浅窩プレートを利用する−外科医が全肩関節形成術のために行なわれるのと同様に、逆型(逆型肩reverse)を備えた従来の外科的技術を維持することを可能にする(つまり、不具合が生じるであろう浅窩の中央に空孔を切削する;それにより、骨を保持する)。技術的見地から、空孔は浅窩の中心に空孔に掘削され、浅窩骨はリーマ仕上され、また、プレートの下位の端が、自然体の浅窩骨の下位の端において同一平面上に位置するように、浅窩プレートは挿入されネジで固定される。上方移動ステムの更なる利点は、浅窩球体の固定ネジ孔がもはや浅窩球体の先端(一般的に負荷がかかっている領域)に位置しないということである−代わりに、それは、一般に負荷のかかっていない領域に上方移動させられる(それは、浅窩プレート上の上方移動させられたステムの位置と対応している)。
【0124】
安定性を高め、かつ脱臼の発生率を減少させるために、近接する上腕骨が浅窩球体のサイズの確保のために使用されないように、1つの実施例では、上腕骨ライナーが近接する上腕骨から取出され(brought out)れた。この特徴は多くの理由で有利である(少しは含まれるが、制限するものではない):1)隣接面のリーマ仕上げが必要とされないので、近接する上腕骨は保持され、そして、2)浅窩球体のサイズは、(近接する上腕骨に設置されるライナーのサイズで決められるよりむしろ)自然体の浅窩骨のサイズにより確保することが可能である−研究は、浅窩球体の直径の増加によりROMと安定性が向上することを実証した。この特徴は、半分(hemi)および/または全部の肩から逆型(逆型肩)への転換を促進し(または、その逆も同様に:逆型(逆型肩)から半分および/または全部へ)この逆型構造は、半分および/または全部の肩関節形成のために使われるものと同じ上腕骨ステムが利用できる(つまり、外科医は、逆型肩へと転換するために、良く固定された上腕骨ステムを除去しなくてよい)。この実施例では、半分(hemi)および/または全部の肩のために利用されたものと同じ上腕骨ネックカットを保持する点が留意されるべきである(つまり、上腕骨のヘッドは上腕骨解剖頚において、または、上腕骨解剖頚の辺りで切除される)。他のシステムでは、典型的に、半分および/または全部の肩関節形成のために、利用されたものとは異なる位置で切除することが必要である。
【0125】
脱臼の発生率を減少させる追加の実施例は、患者の三角筋の長さに応じたサイズの、浅窩球体および上腕骨コンポーネントに接続されたテンションバンドの使用を含む。十分な安定性を達成するために三角筋に対応して適切に伸ばしたとき、バンドは、縮小を試行する間に壊れるかもしれない。De Wildeによる2つの研究(De Wilde, L. et al. 腱板断裂関節症を治療する肩プロテーゼ:相対的な生体力学的研究JOR22:1222−1230 2004;De Wilde, L. et al. 腫瘍外科手術における近接上腕骨復元のための逆型プロテーゼの後の機能的回復CORR.#430:156−162.2005を参照)は、三角筋の長さとして10〜20%増しが適切であると示唆している。
【0126】
1つの実施例では、浅窩球体および上腕骨の大きさの範囲を38mm〜46mmに増加している(競合する構造が提供する大きさの範囲との対比では:この技術を利用しない場合は34mm〜42mmとなる)。これらの大きな浅窩球体を実現するために、浅窩球体の前部と後部の側面は面取りされる;それによって、いかなる余分な浅窩も除去をせずに、切除した表面上の創傷部分への挿入および同一平面上に位置することを可能にする。それぞれの浅窩球体の内部形態は、重量削減のために空洞になっており、それによって、疲労を起因とする骨折の発生を最小限にしている。ROMを増加させ、かつ安定性を高めるために、各浅窩球体は、拡張関節面(例えば、180°より大きな弧−図32参照)としている。
【0127】
浅窩の固定を促進するために、この発明では骨がそこを”通って成長する”("through-growth")骨片移植のできる浅窩プレートステムを利用する。骨片移植は、ネジでプレートに固定される前および/または後にステムの中に注入される(例えば、プレートの上端から注射器で移植片を注入する)。骨がそこを”通って成長する”("through-growth")固定ステムは、円筒形状(例えば、ペグ浅窩を修正したもの)または、非円筒形状(例えば、竜骨浅窩の修正したもの)であってもよい。浅窩プレートの形状または外形の変更は、浅窩固定もまた改善する;1つの実施例では、発明者はプレートの構造を従来の(市場において、他の従来の構造として利用されている)グラモンスタイル円形構造から(より正確に肩甲骨の生体構造(anatomy)を反映した)西洋ナシ/楕円形構造に変更した。そうすることより、固定に利用可能な浅窩ネジ孔の数の増加により浅窩の固定を改善することができる(例えば、4から6への増加)また、ネジ孔の配置の改善により、固定の可能性を最大限にする(つまり、各々のネジ孔は最良の質/深淵な骨の領域に応じて配置される)。
図12〜図15は、さらにこれらの利点の詳細な説明である。更に詳しくは:図12は、2つの異なる解剖学的研究の結果を要約する(lannotti, J.P. et al. 通常の関節窩上腕の関係 JBJS. Vol. 74-A, #4: 491- 500. 1992; Checroun, AJ. et al. 現在の浅窩コンポーネント構造の噛合い(適合=fit of):解剖学的死体研究. JSES. Vol. 11, #6: 614-617. 2002);これらの各々の研究は、浅窩は下方において上方より広く、そして、西洋ナシまたは“逆型コンマ”形状であるという特徴を備えていることを実証している。
図13は、代表的な関節窩における典型的なグラモンスタイル浅窩プレートの噛合い(適合=fit of)を図で示している;ネジ孔の典型的な四分円の位置が、肩胛骨の前部と後部の傾斜により理想的ではないと考えられていた−この傾斜は、それらの位置で薄い骨基底部となった(this slope results in a thin base of bone in these locations)。
図14は、従来の浅窩における最良品質/深淵な骨の領域を図で示している。最後に図15は、本発明の実施例に利用されているネジ孔位置の理論的根拠を図で示している。
【0128】
浅窩プレートは、更に、浅窩骨の保持および/または固定の改善に作用する他のいくつかの特徴を兼ね備えている。浅窩プレートは、移植のために除去される骨の量を最小限にするために湾曲背後部(curved-back)を持っている(平面後背部の浅窩プレート構造との比較では、自然体の浅窩骨もまた湾曲している)。さらに、浅窩プレートの1または1つ以上のネジ孔が、球状ヘッドの雄圧縮ネジと接合(螺合)する、雌の球状の特徴を備えている。そうすることにより、各々の圧縮ネジを任意の角度/配置にすることを可能にする−その結果、ネジのパーチェス(purchase=てがかり)の可能性が向上する。更に、浅窩プレートの1または1つ以上のネジ孔が、固定キャップ接合のためのネジ山の付いた特徴を備えている−このキャップネジは、球状ヘッドの圧縮ネジを押し込む雌球状の特徴を備えており;その結果、ネジは骨の中に挿入され、どのような角度/配置でもプレートにそれを固定できる(緩みによる脱落(backing out)を阻止する)。
【0129】
本発明の実施例による逆型構造の様々な詳細が、ここに示されている。図16A〜16Dは、逆型肩プロテーゼの例の、組立てられた構造を図示している。この構造のコンポーネントは、上腕骨ステム(例えば、圧入あるいは接着された態様で用いられ、チタンで形成される事がある)、上腕骨ライナー(凸面の浅窩球体と接合する凹面のコンポーネント;UHMWPE(超高分子量ポリエチレン)で形成される)、上腕骨のアダプター板(上腕骨ライナーを上腕骨ステムに接続する;チタンで形成される場合がある)、浅窩球体(コバルト・クロムで形成される場合がある)、浅窩プレート(チタンで形成される場合がある)、と、個々のコンポーネント相互の組立て、または自然体の骨に構築する組立てのための複数のネジと固定装置(全てがチタンで形成される場合がある)、とからなる。図17A〜17Dは、浅窩プレート構造の例を図示しており(いくつかの留意すべきする特徴として:1)プレートの背面の6つのネジ穴、2)骨がそれを”通って成長する”(through-growth) 保持(cage)ステムであって骨移植片を(例えば、注射器によって)注入可能にしたプレートの前面および/または、保持(cage)ステムの底面に孔があること。)図18A〜18Dおよび図5D〜図5Fは、2つの他の実施例における浅窩プレート構造を図示している(湾曲背後部(curved-back)の浅窩プレートであること)。図25は圧縮ネジの例を図示している(ネジが、いかなる望ましい方向にも角度配置されることを可能にする球状のヘッドである)。
【0130】
上記のように、逆型肩構造の様々な実施例は以下を含む(しかし、限定されるものではない):上方移動した浅窩プレートステム;非円筒形状浅窩プレートステム;固定を向上させる楕円/洋ナシ形状浅窩プレート;155°ではない上腕骨ネック角度;拡張関節面の浅窩球体;および/または、三角筋の張力(伸度)を測るテンションバンド(張力帯);逆型肩ポロテーゼに使用される、骨がそれに”通って成長する”(through-growth) 保持(cage)。
【0131】
ここで述べるように、本発明の1つの実施例は、上方移動された浅窩プレートステムに関連するものである(例えば、他の図とともに図28を参照する)。この点で、下方に突出した浅窩球体は、より少ない肩甲骨切痕みおよび良い臨床結果となっている(Nyffelerによる臨床観察に基づく―図29の左から3番目の図(4つの異なる浅窩球体の位置による臨床効果が検査されたNyffelerの研究からの補正画像)に基づく)。
しかしながら、主に、中心骨に欠陥が存在することが多く(浅窩が除去された結果として)全肩を逆型肩へ変換する場合においては、浅窩球体を下方に位置させることは、数々の新たな問題を提起することになる。他の逆型構造でも下方浅窩球体突出を得るためには、通常は浅窩の下方部分に空孔を掘削する必要があり、それが付加的な浅窩骨の除去を引き起こす。
必要とされるだけの浅窩骨を保持するために、本発明の1つの実施例に関連する浅窩プレートは中央ステムが上方移動するように構成されている(例えば、4mm)−外科医が全肩関節形成術のために行なうのと同様に、逆型(逆型肩reverse)を備えた従来の外科的技術を維持することを可能にする(つまり、欠陥の生じるであろう浅窩の中央に空孔を切削し;これによって骨を維持する)。さらに、他の下方孔の構造の浅窩プレートでは(典型的に、下方肩甲骨ネックに沿ってネジの挿入を可能にするために、下方の角度になっており)、典型的に、下方の肩甲骨ネックに沿ってネジの挿入を可能にするため、もはや正確な位置にはない。
【0132】
ここで更に述べるのは本発明の別の実施例であり、従来のペグおよび竜骨(peg and keel)浅窩の転換を可能にする構造の浅窩プレート空孔の位置に関するものである。補正されたペグ浅窩の場合では、この実施例の浅窩プレートの中央ペグは、除去された浅窩の中央ペグによって残された中心骨の欠陥を充填するように設計されている。
図30Aおよび図30Bで図示されるように、上方の前部/後部の一対のネジ孔は、補正して固定された(pegged)浅窩の中で、骨が除去されていない位置に配置される;この特性を使用して、適宜の固定が実現される。特に、±10°の角度の圧縮ネジが利用された時には、傾けられた下方の空孔および上方の空孔もまた、十分な固定に寄与する。補正された竜骨(keeled)浅窩の場合には、この実施例の浅窩プレートの中央ステムは、除去された竜骨(keeled)浅窩によって起きた中心骨欠陥を部分的充填するように設計されている;欠陥を完全に充填するために移植片が使用される場合がある−この実施例では、前部から注入されている(後述の考察参照)。
図31Aおよび31Bで図示されているように、2つ前部の/後部の空孔は、竜骨(keeled)浅窩の補正では骨が除去されていない位置に配置される;この特性を使用し、十分な固定が実現された。補正した固定された(pegged)浅窩において、斜めの下方空孔および上方空孔もまた、十分な固定を実現した、特に、±10°の角度の圧縮ネジが利用された場面において。
【0133】
ここで更に述べるように、本発明の別の実施例は、前部の/後部の浅窩球体フラット面(flats)と関連がある(例として、他の図とともに図32を参照)。
【0134】
ここで更に述べるように、本発明の別の実施例は、ROMを向上させるための拡張関節面と関連する(つまり、180°より大きい関節面−例えば、他の図と同様に図32を参照)。
【0135】
安定性を高め、かつ脱臼の発生率を減少させるため、近接の上腕骨がもはや浅窩球体のサイズを決定するために使用されないように、この実施例に置いて上腕骨ライナーは近接上腕骨から取り出された(従来のグラモン構造の場合のように)。この構成の特徴は多くの理由で有利である:1)隣接面のリーマ仕上げが必要とされないので、近接上腕骨は保持される、そして、2)浅窩球体のサイズは、自然体の浅窩骨のサイズにより確定することが可能である(近接上腕骨に設置されたライナーのサイズから決まるよりもむしろ)。
研究では、この実施例による大きな直径によって、向上したROMと安定性が実現できることを実証した。この特性により、半分(hemi)からも−または全部の肩からも逆型(逆型肩)へ転換することを一層促進し(または、逆も同様に:逆型(逆型肩)から半分(hemi)−または全肩へ)なぜなら、この実施例の逆型構造は、半分(hemi)または全部の肩関節形成のために使われるものも同じ上腕骨ステムを利用しているからである(つまり、外科医は、逆型肩へと転換するために、良く固定された上腕骨ステムを除去しなくてもよい)。この実施例は、半分(hemi)−または全部の肩のために利用されたものと同じ上腕骨ネックカットもまた保持する点に留意するべきである(つまり、上腕骨のヘッドは上腕骨解剖頚において、または、上腕骨解剖頚の辺りで切除される)。
他のシステムでは、従来は、半分(hemi)−または全部の肩のために利用されたものとは異なる位置で切除することが必要である。したがって、この実施例中の浅窩球体および上腕骨ライナーのサイズの範囲は38〜46mmに増加している(市場において競合する構造が提供する大きさの範囲と比較すると、この技術を利用しない場合は、34〜42mmとなる)。これらの大きな浅窩球体を実現するために、浅窩球体の前部と後部の側面は面取りされる場合がある;それによって、いかなる余分な浅窩の除去をせずに、切除した表面上の創傷部分への挿入および同一平面上に浅窩球体を位置することを可能にする。ある従来のシステムでは、浅窩球体が球状であり、発明者は、浅窩球体の前部と後部の側の面取りにより、浅窩球体の形状を、前部と後部の方向においてより薄い自然体の浅窩の浅窩に似せている。更に、この実施例において浅窩球体の前部と後部の面取りを追加することは、装置の挿入の際に上腕骨をより容易に通過装着することを可能にするので、挿入をより容易にする更なる利益がある。
【0136】
本発明の各種実施例における浅窩球体の他の特徴としては、それぞれの浅窩球体の内部形態を、重量削減のために空洞にしている(そして、固定キャップのための空間を設けている)。これにより、疲労起因の骨折の発生を最小限にしている。更に、ROMを増加させ、かつ安定性を高めるために、各浅窩球体は拡張関節面(つまり、180°より大きな弧である−図32を参照)としている。
【0137】
本発明の別の実施例では、上腕骨のネック角度、上腕骨ライナーの制約(constraint)、浅窩球体の直径および浅窩球体の厚さの最適な組合せが、ROMを最大限にし、かつジャンプディスタンス(jump distance)および肩甲骨切痕を抑えている。
【0138】
本発明の別の実施例では、本来の位置または補正がされた場合の前部を通じての移植の前または後に、中で成長する骨(bone through growth)および治療薬の挿入を可能にする為の前部開口部を備えた骨保持器(bone cage)(円筒形または非円筒形−例えば、釘固定(pegged)および/または竜骨(keeled)浅窩の補正による骨欠陥の充填−図28および33をそれぞれ参照)が提供される。
【0139】
別の実施例では、病気の肩を再構成する方法が提供されおり、その構成は:望ましい角度数値(例えば、少なくとも一般には上方−下方向)の関節可動域を実現するために相互に作用する、浅窩球体、浅窩プレートおよび上腕骨ライナーを提供することからからなる。
【0140】
ここで述べるように、本発明の各種の実施例は、関節窩への応力転移を強化し、またプロテーゼA/Pの突出を制限する浅窩プレートの解剖学的構造を提供する。更に、解剖学的な形状の浅窩プレートは、固定のために使用するネジ孔の数を最適化すると同時に、自然体の浅窩において利用される最良の質/深淵の骨との関係でその位置を最大化する。さらに、1または1つ以上の圧縮ネジが、固定キャップネジの使用によりネジを固定するために利用される。
【0141】
ここで、典型的なグラモン逆型肩についての構造パラメーターと、一般に報告される臨床の併発症との関係を評価する研究に及ぶ。研究の結果は、本発明の各種の実施例による逆型肩プロテーゼのために使用された構造入力を特定し構築するために使用されるであろう。
【0142】
ここにおける検討のために、以下の定義を用いる:関節可動域(ROM)とは、下部と上部の衝突との間に起こる上腕骨の回旋と定義され、下部と上部における衝突とは、浅窩球体を超えて伸ばしたライナーの延長(図34を参照)と定義される。この測定では肩甲骨の回転運動が考慮されなかったことが注目される;上腕骨の動きだけが構成同士の1対1の比較を可能にすると考えられた。したがって、示されたROM数値は、臨床的に報告された数値に一致することを意味しない。ジャンプディスタンス(jump distance)とは、浅窩球体が上腕骨ライナーから抜けるのに必要な横方向の距離と定義される;それは脱臼までの対応距離である(衝突がないと仮定して)(図35を参照)。オフセットとは、上腕骨ライナーと浅窩球体の中心までの垂直距離と定義される;これは三角筋張力(伸度)と関係がある(図36を参照)。上腕骨の制限とは、上腕骨ライナーの深さと幅(表面において)との間の比率と定義される。明確化のために、制約>0.5は関節を拘束(図37を参照)している。
【0143】
研究によって、典型的な36mmのグラモン逆型肩プロテーゼ(Depuy社/Tornier社)は、光学比較器および測径器を使用して獲得され分析模倣(reverse engineered)された。その後、プロテーゼは解明された構造パラメータに基づいたUnigraphics(UGS社)を使用して、(パラメトリック仕様(in a parametric fashion)で −これにより構造パラメータの変更を許容し)幾何学的にモデル化された。ROMシミュレーションは、上腕骨の外転/内転をシミュレートし、かつ前述の研究パラメータを数量化するために構築された(同様にUnigraphicsを使用)。
【0144】
問題の典型的なグラモン逆型肩は、3次元の(3D)コンピュータ支援の設計ソフトウェア(Unigraphics;UGS社)を使用して、幾何学的にモデル化された。アセンブリー解析は、シミュレートされた上腕骨の外転/内転における、いくつかの機能に関連のある測定(ROM、ジャンプディスタンス(jump distance)、オフセット)について、いくつかの補綴(人工機器)設計パラメータ(上腕骨ネック角度、上腕骨ライナーの制約(constraint)、浅窩球体の厚さ、浅窩球体の直径)の効果を数値化するために行なわれた。
予測されることは、前述の構造パラメーターと、機能的な測定との関係は、逆型肩関節形成術に関して一般に報告されていた臨床的合併症(肩甲骨切痕、脱臼、不適切な三角筋の張力(伸度)など)に関連した失敗(欠落)のメカニズムを明らかにするであろう。
特に、ROM、ジャンプディスタンス(jump distance)、オフセットは、以下の各々の設計条件について数値化され比較された:上腕骨ネック角度は130°〜165°まで様々である(5°毎の増加);上腕骨制約(constraint)は、0.250〜0.3125(0.0125毎の増加);浅窩球体の厚さは17mm〜21mm(1mm毎の増加);そして、浅窩球体の直径は34mm〜44mmまで幅があり(2mm毎の増加)。
【0145】
この研究で、典型的なグラモン逆型肩(すなわち、ネック角度155°、0.275の上腕骨制約(constraint)、36×19mmの浅窩球体)は、35°から95°の外転で下方と上方のそれぞれで衝突することが判った(図38を参照)。
【0146】
上腕骨のネック角度を5°増加させることで、衝突のポイントの変更により、ROMを確実に5°変化する。更に、上腕骨のネック角度を5°増加させることで、外転の角度に応じて、オフセットも同様に0.25mmから0.5mmまで増加する。明確にするために、Nyffelerの研究が、下方傾斜15°での浅窩球体の移植は、肩甲骨切痕を減少すると報告している。図39と図40で、何故−浅窩球体から15°移動させることが機能的に上腕骨のネック角度を15°を移動させること同じことになるかを図示している。双方とも、下方の衝突を最小限にしている;唯一の違いは、後者においては浅窩骨が保持されていることである。
【0147】
上腕骨制約(constraint)の0.0125の増加は、ROMを4°減少する;より多くの制約(constraint)は、より少ない動きとなる(図41参照)。同様に、上腕骨制約(constraint)を(上記と)同量だけ増加させることは、ジャンプディスタンス(jump distance)を5mm増加させる;より多くの制約(constraint)、は、より大きな脱臼の耐性となる。
【0148】
浅窩球体の厚みを1mm増加させることで(上腕骨制約(constraint)が一定の場合)、ROMは5°増加する。オフセットおよびジャンプディスタンス(jump distance)は影響を受けない(図42参照)。
【0149】
浅窩球体の直径を2mm増加させることで(上腕骨制約(constraint)が一定の場合)、ジャンプディスタンス(jump distance)は5mm増加する。ROMは影響を受けない(図43参照)。
【0150】
この研究の結果は、各々の設計パラメータと機能的計測との間の関係を実証した。更に結果は、患者が側面に腕を内転(日常生活の多くの活動のために必要とされる)できるようになる以前に、典型的なグラモン構造が肩甲骨の下方において衝突することを実証した。これらの結果は、X線写真と臨床研究の双方からの報告の提出により正当性が証明された(図44参照;Nyffeler、R.W, その他、逆型肩DeltaIII全肩プロテーゼにおける浅窩のコンポーネント位置調整の生体力学的な関連性を参照。JSES−Vol.14,#5:524−528.2005;De Wilde, L.F. et al. 腱板断裂関節症を治療する肩プロテーゼ:相対的な生体力学的研究JOR22:1222−1230 2004)。
【0151】
これらの観察による結論としては、上腕骨ネック角度と、浅窩球体の構造と、上腕骨ライナーの構造との特別な組合せは、相互関係にあるが、従来のグラモン構造は、必ずしも最良ではない−そのため、下方での衝突による影響で、切痕や脱臼が起こりやすくなる。この関係についての知識は、本発明の各種の実施例によって従来のグラモンスタイル逆型肩プロテーゼを最適化するための基礎として用いることができる。
【0152】
この点で、本発明の各種の実施例は、患者の日常生活の活動に、より適応するROMを可能にする位置へ下方衝突ポイントを移動させた逆型肩構造を提供する。これらの関係の応用は、ROMまたはジャンプディスタンス(jump distance)を最大にする逆型肩プロテーゼ構造において有用であり、衝突を縮小し、また、三角筋を伸張させる十分なオフセットを提供し、従来のグラモン逆型肩構造に関する特定の生物科学的な利点を維持することになる。
【0153】
別の研究を参照すると:1)三次元コンピューターを利用したアセンブリ解析を使用して測定したように、シミュレートされた上腕骨の外転/内転の間におけるEquinoxe(分点)逆型肩構造の関節可動域(ROM)とジャンプディスタンス(jump distance)を計測し、2)これらのパラメーターと、同様にシミュレートされた動作における典型的なグラモン逆型肩構造に関連するものと対比し、同じ方法論を用いて数量化する。この比較の結果は、典型的なグラモン構造と比較して、Equinoxe逆型肩は同様の量のジャンプディスタンス(jump distance)(脱臼の可能性を示した安定性の測定)を維持しながら、運動の量の増加と下方衝突量(肩甲骨切痕を示す運動および安定性の測定)の減少を達成したことを実証している。
【0154】
この研究の主題であるEquinoxe逆型肩は、明瞭になり詳述された上述の研究の原理に基づいて構成されている。このプロテーゼのいくつか構成の目的は以下に詳述される(各々のコンポーネントの構成の詳細は図45〜図53に示されている):
【0155】
1)典型的なグラモン逆型構造の生体力学的な利点を保持する:上腕骨の上方移動を防止し、関節窩の回旋中心を置いてレバーアームを(内側にまたは遠方に移動させることにより)最小限にして、三角筋を−15%延長する。
2)肩甲骨切痕/下方骨衝突を最小限にする。
3)関節可動域を改善する。
4)ジャンプディスタンス(jump distance)を最大限にする。
5) 逆型オプションにより、継ぎ目なく一体化されたEquinoxeの従前のシステム(つまり、同じ上腕骨ステムを利用する)。
【0156】
以下で詳述するように、典型的な36mmのグラモン構造と比較して、同様の量のジャンプディスタンス(jump distance)(脱臼の可能性を示した安定性の測定)を維持しながら、Equinoxe逆型肩が運動の量の増加と、下方衝突量(肩甲骨切痕を示す運動と安定性の測定)の減少を実現することをこの研究は実証している。
【0157】
この研究の目的のために、上記のプロテーゼは、上記で議論された研究で解明された構造パラメータに基づいたUnigraphics(UGS社)を使用し、構成かつ幾何学的にモデル化された。ROMシミュレーションは、上腕骨の外転/内転をシミュレートし、かつ前述の研究パラメータを数量化するために構築された(同様にUnigraphicsを使用)。
【0158】
上記で議論された研究で詳述した方法と同じ方法が、下方および上方の衝突点、全ROM、そして、シミュレートされたEquinoxe逆型肩プロテーゼの上腕骨の外転/内転における、ジャンプディスタンス(jump distance)の3°の増加を定量化するのに使用された。下方および上方の衝突の研究ために使用された定義が、上記で議論された研究の中で使用したのものとは構成(デザイン)が異なることにより僅かに異なることに留意するべきである。
図45および図46で示されるように、Equinoxe逆型肩浅窩プレートは4mm上方に移動した位置に中央ステム備えている;そうすることにより、浅窩プレートの遠端リムは、浅窩関節面の遠端エッジと接合するように、浅窩プレートの中央ステムに埋め込まれていると仮定されている浅窩球体の4mm遠方移動となる。浅窩球体の4mmの遠方移動は、代替浅窩球体移植技術との対比で、Nyffelerによる優れた臨床結果として実証された下方突出部を作り出している。したがって、図54および図55の中でそれぞれ描かれるように、下方および上方の衝突は明確なポイントは補正された。
【0159】
シミュレートされた上腕骨の外転/内転中に、38mm,42mm,46mmのEquinoxe逆型肩において、それぞれ16°、91.5°;7.5°、91.5°;および、0°、91.5°の下方または上方の衝突が生ずることが測定された。
したがって、38mm、42mmおよび46mmのEquinoxe逆型肩のシミュレートされた上腕骨の外転/内転の間の全ROMは、それぞれ75.5°、84°、91.5°と測定された。解明については、図56が、この実施例の42mmのEquinoxe逆型肩のためのシミュレートされた運動の間にいくつかの定義された角度を描いている。明確を期すために、図56は、42mmEquinoxe逆型肩のこの実施例におけるシミュレートされた動作の中のいくつかの明確な角度を図示している。
【0160】
このROMでは(Over this ROM)、38mm、42mm、および46mmのEquinoxe逆型肩に関して測定された、最小および最大のジャンプディスタンス(jump distance)は、それぞれ、0.035インチ〜0.855インチ、0.035インチ〜1.052インチ、そして0.035インチ〜1.234インチである。38mm、42mmおよび46mmのEquinoxe逆型肩に関して測定された平均ジャンプディスタンス(jump distance)(前述のROMより3°の増加)は、それぞれ0.371インチ、0.458インチ、そして0.522インチである。
【0161】
比較すると、典型的な36mmのグラモン逆型肩では、35°および95°で上方と下方で衝突し、全ROM(関節可動域)は60°であった。ここでROMの最小および最大のジャンプディスタンス(jump distance)は、0.081〜0.749インチと測定され;このROMで(3°増加)0.374インチの平均ジャンプディスタンス(jump distance)となる。図57および図58で図示されるように、この実施例のEquinoxe逆型肩は、20.5%、28.6%、そして34.4%より大きなROM、および、−0.8%、18.3%、28.3%の典型的なグラモン逆型肩プロテーゼより大きな平均ジャンプディスタンス(jump distance)となる。
【0162】
この設計検証の結果は、この実施例のEquinoxe逆型肩プロテーゼがより多くの動作、より少ない衝突、そして典型的な36mmグラモン構造と同等の安定性を伴うことを実証している。
【0163】
この結果に関して、3つの点が考慮されるべきである。
第一に、この研究で得られたROMの評価は臨床的に報告されたもの以下である。この相違(乖離)の理由は、上腕骨の運動だけが考慮され、少なくとも分析において肩甲骨の部分の動作が考慮されていないためである。上腕骨動作への肩動作の比率は0.4〜0.7の間であると報告されている;回旋腱板の状態により:上腕骨の動作と比較して、より大きな腱板断裂、より大きな量の肩甲骨動作がある(De Wilde, L.F. et al.、腫瘍手術における近接上腕骨復元のための逆型プロテーゼの後の機能的回復。CORR.#430:156−162.2005;MeIl,A.G.et al.。肩応用運動学に関する回旋筋腱板損傷サイズの影響。整形外科研究協会の第51回年次総会の議事録。Poster #0623.2005)。したがって、腱板断裂関節症を目的とした、最も一般的な逆型肩関節形成術に関する記述としては、上腕骨動作に関連する肩甲骨の動作量が、この比率よりも高いと仮定することは合理的であり−これが考慮されるなら、この研究結果は文献に公表された臨床治療のROMデータに応答するものである。
【0164】
第二に、この実施例における38mmのEquinoxe逆型肩プロテーゼ構造の平均ジャンプディスタンス(jump distance)は、0.371インチであった;この数値は、典型的な36mmグラモン(0.374インチ)より0.003インチ(つまり0.075mm)少ない。しかしながら、この僅かな差異は、各部品の製造上の公差の許容範囲であり、また、試験方法の正確さおよび精度が考慮される場合にも、恐らく無視できる程度のものであると考えられていた。このため、これらの2つの構造が同様のジャンプディスタンス(jump distance)を備えており、従って同程度の安定性があると結論付けられていた。
【0165】
第三に、典型的な36mmグラモン設計だけが検討され、DepuyもTornierも共に42mmの浅窩球体を提供している。しかしながら、グラモンの外科技術は通常は、近接上腕骨のリーマ仕上げを必要とし、また、90%〜95%の事例で(確率で)、近接上腕骨は42mmの上腕骨ライナーを受け入れるのには小さ過ぎるため、42mmのプロテーゼは、めったに臨床治療では使用されていないと考えられていた。Walch博士は、2005年のアメリカで、<5%の彼の逆型関節形成の症例およびオーランドの肩肘学会(Shoulder Elbow Society)の会議で、42mm浅窩球体の使用例を発表した。Depuyは、Delta IIIマーケティング文献の中で、2004年の症例では、42mm浅窩球体の使用例は11%のみにしか使用されなかったと報告していた。
この実施例のEquinoxe逆型肩では、近接上腕骨のリーマ仕上げを必要としないので(例として、従来の上腕骨の上腕骨解剖頸に沿った上腕骨頭骨切術を使用して埋め込まれる)、より大きな直径の浅窩球体のインプラントが可能である。このように、使用される浅窩球体のサイズは、近接上腕骨のサイズではなく、むしろ浅窩のサイズに基づいて決定される。それはそれとして、図58では、42mmの上腕骨ライナー制約(constraint)が36mmの上腕骨ライナー制約(constraint)と同じと仮定すると、42mmの浅窩球体構造のROMは近似値になるとしている。もしこの仮定が妥当であるとすると、典型的な36mmグラモン構造に関するこの実施例のEquinoxe逆型肩のROMと同等の伸び率が、典型的な42mmのグラモン構造にも適応できるであろう。
【0166】
以上のような理由から、この研究の結果で、この実施例のEquinoxe逆型肩プロテーゼが、より大きい運動、より少ない衝突、そして、典型的な36mmグラモン構造と同様の安定性に関与していることを実証した。
【0167】
本発明の多くの実施例が詳述され、当然のことながら、これらの実施例は単なる例証であり、限定するものではなく、多くの改良事例が当業者には明らかになるかもしれない。例としては、ここに詳述されたいずれの構成要素も、希望のサイズで提供することができる(例えば、ここに記述されたいずれの構成要素も、希望の特注サイズで提供される場合があり、あるいは、ここに記述されたいずれの構成要素も、S(小)、M(中)、L(大)、のような一群のサイズから選ばれた好ましいサイズで提供される場合がある)。
更に、1または1つ以上のコンポーネントは、以下の物質から作られることもできる:(a)任意の生体適合性素材(生体適合性素材は骨表面成長が可能なものでも、また、骨表面成長を妨げるものでもよい−外科医の要望による);(b)プラスチック;(c)ファイバー;(d)ポリマー;(e)金属(チタンのような純金属、および、Ti−Al−Nb、Ti−6Al−4Vのような合金、またはステンレス製);(f)これらの任意の組合せ。その金属構造物は、機械加工された金属構造の場合もある。更に、各種の保持器(cage)構造(例としては、正方形/楕円の/角のある保持器(cage))が利用される。更に、竜骨構造(例としては、前部/後部竜骨、中央/側面竜骨、背びれ竜骨(角のある舟弁)、角ある竜骨)が利用される。
更に、プロテーゼは1または1つ以上のモジュール要素を利用することがある。更に、任意のプロテーゼに、好ましい数の保持器(cage)、および/または、竜骨が利用される。更に、任意のプロテーゼの各種の突起部(例えば、セメントの接合による初期固定、および/または、セメントの接合による追加固定)が利用される。更に、任意のプロテーゼに、セメント被膜(マントル)を増加させる様々な雌特性 (female features)が利用される。更に、任意のプロテーゼに、初期/追加の固定を向上させるために、骨を掘り下げること出来る様々な雄特性(male features)が利用される。更に、任意のプロテーゼに、各種の骨ネジ(つまり、初期固定および/または追加固定のための)が使用される。
更にまた、ここで詳述した様々な工程も、任意の望ましい順序(様々な、好ましい付加段階が追加される場合があり、および/また、望まれる任意の工程が削除されて)で実施される。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1A】本発明の一つの実施例による、逆型肩形成術(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)斜視図
【図1B】本発明の一つの実施例による、逆型肩形成術(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)斜視図
【図1C】本発明の一つの実施例による、逆型肩形成術(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)斜視図
【図2】図1A〜図1Cの実施例の他の斜視図
【図3A】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の更に詳細な斜視図
【図3B】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の更に詳細な斜視図
【図3C】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の更に詳細な斜視図
【図4A】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図4B】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図4C】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図4D】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図4E】本発明の実施例に従った西洋ナシ形の例の更に3つの詳細な斜視図
【図4F】本発明の実施例に従った西洋ナシ形の例の更に3つの詳細な斜視図
【図4G】本発明の実施例に従った西洋ナシ形の例の更に3つの詳細な斜視図
【図5A】図1A〜図1Cの実施例の西洋ナシ形の浅窩プレートの更なる詳細な斜視図
【図5B】図1A〜図1Cの実施例の西洋ナシ形の浅窩プレートの更なる詳細な斜視図
【図5C】図1A〜図1Cの実施例の西洋ナシ形の浅窩プレートの更なる詳細な斜視図
【図5D】本発明の実施例に従った西洋ナシ形の他の実施例の更に詳細な斜視図
【図5E】本発明の実施例に従った西洋ナシ形の他の実施例の更に詳細な斜視図
【図5F】本発明の実施例に従った西洋ナシ形の他の実施例の更に詳細な斜視図
【図6】本発明で使用されるタイプの圧縮ネジの例の斜視図
【図7A】本発明で使用されるタイプの固定キャップネジの実施例の斜視図
【図7B】本発明で使用されるタイプの固定キャップネジの実施例の斜視図
【図7C】本発明で使用されるタイプの固定キャップネジの実施例の斜視図
【図7D】本発明で使用されるタイプの回転定義ネジ駆動要素の例の斜視図
【図7E】本発明で使用されるタイプの回転定義ネジ駆動要素の例の斜視図
【図7F】本発明で使用されるタイプの回転定義ネジ駆動要素の例の斜視図
【図8A】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の図
【図8B】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の図
【図9A】(1)図1A〜図1Cの実施例の、浅窩プレート/圧縮ネジ/固定キャップネジの組立部品(2)圧縮ネジ/固定押さえネジの詳細(3)圧縮ネジ/固定キャップネジの詳細図
【図9B】(1)図1A〜図1Cの実施例の、浅窩プレート/圧縮ネジ/固定キャップネジの組立部品(2)圧縮ネジ/固定押さえネジの詳細(3)圧縮ネジ/固定キャップネジの詳細図
【図9C】(1)図1A〜図1Cの実施例の、浅窩プレート/圧縮ネジ/固定キャップネジの組立部品(2)圧縮ネジ/固定押さえネジの詳細(3)圧縮ネジ/固定キャップネジの詳細図
【図10A】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨ライナーの図
【図10B】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨ライナーの図
【図10C】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨ライナーの図
【図11A】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨プレートの図
【図11B】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨プレートの図
【図11C】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨プレートの図
【図11D】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨プレートの図
【図11E】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨プレートの図
【図12】2つの解剖学的研究に起因する、西洋ナシ形の浅窩のアウトラインを示す図
【図13】浅窩の従来の逆型肩浅窩球体プレートの適合を示す図
【図14】浅窩の最良品質/深淵の領域をを示す図
【図15】本発明の実施例で示すように空孔パターンが変更された場合のA/P骨ネジのパーチェスの確率(可能性)の理論的な改良を示す図
【図16A】本発明の実施例によって示される逆型肩プロテーゼ(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)の斜視図
【図16B】本発明の実施例によって示される逆型肩プロテーゼ(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)の斜視図
【図16C】本発明の実施例によって示される逆型肩プロテーゼ(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)の斜視図
【図16D】本発明の実施例によって示される逆型肩プロテーゼ(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)の斜視図
【図17A】図16A〜図16Dの実施例の楕円形浅窩プレートの更に詳細な斜視図
【図17B】図16A〜図16Dの実施例の楕円形浅窩プレートの更に詳細な斜視図
【図17C】図16A〜図16Dの実施例の楕円形浅窩プレートの更に詳細な斜視図
【図17D】図16A〜図16Dの実施例の楕円形浅窩プレートの更に詳細な斜視図
【図18A】本発明の実施例の楕円形浅窩プレートの他の例の更に詳細な斜視図
【図18B】本発明の実施例の楕円形浅窩プレートの他の例の更に詳細な斜視図
【図18C】本発明の実施例の楕円形浅窩プレートの他の例の更に詳細な斜視図
【図18D】本発明の実施例の楕円形浅窩プレートの他の例の更に詳細な斜視図
【図19A】図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図19B】図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図19C】図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図19D】図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図20A】図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体/浅窩プレート組立部の図
【図20B】図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体/浅窩プレート組立部の図
【図21A】本発明の実施例の楕円形浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図21B】本発明の実施例の楕円形浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図21C】本発明の実施例の楕円形浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図21D】本発明の実施例の楕円形浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図22A】本発明の実施例の実施例の楕円形浅窩球体/浅窩プレート組立部の図
【図22B】本発明の実施例の実施例の楕円形浅窩球体/浅窩プレート組立部の図
【図23A】本発明の実施例の浅窩球体の更なる斜視図
【図23B】本発明の実施例の浅窩球体の更なる斜視図
【図23C】本発明の実施例の浅窩球体の更なる斜視図
【図23D】本発明の実施例の浅窩球体の更なる斜視図
【図24A】本発明の実施例の浅窩球体/浅窩プレート組立部の図
【図24B】本発明の実施例の浅窩球体/浅窩プレート組立部の図
【図25】本発明による使用されるタイプの圧縮ネジの例の斜視図
【図26】ネック角度を10°減少すると関節可動域(ROM)が下方にシフトする結果となることを実証する試験結果を示すグラフ
【図27】Nyffelerによる研究で議論された状態を示す図
【図28】本発明の他の実施例による浅窩プレートの数々の図
【図29】4つの異なった浅窩球体の位置が検査された臨床効果のNyffelerによる研究から修正されたイメージを示す図
【図30A】本発明の他の実施例を示すものであり、従来の釘固定浅窩を変換または補正可能にする構造の浅窩プレートの空孔位置に関する図
【図30B】本発明の他の実施例を示すものであり、従来の釘固定浅窩を変換または補正可能にする構造の浅窩プレートの空孔位置に関する図
【図31A】本発明のさらに他の実施例を示すものであり、従来の竜骨(keeled)浅窩を変換または補正可能にする構造の浅窩プレートの空孔位置に関する図
【図31B】本発明のさらに他の実施例を示すものであり、従来の竜骨(keeled)浅窩を変換または補正可能にする構造の浅窩プレートの空孔位置に関する図
【図32】前部/後部の浅窩球体フラット面(flats)に関連する本発明の別の実施例を示す図
【図33】骨保持器(cage)に関連する本発明のほかの実施例を示す図
【図34】下方と上方における緩衝の定義に関連する略図
【図35】ジャンプディスタンス(jump distance)の定義に関連する略図
【図36】オフセットの定義に関連する図
【図37】上腕骨に対する制約の定義に関連する図
【図38】典型的なグラモント逆型肩ROM(間接可動域)に関連する図
【図39】ROMおよびジャンプディスタンス(jump distance)の上腕骨のネック角度に関するグラフ
【図40】衝突点における上腕骨ネック角度の変化による効果を示した図
【図41】ROMに対する上腕骨の制限による効果を示した図
【図42】ROMの浅窩球体の厚さの変化による効果の示した図
【図43】ジャンプディスタンスの浅窩球体の直径の変化による効果を示した図
【図44】肩甲骨ステムがニュートラルポジションにある時の下方衝突の程度が描かれているのNyffelerによる研究のイメージを示す図
【図45】逆型肩プロテーゼの別の実施例を示す図
【図46】逆型浅窩プレート構造の別の実施例を示す図
【図47】逆型浅窩球体構造の別の実施例を示す図
【図48】逆型上腕骨プレート構造の他の実施例を示す図
【図49】逆型上腕骨ライナーの他の実施例を示す図
【図50】逆トルクの定められたネジ駆動部材の構造の別の実施例を示す図
【図51】圧縮ねじ構造の別の具体例を示す図
【図52】逆型肩浅窩球体の固定ネジ構造の別の実施例を示す図
【図53】固定キャップの構造の別の実施例を示す図
【図54】下位の明確な衝突点に関する図
【図55】上方の明確な衝突点に関する図
【図56】逆型肩プロテーゼの別の実施例に関するROMを示す図
【図57】本発明の実施例および典型的なグラモン逆型肩プロテーゼのジャンプディスタンス(jump distance)と外転/内転の比較に関するグラフ
【図58】本発明の実施例および典型的なグラモン逆型肩プロテーゼのためのROMの比較の表
【技術分野】
【0001】
本件出願は、2006年3月23日出願の米国仮特許出願第60/785,664号の利益をクレームするものである。また、本件出願は、2006年5月17日出願の米国仮特許出願第60/747,492号の利益をクレームする。更に、本件出願は、2007年2月9日出願の米国仮特許出願第60/888,982号の利益をクレームするものである。上記のそれぞれの出願は、そっくりそのまま参照されて本件出願と一体化している。
【0002】
本発明の各種の実施例は、逆型肩関節形成術(例としては、逆型全肩関節形成手術)の装置と方法に関連するものである。一つの具体例としては、肩胛骨を表面再建するために使用される浅窩のコンポーネントが提供される。特に、従来の全肩関節形成術とは異なり、逆型肩における浅窩コンポーネントを凹面というよりむしろ凸面に形成することにより、肩腱板断裂関節症(CTA)の患者に典型的に発生する上腕頭の上方移動を物理的に阻止する作用を起こさせるものである。
【0003】
本発明を記述するための用語である“Equinoxe”(例として、Equinoxe逆型肩プロテーゼあるいはEquinoxe逆型肩プロテーゼのように)は、本発明にかかる実施例であることを示すためのものである。
【背景技術】
【0004】
ニールは1972年に、大規模な全層回旋筋腱板断裂から生ずる慢性/進行性の肩峰下浸食を受けた腐食性/浸食性の状態である関節窩上腕関節の関節炎を説明するために、肩腱板断裂関節症という用語を新しく作り出した。その病状は、極度の痛みとほぼ完全な機能の喪失を伴う(Neer, CS. et al. 腱板断裂関節症. JBJS. #65: 1232-1244. 1983、参照)。
【0005】
腱板断裂関節症(CTA)は、歴史的には、肩峰形成術、関節鏡視下創面切除術(創傷清拭)、腱移植、上腕骨結節形成術(humeral tuberoplasty)、関節固定術、全肩関節形成術(固定、半固定、固定無し)、双極肩関節形成術、半関節形成術、(肩峰スペーサ有り又は無し)、そしてごく最近では(成功した例として)逆型肩関節形成術で治療されている。
【0006】
逆型/反対肩は、CTA(腱板断裂関節症)を患った患者を治療するために1970年前半に最初にニールによって考え出された;特に、この装置は、上腕頭の上方移動の抵抗による痛みの軽減、進行性肩峰(progressive acROMial)・烏口骨・肩関節の浸食を阻止することを目的として提供された。これは、雄または雌のボールおよびソケット(ball and socket joint=球関節)を逆にすることにより、理論上は達成されているので、現在では浅窩コンポーネントは凸面あり、上腕骨は凹面である;そうすることで、上腕骨の上方移動を妨げる物理的な阻止が作り出される。いくつかの逆型肩構造が着想され開発されてきた:ほんの数例を挙げればフェンリン、リーヴス、ジェラルド、ケッセル、ケルベル、およびニール−アヴェリル;これらのうちのケッセル構造だけは長期転帰(前述の各々の案はその後放棄されたと信じられている)が報告されている。固定された全肩関節形成術と同様に、固定された回旋点は固定障害により浅窩に過度の回転力がかかり、最終的に緩みを引き起こしていた。
【0007】
1987年、ポール グラモンは新しい逆型肩関節の構造を採用した。それは2つのコンポーネントから成るもので:浅窩は金属またはセラミックの42mmの球体(球体の〜2/3)からなり、また、上腕骨の構成材はポリエチレンの“トランペット形”カップ(その凹面の表面は球体の〜1/3)であった;上腕骨のコンポーネントはPMMAで固着されていた。このプロテーゼの予備段階での結果は1987年に公表された(グラモン、P.M.et al.を参照、Etude et Realisation D'une Novelle Prosthese D'Paule. Rhumatologie. #39: 17-22. 1987);6か月の手法の検証の後、6人の患者(8つの肩)は全て無痛になった;しかしながら、移動度は不定であった:3人の患者の、アクティブな前方の仰角は100°−130°の間のであり、3人の患者の、アクティブな前方の仰角は60°未満であった。これらの一貫しない結果は構造の再設計を必要とした。
【0008】
1991年、グラモン逆型肩はDeltaIII逆型肩プロテーゼとして再設計され改名された。固定化された浅窩は失敗に終わった;これにより、浅窩球体の構造は固定された中央のペグおよび分岐ネジを有する構造に変更された。関節窩に接して回旋点を直接設置するために、浅窩の球体の2/3は球体の1/3のために放棄(abandoned)された;それによって、硬骨表面上の回転力が減少した。上腕骨の構成材も、固結または非固結での利用のために設計された(Boileau, P. et al. グラモン逆型プロテーゼ:構造、原理、および、生体力学. JSES Jan/Feb: 147S-161S. 2005参照)。
【0009】
このプロテーゼは、三角筋の機能に依拠していることから“Delta”と呼ばれている。Delta IIIの構造原理を以下に詳述する:
・回旋の中心は、内側にシフトされる(挙上と外転のために、より多くの三角筋繊維を招集して、三角筋をより効率的なレバーアームとする)。
・回旋の中心は、上腕骨を下げることにより遠方にシフトされる(三角筋を伸延させる)。
・固定装置のトルクを制限し、また緩みに耐えるように、浅窩球体の中心は関節窩に直接配設される。
・関節窩上腕関節の逆型凹面は、上腕頭の上方移動を阻止するめに物理的な防止部を作る;CAアーチの状態はこの構成とは無関係である。
【0010】
Deltaのこれらの理論的な生体力学の利点は、現実に認識されるようになるだろうが、その信頼性は、実証する限られた長期研究結果(5年以上)を要するため、まだ確定してない;しかしながら、 短期と中期の研究結果でも、その構造は苦痛の軽減を提供し機能を回復させる(第1に外転/内転、おび部分的な屈曲/伸展;内旋/外旋が棘下および小円筋の状態に依拠する限られた基盤上で回復する)ことを示唆する。
この点に関しては、下記を参照:
Boileau, P. et al. グラモン逆型プロテーゼ:構造、理論、および、生体力学.JSES Jan/Feb:147S-161S.2005;
Rittmeister, M. et al. リウマチ性関節炎および再構成不可能な回旋腱板障害の患者におけるグラモン逆型全肩関節形成術. JSES. Jan/Feb: 17-22. 2001;
Vanhove, B. 回旋腱板関節形成術のためのグラモンの逆型肩プロテーゼ.32 Casesの遡及的研究(Retrospective Study). Acta Orthop BeIg. #70 (3): 219-225. 2004;
Sirveaux, F. et al. 腱板の広範破壊を伴う関節窩上腕の治療におけるグラモン反転全肩関節形成術. JBJS 86-B: 388-395. 2004;
Katzer, A. 反転プラントを使用した交換肩関節形成術の後の2年の結果。整形外科学 Vol. 27, #11:1165-1167. 2004;
Walch, G. 逆型のボールおよびソケット(球関節):When is it Indicated? OrthopaedicsToday(整形外科学トゥデイ), pp. 18- 20.
【0011】
留意すべきは、Delta逆型肩は、以下を含む多くの異なるタイプの合併症に関連しており、浅窩の緩み、肩甲骨“切痕”(より記述的には下浅窩浸食と呼ばれる)、肩峰破砕、脱臼(先端からポリ(重合体=超高分子量ポリエチレン)、または上腕骨ステムからポリが挿入される)、不安定な性質、上腕骨ステム破砕、上腕骨ステムの緩み、また浅窩のネジ破砕に関連している。この点に関しては、直前の引用を参照。
【特許文献1】特開2002−301094
【特許文献2】特開2004−073854
【特許文献3】特開2004−121850
【特許文献4】特開2006−095300
【0012】
図1A〜図1Cは、本発明の一つの実施例による、逆型肩形成術(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)の3つの斜視図を示している。
【0013】
図2は、図1A〜図1Cの実施例の他の斜視図を示している。
【0014】
図3A〜図3Cは、図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の更に3つの詳細な斜視図を示している。
【0015】
図4A〜図4Dは、図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体の更に4つの詳細な斜視図を示している(この実施例の浅窩球体は38mm浅窩球体である)。
【0016】
図4E〜図4Gは、本発明の実施例に従った西洋ナシ形の例の更に3つの詳細な斜視図を示している。
【0017】
図5A〜図5Cは、図1A〜図1Cの実施例の、西洋ナシ形の浅窩プレートの3つの更なる詳細な斜視図を示す(ステムに骨が“通って成長する”ための穴が穿設されている)。
【0018】
図5D〜5Fは、本発明の実施例に従った西洋ナシ形の他の実施例の更に3つの詳細な斜視図を示している(ステムに骨が“通って成長する”ための穴が穿設されている)。
【0019】
図6は、本発明で使用されるタイプの圧縮ネジの例の斜視図を示している。
【0020】
図7A〜図7Cは、本発明で使用されるタイプの固定キャップネジの実施例の斜視図を示している。
【0021】
図7D〜図7Fは、本発明で使用されるタイプの回転定義ネジ駆動要素の例の斜視図を示している。
【0022】
図8Aと8Bは、図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の2つの図を示している(浅窩球体が透視図で示されている)。
【0023】
図9A〜図9Cは(1)図1A〜図1Cの実施例の、浅窩プレート/圧縮ネジ/固定キャップネジの組立部品(2)圧縮ネジ/固定キャップネジの詳細;そして(3)圧縮ネジ/固定キャップネジの詳細(固定キャップネジが透視図で示されている)を示している。
【0024】
図10A〜図10Cには、本発明の実施例に沿った、逆型肩上腕骨ライナーの3つの図が示されている。
【0025】
図11A〜図11Eは、本発明の実施例に沿った、逆型肩上腕骨プレートの5つの図を示している。
【0026】
図12は、2つの解剖学的研究に起因する、西洋ナシ形の浅窩のアウトラインを示す: lannotti、J.P. et al. 正常な上腕関節窩の関係。JBJ。Vol.74−A、#4:491−500 1992およびChecroun、AJ.et al. 現在の浅窩のコンポーネント構造の適合:死体解剖研究。JSES.Vol.11、#6:614−617.2002(イメージはChecrounフォーラムを補正した);
【0027】
図13は、浅窩の従来の逆型肩浅窩球体プレートの適合を示す(イメージはChecrounフォーラムおよびAJet al.を補正したもので、現在の浅窩コンポーネント構造の適合している:死体解剖研究JSES.Vol.11、#6:614−617.2002)。
【0028】
図14は、浅窩の最良品質/深淵の領域を示す(イメージはChecrounフォーラムおよびAJ.et al.を補正したもので、現在の浅窩コンポーネント構造に適合している:死体解剖研究JSES.Vol.11、#6:614−617.2002)。
【0029】
図15は、本発明の実施例で示すように空孔パターンが変更された場合のA/P骨ネジのパーチェス(purchase=てがかり)の確率(可能性)の理論的な改良を示すものである(イメージはChecrounフォーラムおよびAJ.et al.を補正したもので、現在の浅窩コンポーネント構造に適合している:死体解剖研究JSES.Vol.11、#6:614−617.2002)。
【0030】
図16A〜図16Dは、本発明の実施例によって示される逆型肩プロテーゼ(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)の4つの斜視図を示す。
【0031】
図17A〜図17Dは、図16A〜図16Dの実施例の楕円形浅窩プレートの4つの更に詳細な斜視図を示している(上方移動したステムに骨が“通って成長する”ための穴が穿設されていることが示されている)。
【0032】
図18A〜図18Dは、本発明の実施例の楕円形浅窩プレートの4つの他の例の更に詳細な斜視図を示している(“通って成長する”ための穴が穿設されている上方移動した非円筒形状のステムを示している)。
【0033】
図19A〜図19Dは、図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体の4つの更に詳細な斜視図を示している(この実施例の浅窩球体は38mm浅窩球体である)。
【0034】
図20Aおよび図20Bは、図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体/浅窩プレート組立部の2つの図を示している(ここでは、図20Bで浅窩球体の透視図が示されており、また、この実施例の浅窩球体は38mm浅窩球体である)。
【0035】
図21A〜図21Dには、本発明の実施例の楕円形浅窩球体の4つの更に詳細な斜視図が示されている(この実施例の浅窩球体は42mm浅窩球体である)。
【0036】
図22Aと図22Bは、本発明の実施例の楕円形浅窩球体/浅窩プレート組立部の2つの図を示している(ここでは、図22Bで浅窩球体の透視図が示されており、また、この実施例の浅窩球体は38mm浅窩球体である)。
【0037】
図23A〜図23Dは、本発明の実施例の浅窩球体の4つの更なる詳細な斜視図を示している(この実施例の浅窩球体は46mm浅窩球体である)。
【0038】
図24Aおよび図24Bは、本発明の実施例の浅窩球体/浅窩プレート組立部の2つの図を示している(ここで、図24Bで浅窩球体の透視図が示されており、また、この実施例の浅窩球体は42mm浅窩球体である)。
【0039】
図25は本発明で使用されるタイプの圧縮ネジの例の斜視図を示す。
【0040】
図26は、ネック角度を10°減少させると関節可動域(ROM)が下方にシフトする結果となることを実証する試験結果を示すグラフである。
【0041】
図27は、Nyffelerによる研究で議論された状態を示している。
【0042】
図28は、本発明の他の実施例による浅窩プレートの数々の図を示している。
【0043】
図29は、4つの異なった浅窩球体の位置が検査された臨床効果のNyffelerによる研究から補正されたイメージを示している。
【0044】
図30Aおよび図30Bは、本発明の他の実施例を示すものであり、従来の釘固定浅窩を変換または補正可能にする構造の浅窩プレートの空孔位置に関するものである。
【0045】
図31Aおよび図31Bは、本発明のさらに他の実施例を示すものであり、従来の竜骨(keeled)浅窩を変換または補正可能にする構造の浅窩プレートの空孔位置に関するものである。
【0046】
図32は、前部/後部の浅窩球体フラット面(flats)に関する本発明の別の実施例を示すものである。
【0047】
図33は、骨保持器(cage)に関する本発明の他の実施例を示すものである。
【0048】
図34は、下方と上方における衝突の定義に関する略図を示している。
【0049】
図35は、ジャンプディスタンス(jump distance)の定義に関連する略図を示している。
【0050】
図36は、オフセットの定義に関する図を示している。
【0051】
図37は、上腕骨に対する制約の定義に関する図を示している。
【0052】
図38は、典型的なグラモント逆型肩のROM(間接可動域)に関する図を示している。
【0053】
図39は、ROMおよびジャンプディスタンス(jump distance)の上腕骨のネック角度に関するグラフを示している。
【0054】
図40は、衝突点における上腕骨ネック角度の変化による効果を示した図である(右から3番目の網掛け部は、典型的なグラモン構造を表わしている)。
【0055】
図41は、ROMに対する上腕骨の制限による効果を示した図である(中央の網掛け部は、典型的なグラモン構造を表わしている)。
【0056】
図42は、ROMの浅窩球体の厚さの変化による効果を示した図である(中央の網掛け部は、典型的なグラモン構造を表わしている)。
【0057】
図43は、ジャンプディスタンスの浅窩球体の直径の変化による効果を示した図である(左から2番目の網掛け部は、典型的なグラモン構造を表わしている)。
【0058】
図44は、肩甲骨ステムがニュートラルポジションにある時の下方衝突の程度が描かれているのNyffelerによる研究のイメージが示されている。
【0059】
図45は、逆型肩プロテーゼの別の実施例を示している。
【0060】
図46は、逆型浅窩プレート構造の別の実施例を示している。
【0061】
図47は、逆型浅窩球体構造の別の実施例を示している。
【0062】
図48は、逆型上腕骨プレート構造の他の実施例を示している。
【0063】
図49は、逆型上腕骨ライナーの他の実施例を示している。
【0064】
図50は、逆トルクの定められたネジ駆動部材の構造の別の実施例を示している。
【0065】
図51は、圧縮ねじ構造の別の具体例を示している。
【0066】
図52は、逆型肩浅窩球体の固定ネジ構造の別の実施例を示している(ネジ山は図の中に示されていない)。
【0067】
図53は、固定キャップの構造の別の実施例を示している。
【0068】
図54は、下位の明確な衝突点に関する図が示されている。
【0069】
図55は、上方の明確な衝突点に関する図が示されている。
【0070】
図56は、逆型肩プロテーゼの別の実施例に関するROMが示されている。
【0071】
図57は、本発明の実施例および典型的なグラモン逆型肩プロテーゼのジャンプディスタンス(jump distance)と外転/内転の比較に関するグラフを示している。
【0072】
図58は、本発明の実施例および典型的なグラモン逆型肩プロテーゼのためのROMの比較の表を示している。
【0073】
開示されたこれらの利点および改良点の中にあって、本発明の他の目的および効果は、以下の記載ならびに添付図面を参照することにより明確にされるであろう。図面は、この明細書の一部を構成するもので、本発明の実施態様を含んでおり、また様々な目的および特徴を含むものである。
【発明の開示】
【0074】
本発明の詳細な実施例をここに開示する;当然のことながら、開示された実施例は、様々な形式で実施されるかもしれない発明の単なる例証にすぎないものである。更に、発明の各種の実施例に関する例示は、単なる例証が目的であって、限定するものではない。また、図は必ずしも縮尺通りではなく、いくつかは特定のコンポーネントの詳細を示すために拡大誇張されている場合がある。したがって、ここに開示された特定の構造と機能の詳細は制限としてではなく、単に本発明を当業者が様々に利用出来るように教示するための代表的な基礎と理解されるものである。
【0075】
本発明の各種の実施例は、逆型肩プロテーゼを対象にする前記発明の利益のいくつか又は全てを取り入れたDelta逆型肩構造に関連するものであることに留意されたい(さらに観察された合併症の数および割合を最小限にすることを目的としている)。本発明の各種の実施例が包含している利点としては(これに限定するものではないが):1)筋肉効率を高めるための延長/引張三角筋;2)有効なモーメントアームを最小限にするために、関節窩上で回旋点を維持する;および/または、3)上腕頭の上方移動を妨げる物理的な阻害を引き起こさないように自然体の関節(ナチュラルジョイント)の窩を逆型に形成することにある。本発明の各種の実施例が最小限にする合併症として含んでいるものは(これに限定するものではないが):1)肩甲骨切痕および脱臼発生率の度合いを減少するために衝突を除去する;2)固定可能ポイントの数を増加することにより浅窩の固定を改善し、固定の可能性が最大化する様に固定ポイントの位置を調整し(例として、自然体浅窩の中の最良の質/深淵の骨の部位に対応するように、固定ポイントを配置する)、全てのネジが、いかなる方向にも配向/角度調節できることを可能にする(ねじパーチェス(purchase=てがかり)の向上)、そして/または、いかなる圧縮ネジも(その角度方向にかかわらず)固定ネジに変えることを可能にする(ネジの緩み脱落を防止する);3)解剖的に形成された浅窩プレートの使用を通じて応力転移を改善することにより、浅窩の骨溶解を縮小する(例として、解剖学的プレートは浅窩のATP側への突出を制限する)。また、4)より大きな直径の浅窩球体の使用を可能にすることにより、安定性とROMを改善する(本発明の特定の実施例では、典型的なグラモント設計で要求されるような近接する上腕骨基部の拡孔を必要としていない)、しばしば、近接する上腕骨は、配置することが出来るHnerの最大サイズの浅窩球体によってサイズが確定していた。
【0076】
図1A〜図1Cおよび図2を参照すると、本発明の実施例の組み立てられた構造100についての各種の図が示されている。このコンポーネントの構造は、次のものからなる:上腕骨ステム102(圧入あるいは接着という態様が用いられることもあり、例えばチタン製のこともある);上腕骨ライナー104(凸面の浅窩球体と接合する凹面のコンポーネントであり、この要素は、例えばUHMWPE(超高分子量ポリエチレン)からなることがある);上腕骨のアダプター板106(上腕骨のステムに上腕骨ライナーを接続するものであり、この要素はチタンで構成される場合がある);浅窩球体108(この要素は、例として、コバルト・クロムで構成される場合がある);西洋ナシ形の浅窩プレート110(この要素は、例として、チタンで構成される場合がある);また、個々のコンポーネント相互の組立て、または自然体の骨に構築する組立てのための複数のネジと固定装置(これらの要素は、例としてチタンで構成される場合がある)からなる。特記すべき点として、この実施例の浅窩プレートは西洋ナシ形からなる。
【0077】
図3A〜図3Cを参照すると、図1A〜図1Cの浅窩球体/浅窩プレート組立て部品の更に詳細な図が示されている(これらの図ではステム112が明確に表れている)。
【0078】
図4A〜図4Dを参照すると、図1A〜図1Cと図2の浅窩球体の更なる詳細な図が示されている(ここでは、浅窩球体は重量削減のために空洞とされることがある事が認められる)。
【0079】
図4E〜図4Gを参照すると、別の浅窩球体の更なる詳細な図が示されている(ここでも、浅窩球体は重量削減のために空洞とされることがある事が認められる)。
【0080】
図5A〜図5Cを参照すると、図1A〜図1Cと図2の西洋ナシ形浅窩プレートの更に詳細な図が示されている。ここでは、注目すべきいくつかの特徴があり:1)プレートの背面にある6つのネジ穴と、;2)プレートの前面および/または保持(cage)ステムの底面から、骨移植片を注入(例えば、注射器によって)可能とする、骨が“通って成長する”("through-growth") 保持(cage)ステムとからなる。
【0081】
図5D〜図5Fを参照すると、別の例における西洋ナシ形浅窩プレートである110Aの詳細な図が示されている。
【0082】
図6を参照すると、本発明の実施例である圧縮ネジ114が示されている(留意すべきは、浅窩プレート110の中でネジが、いかなる好ましい方向のいかなる角度にも固定装着できる(例えば、17.5°まで)ことを可能にする球状のヘッドであり−1つの具体的な例では、浅窩プレート110の穴は対応する凹面に形成されている場合もある)。
【0083】
図7A〜図7Cを参照すると、本発明の実施例による固定キャップネジ116が示されている(固定キャップネジは、圧縮ネジが緩んで脱落する(backing out)のを防ぐために、および/または、圧縮ネジを希望の角度方向に固定装着するために、圧縮ネジの上から浅窩プレートの中にねじ込まれる−図8A、8B、または、図9A〜9Cを参照)。さらに図7D〜7Fは、本発明に利用されるトルクの定められたネジ駆動部材118を図示している(例えば、所定のトルクで、ネジおよび/または固定キャップを駆動する(例えば、所定のトルクがかかった時には中断する(破壊する))。
【0084】
特に図8Aおよび図8Bを参照すると、更に詳細な図では、どのようにして圧縮ネジ114と固定キャップ116が浅窩プレート110と結合するかが開示されている。また、図8Aおよび図8Bでは、どのようにして浅窩球体108(透視図で描かれている)が取付ボルト118を用いて浅窩プレート110に取付けられるかを示している。図9A〜図9Cでは、圧縮ネジ114および固定キャップネジ116と浅窩プレート110との関係を更に明確にしている。これらの図9A〜図9Cでは、圧縮ネジ114と固定キャップネジ116の間の球状関節についても詳述しており−角度方向と関係無く圧縮ネジ114を固定することが可能な特徴を示している。
【0085】
図10A〜10Cを参照すると、図1A〜1Cおよび図2の上腕骨ライナー104を3つの図で示している。
【0086】
図11A〜11Eを参照すると、図1A〜1Cおよび図2の上腕骨プレート106を5つの図で示している。
【0087】
図16A〜16Dを参照すると、本発明の実施例によって取付けられた構成物1600の各種の図が示されている。この構成物のコンポーネントとしては:上腕骨ステム1602(例えば、圧入あるいは接着された態様のものが用いられ、チタンで構成される場合もある);上腕骨ライナー1604(凸面の浅窩球体と接合する凹面のコンポーネントで、この構成要素は、例えばUHMWPE(超高分子量ポリエチレン)で形成される場合もある);上腕骨アダプタープレート1606(上腕骨ステムに上腕骨ライナーを結合するもので、例えば、この構成要素はチタンで形成される事もある);浅窩球体1608(この構成要素は、例えば、コバルト・クロムで形成されることもある);楕円形浅窩プレート1610(この構成要素は、例えば、チタンで形成される事もある);個々のコンポーネント相互の組立て、または自然体の骨を構築するための複数のネジと固定装置(これらの要素は、例えばチタンで形成される事もある)。この実施例の浅窩プレート1610は楕円形状であることに留意されたい。
【0088】
図17A〜図17Dを参照すると、図16A〜図16Dの楕円形浅窩プレートの更に詳細な図が示されている(これらの図には、ステム1612が明確に現れている)。
【0089】
図18A〜図18Dを参照すると、楕円形浅窩プレート1610Aの別の実施例の更に詳細な図が開示されている(これらの図では、ステム1612Aは非円筒形である)。
【0090】
図19A〜図19Dを参照すると、図16A〜図16Dの浅窩球体の更に詳細な図が開示されている(留意すべき事項として、浅窩球体は重量削減のために空洞になっている場合がある)。
【0091】
図20A〜図20Bを参照すると、図16A〜図16Dの浅窩プレート/浅窩球体の組立部品の更に詳細な図が開示されている(図20Bの浅窩球体は透視図で示されている)。
【0092】
図21A〜図21Dを参照すると、浅窩球体の他の実施例の更に詳細な図が開示されている。
【0093】
図22A〜図22Bを参照すると、浅窩プレート/浅窩球体の組立部品の他の実施例の更に詳細な図が開示されている(図22Bの浅窩球体は透視図で示されている)。
【0094】
図23A〜図23Dを参照すると、浅窩球体の他の実施例の更に詳細な図が開示されている。
【0095】
図24A〜図24Bを参照すると、浅窩プレート/浅窩球体の組立部品の実施例の更になる詳細な図が示されている(図24Bの浅窩球体は透視図で示されている)。
【0096】
図25には、本発明の実施例による圧縮ネジ1614が示されている(留意すべきは、浅窩プレート110の中でネジが、いかなる望ましい方向のいかなる角度にも固定装着できる(例として、17.5°まで)ことを可能にする球状のヘッドであり−1つの具体例では、浅窩プレート110の穴は対応する凹面に形成されている場合もある)。
【0097】
もちろん、各種の形状、大きさ、材質(但し、限定されるものではない)からなる、本発明を含んだ別のコンポーネント、および/または、本発明の他の実施例があることは留意されるべきである。例えば(実施例は例示の目的であって限定するものではない)、上腕骨ライナーと浅窩球体の材質は逆転させることが可能である(逆型構造は典型的には金属の浅窩球体/浅窩プレートおよびプラスチックの上腕骨ライナー−代替の実施例は金属の上腕骨ライナーおよびプラスチックの浅窩球体から構成される)−それにより、自然体の浅窩骨に周期的に課される重量を理論的に減少することが可能である(より重い金属コンポーネントを除去することにより)。多数の必要とされる金属ネジおよび固定部品の除去により、また、装置のコストを削減になるであろう。別の実施例でも(その実施例は例示の目的であって限定するものではない)、浅窩球体および浅窩プレートの両方がプラスチックで製造された場合、この装置は、接合されたアプリケーションのみで使用できる可能性があり、−従来の肩関節形成術において標準治療として示されたアプリケーションとみられる。反対に、同じ素材から上腕骨ライナーおよび浅窩球体/プレートの両方を製造することもできるが、それにより、金属同士(あるいはセラミック同士)の関節構成を実現することが可能である(臀部関節形成術のアプリケーションにおいて、磨耗が少なく、または結果として骨溶解の事故が低減することが示されている)。また別の実施例において(その実施例も例示することが目的であって限定するものではない)、 浅窩プレート構造は、中央に保持(cage)ステムを備えるより、中央ネジを備える場合がある(中央ネジ孔は、中心骨欠陥が存在する時に有利になり得る;ネジは、ネジのパーチェス(purchase=てがかり)が得られるのを確保するために、様々な方向に配向することが可能である。
【0098】
本発明の実施例は、先行技術に対して多くの利点があり−これらの利点のうちのいくつかは既述の通りである。図12〜図15においては、−これらの利点のうちのいくつかにつていて更に詳述する。
【0099】
更に詳細には、図12は、2つの異なった解剖学的研究の結果を要約している(Iannotti、J.P. et al.を参照、正常な上腕関節窩の関係。JBJS。Vol.74-A(#4):491-500.1992年およびChecroun(AJ) その他、現在の浅窩のコンポーネント構造に適合する:解剖の死骸研究。JSES。11 Vol.、#6:614-617.2002)。−これらの各々の研究は、浅窩は下方において上方より広く、そして、西洋ナシまたは逆コンマ形状の特徴を備えていることを実証している。
【0100】
更に、図13は、典型的な関節窩上の従来のグラモンスタイル浅窩プレートの適合を図で示している;ネジ孔の典型的な4分円の位置が、肩胛骨の前部と後部の傾斜により理想的ではないと考えられていた−この傾斜は、それらの位置で薄い骨基底部となった(this slope results in a thin base of bone in these locations)。
【0101】
更に図14は、自然体の浅窩の中での最良の質/骨の深淵の領域を図で例証している。
【0102】
最後に、図15は、本発明の実施例に利用されているネジ孔位置の原理を図で示している。
【0103】
他の実施例(実施例は例示することが目的であって限定するものではない)では、本発明は以下のように構成されるであろう:
【0104】
・逆型肩浅窩プレート
・素材:Wrought Ti−6Al−4Vから機械加工される
・領域:1サイズ(38、42、46mmの浅窩球体が利用される)
・次元/特性:直径29mm、漸減5mm、長さ20mmの長さの骨が“通って成長する”) 保持(cage)、各ネジ孔は、圧縮ねじが15°の角度であることを可能にする球状の基部を備えており、各空孔は、さらに固定キャッチネジのためのネジ切り部を備えている。
【0105】
・逆型肩浅窩球体
・素材:鋳造Co−Crから機械加工される
・領域:3サイズ(直径および厚さ38/22mm、42/24mm、および46/26mm)
・次元/特性:浅窩球体は重量を減少するために空洞にしてある
【0106】
・逆型肩上腕骨ライナー
・素材:圧縮成形されたUHMWPE(超高分子量ポリエチレン)バー(改良されたポリ:GXL(プロクセル)の結合)から機械加工される)
・領域:3つの直径(38、42、46mmライナー);複数のオフセット
・次元/特性:回転安定性のために構成された上腕骨のプレートへの接合(例えば“キノコ型”または他の非円形形状)
【0107】
・逆型肩上腕骨プレート
・素材:Wrought Ti−6A1−4V から機械加工される
・領域:3サイズ(38、42、46mm)
・次元/特性: 回転安定性のために構成されたライナーへの接合(例えば“キノコ型”または他の非円形形状);回転安定性のために、雄ピンが上腕骨ステムに接合される。
【0108】
・逆型肩圧縮ネジ
・素材:Ti−6Al−4VまたはSS合金から機械加工される
・領域:多数の長さにおける1つの直径(4.0mm)
・次元/特性:可変な角度で装着するための球状のヘッド(例えば、最大で15°まで);カニューレが挿入された
【0109】
・逆型肩固定キャップネジ
・素材:Ti−6Al−4VまたはSS合金から機械加工される
・領域:1つのサイズ(長さ〜9mm、幅8mm)
・次元/特性:任意の角度で浅窩プレートへ圧縮ネジを固定する;カニューレが挿入された;浅窩球体の空洞になっている空間に適合する
【0110】
・浅窩球体固定ネジ
・素材:Ti−6Al−4VまたはSS合金から機械加工される
・領域:1つのサイズ(長さ〜25mm、幅4mm)
・次元/特性: 浅窩プレートに浅窩球体を固定する
【0111】
・逆型肩回転トルクの定められたネジ駆動部材
・素材:Wrought Ti−6A1−4Vしたから機械加工される;UHMWPE(超高分子量ポリエチレン)プラグ
・領域:1つのサイズ(必要に応じた最小の断面)
・次元/特性:破砕(fracture)の後に正方形ヘッドを保持するためにポリ・プラグを利用する構成
【0112】
別の実施例によれば(実施例は例示することが目的であって限定するものではない)本発明は以下の条件を満たすものである:
【0113】
逆型プロテーゼは、一次システム(primary system)と一体化する場合があり−補正のために一次ステムを保持する可能性がある(逆型肩の〜30%が補正として埋め込まれるので、その方が有益となる)。 更に、プロテーゼは、既存の上腕骨インプラントの器具(inventory)、既存の上腕骨器具類、または、同様の外科技術(すなわち、132.5°の上腕骨切断術を維持してもよい)を使用することもできる。
【0114】
ROM(関節可動域)の研究(以下に示す表1参照)で述べたように、逆型プロテーゼは、ROMの16.7%〜18.9%の増加と関係している可能性がある(従来のグラモントプロテーゼとの比較において)。
【0115】
ROM(関節可動域)の研究(以下に示す表1参照)で詳述したように、ネック角度を155℃から145℃への減少(従来のグラモン設計と比較して)と、上腕骨ライナーのサイズの増加(ライナーが近接する上腕骨から取り出されるかもしれないので)の結果として、逆型プロテーゼは、肩甲骨の切痕(すなわち、肩甲骨上の上腕骨の中間/下方での衝突)の発生率を減少させることに関連している可能性がある。
【0116】
逆型プロテーゼは、実証された従来のグラモンスタイル浅窩球体/ネジ/ベースプレート構造を利用することにより浅窩球体の緩みの低い発生率を維持することが出来る(註:浅窩球体構造は重量を削減するために空洞にしている場合がある)。
【0117】
浅窩プレートは、固定を増強するために、骨がそこを”通って成長する”("through-growth") 保持(cage)構造を利用する。
【0118】
浅窩プレートは、骨ネジのパーチェス(purchase=てがかり)を最大限にするたに任意の4つの空孔への圧縮ネジ(すなわち、最大で15°までの角度変化)の挿入を可能にする。
【0119】
浅窩プレートは、任意の圧縮ネジに取り付ける事が出来る固定キャップネジを使用することによって、各々のネジを固定/圧縮ネジとして利用することが可能となる。
【0120】
上腕骨ライナーは結合GXL(すなわち、強化ポリ)で製造され、また、上腕骨ライナーを上腕骨プレートへ取り付ける“マッシュルーム”頂点ロッキング機構を利用することができる(そのような実施例の上腕骨ライナーを示す図である10A〜10Cの3つの図、および、そのような実施例の上腕骨プレートを示す図である11A〜11Eの5つの図を参照とする)−これにより、上腕骨ライナーの磨耗と分離が低い発生率となることが期待できる。
表1−型肩ROM(関節可動域)の比較
【表1】
【0121】
本発明の別の実施例は、従来のグラモン逆型肩構造に備わっている多くのまたは全ての前述の利益を組入れた逆型肩プロテーゼとその移植方法に関するものであって、同時に、観察された合併症の数と率を最小限にするとともに、移植の方法に関連する他の関心分野の解決に取り組んでいる。関連する歴史的な利点は次のものを含んでいる(しかし限定されるものではない):1)筋肉効率を高めるための延長/引張三角筋;2)有効なモーメントアームを最小限にするための関節窩上(または近く)での回旋点の維持;および/または、3)上腕頭上方移動を防ぐ物理的な阻止を引き起こさないためのナチュラルジョイント(自然関節)くぼみの逆転。最小限にされた合併症/その関連(concerns)として次のものを含んでいる(ただし限定するものではない):1)衝突の発生率の減少;2)肩甲骨切痕の発生率の減少;3)安定性の向上;4)脱臼の発生率の減少;5)浅窩固定の向上;6)骨の保護;および/または、7)半分または全部の肩の逆型肩への変換のよりよい促進。前述の併発症/その関連を解決する、各々の創造の特徴の詳細な説明を以下に開示する。
【0122】
衝突および肩甲骨切痕の発生率を減少させるため、逆型肩コンポーネントのネック角度を155°(従来のグラモン逆型プロテーゼのネック角度、および、基本的に市場における全ての後発の逆型肩プロテーゼ)から145°に縮小させる。実験は、ネック角度における10°の減少が、関節可動域(ROM)での下方移動をもたらすことをを実証した(図26参照)...この下方移動は、患者の日常生活(ADL)によりよい整合調整をもたらすROMを提供した。ROMの下方移動の必要性を示す証拠は、従来のグラモン構造が16°の外転で下方衝突を伴うことをX線写真テンプレートにより証明したDe Wildeの研究によって客観的に実証された。(De Wilde, L. et al. 腱板断裂関節症を治療の肩プロテーゼ:相対的な生体力学的研究JOR22:1222−1230.2004を参照)。この構造欠陥の追加証拠は、4つの異なる状態で肩甲骨切痕の発生率を比較した、Nyffelerの研究で書面により証明された(Nyffeler、R. その他、逆型のDeltaIII全肩プロテーゼにおける浅窩のコンポーネントの位置調整の生体力学的な関連性を参照。JSES−Vol.14,#5:524−528.2005)。図27に表されているように、1)浅窩球体が、浅窩の中心に位置するとき;2)浅窩が、下方の浅窩の縁に位置するとき;3)浅窩球体が、下方に2〜4mm突出したとき;また、4)浅窩球体が、下方に15°傾いて肩甲骨ネックと同一平面であるとき。Nyffelerは、下方に2〜4mm突出した浅窩球体は、(下方衝突が減少した結果として)外転/内転のROM(関節可動域)の著しい改善に関連していると結論を下した。
【0123】
留意されるべきは、Nyffeler研究の浅窩球体の状態2〜4は、製造業者に承認された技術である[状態1]の手術的矯正法であると考えられていた−これらの改良は、特に前述の構造欠陥の解決に取り組むのに必要であると考えられていた。下方に突出するように浅窩球体を配置することに利益があるかもしれない、しかしながら、浅窩球体を下方に配置することにより、数々の新たな問題を提起することとなるであろうことに留意すべきである−中心骨欠陥の存在において、もっとも顕著なのは、一般的である全肩から逆型肩への変換の際である(典型的な逆型構造で下方浅窩球体の突出を得るには、浅窩の下方部分に空孔が掘削される必要があり、付加的な浅窩骨の除去を伴う)。これだけの必要とされる浅窩骨を保持するために、本発明の1つの実施例は、その中央ステムが上方に4mm移動されている浅窩プレートを利用する−外科医が全肩関節形成術のために行なわれるのと同様に、逆型(逆型肩reverse)を備えた従来の外科的技術を維持することを可能にする(つまり、不具合が生じるであろう浅窩の中央に空孔を切削する;それにより、骨を保持する)。技術的見地から、空孔は浅窩の中心に空孔に掘削され、浅窩骨はリーマ仕上され、また、プレートの下位の端が、自然体の浅窩骨の下位の端において同一平面上に位置するように、浅窩プレートは挿入されネジで固定される。上方移動ステムの更なる利点は、浅窩球体の固定ネジ孔がもはや浅窩球体の先端(一般的に負荷がかかっている領域)に位置しないということである−代わりに、それは、一般に負荷のかかっていない領域に上方移動させられる(それは、浅窩プレート上の上方移動させられたステムの位置と対応している)。
【0124】
安定性を高め、かつ脱臼の発生率を減少させるために、近接する上腕骨が浅窩球体のサイズの確保のために使用されないように、1つの実施例では、上腕骨ライナーが近接する上腕骨から取出され(brought out)れた。この特徴は多くの理由で有利である(少しは含まれるが、制限するものではない):1)隣接面のリーマ仕上げが必要とされないので、近接する上腕骨は保持され、そして、2)浅窩球体のサイズは、(近接する上腕骨に設置されるライナーのサイズで決められるよりむしろ)自然体の浅窩骨のサイズにより確保することが可能である−研究は、浅窩球体の直径の増加によりROMと安定性が向上することを実証した。この特徴は、半分(hemi)および/または全部の肩から逆型(逆型肩)への転換を促進し(または、その逆も同様に:逆型(逆型肩)から半分および/または全部へ)この逆型構造は、半分および/または全部の肩関節形成のために使われるものと同じ上腕骨ステムが利用できる(つまり、外科医は、逆型肩へと転換するために、良く固定された上腕骨ステムを除去しなくてよい)。この実施例では、半分(hemi)および/または全部の肩のために利用されたものと同じ上腕骨ネックカットを保持する点が留意されるべきである(つまり、上腕骨のヘッドは上腕骨解剖頚において、または、上腕骨解剖頚の辺りで切除される)。他のシステムでは、典型的に、半分および/または全部の肩関節形成のために、利用されたものとは異なる位置で切除することが必要である。
【0125】
脱臼の発生率を減少させる追加の実施例は、患者の三角筋の長さに応じたサイズの、浅窩球体および上腕骨コンポーネントに接続されたテンションバンドの使用を含む。十分な安定性を達成するために三角筋に対応して適切に伸ばしたとき、バンドは、縮小を試行する間に壊れるかもしれない。De Wildeによる2つの研究(De Wilde, L. et al. 腱板断裂関節症を治療する肩プロテーゼ:相対的な生体力学的研究JOR22:1222−1230 2004;De Wilde, L. et al. 腫瘍外科手術における近接上腕骨復元のための逆型プロテーゼの後の機能的回復CORR.#430:156−162.2005を参照)は、三角筋の長さとして10〜20%増しが適切であると示唆している。
【0126】
1つの実施例では、浅窩球体および上腕骨の大きさの範囲を38mm〜46mmに増加している(競合する構造が提供する大きさの範囲との対比では:この技術を利用しない場合は34mm〜42mmとなる)。これらの大きな浅窩球体を実現するために、浅窩球体の前部と後部の側面は面取りされる;それによって、いかなる余分な浅窩も除去をせずに、切除した表面上の創傷部分への挿入および同一平面上に位置することを可能にする。それぞれの浅窩球体の内部形態は、重量削減のために空洞になっており、それによって、疲労を起因とする骨折の発生を最小限にしている。ROMを増加させ、かつ安定性を高めるために、各浅窩球体は、拡張関節面(例えば、180°より大きな弧−図32参照)としている。
【0127】
浅窩の固定を促進するために、この発明では骨がそこを”通って成長する”("through-growth")骨片移植のできる浅窩プレートステムを利用する。骨片移植は、ネジでプレートに固定される前および/または後にステムの中に注入される(例えば、プレートの上端から注射器で移植片を注入する)。骨がそこを”通って成長する”("through-growth")固定ステムは、円筒形状(例えば、ペグ浅窩を修正したもの)または、非円筒形状(例えば、竜骨浅窩の修正したもの)であってもよい。浅窩プレートの形状または外形の変更は、浅窩固定もまた改善する;1つの実施例では、発明者はプレートの構造を従来の(市場において、他の従来の構造として利用されている)グラモンスタイル円形構造から(より正確に肩甲骨の生体構造(anatomy)を反映した)西洋ナシ/楕円形構造に変更した。そうすることより、固定に利用可能な浅窩ネジ孔の数の増加により浅窩の固定を改善することができる(例えば、4から6への増加)また、ネジ孔の配置の改善により、固定の可能性を最大限にする(つまり、各々のネジ孔は最良の質/深淵な骨の領域に応じて配置される)。
図12〜図15は、さらにこれらの利点の詳細な説明である。更に詳しくは:図12は、2つの異なる解剖学的研究の結果を要約する(lannotti, J.P. et al. 通常の関節窩上腕の関係 JBJS. Vol. 74-A, #4: 491- 500. 1992; Checroun, AJ. et al. 現在の浅窩コンポーネント構造の噛合い(適合=fit of):解剖学的死体研究. JSES. Vol. 11, #6: 614-617. 2002);これらの各々の研究は、浅窩は下方において上方より広く、そして、西洋ナシまたは“逆型コンマ”形状であるという特徴を備えていることを実証している。
図13は、代表的な関節窩における典型的なグラモンスタイル浅窩プレートの噛合い(適合=fit of)を図で示している;ネジ孔の典型的な四分円の位置が、肩胛骨の前部と後部の傾斜により理想的ではないと考えられていた−この傾斜は、それらの位置で薄い骨基底部となった(this slope results in a thin base of bone in these locations)。
図14は、従来の浅窩における最良品質/深淵な骨の領域を図で示している。最後に図15は、本発明の実施例に利用されているネジ孔位置の理論的根拠を図で示している。
【0128】
浅窩プレートは、更に、浅窩骨の保持および/または固定の改善に作用する他のいくつかの特徴を兼ね備えている。浅窩プレートは、移植のために除去される骨の量を最小限にするために湾曲背後部(curved-back)を持っている(平面後背部の浅窩プレート構造との比較では、自然体の浅窩骨もまた湾曲している)。さらに、浅窩プレートの1または1つ以上のネジ孔が、球状ヘッドの雄圧縮ネジと接合(螺合)する、雌の球状の特徴を備えている。そうすることにより、各々の圧縮ネジを任意の角度/配置にすることを可能にする−その結果、ネジのパーチェス(purchase=てがかり)の可能性が向上する。更に、浅窩プレートの1または1つ以上のネジ孔が、固定キャップ接合のためのネジ山の付いた特徴を備えている−このキャップネジは、球状ヘッドの圧縮ネジを押し込む雌球状の特徴を備えており;その結果、ネジは骨の中に挿入され、どのような角度/配置でもプレートにそれを固定できる(緩みによる脱落(backing out)を阻止する)。
【0129】
本発明の実施例による逆型構造の様々な詳細が、ここに示されている。図16A〜16Dは、逆型肩プロテーゼの例の、組立てられた構造を図示している。この構造のコンポーネントは、上腕骨ステム(例えば、圧入あるいは接着された態様で用いられ、チタンで形成される事がある)、上腕骨ライナー(凸面の浅窩球体と接合する凹面のコンポーネント;UHMWPE(超高分子量ポリエチレン)で形成される)、上腕骨のアダプター板(上腕骨ライナーを上腕骨ステムに接続する;チタンで形成される場合がある)、浅窩球体(コバルト・クロムで形成される場合がある)、浅窩プレート(チタンで形成される場合がある)、と、個々のコンポーネント相互の組立て、または自然体の骨に構築する組立てのための複数のネジと固定装置(全てがチタンで形成される場合がある)、とからなる。図17A〜17Dは、浅窩プレート構造の例を図示しており(いくつかの留意すべきする特徴として:1)プレートの背面の6つのネジ穴、2)骨がそれを”通って成長する”(through-growth) 保持(cage)ステムであって骨移植片を(例えば、注射器によって)注入可能にしたプレートの前面および/または、保持(cage)ステムの底面に孔があること。)図18A〜18Dおよび図5D〜図5Fは、2つの他の実施例における浅窩プレート構造を図示している(湾曲背後部(curved-back)の浅窩プレートであること)。図25は圧縮ネジの例を図示している(ネジが、いかなる望ましい方向にも角度配置されることを可能にする球状のヘッドである)。
【0130】
上記のように、逆型肩構造の様々な実施例は以下を含む(しかし、限定されるものではない):上方移動した浅窩プレートステム;非円筒形状浅窩プレートステム;固定を向上させる楕円/洋ナシ形状浅窩プレート;155°ではない上腕骨ネック角度;拡張関節面の浅窩球体;および/または、三角筋の張力(伸度)を測るテンションバンド(張力帯);逆型肩ポロテーゼに使用される、骨がそれに”通って成長する”(through-growth) 保持(cage)。
【0131】
ここで述べるように、本発明の1つの実施例は、上方移動された浅窩プレートステムに関連するものである(例えば、他の図とともに図28を参照する)。この点で、下方に突出した浅窩球体は、より少ない肩甲骨切痕みおよび良い臨床結果となっている(Nyffelerによる臨床観察に基づく―図29の左から3番目の図(4つの異なる浅窩球体の位置による臨床効果が検査されたNyffelerの研究からの補正画像)に基づく)。
しかしながら、主に、中心骨に欠陥が存在することが多く(浅窩が除去された結果として)全肩を逆型肩へ変換する場合においては、浅窩球体を下方に位置させることは、数々の新たな問題を提起することになる。他の逆型構造でも下方浅窩球体突出を得るためには、通常は浅窩の下方部分に空孔を掘削する必要があり、それが付加的な浅窩骨の除去を引き起こす。
必要とされるだけの浅窩骨を保持するために、本発明の1つの実施例に関連する浅窩プレートは中央ステムが上方移動するように構成されている(例えば、4mm)−外科医が全肩関節形成術のために行なうのと同様に、逆型(逆型肩reverse)を備えた従来の外科的技術を維持することを可能にする(つまり、欠陥の生じるであろう浅窩の中央に空孔を切削し;これによって骨を維持する)。さらに、他の下方孔の構造の浅窩プレートでは(典型的に、下方肩甲骨ネックに沿ってネジの挿入を可能にするために、下方の角度になっており)、典型的に、下方の肩甲骨ネックに沿ってネジの挿入を可能にするため、もはや正確な位置にはない。
【0132】
ここで更に述べるのは本発明の別の実施例であり、従来のペグおよび竜骨(peg and keel)浅窩の転換を可能にする構造の浅窩プレート空孔の位置に関するものである。補正されたペグ浅窩の場合では、この実施例の浅窩プレートの中央ペグは、除去された浅窩の中央ペグによって残された中心骨の欠陥を充填するように設計されている。
図30Aおよび図30Bで図示されるように、上方の前部/後部の一対のネジ孔は、補正して固定された(pegged)浅窩の中で、骨が除去されていない位置に配置される;この特性を使用して、適宜の固定が実現される。特に、±10°の角度の圧縮ネジが利用された時には、傾けられた下方の空孔および上方の空孔もまた、十分な固定に寄与する。補正された竜骨(keeled)浅窩の場合には、この実施例の浅窩プレートの中央ステムは、除去された竜骨(keeled)浅窩によって起きた中心骨欠陥を部分的充填するように設計されている;欠陥を完全に充填するために移植片が使用される場合がある−この実施例では、前部から注入されている(後述の考察参照)。
図31Aおよび31Bで図示されているように、2つ前部の/後部の空孔は、竜骨(keeled)浅窩の補正では骨が除去されていない位置に配置される;この特性を使用し、十分な固定が実現された。補正した固定された(pegged)浅窩において、斜めの下方空孔および上方空孔もまた、十分な固定を実現した、特に、±10°の角度の圧縮ネジが利用された場面において。
【0133】
ここで更に述べるように、本発明の別の実施例は、前部の/後部の浅窩球体フラット面(flats)と関連がある(例として、他の図とともに図32を参照)。
【0134】
ここで更に述べるように、本発明の別の実施例は、ROMを向上させるための拡張関節面と関連する(つまり、180°より大きい関節面−例えば、他の図と同様に図32を参照)。
【0135】
安定性を高め、かつ脱臼の発生率を減少させるため、近接の上腕骨がもはや浅窩球体のサイズを決定するために使用されないように、この実施例に置いて上腕骨ライナーは近接上腕骨から取り出された(従来のグラモン構造の場合のように)。この構成の特徴は多くの理由で有利である:1)隣接面のリーマ仕上げが必要とされないので、近接上腕骨は保持される、そして、2)浅窩球体のサイズは、自然体の浅窩骨のサイズにより確定することが可能である(近接上腕骨に設置されたライナーのサイズから決まるよりもむしろ)。
研究では、この実施例による大きな直径によって、向上したROMと安定性が実現できることを実証した。この特性により、半分(hemi)からも−または全部の肩からも逆型(逆型肩)へ転換することを一層促進し(または、逆も同様に:逆型(逆型肩)から半分(hemi)−または全肩へ)なぜなら、この実施例の逆型構造は、半分(hemi)または全部の肩関節形成のために使われるものも同じ上腕骨ステムを利用しているからである(つまり、外科医は、逆型肩へと転換するために、良く固定された上腕骨ステムを除去しなくてもよい)。この実施例は、半分(hemi)−または全部の肩のために利用されたものと同じ上腕骨ネックカットもまた保持する点に留意するべきである(つまり、上腕骨のヘッドは上腕骨解剖頚において、または、上腕骨解剖頚の辺りで切除される)。
他のシステムでは、従来は、半分(hemi)−または全部の肩のために利用されたものとは異なる位置で切除することが必要である。したがって、この実施例中の浅窩球体および上腕骨ライナーのサイズの範囲は38〜46mmに増加している(市場において競合する構造が提供する大きさの範囲と比較すると、この技術を利用しない場合は、34〜42mmとなる)。これらの大きな浅窩球体を実現するために、浅窩球体の前部と後部の側面は面取りされる場合がある;それによって、いかなる余分な浅窩の除去をせずに、切除した表面上の創傷部分への挿入および同一平面上に浅窩球体を位置することを可能にする。ある従来のシステムでは、浅窩球体が球状であり、発明者は、浅窩球体の前部と後部の側の面取りにより、浅窩球体の形状を、前部と後部の方向においてより薄い自然体の浅窩の浅窩に似せている。更に、この実施例において浅窩球体の前部と後部の面取りを追加することは、装置の挿入の際に上腕骨をより容易に通過装着することを可能にするので、挿入をより容易にする更なる利益がある。
【0136】
本発明の各種実施例における浅窩球体の他の特徴としては、それぞれの浅窩球体の内部形態を、重量削減のために空洞にしている(そして、固定キャップのための空間を設けている)。これにより、疲労起因の骨折の発生を最小限にしている。更に、ROMを増加させ、かつ安定性を高めるために、各浅窩球体は拡張関節面(つまり、180°より大きな弧である−図32を参照)としている。
【0137】
本発明の別の実施例では、上腕骨のネック角度、上腕骨ライナーの制約(constraint)、浅窩球体の直径および浅窩球体の厚さの最適な組合せが、ROMを最大限にし、かつジャンプディスタンス(jump distance)および肩甲骨切痕を抑えている。
【0138】
本発明の別の実施例では、本来の位置または補正がされた場合の前部を通じての移植の前または後に、中で成長する骨(bone through growth)および治療薬の挿入を可能にする為の前部開口部を備えた骨保持器(bone cage)(円筒形または非円筒形−例えば、釘固定(pegged)および/または竜骨(keeled)浅窩の補正による骨欠陥の充填−図28および33をそれぞれ参照)が提供される。
【0139】
別の実施例では、病気の肩を再構成する方法が提供されおり、その構成は:望ましい角度数値(例えば、少なくとも一般には上方−下方向)の関節可動域を実現するために相互に作用する、浅窩球体、浅窩プレートおよび上腕骨ライナーを提供することからからなる。
【0140】
ここで述べるように、本発明の各種の実施例は、関節窩への応力転移を強化し、またプロテーゼA/Pの突出を制限する浅窩プレートの解剖学的構造を提供する。更に、解剖学的な形状の浅窩プレートは、固定のために使用するネジ孔の数を最適化すると同時に、自然体の浅窩において利用される最良の質/深淵の骨との関係でその位置を最大化する。さらに、1または1つ以上の圧縮ネジが、固定キャップネジの使用によりネジを固定するために利用される。
【0141】
ここで、典型的なグラモン逆型肩についての構造パラメーターと、一般に報告される臨床の併発症との関係を評価する研究に及ぶ。研究の結果は、本発明の各種の実施例による逆型肩プロテーゼのために使用された構造入力を特定し構築するために使用されるであろう。
【0142】
ここにおける検討のために、以下の定義を用いる:関節可動域(ROM)とは、下部と上部の衝突との間に起こる上腕骨の回旋と定義され、下部と上部における衝突とは、浅窩球体を超えて伸ばしたライナーの延長(図34を参照)と定義される。この測定では肩甲骨の回転運動が考慮されなかったことが注目される;上腕骨の動きだけが構成同士の1対1の比較を可能にすると考えられた。したがって、示されたROM数値は、臨床的に報告された数値に一致することを意味しない。ジャンプディスタンス(jump distance)とは、浅窩球体が上腕骨ライナーから抜けるのに必要な横方向の距離と定義される;それは脱臼までの対応距離である(衝突がないと仮定して)(図35を参照)。オフセットとは、上腕骨ライナーと浅窩球体の中心までの垂直距離と定義される;これは三角筋張力(伸度)と関係がある(図36を参照)。上腕骨の制限とは、上腕骨ライナーの深さと幅(表面において)との間の比率と定義される。明確化のために、制約>0.5は関節を拘束(図37を参照)している。
【0143】
研究によって、典型的な36mmのグラモン逆型肩プロテーゼ(Depuy社/Tornier社)は、光学比較器および測径器を使用して獲得され分析模倣(reverse engineered)された。その後、プロテーゼは解明された構造パラメータに基づいたUnigraphics(UGS社)を使用して、(パラメトリック仕様(in a parametric fashion)で −これにより構造パラメータの変更を許容し)幾何学的にモデル化された。ROMシミュレーションは、上腕骨の外転/内転をシミュレートし、かつ前述の研究パラメータを数量化するために構築された(同様にUnigraphicsを使用)。
【0144】
問題の典型的なグラモン逆型肩は、3次元の(3D)コンピュータ支援の設計ソフトウェア(Unigraphics;UGS社)を使用して、幾何学的にモデル化された。アセンブリー解析は、シミュレートされた上腕骨の外転/内転における、いくつかの機能に関連のある測定(ROM、ジャンプディスタンス(jump distance)、オフセット)について、いくつかの補綴(人工機器)設計パラメータ(上腕骨ネック角度、上腕骨ライナーの制約(constraint)、浅窩球体の厚さ、浅窩球体の直径)の効果を数値化するために行なわれた。
予測されることは、前述の構造パラメーターと、機能的な測定との関係は、逆型肩関節形成術に関して一般に報告されていた臨床的合併症(肩甲骨切痕、脱臼、不適切な三角筋の張力(伸度)など)に関連した失敗(欠落)のメカニズムを明らかにするであろう。
特に、ROM、ジャンプディスタンス(jump distance)、オフセットは、以下の各々の設計条件について数値化され比較された:上腕骨ネック角度は130°〜165°まで様々である(5°毎の増加);上腕骨制約(constraint)は、0.250〜0.3125(0.0125毎の増加);浅窩球体の厚さは17mm〜21mm(1mm毎の増加);そして、浅窩球体の直径は34mm〜44mmまで幅があり(2mm毎の増加)。
【0145】
この研究で、典型的なグラモン逆型肩(すなわち、ネック角度155°、0.275の上腕骨制約(constraint)、36×19mmの浅窩球体)は、35°から95°の外転で下方と上方のそれぞれで衝突することが判った(図38を参照)。
【0146】
上腕骨のネック角度を5°増加させることで、衝突のポイントの変更により、ROMを確実に5°変化する。更に、上腕骨のネック角度を5°増加させることで、外転の角度に応じて、オフセットも同様に0.25mmから0.5mmまで増加する。明確にするために、Nyffelerの研究が、下方傾斜15°での浅窩球体の移植は、肩甲骨切痕を減少すると報告している。図39と図40で、何故−浅窩球体から15°移動させることが機能的に上腕骨のネック角度を15°を移動させること同じことになるかを図示している。双方とも、下方の衝突を最小限にしている;唯一の違いは、後者においては浅窩骨が保持されていることである。
【0147】
上腕骨制約(constraint)の0.0125の増加は、ROMを4°減少する;より多くの制約(constraint)は、より少ない動きとなる(図41参照)。同様に、上腕骨制約(constraint)を(上記と)同量だけ増加させることは、ジャンプディスタンス(jump distance)を5mm増加させる;より多くの制約(constraint)、は、より大きな脱臼の耐性となる。
【0148】
浅窩球体の厚みを1mm増加させることで(上腕骨制約(constraint)が一定の場合)、ROMは5°増加する。オフセットおよびジャンプディスタンス(jump distance)は影響を受けない(図42参照)。
【0149】
浅窩球体の直径を2mm増加させることで(上腕骨制約(constraint)が一定の場合)、ジャンプディスタンス(jump distance)は5mm増加する。ROMは影響を受けない(図43参照)。
【0150】
この研究の結果は、各々の設計パラメータと機能的計測との間の関係を実証した。更に結果は、患者が側面に腕を内転(日常生活の多くの活動のために必要とされる)できるようになる以前に、典型的なグラモン構造が肩甲骨の下方において衝突することを実証した。これらの結果は、X線写真と臨床研究の双方からの報告の提出により正当性が証明された(図44参照;Nyffeler、R.W, その他、逆型肩DeltaIII全肩プロテーゼにおける浅窩のコンポーネント位置調整の生体力学的な関連性を参照。JSES−Vol.14,#5:524−528.2005;De Wilde, L.F. et al. 腱板断裂関節症を治療する肩プロテーゼ:相対的な生体力学的研究JOR22:1222−1230 2004)。
【0151】
これらの観察による結論としては、上腕骨ネック角度と、浅窩球体の構造と、上腕骨ライナーの構造との特別な組合せは、相互関係にあるが、従来のグラモン構造は、必ずしも最良ではない−そのため、下方での衝突による影響で、切痕や脱臼が起こりやすくなる。この関係についての知識は、本発明の各種の実施例によって従来のグラモンスタイル逆型肩プロテーゼを最適化するための基礎として用いることができる。
【0152】
この点で、本発明の各種の実施例は、患者の日常生活の活動に、より適応するROMを可能にする位置へ下方衝突ポイントを移動させた逆型肩構造を提供する。これらの関係の応用は、ROMまたはジャンプディスタンス(jump distance)を最大にする逆型肩プロテーゼ構造において有用であり、衝突を縮小し、また、三角筋を伸張させる十分なオフセットを提供し、従来のグラモン逆型肩構造に関する特定の生物科学的な利点を維持することになる。
【0153】
別の研究を参照すると:1)三次元コンピューターを利用したアセンブリ解析を使用して測定したように、シミュレートされた上腕骨の外転/内転の間におけるEquinoxe(分点)逆型肩構造の関節可動域(ROM)とジャンプディスタンス(jump distance)を計測し、2)これらのパラメーターと、同様にシミュレートされた動作における典型的なグラモン逆型肩構造に関連するものと対比し、同じ方法論を用いて数量化する。この比較の結果は、典型的なグラモン構造と比較して、Equinoxe逆型肩は同様の量のジャンプディスタンス(jump distance)(脱臼の可能性を示した安定性の測定)を維持しながら、運動の量の増加と下方衝突量(肩甲骨切痕を示す運動および安定性の測定)の減少を達成したことを実証している。
【0154】
この研究の主題であるEquinoxe逆型肩は、明瞭になり詳述された上述の研究の原理に基づいて構成されている。このプロテーゼのいくつか構成の目的は以下に詳述される(各々のコンポーネントの構成の詳細は図45〜図53に示されている):
【0155】
1)典型的なグラモン逆型構造の生体力学的な利点を保持する:上腕骨の上方移動を防止し、関節窩の回旋中心を置いてレバーアームを(内側にまたは遠方に移動させることにより)最小限にして、三角筋を−15%延長する。
2)肩甲骨切痕/下方骨衝突を最小限にする。
3)関節可動域を改善する。
4)ジャンプディスタンス(jump distance)を最大限にする。
5) 逆型オプションにより、継ぎ目なく一体化されたEquinoxeの従前のシステム(つまり、同じ上腕骨ステムを利用する)。
【0156】
以下で詳述するように、典型的な36mmのグラモン構造と比較して、同様の量のジャンプディスタンス(jump distance)(脱臼の可能性を示した安定性の測定)を維持しながら、Equinoxe逆型肩が運動の量の増加と、下方衝突量(肩甲骨切痕を示す運動と安定性の測定)の減少を実現することをこの研究は実証している。
【0157】
この研究の目的のために、上記のプロテーゼは、上記で議論された研究で解明された構造パラメータに基づいたUnigraphics(UGS社)を使用し、構成かつ幾何学的にモデル化された。ROMシミュレーションは、上腕骨の外転/内転をシミュレートし、かつ前述の研究パラメータを数量化するために構築された(同様にUnigraphicsを使用)。
【0158】
上記で議論された研究で詳述した方法と同じ方法が、下方および上方の衝突点、全ROM、そして、シミュレートされたEquinoxe逆型肩プロテーゼの上腕骨の外転/内転における、ジャンプディスタンス(jump distance)の3°の増加を定量化するのに使用された。下方および上方の衝突の研究ために使用された定義が、上記で議論された研究の中で使用したのものとは構成(デザイン)が異なることにより僅かに異なることに留意するべきである。
図45および図46で示されるように、Equinoxe逆型肩浅窩プレートは4mm上方に移動した位置に中央ステム備えている;そうすることにより、浅窩プレートの遠端リムは、浅窩関節面の遠端エッジと接合するように、浅窩プレートの中央ステムに埋め込まれていると仮定されている浅窩球体の4mm遠方移動となる。浅窩球体の4mmの遠方移動は、代替浅窩球体移植技術との対比で、Nyffelerによる優れた臨床結果として実証された下方突出部を作り出している。したがって、図54および図55の中でそれぞれ描かれるように、下方および上方の衝突は明確なポイントは補正された。
【0159】
シミュレートされた上腕骨の外転/内転中に、38mm,42mm,46mmのEquinoxe逆型肩において、それぞれ16°、91.5°;7.5°、91.5°;および、0°、91.5°の下方または上方の衝突が生ずることが測定された。
したがって、38mm、42mmおよび46mmのEquinoxe逆型肩のシミュレートされた上腕骨の外転/内転の間の全ROMは、それぞれ75.5°、84°、91.5°と測定された。解明については、図56が、この実施例の42mmのEquinoxe逆型肩のためのシミュレートされた運動の間にいくつかの定義された角度を描いている。明確を期すために、図56は、42mmEquinoxe逆型肩のこの実施例におけるシミュレートされた動作の中のいくつかの明確な角度を図示している。
【0160】
このROMでは(Over this ROM)、38mm、42mm、および46mmのEquinoxe逆型肩に関して測定された、最小および最大のジャンプディスタンス(jump distance)は、それぞれ、0.035インチ〜0.855インチ、0.035インチ〜1.052インチ、そして0.035インチ〜1.234インチである。38mm、42mmおよび46mmのEquinoxe逆型肩に関して測定された平均ジャンプディスタンス(jump distance)(前述のROMより3°の増加)は、それぞれ0.371インチ、0.458インチ、そして0.522インチである。
【0161】
比較すると、典型的な36mmのグラモン逆型肩では、35°および95°で上方と下方で衝突し、全ROM(関節可動域)は60°であった。ここでROMの最小および最大のジャンプディスタンス(jump distance)は、0.081〜0.749インチと測定され;このROMで(3°増加)0.374インチの平均ジャンプディスタンス(jump distance)となる。図57および図58で図示されるように、この実施例のEquinoxe逆型肩は、20.5%、28.6%、そして34.4%より大きなROM、および、−0.8%、18.3%、28.3%の典型的なグラモン逆型肩プロテーゼより大きな平均ジャンプディスタンス(jump distance)となる。
【0162】
この設計検証の結果は、この実施例のEquinoxe逆型肩プロテーゼがより多くの動作、より少ない衝突、そして典型的な36mmグラモン構造と同等の安定性を伴うことを実証している。
【0163】
この結果に関して、3つの点が考慮されるべきである。
第一に、この研究で得られたROMの評価は臨床的に報告されたもの以下である。この相違(乖離)の理由は、上腕骨の運動だけが考慮され、少なくとも分析において肩甲骨の部分の動作が考慮されていないためである。上腕骨動作への肩動作の比率は0.4〜0.7の間であると報告されている;回旋腱板の状態により:上腕骨の動作と比較して、より大きな腱板断裂、より大きな量の肩甲骨動作がある(De Wilde, L.F. et al.、腫瘍手術における近接上腕骨復元のための逆型プロテーゼの後の機能的回復。CORR.#430:156−162.2005;MeIl,A.G.et al.。肩応用運動学に関する回旋筋腱板損傷サイズの影響。整形外科研究協会の第51回年次総会の議事録。Poster #0623.2005)。したがって、腱板断裂関節症を目的とした、最も一般的な逆型肩関節形成術に関する記述としては、上腕骨動作に関連する肩甲骨の動作量が、この比率よりも高いと仮定することは合理的であり−これが考慮されるなら、この研究結果は文献に公表された臨床治療のROMデータに応答するものである。
【0164】
第二に、この実施例における38mmのEquinoxe逆型肩プロテーゼ構造の平均ジャンプディスタンス(jump distance)は、0.371インチであった;この数値は、典型的な36mmグラモン(0.374インチ)より0.003インチ(つまり0.075mm)少ない。しかしながら、この僅かな差異は、各部品の製造上の公差の許容範囲であり、また、試験方法の正確さおよび精度が考慮される場合にも、恐らく無視できる程度のものであると考えられていた。このため、これらの2つの構造が同様のジャンプディスタンス(jump distance)を備えており、従って同程度の安定性があると結論付けられていた。
【0165】
第三に、典型的な36mmグラモン設計だけが検討され、DepuyもTornierも共に42mmの浅窩球体を提供している。しかしながら、グラモンの外科技術は通常は、近接上腕骨のリーマ仕上げを必要とし、また、90%〜95%の事例で(確率で)、近接上腕骨は42mmの上腕骨ライナーを受け入れるのには小さ過ぎるため、42mmのプロテーゼは、めったに臨床治療では使用されていないと考えられていた。Walch博士は、2005年のアメリカで、<5%の彼の逆型関節形成の症例およびオーランドの肩肘学会(Shoulder Elbow Society)の会議で、42mm浅窩球体の使用例を発表した。Depuyは、Delta IIIマーケティング文献の中で、2004年の症例では、42mm浅窩球体の使用例は11%のみにしか使用されなかったと報告していた。
この実施例のEquinoxe逆型肩では、近接上腕骨のリーマ仕上げを必要としないので(例として、従来の上腕骨の上腕骨解剖頸に沿った上腕骨頭骨切術を使用して埋め込まれる)、より大きな直径の浅窩球体のインプラントが可能である。このように、使用される浅窩球体のサイズは、近接上腕骨のサイズではなく、むしろ浅窩のサイズに基づいて決定される。それはそれとして、図58では、42mmの上腕骨ライナー制約(constraint)が36mmの上腕骨ライナー制約(constraint)と同じと仮定すると、42mmの浅窩球体構造のROMは近似値になるとしている。もしこの仮定が妥当であるとすると、典型的な36mmグラモン構造に関するこの実施例のEquinoxe逆型肩のROMと同等の伸び率が、典型的な42mmのグラモン構造にも適応できるであろう。
【0166】
以上のような理由から、この研究の結果で、この実施例のEquinoxe逆型肩プロテーゼが、より大きい運動、より少ない衝突、そして、典型的な36mmグラモン構造と同様の安定性に関与していることを実証した。
【0167】
本発明の多くの実施例が詳述され、当然のことながら、これらの実施例は単なる例証であり、限定するものではなく、多くの改良事例が当業者には明らかになるかもしれない。例としては、ここに詳述されたいずれの構成要素も、希望のサイズで提供することができる(例えば、ここに記述されたいずれの構成要素も、希望の特注サイズで提供される場合があり、あるいは、ここに記述されたいずれの構成要素も、S(小)、M(中)、L(大)、のような一群のサイズから選ばれた好ましいサイズで提供される場合がある)。
更に、1または1つ以上のコンポーネントは、以下の物質から作られることもできる:(a)任意の生体適合性素材(生体適合性素材は骨表面成長が可能なものでも、また、骨表面成長を妨げるものでもよい−外科医の要望による);(b)プラスチック;(c)ファイバー;(d)ポリマー;(e)金属(チタンのような純金属、および、Ti−Al−Nb、Ti−6Al−4Vのような合金、またはステンレス製);(f)これらの任意の組合せ。その金属構造物は、機械加工された金属構造の場合もある。更に、各種の保持器(cage)構造(例としては、正方形/楕円の/角のある保持器(cage))が利用される。更に、竜骨構造(例としては、前部/後部竜骨、中央/側面竜骨、背びれ竜骨(角のある舟弁)、角ある竜骨)が利用される。
更に、プロテーゼは1または1つ以上のモジュール要素を利用することがある。更に、任意のプロテーゼに、好ましい数の保持器(cage)、および/または、竜骨が利用される。更に、任意のプロテーゼの各種の突起部(例えば、セメントの接合による初期固定、および/または、セメントの接合による追加固定)が利用される。更に、任意のプロテーゼに、セメント被膜(マントル)を増加させる様々な雌特性 (female features)が利用される。更に、任意のプロテーゼに、初期/追加の固定を向上させるために、骨を掘り下げること出来る様々な雄特性(male features)が利用される。更に、任意のプロテーゼに、各種の骨ネジ(つまり、初期固定および/または追加固定のための)が使用される。
更にまた、ここで詳述した様々な工程も、任意の望ましい順序(様々な、好ましい付加段階が追加される場合があり、および/また、望まれる任意の工程が削除されて)で実施される。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1A】本発明の一つの実施例による、逆型肩形成術(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)斜視図
【図1B】本発明の一つの実施例による、逆型肩形成術(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)斜視図
【図1C】本発明の一つの実施例による、逆型肩形成術(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)斜視図
【図2】図1A〜図1Cの実施例の他の斜視図
【図3A】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の更に詳細な斜視図
【図3B】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の更に詳細な斜視図
【図3C】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の更に詳細な斜視図
【図4A】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図4B】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図4C】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図4D】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図4E】本発明の実施例に従った西洋ナシ形の例の更に3つの詳細な斜視図
【図4F】本発明の実施例に従った西洋ナシ形の例の更に3つの詳細な斜視図
【図4G】本発明の実施例に従った西洋ナシ形の例の更に3つの詳細な斜視図
【図5A】図1A〜図1Cの実施例の西洋ナシ形の浅窩プレートの更なる詳細な斜視図
【図5B】図1A〜図1Cの実施例の西洋ナシ形の浅窩プレートの更なる詳細な斜視図
【図5C】図1A〜図1Cの実施例の西洋ナシ形の浅窩プレートの更なる詳細な斜視図
【図5D】本発明の実施例に従った西洋ナシ形の他の実施例の更に詳細な斜視図
【図5E】本発明の実施例に従った西洋ナシ形の他の実施例の更に詳細な斜視図
【図5F】本発明の実施例に従った西洋ナシ形の他の実施例の更に詳細な斜視図
【図6】本発明で使用されるタイプの圧縮ネジの例の斜視図
【図7A】本発明で使用されるタイプの固定キャップネジの実施例の斜視図
【図7B】本発明で使用されるタイプの固定キャップネジの実施例の斜視図
【図7C】本発明で使用されるタイプの固定キャップネジの実施例の斜視図
【図7D】本発明で使用されるタイプの回転定義ネジ駆動要素の例の斜視図
【図7E】本発明で使用されるタイプの回転定義ネジ駆動要素の例の斜視図
【図7F】本発明で使用されるタイプの回転定義ネジ駆動要素の例の斜視図
【図8A】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の図
【図8B】図1A〜図1Cの実施例の浅窩球体/浅窩プレートの組立部の図
【図9A】(1)図1A〜図1Cの実施例の、浅窩プレート/圧縮ネジ/固定キャップネジの組立部品(2)圧縮ネジ/固定押さえネジの詳細(3)圧縮ネジ/固定キャップネジの詳細図
【図9B】(1)図1A〜図1Cの実施例の、浅窩プレート/圧縮ネジ/固定キャップネジの組立部品(2)圧縮ネジ/固定押さえネジの詳細(3)圧縮ネジ/固定キャップネジの詳細図
【図9C】(1)図1A〜図1Cの実施例の、浅窩プレート/圧縮ネジ/固定キャップネジの組立部品(2)圧縮ネジ/固定押さえネジの詳細(3)圧縮ネジ/固定キャップネジの詳細図
【図10A】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨ライナーの図
【図10B】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨ライナーの図
【図10C】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨ライナーの図
【図11A】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨プレートの図
【図11B】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨プレートの図
【図11C】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨プレートの図
【図11D】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨プレートの図
【図11E】本発明の実施例に従った逆型肩上腕骨プレートの図
【図12】2つの解剖学的研究に起因する、西洋ナシ形の浅窩のアウトラインを示す図
【図13】浅窩の従来の逆型肩浅窩球体プレートの適合を示す図
【図14】浅窩の最良品質/深淵の領域をを示す図
【図15】本発明の実施例で示すように空孔パターンが変更された場合のA/P骨ネジのパーチェスの確率(可能性)の理論的な改良を示す図
【図16A】本発明の実施例によって示される逆型肩プロテーゼ(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)の斜視図
【図16B】本発明の実施例によって示される逆型肩プロテーゼ(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)の斜視図
【図16C】本発明の実施例によって示される逆型肩プロテーゼ(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)の斜視図
【図16D】本発明の実施例によって示される逆型肩プロテーゼ(浅窩球体/浅窩プレートの組立部、および上腕骨構成要素を含む)の斜視図
【図17A】図16A〜図16Dの実施例の楕円形浅窩プレートの更に詳細な斜視図
【図17B】図16A〜図16Dの実施例の楕円形浅窩プレートの更に詳細な斜視図
【図17C】図16A〜図16Dの実施例の楕円形浅窩プレートの更に詳細な斜視図
【図17D】図16A〜図16Dの実施例の楕円形浅窩プレートの更に詳細な斜視図
【図18A】本発明の実施例の楕円形浅窩プレートの他の例の更に詳細な斜視図
【図18B】本発明の実施例の楕円形浅窩プレートの他の例の更に詳細な斜視図
【図18C】本発明の実施例の楕円形浅窩プレートの他の例の更に詳細な斜視図
【図18D】本発明の実施例の楕円形浅窩プレートの他の例の更に詳細な斜視図
【図19A】図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図19B】図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図19C】図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図19D】図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図20A】図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体/浅窩プレート組立部の図
【図20B】図16A〜図16Dの実施例の浅窩球体/浅窩プレート組立部の図
【図21A】本発明の実施例の楕円形浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図21B】本発明の実施例の楕円形浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図21C】本発明の実施例の楕円形浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図21D】本発明の実施例の楕円形浅窩球体の更に詳細な斜視図
【図22A】本発明の実施例の実施例の楕円形浅窩球体/浅窩プレート組立部の図
【図22B】本発明の実施例の実施例の楕円形浅窩球体/浅窩プレート組立部の図
【図23A】本発明の実施例の浅窩球体の更なる斜視図
【図23B】本発明の実施例の浅窩球体の更なる斜視図
【図23C】本発明の実施例の浅窩球体の更なる斜視図
【図23D】本発明の実施例の浅窩球体の更なる斜視図
【図24A】本発明の実施例の浅窩球体/浅窩プレート組立部の図
【図24B】本発明の実施例の浅窩球体/浅窩プレート組立部の図
【図25】本発明による使用されるタイプの圧縮ネジの例の斜視図
【図26】ネック角度を10°減少すると関節可動域(ROM)が下方にシフトする結果となることを実証する試験結果を示すグラフ
【図27】Nyffelerによる研究で議論された状態を示す図
【図28】本発明の他の実施例による浅窩プレートの数々の図
【図29】4つの異なった浅窩球体の位置が検査された臨床効果のNyffelerによる研究から修正されたイメージを示す図
【図30A】本発明の他の実施例を示すものであり、従来の釘固定浅窩を変換または補正可能にする構造の浅窩プレートの空孔位置に関する図
【図30B】本発明の他の実施例を示すものであり、従来の釘固定浅窩を変換または補正可能にする構造の浅窩プレートの空孔位置に関する図
【図31A】本発明のさらに他の実施例を示すものであり、従来の竜骨(keeled)浅窩を変換または補正可能にする構造の浅窩プレートの空孔位置に関する図
【図31B】本発明のさらに他の実施例を示すものであり、従来の竜骨(keeled)浅窩を変換または補正可能にする構造の浅窩プレートの空孔位置に関する図
【図32】前部/後部の浅窩球体フラット面(flats)に関連する本発明の別の実施例を示す図
【図33】骨保持器(cage)に関連する本発明のほかの実施例を示す図
【図34】下方と上方における緩衝の定義に関連する略図
【図35】ジャンプディスタンス(jump distance)の定義に関連する略図
【図36】オフセットの定義に関連する図
【図37】上腕骨に対する制約の定義に関連する図
【図38】典型的なグラモント逆型肩ROM(間接可動域)に関連する図
【図39】ROMおよびジャンプディスタンス(jump distance)の上腕骨のネック角度に関するグラフ
【図40】衝突点における上腕骨ネック角度の変化による効果を示した図
【図41】ROMに対する上腕骨の制限による効果を示した図
【図42】ROMの浅窩球体の厚さの変化による効果の示した図
【図43】ジャンプディスタンスの浅窩球体の直径の変化による効果を示した図
【図44】肩甲骨ステムがニュートラルポジションにある時の下方衝突の程度が描かれているのNyffelerによる研究のイメージを示す図
【図45】逆型肩プロテーゼの別の実施例を示す図
【図46】逆型浅窩プレート構造の別の実施例を示す図
【図47】逆型浅窩球体構造の別の実施例を示す図
【図48】逆型上腕骨プレート構造の他の実施例を示す図
【図49】逆型上腕骨ライナーの他の実施例を示す図
【図50】逆トルクの定められたネジ駆動部材の構造の別の実施例を示す図
【図51】圧縮ねじ構造の別の具体例を示す図
【図52】逆型肩浅窩球体の固定ネジ構造の別の実施例を示す図
【図53】固定キャップの構造の別の実施例を示す図
【図54】下位の明確な衝突点に関する図
【図55】上方の明確な衝突点に関する図
【図56】逆型肩プロテーゼの別の実施例に関するROMを示す図
【図57】本発明の実施例および典型的なグラモン逆型肩プロテーゼのジャンプディスタンス(jump distance)と外転/内転の比較に関するグラフ
【図58】本発明の実施例および典型的なグラモン逆型肩プロテーゼのためのROMの比較の表
【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆型肩プロテーゼのための浅窩プレートは;前部と後部を備えるボディー部分と;ボディー部分の後部から延びるステム部分と;からなり、ボディー部分は垂直面(vertical dimension)を備え、垂直面の中心点によりボディー部分は上半分と下半分に分割され、一方、ステム部分は中央縦軸を備え、ステム部分はボディー部分に位置するボディー部分から延び、ステム部分の中央縦軸は垂直面の中心点より高くなっている。
【請求項2】
前記プロテーゼは、ステム部分が患者の浅窩骨に形成されたスペースの中に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のプロテーゼ
【請求項3】
前記プロテーゼは、ステム部分の断面形状が円筒状、正方形、長方形、かつ楕円から成るグループから選択されることを特徴とする請求項2記載のプロテーゼ。
【請求項4】
前記プロテーゼは、ステム部分が基本的に空洞であることを特徴とする請求項3記載のプロテーゼ。
【請求項5】
前記プロテーゼは、ステム部分が近接端と遠方端とからなり、近接端はボディー部分に接続され、近接端と遠方端の少なくとも1つには開口部が設けられていることを特徴とする請求項4記載のプロテーゼ。
【請求項6】
前記プロテーゼは、少なくとも(a)治療剤;および(b)非治療剤のどちらか1つを挿入するために、開口部がステム部分の内部へのアクセスを提供していることを特徴とする請求項5記載のプロテーゼ。
【請求項7】
前記プロテーゼは、治療剤が(a)少なくとも1つの補足移植材;(b)少なくとも1つの抗生剤;および(c)少なくとも1つの成長因子、から成るグループから選択されることを特徴とする請求項6記載のプロテーゼ。
【請求項8】
前記プロテーゼは、非治療剤として接合材を含むことを特徴とする請求項6記載のプロテーゼ。
【請求項9】
前記プロテーゼは、ステム部分の周囲に複数個の空孔が設けられていることを特徴とする請求項2記載のプロテーゼ。
【請求項10】
前記プロテーゼは、ステム部分の周囲の複数個の空孔は、浅窩骨からステム部分内への骨成長のためにステム部分の内部へのアクセスを提供することを特徴とする請求項9記載のプロテーゼ。
【請求項11】
前記プロテーゼは、ステム部分はボディー部分に位置するボディー部分から延び、ステム部分の中央縦軸は垂直面の中心点より約4mm高くなっていることを特徴とする請求項1記載のプロテーゼ。
【請求項12】
前記プロテーゼは、ボディー部分は水平面(horizontal dimension)を備え、水平面(horizontal dimension)の中心点によりボディー部分は左半分と右半分に分割され、ステム部分はボディー部分に位置するボディー部分から延び、ステム部分の中央縦軸は水平面(horizontal dimension)の中心点になっていることを特徴とする請求項1記載のプロテーゼ。
【請求項13】
前記プロテーゼは、ボディー部分の前部に隣接して配置されるように形成された浅窩球体からなることを特徴とする請求項1記載のプロテーゼ。
【請求項14】
浅窩プロテーゼを補正するための方法において:逆型肩プロテーゼ浅窩プレートの構成は、(a)前部と後部を備えるボディー部分と;(b)ボディー部分の後部から延びるステム部分と;からなり、浅窩プレートのステムを嵌入するように修正した浅窩プロテーゼの占領する患者の浅窩骨の少なくとも一部の空孔を利用して;浅窩プレートのボディー部分の複数個の貫通孔を通して浅窩骨に複数個のネジを挿入することによって浅窩プレートを浅窩骨に取り付ける;ここで、浅窩プレートのボディー部分にある複数個の各々の貫通孔は、元々インプラントされていたもので浅窩プロテーゼの修正のときに、ネジ穴のため除去されなかったもので、浅窩骨の一部に隣接して存在することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記方法において、修正された浅窩プロテーゼは、釘で固定された(pegged)浅窩プロテーゼであることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記方法において、修正され固定された浅窩プロテーゼで占領された浅窩骨の開口は、釘で固定される(pegged)ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記方法において、修正された浅窩プロテーゼは、竜骨(keeled)浅窩プロテーゼであることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記方法において、修正され竜骨化(keeled)された浅窩プロテーゼで占領された浅窩骨の開口は、竜骨(keeled)とすることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記方法において、浅窩プレートのステムを嵌入するように修正した浅窩プロテーゼの占領する浅窩骨の少なくとも一部の空孔を利用する前であって、浅窩プレートのボディー部分の複数個の貫通孔を通して浅窩骨に複数個のネジを挿入することによって浅窩プレートを浅窩骨に取り付ける前に、患者の浅窩骨から浅窩プロテーゼを除去することを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、ボディー部分は垂直面を備え、垂直面の中心点はボディー部分を、上半分およびより下半分に分割し、そこでステム部分は中央縦軸を備え、そして、ステム部分はボディー部分に位置するボディー部分から延び、ステム部分の中央縦軸は垂直面の中心点より高いことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、ステム部分の断面形状が円筒状、正方形、長方形、かつ楕円から成るグループから選択されることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、ステム部分が基本的に空洞であることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記方法は、ステム部分が近接端と遠方端とからなり、近接端はボディー部分に接続され、近接端と遠方端の少なくとも1つには開口部が設けられていることを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記方法は、少なくとも(a)治療剤;および(b)非治療剤のどちらか1つを挿入するために、開口部を通してステム部分の内部へ挿入することを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、治療剤が(a)少なくとも1つの補足移植材;(b)少なくとも1つの抗生剤;および(c)少なくとも1つの成長因子、から成るグループから選択されることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、非治療剤として接合材を含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項27】
前記方法は、ステム部分の周囲に複数個の空孔が設けられていることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、ステム部分の周囲の複数個の空孔が、浅窩骨からステム部分内への骨成長のためにステム部分の内部へのアクセスを提供することを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記方法において、ボディー部分の前部に隣接した浅窩球体を取り付けることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項30】
前記方法において、工程は列挙されている順に実施することを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項31】
逆型肩プロテーゼの浅窩球体は、上腕骨のライナーと浅窩プレートとからなり:上腕骨ライナーと接合するように作られている関節面を持つ浅窩球体ボディーであって;関節面は通常は球状であり、関節面は上腕骨ライナーと面接合する;関節面の前部と後部のそれぞれの端部は、面取り(champhered)されていることを特徴とするプロテーゼ。
【請求項32】
前記浅窩球体は、少なくとも部分的には空洞であることを特徴とする請求項31記載のプロテーゼ。
【請求項33】
前記浅窩球体は、浅窩球体ボディーが浅窩プレートに取付けられ、浅窩プレートの少なくとも一部が浅窩球体ボディーの空洞部分に装着されていることを特徴とする請求項32記載のプロテーゼ。
【請求項34】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は上方下方軸に沿って延びた円周形状であることを特徴とする請求項33記載のプロテーゼ。
【請求項35】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は浅窩プレートの円周形状に実質的に適合するように上方下方軸に沿って延びた円周形状であることを特徴とする請求項34記載のプロテーゼ。
【請求項36】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は円形の円周形状であることを特徴とする請求項33記載のプロテーゼ。
【請求項37】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は浅窩プレートの円周形状に実質的に適合するような円形状であることを特徴とする請求項36記載のプロテーゼ。
【請求項38】
逆型肩プロテーゼの浅窩球体は、上腕骨のライナーと浅窩プレートとからなり:上腕骨ライナーと接合するように作られている関節面を持つ浅窩球体ボディーであって;関節面は通常は球状であり、関節面は上腕骨ライナーと面接合する;関節面は、少なくとも1表面(one dimension)で180°以上の弧となることを特徴とするプロテーゼ。
【請求項39】
前記浅窩球体は、上下面に沿った180°より大きい円弧であることを特徴とする請求項38記載のプロテーゼ。
【請求項40】
前記浅窩球体は、関節面は非対称であり、円弧の大きい部分は関節面の下方部分に沿っており、また、円弧の小さい部分は上方部分に沿っていることを特徴とする請求項39記載のプロテーゼ。
【請求項41】
前記浅窩球体は、浅窩球体が浅窩プレートに隣接して配置され、浅窩プレートが患者の浅窩骨に固定されるので、関節面の下方部分に沿った円弧の大きい部分は、患者の浅窩骨を突出させることを特徴とする請求項40記載のプロテーゼ。
【請求項42】
前記浅窩球体は、少なくとも部分的には空洞であることを特徴とする請求項38記載のプロテーゼ。
【請求項43】
前記浅窩球体は、浅窩球体ボディーが浅窩プレートに取付けられ、浅窩プレートの少なくとも一部が浅窩球体ボディーの空洞部分に装着されていることを特徴とする請求項42記載のプロテーゼ。
【請求項44】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は上方下方軸に沿って延びた円周形状であることを特徴とする請求項43記載のプロテーゼ。
【請求項45】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は浅窩プレートの円周形状に実質的に適合するように上方下方軸に沿って延びた円周形状であることを特徴とする請求項44記載のプロテーゼ。
【請求項46】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は円形の円周形状であることを特徴とする請求項43記載のプロテーゼ。
【請求項47】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は浅窩プレートの円周形状に実質的に適合するような円形状であることを特徴とする請求項46記載のプロテーゼ。
【請求項1】
逆型肩プロテーゼのための浅窩プレートは;前部と後部を備えるボディー部分と;ボディー部分の後部から延びるステム部分と;からなり、ボディー部分は垂直面(vertical dimension)を備え、垂直面の中心点によりボディー部分は上半分と下半分に分割され、一方、ステム部分は中央縦軸を備え、ステム部分はボディー部分に位置するボディー部分から延び、ステム部分の中央縦軸は垂直面の中心点より高くなっている。
【請求項2】
前記プロテーゼは、ステム部分が患者の浅窩骨に形成されたスペースの中に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のプロテーゼ
【請求項3】
前記プロテーゼは、ステム部分の断面形状が円筒状、正方形、長方形、かつ楕円から成るグループから選択されることを特徴とする請求項2記載のプロテーゼ。
【請求項4】
前記プロテーゼは、ステム部分が基本的に空洞であることを特徴とする請求項3記載のプロテーゼ。
【請求項5】
前記プロテーゼは、ステム部分が近接端と遠方端とからなり、近接端はボディー部分に接続され、近接端と遠方端の少なくとも1つには開口部が設けられていることを特徴とする請求項4記載のプロテーゼ。
【請求項6】
前記プロテーゼは、少なくとも(a)治療剤;および(b)非治療剤のどちらか1つを挿入するために、開口部がステム部分の内部へのアクセスを提供していることを特徴とする請求項5記載のプロテーゼ。
【請求項7】
前記プロテーゼは、治療剤が(a)少なくとも1つの補足移植材;(b)少なくとも1つの抗生剤;および(c)少なくとも1つの成長因子、から成るグループから選択されることを特徴とする請求項6記載のプロテーゼ。
【請求項8】
前記プロテーゼは、非治療剤として接合材を含むことを特徴とする請求項6記載のプロテーゼ。
【請求項9】
前記プロテーゼは、ステム部分の周囲に複数個の空孔が設けられていることを特徴とする請求項2記載のプロテーゼ。
【請求項10】
前記プロテーゼは、ステム部分の周囲の複数個の空孔は、浅窩骨からステム部分内への骨成長のためにステム部分の内部へのアクセスを提供することを特徴とする請求項9記載のプロテーゼ。
【請求項11】
前記プロテーゼは、ステム部分はボディー部分に位置するボディー部分から延び、ステム部分の中央縦軸は垂直面の中心点より約4mm高くなっていることを特徴とする請求項1記載のプロテーゼ。
【請求項12】
前記プロテーゼは、ボディー部分は水平面(horizontal dimension)を備え、水平面(horizontal dimension)の中心点によりボディー部分は左半分と右半分に分割され、ステム部分はボディー部分に位置するボディー部分から延び、ステム部分の中央縦軸は水平面(horizontal dimension)の中心点になっていることを特徴とする請求項1記載のプロテーゼ。
【請求項13】
前記プロテーゼは、ボディー部分の前部に隣接して配置されるように形成された浅窩球体からなることを特徴とする請求項1記載のプロテーゼ。
【請求項14】
浅窩プロテーゼを補正するための方法において:逆型肩プロテーゼ浅窩プレートの構成は、(a)前部と後部を備えるボディー部分と;(b)ボディー部分の後部から延びるステム部分と;からなり、浅窩プレートのステムを嵌入するように修正した浅窩プロテーゼの占領する患者の浅窩骨の少なくとも一部の空孔を利用して;浅窩プレートのボディー部分の複数個の貫通孔を通して浅窩骨に複数個のネジを挿入することによって浅窩プレートを浅窩骨に取り付ける;ここで、浅窩プレートのボディー部分にある複数個の各々の貫通孔は、元々インプラントされていたもので浅窩プロテーゼの修正のときに、ネジ穴のため除去されなかったもので、浅窩骨の一部に隣接して存在することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記方法において、修正された浅窩プロテーゼは、釘で固定された(pegged)浅窩プロテーゼであることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記方法において、修正され固定された浅窩プロテーゼで占領された浅窩骨の開口は、釘で固定される(pegged)ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記方法において、修正された浅窩プロテーゼは、竜骨(keeled)浅窩プロテーゼであることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記方法において、修正され竜骨化(keeled)された浅窩プロテーゼで占領された浅窩骨の開口は、竜骨(keeled)とすることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記方法において、浅窩プレートのステムを嵌入するように修正した浅窩プロテーゼの占領する浅窩骨の少なくとも一部の空孔を利用する前であって、浅窩プレートのボディー部分の複数個の貫通孔を通して浅窩骨に複数個のネジを挿入することによって浅窩プレートを浅窩骨に取り付ける前に、患者の浅窩骨から浅窩プロテーゼを除去することを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、ボディー部分は垂直面を備え、垂直面の中心点はボディー部分を、上半分およびより下半分に分割し、そこでステム部分は中央縦軸を備え、そして、ステム部分はボディー部分に位置するボディー部分から延び、ステム部分の中央縦軸は垂直面の中心点より高いことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、ステム部分の断面形状が円筒状、正方形、長方形、かつ楕円から成るグループから選択されることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、ステム部分が基本的に空洞であることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記方法は、ステム部分が近接端と遠方端とからなり、近接端はボディー部分に接続され、近接端と遠方端の少なくとも1つには開口部が設けられていることを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記方法は、少なくとも(a)治療剤;および(b)非治療剤のどちらか1つを挿入するために、開口部を通してステム部分の内部へ挿入することを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、治療剤が(a)少なくとも1つの補足移植材;(b)少なくとも1つの抗生剤;および(c)少なくとも1つの成長因子、から成るグループから選択されることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、非治療剤として接合材を含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項27】
前記方法は、ステム部分の周囲に複数個の空孔が設けられていることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、ステム部分の周囲の複数個の空孔が、浅窩骨からステム部分内への骨成長のためにステム部分の内部へのアクセスを提供することを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記方法において、ボディー部分の前部に隣接した浅窩球体を取り付けることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項30】
前記方法において、工程は列挙されている順に実施することを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項31】
逆型肩プロテーゼの浅窩球体は、上腕骨のライナーと浅窩プレートとからなり:上腕骨ライナーと接合するように作られている関節面を持つ浅窩球体ボディーであって;関節面は通常は球状であり、関節面は上腕骨ライナーと面接合する;関節面の前部と後部のそれぞれの端部は、面取り(champhered)されていることを特徴とするプロテーゼ。
【請求項32】
前記浅窩球体は、少なくとも部分的には空洞であることを特徴とする請求項31記載のプロテーゼ。
【請求項33】
前記浅窩球体は、浅窩球体ボディーが浅窩プレートに取付けられ、浅窩プレートの少なくとも一部が浅窩球体ボディーの空洞部分に装着されていることを特徴とする請求項32記載のプロテーゼ。
【請求項34】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は上方下方軸に沿って延びた円周形状であることを特徴とする請求項33記載のプロテーゼ。
【請求項35】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は浅窩プレートの円周形状に実質的に適合するように上方下方軸に沿って延びた円周形状であることを特徴とする請求項34記載のプロテーゼ。
【請求項36】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は円形の円周形状であることを特徴とする請求項33記載のプロテーゼ。
【請求項37】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は浅窩プレートの円周形状に実質的に適合するような円形状であることを特徴とする請求項36記載のプロテーゼ。
【請求項38】
逆型肩プロテーゼの浅窩球体は、上腕骨のライナーと浅窩プレートとからなり:上腕骨ライナーと接合するように作られている関節面を持つ浅窩球体ボディーであって;関節面は通常は球状であり、関節面は上腕骨ライナーと面接合する;関節面は、少なくとも1表面(one dimension)で180°以上の弧となることを特徴とするプロテーゼ。
【請求項39】
前記浅窩球体は、上下面に沿った180°より大きい円弧であることを特徴とする請求項38記載のプロテーゼ。
【請求項40】
前記浅窩球体は、関節面は非対称であり、円弧の大きい部分は関節面の下方部分に沿っており、また、円弧の小さい部分は上方部分に沿っていることを特徴とする請求項39記載のプロテーゼ。
【請求項41】
前記浅窩球体は、浅窩球体が浅窩プレートに隣接して配置され、浅窩プレートが患者の浅窩骨に固定されるので、関節面の下方部分に沿った円弧の大きい部分は、患者の浅窩骨を突出させることを特徴とする請求項40記載のプロテーゼ。
【請求項42】
前記浅窩球体は、少なくとも部分的には空洞であることを特徴とする請求項38記載のプロテーゼ。
【請求項43】
前記浅窩球体は、浅窩球体ボディーが浅窩プレートに取付けられ、浅窩プレートの少なくとも一部が浅窩球体ボディーの空洞部分に装着されていることを特徴とする請求項42記載のプロテーゼ。
【請求項44】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は上方下方軸に沿って延びた円周形状であることを特徴とする請求項43記載のプロテーゼ。
【請求項45】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は浅窩プレートの円周形状に実質的に適合するように上方下方軸に沿って延びた円周形状であることを特徴とする請求項44記載のプロテーゼ。
【請求項46】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は円形の円周形状であることを特徴とする請求項43記載のプロテーゼ。
【請求項47】
前記浅窩球体は、浅窩プレートの少なくとも一部に装着された浅窩球体ボディーの空洞部分が、通常は浅窩プレートの円周形状に実質的に適合するような円形状であることを特徴とする請求項46記載のプロテーゼ。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図21D】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図23D】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30A】
【図30B】
【図31A】
【図31B】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図21D】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図23D】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30A】
【図30B】
【図31A】
【図31B】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【公表番号】特表2009−531085(P2009−531085A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501754(P2009−501754)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/064828
【国際公開番号】WO2007/109800
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(501441669)イグザクテック・インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/064828
【国際公開番号】WO2007/109800
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(501441669)イグザクテック・インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
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