説明

逆止機能付き定流量弁

【課題】本発明は、定流量弁と逆止弁を一体化した逆止機能付き定流量弁であって、小型化、低コスト化に適した逆止機能付き定流量弁を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁1は、弁箱10、弁体20、定流量用圧縮バネ30、逆止用圧縮バネ40、C形止め輪50,51、ガイド55,56を備えている。定流量用圧縮バネ30と逆止用圧縮バネ40は、弁体20を上流側に付勢するバネ部材であるが、非通水時には、バネ定数の小さい逆止用圧縮バネ40のみが作用するように、定流量用圧縮バネ30は、隙間を空けて設置されている。流体の圧力が大きくなり、弁体20が下流側へ移動するにつれて、弁箱10の小径部16と弁体20の定流量用テーパ部21との隙間が小さくなり、流量が一定に保たれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流量を一定に保つための定流量弁に関し、特に、逆止弁の機能も併せ持つ定流量弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、流体の安定供給や有効利用等のために、一次側(流体供給側)の圧力が変動しても流量を一定に保つための定流量弁が提供されており、例えば、家庭の配水管や蒸気ボイラの給水系統等において定流量弁が使用されている。
【0003】
また、流体の逆流を防止するための逆止弁も多数提供されており、家庭の配水管や蒸気ボイラの給水系統等において上記定流量弁と共に使用されることも多い。ところで、従来は、定流量弁と逆止弁をそれぞれ用意して、別々に配管に設置しているため、広い設置場所を確保する必要があり、コストが高くなってしまうという問題があった。
【0004】
そこで、定流量弁と逆止弁を一体に構成した逆止機能付きの定流量弁が、下記特許文献1において開示されている。
【特許文献1】特開2005−163823号公報
【0005】
上記特許文献1では、流体の通過する流入口及び流出口が形成されたケース内に、変形によって流量を調整する下流側弾性部材と、流入口を封止するための上流側弾性部材と、下流側弾性部材を介して上流側弾性部材を流入口に押しつける圧縮バネを設置することで、定流量弁と逆止弁を一体化している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記逆止機能付き定流量弁では、流量の調整を弾性部材の変形により行い、逆止機能を圧縮バネの付勢力により弾性部材を流入口に押しつけることで行っており、流量調整機能と逆止機能とを独立した別々の手段により実現しているため、部品点数が増え、低コスト化、小型化には限界があった。
【0007】
また、上記逆止機能付き定流量弁の流量調整機能は、弾性部材の変形により実現されているため、弾性部材が予想外に変形してしまうことで、流量の調整が安定しない可能性がある。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、定流量弁と逆止弁を一体化した逆止機能付き定流量弁であって、小型化、低コスト化に適した逆止機能付き定流量弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る逆止機能付き定流量弁は、流量を一定に保つための逆止機能付き定流量弁において、流体が流れる流路を内部に有する弁箱と、前記弁箱の流路に軸方向に往復移動可能に設置された弁体であって、軸方向に移動することで前記弁箱の流路内壁との隙間を変化させて流路断面積を変化させる定流量用弁部と、前記弁箱の流路内壁と接触して逆止弁として作用する逆止用弁部と、を有する弁体と、前記弁体を上流側へ付勢するバネ部材であって、非通水時に前記逆止用弁部を前記弁箱の流路内壁に圧接させて逆止弁を閉じた状態とするバネ部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る逆止機能付き定流量弁によれば、定流量弁と逆止弁を一体化した逆止機能付き定流量弁であって、小型化、低コスト化に適した逆止機能付き定流量弁を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。まず、図1〜図4に基づいて、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁の構成を示す断面図である。図2は、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁を構成する部品の展開図である。図3は、本実施形態に係る弁箱の構成を示す断面図である。図4は、本実施形態に係る弁体の構成を示す正面図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁1は、弁箱10、弁体20、定流量用圧縮バネ30、逆止用圧縮バネ40、C形止め輪50,51及びガイド55,56を備えている。
【0013】
弁箱10は、内部に流路を有する弁本体を構成するステンレス製の円筒形状の部材である。図3に示すように、弁箱10は、上流側の配管と接続される入口側接続部11、下流側の配管と接続される出口側接続部12とを有しており、図中左から右へ流体が通過するように構成されている。
【0014】
弁箱10の中央付近には上流側から下流側に向けて流路の内径が徐々に大きくなるテーパ部(シール面)15が形成されている。また、テーパ部15の上流側に隣接して、流量を規制するために内径が小さく絞られた小径部(オリフィス)16が形成されている。
【0015】
弁体20は、弁箱10内に同軸に配置されるステンレス製の棒状のピン部材であり、図4に示すように、両端の小径の軸部24よりも径が大きい中央付近の大径部23には、上流側(図中左側)に、上流側から下流側に向けて径の小さくなる定流量用テーパ部(定流量用弁部)21が形成されている。また、大径部23の定流量用テーパ部21の下流側に隣接して、上流側から下流側に向けて径の大きくなる逆止用テーパ部(逆止用弁部)22が形成されている。また、逆止用テーパ部22の中程には、リング溝が形成されており、このリング溝には、逆止用のOリング25が装着されている。
【0016】
詳細は後述するが、弁箱10の小径部16と、弁体20の定流量用弁部としての定流量用テーパ部21との隙間の大きさが変化することで、流量が調整される。また、弁箱10のテーパ部15と、弁体20の逆止用弁部としての逆止用テーパ部22に設置されたOリング25との接触により逆止機能が実現される。
【0017】
また、とくに本実施形態では、弁箱10のテーパ部15のテーパ角と、弁体20の逆止用テーパ部22のテーパ角が同じ角度に設定されており、テーパ部15と逆止用テーパ部22の表面が互いに平行に位置している。このため、Oリング25が劣化等によって機能しなくなっても、テーパ部15と逆止用テーパ部22の表面が接触することで、逆止機能を担保することが可能である。
【0018】
ガイド55,56は、弁体20が軸方向に往復移動可能なように、弁体20の両端の軸部24を支持する環状部材であり、弁箱10内の上流側にガイド55、下流側にガイド56が設置されている。ガイド55,56の中央に設けられた小孔内に弁体20の両側の軸部24が支持される。ガイド55,56の小孔の径は、弁体20の軸部24の径よりも大きく、弁体20の中央付近の大径部23の径よりも小さく形成されている。ガイド55,56の設置間隔は、弁体20の軸方向の長さよりも短く、大径部23の軸方向長さよりも長い。よって、弁体20は、軸部24において、ガイド55,56に案内されて軸方向に往復移動可能に且つ抜けないように支持されることになる。
【0019】
C形止め輪50,51は、それぞれガイド55,56の外側に隣接して、弁箱10の内壁に設けられたリング状溝内に嵌合設置される。このC形止め輪50,51により、ガイド55,56が軸方向に移動しないように弁箱10に固定される。C形止め輪50,51は、それぞれ入口側接続部11及び出口側接続部12から弁箱10の流路内に挿入され、上記リング状溝内に嵌め込まれて固定される。
【0020】
定流量用圧縮バネ30(第2バネ部材)は、定流量を実現するために、流路内を流れる流体の圧力によって下流側に移動する弁体20を弾性力によって上流側に押し戻すことで、弁箱10の小径部16と弁体20の定流量用テーパ部21との隙間を調整する。
【0021】
逆止用圧縮バネ40(第1バネ部材)は、流体の逆流を防止するために、常時、弁体20を上流側に付勢するように設置されており、流体が流れていない非通水時(定常状態)では、Oリング25を弁箱10のテーパ部15に圧接して、逆止弁を閉じた状態とし、逆止を実現している。
【0022】
ここで、定流量用圧縮バネ30の自由高さは14mm、バネ定数は0.53N/mm、逆止用圧縮バネ40の自由高さは20mm、バネ定数は0.0709N/mmであり、定流量用圧縮バネ30のほうが短く、バネ定数は大きい。
【0023】
また、逆止用圧縮バネ40は、逆止用テーパ部22の下流側端面27とガイド56との間に保持され、定流量用圧縮バネ30は、上記端面27の下流側に位置する端面28とガイド56との間に保持される。逆止弁が閉じた状態である非通水時の端面27とガイド56との距離は、逆止用圧縮バネ40の自由高さよりも短く、非通水時においても、逆止用圧縮バネ40は付勢力を発揮している。一方、非通水時の端面28とガイド56との距離は、定流量用圧縮バネ30の自由高さよりも長くなるように設計されており、定流量用圧縮バネ30の取り付け状態では、逆止用テーパ部22、すなわち逆止用弁部に対して隙間が形成されている。よって、定流量用圧縮バネ30は、非通水時には、付勢力を発揮していない自由状態にある。もちろん、定流量用圧縮バネ30は、ガイド56との間に隙間を形成するように配置しても良い。
【0024】
このように、非通水時には、定流量用圧縮バネ30の端末は、少なくとも端面28との間又はガイド56との間に隙間が生じているため、上流側から流体が逆止機能付き定流量弁1内に流れ込んでくる開弁時には、定流量用圧縮バネ30よりもバネ定数の小さい逆止用圧縮バネ40だけが作用し、定流量用圧縮バネ30は作用しないことになる。開弁後、流体の圧力に押されて徐々に弁体20が下流側に移動し、定流量用圧縮バネ30の設置隙間が無くなると、定流量用圧縮バネ30も作用し始め、弁体20を上流側に押し戻すように働くことになる。
【0025】
また、弁箱10の小径部16に対向して位置する弁体20の定流量用テーパ部21は、上述したように、上流側から下流側に向けて径が小さくなる形状を有している。そして、弁体20が最も上流側に寄った状態(弁が閉じた状態)のときに、径の小さい部分が小径部16に位置するように構成されている。定流量用テーパ部21の径が小さければ、小径部16との間の隙間が大きく、流体の通過領域(流路断面積)が大きくなり、径が大きければ、同隙間が小さく、通過領域(流路断面積)が小さくなる。
【0026】
弁が閉じた状態から、流体の圧力が大きくなり、弁体20が下流側に移動すると、小径部16に位置する定流量用弁部としての定流量用テーパ部21の径が段々と太くなり、隙間が小さくなるので、流路断面積が小さくなる。一方、弁体20が下流側に移動するにつれて、各圧縮バネ30,40の弾性力も大きくなり、これら弾性力と、一次(入口)側の水圧と二次(出口)側の水圧との差圧とが釣り合う位置で、弁体20は停止する。
【0027】
ここで、弁体20が下流側に移動するにつれて、差圧が大きくなっているが、反対に小径部16における流路断面積が小さくなるので、定流量弁1内を通過する流量は一定に保たれることになる。
【0028】
本実施形態において、逆止弁を開けるときに作用する逆止用圧縮バネ40のバネ定数を小さくしたのは、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁1では、流体の圧力が小さい場合でも弁が開くことが望ましいからである。但し、開弁後も流体の圧力に抗して弁体20を押し戻す圧縮バネの弾性力が弱いままだと、流体の圧力に負けて弁体20を押し返すことができず、定流量調整が出来なくなってしまう。よって、本実施形態では、逆止弁が開いた後に作用する、バネ定数の大きい定流量用圧縮バネ30をさらに設置している。
【0029】
このように、バネ定数の異なる2つのバネを用い、逆止弁が閉じた状態では第1の圧縮バネのみを作用させ、逆止弁が開いた後から作用する第2の圧縮バネをさらに設置しておけば、第1及び第2圧縮バネのバネ定数を調整することで、様々な用途に適した逆止機能付き定流量弁を構成することができる。
【0030】
もちろん、バネ定数の設定は、本実施形態のように逆止用圧縮バネのバネ定数が小さい場合だけでなく、逆止機能付き定流量弁が設置される系で求められる性能に適応させるべく、適宜、両方同じバネ定数にしても良いし、第2の圧縮バネのバネ定数を小さく設定しても良い。また、設置される環境によっては、一本の圧縮バネで、逆止用と定流量用の双方を兼用させることも可能である。
【0031】
さらに、図1等に示すように、圧縮バネ30,40はコイルバネであり、定流量用圧縮バネ30の外径よりも逆止用圧縮バネ40の内径のほうが大きく、逆止用圧縮バネ40の内側に定流量用圧縮バネ30が同軸に設置されている。具体的には、棒状の弁体20の逆止用テーパ部22よりも下流側が、定流量用圧縮バネ30の内部を軸方向に貫挿しており、弁体20の軸部24等を覆って配置されたこの定流量用圧縮バネ30が、さらに逆止用圧縮バネ40で覆われている。
【0032】
このように、各圧縮バネ30,40を同軸に重ねて配置することで、逆止機能付き定流量弁1を小型化することができ、圧縮バネを別々に配置する場合に比べて部品点数を減らすこともできるので、低コスト化も実現できる。もちろん、本実施形態とは逆に、バネ定数の大きい定流量用圧縮バネ30を外側に配置し、バネ定数の小さい逆止用圧縮バネ40を外側に配置するように構成しても良い。
【0033】
以上、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁1の構成について詳細に説明したが、続いて、逆止機能付き定流量弁1の作用について、図面を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁1の動作状態を示す図であり、図5(a)は、逆止機能付き定流量弁の非通水時の状態を示す図、図5(b)は、逆止機能付き定流量弁の開弁時の状態を示す図、図5(c)は、逆止機能付き定流量弁の通水時の状態を示す図である。
【0034】
図5(a)に示すように、定常状態である非通水時には、流体が流れていないため、圧縮バネによる弾性力が働くだけであるが、上述したように、定流量用圧縮バネ30は逆止用テーパ部22、すなわち逆止用弁部に対して隙間を空けて設置されているため、逆止用圧縮バネ40だけが働いている。この逆止用圧縮バネ40だけによる弾性力により、逆止用テーパ部22のOリング25が弁箱10のテーパ部15に圧接され、逆止弁が閉じた状態となっている。
【0035】
逆止用圧縮バネ40のバネ定数は、上述したように、定流量用圧縮バネ30のバネ定数よりも小さいため、比較的弱い弾性力により、弁が閉じられていることになる。続いて、流体が流れ始めると、流体の圧力が弁にかかり、一次(入口)側の圧力と二次(出口)側の圧力との差圧による力が、逆止用圧縮バネ40の弾性力を越えると、弁体20が徐々に下流側へと動き始め、閉じられていた弁が開く。
【0036】
図5(b)に示すように、逆止弁が開いた状態では、Oリング25が弁箱10のテーパ部15から離れており、入口側から入ってくる流体は、小径部16と定流量用テーパ部22との隙間、Oリング25とテーパ部15との隙間を通過して、出口側へと抜けていく。
【0037】
流体の圧力が大きくなり、弁体20が定流量用圧縮バネ30の設置隙間以上に下流側へ移動すると、定流量用圧縮バネ30の両端末が端面28及びガイド56に接触することになり、定流量用圧縮バネ30の弾性力も作用し始める。定流量用圧縮バネ30のバネ定数は、逆止用圧縮バネ40よりも充分に大きいため、より大きな弾性力が弁体20に作用することになり、弁体20の下流側への移動が抑えられる。
【0038】
徐々に、弁体20が下流方向に移動すると、小径部16に位置する弁体20の定流量用テーパ部21の径が大きくなり、小径部16における流路の断面積が徐々に小さくなる。但し、弁体20が下流側に移動するにつれて差圧も大きくなっているため、小径部16を通過する流体の流量自体はほぼ一定に保たれる。
【0039】
そして、図5(c)に示すように、差圧が大きくなり、各圧縮バネ30,40の弾性力に抗して弁体20が最大限近く下流側に移動した場合には、定流量用テーパ部21の最大径の部分が小径部16に位置し、小径部16における流路の断面積は、最も小さくなる。
【0040】
図6には、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁の流量特性を示す。横軸が差圧(kg/cm2)、縦軸が流量(L/min)を示している。同図に示すように、差圧が0から徐々に大きくなると、流量が増えており、これは、弁体20が逆止用圧縮バネ40の弾性力に逆らって下流側に移動して開弁した状態を示している。
【0041】
差圧が0.5を越えたあたりから、差圧がそれ以上大きくなっても流量がほぼ一定になっている。これは、差圧が大きくなって弁体20が下流側に移動するにつれて、小径部16と定流量用テーパ部21との隙間(流路断面積)が小さくなることで、つまり、単位時間当たりの単位断面積における流量が増えても、流路断面積を小さくすることで、全体の流量を一定に保っている。
【0042】
以上、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁について詳細に説明したが、本実施形態によれば、定流量弁と逆止弁を一体化したので、設置される配管を短くし、小型化、低コスト化に適した逆止機能付き定流量弁を提供することができる。
【0043】
特に、逆止用圧縮バネと定流量用圧縮バネをコイルバネとして、同軸に重ねて配置しているので、支持用の部材を共有するなど、さらなる小型化、低コスト化を実現している。また、弁体に定流量用テーパ面と逆止用テーパ面を隣接して設置し、これらに対向するように、弁箱に小径部(オリフィス)とテーパ面(シール面)を隣接して設置していることも、小型化に寄与している。
【0044】
また、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁は、逆止弁の開弁時には、バネ定数の小さい逆止用圧縮バネのみが作用するように構成しているので、簡単に逆止弁を開けることができると共に、定流量機能を発揮する際には、バネ定数の大きい定流量用圧縮バネも作用するように構成したので、差圧が大きい場合でも確実に定流量機能を実現できる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、逆止機能付き定流量弁を構成する部品の形状、サイズ、材質等は、本発明の作用効果を得られる範囲内で適宜設計変更可能であることは言うまでもない。
【0046】
また、本実施形態では、逆止用圧縮バネを外側に配置し、内側に定流量用圧縮バネを配置したが、定流量用圧縮バネが外側で、逆止用圧縮バネを内側に設置しても良い。また、弁体を上流側に付勢するバネ部材として、コイルバネ以外にも板バネ等の他のバネ部材を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁の構成を示す断面図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁を構成する部品の展開図である。
【図3】図3は、本実施形態に係る本実施形態に係る弁箱の構成を示す断面図である。
【図4】図4は、本実施形態に係る弁体の構成を示す正面図である。
【図5】図5は、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁の動作状態を示す図である。
【図6】図6は、本実施形態に係る逆止機能付き定流量弁の流量特性を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1 逆止機能付き定流量弁
10 弁箱
15 テーパ部
16 小径部
20 弁体
21 定流量用テーパ部(定流量用弁部)
22 逆止用テーパ部(逆止用弁部)
23 大径部
24 軸部
25 Oリング
30 定流量用圧縮バネ(第2バネ部材)
40 逆止用圧縮バネ(第1バネ部材)
50,51 C形止め輪
55,56 ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量を一定に保つための逆止機能付き定流量弁において、
流体が流れる流路を内部に有する弁箱と、
前記弁箱の流路に軸方向に往復移動可能に設置された弁体であって、軸方向に移動することで前記弁箱の流路内壁との隙間を変化させて流路断面積を変化させる定流量用弁部と、前記弁箱の流路内壁と接触して逆止弁として作用する逆止用弁部と、を有する弁体と、
前記弁体を上流側へ付勢するバネ部材であって、非通水時に前記逆止用弁部を前記弁箱の流路内壁に圧接させて逆止弁を閉じた状態とするバネ部材と、
を備えることを特徴とする逆止機能付き定流量弁。
【請求項2】
前記バネ部材を第1バネ部材として、
前記弁体を上流側へ付勢する第2バネ部材であって、前記逆止弁が閉じた状態では自由状態となるように隙間を持って設置され、通水時に前記逆止弁が開いて前記弁体が前記隙間長さ以上に下流側に移動すると、前記弁体を前記上流側へ付勢し始める第2バネ部材をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の逆止機能付き定流量弁。
【請求項3】
前記第2バネ部材のバネ定数が、前記第1バネ部材のバネ定数よりも大きいことを特徴とする請求項2記載の逆止機能付き定流量弁。
【請求項4】
前記第1バネ部材及び前記第2バネ部材はコイルバネであり、一方のバネ部材の内径を他方のバネ部材の外径よりも大きくし、一方のバネ部材の内側に他方のバネ部材を同軸に重ねて配置したことを特徴とする請求項2又は3記載の逆止機能付き定流量弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−74656(P2009−74656A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246168(P2007−246168)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【出願人】(504143522)株式会社三浦プロテック (488)
【Fターム(参考)】