説明

逆洗装置

【課題】 フィルタ素子の内周面の全域にできるだけ均一の圧力で逆洗用流体を噴射すること。
【解決手段】筒状のフィルタ2の中に収容されると共にフィルタの外周を囲むケース1に支持される逆洗装置3において、内管4と外管5とで双方の軸線Cが一致する二重管構造とし、内管4と外管5の間に筒状の緩衝空間6を形成し、内管の外周面には内孔43を、外管5の外周面には外孔52を逆洗用流体が通過するためにそれぞれ形成し、軸線Cを中心にして外管5を内管4に対して回転可能に設け、外管5を回転させる回転駆動手段52、58を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ装置の目詰まりを解消する逆洗装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製薬会社の製造装置には、図5に示すように、造粒装置91と回収容器92を送出管93で接続し、回収容器92の上部にフィルタ装置94を配置し、フィルタ装置94にエア吸引装置(排気ファン)95を接続したものがある。この製造装置は、薬の製造過程において、粉を造粒装置で所望の大きさの粒にし、エア吸引装置の吸引作用によって回収容器側を負圧にし、それによって造粒装置から回収容器に粒を回収するものである。このときにフィルタ装置のフィルタは、エアのみを通過させ、造粒装置で粒になりきらなかった粉をその周りに付着させる働きをする。
【0003】
エア吸引装置による吸引を続けていると、粉がフィルタの周りに付着しながら発達し、最終的にフィルタが目詰まりする。例えば、図6に示すように断面星型のフィルタ素子96の外形が円形となるほどの目詰まりが起こる。
【0004】
このような場合、製造装置の運転を停止してからフィルタの逆洗が行われる。つまり、フィルタ装置に対してエア吸引装置の吸引方向とは逆方向に逆洗用エアを吹き込み、エジェクター効果による逆洗用エアと巻き込みエアによってフィルタに付着した粉を落とすのである。
【0005】
しかしながら、図5に示すように鉛直方向に垂下する細い逆洗用エアの供給管97は、フィルタ素子96の上部に配置しているが、供給管から逆洗用エアが、下向きに噴射されるとフィルタ素子96の上部から排気ファン95までの空間が減圧となり、エジェクター効果による巻き込みエアが十分に得られない。このため、粉がフィルタから十分に落ちきらなかった。
【0006】
また、逆洗用エアによって、フィルタに付着した粉同士が塊となって落下することがあり、このような塊が造粒された粒に混ざると、全体としての品質に影響を与える。例えば黄色に着色した粉の場合、外観上は白色であるが、造粒されて粒になると通常、黄色に見えるものである。ところが、フィルタから落下した塊は造粒されたものではないので白色のままであった。そうすると、黄色の粒の中に、全く別成分の異物(白い塊)が混入したように見える。
【0007】
なお、今回の特許出願にあたって、特許調査を行ったところ、従来の逆洗装置として、次の特許文献1が見つかった。これは、有底筒型の濾過部の内部に逆洗用の回転ノズルを同心円状に有し、回転ノズル部の筒表面全域に多数のノズル孔をあけたものである。また、回転ノズル部を上側で片持ち支持し、回転ノズル部の上側に回転駆動部を備えている。そして、回転駆動部へ逆洗用エアを供給することによって、回転駆動部ごと回転ノズル部が回転させられる。一方、回転駆動部を通過した後、逆洗用エアは、回転ノズル部内に供給されて、ノズル孔から濾過部に噴射される。
【0008】
このように濾過部の内部に逆洗用の回転ノズルを同心円状に有していると、回転ノズル孔から指向性をもって逆洗用エアが噴射されるので、逆洗用エアは勢い良く濾過部に衝突する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−46738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、このようにノズル孔を回転ノズル部の筒表面全域に形成すると、回転ノズル部が鉛直に立った形態であるため、上側のノズル孔からは逆洗用エアが勢い良く噴射されるが、下側のノズル孔からは逆洗用エアが弱弱しく噴射されるという傾向が見られた。例えば、濾過能力を高めるために濾過部を長くし、それに伴って回転ノズル部の全長も長くすることも考えられるが、長くするほど、その傾向は強くなる。同様に、逆洗時にかかるコストを抑えるために逆洗用エアの圧力をできるだけ低くしてエアの供給圧を弱めるほど、その傾向は強くなる。
【0011】
このような傾向のため、濾過部に対して不均一に逆洗用エアが当たることになり、濾過部に付着した異物は下側ほど落ち難くなる。
【0012】
また、回転ノズル部を片持ち支持しているので、回転ノズル部が回転する場合に、下端側がぶれ易くなることも、濾過部に対して不均一に逆洗用エアが当たることに繋がる。
【0013】
本発明は上記不具合をも解消できるものであり、その解決課題は、フィルタ素子の内周面の全域にできるだけ均一の圧力で逆洗用流体を噴射することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、筒状のフィルタの中に収容されると共にフィルタの外周を囲むケースに支持される逆洗装置を前提とする。
【0015】
そして、請求項1の発明は、ケースに支持されると共に内部に逆洗用流体が供給される内管と、内管の外周を囲む外管とを備え、内管と外管の間に筒状の緩衝空間を形成し、内管と外管の双方の軸線を一致させると共に、内管の外周面には内孔を、外管の外周面には外孔を逆洗用流体が通過するためにそれぞれ形成し、軸線を中心にして外管を内管に対して回転可能に設け、外管を回転させる回転駆動手段を備えていることを特徴とする。
【0016】
内管の内孔と外管の外孔の関係は問わないが、外孔から噴射される流体の圧力を一段と均一にするには次のようにすることが望ましい。即ち、請求項2の発明のように、内管の内孔は外管の外孔よりも、数を少なく、各孔の面積を大きく形成してあることである。さらに、フィルタが長い場合または逆洗用流体が液体の場合、内管の孔サイズは、上端に近い孔は小さく、下端に近い孔は大きく形成してあることである。
【0017】
外管を回転可能に支持する構造は問わないが、軸線を中心にして外管をぶれずに安定して回転させるには、次のようにすることが望ましい。即ち、請求項3の発明のように、外管がその両端部で回転可能に支持されることである。
【0018】
逆洗装置は、支持される形態を問わず、水平に支持される形態であってもよいが、別の形態であっても良い。例えば、請求項4の発明のように、吊り下げ式の逆洗装置であって、外管を内管よりも垂下してあると共に、内管と外管の下端をそれぞれ内底片と外底片で閉鎖し、内管が外管の外底片を貫通する軸部を内底片に備えると共に、軸部の下端部に軸部より大径の保持部を備え、内管が保持部を介して外管の外底片を下から回転可能に支持するものである。
【0019】
また、請求項5のように、吊り下げ式の逆洗装置であって、外管を内管よりも垂下してあると共に、内管と外管の下端をそれぞれ内底片と外底片で閉鎖し、回転軸と、回転軸の先端部を支持する軸受とを備え、回転軸を外管の外底片から垂下すると共に軸受をフィルタの底側に設けるか、又は回転軸をフィルタの底側から起立すると共に軸受を外管の外底片に設けることである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、内管と外管の二重管構造を採用し、内管と外管の間に筒状の緩衝空間を設けたので、内管の複数の内孔を通過した逆洗用流体が緩衝空間で衝突し合って攪拌され、その結果、外管の各外孔から排出される逆洗用流体の噴射圧が均一化される。また、回転駆動手段によって外管が内管に対して回転することにより、フィルタの内周面の円周全長に亘って逆洗用流体が噴射されることになり、逆洗効果の高いものでもある。
【0021】
また、請求項2の発明は、内管の内孔を外管の外孔よりも数を少なく、各孔の面積を大きく形成してあるので、内孔よりも外孔から逆洗用流体が通過し難くなる。そして、内孔から緩衝空間に噴射された逆洗用流体は、緩衝空間で攪拌され易くなり、外管の外孔から排出される逆洗用流体の噴射圧は一段と均一化される。
【0022】
請求項3の発明は、外管がその両端部で回転可能に支持される、いわゆる両持ち支持なので、片持ち支持に比べて外管の回転が安定し、外管の外孔から排出される逆洗用流体の噴射圧が一段と均一化される。
【0023】
請求項4の発明は、内管の内底片から垂下する軸部が外管の外底片を貫通し、軸部の下端部に大径の保持部を備えるので、軸部と保持部によって外管の外底片を下から回転可能に支持することになり、外管の下端部の支持が安定する。
【0024】
請求項5の発明も、回転軸と、回転軸の先端部を支持する軸受とを利用することによって、外管を底側から回転可能に支持できるので、外管の下端部の支持が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】フィルタ装置の内部構造を示す断面図である。
【図2】(イ)(ロ)図は、図1のA−A線拡大断面図、B−B線拡大断面図である。
【図3】フィルタ装置の別の例を示す断面図である。
【図4】図3の回転羽根を上から見た図である。
【図5】薬の製造装置を示す説明図である。
【図6】フィルタ素子に粉が付着した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の逆洗装置が適用されるフィルタ装置は、図1、図2に示すように、濾過前流体の入口1aと濾過済流体の出口1bを備えるケース1、ケース1の中に収容されるフィルタ2、及びフィルタ2の中に収容される逆洗装置3から構成してある。以下、各構成要素について順に詳述する。
【0027】
ケース1は、フィルタ2の外周を離れた位置で囲む円筒状の胴部11と、胴部11の上側開口端を塞ぐ蓋部21とから構成してある。そして、胴部11の上端部外周にはその円周全長に亘って下外鍔部12が水平に突出している。一方、蓋部21の下端部外周にはその円周全長に亘って上外鍔部22が水平に突出している。下外鍔部12と上外鍔部22との間に図示しないパッキンを挟んでから、下外鍔部12と上外鍔部22の外側を図中の破線で示す連結具Rによってリング状に囲みながら連結する。
【0028】
胴部11は、その下端の内側を濾過前流体の入口1aとし、この下端部を回収容器等に接続している。一方、蓋部21は、胴部11と同じく上下方向に延長する短筒部23と、短筒部23の上側開口端を塞ぐ天井部24と、短筒部23の外周面から放射状に突出するパイプ状の接続部25とから構成してある。接続部25の先端が濾過済流体の出口1bとなる。なお、短筒部23の下端部には前述の上外鍔部22が設けてある。
【0029】
フィルタ2は、有底筒型の吊り下げ式であって、全体として円筒状のフィルタ素子31と、フィルタ素子31の下側開口端を塞ぐ閉鎖板32と、フィルタ素子31の上端をリング状に覆う上板33とから構成される。フィルタ素子31は、正確に言えば、断面星型に折り畳まれた筒形状である。リング状の上板33はその内周側を濾過済流体の通過口33aとしている。
【0030】
ケース1とフィルタ2との位置関係は、次の通りである。ケース1の胴部11はその上端部内周にはその円周全長に亘ってリング状の下内鍔部13を水平に突出し、ケース1の蓋部21はその下部内周にはその円周全長に亘ってリング状の上内鍔部26を水平に突出し、下内鍔部13と上内鍔部26が対向するようにしてある。一方、フィルタ2の上板33はその外周部33bをフィルタ素子31よりも外側に突出してある。そして、下内鍔部13に上板33の外周部33b、リング状のスペーサSを順次載せ、蓋部21を胴部11に被せて連結具Rによって連結することにより、上内鍔部26と下内鍔部13の間に外周部33bがスペーサSを介して挟まれることになり、フィルタ2がケース1に取り付けられる。フィルタ2を取り付ける際には、ケース1の胴部11に対してフィルタ素子31が同心円状に配置されるように留意する。
【0031】
逆洗装置3は、内管4と、内管4の外周を離れた位置で囲む外管5から構成される二重管構造である。また、内管4と外管5は、軸線Cを共有する同心円状に配置され、内管4と外管5の間に円筒状の緩衝空間6が形成される。
【0032】
内管4は、下側開口端を内底片41で閉鎖し、上側開口端の内側を逆洗用流体の入口42としてある。また、内管4は、その外周面に逆洗用流体が通過する内孔43を、上下に間隔をあけて縦列に形成してある。さらに、内孔43は、内管4の円周方向に対して、軸線Cを中心にして等角度おきに形成してある。図2では内孔43は、軸線Cを中心にして左右対称の位置に形成してある。このようにすると、左右の内孔43を通過した逆洗用流体が外管5にバランスよく衝突することになり、外管5の回転に悪影響を与えない。また、内管4は、ケース1の蓋部21を貫通しており、その上部が溶着等で蓋部21に支持されている。
【0033】
外管5は、内管4よりも下まで延長しており、下側開口端を外底片51で閉鎖してある。従って、外底片51と内管4の内底片41との間に、緩衝空間6に通じる底空間7が形成される。また、外管5は、その外周面に逆洗用流体が通過する外孔52を、上下に間隔をあけて縦列に形成してある。外孔52は、外管5の円周方向に対して、軸線Cを中心にして180度以内の角度範囲に集中して形成してある。図では、外孔52は、軸線Cを中心にして90度以内の角度範囲に集中して形成してある。外孔52同士のピッチは、内孔43同士のピッチに比べて狭く、それ故、外孔52は内孔43に比べて、多数設けてある。また、外孔52は内管4の内孔43に比べて面積を小さくしてある。なお、全ての外孔52を合計した総通過面積と、内孔43のそれは、殆ど同じとしてある。
【0034】
外管5は、その上下両端部で2点支持された状態で、軸線Cを中心にして回転可能に設けられている。外管5の上端部で内管4を回転可能に支持する構造は、外管5と内管4の間隔を局部的に接近させる簡易な軸受構造である。具体的には、蓋部21の内部空間において内管4の外周面にはその円周全長に亘ってリング状の第一の支持片44が外管5の内周面の近くまで突出することによって、第一の支持片44の外周端と外管5の内周面が接近している。また、蓋部21の内部空間において外管5の上端部外周にはその円周全長に亘ってリング状のフランジ53が突出し、フランジ53の上にリング状のストッパ54がボルト等で固定されている。そして、ストッパ54の内周側をフランジ53よりも内周に突出させることによって、この突出部を第二の支持片55とし、第二の支持片55の内周端と内管4の外周面が接近している。なお、ストッパ54は、第二の支持片55によって内管4から外管5が抜け落ちることを防止する。
【0035】
外管5の下端部で内管4を回転可能に支持する構造は、回転軸56の先端部を軸受57で支持する構造である。回転軸56は、外管5の外底片51から軸線Cに沿って垂下し、その下端部を円錐状にしてある。一方、軸受57は、回転軸56の下端部より緩い勾配の円錐状の穴57aをプレート57bの上面に形成したものである。図1では、この軸受57は、フィルタ2の閉鎖板32の上面に固定してあるが、閉鎖板32に形成しても良い。
【0036】
また、外管5を回転させる回転駆動手段を外管5に備えている。回転駆動手段は、外管5の外孔52のうち少なくとも幾つかについて、その穿設方向を、軸線Cに向かう基準線Lから角度θ(例えば30度)だけ外れる方向に合わせたものである。このように基準線Lに対して角度θを付けることによって、この外孔52を逆洗用流体が通過する際の勢いで外管5に回転力が与えられる。
【0037】
上述したフィルタ装置で濾過前流体から異物を除去する場合は次のようにする。ケース1の接続部25の先端側から、例えば空気を吸引して、ケース1内を負圧にする。そうすると、濾過前流体に含まれる異物がフィルタ素子31に付着し、空気のみがフィルタ素子31の外側から中に入り、蓋部21の内部空間を経て回収される。
【0038】
一方、フィルタ素子31を逆洗する場合は、濾過作業を行いながら、次のようにする。内管4の上側開口端(逆洗用流体の入口42)から逆洗用流体(空気)を中に供給する。そうすると、空気は内管4の中から内孔43を経て、緩衝空間6に達する。上側の内孔43を通過した空気と下側の内孔43を通過した空気では勢いに差があるが、この緩衝空間6で空気が攪拌されることになり、緩衝空間6内の上部と下部とで空気圧の均一化が図られる。その後に、外孔52を経て、フィルタ素子31の内周面に空気が噴射されるので、フィルタ素子31に噴射される空気の圧力は、上部と下部とで差が小さくなる。また、空気が幾つかの外孔52を通過することによって外管5に回転力が生じ、それによって外管5が回転し、その結果、外孔52から空気を噴射しながら外管5は回転し、フィルタ素子31の内周面全周に空気を噴射する。
【0039】
図5で示した薬の製造装置で濾過作業を行いながら上述した逆洗装置3で逆洗した場合には、粉がフィルタ素子31に付かなかった。従って、従来のように、粉が発達して塊となることもなく、それ故、造流された粒に塊が混ざることもなくなり、製品の品質が向上した。
【0040】
また、図3は、別の例の逆洗装置3を示すものである。これは、回転駆動手段に特徴がある。回転駆動手段は、外管5に固定された複数枚の回転羽根58である。図3、図4に示すように回転羽根58は、ストッパ54の上に溶着等して固定されている。濾過済流体を受けると回転羽根58には回転力が発生し、それによって外管5を回転させる。このように、濾過済流体によって回転力が発生するので、回転羽根58のないものに比べて、外管5を回転させるために逆洗用流体のエネルギーをあまり使わずに済み、そのエネルギーの多くを逆洗という本来の用途に使用でき、逆洗用流体の供給圧を低く抑えることも可能となる。
【0041】
また、図3の逆洗装置3は、外管5の下端部で内管4を回転可能に支持する構造にも特徴がある。それは、内管4の内底片41から軸部45を、外管5の外底片51を貫通するまで垂下し、軸部45よりも大径の保持部46を軸部45の下端部に有するものである。例えば、軸部45にはボルトを用い、保持部46には末広がりのテーパ形状のナットを用いる。内管4の内底片41と外管5の外底片51にそれぞれ抜穴47、59を形成する。そして、両抜穴47、59にボルトの軸を通して、軸の下端部にテーパ形状のナットを捩じ込むことにより、軸部45と保持部46が固定され、保持部46のテーパ面によって外管5の外底片51が支持される。支持形態は、外底片51の抜穴59の下端と、保持部46のテーパ面とが線接触する形態である。
【0042】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、フィルタ装置は、吊り下げ式でなく、水平に保持する形態等他の形態であっても良い。また、フィルタ素子31の断面も星型でなく、円筒形等他の形状であっても良い。さらに、外管5を回転させる回転駆動手段は、濾過前流体や濾過済流体のエネルギーを利用するものが一番望ましく、逆洗用流体のエネルギーを利用するものが次に望ましいが、それ以外の他の動力(モータ等)を利用するものであっても良い。そのほかに、回転軸56をフィルタ2の底側から起立すると共に回転軸56の先部を支持する軸受57が外管5の外底片51に設けられるものであっても良い。なお、内管4と外管5の間に、孔を穿設した別の管を一本以上介在させる構造であっても良い。
【符号の説明】
【0043】
1ケース
1a入口 1b出口
2フィルタ 3逆洗装置
4内管 5外管
6緩衝空間 7底空間
11胴部 12下外鍔部
13下内鍔部 21蓋部
22上外鍔部 23短筒部
24天井部 25接続部
26上内鍔部
31フィルタ素子 32閉鎖板
33上板
33a通過口 33b外周部
41内底片 42入口
43内孔 44第一の支持片
45軸部 46保持部
47抜穴
51外底片 52外孔(回転駆動手段)
53フランジ 54ストッパ
55第二の支持片 56回転軸
57軸受
57a穴 57bプレート
58回転羽根(回転駆動手段 59抜穴
【0044】
R連結具 C軸線
Sスペーサ L基準線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のフィルタ(2)の中に収容されると共にフィルタ(2)の外周を囲むケース(1)に支持される逆洗装置(3)において、
ケース(1)に支持されると共に内部に逆洗用流体が供給される内管(4)と、内管(4)の外周を囲む外管(5)とを備え、内管(4)と外管(5)の間に筒状の緩衝空間(6)を形成し、内管(4)と外管(5)の双方の軸線(C)を一致させると共に、内管(4)の外周面には内孔(43)を、外管(5)の外周面には外孔(52)を逆洗用流体が通過するためにそれぞれ形成し、軸線(C)を中心にして外管(5)を内管(4)に対して回転可能に設け、外管(5)を回転させる回転駆動手段(52、58)を備えていることを特徴とする逆洗装置。
【請求項2】
内管(4)の内孔(43)は外管(5)の外孔(52)よりも数を少なく、各孔の面積を大きく形成してあることを特徴とする請求項1記載の逆洗装置。
【請求項3】
外管(5)がその両端部で回転可能に支持されることを特徴とする請求項1又は2記載の逆洗装置。
【請求項4】
吊り下げ式の逆洗装置であって、
外管(5)を内管(4)よりも垂下してあると共に、内管(4)と外管(5)の下端をそれぞれ内底片(41)と外底片(51)で閉鎖し、
内管(4)が外管(5)の外底片(51)を貫通する軸部(45)を内底片(41)に備えると共に、軸部(45)の下端部に軸部(45)より大径の保持部(46)を備え、内管(4)が保持部(46)を介して外管(5)の外底片(51)を下から回転可能に支持することを特徴とする請求項3記載の逆洗装置。
【請求項5】
吊り下げ式の逆洗装置であって、
外管(5)を内管(4)よりも垂下してあると共に、内管(4)と外管(5)の下端をそれぞれ内底片(41)と外底片(51)で閉鎖し、
回転軸(56)と、回転軸(56)の先端部を支持する軸受(57)とを備え、
回転軸(56)を外管(5)の外底片(51)から垂下すると共に軸受(57)をフィルタ(2)の底側に設けるか、又は回転軸(56)をフィルタ(2)の底側から起立すると共に軸受(57)を外管(5)の外底片(51)に設けることを特徴とする請求項3記載の逆洗装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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