説明

逆浸透膜を用いた水処理システム

【課題】 浄水に利用される逆浸透膜におけるファウリングの発生を、高い精度で安全に抑制することが可能な逆浸透膜を用いた水処理システムを提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、水処理システムは第1流量計と紫外線照射ランプと紫外線照射量制御装置と高圧ポンプと電解装置と逆浸透膜モジュールとを備える。第1流量計は被処理水の流量を計測する。紫外線照射ランプは被処理水に紫外線を照射する。紫外線照射量制御装置は、計測された被処理水の流量に基づいて紫外線照射ランプによる紫外線の照射量を制御する。高圧ポンプは紫外線が照射された後の被処理水を昇圧する。電解装置は被処理水を電解処理するための銅イオンまたは活性酸素を発生させる電極を有する。逆浸透膜モジュールは電解処理された被処理水を通水して溶質を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、逆浸透膜を用いた水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イオンや塩類などの溶質を含む汽水、海水、地下水または埋立地浸出水、産業廃水などを浄化して生活用水、工業用水、農業用水を得る方法として膜ろ過法が知られている。
【0003】
膜ろ過法の1つとして逆浸透膜を利用する方法がある。逆浸透膜(RO膜)は、水を通しイオンや塩類など水以外の不純物は透過させない性質を持つ膜のことで、溶質の濃度に応じた浸透圧以上の圧力をかけることにより水と溶質とを分離する。
【0004】
こうした逆浸透膜モジュールを利用した水処理システムである海水淡水化システムでは、逆浸透膜モジュールにおける膜の目詰まりであるファウリングが問題となっている。中でも微生物や藻類等が関与するバイオファウリングが主な原因とされるため、このバイオファウリングの生成を抑制することが重要となる。
【0005】
海水淡水化システムなどの被処理水の水質は時間や季節による変動、さらには地理的差異があり、またファウリング要因物質もこれらの影響を受けるため、これらに応じて適切な対策を講じなければならない。
【0006】
ファウリングを抑制する手段として、対象とする被処理水中に次亜塩素酸ナトリウム等の消毒剤を注入して、微生物を不活化させる技術を用いたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−284469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、次亜塩素酸ナトリウムは被処理水が取水された時点、つまり処理工程の初期時点で添加されるため、以降のろ過処理、昇圧等の処理の後に通水される逆浸透膜付近では消毒作用が低減して微生物等が増殖し、逆浸透膜モジュールで膜の閉塞が生じる場合があり、安定して運転することが困難となることがあった。
【0009】
また、逆浸透膜は次亜塩素酸ナトリウムに弱く、被処理水中に次亜塩素酸ナトリウムが含有していると膜の劣化が生じてしまうため、逆浸透膜モジュールの直前で亜硫酸水素ナトリウムを注入して次亜塩素酸ナトリウムを還元し膜の劣化を防ぐ技術がある。ところが、この亜硫酸水素ナトリウムを栄養源とする微生物も存在するため、亜硫酸水素ナトリウムの注入により微生物が増殖してしまう場合があるという問題があった。また、逆浸透膜モジュールの手前で次亜塩素酸ナトリウムを注入して還元するため、逆浸透膜では消毒効果が得られず、微生物の再増殖が生じてしまうという問題があった。
【0010】
処理水を消毒する他の方法として紫外線を照射することも考えられるが、紫外線は照射した範囲でのみ有効であるため、照射光が届かず不活化されなかった微生物が逆浸透膜に流入してしまう恐れがある。
【0011】
また、紫外線照射により逆浸透膜の閉塞を抑制するには、処理水が膜に流入する直前に照射処理を行うことが効果的であるが、膜の閉塞が懸念される逆浸透膜部分近傍は高圧となっており、紫外線照射ランプを設置できない環境にあるという問題があった。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、浄水に利用される逆浸透膜におけるファウリングの発生を、高い精度で安全に抑制することが可能な逆浸透膜を用いた水処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための実施形態によれば、水処理システムは第1流量計と紫外線照射ランプと紫外線照射量制御装置と高圧ポンプと電解装置と逆浸透膜モジュールとを備える。第1流量計は被処理水の流量を計測する。紫外線照射ランプは被処理水に紫外線を照射する。紫外線照射量制御装置は、計測された被処理水の流量に基づいて紫外線照射ランプによる紫外線の照射量を制御する。高圧ポンプは紫外線が照射された後の被処理水を昇圧する。電解装置は被処理水を電解処理するための銅イオンまたは活性酸素を発生させる電極を有する。逆浸透膜モジュールは電解処理された被処理水を通水して溶質を除去する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態による水処理システムの構成を示す全体図である。
【図2】第2実施形態による水処理システムの構成を示す全体図である。
【図3】第3実施形態による水処理システムの構成を示す全体図である。
【図4】第4実施形態による水処理システムの構成を示す全体図である。
【図5】第5実施形態による水処理システムの構成を示す全体図である。
【図6】第6実施形態による水処理システムの構成を示す全体図である。
【図7】第7実施形態による水処理システムの構成を示す全体図である。
【図8】第8実施形態による水処理システムの構成を示す全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の水処理システムによる浄水処理の実施形態として、逆浸透膜モジュールを利用した海水の淡水化システムによる淡水化処理について説明する。
【0016】
〈第1実施形態〉
本発明の第1実施形態による淡水化システムについて、図1を参照して説明する。
【0017】
本実施形態による淡水化システムは、処理対象の原水を貯留する原水槽1と、原水槽1から原水を取水する原水ポンプ2と、原水ポンプ2で取水された原水をろ過処理して被処理水とする前処理装置3と、前処理装置3で処理された被処理水を貯留するろ過水槽4と、ろ過水槽4から被処理水を取水する供給ポンプ5と、供給ポンプ5で取水された被処理水から異物を取り除く保安フィルタ6と、保安フィルタ6を通過した被処理水の圧力を、逆浸透処理のために昇圧(例えば6MPa程度に)する高圧ポンプ7と、昇圧された被処理水を通水してイオンや塩類などの溶質を除去して処理済の生産水とする逆浸透膜モジュール8と、この生産水を貯留する生産水槽9とを備える。
【0018】
またこの淡水化システムは、供給ポンプ5により取水され保安フィルタ6に供給される被処理水の流量を計測する第1の流量計である流量計10と、この被処理水に紫外線を照射して消毒を行う第1の紫外線照射ランプ11と、流量計10で計測された被処理水の流量に基づいて紫外線照射ランプ11による紫外線の照射量を制御する紫外線照射量制御装置12Aとをさらに備える。紫外線照射量制御装置12Aは、流量計10で計測された被処理水の流量が多い程紫外線照射ランプ11による照射量を多くするように制御する。
【0019】
このように被処理水の流量に基づいて決定された適切な照射量で紫外線を照射することにより、高圧ポンプ7で昇圧される前の被処理水の微生物の増殖能力や藻類の繁殖能力が高い精度で不活化される。
【0020】
またこの淡水化システムは、高圧ポンプ7で昇圧した後、逆浸透膜モジュール8に通水する前の被処理水を電解処理する電解装置13Aをさらに備える。電解装置13Aは、昇圧した被処理水中に銅イオンを発生させる電極131Aと、電極131Aに電気エネルギーを供給する電源部132とを有する。
【0021】
このように逆浸透膜モジュール8の直前段階に電解装置13Aを設置して被処理水中に銅イオンを発生させることにより、紫外線照射ランプ11により不活化されずに残った微生物や藻類が不活化される。
【0022】
以上の本実施形態によれば、高圧ポンプで昇圧する前段で紫外線を照射し、その後紫外線照射の効果が低下すると考えられる逆浸透膜モジュールの直前段階の高圧部分では、高圧に耐えられるように電解装置の電極から消毒作用の強い銅イオンを発生させることで微生物や藻類の不活化を行うため、高い精度で逆浸透膜の目詰まりを防止することが可能である。なお、膜の目詰まりは、微生物や藻類から放出されるTEP(透明細胞外高分子粒子)やEPS(細胞外ポリマー)が主な原因であるため、これらを放出する微生物や藻類自身を不活化させ、繁殖や増殖を防止することは、膜の目詰まり防止に有効である。
【0023】
〈第2実施形態〉
本発明の第2実施形態による淡水化システムについて、図2を参照して説明する。
【0024】
本実施形態による淡水化システムは、供給ポンプ5と保安フィルタ6との間の被処理水の流路に第1のATP(アデノシン三リン酸)測定装置14を設置し、紫外線照射量制御装置12Aに替えて紫外線照射量制御装置12Bを設置する他は第1実施形態による淡水化システムの構成と同様であるため、同一機能を有する装置については詳細な説明は省略する。
【0025】
ATP測定装置14は、供給ポンプ5により取水され保安フィルタ6に供給される被処理水から、微生物量の指標となるATP濃度を計測する。
【0026】
紫外線照射量制御装置12Bは、流量計10で計測された被処理水の流量とATP測定装置14で計測されたATP濃度との積から被処理水のATP量を算出し、このATP量が多い程紫外線照射ランプ11による照射量を多くするように制御する。
【0027】
このように被処理水のATP量に基づいて決定された適切な照射量で紫外線を照射することにより、高圧ポンプ7で昇圧される前の被処理水の微生物の増殖能力がより高い精度で不活化される。
【0028】
〈第3実施形態〉
本発明の第3実施形態による淡水化システムについて、図3を参照して説明する。
【0029】
本実施形態による淡水化システムは、流量計10と保安フィルタ6との間の被処理水の流路に第1のクロロフィルa測定装置15を設置し、紫外線照射量制御装置12Aに替えて紫外線照射量制御装置12Cを設置する他は第1実施形態による淡水化システムの構成と同様であるため、同一機能を有する装置については詳細な説明は省略する。
【0030】
クロロフィルa測定装置15は、供給ポンプ5により取水され保安フィルタ6に供給される被処理水のファウリング要因物質であるTEPと相関するクロロフィルa濃度を計測する。
【0031】
紫外線照射量制御装置12Cは、流量計10で計測された被処理水の流量とクロロフィルa測定装置15で計測されたクロロフィルa濃度との積から被処理水のクロロフィルa量を算出し、このクロロフィルa量が多い程紫外線照射ランプ11による照射量を多くするように制御する。
【0032】
このように被処理水のクロロフィルa量に基づいて決定された適切な照射量で紫外線を照射することにより、高圧ポンプ7で昇圧する前の被処理水の藻類の繁殖能力がより高い精度で不活化される。
【0033】
上述した本実施形態において、第2実施形態として説明した淡水化システムにさらにクロロフィルa測定装置を設置し、紫外線照射量制御装置12Cにおいて算出されたATP量およびクロロフィルa量とから、紫外線照射ランプ11による照射量を制御するようにしてもよい。例えば、ATP量とクロロフィルa量との少なくともいずれかが増加したときに紫外線照射量を多くするように制御するようにしてもよい。
【0034】
〈第4実施形態〉
本発明の第4実施形態による淡水化システムについて、図4を参照して説明する。
【0035】
本実施形態による淡水化システムは、電極131Aに替えて、昇圧した被処理水中に活性酸素を発生させる電極131Bを有する電解装置13Bを設置する他は第1実施形態〜第3実施形態のいずれかの淡水化システムの構成と同様であるため、同一機能を有する装置については詳細な説明は省略する。電解装置13Bは、昇圧した被処理水中に銅イオンを発生させる電極131Bと、電極131Bに電気エネルギーを供給する電源部132とを有する。
【0036】
このように逆浸透膜モジュール8の直前段階に電解装置13Bを設置して被処理水中に活性酸素を発生させることにより、紫外線照射ランプ11により不活化されずに残った微生物や藻類が不活化される。
【0037】
以上の本実施形態によれば、ろ過水槽から高圧ポンプの間で紫外線を照射し、その後紫外線照射の効果が低下すると考えられる逆浸透膜モジュールの直前段階の高圧部分では、高圧に耐えられるように電解装置にて消毒作用の強い活性酸素を発生させることで微生物や藻類の不活化を行うため、高い精度で逆浸透膜の目詰まりを防止することが可能である。
【0038】
〈第5実施形態〉
本発明の第5実施形態による淡水化システムについて、図5を参照して説明する。
【0039】
本実施形態による淡水化システムは、紫外線照射後、高圧ポンプ7に供給される直前の被処理水の流量を計測する第2の流量計16と、電解装置13Aまたは13Bの電源部132による電極131Aまたは131Bへの電気エネルギーの供給頻度や間隔を制御する電源制御装置17Aとを設置する他は第1実施形態〜第4実施形態のいずれかの淡水化システムの構成と同様であるため、同一機能を有する装置については詳細な説明は省略する。
【0040】
電源制御装置17Aは、流量計16で計測された被処理水の流量が多い程電極131Aまたは131Bへの電気エネルギーの供給頻度を多くし間隔を短くするように制御する。
【0041】
このように被処理水の流量に基づいて決定された適切な頻度、間隔で電極131Aまたは131Bに電気エネルギーを供給して銅イオンまたは活性酸素を発生させることにより、高圧ポンプ7で昇圧した後の被処理水の微生物の増殖能力や藻類の繁殖能力がさらに高い精度で不活化される。
【0042】
〈第6実施形態〉
本発明の第6実施形態による淡水化システムについて、図6を参照して説明する。
【0043】
本実施形態による淡水化システムは、紫外線照射後、高圧ポンプ7に供給される直前の被処理水のATP濃度を計測する第2のATP測定装置18あるいは当該箇所のクロロフィルa濃度を計測する第2のクロロフィルa測定装置19、または、これら双方の装置を設置し、電源制御装置17Aに替えて電源制御装置17Bを設置する他は第5実施形態による淡水化システムの構成と同様であるため、同一機能を有する装置については詳細な説明は省略する。
【0044】
電源制御装置17Bは、流量計16で計測された被処理水の流量とATP測定装置18で計測されたATP濃度との積から算出される被処理水のATP量、あるいは被処理水の流量とクロロフィルa測定装置19で計測されたクロロフィルa濃度との積から算出される被処理水のクロロフィルa量、またはこれら双方の算出量から、電解装置13Aまたは13Bの電源部132による電極131Aまたは131Bへの電気エネルギーの供給頻度や間隔を制御する。例えば、ATP量またはクロロフィルa量が多い程電極131Aまたは131Bへの電気エネルギーの供給頻度を多くし間隔を短くするように制御し、ATP量とクロロフィルa量との双方を利用する場合は、少なくともいずれかの量が増加したときに電極131Aまたは131Bへの電気エネルギーの供給頻度を多くし間隔を短くするように制御するようにしてもよい。
【0045】
このように被処理水のATP量、クロロフィルa量、またはこれら双方の量に基づいて決定された適切な頻度、間隔で電極131Aまたは131Bに電気エネルギーを供給して銅イオンまたは活性酸素を発生させることにより、高圧ポンプ7で昇圧した後の被処理水の微生物の増殖能力や藻類の繁殖能力がさらに高い精度で不活化される。
【0046】
〈第7実施形態〉
本発明の第7実施形態による淡水化システムについて、図7を参照して説明する。
【0047】
本実施形態による淡水化システムは、ろ過水槽4の被処理水流出口近傍に第2の紫外線照射ランプ20を設置する他は第1実施形態〜第6実施形態のいずれかの淡水化システムの構成と同様であるため、同一機能を有する装置については詳細な説明は省略する。
【0048】
このようにろ過水槽4の被処理水流出口近傍に紫外線照射ランプ20を設置し、ろ過水槽4内の被処理水流出口近傍の被処理水に紫外線を照射することにより、被処理水がろ過水槽4から流出する際に紫外線で消毒、不活化されて次工程に進む。
【0049】
ろ過水槽4では被処理水の滞留時間が長く、上部は大気に開放されているため微生物の増殖が加速することが懸念されるが、ろ過水槽4の被処理水流出口に紫外線照射ランプ20を設置したことによりろ過水槽4から流出する被処理水中の微生物量を抑制することが可能である。さらに、ろ過水槽4から流出しようとする微生物が存在した場合にも、照射している紫外線により不活化されるため、その後の微生物や藻類の増殖や繁殖を防止するプロセスの負荷を軽減することができる。
【0050】
なお、紫外線を照射してから逆浸透膜モジュール8までのラインには光が差し込む場所も大気と触れる箇所も存在しないため、不活化した微生物の光回復も、新たな種類の微生物の混入も防止することが可能である。
【0051】
〈第8実施形態〉
本発明の第8実施形態による淡水化システムについて、図8を参照して説明する。
【0052】
本実施形態による淡水化システムは、ろ過水槽4の上部に第3の紫外線照射ランプ21を設置する他は第1実施形態〜第7実施形態のいずれかの淡水化システムの構成と同様であるため、同一機能を有する装置については詳細な説明は省略する。
【0053】
このようにろ過水槽4の上部に紫外線照射ランプ21を設置したことにより、大気に開放され微生物の増殖が加速しやすい場所の被処理水を、紫外線で消毒、不活化することができる。
【0054】
また、第7実施形態による淡水化システムに紫外線照射ランプ21を設置すれば、被処理水流出口をさけてろ過水槽4に留まって増殖した微生物群を消毒、不活化することができ、微生物を効率良く抑制することが可能となる。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1…原水槽
2…原水ポンプ
3…前処理装置
4…ろ過水槽
5…供給ポンプ
6…保安フィルタ
7…高圧ポンプ
8…逆浸透膜モジュール
9…生産水槽
10、16…流量計
11、20、21…紫外線照射ランプ
12A、12B、12C…紫外線照射量制御装置
13A、13B…電解装置
14、18…ATP測定装置
15、19…クロロフィルa測定装置
17A、17B…電源制御装置
131A、131B…電極
132…電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄水処理のために取水された被処理水の流量を計測する第1流量計と、
前記被処理水に紫外線を照射する紫外線照射ランプと、
前記第1流量計で計測された被処理水の流量に基づいて前記紫外線照射ランプによる紫外線の照射量を制御する紫外線照射量制御装置と、
前記紫外線照射ランプにより紫外線が照射された後の被処理水を昇圧する高圧ポンプと、
前記高圧ポンプにより昇圧された被処理水を電解処理するための、銅イオンまたは活性酸素を発生させる電極を有する電解装置と、
前記電解装置により電解処理された被処理水を通水して溶質を除去する逆浸透膜モジュールと、
を備えることを特徴とする逆浸透膜を用いた水処理システム。
【請求項2】
前記浄水のために取水された被処理水のアデノシン三リン酸濃度を測定する第1ATP測定装置をさらに備え、
前記紫外線照射量制御装置は、前記第1流量計で計測された被処理水の流量と前記第1ATP測定装置で測定されたアデノシン三リン酸濃度とから算出されるアデノシン三リン酸量に基づいて、前記紫外線照射ランプによる紫外線の照射量を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の逆浸透膜を用いた水処理システム。
【請求項3】
前記浄水のために取水された被処理水のクロロフィルa濃度を測定する第1クロロフィルa測定装置をさらに備え、
前記紫外線照射量制御装置は、前記第1流量計で計測された被処理水の流量と前記第1クロロフィルa測定装置で測定されたクロロフィルa濃度とから算出されるクロロフィルa量に基づいて、前記紫外線照射ランプによる紫外線の照射量を制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の逆浸透膜を用いた水処理システム。
【請求項4】
前記紫外線照射ランプにより紫外線が照射された後、前記高圧ポンプにより昇圧される前の被処理水の流量を計測する第2流量計と、
前記第2流量計で計測された被処理水の流量に基づいて前記電解装置の電極への電気エネルギーの供給頻度または間隔を制御する電源制御装置と
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の逆浸透膜を用いた水処理システム。
【請求項5】
前記紫外線照射ランプにより紫外線が照射された後、前記高圧ポンプにより昇圧される前の被処理水のアデノシン三リン酸濃度を測定する第2ATP測定装置をさらに備え、
前記電源制御装置は、前記第2流量計で計測された被処理水の流量と前記第2ATP測定装置で測定されたアデノシン三リン酸濃度とから算出されるアデノシン三リン酸量に基づいて、前記電源制御装置による前記電解装置の電極への電気エネルギーの供給頻度または間隔を制御する
ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の逆浸透膜を用いた水処理システム。
【請求項6】
前記紫外線照射ランプにより紫外線が照射された後、前記高圧ポンプにより昇圧される前の被処理水のクロロフィルa濃度を測定する第2クロロフィルa測定装置をさらに備え、
前記電源制御装置は、前記第2流量計で計測された被処理水の流量と前記第2クロロフィルa測定装置で測定されたクロロフィルa濃度とから算出されるクロロフィルa量に基づいて、前記電源制御装置による前記電解装置の電極への電気エネルギーの供給頻度または間隔を制御する
ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の逆浸透膜を用いた水処理システム。
【請求項7】
前記浄水処理のために取水される前の被処理水が貯留されるろ過水槽の、被処理水流出口近傍に設置され、前記ろ過水槽内の前記被処理水流出口近傍の被処理水に紫外線を照射する第2紫外線照射ランプをさらに備える
ことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の逆浸透膜を用いた水処理システム。
【請求項8】
前記浄水処理のために取水される前の被処理水が貯留されるろ過水槽の上部に設置され、前記ろ過水槽内の上部の被処理水に紫外線を照射する第3紫外線照射ランプをさらに備える
ことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の逆浸透膜を用いた水処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−59732(P2013−59732A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200235(P2011−200235)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】