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逆溶媒を使用する逆転写酵素阻害剤の結晶化方法
説明

逆溶媒を使用する逆転写酵素阻害剤の結晶化方法

【課題】(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンのI型結晶化合物、および該結晶化合物の取得方法を提供する。
【解決手段】溶媒・逆溶媒系から、所望の最終結晶形態であるI型を、メタノールまたはエタノールを使用した場合に得ることができる。II型は、2−プロパノールから単離され、低い乾燥温度(例えば、約40℃から約50℃の温度)で所望の結晶形態に変換することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
逆転写酵素阻害剤(RTI)(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オン(DMP−266としても公知である)の合成は、1996年5月21日付け発行の米国特許第5,519,021号および1995年8月3日付け公開のその対応PCT国際特許出願WO 95/20389に記載されている。また、高度にエナンチオ選択的なアセチリド付加および環化の順序によるエナンチオメリックなベンゾオキサジノンの不斉合成が、Thompsonら,Tetrahedron Letters 1995,36,937−940および1996年11月28日付け公開のPCT公開WO96/37457に記載されている。
【0002】
該化合物は、ヘプタン−テトラヒドロフラン(THF)溶媒系から以前に結晶化された。該結晶化方法は、最終生成物を溶解するために高温(約90℃)の使用を要した。結晶は、冷却過程中に核生成により生成した。生成した結晶はII型であり、それは、真空下90℃での乾燥中に所望のI型に変換される。この結晶化は、最低限の精製をもたらすにすぎず、一致しない物理学的特性を有する物質を与えた。該最終生成物スラリーは、その高い粘性および不均一性のため、混合および取り扱いが非常に困難であった。
【0003】
本発明は、溶媒・逆溶媒(アンチソルベント)系から(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンを結晶化させ、該結晶性生成物を得るための方法を記載する。所望の最終結晶形態であるI型は、メタノールまたはエタノールを使用した場合に得ることができる。II型は、2−プロパノールから単離され、40℃程度の低い乾燥温度で所望の結晶形態に変換することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,519,021号
【特許文献2】国際公開第95/20389号
【特許文献3】国際公開第96/37457号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Thompsonら,Tetrahedron Letters 1995,36,937−940
【発明の概要】
【0006】
構造式
【0007】
【化1】

で表される化合物の結晶化方法であって、溶媒を使用して該化合物を溶解し、ついで逆溶媒を加えて該結晶化を開始させることを含んでなる方法。
【0008】
発明の詳細な説明
構造式
【0009】
【化2】

で表される化合物の結晶化方法であって、溶媒を使用して該化合物を溶解し、ついで逆溶媒を加えて該結晶化を開始させることを含んでなる方法。
【0010】
構造式
【0011】
【化3】

で表される化合物の結晶化方法であって、
(1)該化合物1グラムに対して溶媒約3.0mlから約10.0mlの比率で該化合物を溶媒に溶解する工程、
(2)該化合物の該溶液を濾過して、すべての粒子状物質を除去する工程、
(3)逆溶媒を該攪拌溶液に室温で約30分から約1時間かけて加えて、該化合物を含有する溶液の飽和点に到達させる工程、
(4)該化合物の固体添加シード(solid seed charge)約2から約10重量%を該溶液に加えて、スラリーを形成させる工程、
(5)該スラリーを粉砕して、該スラリーの稠密度を減少させる工程、
(6)残りの水を加えて約30%から約50%の所望の溶媒組成に到達させ、必要に応じて該添加中に該スラリーを粉砕する工程、
(7)該スラリーを約5℃から約20℃までゆっくり冷却する工程、
(8)該上清濃度が平衡に達するまで、約2から約16時間熟成させる工程、
(9)必要に応じて該スラリーを粉砕して、該スラリーの稠密度を減少させる工程、
(10)該粉砕化スラリーを濾過して、該結晶化合物の湿潤ケークを単離する工程、
(11)該湿潤ケークを約1から約2ベッド容積の該最終結晶化溶媒組成で1回、ついで化合物1g当たり約5から10mlの水で2回洗浄する工程、および
(12)その洗浄された湿潤ケーキを真空下約40℃から約90℃で、約1時間から約3日間、または該乾燥減量が0.5重量%未満になるまで乾燥させる工程、を含んでなる方法。
【0012】
前記の制御された逆溶媒結晶化方法においては、該溶媒はアルコールと定義され、アルコールは直鎖状または分枝鎖状の(C−C)−アルカノールと定義される。該制御された逆溶媒結晶化方法に有用な溶媒の好ましい実施形態は、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどの(C−C)−アルカノールである。好ましいアルコールは、2−プロパノールである。
【0013】
一貫した結晶形態が入手できる理由により、好ましいアルコールが2−プロパノールである。メタノールおよびエタノール溶媒系は、所望のI型の結晶構造を与えうることが示されているが、これらの系における結晶化スラリー中へのIII型結晶の僅かな混入は、所望のI型の構造に変換するのが比較的困難であるIII型の結晶のみを含有するようにスラリーすべてを変換する。約25%から35%(v/v)の2−プロパノール−水溶媒系中に置かれたこの化合物の公知のいずれの結晶構造も、乾燥中に所望のI型結晶構造に容易に変換することができるII型結晶構造に急速に変換されることが示されている。
【0014】
前記の逆溶媒は、該溶媒中で該化合物の溶解度が制限されている溶媒と定義される。本方法では、好ましい逆溶媒は水である。
【0015】
逆溶媒の添加(工程3)中の該溶液の温度は、約20℃から約25℃であり、該スラリーの温度は、約5℃から約20℃、好ましくは約10℃である。
【0016】
洗浄された湿潤ケークの乾燥(工程12)中に用いる温度は、約40℃から約90℃、好ましくは約40℃から約60℃である。
【0017】
用いる溶媒系(溶媒+逆溶媒)の逆溶媒容積に対する溶媒容積の比率(v/v)は、約30%から約50%の範囲である。該溶媒系の全容積は、該化合物1グラム当たり溶媒系約12から約20mlの範囲である。選択した溶媒系について逆溶媒に対する溶媒の容積比率は、1)エタノール−水溶媒系では、約30%から約40%の水に対するエタノールのv/v比率、2)メタノール−水溶媒系では、約40%から約50%の水に対するメタノールのv/v比率、および3)2−プロパノール−水溶媒系では、約25%から約35%の水に対する2−プロパノールのv/v比率である。好ましい溶媒系は、約30%の容積対容積比率および該化合物1グラム当たり約15mlの全溶媒系容積として用いる2−プロパノール−水である。
【0018】
構造式
【0019】
【化4】

で表される化合物の結晶化方法であって、
(1)約10%から約20重量%の最終量の(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンを逆溶媒に対する溶媒の所望のv/v比率で約20℃で混合してヒールを形成させるか、あるいは前バッチからの最終スラリーを維持する工程、
(2)溶媒と(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンとの溶液および逆溶媒を、同時に、逆溶媒に対する溶媒のv/v比率を維持しながら一定速度で約6時間かけて該ヒールに加える工程、
(3)該添加中に該スラリーを粉砕して、該スラリーの稠密度を減少させる工程、
(4)該スラリーを約3時間かけて約10℃に冷却し、該上清濃度が平衡に達するまでスラリーを熟成させる工程、
(5)該粉砕化スラリーを濾過して、該結晶化合物の湿潤ケークを単離する工程、
(6)該湿潤ケークを約1から約2ベッド容積の該最終結晶化溶媒組成で1回、ついで化合物1g当たり約5mlから約10mlの水で2回洗浄する工程、
(7)その洗浄された湿潤ケークを真空下約40℃から約90℃で、約1時間から約3日間または該乾燥減量が0.5重量%未満になるまで乾燥させる工程、を含んでなる方法。
【0020】
前記のヒール結晶化方法においては、該溶媒はアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドまたはアルコールと定義される。該制御された逆溶媒結晶化方法に有用な溶媒の好ましい実施形態はアルコールであり、アルコールは、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどの(C−C)−アルカノールと定義される。好ましいアルコールは、2−プロパノールである。
【0021】
前記の逆溶媒は、該溶媒中で該化合物が制限された溶解度を有する溶媒と定義される。該ヒール結晶化方法では、好ましい逆溶媒は水である。
【0022】
前記方法において、逆溶媒の添加中の該溶液の温度は約5℃から約20℃である。
【0023】
洗浄された湿潤ケークの乾燥中に用いる温度は、約40℃から約90℃、好ましくは約40℃から約60℃である。
【0024】
用いる溶媒系(溶媒+逆溶媒)の逆溶媒容積に対する溶媒容積の(v/v)比率は、約30%から約50%の範囲である。該溶媒系の全容積は、該化合物1グラム当たり該溶媒系約12から約20mlの範囲とする。選択した溶媒系について反溶媒に対する溶媒の容積対容積比率は、以下のとおりである:1)エタノール−水溶媒系では、約30%から約40%の水に対するエタノールのv/v比率、2)メタノール−水溶媒系では、約40%から約50%の水に対するメタノールのv/v比率、および3)2−プロパノール−水溶媒系では、約25%から約35%の水に対する2−プロパノールのv/v比率である。好ましい溶媒系は、約30%の容積対容積比率および該化合物1グラム当たり約15mlの全溶媒系容積として用いる2−プロパノール−水である。
【0025】
図3、4および5は、それぞれI、IIおよびIII型に関するX線粉末回折(XRPD)パターンである。これらのXRPDパターンは、銅Kα照射による自動X線回折計APD3720を用いて記録した。前記X線粉末回折パターンにより特徴づけられた(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンの結晶I型およびII型は、10以上の強度(I/Imax,%)を有する以下の主回折ピーク(2Θ)を有する。
【0026】
【表1】

【0027】
また、これらの結晶形態は、種々のD間隔を有するピークにより特徴づけられる。I型は、14.5、8.5、8.0、7.2、6.7、6.2、5.2、4.6、4.4、4.2および3.6オングストロームのD間隔を有するピークにより特徴づけられる。II型は、24.3、13.9、8.0、6.9、6.6、5.5、4.6、4.5、4.3、4.2、3.9、3.6、3.4、3.3および3.2オングストロームのD間隔を有するピークにより特徴づけられる。III型は、12.2、8.1、6.4、6.1、4.7、4.3、4.1、4.0、3.9、3.8、3.7、3.6、3.3、3.2および3.0オングストロームのD間隔を有するピークにより特徴づけられる。
【0028】
III型の熱重量分析の結果(図7)は、43℃から約137℃では有意な重量減少が認められないことを示した。この結果は、無水または非溶媒和の結晶形態を示している。
【0029】
III型に関して得た示差走査熱量測定(DSC)の結果は、117℃の外挿開始温度、118℃のピーク温度および34J/gのエンタルピーでの吸熱、およびこれに続く120℃のピーク温度および23J/gのエンタルピーでの発熱を示している。また、138℃の外挿開始温度、139℃のピーク温度および55J/gのエンタルピーでの第2の吸熱が認められる。最初の吸熱はIII型の融解に関連しており、このIII型は次いで発熱事象中にI型結晶化となる。第2の吸熱事象は、I型の融解に関連している。
【0030】
有機溶媒および水を含有する溶液から最終生成物(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンを単離する方法は、既に開発されている。この方法では、水が、有機溶媒に溶解している物質から固体生成物を生成させるための逆溶媒として働く。最終溶媒組成は、収量損失、精製およびスラリーの取扱い性の間のバランスが取れるように選択する。
【0031】
メタノール溶媒系では、逆溶媒(水)に対して約40%から約50%(容積対容積)の溶媒が最終スラリー中に存在している。エタノール溶媒系は、逆溶媒に対して約30%から約40%(v/v)の溶媒を含有し、2−プロパノール溶媒系では、逆溶媒に対して約25%から約35%(v/v)の溶媒を用いている。液体(アルコールおよび水)の全量は、12から20ml/(g固体)の範囲である。該結晶化は、典型的には、20から25℃で行ない、いくらかのスラリーは、濾過前に5から10℃に冷却する。濾過後、約1ベッド容積(湿潤ケークの容積にほぼ等しい)の最終結晶化溶媒組成で湿潤ケークを洗浄する。ついで少なくとも2ベッド容積の脱イオン(DI)水で該湿潤ケークを洗浄する。
【0032】
該生成物の沈殿速度は、シード添加後に飽和系に水をゆっくり加える(逆溶媒添加)か、あるいは存在する生成物スラリーにアルコール中の該生成物と水とを、制御された速度で同時に加える(ヒール結晶化)ことにより制御する。
【0033】
逆溶媒法(図1)では、まず、最終生成物中の系を飽和させるために、該生成物を含有する有機溶媒溶液へ十分な水を0.5から2時間かけて加える。ついで最終生成物の固体チャージ(solid charge)をシード(結晶種)(生成物の最初の量の2から10%)として該系へ加える。エタノールおよびメタノール系では、該シードはI型(乾燥最終生成物に関連した結晶形態)であるべきであり、2−プロパノール系では、II型シード(THF/ヘプタン結晶化により生成する結晶形態)を使用する。得られたスラリーを0.5から2時間熟成させて、シードベッドを確立させる。ついで、残りの水を、制御しながら2から4時間かけて加える。ついで該スラリーを2から20時間熟成させ、該熟成中に所望の最終温度に冷却し、該上清を平衡に到達させる。
【0034】
ヒール法(図2)の場合には、一定の溶媒比率を維持するために制御された相対速度で、アルコールに溶解した生成物および水を加えながら、所望の最終溶媒組成のスラリーを混合する。該スラリー(所望の最終溶媒系中の結晶化合物)は、しばしば、前運転からの生成物の10から20%である。そのような添加はすべて20から25℃で4から6時間かけて行なう。ついで、上清を平衡に到達させるために、濾過する前に、該スラリーを所望の最終温度で数時間熟成させる。濾過後、該湿潤ケークを、最終的な結晶化条件に合致した、約1ベッド容積の清潔なアルコール/水混合物で洗浄する。ついで該湿潤ケークを、少なくとも2ベッド容積のDI水で洗浄する。
【0035】
結晶のサイズおよびスラリーの粘度の更なる制御は、過度に長い粒子および/または極端に濃厚な密度を有するスラリーについて湿式ミルを使用することにより行なう。該生成物は、典型的には、半径方向より軸方向にはるかに速く成長する棒状結晶を形成する。「稠密度(thickness)」に対する言及は、結晶のサイズおよびスラリーの密度を意味すると理解される。該ミルは、長い結晶の長さを減少させ、また、多数の結晶凝集粒子を含有する高密度スラリーから低密度スラリーを生成することが示されている。実験室規模では、全スラリーを、所望によりバッチ式に粉砕することができる。より大規模の場合には、該結晶化容器の周囲を循環する再循環ループ上で該湿式ミルを使用することができる。インライン(in−line)での粒子サイズの測定および粘度の測定を連繋させて該ミルを制御することが可能であろう。また、該スラリーの温度を5℃から50℃のサイクルの範囲で変化させることは、結晶のサイズおよび形状を改変する有用な方法であることが示されている。
【0036】
この方法で有用な溶媒には、アルコール、アセトニトリル(ヒール法のみ)、ジメチルホルムアミド(ヒール法のみ)およびジメチルアセトアミド(ヒール法のみ)が含まれる。好ましい溶媒は、メタノール、エタノールまたは2−プロパノールから選ばれるアルコールである。
【0037】
この結晶化方法は、従来の方法に比べて優れている。本方法は、一致した物理的特性[すなわち、所望の結晶形態の生成物を生成するか又は緩和な乾燥条件(約40から60℃への加熱)でI型に変換する能力]を有する結晶生成物を単離することを可能にする。また、該アルコール−水結晶化は、化学合成から持ち越されたいくらかの不純物を排除することが示されている。該最終生成物スラリーは、本方法ではそれほど粘性ではなく、より均一であり、したがって混合および取り扱いがより容易である。
【0038】
以下の実施例は、本発明を例示するものである。これらの実施例は、本発明を具体化するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】制御化逆溶媒添加結晶化方法の流れ図。
【図2】ヒール(heel)結晶化方法の流れ図。
【図3】(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンのI型のX線粉末回折パターン。
【図4】(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンのII型のX線粉末回折パターン。
【図5】(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンのIII型のX線粉末回折パターン。
【図6】(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンのIII型のDSC曲線。
【図7】(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンのIII型のTG分析。
【実施例】
【0040】
実施例1
制御化逆溶媒添加結晶化方法
出発物質である400gのDMP−266を2.400Lのエタノールに溶解する。図1を参照されたい。該溶液を濾過して、異質物を除去する。2.088Lの脱イオン(DI)水を該溶液に30から60分間かけて加える。20gのDMP−266シードを該溶液に加える。該シードベッドを1時間熟成させる。該スラリーを混合するには、Intermig攪拌機の使用が好ましい。必要に応じて(過度に長い結晶または厚いスラリーの存在により)、該スラリーを15から60秒間湿式粉砕する。1.512LのDI水を該スラリーに4から6時間かけて加える。必要に応じて(過度に長い結晶または厚いスラリーの存在により)、該添加中に該スラリーを15から60秒間湿式粉砕する。該スラリーを1から3時間熟成させた後、3時間かけて10℃に冷却する。該上清中の生成物濃度が一定に維持されるまで、該スラリーを2から16時間熟成させる。該スラリーを濾過して、結晶性湿潤ケークを単離する。該湿潤ケークを1から2ベッド容積の40%エタノール(水中)で洗浄し、ついでそれぞれ2LのDI水で2回洗浄する。その洗浄された湿潤ケークを真空下50℃で乾燥させる。
【0041】
実施例2
半連続的ヒール結晶化方法
出発物質である400gのDMP−266を2.400Lのエタノールに溶解する。図2を参照されたい。水中の40%(v/v)エタノール0.3L中に20gのDMP−266を混合することにより、ヒールスラリーを得る。その溶解したバッチおよび3.6LのDI水を同時に、該晶出器内で一定の溶媒組成を維持するように一定速度で6時間かけて該ヒールスラリーに加える。該結晶化中は、Intermig攪拌機の使用が好ましい。該結晶の長さが過度に長かったり、あるいは該スラリーが過度に稠密である場合には、この添加中に該スラリーを湿式粉砕する。該スラリーを3時間かけて約10℃に冷却する。該上清中の生成物濃度が一定に維持されるまで、該スラリーを2から16時間熟成させる。該スラリーを濾過して、結晶性湿潤ケークを単離する。該湿潤ケークを1から2ベッド容積の40%エタノール(水中)で洗浄し、ついでそれぞれ2LのDI水で2回洗浄する。その洗浄された湿潤ケークを真空下50℃で乾燥させる。
【0042】
実施例3から8
以下の表に記載の溶媒を、列挙されている量で使用し、実施例1および2に記載の結晶化手順に従い、DMP−266を結晶化することができる。
【0043】
【表2】

【0044】
実施例9
400gのスケールで制御化逆溶媒添加を用いDMP−266 1グラム当たり溶媒15mlの比率を用いる、水中の30% 2−プロパノールからのDMP−266の結晶化
出発物質である400gのDMP−266を1.8Lの2−プロパノールに溶解する。該溶液を濾過して、異質物を除去する。1.95Lの脱イオン(DI)水を該溶液に30から60分間かけて加える。10gから20gのDMP−266シード(II型の湿潤ケーク)を該溶液に加える。該シードベッドを1時間熟成させる。該スラリーを混合するには、Intermig攪拌機の使用が好ましい。必要に応じて(過度に長い結晶または稠密なスラリーの存在により)、該スラリーを15から60秒間湿式粉砕する。2.25LのDI水を該スラリーに4から6時間かけて加える。必要に応じて(過度に長い結晶または稠密なスラリーの存在により)、該添加中に該スラリーを15から60秒間湿式粉砕する。該上清中の生成物濃度が一定に維持されるまで、該スラリーを2から16時間熟成させる。該スラリーを濾過して、結晶性湿潤ケークを単離する。該湿潤ケークを1から2ベッド容積の30% 2−プロパノール(水中)で洗浄し、ついでそれぞれ1ベッド容積のDI水で2回洗浄する。その洗浄された湿潤ケークを真空下50℃で乾燥させる。
【0045】
実施例10
400gのスケールで半連続的方法を用いDMP−266 1グラム当たり溶媒15mlの比率を用いる、水中の30% 2−プロパノールからのDMP−266の結晶化
出発物質である400gのDMP−266を1.8Lの2−プロパノールに溶解する。図2を参照されたい。水中の30%(v/v)2−プロパノール0.3L中に20gのII型のDMP−266を混合することにより、あるいは該晶出器内に前結晶化からのスラリーの一部を維持することにより、ヒールスラリーを得る。その溶解したバッチおよび4.2LのDI水を同時に、該晶出器内で一定の溶媒組成を維持するように一定速度で6時間かけて該ヒールスラリーに加える。該結晶化中は、Intermig攪拌機の使用が好ましい。該結晶の長さが過度に長かったり、あるいは該スラリーが稠密になり過ぎた場合には、この添加中に該スラリーを湿式粉砕する。該上清中の生成物濃度が一定に維持されるまで、該スラリーを2から16時間熟成させる。該スラリーを濾過して、結晶性湿潤ケークを単離する。該湿潤ケークを2ベッド容積の30% 2−プロパノール(水中)で洗浄し、ついでそれぞれ1ベッド容積のDI水で2回洗浄する。その洗浄された湿潤ケークを真空下50℃で乾燥させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式
【化1】

で表される化合物の結晶化方法であって、
(1)該化合物1グラムに対して溶媒3.0mlから10.0mlの比率で該化合物を溶媒に溶解する工程、
(2)該化合物の該溶液を濾過して、すべての粒子状物質を除去する工程、
(3)逆溶媒を該攪拌溶液に室温で30分から1時間かけて加えて、該化合物を含有する溶液の飽和点に到達させる工程、
(4)該化合物の固体添加シード2から10重量%を該溶液に加えて、スラリーを形成させる工程、
(5)該スラリーを粉砕して、該スラリーの稠密度を減少させる工程、
(6)残りの逆溶媒を加えて30%から50%の所望の溶媒組成に到達させ、必要に応じて該添加中に該スラリーを粉砕する工程、
(7)該スラリーを5℃から20℃までゆっくり冷却する工程、
(8)該上清濃度が平衡に達するまで、2から16時間熟成させる工程、
(9)必要に応じて該スラリーを粉砕して、該スラリーの稠密度を減少させる工程、
(10)該粉砕化スラリーを濾過して、該結晶化合物の湿潤ケークを単離する工程、
(11)該湿潤ケークを該湿潤ケーク容積の1〜2倍の該最終結晶化溶媒組成で1回、ついで化合物1g当たり5から10mlの水で2回洗浄する工程、
(12)その洗浄された湿潤ケークを真空下40℃から90℃で、1時間から3日間または該乾燥減量が0.5重量%未満になるまで乾燥させる工程、を含んでなる方法。
【請求項2】
該溶媒が(C−C)−アルコールと定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該逆溶媒が水と定義される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該逆溶媒の添加(工程3)中の温度が20℃から25℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
洗浄された湿潤ケークの乾燥(工程12)中に用いる温度が40℃から60℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
用いる逆溶媒容積に対する溶媒容積の比率が30%から50%である、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
該(C−C)−アルコールが、メタノール、エタノールおよび2−プロパノールから選ばれる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該(C−C)−アルコールが2−プロパノールである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
化合物1グラム当たりの全溶媒系容積が12ml/gから20ml/gであり、水に対するエタノール(逆溶媒に対する溶媒)の容積対容積比率が30%から40%である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
化合物1グラム当たりの全溶媒系容積が12ml/gから20ml/gであり、水に対するメタノール(逆溶媒に対する溶媒)の容積対容積比率が40%から50%である、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
化合物1グラム当たりの全溶媒系容積が12ml/gから20ml/gであり、水に対する2−プロパノール(逆溶媒に対する溶媒)の容積対容積比率が25%から35%である、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
化合物1グラム当たりの全溶媒系容積が15ml/gであり、水に対する2−プロパノール(逆溶媒に対する溶媒)の容積対容積比率が30%である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
構造式
【化2】

で表される化合物の結晶化方法であって、
(1)10%から20重量%の最終量の(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンを逆溶媒に対する溶媒の所望のv/v比率で20℃で混合してヒールを形成させる工程、
(2)溶媒と(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンとの溶液および逆溶媒を、逆溶媒に対する溶媒のv/v比率を維持しながら一定速度で6時間かけて同時に該ヒールに加える工程、
(3)該添加中に該スラリーを粉砕して、該スラリーの稠密度を減少させる工程、
(4)該スラリーを3時間かけて10℃に冷却する工程、該上清濃度が平衡に達するまでスラリーを熟成させる工程、
(5)該粉砕化スラリーを濾過して、該結晶性化合物の湿潤ケークを単離する工程、
(6)該湿潤ケークを該湿潤ケーク容積の1〜2倍の該最終結晶化溶媒組成で1回、ついで化合物1g当たり5mlから10mlの水で2回洗浄する工程、
(7)その洗浄された湿潤ケークを真空下40℃から90℃で、1時間から3日間または該乾燥減量が0.5重量%未満になるまで乾燥させる工程、を含んでなる方法。
【請求項14】
溶媒がアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドまたはアルコールと定義される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
該逆溶媒が水と定義される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
該アルコール溶媒が(C−C)−アルコールと定義される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
該化合物−溶媒溶液/逆溶媒の添加(工程2)中の該溶液の温度が5℃から20℃である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
洗浄された湿潤ケークの乾燥(工程7)中に用いる温度が40℃から60℃である、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
用いるアルコール対逆溶媒の容積対容積比率が30%から50%である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
該アルコール溶媒が、メタノール、エタノールおよび2−プロパノールから選ばれる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
該溶媒が2−プロパノールである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
化合物1グラム当たりの全溶媒系容積が12ml/gから20ml/gであり、水に対するエタノール(逆溶媒に対する溶媒)の容積対容積比率が30%から40%である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
化合物1グラム当たりの全溶媒系容積が12ml/gから20ml/gであり、水に対するメタノール(逆溶媒に対する溶媒)の容積対容積比率が40%から50%である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
化合物1グラム当たりの全溶媒系容積が12ml/gから20ml/gであり、水に対する2−プロパノール(逆溶媒に対する溶媒)の容積対容積比率が25%から35%である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
化合物1グラム当たりの全溶媒系容積が15ml/gであり、水に対する2−プロパノール(逆溶媒に対する溶媒)の容積対容積比率が30%である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
14.5、8.5、8.0、7.2、6.7、6.2、5.2、4.6、4.4、4.2及び3.6オングストロームの結晶学的D間隔により特徴づけられる(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンのI型。
【請求項27】
24.3、13.9、8.0、6.9、6.6、5.5、4.6、4.5、4.3、4.2、3.9、3.6、3.4、3.3及び3.2オングストロームの結晶学的D間隔により特徴づけられる(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンのII型。
【請求項28】
12.2、8.1、6.4、6.1、4.7、4.3、4.1、4.0、3.9、3.8、3.7、3.6、3.3、3.2及び3.0オングストロームの結晶学的D間隔により特徴づけられる(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンのIII型。
【請求項29】
ピーク温度118℃及びエンタルピー34J/gのDSC曲線により更に特徴づけられる、請求項28に記載の(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンのIII型。
【請求項30】
43℃から137℃では有意な重量減少が認められないことを示す熱重量分析により更に特徴づけられる、請求項29に記載の(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンのIII型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−6472(P2011−6472A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202879(P2010−202879)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【分割の表示】特願2002−163198(P2002−163198)の分割
【原出願日】平成10年2月2日(1998.2.2)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】