透光性両面粘着シート、それを備えた透明導電積層シート、及びディスプレイ
【課題】被着体と積層した際に、被着体と密着し、かつ積層体として透光性を保持し、しかも外部からの熱エネルギーや活性エネルギー線等の付与により発泡して容易に剥離可能となり、発泡後に被着体に残った粘着剤も容易に剥離可能な透光性両面粘着シートを提供する。また、部材の解体が容易な透明導電積層シート、及びディスプレイを提供することを課題とする。
【解決手段】透光性シートの両面に粘着層があり、その少なくとも片面の粘着層が発泡性組成物を含む発泡性粘着層とする。発泡性粘着層は、発泡性組成物を含む粘着層一層、あるいは粘着層と発泡性層の二層構成とする。また、この透光性両面粘着シートを用いて、透明導電積層シート、及びディスプレイを作製する。
【解決手段】透光性シートの両面に粘着層があり、その少なくとも片面の粘着層が発泡性組成物を含む発泡性粘着層とする。発泡性粘着層は、発泡性組成物を含む粘着層一層、あるいは粘着層と発泡性層の二層構成とする。また、この透光性両面粘着シートを用いて、透明導電積層シート、及びディスプレイを作製する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の被着体同士を、透光性を損なうことなく貼合できる透光性両面粘着シートであり、さらに、外部刺激によって発泡することができ、かつ、前記の貼合した被着体同士を容易に剥離することができる透光性両面粘着シートに関する。また、前記透光性両面粘着シートを貼合した透明導電積層シート、及びディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
透光性両面粘着シートは、ディスプレイやタッチパネルにおいて、その構成部材同士を貼合するために多く使用されている。貼合した構成部材同士は、固定化または一体化されて使用されるが、ディスプレイやタッチパネルは、硬直な部材で構成されることが多く、部材を損傷することなく、部材を剥離することは難しい。そのため、用途目的を全うした後や貼合不良により不要になったディスプレイの構成部材も再利用されることなく、廃棄されることが多い。しかし、再利用可能な構成部材は剥離などで分別解体して再利用されれば、コスト削減、資源の有効活用ができる。
一方で、剥離して再貼合できるリワーク機能を有する透光性両面粘着シートや、外部刺激に伴う発泡性を有する透光性両面粘着シートも使用されつつある。後者としては、例えば、特許文献1には発泡処理前には耐熱性に優れ、また発泡処理後には被着体同士を容易に剥離することができる発泡性接着剤組成物が開示されている。
しかし、発泡処理後、被着体同士を剥離できても、発泡性接着層の凝集破壊や粘着剤の物性変化が生じ、従来リワーク適性を有した粘着剤はリワーク適性が不十分であり、部材に残った粘着剤の剥離が難しいという問題がある。このような残った粘着剤を剥離するために、溶剤等を用いて部材から粘着剤を除去する方法もあるが、浸透に時間を要すなど、効率良く除去することが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−043732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、被着体と積層した際に、被着体と密着し、かつ積層体として透光性を保持しつつ、外部からの熱エネルギーや活性エネルギー線等の付与により発泡して容易に剥離可能となり、発泡後に被着体に残った粘着剤も容易に剥離可能な透光性両面粘着シートを提供する。また、これを具備した透明導電積層シート、及びディスプレイを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
【0006】
[1]
透光性シートの両面に粘着層を有する透光性両面粘着シートであって、該粘着層の少なくとも一方が発泡性組成物を含有する発泡性粘着層であることを特徴とする透光性両面粘着シートである。
[2]
前記発泡性粘着層が、前記透光性シートの面上に発泡性組成物を含有する発泡性層、次いで発泡性組成物を含有しない粘着層を順次積層した複数層である[1]に記載の透光性両面粘着シートである。
[3]
前記発泡性組成物が、
(1) 光酸発生剤と、酸と反応して1種以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する官能基を有する分解性化合物とを含有する、
または、
(2) 光塩基発生剤と、塩基と反応して1種以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する官能基を有する分解性化合物とを含有する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の透光性両面粘着シートである。
[4]
[1]〜[3]のいずれかに記載の透光性両面粘着シートを介して、透光性シートを貼着し、少なくとも一方の透光性シートの片面または両面に透明導電層を配置したことを特徴とする透明導電積層シートである。
[5]
[1]〜[3]のいずれかに記載の透光性両面粘着シートを介して、透光性シート及び表示パネルに貼着されていることを特徴とするディスプレイである。
[6]
[4]に記載の透光導電積層シートが、透光性両面粘着シートを介して表示パネルに貼着されていることを特徴とするディスプレイである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の透光性両面粘着シートによれば、透光性を損なうことなく、十分な密着性を持って被着体を貼り合わせられるとともに、被着体との接合部を解体したい場合に容易に被着体を剥離することができ、被着体に残った粘着剤も容易に剥離できる。また、この透光性両面粘着シートを具備した透明導電積層シート、またこれらを用いたディスプレイは、解体時に被着体を損傷することなく容易に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る透光性両面粘着シートの断面模式図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る透光性両面粘着シートの断面模式図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る透光性両面粘着シートの断面模式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る透明導電積層シートの断面模式図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る透明導電積層シートの断面模式図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る透明導電積層シートの断面模式図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る透明導電積層シートの断面模式図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る透明導電積層シートの断面模式図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る透明導電積層シートの断面模式図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るディスプレイの断面模式図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るディスプレイの断面模式図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係るディスプレイの断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の透光性両面粘着シート、及びそれを具備する透明導電積層シート、さらに透光性両面粘着シートまたは透明導電積層シートを具備するディスプレイの実施形態について説明する。
【0010】
[透光性両面粘着シート]
図1〜図3は、本発明の透光性両面粘着シートの一実施形態における断面図である。なお、図示の便宜上、厚みや大きさは適宜強調している。
本実施形態の図1に示す透光性両面粘着シート(1-a)は、透光性シート10の両面に粘着層11-a,12を備え、その少なくとも片面の粘着層が発泡性組成物を含有する発泡性粘着層(11-a)である。
また、図2に示す透光性両面粘着シート(1-b)は、透光性シート10の両面に粘着層11-b,12を備え、片面の発泡性粘着層(11-b)が発泡性組成物を含まない粘着層12、発泡性組成物を含有する発泡性層13の2層からなる構成である。
また、図3に示す透光性両面粘着シートは、透光性シート10の片面に発泡性組成物を含有しない粘着層12、他方の面に発泡性層13、発泡性組成物を含有しない粘着層12、透光性シート10及び発泡性組成物を含有しない粘着層12が順次積層された構成である。
【0011】
[透光性シート]
本発明の透光性シート10としては、光透過特性を有し、発泡性粘着層、及び/または粘着層を積層できるものであれば特に限定はなく、用途に応じて選択すればよい。光透過特性は、使用により適切に調整されたものであれば限定はされないが、可視光領域での光透過率で80%以上が好ましく、さらには88%以上がより好ましく、さらには90%以上であることが好ましい。透光性シートの例としては、透光性ガラス基板や透光性樹脂シートが挙げられ、フレキシブル性や取り扱いの容易性が求められるニーズでは、透光性樹脂シートを選ぶことが好ましい。透光性樹脂シートとしては、例えば、ポリスチレン(PS)樹脂シート、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂シート、並びにポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂シート、アクリル系やメタクリル系樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂シート等の汎用プラスチックシートやポリイミド樹脂シート、ABS樹脂シート等のエンジニアリングプラスチックシートなどが挙げられる。
透明導電層シートに用いられる透光性シートとしては、ガラス基板やポリエステル系樹脂シートが好ましく使用される。
【0012】
透光性シートの表面には、透光性を損なわない範囲で各種の機能性層を適宜設けてもよい。例えば、機能性層として、透光性シート表面の接着性及び活性を向上させるために、イソシアネートなどの反応性物質を添加したアンカー層や、サンドブラスト処理や溶剤処理等の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等の表面処理が施されていても良い。その他、用途に応じては、機能性層として干渉縞対策層やハードコート層、各種拡散剤を添加した拡散調製層などの光学調整層などが挙げられる。
【0013】
[発泡性組成物を含有しない粘着層]
本発明の粘着層12としては、透光性かつ粘着性を有する層であり、各種接着剤または粘着剤の塗膜からなる。また、被着体との粘着力は、各被着体の表面によって適宜調整する必要があるが、剥離可能な粘着力、すなわちリワーク性をもたせた粘着力に調整されることが好ましい。
接着剤としては、例えば、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白、澱粉や酸化澱粉等の澱粉類、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレンーブタジエン共重合体、メチルメタクリレートーブタジエン共重合体、アクリル系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体のラテックスまたは溶液、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0014】
粘着剤としては、例えば、各種公知のゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤などから適宜選択されるが、粘着性能の観点から、ポリアクリル酸エステルを主成分とするアクリル系粘着剤が好ましい。また、粘着剤は、水系、エマルジョン系、溶剤系、無溶剤系、ホットメルト系のいずれであってもよいが、粘着性能の点から、エマルジョン系、溶剤系が好ましい。
粘着剤は、接着強度に応じて強粘着タイプ、汎用タイプ、弱粘着タイプに分類され、用途に応じた接着レベルのものを適宜選択できる。
また、被着体となる透光性シートや透明導電積層シート、透明導電層、表示パネルが経時で劣化しない(例えば、60℃90%や85℃80%などの高温高湿環境下に放置したときでも)粘着剤を選ぶことが望ましい。例えば、透明導電層がITOの場合は、成分にカルボン酸基を含まない粘着剤または接着剤を選ぶことが好ましい。
【0015】
接着剤または粘着剤には、必要に応じて、架橋剤が含まれてもよい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、ブチル化メラミン化合物などが挙げられる。これらの架橋剤の中でも、アクリル重合体を容易に架橋できることから、イソシアネート化合物、エポキシ化合物が好ましい。
イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6ーヘキサンジオールジグリシジルエーテル、テトラグリシジルキシレンジアミン、1,3ービス(N,Nージグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリジグリシジルエーテルなどが挙げられる。架橋剤の含有量は、所望する粘着物性に応じて適宜選択することが好ましい。
【0016】
また、接着剤または粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、充填剤などの他の添加剤が含まれてもよい。粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
【0017】
[発泡性粘着層]
本発明の発泡性粘着層(11-aや11-b)は、発泡性組成物を含有する粘着層であり、透光性シート10の少なくとも片面に設けられる。発泡性粘着層は、図1に示すように、上記接着剤あるいは粘着剤に発泡性組成物を混合したもの、ガラス転移温度を低下させて粘着性を持たせた一般の樹脂に発泡性組成物に混合したものが挙げられる。さらには、上記混合したもののうち、粘着剤あるいは接着剤に対する発泡性組成物の濃度が透光性シート近傍で高くなるような濃度分布を有する(言い換えれば、粘着剤あるいは接着剤に対する発泡性組成物の濃度が透光性両面粘着シート表面近傍で低くなるような濃度分布を有する)ものも挙げられる。
【0018】
さらには図2に示すように、透光性両面粘着シート(1−b)の表面側に粘着層12があり透光性シート側に発泡性組成物を含有する発泡性層13が積層された二層構造になったものが挙げられる。発泡性層には接着剤あるいは粘着剤、粘着性のある樹脂が含まれていても含まれていなくても構わない。例えば図2に示すように二層構成になっている方が、透光性シート近傍で局所的に高発泡することができるため、透光性シートと発泡性層とで界面剥離が起こりやすく、かつ被着体をより容易に解体することができるので好ましい。
また、前記の発泡性粘着層上に透光性シート、粘着層をさらに積層されても構わない。例えば、図3に示すように、粘着層(あるいは発泡性粘着層)、透光性シート、発泡性粘着層、透光性シート、粘着層の順に積層されたものでも構わない。透光性シートが2枚以上あることで、解体した被着体に付着する粘着層を、透光性シートを介して、より容易に剥離除去することができるので好ましい。
【0019】
[発泡性組成物]
本発明の発泡性組成物としては、少なくとも活性エネルギー線を付与し、必要に応じて活性エネルギー線を付与する工程とは別に、熱エネルギーを付与することによって発泡するもの、例えば、(A)光照射によってガスを発生させる光発泡性化合物(特開平5−72727号公報参照)、(B)光重合性化合物と熱発泡性化合物を組み合わせたもの(特許第3422384号公報参照)、(C)活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤と、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する分解発泡性化合物とを含有する発泡性組成物(特開2004−2812号公報、特開2006−155937号公報参照)などが好ましい
とりわけ、(C)の発泡性組成物は、発泡性化合物をより高濃度にすることが可能で、それに伴いより高発泡化が可能であることから、発泡時に透光性シートあるいは被着体との接合点が少なくなり剥離しやすく(界面剥離しやすい)、すなわち被着体同士を解体しやすくなる。また、気泡の直径を容易に10μm以下にすることができるため、発泡時に透光性シートあるいは被着体との各接着点の面積も小さくなる(界面剥離しやすい)ことから、より容易に剥離しやすく、すなわち被着体同士を解体しやすくなる。ただし、高発泡化させるには気泡の成長を促進する必要があるため、気泡の直径は0.1μm以上であることが好ましい。気泡直径や高発泡化は、活性エネルギー量や熱エネルギー量によって制御されることが好ましい。
【0020】
(A)の発泡性組成物を発泡させるためには、活性エネルギー線を付与すればよい。 (B)の発泡性組成物を発泡させるためには、活性エネルギー線と熱エネルギーとを別工程にて付与すればよい。(C)の発泡性組成物を発泡させるためには、活性エネルギー線と熱エネルギーとを同工程または別工程にて付与すればよい。活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、可視光線、γ線等の電離性放射線などが挙げられる。
【0021】
本発明の透光性両面粘着シートの発泡性が屋外光や室内光に曝されても極力損なわれないようにするため、活性エネルギー線は紫外線または電子線が好ましい。
紫外線を用いる場合は、(A)の光発泡性化合物、(B)の光重合性化合物、(C)の発泡性組成物の酸発生剤または塩基発生剤の各感光波長が、屋外光や室内光の発光波長よりも短いことが好ましく(すなわち可視光領域の波長以下が好ましく)、具体的には380nm以下が好ましく、さらには360nm以下がより好ましい。
【0022】
電子線は、前記感光波長領域の最短波長が本発明に使用される透光性シートの吸収波長領域内に重なるときに用いるのが効果的である。すなわち、透光性シートを介して発泡性組成物に電子線を付与すると、電子線エネルギーは透光性シートを透過しながらも、発泡性組成物を活性化させて発泡させることができる。
【0023】
紫外線を照射する場合は、半導体・フォトレジスト分野や紫外線硬化分野などで一般的に使用されている紫外線ランプを用いることができる。一般的な紫外線ランプとしては、例えば、ハロゲンランプ、ハロゲンヒーターランプ、キセノンショートアークランプ、キセノンフラッシュランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、ディープUVランプ、メタルハライドランプ、希ガス蛍光ランプ、クリプトンアークランプ、エキシマランプ、ブラックライト、紫外発光ダイオードなどがあり、極短波長(214nmにピーク)を発光するY線ランプもある。これらのランプには、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもある。これらの紫外線は、散乱光であっても、直進性の高い平行光であってもよい。紫外線ランプの発光波長は、発泡性組成物の発泡性を妨げないものであれば限定はないが、好ましくは、前記感光波長領域と重なる発光波長が好ましい。さらには、前記感光波長領域における極大吸収波長または最大吸収波長と重なる発光波長が、発生効率が高くなるためより好ましい。
【0024】
紫外線のエネルギー照射強度は、発泡性組成物によって適宜決められる。種々の水銀ランプやメタルハライドランプなどに代表される照射強度が高い紫外線ランプを使用する場合は、照射強度が高いため、照射時間を短縮することができ、その照射強度(ランプ出力)は30W/cm以上が好ましい。紫外線の積算照射光量(J/cm2)は、エネルギー照射強度に照射時間を積算したものであり、発泡性組成物及び所望の気泡分布によって適宜決められる。酸発生剤や塩基発生剤の吸光係数に応じて設定することもある。充分に発泡させるためには、1.0mJ/cm2〜20J/cm2の範囲が好ましい。
【0025】
電子線としては、例えば、コックロフトワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線を使用できる。放出させる方式としては、例えば、エレクトロカーテンシステム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニングタイプ等を用いることができる。電子線照射に際しては照射雰囲気の酸素濃度が高いと、酸もしくは塩基の発生、及び/または硬化性分解性化合物の硬化が妨げられることがある。このため照射雰囲気の空気を、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスにより置換することが好ましい。照射雰囲気の酸素濃度は1000ppm以下であることが好ましく、さらに安定的な電子線エネルギーを得るため、500ppm以下に抑制されることがより好ましい。
【0026】
[透光性両面粘着シートの製造方法]
透光性両面粘着シートの製造方法は、透光性シート上に、粘着層、発泡性粘着層及び必要に応じて形成するアンカー層などの層は塗工または印刷など公知の手段により形成する。
塗工の方式としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどが挙げられ、印刷方式としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、インクジェット印刷などが例示できるがこれらに限定するものではない。 比較的塗工量が低めであるアンカー層には、マイクログラビアコーターが好ましく、粘着層の塗設には、リップ、ダイコーターが好適に利用できる。
なお、層形成に最適な塗剤もしくはインキとするため、各層の有効成分を各種溶剤により希釈しても良い。溶剤の一例としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、n−ヘキサン、n−ブチルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンなどが例示できる。これらは1種以上を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。塗工ムラを軽減するためには、蒸発速度の異なる溶剤を使用することが好ましい。例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルを混合して使用することが好ましい。
【0027】
また、乾燥後に得られる塗工層の耐久性を高めるために、各種層形成用塗液もしくはインキには硬化を促進させる成分を添加することが望ましく、イソシアネート化合物やエポキシ化合物等の熱硬化性架橋剤を用いる場合は、加熱炉や赤外線ランプ等を用い、塗膜乾燥時もしくはムロなどにより加熱処理を施すことで、塗膜の架橋を促進し、塗膜強度を向上させる。
一方、公知の光重合開始剤や感光性樹脂などを添加した場合、活性エネルギー線照射により、塗膜の高分子量化もしくは架橋反応を促進し、塗膜強度を向上させる。
活性エネルギー線としては、前記の紫外線、電子線が挙げられ、中でも、汎用性の点から、紫外線が好ましい。
活性エネルギー線の照射による硬化は、大気中の酸素による硬化阻害を回避するため、窒素などの不活性ガス存在下で行うことが好ましく、コストの観点から窒素ガスが好適に利用できる。また、活性エネルギー線照射工程は、予備硬化工程と本硬化工程の2段階に分けて行ってもよい。
【0028】
また、粘着剤により粘着層を形成する代わりに、両面粘着テープを貼合する方法を適宜用いることもできる。例えば、図2の発泡性粘着層(11−b)は、透光性シート10上に塗工方式で発泡性層13を形成した後、別途作製した前記粘着剤からなる両面粘着テープの片面側を発泡性層13に貼り合すことで製造されてもよい。
両面粘着テープは、一対の剥離シートの間に粘着層が設けられたものである。粘着層中には基材を含むものも、粘着剤のみで構成されるものもある。なお、この基材には上記透光性シートに記載するもの、剥離シートとしては特に限定するものではなく、公知のものが採用でき、例えば、紙、フィルムなどが挙げられる。剥離シートは、片面に剥離層を有する片面剥離シートであることが好ましい。また、一方の剥離シートの粘着層に対する剥離力と他方の剥離シートの粘着層に対する剥離力とは、異なることが好ましい。これにより、一方の剥離シートだけを先に剥離することが容易となる。
【0029】
本発明の透光性両面粘着シートは、少なくとも片面に剥離シートが適宜設けられていてもよい。剥離シートとしては公知のものが採用できる。剥離シートの材質としては、紙、フィルムなどが挙げられる。剥離シートは、少なくとも片面に剥離層を有する剥離シートであることが好ましい。
また、一方の剥離シートの粘着層あるいは発泡性粘着層に対する剥離力と他方の剥離シートの粘着層あるいは発泡性粘着層に対する剥離力とは、異なることが好ましい。
これにより、一方の剥離シートだけを先に剥離することが容易となる。
【0030】
[貼合方法]
貼合する方法としては、汎用的な方法から選ぶことができる。貼合方法としては、例えば、加圧ローラーやプレスにて貼り合わせることができる。さらには密着性をあげるために透明性を損なわない程度に加圧及び加熱しながら、あるいはオートクレーブ処理しながら貼り合わせるのが好ましい。
【0031】
[透光性両面粘着シートの発泡方法]
透光性両面粘着シートの発泡方法は、被着体同士を透光性両面粘着シートで貼合した後で行うことができ、特に貼合した被着体同士を剥離及び解体したい場合に行うことが好ましい。発泡は、貼合した被着体上あるいは被着体同士の隙間から活性エネルギー線及び/または熱エネルギーを付与することで、発泡性粘着層が発泡する。発泡は気泡形成に伴う内圧増加や膨張、接着点の極端な減少を引き起こし、透光性シートあるいは被着体同士が解体しやすくなる。
【0032】
例えば、被着体Aに透光性両面粘着シートの発泡性粘着層面を、被着体Bに透光性両面粘着シートの粘着層面となるように積層して貼合した後、発泡処理することで、発泡性粘着層側の被着体Aには発泡した発泡性粘着層がほぼ付着しない状態(接着点が極端になくなる)で、粘着層側の被着体Bには粘着層と透光性シートと発泡した発泡性粘着層とが順次密着積層した状態で、被着体A、Bは解体される。被着体Aに発泡性粘着層の一部が付着している場合にも、付着している発泡性粘着層は微量で薄いので湯浴や溶剤浸漬等により容易に除去できる。被着体Bは、発泡した発泡性粘着層が密着している透光性シートを引き剥がすことによって粘着層も同時に透光性シート側に密着した状態で容易に被着体Bから剥離除去することができる。とくに、粘着層と被着体Bとの粘着力より、粘着層と透光性シートとの粘着力の方がより大きい方がより剥離除去しやすくなる。このようにして、被着体Aと被着体Bを個々に分別解体することができる。
【0033】
また、前記被着体A側の発泡性粘着層における発泡性組成物の濃度が被着体A側よりも透光性シート側で高くなっている場合は、被着体Aとの界面における粘着剤あるいは接着剤の物性は発泡後も変わりにくくなるため、リワーク適性のある粘着剤あるいは接着剤からなる粘着層(発泡組成物を含まない)は、リワーク適性の悪化を防ぎやすくなるので被着体Aから容易に剥離除去しやすくなる。
透光性シートの両面が発泡性粘着層である場合は、発泡した発泡性粘着層は被着体A、Bから界面剥離を起こし、結果的に透光性シートに両側の発泡性粘着層が残りながら剥離除去できる。場合によっては、発泡性粘着層の一部が付着した状態で解体されることがあっても、リワーク性のある粘着剤あるいは接着剤の選択、湯浴や溶剤等への浸漬などにより、容易に剥離除去可能となる。
【0034】
さらには、図2の構成のように発泡性組成物を含まない粘着層と発泡性組成物からなる発泡性層との二層構成になっている場合は、被着体Aとの界面における粘着剤あるいは接着剤の物性は発泡前後で変化しないため、リワーク適性のある粘着剤あるいは接着剤からなる粘着層は、リワーク適性を保持したままになり被着体Aからより容易に剥離除去しやすくなる。
たとえば、前記の二層構成(粘着層は発泡性組成物を含まない)の透光性両面粘着シートを用いてリジッドで割れやすい被着体同士(ガラス製の板状シートなど)を貼り合せた場合、まず発泡性層の発泡によって透光性シートと発泡性層との接着点が極端に減少し、被着体同士を解体するための外的な力を少なくすることができる。ひいては被着体を割ることなく容易に解体できる。仮に発泡させない場合は、たとえ粘着層にリワーク性があっても解体することは困難である。このように、被着体がガラスシートのように割れやすいほど、あるいは、厚い樹脂シートや表示パネルのようにリジッド性が高いほど分別解体が難しいため、本発明の透光性両面粘着シートの有用性は高い。つぎに、被着体Bに付着している粘着層と透光性シートは、透光性シートを引きはがすことで、粘着層は透光性シートとともに容易に剥離除去することができる。このとき、粘着層と被着体Bとの粘着力より、粘着層と透光性シートとの粘着力の方がより大きい方がより剥離除去しやすい。
また、前記の二層構成(粘着層は発泡性組成物を含まない)の粘着層にさらに別の透光性シート、別の粘着層(粘着層は発泡性組成物を含まない)が順次積層されている場合には、付着体Aに被着体に粘着層、透光性シートが順次積層した状態と、被着体Bに粘着層、透光性シート、発泡性層が順次積層した状態とで解体されるので、被着体A、Bとも前述したとおり透光性シートを引き剥がすことで容易に剥離することが可能となる。ここで、発泡した発泡性層は、完全に透光性シートと界面剥離する(透光性シート面に残存付着しない)ことが好ましいが、その一部が残存付着していても被着体Aと被着体Bとの解体性能はほとんど妨げられない。
また、透光性シートの両面が二層構成の発泡性粘着層である場合に、被着体A、B両方に発泡性粘着層の一部が付着した状態で解体されても、リワーク性のある粘着剤あるいは接着剤の選択、紫外線照射、湯浴や溶剤等への浸漬などにより、容易に剥離可能となる。
【0035】
透光性シートの両面が発泡性粘着層である場合は、その発泡性粘着層は前記二層構成の方が好ましい。また、本発明の透光性両面粘着シートをより薄物にしたい場合は、薄物でも局所的な発泡及び界面剥離性が得られる前記二層構成の方が好ましい。
発泡性層の厚さは1μm以上が好ましく、さらには2μm以上がより好ましく、さらには5μm以上がより好ましい。発泡性層が薄いほど発泡性が低くなり、1μmよりも薄い場合は界面剥離性も得られにくくなる。また発泡性層が20μm以上であれば発泡性及び界面剥離性は十分である。
【0036】
[透明導電積層シート]
本発明の透明導電積層シートは、透光性シート、透明導電層、透光性両面粘着シート、透光性シートの順に積層されたシートである。ここで、透光性シートと透明導電層が積層されたシートを透明導電シートという。
【0037】
[透明導電シート]
透明導電シートは、透光性シートに均一な透明導電層あるいはパターニングされた透明導電層が設けられたものである。透光性シートには前記透光性シートと同様のものを用いることができる。
【0038】
本発明の透明導電積層シートの構成としては、図4に示すように、両面に透明導電層15を備えた透明導電シート14の片面の透明導電層面に透光性両面粘着シート(1-a)、透光性シート10を順次積層したもの(2−a)と、図5に示すように、発泡性粘着層が二層(1-b)のもの(2−b)と、図6に示すように、片面に透明導電層15を備えた透明導電シート14の透明導電層面に透光性両面粘着シート(1-a)、透光性シート10を順次積層したもの(2−c)と、図7に示すように、発泡性粘着層が二層(1-b)のもの(2−d)と、
図8に示すように片面に透明導電層15を備えた透明導電シート14の透明導電層面に透光性両面粘着シート(1-a)を順次積層したもの(2−e)と、図9に示すように、発泡性粘着層が二層(1-b)のもの(2−f)が挙げられる。図は省略するが、もう一方の片面に透明導電層を備えた透明導電シートの透明導電層面を透光性両面粘着シート側にして順次積層したものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
透明導電層と透光性両面粘着シート、または透光性両面粘着シートと透光性シートの間に他の層を設けても構わず、例えば、これらの透明導電積層シートの片面あるいは両面に本発明の透光性両面粘着シートあるいは汎用の両面粘着シート等を用いて、さらに透光性シートを一枚あるいは複数積層したものでも構わない。
透明導電層を備えた透光性シートの厚さが薄い場合、透明導電性の安定化や形状の固定化のために、ガラス板などリジッドな透光性シートが積層される場合がある。
その他の例としては、図6及び図7の透明導電層と透光性両面粘着シートの間に、透明導電層側から絶縁層、別の透明導電層の順で設けてもよい。なお、図示の便宜上、厚みや大きさは適宜強調している。
【0039】
[透明導電層]
本発明の透明導電層15は、例えば、透明導電性重合体を透光性シート上に塗布及び熱乾燥することで形成することができる。透明導電性重合体としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフルオレン、ポリビチオフェン、ポリイソチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリイソチアナフテン、ポリイソナフトチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチアジル、ポリエチレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリドデシルチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェニレンスルフィド等やこれらの誘導体が例示できる。これらのうち、ポリチオフェン類、ポリアニリン類が好ましく、ポリチオフェン類がより好ましく、電気伝導度、空気中での安定性及び耐熱性に優れたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が最も好ましい。また、透明導電性重合体を用いる際により高い電気伝導度を発現する目的で、ドーパントと呼ばれるドーピング剤を併用することができる。前記透明導電性重合体に用いることができるドーパントとしては、公知のドーパントを用いることができ、透明導電性重合体の種類に応じ、ハロゲン類(臭素、ヨウ素、塩素等)、ルイス酸(BF3 、PF5等)、プロトン酸(HNO3 、H2SO4等)、遷移金属ハライド(FeCl3 、MoCl5等)、アルカリ金属(Li、Na等)、有機物質(アミノ酸、核酸、界面活性剤、色素、アルキルアンモニウムイオン、クロラニル、テトラシアノエチレン(TCNE)、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)等)等が例示できる。透明導電性重合体自体にドーピング効果を持つ自己ドープ型透明導電性重合体であってもよい。また、ポリチオフェン類を用いる場合、ドーパントとしてはポリスチレンスルホン酸を用いることが好ましい。また、導電層の均一性及び密着性を高めるために、分散物に少量のアルコール又は界面活性剤を加えてもよい。
【0040】
本発明に用いることができる透明導電性重合体の導電率は、導電性を示す値の範囲であれば特に制限はないが、10-6〜104S/cmであることが好ましく、10-5.5〜103S/cmであることがより好ましく、10−5〜5×102S/cmであることがさらに好ましい。また、本発明に用いることができる透明導電性重合体は、その使用時において、可視光域における透過率が高いものが好ましい。なお、透過率は、波長550nmにおいて、70〜95%であることが好ましく、80〜95%であることがより好ましいく、さらには88〜95%であることがより好ましい。透明導電性重合体自体の透過率が上記範囲であると、ディスプレイ等の用途に好適に用いることができる。ここで、本発明において、可視光域とは400〜700nmである。なお、透過率の測定は、分光光度計により測定することができる。
【0041】
また、透明導電層は、ITO、ZnOなどの透明導電膜を、真空蒸着法、スパッタリングなどで形成することもできる。真空蒸着法では、電子ビーム(EB)蒸発源を用いた反応性蒸着を行う方法が一般的である。一方、スパッタリング法では、例えばDCマグネトロンスパッタ法によってIn/Sn合金ターゲットによる反応性スパッタリング法を用いる。
【0042】
透明導電シートは、透明導電層と透光性シート間に、必要に応じてアンカー層やハードコート層、反射防止層などを塗工または印刷など、前記透光性両面粘着シートの作製と同様に公知の手段により形成することができる。また透明導電層は透光性シートの両面でも良く、片面に形成されても良い。片面の場合は、反対面にアンカー層やハードコート層、反射防止層を設けてもよい。
【0043】
[透明導電積層シートの製造方法]
本発明の透光性両面粘着シートを具備した透明導電積層シートは、汎用的な方法から貼合することで得られる。貼合方法としては、例えば、加圧ローラーやプレスにて貼り合わせることができる。さらには密着性をあげるために透明性や導電性を損なわない程度に加圧及び加熱しながら貼り合わせることもできる。
【0044】
上記本発明の透明導電積層シートでは、本発明の透光性両面粘着シートを具備するため、透明導電積層シートから透明導電シートのみを分別解体して再利用したい場合に、活性エネルギー線及び/または熱エネルギーを付与し、発泡性粘着層を発泡させることにより、透明導電シートを損傷することなく容易に分別解体することができる。
【0045】
[ディスプレイ]
本発明のディスプレイの実施形態を図10〜図12に示す。なお、図では、図示の便宜上厚みや大きさを適宜強調している。但し、これらの構成に限定されるものではない。
図10は、表示パネル16に透光性両面粘着シート(1-a)、透光性シート10を順次積層したディスプレイ(3−a)である。また、図11は、発泡粘着層が二層構成になっているディスプレイ(3−b)である。
また、図12は、表示パネル16に透光性両面粘着シート(1-b)、透明導電積層シート(2−f)を順次積層したディスプレイ(3−c)である。
ここで、表示パネルとしては、液晶パネルやプラズマディスプレイパネル、電子ペーパー、有機ELパネル、無機ELパネルといった表示パネルが挙げられる。また、表示パネルと透光性シート間、表示パネルと透明導電積層シート間、透光性シート上、あるいは透明導電積層シート上には、ディスプレイの各種構成部材が適宜設けられていても構わない。その際、ディスプレイの各種構成部材は、前記透光性両面粘着シートや汎用の粘着シートを用いて積層することができる。
【0046】
本発明のディスプレイは、前記透光性両面粘着シートを具備するため、表示パネルのみを分別解体して、あるいは表示パネル内の構成部材を分別解体して再利用したい場合に、適宜活性エネルギー線及び/または熱エネルギーを付与し、発泡性粘着層を発泡させることにより、各部材を損傷することなく容易に剥離することが可能である。
【実施例】
【0047】
以下、本発明を実施例にしたがって説明する。但し、本発明はこれらに限定されない。部及び%は、特に断らない限り、固形分換算で質量部及び質量%を示す。
【0048】
[実施例1]
<透光性両面粘着シート>
透光性シートとして無色透明のポリエチレンテレフタレートシート(商品名コスモシャインA4300、厚さ38μm、東洋紡績社製;以下PETシートと略す)の両面に発泡性粘着塗料Aをアプリケーターバー(ドクターブレード、隙間250μm、ヨシミツ精機株式会社製)を用いて塗工して乾燥(105℃8分間)することで、PETシートの両面に発泡性粘着層(厚さ40μm)を有する透光性両面粘着シート(1)を得た。
発泡性粘着塗料Aは下記(A)〜(B)の混合物を酢酸エチルに溶解し不揮発成分28.0質量%に調製したものである。
(A)tert−ブチルメタクリレート 50部、
(B)オニウム塩系酸発生剤(CGI−1907、BASF社製)3部、
(C)ポリアクリル酸エステルを主成分とするアクリル系粘着剤100部
(D)イソシアネート架橋剤0.1部
【0049】
<透明導電シートへの貼合及び発泡>
ガラスシート上にストライプパターン状のITO層が設けられた透明導電シート2枚どうしを、ITO層どうしが向き合う方向で、前記透光性両面粘着シート(1)にて貼合することで、透光性を失うことなく透明導電積層シート(1)を得た。
この透明導電積層シート(1)は、片面から高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射(250mJ/cm2)した後、150℃2分間加熱することで前記発泡性粘着層(厚さ40μm)が発泡をして、貼合した透明導電シート2枚を、ガラスシート及びITO層が割れることなく容易に剥がすことが可能であった。
【0050】
<表示パネルの貼合及び発泡>
透明導電積層シート(1)から作製されたタッチパネルと、表示パネルとして液晶パネルを前記透光性両面粘着シート(1)にて貼合することで、液晶の視認性を損なうことなく一体化したタッチパネル機能付きディスプレイ(1)を得た。
このディスプレイ(1)は、透明導電積層シート(1)側から高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射(250mJ/cm2)した後、150℃2分間加熱することで前記発泡性粘着層(厚さ40μm)が発泡をして、貼合した透明導電シート2枚だけでなく、液晶パネルも破損することなく容易に剥がすことが可能であった。
【0051】
[実施例2]
<透光性両面粘着シート>
実施例1のPETシートの両面に発泡性粘着塗料Aを塗工する代わりに、PETシートの片面に発泡性粘着塗料Aを、もう片面に粘着塗料Bを塗工(どちらもアプリケーターバーの隙間250μm)することで、PETシートの片面に発泡性粘着層(厚さ40μm)及び反対面に発泡性組成物を含有しない粘着層(厚さ40μm)を有する透光性両面粘着シート(2)を得た。
粘着塗料Bは下記(A)と(B)の混合物を酢酸エチルに溶解し不揮発成分28.0質量%に調製したものである。
(A)ポリアクリル酸エステルを主成分とするアクリル系粘着剤100部、
(B)イソシアネート架橋剤0.1部
【0052】
<透明導電シートへの貼合及び発泡>
実施例1の透光性両面粘着シート(1)の代わりに、透光性両面粘着シート(2)を用いても、透光性を失うことなく透明導電積層シート(2)を得た。
この透明導電積層シート(2)は、片面から高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射(250mJ/cm2)した後に150℃2分間加熱することで、前記発泡性粘着層(厚さ40μm)が発泡をして、貼合していた透明導電シート2枚をガラスシート及びITO層が割れることなく容易に剥がすことが可能であった。
【0053】
<表示パネルの貼合及び発泡>
実施例1の透明導電積層シート(1)の代わりに、透明導電積層シート(2)を用いても、視認性を損なうことなく一体化したタッチパネル機能付きディスプレイ(2)を得た。
このディスプレイ(2)は、透明導電積層シート(2)の表面側から高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射(250mJ/cm2)した後、150℃2分間加熱することで前記発泡性粘着層(厚さ40μm)が発泡をして、貼合した透明導電シート2枚だけでなく、液晶パネルも破損することなく容易に剥がすことが可能であった。
【0054】
[実施例3]
<透光性両面粘着シート>
実施例2のPETシートの片面に発泡性粘着塗料Aを塗工する代わりに、発泡性組成物のみからなる発泡性塗料Cを塗工(アプリケーターバーの隙間40μm)して乾燥しに、さらに粘着塗料Bを塗工(アプリケーターバーの隙間250μm)することで、PETシートの片面に発泡性層(厚さ5μm)及び粘着層(厚さ40μm)が順に積層され、反対面に発泡性組成物を含有しない粘着層(厚さ40μm)を有する透光性両面粘着シート(3)を得た。
発泡性塗料Cは下記(A)と(B)の混合物を酢酸エチルに溶解し不揮発成分25.0質量%に調製したものである。
(A)tert−ブチルメタクリレート(38mol%)とメチルメタクリレート(36mol%)と2−ヒドロキシエチルメタクリレート(20mol%)とn-ブチルメタクリレート(6mol%)の共重合体tert−ブチルメタクリレート 50部
(B)オニウム塩系酸発生剤(CGI−1907、BASF社製)0.5部
【0055】
<透明導電シートへの貼合及び発泡>
実施例1の透光性両面粘着シート(1)の代わりに、透光性両面粘着シート(3)を用いても、透光性を失うことなく透明導電積層シート(3)を得た。
この透明導電積層シート(3)は、片面から高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射(250mJ/cm2)した後150℃2分間加熱することで、前記発泡性層(厚さ5μm)が発泡をして、貼合していた透明導電シート2枚をガラスシート及びITO層が割れることなく容易に剥がすことが可能であった。
【0056】
<表示パネルの貼合及び発泡>
実施例1の透明導電積層シート(1)の代わりに、透明導電積層シート(3)を用いても、視認性を損なうことなく一体化したタッチパネル機能付きディスプレイ(3)を得た。
このディスプレイ(3)は、透明導電積層シート(3)の表面側から高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射(250mJ/cm2)した後、150℃2分間加熱することで前記発泡性粘着層(厚さ40μm)が発泡をして、貼合した透明導電シート2枚だけでなく、液晶パネルも破損することなく容易に剥がすことが可能であった。
【0057】
[比較例]
実施例1のPETシートの両面に発泡性粘着塗料Aを塗工する代わりに、PETシートの両面に粘着塗料Bを塗工(どちらもアプリケーターバーの隙間250μm)することで、PETシートの両面に発泡性組成物を含有しない粘着層(厚さ40μm)を有する透光性両面粘着シート(4)を得た。
【0058】
<透明導電シートへの貼合及び発泡>
実施例1の透光性両面粘着シート(1)の代わりに、透光性両面粘着シート(4)を用いても、透光性を失うことなく透明導電積層シート(4)を得た。
この透明導電積層シート(4)は、紫外線照射及び加熱をしても粘着層の発泡性はみられず、貼合していた透明導電シート2枚を容易に剥がすことが困難で、無理に剥がそうとするとガラスシート及びITO層が割れてしまった。
【0059】
<表示パネルの貼合及び発泡>
実施例1の透明導電積層シート(1)の代わりに、透明導電積層シート(4)を用いても、視認性を損なうことなく一体化したタッチパネル機能付きディスプレイ(4)を得た。
このディスプレイ(4)は、紫外線照射及び加熱をしても粘着層の発泡性はみられず、貼合した透明導電シート2枚や液晶パネルを容易に剥がすことが困難で、無理に剥がそうとすると透明導電シートのガラスシート自身やITO層、液晶パネルが割れたり壊れたりした。
【符号の説明】
【0060】
1-a、1-b、1-c 透光性両面粘着シート
2-a、2-b、2-c、2-d、2-e、2-f 透明導電積層シート
3-a、3-b、3-c ディスプレイ
10 透光性シート
11-a、11-b 発泡性粘着層
12 発泡組成物を含有しない粘着層
13 発泡性層
14 透明導電シート
15 透明導電層
16 表示パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の被着体同士を、透光性を損なうことなく貼合できる透光性両面粘着シートであり、さらに、外部刺激によって発泡することができ、かつ、前記の貼合した被着体同士を容易に剥離することができる透光性両面粘着シートに関する。また、前記透光性両面粘着シートを貼合した透明導電積層シート、及びディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
透光性両面粘着シートは、ディスプレイやタッチパネルにおいて、その構成部材同士を貼合するために多く使用されている。貼合した構成部材同士は、固定化または一体化されて使用されるが、ディスプレイやタッチパネルは、硬直な部材で構成されることが多く、部材を損傷することなく、部材を剥離することは難しい。そのため、用途目的を全うした後や貼合不良により不要になったディスプレイの構成部材も再利用されることなく、廃棄されることが多い。しかし、再利用可能な構成部材は剥離などで分別解体して再利用されれば、コスト削減、資源の有効活用ができる。
一方で、剥離して再貼合できるリワーク機能を有する透光性両面粘着シートや、外部刺激に伴う発泡性を有する透光性両面粘着シートも使用されつつある。後者としては、例えば、特許文献1には発泡処理前には耐熱性に優れ、また発泡処理後には被着体同士を容易に剥離することができる発泡性接着剤組成物が開示されている。
しかし、発泡処理後、被着体同士を剥離できても、発泡性接着層の凝集破壊や粘着剤の物性変化が生じ、従来リワーク適性を有した粘着剤はリワーク適性が不十分であり、部材に残った粘着剤の剥離が難しいという問題がある。このような残った粘着剤を剥離するために、溶剤等を用いて部材から粘着剤を除去する方法もあるが、浸透に時間を要すなど、効率良く除去することが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−043732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、被着体と積層した際に、被着体と密着し、かつ積層体として透光性を保持しつつ、外部からの熱エネルギーや活性エネルギー線等の付与により発泡して容易に剥離可能となり、発泡後に被着体に残った粘着剤も容易に剥離可能な透光性両面粘着シートを提供する。また、これを具備した透明導電積層シート、及びディスプレイを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
【0006】
[1]
透光性シートの両面に粘着層を有する透光性両面粘着シートであって、該粘着層の少なくとも一方が発泡性組成物を含有する発泡性粘着層であることを特徴とする透光性両面粘着シートである。
[2]
前記発泡性粘着層が、前記透光性シートの面上に発泡性組成物を含有する発泡性層、次いで発泡性組成物を含有しない粘着層を順次積層した複数層である[1]に記載の透光性両面粘着シートである。
[3]
前記発泡性組成物が、
(1) 光酸発生剤と、酸と反応して1種以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する官能基を有する分解性化合物とを含有する、
または、
(2) 光塩基発生剤と、塩基と反応して1種以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する官能基を有する分解性化合物とを含有する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の透光性両面粘着シートである。
[4]
[1]〜[3]のいずれかに記載の透光性両面粘着シートを介して、透光性シートを貼着し、少なくとも一方の透光性シートの片面または両面に透明導電層を配置したことを特徴とする透明導電積層シートである。
[5]
[1]〜[3]のいずれかに記載の透光性両面粘着シートを介して、透光性シート及び表示パネルに貼着されていることを特徴とするディスプレイである。
[6]
[4]に記載の透光導電積層シートが、透光性両面粘着シートを介して表示パネルに貼着されていることを特徴とするディスプレイである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の透光性両面粘着シートによれば、透光性を損なうことなく、十分な密着性を持って被着体を貼り合わせられるとともに、被着体との接合部を解体したい場合に容易に被着体を剥離することができ、被着体に残った粘着剤も容易に剥離できる。また、この透光性両面粘着シートを具備した透明導電積層シート、またこれらを用いたディスプレイは、解体時に被着体を損傷することなく容易に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る透光性両面粘着シートの断面模式図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る透光性両面粘着シートの断面模式図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る透光性両面粘着シートの断面模式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る透明導電積層シートの断面模式図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る透明導電積層シートの断面模式図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る透明導電積層シートの断面模式図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る透明導電積層シートの断面模式図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る透明導電積層シートの断面模式図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る透明導電積層シートの断面模式図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るディスプレイの断面模式図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るディスプレイの断面模式図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係るディスプレイの断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の透光性両面粘着シート、及びそれを具備する透明導電積層シート、さらに透光性両面粘着シートまたは透明導電積層シートを具備するディスプレイの実施形態について説明する。
【0010】
[透光性両面粘着シート]
図1〜図3は、本発明の透光性両面粘着シートの一実施形態における断面図である。なお、図示の便宜上、厚みや大きさは適宜強調している。
本実施形態の図1に示す透光性両面粘着シート(1-a)は、透光性シート10の両面に粘着層11-a,12を備え、その少なくとも片面の粘着層が発泡性組成物を含有する発泡性粘着層(11-a)である。
また、図2に示す透光性両面粘着シート(1-b)は、透光性シート10の両面に粘着層11-b,12を備え、片面の発泡性粘着層(11-b)が発泡性組成物を含まない粘着層12、発泡性組成物を含有する発泡性層13の2層からなる構成である。
また、図3に示す透光性両面粘着シートは、透光性シート10の片面に発泡性組成物を含有しない粘着層12、他方の面に発泡性層13、発泡性組成物を含有しない粘着層12、透光性シート10及び発泡性組成物を含有しない粘着層12が順次積層された構成である。
【0011】
[透光性シート]
本発明の透光性シート10としては、光透過特性を有し、発泡性粘着層、及び/または粘着層を積層できるものであれば特に限定はなく、用途に応じて選択すればよい。光透過特性は、使用により適切に調整されたものであれば限定はされないが、可視光領域での光透過率で80%以上が好ましく、さらには88%以上がより好ましく、さらには90%以上であることが好ましい。透光性シートの例としては、透光性ガラス基板や透光性樹脂シートが挙げられ、フレキシブル性や取り扱いの容易性が求められるニーズでは、透光性樹脂シートを選ぶことが好ましい。透光性樹脂シートとしては、例えば、ポリスチレン(PS)樹脂シート、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂シート、並びにポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂シート、アクリル系やメタクリル系樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂シート等の汎用プラスチックシートやポリイミド樹脂シート、ABS樹脂シート等のエンジニアリングプラスチックシートなどが挙げられる。
透明導電層シートに用いられる透光性シートとしては、ガラス基板やポリエステル系樹脂シートが好ましく使用される。
【0012】
透光性シートの表面には、透光性を損なわない範囲で各種の機能性層を適宜設けてもよい。例えば、機能性層として、透光性シート表面の接着性及び活性を向上させるために、イソシアネートなどの反応性物質を添加したアンカー層や、サンドブラスト処理や溶剤処理等の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等の表面処理が施されていても良い。その他、用途に応じては、機能性層として干渉縞対策層やハードコート層、各種拡散剤を添加した拡散調製層などの光学調整層などが挙げられる。
【0013】
[発泡性組成物を含有しない粘着層]
本発明の粘着層12としては、透光性かつ粘着性を有する層であり、各種接着剤または粘着剤の塗膜からなる。また、被着体との粘着力は、各被着体の表面によって適宜調整する必要があるが、剥離可能な粘着力、すなわちリワーク性をもたせた粘着力に調整されることが好ましい。
接着剤としては、例えば、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白、澱粉や酸化澱粉等の澱粉類、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレンーブタジエン共重合体、メチルメタクリレートーブタジエン共重合体、アクリル系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体のラテックスまたは溶液、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0014】
粘着剤としては、例えば、各種公知のゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤などから適宜選択されるが、粘着性能の観点から、ポリアクリル酸エステルを主成分とするアクリル系粘着剤が好ましい。また、粘着剤は、水系、エマルジョン系、溶剤系、無溶剤系、ホットメルト系のいずれであってもよいが、粘着性能の点から、エマルジョン系、溶剤系が好ましい。
粘着剤は、接着強度に応じて強粘着タイプ、汎用タイプ、弱粘着タイプに分類され、用途に応じた接着レベルのものを適宜選択できる。
また、被着体となる透光性シートや透明導電積層シート、透明導電層、表示パネルが経時で劣化しない(例えば、60℃90%や85℃80%などの高温高湿環境下に放置したときでも)粘着剤を選ぶことが望ましい。例えば、透明導電層がITOの場合は、成分にカルボン酸基を含まない粘着剤または接着剤を選ぶことが好ましい。
【0015】
接着剤または粘着剤には、必要に応じて、架橋剤が含まれてもよい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、ブチル化メラミン化合物などが挙げられる。これらの架橋剤の中でも、アクリル重合体を容易に架橋できることから、イソシアネート化合物、エポキシ化合物が好ましい。
イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6ーヘキサンジオールジグリシジルエーテル、テトラグリシジルキシレンジアミン、1,3ービス(N,Nージグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリジグリシジルエーテルなどが挙げられる。架橋剤の含有量は、所望する粘着物性に応じて適宜選択することが好ましい。
【0016】
また、接着剤または粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、充填剤などの他の添加剤が含まれてもよい。粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
【0017】
[発泡性粘着層]
本発明の発泡性粘着層(11-aや11-b)は、発泡性組成物を含有する粘着層であり、透光性シート10の少なくとも片面に設けられる。発泡性粘着層は、図1に示すように、上記接着剤あるいは粘着剤に発泡性組成物を混合したもの、ガラス転移温度を低下させて粘着性を持たせた一般の樹脂に発泡性組成物に混合したものが挙げられる。さらには、上記混合したもののうち、粘着剤あるいは接着剤に対する発泡性組成物の濃度が透光性シート近傍で高くなるような濃度分布を有する(言い換えれば、粘着剤あるいは接着剤に対する発泡性組成物の濃度が透光性両面粘着シート表面近傍で低くなるような濃度分布を有する)ものも挙げられる。
【0018】
さらには図2に示すように、透光性両面粘着シート(1−b)の表面側に粘着層12があり透光性シート側に発泡性組成物を含有する発泡性層13が積層された二層構造になったものが挙げられる。発泡性層には接着剤あるいは粘着剤、粘着性のある樹脂が含まれていても含まれていなくても構わない。例えば図2に示すように二層構成になっている方が、透光性シート近傍で局所的に高発泡することができるため、透光性シートと発泡性層とで界面剥離が起こりやすく、かつ被着体をより容易に解体することができるので好ましい。
また、前記の発泡性粘着層上に透光性シート、粘着層をさらに積層されても構わない。例えば、図3に示すように、粘着層(あるいは発泡性粘着層)、透光性シート、発泡性粘着層、透光性シート、粘着層の順に積層されたものでも構わない。透光性シートが2枚以上あることで、解体した被着体に付着する粘着層を、透光性シートを介して、より容易に剥離除去することができるので好ましい。
【0019】
[発泡性組成物]
本発明の発泡性組成物としては、少なくとも活性エネルギー線を付与し、必要に応じて活性エネルギー線を付与する工程とは別に、熱エネルギーを付与することによって発泡するもの、例えば、(A)光照射によってガスを発生させる光発泡性化合物(特開平5−72727号公報参照)、(B)光重合性化合物と熱発泡性化合物を組み合わせたもの(特許第3422384号公報参照)、(C)活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤と、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する分解発泡性化合物とを含有する発泡性組成物(特開2004−2812号公報、特開2006−155937号公報参照)などが好ましい
とりわけ、(C)の発泡性組成物は、発泡性化合物をより高濃度にすることが可能で、それに伴いより高発泡化が可能であることから、発泡時に透光性シートあるいは被着体との接合点が少なくなり剥離しやすく(界面剥離しやすい)、すなわち被着体同士を解体しやすくなる。また、気泡の直径を容易に10μm以下にすることができるため、発泡時に透光性シートあるいは被着体との各接着点の面積も小さくなる(界面剥離しやすい)ことから、より容易に剥離しやすく、すなわち被着体同士を解体しやすくなる。ただし、高発泡化させるには気泡の成長を促進する必要があるため、気泡の直径は0.1μm以上であることが好ましい。気泡直径や高発泡化は、活性エネルギー量や熱エネルギー量によって制御されることが好ましい。
【0020】
(A)の発泡性組成物を発泡させるためには、活性エネルギー線を付与すればよい。 (B)の発泡性組成物を発泡させるためには、活性エネルギー線と熱エネルギーとを別工程にて付与すればよい。(C)の発泡性組成物を発泡させるためには、活性エネルギー線と熱エネルギーとを同工程または別工程にて付与すればよい。活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、可視光線、γ線等の電離性放射線などが挙げられる。
【0021】
本発明の透光性両面粘着シートの発泡性が屋外光や室内光に曝されても極力損なわれないようにするため、活性エネルギー線は紫外線または電子線が好ましい。
紫外線を用いる場合は、(A)の光発泡性化合物、(B)の光重合性化合物、(C)の発泡性組成物の酸発生剤または塩基発生剤の各感光波長が、屋外光や室内光の発光波長よりも短いことが好ましく(すなわち可視光領域の波長以下が好ましく)、具体的には380nm以下が好ましく、さらには360nm以下がより好ましい。
【0022】
電子線は、前記感光波長領域の最短波長が本発明に使用される透光性シートの吸収波長領域内に重なるときに用いるのが効果的である。すなわち、透光性シートを介して発泡性組成物に電子線を付与すると、電子線エネルギーは透光性シートを透過しながらも、発泡性組成物を活性化させて発泡させることができる。
【0023】
紫外線を照射する場合は、半導体・フォトレジスト分野や紫外線硬化分野などで一般的に使用されている紫外線ランプを用いることができる。一般的な紫外線ランプとしては、例えば、ハロゲンランプ、ハロゲンヒーターランプ、キセノンショートアークランプ、キセノンフラッシュランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、ディープUVランプ、メタルハライドランプ、希ガス蛍光ランプ、クリプトンアークランプ、エキシマランプ、ブラックライト、紫外発光ダイオードなどがあり、極短波長(214nmにピーク)を発光するY線ランプもある。これらのランプには、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもある。これらの紫外線は、散乱光であっても、直進性の高い平行光であってもよい。紫外線ランプの発光波長は、発泡性組成物の発泡性を妨げないものであれば限定はないが、好ましくは、前記感光波長領域と重なる発光波長が好ましい。さらには、前記感光波長領域における極大吸収波長または最大吸収波長と重なる発光波長が、発生効率が高くなるためより好ましい。
【0024】
紫外線のエネルギー照射強度は、発泡性組成物によって適宜決められる。種々の水銀ランプやメタルハライドランプなどに代表される照射強度が高い紫外線ランプを使用する場合は、照射強度が高いため、照射時間を短縮することができ、その照射強度(ランプ出力)は30W/cm以上が好ましい。紫外線の積算照射光量(J/cm2)は、エネルギー照射強度に照射時間を積算したものであり、発泡性組成物及び所望の気泡分布によって適宜決められる。酸発生剤や塩基発生剤の吸光係数に応じて設定することもある。充分に発泡させるためには、1.0mJ/cm2〜20J/cm2の範囲が好ましい。
【0025】
電子線としては、例えば、コックロフトワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線を使用できる。放出させる方式としては、例えば、エレクトロカーテンシステム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニングタイプ等を用いることができる。電子線照射に際しては照射雰囲気の酸素濃度が高いと、酸もしくは塩基の発生、及び/または硬化性分解性化合物の硬化が妨げられることがある。このため照射雰囲気の空気を、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスにより置換することが好ましい。照射雰囲気の酸素濃度は1000ppm以下であることが好ましく、さらに安定的な電子線エネルギーを得るため、500ppm以下に抑制されることがより好ましい。
【0026】
[透光性両面粘着シートの製造方法]
透光性両面粘着シートの製造方法は、透光性シート上に、粘着層、発泡性粘着層及び必要に応じて形成するアンカー層などの層は塗工または印刷など公知の手段により形成する。
塗工の方式としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどが挙げられ、印刷方式としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、インクジェット印刷などが例示できるがこれらに限定するものではない。 比較的塗工量が低めであるアンカー層には、マイクログラビアコーターが好ましく、粘着層の塗設には、リップ、ダイコーターが好適に利用できる。
なお、層形成に最適な塗剤もしくはインキとするため、各層の有効成分を各種溶剤により希釈しても良い。溶剤の一例としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、n−ヘキサン、n−ブチルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンなどが例示できる。これらは1種以上を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。塗工ムラを軽減するためには、蒸発速度の異なる溶剤を使用することが好ましい。例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルを混合して使用することが好ましい。
【0027】
また、乾燥後に得られる塗工層の耐久性を高めるために、各種層形成用塗液もしくはインキには硬化を促進させる成分を添加することが望ましく、イソシアネート化合物やエポキシ化合物等の熱硬化性架橋剤を用いる場合は、加熱炉や赤外線ランプ等を用い、塗膜乾燥時もしくはムロなどにより加熱処理を施すことで、塗膜の架橋を促進し、塗膜強度を向上させる。
一方、公知の光重合開始剤や感光性樹脂などを添加した場合、活性エネルギー線照射により、塗膜の高分子量化もしくは架橋反応を促進し、塗膜強度を向上させる。
活性エネルギー線としては、前記の紫外線、電子線が挙げられ、中でも、汎用性の点から、紫外線が好ましい。
活性エネルギー線の照射による硬化は、大気中の酸素による硬化阻害を回避するため、窒素などの不活性ガス存在下で行うことが好ましく、コストの観点から窒素ガスが好適に利用できる。また、活性エネルギー線照射工程は、予備硬化工程と本硬化工程の2段階に分けて行ってもよい。
【0028】
また、粘着剤により粘着層を形成する代わりに、両面粘着テープを貼合する方法を適宜用いることもできる。例えば、図2の発泡性粘着層(11−b)は、透光性シート10上に塗工方式で発泡性層13を形成した後、別途作製した前記粘着剤からなる両面粘着テープの片面側を発泡性層13に貼り合すことで製造されてもよい。
両面粘着テープは、一対の剥離シートの間に粘着層が設けられたものである。粘着層中には基材を含むものも、粘着剤のみで構成されるものもある。なお、この基材には上記透光性シートに記載するもの、剥離シートとしては特に限定するものではなく、公知のものが採用でき、例えば、紙、フィルムなどが挙げられる。剥離シートは、片面に剥離層を有する片面剥離シートであることが好ましい。また、一方の剥離シートの粘着層に対する剥離力と他方の剥離シートの粘着層に対する剥離力とは、異なることが好ましい。これにより、一方の剥離シートだけを先に剥離することが容易となる。
【0029】
本発明の透光性両面粘着シートは、少なくとも片面に剥離シートが適宜設けられていてもよい。剥離シートとしては公知のものが採用できる。剥離シートの材質としては、紙、フィルムなどが挙げられる。剥離シートは、少なくとも片面に剥離層を有する剥離シートであることが好ましい。
また、一方の剥離シートの粘着層あるいは発泡性粘着層に対する剥離力と他方の剥離シートの粘着層あるいは発泡性粘着層に対する剥離力とは、異なることが好ましい。
これにより、一方の剥離シートだけを先に剥離することが容易となる。
【0030】
[貼合方法]
貼合する方法としては、汎用的な方法から選ぶことができる。貼合方法としては、例えば、加圧ローラーやプレスにて貼り合わせることができる。さらには密着性をあげるために透明性を損なわない程度に加圧及び加熱しながら、あるいはオートクレーブ処理しながら貼り合わせるのが好ましい。
【0031】
[透光性両面粘着シートの発泡方法]
透光性両面粘着シートの発泡方法は、被着体同士を透光性両面粘着シートで貼合した後で行うことができ、特に貼合した被着体同士を剥離及び解体したい場合に行うことが好ましい。発泡は、貼合した被着体上あるいは被着体同士の隙間から活性エネルギー線及び/または熱エネルギーを付与することで、発泡性粘着層が発泡する。発泡は気泡形成に伴う内圧増加や膨張、接着点の極端な減少を引き起こし、透光性シートあるいは被着体同士が解体しやすくなる。
【0032】
例えば、被着体Aに透光性両面粘着シートの発泡性粘着層面を、被着体Bに透光性両面粘着シートの粘着層面となるように積層して貼合した後、発泡処理することで、発泡性粘着層側の被着体Aには発泡した発泡性粘着層がほぼ付着しない状態(接着点が極端になくなる)で、粘着層側の被着体Bには粘着層と透光性シートと発泡した発泡性粘着層とが順次密着積層した状態で、被着体A、Bは解体される。被着体Aに発泡性粘着層の一部が付着している場合にも、付着している発泡性粘着層は微量で薄いので湯浴や溶剤浸漬等により容易に除去できる。被着体Bは、発泡した発泡性粘着層が密着している透光性シートを引き剥がすことによって粘着層も同時に透光性シート側に密着した状態で容易に被着体Bから剥離除去することができる。とくに、粘着層と被着体Bとの粘着力より、粘着層と透光性シートとの粘着力の方がより大きい方がより剥離除去しやすくなる。このようにして、被着体Aと被着体Bを個々に分別解体することができる。
【0033】
また、前記被着体A側の発泡性粘着層における発泡性組成物の濃度が被着体A側よりも透光性シート側で高くなっている場合は、被着体Aとの界面における粘着剤あるいは接着剤の物性は発泡後も変わりにくくなるため、リワーク適性のある粘着剤あるいは接着剤からなる粘着層(発泡組成物を含まない)は、リワーク適性の悪化を防ぎやすくなるので被着体Aから容易に剥離除去しやすくなる。
透光性シートの両面が発泡性粘着層である場合は、発泡した発泡性粘着層は被着体A、Bから界面剥離を起こし、結果的に透光性シートに両側の発泡性粘着層が残りながら剥離除去できる。場合によっては、発泡性粘着層の一部が付着した状態で解体されることがあっても、リワーク性のある粘着剤あるいは接着剤の選択、湯浴や溶剤等への浸漬などにより、容易に剥離除去可能となる。
【0034】
さらには、図2の構成のように発泡性組成物を含まない粘着層と発泡性組成物からなる発泡性層との二層構成になっている場合は、被着体Aとの界面における粘着剤あるいは接着剤の物性は発泡前後で変化しないため、リワーク適性のある粘着剤あるいは接着剤からなる粘着層は、リワーク適性を保持したままになり被着体Aからより容易に剥離除去しやすくなる。
たとえば、前記の二層構成(粘着層は発泡性組成物を含まない)の透光性両面粘着シートを用いてリジッドで割れやすい被着体同士(ガラス製の板状シートなど)を貼り合せた場合、まず発泡性層の発泡によって透光性シートと発泡性層との接着点が極端に減少し、被着体同士を解体するための外的な力を少なくすることができる。ひいては被着体を割ることなく容易に解体できる。仮に発泡させない場合は、たとえ粘着層にリワーク性があっても解体することは困難である。このように、被着体がガラスシートのように割れやすいほど、あるいは、厚い樹脂シートや表示パネルのようにリジッド性が高いほど分別解体が難しいため、本発明の透光性両面粘着シートの有用性は高い。つぎに、被着体Bに付着している粘着層と透光性シートは、透光性シートを引きはがすことで、粘着層は透光性シートとともに容易に剥離除去することができる。このとき、粘着層と被着体Bとの粘着力より、粘着層と透光性シートとの粘着力の方がより大きい方がより剥離除去しやすい。
また、前記の二層構成(粘着層は発泡性組成物を含まない)の粘着層にさらに別の透光性シート、別の粘着層(粘着層は発泡性組成物を含まない)が順次積層されている場合には、付着体Aに被着体に粘着層、透光性シートが順次積層した状態と、被着体Bに粘着層、透光性シート、発泡性層が順次積層した状態とで解体されるので、被着体A、Bとも前述したとおり透光性シートを引き剥がすことで容易に剥離することが可能となる。ここで、発泡した発泡性層は、完全に透光性シートと界面剥離する(透光性シート面に残存付着しない)ことが好ましいが、その一部が残存付着していても被着体Aと被着体Bとの解体性能はほとんど妨げられない。
また、透光性シートの両面が二層構成の発泡性粘着層である場合に、被着体A、B両方に発泡性粘着層の一部が付着した状態で解体されても、リワーク性のある粘着剤あるいは接着剤の選択、紫外線照射、湯浴や溶剤等への浸漬などにより、容易に剥離可能となる。
【0035】
透光性シートの両面が発泡性粘着層である場合は、その発泡性粘着層は前記二層構成の方が好ましい。また、本発明の透光性両面粘着シートをより薄物にしたい場合は、薄物でも局所的な発泡及び界面剥離性が得られる前記二層構成の方が好ましい。
発泡性層の厚さは1μm以上が好ましく、さらには2μm以上がより好ましく、さらには5μm以上がより好ましい。発泡性層が薄いほど発泡性が低くなり、1μmよりも薄い場合は界面剥離性も得られにくくなる。また発泡性層が20μm以上であれば発泡性及び界面剥離性は十分である。
【0036】
[透明導電積層シート]
本発明の透明導電積層シートは、透光性シート、透明導電層、透光性両面粘着シート、透光性シートの順に積層されたシートである。ここで、透光性シートと透明導電層が積層されたシートを透明導電シートという。
【0037】
[透明導電シート]
透明導電シートは、透光性シートに均一な透明導電層あるいはパターニングされた透明導電層が設けられたものである。透光性シートには前記透光性シートと同様のものを用いることができる。
【0038】
本発明の透明導電積層シートの構成としては、図4に示すように、両面に透明導電層15を備えた透明導電シート14の片面の透明導電層面に透光性両面粘着シート(1-a)、透光性シート10を順次積層したもの(2−a)と、図5に示すように、発泡性粘着層が二層(1-b)のもの(2−b)と、図6に示すように、片面に透明導電層15を備えた透明導電シート14の透明導電層面に透光性両面粘着シート(1-a)、透光性シート10を順次積層したもの(2−c)と、図7に示すように、発泡性粘着層が二層(1-b)のもの(2−d)と、
図8に示すように片面に透明導電層15を備えた透明導電シート14の透明導電層面に透光性両面粘着シート(1-a)を順次積層したもの(2−e)と、図9に示すように、発泡性粘着層が二層(1-b)のもの(2−f)が挙げられる。図は省略するが、もう一方の片面に透明導電層を備えた透明導電シートの透明導電層面を透光性両面粘着シート側にして順次積層したものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
透明導電層と透光性両面粘着シート、または透光性両面粘着シートと透光性シートの間に他の層を設けても構わず、例えば、これらの透明導電積層シートの片面あるいは両面に本発明の透光性両面粘着シートあるいは汎用の両面粘着シート等を用いて、さらに透光性シートを一枚あるいは複数積層したものでも構わない。
透明導電層を備えた透光性シートの厚さが薄い場合、透明導電性の安定化や形状の固定化のために、ガラス板などリジッドな透光性シートが積層される場合がある。
その他の例としては、図6及び図7の透明導電層と透光性両面粘着シートの間に、透明導電層側から絶縁層、別の透明導電層の順で設けてもよい。なお、図示の便宜上、厚みや大きさは適宜強調している。
【0039】
[透明導電層]
本発明の透明導電層15は、例えば、透明導電性重合体を透光性シート上に塗布及び熱乾燥することで形成することができる。透明導電性重合体としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフルオレン、ポリビチオフェン、ポリイソチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリイソチアナフテン、ポリイソナフトチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチアジル、ポリエチレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリドデシルチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェニレンスルフィド等やこれらの誘導体が例示できる。これらのうち、ポリチオフェン類、ポリアニリン類が好ましく、ポリチオフェン類がより好ましく、電気伝導度、空気中での安定性及び耐熱性に優れたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が最も好ましい。また、透明導電性重合体を用いる際により高い電気伝導度を発現する目的で、ドーパントと呼ばれるドーピング剤を併用することができる。前記透明導電性重合体に用いることができるドーパントとしては、公知のドーパントを用いることができ、透明導電性重合体の種類に応じ、ハロゲン類(臭素、ヨウ素、塩素等)、ルイス酸(BF3 、PF5等)、プロトン酸(HNO3 、H2SO4等)、遷移金属ハライド(FeCl3 、MoCl5等)、アルカリ金属(Li、Na等)、有機物質(アミノ酸、核酸、界面活性剤、色素、アルキルアンモニウムイオン、クロラニル、テトラシアノエチレン(TCNE)、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)等)等が例示できる。透明導電性重合体自体にドーピング効果を持つ自己ドープ型透明導電性重合体であってもよい。また、ポリチオフェン類を用いる場合、ドーパントとしてはポリスチレンスルホン酸を用いることが好ましい。また、導電層の均一性及び密着性を高めるために、分散物に少量のアルコール又は界面活性剤を加えてもよい。
【0040】
本発明に用いることができる透明導電性重合体の導電率は、導電性を示す値の範囲であれば特に制限はないが、10-6〜104S/cmであることが好ましく、10-5.5〜103S/cmであることがより好ましく、10−5〜5×102S/cmであることがさらに好ましい。また、本発明に用いることができる透明導電性重合体は、その使用時において、可視光域における透過率が高いものが好ましい。なお、透過率は、波長550nmにおいて、70〜95%であることが好ましく、80〜95%であることがより好ましいく、さらには88〜95%であることがより好ましい。透明導電性重合体自体の透過率が上記範囲であると、ディスプレイ等の用途に好適に用いることができる。ここで、本発明において、可視光域とは400〜700nmである。なお、透過率の測定は、分光光度計により測定することができる。
【0041】
また、透明導電層は、ITO、ZnOなどの透明導電膜を、真空蒸着法、スパッタリングなどで形成することもできる。真空蒸着法では、電子ビーム(EB)蒸発源を用いた反応性蒸着を行う方法が一般的である。一方、スパッタリング法では、例えばDCマグネトロンスパッタ法によってIn/Sn合金ターゲットによる反応性スパッタリング法を用いる。
【0042】
透明導電シートは、透明導電層と透光性シート間に、必要に応じてアンカー層やハードコート層、反射防止層などを塗工または印刷など、前記透光性両面粘着シートの作製と同様に公知の手段により形成することができる。また透明導電層は透光性シートの両面でも良く、片面に形成されても良い。片面の場合は、反対面にアンカー層やハードコート層、反射防止層を設けてもよい。
【0043】
[透明導電積層シートの製造方法]
本発明の透光性両面粘着シートを具備した透明導電積層シートは、汎用的な方法から貼合することで得られる。貼合方法としては、例えば、加圧ローラーやプレスにて貼り合わせることができる。さらには密着性をあげるために透明性や導電性を損なわない程度に加圧及び加熱しながら貼り合わせることもできる。
【0044】
上記本発明の透明導電積層シートでは、本発明の透光性両面粘着シートを具備するため、透明導電積層シートから透明導電シートのみを分別解体して再利用したい場合に、活性エネルギー線及び/または熱エネルギーを付与し、発泡性粘着層を発泡させることにより、透明導電シートを損傷することなく容易に分別解体することができる。
【0045】
[ディスプレイ]
本発明のディスプレイの実施形態を図10〜図12に示す。なお、図では、図示の便宜上厚みや大きさを適宜強調している。但し、これらの構成に限定されるものではない。
図10は、表示パネル16に透光性両面粘着シート(1-a)、透光性シート10を順次積層したディスプレイ(3−a)である。また、図11は、発泡粘着層が二層構成になっているディスプレイ(3−b)である。
また、図12は、表示パネル16に透光性両面粘着シート(1-b)、透明導電積層シート(2−f)を順次積層したディスプレイ(3−c)である。
ここで、表示パネルとしては、液晶パネルやプラズマディスプレイパネル、電子ペーパー、有機ELパネル、無機ELパネルといった表示パネルが挙げられる。また、表示パネルと透光性シート間、表示パネルと透明導電積層シート間、透光性シート上、あるいは透明導電積層シート上には、ディスプレイの各種構成部材が適宜設けられていても構わない。その際、ディスプレイの各種構成部材は、前記透光性両面粘着シートや汎用の粘着シートを用いて積層することができる。
【0046】
本発明のディスプレイは、前記透光性両面粘着シートを具備するため、表示パネルのみを分別解体して、あるいは表示パネル内の構成部材を分別解体して再利用したい場合に、適宜活性エネルギー線及び/または熱エネルギーを付与し、発泡性粘着層を発泡させることにより、各部材を損傷することなく容易に剥離することが可能である。
【実施例】
【0047】
以下、本発明を実施例にしたがって説明する。但し、本発明はこれらに限定されない。部及び%は、特に断らない限り、固形分換算で質量部及び質量%を示す。
【0048】
[実施例1]
<透光性両面粘着シート>
透光性シートとして無色透明のポリエチレンテレフタレートシート(商品名コスモシャインA4300、厚さ38μm、東洋紡績社製;以下PETシートと略す)の両面に発泡性粘着塗料Aをアプリケーターバー(ドクターブレード、隙間250μm、ヨシミツ精機株式会社製)を用いて塗工して乾燥(105℃8分間)することで、PETシートの両面に発泡性粘着層(厚さ40μm)を有する透光性両面粘着シート(1)を得た。
発泡性粘着塗料Aは下記(A)〜(B)の混合物を酢酸エチルに溶解し不揮発成分28.0質量%に調製したものである。
(A)tert−ブチルメタクリレート 50部、
(B)オニウム塩系酸発生剤(CGI−1907、BASF社製)3部、
(C)ポリアクリル酸エステルを主成分とするアクリル系粘着剤100部
(D)イソシアネート架橋剤0.1部
【0049】
<透明導電シートへの貼合及び発泡>
ガラスシート上にストライプパターン状のITO層が設けられた透明導電シート2枚どうしを、ITO層どうしが向き合う方向で、前記透光性両面粘着シート(1)にて貼合することで、透光性を失うことなく透明導電積層シート(1)を得た。
この透明導電積層シート(1)は、片面から高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射(250mJ/cm2)した後、150℃2分間加熱することで前記発泡性粘着層(厚さ40μm)が発泡をして、貼合した透明導電シート2枚を、ガラスシート及びITO層が割れることなく容易に剥がすことが可能であった。
【0050】
<表示パネルの貼合及び発泡>
透明導電積層シート(1)から作製されたタッチパネルと、表示パネルとして液晶パネルを前記透光性両面粘着シート(1)にて貼合することで、液晶の視認性を損なうことなく一体化したタッチパネル機能付きディスプレイ(1)を得た。
このディスプレイ(1)は、透明導電積層シート(1)側から高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射(250mJ/cm2)した後、150℃2分間加熱することで前記発泡性粘着層(厚さ40μm)が発泡をして、貼合した透明導電シート2枚だけでなく、液晶パネルも破損することなく容易に剥がすことが可能であった。
【0051】
[実施例2]
<透光性両面粘着シート>
実施例1のPETシートの両面に発泡性粘着塗料Aを塗工する代わりに、PETシートの片面に発泡性粘着塗料Aを、もう片面に粘着塗料Bを塗工(どちらもアプリケーターバーの隙間250μm)することで、PETシートの片面に発泡性粘着層(厚さ40μm)及び反対面に発泡性組成物を含有しない粘着層(厚さ40μm)を有する透光性両面粘着シート(2)を得た。
粘着塗料Bは下記(A)と(B)の混合物を酢酸エチルに溶解し不揮発成分28.0質量%に調製したものである。
(A)ポリアクリル酸エステルを主成分とするアクリル系粘着剤100部、
(B)イソシアネート架橋剤0.1部
【0052】
<透明導電シートへの貼合及び発泡>
実施例1の透光性両面粘着シート(1)の代わりに、透光性両面粘着シート(2)を用いても、透光性を失うことなく透明導電積層シート(2)を得た。
この透明導電積層シート(2)は、片面から高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射(250mJ/cm2)した後に150℃2分間加熱することで、前記発泡性粘着層(厚さ40μm)が発泡をして、貼合していた透明導電シート2枚をガラスシート及びITO層が割れることなく容易に剥がすことが可能であった。
【0053】
<表示パネルの貼合及び発泡>
実施例1の透明導電積層シート(1)の代わりに、透明導電積層シート(2)を用いても、視認性を損なうことなく一体化したタッチパネル機能付きディスプレイ(2)を得た。
このディスプレイ(2)は、透明導電積層シート(2)の表面側から高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射(250mJ/cm2)した後、150℃2分間加熱することで前記発泡性粘着層(厚さ40μm)が発泡をして、貼合した透明導電シート2枚だけでなく、液晶パネルも破損することなく容易に剥がすことが可能であった。
【0054】
[実施例3]
<透光性両面粘着シート>
実施例2のPETシートの片面に発泡性粘着塗料Aを塗工する代わりに、発泡性組成物のみからなる発泡性塗料Cを塗工(アプリケーターバーの隙間40μm)して乾燥しに、さらに粘着塗料Bを塗工(アプリケーターバーの隙間250μm)することで、PETシートの片面に発泡性層(厚さ5μm)及び粘着層(厚さ40μm)が順に積層され、反対面に発泡性組成物を含有しない粘着層(厚さ40μm)を有する透光性両面粘着シート(3)を得た。
発泡性塗料Cは下記(A)と(B)の混合物を酢酸エチルに溶解し不揮発成分25.0質量%に調製したものである。
(A)tert−ブチルメタクリレート(38mol%)とメチルメタクリレート(36mol%)と2−ヒドロキシエチルメタクリレート(20mol%)とn-ブチルメタクリレート(6mol%)の共重合体tert−ブチルメタクリレート 50部
(B)オニウム塩系酸発生剤(CGI−1907、BASF社製)0.5部
【0055】
<透明導電シートへの貼合及び発泡>
実施例1の透光性両面粘着シート(1)の代わりに、透光性両面粘着シート(3)を用いても、透光性を失うことなく透明導電積層シート(3)を得た。
この透明導電積層シート(3)は、片面から高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射(250mJ/cm2)した後150℃2分間加熱することで、前記発泡性層(厚さ5μm)が発泡をして、貼合していた透明導電シート2枚をガラスシート及びITO層が割れることなく容易に剥がすことが可能であった。
【0056】
<表示パネルの貼合及び発泡>
実施例1の透明導電積層シート(1)の代わりに、透明導電積層シート(3)を用いても、視認性を損なうことなく一体化したタッチパネル機能付きディスプレイ(3)を得た。
このディスプレイ(3)は、透明導電積層シート(3)の表面側から高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射(250mJ/cm2)した後、150℃2分間加熱することで前記発泡性粘着層(厚さ40μm)が発泡をして、貼合した透明導電シート2枚だけでなく、液晶パネルも破損することなく容易に剥がすことが可能であった。
【0057】
[比較例]
実施例1のPETシートの両面に発泡性粘着塗料Aを塗工する代わりに、PETシートの両面に粘着塗料Bを塗工(どちらもアプリケーターバーの隙間250μm)することで、PETシートの両面に発泡性組成物を含有しない粘着層(厚さ40μm)を有する透光性両面粘着シート(4)を得た。
【0058】
<透明導電シートへの貼合及び発泡>
実施例1の透光性両面粘着シート(1)の代わりに、透光性両面粘着シート(4)を用いても、透光性を失うことなく透明導電積層シート(4)を得た。
この透明導電積層シート(4)は、紫外線照射及び加熱をしても粘着層の発泡性はみられず、貼合していた透明導電シート2枚を容易に剥がすことが困難で、無理に剥がそうとするとガラスシート及びITO層が割れてしまった。
【0059】
<表示パネルの貼合及び発泡>
実施例1の透明導電積層シート(1)の代わりに、透明導電積層シート(4)を用いても、視認性を損なうことなく一体化したタッチパネル機能付きディスプレイ(4)を得た。
このディスプレイ(4)は、紫外線照射及び加熱をしても粘着層の発泡性はみられず、貼合した透明導電シート2枚や液晶パネルを容易に剥がすことが困難で、無理に剥がそうとすると透明導電シートのガラスシート自身やITO層、液晶パネルが割れたり壊れたりした。
【符号の説明】
【0060】
1-a、1-b、1-c 透光性両面粘着シート
2-a、2-b、2-c、2-d、2-e、2-f 透明導電積層シート
3-a、3-b、3-c ディスプレイ
10 透光性シート
11-a、11-b 発泡性粘着層
12 発泡組成物を含有しない粘着層
13 発泡性層
14 透明導電シート
15 透明導電層
16 表示パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性シートの両面に粘着層を有する透光性両面粘着シートであって、該粘着層の少なくとも一方が発泡性組成物を含有する発泡性粘着層であることを特徴とする透光性両面粘着シート。
【請求項2】
前記発泡性粘着層が、前記透光性シートの面上に発泡性組成物を含有する発泡性層、次いで発泡性組成物を含有しない粘着層を順次積層した複数層であることを特徴とする請求項1に記載の透光性両面粘着シート。
【請求項3】
前記発泡性組成物が、
光酸発生剤と、酸と反応して1種以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する官能基を有する分解性化合物とをともに含有する、
または、
光塩基発生剤と、塩基と反応して1種以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する官能基を有する分解性化合物とをともに含有する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透光性両面粘着シート。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の透光性両面粘着シートを介して、透光性シートを貼着し、少なくとも一方の透光性シートの片面または両面に透明導電層を配置したことを特徴とする透明導電積層シート。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の透光性両面粘着シートを介して、透光性シート及び表示パネルに貼着されていることを特徴とするディスプレイ。
【請求項6】
請求項4に記載の透光導電積層シートが、透光性両面粘着シートを介して表示パネルに貼着されていることを特徴とするディスプレイ。
【請求項1】
透光性シートの両面に粘着層を有する透光性両面粘着シートであって、該粘着層の少なくとも一方が発泡性組成物を含有する発泡性粘着層であることを特徴とする透光性両面粘着シート。
【請求項2】
前記発泡性粘着層が、前記透光性シートの面上に発泡性組成物を含有する発泡性層、次いで発泡性組成物を含有しない粘着層を順次積層した複数層であることを特徴とする請求項1に記載の透光性両面粘着シート。
【請求項3】
前記発泡性組成物が、
光酸発生剤と、酸と反応して1種以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する官能基を有する分解性化合物とをともに含有する、
または、
光塩基発生剤と、塩基と反応して1種以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する官能基を有する分解性化合物とをともに含有する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透光性両面粘着シート。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の透光性両面粘着シートを介して、透光性シートを貼着し、少なくとも一方の透光性シートの片面または両面に透明導電層を配置したことを特徴とする透明導電積層シート。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の透光性両面粘着シートを介して、透光性シート及び表示パネルに貼着されていることを特徴とするディスプレイ。
【請求項6】
請求項4に記載の透光導電積層シートが、透光性両面粘着シートを介して表示パネルに貼着されていることを特徴とするディスプレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−7130(P2012−7130A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146595(P2010−146595)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】
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