説明

透明な被覆

無機酸化物粒子及びポリマーを含む被覆組成物を調製し;組成物を基材上に塗布して被覆を形成し;そして、基材を加熱してポリマー成分を除去する;ことによって製造され、得られる被覆が透明である、無機酸化物被覆。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非凝集無機酸化物粒子被覆、及びかかる被覆を作るために用いる分散液に関する。本発明は、また、被覆を作る方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
無機粒子を含む硬化性被覆は周知である。かかる被覆は、膜形成性ポリマー及び他の有機成分を含む。無機酸化物及びポリマー成分の水性分散液を塗布することによって膜を形成し、次に膜を硬化させる。例えば、米国特許4,330,446及び4,016,129を参照。
【0003】
これらの硬化性被覆は、典型的には、金属、ガラス、木材等のような種々の基材を保護するために用いられる。米国特許6,210,750においては、コロイドシリカ及びシロキサンポリマーを用いて、ガラス基材上に透明な硬質被覆を形成することが記載されている。
【0004】
米国特許3,013,897においては、粒子を膜形成性ポリマーと配合し、その後、被覆を乾燥し、加熱によってポリマーを除去する、金属基材用の凝集コロイダルシリカ粒子被覆が記載されている。この被覆は、保護金属被覆として用いるのに好適であるが、透明でない。
【0005】
種々の無機酸化物非粒子被覆が、マイクロエレクトロニクス用途のための誘電層として用いられている。例えば、特開平03−37933においては、ある種のマイクロエレクトロニクスディスプレイ装置のために、誘電層上に低温軟化ガラスを用いることが記載されている。しかしながら、かかる被覆は低い光透過率を有する。
【0006】
誘電被覆として用いられる他の非粒子無機酸化物被覆は、化学蒸着(CVD)によって製造されている。例えば、Arthur ShermanによるChemical Vapor Deposition for Microelectronics, Noyes Publications, Park Ridge, New Jersey (1987)を参照。これらのCVD被覆は、良好な透明度及び絶縁特性を有し、クラックを有しないが、製造するのが非常に高価である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、良好な透過率及び絶縁特性を有し、クラックを有しないが、製造するのがより安価でもある透明な誘電被覆に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、無機酸化物粒子及びポリマーを含む被覆組成物を調製し;組成物を基材上に塗布して被覆を形成し;そして、基材を加熱してポリマー成分を除去する;ことによって製造される透明な無機酸化物被覆に関する。
【0009】
本発明の他の態様においては、無機酸化物被覆は、非凝集で、透明で、及び/又は電気絶縁性である。本明細書において規定する「非凝集」は、無機酸化物粒子が、実質的に寸法を変化させず、粒子塊を合体させることによって成長しないことを意味する。
【0010】
本発明の更なる態様は、無機酸化物粒子及びポリマーを含む被覆組成物を調製し;組成物をディスプレイ上に塗布して被覆を形成し;そして、ディスプレイを加熱して、ポリマー成分を除去する;ことによって製造される透明な無機酸化物被覆を有するフラットパネルディスプレイ装置に関する。
【0011】
本発明は、優れた電気絶縁性、靱性、密着性、及び基材接着性を依然として与えながら、安価で容易に製造することのできる透明な無機酸化物膜に関する。
本発明は、無機酸化物粒子及びポリマーを含む被覆組成物を調製し;組成物を基材上に塗布して被覆を形成し;そして、基材を加熱してポリマー成分を除去する;ことによって製造される透明な無機酸化物被覆に関する。
【0012】
本発明の他の態様においては、無機酸化物被覆は、非凝集で、透明で、及び/又は電気絶縁性である。
本発明の更なる態様は、無機酸化物粒子及びポリマーを含む被覆組成物を調製し;組成物をディスプレイ上に塗布して被覆を形成し;そして、ディスプレイを加熱して、ポリマー成分を除去する;ことによって製造される透明な無機酸化物被覆を有するフラットパネルディスプレイ装置に関する。
【0013】
無機酸化物としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等を挙げることができ、これは種々の形態(例えば、アモルファス又は結晶質)であってよく、或いはヒュームド、沈降、コロイダル、ゲル等をはじめとする異なるプロセスによって作られたものであってよい。
【0014】
典型的には、無機酸化物はシリカであってよい。シリカは、好ましくはアモルファスであり、より好ましくはコロイダルシリカであるが、本明細書において言及する異なる形態の他の無機酸化物を、本発明に関して同等に機能させることができる。
【0015】
無機酸化物粒子は、水溶液系の分散液の形態で用いることができ、この分散液中の個々の粒子は、得られる被覆における所望の効果によって、2〜150nm、好ましくは5〜80nm、より好ましくは10〜40nmの範囲の平均サイズとなる。例えば、分散液は、単分散粒子、又は2種類の異なる単分散粒子の混合物;多分散粒子、又は2種類の異なる多分散粒子の混合物;或いは異なる単分散及び多分散粒子の混合物;を含んでいてよい。かかる微粉砕無機酸化物粒子を製造する方法は周知である。これらのプロセスの一般的な記載は、例えば、Jan-Erik Otterstedt及びDale A. BrandrethによるSmall Particles Technologyの2及び3章, Plenum Press, New York, 1998(その内容は参照として本明細書中に包含する)に与えられている。
【0016】
無機酸化物粒子は、典型的には、非網目状又は非凝集タイプであってよく、凝集が存在する場合には、凝集は非常に緩くて、凝集粒子が粉砕によって容易に破壊されなければならない。粒子が強い凝集傾向を有する分散液又はゾルは非常に容易にゲル化し、本発明においては、ゲル化又は固化することなく少なくとも20重量%の無機酸化物に濃縮することのできるゾルを用いることが好ましい。
【0017】
無機酸化物がコロイダルシリカである態様においては、分散液又はゾルは、米国特許2,892,797(その内容は参照として本明細書中に包含する)に示されているもののような種々のプロセスにしたがって調製することができる。本特許のゾルは、平均径が150nm以下の均一で分離している球状の粒子を有する。「コロイダルシリカ」又は「コロイダルシリカゾル」という用語は、粒子が比較的長い時間にわたって分散液から沈降しない分散液又はゾル由来の粒子を意味する。かかる粒子は、典型的には、1ミクロンよりも小さい寸法である。米国特許2,244,325;2,574,902;2,577,484;2,577,485;2,631,134;2,750,345;2,892,797;3,012,972;及び3,440,174(その内容は参照として本明細書中に包含する)のゾルは同様に好適である。これらのゾルは、約1〜300nmの径範囲の分離しているシリカ粒子から構成される。典型的には、シリカは、平均粒径が2〜150nmの範囲である単分散粒径分布を有する。コロイダルシリカは、9〜約2700m/gの範囲の表面積(BETによって測定)を有していてよい。
【0018】
本発明のために特に好適なコロイダルシリカは、多分散コロイダルシリカとして知られているものである。本明細書において「多分散」とは、中央粒径が15〜100nmの範囲であり、比較的大きな分布スパンを有する粒径分布を有する粒子の分散液を意味するものとして定義される。好ましい分布は、粒子の80%が少なくとも30nmの寸法範囲の幅であり、70nm以下の幅であってよいようなものである。80%の範囲は、下記に説明するTEMベースの粒径測定方法論を用いて得られるd90粒径からd10粒径を減じることによって測定される。この範囲は、また、「80%スパン」とも称される。一態様の多分散粒子は、中央粒径よりも小さい寸法に偏った粒径分布を有する。その結果、分布は、分布のその領域内のピーク、及び中央よりも大きな粒径の「裾部」を有する。特に好適な多分散シリカは、20〜30nmの範囲の中央粒径を有し、粒子の80%が10〜50nmの寸法であり、即ち分布の80%は40nmのスパンを有する。
【0019】
また、単分散コロイダルシリカを用いることもできる。本明細書において「単分散」とは、平均粒径が5〜150nmの範囲であり、比較的小さな分布スパンを有する粒径分布を有する分散液を意味するものとして定義される。多くの単分散コロイダルシリカは、ガウス粒径分布を有しているので、粒径分布の尺度として標準偏差を用いることができる。本発明において有用な単分散コロイダルシリカは、得られる被覆における所望の効果によって、TEMによって測定して2〜150nmの間、好ましくは5〜80nmの間、より好ましくは10〜40nmの間の平均粒径を有する。TEMによって測定される標準偏差は、典型的には、平均粒径の10〜30%である。
【0020】
殆どのコロイダルシリカゾルはアルカリを含んでいる。アルカリは、通常、周期律表第IA族からのアルカリ金属水酸化物(リチウム、ナトリウム、カリウム等の水酸化物)である。殆どの商業的に入手できるコロイダルシリカゾルは、少なくとも部分的にコロイダルシリカを製造するのに用いたケイ酸ナトリウムに由来する水酸化ナトリウムを含んでいるが、水酸化ナトリウムを加えてゾルをゲル化に対して安定化することもできる。
【0021】
一般的に言えば、コロイダルシリカは、シリカ表面上に存在するシラノール基からプロトンが失われる結果として、負の正味荷電を有し、したがってアニオン性である。米国特許2,892,797(その内容は参照として本明細書中に包含する)にしたがってアルミン酸塩で表面変性されているコロイダルシリカ粒子もアニオン性であり、本発明において用いることができる。
【0022】
本発明の目的のためには、コロイダルシリカは、アニオン性コロイダルシリカ粒子が物理的に被覆されるか又は化学的に処理されて、コロイダルシリカが正の正味荷電を有する場合には、カチオン性であると考えられる。而して、カチオン性シリカとしては、シリカの表面が、正味荷電が正となるのに十分な数のカチオン性官能基、例えばアルミニウムのような金属イオン、或いはアンモニウムカチオンを含むコロイダルシリカが挙げられる。
【0023】
幾つかのタイプのカチオン性コロイダルシリカが公知である。かかるカチオン性コロイダルシリカは、米国特許3,007,878(その内容は参照として本明細書中に包含する)に記載されている。簡単に言えば、濃厚なコロイダルシリカゾルを安定化し、次に、ゾルを三価又は四価金属の塩基性塩と接触させることによって被覆する。三価金属は、アルミニウム、クロム、ガリウム、インジウム、又はタリウムであってよく、四価金属は、チタン、ゲルマニウム、ジルコニウム、スズ、セリウム、ハフニウム、及びトリウムであってよい。アルミニウムが好ましい。塩を水中で可溶性にするように、ヒドロキシルイオン以外の多価金属塩のアニオンが選択される。塩がヒドロキシル以外の一価アニオンを有するということに言及する場合には、塩からヒドロキシルを排除するのではなく、塩が含むヒドロキシルに加えて他のアニオンが存在することを示すと意図される。而して、それらが水溶性であり、以下に説明するような必要なイオン関係を生成することができるならば、全ての塩基性塩が包含される。
【0024】
正荷電シリカのコロイダルゾルは、コロイダルシリカ粒子の表面上にアルミニウムを堆積させることによって調製することができる。これは、負荷電シリカのアクアゾルを、塩基性酢酸アルミニウムのような塩基性アルミニウム塩又は塩基性アルミニウムで処理することによって行うことができる。これらの正荷電シリカゾルを調製する方法は、米国特許6,902,780;米国特許3,620,978;米国特許3,956,171;米国特許3,719,607;米国特許3,745,126;及び米国特許4,217,240(これらは全て参照として本明細書中に包含する)に開示されている。アルミニウム処理によって、約1:19〜約4:1の範囲のコロイダル粒子の表面におけるアルミニウム:シリカの比が得られる。約1:2〜約2:1のアルミニウム:表面シリカの比が、本発明において用いるのに好ましい。
【0025】
他の態様においては、無機酸化物はコロイダルシリカであり、好ましくは、無機酸化物の表面を、正荷電を有する官能基を有し、無機酸化物の表面上のシラノール基と反応性の少なくとも1つの基も有する有機化合物で処理することによって調製される。好ましくは、シラノール基と反応性の基はシランであり、正の官能性基としては、アミノ基、又は米国特許6,896,942(その内容は参照として本明細書中に包含する)に記載されているような第4級基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
典型的には、本発明の無機酸化物の分散液又はゾルは、水酸化ナトリウム又は他の水酸化物安定剤を少量しか含まない。ゾルの安定性は、粒子を脱イオン化して、ゾルから微量のアルカリ性イオン以外は全て除去することによって行うことができる。アルカリ金属イオンをHイオンによって置き換えて、2.5〜7.0の運転pH範囲を達成することができる。用いることのできる公知の脱イオン化方法としては、イオン交換樹脂の使用及び透析が挙げられるが、これらに限定されない。かかるプロセスは、米国特許2,892,797に記載されている。低アルカリカチオン性コロイダルシリカは、コロイダルシリカが等式1において示されるシリカ固形分:アルキル金属の比を有するような程度までそれらを脱イオン化することによって調製することができる。「脱イオン化」とは、任意の金属イオン、例えばナトリウムのようなアルカリ金属イオンがコロイダルシリカ溶液から除去されていることを意味する。アルカリ金属イオンを除去する方法は周知であり、例としては、好適なイオン交換樹脂を用いたイオン交換(米国特許2,577,484及び2,577,485)、透析(米国特許2,773,028)、及び電気透析(米国特許3,969,266)(これらの内容は参照として本明細書中に包含する)が挙げられる。
【0027】
上記に示したように、本発明のコロイダルシリカゾルは、高い透明度及び高い電気絶縁特性を有する大部分は非凝集の無機被覆を達成するために必要な、アルカリ金属イオンの比較的低いレベルを有する。コロイダルシリカゾルにおける最大アルカリ金属レベルは、下式:
等式1:SiO/アルカリ金属≧AW(−0.013×SSA+9)
の等式から算出することができる。
【0028】
SiO/アルカリ金属は、コロイダルシリカゾルにおけるシリカ固形分とアルカリ金属の重量比である。AWは、アルカリ金属の原子量、例えばリチウムに関しては6.9、ナトリウムに関しては23、及びカリウムに関しては39であり、SSAは、m/gの単位のコロイダルシリカ粒子の比表面積である。アルカリ金属がナトリウムである場合には、SiO/アルカリ金属比は、少なくとも−0.30SSA+207の合計である。
【0029】
本発明の一態様においては、無機酸化物はコロイダルシリカのための安定剤を含む。安定剤としてアンモニアを用いることができる。アンモニア含有コロイダルシリカ、及びこれを製造する方法は、Ralph K. IlerのThe Chemistry of Silica, John Wiley & Sons, New York (1979), p.337-338(その内容は参照として本明細書中に包含する)に記載されているように当該技術において公知である。簡単に言えば、ナトリウム含有コロイダルシリカを従来の条件下で調製する。次に、その多くが容易に入手できる好適なカチオン交換樹脂を用いて、ナトリウムイオンをアンモニウムイオンと交換する。典型的には、アンモニアを含む態様は、少なくとも0.01重量%、好ましくは0.05〜0.20重量%のアンモニア(ここで、アンモニア含量は従来の酸/塩基滴定によって測定する)を含む。幾つかの商業的に入手できるアンモニアを含むコロイダルシリカは、好適なシリカ固形分:アルカリの比を有し、そのままで好適である。他の態様は、より高いアルカリ含量を有するコロイダルシリカを脱イオン化し、次にアンモニアを加えることによって調製することができる。
【0030】
本明細書において言及するように、本発明の目的は、厚い(例えば2ミクロンを超える)酸化物膜を製造することである。シリカは、被覆膜を乾燥し、加熱処理した後に残留する配合物の唯一の成分であるので、配合物中のシリカの濃度は可能な限り高くしなければならない。基材に塗布した状態での被覆組成物中のシリカの濃度は、組成物の約1〜約50重量%の範囲であってよく、典型的には約5〜約40重量%の範囲、より典型的には約10〜約30重量%の範囲である。
【0031】
コロイダルシリカ粒子は、単独では、乾燥中の毛管応力のためにひび割れが生じて通常は膜が崩壊して粉末になるので、厚い膜を与えることはできない。ポリマーは2つの主な機能を果たす:それによって、ひび割れ及び粒子の凝集が減少して、膜が乾燥した後に密着性及び透明性を保持するようになる。
【0032】
本発明の組成物において用いられるポリマーは、シリカがその中に分散される媒体中に分散することができる。而して、水がシリカの連続相である場合には、ポリマーは少なくとも部分的に水分散性でなければならない。ポリマーが水溶性であるか又はコロイド状に分散することができる場合には、勿論それは水分散性である。
【0033】
ポリマーは、基材上に被覆した後に、組成物から熱で除去することができるものであってよい。これは、被覆内に残渣を極めて少なくか又は実質的に全く残留させないように、揮発させるか、或いは燃焼又は分解によって除去することができる。このプロセス中に用いる温度は、この除去を行うのに十分に高くなければならないが、基材の変形、クラック、又は溶融を引き起こすほど高くてはならない。多くの基材に関して、200℃〜700℃の範囲の温度が適当であり、この範囲内できれいに且つ速やかに解重合するポリマーが、本発明による酸化物膜の製造において特に有用である。
【0034】
有機ポリマーは、水又は溶媒を蒸発によって除去した後に固化して、得られる乾燥膜がポリマー除去の前に連続で密着性となるような材料であってもよい。ポリマーは、最終的な無機酸化物膜が透明であるように選択することができる。「透明」という用語は、認めうる散乱を起こさずに膜を通して光を透過させて、それによって膜を通して対象物又は像を認めうる歪みを起こさずに明確に視認することができる特性として定義される。無機酸化物膜の透明度は、可視光スペクトル(例えば450〜650nm)において分光光度計を用いて測定することができ、結果は%の透過率又は吸光度で与えられる。
【0035】
ポリマーは、典型的には、3〜10.5のpH範囲内の幾つかの点において、水中に可溶性か又は自己分散性である。ポリマーは、混合物がゲル化又は沈殿しないという点でシリカ分散液と相溶性でなければならない。実際においては、この相溶性は、混合後少なくとも30分の間持続しなければならない。
【0036】
典型的には、ポリマーは親水性であってよい。親水性ポリマーは、しばしば、カルボン酸基に加えてそれらの水中における溶解性に関与する幾つかの極性基を有することによって特徴づけられる。親水性ポリマーを与える極性基は、ヒドロキシル、アミド、メトキシ、アルコキシル、ヒドロキシアルコキシ、ケト基、及び低級アルコールのカルボン酸エステル基、特にメチル及びエチルである。
【0037】
ポリマーは、ポリビニルアルコール、カルボン酸コポリマーの塩、ラテックスエマルジョン、又はこれらの組み合わせであってよい。幾つかのグレードのポリビニルアルコールが好適であり、中分子量(中粘度)の部分的に加水分解されたグレードが特に好ましい。高分子量(高粘度)ポリビニルアルコールのグレードを用いることができるが、得られる被覆混合物は、ポリマー及び混合物の高い粘度のために、しばしば混合及び/又は被覆するのが困難である。低分子量ポリビニルアルコールのグレードも用いることができるが、最終的な無機酸化物膜はよりクラックを形成しやすい傾向を有する。85〜90%の範囲の加水分解度を有する部分的に加水分解されたポリビニルアルコールのグレードが好ましい。完全に加水分解されたグレード(約98%より大きい加水分解度)から製造される被覆は、通常透明でなく、クラックを形成する傾向があるが、部分的に加水分解されたグレード及び完全に加水分解されたグレードの混合物は、透明でクラックのない無機酸化物被覆を与えることができる。
【0038】
また、ポリマーのアンモニア塩が可溶性になるのに十分な割合のカルボキシル基を含むカルボン酸ポリアニオン性ポリマーを用いることもできる。
このタイプのポリマーの例は、アクリル酸とアクリル酸メチルとのエマルジョンコポリマーである。
【0039】
一般に、約10,000未満の分子量を有するポリマーは、しばしば脆性であり、劣った接着強度を有する。他方、50,000以上の分子量を有するポリマーは、本発明において有用である。
【0040】
被覆組成物中の有機ポリマーの割合は、シリカの重量を基準として約5〜約100重量%であってよい。典型的には、ポリマーはシリカの重量を基準として約15〜約80重量%の割合で存在し、より典型的には、ポリマーはシリカの約25〜約70重量%の割合で存在する。用いる特定のシリカ及び所望の被覆のタイプ(例えば膜の透明度、膜の電気絶縁特性、膜厚等)を考慮して、この割合を特定の範囲内に調節することができることが理解されるであろう。
【0041】
一般に、シリカ膜のひび割れを抑止するのに必要なポリマーの相対量は、シリカの粒径によって定まる。而して、7nmの平均径の粒子を含むコロイダルシリカは、20nmの平均径の粒子よりも50%多い量のポリマーを必要とし、この量は最終シリカ膜において所望の厚さ及び透明度によって定まる。
【0042】
被覆組成物の全固形分含量は、被覆組成物の約70重量%以下であってよく、典型的には約1重量%〜約40重量%、更に典型的には約5重量%〜約30重量%であってよい。勿論、この最大濃度も、被覆組成物中において用いるシリカの粒径及びタイプによって限定される。勿論、被覆組成物の最大濃度は、用いるシリカ及びポリマーに関して達成できる最大濃度によって限定される。
【0043】
例えば、7nmの平均径の粒子を含むコロイダルシリカは約30%以下のシリカ含量を有し、一方20nmより大きな平均粒径を有するコロイダルシリカは50〜60%のシリカ含量を有することができる。同様に、水性ポリマー懸濁液は2〜50%の固形分の範囲であってよい。
【0044】
本発明による他の態様は、被覆組成物にある種の酸化剤を加えることに関する。かかる酸化剤を用いて、付着後の被覆組成物からのポリマーの除去速度を上昇させることができる。酸化剤としては、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、又はこれらの混合物を挙げることができる。酸化剤は、配合物が約1〜100,000重量部のポリマーに対して1重量部の酸化剤を含むように、希釈溶液として被覆配合物に加えることができる。
【0045】
必須ではないが、本発明の被覆組成物において種々の添加剤を用いることができる。而して、許容できる膜特性及び許容できるレベルの透明度を与える量の、消泡剤、界面活性剤、湿潤剤、粘度制御剤などを含ませることができる。また、蒸発制御剤を加えて揮発性成分が混合物から除去される速度を調節することもできる。ヒドラジン、チオ尿素、並びに商業的に入手できる酸化防止剤及び腐食抑制剤のような薬剤を組成物に加えることもできる。一般に、ポリマーと同様に、揮発又は酸化によって除去することのできる薬剤を選択することが望ましい。最終被覆が良好な電気絶縁特性を有することが所望の場合には、選択される薬剤は、好ましくは低い無機含量を有するであろう。上記に記載の薬剤は全て、その上に膜を形成する目的で液体を表面に塗布するのを補助する従来の添加剤であり、当業者であれば、これらの目的及び他の目的を達成するための添加剤として特定の薬剤を選択することは困難ではないであろう。
【0046】
上記記載の被覆組成物は、ガラス、金属、紙、木材、漆喰、石材、プラスチックスなどのような広範囲の材料上に付着膜を形成するのに有利に用いることができる。しかしながら、これらは、ガラス上に被覆を形成するのに特に有効である。
【0047】
本発明の酸化物膜の製造において、第1工程は、上記に既に記載したようにシリカポリマー組成物を調製することである。基材の表面は、従来方法にしたがって、例えば、油性の汚れを除去するための溶媒洗浄、錆及び腐食を除去するための酸洗い、及びスケール又は種々のタイプの表面汚染物質を除去するためのアルカリ洗浄によって好適に調製する。
【0048】
次に、必要な厚さの所望の均一な湿潤被覆を与える塗布方法に適した任意の手段、例えばナイフ塗布、浸漬、噴霧、ロール塗布、スクリーン塗布等によって、シリカポリマー組成物を基材に塗布する。
【0049】
続いて、被覆組成物中に存在する液体を蒸発除去することによって被覆を固化又は乾燥することができる。これは、常温での空気乾燥のような従来の方法、或いは熱空気炉中での乾燥、誘導加熱などによって容易に行うことができる。この工程において用いる時間の長さ及び温度は変化させることができる。また、被覆を真空下で乾燥することもできる。乾燥した被覆は、次に、乾燥膜中に存在するポリマーを除去するのに十分な熱処理にかける。かかる作業を行うために必要な具体的な温度は、被覆組成物中において用いるポリマーによって定まる。ポリマーが容易に揮発させることができるものである場合には、揮発温度より僅かに高い温度を用いることができる。他方、ポリマーが揮発しない(即ち、酸化によって除去する)場合には、より高い温度を用いることができ、空気又は他の酸素含有ガスを存在させなければならない。いずれの場合においても、用いる加熱処理温度は、被覆する基材の融点又は分解点よりも十分に低くなければならない。かかる加熱処理温度は、約200〜約900℃、典型的には約200〜約600℃の範囲であってよい。加熱処理時間は、用いる温度、及びある程度は被覆の厚さによって定まる。場合によっては、被覆は、同時か又は単一の工程において乾燥及び加熱処理することができる。
【0050】
本発明の一態様においては、基材に塗布する被覆組成物の量は、ポリマーの除去後に、酸化物被覆が、約2ミクロンより大きく、典型的には約5ミクロンより大きく、より典型的には約8ミクロンより大きい厚さを有するようなものである。被覆組成物の更なる層を基材に塗布し、その後再び加熱処理して、硬質で連続的で透明な酸化物膜を与えて、5〜20ミクロン以上の全多層厚さを与えることができる。個々の層に異なる粒径又は粒子分布を有する粒子を含ませて、与えられた厚さに関して透明度特性を最適化することができる。本発明の他の態様においては、加熱処理した膜は、可視光波長(450〜650nm)における透過率%が、約70%より大きく、典型的には80%より大きく、より典型的には88%より大きくなるような透明度を有する。本発明の他の態様においては、加熱処理した膜は、被覆の絶縁破壊電圧又は誘電強度が、少なくとも約20V、典型的には少なくとも約40V、更に典型的には約100〜200Vよりも大きく、更には1000V程度の高さとなるような電気抵抗を有する。
【0051】
本出願において列記した全ての特許及び文献の全ての内容は、参照として本明細書中に包含する。
【実施例】
【0052】
以下の実施例は、特許請求する発明の特定の例示として与える。しかしながら、本発明は実施例において示されている特定の詳細に限定されないことを理解すべきである。実施例及び明細書の残りの部分における全ての部及びパーセントは、他に示さない限りにおいて重量基準である。
【0053】
本発明を限定された数の態様によって説明したが、これらの特定の態様は、他に説明し、特許請求の範囲で規定する発明の範囲を限定するものではない。更なる修正及び変更が可能であることは、本明細書における代表的な態様を考察することにより、当業者には明らかである。実施例、並びに明細書の残りの部分における全ての部及びパーセントは、他に示さない限りにおいて重量基準である。更に、明細書又は特許請求の範囲において示す全ての数の範囲、例えば特定の特性の組、測定値の単位、条件、物理的状態、又は割合を示すものは、明らかに、言及するか又は他の方法で示すかかる範囲内に含まれる全ての数、並びにそのように示されている全ての範囲内の数の全ての部分集合を文字通り含むものであると意図される。例えば、下限R及び上限Rを有する数値範囲が開示されている場合には常に、この範囲内に含まれる任意の数Rが具体的に開示されている。特に、この範囲内の次式の数R:R=R+k(R−R)(式中、kは1%の増分で1%〜100%の範囲の変数であり、例えばkは、1%、2%、3%、4%、5%、・・・50%、51%、52%、・・・95%、96%、97%、98%、99%、又は100%である)が具体的に開示されている。更に、上記で算出されるRの任意の二つの値によって表される任意の数値範囲も、具体的に開示されている。本明細書において示し記載したものに加えて、本発明の任意の修正は、上記の記載及び添付の図面から当業者に明らかとなろう。かかる修正は、特許請求の範囲内に包含されると意図される。
【0054】
代表的な実施例:
調製された無機酸化物として種々のコロイダルシリカゾルを用いて本発明を示す。全て、従来の手段によって以下に記載のようにしてケイ酸ナトリウムから調製した。
【0055】
コロイダルシリカA:12nmの平均径の単分散粒子を含む水酸化ナトリウム安定化ゾルを、従来の手段によってアルミン酸ナトリウムで表面変性し、次に脱イオン化してナトリウムを除去した。得られた生成物は、30重量%のSiOを含んでおり、pH4.0及び220m/gの比表面積を有していた。ゾルは、0.07重量%のNaを含んでおり、シリカ/Na比は429であり、等式1によって必要な141の値よりも大きな比であった。
【0056】
コロイダルシリカB:12nmの平均径の単分散粒子を含む水酸化ナトリウム安定化ゾルを、脱イオン化してナトリウムを除去した。これを、水酸化アンモニウムによってpH9.5に安定化した。得られた生成物は、30%のSiOを含んでおり、220m/gの比表面積及び430のシリカ/Na比を有していた。
【0057】
コロイダルシリカC:22nmの平均径の単分散粒子を含む水酸化ナトリウム安定化ゾルを脱イオン化してナトリウムを除去し、アンモニアによってpH9.2に安定化した。これは、40%のSiOを含んでおり、140m/gの比表面積及び540のシリカ/Na比を有していた。
【0058】
コロイダルシリカD:ケイ酸ナトリウムから水酸化ナトリウム安定化シリカゾルを調製して、50%のSiOを含み、22nmの中央粒径を有し、粒子の80%が10〜50nmの間であり、70m/gの比表面積及び179のシリカ固形分:ナトリウムの比を有する多分散生成物を得た。
【0059】
コロイダルシリカE:コロイダルシリカDにおいて記載した多分散水酸化ナトリウム安定化シリカゾルを、3−アミノプロピルトリエトキシシランで表面変性した。Eを調製するために、2つの混合物を形成した。第1の混合物において、コロイダルシリカゾルを6N−HClによってpH4に酸性化した。第2の混合物において、317gの脱イオン水及び250gの1N−HClを混合し、その後63.5gの3−アミノプロピルトリエトキシシランをゆっくりと加えた。この混合物をpH4に調節した後、これを酸性化コロイダルシリカの第1の混合物に加えて、40%のSiOを含むカチオン性コロイダルシリカ生成物を得た。
【0060】
コロイダルシリカF:コロイダルシリカDにおいて記載した多分散水酸化ナトリウム安定化シリカゾルを脱イオン化してナトリウムを除去し、水酸化アンモニウムによってpH9に安定化した。得られた生成物は40%のSiOを含んでいた。
【0061】
実施例1:
4.4gのコロイダルシリカAを、除去可能なポリマーとして、88%加水分解グレードのポリビニルアルコールの15.5%水溶液3.6gと混合した。この溶液は、16.5%のSiO及び7%のポリビニルアルコールを含んでおり、0.42のポリマー/SiOの比を与えた。巻き線塗布棒を用いて、この溶液を透明なガラスシート上に被覆し、室温において空気乾燥した。得られた膜は、無色透明であった。これを炉内において空気中500℃で45分間加熱した。はじめの数分間で膜は暗褐色に変化したが、残りの時間で透明になった。この熱処理の後、得られた靱性でガラス状の膜は、厚さ9ミクロンであり、無色透明であり、可視光波長において>90%の透過率を有していた。
【0062】
実施例2:
実施例1の被覆溶液をアルミニウム金属シート上に被覆し、室温において空気乾燥した。500℃において45分間加熱することによって、実施例1と酷似した靱性でガラス状の膜が得られた。抵抗計の1つのプローブを被覆膜上に配置し、他のプローブをアルミニウムシート上に配置すると、高い電気抵抗が測定された。
【0063】
実施例3:
実施例1のようにして、コロイダルシリカB、C、及びEのそれぞれ、並びに88%加水分解ポリビニルアルコールの15.5%溶液から被覆溶液を調製した。それぞれの被覆溶液において、混合物は16.5%のSiO及び7%のポリビニルアルコールを含んでいた。透明なガラスシート上に(実施例1と同様にして)被覆を形成し、室温において空気乾燥し、次に500℃において45分間加熱した。この熱処理の後、厚さ約5〜9ミクロンの靱性でガラス状の膜が得られた。コロイダルシリカB、C、及びEからの被覆は、無色透明で、可視光波長において>85%の透過率を有していたが、コロイダルシリカEからの被覆は透過率が僅かに低かった。これらの被覆溶液からアルミニウムシート上に形成したB、C、及びEの被覆を空気乾燥し、同様に加熱してポリマーを除去した。得られた無機酸化物被覆は、透明であり、抵抗計の1つのプローブをそれぞれの被覆膜上に配置し、他のプローブをアルミニウムシート上に配置すると、高い電気抵抗を示した。
【0064】
実施例4:
本実施例は、多層被覆の実施例であり、これらをどのように用いてより厚い透明な膜を形成することができるかを示す。等量部のコロイダルシリカC及びコロイダルシリカFを一緒に混合した。この混合物に、88%加水分解ポリビニルアルコールの15.5%溶液を加えた。得られた混合物は、16.5%のSiO及び7%のポリマーを含んでいた。巻き線棒を用いてこれをガラス板上に被覆し、6ミクロンの乾燥厚さに空気乾燥した。コロイダルシリカC、及び88%加水分解ポリビニルアルコールの15.5%溶液を用いて、第2の混合物を調製した。得られた混合物は、同様に、16.5%のSiO及び7%のポリマーを含んでいた。巻き線棒を用いてこれを第1の層の頂部上に被覆し、室温において8ミクロンの厚さに空気乾燥した。次に、被覆を500℃において45分間加熱して、80〜85%の透過率を有するクラックのない被覆を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)無機酸化物粒子及びポリマーを含む被覆組成物を調製し;
(b)組成物を基材上に塗布して被覆を形成し;そして
(c)被覆を加熱して、ポリマー成分を除去し、該無機酸化物被覆を形成する;
ことによって製造される、透明な無機酸化物被覆。
【請求項2】
ポリマー成分を除去する前に該被覆を乾燥する、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項3】
該被覆中の粒子が非凝集である、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項4】
該被覆が電気絶縁性である、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項5】
該無機酸化物が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアを含む、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項6】
該無機酸化物がシリカを含む、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項7】
該無機酸化物がコロイダルシリカを含む、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項8】
該無機酸化物が、関係式:
SiO/アルカリ金属≧AW(−0.013×SSA+9)
(式中、SiO/アルカリ金属は、コロイダルシリカゾル中のシリカ固形分とアルカリ金属との重量比であり;AWは、アルカリ金属の原子量であり;SSAは無機酸化物粒子の比表面積(単位=m/g)である)
によって規定される値よりも少ない量のナトリウムを含む、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項9】
該被覆が少なくとも20Vの絶縁破壊電圧を有する、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項10】
該被覆が少なくとも100Vの絶縁破壊電圧を有する、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項11】
該被覆が、可視光波長にわたって70より大きな透過率(%)の透明度を有する、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項12】
該被覆が1〜20ミクロンの厚さを有する、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項13】
該ポリマーが、ポリビニルアルコール、カルボン酸コポリマー塩、ラテックスエマルジョン、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項14】
該基材が、ガラス、金属、セラミック、及び工程(c)におけるポリマー除去の温度に耐える他の材料を含む、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項15】
該加熱を約200℃〜約900℃の温度で行う、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項16】
該被覆が複数の層を含む、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項17】
該塗布が、ナイフ塗布、浸漬、噴霧、ロール塗布、スクリーン塗布、又は均一な分布及び厚さの被覆を与える任意の他の手段を含む、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項18】
該基材がフラットパネルディスプレイ装置の部品である、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項19】
該基材が、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、デジタル光プロセッサーディスプレイ、又は同様のディスプレイ装置である、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項20】
該被覆組成物が少なくとも1種類の酸化剤を含む、請求項1に記載の無機酸化物被覆。
【請求項21】
該少なくとも1種類の酸化剤が、硝酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、又はこれらの混合物を含む、請求項20に記載の無機酸化物被覆。
【請求項22】
(a)無機酸化物粒子及びポリマーを含む被覆組成物を調製し;
(b)組成物を該ディスプレイ上に塗布して被覆を形成し;そして
(c)基材を加熱して、ポリマー成分を除去し、該無機酸化物被覆を形成する;
ことによって製造される透明な無機酸化物被覆を有するフラットパネルディスプレイ装置の部品。

【公表番号】特表2009−530146(P2009−530146A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501556(P2009−501556)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/007122
【国際公開番号】WO2007/111943
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(590001706)ダブリュー・アール・グレース・アンド・カンパニー−コーン (13)
【氏名又は名称原語表記】W R GRACE & CO−CONN
【Fターム(参考)】