説明

透明ディスプレイ装置

【課題】背景からの透過像がボケない透明ディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】行列状に配置された第1金属配線111および第2金属配線112と、表示像を表示するための表示素子120と、隣り合う第1金属配線111および第2金属配線112の間の領域に対応する複数の光透過部130とを有するディスプレイパネル101と、ディスプレイパネル101の表側および裏側のいずれか一方に設けられた第1光学素子141と、ディスプレイパネル101の表側および裏側のいずれか他方に設けられた第2光学素子142と、を備え、第1光学素子141および第2光学素子142は、ディスプレイパネル101の表側および裏側のいずれか一方から入射した平行光が、光透過部130において焦点を結び、ディスプレイパネル101の表側および裏側のいずれか他方からから平行光として出射するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明ディスプレイ装置に関し、特に、画像や文字情報を表示することが可能で、表示面が透けて見える透明ディスプレイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、一対の透明電極に挟まれた発光層を有し、画像や文字情報を両面表示することが可能で、背景が透けて見える透明ディスプレイ装置が注目されている。特に、有機EL(Electro−Luminescence)パネルを用いる透明ディスプレイ装置が注目されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−071948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、透明ディスプレイ装置は、高精細で大きな表示像をディスプレイパネルに表示させることが望まれている。しかしながら、高精細な表示像を得るために高解像度のディスプレイパネルを用いると、背景からくる透過像がボケてしまうという課題がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するものであり、高精細で大きな表示像をディスプレイパネルに表示させるとともに、背景からの透過像がボケない透明ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一つの実施形態に係る透明ディスプレイ装置は、行列状に配置された複数の金属配線と、表示像を表示するための信号が前記金属配線から供給される表示素子と、隣り合う前記金属配線の間の領域に対応する複数の光透過部とを有するディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルの表側および裏側のいずれか一方に設けられた第1光学素子と、前記ディスプレイパネルの表側および裏側のいずれか他方に設けられた第2光学素子と、を備え、前記第1光学素子および前記第2光学素子は、前記ディスプレイパネルの表側および裏側のいずれか一方から入射した平行光が、前記光透過部において焦点を結び、前記ディスプレイパネルの表側および裏側のいずれか他方から平行光として出射するように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高精細で大きな表示像をディスプレイパネルに表示させるとともに、透過像がボケない透明ディスプレイ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】図1Aは、本発明の実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置の概略構成を示す斜視図である。
【図1B】図1Bは、本発明の実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置の側面図である。
【図2A】図2Aは、本発明の実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置の拡大平面図である。
【図2B】図2Bは、図2AのA−A’線における本発明の実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置の断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置のディスプレイパネルにおける表示素子の構成を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置の表示素子における画素回路(TFT部)の構成を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1の変形例1に係る透明ディスプレイ装置の拡大平面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る透明ディスプレイ装置のディスプレイパネルにおける表示素子の構成を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1の変形例3に係る透明ディスプレイ装置の拡大平面図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態2に係る透明ディスプレイ装置の断面図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態3に係る透明ディスプレイ装置の断面図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態4に係る透明ディスプレイ装置の断面図である。
【図11A】図11Aは、本発明の実施の形態5に係る透明ディスプレイ装置の拡大平面図である。
【図11B】図11Bは、図11AのA−A’線における本発明の実施の形態5に係る同透明ディスプレイ装置の断面図である。
【図12A】図12Aは、本発明の実施の形態5の変形例に係る透明ディスプレイ装置の拡大平面図である。
【図12B】図12Bは、図12AのA−A’線における本発明の実施の形態5の変形例に係る透明ディスプレイ装置の断面図である。
【図13A】図13Aは、本発明の実施の形態6に係る透明ディスプレイ装置の拡大平面図である。
【図13B】図13Bは、図13AのA−A’線における本発明の実施の形態6に係る透明ディスプレイ装置の断面図である。
【図14A】図14Aは、本発明の実施の形態の変形例に係る透明ディスプレイ装置における光学部材の一例を示す平面図である。
【図14B】図14Bは、図14AのB−B’線における本発明の実施の形態の変形例に係る光学部材の断面図である。
【図15A】図15Aは、従来の透明ディスプレイ装置の一例を示す断面図である。
【図15B】図15Bは、図15Aに示す従来の透明ディスプレイ装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一つの実施の形態に係る透明ディスプレイ装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものでなはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、請求項に記載されていない構成要素は、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。なお、各図において、同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0010】
本発明の実施の形態の説明に先立って、本発明に至った経緯について説明する。
【0011】
まず、図15Aおよび図15Bを用いて、従来の透明ディスプレイ装置1000について説明する。図15Aは、従来の透明ディスプレイ装置の一例であって、発光面(表示面)に垂直な断面図である。図15Bは、図15Aに示す従来の透明ディスプレイ装置の概略平面図である。
【0012】
図15Aおよび図15Bに示すように、従来の透明ディスプレイ装置1000は、ELパネル1100と液晶調光シート1200とを、透過性を有する接着領域1300で貼り合せた構造になっている。
【0013】
ELパネル1100は、一対の透明基板1130および1140と、一対の透明基板1130および1140の間に挟持された発光層1120と、一方の透明基板1130の上に形成された複数の透明配線1111と、他方の透明基板1140の上に形成された複数の透明配線1112とを備える。
【0014】
図15Bに示すように、透明ディスプレイ装置1000では、パッシブマトリックス駆動方式のELパネル1100が用いられており、透明基板1130上の複数の透明配線1111は、発光面に平行であって、第1方向に平行に延在し、透明基板1140上の複数の透明配線1112は、発光面に平行であって、第1方向と直交する第2方向に平行に延在している。
【0015】
このようなパッシブマトリックス駆動方式による従来の透明ディスプレイ装置1000では、透明配線1111および1112を用いているので、背景からくる透過像を妨害する物体がディスプレイ装置上に存在しないため、透過性の高い透過像を得ることができた。しかしながら、パッシブマトリックス駆動方式では、透明配線1111および1112の交差点上に対応して配置された発光領域(画素)を順次走査しており、さらに、透明配線1111および1112はそもそも高抵抗ではあるが、配線距離が長くなるほど配線抵抗が一層高くなることから、発光させたい画素以外の画素が発光してクロストークが発生するという問題があった。このため、従来の透明ディスプレイ装置1000では、高精細で大きな表示像をディスプレイに表示させることが困難であった。したがって、現存するパッシブマトリックス駆動方式の透明ディスプレイ装置は、例えば、解像度が240×320dpiで、画素ピッチが0.153mmで2.4インチ程度の大きさがせいぜいであった。
【0016】
しかしながら、近年、ディスプレイ装置の大画面化が要望されており、透明ディスプレイ装置についても、高精細で大きな表示像をディスプレイパネルに表示させることが望まれている。高精細で大きな表示像をディスプレイパネルに表示させるには、各画素に精密に定格の電流ないし電圧を与える必要があるため、ディスプレイパネルとしては、画素内にスイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)を配置して各画素を独立に制御するアクティブマトリックス駆動方式のパネルを用いることが好ましい。そのために、各画素に所望の信号を供給する配線としては、低抵抗の金属配線を使用せざるを得なかった。
【0017】
しかしながら、低抵抗の金属配線は遮光性を有するとともに行列状(マトリクス状)の格子形状に形成されているので、この格子形状が細かくなるほど回折格子として透過像に作用してしまうことが原理的に明らかになっている。そのため、高精細の表示像を得るために画素の解像度を上げて高解像度のディスプレイパネルを用いると、背景からくる透過像がボケてしまうという課題がある。
【0018】
上記課題を解決するために、発明者が鋭意検討した結果、両側に表示面を有するディスプレイパネルの一方の表示面に入射された平行光がディスプレイパネルのもう一方の面から平行性が保たれた状態で出射されるように構成された光学素子を設けることで、透過像のボケを抑制することができるという着想を得ることができた。
【0019】
本発明は、このような着想に基づいてなされたものであり、本発明に係る透明ディスプレイ装置の一態様は、行列状に配置された複数の金属配線と、表示像を表示するための信号が前記金属配線から供給される表示素子と、隣り合う前記金属配線の間の領域に対応する複数の光透過部とを有するディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルの表側および裏側のいずれか一方に設けられた第1光学素子と、前記ディスプレイパネルの表側および裏側のいずれか他方に設けられた第2光学素子と、を備え、前記第1光学素子および前記第2光学素子は、前記ディスプレイパネルの表側および裏側のいずれか一方から入射した平行光が、前記光透過部において焦点を結び、前記ディスプレイパネルの表側および裏側のいずれか他方から平行光として出射するように構成されている。
【0020】
本態様によれば、第1光学素子および第2光学素子によって透過像がボケることなくディスプレイパネルの一方の面から他方の面に透過させることができる。これにより、低抵抗の金属配線を用いて高精細で大きな表示像をディスプレイパネルに表示させることができる。
【0021】
また、本発明に係る透明ディスプレイ装置の一態様において、前記表示素子は、一対の電極と、前記一対の電極に挟まれた発光層とを含み、前記発光層は、前記金属配線から供給される信号に応じて発光するように構成することができる。この場合、前記発光層を、前記光透過部の上に配置させてもよい。あるいは、前記発光層を、前記複数の金属配線が交差する交差部の上に配置されてもよい。
【0022】
また、本発明に係る透明ディスプレイ装置の一態様において、前記第1光学素子および前記第2光学素子は、前記光透過部を覆っていることが好ましい。この場合、前記第1光学素子および前記第2光学素子は、レンズであり、前記光透過部の形状は、前記ディスプレイパネルの前記一方の面側または前記他方の面側から見たときに矩形状であり、前記レンズの直径は、前記光透過部の対角線の長さよりも大きくすることができる。
【0023】
また、本発明に係る透明ディスプレイ装置の一態様において、前記第1光学素子または前記第2光学素子は、前記光透過部側の面に形成された遮光膜を有することが好ましい。
【0024】
また、本発明に係る透明ディスプレイ装置の一態様において、さらに、前記表示素子部の前に配置された凸レンズを有することが好ましい。
【0025】
また、本発明に係る透明ディスプレイ装置の一態様において、さらに、前記第2光学素子と隣り合う第3光学素子を備え、前記第1光学素子と、前記第2光学素子および前記第3光学素子とは、前記光透過部を挟んで一列配置されており、前記第1光学素子、前記第2光学素子および前記第3光学素子は、球レンズによって構成されている、とすることができる。
【0026】
また、本発明に係る透明ディスプレイ装置の一態様において、前記第1光学素子および前記第2光学素子の少なくともいずれか一方は、フレネルレンズである、とすることができる。
【0027】
また、本発明に係る透明ディスプレイ装置の一態様において、前記第1光学素子および前記第2光学素子の各々は、一体成形されている構成とすることができる。
【0028】
以下、本発明に係る透明ディスプレイ装置について、実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0029】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置1の概略構成について、図1Aおよび図1Bを用いて説明する。図1Aは、本発明の実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置の概略構成を示す斜視図であり、図1Bは、本発明の実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置の側面図である。
【0030】
図1Aおよび図1Bに示すように、本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置1は、画像や文字情報等の表示像を表示するための表示部を有するディスプレイパネル101と、ディスプレイパネル101の表面の両側に設けられた第1光学素子部201および第2光学素子部202とを備える。
【0031】
ディスプレイパネル101の一例としては、20型で、縦が約270mm、横が約460mmの大きさの有機ELパネルを用いることができる。また、本実施の形態において、透明ディスプレイ装置1の総厚みは約2.1mmであり、このうち、ディスプレイパネル101の厚みは約1.4mm、第1光学素子部201の厚みは約0.2mm、第2光学素子部202の厚みは約0.5mmである。
【0032】
次に、本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置1の詳細構成について、図2Aおよび図2Bを用いて説明する。図2Aは、本発明の実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置の拡大平面図であり、図2Bは、図2AのA−A’線における同透明ディスプレイ装置の断面図である。なお、図2Aは、透明ディスプレイ装置1を観察者20から見たときの正面図を示している。
【0033】
図2Aおよび図2Bに示すように、ディスプレイパネル101は、行列状に配置された複数の金属配線からなる金属配線部110と、表示像を表示するための複数の表示素子120と、光を透過する複数の光透過部130とを備える。
【0034】
金属配線部110は、図2A第1の方向である行方向に沿って直線状に平行に形成された複数の第1金属配線111と、複数の第1金属配線111と直交し、第2の方向である列方向に沿って直線状に平行に形成された第2金属配線112とを有する。
【0035】
複数の第1金属配線111および複数の第2金属配線112には、ドライバ(不図示)から、表示像を表示するための信号(表示データ)として所定の電流ないし電圧が供給され、各表示素子120に対して表示データが供給される。第1金属配線111および第2金属配線112は、低抵抗の金属材料を用いて形成することができ、例えば、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等の遮光性を有する金属等を用いて形成することができる。また、本実施の形態において、第1金属配線111および第2金属配線112の線幅は、いずれも約40μmとしている。なお、図示しないが、複数の第1金属配線111と複数の第2金属配線112との間には絶縁膜等の絶縁部材が形成されており、第1金属配線111と第2金属配線112とは絶縁されている。
【0036】
なお、金属配線部110には、走査線やデータ線等の信号を供給するための配線だけではなく、回折を生じさせうるコンデンサ等の金属電極等も含まれる。
【0037】
表示素子120(表示素子部)の各々は、表示像を表示するための画素に対応し、第1金属配線111および第2金属配線112から表示像を表示するための信号が供給される。本実施の形態において、各表示素子120は、図2Aに示すように、第1金属配線111と第2金属配線112とが交差する交差部の上に配置されており、光透過部130とは重ならない位置に配置されている。なお、本実施の形態において、各表示素子120の平面視形状(正面視形状)は、縦が35μm、横が35μmの矩形状としている。
【0038】
複数の光透過部130の各々は、隣り合う金属配線の間の領域であって、図2Aに示すように、本実施の形態では、隣り合う第1金属配線111と隣り合う第2金属配線112とで囲まれた領域である。各光透過部130は、光を透過する領域であり、ディスプレイパネル101の一方の面側から入射した光を透過させて、ディスプレイパネル101の他方の面側から出射させる。例えば、ディスプレイパネル101の表側にいる観察者20は、透明ディスプレイ装置1の向こう側の背景や人物等を、光透過部130を介して透過像として視認することができる。なお、本実施の形態において、各光透過部130の平面視形状は、一辺が80μmの正方形としている。
【0039】
また、図2Bに示すように、第1光学素子部201は、ディスプレイパネル101の表側(本実施の形態では、表示素子120が設けられている側)に設けられており、一方、第2光学素子部202は、ディスプレイパネル101の裏側(本実施の形態では、表示素子120が設けられていない側)に設けられている。第1光学素子部201および第2光学素子部202は、ディスプレイパネル101の表側および裏側のいずれか一方から入射した平行光が、光透過部130において焦点を結び、ディスプレイパネル101の表側および裏側のいずれか他方からから平行光として出射するように構成されている。
【0040】
本実施の形態において、第1光学素子部201は、ディスプレイパネル101の表側に配置された1つの第1光学素子141によって構成されている。また、第2光学素子部202は、ディスプレイパネル101の裏側に配置された第2光学素子142および第3光学素子143の2つの光学素子によって構成されている。すなわち、本実施の形態における光学系は、3つの光学素子によって構成されている。
【0041】
より具体的には、第1光学素子141、第2光学素子142および第3光学素子143の3つの光学素子は、正面視したときに、光透過部130と重なる位置に配置されるとともに、互いに重なる位置に配置されている。また、図2Bに示すように、1つの第1光学素子141と、第2光学素子142および第3光学素子143の2つの光学素子とは、光透過部130を挟んで一列に配置されている。第1光学素子141および第2光学素子142は、光透過部130を介して対向して配置されており、第3光学素子143は、第2光学素子142と隣り合うように配置され、かつ、第2光学素子142よりも外側の位置に配置されている。
【0042】
本実施の形態において、第1光学素子141、第2光学素子142および第3光学素子143は、いずれも、所定の焦点を有し、入射した平行光線を収束させる機能を有する球レンズによって構成されている。そして、光透過部130に最も近い位置に配置される第1光学素子141および第2光学素子142は、いずれも焦点が光透過部130に位置するように構成されている。また、第3光学素子143は、焦点が第2光学素子142の焦点と一致するように構成されている。
【0043】
また、第1光学素子141、第2光学素子142および第3光学素子143は、各球レンズの中心と光透過部130の中心とが一致するように配置されている。さらに、本実施の形態において、第1光学素子141、第2光学素子142および第3光学素子143は、正面視したときに、光透過部130を覆うように構成されている。すなわち、正面視における各光学素子の仮想面積が、正面視における光透過部130の仮想面積よりも大きくなるように構成されている。具体的には、各レンズの直径Dは、光透過部130の対角線Lの長さよりも大きくなるように構成されており、本実施の形態において、各レンズの直径Dは、約110μmとし、光透過部130の対角線Lは、約110μmとしている。なお、第1光学素子141、第2光学素子142および第3光学素子143としては、例えば、屈折率が1.4程度であるアクリル樹脂等の透明樹脂や光学ガラス等を用いることができる。
【0044】
なお、表示素子120の劣化を防ぐために、表示素子120は、表示素子120と光透過部130との一面を封止する透明材料によって覆ってもよい。さらに、当該透明材料として透明樹脂からなる接着材を用いることによって、ディスプレイパネル101の表側(観察者20側)に配置された第1光学素子141を、ディスプレイパネル101と接触して保持させることができる。
【0045】
また、ディスプレイパネル101の裏側(反射物体10側)に配置された第2光学素子142および第3光学素子143についても、透明樹脂からなる接着材を用いることによってディスプレイパネル101に保持させることができるが、第2光学素子142と第3光学素子143との間(レンズ間)や第2光学素子142とディスプレイパネル101との間(レンズ−パネル間)に空気層を設ける必要がある場合は、第1金属配線111および第2金属配線112にリブ等の支持部材を立てることによって、第2光学素子142および第3光学素子143を保持することができる。
【0046】
次に、本実施の形態における各表示素子120の詳細構成について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置のディスプレイパネルにおける表示素子の構成を示す断面図である。
【0047】
図3に示すように、本実施の形態における表示素子120は、発光層を有する有機EL素子123を有しており、自発光型の表示素子(発光部)である。表示素子120は、有機EL素子123の発光を制御するための制御素子(薄膜トランジスタ)が形成されたTFT基板121を備える。TFT基板121には、画素毎の有機EL素子123に対して駆動電流を制御する駆動用トランジスタと、発光させる画素の有機EL素子123を選択的に切り替えるスイッチ用トランジスタと、電荷を制御するコンデンサ等が設けられている。
【0048】
TFT基板121の上には、平坦化膜122が形成されており、また、平坦化膜122の上には、有機EL素子123が形成されている。有機EL素子123は、一対の電極と当該一対の電極に挟まれた発光層とを含んでいる。本実施の形態における有機EL素子123は、ボトムアップタイプであり、平坦化膜122の上に順次形成された、陽極である第1の導電層123a、正孔注入・輸送層123b、発光層123c、電子注入・輸送層123d、および、陰極である第2の導電層123eによって構成されている。
【0049】
平坦化膜122は、トランジスタ等によって生じるTFT基板121の凹凸を減少させるように、表面が平坦化するまで形成される層である。平坦化膜122により、後工程を精度よく行うことができる。
【0050】
第1の導電層123aおよび第2の導電層123eは、発光層123cに電流を注入するための電極である。本実施の形態において、第1の導電層123aおよび第2の導電層123eは、図2Aおよび図2Bに示す第1金属配線111および第2金属配線112と電気的に接続されている。なお、第1の導電層123a(下部電極)は、銀合金APC等からなる反射電極として構成することができ、第2の導電層123e(上部電極)は、ITO等からなる透明電極として構成することができる。
【0051】
正孔注入・輸送層123bおよび電子注入・輸送層123dは、発光効率を向上させるために、正孔や電子を効率よく注入させたり輸送させたりするための層である。これらの層は、材料の違いや効率、コストなどの重視する目的によって選択され、例えば、注入層のみであったり、輸送層のみであったり、または、注入層や輸送層が全く無い場合もある。したがって、正孔注入・輸送層123bおよび電子注入・輸送層123dは、目的や性能によって層数は変化する。
【0052】
発光層123cは、第1の導電層123aと第2の導電層123eとに所定の電圧が印加されることにより、当該発光層123cを構成する発光材料が励起されて発光する。発光層123cは、有機材料からなる有機発光体によって構成されており、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)等を用いることができる。
【0053】
このように構成された有機EL素子123では、TFT基板121からの電流(表示像のための書込み情報)は、陽極である第1の導電層123aに流れ込み、正孔注入・輸送層123bを経て発光層123cに効率よく流れ、電子と正孔が再結合されて発光した後、電子注入・輸送層123dを経て、陰極である第2の導電層123eに流れる。
【0054】
なお、上記有機EL素子123の層構成は一例であって、上記の層構成に限定されるものでなく、その他、有機EL素子として公知の層構成を適宜用いることができる。
【0055】
次に、図4を用いて、TFT基板121が映像信号を受けて有機EL素子123に送るまでの電流の流れ、すなわち、ディスプレイパネル101の表示部(画素)に表示像を表示するときの動作について説明する。図4は、本発明の実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置の表示素子における画素回路(TFT部)の構成を示す図である。
【0056】
図4に示すように、平坦化膜122内における各画素122PXは、直交する走査線(ゲート線)122GLとデータ線(ソース線)122DLとによって区画されており、を駆動する駆動用トランジスタ122Drと、スイッチ用トランジスタ122Swと、コンデンサ(キャパシタンス)122Cと、上記の有機EL素子123とを備える。駆動用トランジスタ122Drは、有機EL素子123を駆動するトランジスタであり、ゲートがスイッチ用トランジスタ122Swのドレインと接続され、ドレインが電源供給線122PLに接続され、ソースが有機EL素子123の陽極に接続されている。また、スイッチ用トランジスタ122Swは、複数の画素の中から発光させる当該画素122PXを選択的に切り替える、すなわち複数の画素の中から映像信号を供給する画素を選択するためのトランジスタであり、ゲートは走査線122GLに接続され、ソースはデータ線122DLに接続され、ドレインはコンデンサ122Cおよび駆動用トランジスタ122Drのゲートに接続されている。
【0057】
この構成において、表示像を表示するための信号のうちのゲート信号が走査線122GLがスイッチ用トランジスタ122Swのゲートに流れ込むと、スイッチ用トランジスタ122SwはONの状態になる。このとき、表示像を表示するための信号のうちの映像信号(電流信号)が、データ線122DLからスイッチ用トランジスタ122Swのソースに流れ込み、スイッチ用トランジスタ122Swのドレインに流れ、駆動用トランジスタ122Drのゲートに流れ込む。一方、これと同時に、電源供給線122PLに接続されたコンデンサ122Cに、映像信号に応じた電荷が蓄積する。次に、駆動用トランジスタ122Drのソースにコンデンサ122Cに蓄積された電荷が流れ込み、その後、駆動用トランジスタDrのドレインに映像信号に比例した電流が流れ、有機EL素子123の陽極に電流が供給される。すなわち、コンデンサ122Cに蓄積された映像信号電圧は、1フレーム期間を通じて保持され、この保持された映像信号電圧により、駆動用トランジスタ122Drのコンダクタンスがアナログ的に変化し、発光階調に対応した駆動電流が有機EL素子123のアノードからカソードへと流れる。これにより、有機EL素子123が発光する。
【0058】
次に、本発明の実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置1の作用効果について、図2A、図2Bおよび図4を用いて説明する。
【0059】
図4に示すように、TFT基板では、走査線122GL、データ線122DL、および、電源供給線PLによる金属配線が画素毎を囲むようにパターン形成されている。ここで、走査線122GL、データ線122DL、および、電源供給線PLは、図2Aおよび図2Bにおける第1金属配線111および第2金属配線112に対応する。例えば、走査線122GLは第1金属配線111に対応し、データ線122DLは第2金属配線112に対応し、電源供給線PLは第2金属配線112の数本ごとの1本に対応する。なお、図4における、駆動用トランジスタ122Dr、スイッチ用トランジスタ122Swおよびコンデンサ122Cは、第1金属配線111および第2金属配線112のいずれかに配置される。
【0060】
そして、上述のとおり、高精細の表示像を得るために高解像度のディスプレイパネルを用いると、ディスプレイパネル101を透過する透過像がボケてしまうという課題がある。透過像がボケる主な原因は、TFT基板上にプリントされた金属配線(第1金属配線111、第2金属配線112等)の形状に依存した光の回折である。
【0061】
そこで、本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置1では、ディスプレイパネル101の両側に第1光学素子部201および第2光学素子部202を設けることによって、上記透過像のボケを抑制している。
【0062】
そして、本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置1によれば、第1光学素子141および第2光学素子142が光透過部130を挟むように配置され、いずれも焦点が光透過部130に位置するように構成されている。これにより、ディスプレイパネル101の一方の面から入射した平行光は、光透過部130において焦点を結び、ディスプレイパネル101の他方の面から出射する。
【0063】
さらに、本実施の形態では、第2光学素子142の外側に第3光学素子143が設けられている。この構成により、図2Bに示すように、ディスプレイパネル101の裏側に存在する反射物体10から反射された平行光線10Lは、第3光学素子143および第2光学素子142を通って、ディスプレイパネル101の光透過部130の位置で焦点を結んで、第1光学素子141を介してディスプレイパネル101の表側に到達する。これにより、ディスプレイパネル101の表側にいる観察者20は、ディスプレイパネル101の裏側からくる透過像10Aを視認することができる。
【0064】
このように、本実施の形態では、ディスプレイパネル101を透過する透過像10A(平行光線10L)が光透過部130において焦点を結ぶので、第1金属配線111および第2金属配線112の格子形状による回折の影響を排除することができる。これにより、ディスプレイパネル101を透過する透過像10Aがボケることを抑制することができる。したがって、ディスプレイパネル101に低抵抗の金属配線を用いることができるので、高精細で大きな表示像を表示することができる透明ディスプレイ装置を実現することができる。
【0065】
しかも、本実施の形態において、第2光学素子142の外側には、第3光学素子143が設けられている。これにより、観察者20は、ディスプレイパネル101を透過する透過像10Aを正像(反射物体10と同じ向きの像)で視認することができる。また、本実施の形態では、第1光学素子141、第2光学素子142および第3光学素子143を同じ有効径のレンズとしているので、観察者20は、反射物体10と同サイズの透過像10Aを見ることができる。
【0066】
さらに、本実施の形態では、第1光学素子141、第2光学素子142および第3光学素子143は、光透過部130を覆う球レンズによって構成されており、1個当たりのレンズの直径Dは、光透過部130の対角線Lの長さよりも大きくなるように構成されている。これにより、光透過部130の対角線Lの長さが小さく光透過領域が狭いような場合であっても、これらの光学素子によって背景からくる透過像10Aを集光することができるので、当該透過像10Aを明るくすることができる。また、光透過部130の対角線Lの長さを積極的に小さくして光透過領域を狭くすることによって、周辺部からの迷光が光学素子(球レンズ)に入らないため、透過像10Aがより鮮明に見えるようになる。
【0067】
(実施の形態1の変形例1)
次に、本発明の実施の形態1の変形例1に係る透明ディスプレイ装置1Aについて、図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態1の変形例1に係る透明ディスプレイ装置の拡大平面図である。
【0068】
図5に示す本変形例に係る透明ディスプレイ装置1Aが、図2Bに示す実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置1と異なる点は、表示素子の配置位置である。すなわち、上記の実施の形態1における表示素子120は、第1金属配線111と第2金属配線112との交差部上に配置されていたのに対して、図5に示すように、本変形例における表示素子120Aは、光透過部130の上に配置されている。
【0069】
本変形例において、表示素子120Aの大部分が光透過部130と重なるように配置されているが、一部は、第1金属配線111および第2金属配線112と重なるように配置されている。
【0070】
また、本変形例における表示素子120Aの構成は、図3および図4に示す実施の形態1の表示素子120の構成と同様であるが、本変形例では、第2の導電層123e(上部電極)だけではなく、第1の導電層123a(下部電極)も透明電極としている。
【0071】
以上、本変形例に係る透明ディスプレイ装置1Aによれば、実施の形態1と同様に、第1光学素子141および第2光学素子142が光透過部130を挟むように配置されているので、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。すなわち、ディスプレイパネル101を透過する透過像がボケることを抑制等することができる。
【0072】
さらに、本変形例では、有機EL素子123の発光層123cが光透過部130の上に配置されており、また、発光層123cを挟む第1の導電層123aおよび第2の導電層123eはいずれも透明電極としている。これにより、発光層123cの上下方向のいずれにも光を反射する物体が存在しないので、発光層123cの光は、ディスプレイパネル101の表側および裏側の両方の面側に進行する。したがって、ディスプレイパネル101の表側および裏側の両方の面に表示像を表示することができるので、両面表示をすることができる透明ディスプレイ装置を実現することができる。
【0073】
(実施の形態1の変形例2)
次に、本発明の実施の形態1の変形例2に係る透明ディスプレイ装置1Bについて、図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る透明ディスプレイ装置のディスプレイパネルにおける表示素子の構成を示す断面図である。
【0074】
本変形例に係る透明ディスプレイ装置1Bが、実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置1と異なる点は、表示素子の構成である。すなわち、上記の実施の形態1における表示素子120は、有機EL素子によって構成されていたのに対して、本変形例における表示素子120Bは、無機EL素子によって構成されている。
【0075】
図6は、無機EL素子の基本的な構造の一例を示したものである。図6に示すように、本変形例における表示素子120Bは、基板151上に、第1の電極152と、第1の絶縁層153と、発光層154と、第2の絶縁層155と、第2の電極156がこの順で積層されて構成されている。発光層154は、ZnS、CdS、ZnSe等の無機EL材料からなる蛍光体によって構成されている。
【0076】
このように構成された表示素子120Bにおいて、第1の電極152と第2の電極156との間に1,000,000V/cm程度の交流電圧を印加すると、高電界で加速された電子が発光層154内の蛍光体の発光中心を衝突励起し、それらが緩和する際に発光を生じる。第1の絶縁層153および第2の絶縁層155は、発光層154内に流れる電流を制限する機能を有し、無機ELの絶縁破壊を抑えることが可能であり、かつ、安定な発光特性を得られるように作用する。また、第1の電極152および第2の電極156は、それぞれ図2Aおよび図2Bにおける第1金属配線111および第2金属配線112に接続されている。
【0077】
以上、本変形例に係る透明ディスプレイ装置1Bによれば、表示素子120Bとして無機EL素子を用いた場合であっても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。すなわち、ディスプレイパネル101を透過する透過像がボケることを抑制等することができる。
【0078】
なお、図6に示す表示素子120Bの構成は一例であって、これに限定されるものでなく、その他、無機EL素子として公知の層構成を適宜用いることができる。
【0079】
(実施の形態1の変形例3)
次に、本発明の実施の形態1の変形例3に係る透明ディスプレイ装置1Cについて、図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態1の変形例3に係る透明ディスプレイ装置の拡大平面図である。
【0080】
図7に示す本変形例に係る透明ディスプレイ装置1Cが図2Bに示す実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置1と異なる点は、表示素子の構成である。すなわち、上記の実施の形態1における表示素子120は、自発光型の表示素子であったのに対して、図7に示すように、本変形例における表示素子120Cは、非発光型の表示素子である。
【0081】
本変形例において、非発光型の表示素子120Cは、液晶表示素子とカラーフィルタとによって構成されている。また、表示素子120Cは、光透過部130の上に配置されている。
【0082】
以上、本変形例に係る透明ディスプレイ装置1Cによれば、実施の形態1と同様に、第1光学素子141および第2光学素子142が光透過部130を挟むように配置されているので、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。すなわち、ディスプレイパネル101を透過する透過像がボケることを抑制等することができる。
【0083】
さらに、本変形例では、液晶表示素子によって構成された表示素子120Cが光透過部130の上に配置されているので、液晶表示素子には、光透過部130を透過した後ろからの光を照射することができる。すなわち、光透過部130を透過する自然光を液晶表示素子のバックライトとして用いることができる。これにより、例えば、液晶表示素子がノーマリーブラック方式の場合は、液晶に電圧を印加するとき(ONのとき)に光が透過し、液晶に電圧を印加しないとき(OFFのとき)に光が遮断されるので、カラー表示を行うことができる。
【0084】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る透明ディスプレイ装置2について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態2に係る透明ディスプレイ装置の断面図である。
【0085】
図8に示す本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置2が、図2Bに示す実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置1と異なる点は、第1光学素子部201および第2光学素子部202の構成である。
【0086】
すなわち、上記の実施の形態1では、観察者20側(表示素子120が設けられた側)の第1光学素子部201には1つの光学素子(第1光学素子141)を設けて、背景側(反射物体10側)の第2光学素子部202には複数の光学素子(第2光学素子142、第3光学素子143)を設けていたのに対して、図8に示すように、本実施の形態では、観察者20側の第1光学素子部201には複数の光学素子を設けて、背景側の第2光学素子部202には1つの光学素子を設けている。
【0087】
具体的には、図8に示すように、第1光学素子部201は、ディスプレイパネル101の表側に配置された第1光学素子241および第3光学素子243の2つの光学素子によって構成されている。また、第2光学素子部202は、ディスプレイパネル101の裏側に配置された1つの第2光学素子242によって構成されている。
【0088】
第1光学素子241、第2光学素子242および第3光学素子243は、実施の形態1と同様に、正面視したときに、光透過部130と重なる位置に配置されるとともに、互いに重なる位置に一列配置されている。本実施の形態においても、第1光学素子241、第2光学素子242および第3光学素子243は、いずれも、所定の焦点を有し、入射した平行光線を収束させる機能を有する球レンズによって構成されている。そして、光透過部130に最も近い位置に配置される第1光学素子241および第2光学素子242は、いずれも焦点が光透過部130に位置するように構成されている。また、第3光学素子243は、焦点が第1光学素子241の焦点と一致するように構成されている。
【0089】
なお、本実施の形態においても、第1光学素子141、第2光学素子142および第3光学素子143は、正面視したときに、光透過部130を覆うように構成されている。
【0090】
以上、本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置2によれば、実施の形態1と同様に、第1光学素子241および第2光学素子242が光透過部130を挟むように配置され、いずれも焦点が光透過部130に位置するように構成されている。これにより、ディスプレイパネル101の一方の面から入射した平行光は、光透過部130において焦点を結び、ディスプレイパネル101の他方の面から出射する。
【0091】
さらに、本実施の形態では、第1光学素子241の外側に第3光学素子243が設けられている。この構成により、図8に示すように、ディスプレイパネル101の裏側に存在する反射物体10から反射された平行光線10Lは、第2光学素子242を通って、ディスプレイパネル101の光透過部130の位置で焦点を結んで、第1光学素子241および第3光学素子243を介してディスプレイパネル101の表側に到達する。これにより、ディスプレイパネル101の表側にいる観察者20は、ディスプレイパネル101の裏側からくる透過像10Aを視認することができる。
【0092】
このように、本実施の形態においても、ディスプレイパネル101を透過する透過像10A(平行光線10L)が光透過部130において焦点を結ぶので、第1金属配線111および第2金属配線112の格子形状による回折の影響を排除することができる。したがって、ディスプレイパネル101を透過する透過像10Aがボケることを抑制することができる。
【0093】
また、本実施の形態においても、第3光学素子243が設けられているので、観察者20は、ディスプレイパネル101を透過する透過像10Aを正像で視認することができる。
【0094】
さらに、本実施の形態においても、各光学素子は光透過部130を覆うように構成されているので、光透過部130の光透過領域が狭いような場合であっても、背景からくる透過像10Aを明るくすることができる。また、光透過部130の光透過領域を狭くすることによって、透過像10Aをより鮮明にすることができる。
【0095】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る透明ディスプレイ装置3について、図9を用いて説明する。図9は、本発明の実施の形態3に係る透明ディスプレイ装置の断面図である。
【0096】
図9に示す本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置3が、図2Bに示す実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置1と異なる点は、第1光学素子部201および第2光学素子部202の構成である。
【0097】
すなわち、上記の実施の形態1では、観察者20側の第1光学素子部201には1つの光学素子(第1光学素子141)を設けて、背景側の第2光学素子部202には複数の光学素子(第2光学素子142、第3光学素子143)を設けていたのに対して、図9に示すように、本実施の形態では、観察者20側の第1光学素子部201には、1つの光学素子(第1光学素子341)を光透過部130に近接して設けて、背景側の第2光学素子部202には3つの光学素子(第2光学素子342、第3光学素子343、第4光学素子344)を互いに接するように設けている。
【0098】
第1光学素子341、第2光学素子342、第3光学素子343および第4光学素子344は、実施の形態1と同様に、正面視したときに、光透過部130と重なる位置に配置されるとともに、互いに重なる位置に一列配置されている。本実施の形態においても、第1光学素子341、第2光学素子342、第3光学素子343および第4光学素子344は、いずれも、所定の焦点を有し、入射した平行光線を収束させる機能を有する球状の球レンズによって構成されている。そして、光透過部130に最も近い位置に配置される第1光学素子341および第2光学素子342は、いずれも焦点が光透過部130に位置するように構成されている。
【0099】
なお、本実施の形態においても、第1光学素子341、第2光学素子342、第3光学素子343および第4光学素子344は、正面視したときに、光透過部130を覆うように構成されている。
【0100】
以上、本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置3によれば、実施の形態1と同様に、第1光学素子341および第2光学素子342が光透過部130を挟むように配置され、いずれも焦点が光透過部130に位置するように構成されている。これにより、ディスプレイパネル101の一方の面から入射した平行光は、光透過部130において焦点を結び、ディスプレイパネル101の他方の面から出射する。
【0101】
また、本実施の形態では、第2光学素子342の外側に、第2光学素子342と接するように第3光学素子343が設けられ、さらに、第3光学素子343と接するように第4光学素子344が設けられている。この構成により、図9に示すように、ディスプレイパネル101の裏側に存在する反射物体10から反射された平行光線10Lは、第4光学素子344、第3光学素子343および第2光学素子342を通って、ディスプレイパネル101の光透過部130の位置で焦点を結んで、第1光学素子341を介してディスプレイパネル101の表側に到達する。これにより、ディスプレイパネル101の表側にいる観察者20は、ディスプレイパネル101の裏側からくる透過像10Aを視認することができる。
【0102】
このように、本実施の形態においても、ディスプレイパネル101を透過する透過像10A(平行光線10L)が光透過部130において焦点を結ぶので、第1金属配線111および第2金属配線112の格子形状による回折の影響を排除することができる。したがって、ディスプレイパネル101を透過する透過像10Aがボケることを抑制することができる。
【0103】
また、本実施の形態においても、第4光学素子344が設けられているので、観察者20は、ディスプレイパネル101を透過する透過像10Aを正像で視認することができる。
【0104】
さらに、本実施の形態においても、各光学素子は光透過部130を覆うように構成されているので、光透過部130の光透過領域が狭いような場合であっても、背景からくる透過像10Aを明るくすることができる。また、光透過部130の光透過領域を狭くすることによって、透過像10Aをより鮮明にすることができる。
【0105】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係る透明ディスプレイ装置4について、図10を用いて説明する。図10は、本発明の実施の形態4に係る透明ディスプレイ装置の断面図である。
【0106】
図10に示す本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置4が、図2Bに示す実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置1と異なる点は、第1光学素子および第3光学素子の構成である。
【0107】
すなわち、上記の実施の形態1では、第1光学素子141および第3光学素子143は、球状の球レンズによって構成されていたのに対して、本実施の形態では、外部側の第1光学素子441および第3光学素子443がフレネルレンズによって構成されている。
【0108】
第1光学素子441、第2光学素子142および第3光学素子443は、実施の形態1と同様に、正面視したときに、光透過部130と重なる位置に配置されるとともに、互いに重なる位置に一列配置されている。また、本実施の形態においても、光透過部130に最も近い位置に配置される第1光学素子441および第2光学素子142は、いずれも焦点が光透過部130に位置するように構成されている。
【0109】
なお、本実施の形態においても、第1光学素子441、第2光学素子142および第3光学素子443は、正面視したときに、光透過部130を覆うように構成されている。
【0110】
以上、本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置4によれば、実施の形態1と同様に、第1光学素子141および第2光学素子142が光透過部130を挟むように配置されているので、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。すなわち、ディスプレイパネル101を透過する透過像10Aがボケることを抑制等することができる。
【0111】
さらに、本実施の形態では、光学素子としてフルネルレンズを用いることによって、第1光学素子部201および第2光学素子部202の薄くすることができるので、透明ディスプレイ装置4全体を薄くすることができる。また、本実施の形態では、表面の光学素子をフレネルレンズとしている。これにより、透明ディスプレイ装置4の表面を容易に平面化することができる。
【0112】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5に係る透明ディスプレイ装置5について、図11Aおよび図11Bを用いて説明する。図11Aは、本発明の実施の形態5に係る透明ディスプレイ装置の拡大平面図であり、図11Bは、図11AのA−A’線における同透明ディスプレイ装置の断面図である。
【0113】
図11Aおよび図11Bに示すように、本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置5は、図2Aおよび図2Bに示す実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置1に対して、第1光学素子141に遮光膜500が形成されたものである。
【0114】
図11Aおよび図11Bに示すように、本実施の形態では、第1光学素子141におけるディスプレイパネル101側の表面部分に、所定形状の遮光膜500が塗布形成されている。すなわち、遮光膜500は、第1光学素子141の光透過部130側の面に形成されている。
【0115】
遮光膜500は、表示素子120から第1光学素子141に進入する光については遮光しつつ、かつ、透過像10Aについては遮光しないように形成されている。遮光膜500としては、樹脂ブラック材料等の遮光材料を用いることができる。
【0116】
以上、本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置5によれば、実施の形態1と同様に、第1光学素子141および第2光学素子142が光透過部130を挟むように配置されているので、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。すなわち、ディスプレイパネル101を透過する透過像10Aがボケることを抑制等することができる。
【0117】
さらに、本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置5によれば、実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置1に対して、以下の作用効果を奏することができる。
【0118】
ここで、表示素子120からの光によってディスプレイパネル101には表示像が表示されるので、観察者20は表示素子120による表示像を視認することができる。一方、光透過部130からは反射物体10の透過像10Aが透過して第1光学素子141を通って観察者20に到達するので、観察者20は透過像10Aも視認することができる。つまり、観察者20の眼には、表示像の映像の光と、透過像10Aの映像の光とが入射される。
【0119】
しかしながら、図2Bに示すように、実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置1では、第1光学素子141には、透過像10Aの光だけではなく、表示素子120における表示像の光が迷光として入射する。
【0120】
これに対して、本実施の形態では、第1光学素子141に上記の遮光膜500が形成されている。これにより、第1光学素子141に入射する光のうち表示像の光は遮光膜500によって遮光され、第1光学素子141には透過像10Aの光のみが入射する。すなわち、反射物体10の光以外の迷光が第1光学素子141に入射することができない。
【0121】
このように、本実施の形態では、遮光膜500によって表示像の光と透過像10Aの光とが分離され、透過像10Aの光のみを選択的に第1光学素子141に入射させることができる。したがって、透過像10Aを鮮明に再現することができるので、観察者20は、表示像および透過像の両方を鮮明に視認することができる。
【0122】
(実施の形態5の変形例)
次に、本発明の実施の形態5の変形例に係る透明ディスプレイ装置5Aについて、図12Aおよび図12Bを用いて説明する。図12Aは、本発明の実施の形態5の変形例に係る透明ディスプレイ装置の拡大平面図であり、図12Bは、図12AのA−A’線における同透明ディスプレイ装置の断面図である。
【0123】
本変形例に係る透明ディスプレイ装置5Aが、実施の形態5に係る透明ディスプレイ装置5と異なる点は、遮光膜の位置である。すなわち、上記の実施の形態5では、第1光学素子部201(第1光学素子141)に遮光膜500を形成していたのに対して、本変形例では、ディスプレイパネル101に遮光膜500Aを形成している。
【0124】
図12Aおよび図12Bに示すように、本変形例では、表示素子120の表面(光出射側面)に所定形状の遮光膜500Aが塗布形成されている。本変形例においても、遮光膜500Aは、表示素子120から第1光学素子141に進入する光については遮光しつつ、かつ、透過像10Aについては遮光しないように形成されている。また、遮光膜500Aとしては、樹脂ブラック材料等の遮光材料を用いることができる。
【0125】
以上、本変形例に係る透明ディスプレイ装置5Aによれば、実施の形態1と同様に、第1光学素子141および第2光学素子142が光透過部130を挟むように配置されているので、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。すなわち、ディスプレイパネル101を透過する透過像10Aがボケることを抑制等することができる。
【0126】
さらに、本変形例に係る透明ディスプレイ装置5Aによれば、実施の形態5と同様に、表示素子120に遮光膜500Aが形成されているので、第1光学素子141に入射する光のうち表示素子120の表示像の光は遮光膜500Aによって遮光され、第1光学素子141には透過像10Aの光のみが入射する。したがって、透過像10Aを鮮明に再現することができるので、観察者20は、表示像および透過像の両方を鮮明に視認することができる。
【0127】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6に係る透明ディスプレイ装置6について、図13Aおよび図13Bを用いて説明する。図13Aは、本発明の実施の形態6に係る透明ディスプレイ装置の拡大平面図であり、図13Bは、図13AのA−A’線における同透明ディスプレイ装置の断面図である。
【0128】
図13Aおよび図13Bに示すように、本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置6は、図2Aおよび図2Bに示す実施の形態1に係る透明ディスプレイ装置1に対して、表示素子120の前面側に凸レンズ600が配置されたものである。凸レンズ600は、表示素子120から放射される光を集光するように構成されている。なお、本実施の形態において、凸レンズ600の直径は、約48μmとしている。
【0129】
また、本実施の形態では、実施の形態1に対して、第1金属配線111および第2金属配線112が幅広に形成されている。なお、本実施の形態において、第1金属配線111および第2金属配線112の線幅は、いずれも約60μmとしている。また、各表示素子120の平面視形状(正面視形状)は、縦が30μm、横が30μmの矩形状としている。さらに、各光透過部130の平面視形状は、一辺が20μmの正方形としている。
【0130】
また、本実施の形態においても、第1光学素子141、第2光学素子142および第3光学素子143は、正面視したときに、光透過部130を覆うように構成されており、各球レンズの直径Dは、光透過部130の対角線Lの長さよりも大きくなるように構成されている。なお、本実施の形態において、各球レンズの直径Dは、約48μmとし、光透過部130の対角線Lは、約28μmとしている。
【0131】
以上、本実施の形態に係る透明ディスプレイ装置6によれば、実施の形態1と同様に、第1光学素子141および第2光学素子142が光透過部130を挟むように配置されているので、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。すなわち、ディスプレイパネル101を透過する透過像10Aがボケることを抑制等することができる。
【0132】
さらに、本実施の形態では、表示素子120の前面側に凸レンズ600が設けられているので、表示素子120からの放射光は凸レンズ600によって集光されてディスプレイパネル101の正面に出射される。これにより、第1光学素子141には、表示素子120における表示像の迷光が入射せず、透過像10Aの光のみが入射する。したがって、透過像10Aを鮮明に再現することができる。しかも、本実施の形態では、凸レンズ600によって表示像30の光が集光されるので、表示像30の輝度を向上させることができる。これにより、表示像30を鮮明に再現することができる。このように、本実施の形態では、凸レンズ600によって迷光を生じさせることなく表示像30の光と透過像10Aの光とが分離されるので、観察者20は、実施の形態5よりも、さらに表示像30および透過像10Aを鮮明に視認することができる。
【0133】
以上、本発明に係る透明ディスプレイ装置について、実施の形態および変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態および変形例に限定されるものではない。
【0134】
例えば、上記の実施の形態において、第1光学素子、第2光学素子および第3光学素子等は、光学素子ごとに分離して形成されて球レンズによって構成したが、これに限らない。第1光学素子、第2光学素子および第3光学素子等としては、図14Aおよび図14Bに示すように、一体成形された光学部材としても構わない。図14Aは、本発明の実施の形態の変形例に係る透明ディスプレイ装置における光学部材の一例を示す平面図である。図14Bは、図14AのB−B’線における同光学部材の断面図である。図14Aおよび図14Bに示すように、第1光学素子、第2光学素子および第3光学素子等を一体成形してレンズシート700として構成することができる。レンズシート700は、レンズ部701とシート部702とによって構成されている。レンズ部701は、上記の第1光学素子、第2光学素子および第3光学素子等の各光学素子と同様の機能を有する。シート部702は、レンズ部701を支持する基材である。このようなレンズシート700を用いることにより、ディスプレイパネル101と第1光学素子部201(第2光学素子部202)とを別々に作製することができる。また、レンズシート700を複数枚重ねて用いることによって、図2Bや図9に示す第2光学素子部202を容易に構成することができる。なお、レンズシート700の材料としては、エポキシなどの透明プラスチック系やシリコーン樹脂などの透明ゴム系を用いることができる。また、一体成形の方法としては、成形型を作製後に、加圧、加熱して液体化した後に固体化する方法などがある。
【0135】
また、上記の実施の形態において、第1光学素子、第2光学素子および第3光学素子等は、球レンズとしたが、これに限らない。第1光学素子、第2光学素子および第3光学素子等としては、凸レンズ等の同様の機能を有するその他の光学部材を用いることができる。なお、第1光学素子部201および第2光学素子部202における光学素子の数や配置等も上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0136】
また、上記の実施の形態1等においては、第1光学素子141および第2光学素子142の他に、第3光学素子143を用いたが、透過像が正像ではなく逆像でもよい場合には、第3光学素子143を設けなくてもよい。すなわち、光透過部130を挟むように配置された第1光学素子341および第2光学素子342の2つの光学素子のみによって構成することもできる。
【0137】
また、上記の実施の形態において、表示素子として有機EL素子を用いた場合には、下部電極である第1の導電層123aは反射電極としたが、これに限らない。例えば、第2の導電層123eとともに第1の導電層123aについてもITO等の透明材料によって構成することができる。これにより、ディスプレイパネル101の表側および裏側の両方の面に表示像を表示することができるので、両面表示をすることができる透明ディスプレイ装置を実現することができる。
【0138】
また、上記の実施の形態において、表示素子120の表示像は、単色表示像およびカラー表示像のいずれであっても構わない。カラー表示像とする場合、赤、緑、青の各発光色を示す蛍光体で色分けして発光層を成膜して、各色に対応する表示素子を設ければよい。この場合、赤、緑、青の各発光層を積層してもよい。あるいは、単一色、または、2色の発光層による表示素子を作製した後に、カラーフィルタまたは色変換フィルタを用いてカラー表示像を表示するように構成することもできる。
【0139】
その他、各実施の形態および変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態および変形例における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本発明に係る透明ディスプレイ装置は、透過像のボケを抑制することができるので、高精細で大きな表示像を表示することができる透明ディスプレイ装置等において有用である。
【符号の説明】
【0141】
1、1A、1B、1C、2、3、4、5、5A、6、1000 透明ディスプレイ装置
10 反射物体
10L 平行光線
10A 透過像
20 観察者
30 表示像
101 ディスプレイパネル
110 金属配線部
111 第1金属配線
112 第2金属配線
120、120A、120B、120C 表示素子
121 TFT基板
122 平坦化膜
122PX 画素
122GL 走査線
122DL データ線
122PL 電源供給線
122Dr 駆動用トランジスタ
122Sw スイッチ用トランジスタ
122C コンデンサ
123 有機EL素子
123a 第1の導電層
123b 正孔注入・輸送層
123c、154、1120 発光層
123d 電子注入・輸送層
123e 第2の導電層
130 光透過部
141、241、341、441 第1光学素子
142、242、342 第2光学素子
143、243、343、443 第3光学素子
201 第1光学素子部
202 第2光学素子部
151 基板
152 第1の電極
153 第1の絶縁層
155 第2の絶縁層
156 第2の電極
344 第4光学素子
500、500A 遮光膜
600 凸レンズ
700 レンズシート
701 レンズ部
702 シート部
1100 ELパネル
1111、1112 透明配線
1130、1140 透明基板
1200 液晶調光シート
1300 接着領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状に配置された複数の金属配線と、表示像を表示するための信号が前記金属配線から供給される表示素子と、隣り合う前記金属配線の間の領域に対応する複数の光透過部とを有するディスプレイパネルと、
前記ディスプレイパネルの表側および裏側のいずれか一方に設けられた第1光学素子と、
前記ディスプレイパネルの表側および裏側のいずれか他方に設けられた第2光学素子と、を備え、
前記第1光学素子および前記第2光学素子は、前記ディスプレイパネルの表側および裏側のいずれか一方から入射した平行光が、前記光透過部において焦点を結び、前記ディスプレイパネルの表側および裏側のいずれか他方から平行光として出射するように構成されている
透明ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記表示素子は、一対の電極と、前記一対の電極に挟まれた発光層とを含み、
前記発光層は、前記金属配線から供給される信号に応じて発光する
請求項1記載の透明ディスプレイ装置。
【請求項3】
前記発光層は、前記光透過部の上に配置されている
請求項2記載の透明ディスプレイ装置。
【請求項4】
前記発光層は、前記複数の金属配線が交差する交差部の上に配置されている
請求項2記載の透明ディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第1光学素子および前記第2光学素子は、前記光透過部を覆っている
請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明ディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第1光学素子および前記第2光学素子は、レンズであり、
前記光透過部の形状は、前記ディスプレイパネルの前記一方の面側または前記他方の面側から見たときに矩形状であり、
前記レンズの直径は、前記光透過部の対角線の長さよりも大きい
請求項5記載の透明ディスプレイ装置。
【請求項7】
前記第1光学素子または前記第2光学素子は、前記光透過部側の面に形成された遮光膜を有する
請求項5または6記載の透明ディスプレイ装置。
【請求項8】
さらに、前記表示素子部の前に配置された凸レンズを有する
請求項5〜7のいずれか1項に記載の透明ディスプレイ装置。
【請求項9】
さらに、前記第2光学素子と隣り合う第3光学素子を備え、
前記第1光学素子と、前記第2光学素子および前記第3光学素子とは、前記光透過部を挟んで一列配置されており、
前記第1光学素子、前記第2光学素子および前記第3光学素子は、球レンズによって構成されている、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明ディスプレイ装置。
【請求項10】
前記第1光学素子および前記第2光学素子の少なくともいずれか一方は、フレネルレンズである
請求項1〜9のいずれか1項に記載の透明ディスプレイ装置。
【請求項11】
前記第1光学素子および前記第2光学素子の各々は、一体成形されている
請求項1〜10のいずれか1項に記載の透明ディスプレイ装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【公開番号】特開2013−84477(P2013−84477A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224280(P2011−224280)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】