説明

透明圧電シート、それをぞれぞれ含有するフレーム付透明圧電シート、タッチパネルおよび電子機器

【課題】より広い有効面積、かつより高い精度でのタッチ圧の検出が可能であり、かつ製造コストが低い透明圧電シートを提供する。
【解決手段】有機重合体を含有し、主面全体が圧電性を有する四角形形状の透明圧電体膜10と、当該透明圧電体膜の第1主面の一部に積層された第1透明平板電極20とを有し、前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第1主面は、第1透明平板電極に覆われていない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明圧電シート、それをそれぞれ含有するタッチパネル、透明圧電シートおよび電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ等の表示装置の前面に入力装置であるタッチパネルを設置した表示および入力装置が実用化され、携帯電話機等の携帯機器および家庭電化製品の操作パネル等に用いられている。タッチパネルを用いた表示および入力装置は、ユーザーが画面上の表示を押すことで直感的に機器を操作する事を可能にする。
【0003】
これまでに実用化されているタッチパネルでは、ユーザーが押した位置(本明細書中、タッチ位置と称する場合がある)を検出できるのみであり、ユーザーが押した強さ(すなわち、押圧の高さ(強さ)。本明細書中、タッチ圧と称する場合がある)を検出する事はできなかった。一方、タッチパネルを用いた表示および入力装置において、タッチパネルは表示装置の前面に設置するので、表示装置の表示の視認性を高めるため、タッチパネルの透明性が高いことが求められる。
【0004】
押圧の強さを検出可能であり、かつ透明性を有する入力装置またはこれに類するものとして、例えば、特許文献1には、電子ペーパの部材として用いられる、圧電体と、前記圧電体の一方の側に設けられた第1の電極と、前記圧電体の他方の側に設けられた第2の電極とを有するタッチパネル部が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、タッチスクリーンに結合し、前記タッチスクリーンの各接触に対する位置座標の組を決定する第1センサシステムと、前記タッチスクリーンに結合し、第1タイプの物体により、前記タッチスクリーンの各接触を確認し、第2タイプの物体により、前記タッチスクリーンの各接触を無効にする、前記位置座標の組を決定する能力はない第2センサシステムとを含んでいるタッチスクリーンシステムが開示され、かつ第1センサシステムとして具体的には、LCDの視覚領域の外側に配置された力センサが開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、対向する一対の透明基板間に、圧電性を有する透明感圧層と、当該透明感圧層を介して対向配置される一対の透明導電膜層とが形成されていることを特徴とする透明圧電センサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−163619号公報
【特許文献2】特開2004−534974号公報
【特許文献3】特開2004−125571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らの研究によれば、タッチ圧検出用の透明圧電シートは、タッチ圧検出の有効面積を広くする観点からは、これに用いられる透明圧電体膜の主面全体が圧電性を有することが好ましく、一方、タッチ圧検出の精度を高くする観点からは、透明圧電体膜の2つ主面のできるだけ広い面積が一対の透明電極に覆われていることが好ましい。これにより、透明圧電シート上のより広い面積で、より高い精度でのタッチ圧の検出が可能になる。
【0009】
このようなタッチ圧検出用の透明圧電シートは、好ましくは、タッチ位置検出用のタッチパネルと組み合わせて使用される。この際、タッチ圧検出用の透明圧電シートは、平面視における大きさが、タッチ位置検出用のタッチパネルの大きさを超えないことが好ましく、一方、タッチ位置検出用のタッチパネルの検出有効領域の全領域においてタッチ圧を検出できることが望まれる。タッチ位置検出用のタッチパネルの面積における検出有効領域の面積の比率が高いことが、常に求められていることは一般に知られていることであるが、タッチ位置検出用のタッチパネルの検出有効領域の全領域においてタッチ圧を検出できるようにするには、必然的に、タッチ圧検出用の透明圧電シートに対して、タッチ位置検出用のタッチパネルよりも更に厳しい要求が課せられることになる。
【0010】
タッチ圧検出用の透明圧電シートの全面で、タッチ圧検出が可能であれば、このような要求に応えることができる。これを可能にするには、タッチ圧検出用の透明圧電シートの2つの主面の全面をそれぞれ透明電極で被覆すればよい。
【0011】
しかし、タッチ圧検出用の透明圧電シートは、取り扱い易さ等の観点から、その周辺部をフレームで覆うことが好ましい。
【0012】
この場合、タッチ圧検出用の透明圧電シートの全面で、タッチ圧検出が可能であると、透明圧電シートは、フレームによって加わる圧力を検出していまい、本来目的とするタッチ圧の検出が不可能になるか、あるいはその精度を著しく低下させる。
【0013】
また、タッチ圧検出用の透明圧電シートは、フレームに収納せずに、そのまま電子装置の部材として、開口部を有する筐体内に配置されて用いられる場合もある。この場合も、前記開口部を画定する筐体の内縁部がタッチ圧検出用の透明圧電シートに接触していると、フレームの場合と同様に、透明圧電シートは、内縁部によって加わる圧力を検出していまい、本来目的とするタッチ圧の検出が不可能になるか、あるいはその精度を著しく低下させる。
【0014】
これを解決する手段として、透明圧電体膜のフレームによって覆わない部分にのみ、透明電極を積層することが考えられる。しかし、上述のように厳しい要求の中で、透明圧電体膜の両面のそれぞれにおいて、フレームによって覆わない部分のみ透明電極を積層するには、精密な位置あわせが要求され、連続的な生産が困難であり、製品コストを著しく上昇させる。
【0015】
なお、上述の公知のタッチパネルおよび圧電センサはいずれも、タッチ位置検出用のタッチパネルと組み合わせて使用することを目的とするものではないので、これらには、このような問題は無い。
【0016】
本発明は、より広い有効面積、かつより高い精度でのタッチ圧の検出が可能であり、かつ製造コストが低い透明圧電シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、透明圧電シートを
有機重合体を含有し、主面全体が圧電性を有する四角形形状の透明圧電体膜と、
当該透明圧電体膜の第1主面の一部に積層された第1透明平板電極と
を有し、
前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第1主面は、第1透明平板電極に覆われていないことを特徴とする
形態にすることで、タッチ圧検出の高い精度および広い有効面積ならびに低い製造コストを全て同時に成立させられることを見出し、更なる検討の結果、本発明を完成するに至った。
【0018】
本発明の第1観点に係る透明圧電シートは、
有機重合体を含有し、主面全体が圧電性を有する四角形形状の透明圧電体膜と、
当該透明圧電体膜の第1主面の一部に積層された第1透明平板電極と
を有し、
前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第1主面は、第1透明平板電極に覆われていない
ことを特徴とする。
【0019】
当該第1観点の透明圧電シートの要件では無いが、当該透明圧電シートを使用する際には、前記透明圧電体膜の第2主面に第2透明平板電極が積層または配置される。第1透明平板電極と第2透明平板電極とが対向する領域を押した場合、そのタッチ圧は電気信号(電圧信号)として、外部の検出回路に伝達される。
【0020】
本発明の第1観点に係る透明圧電シートの形態により、第2主面における、第1主面の第1透明平板電極に覆われていない部分に対応する部分が第2透明平板電極に覆われており、かつこの部分が更にフレームに覆われていても、この被覆部分におけるフレームによる圧力は、電気信号として検出回路に伝わらないので、タッチ圧の検出を妨げない。
【0021】
同様に、第1主面の第1透明平板電極に覆われている部分が更にフレームに覆われていても、この被覆部分に対応する第2主面における部分が第2透明平板電極に覆われていなければ、この被覆部分におけるフレームによる圧力は、電気信号として検出回路に伝わらないので、タッチ圧の検出を妨げない。
【0022】
このことにより、第1主面および第2主面のいずれか一方のみにおいて透明平板電極を積層または配置する位置を正確に制御しさえすれば、容易にタッチ圧検出の有効面積を、フレームの開口部とほぼ同じ面積(例えば、開口部の面積の70%以上100%未満、より好ましくは90%以上100%未満、更に好ましくは95%以上100%未満)まで拡大することができる。
【0023】
また、前記透明圧電体膜が有機重合体を含有することにより、本発明の第1観点に係る透明圧電シートは、ロール・ツー・ロールなどの大面積での製造が可能になるので、製造コストを下げることができる。また、前記透明圧電体膜が有機重合体を含有することにより、当該透明圧電シートは、可撓性を有する。これにより、当該透明圧電シートをタッチ位置検出用のタッチパネルに貼り合わせる際などに、当該透明圧電シートを曲げることが可能になり、貼り合わせを容易かつ正確に行うことができる。
【0024】
また、前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第1主面は、第1透明平板電極に覆われていないことを特徴とする。この第1透明平板電極に覆われていない辺およびその近傍に対応する第2主面における部分には、第2透明平板電極が存在することができる。ここで、「前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第1主面は、第1透明平板電極に覆われていないこと」は、すなわち、当該4辺のうち、1〜3辺およびその近傍は、第1透明平板電極に覆われていることと同じことになる。このことは、本発明の透明圧電シートのロール・ツー・ロールによる生産を容易にし、製造コストの低減に寄与する。これについては、発明の実施の形態でより具体的に説明する。
【0025】
本発明の第1観点に係る透明圧電シートは、更に、光を透過するので、タッチ位置検出用タッチパネル等への貼り付け時に、当該透明圧電シートを通して、タッチ位置検出用タッチパネル等を視認することができる。これにより、容易かつ正確な位置あわせが可能になる。
【0026】
これらのことは、第1観点の透明圧電シートを、上述のように電子装置の筐体内に配置して用いる場合も同様である。
【0027】
本発明の第2観点に係る透明圧電シートは、
有機重合体を含有し、主面全体が圧電性を有する四角形形状の透明圧電体膜と、
当該透明圧電体膜の第1主面の一部に積層された第1透明平板電極と
からなる第1観点に係る透明圧電シートであって、
上面の全部または一部に第2透明平板電極が設置されているデバイスの当該上面に、
平面視において、前記第1透明平板電極の輪郭と、前記第2透明平板電極の輪郭とが交叉し、かつ
平面視において、前記第1透明平板電極と前記第2透明平板電極との重複領域は、前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺およびその近傍には存在しないように設置されて用いられる
ことを特徴とする。
【0028】
当該透明圧電シートは、第2透明平板電極が設置されているデバイスの当該上面に設置して用いられる。
【0029】
本発明の第2観点に係る透明圧電シートは、第1観点に係る透明圧電シートと同じ効果を有する。特に、本発明の第2観点に係る透明圧電シートは、第1主面における第1透明平板電極の積層、および第2主面における第2透明平板電極の配置のいずれか一方のみにおいて位置を正確に制御しさえすれば、容易にタッチ圧検出の有効面積を、フレームの開口部とほぼ同じ面積(例えば、開口部の面積の70%以上100%未満、より好ましくは90%以上100%未満、更に好ましくは95%以上100%未満)まで拡大することができる。
【0030】
ここで第2主面における第2透明平板電極の配置の制御としては、デバイスの前記上面への第2透明平板電極の積層における制御や、本発明の第2観点に係る透明圧電シートの前記デバイス上面への配置における制御が挙げられる。
【0031】
特に、本発明の第2観点に係る透明圧電シートの前記デバイス上面へ配置する際、本発明の第2観点に係る透明圧電シートは、光を透過するので、当該透明圧電シートを通して、デバイス上面を視認することができる。これにより、容易かつ正確な位置あわせが可能になる。
【0032】
本発明の第3観点に係る透明圧電シートは、第1観点に係る透明圧電シートにおいて、
前記透明圧電体膜の第2主面の一部に積層された第3透明平板電極を更に有し、
前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第2主面は、第3透明平板電極に覆われておらず、
平面視において、前記第1透明平板電極の輪郭と、前記第3透明平板電極の輪郭とが交叉し、かつ
平面視において、前記第1透明平板電極と前記第3透明平板電極との重複領域は、前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺およびその近傍には存在しない
ことを特徴とする。
【0033】
本発明の第3観点に係る透明圧電シートは、第1観点に係る透明圧電シートと同じ効果を有する。特に、本発明の第2観点に係る透明圧電シートは、第1主面における第1透明平板電極の積層、および第2主面における第2透明平板電極の積層のいずれか一方のみにおいて位置を正確に制御しさえすれば、容易にタッチ圧検出の有効面積を、フレームの開口部とほぼ同じ面積(例えば、開口部の面積の70%以上100%未満、より好ましくは90%以上100%未満、更に好ましくは95%以上100%未満)まで拡大することができる。
【0034】
本発明の第4観点に係る透明圧電シートは、第1〜第3観点のいずれかに係る透明圧電シートにおいて、前記透明圧電体膜の厚さが1μm〜200μmである
ことを特徴とする。
【0035】
これにより、タッチ位置検出用タッチパネルのタッチ位置の検出の感度および精度を損なうことなく、高感度および高精度にタッチ圧を検出する機能を付与することができる。この厚さは、透明性の観点から好ましくは50μm以下であり、この厚さは、タッチ圧の検出感度の観点から好ましくは、20μm〜100μmである。
【0036】
本発明の第5観点に係る透明圧電シートは、第1観点に係る透明圧電シートにおいて、
前記有機重合体がフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、およびポリフッ化ビニリデンから選択される有機重合体である
ことを特徴とする。
【0037】
本発明の第6観点に係る透明圧電シートは、第1〜第5観点のいずれかに係る透明圧電シートにおいて、
前記辺およびその近傍は、当該辺から1mm〜30mm以内の領域である
ことを特徴とする。
【0038】
これにより、フレームの使用が可能になるとともに、タッチ圧検出の有効面積を、フレームの開口部とほぼ同じ面積(例えば、開口部の面積の70%以上100%未満、より好ましくは90%以上100%未満、更に好ましくは95%以上100%未満)まで拡大することができる。
【0039】
本発明の第7観点に係る透明圧電シートは、第1〜第6観点に係る透明圧電シートのいずれかにおいて、
第1透明平板電極と第2透明平板電極または第3透明平板電極との前記重複領域の面積は、前記透明圧電体膜の主面の面積に対し、70%以上である
ことを特徴とする。
【0040】
これにより、タッチ圧検出の有効面積を、フレームの開口部とほぼ同じ面積(例えば、開口部の面積の70%以上100%未満、より好ましくは90%以上100%未満、更に好ましくは95%以上100%未満)まで拡大することができる。
【0041】
本発明の第8観点に係る透明圧電シートは、第1〜第7観点のいずれか1項に記載の透明圧電シートにおいて、
タッチ圧検出用であることを特徴とする。
【0042】
本発明の第9観点に係る透明圧電シートは、第1〜第8観点のいずれか1項に記載の透明圧電シートにおいて、
タッチ位置検出用タッチパネルと組み合わせて用いられる
ことを特徴とする。
【0043】
当該透明圧電シートはタッチ圧を検出できるので、これにより、タッチ位置検出用タッチパネルに、タッチ圧を検出する機能を付与することができる。
【0044】
前記タッチ位置検出用タッチパネルは、通常、前記透明圧電シートのタッチ側の面またはタッチ側とは反対側の面のいずれかに配置される。
【0045】
この際、前記透明圧電シートの、タッチ位置検出用タッチパネル側の電極は、通常、タッチ位置検出用タッチパネルの電極と電気的に接しないように配置される。具体的には例えば、これらの電極間に、これらに隣接するように、透明な絶縁層が配置される。当該絶縁層は、好ましくは可撓性を有する。なお、当該絶縁層は、前記フレーム付透明圧電シートと、タッチ位置検出用タッチパネルとを接着させる、絶縁性の接着剤層であってもよい。または、例えば、表面に絶縁性の層を有するタッチ位置検出用タッチパネルを用いてもよい。本発明で用いられる他の絶縁層もまた、絶縁性の接着剤層であってもよい。
【0046】
但し、前記透明圧電シートの、タッチ位置検出用タッチパネル側の電極がグランド電極であり、かつ、タッチ位置検出用タッチパネルの、透明圧電シート側の電極もまたグランド電極である場合は、これらの2つの電極は接触していてもよい。
【0047】
本発明の第10観点に係る透明圧電シートは、第1〜第9観点のいずれか記載の透明圧電シートにおいて、
前記タッチ位置検出用タッチパネルが抵抗膜式もしくは静電容量式である
ことを特徴とする。
【0048】
当該透明圧電シートは、製造コストが低いという抵抗膜式タッチ位置検出用タッチパネルの有利な特性または多点検知が容易であるという静電容量式のタッチ位置検出用タッチパネルの有利な特性を損なうことなく、これらにタッチ圧を検出する機能を付与することができる。
【0049】
本発明の第11観点に係るフレーム付透明圧電シートは、
第1〜第10観点のいずれかに係る透明圧電シートと、
前記透明圧電体膜の周縁部を覆い、かつ
平面視において、前記重複領域と重複しないフレームとを有する
ことを特徴とする。
【0050】
これによって、取り扱いが容易になる一方で、フレームによって加えられる圧力によってタッチ圧検出が妨げられることがない。
【0051】
本発明の第12観点に係るフレーム付透明圧電シートは、第11観点に係るフレーム付透明圧電シートにおいて、
表面上に設けられた粘着部を更に含む
ことを特徴とする。
【0052】
これにより、タッチ位置検出用タッチパネル等の任意の物体に貼付して用いることができ、その表面にタッチ圧を検出する機能を付与することができる。
【0053】
ここで、当該粘着部は、例えば、フレーム表面上に設けることができる。
【0054】
また、当該粘着部は、使用時に使用者から見えない位置に設けられていることが好ましい。
【0055】
本発明の第13観点に係るタッチ位置検出用タッチパネルは、
第12観点に係るフレーム付透明圧電シートが、前記粘着部によって貼付されている
ことを特徴とする。
【0056】
本発明の第14観点に係るディスプレイ装置は、
第12観点に係るフレーム付透明圧電シートが、前記粘着部によって貼付されている
ことを特徴とする。
【0057】
本発明の第15観点に係るタッチパネルは、
第1〜第10観点のいずれかに係る透明圧電シートと、
当該透明圧電シートの一方の面上に配置されたタッチ位置検出用タッチパネルと、
前記透明圧電シートの周縁部および前記タッチ位置検出用タッチパネルの周縁部を覆うフレームとを有する
ことを特徴とする。
【0058】
当該タッチパネルは、タッチの圧および位置の両方を検出することができ、更に、本発明の第1〜第10観点の透明圧電シートのそれぞれの効果に起因する効果を有する。
【0059】
本発明の第16観点に係る電子装置は、
第1〜第10観点のいずれかに係る透明圧電シートと、
当該透明圧電シートを内部に配置する筐体とを有し、
前記筐体は、開口部を有し、当該開口部を画定する内縁部が、前記透明圧電シートを額縁状に覆って接触し、かつ、平面視において、当該接触の領域が前記重複領域と重複しない。
【0060】
当該電子機器は、本発明の第1〜第10観点の透明圧電シートのそれぞれの効果に起因する効果を有する。特に、当該電子機器は、前記筐体の内縁部によって透明圧電シートに加わる圧力に影響を受けることなく、本来目的とするタッチ圧の検出し、それに基づいて作動させることが可能である。
【0061】
本発明の第17観点に係る電子装置は、第16観点に係る電子装置において、
前記透明圧電シートのタッチ側とは反対側の面に接して配置されたタッチ位置検出用タッチパネルを更に有する
ことを特徴とする。
【0062】
本発明の第18観点に係る電子装置は、第16または第17観点に係る電子装置において、
第1透明平板電極および第2透明平板電極のうちのタッチ側とは反対側の透明平板電極がグランド電極である
ことを特徴とする。
【0063】
これにより、出力電圧のノイズを軽減することができる。
【0064】
本発明の第19観点に係るタッチパネルは、第18観点に係るタッチパネルにおいて、
前記タッチ側とは反対側の透明平板電極が、タッチ位置検出用タッチパネルのグランド電極を兼ねる
ことを特徴とする。
【0065】
これにより、当該タッチパネルの構造を簡略化し、製造コストを下げることができる。
【発明の効果】
【0066】
本発明の透明圧電シートおよびタッチパネルは、より広い有効面積で、より高い精度でのタッチ圧の検出が可能であり、かつ製造コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の透明圧電シートの一態様の構成を示す平面図である。
【図2】図2(a)は本発明の透明圧電シートの一態様の構成を示す平面図であり、図2(b)はその使用態様を説明する断面側面図である。
【図3】図3(a)は本発明の透明圧電シートの一態様の構成を示す平面図であり、図3(b)はその使用態様を説明する断面および側面図である。
【図4】本発明の透明圧電シートの製造方法を説明する平面図である。
【図5】図5(a)は本発明のフレーム付透明圧電シートの一態様の平面図であり、図5(b)はその使用態様を説明する断面側面図である。
【図6】図6(a)は本発明のタッチパネルの一態様の構成を示す平面図であり、図6(b)はその使用態様を説明する断面側面図である。
【図7】本発明の電子機器の一態様の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の電子機器の一態様の構成を示す斜視図である。
【図9】本発明のタッチパネルおよび電子機器の部分を説明する断面図である。
【図10】本発明のタッチパネルおよび電子機器の部分を説明する断面図である。
【図11】本発明のタッチパネルおよび電子機器の部分を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。理解し易さを優先するため、これらの図面は、各寸法の比を正確に表してはいない。また、以下で説明される構成要件が、全て、本発明に必須の構成要件であるということではない。なお、以下の図において同符号のものは同様の意味を表す。
【0069】
本明細書中、「辺およびその近傍」とは、特に記載の無い限り、好ましくは、辺から1mm〜30mm以内の領域である。
【0070】
本明細書中、「共重合体」なる用語は、特に限定の無い限り、ランダム共重合体、ブロック共重合体、およびグラフト共重合体等を包含することを意図して用いられる。
【0071】
本明細書中、「透明」なる用語は、光透過性を有すること、より具体的には、ASTM D1003に記載の方法に準じた方法で測定した全光線透過率が40%以上であることを意味する。
【0072】
<第1実施形態(透明圧電シート)>
まず、本実施形態の透明圧電シートの構成について説明する。
【0073】
透明圧電シート100は、
有機重合体を含有し、主面全体が圧電性を有する四角形形状の透明圧電体膜10と、
当該透明圧電体膜の第1主面の一部に積層された第1透明平板電極20と
を有し、
前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第1主面は、第1透明平板電極20に覆われていない。
【0074】
図1を参照して、透明圧電シートを説明する。
【0075】
図1に示されるように、透明圧電シート100は、透明圧電体膜10と、第1透明平板電極20とから構成されている。
【0076】
透明圧電体膜10は、有機重合体を含有し、主面全体が圧電性を有する四角形形状であり、第1透明平板電極20は、当該透明圧電体膜10の第1主面の全部ではなく、一部に積層されている。
【0077】
ここで、前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第1主面は、第1透明平板電極20に覆われていない。
【0078】
その具体的な態様の例を図1の(a)〜(d)に示す。図1の(a)の透明圧電体膜10は、その四角形形状の4辺のうち、1辺およびその近傍の第1主面が、第1透明平板電極20に覆われていない。図1の(b)および(c)の透明圧電体膜10は、その四角形形状の4辺のうち、2辺およびその近傍の第1主面が、第1透明平板電極20に覆われていない。図1の(d)の透明圧電体膜10は、その四角形形状の4辺のうち、3辺およびその近傍の第1主面が、第1透明平板電極20に覆われていない。
【0079】
生産性の観点からは、前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびそれらの近傍の第1主面が第1透明平板電極20に覆われていないこと、言い換えれば、前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびそれらの近傍の第1主面が第1透明平板電極20に覆われていることが好ましい。
【0080】
第1透明平板電極と第2透明平板電極または第3透明平板電極との前記重複領域の面積は、前記透明圧電体膜の主面の面積に対し、70%以上であることが好ましい。
【0081】
透明圧電体膜10は、有機重合体を含有し、圧電性および透明性を有するものであれば、特に限定されない。当該有機重合体としては、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンが挙げられる。透明圧電体膜10として特に好ましくは、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーから形成される膜が挙げられる。
【0082】
なかでも好ましくは、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体から形成される膜である。
【0083】
フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体における、フッ化ビニリデン:テトラフルオロエチレン(モル比)は、タッチ圧の検出感度に関係する圧電性の観点から、50:50〜90:10が好ましく、65:35〜80:20がより好ましい。
【0084】
フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体から形成される膜、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体から形成される膜、およびポリフッ化ビニリデンから形成される膜は、圧電性向上の観点から、延伸処理したものであってもよい。
【0085】
透明圧電体膜10は、その圧電性および透明性を害さない範囲で、樹脂フィルムに添加される添加剤を含有してもよい。
【0086】
透明圧電体膜10の厚さは、通常、1μm〜200μmであり、透明性の観点から好ましくは、50μm以下であり、タッチ圧の検出感度の観点から好ましくは、20μm〜100μmである。
【0087】
透明圧電体膜10は、単一膜であってもよく、複数の膜からなってもよい。
【0088】
第1透明平板電極20は、透明性を有するものであればよい。第1透明平板電極20としては、例えば、ITO(酸化インジウム・スズ)、および酸化スズ等の無機電極、ならびにチオフェン系導電性ポリマー、ポリアニリン、およびポリピロール等の導電性ポリマーから選択される電極を用いることができる。
【0089】
次に、本実施形態の透明圧電シートの製造方法について説明する。
【0090】
本実施形態の透明圧電シートは、例えば、下記の工程を含む製造方法1によって、製造することができる。
【0091】
<製造方法1>
(1)有機重合体を含有し、主面全体が圧電性を有する透明圧電体膜10を用意する工程
(2)透明圧電体膜10の第1主面の一部に第1透明平板電極20を積層する工程
工程(1)においては、上記のようなポリマーから慣用の用法で、透明膜を形成される。このような膜は、市販品にて入手してもよい。
【0092】
当該膜は、所望により、圧電性向上の観点から、延伸処理を行ってもよい。ここで、延伸は、一軸方向の3〜10倍延伸が好ましい。当該延伸処理は、慣用の方法によって行えばよい。
【0093】
当該膜への圧電性の付与の方法は、膜を構成するポリマーによっても異なるが、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、またはポリフッ化ビニリデン等から形成されるに圧電性を付与するには、分極処理(ポーリング処理とも称される。)を行えばよい。
【0094】
当該分極処理は、コロナ放電処理、または慣用の方法によって行うことができる。例えば、フィルムの両面から金属電極等で挟み込み、30〜400MV/mの直流電界、0.1秒〜60分間、の印加を実施する。
【0095】
工程(2)においては、透明圧電体膜10の第1主面の一部に第1透明平板電極20を積層する。第1透明平板電極20は、例えば、透明圧電体膜10の面上にスパッタ法または蒸着法などにより形成することにより、積層することができる。
【0096】
ここで、前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、所望する1〜3辺およびその近傍の第1主面が、第1透明平板電極20に覆われないように、第1透明平板電極20を積層する。
【0097】
透明圧電体膜10は、最終製品である透明圧電シートの大きさのものを用いてもよいが、製造コストを下げる観点からは長尺の透明圧電体膜(すなわち、透明圧電体膜10の一次元方向または二次元方向の連続体に相当する。)を用いて、これに多数の電極を積層し、これを工程(2)の後に切断してもよい。この場合、最終製品において、第1透明平板電極20が覆っている辺が切断線となるように、設計することが好ましい。この方法によれば、低い製造コストで本実施形態の透明圧電シートを得ることができる。
【0098】
次に、本実施形態の透明圧電シートの使用について説明する。
【0099】
透明圧電シート100は、
上面の全部または一部に第2透明平板電極30が設置されているデバイスの当該上面に、
図2に示すように、平面視において、前記第1透明平板電極20の輪郭と、前記第2透明平板電極30の輪郭とが交叉し、かつ
平面視において、前記第1透明平板電極と前記第2透明平板電極との重複領域は、前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺およびその近傍には存在しないように設置されて用いられる。なお、図2(a)は、第2透明平板電極30の背面側から見た平面図である。
【0100】
この前記第1透明平板電極20と前記第2透明平板電極30との重複領域を、図2(b)の矢印に示すように押すことによって生じた電気信号は、電線70を通じて検出回路300に伝わり、押圧(タッチ圧)が検出される。
【0101】
ここで、透明圧電シート100は、タッチ位置検出用タッチパネルと組み合わせて好適に用いることができる。
【0102】
タッチ位置検出用タッチパネルとしては、特に限定されず、従来使用されている、抵抗膜式、静電容量式、超音波式、および光学式等の任意の形式のタッチ位置検出用タッチパネルを用いることができる。
【0103】
透明圧電シート100は、可撓性を有するので、位置検出用タッチパネルが、透明圧電シート100のタッチ側とは反対側に位置する場合であっても、位置検出用タッチパネルは、透明圧電シート100と同時にタッチの圧力を受け、これによりタッチ位置を検出することができる。
【0104】
<第2実施形態(透明圧電シート)>
まず、本実施形態の透明圧電シートの構成について説明する。
【0105】
本実施形態の透明圧電シート101は、
有機重合体を含有し、主面全体が圧電性を有する四角形形状の透明圧電体膜10と、
当該透明圧電体膜10の第1主面の一部に積層された第1透明平板電極20と
を有し、
前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第1主面は、第1透明平板電極20に覆われておらず、
前記透明圧電体膜10の第2主面の一部に積層された第3透明平板電極31を有し、
前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第2主面は、第3透明平板電極31に覆われておらず、
平面視において、前記第1透明平板電極20の輪郭と、前記第3透明平板電極31の輪郭とが交叉し、かつ
平面視において、前記第1透明平板電極20と前記第3透明平板電極31との重複領域は、前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺およびその近傍には存在しない。
【0106】
図3を参照して、本実施形態の透明圧電シートを説明する。なお、図中の矢印は、タッチ方向を示す。
【0107】
図3に示されるように、本実施形態の透明圧電シート101は、1つの透明圧電体膜10と、1つの第1透明平板電極20と、1つの第3透明平板電極31とから構成されている。
【0108】
ここで、透明圧電体膜10、および第1透明平板電極20は、前記第1実施形態で説明したものと、同様の意味を表す。
【0109】
前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第2主面は、第3透明平板電極31に覆われていない。
【0110】
その具体的な態様の例は、図1の(a)〜(d)に示した第1透明平板電極20と同様である。
【0111】
前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびそれらの近傍の第2主面が第3透明平板電極31に覆われていないこと、言い換えれば、前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびそれらの近傍の第1主面が第3透明平板電極31に覆われていることにより、下記に説明するように、生産性を高めることが可能になる。
【0112】
第3透明平板電極31としては、第1透明平板電極20と同様の電極を用いることができる。
【0113】
平面視において、前記第1透明平板電極20の輪郭と、前記第3透明平板電極31の輪郭とが交叉する。すなわち、前記第1透明平板電極20の輪郭と、前記第3透明平板電極31の輪郭とは、一方が他方を包含する関係にはない。
【0114】
平面視において、前記第1透明平板電極20と前記第3透明平板電極31との重複領域は、前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺およびその近傍には存在しない。
【0115】
これは、具体的には、第3透明平板電極31が、図3に示すように、第1主面において第1透明平板電極20に覆われている辺および近傍に対応する第2主面の部分を覆わないように配置することで実現できる。
【0116】
このようにして、配置することで、前記透明圧電体膜10の4辺およびそれらの近傍は、いずれも、第1主面および第2主面の少なくとも一方においては、透明平板電極(第1透明平板電極20または前記第3透明平板電極31)に覆われていない。
【0117】
次に、本実施形態の透明圧電シートの製造方法について説明する。
【0118】
本実施形態の透明圧電シートは、例えば、下記の工程を含む製造方法2によって、製造することができる。
【0119】
<製造方法2>
(1)有機重合体を含有し、主面全体が圧電性を有する透明圧電体膜10を用意する工程
(2)透明圧電体膜10の第1主面の一部に第1透明平板電極20を積層する工程
(3)透明圧電体膜10の第2主面の一部に第3透明平板電極31を積層する工程
当該工程(1)および工程(2)は、製造方法1における工程(1)および工程(2)と同様に実施することができる。
【0120】
ここで、製造方法1と同様に、透明圧電体膜10は、最終製品である透明圧電シートの大きさのものを用いてもよく、一方、長尺のものを用いて、工程(2)の前に適当な大きさに切断するか、または長尺の透明圧電体膜に多数の電極を積層し、これを工程(2)の後に、切断してもよい。更に、別法として、また、これを工程(3)の後に切断してもよい。
【0121】
また、工程(3)は、第3透明平板電極31を前記のように配置することを除いては、工程(2)と同様に実施することができる。
【0122】
すなわち、前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、所望する1〜3辺およびその近傍の第1主面が、第3透明平板電極31に覆われないようにするとともに、第1主面において第1透明平板電極20に覆われている辺および近傍に対応する第2主面の部分を覆わないようにして、第3透明平板電極31を積層する。
【0123】
透明圧電体膜10は、最終製品である透明圧電シートの大きさのものを用いてもよいが、製造コストを下げる観点からは長尺の透明圧電体膜10a(すなわち、透明圧電体膜10の一次元方向または二次元方向の連続体に相当する。)を用いて、これに多数の電極を積層し、これを工程(2)の後に切断してもよい。この場合、図4に示すように、最終製品において、第1透明平板電極20および第3透明平板電極31がそれぞれ覆っている辺が切断線となるように、設計して、第1透明平板電極20aおよび第3透明平板電極31aを配置することが好ましい。この方法によれば、低い製造コストで本実施形態の透明圧電シートを得ることができる。図4における破線は、長尺の透明圧電体膜10aの輪郭を表す。ここで、第1透明平板電極20aおよび第3透明平板電極31aは、上方向および下方向にも同様に繰り返して存在しているが、図4では、記載を省略している。図4における点線で切断することにより、透明圧電体膜10a、第1透明平板電極20a、および第3透明平板電極31aから、それぞれ、透明圧電体膜10、第1透明平板電極20、および第3透明平板電極31が生じる。これによって、図4に実際に示した部分からは、図3(a)に示した透明圧電シートが8枚得られる。
【0124】
次に、本実施形態の透明圧電シートの使用について説明する。
【0125】
第1透明平板電極20と前記第3透明平板電極31との重複領域を、図3(b)の矢印に示すように押すことによって生じた電気信号は、電線70を通じて検出回路300に伝わり、押圧(タッチ圧)が検出される。
【0126】
また、上述のように、前記透明圧電体膜10の4辺およびそれらの近傍は、いずれも、第1主面および第2主面の少なくとも一方においては、透明平板電極(第1透明平板電極20または前記第3透明平板電極31)に覆われていない。
【0127】
したがって、この前記透明圧電体膜10の4辺およびそれらの近傍のみをフレームが覆うように、フレームを配置することで、フレームが、前記第1透明平板電極20と前記第3透明平板電極31との重複領域に重複しないようにすることができるので、本実施態様の透明圧電シートは、フレームによって加えられる圧力によってタッチ圧検出が妨げられることなく、フレームに収容して使用することが可能である。
【0128】
ここで、透明圧電シート101は、タッチ位置検出用タッチパネルと組み合わせて好適に用いることができる。
【0129】
タッチ位置検出用タッチパネルとしては、特に限定されず、従来使用されている、抵抗膜式、静電容量式、超音波式、および光学式等の任意の形式のタッチ位置検出用タッチパネルを用いることができる。
【0130】
透明圧電シート101は、可撓性を有するので、位置検出用タッチパネルが、透明圧電シート101のタッチ側とは反対側に位置する場合であっても、位置検出用タッチパネルは、透明圧電シート101と同時にタッチの圧力を受け、これによりタッチ位置を検出することができる。
【0131】
<第3実施形態(フレーム付透明圧電シート)>
まず、本実施形態の透明圧電シートの構成について説明する。
【0132】
本実施形態のフレーム付透明圧電シートは、
有機重合体を含有し、主面全体が圧電性を有する四角形形状の透明圧電体膜10と、
当該透明圧電体膜の第1主面の一部に積層された第1透明平板電極20と、
前記透明圧電体膜の第2主面の一部に積層された第3透明平板電極31と
を備える透明圧電シート101と、
前記透明圧電体膜の周縁部を覆うフレーム40と
を有する。
【0133】
前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第1主面は、第1透明平板電極20に覆われておらず、かつ
前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第2主面は、第3透明平板電極31に覆われていない。
【0134】
また、平面視において、前記第1透明平板電極20の輪郭と、前記第3透明平板電極31の輪郭とが交叉し、かつ
平面視において、前記第1透明平板電極20と前記第3透明平板電極31との重複領域は、前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺およびその近傍には存在せず、
前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺を覆っている。
【0135】
フレーム40は、平面視において、前記重複領域と重複していない。
【0136】
図5を参照して、本実施形態のフレーム付透明圧電シートを説明する。なお、図中の矢印は、タッチ方向を示す。
【0137】
図5に示されるように、本実施形態のフレーム付透明圧電シートは、透明圧電体膜10と、第1透明平板電極20と、第3透明平板電極31と、フレーム40から構成されている。
【0138】
ここで、透明圧電体膜10、第1透明平板電極20、および第3透明平板電極31は、前記第2実施形態で説明したものと、同様の意味を表す。
【0139】
すなわち、本実施形態のフレーム付透明圧電シートは、第2実施形態の透明圧電シート101をフレーム40に収容したものに相当する。
【0140】
フレーム40は、第2実施形態の透明圧電シートの形態に応じて、前記第1透明平板電極20と前記第3透明平板電極31との重複領域に重複しない形状のものを用いる。
【0141】
フレーム40の材質は特に限定されないが、樹脂製のものが好ましい。
【0142】
フレーム40は、好ましくは、第1透明平板電極20と前記第3透明平板電極31とを検出回路300に繋ぐ2つの電線70をそれぞれ通すための2つの穴を有する。あるいは、フレームの一部を金属等の導電性材料で構成し、当該導電性部分に電線70を繋いでもよい。
【0143】
次に、図5(b)を参照して、本実施形態のフレーム付透明圧電シートの使用について説明する。
【0144】
図5(b)において、タッチ位置検出用タッチパネル200は、透明圧電シート101のタッチ側とは反対側の面に配置されている。タッチ位置検出用タッチパネル200は、絶縁層60を介して透明圧電シート101に接触している。
【0145】
透明圧電シート101は、粘着部50によって、タッチ位置検出用タッチパネル200の一方の面に貼付して用いることができる。
【0146】
第1透明平板電極20と前記第3透明平板電極31との重複領域を、図5(b)の矢印に示すように押すことによって生じた電気信号は、電線70を通じて検出回路300に伝わり、押圧(タッチ圧)が検出される。透明圧電シート101は、可撓性を有するので、絶縁層60を介して、タッチ位置検出用タッチパネル200もまた同時にタッチの圧力を受ける。これによってタッチ位置もまた、タッチ位置検出用タッチパネル200によって、検出される。
【0147】
また、これに換えて、透明圧電シート101は、粘着部50によって、ディスプレイ装置のディスプレイ面に貼付して用いることもできる。
【0148】
透明圧電シート101はタッチ圧を検出できるので、本実施態様のフレーム付透明圧電シートは、タッチ圧検出用に用いることができる。
【0149】
<第4実施形態(タッチパネル)>
まず、本実施形態のタッチパネルの構成について説明する。
【0150】
本実施形態のタッチパネルは、
透明圧電シート101と、
当該透明圧電シート101の一方の面上に配置されたタッチ位置検出用タッチパネル201と、
前記透明圧電シート101の周縁部および前記タッチ位置検出用タッチパネル201の周縁部を覆うフレーム41とを有する。
【0151】
透明圧電シート101は、有機重合体を含有し、
主面全体が圧電性を有する四角形形状の透明圧電体膜10と、
当該透明圧電体膜10の第1主面の一部に積層された第1透明平板電極20と
前記透明圧電体膜10の第2主面の一部に積層された第3透明平板電極31と
を有し、
前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第1主面は、第1透明平板電極20に覆われておらず、
前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第2主面は、第3透明平板電極31に覆われておらず、
平面視において、前記第1透明平板電極20の輪郭と、前記第3透明平板電極31の輪郭とが交叉し、かつ
平面視において、前記第1透明平板電極20と前記第3透明平板電極31との重複領域は、前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺およびその近傍には存在しない。
【0152】
図6を参照して、本実施形態のタッチパネルを説明する。なお、図中の矢印は、タッチ方向を示す。
【0153】
図6に示されるように、本実施形態のタッチパネルは、透明圧電シート101と、フレーム41と、絶縁層60と、タッチ位置検出用タッチパネル201とを備える。透明圧電シート101は、1個の透明圧電体膜10と、1個の第1透明平板電極20と、1個の第3透明平板電極31とを備える。
【0154】
ここで、透明圧電体膜10、第1透明平板電極20、および第3透明平板電極31は、それぞれ前記第1実施形態で説明したものと、同様の意味を表す。
【0155】
なお、図6(a)は、第1透明平板電極20の側から見た平面図である。
【0156】
図6(b)において、第1透明平板電極20は、透明圧電シート101のタッチ側の面に配置されており、かつ、グランド電極である。
【0157】
タッチ位置検出用タッチパネル201は、当該透明圧電シート101のタッチ側とは反対側の面に、絶縁層60を介して透明圧電シート101に接触するように配置されている。
【0158】
ここで、タッチ位置検出用タッチパネル201としては、特に限定されず、従来使用されている、抵抗膜式、静電容量式、超音波式、および光学式等の任意の形式のタッチ位置検出用タッチパネルを用いることができる。
【0159】
透明圧電シート101は、可撓性を有するので、図6(b)の矢印に示すように押すことによって生じた電気信号は、電線70を通じて検出回路300に伝わり、押圧(タッチ圧)が検出される。透明圧電シート101は、可撓性を有するので、タッチ位置検出用タッチパネル201もまた同時に絶縁層60を介してタッチの圧力を受ける。これによってタッチ位置もまた、タッチ位置検出用タッチパネル201によって、検出される。
【0160】
フレーム41は、前記透明圧電シート101およびの周縁部を額縁状に覆っている。図には示されていないが、電線70を通す穴が設けられている。あるいは、フレームの一部を金属等の導電性材料で構成し、当該導電性部分に電線70を繋いでもよい。
【0161】
なお、所望により、第1透明平板電極20および/または第3透明平板電極31の表面(特にタッチされる表面)は、これらを保護するために、ポリエチレンテレフタレートシート等の可撓性を有する樹脂シート等の保護層で覆われていてもよい。当該保護層は、絶縁層を兼ねていてもよい。
【0162】
透明圧電シート101はタッチ圧を検出できるので、本実施形態のタッチパネルは、タッチ圧およびタッチ位置検出用に用いることができる。
【0163】
<第5実施形態(電子装置)>
まず、本実施形態の電子装置の構成について説明する。
【0164】
本実施形態の電子装置は、
有機重合体を含有し、主面全体が圧電性を有する四角形形状の透明圧電体膜10と、
当該透明圧電体膜の第1主面の一部に積層された第1透明平板電極20と、
を有する透明圧電シート101と、
当該透明圧電シートを内部に配置する筐体42と
を有する。
【0165】
前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第1主面は、第1透明平板電極20に覆われておらず、
前記透明圧電体膜の第2主面の一部に積層された第3透明平板電極31を有し、
前記透明圧電体膜10の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第2主面は、第3透明平板電極31に覆われておらず、
平面視において、前記第1透明平板電極20の輪郭と、前記第3透明平板電極31の輪郭とが交叉し、かつ
平面視において、前記第1透明平板電極20と前記第3透明平板電極31との重複領域は、前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺およびその近傍には存在せず、
前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺を覆っている。
【0166】
前記筐体は、開口部42aを有し、当該開口部42aを画定する内縁部42bが、前記透明圧電シート101を額縁状に覆って接触し、かつ、平面視において、当該接触の領域が前記重複領域と重複してない。
【0167】
図7を参照して、本実施形態の電子機器を説明する。なお、図中の矢印は、タッチ方向を示す。
【0168】
図7に示されるように、本実施形態の電子機器は、透明圧電シート101と、筐体42と、絶縁層60と、タッチ位置検出用タッチパネル201と、表示装置400と、検出回路301から構成されている。図7では省略されているが、第1透明平板電極20と前記第3透明平板電極31とは、それぞれ電線で検出回路301に繋がれている。
【0169】
透明圧電シート101は、1個の透明圧電体膜10と、1個の第1透明平板電極20と、1個の第3透明平板電極31とからなる。
【0170】
第1透明平板電極20は、当該透明圧電体膜10の第1主面に配置されている。
【0171】
また、第3透明平板電極31は、当該透明圧電体膜10の第2主面に配置されている。
【0172】
ここで、透明圧電体膜10、第1透明平板電極20、第3透明平板電極31、絶縁層60、およびタッチ位置検出用タッチパネル201は、前記第4実施形態(タッチパネル)で説明したものと、同様の意味を表す。図7に示されるように、タッチ位置検出用タッチパネル201は、前記透明圧電シート101のタッチ側とは反対側の面に、絶縁層60を介して透明圧電シート101に接触するように配置されている。
【0173】
すなわち、本実施形態の電子機器は、第2実施形態における透明圧電シート101とタッチ位置検出用タッチパネル201を電子装置の部材として用いたものに相当する。
【0174】
第1透明平板電極20は、透明圧電シート101のタッチ側の面に配置されており、かつ、グランド電極である。
【0175】
なお、所望により、第1透明平板電極20および/または第3透明平板電極31の表面(特にタッチされる表面)は、これらを保護するために、ポリエチレンテレフタレートシート等の可撓性を有する樹脂シート等の保護層で覆われていてもよい。当該保護層は、絶縁層を兼ねていてもよい。
【0176】
筐体42は、開口部42aおよび、前記開口部42aを画定する内縁部42bを有する。
【0177】
表示装置400によって表示された画像に応じた所定位置の第1透明平板電極20と前記第3透明平板電極31との重複領域を、図7の矢印に示すように押すことによって生じた電気信号は、前記電線を通じて検出回路301に伝わり、押圧(タッチ圧)が検出される。および、透明圧電シート101は、可撓性を有するので、絶縁層60を介して、タッチ位置検出用タッチパネル201もまた同時にタッチの圧力を受ける。これによってタッチ位置もまた、タッチ位置検出用タッチパネル201によって、検出され、それに基づいて、予め設定されたように作動する。上記の説明からも明らかなように、このようなタッチによる当該電子機器の操作は、開口部42aにおいて行われる。
【0178】
このような電子装置としては、それぞれタッチパネルを備えた操作部を有する、携帯電話機、ラップトップ型コンピュータ、コンピューター用モニター等が挙げられる。
【0179】
図8に、このような電子装置が携帯電話機である場合の概略図を示す。当該携帯電話機は、開口部43a、および開口部43aを画定する内縁部43bを有する筐体43を有する。図示されていないが、透明圧電シート101は、内縁部43bに額縁状に覆われるように配置されている。
【0180】
以上、本発明を説明してきたが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、他の種々の更なる変形例が可能であることは言うまでもない。以下に、その変形例のいくつかを具体的に説明する。
【0181】
<変形例1>
図9を参照して、本変形例のタッチパネル、および電子機器を説明する。
【0182】
第4実施形態(タッチパネル)、および第5実施形態(電子機器)では、タッチ位置検出用タッチパネル201は、透明圧電シート101のタッチ側とは反対側の面に配置されているが、図9に示すように、変形例1では、これとは逆に、透明圧電シート101のタッチ側の面に配置されている。
【0183】
タッチ位置検出用タッチパネル201は、透明圧電シート101に直接接触している。
【0184】
透明圧電シート101のタッチ側の面に配置されている第1透明平板電極20はグランド電極であり、タッチ位置検出用タッチパネル201のグランド電極を兼ねている。この構造上の簡略化によって、本変形例のタッチパネル、および電子機器は製造コストが低い。
【0185】
なお、本変形例のタッチパネル、および電子機器を説明する図9では、タッチ位置検出用タッチパネル201および透明圧電シート101のみを示すが、他の部分は、第4実施形態(タッチパネル)、および第5実施形態(電子機器)と同様である。
【0186】
図9の矢印に示すタッチの位置は、タッチ位置検出用タッチパネル201によって検出されるとともに、タッチ圧は、透明圧電シート101によって検出される。
【0187】
<変形例2>
図10を参照して、本変形例のタッチパネル、および電子機器を説明する。
【0188】
図10に示すように、変形例2と同様に、タッチ位置検出用タッチパネル201は、絶縁層60を介して、透明圧電シート101のタッチ側の面に配置されている。
【0189】
透明圧電シート101の第3透明平板電極31は、タッチ側とは反対側の面に配置されてあり、グランド電極である。このように、タッチ側とは反対側の面にグランド電極が配置されていることにより、本変形例のタッチパネル、および電子機器は、出力電圧のノイズが軽減されている。
【0190】
図10の矢印に示すタッチの位置は、タッチ位置検出用タッチパネル201によって検出されるとともに、タッチ圧は、透明圧電シート101によって検出される。
【0191】
<変形例3>
図11を参照して、本変形例のタッチパネル、および電子機器を説明する。
【0192】
図11に示すように、タッチ位置検出用タッチパネル201は、透明圧電シート101のタッチ側とは反対側の面に配置されている。
【0193】
透明圧電シート101の第3透明平板電極31は、タッチ側とは反対側に配置されてあり、グランド電極である。
【0194】
一方、透明圧電シート101のタッチ側の面には、絶縁層60を介してグランド電極80が配置されている。
【0195】
このように、透明圧電シート101の両方の主面にグランド電極が配置されていることにより、本変形例のタッチパネル、および電子機器は、出力電圧のノイズが特に軽減されている。
【0196】
図11の矢印に示すタッチの圧力は、透明圧電シート101によって検出されるとともに、タッチ位置は、タッチ位置検出用タッチパネル201によって検出される。
【産業上の利用可能性】
【0197】
本発明の透明圧電シートは、タッチパネル等に用いることができる。
【符号の説明】
【0198】
10 透明圧電体膜
10a 透明圧電体膜
20 第1透明平板電極
20a 第1透明平板電極
30 第2透明平板電極
31 第3透明平板電極
31a 第3透明平板電極
40 フレーム
41 フレーム
42 筐体
42a 開口部
42b 内縁部
43 筐体
43a 開口部
43b 内縁部
50 粘着部
60 絶縁層
70 電線
80 グランド電極
100 透明圧電シート
101 透明圧電シート
200 タッチ位置検出用タッチパネル
201 タッチ位置検出用タッチパネル
300 検出回路
301 検出回路
400 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機重合体を含有し、主面全体が圧電性を有する四角形形状の透明圧電体膜と、
当該透明圧電体膜の第1主面の一部に積層された第1透明平板電極と
を有し、
前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第1主面は、第1透明平板電極に覆われていない
ことを特徴とする透明圧電シート。
【請求項2】
有機重合体を含有し、主面全体が圧電性を有する四角形形状の透明圧電体膜と、
当該透明圧電体膜の第1主面の一部に積層された第1透明平板電極と
からなる請求項1に記載の透明圧電シートであって、
上面の全部または一部に第2透明平板電極が設置されているデバイスの当該上面に、
平面視において、前記第1透明平板電極の輪郭と、前記第2透明平板電極の輪郭とが交叉し、かつ
平面視において、前記第1透明平板電極と前記第2透明平板電極との重複領域は、前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺およびその近傍には存在しないように設置されて用いられることを特徴とする透明圧電シート。
【請求項3】
前記透明圧電体膜の第2主面の一部に積層された第3透明平板電極を更に有し、
前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺のうち、1〜3辺およびその近傍の第2主面は、第3透明平板電極に覆われておらず、
平面視において、前記第1透明平板電極の輪郭と、前記第3透明平板電極の輪郭とが交叉し、かつ
平面視において、前記第1透明平板電極と前記第3透明平板電極との重複領域は、前記透明圧電体膜の四角形形状の4辺およびその近傍には存在しない
ことを特徴とする請求項1に記載の透明圧電シート。
【請求項4】
前記透明圧電体膜の厚さが1μm〜200μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明圧電シート。
【請求項5】
前記有機重合体がフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、およびポリフッ化ビニリデンから選択される有機重合体であることを特徴とする請求項1に記載の透明圧電シート。
【請求項6】
前記辺およびその近傍は、当該辺から1mm〜30mm以内の領域であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明圧電シート。
【請求項7】
第1透明平板電極と第2透明平板電極または第3透明平板電極との前記重複領域の面積は、前記透明圧電体膜の主面の面積に対し、70%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明圧電シート。
【請求項8】
タッチ圧検出用であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明圧電シート。
【請求項9】
タッチ位置検出用タッチパネルと組み合わせて用いられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明圧電シート。
【請求項10】
前記タッチ位置検出用タッチパネルが抵抗膜式もしくは静電容量式であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の透明圧電シート。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の透明圧電シートと、
前記透明圧電体膜の周縁部を覆い、かつ
平面視において、前記重複領域と重複しない
フレームとを有する
ことを特徴とするフレーム付透明圧電シート。
【請求項12】
表面上に設けられた粘着部を更に含む請求項11に記載のフレーム付透明圧電シート。
【請求項13】
請求項12に記載のフレーム付透明圧電シートが、前記粘着部によって貼付されている、タッチ位置検出用タッチパネル。
【請求項14】
請求項12に記載のフレーム付透明圧電シートが、前記粘着部によって貼付されている、ディスプレイ装置。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の透明圧電シートと、
当該透明圧電シートの一方の面上に配置されたタッチ位置検出用タッチパネルと、
前記透明圧電シートの周縁部および前記タッチ位置検出用タッチパネルの周縁部を覆うフレームとを有する
ことを特徴とするタッチパネル。
【請求項16】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の透明圧電シートと、
当該透明圧電シートを内部に配置する筐体とを有し、
前記筐体は、開口部を有し、当該開口部を画定する内縁部が、前記透明圧電シートを額縁状に覆って接触し、かつ、平面視において、当該接触の領域が前記重複領域と重複しない
ことを特徴とする電子装置。
【請求項17】
前記透明圧電シートのタッチ側とは反対側の面に接して配置されたタッチ位置検出用タッチパネルを更に有する
ことを特徴とする請求項16に記載の電子装置。
【請求項18】
第1透明平板電極および第2透明平板電極のうちのタッチ側とは反対側の透明平板電極がグランド電極である請求項16または17に記載の電子装置。
【請求項19】
前記タッチ側とは反対側の透明平板電極が、タッチ位置検出用タッチパネルのグランド電極を兼ねる請求項18に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−221720(P2011−221720A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89064(P2010−89064)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【出願人】(502344178)株式会社イデアルスター (59)
【Fターム(参考)】