説明

透明基板上の方向付けされた像コーティング

【解決手段】本発明は、透明基板と、基板上の磁気的に方向付けされた像コーティングとを有するセキュリティ要素を開示する。像コーティングは好ましくは3次元的な効果を示すように配置され、表面又は裏面から観察されるときそれぞれ盛り上がったレリーフ又は凹んだレリーフとして現れる。書類をひっくり返していずれかの側の角度依存の像を観察するだけで、セキュリティ要素を裸眼で容易に特定できる。他方、書類をスキャンしたり複写することではセキュリティ要素を複製できない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重要書類及びID書類のためのセキュリティ要素に関連する。より詳しくは透明基板上の角度依存の像に関連する。好ましくは、角度依存の像は表面側又は裏面側から観察するときそれぞれ盛り上がったレリーフ又は凹んだレリーフに3次元的な効果を示す。
【背景技術】
【0002】
様々な型の光学可変の装置は、機密書類上及び重要書類上の効率的な反複写手段として使用される。これらの中で特に重要な光学可変の複写保護手段は光学可変性インク(OVI(R)(登録商標);欧州特許出願EP−A−0227423号)である。光学可変性インク(OVI(R))は、見る角度に依存する色(=色遷移)を呈する表面、及び/又は、証印(indicia)を印刷するために使用される。
【0003】
前記の反複写用インクは、光学可変性顔料(OVPTM(商標))を有する;好適な型は、米国特許4,705,300号と米国特許4,705,356号、米国特許4,721,271号及びこれに関連する開示に記述された、フレーク(flake:破片)状の薄膜光学干渉顔料である。
【0004】
印刷インク又はコーティング中の光学可変の磁性顔料は、対応する磁場を適用して磁気的に誘導された像、デザイン及び/又はパターンの生成を可能にし、コーティング中の光学可変の磁性顔料に方向付けを起こさせて、続いて光学可変の磁性顔料を乾燥/硬化する。その結果、光学可変のインク中に磁気的に誘導された像、デザイン又はパターンを固定する。印刷物自体は幾何的に平坦のままだが、それらの配置に依存して前記の像、パターン又はデザインは3次元の又はレリーフ類似の外観を有するものとして知覚される。
【0005】
同じ出願人の出願中の欧州特許出願EP06113891.3号に開示された磁性を有する光学可変の印刷用インクは、それの各々の内容が参照されてここに含まれるが、磁気的に誘導された像の生成に特に適用される。
【0006】
コーティング組成物中の磁性粒子を方向付けるための材料と技術、及び、対応する印刷工程は、米国特許2,418,479号、米国特許2,570,856号、米国特許3,791,864号、米国特許3,676,273号、米国特許5,364,689号、米国特許6,103,361号、米国特許出願2004/0051297号、米国特許出願2004/0009309号、米国特許出願2002/0160194号、国際特許公開公報WO02/09002号、米国特許出願2005/0106367号、国際特許公開公報WO04/007095号、国際特許公開公報WO2005/058608号、国際特許公開公報WO2005/002866号に開示されており、これらの文書の各々の内容は参照されてここに組み込まれる。
【0007】
このように、先行技術の文書は基板上に磁性を帯びた像コーティングを生成する様々な方法と装置を提供する。いずれの場合でも、磁性を帯びた像コーティングは、基板の一方の側からだけ、著しくは印刷された面からだけ見られるような方法で提供される。磁気的に方向付けされたコーティングの表裏面の使用は開示されなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば紙幣のような物品の容易な認証(authentication)を可能にし、裸眼で一般人によって実行可能なセキュリティ要素の提供が本願発明の課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、この課題は請求項1に定義されたようなセキュリティ要素によって解決される。より特定すれば、本発明は、透明基板と基板上に磁気的に方向付けされた像コーティングとを有するセキュリティ要素に関連する。
【0010】
コーティングは、特別な視覚的な外観、好ましくは3次元の外観を備えたデザインを実現し、顔料フレークに方向付けをして生成され、例えば磁場に適用されて生成される。透明基板は、上に配されたこのコーティングを表裏面両方から観察することが可能である。驚くことに、この透明基板を有する光学可変のセキュリティ要素は、書類の、特に透明な品目又は透明な領域を有する品目を迅速で視覚的に(明白に)認証するために非常に貴重なセキュリティ要素であることが発見された。実際、特に好適に磁気的に生成された明白な3次元のレリーフは、観察の側の変化に転化し;それゆえに、書類を迅速に認証するためには書類をひっくり返して磁気的に誘導された像の反転を観察することで充分である。
【0011】
像コーティングの磁気的な方向付けは、その像コーティングを観察する見る角度に依存して変化し得る視覚的効果という結果をもたらす。この効果は、好ましくは、その像を上方向又は下方向(或いは表面又は裏面)から見るとき振り向けられる3次元的な効果である。しかし、切り替えられる光学的効果又は回転するバー形式の像など他の視覚的効果もあり得る。
【0012】
例えばデザインが丸く湾曲していると感知されるとき、反射が最大の線や点はデザイン上に現れる。その線や点は見る側に依存して同じ向き(凸面状の外観)や反対の向き(凹面状の外観)のいずれかに観察の角度を伴って移動する。
【0013】
このように、本発明のセキュリティ要素は透明基板上の角度依存の像であり、好ましくは3次元的な効果を可能にするように配置され、以下でより詳細に説明する図1で図示されるように、表面又は裏面から観察されるときそれぞれ盛り上がったレリーフ又は凹んだレリーフとして現れる。その3次元の像は見る角度に依存して平面から浮き出るように或いは平面に沈み込むように現れる。
【0014】
適切な3次元のデザインの例として、円柱、半球、ピラミッド、円錐、屋根などがある。いくつかの幾何的な形態が更に結合される。それらの単純な外観は像が平面から浮き出る或いは平面に沈み込むものとして容易に認識される。数字や文字や像やロゴ等のより洗練されたデザインも同様に生成されることがある。本発明のセキュリティ要素は、例えば国際特許公開公報WO04/007095号に示される「切り替えられる光学的効果」や「回転するバー形式の像」のように、好ましくは色遷移型の要素(color-shifting elements)に結合されることがある。
【0015】
書類や物品をひっくり返していずれかの面上の角度依存の像を観察するだけで、本発明のセキュリティ要素を裸眼で容易に特定することができる。それゆえに、例えば紙幣等の真贋(authenticity)をチェックするのに単純な手段しか備えない一般人の使用に非常に好適である。
【0016】
本発明のセキュリティ要素は更に、セキュリティ要素の抵抗(resistance)と寿命(life-time)とを増すために、透明被覆を上にラミネートすることもできる。
【0017】
透明基板は、可視スペクトルの少なくとも一部で(例えば、400nm乃至700nmの波長領域で)透明な任意のプラスチックやポリマー基板である。実際、人間の観察者が可視スペクトル領域の一部で基板を通して見ることができれば、それは明白なセキュリティ要素を視覚的に特定するのに充分である。透明基板は、好ましくは、ポリエチレン・テレフタレート(polyethylene-terephthalate)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、ポリアクリレート(polyacrylates)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitriles)、ポリスチレン(polystyrene)、ポリプロピレン(polypropylene)、ポリナフタレン・テレフタレート(polynaphthalene-terephthalate)と、それらの混合物(mixtures)又は共重合体(copolymers)から選択される。
【0018】
人間の観察者が例えば透明基板とラミネートとを通して見ることができ、ラミネートされた製品の表裏両面から磁気的に誘導された像を知覚できるように、可視スペクトルの少なくとも一部で透明であれば、透明基板は全体又は一部が着色されても良い。
【0019】
本発明の文脈における「透明」は、「可視スペクトル(400nm乃至700nmの波長)の少なくとも一部で光学的な透明性を提供する」を意味する。
【0020】
透明基板上の角度依存の像は、例えば同じ出願人によって出願された係属中の欧州出願EP06113891.3号に従って、磁気的に方向付けが可能なコーティングを透明基板上に適用し、方向付けし、乾燥・硬化することによって生成される。この内容は参照されてここに組み込まれる。
【0021】
このように、磁気的に誘導された像を透明基板上に生成する方法は、
a)磁気的に方向付けが可能な顔料を有するコーティング組成物を透明基板の表面に適用する工程と、
b)表面又は裏面から観察するときそれぞれ盛り上がったレリーフ又は凹んだレリーフの中に現れるコーティングの3次元的な効果のような、像コーティングを見る角度に依存して変化する特殊な視覚的効果が生成されるように、磁場を適用して工程a)にて適用されたコーティング組成物内の磁性顔料粒子に方向付けする工程と、
c)工程b)で方向付けされたコーティング組成物を硬化・乾燥して、方向付けされた位置に粒子を固定する工程と
を有する。
【0022】
詳細には、磁気的に誘導された像コーティングを生成するために、印刷インク又はコーティングの組成物は、磁気的に方向付けが可能な顔料、好ましくは光学可変の磁性干渉顔料を有し、銅版彫りこみ印刷(copper plate intaglio printing)、フレキソ・グラフィック印刷(flexo- graphic printing)、グラビア印刷(gravure printing)、シルクスクリーン印刷(silkscreen printing)やローラ・コーティング(roller coating)などの印刷工程によって透明基板上に適用され、例えば、国際公開公報WO2005/002866号に従って、磁性顔料は方向付けられ、当業者に周知のように、コーティングは最終的に乾燥され硬化される。
【0023】
好適な印刷用インク又はコーティングの組成物は係属中の欧州特許出願EP06113891.3号に開示されている。その中で、磁性を有する光学可変の印刷用インク又はコーティング組成物が非常に詳細に開示されている。それは、顔料粒子を磁気的に方向付けするのに要求される特徴を有し、コーティング中にパターンや像、デザインを形成する。
【0024】
光学可変の磁性インク又は磁性コーティング組成物を構成する顔料は、好ましくは、真空に配置された磁性薄膜干渉顔料、干渉コートされた金属性顔料、干渉コートされた非金属性顔料、磁性液晶顔料、それらの混合物である。国際公開公報WO02/073520号、米国特許US4,838,648号、欧州特許出願EP−A688675号、国際公開公報WO02/73250号、WO03/00801号、米国特許US6,838,166号に従った光学可変の磁性顔料は、本発明に従って好適に使用される。真空に配置された磁性薄膜干渉顔料は、米国特許US4,838,648号及び国際公開公報WO02/73250号の5層及び7層の真空に配置された磁性薄膜干渉顔料から選ばれることがある。
【0025】
コーティング中の磁性顔料は、好適な磁場を適用して、好ましくは3次元的な効果を示すために、方向付けされる。方向付けする工程b)は、コーティングする工程a)と同時に実行される場合があり、或いは、コーティングする工程a)に続けて実行される場合もある。磁性粒子を磁気的に方向付けすることは、本技術分野において記載されている。本特許出願の導入部分において引用された先行技術文献に関して参照がされる。
【0026】
硬化・乾燥する工程c)は、揮発性合成物の物理的な蒸発(physical evaporation of volatile compounds)、紫外線(UV)硬化(UV curing)、酸化性の網状組織(oxidative reticulation)、化学的な架橋結合(chemical cross-linking)、電子光線硬化(electron beam curing)、或いは、それらの任意の組み合わせによって実行されることができる。
【0027】
セキュリティ要素を生成する方法は、セキュリティ要素の抵抗と寿命とを増すために、磁気的に誘導された像コーティング上に透明被覆をラミネートする工程を更に有する。透明被覆は、ポリエチレン・テレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリナフタレン・テレフタレートと、それらの混合物又は共重合体から選ばれる。このように、上にラミネートする透明被覆の選択のために、透明基板に関するのと同じ判断基準が適用される。特殊な実施形態において、磁気的に誘導された像コーティングは、同じ種類の2つのプラスチックの被覆の間に配置される。
【0028】
本発明のセキュリティ要素は、他のセキュリティ要素(ホログラムなど)や物理的にエンボス処理されたレリーフ、証印(indicia)と同様に、赤外線マーカ(infrared markers)、蛍光性マーカ(fluorescent markers)や燐光性マーカ(phosphorescent markers)のような発光性マーカ(luminescent markers)、紫外線マーカ(UV markers)、磁性マーカ(magnetic markers)、法医学的マーカ(forensic markers)と、それらの混合物のような他のマーキング手段を更に有することもある。
【発明の効果】
【0029】
本発明のセキュリティ要素の特殊性は、例えば光テーブル上などで後方から照らされるとき、或いは、ランプや空などの光を出す背面に反して保持されるとき、色遷移性の特徴と同様に色及び明白なレリーフが元に戻ることである。
【0030】
この付加的な効果は、背面からの光に対する表面からの光を観察することで迅速な認証が可能になるから、本発明のセキュリティ要素の価値を更に高める。本発明のセキュリティ要素の角度に依存し表裏面の3次元のレリーフの特徴を知覚することは、実際、表面からの光の状態に依存する。
【0031】
このことに対して更に、半透明性における本発明のセキュリティ要素の知覚は、透明基板の、そして、その上にラミネートされた被覆の、場所的な色彩にも依存する。これによって当業者は更なる興味深い実施形態を認識することができる。
【0032】
本発明のセキュリティ要素は、例えば、紙幣、クレジットカード、アクセスカード、セキュリティバッジ、重要書類、権利書類又はID書類、移動切符、宝くじ券、イベントチケット、タックスバンダロール(tax banderoles)、偽造防止糸(security threads)、ラベル、被覆、開封帯(tear-strips)、製品セキュリティ適用など、偽造や非合法の複製に対する保護として機密書類やセキュリティ物品に使用されることができる。
【0033】
一般に、そのような機密書類やセキュリティ物品は、本発明のセキュリティ要素が適用される透明な領域を有する必要がある。このことは、例えばパンチで穿かれて透明被覆で覆われた孔など、窓や糸等の透明な領域をそのような書類に統合することによって達成されることができる。或いは、代替的に、そのような書類は完全に、透明な領域、即ち、インクやコーティングがされていない領域を備えるそのような透明基板で作られる。一部の通過はポリマー基板で作られそのような透明な領域を備え、それ故に本発明のセキュリティ要素を運ぶことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
今や、本発明は、非限定的な実施例と図面を参照して更に図示される。
【0035】
図1は、それぞれ表面と裏面から見たレリーフ内のテキストの逆転をコンピュータで生成したイラスト図を示す。
【0036】
図2は、本発明に従った光学可変の磁性干渉顔料を有する、磁気的に誘導された像のコピー機によるスキャンの結果を示す。いずれも、表面と裏面の側はスキャンされて複製された。
【0037】
図3は、レリーフ又は3次元の外観が粒子を適切に方向付けして幾何的に平坦なコーティングに生成される方法を断面図で模式的に示す。
【0038】
図1に図示されるように、本発明の角度依存の像は、様々な側から見られるときに平面から浮き出る或いは平面に沈み込むのいずれかで、レリーフの容易な知覚を許容する。
【0039】
図2では表面と裏面の側の3次元的な効果に関して特別な相違は見られない。しかし、オリジナルでは、表面側(a)の「20」は凸表面に盛り上がったレリーフで現れる。これに反して、裏面側(b)上の「20」は凹表面に凹んだレリーフで現れる。このことは、本発明のセキュリティ要素が複写可能でなく、スキャン可能でないことを図示している。
【0040】
図3は、粒子を適切に方向付けしてレリーフ又は3次元の外観が幾何的に平坦なコーティング中に生成される方法を断面図にて模式的に示す。コーティング(2)中の顔料フレーク(1)は、あたかも顔料フレークが半球(3)の表面に存在するがコーティング平面に沈み込むかのように、同じ方法で方向付けされる。
a)表面から見ると、それらの位置に固定されたフレークは凸半球上に存在するかのようなまったく同じ外観を備える。
b)裏面から見ると、顔料フレークは凹半球上に存在するかのように現れる。
【0041】
図3におけるこのレリーフは、異なるセキュリティ要素である、物理的にエンボス処理された3次元のレリーフ構造と混同されてはならない。実際、本発明のセキュリティ要素は、そのようなエンボス処理されたレリーフと独立して組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】それぞれ表面と裏面から見たレリーフ内のテキストの逆転をコンピュータで生成したイラスト図を示す。
【図2】本発明に従った光学可変の磁性干渉顔料を有する、磁気的に誘導された像のコピー機によるスキャンの結果を示す。
【図3】レリーフ又は3次元の外観が幾何的に平坦なコーティング中で粒子が適切に方向付けされて生成される方法を断面図で模式的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、
前記基板上の磁気的に方向付けされた像コーティングと
を有することを特徴とするセキュリティ要素。
【請求項2】
請求項1に記載のセキュリティ要素において、
前記像コーティングは3次元的な効果を示すように配置され、
表面又は裏面から観察されるときそれぞれ盛り上がったレリーフ又は凹んだレリーフとして現れる
ことを特徴とするセキュリティ要素。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のセキュリティ要素において、前記透明基板は、ポリエチレン・テレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリナフタレン・テレフタレートと、それらの混合物又は共重合体で構成されるグループから選択されることを特徴とするセキュリティ要素。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセキュリティ要素において、透明被覆は前記磁気的に方向付けされた像コーティング上にラミネートされることを特徴とするセキュリティ要素。
【請求項5】
請求項4に記載のセキュリティ要素において、前記透明被覆は、ポリエチレン・テレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリナフタレン・テレフタレートと、それらの混合物又は共重合体で構成されるグループから選択されることを特徴とするセキュリティ要素。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のセキュリティ要素において、前記磁気的に方向付けされた像コーティングは光学可変の磁性干渉顔料を有することを特徴とするセキュリティ要素。
【請求項7】
請求項6に記載のセキュリティ要素において、前記光学可変の磁性干渉顔料は、真空に配置された磁性薄膜干渉顔料、干渉コートされた金属性顔料、干渉コートされた非金属性顔料、磁性液晶顔料と、それらの混合物で構成されるグループから選択されることを特徴とするセキュリティ要素。
【請求項8】
請求項7に記載のセキュリティ要素において、前記顔料は、5層と7層の真空に配置された磁性薄膜干渉顔料で構成されるグループから選択されることを特徴とするセキュリティ要素。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のセキュリティ要素において、赤外線マーカ、蛍光性マーカ、紫外線マーカ、燐光性マーカ、磁性マーカ、法医学的マーカ或いはそれらの混合物で構成されるグループから選択されるマーキング手段を更に有することを特徴とするセキュリティ要素。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のセキュリティ要素において、ホログラム、エンボス処理されたレリーフ、証印とそれらの組み合わせで構成されるグループから選択される他のセキュリティ要素を更に有することを特徴とするセキュリティ要素。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のセキュリティ要素において、切り替えられる光学的効果や回転するバー形式の像のような色遷移型の要素を更に有することを特徴とするセキュリティ要素。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のセキュリティ要素を生成する方法であって、
a)磁気的に方向付け可能な顔料を有するコーティング組成物を透明基板の表面に適用する工程と、
b)磁場を適用して工程a)にて適用された前記コーティング組成物内の前記磁性顔料粒子に方向付けする工程と、
c)工程b)で方向付けされた前記コーティング組成物を硬化・乾燥して、前記粒子を方向付けされた位置に固定する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、前記磁気的に誘導された像コーティング上に透明被覆をラミネートする工程を更に有することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の方法において、前記方向付けする工程b)は、前記コーティングする工程a)と同時に実行されることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項12又は13に記載の方法において、前記方向付けする工程b)は、前記コーティングする工程a)に続けて実行されることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項12乃至15のいずれか1項に記載の方法において、前記硬化・乾燥する工程c)は、物理的な蒸発、紫外線硬化、酸化性の網状組織、化学的な架橋結合、電子光線硬化と、それらの任意の組み合わせで構成されるグループから選択される工程によって実行されることを特徴とするセキュリティ要素。
【請求項17】
請求項12乃至16のいずれか1項に記載の方法において、前記工程a)は、銅版彫りこみ印刷、フレキソ・グラフィック印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷とローラ・コーティングで構成されるグループから選択される印刷工程によって実行されることを特徴とする方法。
【請求項18】
紙幣、クレジットカード、アクセスカード、セキュリティバッジ、重要書類、権利書類又はID書類、移動切符、宝くじ券、イベントチケット、タックスバンダロール、偽造防止糸、ラベル、被覆、帯、製品セキュリティ適用などの機密書類のための、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のセキュリティ要素の使用。
【請求項19】
紙幣、クレジットカード、アクセスカード、セキュリティバッジ、重要書類、権利書類又はID書類、移動切符、宝くじ券、イベントチケット、タックスバンダロール、偽造防止糸、ラベル、被覆、開封帯、製品セキュリティ適用などの書類であって、前記請求項1乃至11のいずれか1項のセキュリティ要素を少なくとも1つ有する書類。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2009−543714(P2009−543714A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519915(P2009−519915)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056863
【国際公開番号】WO2008/009569
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(500269417)シクパ・ホールディング・ソシエテ・アノニム (23)
【Fターム(参考)】