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透明導電性顔料
説明

透明導電性顔料

【課題】優れた導電性を維持しつつ、適用媒体中において透明性の向上した導電性顔料の提供。
【解決手段】導電性層で被覆された薄片状基材を含んでなる透明導電性顔料であって、該透明導電性顔料の数重み平均粒子面積F50が150μm2以上である透明導電性顔料であり、薄片状基材が、薄片状酸化チタン、雲母、葉状珪酸塩等からなり、導電性層が、ガリウム、アルミニウム、インジウム、タリウム等でドープされた酸化スズ、酸化亜鉛等の金属酸化物からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性層で被覆された薄片状基材を含んでなる透明導電性顔料であって、数重み平均粒子面積(number-weighted mean particle area)F50が150μm2以上である透明導電性顔料、この顔料を製造する方法、およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、導電性顔料は、種々の領域の用途、例えば、帯電防止被覆、帯電防止床被覆、防爆室の帯電防止処理、または、プラスチックの印刷用の導電性プライマーにおいて用いられている。カーボンブラックまたはグラファイトの使用は、導電性を増加させるのに一般的である。これらの物質は、透明でなく、それらを加える材料の色を暗くするという不利益を有する。
【0003】
透明薄片状基材に基づく、特に、薄い雲母薄片に基づく導電性顔料も知られている。これらの顔料は、(Sn,Sb)O2で、またはTiO2/SiO2/(Sn,Sb)O2を含む一連の層で被覆された雲母からなる(例えば、Merck KGaA製のMinatec(登録商標)31 CMまたは30 CM)。このタイプの顔料が、例えば、特許文献1〜4に記載されている。
【0004】
これらの顔料は全て、特に、色が淡く透明性が高いということから、主に用いられている導電性カーボンブラック顔料より優れている。このため、これらの顔料は、適用系(塗料、プラスチック、印刷インク)の色をデザイナーが自由に調節できるので、カーボンブラックと比べて適用時の本質的利点を有する。すなわち、色と導電性を良好に組み合わせることができるのに対し、カーボンブラックを使用すると常に暗い色になってしまう。しかしながら、総合的には、特に透明で淡色の導電性顔料への要求は未だ満たされていない。
【特許文献1】DE 38 42 330
【特許文献2】EP 0 139 557
【特許文献3】EP 0 359 569
【特許文献4】EP 0 743 654
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ワニス被覆、印刷インクおよび透明または半透明プラスチック物品、例えば、フィルム、容器、カードまたはシートにおいて導電性顔料を用いる際の透明性に関する要望は極めて高い。これらの用途について、顔料による光の散乱はより高度に透明の媒体中では一層顕著になるので、導電性顔料が僅かに着色または灰色であることでは不充分である。顔料粒子の外側導電性被覆は、塗料、被覆またはプラスチック中の一般的バインダーより屈折率が高い金属酸化物からなる。このため、ポリマーマトリクス中に埋められた顔料は、光散乱の中心として作用し、この顔料を含む層が曇る。これは、顔料粒子がそれ自体高度に透明である場合にもおこる。媒体がそれ自体より透明であると、曇りはより顕著である。透明プラスチックフィルムおよびワニス被覆は特に影響を受け易い。従来技術の顔料、例えば、Minatec(登録商標) 31 CMをこれらの材料に添加すると、通して見ようとすると曇りが強く、それ自体を見ると白色ないし淡い灰色に見える。顔料濃度を低下させると、曇りを減らすことができるが、これにより、導電性が不釣合いに大幅に低下し、従って、使用者にとって可能な選択肢とならない。従って、優れた導電性を維持しつつ、適用媒体中において透明性の向上した導電性顔料への要望が著しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、本発明による顔料はこの要求を満たすことがわかった。すなわち、本発明は、導電性層で被覆された薄片状基材を含んでなる透明導電性顔料であって、該透明導電性顔料の数重み平均粒子面積F50が150μm2以上である透明導電性顔料に関する。本発明は、さらに、本発明による顔料を製造する方法であって、薄片状基材に導電性層を被覆することを含む方法において、導電性層での被覆の前および/または後に、粒子面積が150μm2未満である透明導電性顔料または薄片状基材の割合を低下させ、それにより、透明導電性顔料の数重み平均粒子面積F50が150μm2以上となる方法に関する。また、本発明は、塗料、被覆、印刷インク、プラスチック、床被覆、フィルム、製剤、セラミック材料、ガラスまたは紙における、レーザーマーキングのための、熱保護における、乾燥調合物における、または顔料組成物における、本発明による顔料の使用に関する。
【0007】
本発明の導電性顔料は、従来技術の顔料と比較して、同じ使用濃度においても、より高い導電性を示すと同時に導電性材料が向上した透明性を示すという利点を有する。薄片状導電性顔料の本発明による減少した微粒子含量は、明らかに、適用時の導電性への寄与は極めて低いが、光散乱への寄与は著しく高い。導電性の上昇により、顔料の使用濃度を低下させ、それぞれの用途における透明性(低い曇り)をさらに高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の導電性顔料は、導電性層で被覆された薄片状基材に基づく。適当な薄片状基材は、原則的には全ての透明薄片状基材であり、例えば、薄片状TiO2、合成または天然雲母、葉状珪酸塩、ガラス薄片、薄片状SiO2および/または薄片状Al2O3からなる群より選択することができる。薄片状基材は、好ましくは雲母、薄片状SiO2またはガラス薄片である。
【0009】
導電性層は、一以上のドープされた金属酸化物を含み、金属酸化物は、好ましくは酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムおよび/または酸化チタンである。金属酸化物は、好ましくは酸化スズ、酸化インジウムおよび/または酸化亜鉛である。前記金属酸化物は、導電性層中にドープされた状態であり、ガリウム、アルミニウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、スズ、リン、ヒ素、アンチモン、セレン、テルルおよび/またはフッ素を用いてドーピングを行うことができる。前記材料の単一ドーパント、およびそれらの組み合わせも、導電性層中に存在してよい。金属酸化物のドーパントに、アルミニウム、インジウム、テルル、フッ素および/またはアンチモンが好ましく用いられる。導電性層中のドーパントの割合は0.1〜30重量%、好ましくは2〜15重量%とし得る。特に好ましい態様において、用いられる導電性層は、アンチモンをドープした酸化スズ、アンチモンおよびテルルをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム、アルミニウムをドープした酸化亜鉛または、フッ素をドープした酸化スズであり、アンチモンをドープした酸化スズが特に好ましい。この好ましい組み合わせにおけるスズとアンチモンとの比は、4:1〜100:1、好ましくは7:1〜50:1であり得る。アンチモン含量が低いと、導電性に悪影響があり、アンチモン含量が高いと、本発明の顔料の透明性が低下する。
【0010】
薄片状基材に基づく導電性層の割合は、25〜120重量%、好ましくは50〜75重量%である。
【0011】
本発明の導電性顔料の本質的特徴は、透明導電性顔料の数重み平均粒子面積F50であり、これは、150μm2以上とすべきである。透明導電性顔料の数重み平均粒子面積F50は、好ましくは、200μm2以上である。本発明の透明導電性顔料は、平均厚さが2μm以下、好ましくは0.3〜0.6μmであり、形状係数が少なくとも50、好ましくは100より大きい薄い薄片である。誘電適用媒体中における導電性顔料の機能に関する本質的量は、粒子面積である。比較的大きな粒子面積の薄片は、比較的小さな薄片よりも、誘電媒体中での導電性経路の形成に一層適しているが、これは、比較的小さな薄片の場合よりも、同じ経路長に対して接触しなければならない比較的大きな薄片は少なくてすむからである。顔料を包囲する誘電媒体は絶縁体として作用し顔料粒子から顔料粒子への電荷の移動を妨げるので、多量の小さな導電性粒子からなる導電性経路は、少量の比較的大きな粒子からなる同じ寸法の経路より、導電性が低い。
【0012】
従って、本発明の透明導電性顔料は、その粒子面積により最も特徴付けられる。これは、薄片の主要面、すなわち、最も長い軸を有する面の大きさの値を意味している。薄片自体は、おおよそ円形または長円であることが好適であり、その形状は大体一定である。通常、薄片はやや長円であり、主軸と第二軸との平均比(延長率)が約1.2である。本発明の顔料の粒子サイズ分布は、用途の要望に依り広範囲に変わる。表面被覆の用途には、例えばプラスチック物品中での使用よりも、狭い粒径分布が必要である。表面被覆用途、オフセットまたはグラビア印刷インクについての数重み粒子面積F95は、1500μm2未満、好ましくは1200μm2未満とすべきである。すなわち、最大で5%の粒子の粒子面積が1500μm2以上、好ましくは1200μm2以上である。これに対して、プラスチック用途においては、数重み粒子面積F95が7500μm2で、数重み平均粒子面積F50が1200μm2でもよい。通常、適用特性については顔料の狭い粒径分布が好ましく、従って、F95の値は、好ましくはF50の値の5〜7倍である。しかしながら、顔料中での細粒子の割合は、透明導電性顔料を含む媒体の透明性に重要である。
【0013】
粒子面積が80μm2未満である薄片の数重み割合が、透明導電性顔料に基づき33%以下であることが特に有利であると分かった。粒子面積が80μm2未満である薄片の割合は、好ましくは25%未満である。粒子面積が40μm2未満である薄片の割合が透明導電性顔料に基づき15%以下、好ましくは10%以下であると、それぞれの用途の導電性および透明性に関する特に有利な結果が達成される。細粒子の割合の前記減少は、光散乱を低下させ、従って適用時の曇りを低下させ、特に透明に見えるが同時に要求に適した導電性を有する系が得られることが示される。
【0014】
他の態様において、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属フッ化物、金属窒化物、金属オキシ窒化物またはこれらの材料の混合物を含む一以上の層が導電性層の上および/または下に配されてよい。これらのさらなる層の適用は、特にさらなる層を導電性層の下に配するときに、顔料の色特性を使用者の要求に合わせることができる。導電性層の上にさらなる層を適用すると、これらの顔料を含む用途における導電性を要求に合わせることができる。すなわち、本発明の顔料中におけるさらなる層の適用は、それぞれの用途における色印象および導電性を意図的に制御することができる。金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属フッ化物、金属窒化物または金属オキシ窒化物の層またはこれらの混合物は、低屈折率(屈折率<1.8)でもよいし高屈折率(屈折率=1.8)でもよい。適当な金属酸化物および金属酸化物水和物は、全て層として適用される一般的な金属酸化物または金属酸化物水和物であり、例えば、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化珪素、酸化珪素水和物、酸化鉄、酸化スズ、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化チタン、特に二酸化チタン、酸化チタン水和物およびこれらの混合相、例えば、チタン鉄鋼または偽板チタン石が挙げられる。用いることができる金属亜酸化物は、例えば、亜酸化チタンである。適当な金属フッ化物は、例えば、フッ化マグネシウムである。用いることができる金属窒化物または金属オキシ窒化物は、例えば、金属チタン、ジルコニウムおよび/またはタンタルの窒化物またはオキシ窒化物である。金属酸化物、金属フッ化物および/または金属酸化物水和物の層および特に好ましくは、金属酸化物および/または金属酸化物水和物の層を導電性層の上および/または下に適用することが好ましい。さらに、高屈折率と低屈折率の金属酸化物、金属酸化物水和物または金属フッ化物の層を含む多層構造が存在することも可能であり、高屈折率の層と低屈折率の層が交互になっていることが好ましい。高屈折率の層と低屈折率の層を含む層パッケージが特に好ましく、これらの層パッケージの一以上を、導電性層の上および/または下に適用することもできる。ここで、高屈折率の層と低屈折率の層との配列を、多層構造中に後者を含むように基材に適合させることができる。これらの層を含む導電性顔料は、材料およびそれぞれの割合を好適に選択すると、干渉による角度依存色変化(カラーフロップ)を示すことができる。
【0015】
好ましい態様において、前記単一または複数層の外側層は、高屈折率金属酸化物である。この外側層は、さらに、前記層パッケージ上にあってよく、高屈折率基材の場合は、層パッケージの一部であってよく、例えば、TiO2、亜酸化チタン、Fe2O3、SnO2、ZnO、ZrO2、Ce2O3、CoO、Co3O4、V2O5、Cr2O3および/またはこれらの混合相、例えば、チタン鉄鉱または偽板チタン石からなる。TiO2が特に好ましい。
【0016】
個々の層、特に金属酸化物の層の割合および厚さは、通常、重要でない。しかしながら、全体として、単一または複数のさらなる層の厚さは、本発明の導電性顔料の透明性が著しく低下しないように設定すべきである。
【0017】
本発明の特に好ましい顔料は、アンチモンをドープした酸化スズ層を被覆した雲母;酸化チタン層、酸化珪素層およびアンチモンをドープした酸化スズ層を被覆した雲母;またはアンチモンをドープした酸化スズ層と金属酸化物層、特に酸化チタン層を被覆した雲母を含む。
【0018】
また、本発明は、本発明の顔料を製造する方法であって、薄片状基材に導電性層を被覆することを含む方法において、導電性層での被覆の前および/または後に、数重み粒子面積が150μm2未満である透明導電性顔料または薄片状基材の割合を低下させ、それにより、透明導電性顔料の数重み平均粒子面積F50を150μm2以上とする方法に関する。粒子面積が200μm2未満である透明導電性顔料または薄片状基材の割合は、好ましくは、透明導電性顔料の数重み平均粒子面積F50が200μm2以上となるように低下させる。これは、例えば、粒子面積が80μm2未満である顔料の割合を透明導電性顔料を基準に33%未満、好ましくは25%未満に低下させることにより達成することができる。さらに、粒子面積が40μm2未満である顔料の割合を、本発明の方法において、透明導電性顔料を基準に15%未満、好ましくは10%未満に低下させることができる。細粒子含量のこの低下は、本発明の顔料の特性の向上に重要であり、薄片状基材の粉砕および分級中できるだけ早期に、または製造プロセスの最後に、粗生成物について行うことができる。細粒子は、沈降、傾しゃ、空気分級および/または篩い分けにより除去することができる。沈降の場合、粉砕した粗雲母を、粉砕および分級プロセス中できるだけ早期に多数回沈降させることができる。空気分級による粉砕雲母の分級も可能であるが、このプロセスにおいては、雲母は乾燥しなくてはならない。このように分級された細粒子含量が低下した雲母に、次に、導電性層が設けられる。しかしながら、導電性層での被覆後の導電性顔料からの細粒子フラクションの減少は、例えば、粗生成物の複沈降、および傾しゃによる比較的小さな比較的沈降の遅い粒子の除去により行うことができる。最後に、空気分級または篩い分けによる乾燥および焼成顔料の分級も可能である。細粒子含量の低下は、例えば、顕微鏡下での測定および測定粒子の計数によりモニターされる。これは、裸眼で行い、要すれば、計数標準に対してサンプルを比較することにより単純化される、またはビデオカメラおよび適当な自動画像分析ソフトウェアを用いて自動的に行うことができる。粒径分析用のこのタイプの自動評価システムは、当業者に知られており、市販されている。統計的に信頼性のある粒径分析のために、少なくとも1000個、好ましくは2000個以上の粒子を測定すべきである。
【0019】
導電性層による薄片状基材の被覆は、従来技術から知られている被覆法、好ましくは、湿式化学法により行われる。
【0020】
本発明の方法の最も単純な態様において、ドープされた金属酸化物、金属水酸化物または金属酸化物水和物の層を、適当な前駆体から薄片状基材に被覆する。金属酸化物およびドーピングのための前駆体を、別々に、好ましくは連続的に被覆する、または、互いの混合物として、すなわち、溶液中で一緒に被覆することができる。適当な前駆体は、対応するハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩または蓚酸塩、好ましくは対応するハロゲン化物である。このタイプのプロセスが、例えば、DE 42 37 990、DE 38 42 330、EP 0 139 557に記載されており、その開示内容をここで参考に取り込む。被覆条件を最適化することは当業者の専門技術の範囲である。湿式被覆の場合、基材は通常、水中に懸濁され、一以上の加水分解性金属塩を、金属酸化物、金属水酸化物または金属酸化物水和物が、二次沈降を起こすことなく、薄片上に直接沈殿するように選択される、加水分解に適したpHで添加される。pHは、通常、塩基または酸を同時に計量添加することにより一定に維持される。導電性層の適用後、顔料を分離除去し、乾燥し、通常、空気中または不活性気体または還元性条件下に、通常、300〜900℃の温度、好ましくは650〜850℃の温度で焼成する。
【0021】
本発明の方法の他の態様において、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属フッ化物、金属窒化物、金属オキシ窒化物またはこれらの材料の混合物を含む一以上の層を、導電性層で薄片状基材を被覆する前および/または後に適用する。単一または複数層を、湿式化学法、ゾル-ゲル法またはCVDおよび/またはPVDプロセスにより適用することができる。これらの材料での被覆は、好ましくは、湿式化学法により行われる。
【0022】
導電性層の被覆後、顔料を、要すれば、分離除去し、乾燥し、任意に焼成し、次に、さらなる層の沈着のために再懸濁させる。別の態様において、まず、所望の層を全て沈着させ、続いて全体として焼成することができる。
【0023】
有利な特性故に、本発明の顔料は、広範囲の用途に適している。従って、本発明は、塗料、被覆、印刷インク、プラスチック、証券用途、床被覆、フィルム、調合物、セラミック材料、ガラスまたは紙における、レーザーマーキングのための、熱保護における、乾燥調合物における、または顔料組成物における、本発明の顔料の使用にも関する。
【0024】
調合物の場合、本発明の顔料は、導電性を有することを意図する調合物、例えば、導電性ペーストに特に適している。本発明の顔料は、もちろん、調合物中において、全てのタイプの原料および助剤と組み合わせることもできる。これらは、特に、油、脂肪、ロウ、フィルム形成剤、防腐剤および、適用特性を通常決める助剤、例えば、増粘剤およびレオロジー添加剤、例えば、ベントナイト、ヘクトライト、二酸化珪素、珪酸カルシウム、ゼラチンおよび/または表面活性助剤、などを含む。
【0025】
塗料および被覆中に顔料を用いる場合、当業者に知られている全ての領域の用途、例えば、粉末被覆、自動車塗料;グラビア、オフセット、スクリーンまたはフレキソ印刷用の印刷インク;および屋外適用の被覆が可能である。複数のバインダー、特に水溶性級のバインダーが、例えばアクリレート、メタクリレート、ポリエステル、ポリウレタン、ニトロセルロース、エチルセルロース、ポリアミド、ポリ酪酸ビニル、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、澱粉またはポリビニルアルコールに基づく印刷インクの調製に適している。塗料および被覆は、水性または溶媒系被覆であり得、被覆構成成分の選択は、当業者の一般的知識により行われる。
【0026】
さらに、本発明の顔料は、特に、導電性フィルムおよびプラスチックの製造に、例えば、当業者に知られている導電性を必要とする全ての用途のための導電性フィルムおよびシート、プラスチック容器および型製品に用いることができる。本発明の導電性顔料の組み込み適したプラスチックは、全ての一般的プラスチック、例えば、熱硬化性材料または熱可塑性材料である。可能な用途および用いることができるプラスチック、加工方法および添加剤が、例えば、RD 472005またはR. Glausch, M. Kieser, R. Maisch, G. Pfaff, J. Weitzel著Perlglanzpigmente [Pearlescent Pigments(真珠光沢顔料)], Curt R. Vincentz Verlag, 1996年, 83頁以降に記載されており、その開示内容もここに編入する。
【0027】
同様に、本発明の顔料は、有機染料、顔料および/またはさらなる導電性材料、例えば、カーボンブラック、透明および不透明の白色、着色および黒色の顔料、および薄片状酸化鉄、有機顔料、ホログラフ顔料、LCP(液晶ポリマー)および従来の、雲母、金属、ガラス、Al2O3、Fe2O3、SiO2などに基づく金属酸化物被覆薄片に基づく透明、着色および黒色光沢顔料とブレンドする使用に適している。本発明の顔料は、任意の比で、市販の顔料および充填剤と混合することができる。
【0028】
充填剤には、例えば、天然および合成の雲母、ナイロン粉末、純または充填剤入りメラミン樹脂、タルク、ガラス、カオリン;アルミニウム、マグネシウム、カルシウムおよび亜鉛の酸化物または水酸化物;BiOCl、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カーボン、およびこれら物質の物理的または化学的組み合わせが挙げられる。
【0029】
本発明の顔料は、さらに、本発明の一以上の顔料、バインダー、および任意に一以上の添加剤を含む流動性顔料組成物および乾燥調合物の調製に適している。乾燥調合物という用語は、水および/または溶媒もしくは溶媒混合物を0〜8重量%、好ましくは2〜8重量%、特に3〜6重量%含む調合物を意味するとも解される。乾燥調合物は、好ましくは、ペレット、顆粒、チップ、ソーセージ状物またはブリケットの状態であり、粒径が0.2〜80mmである。
【実施例】
【0030】
以下の実施例により本発明をより詳細に説明するが、限定するものではない。
実施例1
サンプル1および2用の製造態様A
a)基材の分級
粗雲母をエッジミル中で細かく粉砕し、デカンターを用いて、粒径および粒子型の異なる種々のフラクションに分級する。フラクションを粒径と共に表1に列挙するが、粒子数について測定した80μm2未満および40μm2未満の薄片状粒子に基づく細粒子含量および数重み平均粒子面積F50により特徴付けられる。
【0031】
b)導電性層での基材の被覆
表1の雲母100gを、脱イオン水1900ml中に懸濁させ、塩酸でpH2.1に調節する。この懸濁液中に、SnCl4水溶液(50重量%)191.8g、HCl(37重量%)56mlおよびSbCl3水溶液(35重量%)20.4gの混合物を、攪拌下に、75℃で7時間かかって連続的に計量添加する。水酸化ナトリウム溶液を同時に制御下に計量添加することによりpHを一定に維持する。合計で290mlの溶液を添加したときに、混合物を75℃でさらに30分間攪拌し、続いて、攪拌下に室温まで冷却し、反応混合物をpH3に調節する。得られた顔料を、吸引フィルターを介して濾過除去し、水洗し、140℃で乾燥し、800℃で30分間焼成して、淡灰色顔料粉末158gを得る。被覆中のSn:Sb比は約92:8である。
実施例2
サンプル1および2用の製剤形態B
a)導電性層での基材の被覆
細粒子含量の高い粉砕雲母を、実施例1b)と同様にして導電性アンチモン-酸化スズで被覆する。
【0032】
b)導電性顔料の分級
このように得られた粗顔料21kgを、空気分級により分級する。細粒子、好ましくは粒子面積が80μm2未満の細粒子3kgを、このプロセスにおいて分離除去する。表1の顔料18kgを得る。
【0033】
比較例(サンプル3および4)
サンプル3および4を、実施例1と同様にして、導電性アンチモン-酸化スズでの対応する被覆により調製する。
【0034】
(被覆フィルムの導電性の試験)
表1のサンプルを、NCラッカー(溶媒混合物中、6%のコロジウムおよび6%のアクリル酸ブチル−ビニルイソブチルエーテルコポリマー)中に分散させる。ガラス板に、ラッカー調合物を被覆する。一枚のガラス板に、顔料を用いないラッカーを被覆する。乾燥ラッカー層中の導電性顔料の濃度は48重量%であり、層厚は40μmである。ラッカー層の乾燥後、スプリング-タング電極を利用してDIN 53482に従って漏出抵抗を測定する。結果を表1に示す。導電性顔料を含まない比較用ラッカーフィルム(サンプル5)は、抵抗が107キロオームより大きい。
【0035】
(曇りの測定)
表1の顔料を、NCラッカー(溶媒混合物中、6%のコロジウムおよび6%のアクリル酸ブチル-ビニルイソブチルエーテルコポリマー)中に分散させる。PETフィルム(厚さ100μm)に、ハンドコーターを用いてラッカー製剤を被覆する。乾燥層の層厚は60μmであり、ラッカー中の顔料の濃度は、バインダーを基準に14重量%である。曇りを決めるために、被覆フィルムを、積算球(直径150mm)を用いてUV-VIS-IR分光計(モデル: Perkin Elmer Lambda 900)において測定する。サンプルの全透過率(拡散+直接透過)および拡散透過率を測定する。全透過率に対する拡散透過率の割合が、サンプルの曇りの測定値である。サンプルの比較のために、曇り係数(H)を決め、下記式に従って、全透過率(Ttot)に対する拡散透過率(Td)の%として定義される。
【0036】
H [%] = (Td/Ttot)×100
透過率を、スペクトル範囲400〜700nmで測定する。結果を表1に示す。これらは、本発明の顔料を含む被覆のみが、良好な導電性および低い曇り、すなわち改良された透明性を示すことを示している。
【0037】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性層で被覆された薄片状基材を含んでなる透明導電性顔料であって、該透明導電性顔料の数重み平均粒子面積F50が150μm2以上であることを特徴とする透明導電性顔料。
【請求項2】
前記透明導電性顔料の数重み平均粒子面積F50が200μm2以上である請求項1に記載の透明導電性顔料。
【請求項3】
粒子面積が80μm2未満である顔料の割合が、透明導電性顔料を基準に33%以下である請求項1または2に記載の透明導電性顔料。
【請求項4】
粒子面積が40μm2未満である顔料の割合が、透明導電性顔料を基準に15%以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明導電性顔料。
【請求項5】
薄片状基材が、薄片状TiO2、合成または天然雲母、葉状珪酸塩、ガラス薄片、薄片状SiO2および/または薄片状Al2O3からなる群より選択される請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明導電性顔料。
【請求項6】
導電性層が一以上のドープされた金属酸化物を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明導電性顔料。
【請求項7】
導電性層の金属酸化物が酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムおよび/または酸化チタンである請求項6に記載の透明導電性顔料。
【請求項8】
金属酸化物を含む導電性層が、ガリウム、アルミニウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、スズ、リン、ヒ素、アンチモン、セレン、テルルおよび/またはフッ素がドープされている請求項6または7に記載の透明導電性顔料。
【請求項9】
金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属フッ化物、金属窒化物、金属オキシ窒化物またはこれらの材料の混合物を含む一以上の層が導電性層の上および/または下に配されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の透明導電性顔料。
【請求項10】
請求項1に記載の透明導電性顔料を製造する方法であって、薄片状基材に導電性層を被覆することを含む方法において、導電性層での被覆の前および/または後に、粒子面積が150μm2未満である透明導電性顔料または薄片状基材の割合を低下させ、それにより、透明導電性顔料の数重み平均粒子面積F50を150μm2以上とすることを特徴とする方法。
【請求項11】
粒子面積が150μm2未満である透明導電性顔料または薄片状基材の割合の低下を、沈降、傾しゃ、空気分級および/または篩い分けにより行う請求項10に記載の方法。
【請求項12】
導電性層での薄片状基材の被覆を、湿式化学法により行う請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
導電性層での薄片状基材の被覆の前および/または後に、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属フッ化物、金属窒化物、金属オキシ窒化物またはこれらの材料の混合物を含む一以上の層を被覆する請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
単一または複数の層の被覆を、湿式化学法、ゾル-ゲルプロセスまたはCVDおよび/またはPVDプロセスにより行う請求項13に記載の方法。
【請求項15】
塗料、被覆、印刷インク、プラスチック、証券用途、床被覆、フィルム、調合物、セラミック材料、ガラスまたは紙における、レーザーマーキングのための、熱保護における、乾燥調合物における、または顔料組成物における、請求項1に記載の透明導電性顔料の使用。
【請求項16】
顔料が、有機または無機着色剤および/または導電性材料との混合物の状態である請求項15に記載の使用。

【公開番号】特開2013−64149(P2013−64149A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−273075(P2012−273075)
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2005−142344(P2005−142344)の分割
【原出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】