説明

透明着色粒子

【課題】比較的薄膜であっても、深みのある立体的な意匠感を表出することができる透明着色粒子を提供する。
【解決手段】透明着色粒子は、粒子径が0.05mm以上5mm以下の着色材と結合剤とを含む、2種類以上の湾曲面を有して、曲率半径が3mm以上の湾曲面Aと湾曲面Aより曲率半径が小さい湾曲面Bの2種の湾曲面を有する。さらに着色剤が、光輝性顔料及び/または光干渉顔料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、意匠性に優れる透明着色粒子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、家電・家具や車輌、建築物等の幅広い分野において、様々な着色材料が使用されている。着色材料としては、例えば、有機顔料、無機顔料、染料等が挙げられ、様々な色彩が可能となる。
【0003】
最近では、立体感、深みのある優れた意匠性を有する材料が要望されるようになってきているが、上述する着色材料を通常使用した場合、得られる意匠は、二次元的な意匠となることが多く、立体感、深みのある意匠を表出するために、鋭意工夫がなされている。
【0004】
例えば、特許文献1では、着色顔料および微小鱗片状顔料を含む第1カラーベース塗料、着色顔料および微小鱗片状顔料を含むを含む第2カラーベース塗料、およびクリヤー塗料を塗装し硬化させる工程において、第1カラーベース塗膜と第2カラーベース塗膜からなる複合塗膜の明度、彩度、および第1カラーベース塗膜と第2カラーベース塗膜とクリヤー塗膜からなる複合塗膜の明度、彩度を調整することにより、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜を得ている。
【0005】
また、特許文献2では、マトリックス中に、半透明粒子を分散させることにより、天然石様の深みのある透明感および深みのある立体感に富んだ質感を有する石目調人工大理石を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−137952号公報
【特許文献2】特開2005−132864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、各種層を積層しなければならず、必ずしも簡便な方法とはいえない。
また、特許文献2では、少なくとも半透明粒子の粒子径分の厚さが必要となり、深みのある立体感を得るためには、比較的厚膜にしなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するために、鋭意検討をした結果、粒子径が0.05mm以上5mm以下の着色材と結合剤とを含む、2種以上の湾曲面を有する透明着色粒子を用いることによって、比較的薄膜であっても、深みのある立体的な意匠感を表出し、美観性に優れることを見いだし、本発明の完成に至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.粒子径が0.05mm以上5mm以下の着色材と結合剤とを含む、2種以上の湾曲面を有する凹型状の透明着色粒子。
2.曲率半径の異なる2種以上の湾曲面を有することを特徴とする1.に記載の透明着色粒子。
3.曲率半径が3mm以上の湾曲面Aと、湾曲面Aよりも曲率半径が小さい湾曲面Bを含むことを特徴とする1.または2.に記載の透明着色粒子。
4.湾曲面Bの曲率半径が1mm以上30cm以下であることを特徴とする1.から3.のいずれかに記載の透明着色粒子。
5.粒子径が0.05mm以上5mm以下の着色材と結合剤とを含む、1種以上の湾曲面及び平面を有する山型状の透明着色粒子。
6.湾曲面の曲率半径が1mm以上30cm以下であることを特徴とする5.に記載の透明着色粒子。
7.大きさが1mm以上15cm以下であることを特徴とする1.または6.に記載の透明着色粒子。
8.着色材が、光輝性顔料及び/または光干渉性顔料であることを特徴とする1.から7.のいずれかに記載の透明着色粒子。
9.1.から8.のいずれかに記載の透明着色粒子と合成樹脂を含む意匠性組成物。
10.9.に記載の意匠性組成物から形成される成形体。
【発明の効果】
【0010】
本発明の透明着色粒子は、深みのある立体的な意匠感を有し、透明着色粒子を家電・家具や車輌、建築物等に適用することによって、比較的薄膜であっても、深みのある立体的な意匠感を表出し、優れた美観性を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0012】
本発明の透明着色粒子は、粒子径が0.05mm以上5mm以下の着色材と結合剤とを含む、2種以上の湾曲面を有する凹型状の透明着色粒子、または、1種以上の湾曲面及び平面を有する山型状の透明着色粒子である。
本発明は、このような特異な形状の粒子中に、粒子径が0.05mm以上5mm以下の着色材が存在することより、該着色材が、単調でない、立体感・奥行き感があるように視認され、また、特異な形状によるレンズ効果や反射効果等により、通常の球状、粒状の粒子とは異なった、深みのある立体的な意匠感を表出することができる。また、通常の球状、粒状の粒子を用いる場合よりも、比較的薄い膜厚で適用することができ、家電・家具や車輌、建築物等、より幅広い範囲での適用が可能であり、また、コスト面でも有利となる。
【0013】
また、着色材は粒子中に、均一にまたは局在化して存在させることが可能であり、本発明では、特に、着色材が透明着色粒子中に、局在化して存在することが好ましい。局在化して存在する場合は、上記効果により、より深みのある立体的な意匠感を表出することができる。
透明着色粒子の大きさは、通常、1mm以上15cm以下(さらには3mm以上10cm以下)であることが好ましい。1mmより小さい場合、粒子形状の視認が難しく、上記効果があまり期待できない。透明着色粒子の厚さは、通常0.5mm以上2cm以下(さらには0.8mm以上1.5cm以下)であることが好ましい。
なお、透明着色粒子の大きさとは、透明着色粒子を水平面に安定に静置させ、上から観察したときの最大直径のことであり、透明着色粒子の厚さとは、透明着色粒子を水平面に安定に静置させ、底面からの最大の高さ(図1、図2参照)のことをいう。
【0014】
なお、本発明透明着色粒子の一つの形態は、例えば、図1に示すように、凹型状の形状を示す粒子であり、このような少なくとも2種以上の湾曲面によって形成されたものである。また、本発明透明着色粒子のもう一つの形態は、例えば、図2に示すように、山型状の形状を示す粒子であり、このような少なくとも1種以上の湾曲面及び平面によって形成されたものである。また、この他の本発明透明着色粒子の形態として、代表的なものを図3に示すが、これらに限定されるものではない。なお、図3は、本発明透明着色粒子の縦断面図である。
【0015】
本発明の凹型状の透明着色粒子は、2種以上の湾曲面を有するものであれば、特に限定されないが、特に、曲率半径の異なる2種以上の湾曲面を有することが好ましく、曲率半径が異なることによって、レンズ効果や反射効果等により、より深みのある立体的な意匠感を表出することができる。
具体的には、曲率半径が3mm以上の湾曲面Aと、湾曲面Aよりも曲率半径が小さい湾曲面Bを含むものであることが好ましく、特に、曲率半径の大きい湾曲面Aは、曲率半径が3mm以上、さらに5mm以上、曲率半径の小さい湾曲面Bは、曲率半径が1mm以上30cm以下、さらには、2mm以上25cm以下であることが好ましい。なお、湾曲面が2以上の極大をもつ形状であれば、それぞれの極大点における曲率半径が、上記規定に含まれていればよい。
【0016】
本発明の山型状の透明着色粒子は、1種以上の湾曲面及び平面(曲率半径が無限大と解釈することもできる。)を有するものであり、湾曲面として、曲率半径が1mm以上30cm以下、さらには、2mm以上25cm以下であることが好ましい。なお、湾曲面が2以上の極大をもつ形状であれば、それぞれの極大点における曲率半径が、上記規定に含まれていればよい。
【0017】
なお、本発明でいう曲率半径は、透明着色粒子の断面より、公知の方法で求めればよい。
具体的には、次のような方法で求めることができる。
(1)湾曲面が真球状の形状である場合は、湾曲面のうち、任意の2点をとり、それぞれの点から法線を引き、互いの法線の交わる点が球の中心であるため、曲率半径は中心と湾曲面の距離で求めることができる。
(2)湾曲面が真球状でない場合、例えば、図1に示す湾曲面Bの曲率半径は、図1(右)に示すように横断面より求めることができる。
具体的には、透明着色粒子を水平面に静置させ、該水平面から最も離れた湾曲面B上の点を点Y、水平面と透明着色粒子の接点を点X、点Yを通り水平面と垂直に交わる点を点A、直線YA(延長上の直線も含む)上にある曲率半径Lの中心を点Zと仮定し、点Zと点Xを結ぶ直線ZX(延長上の直線も含む)と点Yを通り水平面と平行である直線との交点をB、直線ZX(延長上の直線も含む)と中心点Zとする曲率半径Lの円との交点をC、角XZYをθとすると、角CYBがθ/2となるように直線ZBを描くことにより求めることができる。即ち、tanθ=直線XA/{(L−直線YA(厚さ)}=直線YB/L=が成立し、曲率半径Lを求めることができる。
(3)湾曲面が2以上の極大をもつ形状であれば、それぞれの極大点において、(2)で示す方法により、それぞれ曲率半径を求めることができる。
【0018】
本発明の透明着色粒子の形成成分としては、粒子径が0.05mm以上5mm以下(好ましくは0.1mm以上3mm以下)の着色材と結合剤を含むものであり、本発明の効果を損なわない程度に、その他公知の添加剤が含まれていてもよい。
粒子径が0.05mmより小さいと、着色材が目視し難く、透明着色粒子の粒子形状による効果が得られにくく、また粒子径が大きすぎても、透明着色粒子の粒子形状による効果が得られにくい。
なお、着色材の粒子径は、着色材を水平に静置させ、上から光学顕微鏡で測定した値である。
【0019】
着色材としては、例えば、着色骨材、光輝性顔料及び/または光干渉性顔料等が挙げられる。
着色骨材としては、例えば、天然石粒、または、珪砂、寒水石、マイカ、ガラスビーズ等の骨材に、着色顔料にて着色したもの等が挙げられる。
光輝性顔料及び/または光干渉性顔料としては、例えば、パール顔料、アルミニウム顔料、アルミニウムフレーク顔料、蒸着アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカ顔料、金属酸化物被覆合成マイカ顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆板状酸化鉄、グラファイト、ステンレスフレーク、金属チタンフレーク顔料、板状硫化モリブデン、板状塩化ビスマス、ホログラム顔料、コレステリック液晶ポリマー、金属蒸着高分子フィルムの破砕品等が挙げられる。
本発明では、着色材として光輝性顔料及び/または光干渉性顔料を含むことが好ましく、光輝性顔料及び/または光干渉性顔料を含むことによって、深みのある輝度感を表出し、優れた美観性を得ることができる。また、着色材として、着色顔料、蛍光顔料、染料等が含まれていてもよい。
【0020】
結合剤としては、その単独での成形体が透明であるものであれば特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニルエステル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルカプロラクタム樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、セルロース樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ガラス、シリカ等が挙げられる。
本発明では特に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アクリル−シリコン樹脂等から選ばれる1種以上を含む結合剤が好ましく、とりわけフッ素樹脂を含む結合剤は、耐衝撃性、不燃性等が向上し好ましく用いられる。
【0021】
結合剤としては、その単独での成形体が透明であるものが好ましく、具体的には、光透過率が、1%以上であればよいが、60%以上、さらには70%〜99%であるものが好適に用いられる。
このような透明性を有することによって、透明着色粒子の表面のみでなく、透明着色粒子内部に存在する着色材まで視認することが可能で、また、透明着色粒子同士が重なっている場合においても、奥に存在する透明着色粒子の視認が可能であるため、深みのある立体的な意匠感を表出し、優れた美観性を示すことができる。粒子の光透過率が1%未満の場合、粒子の表面のみが視認されることとなり、深みのある意匠感が得られない。
なお、光透過率とは、JIS K 7105−1981 5.5「光線透過率及び全光線反射率」に規定する測定法Aに準拠し、積分球式光線透過率測定装置を用いて測定した全光線透過率の値である。なお光透過率の測定には、厚さ2mmの成形体を別途作製し、その成形体を用い、波長550nmで測定した値である。
【0022】
着色材と結合剤との混合量は、適宜設定することができるが、通常、結合剤の固形分100重量部に対し、着色材が0.01重量部以上10重量部以下、さらには0.05重量部以上5重量部以下であることが好ましい。
【0023】
透明着色粒子を製造する方法は、特に限定されないが、上記に示す透明着色粒子の形成成分を、特定形状の型枠や鋳型に流し込み、硬化、脱型して製造することができる。
例えば、凹状の透明着色粒子を得る場合は、該形状の鋳型に流し込み硬化、脱型する方法の他に、特定の曲率半径を有する凹状の型枠を用意し、該型枠に透明着色粒子の形成成分を流しこみ、形成成分硬化時の体積収縮、また、揮発成分がある場合は揮発成分の揮発に伴う体積収縮等により、型枠面の湾曲面と、一方では体積収縮による湾曲面が形成され、凹状の透明着色粒子を形成することができる。
また、山状の透明着色粒子を得る場合は、該形状の鋳型に流し込み硬化、脱型する方法の他に、球状の粒子を切断して得ることもできる。
製造時には、透明着色粒子形成成分の粘度や、混合量、また、結合剤、着色材の各種成分を適宜組み合わせることによって、透明着色粒子中の着色材の存在箇所、例えば、透明着色粒子表面付近に着色材をリッチに局在化させたり、均一に存在させたりすることができる。
【0024】
本発明の透明着色粒子は、玩具、家電・家具や車輌、建築物等に適用することができる。
例えば、透明着色粒子と合成樹脂等を含む意匠性組成物から得られる成形体や、各種基材に対し、透明着色粒子と合成樹脂等を含む意匠性組成物を積層させた積層体として用いることができ、各種用途に合わせて、防火性、不燃性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐久性、防汚性、弾力性等の各種物性を確保すればよく、例えば、合成樹脂の種類や配合比率等により、各物性を適宜付与することが可能である。
【0025】
このような意匠性組成物で用いる合成樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニルエステル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルカプロラクタム樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、セルロース樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ガラス、シリカ等が挙げられる。
本発明では特に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アクリル−シリコン樹脂等から選ばれる1種以上を含む合成樹脂が好ましく、とりわけフッ素樹脂、アクリル−シリコン樹脂から選ばれる1種以上を含む合成樹脂は、耐衝撃性、不燃性等が向上し好ましく用いられ、特にアクリル−シリコン樹脂は、ガラス等の無機質材料との密着性も向上させることができる。
また、例えば、透明着色粒子で用いた結合材と、意匠性組成物で用いる合成樹脂とが、同一のものであれば、透明着色粒子の輪郭が目立たず、あたかも着色材が成形品や積層体中にランダムに存在し、深みのある立体的な意匠感を表出し、美観性に優れる意匠が得られる。また、透明着色粒子で用いた結合材と、意匠性組成物で用いる合成樹脂とが、異なったものであれば、屈折率の違いによるレンズ効果や界面での反射効果により、透明着色粒子の輪郭が現れる場合があり、存在感のある、深みのある立体的な意匠感が得られる。
【0026】
意匠性組成物における合成樹脂と透明着色粒子の混合比率は、特に限定されず、適宜設定すればよい。透明着色粒子が少ない場合は、ワンポイント的に表現することができ、また透明着色粒子が多い場合は、存在感を有する意匠が表現できるが、通常合成樹脂の固形分100重量部に対し、着色粒子1重量部以上100重量部以下とすればよい。
また意匠性組成物には、本発明の効果を疎外しない程度で、通常用いられる公知の着色顔料、体質顔料、骨材、繊維、可塑剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、粘性調整剤、レベリング剤、シランカップリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、吸着剤、光触媒、溶剤、水等が含まれていてもよい。
【0027】
意匠性組成物から成形体を得る方法としては、特に限定されないが、意匠性組成物を型枠や鋳型に流し込み、硬化、脱型して製造することができる。
また、積層体を得る方法としては、各種基材に対し、公知の粘着剤・接着剤を介して、意匠性組成物から得られた成形体を貼着する方法、また、各種基材に対し、意匠性組成物を塗付積層する方法等が挙げられる。
塗付積層する方法としては、特に限定されないが、例えば、ローラー、刷毛、コテ、ヘラ、ガン等の公知の塗付器具を用いて塗付積層すればよい。また、意匠性組成物を塗付積層する前に、必要により、基材表面を下塗材(シーラー、サーフェーサー、プライマー等)によって表面処理することもできる。また、意匠性組成物を塗付積層した後、必要により、保護材によって表面処理することもできる。
意匠性組成物から得られる成形体・形成膜の膜厚は、特に限定されないが、通常、1mm以上5cm以下程度とすることができる。本発明の透明着色粒子を用いた場合、成形体・形成膜の膜厚が薄くても、深みのある立体的な意匠感を表出することができる。
【0028】
基材としては、例えば、アルミ鋼板、亜鉛鋼板、ステンレス鋼板、銅鋼板等の金属鋼板、プラスチック板、押出成形板、陶磁器、ガラス、焼成タイル、磁器タイル、木材、コンクリート、モルタル、石膏ボード、繊維混入セメント板、珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、ALC板、サイディング板等が挙げられる。
本発明では、基材として着色された基材を用いることにより、基材と透明着色粒子の色彩があいまって、深みのある立体的な意匠感が得られる。
基材の色相としては、その基材自体の色相でもよいが、着色コーティング、着色メッキ等の通常知られる方法で着色したものでもよく、1種の色相からなる単色表面でも、2種以上の色相からなる多色表面でもよい。また、基材層表面は、凹凸面、湾曲面、フラット面等特に限定されない。
また、保護材としては、透明ガラス板、透明プラスチック板、または、透明コーティング材等が挙げられる。また、透明性を有している限り、着色されたものでもよい。このような保護材を積層することにより、耐衝撃性、不燃性、耐擦傷性、防汚性等の物性を向上させることができる。
【実施例】
【0029】
(実施例1)
(透明着色粒子1)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて混合し、透明着色粒子1の形成成分を得た。
次に、曲率半径10cm、直径1cmの型枠に、透明着色粒子1の形成成分を流し込み、乾燥硬化させて脱型し、大きさ0.8cm、厚さ0.2mm、曲率半径10cmと曲率半径25cmの凹型状の透明着色粒子1を得た。
なお、曲率半径10cmの湾曲面は型枠の形状による湾曲面であり、曲率半径25cmの湾曲面は乾燥硬化時の体積収縮による湾曲面である。
得られた透明着色粒子1は、透明感を有しながら、内部の着色粒子の存在により、奥行き感を視認でき、曲面部位に沿ってさらに奥行き感が増した、深みのある優れた意匠を有していた。
(積層体1)
保護層となるガラス板(100mm×100mm×3mm)の上に、表1に示す原料を用い、表3に示す配合にて混合した意匠層成分を、所要量0.4kg/mでローラーにて塗布し、温度50℃、相対湿度60%で、5時間乾燥させ、保護層と意匠層からなる積層体を得た。
次に、この積層体に無機系接着剤(総発熱量2.0MJ/m未満)で基材となるけい酸カルシウム板(100mm×100mm×5mm、色相:黒)と接着し、保護層、意匠層、基材からなる積層体1を得た。
得られた積層体1は、全体的に黒色の色相を有しながら、透明着色粒子1の色相がランダムかつ立体感を持って視認でき、深みのある優れた意匠を有していた。さらに保護層の積層で全体的に奥行き感が増した深みのある優れた意匠となった。
【0030】
なお、合成樹脂の光透過率とは、積分球式光線透過率測定装置(株式会社島津製作所社製)にて、厚さが2mmの合成樹脂の硬化体を測定した値である。(波長:550nm)
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
【表3】

【0034】
この積層体を試験体とし、次の実験を行った。
<耐衝撃性評価>
JIS A 1408 建築用ボード類の曲げ及び衝撃試験方法に基づいて、評価を行い、試験体表面の状態を目視にて評価した。具体的には、500gの鋼球を所定の高さにて落下させ、割れが生じる高さで評価した。
5:高さ30cm以上
4:高さ20cm以上、30cm未満
3:高さ10cm以上、20cm未満
2:高さ5cm以上、10cm未満
1:高さ5cm以下
<不燃性評価>
コーンカロリーメーターによる燃焼性試験を行い、不燃性を評価した。
5:総発熱量5MJ/m未満
4:総発熱量5MJ/m以上、8MJ/m未満
3:総発熱量8MJ/m以上、12MJ/m未満
2:総発熱量12MJ/m以上、15MJ/m未満
1:総発熱量15MJ/m以上
【0035】
(実施例2)
(積層体2)
表面が着色された磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、色相:黒)の上に、表1に示す原料を用い、表3に示す配合にて混合した意匠層成分を、所要量0.4kg/mでローラーにて塗布し、温度50℃、相対湿度60%で、5時間乾燥させ、意匠層と基材からなる積層体を得た。
さらに意匠層の上に保護層として、メタクリル酸メチル75重量部、2−エチルヘキシルアクリレート25重量部、粒状ガラス粒子(粒子径:250μm)25重量部、過酸化ベンゾイル1重量部からなる塗布液を、所要量0.1kg/mで刷毛にて塗布し、温度50℃、相対湿度60%で、5時間乾燥させ、保護層を得、積層体2を得た。なお、保護層の光透過率は92.0%であった。
得られた積層体2は、全体的に黒色の色相を有しながら、透明着色粒子1の色相がランダムかつ立体感を持って視認でき、深みのある優れた意匠を有していた。さらに保護層の積層で全体的に奥行き感が増した深みのある意匠となった。
【0036】
(実施例3)
(積層体3)
表面が着色された磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、色相:黒)の上に、表1に示す原料を用い、表3に示す配合にて混合した意匠層成分を、所要量0.4kg/mでローラーにて塗布し、温度50℃、相対湿度60%で、5時間乾燥させ、積層体3を得た。
得られた積層体3は、全体的に黒色の色相を有しながら、透明着色粒子1の色相がランダムかつ立体感を持って視認でき、深みのある優れた意匠を有していた。
【0037】
(実施例4)
(透明着色粒子2)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて混合し、透明着色粒子2の形成成分を得た。
次に、曲率半径1cm、直径2cmの型枠に、透明着色粒子2の形成成分を流し込み、乾燥硬化させて脱型し、大きさ0.5cm、厚さ0.4mm、曲率半径1cmと曲率半径25cmの凹型状の透明着色粒子2を得た。
なお、曲率半径1cmの湾曲面は型枠の形状による湾曲面であり、曲率半径25cmの湾曲面は乾燥硬化時の体積収縮による湾曲面である。
得られた透明着色粒子2は、透明感を有しながら、内部の着色粒子の存在により、奥行き感を視認でき、曲面部位に沿ってさらに奥行き感が増した、深みのある優れた意匠を有していた。
(積層体4)
保護層となるガラス板(100mm×100mm×3mm)の上に、表1に示す原料を用い、表3に示す配合にて混合した意匠層成分を、所要量0.4kg/mでローラーにて塗布し、温度50℃、相対湿度60%で、5時間乾燥させ、保護層と意匠層からなる積層体を得た。
次に、この積層体に無機系接着剤(総発熱量2.0MJ/m未満)で基材となるけい酸カルシウム板(100mm×100mm×5mm、色相:青)と接着し、保護層、意匠層、基材からなる積層体4を得た。
得られた積層体4は、全体的に青色の色相を有しながら、透明着色粒子2の色相がランダムかつ立体感を持って視認でき、深みのある優れた意匠を有していた。さらに保護層の積層で全体的に奥行き感が増した深みのある優れた意匠となった。
【0038】
(実施例5)
(透明着色粒子3)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて混合し、透明着色粒子3の形成成分を得た。
次に、曲率半径7cm、直径3cmの型枠の型枠に、透明着色粒子3の形成成分を流し込み、乾燥硬化させて脱型し、大きさ1.5cm、厚さ0.3mm、曲率半径7cmと曲率半径25cmの凹型状の透明着色粒子3を得た。
得られた透明着色粒子3は、透明感を有しながら、内部の着色粒子の存在により、奥行き感を視認でき、曲面部位に沿ってさらに奥行き感が増した、深みのある優れた意匠を有していた。
(積層体5)
保護層となるガラス板(100mm×100mm×3mm)の上に、表1に示す原料を用い、表3に示す配合にて混合した意匠層成分を、所要量0.4kg/mでローラーにて塗布し、温度50℃、相対湿度60%で、5時間乾燥させ、保護層と意匠層からなる積層体を得た。
次に、この積層体に無機系接着剤(総発熱量2.0MJ/m未満)で基材となるけい酸カルシウム板(100mm×100mm×5mm、色相:茶)と接着し、保護層、意匠層、基材からなる積層体5を得た。
得られた積層体5は、全体的に茶色の色相を有しながら、透明着色粒子3の色相がランダムかつ立体感を持って視認でき、深みのある優れた意匠を有していた。さらに保護層の積層で全体的に奥行き感が増した深みのある優れた意匠となった。
【0039】
(実施例6)
(透明着色粒子4)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて混合し、透明着色粒子4の形成成分を得た。
次に、曲率半径7cm、直径3cmの型枠と平面を有する型枠を用意し、型枠に注入口と空気抜口をつくり、型枠どうしをつなぎあわせた。得られた型枠の注入口に透明着色粒子4の形成成分を流し込み、減圧下で、乾燥硬化させ脱型し、大きさ1.5cm、厚さ0.3mm、曲率半径7cmと平面を有する山型状の透明着色粒子4を得た。
得られた透明着色粒子4は、透明感を有しながら、内部の着色粒子の存在により、奥行き感を視認でき、曲面部位に沿ってさらに奥行き感が増した、深みのある優れた意匠を有していた。
(積層体6)
保護層となるガラス板(100mm×100mm×3mm)の上に、表1に示す原料を用い、表3に示す配合にて混合した意匠層成分を、所要量0.4kg/mでローラーにて塗布し、温度50℃、相対湿度60%で、5時間乾燥させ、保護層と意匠層からなる積層体を得た。
次に、この積層体に無機系接着剤(総発熱量2.0MJ/m未満)で基材となるけい酸カルシウム板(100mm×100mm×5mm、色相:赤)と接着し、保護層、意匠層、基材からなる積層体6を得た。
得られた積層体6は、全体的に赤色の色相を有しながら、透明着色粒子4の色相がランダムかつ立体感を持って視認でき、深みのある優れた意匠を有していた。さらに保護層の積層で全体的に奥行き感が増した深みのある優れた意匠となった。
【0040】
(実施例7)
(透明着色粒子5)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて混合し、透明着色粒子5の形成成分を得た。
次に、透明着色粒子1と同様の方法で、大きさ0.8cm、厚さ0.2mm、曲率半径10cmと曲率半径25cmの凹型状の透明着色粒子5を得た。
得られた透明着色粒子5は、透明感を有しながら、内部の着色粒子の存在により、奥行き感を視認でき、曲面部位に沿ってさらに奥行き感が増した、深みのある優れた意匠を有していた。
(積層体7)
表1に示す原料、表2に示す配合以外は、実施例1と同様の方法で、保護層、意匠層、基材を積層させ、積層体7を得た。
得られた積層体7は、全体的に黒色の色相を有しながら、透明着色粒子5の色相がランダムかつ立体感を持って視認でき、深みのある優れた意匠を有していた。さらに保護層の積層で全体的に奥行き感が増した深みのある優れた意匠となった。
【0041】
(実施例8)
(積層体8)
表1に示す原料、表2に示す配合以外は、実施例1と同様の方法で、保護層、意匠層、基材を積層させ、積層体8を得た。
得られた積層体8は、全体的に黒色の色相を有しながら、透明着色粒子5の色相がランダムかつ立体感を持って視認でき、深みのある優れた意匠を有していた。さらに保護層の積層で全体的に奥行き感が増した深みのある意匠となった。
【0042】
(実施例9)
(積層体9)
表1に示す原料、表2に示す配合以外は、実施例1と同様の方法で、保護層、意匠層、基材を積層させ、積層体9を得た。
得られた積層体9は、全体的に黒色の色相を有しながら、透明着色粒子5の色相がランダムかつ立体感を持って視認でき、深みのある優れた意匠を有していた。さらに保護層の積層で全体的に奥行き感が増した深みのある優れた意匠となった。
【0043】
(実施例10)
(透明着色粒子6)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて混合し、透明着色粒子6の形成成分を得た。
次に、透明着色粒子1と同様の方法で、大きさ0.8cm、厚さ0.2mm、曲率半径10cmと曲率半径25cmの凹型状の透明着色粒子6を得た。
得られた透明着色粒子6は、透明感を有しながら、内部の着色粒子の存在により、奥行き感を視認でき、曲面部位に沿ってさらに奥行き感が増した、深みのある優れた意匠を有していた。
(積層体10)
表1に示す原料、表2に示す配合以外は、実施例1と同様の方法で、保護層、意匠層、基材を積層させ、積層体10を得た。
得られた積層体10は、全体的に黒色の色相を有しながら、透明着色粒子6の色相がランダムかつ立体感を持って視認でき、深みのある優れた意匠を有していた。さらに保護層の積層で全体的に奥行き感が増した深みのある優れた意匠となった。
【0044】
(実施例11)
(積層体11)
表1に示す原料、表2に示す配合以外は、実施例1と同様の方法で、保護層、意匠層、基材を積層させ、積層体11を得た。
得られた積層体11は、全体的に黒色の色相を有しながら、透明着色粒子6の色相がランダムかつ立体感を持って視認でき、屈折率の違いによる奥行き感が感じられ、さらに保護層の積層で全体的に奥行き感が増した深みのある優れた意匠を有していた。
【0045】
(実施例12)
(積層体12)
表1に示す原料、表2に示す配合以外は、実施例5と同様の方法で、保護層、意匠層、基材を積層させ、積層体12を得た。
得られた積層体は、全体的に黒色の色相を有しながら、透明着色粒子6の色相がランダムかつ立体感を持って視認でき、保護層の積層で全体的に奥行き感が増した深みのある優れた意匠を有していた。
【0046】
(比較例1)
(透明着色粒子7)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて混合し、透明着色粒子7の形成成分を得た。
次に、透明着色粒子1と同様の方法で、大きさ0.8cm、厚さ0.2mm、曲率半径10cmと曲率半径25cmの凹型状の透明着色粒子7を得た。
得られた透明着色粒子7は、透明感が損なわれ、内部の着色粒子が視認できず、奥行き感の乏しい単調な意匠を有していた。
(積層体13)
保護層となるガラス板(100mm×100mm×3mm)の上に、表1に示す原料を用い、表3に示す配合にて混合した意匠層成分を、所要量0.4kg/mでローラーにて塗布し、温度50℃、相対湿度60%で、5時間乾燥させ、保護層と意匠層からなる積層体を得た。
次に、この積層体に無機系接着剤(総発熱量2.0MJ/m未満)で基材となるけい酸カルシウム板(100mm×100mm×5mm、色相:群青)と接着し、保護層、意匠層、基材からなる積層体13を得た。
得られた積層体13は、全体的に群青色の色相を有しながら、透明着色粒子7の色相がランダムに視認できるが、透明着色粒子7の形状を立体的に視認できず、深みに欠ける単調な意匠を有していた。
【0047】
(比較例2)
(透明着色粒子8)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて混合し、透明着色粒子8の形成成分を得た。
次に、一辺が2cm、奥行きが5mmの直方体の鋳型に、透明着色粒子8の形成成分を流し込み、乾燥硬化させて脱型し、大きさ2cm、奥行きが5mmの直方体状の透明着色粒子8を得た。
得られた透明着色粒子8は、透明感を有しながら、内部の着色粒子の存在により奥行き感を視認できるが、色相が均一で単調な意匠を有していた。
(積層体14)
保護層となるガラス板(100mm×100mm×3mm)の上に、表1に示す原料を用い、表3に示す配合にて混合した意匠層成分を、所要量5.0kg/mでヘラにて塗布し、温度50℃、相対湿度60%で、5時間乾燥させ、保護層と意匠層からなる積層体を得た。
次に、この積層体に無機系接着剤(総発熱量2.0MJ/m未満)で基材となるけい酸カルシウム板(100mm×100mm×5mm、色相:黒)と接着し、保護層、意匠層、基材からなる積層体14を得た。
得られた積層体14は、全体的に黒色の色相を有しており、透明着色粒子8の色相をランダムに視認できるが、透明着色粒子8を立体的に視認できず、深みに欠ける単調な意匠を有していた。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明透明着色粒子の一例である。
【図2】本発明透明着色粒子の一例である。
【図3】本発明透明着色粒子の断面図の一例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子径が0.05mm以上5mm以下の着色材と結合剤とを含む、2種以上の湾曲面を有する凹型状の透明着色粒子。
【請求項2】
曲率半径の異なる2種以上の湾曲面を有することを特徴とする請求項1に記載の透明着色粒子。
【請求項3】
曲率半径が3mm以上の湾曲面Aと、湾曲面Aよりも曲率半径が小さい湾曲面Bを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透明着色粒子。
【請求項4】
湾曲面Bの曲率半径が1mm以上30cm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の透明着色粒子。
【請求項5】
粒子径が0.05mm以上5mm以下の着色材と結合剤とを含む、1種以上の湾曲面及び平面を有する山型状の透明着色粒子。
【請求項6】
湾曲面の曲率半径が1mm以上30cm以下であることを特徴とする請求項5に記載の透明着色粒子。
【請求項7】
大きさが1mm以上15cm以下であることを特徴とする請求項1または請求項6に記載の透明着色粒子。
【請求項8】
着色材が、光輝性顔料及び/または光干渉性顔料であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の透明着色粒子。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−209312(P2010−209312A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232888(P2009−232888)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(599071496)ベック株式会社 (98)
【Fターム(参考)】