透明部を有する漏水受板
【課題】ずい道等の構造物のコンクリート壁面の漏水部に漏水受板を取り付けて漏水部からの漏水を導水処理する導水装置において、導水路の内部を長期間に亘って、漏水受板を取り外すことなく外部から容易に目視観察可能とする。
【解決手段】漏水受部7の両側に取付端部9,9を設ける。漏水受部7の幅方向中央部分を透明部19として形成する。透明部19の内面25の長手中央線に沿って中央の遮水突条27を突設する。中央の遮水突条27は、コンクリート壁面3と漏水受部7との間に形成される導水路4を左右に分割する。
【解決手段】漏水受部7の両側に取付端部9,9を設ける。漏水受部7の幅方向中央部分を透明部19として形成する。透明部19の内面25の長手中央線に沿って中央の遮水突条27を突設する。中央の遮水突条27は、コンクリート壁面3と漏水受部7との間に形成される導水路4を左右に分割する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ずい道や地下道、地下室等の構造物のコンクリート壁面に取り付けられることにより該壁面との間で導水路を形成する、透明部を有する漏水受板に関するものである。より詳しくは、コンクリート壁面の漏水部からの漏水を受けてこれを導水処理する導水路の詰まり状態や、漏水部の拡大状態、漏水部の漏水量、壁面の剥落の進行状態等の導水路の内部状態を、漏水受板を取り外すことなく外部から容易に目視観察でき、しかも長期間に亘って目視観察可能とする透明部を有する漏水受板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ずい道や地下道、地下室等の構造物のコンクリート壁面の漏水部からの漏水を受けてこれを排水処理する手段の一つとして、実開昭61−121300号公報等が開示する導水装置が提案されている。
【0003】
該導水装置は、図24に示すように、構造物のコンクリート壁面aに所要間隔を置いて平行状態に固定される保持具bと、その幅方向の両側に設けられた挿入溝c,cに端縁部分dが挿入される漏水受板eとを具えている。該保持具bは、その一面に設けられた止水材fが前記壁面aに当接せしめられた状態で、該壁面aに打ち込まれたアンカーボルトgとこれに螺合するナットhとを用いて該壁面aに固定される。そして、隣り合う保持具b,bの対向する挿入溝c,cに、前記漏水受板eの両端縁部分d,dを挿入することにより、該漏水受板eと前記壁面aとの間で導水路jを形成し、該壁面aの漏水部kからの漏水を該導水路jにより排水溝に導水するものであった。
【0004】
かかる導水装置にあっては、該壁面aの漏水部kで成長した遊離石灰の塊や該壁面aの一部分で剥落して落下した剥落片等によって導水路jに詰まり状態が発生して導水路jの導水機能が低下しやすい問題があった。
【0005】
このような導水路の詰まり状態等を点検するために、漏水受板の一部分を取り外して導水路を部分的に点検することが行われていたが、その取り外しや取り外した後における復旧工事が大掛かりとなって施工コストの上昇を招く問題があったばかりか、あくまでも部分的な点検であって導水路の全体を確実に点検することができない不完全な点検にならざるを得ない問題があった。
【0006】
そこでかかる問題点を解決せんとして、前記漏水受板を透光性を有する材料によって形成した導水装置が特開2002−47900号公報によって提案されている。該導水装置によるときは、漏水受板が透明であるために、導水路の詰まり状態等の点検を、漏水受板や断熱板を取り外すことなく容易に行い得る利点があった。
【0007】
しかしながら該導水装置にあっては、前記漏水受板の、前記壁面に臨む内表面が平滑面に形成されていたことから、該漏水受板が前記壁面の漏水部からの漏水を受けてこれを導水する際、受けられた漏水が該漏水受板の流下面を自由に流下することになる。その結果、該流下する水に含まれている遊離石灰や鉄分等の不純物が該流下面に付着していくことにより、前記漏水受板全体の透明度が劣化して詰まり状態等の確認が困難となる問題があった。このような不純物の付着は、前記漏水部からの漏水が雪解け時や梅雨時には生じても真夏には生じにくい等により導水路の流下面に漏水が流れる状態と該流下面が乾燥した状態を繰り返す場合は特に多くなるため、かかるときは前記漏水受板全体の透明度の劣化が比較的短期間の内に進行し易かった。
【0008】
又、該導水装置にあっては、前記漏水受板の全体が透明に形成されていたため、該漏水受板の側部分で成長した遊離石灰の塊や該側部分に落下している剥落片をもが該透明な漏水受板を通して見えることになり、美観を損なう問題があった他、該漏水受板の中央部分の剥落片だけならまだしも該側部分の剥落片をも含めた多くの剥落片が下から見えることは、これらの剥落片が落下してくるような不安感を与えやすく好ましいものでなかった。
【0009】
【特許文献1】実開昭61−121300号公報(第2−4頁、図2)
【特許文献2】特開2002−47900号公報(第6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、漏水受板の良好な透明度を極力長く維持できるようにして、導水路の詰まり状態や、漏水部の拡大状態、漏水部の漏水量、壁面の剥落状態等の導水路の内部状態を、漏水受板を取り外すことなく長期間に亘って外部から容易に目視観察可能とした、透明部を有する漏水受板の提供を課題とするものである。更に進んで、導水路内に遊離石灰の塊や剥落片が存する場合においても導水路の美観を極力損なわないだけでなく、これらの塊や剥落片が落下してくるような不安感を緩和できる漏水受板の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る透明部を有する漏水受板の第1の態様は、漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されている。そして、該透明部の前記壁面に臨む内表面の幅方向の中間部に、該透明部の長さ方向に延長する中央の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該中央の遮水突条の上端を超えないことを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る漏水受板の第2の態様は、漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されている。そして、該透明部の前記壁面に臨む内表面の長手中央線に沿って中央の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該中央の遮水突条の上端を超えないことを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る漏水受板の第3の態様は、漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されている。そして、該透明部の前記壁面に臨む内表面の、長手中央線の両側に所要間隔を隔てて2本の中央の遮水突条が平行して連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該中央の遮水突条の上端を超えないことを特徴とするものであ。
【0014】
本発明に係る漏水受板の第4の態様は、前記第1、第2、第3の態様に係る漏水受板において、前記透明部の前記壁面に臨む内表面の両側縁部に沿って側部の遮水突条を連続状態に突設し、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該側部の遮水突条の上端を超えないように構成するのがよい。
【0015】
本発明に係る漏水受板の第5の態様は、漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されている。そして、該透明部の、前記壁面に臨む内表面の両側縁部に沿って側部の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該側部の遮水突条の上端を超えないことを特徴とするものである。
【0016】
前記第1〜第5の態様に係る漏水受板において、前記透明部の幅を、前記漏水受部の幅の2〜8割に設定し、該透明部の両側に存する部分を不透明部として形成するのがよい。より好ましくは、該透明部の幅を、前記漏水受部の幅の3〜7割に設定し、該透明部の両側に存する部分を不透明部として形成するのがよい。
【0017】
前記第1〜第4の態様に係る漏水受板において、前記中央の遮水突条は透明に形成するのがよい。又該各漏水受板において、前記漏水受部の全体を透明部として形成することもある。
【0018】
前記第1〜第5の態様に係る漏水受板において、前記漏水受部の両側に前記取付端部が設けられてなる漏水受板本体を、全体が透明な硬質合成樹脂を用いて構成されたものとし、前記漏水受部は、その幅方向の中央部分を透明のまま残して前記透明部とすると共に該透明部の両側に存する部分は、その外表面及び/又は内表面を不透明に塗装することによって不透明部とすることもできる。
【0019】
前記不透明部は、前記取付端部を除いて形成してよい。特に、不透明に塗装することによって不透明部を形成するときは、漏水受板の製造コストの低減を期し得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る漏水受板は、漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長する透明部として形成されると共に、該漏水受部の内表面に中央の遮水突条や側部の遮水突条が設けられているため、構造物のコンクリート壁面に該漏水受板が取り付けられて導水路が形成された状態で、該導水路を複数の分割水路に分割できることになる。
【0021】
その結果、本発明によるときは、該漏水受板を取り外すことなく、該透明部を透視して導水路の内部を外部から目視観察でき、漏水部における遊離石灰の成長状態や壁面の剥落状態、導水路の詰まり状態、漏水部の漏水状態、漏水部の拡大状態等の導水路の内部状態に応じて必要な処置を施すことができる。
【0022】
そして、前記漏水受部に設けられている前記中央の遮水突条や側部の遮水突条によって、前記導水路が複数の分割水路に分割されることになるので、特定の分割水路に流入した漏水が他の分割水路に移動するのが阻止され、流下する漏水に含まれている遊離石灰や鉄分等の不純物によって透明部の全体が一様に汚れるのを防止できる。かかることから、導水路の内部を目視観察するために必要な透明度を、部分的なものとはなっても、極力長く維持させ得ることとなる。
【0023】
(2) 前記透明部の幅を、前記漏水受部の幅方向中央部分に止め、該透明部の両側に存する部分を不透明部に構成する場合は、前記壁面の漏水部で成長した遊離石灰の塊や該壁面で剥落した剥落片等が導水路に存していても、該導水路の両側部分に存するものは目視され難い状態となる。これによって、ずい道や地下道等の構造物の美観を極力損なわないようになし得るだけでなく、これらの塊や剥落片が落下してくるような不安感を緩和できる。
【実施例1】
【0024】
図1〜2において本発明に係る漏水受板1は、ずい道や地下道、地下室等の構造物2(例えばずい道2a)のコンクリート壁面3に取り付けられて導水路4を形成でき、該壁面3の漏水部5からの漏水を受けてこれを排水溝等の排水設備6に導水処理するものであり、漏水受部7の両側に、前記壁面3に取り付く取付端部9,9が設けられており、全体が、例えば塩化ビニルやABS樹脂、ポリエチレン樹脂等の硬質合成樹脂(本実施例では塩化ビニル)を以て押出成型されている。
【0025】
該漏水受板1は、本実施例においては図2〜4に示すように、全体が2mm程度の肉厚で一体に成形された漏水受板本体8を有しており、該漏水受板本体8は、樋状をなす前記漏水受部7の両側に断面コ字状を呈する前記取付端部9,9が連設されている。該取付端部9は、前記漏水受部7の側端縁10,10で側方に向け突出する基片11の両側縁に外の保持片12と内の保持片13が突設されることにより全体として断面コ字状を呈し、該内外の保持片12,13間に、止水材15を付設するための溝状凹部16が形成されている。そして該基片11には、例えば500mm間隔で挿通孔17が並設されている。
【0026】
そして前記漏水受部7は、その幅方向中央部分の、該漏水受部7の幅に対する2割幅以上の部分が、透明な硬質合成樹脂を以って、該漏水受部7の長さ方向に延長する透明部19として形成されており、該透明部19の両側に存する部分(以下両側部分ともいう)は、不透明な硬質合成樹脂を以って、不透明部20,20に形成されている。本実施例においては、該漏水受部7の幅が300mmに設定され該透明部19の幅は100mmに設定されており、該漏水受部7の幅に対する透明部19の幅は3割3分程度とされている。
【0027】
本実施例において透明部19をかかる割合で設けているのは次の理由による。即ち、透明部19は後述のように導水路4の内部を外部から目視観察するためのものであり、又該漏水受板1は、図5に示すように、その漏水受部7が前記漏水部5の多くの部分を覆うように壁面3に取り付けられるものであることからすれば、通常は、漏水受部7の幅方向中央部分を透視して導水路4の内部を観察すれば必要な保守管理を行い得るものである。かかることから本実施例においては、漏水受部7の両側部分を不透明部20,20として該漏水受部7の幅方向中央部分のみを透明部19とし、外部から見たときに図6に示すような、漏水部5で成長した遊離石灰の塊22や漏水部周辺での剥落片23が、導水路4の内部の全体に亘って見えてしまうのを防止し、透明部19を設けることに伴う導水路4部分の美観損傷が極力生じないようになし、又、導水路4の内部の遊離石灰の塊22や剥落片23が落下してくるような不安感を緩和するのである。
【0028】
なお本実施例においては、前記透明部19の内表面25と外表面26に汚れが付着しにくくするために、又、該透明部19の外表面26に付着した汚れ(ずい道等の内部で発生した埃や排気ガス等による汚れ)を拭き取りやすくするために、該透明部19の内表面25及び外表面26にフッ素樹脂やシリコン樹脂等の撥水性樹脂を塗布することによって撥水表面処理を施している。
【0029】
又前記透明部19の、前記壁面3に臨む内表面25の長手中央線に沿って、該内表面25と一体に、中央の遮水突条27が連続状態に突設されている。該中央の遮水突条27は、本実施例においては、透明な硬質合成樹脂を以って、透明に形成され、上下に長い断面長方形状を呈しており、前記透明部19を透かして視認できる。該中央の遮水突条27の上端29の高さは、前記導水路4の底面をなす流下面37で受けられた前記漏水の水位が該上端29を超えないように設定されている。本実施例においては該中央の遮水突条27の高さを5〜10mmに、例えば6mmに設定している。
【0030】
かかる構成を有する漏水受板1を前記壁面3に取り付けるに先立って、図2に示すように、前記取付端部9,9の前記溝状凹部16,16に、合成ゴム弾性体等からなる前記止水材15,15を密接に嵌め込んで接着することにより、該止水材15,15を固定状態とする。
【0031】
その後図2、図5に示すように、前記壁面3に発生している漏水部5を前記漏水受部7で覆うように前記漏水受板1を壁面3に取り付ける。その際、前記透明部19を透視しながら、該透明部19が該漏水部5の多くの部分を覆うように該漏水受板1の左右の止水材15,15を壁面3に当接させるのであるが、このとき、前記中央の遮水突条27を前記漏水受部7の長手中央線を示す目印線として利用すると、漏水受板1の取り付け作業を正確且つ容易に行うことができる。
【0032】
この状態で、前記挿通孔17を挿通し且つ前記止水材15を貫通したドリルで前記壁面3に削孔してアンカー孔30を形成する。そして、該アンカー孔30に打入されて該壁面3に植設されたアンカーボルト31のネジ軸部32を、前記止水材15と前記基片11の挿通孔17に貫通させると共に、該ネジ軸部32に座金33を嵌めてナット35を螺締する。これにより、図2に示すように漏水受板1が、前記止水材15,15を介して該壁面3に水密に取り付けられ、前記漏水部5からの漏水を受けて導水する前記導水路4が漏水受部7と壁面3との間で形成されてなる導水装置36が構成される。該導水路4の底面をなす流下面37は、前記漏水部5からの漏水を受け、これを、両側の取付端部9,9から漏洩させることなく確実に導水して排水させることができる。
【0033】
そして、前記漏水受部7の幅方向中央部分に設けられている前記透明部19は、図6に示すような、前記壁面3の漏水部5で成長した遊離石灰の塊22や該壁面3の一部分で剥落した剥落片23等による導水路4の詰まり状態、漏水部5の拡大状態、漏水部5の漏水量、壁面3の剥落の進行状態等の導水路4の内部状態を、前記漏水受板1を取り外すことなく外部から容易に目視観察可能とする。そして、これらの内部状態の観察情報に基づき、漏水受板1を取り外して遊離石灰の塊22や剥落片23等を除去して漏水受板を取り替えたり、壁面を補強したりする等の必要な処置を施す。
【0034】
又、漏水に含まれている遊離石灰や鉄分等の不純物の付着によって前記透明部19の透明度が徐々に低下していくのはやむを得ないことであるが、前記中央の遮水突条27は、該透明部19が一様に汚れるのを防止し、導水路4の内部状態を確認可能な程度の透明度を極力長く維持させる。
【0035】
これをより具体的に説明すれば、前記導水路4は、図7に示すように、前記中央の遮水突条27を境にして左の分割水路39aと右の分割水路39bに分割されるため、前記漏水部5からの漏水が、図7(A)(B)に示すように、該左右の分割水路39a,39bに流入して両分割水路を略同じ水深で或いは異なる水深で流れることの他、図7(C)に示すように、該左の分割水路39aにのみ流入したとすれば、該漏水は、左の分割水路39aを流下することになり右の分割水路39bを流下することはない。逆に図7(D)に示すように、前記漏水部5からの漏水が前記右の分割水路39bにのみ流入したとすれば、該漏水は、右の分割水路39bを流下することになり左の分割水路39aを流下することはない。このように漏水部5からの漏水は、左右の分割水路39a,39bを同時に流下することの他、左の分割水路39aや右の分割水路39bに規制されて流下することもある。かかることから、前記中央の遮水突条27は、漏水受部7の透明部19が一様に汚れるのを防止し、該透明部19の、導水路4の内部状態を確認可能な程度の透明度を、部分的なものとはなっても、極力長く維持させることができるのである。透視可能部分が透明部19の幅方向の一部分だけとなっても、この一部分での目視観察によって導水路4の内部状態の全体を推測することが可能である。
【0036】
そして本実施例においては、前記漏水受部7は、前記透明部19の両側部分が不透明部20,20に形成されているために、図6に示すように、前記漏水部5で成長した遊離石灰の塊22や該壁面の一部分で剥落した剥落片23等によって導水路4に詰まり状態が発生した場合、該導水路4の両側部分に存するものは目視され難い状態となる。これによって、ずい道や地下道等の構造物の美観を極力損なわないようになし得るだけでなく、詰まり物が落下してくるような不安感を緩和できる。
【0037】
図8〜9は、前記漏水受板1の前記透明部19の内表面25の長手中央線に沿って中央の遮水突条27が連続状態に突設されると共に、該透明部19の内表面25の両側縁部41,41に沿って側部の遮水突条42,42が連続状態に突設されてなる漏水受板1を示すものであり、前記導水路4が4つの分割水路39,39,39,39に分割されるように構成されている。本実施例においては、前記中央の遮水突条27は透明に形成され、上下に長い断面長方形状を呈しており、前記透明部19を透かして視認できる。又前記側部の遮水突条42,42は、前記透明部19の側縁部41,41の外側に、即ち前記不透明部20,20で突設され、不透明に形成され、上下に長い断面長方形状を呈している。そして、該中央の遮水突条27の高さ及び該側部の遮水突条42,42の高さは、前記導水路4の底面をなす流下面37で受けられた漏水の水位が該中央の遮水突条27の上端29や側部の遮水突条42,42の上端44,44を超えないように、5〜10mm、例えば6mmの高さに設定されている。図8は、かかる構成を有する漏水受板1を壁面3に取り付けて構成された導水装置36を示すものである。
【0038】
漏水部5における漏水は、壁面3を伝い流れて該漏水部5の周辺で滴下することや、拡大した漏水部の先側部分で滴下することもあるが、前記側部の遮水突条42,42が突設されてなる前記漏水受板1によるときは、該周辺で滴下する漏水や該先側部分で滴下する漏水を側方の分割水路39cに流入させることができるため、滴下した漏水の流下を分割水路でより細かく規制できることになる。このようなことから本実施例に係る漏水受板1は、中央の遮水突条27だけが設けられてなる前記漏水受板1に比し、透明部19の必要な透明状態(導水路4の内部を確認可能な程度の透明状態)をより長く維持させることができる。
【0039】
図10〜11は、全体が平板状に形成された漏水受板1を示すものであり、漏水受部7の幅方向中央部分の、該漏水受部7の幅に対する2割幅以上の部分が、該漏水受部7の長さ方向に延長する透明部19として形成されており、該透明部19の両側に存する部分は不透明部20,20に形成されている。本実施例においては、該漏水受部7の幅が300mmに設定され、該透明部19の幅は100mmに設定されており、該漏水受部7の幅に対する透明部19の幅は約3割8分とされている。
【0040】
又前記透明部19の、前記壁面3に臨む内表面25の長手中央線に沿って中央の遮水突条27が連続状態に突設されている。該中央の遮水突条27は、本実施例においては透明に形成され、上下に長い断面長方形状を呈しており、前記透明部19を透かして視認できる。該中央の遮水突条27の上端29の高さは、前記導水路4の底面をなす流下面37で受けられた前記漏水の水位が該上端29を超えないように設定されている。本実施例においては該中央の遮水突条27の高さを5〜10mmに、例えば6mmに設定している。
【0041】
図10は、かかる構成を有する漏水受板1を前記壁面3に取り付けた状態を示すものであり、該漏水受板1の両側の取付端部9,9が、前記壁面3に所要間隔を置いて平行状態に固定された、断面S字状を呈する固定具45,45の左右対向する挿入溝46,46に挿入されることによって、前記漏水部5からの漏水を受けて導水する導水路4が該漏水受板1と前記壁面3との間で形成されてなる導水装置36が構成される。そして該導水路4は、前記中央の遮水突条27を境にして左右の分割水路39a,39bに分割される。又該固定具45は、その内面側に設けられた止水材47が前記壁面3に水密に圧接された状態で、該壁面3に植設されたアンカーボルト49のネジ軸部50が該止水材47と前記固定具45と前記取付端部9に貫通せしめられ、且つ該ネジ軸部50に座金51を介してナット52が螺合され、該ナット52が螺締されることよって、該取付端部9と共に前記壁面3に水密に固定される。
【0042】
図12〜13は、該透明部19の内表面25の長手中央線に沿って中央の遮水突条27が連続状態に突設されると共に、該透明部19の内表面25の両側縁部41,41に沿って側部の遮水突条42,42が連続状態に突設されてなる漏水受板1を示すものであり、前記導水路4が4つの分割水路39,39,39,39に分割されるように構成されている。本実施例においては、前記中央の遮水突条27は透明に形成され、上下に長い断面長方形状を呈しており、前記透明部19を透かして視認できる。又前記側部の遮水突条42,42は、前記透明部19の側縁部41,41の外側に、即ち前記不透明部20で突設され、不透明に形成され、上下に長い断面長方形状を呈している。そして該中央の遮水突条27の高さ及び該側部の遮水突条42,42の高さは、前記導水路4の底面をなす流下面37で受けられた漏水の水位が該中央の遮水突条27の上端29や側部の遮水突条42,42の上端43,43を超えないように、5〜10mmに、例えば6mmの高さに設定されている。かかる構成の漏水受板1も前記と同様にして、所要間隔を置いて平行状態に壁面3に固定された固定具45,45の対向する挿入溝46,46に挿入されることによって、前記と同様にして導水路4が形成されてなる導水装置36が構成される。
【0043】
かかる構成を有する漏水受板1を用いる導水装置36によるときも、前記中央の遮水突条27や側部の遮水突条42,42によって導水路4が複数の分割水路39,39,39,39に分割されることから、滴下した漏水の流下を分割水路でより細かく規制できることになる。かかることから本実施例に係る漏水受板1は、中央の遮水突条27だけが設けられてなる前記漏水受板1に比し、透明部19の必要な透明状態(導水路4の内部の状態を確認可能な程度の透明状態)をより長く維持させることができる。
【0044】
なお、全体が平板状に形成された図10〜11や図12〜13に示す漏水受板1にあっても、前記透明部19の内表面25及び外表面26にフッ素樹脂やシリコン樹脂等の撥水性樹脂を塗布することによって撥水表面処理を施すのがよい。
【実施例2】
【0045】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0046】
(1) 本発明の漏水受板1において、前記漏水受部7の幅に対する前記透明部19の幅の割合は、前記漏水受板1を壁面3に取り付けることによって形成される導水路4の内部を外部から目視観察するのに支障がないように2割以上に設定するのがよい。必要であれば、漏水受部7の全体を透明部として形成することもできる。
【0047】
このような目視観察を可能とすることに加えて、透明部19の両側に存する部分を不透明部20,20として、導水路4の内部の両側部分を目隠しするように構成する場合は、2割〜8割に、好ましくは3割〜7割に設定するのがよい。
【0048】
かかる両方の機能を具える漏水受板1の透明部19の幅Lを例示すれば、漏水受部7の幅が200mmの場合は透明部19の幅Lを40〜160mmに設定し、好ましくは60〜140mmに、例えば図14(A)に示すように80mmに設定する。又、漏水受部7の幅が300mmの場合は透明部19の幅Lを60〜240mmに設定し、好ましくは90〜210mmに、例えば図14(B)に示すように100mmに設定する。又、漏水受部7の幅が400mmの場合は透明部19の幅Lを80〜320mmに設定し、好ましくは120〜280mmに、例えば図14(C)に示すように150mmに設定する。又、漏水受部7の幅が500mmの場合は透明部19の幅Lを100〜400mmに設定し、好ましくは150〜350mmに、例えば図14(D)に示すように200mmに設定する。
【0049】
かかる幅を有する漏水受板1の使用上の選択に際しては、壁面3における漏水部5の拡がり状態や剥落部分の拡がり状態に合わせて、該漏水部や該剥落部分の全体を覆うことができる所要幅のものを選択する。そして、該漏水部5の拡がり状態や剥落部分の拡がり状態によっては、図15〜16に示すように、所要幅の漏水受板1を屈曲状態や枝分かれ状態にして壁面3に取り付けることもある。
【0050】
(2) 前記中央の遮水突条27や前記側部の遮水突条42,42は、前記漏水受部7と一体に成形されることの他、接着や溶着等の手段で後付けされることもある。
【0051】
(3) 前記漏水受板1の左右の取付端部9,9の、前記壁面3に対する固定手段は、水密を確保して固定できる手段であれば、前記の他、図17(A)(B)に示す固定手段等各種に構成され得る。ここに、図17(A)に示す固定手段は、壁面3に所要間隔を置いて平行状態に水密を確保して固定された固定具55,55の左右対向する挿入溝56,56に、漏水受板1の両側の取付端部9,9を水密に挿入してなるものである。また図17(B)に示す固定手段は、壁面3に所要間隔を置いて平行状態に水密を確保して固定された固定具57,57の左右対向する挿入溝59,59に漏水受板1の両側の取付端部9,9を挿入状態にすると共に、内外の挾持片部60,61間で該取付端部9を挾持することによって該取付端部9を水密に固定してなるものである。
【0052】
(4) 図18(A)(B)は、本発明に係る漏水受板1のその他の実施例を示すものであり、透明部19の長手中央線の両側に所要間隔を隔てて、例えば50mmの間隔を隔てて、2本の中央の遮水突条27,27が突設されている。この場合は、導水路4が該2本の中央の遮水突条27,27によって3つの分割水路39,39,39に分割されることになり、透明部19の必要な透明度をより長く確保できることになる。又図19は、該実施例において更に、透明部19の両側縁部41,41に沿って側部の遮水突条42,42を連続状態に突設してなる漏水受板1を示すものである。
【0053】
(5) 図20は、本発明に係る漏水受板1のその他の実施例を示すものであり、中央の遮水突条27と側部の遮水突条42,42が設けられてなる図8や図12に示されているような漏水受板1において、前記中央の遮水突条27が省略されている。
【0054】
(6) 前記中央の遮水突条27や前記側部の遮水突条42は、前記実施例においては断面長方形状に形成されているが、分割水路39に流入した漏水の流れ状態を規制できるものであれば、断面正方形状や断面三角形状等の他の断面形状に形成されることもある。
【0055】
(7) 前記中央の遮水突条27は、透明部19の透視による導水路4の内部の確認を容易化する上では透明に形成するのが好ましいが、前記導水路4の内部の目視観察に支障がない場合は不透明に形成されることもある。又、前記側部の遮水突条42は透明に形成されることもある。
【0056】
(8) 前記透明部19の内表面25の両側縁部41,41に沿って側部の遮水突条42,42を連続状態に突設する場合、図21に示すように、該側部の遮水突条42,42を透明樹脂部53と不透明樹脂部54の合体によって形成すると、漏水受部7における透明樹脂部53と不透明樹脂部54の接合部55の強度アップが図られて好ましい。
【0057】
(9) 図22(A)(B)は、本発明に係る漏水受板1のその他の実施例を示すものであり、漏水受部7の両側に、構造物のコンクリート壁面3に取り付く取付端部9,9が設けられてなる漏水受板本体8の全体が、透明な硬質合成樹脂を用いて構成されている。そして、該漏水受部7の幅方向中央部分が、透明のまま残されて透明部19とされると共に、該透明部19の両側に存する部分は、その外表面66が不透明に塗装されることによって(塗装部分を太線で示し符号65を付している)不透明部20とされている。該不透明部20は、前記取付端部9,9を含めて形成してもよいのであるが、本実施例においては該取付端部9,9を除いて形成している。そして、前記透明部19の、前記壁面3に臨む内表面25の例えば長手中央線に沿って、中央の遮水突条27が連続状態に突設されている。本実施例において、遮水突条(中央の遮水突条27や側部の遮水突条42)の本数や突設位置は、前記と同様にして適宜変更してよい。又、図23(A)に示すように、前記透明部19の両側に存する部分の内表面69を不透明に塗装することによって、或いは図23(B)に示すように、前記外表面66と該内表面69の双方を不透明に塗装することによって前記不透明部20を形成してもよい。
【0058】
このように不透明に塗装することによって不透明部35を形成する漏水受板1の構成は、例えば前記した図10に示すような、前記外板5と内板6の双方を平板状に形成してなる漏水受板に対しても応用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る漏水受板を用いて構成された導水装置を示す斜視図である。
【図2】その導水装置を示す断面図である。
【図3】その導水装置を構成する漏水受板を示す斜視図である。
【図4】その導水装置を構成する漏水受板を示す斜視図である。
【図5】漏水受板を壁面に取り付けた状態を示す正面図である。
【図6】導水路における遊離石灰の塊や剥落片の詰まり状態を示す断面図である。
【図7】中央の遮水突条によって分割された左右の分割水路における漏水の流下状態を示す断面図である。
【図8】中央の遮水突条と側部の遮水突条を具える漏水受板を用いて構成された導水装置を示す断面図である。
【図9】その導水装置を構成する漏水受板を示す斜視図である。
【図10】平板状に形成された漏水受板を用いて構成された導水装置を示す断面図である。
【図11】その導水装置を構成する漏水受板を示す斜視図である。
【図12】中央の遮水突条と側部の遮水突条を具える平板状を呈する漏水受板を用いて構成された導水装置を示す断面図である。
【図13】その導水装置を構成する漏水受板を示す斜視図である。
【図14】漏水を受ける幅の異なる漏水受板を示す断面図である。
【図15】壁面に対する漏水受板の他の取付状態を示す正面図である。
【図16】壁面に対する漏水受板のその他の取付状態を示す正面図である。
【図17】壁面に対する漏水受板のその他の取付状態を示す正面図である。
【図18】透明部の両側に中央の遮水突条が設けられた漏水受板を示す断面図である。
【図19】更に、透明部の両側縁部に沿って側部の遮水突条が設けられた漏水受板を示す断面図である。
【図20】透明部の両側縁部に沿って側部の遮水突条が設けられた漏水受板を示す断面図である。
【図21】側部の遮水突条の他の態様を示す断面図である。
【図22】不透明塗装によって不透明部が形成されてなる漏水受板を示す断面図である。
【図23】不透明塗装によって不透明部が形成されてなる漏水受板の他の態様を示す断面図である。
【図24】従来の導水装置を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 漏水受板
2 構造物
3 コンクリート壁面
4 導水路
5 漏水部
7 漏水受部
8 漏水受板本体
9 取付端部
19 透明部
20 不透明部
25 透明部の内表面
26 透明部の外表面
27 中央の遮水突条
29 上端
36 導水装置
39 分割水路
42 側部の遮水突条
45 固定具
66 外表面
69 内表面
【技術分野】
【0001】
本発明は、ずい道や地下道、地下室等の構造物のコンクリート壁面に取り付けられることにより該壁面との間で導水路を形成する、透明部を有する漏水受板に関するものである。より詳しくは、コンクリート壁面の漏水部からの漏水を受けてこれを導水処理する導水路の詰まり状態や、漏水部の拡大状態、漏水部の漏水量、壁面の剥落の進行状態等の導水路の内部状態を、漏水受板を取り外すことなく外部から容易に目視観察でき、しかも長期間に亘って目視観察可能とする透明部を有する漏水受板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ずい道や地下道、地下室等の構造物のコンクリート壁面の漏水部からの漏水を受けてこれを排水処理する手段の一つとして、実開昭61−121300号公報等が開示する導水装置が提案されている。
【0003】
該導水装置は、図24に示すように、構造物のコンクリート壁面aに所要間隔を置いて平行状態に固定される保持具bと、その幅方向の両側に設けられた挿入溝c,cに端縁部分dが挿入される漏水受板eとを具えている。該保持具bは、その一面に設けられた止水材fが前記壁面aに当接せしめられた状態で、該壁面aに打ち込まれたアンカーボルトgとこれに螺合するナットhとを用いて該壁面aに固定される。そして、隣り合う保持具b,bの対向する挿入溝c,cに、前記漏水受板eの両端縁部分d,dを挿入することにより、該漏水受板eと前記壁面aとの間で導水路jを形成し、該壁面aの漏水部kからの漏水を該導水路jにより排水溝に導水するものであった。
【0004】
かかる導水装置にあっては、該壁面aの漏水部kで成長した遊離石灰の塊や該壁面aの一部分で剥落して落下した剥落片等によって導水路jに詰まり状態が発生して導水路jの導水機能が低下しやすい問題があった。
【0005】
このような導水路の詰まり状態等を点検するために、漏水受板の一部分を取り外して導水路を部分的に点検することが行われていたが、その取り外しや取り外した後における復旧工事が大掛かりとなって施工コストの上昇を招く問題があったばかりか、あくまでも部分的な点検であって導水路の全体を確実に点検することができない不完全な点検にならざるを得ない問題があった。
【0006】
そこでかかる問題点を解決せんとして、前記漏水受板を透光性を有する材料によって形成した導水装置が特開2002−47900号公報によって提案されている。該導水装置によるときは、漏水受板が透明であるために、導水路の詰まり状態等の点検を、漏水受板や断熱板を取り外すことなく容易に行い得る利点があった。
【0007】
しかしながら該導水装置にあっては、前記漏水受板の、前記壁面に臨む内表面が平滑面に形成されていたことから、該漏水受板が前記壁面の漏水部からの漏水を受けてこれを導水する際、受けられた漏水が該漏水受板の流下面を自由に流下することになる。その結果、該流下する水に含まれている遊離石灰や鉄分等の不純物が該流下面に付着していくことにより、前記漏水受板全体の透明度が劣化して詰まり状態等の確認が困難となる問題があった。このような不純物の付着は、前記漏水部からの漏水が雪解け時や梅雨時には生じても真夏には生じにくい等により導水路の流下面に漏水が流れる状態と該流下面が乾燥した状態を繰り返す場合は特に多くなるため、かかるときは前記漏水受板全体の透明度の劣化が比較的短期間の内に進行し易かった。
【0008】
又、該導水装置にあっては、前記漏水受板の全体が透明に形成されていたため、該漏水受板の側部分で成長した遊離石灰の塊や該側部分に落下している剥落片をもが該透明な漏水受板を通して見えることになり、美観を損なう問題があった他、該漏水受板の中央部分の剥落片だけならまだしも該側部分の剥落片をも含めた多くの剥落片が下から見えることは、これらの剥落片が落下してくるような不安感を与えやすく好ましいものでなかった。
【0009】
【特許文献1】実開昭61−121300号公報(第2−4頁、図2)
【特許文献2】特開2002−47900号公報(第6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、漏水受板の良好な透明度を極力長く維持できるようにして、導水路の詰まり状態や、漏水部の拡大状態、漏水部の漏水量、壁面の剥落状態等の導水路の内部状態を、漏水受板を取り外すことなく長期間に亘って外部から容易に目視観察可能とした、透明部を有する漏水受板の提供を課題とするものである。更に進んで、導水路内に遊離石灰の塊や剥落片が存する場合においても導水路の美観を極力損なわないだけでなく、これらの塊や剥落片が落下してくるような不安感を緩和できる漏水受板の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る透明部を有する漏水受板の第1の態様は、漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されている。そして、該透明部の前記壁面に臨む内表面の幅方向の中間部に、該透明部の長さ方向に延長する中央の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該中央の遮水突条の上端を超えないことを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る漏水受板の第2の態様は、漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されている。そして、該透明部の前記壁面に臨む内表面の長手中央線に沿って中央の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該中央の遮水突条の上端を超えないことを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る漏水受板の第3の態様は、漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されている。そして、該透明部の前記壁面に臨む内表面の、長手中央線の両側に所要間隔を隔てて2本の中央の遮水突条が平行して連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該中央の遮水突条の上端を超えないことを特徴とするものであ。
【0014】
本発明に係る漏水受板の第4の態様は、前記第1、第2、第3の態様に係る漏水受板において、前記透明部の前記壁面に臨む内表面の両側縁部に沿って側部の遮水突条を連続状態に突設し、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該側部の遮水突条の上端を超えないように構成するのがよい。
【0015】
本発明に係る漏水受板の第5の態様は、漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されている。そして、該透明部の、前記壁面に臨む内表面の両側縁部に沿って側部の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該側部の遮水突条の上端を超えないことを特徴とするものである。
【0016】
前記第1〜第5の態様に係る漏水受板において、前記透明部の幅を、前記漏水受部の幅の2〜8割に設定し、該透明部の両側に存する部分を不透明部として形成するのがよい。より好ましくは、該透明部の幅を、前記漏水受部の幅の3〜7割に設定し、該透明部の両側に存する部分を不透明部として形成するのがよい。
【0017】
前記第1〜第4の態様に係る漏水受板において、前記中央の遮水突条は透明に形成するのがよい。又該各漏水受板において、前記漏水受部の全体を透明部として形成することもある。
【0018】
前記第1〜第5の態様に係る漏水受板において、前記漏水受部の両側に前記取付端部が設けられてなる漏水受板本体を、全体が透明な硬質合成樹脂を用いて構成されたものとし、前記漏水受部は、その幅方向の中央部分を透明のまま残して前記透明部とすると共に該透明部の両側に存する部分は、その外表面及び/又は内表面を不透明に塗装することによって不透明部とすることもできる。
【0019】
前記不透明部は、前記取付端部を除いて形成してよい。特に、不透明に塗装することによって不透明部を形成するときは、漏水受板の製造コストの低減を期し得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る漏水受板は、漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長する透明部として形成されると共に、該漏水受部の内表面に中央の遮水突条や側部の遮水突条が設けられているため、構造物のコンクリート壁面に該漏水受板が取り付けられて導水路が形成された状態で、該導水路を複数の分割水路に分割できることになる。
【0021】
その結果、本発明によるときは、該漏水受板を取り外すことなく、該透明部を透視して導水路の内部を外部から目視観察でき、漏水部における遊離石灰の成長状態や壁面の剥落状態、導水路の詰まり状態、漏水部の漏水状態、漏水部の拡大状態等の導水路の内部状態に応じて必要な処置を施すことができる。
【0022】
そして、前記漏水受部に設けられている前記中央の遮水突条や側部の遮水突条によって、前記導水路が複数の分割水路に分割されることになるので、特定の分割水路に流入した漏水が他の分割水路に移動するのが阻止され、流下する漏水に含まれている遊離石灰や鉄分等の不純物によって透明部の全体が一様に汚れるのを防止できる。かかることから、導水路の内部を目視観察するために必要な透明度を、部分的なものとはなっても、極力長く維持させ得ることとなる。
【0023】
(2) 前記透明部の幅を、前記漏水受部の幅方向中央部分に止め、該透明部の両側に存する部分を不透明部に構成する場合は、前記壁面の漏水部で成長した遊離石灰の塊や該壁面で剥落した剥落片等が導水路に存していても、該導水路の両側部分に存するものは目視され難い状態となる。これによって、ずい道や地下道等の構造物の美観を極力損なわないようになし得るだけでなく、これらの塊や剥落片が落下してくるような不安感を緩和できる。
【実施例1】
【0024】
図1〜2において本発明に係る漏水受板1は、ずい道や地下道、地下室等の構造物2(例えばずい道2a)のコンクリート壁面3に取り付けられて導水路4を形成でき、該壁面3の漏水部5からの漏水を受けてこれを排水溝等の排水設備6に導水処理するものであり、漏水受部7の両側に、前記壁面3に取り付く取付端部9,9が設けられており、全体が、例えば塩化ビニルやABS樹脂、ポリエチレン樹脂等の硬質合成樹脂(本実施例では塩化ビニル)を以て押出成型されている。
【0025】
該漏水受板1は、本実施例においては図2〜4に示すように、全体が2mm程度の肉厚で一体に成形された漏水受板本体8を有しており、該漏水受板本体8は、樋状をなす前記漏水受部7の両側に断面コ字状を呈する前記取付端部9,9が連設されている。該取付端部9は、前記漏水受部7の側端縁10,10で側方に向け突出する基片11の両側縁に外の保持片12と内の保持片13が突設されることにより全体として断面コ字状を呈し、該内外の保持片12,13間に、止水材15を付設するための溝状凹部16が形成されている。そして該基片11には、例えば500mm間隔で挿通孔17が並設されている。
【0026】
そして前記漏水受部7は、その幅方向中央部分の、該漏水受部7の幅に対する2割幅以上の部分が、透明な硬質合成樹脂を以って、該漏水受部7の長さ方向に延長する透明部19として形成されており、該透明部19の両側に存する部分(以下両側部分ともいう)は、不透明な硬質合成樹脂を以って、不透明部20,20に形成されている。本実施例においては、該漏水受部7の幅が300mmに設定され該透明部19の幅は100mmに設定されており、該漏水受部7の幅に対する透明部19の幅は3割3分程度とされている。
【0027】
本実施例において透明部19をかかる割合で設けているのは次の理由による。即ち、透明部19は後述のように導水路4の内部を外部から目視観察するためのものであり、又該漏水受板1は、図5に示すように、その漏水受部7が前記漏水部5の多くの部分を覆うように壁面3に取り付けられるものであることからすれば、通常は、漏水受部7の幅方向中央部分を透視して導水路4の内部を観察すれば必要な保守管理を行い得るものである。かかることから本実施例においては、漏水受部7の両側部分を不透明部20,20として該漏水受部7の幅方向中央部分のみを透明部19とし、外部から見たときに図6に示すような、漏水部5で成長した遊離石灰の塊22や漏水部周辺での剥落片23が、導水路4の内部の全体に亘って見えてしまうのを防止し、透明部19を設けることに伴う導水路4部分の美観損傷が極力生じないようになし、又、導水路4の内部の遊離石灰の塊22や剥落片23が落下してくるような不安感を緩和するのである。
【0028】
なお本実施例においては、前記透明部19の内表面25と外表面26に汚れが付着しにくくするために、又、該透明部19の外表面26に付着した汚れ(ずい道等の内部で発生した埃や排気ガス等による汚れ)を拭き取りやすくするために、該透明部19の内表面25及び外表面26にフッ素樹脂やシリコン樹脂等の撥水性樹脂を塗布することによって撥水表面処理を施している。
【0029】
又前記透明部19の、前記壁面3に臨む内表面25の長手中央線に沿って、該内表面25と一体に、中央の遮水突条27が連続状態に突設されている。該中央の遮水突条27は、本実施例においては、透明な硬質合成樹脂を以って、透明に形成され、上下に長い断面長方形状を呈しており、前記透明部19を透かして視認できる。該中央の遮水突条27の上端29の高さは、前記導水路4の底面をなす流下面37で受けられた前記漏水の水位が該上端29を超えないように設定されている。本実施例においては該中央の遮水突条27の高さを5〜10mmに、例えば6mmに設定している。
【0030】
かかる構成を有する漏水受板1を前記壁面3に取り付けるに先立って、図2に示すように、前記取付端部9,9の前記溝状凹部16,16に、合成ゴム弾性体等からなる前記止水材15,15を密接に嵌め込んで接着することにより、該止水材15,15を固定状態とする。
【0031】
その後図2、図5に示すように、前記壁面3に発生している漏水部5を前記漏水受部7で覆うように前記漏水受板1を壁面3に取り付ける。その際、前記透明部19を透視しながら、該透明部19が該漏水部5の多くの部分を覆うように該漏水受板1の左右の止水材15,15を壁面3に当接させるのであるが、このとき、前記中央の遮水突条27を前記漏水受部7の長手中央線を示す目印線として利用すると、漏水受板1の取り付け作業を正確且つ容易に行うことができる。
【0032】
この状態で、前記挿通孔17を挿通し且つ前記止水材15を貫通したドリルで前記壁面3に削孔してアンカー孔30を形成する。そして、該アンカー孔30に打入されて該壁面3に植設されたアンカーボルト31のネジ軸部32を、前記止水材15と前記基片11の挿通孔17に貫通させると共に、該ネジ軸部32に座金33を嵌めてナット35を螺締する。これにより、図2に示すように漏水受板1が、前記止水材15,15を介して該壁面3に水密に取り付けられ、前記漏水部5からの漏水を受けて導水する前記導水路4が漏水受部7と壁面3との間で形成されてなる導水装置36が構成される。該導水路4の底面をなす流下面37は、前記漏水部5からの漏水を受け、これを、両側の取付端部9,9から漏洩させることなく確実に導水して排水させることができる。
【0033】
そして、前記漏水受部7の幅方向中央部分に設けられている前記透明部19は、図6に示すような、前記壁面3の漏水部5で成長した遊離石灰の塊22や該壁面3の一部分で剥落した剥落片23等による導水路4の詰まり状態、漏水部5の拡大状態、漏水部5の漏水量、壁面3の剥落の進行状態等の導水路4の内部状態を、前記漏水受板1を取り外すことなく外部から容易に目視観察可能とする。そして、これらの内部状態の観察情報に基づき、漏水受板1を取り外して遊離石灰の塊22や剥落片23等を除去して漏水受板を取り替えたり、壁面を補強したりする等の必要な処置を施す。
【0034】
又、漏水に含まれている遊離石灰や鉄分等の不純物の付着によって前記透明部19の透明度が徐々に低下していくのはやむを得ないことであるが、前記中央の遮水突条27は、該透明部19が一様に汚れるのを防止し、導水路4の内部状態を確認可能な程度の透明度を極力長く維持させる。
【0035】
これをより具体的に説明すれば、前記導水路4は、図7に示すように、前記中央の遮水突条27を境にして左の分割水路39aと右の分割水路39bに分割されるため、前記漏水部5からの漏水が、図7(A)(B)に示すように、該左右の分割水路39a,39bに流入して両分割水路を略同じ水深で或いは異なる水深で流れることの他、図7(C)に示すように、該左の分割水路39aにのみ流入したとすれば、該漏水は、左の分割水路39aを流下することになり右の分割水路39bを流下することはない。逆に図7(D)に示すように、前記漏水部5からの漏水が前記右の分割水路39bにのみ流入したとすれば、該漏水は、右の分割水路39bを流下することになり左の分割水路39aを流下することはない。このように漏水部5からの漏水は、左右の分割水路39a,39bを同時に流下することの他、左の分割水路39aや右の分割水路39bに規制されて流下することもある。かかることから、前記中央の遮水突条27は、漏水受部7の透明部19が一様に汚れるのを防止し、該透明部19の、導水路4の内部状態を確認可能な程度の透明度を、部分的なものとはなっても、極力長く維持させることができるのである。透視可能部分が透明部19の幅方向の一部分だけとなっても、この一部分での目視観察によって導水路4の内部状態の全体を推測することが可能である。
【0036】
そして本実施例においては、前記漏水受部7は、前記透明部19の両側部分が不透明部20,20に形成されているために、図6に示すように、前記漏水部5で成長した遊離石灰の塊22や該壁面の一部分で剥落した剥落片23等によって導水路4に詰まり状態が発生した場合、該導水路4の両側部分に存するものは目視され難い状態となる。これによって、ずい道や地下道等の構造物の美観を極力損なわないようになし得るだけでなく、詰まり物が落下してくるような不安感を緩和できる。
【0037】
図8〜9は、前記漏水受板1の前記透明部19の内表面25の長手中央線に沿って中央の遮水突条27が連続状態に突設されると共に、該透明部19の内表面25の両側縁部41,41に沿って側部の遮水突条42,42が連続状態に突設されてなる漏水受板1を示すものであり、前記導水路4が4つの分割水路39,39,39,39に分割されるように構成されている。本実施例においては、前記中央の遮水突条27は透明に形成され、上下に長い断面長方形状を呈しており、前記透明部19を透かして視認できる。又前記側部の遮水突条42,42は、前記透明部19の側縁部41,41の外側に、即ち前記不透明部20,20で突設され、不透明に形成され、上下に長い断面長方形状を呈している。そして、該中央の遮水突条27の高さ及び該側部の遮水突条42,42の高さは、前記導水路4の底面をなす流下面37で受けられた漏水の水位が該中央の遮水突条27の上端29や側部の遮水突条42,42の上端44,44を超えないように、5〜10mm、例えば6mmの高さに設定されている。図8は、かかる構成を有する漏水受板1を壁面3に取り付けて構成された導水装置36を示すものである。
【0038】
漏水部5における漏水は、壁面3を伝い流れて該漏水部5の周辺で滴下することや、拡大した漏水部の先側部分で滴下することもあるが、前記側部の遮水突条42,42が突設されてなる前記漏水受板1によるときは、該周辺で滴下する漏水や該先側部分で滴下する漏水を側方の分割水路39cに流入させることができるため、滴下した漏水の流下を分割水路でより細かく規制できることになる。このようなことから本実施例に係る漏水受板1は、中央の遮水突条27だけが設けられてなる前記漏水受板1に比し、透明部19の必要な透明状態(導水路4の内部を確認可能な程度の透明状態)をより長く維持させることができる。
【0039】
図10〜11は、全体が平板状に形成された漏水受板1を示すものであり、漏水受部7の幅方向中央部分の、該漏水受部7の幅に対する2割幅以上の部分が、該漏水受部7の長さ方向に延長する透明部19として形成されており、該透明部19の両側に存する部分は不透明部20,20に形成されている。本実施例においては、該漏水受部7の幅が300mmに設定され、該透明部19の幅は100mmに設定されており、該漏水受部7の幅に対する透明部19の幅は約3割8分とされている。
【0040】
又前記透明部19の、前記壁面3に臨む内表面25の長手中央線に沿って中央の遮水突条27が連続状態に突設されている。該中央の遮水突条27は、本実施例においては透明に形成され、上下に長い断面長方形状を呈しており、前記透明部19を透かして視認できる。該中央の遮水突条27の上端29の高さは、前記導水路4の底面をなす流下面37で受けられた前記漏水の水位が該上端29を超えないように設定されている。本実施例においては該中央の遮水突条27の高さを5〜10mmに、例えば6mmに設定している。
【0041】
図10は、かかる構成を有する漏水受板1を前記壁面3に取り付けた状態を示すものであり、該漏水受板1の両側の取付端部9,9が、前記壁面3に所要間隔を置いて平行状態に固定された、断面S字状を呈する固定具45,45の左右対向する挿入溝46,46に挿入されることによって、前記漏水部5からの漏水を受けて導水する導水路4が該漏水受板1と前記壁面3との間で形成されてなる導水装置36が構成される。そして該導水路4は、前記中央の遮水突条27を境にして左右の分割水路39a,39bに分割される。又該固定具45は、その内面側に設けられた止水材47が前記壁面3に水密に圧接された状態で、該壁面3に植設されたアンカーボルト49のネジ軸部50が該止水材47と前記固定具45と前記取付端部9に貫通せしめられ、且つ該ネジ軸部50に座金51を介してナット52が螺合され、該ナット52が螺締されることよって、該取付端部9と共に前記壁面3に水密に固定される。
【0042】
図12〜13は、該透明部19の内表面25の長手中央線に沿って中央の遮水突条27が連続状態に突設されると共に、該透明部19の内表面25の両側縁部41,41に沿って側部の遮水突条42,42が連続状態に突設されてなる漏水受板1を示すものであり、前記導水路4が4つの分割水路39,39,39,39に分割されるように構成されている。本実施例においては、前記中央の遮水突条27は透明に形成され、上下に長い断面長方形状を呈しており、前記透明部19を透かして視認できる。又前記側部の遮水突条42,42は、前記透明部19の側縁部41,41の外側に、即ち前記不透明部20で突設され、不透明に形成され、上下に長い断面長方形状を呈している。そして該中央の遮水突条27の高さ及び該側部の遮水突条42,42の高さは、前記導水路4の底面をなす流下面37で受けられた漏水の水位が該中央の遮水突条27の上端29や側部の遮水突条42,42の上端43,43を超えないように、5〜10mmに、例えば6mmの高さに設定されている。かかる構成の漏水受板1も前記と同様にして、所要間隔を置いて平行状態に壁面3に固定された固定具45,45の対向する挿入溝46,46に挿入されることによって、前記と同様にして導水路4が形成されてなる導水装置36が構成される。
【0043】
かかる構成を有する漏水受板1を用いる導水装置36によるときも、前記中央の遮水突条27や側部の遮水突条42,42によって導水路4が複数の分割水路39,39,39,39に分割されることから、滴下した漏水の流下を分割水路でより細かく規制できることになる。かかることから本実施例に係る漏水受板1は、中央の遮水突条27だけが設けられてなる前記漏水受板1に比し、透明部19の必要な透明状態(導水路4の内部の状態を確認可能な程度の透明状態)をより長く維持させることができる。
【0044】
なお、全体が平板状に形成された図10〜11や図12〜13に示す漏水受板1にあっても、前記透明部19の内表面25及び外表面26にフッ素樹脂やシリコン樹脂等の撥水性樹脂を塗布することによって撥水表面処理を施すのがよい。
【実施例2】
【0045】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0046】
(1) 本発明の漏水受板1において、前記漏水受部7の幅に対する前記透明部19の幅の割合は、前記漏水受板1を壁面3に取り付けることによって形成される導水路4の内部を外部から目視観察するのに支障がないように2割以上に設定するのがよい。必要であれば、漏水受部7の全体を透明部として形成することもできる。
【0047】
このような目視観察を可能とすることに加えて、透明部19の両側に存する部分を不透明部20,20として、導水路4の内部の両側部分を目隠しするように構成する場合は、2割〜8割に、好ましくは3割〜7割に設定するのがよい。
【0048】
かかる両方の機能を具える漏水受板1の透明部19の幅Lを例示すれば、漏水受部7の幅が200mmの場合は透明部19の幅Lを40〜160mmに設定し、好ましくは60〜140mmに、例えば図14(A)に示すように80mmに設定する。又、漏水受部7の幅が300mmの場合は透明部19の幅Lを60〜240mmに設定し、好ましくは90〜210mmに、例えば図14(B)に示すように100mmに設定する。又、漏水受部7の幅が400mmの場合は透明部19の幅Lを80〜320mmに設定し、好ましくは120〜280mmに、例えば図14(C)に示すように150mmに設定する。又、漏水受部7の幅が500mmの場合は透明部19の幅Lを100〜400mmに設定し、好ましくは150〜350mmに、例えば図14(D)に示すように200mmに設定する。
【0049】
かかる幅を有する漏水受板1の使用上の選択に際しては、壁面3における漏水部5の拡がり状態や剥落部分の拡がり状態に合わせて、該漏水部や該剥落部分の全体を覆うことができる所要幅のものを選択する。そして、該漏水部5の拡がり状態や剥落部分の拡がり状態によっては、図15〜16に示すように、所要幅の漏水受板1を屈曲状態や枝分かれ状態にして壁面3に取り付けることもある。
【0050】
(2) 前記中央の遮水突条27や前記側部の遮水突条42,42は、前記漏水受部7と一体に成形されることの他、接着や溶着等の手段で後付けされることもある。
【0051】
(3) 前記漏水受板1の左右の取付端部9,9の、前記壁面3に対する固定手段は、水密を確保して固定できる手段であれば、前記の他、図17(A)(B)に示す固定手段等各種に構成され得る。ここに、図17(A)に示す固定手段は、壁面3に所要間隔を置いて平行状態に水密を確保して固定された固定具55,55の左右対向する挿入溝56,56に、漏水受板1の両側の取付端部9,9を水密に挿入してなるものである。また図17(B)に示す固定手段は、壁面3に所要間隔を置いて平行状態に水密を確保して固定された固定具57,57の左右対向する挿入溝59,59に漏水受板1の両側の取付端部9,9を挿入状態にすると共に、内外の挾持片部60,61間で該取付端部9を挾持することによって該取付端部9を水密に固定してなるものである。
【0052】
(4) 図18(A)(B)は、本発明に係る漏水受板1のその他の実施例を示すものであり、透明部19の長手中央線の両側に所要間隔を隔てて、例えば50mmの間隔を隔てて、2本の中央の遮水突条27,27が突設されている。この場合は、導水路4が該2本の中央の遮水突条27,27によって3つの分割水路39,39,39に分割されることになり、透明部19の必要な透明度をより長く確保できることになる。又図19は、該実施例において更に、透明部19の両側縁部41,41に沿って側部の遮水突条42,42を連続状態に突設してなる漏水受板1を示すものである。
【0053】
(5) 図20は、本発明に係る漏水受板1のその他の実施例を示すものであり、中央の遮水突条27と側部の遮水突条42,42が設けられてなる図8や図12に示されているような漏水受板1において、前記中央の遮水突条27が省略されている。
【0054】
(6) 前記中央の遮水突条27や前記側部の遮水突条42は、前記実施例においては断面長方形状に形成されているが、分割水路39に流入した漏水の流れ状態を規制できるものであれば、断面正方形状や断面三角形状等の他の断面形状に形成されることもある。
【0055】
(7) 前記中央の遮水突条27は、透明部19の透視による導水路4の内部の確認を容易化する上では透明に形成するのが好ましいが、前記導水路4の内部の目視観察に支障がない場合は不透明に形成されることもある。又、前記側部の遮水突条42は透明に形成されることもある。
【0056】
(8) 前記透明部19の内表面25の両側縁部41,41に沿って側部の遮水突条42,42を連続状態に突設する場合、図21に示すように、該側部の遮水突条42,42を透明樹脂部53と不透明樹脂部54の合体によって形成すると、漏水受部7における透明樹脂部53と不透明樹脂部54の接合部55の強度アップが図られて好ましい。
【0057】
(9) 図22(A)(B)は、本発明に係る漏水受板1のその他の実施例を示すものであり、漏水受部7の両側に、構造物のコンクリート壁面3に取り付く取付端部9,9が設けられてなる漏水受板本体8の全体が、透明な硬質合成樹脂を用いて構成されている。そして、該漏水受部7の幅方向中央部分が、透明のまま残されて透明部19とされると共に、該透明部19の両側に存する部分は、その外表面66が不透明に塗装されることによって(塗装部分を太線で示し符号65を付している)不透明部20とされている。該不透明部20は、前記取付端部9,9を含めて形成してもよいのであるが、本実施例においては該取付端部9,9を除いて形成している。そして、前記透明部19の、前記壁面3に臨む内表面25の例えば長手中央線に沿って、中央の遮水突条27が連続状態に突設されている。本実施例において、遮水突条(中央の遮水突条27や側部の遮水突条42)の本数や突設位置は、前記と同様にして適宜変更してよい。又、図23(A)に示すように、前記透明部19の両側に存する部分の内表面69を不透明に塗装することによって、或いは図23(B)に示すように、前記外表面66と該内表面69の双方を不透明に塗装することによって前記不透明部20を形成してもよい。
【0058】
このように不透明に塗装することによって不透明部35を形成する漏水受板1の構成は、例えば前記した図10に示すような、前記外板5と内板6の双方を平板状に形成してなる漏水受板に対しても応用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る漏水受板を用いて構成された導水装置を示す斜視図である。
【図2】その導水装置を示す断面図である。
【図3】その導水装置を構成する漏水受板を示す斜視図である。
【図4】その導水装置を構成する漏水受板を示す斜視図である。
【図5】漏水受板を壁面に取り付けた状態を示す正面図である。
【図6】導水路における遊離石灰の塊や剥落片の詰まり状態を示す断面図である。
【図7】中央の遮水突条によって分割された左右の分割水路における漏水の流下状態を示す断面図である。
【図8】中央の遮水突条と側部の遮水突条を具える漏水受板を用いて構成された導水装置を示す断面図である。
【図9】その導水装置を構成する漏水受板を示す斜視図である。
【図10】平板状に形成された漏水受板を用いて構成された導水装置を示す断面図である。
【図11】その導水装置を構成する漏水受板を示す斜視図である。
【図12】中央の遮水突条と側部の遮水突条を具える平板状を呈する漏水受板を用いて構成された導水装置を示す断面図である。
【図13】その導水装置を構成する漏水受板を示す斜視図である。
【図14】漏水を受ける幅の異なる漏水受板を示す断面図である。
【図15】壁面に対する漏水受板の他の取付状態を示す正面図である。
【図16】壁面に対する漏水受板のその他の取付状態を示す正面図である。
【図17】壁面に対する漏水受板のその他の取付状態を示す正面図である。
【図18】透明部の両側に中央の遮水突条が設けられた漏水受板を示す断面図である。
【図19】更に、透明部の両側縁部に沿って側部の遮水突条が設けられた漏水受板を示す断面図である。
【図20】透明部の両側縁部に沿って側部の遮水突条が設けられた漏水受板を示す断面図である。
【図21】側部の遮水突条の他の態様を示す断面図である。
【図22】不透明塗装によって不透明部が形成されてなる漏水受板を示す断面図である。
【図23】不透明塗装によって不透明部が形成されてなる漏水受板の他の態様を示す断面図である。
【図24】従来の導水装置を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 漏水受板
2 構造物
3 コンクリート壁面
4 導水路
5 漏水部
7 漏水受部
8 漏水受板本体
9 取付端部
19 透明部
20 不透明部
25 透明部の内表面
26 透明部の外表面
27 中央の遮水突条
29 上端
36 導水装置
39 分割水路
42 側部の遮水突条
45 固定具
66 外表面
69 内表面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する透明部を有する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されると共に、該透明部の前記壁面に臨む内表面の幅方向の中間部に、該透明部の長さ方向に延長する中央の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該中央の遮水突条の上端を超えないことを特徴とする透明部を有する漏水受板。
【請求項2】
漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する透明部を有する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されると共に、該透明部の前記壁面に臨む内表面の長手中央線に沿って中央の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該中央の遮水突条の上端を超えないことを特徴とする透明部を有する漏水受板。
【請求項3】
漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する透明部を有する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されると共に、該透明部の前記壁面に臨む内表面の、長手中央線の両側に所要間隔を隔てて2本の中央の遮水突条が平行して連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該中央の遮水突条の上端を超えないことを特徴とする透明部を有する漏水受板。
【請求項4】
前記透明部の前記壁面に臨む内表面の両側縁部に沿って側部の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該側部の遮水突条の上端を超えないことを特徴とする請求項1、2又は3記載の透明部を有する漏水受板。
【請求項5】
漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する透明部を有する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されると共に、該透明部の、前記壁面に臨む内表面の両側縁部に沿って側部の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該側部の遮水突条の上端を超えないことを特徴とする透明部を有する漏水受板。
【請求項6】
前記透明部の幅は、前記漏水受部の幅の2〜8割に設定され、該透明部の両側に存する部分が不透明部として形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の透明部を有する漏水受板。
【請求項7】
前記透明部の幅は、前記漏水受部の幅の3〜7割に設定され、該透明部の両側に存する部分が不透明部として形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の透明部を有する漏水受板。
【請求項8】
前記中央の遮水突条は透明に形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の透明部を有する漏水受板。
【請求項9】
前記漏水受部の全体が透明部として形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の透明部を有する漏水受板。
【請求項10】
前記漏水受部の両側に前記取付端部が設けられてなる漏水受板本体は、全体が透明な硬質合成樹脂を用いて構成されており、前記漏水受部は、その幅方向の中央部分が透明のまま残されて前記透明部とされると共に該透明部の両側に存する部分は、その外表面及び/又は内表面が不透明に塗装されることによって不透明部とされていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の透明部を有する漏水受板。
【請求項11】
前記不透明部は、前記取付端部を除いて形成されていることを特徴とする請求項6、7又は10記載の透明部を有する漏水受板。
【請求項1】
漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する透明部を有する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されると共に、該透明部の前記壁面に臨む内表面の幅方向の中間部に、該透明部の長さ方向に延長する中央の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該中央の遮水突条の上端を超えないことを特徴とする透明部を有する漏水受板。
【請求項2】
漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する透明部を有する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されると共に、該透明部の前記壁面に臨む内表面の長手中央線に沿って中央の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該中央の遮水突条の上端を超えないことを特徴とする透明部を有する漏水受板。
【請求項3】
漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する透明部を有する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されると共に、該透明部の前記壁面に臨む内表面の、長手中央線の両側に所要間隔を隔てて2本の中央の遮水突条が平行して連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該中央の遮水突条の上端を超えないことを特徴とする透明部を有する漏水受板。
【請求項4】
前記透明部の前記壁面に臨む内表面の両側縁部に沿って側部の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該側部の遮水突条の上端を超えないことを特徴とする請求項1、2又は3記載の透明部を有する漏水受板。
【請求項5】
漏水受部の両側に、構造物のコンクリート壁面に取り付く取付端部が設けられてなり、該漏水受部と該壁面との間で該壁面からの漏水を受ける導水路を形成する透明部を有する漏水受板であって、該漏水受部の少なくとも幅方向中央部分が、該漏水受部の長手方向に延長し且つ前記導水路の内部を目視観察可能とする透明部として形成されると共に、該透明部の、前記壁面に臨む内表面の両側縁部に沿って側部の遮水突条が連続状態に突設され、前記導水路の底面をなす流下面で受けられた前記漏水の水位が該側部の遮水突条の上端を超えないことを特徴とする透明部を有する漏水受板。
【請求項6】
前記透明部の幅は、前記漏水受部の幅の2〜8割に設定され、該透明部の両側に存する部分が不透明部として形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の透明部を有する漏水受板。
【請求項7】
前記透明部の幅は、前記漏水受部の幅の3〜7割に設定され、該透明部の両側に存する部分が不透明部として形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の透明部を有する漏水受板。
【請求項8】
前記中央の遮水突条は透明に形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の透明部を有する漏水受板。
【請求項9】
前記漏水受部の全体が透明部として形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の透明部を有する漏水受板。
【請求項10】
前記漏水受部の両側に前記取付端部が設けられてなる漏水受板本体は、全体が透明な硬質合成樹脂を用いて構成されており、前記漏水受部は、その幅方向の中央部分が透明のまま残されて前記透明部とされると共に該透明部の両側に存する部分は、その外表面及び/又は内表面が不透明に塗装されることによって不透明部とされていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の透明部を有する漏水受板。
【請求項11】
前記不透明部は、前記取付端部を除いて形成されていることを特徴とする請求項6、7又は10記載の透明部を有する漏水受板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
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【図15】
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【図21】
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【図23】
【図24】
【公開番号】特開2008−19705(P2008−19705A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155145(P2007−155145)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(393022470)三重重工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(393022470)三重重工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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