説明

透析用カプラの洗浄方法および装置並びに透析用カプラ装置

【課題】透析などにおいて構造が簡単であって必要な部分の洗浄を容易に行う方法および装置を提供する。
【解決手段】円筒状の洗浄用ケース3に2つのカプラ1A,1Bを対向した状態で挿入し、それぞれのカプラ1A,1Bの外周面と洗浄用ケース3のそれぞれの端面との間においてシールを行い、一方のカプラ1Aから他方のカプラ1Bに向かって洗浄液を流通させる。洗浄用ケースに挿入された2つのカプラをその状態で保持するための保持部材と、それぞれのカプラの外周面と洗浄用ケースのそれぞれの端縁部との間においてシールを行うシール部材が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透析器の接続口に接続するために用いられる透析用カプラの洗浄方法および装置並びに透析用カプラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、人工透析において、透析器(ダイアライザ)に透析液を供給するために、透析器の接続口と透析液供給装置との間をチューブで接続する必要がある。その接続のために、接続口に対して着脱が自在な透析用カプラが用いられる。
【0003】
従来のカプラは、カプラ本体の装着口の周壁に多数の貫通孔が設けられ、それぞれの貫通孔にスチールボールが遊嵌されており、装着口に接続口を挿入したときに接続口に設けられた環状溝にスチールボールが嵌まり込むとともに、カプラ本体の外周に摺動自在に設けられた係止リングがバネで移動してきてスチールボールを外側から押さえるようになっている(特許文献1)。
【0004】
また、カプラの洗浄を容易にするために、カプラ本体の装着口を弾性樹脂材料によって形成してその外周に液流環状溝および液止環状突起を設け、装着口の外周が開かないようにOリングバンドによって押さえるとともに、そのOリングバンドを複数のスリットを有したスライドグリップによって移動させるようにした透析用カプラ装置も提案されている(特許文献2)。
【0005】
また、筒状のアダプタの両端を2つのカプラに挿入して連結し、一方のカプラから他方のカプラに向けて洗浄液を流して洗浄を行う装置も提案されている(特許文献3)。
【特許文献1】特開2005−40393
【特許文献2】特開2001−299907
【特許文献3】特開2003−169849
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上に述べた特許文献1の透析用カプラでは、透析用カプラを接続口に挿入しまたは離脱するときに、バネで付勢された係止リングをカプラ本体を握った手で引っ張ってスチールボールが移動自在となるように解除しなければならず、その操作のためにかなりの力を要するので操作が容易ではない。また、この透析用カプラの洗浄に当たっては、透析用カプラを接続口に挿入した状態で洗浄液を流すことによって洗浄を行うが、その場合には接続状態で洗浄液の流れる部分については洗浄を行えるが、それ以外の部分、例えば接続口との間でシールを行うシール部材より外方の部分、装着口の内周面、スチールボールなどについては洗浄液が流れないので、洗浄が行われない。
【0007】
また、上に述べた特許文献2の透析用カプラ装置では、カプラ本体の装着口の外周面についても洗浄が可能ではあるが、Oリングバンドの外側などについては洗浄が行われない。また、構造が複雑であり、操作が容易とはいえない問題点もある。
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、構造が簡単であって必要な部分の洗浄を容易に行うことのできる透析用カプラの洗浄方法および装置並びに透析用カプラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る透析用カプラの洗浄方法は、円筒状の洗浄用ケースの両端側から2つのカプラを対向するように挿入し、それぞれの前記カプラの外周面と前記洗浄用ケースとの間においてシールを行い、一方の前記カプラから他方の前記カプラに向かって洗浄液を流通させる。
【0010】
また、前記カプラの外周面との間のシールを、前記洗浄用ケースのそれぞれの端縁部において行う。
【0011】
本発明に係る透析用カプラの洗浄装置は、2つのカプラを対向するような状態で挿入することが可能な円筒状の洗浄用ケースと、前記洗浄用ケースに挿入された2つのカプラをその状態で保持するための保持部材と、それぞれの前記カプラの外周面と前記洗浄用ケースのそれぞれの端縁部との間においてシールを行うシール部材とを有する。
【0012】
好ましくは、前記保持部材は、前記洗浄用ケースの内周面の中央部に設けられた係合凹部であり、前記洗浄用ケースに2つの前記カプラを対向した状態で挿入したときにそれぞれの前記カプラの開口端部に設けられた突出部が前記係合凹部に係合して保持するように構成される。
【0013】
また、前記シール部材は、それぞれの前記カプラの表面から突出して形成された環状の凸部と前記洗浄用ケースのそれぞれの端縁部とに密着してシールを行う。
【0014】
また、前記洗浄用ケースは、その軸方向の両端に設けられてそれぞれ前記カプラを挿入することの可能な径大部と、前記径大部の間に設けられて前記径大部よりも外径の小さい径小部と、を有してなる。
【0015】
また、それぞれの前記径大部は、前記径小部に連続して一体に形成された径大保持部と、前記径大保持部とは別体に形成されその一端部が前記径大保持部の内周面に嵌め込まれて連結された端部部材と、を有し、前記端部部材は、その他端部が前記シール部材との間においてシールを行う前記端縁部となっており、且つ、その内周面に前記保持部材が一体に設けられる。
【0016】
本発明に係る透析用カプラ装置は、外周面に環状溝が設けられた円筒状の接続口を挿入することにより当該接続口と着脱可能に接続するための透析用カプラ装置であって、前記接続口を挿入したときに係合部が前記環状溝に嵌まり込んで軸方向に係合する装着口、およびホースを接続するためのホース接続部が設けられたカプラ本体と、前記装着口の外周面に装着され、前記係合部が前記環状溝と係合した状態を保持するロック位置と開放する開放位置との間で軸方向に摺動可能な筒状のスライド係止部材と、を有し、前記装着口の開口端部には、半径方向外方へ突出して前記スライド係止部材の抜け止めを行う突出部が設けられており、前記突出部は、内周面の中央部に係合凹部が設けられた円筒状の洗浄用ケースに2つの前記カプラを対向するような状態で挿入したときにそれぞれの突出部が前記係合凹部に係合するように構成される。
【0017】
また、2つの透析用カプラと、内周面の中央部に係合凹部が設けられた円筒状の洗浄用ケースと、を有し、それぞれの前記透析用カプラは、前記接続口を挿入したときに係合部が前記環状溝に嵌まり込んで軸方向に係合する装着口、およびホースを接続するためのホース接続部が設けられたカプラ本体と、前記装着口の外周面に装着され、前記係合部が前記環状溝と係合した状態を保持するロック位置と開放する開放位置との間で軸方向に摺動可能な筒状のスライド係止部材と、を有し、前記装着口の開口端部には、半径方向外方へ突出し前記洗浄用ケースに挿入したときに前記係合凹部に係合する突出部が設けられる。
【0018】
好ましくは、前記スライド係止部材には、半径方向外方へ突出するつば部が設けられ、前記つば部には、合成ゴムからなるカバーが被せられており、前記カバーは、前記洗浄用ケースに2つの前記透析用カプラを対向するような状態で挿入したときに、それぞれの前記透析用カプラの表面から突出して形成された環状の凸部と前記洗浄用ケースのそれぞれの端縁部とに密着してシールを行う。
【0019】
本発明に係る洗浄用ケースは、円筒状であり、その軸方向の両端に設けられてそれぞれ前記カプラを挿入することの可能な径大部と、前記径大部の間に設けられて前記径大部よりも外径の小さい径小部と、を有しており、それぞれの前記径大部は、前記径小部に連続して一体に形成された径大保持部と、前記径大保持部とは別体に形成されその一端部が前記径大保持部の内周面に嵌め込まれて連結された端部部材と、を有し、前記端部部材の内周面に、当該端部部材の端部側から挿入される2つのカプラの先端部を保持するための保持部材がそれぞれ設けられてなる。
【0020】
なお、本発明において、2つのカプラを対向するような状態で洗浄用ケースに挿入したときに、2つのカプラの開口端部は互いに接触するような状態または近接した状態であってもよいし、また互いに所定の距離だけ離れた状態であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、透析用カプラ装置および洗浄装置の構造が簡単であって必要な部分の洗浄を容易に行うことのできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
〔第1の実施形態〕
図1は本発明の第1の実施形態に係るカプラ1の正面断面図、図2はカプラ1の左側面図、図3はスライド係止部材の正面断面図、図4はカプラ1を接続口SGに接続した状態を示す正面断面図、図5は装着口21の近辺を拡大して示す断面図、図6はシール部材13の近辺を拡大して示す断面図、図7はスライド係止部材12と本体部材11との係合構造の他の例を示す図である。
【0023】
図1および図2において、カプラ1は、本体部材11、スライド係止部材12、およびシール部材13からなる。
【0024】
本体部材11は、有底筒状体の後端部11aから細筒状部が半径方向外方に突出した概略形状であり、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネイト)、またはその他の合成樹脂によって一体に成形されている。つまり、本体部材11は、透析器TKの接続口SG(図4参照)の外周に装着するための装着口21、およびホースHSを接続するためのホース接続部22が設けられている。本体部材11には、ホース接続部22の先端から装着口21の開口端部30に至るまで、液体が流通するための流路RRが設けられている。
【0025】
装着口21は、その開口端部30から軸方向に設けられた3条のスリット31a,31b,31cによって分割されて3つの分割片32a,32b,32cが形成されている。これら分割片32a〜cのそれぞれの内周面の一部には、接続口SGを挿入したときにその環状溝KMに嵌まり込んで軸方向の相対移動を規制するための係止凸部33、33…が突出して設けられている。
【0026】
分割片32a〜cは、適度な肉厚をもっており、そこに接続口SGを挿入しまたは離脱する際に、係止凸部33が環状溝KMに嵌入しまたは環状溝KMから抜け出すことが可能なよう、弾性的に撓むことが可能である。また、スライド係止部材12が係止凸部33に対応する軸方向位置(図4に示す位置、以下「ロック位置」ということがある)にあるときは、分割片32a〜cの半径方向外方への撓みがスライド係止部材12により規制され、そのため係止凸部33と環状溝KMとの係合状態が維持され、接続口SGの先端部とシール部材13との密着を維持した状態で係止凸部33が環状溝KMから抜け出さないようになっている。
【0027】
なお、係止凸部33は、分割片32a〜cのそれぞれの内周面の全周にわたってではなく、周方向の一部に設けられているので、係止凸部33との係合が過度に強くなり過ぎることなく、また分割片32a〜cが撓み難くなることがなく、適度の軸方向の係止力が得られる。
【0028】
装着口21の開口端部30の外周面には、半径方向外方へ突出してスライド係止部材12の抜け止めのための環状の抜け止め部34が設けられている。抜け止め部34は、外周側の内側の端面が傾斜面34aとなっており、傾斜面34aの底部には表面よりも低くなった環状の凹部35が設けられている。開口端部30の内周面側の縁部には、傾斜面30aが設けられている。
【0029】
本体部材11の装着口21よりも奥側において、外周面に段部36が形成され、さらにその奥側に環状の凸部37が形成されている。凸部37の前側の端面は傾斜面37aとなっている。段部36は、スライド係止部材12の軸方向の移動を奥端側位置(図1に示す位置、以下「開放位置」ということがある)において規制するためのストッパの役割を果たす。
【0030】
ホース接続部22は、透析液を流通させるために用いられる公知のホース(チューブ)HSを接続可能な形状である。なお、本実施形態においては、ホース接続部22を本体部材11に一体に形成したが、ホース接続部22を本体部材11とは別体で形成し、ホース接続部22を本体部材11にネジ込むことによって連結してもよい。
【0031】
スライド係止部材12は、略筒状であり、本体部材11と同様な合成樹脂によって一体に形成されている。スライド係止部材12の先端部の内周面には、装着口21の凹部35に嵌まり込んで凹部35と軸方向に係合する凸部42が設けられている。凸部42が凹部35に係合することによって、スライド係止部材12がロック位置にあるときに、スライド係止部材12のその位置が保持され、不測に移動しないようになっている。
【0032】
なお、凸部42は、その両端面が傾斜面42a,42bとなっており、スライド係止部材12を軸方向に手で少し強く引くことによって、分割片32a〜cを半径方向内方へ撓ませて凹部35の傾斜面を乗り越えさせ、スライド係止部材12を開放位置に容易に移動させることができるようになっている。
【0033】
なお、本実施形態においては、スライド係止部材12と本体部材11との軸方向の係合のために凸部42と凹部35とを形成したが、これ以外の種々の構成によって係合させてもよい。例えば、図7に示すように、装着口21の各分割片32a〜cの外周面に凸部39を設け、スライド係止部材12の内周面に、凸部39が嵌まり込む凹部46を設けてもよい。
【0034】
スライド係止部材12の後端部には、半径方向外方へ突出するつば部41が設けられている。つば部41の内周面の端縁部には、環状の凹部43が設けられ、その一部が傾斜面43aとなっている。つば部41には、可撓性を有するカバー14が被せられている。カバー14は、シリコンゴムやNBRなどの合成ゴムなどからなり、撓ませることによってつば部41に装着しまたは離脱することができる。カバー14の前面側の端部には、環状の凹部44が設けられている。
【0035】
カバー14は、後述するように、カプラ1を洗浄する際に洗浄液の漏れを防ぐためのシール材の役目をも果たす。
【0036】
スライド係止部材12は、その先端部分が、先端部から軸方向に沿った3条のスリット45a,45b,45cによって分割されている。これによって、スライド係止部材12の先端部分が若干撓み易くなり、スライド係止部材12の本体部材11への装着および離脱を行うことが可能であり、カプラ1の組み立てが容易となっている。しかし、これらのスリット45a〜cは、スライド係止部材12がロック位置にあるときに本体部材11の係止凸部33の真上にはこない程度の長さ(深さ)である。したがって、スライド係止部材12がロック位置にあるときに、分割片32a〜cが半径方向外方へ撓もうとしてもスライド係止部材12によって規制され、容易には係止凸部33が環状溝KMを乗り越えることのないようになっている。
【0037】
シール部材13は、シリコンゴムまたは他の合成ゴムなどからなり、径大部51と径小部52とからなる略円筒状に形成されている。図6において、2点鎖線はシール部材13の自由状態を示す。図6によく示されるように、シール部材13は、本体部材11の装着口21の奥端部において内周面が若干低くなって形成された装着部38に装着されている。径大部51の内径は、接続口SGの先端部の外径よりも若干小さくなっており、接続口SGを挿入したときに撓んで密着する。また、接続口SGの傾斜面が径大部51を押して撓ませるので、シール部材13は本体部材11の装着部38において、接続口SGの先端部の表面と本体部材11の内周面とにそれぞれ密着してこれらの間をシールする。
【0038】
なお、シール部材13は装着部38に装着されているので、接続口SGの離脱の際にも接続口SGと一緒に離脱することがなく、装着部38に装着された状態が維持される。
【0039】
次に、カプラ1の使用方法について説明する。
【0040】
スライド係止部材12を開放位置として状態で(図1に示す状態)、装着口21に接続口SGを挿入する。このとき、装着口21の各分割片32a〜cの内周面は接続口SGの外周面に沿って半径方向外方へ撓み、挿入し切ったときに、図4に示すように係止凸部33が環状溝KMに嵌まり込む。この状態で、接続口SGの先端部がシール部材13に密着してシールされる。そして、スライド係止部材12を図4に示すロック位置に移動させ、凸部42を凹部35に係合させる。これによって接続口SGとカプラ1との接続が完了する。
【0041】
カプラ1を取り外すときには、指でカバー14を引っ張ってスライド係止部材12を開放位置へ移動させ、そのままさらに引っ張ることによって、装着口21が接続口SGから抜け出る。
【0042】
このように、カプラ1の接続口SGへの装着および離脱は容易に行うことができる。スライド係止部材12が開放位置にあるときの接続口SGと装着口21との係止力は、係止凸部33と環状溝KMとの係合および分割片32a〜cの弾性力によっているので、婦人の看護士でも容易に扱える程度の適度の強さとすることができる。また、装着口21が合成樹脂であり、摺動性が良好であるので、従来のスチールボールのように硬くなることがない。
【0043】
また、スライド係止部材12および本体部材11は合成樹脂製であるので、互いに摺動性が良好であり、また凸部42と凹部35との係合によって軽く係合しているだけであるので、スライド係止部材12をロック位置と開放位置との間を移動させるのが容易である。しかも、凸部42と凹部35との係合によってロック位置に保持されるので、スライド係止部材12が不測に移動することはない。さらに、カプラ1の構造が簡単であり、製作コストを低減することが可能である。
【0044】
次に、カプラの洗浄方法および洗浄装置について説明する。
【0045】
図8はカプラを洗浄するときの接続状態つまり第1の実施形態のカプラ装置KS1を示す正面断面図、図9は連結部を拡大して示す断面図、図10は洗浄用ケース3の正面断面図である。
【0046】
図8において、カプラ装置KS1は、2つのカプラ1A,1B、および洗浄用ケース3からなる。
【0047】
図8に示すように、カプラ装置KS1によると、カプラを洗浄する際には、2つのカプラ1A,1Bを同時に洗浄することが可能である。つまり、上に述べたカプラ1と同じ構造の2つのカプラ1A,1Bを、それぞれの装着口21が対向するようにして、円筒状の洗浄用ケース3に挿入する。これによって、各カプラ1A,1Bの抜け止め部34が、洗浄用ケース3の内周面の中央に設けられた係合部61において係合し、その状態が保持される。
【0048】
すなわち、洗浄用ケース3は、カプラ1と同様な合成樹脂によって形成されており、図9および図10に示すように、円筒状のケース本体60の内周面の軸方向中央に、円環状の所定幅(長さ)を有した係合部61が設けられている。係合部61は、その両端部にランド部63,63を残して、その中央部に凹部62が設けられ、その両側壁が傾斜面62a,62bとなっている。ランド部63,63の外側の両側壁およびケース本体60の外側の内端面も、それぞれ面取りが施されて傾斜面63a,63bまたは傾斜面60a,60bとなっている。
【0049】
洗浄用ケース3にカプラ1A,1Bを挿入すると、それぞれの抜け止め部34がランド部63,63を乗り越えて凹部62に嵌入し、各傾斜面34aが傾斜面62a,62bに係合する。これによって、2つのカプラ1A,1Bが洗浄用ケース3に保持される。つまり、係合部61および抜け止め部34が本発明の保持部材に相当し、抜け止め部34が本発明の突出部に、凹部62が本発明の係合凹部に、それぞれ相当する。
【0050】
また、洗浄用ケース3の外径は、カバー14の凹部44の内径よりも若干大きくなっており、洗浄用ケース3の両端部が、各カプラ1A,1Bのカバー14の凹部44に嵌入して密閉され、シールが行われる。そのときに、洗浄用ケース3の両端部が凹部44を軸方向に押すことによっても密閉される。カバー14の他方の外周端部は、傾斜面状、アール状、またはリップ状となっており、その部分が凸部37の傾斜面37aに押し付けられ、これによってこの部分においてもシールが行われている。つまり、カバー14が本発明のシール部材に相当する。
【0051】
この状態で、図8に矢符で示すように、一方のカプラ1Aから他方のカプラ1Bに向かって洗浄液を流す。そうすると、洗浄液は、各カプラ1A,1Bの内部は勿論のこと、装着口21の外周面、スライド係止部材12の外周面の一部にまでも行き渡り、洗浄を行う。このように、カプラ1A,1Bの通常の使用によって洗浄が必要となる全ての箇所を洗浄することができる。
【0052】
しかも、2つのカプラ1A,1Bを同時に洗浄することができるので、透析時における供給側と排出側の2つのカプラを1回で洗浄することができ、能率がよい。例えば、洗浄時に、透析時における透析液を洗浄液に変えるだけで洗浄を行うことができる。
【0053】
なお、洗浄用ケース3と本体部材11との間のシール構造は、上に述べた以外の種々の構造とすることができる。カバー14によるシールに代えて、またはこれとともに、適当なパッキン、例えばOリングなどのシール材を、洗浄用ケース3の両端部に装着してもよい。
【0054】
例えば、図11に示すように、スライド係止部材12Cのつば部41Cの両端面下端部と、洗浄用ケース3Cの端面および本体部材11Cに設けた凸部37Cの端面との間に、それぞれガスケット71a,71b、72a,72bを装着し、これによってシールを行ってもよい。ガスケット71a,71b、72a,72bに代えて、Oリングなどを用いてもよい。また、洗浄用ケース3C、凸部37C、またはつば部41Cにシール性を発揮する材料を用いることによって、それぞれ別個のシール材を省略するようにしてもよい。
【0055】
上述の実施形態において、本体部材11またはスライド係止部材12などの成形に際し、青色または赤色などに着色しておいてもよい。これによって、透析液の供給側と排出側とを容易に区別することができる。
【0056】
装着口21の抜け止め部34を環状に設けたが、各分割片32a〜cのそれぞれの周方向の一部に設けてもよい。その場合に、各分割片32a〜cの中央部または両端部などに設けてもよい。係止凸部33を各分割片32a〜cの周方向の中央部に設け、抜け止め部34を各分割片32a〜cの周方向の両端部に設けた場合には、装着口21の肉厚が周方向で一様になり易いので、樹脂成形時における成形歪みを軽減することが可能である。
【0057】
また、各分割片32a〜cにそれぞれ係止凸部33を設けたが、分割片32a〜cの一部にのみ係止凸部33を設けてもよい。
【0058】
開口端部30の内周面側の縁部に傾斜面30aを設けたが、外周面側の縁部にも傾斜面を設けてもよい。これによると、カプラ1の組み立て時にスライド係止部材12の本体部材11への装着が容易である。その場合に、スライド係止部材12の凹部43の対応する部分を傾斜面にしておけばなおよい。
【0059】
本体部材11の後端部11aの外周が円周面になっているが、円周面の径を小さくし、小さくした円周面に軸方向に伸びる補強用の複数のリブを形成してもよい。シール部材13に代えてOリングその他のシール材を用いてもよい。
【0060】
装着口21に3条のスリット31a〜cを設けて3つの分割片32a〜cを形成したが、2条、または4条以上のスリットを設けて2つまたは4つ以上の分割片32を形成してもよい。
【0061】
スライド係止部材12の先端部を3条のスリット45a〜cによって分割したが、2条、または4条以上のスリットを設けてもよく、またスリットを設けることなく、先端部の肉厚や材質などによって調整してもよい。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0062】
第2の実施形態においては、洗浄用ケース3Dの構造が第1の実施形態と異なる。カプラ1それ自体は第1の実施形態と同じものを用いることが可能である。
【0063】
図12は第2の実施形態のカプラ装置KS2を示す正面断面図、図13は図12の一部を拡大して示す断面図、図14は洗浄用ケース本体81の正面断面図、図15は洗浄用ケース本体81の側面図、図16は端部部材82Cの正面断面図、図17は端部部材82Cの正面図および側面図、図18はシール部材83の正面図である。なお、図16には、図12における左側に示された端部部材82Dと同じ回転角度位置で断面したものが示されている。
【0064】
図12および図13において、カプラ装置KS2は、2つのカプラ1C,1D、および洗浄用ケース3Dからなる。
【0065】
カプラ装置KS2においても、2つのカプラ1C,1Dを同時に洗浄することが可能である。つまり、2つのカプラ1C,1Dを、それぞれの装着口21が対向するようにして、円筒状の洗浄用ケース3Dに挿入する。これによって、各カプラ1C,1Dの抜け止め部34が、洗浄用ケース3Dの内周面に設けられた係合部61Bにおいて係合し、その状態が保持される。
【0066】
カプラ1C,1Dは、第1の実施形態において説明したカプラ1A,1Bと同じもの、またはそれらと同じ機能を有し基本的な形状が同じものである。したがって、カプラ1C,1Dについての説明は省略する。
【0067】
洗浄用ケース3Dは、カプラ1と同様な合成樹脂により形成された部材が組み合わされてなっている。すなわち、洗浄用ケース3Dは、洗浄用ケース本体81、洗浄用ケース本体81の両端に嵌め込まれた端部部材82C,82D、およびシール部材83C,83Dなどからなる。
【0068】
洗浄用ケース本体81は、その軸方向の両端に設けられてそれぞれカプラ1C,1Dを挿入することの可能な径大保持部91,91、および、径大保持部91,91の間に設けられて径大保持部91,91よりも外径の小さい径小部92が、一体に形成されてなる。つまり、洗浄用ケース本体81は、中央が細くなった円筒状であり、軸方向に直角な面について面対称の形状である。したがって、左右両側の径大保持部91,91は、互いに面対称に形成されている。なお、図12においては、左右の径大保持部91,91が互いに面対称に描かれてないが、これは、一方を他方に対して軸を中心に90度回転させた状態で断面して仮想的に描いているからである。
【0069】
図13〜図15を参照して、径大保持部91は、外側の径大保持筒93、内側の中保持筒94、それらを連結する連結壁95を有する。
【0070】
径大保持筒93は、端部部材82Cの一端部の外周面が嵌入して嵌め込まれる内周面96を有する。径大保持筒93には、周方向の2ヵ所の互いに180度の位置に、係止溝97,97が設けられ、また、それらと互いに90度の位置の2ヵ所に、位置決め溝98,98が設けられている。位置決め溝98は、径大保持筒93の端部に開口している。これら係止溝97および位置決め溝98は、端部部材82Cが挿入されたときに、その端部部材82Cの抜け止めと位置決めとを行うためのものである。
【0071】
中保持筒94は、径大保持筒93との間に、端部部材82Cが挿入可能な間隙を有して設けられている。中保持筒94は、図13に示されるように、端部部材82Cとの間でシール部材83Cを挟んで保持し且つシールを行うためのものであり、カプラ1Cが挿入されたときに、その装着口21の開口端部30がシール部材83Cに押し付けられ、これによって流路RRを外部に対してシールし、洗浄の際に洗浄液の漏れを防ぐようになっている。なお、連結壁95は、外面が傾斜面となっており、内面もまた傾斜面となっている。
【0072】
径小部92は、連結壁95から連続しており、その外周面92aの径は、カプラ1Cの装着口21の内周面の径とほぼ同じに形成されている。洗浄用ケース本体81に径小部92が設けられることによって、既存の洗浄システムに対する従来のカプラ装置との互換性が確保される。
【0073】
すなわち、既存の洗浄システムでは、カプラ装置の洗浄のためにユーザがカプラ装置を所定の位置に載置してセットすると、センサがそれを検出し、ユーザが起動スイッチをオンにすると洗浄液が供給されて洗浄が開始される。そして、洗浄が行われたこと、その時間、時刻などが履歴情報として記録される。従来のカプラ装置では、上に述べた特許文献3に開示されているように、2つのカプラの間に筒状のアダプタを挿入して連結した構成である。アダプタは、カプラに挿入するために、その外径がカプラの装着口内径と同程度となっており、既存の洗浄システムはこのような外観形状の従来のカプラ装置がセット可能となっている。したがって、既存の洗浄システムを用いて本実施形態のカプラ装置KS2を洗浄するためには、部分的に上に述べた従来のカプラ装置と外観形状を合わせる必要がある。
【0074】
本実施形態のカプラ装置KS2によると、径小部92の外径および軸方向の長さを従来のカプラ装置とほぼ同じとしておくことにより、洗浄の際の互換性が確保されるのである。つまり、カプラ装置KS2によってカプラ1C,1Dの洗浄を行う際に、カプラ装置KS2を既存の洗浄システムにセットし易くなり、且つセットしたときに既存の洗浄システムに備えられた機能、例えばカプラ装置KS2がセットされたことを検出するセンサを従来と同様に作動させて信号を出力させることができ、またその信号に基づいて洗浄を行ったことの履歴の記録を従来と同様に行わせることができるのである。
【0075】
なお、洗浄用ケース本体81には、縁部の必要な箇所には面取りが施され、傾斜面が形成されている。
【0076】
図16および図17をも参照して、端部部材82Cは、円筒状であって、その外周面101は、上に述べた洗浄用ケース本体81の径大保持筒93の内周面96に挿入可能な径を有する。その外周面101に、径大保持筒93の内周面96に挿入したときに抜け止めと位置決めとを行うために、係止溝97および位置決め溝98にそれぞれ係合する係止突起102および位置決め突起103が設けられている。
【0077】
係止突起102は、図16によく示されるように、断面が三角形状であり、周方向に長い形状であって、洗浄用ケース本体81に挿入するときにその内周面を押し広げ、係止突起102に嵌まり込むことによって抜け止めを行う。
【0078】
位置決め突起103は、断面が矩形状であり、軸方向に長い形状であって、洗浄用ケース本体81に挿入するときに位置決め溝98に沿って入り込むことにより、洗浄用ケース本体81と端部部材82Cとの回転角度方向の相対的な位置決めを行う。
【0079】
端部部材82Cの内周面には、上に述べたように、中保持筒94との間でシール部材83Cを挟んで保持するための段部104が設けられている。また、カプラ1Cを挿入したときに、その先端の抜け止め部34が乗り越えて係合するための係合突起105が設けられている。係合突起105から段部104に至る間は、係合突起105よりも凹んだ内周面106となっている。
【0080】
この係合突起105および抜け止め部34が本発明の保持部材に相当し、内周面106が本発明の係合凹部に相当する。
【0081】
端部部材82Cの内周面には、さらに、カプラ1Cのスライド係止部材12の先端部に当接してスライド係止部材12を開放位置とする段部107、およびスライド係止部材12の先端部の外周面に突起部が設けられたときにその突起部が嵌まり込むための凹部108が設けられている。端部部材82Cの端部109は、カプラ1Cのカバー14の凹部44に嵌入して密閉され、シールが行われる。そのときに、端部109は凹部44を軸方向にも押す。なお、端部109の外縁部および内縁部には、面取りが施されて傾斜面が形成されている。
【0082】
図18を参照して、シール部材83Cは、シリコンゴムなどから環状に形成されている。外周縁には、断面が三角形状のリップ111が設けられており、このリップ111が、洗浄用ケース本体81の中保持筒94の端面、および端部部材82Cの段部104に入り込み、これらによって押さえられて保持され、且つシールが行われる。また、上に述べたように、シール部材83の側面に、カプラ1Cの装着口21の開口端部30が押し付けられることによってシールが行われる。
【0083】
第2の実施形態の洗浄用ケース3Dを用い、その両端側からカプラ1C,1Dを挿入して係合させた状態で、一方のカプラ1Cから他方のカプラ1Dに向かって洗浄液を流す。これにより、第1の実施形態の場合と同様に、洗浄液は、各カプラ1C,1Dの内部、装着口21の外周面、スライド係止部材12の外周面の一部にまで行き渡り、洗浄を行うことができる。
【0084】
なお、洗浄用ケース3Dとカプラ1C,1Dとの間のシール構造は、上に述べた以外の種々の構造とすることができる。また、洗浄用ケース3Dにおいて、洗浄用ケース本体81、端部部材82C,82D、およびシール部材83の間の連結構造および形状は、上に述べた以外の種々の構造または形状とすることができる。接着剤などを用いて連結するようにしてもよい。
【0085】
第2の実施形態の洗浄用ケース3Dにおいて、径大保持部91および端部部材82C,82Dが本発明における径大部に相当する。
【0086】
その他、保持部材、本体部材11、スライド係止部材12、シール部材13、カバー14、洗浄用ケース3,3C、3Dまたはカプラ1の全体または各部の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【0087】
本実施形態による装置は、透析器の接続口に接続するための透析用カプラ装置、およびそれを洗浄する洗浄装置などとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に係るカプラの正面断面図である。
【図2】カプラの左側面図である。
【図3】スライド係止部材の正面断面図である。
【図4】カプラを接続口に接続した状態を示す正面断面図である。
【図5】装着口の近辺を拡大して示す断面図である。
【図6】シール部材の近辺を拡大して示す断面図である。
【図7】スライド係止部材と本体部材との係合構造の他の例を示す図である。
【図8】カプラを洗浄するときの接続状態を示す正面断面図である。
【図9】連結部を拡大して示す断面図である。
【図10】洗浄用ケースの正面断面図である。
【図11】他の例の洗浄用ケースによる接続状態を示す正面断面図である。
【図12】第2の実施形態のカプラ装置を示す正面断面図である。
【図13】図12の一部を拡大して示す断面図である。
【図14】洗浄用ケース本体の正面断面図である。
【図15】洗浄用ケース本体の側面図である。
【図16】端部部材の正面断面図である。
【図17】端部部材の正面図および側面図である。
【図18】シール部材の正面図である。
【符号の説明】
【0089】
1 カプラ(透析用カプラ装置)
3,3C,3D 洗浄用ケース
11 本体部材
12 スライド係止部材
14 カバー(シール部材)
21 装着口
31a〜c スリット
33 係止凸部
34 抜け止め部(保持部材、突出部)
37,37C 凸部
41,41C つば部
60 ケース本体
61 係合部
62 凹部(係合凹部)
63 ランド部
71a,71b ガスケット(シール部材)
72a,72b ガスケット(シール部材)
81 洗浄用ケース本体
82C,82D 端部部材(径大部)
83C,83D シール部材
91 径大保持部(径大部)
92 径小部
SG 接続口
KM 環状溝
KS1,KS2 カプラ装置(透析用カプラ装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透析用カプラの洗浄方法であって、
円筒状の洗浄用ケースの両端側から2つのカプラを対向するように挿入し、
それぞれの前記カプラの外周面と前記洗浄用ケースとの間においてシールを行い、
一方の前記カプラから他方の前記カプラに向かって洗浄液を流通させる、
ことを特徴とする透析用カプラの洗浄方法。
【請求項2】
透析用カプラの洗浄方法であって、
円筒状の洗浄用ケースに2つのカプラを対向した状態で挿入し、
それぞれの前記カプラの外周面と前記洗浄用ケースのそれぞれの端縁部との間においてシールを行い、
一方の前記カプラから他方の前記カプラに向かって洗浄液を流通させる、
ことを特徴とする透析用カプラの洗浄方法。
【請求項3】
透析用カプラの洗浄装置であって、
2つのカプラを対向するような状態で挿入することが可能な円筒状の洗浄用ケースと、
前記洗浄用ケースに挿入された2つのカプラをその状態で保持するための保持部材と、
それぞれの前記カプラの外周面と前記洗浄用ケースのそれぞれの端縁部との間においてシールを行うシール部材と、
を有することを特徴とする透析用カプラの洗浄装置。
【請求項4】
前記保持部材は、前記洗浄用ケースの内周面の中央部に設けられた係合凹部であり、
前記洗浄用ケースに2つの前記カプラを対向した状態で挿入したときにそれぞれの前記カプラの開口端部に設けられた突出部が前記係合凹部に係合して保持するように構成されている、
請求項3記載の透析用カプラの洗浄装置。
【請求項5】
前記シール部材は、それぞれの前記カプラの表面から突出して形成された環状の凸部と前記洗浄用ケースのそれぞれの端縁部とに密着してシールを行う、
請求項3または4記載の透析用カプラの洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄用ケースは、
その軸方向の両端に設けられてそれぞれ前記カプラを挿入することの可能な径大部と、
前記径大部の間に設けられて前記径大部よりも外径の小さい径小部と、を有してなる、
請求項3記載の透析用カプラの洗浄装置。
【請求項7】
それぞれの前記径大部は、
前記径小部に連続して一体に形成された径大保持部と、
前記径大保持部とは別体に形成されその一端部が前記径大保持部の内周面に嵌め込まれて連結された端部部材と、を有し、
前記端部部材は、その他端部が前記シール部材との間においてシールを行う前記端縁部となっており、且つ、その内周面に前記保持部材が一体に設けられてなる、
請求項6記載の透析用カプラの洗浄装置。
【請求項8】
外周面に環状溝が設けられた円筒状の接続口を挿入することにより当該接続口と着脱可能に接続するための透析用カプラ装置であって、
前記接続口を挿入したときに係合部が前記環状溝に嵌まり込んで軸方向に係合する装着口、およびホースを接続するためのホース接続部が設けられたカプラ本体と、
前記装着口の外周面に装着され、前記係合部が前記環状溝と係合した状態を保持するロック位置と開放する開放位置との間で軸方向に摺動可能な筒状のスライド係止部材と、を有し、
前記装着口の開口端部には、半径方向外方へ突出して前記スライド係止部材の抜け止めを行う突出部が設けられており、
前記突出部は、内周面に係合凹部が設けられた円筒状の洗浄用ケースに2つの前記カプラを対向するような状態で挿入したときにそれぞれの突出部が前記係合凹部に係合するように構成されている、
ことを特徴とする透析用カプラ装置。
【請求項9】
外周面に環状溝が設けられた円筒状の接続口を挿入することにより当該接続口と着脱可能に接続するための透析用カプラ装置であって、
2つの透析用カプラと、
内周面に係合凹部が設けられた円筒状の洗浄用ケースと、を有し、
それぞれの前記透析用カプラは、
前記接続口を挿入したときに係合部が前記環状溝に嵌まり込んで軸方向に係合する装着口、およびホースを接続するためのホース接続部が設けられたカプラ本体と、
前記装着口の外周面に装着され、前記係合部が前記環状溝と係合した状態を保持するロック位置と開放する開放位置との間で軸方向に摺動可能な筒状のスライド係止部材と、を有し、
前記装着口の開口端部には、半径方向外方へ突出し前記洗浄用ケースに挿入したときに前記係合凹部に係合する突出部が設けられている、
ことを特徴とする透析用カプラ装置。
【請求項10】
前記スライド係止部材には、半径方向外方へ突出するつば部が設けられ、
前記つば部には、合成ゴムからなるカバーが被せられており、
前記カバーは、前記洗浄用ケースに2つの前記透析用カプラを対向するような状態で挿入したときに、それぞれの前記透析用カプラの表面から突出して形成された環状の凸部と前記洗浄用ケースのそれぞれの端縁部とに密着してシールを行う、
請求項9記載の透析用カプラ装置。
【請求項11】
透析用カプラの洗浄に用いる洗浄用ケースであって、
前記洗浄用ケースは円筒状であり、
その軸方向の両端に設けられてそれぞれ前記カプラを挿入することの可能な径大部と、前記径大部の間に設けられて前記径大部よりも外径の小さい径小部と、を有しており、
それぞれの前記径大部は、前記径小部に連続して一体に形成された径大保持部と、前記径大保持部とは別体に形成されその一端部が前記径大保持部の内周面に嵌め込まれて連結された端部部材と、を有し、
前記端部部材の内周面に、当該端部部材の端部側から挿入される2つのカプラの先端部を保持するための保持部材がそれぞれ設けられてなる、
ことを特徴とする透析用カプラの洗浄に用いる洗浄用ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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