説明

透析間監視デバイス

【課題】透析間の期間中の患者の健康を監視するデバイスを提供すること。
【解決手段】カテーテルの管腔を通り延在するような構成および寸法とされている感知ワイヤーであって、該感知ワイヤーは、患者内の血流に晒されるように位置決めされている先端を有している、感知ワイヤーと、該感知ワイヤーに動作可能に関連付けられており、患者の血液内の事前に選択された分析物の存在を検出するように適合されているセンサーと、該センサーに動作可能に関連付けられているインジケーターとを含み、該インジケーターは、事前に選択された分析物に関する事前に選択されたパラメータに到達したという指示を患者に提供するように構成されている、透析間監視デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
本願は、2011年5月23日に出願された米国特許出願第13/113,175号の利益および優先権を主張する。
【0002】
(1.技術分野)
本開示は、透析間の期間中の患者の健康を監視するデバイスに関する。より具体的には、本開示は、透析間の期間中の患者の健康と透析の必要性とに関する選択された関心のある身体パラメータを識別するインビボの監視デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の背景)
透析または血液透析は、腎不全を有している人々の失われたまたは減少した腎機能に対する人工的な代用を提供するために用いられる処置である。血液透析は、腎機能に急性障害を有している人々と、慢性腎臓疾患を有している人々とのために用いられ得る。慢性腎臓疾患または慢性腎不全を有している人々は、腎移植が行われ得るまで、定期的な間隔で血液透析を必要とする。
【0004】
失われたまたは減少した腎機能を被る患者に対して、血液透析処置は約週3回必要とされ、各処置を行うために約3〜5時間を要する。血液透析処置中に、患者の血液は、患者からカテーテルを通して引き出され、透析装置を通してポンプ送出され、血液を合成中空繊維から形成された部分的透過膜に晒す。水および老廃物が血液から取り除かれるように、血液は繊維を通り流れ、一方で透析液は繊維の外の周りを流れる。次いで、浄化された血液は、カテーテルを通して患者へ戻される。
【0005】
血液透析を行うのに適したカテーテルは、単一管腔、二重管腔および三重管腔カテーテルを含む。使用の前に、カテーテルは、既知の態様で患者の身体内に設置され、適所に長期間残される。使用において、カテーテルが透析装置に接続され、血液は、カテーテルの動脈管腔を通り引き出され、カテーテルの静脈管腔を通して患者に戻される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
明らかであるように、血液透析処置は、時間がかかり、患者に負担をかける。現在、血液透析処置の頻度は、過去の経験に基づいて決定されており、必ずしも、患者の血液の実際の状態に関連しない。透析間の期間中に使用可能であり、いつ血液透析治療が必要であるかを正確に識別することによって、透析治療の頻度を最小化するか、あるいは、透析治療が必要な場合に提供されることを確実にするリアルタイムの監視デバイスを有することが望ましい。血圧、グルコースレベル、血栓形成および感染のような透析に関連および関連しない、患者の健康に関する他の関心のあるパラメータを監視するリアルタイムの監視デバイスを有することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
本開示は、透析間監視デバイスの実施形態に関する。一実施形態において、デバイスは、カテーテルの管腔を通り延在するような構成および寸法とされている感知ワイヤーを含む。感知ワイヤーは、患者内の血流に晒されるように位置決めされる先端を有している。センサーは、感知ワイヤーに動作可能に関連付けられており、患者の血液内の、事前に選択された分析物の存在を検出するように適合されている。インジケーターは、センサーに動作可能に関連付けられており、事前に選択された分析物に関する事前に選択されたパラメータに到達したという指示を患者に提供するように構成されている。
【0008】
一実施形態において、感知ワイヤーの先端を覆っており、事前に選択された特定の分析物に対して透過性であるイオン選択性膜が提供される。センサーは、感知ワイヤーの先端上で支持され得、イオン選択性膜によって覆われ得る。
【0009】
一実施形態において、インジケーターは、事前に選択されたパラメータに到達した場合に点灯される照明を含む。インジケーターは、第一の照明および第二の照明を含み得、第一の照明は、事前に選択されたパラメータに到達していない場合に点灯され、第二の照明は、事前に選択されたパラメータに到達した場合に点灯される。第一の照明は、緑であり得、第二の照明は、赤であり得る。
【0010】
一実施形態において、感知ワイヤーは、感知ワイヤーの先端からセンサーまで延在し、先端に戻るマイクロチャネルを規定し、センサーは、感知ワイヤーの先端とは反対の端部上で支持される。マイクロチャネルは、先端とセンサーとの間のマイクロチャネルを通して循環される生理食塩水のような流体を含み得る。
【0011】
一実施形態において、センサーおよびインジケーターは、感知ワイヤーの先端とは反対の端部に接続されているセンサーデバイスにおいて支持される。感知ワイヤーの先端とは反対の端部は、センサーデバイスを取り外し可能に受け取るポートを含み得る。一実施形態において、センサーデバイスは、本体及び取り外し可能カートリッジを含み、本体は、取り外し可能カートリッジを受け取る空洞を規定する。取り外し可能カートリッジは、センサーを支持するように構成され得る。マイクロチャネル中を循環している流体は、取り外し可能カートリッジ内に含まれ得る。そのようなデバイスにおいて、カートリッジは、使い捨てであり得、インジケーターを支持するセンサーデバイスの本体は、再利用可能であり得る。
【0012】
一実施形態において、センサーデバイスは、取り外し可能テストストリップを含む。
【0013】
一実施形態において、事前に選択された分析物は、グルコース、ナトリウム、カリウム、尿素、ヘマトクリットおよび酸素飽和度から成る群から選択される。
【0014】
監視デバイスは、監視デバイスをカテーテルに固定するコネクターを含み得る。さらに、感知ワイヤーは、クロット形成につながるように適合され得る。
【0015】
一実施形態において、本体は、流体をマイクロチャネルを通してポンプ送出し、センサーから受信された信号を解釈する機械的および電気的構成要素を含む。
【0016】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
カテーテルの管腔を通り延在するような構成および寸法とされている感知ワイヤーであって、該感知ワイヤーは、患者内の血流に晒されるように位置決めされている先端を有している、感知ワイヤーと、
該感知ワイヤーに動作可能に関連付けられており、患者の血液内の事前に選択された分析物の存在を検出するように適合されているセンサーと、
該センサーに動作可能に関連付けられているインジケーターと
を含み、該インジケーターは、事前に選択された分析物に関する事前に選択されたパラメータに到達したという指示を患者に提供するように構成されている、透析間監視デバイス。
(項目2)
前記感知ワイヤーの先端を覆っているイオン選択性膜をさらに含み、該イオン選択性膜は、事前に選択された特定の分析物に対して透過性である、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目3)
前記センサーは、前記感知ワイヤーの先端上で支持され、該センサーは、前記イオン選択性膜によって覆われている、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目4)
前記インジケーターは、前記事前に選択されたパラメータに到達した場合に点灯される照明を含む、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目5)
前記インジケーターは、第一の照明および第二の照明を含み、該第一の照明は、前記事前に選択されたパラメータに到達していない場合に点灯され、該第二の照明は、該事前に選択されたパラメータに到達した場合に点灯される、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目6)
前記第一の照明は、緑であり、前記第二の照明は、赤である、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目7)
前記感知ワイヤーは、マイクロチャネルを規定し、前記センサーは、該感知ワイヤーの先端とは反対の端部上で支持され、該マイクロチャネルは、該先端から該センサーまで延在し、該先端に戻る、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目8)
前記マイクロチャネルは、前記先端と前記センサーとの間の前記マイクロチャネルを通して循環される流体を含む、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目9)
前記流体は、生理食塩水である、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目10)
前記センサーおよび前記インジケーターは、前記感知ワイヤーの先端とは反対の端部に接続されているセンサーデバイスにおいて支持される、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目11)
前記感知ワイヤーの先端とは反対の端部は、前記センサーデバイスを取り外し可能に受け取るポートを含む、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目12)
前記センサーデバイスは、本体および取り外し可能カートリッジを含み、該本体は、該取り外し可能カートリッジを受け取る空洞を規定する、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目13)
前記取り外し可能カートリッジは、前記センサーを支持する、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目14)
前記マイクロチャネル中を循環している流体は、もとは、前記取り外し可能カートリッジ内に含まれる、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目15)
前記カートリッジは、使い捨てであり、前記インジケーターを支持する前記センサーデバイスの本体は、再利用可能である、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目16)
前記センサーデバイスは、取り外し可能テストストリップを含む、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目17)
前記事前に選択された分析物は、グルコース、ナトリウム、カリウム、尿素、ヘマトクリットおよび酸素飽和度から成る群から選択される、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目18)
前記監視デバイスをカテーテルに固定するコネクターをさらに含む、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目19)
前記感知ワイヤーは、クロット形成につながるように適合されている、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
(項目20)
前記本体は、流体を前記マイクロチャネルを通してポンプ送出することと、前記センサーから受信された信号を解釈することとを行う機械的および電気的構成要素を含む、前記項目のうちのいずれかに記載の監視デバイス。
【0017】
(摘要)
透析間の期間中に、事前に選択された血液内容物のパラメータをインビボで監視し、患者の健康を監視する透析間監視デバイスが開示される。カテーテルは、患者内に設置されており、監視デバイスは、患者の血液を監視するために、カテーテルを通り延在し、カテーテルを解除可能に係合するように構成されている。センサーは、選択された分析物の存在を検出し、事前に選択されたパラメータに到達したときを識別するために提供される。
【0018】
本開示のさまざまな実施形態が本明細書において、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、カテーテルに隣接して位置決めされた本開示の透析間監視デバイスの一実施形態の上面透視図である。
【図2】図2は、カテーテルの遠位端部の側面透視図であり、図1に示された本開示の透析間監視デバイスがカテーテルのカテーテル管腔の遠位端部から延在する。
【図3】図3は、破線で示されたカテーテル内に位置決めされている、図1に示された本開示の透析間監視デバイスの上面透視図である。
【図4】図4は、破線で示されたカテーテル内に位置決めされている本開示の透析間監視デバイスの別の実施形態の上面透視図である。
【図5】図5は、パーツが分離されている本開示の透析間監視デバイスのさらに別の実施形態の側面図である。
【図6】図6は、組み立てられ、破線で示されたカテーテルを通り延在する図5に示された透析間監視デバイスの側面図である。
【図7】図7は、カートリッジが監視デバイスの本体から分離された、図5に示された透析間監視デバイスのセンサーデバイスの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施形態の詳細な説明)
本開示の透析間監視デバイスのさまざまな例示的実施形態が、ここで図面を参照して詳細に説明される。図面において、類似の参照数字は、複数の図のそれぞれにおける類似または同一の要素を識別する。
【0021】
図1は、カテーテル11内への本開示の透析間監視デバイス(以後、監視デバイス10)の挿入前の監視デバイス10の一実施形態を例示する。監視デバイス10は、センサー12、感知ワイヤー14、インジケーターアセンブリ16およびコネクター18を含む。
【0022】
感知ワイヤー14は、センサー12に接続されている第一の端部と、インジケーターアセンブリ16に接続されている第二の端部とを含む。センサー12が体腔内の血流に晒されるように、感知ワイヤー14は、カテーテル11の管腔内に受け取られ、管腔を通り延在するような寸法とされている。一実施形態において、図2および図3に示されるように、感知ワイヤー14は、センサー12をカテーテル11の外部に位置決めし、センサー12にわたる、またはセンサー12を越える血流を促進する長さである。あるいは、血流をカテーテル管腔の前方端部内に許容するように構成されているカテーテルにおいて、感知ワイヤー14は、センサー12をカテーテル管腔の前方端部に隣接するカテーテル管腔内に位置決めする長さであり得る。一実施形態において、感知ワイヤー14は、フレキシブル電気回路を規定し、エラストマーシェル14aに包まれる。エラストマーシェル14aは、下で述べられるように、密閉を感知ワイヤー14の周りに引き起こすのを可能にする圧縮性表面を提供する。
【0023】
センサー12は、感知ワイヤー14の第一の端部上に搭載され、インジケーター16に電気的に接続される。インジケーター16は、感知ワイヤー14の第二の端部上に搭載される。センサー12は、1回使用センサーまたは複数回使用センサーであり得る。センサー12は、伝導性、光学または電気化学センサーであり得る。さらに、センサー12は、グルコース、ナトリウム、カリウム、尿素、ヘマトクリット、酸素飽和度を含む分析物または患者の健康に関する他のパラメータを識別するために用いられ得る。一実施形態において、イオン選択性膜20は、センサー12の周りに位置決めされ、センサー12を覆う。選択されるイオン選択性膜20は、例えば、関心のある分析物に特定的であり、したがって、特定の分析物に対して透過性である。例えば、イオン選択性膜20は、グルコースに特定的であり得、したがって、グルコースイオンに対して透過性であり、グルコースイオンがセンサー12に接触することを可能にする。
【0024】
上で述べたように、インジケーターアセンブリ16は、感知ワイヤー14の第二の端部上で支持され、センサー12に感知ワイヤー14によって電気的に接続される。一実施形態において、インジケーターアセンブリ16は、バッテリー(示されていない)を支持し、インジケーター機構を含む。インジケーター機構は、視覚および/または可聴信号を提供する。視覚および/または可聴信号は、患者および/または医療職員に対して、センサー12によって測定された事前に選択された特定のパラメータが患者の血液中に存在することを識別する。一実施形態において、インジケーター機構は、赤い照明22および緑の照明24を含み得る。通常の使用では、緑の照明が点灯され得る。事前に選択されたパラメータが患者の血液中で感知された場合には、赤い照明が点灯され、事前に選択されたパラメータに到達したことを示す。あるいは、インジケーターアセンブリは、単一の照明(事前に選択されたパラメータに到達した場合には、点灯または減光している)、もしくは、さまざまな他の可聴および/または視覚インジケーターのうちのいずれかを含み得る。
【0025】
図1に例示されるように、カテーテル11は、カテーテル本体30、カテーテルハブ32ならびに第一および第二の延長チューブ34および36を含む。延長チューブ34および36は、それぞれ、当分野において既知であり、透析間の期間中に、それぞれの延長チューブ34または36を選択的に密閉するクランプ締め部材38を含む。各延長チューブ34および36のハブ32とは反対の端部は、コネクター(例えば、ルアーコネクター40)を支持する。キャップ42は、延長チューブ34と36とのうちの一方または両方に固定され得、透析間の期間中に延長チューブ34および36を密閉する。
【0026】
透析処置中に、ルアーコネクター40は、透析機械への延長チューブ34および36の接続を容易にする。透析間の期間中に、ルアーコネクター40のうちの1つは、下でさらに詳細に述べられるように、監視デバイス10をカテーテル11に固定するために用いられ得る。
【0027】
図1および図3を参照すると、インジケーターアセンブリ16は、ルアーコネクタ−18を支持する。ルアーコネクター18は、延長チューブ34または36のルアーコネクター40のうちの1つを解除可能に係合するように位置決めおよび構成されており、監視デバイス10をカテーテル11に固定する。監視デバイス10がカテーテル11に固定された場合は、ルアーコネクター18は、ルアーコネクター40に固定され、感知ワイヤー14は、延長チューブ34または36およびカテーテル本体30の管腔を通り延在し、センサー12は、カテーテル本体30のカテーテルハブ32とは反対の端部に隣接して位置決めされる。上で述べたように、センサー12は、血流に晒されるように位置決めされ、カテーテル管腔から延在し得るか、またはカテーテル管腔に位置決めされ得る。
【0028】
一実施形態において、感知ワイヤー14またはエラストマーシェル14aの直径は、カテーテル11内の凝固を妨げるように選択され得る(つまり、感知ワイヤー14またはエラストマーシェル14aの外径は、カテーテル管腔の内径に直径がきっちりと対応し得る)。あるいは、感知ワイヤー14またはエラストマーシェル14aの外部表面は、クロット形成につながるように構成され得る。そのため、監視デバイス10が透析間の期間後にカテーテル11から取り除かれた場合は、感知ワイヤー14またはエラストマーシェル14a上で形成されたクロットもカテーテル11から取り除かれる。
【0029】
透析処置が完了し、延長チューブ34および36のルアーコネクター40が透析装置から接続解除された後に、監視デバイス10は、カテーテル11に固定され得、患者の透析に対する必要性に関するリアルタイムの情報または患者の健康に関する他の関心のパラメータに関するリアルタイムの情報を提供する。透析処置が完了した後に監視デバイス10をカテーテル11に固定するために、感知ワイヤー14は、センサー12がカテーテルハブ32とは反対のカテーテル本体30の端部に隣接して位置決めされるよう、延長チューブ34と36とのうちの一方、カテーテル11の本体30を通して挿入される。上で述べたように、カテーテル11がカテーテル11の本体30の端部内に血流を許容するように構成された場合には、センサー12は、血流に晒される位置で、カテーテル11の管腔内に位置決めされ得る。センサー12が適切に位置決めされた場合は、インジケーターアセンブリ16のルアーコネクター18は、延長チューブ34または36のルアーコネクター40に固定される。他の延長チューブは、透析間の期間中は、キャップをかぶせられ得、クランプ38のそれぞれは、既知の態様で閉合され得ることによって、それぞれの延長チューブ34または36を密閉する。上で述べたように、感知ワイヤー14は、エラストマーシェル14aに包まれ得る。エラストマーシェル14aは、クランプ38が効果的な密閉を感知ワイヤー14の周りに、感知ワイヤー14に損傷を与えず形成することを可能にする。
【0030】
透析間の期間中に、センサー12は、患者の身体内の血流に接触したままにされることによって、例えば、グルコース、ナトリウム、カリウム、尿素、ヘモクリット、酸素飽和度のような事前に選択された分析物または他のそのような分析物を監視する。上で述べたように、イオン選択性膜20は、センサー12の周りに位置決めされ、選択された分析物に対して透過性である。センサー12が、選択されたパラメータに到達した(例えば、血液内の尿素のレベルが増加した)ことを決定した場合には、信号がセンサー12から感知ワイヤー14を介してインジケーターアセンブリ16に送られる。信号がインジケーターアセンブリ16によって受信された場合に、適切な可聴および/または視覚インジケーターが作動され、患者および/または医療職員に対して、さらなる透析治療が必要または間もなく必要になるといった、患者の治療が必要とされていることを示す。
【0031】
透析治療を行う前に、ルアーコネクター18をルアーコネクター40から接続解除することと、感知ワイヤー14をカテーテル管腔から引き出すこととによって、監視デバイス10は、カテーテル11から取り除かれ得る。その後に、監視デバイス10は、安全に処理され得るか、または再利用のために消毒され得る。
【0032】
図4は、破線で示された、カテーテル11に固定された本開示の監視デバイス100の代替の実施形態を例示する。監視デバイス100は、先端116を有している感知ワイヤー114と、感知ワイヤー114の先端116とは反対の端部に接続されているセンサーデバイス118と、センサーデバイス118の近くの感知ワイヤー114に固定されているルアーコネクター119とを含む。感知ワイヤー114は、マイクロチャネル120を規定する。マイクロチャネル120は、センサーデバイス118から先端116まで延在し、センサーデバイス118に戻る。生理食塩水のような流体は、下でさらに詳細に述べられるように、マイクロチャネル120を非常に遅い速度で循環される。感知ワイヤー14に関して上で述べたように、感知ワイヤー114は、エラストマーシェル114a内に取り囲まれ得る。エラストマーシェル114aは、密閉が感知ワイヤー114の周りにクランプ38によって形成されることを可能にする。クランプ38は、カテーテル11の延長チューブ34または36の周りに位置決めされている。
【0033】
感知ワイヤー114の先端116は、イオン選択性透過膜122によって覆われている。膜20に関して上で述べたように、膜122は、関心のある分析物に特定的であり得、関心のある分析物がマイクロチャネル120中を循環している流体の中に入ることを可能にする。マイクロチャネル120中の流体の中への膜122を通る分析物の移動は、マイクロチャネル120中を非常に遅い速度で流れている流体によって始められる。交換された分析物(つまり、膜122を通り、マイクロチャネル120中を流れている流体の中に入る分析物)は、感知ワイヤー114の先端116からマイクロチャネル120に沿って、センサーデバイス118まで進む。センサーデバイス118において、センサーデバイス118に配置されたセンサーが選択された分析物の存在を検出し、分析物の量的測定を行う。
【0034】
センサーデバイス118は、交換可能カートリッジ130を含み得る。交換可能カートリッジ130は、マイクロチャネル120を通り流れ、膜122にわたる分析物の移動を引き起こす流体を含む。交換可能カートリッジ130は、複数のサブカートリッジまたはテストストリップ132を含み得る。複数のサブカートリッジまたはテストストリップ132は、分析物の目標パラメータを測定する需要があり次第、選択的に位置決めされ得る。センサーデバイス118は、カートリッジおよび/またはテストストリップ内の選択された分析物の存在を検出するセンサーも含む。監視デバイス10とは異なり、監視デバイス100は、選択的に作動され得ることによって、特定の分析物またはさまざまな分析物の繰り返される測定を行う。
【0035】
センサーデバイス118は、例えば、蠕動ポンプまたは他の流体ポンプのようなポンプの感知ワイヤー114のマイクロチャネル120を通した流体の流れを始める機構(示されていない)も含む。さらに、センサーデバイス118は、結果の読出しを提供するディスプレイ136および/または患者または医療職員に事前に選択されたパラメータが満たされたことを警報する視覚または可聴インジケーター140を含み得る。一実施形態において、選択されたパラメータに到達した場合に、信号を医療職員に送るためにワイヤレス送信器が提供される。
【0036】
センサーデバイス118は、透析間の期間中に患者の身体に不自由なく装着されるように人間工学的に構成され得る。ストリップ、接着層、クリップなどのようなコネクター(示されていない)は、センサーデバイス118上に提供され得るか、または一体的に形成され得、患者の身体へのセンサーデバイス118の固定を容易にする。
【0037】
上で述べたように、関心のある分析物は、ナトリウム、カリウム、尿素、ヘマトクリット、酸素飽和度、および患者の健康を示す他の分析物を含み得る。使用において、監視デバイス100は、感知ワイヤー114を延長チューブ34または36のうちの一方、カテーテル11とを通して挿入することによって、カテーテル11に固定される。その後、監視デバイス100のコネクター119は、延長チューブ34または36のルアーコネクター40に固定され、クランプ38が閉合され、延長チューブ34および36をクランプ締めおよび密閉する。センサーデバイス118が作動され、流体がセンサーデバイス118と先端116との間のマイクロチャネル120中を循環されるように、カートリッジ130から感知ワイヤー114のマイクロチャネル120まで流体の流れを始める。このことが生じ、流体がイオン選択性膜122を通過し流れると、患者の血液から選択された分析物がマイクロチャネル120内の流体の流れの中に移動または引かれ、カートリッジ130に供給される。センサーデバイス118のセンサーが患者または医療職員の需要に応じて作動されたか、または事前に選択された間隔で作動された場合に、選択された分析物の存在およびその濃度が検出され、濃度の指示がディスプレイ136上に提供される。さらに、選択されたパラメータに到達した場合には、通知が視覚的または可聴的にインジケーター140上に提供され得る。ディスプレイ136上に含まれる情報に基づいて、患者の健康に関して、医療職員によって適切な行動が取られ得る。例えば、ディスプレイ上に提供された情報が、検出された分析物が許容された基準内にあることを示した場合には、行動は取られる必要はない。しかし、検出された分析物(例えば、尿素)が許容された基準外にある場合は、透析の必要性が示され得る。
【0038】
一般的には、監視デバイス100は、透析処置の後にカテーテル内に挿入され、次の透析処置が必要になるまでカテーテルに接続されたままにされる。次の透析処置後には、監視デバイス100および関連するカートリッジ130が、新しいカートリッジ130を含む新しい監視デバイス100に取り替えられ得る。あるいは、監視デバイス100は、滅菌および再利用され得、カートリッジ130のみを取り替える必要がある。
【0039】
異なる分析物に対して選択的である異なる監視デバイス100が患者に用いられ得ることによって、医療職員が患者の必要性に対して関心のある特定のパラメータをカスタマイズすることを可能にすることが想定される。
【0040】
図5〜図7は、全体が200として示される本開示の監視デバイスの別の実施形態を例示する。監視デバイス200は、監視デバイス100に類似し、先端216を有し、マイクロチャネル220を規定する感知ワイヤー214と、先端216とは反対に配置されたセンサーデバイス218とを含む。コネクター219は、感知ワイヤー214の先端216とは反対の端部に固定される。エラストマーシェル214aは、感知ワイヤー214の周りに位置決めされ得、イオン選択性透過膜222は、先端216を覆っている。監視デバイス200は、センサーデバイス218が1回使用カートリッジ244を含むという点と、センサー242が、下で述べられるように、取り外し可能1回使用カートリッジ244の一部を形成するという点において監視デバイス100と異なる。1回使用カートリッジ244は、感知ワイヤー214の先端216とは反対の端部に配置されたポート240と取り外し可能に係合可能である。
【0041】
1回使用カートリッジ244は、センサーデバイス218の本体221内に規定された容器246内に取り外し可能に受け取られる。カートリッジ244は、センサー242を含み、感知ワイヤー214の先端216とは反対の端部上のポート240内に解除可能に受け取られるように位置決めされた第一の端部を有している。1回使用カートリッジ244は、感知ワイヤー214のマイクロチャネルを通して循環される、生理食塩水のような流体も含み得る。
【0042】
センサーデバイス218の本体221は、流体を1回使用カートリッジ244から、感知ワイヤー214に形成されたマイクロチャネル220を通してポンプ送出することと、センサー242から受信された信号を解釈する解釈能力を提供することとを行うために必要な機械的および電気的構成要素を含む。センサーデバイス218は、関心のある感知された量の視覚および/または可聴指示を提供するためのディスプレイ248も含む。センサーデバイス218は、患者又は医療職員に、事前に選択されたパラメータに到達したことを示すか、または識別する他の視覚および/または可聴インジケーターも含み得る。
【0043】
監視デバイス200は、使い捨て構成要素と再利用可能構成要素との両方を含み得る。より具体的には、先端216、コネクター219およびポート240を含む感知ワイヤー214は、使い捨てであり得、使い捨てである1回使用カートリッジ244を含まないセンサーデバイス218は、再利用可能であり得る。患者の血液から移転された分析物は、使い捨てカートリッジ244に移転され、センサーデバイス218の残りの構成要素とは接触しないので、センサーデバイス218は、滅菌を必要としない場合があることに注意されたい。
【0044】
透析間監視デバイスは、分析物を測定し、患者の健康を決定するものとして説明されたが、透析間監視デバイスは、関心のある他のパラメータを測定するようにも構成され得る。例えば、透析間監視デバイスのセンサーは、カテーテル上またはカテーテルの近くの微生物形成を測定するように構成され得、感染を検出する。さらに、透析間監視デバイスは、カテーテル上、特にカテーテルの遠位先端に隣接する血栓形成を検出するように構成され得る。
【0045】
当業者は、本明細書において具体的に説明され、添付の図面において例示されたデバイスおよび方法が非限定的な例示的実施形態であることを理解する。一例示的実施形態に関連して例示または説明された要素および特徴は、本開示の範囲を逸脱することなく、別の実施形態の要素および特徴と組み合わせられ得ることが想定される。同様に、当業者は、上記実施形態に基づくシステムのさらなる特徴および利点を認識する。そのため、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示されたものを除いて、具体的に示され、説明されたものによって限定されない。
【符号の説明】
【0046】
10 監視デバイス
11 カテーテル
12 センサー
14 感知ワイヤー
14a エラストマーシェル
16 インジケーターアセンブリ
18 コネクター
20 イオン選択性膜
22 赤い照明
24 緑の照明
30 カテーテル本体
32 カテーテルハブ
34 第一の延長チューブ
36 第二の延長チューブ
38 クランプ締め部材
40 ルアーコネクター
42 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルの管腔を通り延在するような構成および寸法とされている感知ワイヤーであって、該感知ワイヤーは、患者内の血流に晒されるように位置決めされている先端を有している、感知ワイヤーと、
該感知ワイヤーに動作可能に関連付けられており、患者の血液内の事前に選択された分析物の存在を検出するように適合されているセンサーと、
該センサーに動作可能に関連付けられているインジケーターと
を含み、該インジケーターは、事前に選択された分析物に関する事前に選択されたパラメータに到達したという指示を患者に提供するように構成されている、透析間監視デバイス。
【請求項2】
前記感知ワイヤーの先端を覆っているイオン選択性膜をさらに含み、該イオン選択性膜は、事前に選択された特定の分析物に対して透過性である、請求項1に記載の監視デバイス。
【請求項3】
前記センサーは、前記感知ワイヤーの先端上で支持され、該センサーは、前記イオン選択性膜によって覆われている、請求項2に記載の監視デバイス。
【請求項4】
前記インジケーターは、前記事前に選択されたパラメータに到達した場合に点灯される照明を含む、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の監視デバイス。
【請求項5】
前記感知ワイヤーは、マイクロチャネルを規定し、前記センサーは、該感知ワイヤーの先端とは反対の端部上で支持され、該マイクロチャネルは、該先端から該センサーまで延在し、該先端に戻る、請求項2に記載の監視デバイス。
【請求項6】
前記マイクロチャネルは、前記先端と前記センサーとの間の前記マイクロチャネルを通して循環される流体を含む、請求項5に記載の監視デバイス。
【請求項7】
前記流体は、生理食塩水である、請求項6に記載の監視デバイス。
【請求項8】
前記センサーおよび前記インジケーターは、前記感知ワイヤーの先端とは反対の端部に接続されているセンサーデバイスにおいて支持される、請求項1、2および請求項4〜7のうちのいずれか一項に記載の監視デバイス。
【請求項9】
前記感知ワイヤーの先端とは反対の端部は、前記センサーデバイスを取り外し可能に受け取るポートを含む、請求項8に記載の監視デバイス。
【請求項10】
前記センサーデバイスは、本体および取り外し可能カートリッジを含み、該本体は、該取り外し可能カートリッジを受け取る空洞を規定する、請求項9に記載の監視デバイス。
【請求項11】
前記取り外し可能カートリッジは、前記センサーを支持する、請求項10に記載の監視デバイス。
【請求項12】
前記センサーデバイスは、取り外し可能テストストリップを含む、請求項8に記載の監視デバイス。
【請求項13】
前記事前に選択された分析物は、グルコース、ナトリウム、カリウム、尿素、ヘマトクリットおよび酸素飽和度から成る群から選択される、請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載の監視デバイス。
【請求項14】
前記監視デバイスをカテーテルに固定するコネクターをさらに含む、請求項1〜13のうちのいずれか一項に記載の監視デバイス。
【請求項15】
前記本体は、流体を前記マイクロチャネルを通してポンプ送出することと、前記センサーから受信された信号を解釈することとを行う機械的および電気的構成要素を含む、請求項5〜14のうちのいずれか一項に記載の監視デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−239916(P2012−239916A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−116632(P2012−116632)
【出願日】平成24年5月22日(2012.5.22)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】