説明

透過型光センサ

【課題】 電子鏡部側の受光時間を短縮することにより、消費電力を少なくするようにした透過型光センサを提供する。
【解決手段】 いずれも発光と受光を行う検出部6と電子鏡部7を有し、電子鏡部7に水晶発振回路7G1と分周器7G2から成るタイミング回路7Gを設け、該タイミング回路7Gにより、検出部6から送られて来た光9を受光する場合の受光時間Tを設定する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透過型光センサ、特に電子鏡部側の受光時間を短縮することにより、消費電力を少なくするようにした透過型光センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、対象物の有無を検知する光センサとしては、透過型光センサがあり、この透過型光センサは、例えば特願平11−254929に開示されている。
【0003】この場合、透過型光センサは、図5に示すように、検出部と電子鏡部を有し、検出部が、所定の変調光を発光すると、その変調光に基づいて電子鏡部も同期がとれた同じ変調光を発光する。
【0004】この構成により、検出部は、電子鏡部から送られてきた同じ変調光のみを受光し、その受光が継続している場合には対象物を検知せず、その受光が遮断された場合には対象物を検知するようになっている。
【0005】これにより、検出部は、太陽光のような外乱光は受光せず、よく知られているように、対象物があっても検知しないといった誤動作が防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】しかし、従来の透過型光センサは(図5R>5)、前記特願平11−254929に開示されているように、アナログ的な回路で構成されており、消費電力が大きくなる傾向がある。
【0008】特に、電子鏡部側は、ワンショットマルチバイブレータのC、Rにより時間を設定しているため、時間の精度が低下し、そのため受光時間が長くなり、消費電力が大きくなっている。
【0009】例えば、図6に示すように、1回目に受光してワンショットマルチバイブレータが反転信号を出力してから90ms後に受光部の電源が入り、2回目に受光するまでの受光時間を10msに設定する。
【0010】この状態で、電子鏡部側の受光部は、この受光時間10msの間に、検出部側から送られてきた周期100msの変調光を受光する。
【0011】しかし、この場合、周期100msに対して受光時間10msの占める割合は、10%もあり、そのため受光時間があまりにも長く、その分、消費電力が大きくなっている。
【0012】本発明の目的は、電子鏡部側の受光時間を短縮することにより、消費電力を少なくするようにした透過型光センサを提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明は、図1〜図4に示すように、いずれも発光と受光を行う検出部6(図1)と電子鏡部7(図3)を有し、電子鏡部7に水晶発振回路7G1と分周器7G2から成るタイミング回路7Gを設け、該タイミング回路7Gにより、検出部6(図1)から送られて来た光9を(図4(a))受光する場合の受光時間T(図4(c))を設定することを特徴とする透過型光センサを提供する。
【0014】従って、本発明によれば、時間精度が良好な水晶発振回路7G1(図3)から発振されたパルス信号を分周することにより得られたタイミング信号(図4(e))を利用して受光時間Tを(図4(c))設定できるので、周期(図4(a))に対する受光時間Tの(図4(c))占める割合は0.5〜1%と少なくすることができ、それにより、電子鏡部側の受光時間を短縮することにより、消費電力を少なくすることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態により添付図面を参照して説明する。図1は本発明を構成する検出部6を示す図、図2は図1の動作説明図、図3は本発明を構成する電子鏡部7を示す図、図4は図3の動作説明図である。
【0016】検出部6と電子鏡部7は、対向して設置され、いずれも発光と受光を行うようになっている。
【0017】このうち検出部6は(図1)、タイミング回路6Aと、ワンショットマルチバイブレータ6Hと、変調部6Bと、発光部6Cと、ワンショットマルチバイブレータ6Dと、受光駆動部6Eと、受光部6Fと、出力部6Gにより構成されている。
【0018】タイミング回路6Aは、水晶発振回路6A1と分周器6A2により構成され、例えば繰り返し周期250msのタイミング信号を出力し、そのタイミング信号は、ワンショットマルチバイブレータ6Hに入力され、それを駆動する。
【0019】この場合、上記水晶発振回路6A1は、コンデンサ6A1D、6A1Eを備えたコルピッツ形水晶発振回路であり、例えば固有周波数が32、768kHzの水晶振動子6A1A、及びインバータ6A1Bと抵抗6A1Cから成るリニアアンプを有する。
【0020】そして、この水晶発振回路6A1から発振された32、768kHzのパルス信号を次段の分周器6A2のCP端子に入力すると、それが13段分周されることにより、Q13端子から前記した周期が250msのタイミング信号が出力される。
【0021】ワンショットマルチバイブレータ6Hは、前記タイミング回路6Aからのタイミング信号が入力されると、その立ち上がり時点において、抵抗6H1とコンデンサ6H2で規定される時定数により予め決められた時間250μsだけワンショットを叩くことにより、周期が250msでパルス幅が250μsのパルス信号を出力する。
【0022】これにより、後述する発光部6Cから発光される変調光9の(図2(A))周期、及びパルス幅がそれぞれ設定される。
【0023】変調部6Bは、前記ワンショットマルチバイブレータ6Hからのパルス信号を所定の周波数fで変調し、発振回路6B1と、エミッタ接地のトランジスタ6B2により構成されている。
【0024】トランジスタ6B2のベースは、バイアス抵抗6B5と安定化抵抗6B4を介して接地されていると共に、入力抵抗6B6を介して、前記ワンショットマルチバイブレータ6Hに接続されている。
【0025】トランジスタ6B2のコレクタは、発振回路6B1の出力側に接続され、発振回路6B1の入力側は、電源6B3に接続されている。
【0026】この構成により、ワンショットマルチバイブレータ6Hからのパルス信号が、入力抵抗6B6を介して、トランジスタ6B2のベースに入力されると、トランジスタ6B2が上記パルス信号のパルス幅250μsだけオンする。
【0027】これにより、発振回路6B1からは、その固有周波数fのパルス波が出力され、トランジスタ6B2のエミッタからは、それがオンしている時間250μsだけ上記周波数fで変調された変調波(図2(A)に相当)が出力され、次段の発光部6Cに入力する。
【0028】発光部6Cは、前記変調部6Bから出力された変調波により駆動して発光時間が250μsの(図2R>2(A))変調光9を250ms周期で発光し、発光ダイオード6C1と、エミッタ接地のトランジスタ6C2を直列接続した構成を有する。
【0029】トランジスタ6C2のベースは、バイアス抵抗6C5を介して接地されていると共に、入力抵抗6C6を介して、前記変調部6Bに接続されている。
【0030】トランジスタ6C2のコレクタは、発光ダイオード6C1のカソード側と接続され、発光ダイオード6C1のアノード側は、制動抵抗6C3を介して電源6C4に接続されている。
【0031】この構成により、変調部6Bからの変調波が、入力抵抗6C6を介して、トランジスタ6C2のベースに入力されると、トランジスタ6C2がオンする。
【0032】これにより、電源6C4からの電流が、制動抵抗6C3を介して、発光信号(図2(A))として発光ダイオード6C1に流れ、発光ダイオード6C1は、この発光信号(図2(A))に比例した発光時間が250μsの変調光9を250ms周期で発光する。
【0033】ワンショットマルチバイブレータ6Dは、既述した前段のワンショットマルチバイブレータ6Hからのパルス信号が入力されると、その立ち下がり時点において、抵抗6D1とコンデンサ6D2で規定される時定数により予め決められた受光時間250μs(図2(B))だけワンショットを叩くことにより、受光駆動部6Eを介して受光部6Fを駆動し、発光(図2(A))に対して受光(図2(C))のタイミングをずらすようにしている。
【0034】これにより、たとえ発光部6Cから放射された変調光9が、対象物8で反射して受光部6Fに入射しても、受光部6Fは未だ駆動していないので受光はせず、対象物8があるにもかかわらず無いといった誤判断が防止される。
【0035】また、ワンショットマルチバイブレータ6Dは、上記受光時間250μsを定める信号(図2(B))の反転信号を(図1)を出力し、これをクロックパルスとして出力部6Gを構成するD型フリップフロップ6G1のCP端子に入力する。
【0036】これにより、D型フリップフロップ6G1が、そのD端子においてデータを保持できるようになっている(例えば図2(D)から図2(E)に向かう矢印(4)、(3))。
【0037】受光駆動部6Eは、エミッタ接地のトランジスタ6E1と、そのバイアス抵抗6E2及び入力抵抗6E3により構成されている。
【0038】この構成により、上記ワンショットマルチバイブレータ6Dからの受光時間250μsを定める信号(図2(B))が後述する受光回路6F1のG端子に入力される時期を、上記トランジスタ6E1の動作時間だけ遅らせることにより、受光部6Fを若干遅く駆動する。
【0039】即ち、ワンショットマルチバイブレータ6Dのワンショット時期(例えば図2(B)のt3)よりも、受光部6Fによる実際の受光時期(例えば図2(C)のt4)を遅らせる。
【0040】これにより、上記ワンショットの立ち下がり時点t5(図2(B))、換言すればD型フリップフロップ6G1のクロックパルスの(図1)立ち上がり時点において、D型フリップフロップ6G1がそのD端子に入力される受光回路6F1の出力信号「0」を確実に保持し(図2(D)から図2(E)に向かう矢印(3))、動作を安定化させることにより検知信号Dの範囲t1〜t5を(図2(E))明確にして対象物8(図1)をはっきりと検知できるようにした。
【0041】受光部6Fは、電子鏡部7から送られてきた同じ周期250ms(パルス幅は244μsで(図2(C))前記250μsとは(図2(A))若干異なる)の変調光10のみを受光してそれを電気信号に変換し、受光回路6F1と、そのVCC端子に接続された電源6F1と、OUT端子に接続されたプルアップ抵抗6F3により構成されている。
【0042】この構成により、電子鏡部7からの変調光10が受光回路6F1に入射すると、そのVCC端子には、既述したようにワンショットマルチバイブレータ6Dのワンショット時期(図2(B)のt3)よりも実際の受光時期(図2(C)のt4)が遅れた所定の電圧を有する受光信号が現れる(図2(C)のt4〜t2))。
【0043】そして、受光回路6F1のOUT端子からは、上記受光信号(図2(C))の反転信号である「0」が出力される(図2(D)のt4〜t2)。
【0044】即ち、検出部6は(図1)、上述したように、その発光部6Cから、発光時間が250μsの(図2R>2(A))変調光9を250ms周期で発光し、その変調光9に基づいて電子鏡部7から送られて来た発光時間が244μsで異なるが周期が同じ250msの変調光10のみを、この受光部6Fで受光する(図2(C))。
【0045】従って、本発明は、従来どおり、太陽光11のような(図1)外乱光は受光せず、対象物8があってもそれを検知しないといった誤動作は防止される。
【0046】出力部6Gは、電子鏡部7から送られてきた同じ周期250msの変調光10が対象物8に遮られた場合に、それを検知し、検知信号Dを(図2(E))出力する。
【0047】この出力部6Gは、D型フリップフロップ6G1により構成されている。
【0048】この構成により、D型フリップフロップ6G1は、前段の受光部6Fからの出力信号が(図2(D))D端子に入力されると、ワンショットマルチバイブレータ6Dのワンショットの(図2(B))の立ち下がり時点、即ちCP端子に入力されるクロックパルス(図1)の立ち上がり時点において(例えば図2(B)から図2(E)に向かう矢印(1)、(2))、その受光部6Fからの出力信号を(図2(D))、D端子において保持する(図2(D)から図2(E)に向かう矢印(4)、(3))。
【0049】そして、D型フリップフロップ6G1のD端子において、受光部6Fからの出力信号「1」が保持された場合には(例えば図2(D)から図2(E)に向かう矢印(4))、出力端子6G2から検知信号D(図2R>2(E))が出力され、対象物8(図1)により電子鏡部7からの変調光10の受光が遮断されたことから(例えば図2(C)の時点t1)、その対象物8が検知される。
【0050】しかし、D型フリップフロップ6G1のD端子において、受光部6Fからの出力信号「0」が保持された場合には(例えば図2(D)から図2(E)に向かう矢印(3)、(9))、出力端子6G2(図1)から検知信号D(図2(E))は出力されず、電子鏡部7からの変調光10の受光が継続されることから(例えば図2(C)のt4〜t2、t9〜t10)、対象物8は検知されない。
【0051】一方、電子鏡部7は(図3)、D型フリップフロップ7Aと、受光駆動部7Bと、受光部7Cと、D型フリップフロップ7Dと、変調部7Eと、発光部7Fと、タイミング回路7Gにより構成されている。
【0052】このうち、タイミング回路7Gは、水晶発振回路7G1と分周器7G2により構成され、後述するように、受光時間T(図4(c))を設定するタイミング信号と(図4(e))、検出部6へ向けて送られる変調光10(図4(d))のパルス幅244μsを設定するタイミング信号(図4(f))を出力し、前者は(図4R>4(e))前段のD型フリップフロップ7Aに、後者は(図4(f))後段のD型フリップフロップ7Dにそれぞれ入力され、それらを駆動する。
【0053】上記水晶発振回路7G1は、コンデンサ7G1D、7G1Eを備えたコルピッツ形水晶発振回路であり、例えば固有周波数が32、768kHzの水晶振動子7G1A、及びインバータ7G1Bと抵抗7G1Cから成るリニアアンプを有する。
【0054】そして、この水晶発振回路7G1から発振された32、768kHzのパルス信号を次段の分周器7G2に入力すると、前記した2つのタイミング信号、即ち受光時間設定用タイミング信号(図4(e))と、発光信号(図4(d))のパルス幅設定用タイミング信号(図4(f))がそれぞれ出力される。
【0055】この場合、分周器7G2は(図3)、第1分周器7G2Aと第2分周器7G2Bにより構成され、両分周器は、図示するように、インバータ7G2Cで接続され、後述するように、受光するごとにリセットされカウントが開始される(例えば図4の時点t6における矢印(5)及びそれに続く矢印(13)と(10)、又は図4の時点t8における矢印(7)及びそれに続く矢印(15)と(12))。
【0056】このうち、第1分周器7G2Aは、前記水晶発振回路7G1から発振された32、768kHzのパルス信号がCP端子に入力されると、それを4段分周することにより、そのQ4 端子から既述したパルス幅設定用タイミング信号を出力する(図4(f))。
【0057】このパルス幅設定用タイミング信号は、リセット後(例えば図4(f)の時点t6)244μs経過してからそのリセットが解除されて立ち上がり(図4(f)の時点t14)、これを後段のD型フリップフロップ7DのR端子に入力することにより、その出力信号をリセットし(例えば図4(f)から図4(d)に向かう矢印(14)に相当)、D型フリップフロップ7DのQ端子からは、次段の変調部7E駆動用のパルス幅244μsの(図3)パルス信号が出力される。
【0058】また、第1分周器7G2Aは、前記水晶発振回路7G1から発振された32、768kHzのパルス信号がCP端子に入力されると、それを6段分周することにより、Q6 端子から周期がほぼ1msのパルス信号を出力し、それをインバータ7G2Cで反転後第2分周器7G2BのCP端子に入力する。
【0059】これにより、第2分周器7G2Bは、CP端子に入力されたパルス信号を更に8段分周することにより、そのQ8 端子から既述した受光時間設定用タイミング信号を出力する(図4(e))。
【0060】この受光時間設定用タイミング信号は、リセット後(例えば図4(e)の時点t6)前記検出部6で設定された周期250ms(図2(A))より1msだけ早い249msでそのリセットが解除されて立ち上がる(図4(e)の時点t7)。
【0061】そして、この受光時間設定用タイミング信号を(図4(e))前段のD型フリップフロップ7AのR端子(図3)に入力すれば、出力された反転信号がリセットされ(図4(e)から図4(c)に向かう矢印(11))、反転信号が出力されてから(図4(c)の時点t6)249ms経過後に受光時間Tが開始され(図4(c)の時点t7)、後述するように、この受光時間Tは1msで終了する(図4(c)の時点t8)。
【0062】即ち、前段のD型フリップフロップ7Aは(図3)、受光部7Cが一回目に受光すると(図4(a)のt12〜t6)その出力信号(図4(b))の「0」をCP端子に入力し、その立ち上がり時点t6において、D端子に保持された信号の反転信号を出力する(図4(b)から図4(c)に向かう矢印(5))。
【0063】この反転信号により、第2分周器7G2Bがリセットされ(図4(c)から図4(e)に向かう矢印(10))、既述したように、249ms経過してリセットが解除され立ち上がる受光時間設定用タイミング信号が出力され、その立ち上がり時点t7においてD型フリップフロップ7Aの反転信号はリセットされ(図4(e)から図4(c)に向かう矢印(11))、受光時間Tが開始される。
【0064】その後、受光部7Cが二回目に受光した場合には(図4(a)のt11〜t8)、その出力信号の「0」が(図4(b)のt11〜t8))前段のD型フリップフロップ7Aに入力され、その立ち上がり時点t8 において、該D型フリップフロップ7Aからは再度反転信号が出力され(図4(b)から図4(c)に向かう矢印(7))、これにより、上記受光時間Tは終わる。
【0065】このとき、上記D型フリップフロップ7Aからの反転信号は(図4(c))、前記時点t8において、第2分周器7G2B(図3)のR端子に入力され、該第2分周器7G2Bから出力されている受光時間設定用タイミング信号は再度リセットされる(図4(c)から図4(e)に向かう矢印(12))。
【0066】この場合、電子鏡部7の受光部7Cが(図3)受光する変調光9は(図4(a)、検出部6の発光部6Cで発光されたものであってその周期は250msであり(図2(A))、このため上記受光時間Tは250ms−249ms=1msとなって、従来(図6)の10msに比べて極めて短い。
【0067】このように、本発明によれば、時間精度が良好な水晶発振回路7A1から発振されたパルス信号を分周することにより得られたタイミング信号を利用して受光時間Tを設定したので、その受光時間Tを例えば周期250msに対して前記した1ms(図4(c))のように短縮することができ、周期に対する受光時間の占める割合は0.5〜1%と少なくすることきができ、それにより電子鏡部側の受光時間を短縮することにより、消費電力を少なくすることが可能となる。
【0068】一方、後段のD型フリップフロップ7Dは(図3)、受光部7Cが一回目に受光すると(図4(a)のt12〜t6)その出力信号(図4(b))の「0」をCP端子に入力し、その立ち上がり時点t6において、D端子に保持された信号をQ端子から出力する(図4(b)から図4(d)に向かう矢印(8)に相当)。
【0069】また、この受光部7Cによる一回目の受光により、既述したように、前段のD型フリップフロップ7Aからは反転信号が出力され(図4(b)から図4(c)に向かう矢印(5))、この反転信号により、第1分周器7G2Aがリセットされ(図4(c)から図4(f)に向かう矢印(13))、そのQ4 端子から出力されたパルス幅設定用タイミング信号が(図4(f))後段のD型フリップフロップ7DのR端子に入力する。
【0070】これにより、第1分周器7G2Aからのパルス幅設定用タイミング信号がリセット後(図4(f)の時点t6)244μs経過しそのリセットが解除されて立ち上がると(図4(f)の時点t14)、前記後段のD型フリップフロップ7Dの出力信号は、リセットされる(図4(f)から図4(d)に向かう矢印(14)に相当)。
【0071】従って、後段のD型フリップフロップ7Dからは、パルス幅244μsの変調部7E駆動用パルス信号が出力され(図3)、このパルス信号は、入力抵抗7E6を介して、変調部7Eを構成するトランジスタ7B2のベースに入力され、トランジスタ7E2が上記パルス信号のパルス幅244μsだけオンする。
【0072】これにより、発振回路7E1からは、その固有周波数fのパルス波が出力され、トランジスタ7B2のエミッタからは、それがオンしている時間244μsだけ上記周波数fで変調された変調波(図4(d)に相当)が出力され、次段の発光部7Fに入力する。
【0073】従って、発光部7Fは、前記変調部7Eから出力された変調波により駆動し、発光時間が244μsであって(図4(d)のt6〜t14)検出部6から受光した変調光9(図4(a)のt12〜t6)よりタイミングが250μsだけずれた変調光10を発光する。
【0074】このことは、受光部7Eによる二回目の受光の場合も同様であり、二回目の受光をするとその出力信号「0」の立ち上がり時点t8において、後段のD型フリップフロップ7Dは信号の出力を開始し(図4(b)から図4(d)に向かう矢印(6)に相当)、それと同時に、前段のD型フリップフロップ7Aが反転信号の出力を開始して(図4(b)から図4(c)に向かう矢印(7))、この反転信号により、第1分周器7G2Aがリセットされてパルス幅設定用タイミング信号が出力され(図4(c)から図4(f)に向かう矢印(15))、244μs経過してそのリセットが解除されて時点t15において立ち上がると、後段のD型フリップフロップ7Dの出力信号はリセットされ(図4(f)から図4(d)に向かう矢印(16)に相当)、パルス幅244μsの変調部7E駆動用パルス信号が出力される(図3)。
【0075】これにより、変調部7Eが駆動して所定周波数fで変調された変調波(図4(d)に相当)が出力され、発光部7Fからは、同様に発光時間が244μsであって(図4(d)のt8〜t15)検出部6から受光した変調光9(図4(a)のt11〜t8)よりタイミングが250μsだけずれた変調光10が発光される。
【0076】このようにして、電子鏡部7からは、周期が250msで(図4(d)))パルス幅が244μsの変調光10が発光されて検出部6に送られ、既述したように(図2(C))、検出部6は自己が発光した変調光9(図6(A))と同じ周期250msのこの変調光10のみをタイミングをずらして受光する。
【0077】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、電子鏡部に水晶発振回路と分周器から成るタイミング回路を設け、このタイミング回路により受光時間を設定するように構成したことにより、水晶発振回路の良好な精度でタイミングがとれるので、電子鏡部側の受光時間を短縮することにより、消費電力を少なくするという効果がある。
【0078】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を構成する検出部6を示す図である。
【図2】図1の動作説明図である。
【図3】本発明を構成する電子鏡部7を示す図である。
【図4】図3の動作説明図である。
【図5】従来の透過型光センサの説明図である。
【図6】従来の課題説明図である。
【符号の説明】
6 検出部
6A タイミング回路
6B 変調部
6C 発光部
6D ワンショットマルチバイブレータ
6E 受光駆動部
6F 受光部
6G 出力部
7 電子鏡部
7A D型フリップフロップ
7B 受光駆動部
7C 受光部
7D D型フリップフロップ
7E 変調部
7F 発光部
7G タイミング回路
8 対象物
9、10 変調光
11 太陽光

【特許請求の範囲】
【請求項1】 いずれも発光と受光を行う検出部と電子鏡部を有し、電子鏡部に水晶発振回路と分周器から成るタイミング回路を設け、該タイミング回路により、検出部から送られて来た光を受光する場合の受光時間を設定することを特徴とする透過型光センサ。
【請求項2】 上記タイミング回路の分周器が、インバータを介して接続された第1分周器と第2分周器で構成されている請求項1記載の透過型光センサ。
【請求項3】 上記第1分周器からはパルス幅設定信号が、第2分周器からは受光時間設定信号がそれぞれ出力される請求項2記載の透過型光センサ。

【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【公開番号】特開2002−131124(P2002−131124A)
【公開日】平成14年5月9日(2002.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−320215(P2000−320215)
【出願日】平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】