説明

透過型電子顕微鏡のアライメント装置

【課題】本発明は透過型電子顕微鏡のアライメント装置に関し、高精度でかつ自動的にアライメントを行なうことができる透過型電子顕微鏡のアライメント装置を提供することを目的としている。
【解決手段】透過型電子顕微鏡において、透過電子線が蛍光板14に投影された場合、その像を取り込む像取得装置16と、該像取得装置16を回転させる回転手段と、前記像取得装置の回転を制御する回転制御手段と、像取得装置16で得た像信号を記憶する記憶手段21と、該記憶手段21に記憶された像情報を演算処理する演算手段20とを有し、自動でアライメントを行なう際、前記像取得装置16を予め決められた回転角に回転させることにより、アライメント偏向器の移動方向と像の移動方向を一致させ、得られた像を取得・演算処理し、全てのアライメント偏向器の適切な設定値を自動で算出するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は透過型電子顕微鏡のアライメント装置に関し、更に詳しくは透過型電子顕微鏡を直接CCDカメラ等の像取得装置で取得したり、蛍光板に投影された像を像取得装置で取得したりする場合の像において、アライメント偏向器の移動方向と像の移動方向を一致させ、アライメント精度を向上させ、かつ操作性を向上させるようにした透過型電子顕微鏡のアライメント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
透過型電子顕微鏡における光学系のアライメントは、オペレータによる手動調節がほとんどである。しかしながら、近年透過型電子顕微鏡の初心者オペレータが急増し、光学系のアライメントの自動化が求められてきている。
【0003】
一方、透過型電子顕微鏡は、一般的に蛍光板に投影された像をオペレータが観察しながらアライメントを行なう。近年は操作性の向上を目的に、透過像を像取得装置を用いることにより、液晶表示器(LCD)などにライブ像(現在の像)を表示し、アライメントを行なうこともできるようになっている。
【0004】
アライメントを手動で行なう場合、一般的に対象となるレンズや偏向器の強度や加速電圧を周期的に強弱をつけ、その時の像の移動方向が最小となるように、対象となるアライメント偏向器でアライメントを調整するようになっている。
【0005】
従来のこの種の装置としては、電子線を3条件以上傾斜し、その時の透過像をフーリエ変換し、得られたリングパターンを数値解析することにより、自動でアライメント調整できるようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
また、電子ビームによる軸調整時に、対物レンズの励磁電流を周期的に変化させると共に、該励磁電流の変化に同期して前記偏向手段を制御して検出像の回転を止める制御を行なうようにした装置が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0007】
また、電子顕微鏡の観察室の底面に薄い蛍光体層を取り付け、該蛍光体層により得られる電子線像を真空側端面で撮影するカメラにおいて、該カメラを電子顕微鏡の光軸を中心にして回転可能な構造とした装置が知られている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−220669号公報(段落0012〜0017、図1〜図13)
【特許文献2】特許第3400608号公報(段落0009〜0016、図1,図3)
【特許文献3】特開昭50−123266号公報(第1頁右蘭第13行〜第2頁左下欄第14行、第1図,第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
透過型電子顕微鏡の光学系アライメントは、多くの場合オペレータが目視で蛍光板上に投影された透過像を観察しながら該当するアライメント用偏向器を制御しながら行なう。最近では、CCDカメラ等像取得装置で透過像を直接撮り込みしたり、蛍光板上に投影された透過像を像取得装置で撮り込みしたりし、液晶表示器(LCD)等に透過像を表示し、オペレータがその像を観察しながらアライメントを行なう。
【0010】
この時、オペレータは該当するレンズや偏向器や加速電圧を周期的に強弱をつけて変動させ、観察している像の位置変動を最小となるように該当するアライメント偏向器を変化させる。通常、アライメント偏向器はx成分,y成分別に制御できる。即ち、電子線の軌道をアライメント偏向器のx成分,y成分の電磁場で制御している。
【0011】
多くの場合、蛍光板上の位置変動方向とアライメント偏向器の制御方向が異なっているが、多少時間を多く要しても、オペレータの人間的感覚で像の位置変動を最小にすることが可能であるが操作性は低下する。更に、上述の像取得装置で取得した像をLCD等に表示し、その像を見ながらアライメントを行なう場合、像取得装置の設置位置によっては、上述の像の位置変動方向が蛍光板上の像の位置変動方向と異なる。
【0012】
従って、LCD等の表示装置上の像の位置変動方向とアライメント偏向器の制御方向が異なる。この場合、オペレータが表示装置を観察しながら手動でアライメントを行なう場合は上述のように、人間的感覚で調整可能である。しかしながら、像取得装置で取得した像を例えばコンピュータ上のメモリに記憶し、その像データを基に自動でアライメントを行なう場合、適切なアライメント偏向器の設定電流値を算出できない、若しくは精度が著しく低下する。上述の特許文献1の手法でも像取得装置の機械的取り付け位置により取得した像のフーリエ変換したリングパターンの情報が正しくないため、適切なアライメント偏向器の設定電流値を算出できないという問題がある。
【0013】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、高精度でかつ自動的にアライメントを行なうことができる透過型電子顕微鏡のアライメント装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)請求項1記載の発明は、電子源から出射した電子線を集束させる照射光学系と、該照射光学系の下部に配置された試料と、該試料を透過した電子線を拡大結像する結像光学系からなる透過型電子顕微鏡において、透過電子線が蛍光板に投影された場合、その像を取り込む像取得装置と、該像取得装置を回転させる回転手段と、前記像取得装置の回転を制御する回転制御手段と、像取得装置で得た像信号を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された像情報を演算処理する演算手段とを有し、自動でアライメントを行なう際、前記像取得装置を予め決められた回転角に回転させることにより、アライメント偏向器の移動方向と像の移動方向を一致させ、得られた像を取得・演算処理し、全てのアライメント偏向器の適切な設定値を自動で算出するように構成されたことを特徴とする。
【0015】
(2)請求項2記載の発明は、前記アライメント調整のスタートボタンが押されると、対象となる加速電圧を周期的に変動させ、かつ前記像取得装置を予め決められた回転角に回転させ、オペレータによる調整終了時にアライメント調整の終了ボタンが押されると、前記像取得装置の回転角を元の回転角に戻すように構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
(1)請求項1記載の発明によれば、像取得装置を予め決められた回転角に回転させることにより、アライメント偏向器の移動方向と像の移動方向を一致させ、得られた像を取得・演算処理し、全てのアライメント偏向器の適切な設定値を自動で算出することができる。
【0017】
(2)請求項2記載の発明によれば、アライメント調整のスタートボタンが押されると、像取得装置が回転するので、アライメント偏向器の移動方向と像の移動方向を一致させることができ、手動調整を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を実施する装置の構成例を示す図である。
【図2】アライメントxと移動量Δxの関係を示す図である。
【図3】電子線偏向の説明図である。
【図4】電子線の2次元方向偏向の説明図である。
【図5】像の移動成分座標とアライメント偏向器の調整成分座標を示す図である。
【図6】回転機構付き像取得装置の説明図である。
【図7】記憶テーブルの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(実施例1)
図1は本発明を実施する装置の構成例を示す図であり、透過型電子顕微鏡の光学系を示している。図において、1は電子を出射する電子線源、2は出射された電子を加速させる加速管、1aは加速管2から放出される電子線である。3は電子線1aを偏向する電子銃第1偏向器、4は同じく電子線1aを偏向する電子銃第2偏向器である。これら電子銃第1偏向器3及び電子銃第2偏向器4とで、電子線1aをX,Y2次元的に偏向する。具体的には、電子銃第1偏向器3,電子銃第2偏向器4はそれぞれ単独でX,Y方向に偏向できるが、電子銃第1偏向器3と電子銃第2偏向器4全体で電子線1aがX,Y方向に偏向されることになる。この動作は、後述する集束レンズ第1偏向器7,集束レンズ第2偏向器8についても同様であ。
【0020】
5は電子線1aを集束する集束レンズ1、6は同じく電子線1aを集束する集束レンズ2である。これら集束レンズ1と,集束レンズ2とで電子線1aを集束する。7は集束レンズ2を通過した電子線1aを偏向する集束レンズ第1偏向器、8は第1偏向器7を通過した電子線1aを偏向する集束レンズ第2偏向器である。これら集束レンズ第1偏向器7及び集束レンズ第2偏向器8とで、電子線1aをX,Y2次元的に偏向する。9は電子線1aの光軸上にその中心が配置された試料である。
【0021】
10は試料9を透過した透過電子線1a’の倍率を変化させる対物レンズ、11は該対物レンズ10を透過した透過電子線1a’を集束させる中間レンズである。これら中間レンズ11は複数のレンズから構成されている。12は中間レンズ11を通過した透過電子線1a’をX,Y2次元方向に偏向する投影レンズ偏向器、13は該投影レンズ偏向器12を通過した透過電子線1a’を蛍光板等の可視化手段上に投影する投影レンズである。
【0022】
14は入射された透過電子線1a’が投影されて光信号に変換される蛍光板、15は所定の位置に配置された蛍光板14の反射光から光学像を得る第1の像取得装置、16は該蛍光板14の真下に配置され、光学像を得る第2の像取得装置である。これら像取得装置15,16としては、例えばCCDカメラが用いられる。
【0023】
20は像取得装置15,16から得られた画像データをメモリに記憶させる他、上述した各種レンズや偏向器と加速管2を制御するコンピュータである。21は像取得装置15,16で取得された画像データを記憶するメモリである。該メモリ21としては、例えば書き替え可能なRAM等が用いられる。22はメモリ21に読み込んだ内容を表示するモニタである。該モニタ22としては、例えばCRTや液晶表示装置等が用いられる。
【0024】
23はコンピュータ20と接続され、前述した各種レンズの制御を行なうレンズ制御ユニット、24は同じくコンピュータ20と接続され、加速電圧の制御を行なう高圧制御ユニットである。25は前記レンズ制御ユニット23と接続され、各レンズの励磁電流を駆動するレンズ電源、26は高圧制御ユニット24と接続され、加速管2に高圧を印加する高圧電源である。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0025】
電子線源1から放出された電子線1aは、加速管2で高速に加速され、集束レンズ1,2により電子線の電流量が調整される。電流量が調整された電子線1aは試料9上に照射され、試料9を透過した透過波(透過電子線)1a’は複数の中間レンズ11により拡大集束される。そして、最下段に設置された投影レンズ13により蛍光板14或いは像取得装置15,16上に投影される。
【0026】
ここで、光学系の光軸の調整には、電子銃第1偏向器3,電子銃第2偏向器4,集束レンズ第1偏向器7,集束レンズ第2偏向器8及び投影レンズ偏向器12が用いられる。像取得装置16によって取得された像信号は、コンピュータ20によりメモリ21に記憶され、コンピュータ20を経由してモニタ22に出力表示することができる。
【0027】
また、コンピュータ20では、各レンズや偏向器、高電圧の指定も行なうことができ、レンズ制御ユニット23や高圧制御ユニット24を介してレンズ電源25や高圧電源26に指示を出すことができる。
【0028】
ところで、高分解能の電子顕微鏡像を得るには、光学軸の調整が不可欠である。光学軸の調整が不十分な場合、軸外コマ収差などが増大し、分解能の低下を招く。光学軸の調整には上述した電子銃第1偏向器3,電子銃第2偏向器4,集束レンズ第1偏向器7,集束レンズ第2偏向器8及び投影レンズ偏向器12を用いる。
【0029】
次に、自動アライメントの動作について説明する。例えば照射系(集束レンズ1,2)部分の光学軸を調整するには、集束レンズ第1偏向器7及び集束レンズ第2偏向器8を用いる。また、光学軸の調整度合いを視覚的に観察するために、例えば高電圧(HT)を僅かに強めたり弱めたりし、その時の像の移動量を算出する。移動量の算出方法は、既存の技術を使用することができる。
【0030】
像の移動量が最小の場合、光学軸は最適な状態になる。例えば対物レンズのアライメントを行なう場合、集束レンズ第1偏向器7及び第2偏向器8の強度を変化させながら、複数の条件で上述の場合と同様に像の移動量を算出し、像の移動量が最小となる条件を数学的に算出することができる。集束レンズ第1偏向器7と第2偏向器8の強度と像の移動量との間には直線関係があるため、1次近似により最適値を算出することができる。
【0031】
図2はアライメントxと移動量Δxの関係を示す図である。横軸はアライメントx、縦軸は像の移動量Δxである。fはアライメントxと移動量Δxの関係を示す1次関数である。図のx1点がΔxが最小となるアライメントx値となる。アライメントyと移動量Δyの関係についても同様のことが言える。
【0032】
ところで、電子銃第1偏向器3,電子銃第2偏向器4、集束レンズ第1偏向器7,集束レンズ第2偏向器8及び投影レンズ偏向器13(以下、まとめてアライメント偏向器と呼ぶ)には、通常、直交する2方向の調整が可能となっている。即ち、図3に示すように電子線の軌道を2次元方向x,yに調整することができる。
【0033】
通常、蛍光板に投影された像の移動成分x,yとアライメント偏向器調整成分x,yは1対1で対応しない。
更に、像取得装置は、ほとんどの場合、取り付け位置の制約上、上述の像の移動成分x,yとアライメント偏向器の調整成分は1対1に対応するようには取り付けられない。そのため、図4の(a),(b),(c)に示すような像の移動方向とアライメント偏向器の調整調整方向が一致しない。
【0034】
図5は像の移動成分座標とアライメント偏向器の調整成分座標を示す図である。図において、X,Yが像の移動成分座標、x,yがアライメント偏向器の調整成分座標を示す。
このため、像取得装置16で取得した像を観察しながらアライメント偏向器を手動調整、或いは上述した自動アライメント調整例において、素直に調整することができない。即ち、像の移動成分がx成分のみであった場合、アライメント偏向器のxを調整しても、像の移動成分にy成分が発生することになる。これは、像の移動成分がyのみであっても、x,yの合成成分であっても同様の現象が発生することを示している。手動で調整する場合、オペレータの感性により、多少時間がかかるものの収束することができる。しかしながら、上述した自動アライメント調整例では収束しない。
【0035】
そこで、図6に示すように像取得装置16に回転機構を設け、像の移動成分x,yとアライメント偏向器の調整成分x,yを1対1で像取得装置16を回転させ、自動アライメント調整を行なう。図6は回転機構付き像取得装置の説明図である。図に示す像取得装置16は回転機構を具備しており、モータドライバ27で像取得装置16を回転させる。
【0036】
像取得装置16の回転角は、予めメモリ21にテーブルとして記憶させておく。図7は記憶テーブルの構成例を示す図である。例えば、レンズの励磁強度がI1で、電子銃高圧の変化がV1の場合、像の移動成分x,yとアライメント偏向器の調整成分x,yを1対1に対応させるための回転角はθ1に設定する。レンズの励磁強度がI3で、電子銃高圧の変化がV3の場合、像の移動成分x,yとアライメント偏向器の調整成分x,yを1対1に対応させるための回転角はθ3に設定する。
【0037】
このように像取得装置に、レンズの励磁強度の変化等による像の移動成分x,yとアライメント偏向器の調整成分x,yを1対1に対応させるための回転機構を設けておくことにより、アライメント偏向器の移動方向と像の移動方向を一致させ、得られた像をコンピュータ20で取得・演算処理し、全てのアライメント偏向器の適切な設定値を自動で算出することができる。
【0038】
自動アライメント調整終了後は、像取得装置16を元の回転角に戻す。自動アライメント調整終了後は、光学系の調整が終了したことになるので、像取得装置16の回転角は元に戻される。
(実施例2)
実施例2では、オペレータが手動操作する場合について説明する。実施例1で説明した構成において、オペレータが手動でアライメント調整を行なう際、オペレータがアライメントボタンを押すと、対象となるレンズ又は偏向器又は高圧電源(HT)が周期的に変動する(通常動作)のと同時に、像取得装置16はレンズの励磁強度及び電子銃高圧の変化に基づき、予め記憶テーブルに記憶されている回転角だけ回転する。この状態でオペレータが手動により装置に付属のつまみを用いて操作するが、像取得装置の回転により、像移動方向と偏向器の制御方向を一致させることにより、操作性を向上させることができる。
【0039】
アライメント調整が終了すると、オペレータは調整終了時に、再度アライメントボタンを押す。この結果、レンズ又は高圧電源の変動を解除する(通常動作)と同時に像取得装置16の回転角も元に戻す。
【0040】
この実施例によれば、アライメント調整のスタートボタンが押されると、像取得装置が回転するので、アライメント偏向器の移動方向と像の移動方向を一致させることができるので、手動調整を容易に行なうことができる。
【0041】
上述の実施例では、像取得装置として16を用いた場合を例にとったが、本発明はこれに限る必要はなく、他の像取得装置15(図1参照)についても、全く同様に自動アライメント調整を行なうことができる。
【0042】
本発明の効果を列挙すると、以下の通りである。
1)自動アライメントを実行する際、像の移動方向は重要な情報である。本発明により、像取得装置を使用した自動アライメントでは、像取得装置自体を所定の回転角に回転することにより像の移動方向とアライメント偏向器の制御方法が1対1の関係となり、高精度でかつ自動でアライメントを行なうことができる。
2)手動でアライメントを行なう際、アライメントボタンを押した際に、自動的に対象となるレンズ又は高圧電源(HT)が周期的に変動するのと同時に像取得装置も同時に所定の回転角に回転することにより、像の移動方向とアライメント偏向器の制御方向が1対1の関係となり、オペレータの調整時の操作性を飛躍的に向上させることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 電子線源
1a 電子線
1a’透過電子線
3 電子銃第1偏向器
4 電子銃第2偏向器
5 集束レンズ1
6 集束レンズ2
7 集束レンズ第1偏向器
8 集束レンズ第2偏向器
9 試料
10 対物レンズ
11 中間レンズ
12 投影レンズ偏向器
13 投影レンズ
14 蛍光板
15 像取得装置
16 像取得装置
20 コンピュータ
21 メモリ
22 モニタ
23 レンズ制御ユニット
24 高圧制御ユニット
25 レンズ電源
26 高圧電源
27 モータドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子源から出射した電子線を集束させる照射光学系と、
該照射光学系の下部に配置された試料と、
該試料を透過した電子線を拡大結像する結像光学系からなる透過型電子顕微鏡において、
透過電子線が蛍光板に投影された場合、その像を取り込む像取得装置と、
該像取得装置を回転させる回転手段と、
前記像取得装置の回転を制御する回転制御手段と、
像取得装置で得た像信号を記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された像情報を演算処理する演算手段と、
を有し、
自動でアライメントを行なう際、前記像取得装置を予め決められた回転角に回転させることにより、アライメント偏向器の移動方向と像の移動方向を一致させ、得られた像を取得・演算処理し、全てのアライメント偏向器の適切な設定値を自動で算出するように構成されたことを特徴とする透過型電子顕微鏡のアライメント装置。
【請求項2】
前記アライメント調整のスタートボタンが押されると、対象となる加速電圧を周期的に変動させ、かつ前記像取得装置を予め決められた回転角に回転させ、
オペレータによる調整終了時にアライメント調整の終了ボタンが押されると、前記像取得装置の回転角を元の回転角に戻すように構成されることを特徴とする請求項1記載の透過型電子顕微鏡のアライメント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−198826(P2010−198826A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40620(P2009−40620)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000004271)日本電子株式会社 (811)
【Fターム(参考)】