通信サービス制御方法、通信サービス制御システムおよび発信履歴流通装置
【課題】大規模災害、または、突発的に想定外の通信需要が発生した場合、通常の通話動作により、着信側の端末に、安否確認情報を伝達する。
【解決手段】複数の端末60b−1,60b−4に通信サービスを提供する通信サービス制御システムは、大規模災害の発生などに代表される所定の蓄積条件を検知した際に、第1の端末60b−1からの通話開始要求を間引いて第2の端末60b−4に転送する間引きステップと、この間引きステップに於いて転送されなかった通話開始要求に係る発信情報を発信履歴データベースに蓄積する蓄積ステップと、この発信履歴データベースに蓄積された第2の端末60b−4に係る発信情報である発信履歴情報を、この第2の端末60b−4に送信する発信履歴送信ステップを実行する。
【解決手段】複数の端末60b−1,60b−4に通信サービスを提供する通信サービス制御システムは、大規模災害の発生などに代表される所定の蓄積条件を検知した際に、第1の端末60b−1からの通話開始要求を間引いて第2の端末60b−4に転送する間引きステップと、この間引きステップに於いて転送されなかった通話開始要求に係る発信情報を発信履歴データベースに蓄積する蓄積ステップと、この発信履歴データベースに蓄積された第2の端末60b−4に係る発信情報である発信履歴情報を、この第2の端末60b−4に送信する発信履歴送信ステップを実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話網に於いて、大規模災害などで突発的に大量の通信需要が発生した場合であっても、ユーザ間に於ける疎通を確保する通信サービス制御方法、通信サービス制御システムおよび発信履歴流通装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電話に代表されるインタラクティブ通信サービスでは、通信中に一定の帯域を確保する必要がある。そのため、通話開始の際には、発信側の端末である発端末、通信網の呼制御システム、および、着信側の端末である着端末との間で呼制御信号をやり取りして通信網上の帯域余裕を確認し、通話路および必要帯域を確保して、通信を開始する。
【0003】
図24は、比較例に於ける電話網の通常時の発呼動作を示すシーケンス図である。
比較例の電話網は、複数の携帯端末である端末60b−1,60b−4と、複数の基地局システム11b−1,11b−2と、複数の回線交換システム12b−1,12b−2と、呼制御システム30と、SMS(Short Message Service)センタ70とを有している。端末60b−1は、基地局システム11b−1に収容(接続)されている。端末60b−2は、基地局システム11b−2に収容(接続)されている。
【0004】
当該発呼動作に於ける通話の発信側は、端末60b−1である。この端末60b−1は、基地局システム11b−1に収容されており、回線交換システム12b−1を介して呼制御システム30と回線交換システム12b−2とに情報を送信可能である。以下、この明細書と図面に於いて、通話の発信側の端末のことを発端末と記載し、通話の着信側の端末のことを着端末と記載している場合がある。
【0005】
《着端末ありの場合に於ける通常動作》
着信側の端末60b−4の電源が投入され、基地局システム11b−2に収容されている場合に於ける通常動作を、以下に説明する。
通話の着信側は、端末60b−4である。この端末60b−4は、基地局システム11b−2に収容されており、回線交換システム12b−2を介して呼制御システム30と回線交換システム12b−1とに発呼要求を送信することができる。
【0006】
シーケンスQ310に於いて、端末60b−4は電源が投入されている。このとき、端末60b−4は、基地局システム11b−2と回線交換システム12b−2を介して、呼制御システム30に位置情報を送信して登録または変更する。この位置情報の登録または変更は、周期的に行われる。
【0007】
シーケンスQ311に於いて、端末60b−1は、基地局システム11b−1と回線交換システム12b−1を介して、呼制御システム30に発呼要求を送信する。呼制御システム30は、この発呼要求に係る着信側の端末60b−4を収容している基地局システム11b−2や、回線交換システム12b−2に基き、この着信側の端末60b−4の位置を策定(決定)する。
シーケンスQ312に於いて、呼制御システム30は、回線交換システム12b−1に回線設定要求を送信する。
シーケンスQ313に於いて、回線交換システム12b−1は、基地局システム11b−1を介した端末60b−1との間に音声回線を確立する。
シーケンスQ314に於いて、回線交換システム12b−1は、回線交換システム12b−2との間に音声回線を確立する。
シーケンスQ315に於いて、回線交換システム12b−2は、基地局システム11b−2を介した端末60b−4との間に音声回線を確立する。
以降、端末60b−1と端末60b−4との間で、音声通話が行われる。この動作により、着信側の端末60b−4がいずれかに収容されている場合には音声通話が可能である。
この音声通話が切断されたのち、端末60b−4の電源がオフされて、基地局システム11b−2は、端末60b−4を収容しない状態となる。
【0008】
《着端末なしの場合に於ける通常動作》
着信側の端末60b−4の電源がオフされ、収容されていない場合に於ける通常動作を、以下に説明する。
シーケンスQ320に於いて、端末60b−1は、基地局システム11b−1と回線交換システム12b−1を介して、呼制御システム30に発呼要求を送信する。このとき、端末60b−4の電源がオフされているので、呼制御システム30は、この発呼要求に係る着信側の端末60b−4が、いずれにも収容されていないことを検出する。
シーケンスQ321に於いて、呼制御システム30は、SMSセンタ70に、着信履歴保持の要求を送信する。SMSセンタ70は、送信された着信履歴を保持する。
その後、着信側の端末60b−4は電源が投入されることによって、ふたたび基地局システム11b−2に収容される。
シーケンスQ322に於いて、端末60b−4は、呼制御システム30に位置情報を送信して登録または変更する。
【0009】
シーケンスQ323に於いて、呼制御システム30は、SMSセンタ70に、登録中の番号リストを送付する。着信履歴を保持しているSMSセンタ70は、この登録中の番号リストと着信履歴とを照合し、まだ着信履歴を送付していない着信側の端末60b−4を検出する。
シーケンスQ324に於いて、SMSセンタ70は、着信側の端末60b−4との間にデータ回線を確立する。
シーケンスQ325に於いて、SMSセンタ70は、着信側の端末60b−4に着信履歴を転送し、図24の処理を終了する。
【0010】
この動作により、SMSセンタ70は、通話の宛先である着信側の端末60b−4が、いずれの基地局システムにも収容されていないときには着信履歴を保持し、かつ、この端末60b−4がいずれかの基地局システムに収容されたときには、保持していた着信履歴を転送することが可能である。
【0011】
地震などの大規模災害が発生した場合に、上記のような電話網に於いて、安否確認などを目的に多数のユーザが高頻度で発呼する。これにより通信需要は突発的に増大し、呼制御システムの処理能力や、電話網の提供帯域を上回る輻輳が発生する場合がある。このため、電話網は、大規模災害のときに、呼制御信号の通信を規制する通話規制などを行うことで、重要通信の疎通を確保しつつ、過剰な呼制御信号や通話データから網設備を保護している。
【0012】
図25は、比較例に於ける電話網の災害発生時の発呼動作を示すシーケンス図である。図25の電話網は、図24に示す電話網と同様の構成を有し、更に基地局システム11b−2と端末60b−4とは、大規模災害による被災地域に位置している。大規模災害とは、例えば地震などである。
【0013】
この大規模災害により、過剰な呼制御情報や通話データから網設備を保護するため、複数の基地局システム11b−1,11b−2と、複数の回線交換システム12b−1,12b−2と、呼制御システム30には通話規制が掛っており、受信したコマンドなどを転送しないようになっている。
【0014】
シーケンスQ330に於いて、端末60b−1は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。しかし、基地局システム11b−1には通話規制が掛っているため、他の電話網の設備には、この通話開始要求を転送しない。
【0015】
シーケンスQ331に於いて、端末60b−4は、基地局システム11b−2に発呼要求を送信する。しかし、基地局システム11b−2には通話規制が掛っているため、他の電話網の設備には、この通話開始要求を転送しない。このようにして、比較例の電話網は、過剰な呼制御情報から、網設備を保護している。
非特許文献1には、災害のときには、重要通信などを確保すると共に、サービスを早期に復旧させるという発明が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】大山孝、酒井孝次、高木洋一郎、齊藤景一、本庄克彦、「NTTグループの危機管理・防災ソリューションとR&Dの取り組み」、NTT技術ジャーナル、2008年9月1日、20巻、9号、8〜12頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
図25に示すように、電話網は、通話規制によって、過剰な呼制御情報や通話データから網設備を保護することができる。しかし、この通話規制によって同時に、被災地内外からの安否確認、生存応答、救援要請などの重要な通話が規制され、ライフラインとしての機能を充分に果たせなくなる虞がある。
【0018】
既に、災害用伝言ダイヤル、伝言板サービスなどは、災害時の疎通確保に一定の効果を上げている。しかし、特別なダイヤル操作によることなく、各利用者が着端末への通常の通話行為を実施する中で、安否確認や生存応答が可能であることが望ましい。
【0019】
本発明は、大規模災害に代表される大規模事象、または、突発的に想定外の通信需要が発生した場合、着端末への通常の通話動作により、着端末に安否確認情報を伝達することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数の端末に通信サービスを提供する通信サービス制御システムが実行する通信サービス制御方法であって、所定の蓄積条件を検知した際に、第1の端末からの通話開始要求を間引いて第2の端末に転送する間引きステップと、前記間引きステップに於いて転送されなかった通話開始要求に係る発信情報を発信履歴データベースに蓄積する蓄積ステップと、前記発信履歴データベースに基き、前記第2の端末への前記発信情報の履歴である発信履歴情報を、前記第2の端末に送信する発信履歴送信ステップと、を実行することを特徴とする通信サービス制御方法とした。
【0021】
請求項16に記載の発明は、処理部と記憶部とを有する発信履歴流通装置であって、前記処理部は、第1の端末からの発信履歴情報を受信したとき、前記記憶部に蓄積する蓄積ステップと、前記記憶部に蓄積された前記発信履歴情報を、前記発信履歴情報の着番号に係る第2の端末に送信する発信履歴送信ステップと、を実行することを特徴とする発信履歴流通装置とした。
【0022】
このようにすることで、本発明によれば、突発的に大量の通信需要が発生した場合であっても、一定の確率で音声通話を行うことができる。着信側の端末に、安否確認と生存応答情報とを伝達することができる。発信履歴情報は、比較的データ量が小さいので、必要とされる帯域を抜本的に削減し、電話網の輻輳を防止することができる。過剰な呼制御信号や通話データ量から網設備を保護することができる。
【0023】
請求項2に記載の発明は、前記所定の蓄積条件とは、所定の災害を検知したこと、所定の事故を検知したこと、所定のイベントが開催されたこと、所定の期間であること、単位時間あたりの通話開始要求数が閾値を超えたこと、収容中の回線数が閾値を超えたこと、プロセッサ使用率が閾値を超えたこと、メモリ使用率が閾値を超えたこと、のいずれかを含んでいる、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0024】
このようにすることで、本発明によれば、大規模災害に代表される大規模事象、または、突発的に想定外の通信需要が発生した場合を検知し、着端末への通常の通話動作により着端末に安否確認情報を伝達するトリガとすることができる。
【0025】
請求項3に記載の発明は、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末との間にデータ回線を確立し、前記第2の端末に前記発信履歴情報を送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0026】
請求項17に記載の発明は、前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末との間にデータ通信を確立し、前記第2の端末に前記発信履歴情報を送信する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0027】
このようにすることで、本発明によれば、比較的データ量の小さい発信履歴情報を、データ通信によって着信側の端末に送信している。これにより、一定の品質と帯域を保証しなければならない音声通信と比較して、必要とされる帯域を抜本的に削減し、電話網の輻輳を防止することができる。
【0028】
請求項4に記載の発明は、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末に通話開始要求を送信し、呼制御信号によって前記第1の端末の番号情報を送信したのちに前記第2の端末との回線を切断する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0029】
請求項18に記載の発明は、前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末に通話開始要求を送信して、呼制御信号によって前記第1の端末の番号情報を送信したのちに前記第2の端末との回線を切断する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0030】
このようにすることで、本発明によれば、発番号を、呼制御信号によって着信側の端末に送信している。これにより、一定の品質と帯域を保証しなければならない音声通信と比較して、必要とされる帯域を抜本的に削減することができる。
【0031】
請求項5に記載の発明は、前記通信サービス制御システムは、端末との間で情報を相互に送受信する転送システムと、前記転送システムとの間で、呼制御を実行する呼制御システムと、発信履歴流通システムと、を有し、前記転送システムが前記間引きステップを実行し、前記発信履歴流通システムが、前記蓄積ステップを実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0032】
このようにすることで、本発明によれば、発信履歴流通システムが、蓄積ステップを実行している。これにより、電話網の転送システムに対して間引きステップを実行する機能を付加し、かつ、この転送システムを発信履歴流通システムに組み合わせることで、本発明を実現することができる。
【0033】
請求項6に記載の発明は、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末から情報が送信された際、または、前記第2の端末から前記発信履歴情報を要求された際に、前記第2の端末に前記発信履歴情報を送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0034】
請求項19に記載の発明は、前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末から情報が送信された際、または、前記第2の端末から前記発信履歴情報を要求された際に、前記第2の端末に通話開始要求に係る情報を転送する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0035】
このようにすることで、本発明によれば、ユーザの位置情報の登録、または、ユーザによる明示的に発信履歴の要求により、着番号に係る発信履歴を送信している。これにより、いずれの基地局にも収容されていない端末に、無用のトラヒックを発生させることなく、発信履歴を送信できる。
【0036】
請求項7に記載の発明は、前記第2の端末とは、予め番号登録された複数の端末である、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0037】
請求項20に記載の発明は、前記第2の端末とは、予め前記記憶部に番号が登録された複数の端末である、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0038】
このようにすることで、本発明によれば、例えば、家族グループ、友人グループ、または、職場グループなどのグループへの発信履歴情報をグループ内で共有し、このグループに関係する者の安否をいち早く確認することができる。
【0039】
請求項8に記載の発明は、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末のうちのいずれか1つの端末の要求に基き、前記要求した端末に前記発信履歴情報を送信する、ことを特徴とする請求項7に記載の通信サービス制御方法とした。
【0040】
請求項21に記載の発明は、前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末のうちのいずれか1つの端末の要求に基き、前記要求した端末に通話開始要求に係る情報を転送する、ことを特徴とする請求項20に記載の発信履歴流通装置とした。
【0041】
このようにすることで、本発明によれば、予め指定されているグループ内に限り、自端末の番号や位置を含む発信履歴を送信する。これにより、着信側の端末すべてに、自端末の番号や位置を公開することが無くなり、自端末のプライバシー情報を秘匿することができる。
【0042】
請求項9に記載の発明は、前記蓄積ステップを実行したのち、前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する発信履歴記録通知ステップを実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0043】
請求項22に記載の発明は、前記処理部が、前記蓄積ステップを実行したのち、前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する発信履歴記録通知ステップを実行する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0044】
このようにすることで、本発明によれば、端末に、この端末からの発信情報を蓄積したこと、を通知している。これにより、発信側の端末のユーザの音声通話ができない不安を解消して、繰り返し通話開始を要求することを抑止できる。
【0045】
請求項10に記載の発明は、前記発信履歴記録通知ステップに於いて、呼制御信号によって、または、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、このデータ回線を介して、前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する、ことを特徴とする請求項9に記載の通信サービス制御方法とした。
【0046】
請求項23に記載の発明は、前記処理部が、前記発信履歴記録通知ステップに於いて、呼制御信号によって、または、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、このデータ回線を介して、前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する、ことを特徴とする請求項22に記載の発信履歴流通装置とした。
【0047】
このようにすることで、本発明によれば、データ回線を確立して発信履歴情報記録通知を送信するので、ペイロード(情報量)に制限のある呼制御信号によって発信履歴情報記録通知を送信するよりも、詳細な情報を送信することができる。
【0048】
請求項11に記載の発明は、前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップで送信されなかった前記発信履歴情報と前記第1の端末の詳細位置情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0049】
請求項24に記載の発明は、前記処理部が、前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップで送信されなかった前記発信履歴情報と前記第1の端末の詳細位置情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0050】
このようにすることで、本発明によれば、着信側の端末は、発信者の詳細位置情報(GPS(Global Positioning System)情報など)により、着信側である第2の端末から、発信者の位置を更に正確に把握可能である。
【0051】
請求項12に記載の発明は、前記処理部が、前記蓄積ステップの後に、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、前記第1の端末から詳細位置情報を受信して前記発信履歴データベースに蓄積する詳細位置情報蓄積ステップを実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0052】
請求項25に記載の発明は、前記処理部が、前記蓄積ステップの後に、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、前記第1の端末から詳細位置情報を受信して前記発信履歴データベースに蓄積する詳細位置情報蓄積ステップを実行する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0053】
このようにすることで、本発明によれば、各端末との間にデータ回線を確立して、詳細位置情報を取得している。これにより、着信側である第2の端末は、呼制御信号のペイロードサイズの制限に縛られず、任意のペイロードサイズで詳細位置情報を取得することができる。
【0054】
請求項13に記載の発明は、前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップに於いて送信されなかった通話開始要求に係る情報と所定のメッセージ情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0055】
請求項26に記載の発明は、前記処理部が、前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップに於いて送信されなかった通話開始要求に係る情報と所定のメッセージ情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0056】
このようにすることで、本発明によれば、発信側の第1の端末から発信するとき、一緒にメッセージ番号を入力するだけで、このメッセージ番号に対応したメッセージ情報を着信側の第2の端末に送信可能である。
【0057】
請求項14に記載の発明は、前記蓄積ステップに於いて、所定時間内に同一の端末からの通信開始要求が繰り返されたとき、当該繰り返された通信開始要求を蓄積しない、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0058】
請求項27に記載の発明は、前記処理部が、前記蓄積ステップに於いて、所定時間内に同一の端末からの通信開始要求が繰り返されたとき、当該繰り返された通信開始要求を蓄積しない、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0059】
このようにすることで、本発明によれば、同一の第1の端末からの通信開始要求が所定期間以内に繰り返し行われた場合であっても、所定期間が経過するまで発信履歴データベースに蓄積しない。これにより、履歴データの増大を抑止することができる。
【0060】
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の通信サービス制御方法を実行する、ことを特徴とする通信サービス制御システムとした。
【0061】
このようにすることで、本発明によれば、上記通信サービス制御方法を通信サービス制御システムに実行させることができる。
【発明の効果】
【0062】
本発明によれば、大規模災害に代表される大規模事象、または、突発的に想定外の通信需要が発生した場合、着端末への通常の通話動作により、着端末に安否確認情報を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1の実施形態に於ける電話網を示す概略の構成図である。
【図2】第1の実施形態に於ける発信履歴の蓄積開始処理を示すシーケンス図である。
【図3】第1の実施形態に於ける災害発生時の発信履歴蓄積処理を示すシーケンス図である。
【図4】第1の実施形態に於ける発信履歴データベースを示す図である。
【図5】第1の実施形態に於ける災害発生時の発信履歴送信処理を示すシーケンス図である。
【図6】第2の実施形態に於ける発信履歴の蓄積開始処理を示すシーケンス図である。
【図7】第2の実施形態に於ける発信履歴の記録開始トリガと制御レベルを示す図である。
【図8】第3の実施形態に於ける発信履歴の蓄積開始処理を示すシーケンス図である。
【図9】第4の実施形態に於ける災害発生時の発信履歴送信処理を示すシーケンス図である。
【図10】第5の実施形態に於ける転送システム内部での発信履歴蓄積処理を示すシーケンス図である。
【図11】第5の実施形態に於けるプル型の発信履歴の送信処理を示すシーケンス図である。
【図12】第6の実施形態に於ける端末グループデータベースを示す図である。
【図13】第6の実施形態に於ける同一グループ端末群へのプッシュ型の同報配信処理を示すシーケンス図である。
【図14】第7の実施形態に於ける同一グループ端末群へのプル型の同報配信処理を示すシーケンス図である。
【図15】第8の実施形態に於ける発端末への応答処理を示すシーケンス図である。
【図16】第9の実施形態に於ける発端末への応答処理を示すシーケンス図である。
【図17】第10の実施形態に於ける発信履歴データベースを示す図である。
【図18】第10の実施形態に於ける発端末位置情報の履歴共有処理を示すシーケンス図である。
【図19】第11の実施形態に於ける発端末位置情報の履歴共有処理を示すシーケンス図である。
【図20】第12の実施形態に於ける発信履歴データベースとメッセージデータベースを示す図である。
【図21】第12の実施形態に於けるメッセージ付き履歴送信処理を示すシーケンス図である。
【図22】第13の実施形態に於ける履歴データの増大抑止処理を示すシーケンス図である。
【図23】第14の実施形態に於ける履歴データの増大抑止処理を示すシーケンス図である。
【図24】比較例に於ける電話網の通常時の発呼動作を示すシーケンス図である。
【図25】比較例に於ける電話網の災害発生時の発呼動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以降、本発明を実施するための形態を、図を参照して詳細に説明する。
【0065】
(第1の実施形態の構成)
図1(a),(b)は、第1の実施形態に於ける電話網を示す概略の構成図である。
【0066】
図1(a)は、固定電話網の概略の構成例を示す図である。
第1の実施形態の固定電話網は、固定電話である複数の端末60a−1,60a−4と、転送システム10aと、呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とを有している。端末60a−1,60a−4は、転送システム10aに収容されている。呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とは、転送システム10aに接続されている。第1の実施形態の固定電話網は、複数の端末60a−1,60a−4に通信サービスを提供する通信サービス制御システムである。
【0067】
複数の端末60a−1,60a−4は、例えば、ナンバー・ディスプレイ(登録商標)機能付の固定電話である。端末60a−1は、通話の発信側であるため、図面では、「発端末」と記載されている。端末60a−4は、通話の着信側であるため、図面では、「着端末」と記載されている。
【0068】
呼制御システム30は、図示しない記憶部と、処理部と、通信部とを有する装置であり、例えば端末60a−1の発呼信号を受け、転送システム10aとの間で、呼制御を実行する。
【0069】
発信履歴流通システム40は、図示しない記憶部と、処理部と、通信部とを有する装置である。発信履歴流通システム40は、記憶部に、様々なデータベースを記憶すると共に、通話開始要求に係る発信履歴情報を蓄積する。
【0070】
運用管理システム50は、図示しない記憶部と、処理部と、通信部とを有する装置である。運用管理システム50は、所定の蓄積条件を検知した際に、通話開始要求を間引くように指示する。
【0071】
転送システム10aは、端末60a−1と端末60a−4との間で、情報を相互に転送する。転送システム10aは、複数の加入者収容システム11a−1,11a−2と、集線網110と、複数のエッジシステム12a−1,12a−2とを有している。
【0072】
加入者収容システム11a−1は、端末60a−1を収容し、集線網110を介してエッジシステム12a−1に接続されている。加入者収容システム11a−2は、端末60a−2を収容し、集線網110を介してエッジシステム12a−2に接続されている。
【0073】
エッジシステム12a−1は、中継網100を介してエッジシステム12a−2に接続されている。エッジシステム12a−1,12a−2は、中継網100を介して呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とに接続されている。
【0074】
図1(b)は、携帯電話網の概略の構成例を示す図である。
第1の実施形態の携帯電話網は、携帯電話である複数の端末60b−1,60b−4と、転送システム10bと、呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とが接続されている。端末60b−1,60b−4は、電源が投入され、かつ、転送システム10bのいずれかの基地局システム11b−n(nは自然数)の電波が届いているとき、この転送システム10bに収容されている。呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とは、転送システム10bに接続されている。
【0075】
複数の端末60b−1,60b−4は、例えば、液晶表示部を有するデータ通信機能付の携帯電話である。端末60b−1は、通話の発信側であるため、図面では、「発端末」と記載されている。端末60b−4は、通話の着信側であるため、図面では、「着端末」と記載されている。
【0076】
呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とは、図1(a)に示す呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50と同様の構成を有している。呼制御システム30は、例えば端末60b−1の発呼信号を受け、転送システム10bとの間で、呼制御を実行する。
【0077】
転送システム10bは、端末60b−1と端末60b−4との間で、情報を相互に転送する。転送システム10bは、複数の基地局システム11b−1,11b−2と、集線網110と、複数の回線交換システム12b−1,12b−2とを有している。
【0078】
基地局システム11b−1は、端末60b−1を収容し、集線網110を介して回線交換システム12b−1に接続されている。基地局システム11b−2は、端末60b−2を収容し、集線網110を介して回線交換システム12b−2に接続されている。
【0079】
回線交換システム12b−1は、中継網100を介して回線交換システム12b−2に接続されている。回線交換システム12b−1,12b−2は、中継網100を介して呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とに接続されている。
なお、この固定電話網と携帯電話網とは、中継網100を介して相互に音声通話が可能である。
【0080】
(第1の実施形態の動作)
図2は、第1の実施形態に於ける発信履歴の蓄積開始処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ10に於いて、運用管理システム50の通信部は、外部から災害情報を受信し、災害の発生を検知する。災害の発生は、所定の蓄積条件のひとつである。
【0081】
シーケンスQ11に於いて、運用管理システム50の処理部は、通信部によって、基地局システム11b−1に、例えば、通話と蓄積との比率を1対1にするよう指示する。以降、基地局システム11b−1は、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を1対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分ける。
【0082】
第1の実施形態の運用管理システム50の処理部は、大規模災害の発生を検知したならば、所定の割合で通話開始要求を間引いている。これにより、大規模災害によって突発的に大量の通信需要が発生した場合であっても、一定の確率で音声通話を行うことができる。
【0083】
シーケンスQ12〜Q19は、基地局システム11b−1が、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を1対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分けている例である。このシーケンスQ12〜Q19は、第1の端末である端末60b−1〜60b−3からの通話開始要求を間引いて、図示しない着信側の第2の端末に転送する間引きステップである。
シーケンスQ12に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ13に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
【0084】
シーケンスQ14に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ15に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0085】
シーケンスQ16に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ17に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
【0086】
シーケンスQ18に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ19に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
このように、基地局システム11b−1は、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を1対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分けている。
【0087】
シーケンスQ15,Q17は、間引きステップに於いて転送されなかった通話開始要求に係る発信情報を、発信履歴流通システム40の記憶部に格納されている発信履歴データベース41(図4)に蓄積する蓄積ステップである。
【0088】
図3は、第1の実施形態に於ける災害発生時の発信履歴蓄積処理を示すシーケンス図である。以下の図面では、発信側の端末60b−1〜60b−3の処理部が、着信側の第2の端末のいずれかに対して通話開始要求を行う。発信側の端末60b−1〜60b−3は、第1の端末である。着信側の端末60b−4〜60b−6は、第2の端末である。
【0089】
シーケンスQ20に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ21に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ22に於いて、呼制御システム30の処理部は、端末60b−4との間に通話処理を行い、以降、端末60b−3と端末60b−4との間で、音声通話(通常通話)が行われる。
【0090】
シーケンスQ23に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ24に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0091】
シーケンスQ25に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ26に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ27に於いて、呼制御システム30の処理部は、端末60b−5との間に通話処理を行い、以降、端末60b−1と端末60b−5との間で、音声通話(通常通話)が行われる。
【0092】
シーケンスQ28に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ29に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0093】
このようにして、災害発生のときに、基地局システム11b−1は、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を1対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分けている。このシーケンスQ20〜Q29は、第1の端末である端末60b−1〜60b−3からの通話開始要求を間引いて第2の端末である端末60b−4〜60b−6に転送する間引きステップである。
【0094】
発信履歴流通システム40に振り分けた発信履歴は、記憶部に蓄積される。シーケンスQ24,Q29は、間引きステップに於いて転送されなかった通話開始要求に係る発信情報を発信履歴データベース41に蓄積する蓄積ステップである。
【0095】
図4は、第1の実施形態に於ける発信履歴データベースを示す図である。以下、図面では、データベースのことを「DB」と表記している場合がある。
発信履歴データベース41は、着番号の項目と、発番号の項目と、時間の項目と、位置の項目とを有している。
着番号の項目は、着信側の端末に係る電話番号の情報が格納されている。
発番号の項目は、発信側の端末に係る電話番号の情報が格納されている。
時間の項目は、発信側の端末が通話開始要求を送信した時間の情報が格納されている。
位置の項目は、この発信側の端末を収容している基地局システムの名称(情報)が格納されている。
【0096】
図5は、第1の実施形態に於ける災害発生時の発信履歴送信処理を示すシーケンス図である。
【0097】
シーケンスQ30に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ31に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0098】
シーケンスQ32に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ33に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0099】
このシーケンスQ31,Q33は、間引きステップに於いて転送されなかった通話開始要求に係る発信情報を発信履歴データベース41に蓄積する蓄積ステップである。
【0100】
シーケンスQ34〜Q38は、第2の端末である着端末に、この着端末に係る発信履歴を送信する発信履歴送信ステップである。この発信履歴情報は、第2の端末である着端末への発信情報の履歴であり、発信履歴データベース41(図4)に基いて作成される。
シーケンスQ34に於いて、呼制御システム30の処理部は、位置情報登録中の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
【0101】
シーケンスQ35に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ33に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−5との間にデータ回線を確立する。
【0102】
シーケンスQ36に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−5に、この着番号に係る発信履歴を全て送信する。
【0103】
シーケンスQ37に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ31に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−6との間にデータ回線を確立する。
【0104】
シーケンスQ38に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−6に、この着番号に係る発信履歴を全て送信する。
【0105】
第1の実施形態の発信履歴送信ステップに於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、第2の端末である着端末との間にデータ回線を確立し、第2の端末である着端末に発信履歴情報を送信している。
【0106】
(第1の実施形態の効果)
以上説明した第1の実施形態では、次の(A)〜(D)のような効果がある。
【0107】
(A) 大規模災害の発生を検知したならば、所定の割合で通話開始要求を間引いている。これにより、大規模災害によって突発的に大量の通信需要が発生した場合であっても、一定の確率で音声通話を行うことができる。
【0108】
(B) 間引かれた通信開始要求の発生時間や発生位置などである発信履歴情報を、着信側の端末に伝達している。これにより、着信側の端末に、安否確認と生存応答情報とを伝達することができる。
【0109】
(C) 比較的データ量の小さい発信履歴情報を、データ通信によって着信側の端末に送信している。これにより、一定の品質と帯域を保証しなければならない音声通信と比較して、必要とされる帯域を削減し、電話網の輻輳を防止することができる。
【0110】
(D) 高頻度で発生する通話開始要求の一部を、呼の詳細な状態管理を行わず、比較的負荷の軽い蓄積型機能によって蓄積して転送している。これにより、大規模災害などの非常時に於いても負荷を平準化し、過剰な呼制御信号や通話データ量から網設備を保護することができる。
【0111】
(第2の実施形態の構成)
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴の蓄積開始を行うものである。第2の実施形態は、第1の実施形態とは異なり、運用監視システム50の災害確認を、発信履歴の蓄積開始処理のトリガとしている。
第2の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0112】
(第2の実施形態の動作)
図6は、第2の実施形態に於ける発信履歴の蓄積開始処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ40に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ41に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
【0113】
シーケンスQ42に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ43に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30の処理部は通話処理を行う。このとき、呼制御システム30の処理部は、単位時間あたり通話開始要求数が閾値1を超過したことを判定する。しかし、これに限られず、自らのプロセッサ使用率、自らのメモリ使用率、または、収容中回線数を判定対象としてもよい。
【0114】
シーケンスQ44に於いて、呼制御システム30の処理部は、通信部によって、基地局システム11b−1に、例えば、通話と蓄積との比率を2対1にするよう指示する。以降、基地局システム11b−1は、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を2対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分ける。
【0115】
シーケンスQ45〜Q56は、基地局システム11b−1が、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を2対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分けている例である。シーケンスQ45〜Q56は、間引きステップである。
【0116】
シーケンスQ45に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ46に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
シーケンスQ47に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ48に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
シーケンスQ49に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ50に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
【0117】
シーケンスQ51に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ52に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
シーケンスQ53に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ54に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
シーケンスQ55に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ56に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
【0118】
図7(a)〜(d)は、第2の実施形態に於ける発信履歴の記録開始トリガと制御レベルを示す図である。
【0119】
図7(a)は、プロセッサ使用率を示す図である。縦軸は呼制御システム30のプロセッサ使用率を示している。横軸は時間を示している。
呼制御システム30が、プロセッサ使用率を基準に発信履歴を振り分けている場合を考える。
【0120】
呼制御システム30は、プロセッサ使用率が閾値1以上かつ閾値2未満ならば、通話と蓄積の比率が2対1になるように通話開始要求を振り分ける。プロセッサ使用率が閾値2以上であったならば、通話と蓄積との比率が1対2になるように通話開始要求を振り分ける。プロセッサ使用率が閾値1未満ならば、全ての通話開始要求に対して、着信側の端末との音声通話(通常通話)の確立処理を行う。
【0121】
図7(b)は、メモリ使用率を示す図である。縦軸は呼制御システム30のメモリ使用率を示している。横軸は時間を示している。
呼制御システム30が、メモリ使用率を基準に発信履歴を振り分けている場合を考える。
【0122】
呼制御システム30は、メモリ使用率が閾値1以上かつ閾値2未満ならば、通話と蓄積の比率が2対1になるように通話開始要求を振り分ける。メモリ使用率が閾値2以上であったならば、通話と蓄積との比率が1対2になるように通話開始要求を振り分ける。メモリ使用率が閾値1未満ならば、全ての通話開始要求に対して、着信側の端末との音声通話(通常通話)を行う。
【0123】
図7(c)は、単位時間あたり通信開始要求数を示す図である。縦軸は呼制御システム30が受信した単位時間あたりの通信開始要求数を示している。横軸は時間を示している。
呼制御システム30が、単位時間あたり通信開始要求数を基準に発信履歴を振り分けている場合を考える。
【0124】
呼制御システム30は、単位時間あたり通信開始要求数が閾値1以上かつ閾値2未満ならば、通話と蓄積の比率が2対1になるように通話開始要求を振り分ける。単位時間あたり通信開始要求数が閾値2以上であったならば、通話と蓄積との比率が1対2になるように通話開始要求を振り分ける。単位時間あたり通信開始要求数が閾値1未満ならば、全ての通話開始要求に対して、着信側の端末との音声通話(通常通話)を行う。
【0125】
図7(d)は、収容中回線数を示す図である。縦軸は呼制御システム30が収容中の回線の数を示している。横軸は時間を示している。
呼制御システム30が、収容中回線数を基準に発信履歴を振り分けている場合を考える。
【0126】
呼制御システム30は、収容中回線数が閾値1以上かつ閾値2未満ならば、通話と蓄積の比率が2対1になるように通話開始要求を振り分ける。収容中回線数が閾値2以上であったならば、通話と蓄積との比率が1対2になるように通話開始要求を振り分ける。収容中回線数が閾値1未満ならば、全ての通話開始要求に対して、着信側の端末との音声通話(通常通話)を行う。
【0127】
(第2の実施形態の効果)
以上説明した第2の実施形態では、次の(E)〜(G)のような効果がある。
【0128】
(E) 呼制御システム30は、大量の通信需要を検知したとき、または、呼制御システム30自身の負荷が高いことを検知したときに、所定の割合で通話開始要求を間引いている。これにより、大規模災害によって突発的に大量の通信需要が発生した場合であっても、一定の確率で音声通話を行うことができる。
【0129】
(F) 呼制御システム30は、単位時間あたり通信開始要求数、または、収容中回線数など、通信需要の量(数)に応じて、通信開始要求を間引いている。これにより、音声通話数を適切な値に抑えることが可能である。
【0130】
(G) 呼制御システム30は、呼制御システム30自身の負荷に応じて、通信開始要求を間引いている。これにより、呼制御システム30に処理可能となるよう、動的に通信開始要求を減らすことができる。
【0131】
(第3の実施形態の構成)
第3の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴の蓄積開始を行うものである。第3の実施形態は、第1の実施形態とは異なり、基地局システムの閾値超過判定を発信履歴の蓄積開始処理のトリガとしている。
第3の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0132】
(第3の実施形態の動作)
【0133】
図8は、第3の実施形態に於ける発信履歴の蓄積開始処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ60に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ61に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
【0134】
シーケンスQ62に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、単位時間あたり通話開始要求数が閾値1を超過したことを判定する。以降、基地局システム11b−1は、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を2対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分ける。しかし、これに限られず、自らのプロセッサ使用率、自らのメモリ使用率、または、収容中回線数を判定対象としてもよい。
【0135】
シーケンスQ63〜Q74は、基地局システム11b−1が、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を2対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分けている例である。シーケンスQ63〜Q74の処理は、前述した図6に示すシーケンスQ45〜Q56の処理と同様の間引きステップである。
【0136】
(第3の実施形態の効果)
以上説明した第3の実施形態では、次の(H)〜(J)のような効果がある。
【0137】
(H) 大量の通信需要を検知したとき、または、基地局システム11b−1自身の負荷が高いことを検知したときに、所定の割合で通話開始要求を間引いている。これにより、大規模災害などによって突発的に大量の通信需要が発生した場合であっても、一定の確率で音声通話を行うことができる。
【0138】
(I) 基地局システム11b−1自身の負荷に応じて、通信開始要求を間引いている。これにより、基地局システム11b−1に処理可能となるよう、動的に通信開始要求を減らすことができる。
【0139】
(J) 呼制御システム30ではなく、基地局システム11b−1の負荷に応じて、通信開始要求を間引いている。これにより、一部の地域で突発的に大量の通信需要が発生した場合に、その一部地域の通信開始要求に限定して間引くことができ、影響範囲を限定することができる。
【0140】
(第4の実施形態の構成)
第4の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を蓄積して着信側の端末に通知している。第4の実施形態は、第1の実施形態とは異なり、着信側の端末に対して呼制御信号で番号を通知している。
第4の実施形態の固定電話網の構成は、図1(a)に示す第1の実施形態の固定電話網の構成と同様である。
【0141】
(第4の実施形態の動作)
図9は、第4の実施形態に於ける災害発生時の発信履歴送信処理を示すシーケンス図である。図9では、発信側の端末60a−1〜60a−3の処理部が、着信側の端末60a−4〜60a−6のいずれかに対して通話開始要求を行う。発信側の端末60a−1〜60a−3は、第1の端末である。着信側の端末60a−4〜60a−6は、第2の端末である。
【0142】
シーケンスQ80に於いて、端末60a−3の処理部は、加入者収容システム11a−1に、端末60a−6への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ81に於いて、加入者収容システム11a−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ82に於いて、呼制御システム30の処理部は、端末60a−6との間に通話処理を行い、以降、端末60a−3と端末60a−6との間で、音声通話(通常通話)が行われる。
【0143】
シーケンスQ83に於いて、端末60a−2の処理部は、加入者収容システム11a−1に、端末60a−5への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ84に於いて、加入者収容システム11a−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60a−5への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0144】
シーケンスQ85に於いて、端末60a−1の処理部は、加入者収容システム11a−1に、端末60a−4への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ86に於いて、加入者収容システム11a−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60a−4への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0145】
以降、シーケンスQ87〜Q92の処理は、着番号に対して呼制御信号で番号通知している。シーケンスQ88〜Q89の処理と、シーケンスQ91〜Q92の処理とは、発信履歴送信ステップである。
シーケンスQ87に於いて、呼制御システム30の処理部は、登録中(収容中)の固定電話の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
【0146】
シーケンスQ88に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ84に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60a−5に通話開始要求を行う。通話開始要求により、端末60a−5には、発信情報の発番号が通知される。
シーケンスQ89に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ88から所定時間が経過したと判断し、端末60a−5に切断要求を行う。この所定時間とは、通話開始要求したのち、ナンバー・ディスプレイ(登録商標)機能によって、端末60a−5に、発信側の端末60a−2の番号が通知されるまでの時間である。
【0147】
シーケンスQ90に於いて、呼制御システム30の処理部は、登録中(収容中)の固定電話の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
シーケンスQ91に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ86に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60a−4に通話開始要求を行う。通話開始要求により、端末60a−4には、発信情報の発番号が通知される。
シーケンスQ92に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ91から所定時間が経過したと判断し、端末60a−4に切断要求を行う。
【0148】
第4の実施形態の発信履歴流通システム40の処理部は、発信履歴送信ステップに於いて、第2の端末である着端末に通話開始要求を送信し、呼制御信号によって第1の端末である発端末の番号情報を送信したのちに第2の端末である着端末との回線を切断する。
【0149】
(第4の実施形態の効果)
以上説明した第4の実施形態では、次の(K)のような効果がある。
【0150】
(K) 発信履歴流通システム40は、比較的データ量の小さい発信履歴情報のうちの発番号の情報を、呼制御信号によって着信側の端末に送信している。これにより、一定の品質と帯域を保証しなければならない音声通信と比較して、必要とされる帯域を抜本的に削減することができる。更に、データ回線をサポートしていない電話端末であっても、呼制御信号によって発信履歴を送信することができる。
【0151】
(第5の実施形態の構成)
第5の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第5の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、着信側の端末60b−4〜60b−6が、発信履歴流通システム40から発信履歴を受信する。
第5の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0152】
(第5の実施形態の動作)
図10は、第5の実施形態に於ける転送システム内部での発信履歴蓄積処理を示すシーケンス図である。
【0153】
シーケンスQ100に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を、自身の記憶部に蓄積する。
【0154】
シーケンスQ101に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を、自身の記憶部に蓄積する。
【0155】
シーケンスQ102に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を、自身の記憶部に蓄積する。
【0156】
シーケンスQ103に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、前回の送信から所定時間が経過したので、自身の記憶部に蓄積されている発信情報を発信履歴流通システム40に送信し、自身の記憶部から当該発信情報を消去する。発信履歴流通システム40は、受信した発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0157】
シーケンスQ104に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を、自身の記憶部に蓄積する。
【0158】
シーケンスQ105に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、シーケンスQ103から所定時間が経過したので、蓄積されている発信情報を発信履歴流通システム40に送信し、自身の記憶部から発信情報を消去する。発信履歴流通システム40は、受信した発信情報を、自身の記憶部に蓄積する。
このようにすることで、発信履歴流通システム40は、通話開始要求ごとに蓄積するよりも処理負荷を少なくすることができる。
【0159】
図11は、第5の実施形態に於けるプル型の発信履歴の送信処理を示すシーケンス図である。ここで「プル型」とは、ユーザ(端末)からのリクエストに基いて情報を配信するサービスをいう。
シーケンスQ110〜Q113は、ユーザの位置情報の登録がトリガになる場合の発信履歴送信ステップである。
シーケンスQ110に於いて、端末60b−4の処理部は、呼制御システム30に位置情報を送信して登録または変更する。
シーケンスQ111に於いて、呼制御システム30の処理部は、位置情報登録中の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
【0160】
シーケンスQ112に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、図10のシーケンスQ103に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−4との間にデータ回線を確立する。
【0161】
シーケンスQ113に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−4に、この着番号に係る発信履歴を全て送信する。
すなわち、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ110〜Q113の発信履歴送信ステップに於いて、第2の端末である着端末から情報が送信された際に、この第2の端末に発信履歴情報を送信する。
【0162】
シーケンスQ114〜Q115は、ユーザが明示的に発信履歴を要求した場合の発信履歴送信ステップである。
シーケンスQ114に於いて、端末60b−4の処理部は、発信履歴流通システム40との間にデータ回線を確立し、明示的に発信履歴を要求する。
【0163】
シーケンスQ115に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−4に、この着番号に係る発信履歴を全て送信する。
【0164】
すなわち、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ114〜Q115の発信履歴送信ステップに於いて、第2の端末である着端末から発信履歴情報を要求された際に、この第2の端末に発信履歴情報を送信する。
【0165】
(第5の実施形態の効果)
以上説明した第5の実施形態では、次の(L)〜(N)のような効果がある。
【0166】
(L) 発信履歴流通システム40は、まとめて複数の発信履歴情報を受信して蓄積するので、通話開始要求ごとに受信して蓄積するよりも、処理負荷を少なくすることができる。
【0167】
(M) 発信履歴流通システム40は、ユーザの位置情報の登録に基き、着番号に係る発信履歴を送信している。これにより、いずれの基地局にも収容されていない端末に対して、無用のトラヒックを発生させることなく、発信履歴を送信できる。
【0168】
(N) 発信履歴流通システム40は、ユーザが明示的に発信履歴を要求したときに、着番号に係る発信履歴を送信している。これにより、いずれの基地局にも収容されていない端末に対して、無用のトラヒックを発生させることなく、発信履歴を送信できる。
【0169】
(第6の実施形態の構成)
第6の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第6の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、発信履歴流通システム40が、着信側の端末60b−4〜60b−6に、同一グループに係る発信履歴を送信する。
第6の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0170】
図12は、第6の実施形態に於ける端末グループデータベースを示す図である。
端末グループデータベース42は、グループ番号の項目と、番号「1」の項目と、番号「2」の項目と、番号「3」の項目とを有している。番号3の項目以降は省略しているが、何個の番号を登録可能としてもよい。
【0171】
同一のグループ番号に係る端末の番号は、同一のレコードに記録されている。例えば、グループ番号「12345」に属する端末の番号は、「090-XXXX-0004」、「090-XXXX-0005」、「090-XXXX-0006」である。このようなデータベースにより、端末グループを登録可能となる。
【0172】
(第6の実施形態の動作)
図13は、第6の実施形態に於ける同一グループ端末群へのプッシュ型の同報配信処理を示すシーケンス図である。ここで「プッシュ型」とは、情報が更新される毎に、システム側からユーザ(端末)に最新の情報を提供するサービスをいう。
シーケンスQ120〜Q121は、事前動作である番号登録のシーケンスである。
シーケンスQ120に於いて、端末60b−4の処理部は、発信履歴流通システム40との間にデータ回線を確立する。
シーケンスQ121に於いて、端末60b−4の処理部は、確立したデータ回線を介して、発信履歴流通システム40に、一斉同報する端末グループの電話番号を登録する。一斉同報する端末グループの電話番号とは、端末60b−4〜60b−6の電話番号である。
【0173】
シーケンスQ122〜Q130は、災害発生時のシーケンスである。
シーケンスQ122に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ123に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0174】
シーケンスQ124〜Q130は、一斉同報する端末グループに発信履歴を送信する処理である。
シーケンスQ124に於いて、呼制御システム30の処理部は、位置情報登録中の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
【0175】
シーケンスQ125に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ123に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目と一斉同報する端末グループの情報とに基き、端末60b−4との間にデータ回線を確立する。
【0176】
シーケンスQ126に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−4に、このグループの端末のいずれかを着番号とする発信履歴を、全て送信する。すなわち、端末60b−4に、このグループに係る発信履歴を全て送信する。
【0177】
シーケンスQ127に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ123に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目と一斉同報する端末グループの情報とに基き、端末60b−5との間にデータ回線を確立する。
【0178】
シーケンスQ128に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−5に、このグループの端末のいずれかを着番号とする発信履歴を、全て送信する。
【0179】
シーケンスQ129に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ123に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目と一斉同報する端末グループの情報とに基き、端末60b−6との間にデータ回線を確立する。
【0180】
シーケンスQ130に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−6に、このグループの端末のいずれかを着番号とする発信履歴を、全て送信する。
【0181】
(第6の実施形態の効果)
以上説明した第6の実施形態では、次の(O)のような効果がある。
【0182】
(O) 予め設定された同一グループ番号の端末に、一挙に発信履歴情報を送信している。これにより、例えば、家族グループ、友人グループ、または、職場グループなどのグループへの発信履歴情報をグループ内で共有し、このグループに関係する者の安否をいち早く確認することができる。
【0183】
(第7の実施形態の構成)
第7の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第7の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、同一グループ端末群に対して、プル型の同報配信処理を行う。
第7の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0184】
(第7の実施形態の動作)
図14は、第7の実施形態に於ける同一グループ端末群へのプル型の同報配信処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ150〜Q151は、事前動作である番号登録のシーケンスである。
シーケンスQ150に於いて、端末60b−4の処理部は、発信履歴流通システム40との間にデータ回線を確立する。
【0185】
シーケンスQ151に於いて、端末60b−4の処理部は、確立したデータ回線を介して、発信履歴流通システム40に、発信履歴を共有できる端末グループの電話番号を登録する。
シーケンスQ152〜Q156は、災害発生時のシーケンスである。
シーケンスQ152に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。
【0186】
シーケンスQ153に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0187】
シーケンスQ154〜Q155は、当該端末番号と指定発番号/指定着番号とが同一グループにあるか否かを確認するシーケンスであり、発信履歴送信ステップである。
シーケンスQ154に於いて、端末60b−4の処理部は、明示的にデータを要求するため、発信履歴流通システム40との間にデータ回線を確立する。
【0188】
シーケンスQ155に於いて、端末60b−4の処理部は、確立したデータ回線を介して、発信履歴流通システム40に、発番号または着番号を指定する。発信履歴流通システム40は、端末60b−4の番号と、指定された発番号または着番号とが同一グループにあるか否かを確認する。
【0189】
シーケンスQ156に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、端末60b−4と、指定された発番号または着番号とが同一グループに存在しているので、指定番号を含む端末グループに係る発信履歴を送信する。
【0190】
この発信履歴送信ステップに於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、第2の端末である端末60b−4〜60b−6のうちのいずれか1つである端末60b−4の要求に基き、端末60b−4に発信履歴情報を送信する。
(第7の実施形態の効果)
以上説明した第7の実施形態では、次の(P)のような効果がある。
【0191】
(P) 発信履歴流通システム40は、予め指定されているグループ内に限り、自端末の番号や位置を含む発信履歴を送信する。これにより、着信側の端末すべてに、自端末の番号や位置を公開することが無くなり、自端末のプライバシー情報を秘匿することができる。
【0192】
(第8の実施形態の構成)
第8の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第8の実施形態では更に、発信側の端末に対して、発信履歴の記録通知を行う。
第8の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0193】
(第8の実施形態の動作)
図15は、第8の実施形態に於ける発端末への応答処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ160に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。
【0194】
シーケンスQ161に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−4への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を、自身の記憶部に蓄積する。
【0195】
シーケンスQ162〜Q163は、蓄積ステップを実行したのち、発信履歴情報を記録した旨を、第1の端末である端末60b−3に通知する発信履歴記録通知ステップである。
シーケンスQ162に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、基地局システム11b−1に発信履歴情報記録通知(Ack:ACKnowledgement)を送信する。
【0196】
シーケンスQ163に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、端末60b−3に所定の呼制御信号によって、発信履歴情報記録通知(Ack)を送信する。端末60b−3は、液晶表示部に発信履歴情報を記録した旨(Ack表示)を表示する。
【0197】
(第8の実施形態の効果)
以上説明した第8の実施形態では、次の(Q)のような効果がある。
【0198】
(Q) 端末に、この端末からの発信情報を蓄積したことを通知している。これにより、発信履歴流通システム40は、発信側の端末のユーザの音声通話ができない不安を解消し、このユーザが繰り返し通話開始を要求することを抑止できる。
【0199】
(第9の実施形態の構成)
第9の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第9の実施形態では更に、発信側の端末に対して、データ回線を確立し、このデータ回線を介して発信履歴の記録通知を行う。
第9の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0200】
(第9の実施形態の動作)
図16は、第9の実施形態に於ける発端末への応答処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ170に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。
【0201】
シーケンスQ171に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−4への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0202】
シーケンスQ172〜Q173は、蓄積ステップを実行したのち、発信履歴情報を記録した旨を第1の端末である端末60b−3に通知する発信履歴記録通知ステップである。
シーケンスQ172に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、端末60b−3との間にデータ回線を確立する。
シーケンスQ173に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して端末60b−3に、発信履歴情報記録通知(Ack)を送信する。端末60b−3は、液晶表示部に発信履歴情報を記録した旨(Ack表示)を表示する。
【0203】
(第9の実施形態の効果)
以上説明した第9の実施形態では、次の(R)のような効果がある。
【0204】
(R) データ回線を確立して発信履歴情報記録通知(Ack)を送信するので、ペイロード(情報量)に制限のある呼制御信号によって発信履歴情報記録通知(Ack)を送信するよりも、詳細な情報を送信することができる。
【0205】
(第10の実施形態の構成)
第10の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第10の実施形態では更に、発信履歴に発信側端末の詳細位置情報を加えて、着信側の端末に通知を行う。
第10の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様であり、更に、端末60b−1〜60b−3には、GPS(Global Positioning System)装置によって自端末位置の詳細位置情報を取得する機能が搭載されている。
【0206】
図17は、第10の実施形態に於ける発信履歴データベースを示す図である。
発信履歴データベース41Aは、図4に示す発信履歴データベース41と同様に、発信履歴流通システム40の記憶部に格納されている。
【0207】
発信履歴データベース41Aは、図4に示す発信履歴データベース41とは異なり、さらに詳細位置の項目を有している。詳細位置の項目は、緯度の項目と経度の項目とを有している。この項目には、前述したGPS装置によって取得された詳細位置情報が格納される。
【0208】
(第10の実施形態の動作)
図18は、第10の実施形態に於ける発端末位置情報の履歴共有処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ180〜Q185は、発信情報を蓄積する蓄積ステップである。
【0209】
シーケンスQ180に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。この通話開始要求には、GPS装置によって取得した、端末60b−3の詳細位置情報が含まれている。
【0210】
シーケンスQ181に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−4への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0211】
シーケンスQ182に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。この通話開始要求には、GPS装置によって取得した、端末60b−2の詳細位置情報が含まれている。
【0212】
シーケンスQ183に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−5への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0213】
シーケンスQ184に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。この通話開始要求には、GPS装置によって取得した、端末60b−1の詳細位置情報が含まれている。
【0214】
シーケンスQ185に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−6への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
このシーケンスQ180〜Q185は、間引きステップに於いて送信されなかった発信履歴情報と第1の端末の詳細位置情報とを発信履歴データベース41Aに蓄積する蓄積ステップである。
【0215】
シーケンスQ186〜Q192は、同一グループに所属する端末に発信履歴を送信する発信履歴送信ステップである。
シーケンスQ186に於いて、呼制御システム30の処理部は、位置情報登録中の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
【0216】
シーケンスQ187に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ181,Q183,Q185に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−4との間にデータ回線を確立する。
【0217】
シーケンスQ188に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−4に、同一グループの端末のいずれかを宛先とする発信履歴を全て送信する。即ち、シーケンスQ181,Q183,Q185に於いて蓄積した発信履歴情報を全て送信する。当該発信履歴には、発信側の端末60b−1〜60b−3の詳細位置情報が含まれている。
【0218】
シーケンスQ189に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ181,Q183,Q185に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−5との間にデータ回線を確立する。
【0219】
シーケンスQ190に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−5に、同一グループの端末のいずれかを宛先とする発信履歴を全て送信する。即ち、シーケンスQ181,Q183,Q185に於いて蓄積した発信履歴情報を全て送信する。当該発信履歴には、発信側の端末60b−1〜60b−3の詳細位置情報が含まれている。
【0220】
シーケンスQ191に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ181,Q183,Q185に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−6との間にデータ回線を確立する。
【0221】
シーケンスQ192に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−6に、同一グループの端末のいずれかを宛先とする発信履歴を全て送信する。即ち、シーケンスQ181,Q183,Q185に於いて蓄積した発信履歴情報を全て送信する。当該発信履歴には、発信側の端末60b−1〜60b−3の詳細位置情報が含まれている。
【0222】
(第10の実施形態の効果)
以上説明した第10の実施形態では、次の(S)のような効果がある。
【0223】
(S) 発信側の端末60b−1〜60b−3は、GPS装置によって詳細位置情報を取得し、着信側の端末60b−4〜60b−6は、発信履歴に含まれた詳細位置情報を受信する。これにより、着信側の端末60b−4〜60b−6から発信者の位置を更に正確に把握可能である。
【0224】
(第11の実施形態の構成)
第11の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第11の実施形態では更に、発信履歴を蓄積したのち、データ回線を確立して発信側端末の詳細位置情報を受信する。
第11の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。更に、端末60b−1〜60b−3には、GPS装置によって自端末位置の詳細位置情報を取得する機能が搭載されている。
【0225】
(第11の実施形態の動作)
図19は、第11の実施形態に於ける発端末位置情報の履歴共有処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ200〜Q205は、発信情報の蓄積処理である。
シーケンスQ200に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。
【0226】
シーケンスQ201に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−4への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0227】
シーケンスQ202に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ203に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−5への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0228】
シーケンスQ204に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ205に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−6への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0229】
シーケンスQ206〜Q211は、詳細位置情報蓄積ステップである。
シーケンスQ206に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ201に於いて蓄積した発信情報の発番号の項目に基き、端末60b−3との間にデータ回線を確立する。
【0230】
シーケンスQ207に於いて、端末60b−3の処理部は、確立したデータ回線を介して、発信履歴流通システム40に、GPS装置によって取得した詳細位置情報を送信する。発信履歴流通システム40は、受信した詳細位置情報を、発信履歴情報と関連づけて蓄積する。
【0231】
シーケンスQ208に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ203に於いて蓄積した発信情報の発番号の項目に基き、端末60b−2との間にデータ回線を確立する。
【0232】
シーケンスQ209に於いて、端末60b−2の処理部は、確立したデータ回線を介して、発信履歴流通システム40に、GPS装置によって取得した詳細位置情報を送信する。発信履歴流通システム40は、受信した詳細位置情報を、発信履歴情報と関連づけて蓄積する。
【0233】
シーケンスQ210に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ205に於いて蓄積した発信情報の発番号の項目に基き、端末60b−1との間にデータ回線を確立する。
【0234】
シーケンスQ211に於いて、端末60b−1の処理部は、確立したデータ回線を介して、発信履歴流通システム40に、GPS装置によって取得した詳細位置情報を送信する。発信履歴流通システム40は、受信した詳細位置情報を、発信履歴情報と関連づけて蓄積する。
【0235】
このシーケンスQ206〜Q211は、第1の端末である発端末との間にデータ回線を確立し、この第1の端末から詳細位置情報を受信して発信履歴データベース41Aに蓄積する詳細位置情報蓄積ステップである。
【0236】
シーケンスQ212〜Q218は、同一グループに所属する端末に発信履歴を送信する処理である。前述した図18に示すシーケンスQ186〜Q192の処理と同様である。
【0237】
(第11の実施形態の効果)
以上説明した第11の実施形態では、次の(T)のような効果がある。
【0238】
(T) 発信履歴流通システム40は、各端末との間にデータ回線を確立して、詳細位置情報を取得している。これにより、着信側の端末は、呼制御信号のペイロードサイズの制限に縛られず、任意のペイロードサイズで詳細位置情報を取得することができる。
【0239】
(第12の実施形態の構成)
第12の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第12の実施形態では更に、発信履歴にメッセージ情報を加えて、着信側の端末に通知を行う。
第12の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。更に、発信履歴流通システム40の記憶部は、後述する図20に示す発信履歴データベース41Bとメッセージデータベース43とを記憶している。
【0240】
図20(a),(b)は、第12の実施形態に於ける発信履歴データベースとメッセージデータベースを示す図である。
【0241】
図20(a)は、第12の実施形態に於ける発信履歴データベース41Bを示す図である。図4に示す発信履歴データベース41とは異なり、更にオプション番号の項目を有している。
発信履歴データベース41のオプション番号の項目には、当該発信履歴に係るオプション番号の情報が格納されている。
【0242】
図20(b)は、第12の実施形態に於けるメッセージデータベース43を示す図である。
メッセージデータベース43は、オプション番号の項目と、メッセージの項目とを有している。
【0243】
メッセージデータベース43のオプション番号の項目には、メッセージのオプション番号が格納されている。メッセージデータベース43のメッセージの項目には、メッセージの文章が格納されている。発信履歴流通システム40の処理部は、このメッセージデータベース43によって、メッセージ番号に対応したメッセージの文章を得る。
【0244】
(第12の実施形態の動作)
図21は、第12の実施形態に於けるメッセージ付き履歴送信処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ220〜Q225は、発信情報を蓄積する蓄積ステップである。
【0245】
シーケンスQ220に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。この通話開始要求には、発信時に入力されたメッセージ番号が含まれている。
【0246】
シーケンスQ221に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−4への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0247】
シーケンスQ222に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。この通話開始要求には、発信時に入力されたメッセージ番号が含まれている。
【0248】
シーケンスQ223に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−5への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0249】
シーケンスQ224に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。この通話開始要求には、発信時に入力されたメッセージ番号が含まれている。
【0250】
シーケンスQ225に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−6への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0251】
このシーケンスQ220〜Q225の蓄積ステップに於いて、間引きステップで送信されなかった通話開始要求に係る情報と所定のメッセージ情報とを発信履歴データベース41Bに蓄積する。
【0252】
シーケンスQ226〜Q232は、同一グループに所属する端末に発信履歴を送信する処理である。
シーケンスQ226に於いて、呼制御システム30の処理部は、位置情報登録中の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
【0253】
シーケンスQ227に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ221,Q223,Q225に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−4との間にデータ回線を確立する。
【0254】
シーケンスQ228に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−4に、同一グループに係る発信履歴を全て送信する。即ち、シーケンスQ221,Q223,Q225で蓄積した発信履歴を全て送信する。当該発信履歴には、シーケンスQ220,Q222,Q224にて入力されたメッセージ番号に対応したメッセージが含まれている。
【0255】
シーケンスQ229に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ221,Q223,Q225に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−5との間にデータ回線を確立する。
【0256】
シーケンスQ230に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−5に、同一グループに係る発信履歴を全て送信する。即ち、シーケンスQ221,Q223,Q225で蓄積した発信履歴を全て送信する。当該発信履歴には、シーケンスQ220,Q222,Q224にて入力されたメッセージ番号に対応したメッセージが含まれている。
【0257】
シーケンスQ231に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ221,Q223,Q225に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−6との間にデータ回線を確立する。
【0258】
シーケンスQ232に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−6に、同一グループに係る発信履歴を全て送信する。即ち、シーケンスQ221,Q223,Q225で蓄積した発信履歴を全て送信する。当該発信履歴には、シーケンスQ220,Q222,Q224にて入力されたメッセージ番号に対応したメッセージが含まれている。
【0259】
(第12の実施形態の効果)
以上説明した第12の実施形態では、次の(U)のような効果がある。
【0260】
(U) 発信側の端末60b−1〜60b−3から発信するときに、一緒にメッセージ番号を入力するだけで、このメッセージ番号に対応したメッセージを、着信側の端末60b−4〜60b−6に送信可能である。
【0261】
(第13の実施形態の構成)
第13の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第13の実施形態では更に、同一端末からの通話開始要求を一定時間に亘って蓄積しないことで、履歴データの増大を抑止するものである。
第13の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0262】
(第13の実施形態の動作)
図22は、第13の実施形態に於ける履歴データの増大抑止処理を示すシーケンス図である。このシーケンスに於いて、基地局システム11b−1は、全ての通話開始要求を、発信履歴流通システム40に転送している。
シーケンスQ240に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。
【0263】
シーケンスQ241に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報に含まれている発番号で発信履歴データベース41を検索し、同一端末からの通話開始要求が所定期間以内に行われていたか否かを判断する。同一端末からの通話開始要求が無いと判断したので、発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0264】
シーケンスQ242に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ243に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報に含まれている発番号で発信履歴データベース41を検索し、同一端末からの通話開始要求が所定期間以内に行われていたか否かを判断する。同一端末からの通話開始要求が無いと判断したので、発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0265】
シーケンスQ244に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ245に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報に含まれている発番号で発信履歴データベース41を検索し、同一端末からの通話開始要求が所定期間以内に行われていたか否かを判断する。シーケンスQ240で端末60b−3からの通話開始要求が行われていたので、発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を破棄し、自身の記憶部に蓄積しない。
【0266】
シーケンスQ246に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ247に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報に含まれている発番号で発信履歴データベース41を検索し、同一端末からの通話開始要求が所定期間以内に行われていたか否かを判断する。同一端末からの通話開始要求が無いと判断したので、発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0267】
シーケンスQ248に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ249に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報に含まれている発番号で発信履歴データベース41を検索し、同一端末からの通話開始要求が所定期間以内に行われていたか否かを判断する。同一端末からの通話開始要求の記録はシーケンスQ241に係るものであり、所定期間が経過していると判断したので、発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0268】
(第13の実施形態の効果)
以上説明した第13の実施形態では、次の(V)のような効果がある。
【0269】
(V) 同一端末からの通信開始要求が所定期間以内に繰り返し行われた場合であっても、発信履歴流通システム40の処理部は、所定期間が経過するまで、発信履歴データベース41に蓄積しない。これにより、履歴データの増大を抑止することができる。
【0270】
(第14の実施形態の構成)
第14の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第14の実施形態では、第13の実施形態と同様に、同一端末からの通話開始要求を一定時間に亘って蓄積しないことで、履歴データの増大を抑止するものである。
第14の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0271】
(第14の実施形態の動作)
図23は、第14の実施形態に於ける履歴データの増大抑止処理を示すシーケンス図である。このシーケンスに於いて、基地局システム11b−1は、全ての通話開始要求を、発信履歴流通システム40に転送している。
【0272】
シーケンスQ250に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、定期的に発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0273】
シーケンスQ251に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を自身の記憶部に蓄積する。
【0274】
シーケンスQ252に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を自身の記憶部に蓄積する。
【0275】
シーケンスQ253に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、シーケンスQ251で端末60b−3から発信情報を受信しているので、同一端末から所定期間以内に通話開始要求が蓄積されていると判断し、自身の記憶部に蓄積しない。
【0276】
シーケンスQ254に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を自身の記憶部に蓄積する。
【0277】
シーケンスQ255に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を自身の記憶部に蓄積する。
シーケンスQ256に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、定期的に発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0278】
(第14の実施形態の効果)
以上説明した第14の実施形態では、次の(W)のような効果がある。
【0279】
(W) 同一端末からの通信開始要求が所定期間以内に繰り返し行われた場合であっても、基地局システム11b−1の処理部は、所定期間が経過するまで、発信履歴データベース41に蓄積しない。これにより、履歴データの増大を抑止することができると共に、発信履歴流通システム40の負荷を減らし、集線網110のトラヒックを減少させて輻輳を抑止することができる。
【0280】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(e)のようなものがある。
【0281】
(a) 発信履歴流通システム40は、着信側の端末が、予め定められた端末であったとき、送信された発信情報を蓄積しないように構成してもよい。これにより、通話の輻輳が発生しやすく、かつ、発信履歴を送信する必要のないチケット予約センタなどへの通話開始要求の蓄積をおこなわないことができる。
【0282】
(b) 運用管理システム50は、年末年始の元日午前0時〜2時頃など所定の時間に、所定の割合で通話開始要求を間引くように、基地局システム11b−nなどに指示してもよい。これにより、元旦の「おめでとうコール」など、特定のイベントまたは記念日による電話網の輻輳を抑止することが可能である。
【0283】
(c) 運用管理システム50は、大規模な交通機関の障害が発生したことを検知したとき、所定の割合で通話開始要求を間引くように、この障害が発生した交通機関の周辺の基地局システム11b−nに指示してもよい。これにより、交通機関の利用者の通話による電話網の輻輳を抑止することが可能である。
【0284】
(d) 運用管理システム50は、大規模なイベントの開催時間と開催場所に於いて、所定の割合で通話開始要求を間引くように、このイベントの開催場所の周辺の基地局システム11b−nに指示してもよい。これにより、大規模なイベントの参加者の通話による電話網の輻輳を抑止することが可能である。
【0285】
(e) 第1の実施形態の運用管理システム50は、外部から災害情報を受信し、災害の発生を検知する。しかし、これに限られず、運用管理システム50に地震計などの災害検知センサ機器を設けて、この災害検知センサ機器によって災害の発生を検知してもよい。
【符号の説明】
【0286】
11a−1,11a−2 加入者収容システム
11b−1,11b−2 基地局システム
12a−1,12a−2 エッジシステム
12b−1,12b−2 回線交換システム
30 呼制御システム
40 発信履歴流通システム
50 運用管理システム
60a−1〜60a−4 端末(固定電話端末)
60b−1〜60b−4 端末(携帯電話端末)
70 SMSセンタ
100 中継網
110 集線網
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話網に於いて、大規模災害などで突発的に大量の通信需要が発生した場合であっても、ユーザ間に於ける疎通を確保する通信サービス制御方法、通信サービス制御システムおよび発信履歴流通装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電話に代表されるインタラクティブ通信サービスでは、通信中に一定の帯域を確保する必要がある。そのため、通話開始の際には、発信側の端末である発端末、通信網の呼制御システム、および、着信側の端末である着端末との間で呼制御信号をやり取りして通信網上の帯域余裕を確認し、通話路および必要帯域を確保して、通信を開始する。
【0003】
図24は、比較例に於ける電話網の通常時の発呼動作を示すシーケンス図である。
比較例の電話網は、複数の携帯端末である端末60b−1,60b−4と、複数の基地局システム11b−1,11b−2と、複数の回線交換システム12b−1,12b−2と、呼制御システム30と、SMS(Short Message Service)センタ70とを有している。端末60b−1は、基地局システム11b−1に収容(接続)されている。端末60b−2は、基地局システム11b−2に収容(接続)されている。
【0004】
当該発呼動作に於ける通話の発信側は、端末60b−1である。この端末60b−1は、基地局システム11b−1に収容されており、回線交換システム12b−1を介して呼制御システム30と回線交換システム12b−2とに情報を送信可能である。以下、この明細書と図面に於いて、通話の発信側の端末のことを発端末と記載し、通話の着信側の端末のことを着端末と記載している場合がある。
【0005】
《着端末ありの場合に於ける通常動作》
着信側の端末60b−4の電源が投入され、基地局システム11b−2に収容されている場合に於ける通常動作を、以下に説明する。
通話の着信側は、端末60b−4である。この端末60b−4は、基地局システム11b−2に収容されており、回線交換システム12b−2を介して呼制御システム30と回線交換システム12b−1とに発呼要求を送信することができる。
【0006】
シーケンスQ310に於いて、端末60b−4は電源が投入されている。このとき、端末60b−4は、基地局システム11b−2と回線交換システム12b−2を介して、呼制御システム30に位置情報を送信して登録または変更する。この位置情報の登録または変更は、周期的に行われる。
【0007】
シーケンスQ311に於いて、端末60b−1は、基地局システム11b−1と回線交換システム12b−1を介して、呼制御システム30に発呼要求を送信する。呼制御システム30は、この発呼要求に係る着信側の端末60b−4を収容している基地局システム11b−2や、回線交換システム12b−2に基き、この着信側の端末60b−4の位置を策定(決定)する。
シーケンスQ312に於いて、呼制御システム30は、回線交換システム12b−1に回線設定要求を送信する。
シーケンスQ313に於いて、回線交換システム12b−1は、基地局システム11b−1を介した端末60b−1との間に音声回線を確立する。
シーケンスQ314に於いて、回線交換システム12b−1は、回線交換システム12b−2との間に音声回線を確立する。
シーケンスQ315に於いて、回線交換システム12b−2は、基地局システム11b−2を介した端末60b−4との間に音声回線を確立する。
以降、端末60b−1と端末60b−4との間で、音声通話が行われる。この動作により、着信側の端末60b−4がいずれかに収容されている場合には音声通話が可能である。
この音声通話が切断されたのち、端末60b−4の電源がオフされて、基地局システム11b−2は、端末60b−4を収容しない状態となる。
【0008】
《着端末なしの場合に於ける通常動作》
着信側の端末60b−4の電源がオフされ、収容されていない場合に於ける通常動作を、以下に説明する。
シーケンスQ320に於いて、端末60b−1は、基地局システム11b−1と回線交換システム12b−1を介して、呼制御システム30に発呼要求を送信する。このとき、端末60b−4の電源がオフされているので、呼制御システム30は、この発呼要求に係る着信側の端末60b−4が、いずれにも収容されていないことを検出する。
シーケンスQ321に於いて、呼制御システム30は、SMSセンタ70に、着信履歴保持の要求を送信する。SMSセンタ70は、送信された着信履歴を保持する。
その後、着信側の端末60b−4は電源が投入されることによって、ふたたび基地局システム11b−2に収容される。
シーケンスQ322に於いて、端末60b−4は、呼制御システム30に位置情報を送信して登録または変更する。
【0009】
シーケンスQ323に於いて、呼制御システム30は、SMSセンタ70に、登録中の番号リストを送付する。着信履歴を保持しているSMSセンタ70は、この登録中の番号リストと着信履歴とを照合し、まだ着信履歴を送付していない着信側の端末60b−4を検出する。
シーケンスQ324に於いて、SMSセンタ70は、着信側の端末60b−4との間にデータ回線を確立する。
シーケンスQ325に於いて、SMSセンタ70は、着信側の端末60b−4に着信履歴を転送し、図24の処理を終了する。
【0010】
この動作により、SMSセンタ70は、通話の宛先である着信側の端末60b−4が、いずれの基地局システムにも収容されていないときには着信履歴を保持し、かつ、この端末60b−4がいずれかの基地局システムに収容されたときには、保持していた着信履歴を転送することが可能である。
【0011】
地震などの大規模災害が発生した場合に、上記のような電話網に於いて、安否確認などを目的に多数のユーザが高頻度で発呼する。これにより通信需要は突発的に増大し、呼制御システムの処理能力や、電話網の提供帯域を上回る輻輳が発生する場合がある。このため、電話網は、大規模災害のときに、呼制御信号の通信を規制する通話規制などを行うことで、重要通信の疎通を確保しつつ、過剰な呼制御信号や通話データから網設備を保護している。
【0012】
図25は、比較例に於ける電話網の災害発生時の発呼動作を示すシーケンス図である。図25の電話網は、図24に示す電話網と同様の構成を有し、更に基地局システム11b−2と端末60b−4とは、大規模災害による被災地域に位置している。大規模災害とは、例えば地震などである。
【0013】
この大規模災害により、過剰な呼制御情報や通話データから網設備を保護するため、複数の基地局システム11b−1,11b−2と、複数の回線交換システム12b−1,12b−2と、呼制御システム30には通話規制が掛っており、受信したコマンドなどを転送しないようになっている。
【0014】
シーケンスQ330に於いて、端末60b−1は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。しかし、基地局システム11b−1には通話規制が掛っているため、他の電話網の設備には、この通話開始要求を転送しない。
【0015】
シーケンスQ331に於いて、端末60b−4は、基地局システム11b−2に発呼要求を送信する。しかし、基地局システム11b−2には通話規制が掛っているため、他の電話網の設備には、この通話開始要求を転送しない。このようにして、比較例の電話網は、過剰な呼制御情報から、網設備を保護している。
非特許文献1には、災害のときには、重要通信などを確保すると共に、サービスを早期に復旧させるという発明が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】大山孝、酒井孝次、高木洋一郎、齊藤景一、本庄克彦、「NTTグループの危機管理・防災ソリューションとR&Dの取り組み」、NTT技術ジャーナル、2008年9月1日、20巻、9号、8〜12頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
図25に示すように、電話網は、通話規制によって、過剰な呼制御情報や通話データから網設備を保護することができる。しかし、この通話規制によって同時に、被災地内外からの安否確認、生存応答、救援要請などの重要な通話が規制され、ライフラインとしての機能を充分に果たせなくなる虞がある。
【0018】
既に、災害用伝言ダイヤル、伝言板サービスなどは、災害時の疎通確保に一定の効果を上げている。しかし、特別なダイヤル操作によることなく、各利用者が着端末への通常の通話行為を実施する中で、安否確認や生存応答が可能であることが望ましい。
【0019】
本発明は、大規模災害に代表される大規模事象、または、突発的に想定外の通信需要が発生した場合、着端末への通常の通話動作により、着端末に安否確認情報を伝達することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数の端末に通信サービスを提供する通信サービス制御システムが実行する通信サービス制御方法であって、所定の蓄積条件を検知した際に、第1の端末からの通話開始要求を間引いて第2の端末に転送する間引きステップと、前記間引きステップに於いて転送されなかった通話開始要求に係る発信情報を発信履歴データベースに蓄積する蓄積ステップと、前記発信履歴データベースに基き、前記第2の端末への前記発信情報の履歴である発信履歴情報を、前記第2の端末に送信する発信履歴送信ステップと、を実行することを特徴とする通信サービス制御方法とした。
【0021】
請求項16に記載の発明は、処理部と記憶部とを有する発信履歴流通装置であって、前記処理部は、第1の端末からの発信履歴情報を受信したとき、前記記憶部に蓄積する蓄積ステップと、前記記憶部に蓄積された前記発信履歴情報を、前記発信履歴情報の着番号に係る第2の端末に送信する発信履歴送信ステップと、を実行することを特徴とする発信履歴流通装置とした。
【0022】
このようにすることで、本発明によれば、突発的に大量の通信需要が発生した場合であっても、一定の確率で音声通話を行うことができる。着信側の端末に、安否確認と生存応答情報とを伝達することができる。発信履歴情報は、比較的データ量が小さいので、必要とされる帯域を抜本的に削減し、電話網の輻輳を防止することができる。過剰な呼制御信号や通話データ量から網設備を保護することができる。
【0023】
請求項2に記載の発明は、前記所定の蓄積条件とは、所定の災害を検知したこと、所定の事故を検知したこと、所定のイベントが開催されたこと、所定の期間であること、単位時間あたりの通話開始要求数が閾値を超えたこと、収容中の回線数が閾値を超えたこと、プロセッサ使用率が閾値を超えたこと、メモリ使用率が閾値を超えたこと、のいずれかを含んでいる、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0024】
このようにすることで、本発明によれば、大規模災害に代表される大規模事象、または、突発的に想定外の通信需要が発生した場合を検知し、着端末への通常の通話動作により着端末に安否確認情報を伝達するトリガとすることができる。
【0025】
請求項3に記載の発明は、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末との間にデータ回線を確立し、前記第2の端末に前記発信履歴情報を送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0026】
請求項17に記載の発明は、前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末との間にデータ通信を確立し、前記第2の端末に前記発信履歴情報を送信する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0027】
このようにすることで、本発明によれば、比較的データ量の小さい発信履歴情報を、データ通信によって着信側の端末に送信している。これにより、一定の品質と帯域を保証しなければならない音声通信と比較して、必要とされる帯域を抜本的に削減し、電話網の輻輳を防止することができる。
【0028】
請求項4に記載の発明は、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末に通話開始要求を送信し、呼制御信号によって前記第1の端末の番号情報を送信したのちに前記第2の端末との回線を切断する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0029】
請求項18に記載の発明は、前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末に通話開始要求を送信して、呼制御信号によって前記第1の端末の番号情報を送信したのちに前記第2の端末との回線を切断する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0030】
このようにすることで、本発明によれば、発番号を、呼制御信号によって着信側の端末に送信している。これにより、一定の品質と帯域を保証しなければならない音声通信と比較して、必要とされる帯域を抜本的に削減することができる。
【0031】
請求項5に記載の発明は、前記通信サービス制御システムは、端末との間で情報を相互に送受信する転送システムと、前記転送システムとの間で、呼制御を実行する呼制御システムと、発信履歴流通システムと、を有し、前記転送システムが前記間引きステップを実行し、前記発信履歴流通システムが、前記蓄積ステップを実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0032】
このようにすることで、本発明によれば、発信履歴流通システムが、蓄積ステップを実行している。これにより、電話網の転送システムに対して間引きステップを実行する機能を付加し、かつ、この転送システムを発信履歴流通システムに組み合わせることで、本発明を実現することができる。
【0033】
請求項6に記載の発明は、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末から情報が送信された際、または、前記第2の端末から前記発信履歴情報を要求された際に、前記第2の端末に前記発信履歴情報を送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0034】
請求項19に記載の発明は、前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末から情報が送信された際、または、前記第2の端末から前記発信履歴情報を要求された際に、前記第2の端末に通話開始要求に係る情報を転送する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0035】
このようにすることで、本発明によれば、ユーザの位置情報の登録、または、ユーザによる明示的に発信履歴の要求により、着番号に係る発信履歴を送信している。これにより、いずれの基地局にも収容されていない端末に、無用のトラヒックを発生させることなく、発信履歴を送信できる。
【0036】
請求項7に記載の発明は、前記第2の端末とは、予め番号登録された複数の端末である、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0037】
請求項20に記載の発明は、前記第2の端末とは、予め前記記憶部に番号が登録された複数の端末である、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0038】
このようにすることで、本発明によれば、例えば、家族グループ、友人グループ、または、職場グループなどのグループへの発信履歴情報をグループ内で共有し、このグループに関係する者の安否をいち早く確認することができる。
【0039】
請求項8に記載の発明は、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末のうちのいずれか1つの端末の要求に基き、前記要求した端末に前記発信履歴情報を送信する、ことを特徴とする請求項7に記載の通信サービス制御方法とした。
【0040】
請求項21に記載の発明は、前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、前記第2の端末のうちのいずれか1つの端末の要求に基き、前記要求した端末に通話開始要求に係る情報を転送する、ことを特徴とする請求項20に記載の発信履歴流通装置とした。
【0041】
このようにすることで、本発明によれば、予め指定されているグループ内に限り、自端末の番号や位置を含む発信履歴を送信する。これにより、着信側の端末すべてに、自端末の番号や位置を公開することが無くなり、自端末のプライバシー情報を秘匿することができる。
【0042】
請求項9に記載の発明は、前記蓄積ステップを実行したのち、前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する発信履歴記録通知ステップを実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0043】
請求項22に記載の発明は、前記処理部が、前記蓄積ステップを実行したのち、前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する発信履歴記録通知ステップを実行する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0044】
このようにすることで、本発明によれば、端末に、この端末からの発信情報を蓄積したこと、を通知している。これにより、発信側の端末のユーザの音声通話ができない不安を解消して、繰り返し通話開始を要求することを抑止できる。
【0045】
請求項10に記載の発明は、前記発信履歴記録通知ステップに於いて、呼制御信号によって、または、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、このデータ回線を介して、前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する、ことを特徴とする請求項9に記載の通信サービス制御方法とした。
【0046】
請求項23に記載の発明は、前記処理部が、前記発信履歴記録通知ステップに於いて、呼制御信号によって、または、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、このデータ回線を介して、前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する、ことを特徴とする請求項22に記載の発信履歴流通装置とした。
【0047】
このようにすることで、本発明によれば、データ回線を確立して発信履歴情報記録通知を送信するので、ペイロード(情報量)に制限のある呼制御信号によって発信履歴情報記録通知を送信するよりも、詳細な情報を送信することができる。
【0048】
請求項11に記載の発明は、前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップで送信されなかった前記発信履歴情報と前記第1の端末の詳細位置情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0049】
請求項24に記載の発明は、前記処理部が、前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップで送信されなかった前記発信履歴情報と前記第1の端末の詳細位置情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0050】
このようにすることで、本発明によれば、着信側の端末は、発信者の詳細位置情報(GPS(Global Positioning System)情報など)により、着信側である第2の端末から、発信者の位置を更に正確に把握可能である。
【0051】
請求項12に記載の発明は、前記処理部が、前記蓄積ステップの後に、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、前記第1の端末から詳細位置情報を受信して前記発信履歴データベースに蓄積する詳細位置情報蓄積ステップを実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0052】
請求項25に記載の発明は、前記処理部が、前記蓄積ステップの後に、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、前記第1の端末から詳細位置情報を受信して前記発信履歴データベースに蓄積する詳細位置情報蓄積ステップを実行する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0053】
このようにすることで、本発明によれば、各端末との間にデータ回線を確立して、詳細位置情報を取得している。これにより、着信側である第2の端末は、呼制御信号のペイロードサイズの制限に縛られず、任意のペイロードサイズで詳細位置情報を取得することができる。
【0054】
請求項13に記載の発明は、前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップに於いて送信されなかった通話開始要求に係る情報と所定のメッセージ情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0055】
請求項26に記載の発明は、前記処理部が、前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップに於いて送信されなかった通話開始要求に係る情報と所定のメッセージ情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0056】
このようにすることで、本発明によれば、発信側の第1の端末から発信するとき、一緒にメッセージ番号を入力するだけで、このメッセージ番号に対応したメッセージ情報を着信側の第2の端末に送信可能である。
【0057】
請求項14に記載の発明は、前記蓄積ステップに於いて、所定時間内に同一の端末からの通信開始要求が繰り返されたとき、当該繰り返された通信開始要求を蓄積しない、ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法とした。
【0058】
請求項27に記載の発明は、前記処理部が、前記蓄積ステップに於いて、所定時間内に同一の端末からの通信開始要求が繰り返されたとき、当該繰り返された通信開始要求を蓄積しない、ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置とした。
【0059】
このようにすることで、本発明によれば、同一の第1の端末からの通信開始要求が所定期間以内に繰り返し行われた場合であっても、所定期間が経過するまで発信履歴データベースに蓄積しない。これにより、履歴データの増大を抑止することができる。
【0060】
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の通信サービス制御方法を実行する、ことを特徴とする通信サービス制御システムとした。
【0061】
このようにすることで、本発明によれば、上記通信サービス制御方法を通信サービス制御システムに実行させることができる。
【発明の効果】
【0062】
本発明によれば、大規模災害に代表される大規模事象、または、突発的に想定外の通信需要が発生した場合、着端末への通常の通話動作により、着端末に安否確認情報を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1の実施形態に於ける電話網を示す概略の構成図である。
【図2】第1の実施形態に於ける発信履歴の蓄積開始処理を示すシーケンス図である。
【図3】第1の実施形態に於ける災害発生時の発信履歴蓄積処理を示すシーケンス図である。
【図4】第1の実施形態に於ける発信履歴データベースを示す図である。
【図5】第1の実施形態に於ける災害発生時の発信履歴送信処理を示すシーケンス図である。
【図6】第2の実施形態に於ける発信履歴の蓄積開始処理を示すシーケンス図である。
【図7】第2の実施形態に於ける発信履歴の記録開始トリガと制御レベルを示す図である。
【図8】第3の実施形態に於ける発信履歴の蓄積開始処理を示すシーケンス図である。
【図9】第4の実施形態に於ける災害発生時の発信履歴送信処理を示すシーケンス図である。
【図10】第5の実施形態に於ける転送システム内部での発信履歴蓄積処理を示すシーケンス図である。
【図11】第5の実施形態に於けるプル型の発信履歴の送信処理を示すシーケンス図である。
【図12】第6の実施形態に於ける端末グループデータベースを示す図である。
【図13】第6の実施形態に於ける同一グループ端末群へのプッシュ型の同報配信処理を示すシーケンス図である。
【図14】第7の実施形態に於ける同一グループ端末群へのプル型の同報配信処理を示すシーケンス図である。
【図15】第8の実施形態に於ける発端末への応答処理を示すシーケンス図である。
【図16】第9の実施形態に於ける発端末への応答処理を示すシーケンス図である。
【図17】第10の実施形態に於ける発信履歴データベースを示す図である。
【図18】第10の実施形態に於ける発端末位置情報の履歴共有処理を示すシーケンス図である。
【図19】第11の実施形態に於ける発端末位置情報の履歴共有処理を示すシーケンス図である。
【図20】第12の実施形態に於ける発信履歴データベースとメッセージデータベースを示す図である。
【図21】第12の実施形態に於けるメッセージ付き履歴送信処理を示すシーケンス図である。
【図22】第13の実施形態に於ける履歴データの増大抑止処理を示すシーケンス図である。
【図23】第14の実施形態に於ける履歴データの増大抑止処理を示すシーケンス図である。
【図24】比較例に於ける電話網の通常時の発呼動作を示すシーケンス図である。
【図25】比較例に於ける電話網の災害発生時の発呼動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以降、本発明を実施するための形態を、図を参照して詳細に説明する。
【0065】
(第1の実施形態の構成)
図1(a),(b)は、第1の実施形態に於ける電話網を示す概略の構成図である。
【0066】
図1(a)は、固定電話網の概略の構成例を示す図である。
第1の実施形態の固定電話網は、固定電話である複数の端末60a−1,60a−4と、転送システム10aと、呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とを有している。端末60a−1,60a−4は、転送システム10aに収容されている。呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とは、転送システム10aに接続されている。第1の実施形態の固定電話網は、複数の端末60a−1,60a−4に通信サービスを提供する通信サービス制御システムである。
【0067】
複数の端末60a−1,60a−4は、例えば、ナンバー・ディスプレイ(登録商標)機能付の固定電話である。端末60a−1は、通話の発信側であるため、図面では、「発端末」と記載されている。端末60a−4は、通話の着信側であるため、図面では、「着端末」と記載されている。
【0068】
呼制御システム30は、図示しない記憶部と、処理部と、通信部とを有する装置であり、例えば端末60a−1の発呼信号を受け、転送システム10aとの間で、呼制御を実行する。
【0069】
発信履歴流通システム40は、図示しない記憶部と、処理部と、通信部とを有する装置である。発信履歴流通システム40は、記憶部に、様々なデータベースを記憶すると共に、通話開始要求に係る発信履歴情報を蓄積する。
【0070】
運用管理システム50は、図示しない記憶部と、処理部と、通信部とを有する装置である。運用管理システム50は、所定の蓄積条件を検知した際に、通話開始要求を間引くように指示する。
【0071】
転送システム10aは、端末60a−1と端末60a−4との間で、情報を相互に転送する。転送システム10aは、複数の加入者収容システム11a−1,11a−2と、集線網110と、複数のエッジシステム12a−1,12a−2とを有している。
【0072】
加入者収容システム11a−1は、端末60a−1を収容し、集線網110を介してエッジシステム12a−1に接続されている。加入者収容システム11a−2は、端末60a−2を収容し、集線網110を介してエッジシステム12a−2に接続されている。
【0073】
エッジシステム12a−1は、中継網100を介してエッジシステム12a−2に接続されている。エッジシステム12a−1,12a−2は、中継網100を介して呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とに接続されている。
【0074】
図1(b)は、携帯電話網の概略の構成例を示す図である。
第1の実施形態の携帯電話網は、携帯電話である複数の端末60b−1,60b−4と、転送システム10bと、呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とが接続されている。端末60b−1,60b−4は、電源が投入され、かつ、転送システム10bのいずれかの基地局システム11b−n(nは自然数)の電波が届いているとき、この転送システム10bに収容されている。呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とは、転送システム10bに接続されている。
【0075】
複数の端末60b−1,60b−4は、例えば、液晶表示部を有するデータ通信機能付の携帯電話である。端末60b−1は、通話の発信側であるため、図面では、「発端末」と記載されている。端末60b−4は、通話の着信側であるため、図面では、「着端末」と記載されている。
【0076】
呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とは、図1(a)に示す呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50と同様の構成を有している。呼制御システム30は、例えば端末60b−1の発呼信号を受け、転送システム10bとの間で、呼制御を実行する。
【0077】
転送システム10bは、端末60b−1と端末60b−4との間で、情報を相互に転送する。転送システム10bは、複数の基地局システム11b−1,11b−2と、集線網110と、複数の回線交換システム12b−1,12b−2とを有している。
【0078】
基地局システム11b−1は、端末60b−1を収容し、集線網110を介して回線交換システム12b−1に接続されている。基地局システム11b−2は、端末60b−2を収容し、集線網110を介して回線交換システム12b−2に接続されている。
【0079】
回線交換システム12b−1は、中継網100を介して回線交換システム12b−2に接続されている。回線交換システム12b−1,12b−2は、中継網100を介して呼制御システム30と、発信履歴流通システム40と、運用管理システム50とに接続されている。
なお、この固定電話網と携帯電話網とは、中継網100を介して相互に音声通話が可能である。
【0080】
(第1の実施形態の動作)
図2は、第1の実施形態に於ける発信履歴の蓄積開始処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ10に於いて、運用管理システム50の通信部は、外部から災害情報を受信し、災害の発生を検知する。災害の発生は、所定の蓄積条件のひとつである。
【0081】
シーケンスQ11に於いて、運用管理システム50の処理部は、通信部によって、基地局システム11b−1に、例えば、通話と蓄積との比率を1対1にするよう指示する。以降、基地局システム11b−1は、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を1対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分ける。
【0082】
第1の実施形態の運用管理システム50の処理部は、大規模災害の発生を検知したならば、所定の割合で通話開始要求を間引いている。これにより、大規模災害によって突発的に大量の通信需要が発生した場合であっても、一定の確率で音声通話を行うことができる。
【0083】
シーケンスQ12〜Q19は、基地局システム11b−1が、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を1対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分けている例である。このシーケンスQ12〜Q19は、第1の端末である端末60b−1〜60b−3からの通話開始要求を間引いて、図示しない着信側の第2の端末に転送する間引きステップである。
シーケンスQ12に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ13に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
【0084】
シーケンスQ14に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ15に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0085】
シーケンスQ16に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ17に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
【0086】
シーケンスQ18に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ19に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
このように、基地局システム11b−1は、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を1対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分けている。
【0087】
シーケンスQ15,Q17は、間引きステップに於いて転送されなかった通話開始要求に係る発信情報を、発信履歴流通システム40の記憶部に格納されている発信履歴データベース41(図4)に蓄積する蓄積ステップである。
【0088】
図3は、第1の実施形態に於ける災害発生時の発信履歴蓄積処理を示すシーケンス図である。以下の図面では、発信側の端末60b−1〜60b−3の処理部が、着信側の第2の端末のいずれかに対して通話開始要求を行う。発信側の端末60b−1〜60b−3は、第1の端末である。着信側の端末60b−4〜60b−6は、第2の端末である。
【0089】
シーケンスQ20に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ21に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ22に於いて、呼制御システム30の処理部は、端末60b−4との間に通話処理を行い、以降、端末60b−3と端末60b−4との間で、音声通話(通常通話)が行われる。
【0090】
シーケンスQ23に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ24に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0091】
シーケンスQ25に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ26に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ27に於いて、呼制御システム30の処理部は、端末60b−5との間に通話処理を行い、以降、端末60b−1と端末60b−5との間で、音声通話(通常通話)が行われる。
【0092】
シーケンスQ28に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ29に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0093】
このようにして、災害発生のときに、基地局システム11b−1は、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を1対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分けている。このシーケンスQ20〜Q29は、第1の端末である端末60b−1〜60b−3からの通話開始要求を間引いて第2の端末である端末60b−4〜60b−6に転送する間引きステップである。
【0094】
発信履歴流通システム40に振り分けた発信履歴は、記憶部に蓄積される。シーケンスQ24,Q29は、間引きステップに於いて転送されなかった通話開始要求に係る発信情報を発信履歴データベース41に蓄積する蓄積ステップである。
【0095】
図4は、第1の実施形態に於ける発信履歴データベースを示す図である。以下、図面では、データベースのことを「DB」と表記している場合がある。
発信履歴データベース41は、着番号の項目と、発番号の項目と、時間の項目と、位置の項目とを有している。
着番号の項目は、着信側の端末に係る電話番号の情報が格納されている。
発番号の項目は、発信側の端末に係る電話番号の情報が格納されている。
時間の項目は、発信側の端末が通話開始要求を送信した時間の情報が格納されている。
位置の項目は、この発信側の端末を収容している基地局システムの名称(情報)が格納されている。
【0096】
図5は、第1の実施形態に於ける災害発生時の発信履歴送信処理を示すシーケンス図である。
【0097】
シーケンスQ30に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ31に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0098】
シーケンスQ32に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ33に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0099】
このシーケンスQ31,Q33は、間引きステップに於いて転送されなかった通話開始要求に係る発信情報を発信履歴データベース41に蓄積する蓄積ステップである。
【0100】
シーケンスQ34〜Q38は、第2の端末である着端末に、この着端末に係る発信履歴を送信する発信履歴送信ステップである。この発信履歴情報は、第2の端末である着端末への発信情報の履歴であり、発信履歴データベース41(図4)に基いて作成される。
シーケンスQ34に於いて、呼制御システム30の処理部は、位置情報登録中の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
【0101】
シーケンスQ35に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ33に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−5との間にデータ回線を確立する。
【0102】
シーケンスQ36に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−5に、この着番号に係る発信履歴を全て送信する。
【0103】
シーケンスQ37に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ31に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−6との間にデータ回線を確立する。
【0104】
シーケンスQ38に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−6に、この着番号に係る発信履歴を全て送信する。
【0105】
第1の実施形態の発信履歴送信ステップに於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、第2の端末である着端末との間にデータ回線を確立し、第2の端末である着端末に発信履歴情報を送信している。
【0106】
(第1の実施形態の効果)
以上説明した第1の実施形態では、次の(A)〜(D)のような効果がある。
【0107】
(A) 大規模災害の発生を検知したならば、所定の割合で通話開始要求を間引いている。これにより、大規模災害によって突発的に大量の通信需要が発生した場合であっても、一定の確率で音声通話を行うことができる。
【0108】
(B) 間引かれた通信開始要求の発生時間や発生位置などである発信履歴情報を、着信側の端末に伝達している。これにより、着信側の端末に、安否確認と生存応答情報とを伝達することができる。
【0109】
(C) 比較的データ量の小さい発信履歴情報を、データ通信によって着信側の端末に送信している。これにより、一定の品質と帯域を保証しなければならない音声通信と比較して、必要とされる帯域を削減し、電話網の輻輳を防止することができる。
【0110】
(D) 高頻度で発生する通話開始要求の一部を、呼の詳細な状態管理を行わず、比較的負荷の軽い蓄積型機能によって蓄積して転送している。これにより、大規模災害などの非常時に於いても負荷を平準化し、過剰な呼制御信号や通話データ量から網設備を保護することができる。
【0111】
(第2の実施形態の構成)
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴の蓄積開始を行うものである。第2の実施形態は、第1の実施形態とは異なり、運用監視システム50の災害確認を、発信履歴の蓄積開始処理のトリガとしている。
第2の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0112】
(第2の実施形態の動作)
図6は、第2の実施形態に於ける発信履歴の蓄積開始処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ40に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ41に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
【0113】
シーケンスQ42に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ43に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30の処理部は通話処理を行う。このとき、呼制御システム30の処理部は、単位時間あたり通話開始要求数が閾値1を超過したことを判定する。しかし、これに限られず、自らのプロセッサ使用率、自らのメモリ使用率、または、収容中回線数を判定対象としてもよい。
【0114】
シーケンスQ44に於いて、呼制御システム30の処理部は、通信部によって、基地局システム11b−1に、例えば、通話と蓄積との比率を2対1にするよう指示する。以降、基地局システム11b−1は、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を2対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分ける。
【0115】
シーケンスQ45〜Q56は、基地局システム11b−1が、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を2対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分けている例である。シーケンスQ45〜Q56は、間引きステップである。
【0116】
シーケンスQ45に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ46に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
シーケンスQ47に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ48に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
シーケンスQ49に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ50に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
【0117】
シーケンスQ51に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ52に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
シーケンスQ53に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ54に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
シーケンスQ55に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ56に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
【0118】
図7(a)〜(d)は、第2の実施形態に於ける発信履歴の記録開始トリガと制御レベルを示す図である。
【0119】
図7(a)は、プロセッサ使用率を示す図である。縦軸は呼制御システム30のプロセッサ使用率を示している。横軸は時間を示している。
呼制御システム30が、プロセッサ使用率を基準に発信履歴を振り分けている場合を考える。
【0120】
呼制御システム30は、プロセッサ使用率が閾値1以上かつ閾値2未満ならば、通話と蓄積の比率が2対1になるように通話開始要求を振り分ける。プロセッサ使用率が閾値2以上であったならば、通話と蓄積との比率が1対2になるように通話開始要求を振り分ける。プロセッサ使用率が閾値1未満ならば、全ての通話開始要求に対して、着信側の端末との音声通話(通常通話)の確立処理を行う。
【0121】
図7(b)は、メモリ使用率を示す図である。縦軸は呼制御システム30のメモリ使用率を示している。横軸は時間を示している。
呼制御システム30が、メモリ使用率を基準に発信履歴を振り分けている場合を考える。
【0122】
呼制御システム30は、メモリ使用率が閾値1以上かつ閾値2未満ならば、通話と蓄積の比率が2対1になるように通話開始要求を振り分ける。メモリ使用率が閾値2以上であったならば、通話と蓄積との比率が1対2になるように通話開始要求を振り分ける。メモリ使用率が閾値1未満ならば、全ての通話開始要求に対して、着信側の端末との音声通話(通常通話)を行う。
【0123】
図7(c)は、単位時間あたり通信開始要求数を示す図である。縦軸は呼制御システム30が受信した単位時間あたりの通信開始要求数を示している。横軸は時間を示している。
呼制御システム30が、単位時間あたり通信開始要求数を基準に発信履歴を振り分けている場合を考える。
【0124】
呼制御システム30は、単位時間あたり通信開始要求数が閾値1以上かつ閾値2未満ならば、通話と蓄積の比率が2対1になるように通話開始要求を振り分ける。単位時間あたり通信開始要求数が閾値2以上であったならば、通話と蓄積との比率が1対2になるように通話開始要求を振り分ける。単位時間あたり通信開始要求数が閾値1未満ならば、全ての通話開始要求に対して、着信側の端末との音声通話(通常通話)を行う。
【0125】
図7(d)は、収容中回線数を示す図である。縦軸は呼制御システム30が収容中の回線の数を示している。横軸は時間を示している。
呼制御システム30が、収容中回線数を基準に発信履歴を振り分けている場合を考える。
【0126】
呼制御システム30は、収容中回線数が閾値1以上かつ閾値2未満ならば、通話と蓄積の比率が2対1になるように通話開始要求を振り分ける。収容中回線数が閾値2以上であったならば、通話と蓄積との比率が1対2になるように通話開始要求を振り分ける。収容中回線数が閾値1未満ならば、全ての通話開始要求に対して、着信側の端末との音声通話(通常通話)を行う。
【0127】
(第2の実施形態の効果)
以上説明した第2の実施形態では、次の(E)〜(G)のような効果がある。
【0128】
(E) 呼制御システム30は、大量の通信需要を検知したとき、または、呼制御システム30自身の負荷が高いことを検知したときに、所定の割合で通話開始要求を間引いている。これにより、大規模災害によって突発的に大量の通信需要が発生した場合であっても、一定の確率で音声通話を行うことができる。
【0129】
(F) 呼制御システム30は、単位時間あたり通信開始要求数、または、収容中回線数など、通信需要の量(数)に応じて、通信開始要求を間引いている。これにより、音声通話数を適切な値に抑えることが可能である。
【0130】
(G) 呼制御システム30は、呼制御システム30自身の負荷に応じて、通信開始要求を間引いている。これにより、呼制御システム30に処理可能となるよう、動的に通信開始要求を減らすことができる。
【0131】
(第3の実施形態の構成)
第3の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴の蓄積開始を行うものである。第3の実施形態は、第1の実施形態とは異なり、基地局システムの閾値超過判定を発信履歴の蓄積開始処理のトリガとしている。
第3の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0132】
(第3の実施形態の動作)
【0133】
図8は、第3の実施形態に於ける発信履歴の蓄積開始処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ60に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ61に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信し、呼制御システム30は通話処理を行う。
【0134】
シーケンスQ62に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、単位時間あたり通話開始要求数が閾値1を超過したことを判定する。以降、基地局システム11b−1は、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を2対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分ける。しかし、これに限られず、自らのプロセッサ使用率、自らのメモリ使用率、または、収容中回線数を判定対象としてもよい。
【0135】
シーケンスQ63〜Q74は、基地局システム11b−1が、通話開始要求を受信するたびに、通話と蓄積との比率を2対1になるように、呼制御システム30と発信履歴流通システム40とに振り分けている例である。シーケンスQ63〜Q74の処理は、前述した図6に示すシーケンスQ45〜Q56の処理と同様の間引きステップである。
【0136】
(第3の実施形態の効果)
以上説明した第3の実施形態では、次の(H)〜(J)のような効果がある。
【0137】
(H) 大量の通信需要を検知したとき、または、基地局システム11b−1自身の負荷が高いことを検知したときに、所定の割合で通話開始要求を間引いている。これにより、大規模災害などによって突発的に大量の通信需要が発生した場合であっても、一定の確率で音声通話を行うことができる。
【0138】
(I) 基地局システム11b−1自身の負荷に応じて、通信開始要求を間引いている。これにより、基地局システム11b−1に処理可能となるよう、動的に通信開始要求を減らすことができる。
【0139】
(J) 呼制御システム30ではなく、基地局システム11b−1の負荷に応じて、通信開始要求を間引いている。これにより、一部の地域で突発的に大量の通信需要が発生した場合に、その一部地域の通信開始要求に限定して間引くことができ、影響範囲を限定することができる。
【0140】
(第4の実施形態の構成)
第4の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を蓄積して着信側の端末に通知している。第4の実施形態は、第1の実施形態とは異なり、着信側の端末に対して呼制御信号で番号を通知している。
第4の実施形態の固定電話網の構成は、図1(a)に示す第1の実施形態の固定電話網の構成と同様である。
【0141】
(第4の実施形態の動作)
図9は、第4の実施形態に於ける災害発生時の発信履歴送信処理を示すシーケンス図である。図9では、発信側の端末60a−1〜60a−3の処理部が、着信側の端末60a−4〜60a−6のいずれかに対して通話開始要求を行う。発信側の端末60a−1〜60a−3は、第1の端末である。着信側の端末60a−4〜60a−6は、第2の端末である。
【0142】
シーケンスQ80に於いて、端末60a−3の処理部は、加入者収容システム11a−1に、端末60a−6への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ81に於いて、加入者収容システム11a−1の処理部は、呼制御システム30に通話開始要求を送信する。
シーケンスQ82に於いて、呼制御システム30の処理部は、端末60a−6との間に通話処理を行い、以降、端末60a−3と端末60a−6との間で、音声通話(通常通話)が行われる。
【0143】
シーケンスQ83に於いて、端末60a−2の処理部は、加入者収容システム11a−1に、端末60a−5への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ84に於いて、加入者収容システム11a−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60a−5への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0144】
シーケンスQ85に於いて、端末60a−1の処理部は、加入者収容システム11a−1に、端末60a−4への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ86に於いて、加入者収容システム11a−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60a−4への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0145】
以降、シーケンスQ87〜Q92の処理は、着番号に対して呼制御信号で番号通知している。シーケンスQ88〜Q89の処理と、シーケンスQ91〜Q92の処理とは、発信履歴送信ステップである。
シーケンスQ87に於いて、呼制御システム30の処理部は、登録中(収容中)の固定電話の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
【0146】
シーケンスQ88に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ84に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60a−5に通話開始要求を行う。通話開始要求により、端末60a−5には、発信情報の発番号が通知される。
シーケンスQ89に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ88から所定時間が経過したと判断し、端末60a−5に切断要求を行う。この所定時間とは、通話開始要求したのち、ナンバー・ディスプレイ(登録商標)機能によって、端末60a−5に、発信側の端末60a−2の番号が通知されるまでの時間である。
【0147】
シーケンスQ90に於いて、呼制御システム30の処理部は、登録中(収容中)の固定電話の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
シーケンスQ91に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ86に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60a−4に通話開始要求を行う。通話開始要求により、端末60a−4には、発信情報の発番号が通知される。
シーケンスQ92に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ91から所定時間が経過したと判断し、端末60a−4に切断要求を行う。
【0148】
第4の実施形態の発信履歴流通システム40の処理部は、発信履歴送信ステップに於いて、第2の端末である着端末に通話開始要求を送信し、呼制御信号によって第1の端末である発端末の番号情報を送信したのちに第2の端末である着端末との回線を切断する。
【0149】
(第4の実施形態の効果)
以上説明した第4の実施形態では、次の(K)のような効果がある。
【0150】
(K) 発信履歴流通システム40は、比較的データ量の小さい発信履歴情報のうちの発番号の情報を、呼制御信号によって着信側の端末に送信している。これにより、一定の品質と帯域を保証しなければならない音声通信と比較して、必要とされる帯域を抜本的に削減することができる。更に、データ回線をサポートしていない電話端末であっても、呼制御信号によって発信履歴を送信することができる。
【0151】
(第5の実施形態の構成)
第5の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第5の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、着信側の端末60b−4〜60b−6が、発信履歴流通システム40から発信履歴を受信する。
第5の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0152】
(第5の実施形態の動作)
図10は、第5の実施形態に於ける転送システム内部での発信履歴蓄積処理を示すシーケンス図である。
【0153】
シーケンスQ100に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を、自身の記憶部に蓄積する。
【0154】
シーケンスQ101に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を、自身の記憶部に蓄積する。
【0155】
シーケンスQ102に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を、自身の記憶部に蓄積する。
【0156】
シーケンスQ103に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、前回の送信から所定時間が経過したので、自身の記憶部に蓄積されている発信情報を発信履歴流通システム40に送信し、自身の記憶部から当該発信情報を消去する。発信履歴流通システム40は、受信した発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0157】
シーケンスQ104に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を、自身の記憶部に蓄積する。
【0158】
シーケンスQ105に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、シーケンスQ103から所定時間が経過したので、蓄積されている発信情報を発信履歴流通システム40に送信し、自身の記憶部から発信情報を消去する。発信履歴流通システム40は、受信した発信情報を、自身の記憶部に蓄積する。
このようにすることで、発信履歴流通システム40は、通話開始要求ごとに蓄積するよりも処理負荷を少なくすることができる。
【0159】
図11は、第5の実施形態に於けるプル型の発信履歴の送信処理を示すシーケンス図である。ここで「プル型」とは、ユーザ(端末)からのリクエストに基いて情報を配信するサービスをいう。
シーケンスQ110〜Q113は、ユーザの位置情報の登録がトリガになる場合の発信履歴送信ステップである。
シーケンスQ110に於いて、端末60b−4の処理部は、呼制御システム30に位置情報を送信して登録または変更する。
シーケンスQ111に於いて、呼制御システム30の処理部は、位置情報登録中の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
【0160】
シーケンスQ112に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、図10のシーケンスQ103に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−4との間にデータ回線を確立する。
【0161】
シーケンスQ113に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−4に、この着番号に係る発信履歴を全て送信する。
すなわち、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ110〜Q113の発信履歴送信ステップに於いて、第2の端末である着端末から情報が送信された際に、この第2の端末に発信履歴情報を送信する。
【0162】
シーケンスQ114〜Q115は、ユーザが明示的に発信履歴を要求した場合の発信履歴送信ステップである。
シーケンスQ114に於いて、端末60b−4の処理部は、発信履歴流通システム40との間にデータ回線を確立し、明示的に発信履歴を要求する。
【0163】
シーケンスQ115に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−4に、この着番号に係る発信履歴を全て送信する。
【0164】
すなわち、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ114〜Q115の発信履歴送信ステップに於いて、第2の端末である着端末から発信履歴情報を要求された際に、この第2の端末に発信履歴情報を送信する。
【0165】
(第5の実施形態の効果)
以上説明した第5の実施形態では、次の(L)〜(N)のような効果がある。
【0166】
(L) 発信履歴流通システム40は、まとめて複数の発信履歴情報を受信して蓄積するので、通話開始要求ごとに受信して蓄積するよりも、処理負荷を少なくすることができる。
【0167】
(M) 発信履歴流通システム40は、ユーザの位置情報の登録に基き、着番号に係る発信履歴を送信している。これにより、いずれの基地局にも収容されていない端末に対して、無用のトラヒックを発生させることなく、発信履歴を送信できる。
【0168】
(N) 発信履歴流通システム40は、ユーザが明示的に発信履歴を要求したときに、着番号に係る発信履歴を送信している。これにより、いずれの基地局にも収容されていない端末に対して、無用のトラヒックを発生させることなく、発信履歴を送信できる。
【0169】
(第6の実施形態の構成)
第6の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第6の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、発信履歴流通システム40が、着信側の端末60b−4〜60b−6に、同一グループに係る発信履歴を送信する。
第6の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0170】
図12は、第6の実施形態に於ける端末グループデータベースを示す図である。
端末グループデータベース42は、グループ番号の項目と、番号「1」の項目と、番号「2」の項目と、番号「3」の項目とを有している。番号3の項目以降は省略しているが、何個の番号を登録可能としてもよい。
【0171】
同一のグループ番号に係る端末の番号は、同一のレコードに記録されている。例えば、グループ番号「12345」に属する端末の番号は、「090-XXXX-0004」、「090-XXXX-0005」、「090-XXXX-0006」である。このようなデータベースにより、端末グループを登録可能となる。
【0172】
(第6の実施形態の動作)
図13は、第6の実施形態に於ける同一グループ端末群へのプッシュ型の同報配信処理を示すシーケンス図である。ここで「プッシュ型」とは、情報が更新される毎に、システム側からユーザ(端末)に最新の情報を提供するサービスをいう。
シーケンスQ120〜Q121は、事前動作である番号登録のシーケンスである。
シーケンスQ120に於いて、端末60b−4の処理部は、発信履歴流通システム40との間にデータ回線を確立する。
シーケンスQ121に於いて、端末60b−4の処理部は、確立したデータ回線を介して、発信履歴流通システム40に、一斉同報する端末グループの電話番号を登録する。一斉同報する端末グループの電話番号とは、端末60b−4〜60b−6の電話番号である。
【0173】
シーケンスQ122〜Q130は、災害発生時のシーケンスである。
シーケンスQ122に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ123に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0174】
シーケンスQ124〜Q130は、一斉同報する端末グループに発信履歴を送信する処理である。
シーケンスQ124に於いて、呼制御システム30の処理部は、位置情報登録中の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
【0175】
シーケンスQ125に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ123に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目と一斉同報する端末グループの情報とに基き、端末60b−4との間にデータ回線を確立する。
【0176】
シーケンスQ126に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−4に、このグループの端末のいずれかを着番号とする発信履歴を、全て送信する。すなわち、端末60b−4に、このグループに係る発信履歴を全て送信する。
【0177】
シーケンスQ127に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ123に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目と一斉同報する端末グループの情報とに基き、端末60b−5との間にデータ回線を確立する。
【0178】
シーケンスQ128に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−5に、このグループの端末のいずれかを着番号とする発信履歴を、全て送信する。
【0179】
シーケンスQ129に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ123に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目と一斉同報する端末グループの情報とに基き、端末60b−6との間にデータ回線を確立する。
【0180】
シーケンスQ130に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−6に、このグループの端末のいずれかを着番号とする発信履歴を、全て送信する。
【0181】
(第6の実施形態の効果)
以上説明した第6の実施形態では、次の(O)のような効果がある。
【0182】
(O) 予め設定された同一グループ番号の端末に、一挙に発信履歴情報を送信している。これにより、例えば、家族グループ、友人グループ、または、職場グループなどのグループへの発信履歴情報をグループ内で共有し、このグループに関係する者の安否をいち早く確認することができる。
【0183】
(第7の実施形態の構成)
第7の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第7の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、同一グループ端末群に対して、プル型の同報配信処理を行う。
第7の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0184】
(第7の実施形態の動作)
図14は、第7の実施形態に於ける同一グループ端末群へのプル型の同報配信処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ150〜Q151は、事前動作である番号登録のシーケンスである。
シーケンスQ150に於いて、端末60b−4の処理部は、発信履歴流通システム40との間にデータ回線を確立する。
【0185】
シーケンスQ151に於いて、端末60b−4の処理部は、確立したデータ回線を介して、発信履歴流通システム40に、発信履歴を共有できる端末グループの電話番号を登録する。
シーケンスQ152〜Q156は、災害発生時のシーケンスである。
シーケンスQ152に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。
【0186】
シーケンスQ153に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0187】
シーケンスQ154〜Q155は、当該端末番号と指定発番号/指定着番号とが同一グループにあるか否かを確認するシーケンスであり、発信履歴送信ステップである。
シーケンスQ154に於いて、端末60b−4の処理部は、明示的にデータを要求するため、発信履歴流通システム40との間にデータ回線を確立する。
【0188】
シーケンスQ155に於いて、端末60b−4の処理部は、確立したデータ回線を介して、発信履歴流通システム40に、発番号または着番号を指定する。発信履歴流通システム40は、端末60b−4の番号と、指定された発番号または着番号とが同一グループにあるか否かを確認する。
【0189】
シーケンスQ156に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、端末60b−4と、指定された発番号または着番号とが同一グループに存在しているので、指定番号を含む端末グループに係る発信履歴を送信する。
【0190】
この発信履歴送信ステップに於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、第2の端末である端末60b−4〜60b−6のうちのいずれか1つである端末60b−4の要求に基き、端末60b−4に発信履歴情報を送信する。
(第7の実施形態の効果)
以上説明した第7の実施形態では、次の(P)のような効果がある。
【0191】
(P) 発信履歴流通システム40は、予め指定されているグループ内に限り、自端末の番号や位置を含む発信履歴を送信する。これにより、着信側の端末すべてに、自端末の番号や位置を公開することが無くなり、自端末のプライバシー情報を秘匿することができる。
【0192】
(第8の実施形態の構成)
第8の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第8の実施形態では更に、発信側の端末に対して、発信履歴の記録通知を行う。
第8の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0193】
(第8の実施形態の動作)
図15は、第8の実施形態に於ける発端末への応答処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ160に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。
【0194】
シーケンスQ161に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−4への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を、自身の記憶部に蓄積する。
【0195】
シーケンスQ162〜Q163は、蓄積ステップを実行したのち、発信履歴情報を記録した旨を、第1の端末である端末60b−3に通知する発信履歴記録通知ステップである。
シーケンスQ162に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、基地局システム11b−1に発信履歴情報記録通知(Ack:ACKnowledgement)を送信する。
【0196】
シーケンスQ163に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、端末60b−3に所定の呼制御信号によって、発信履歴情報記録通知(Ack)を送信する。端末60b−3は、液晶表示部に発信履歴情報を記録した旨(Ack表示)を表示する。
【0197】
(第8の実施形態の効果)
以上説明した第8の実施形態では、次の(Q)のような効果がある。
【0198】
(Q) 端末に、この端末からの発信情報を蓄積したことを通知している。これにより、発信履歴流通システム40は、発信側の端末のユーザの音声通話ができない不安を解消し、このユーザが繰り返し通話開始を要求することを抑止できる。
【0199】
(第9の実施形態の構成)
第9の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第9の実施形態では更に、発信側の端末に対して、データ回線を確立し、このデータ回線を介して発信履歴の記録通知を行う。
第9の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0200】
(第9の実施形態の動作)
図16は、第9の実施形態に於ける発端末への応答処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ170に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。
【0201】
シーケンスQ171に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−4への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0202】
シーケンスQ172〜Q173は、蓄積ステップを実行したのち、発信履歴情報を記録した旨を第1の端末である端末60b−3に通知する発信履歴記録通知ステップである。
シーケンスQ172に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、端末60b−3との間にデータ回線を確立する。
シーケンスQ173に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して端末60b−3に、発信履歴情報記録通知(Ack)を送信する。端末60b−3は、液晶表示部に発信履歴情報を記録した旨(Ack表示)を表示する。
【0203】
(第9の実施形態の効果)
以上説明した第9の実施形態では、次の(R)のような効果がある。
【0204】
(R) データ回線を確立して発信履歴情報記録通知(Ack)を送信するので、ペイロード(情報量)に制限のある呼制御信号によって発信履歴情報記録通知(Ack)を送信するよりも、詳細な情報を送信することができる。
【0205】
(第10の実施形態の構成)
第10の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第10の実施形態では更に、発信履歴に発信側端末の詳細位置情報を加えて、着信側の端末に通知を行う。
第10の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様であり、更に、端末60b−1〜60b−3には、GPS(Global Positioning System)装置によって自端末位置の詳細位置情報を取得する機能が搭載されている。
【0206】
図17は、第10の実施形態に於ける発信履歴データベースを示す図である。
発信履歴データベース41Aは、図4に示す発信履歴データベース41と同様に、発信履歴流通システム40の記憶部に格納されている。
【0207】
発信履歴データベース41Aは、図4に示す発信履歴データベース41とは異なり、さらに詳細位置の項目を有している。詳細位置の項目は、緯度の項目と経度の項目とを有している。この項目には、前述したGPS装置によって取得された詳細位置情報が格納される。
【0208】
(第10の実施形態の動作)
図18は、第10の実施形態に於ける発端末位置情報の履歴共有処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ180〜Q185は、発信情報を蓄積する蓄積ステップである。
【0209】
シーケンスQ180に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。この通話開始要求には、GPS装置によって取得した、端末60b−3の詳細位置情報が含まれている。
【0210】
シーケンスQ181に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−4への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0211】
シーケンスQ182に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。この通話開始要求には、GPS装置によって取得した、端末60b−2の詳細位置情報が含まれている。
【0212】
シーケンスQ183に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−5への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0213】
シーケンスQ184に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。この通話開始要求には、GPS装置によって取得した、端末60b−1の詳細位置情報が含まれている。
【0214】
シーケンスQ185に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−6への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
このシーケンスQ180〜Q185は、間引きステップに於いて送信されなかった発信履歴情報と第1の端末の詳細位置情報とを発信履歴データベース41Aに蓄積する蓄積ステップである。
【0215】
シーケンスQ186〜Q192は、同一グループに所属する端末に発信履歴を送信する発信履歴送信ステップである。
シーケンスQ186に於いて、呼制御システム30の処理部は、位置情報登録中の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
【0216】
シーケンスQ187に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ181,Q183,Q185に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−4との間にデータ回線を確立する。
【0217】
シーケンスQ188に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−4に、同一グループの端末のいずれかを宛先とする発信履歴を全て送信する。即ち、シーケンスQ181,Q183,Q185に於いて蓄積した発信履歴情報を全て送信する。当該発信履歴には、発信側の端末60b−1〜60b−3の詳細位置情報が含まれている。
【0218】
シーケンスQ189に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ181,Q183,Q185に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−5との間にデータ回線を確立する。
【0219】
シーケンスQ190に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−5に、同一グループの端末のいずれかを宛先とする発信履歴を全て送信する。即ち、シーケンスQ181,Q183,Q185に於いて蓄積した発信履歴情報を全て送信する。当該発信履歴には、発信側の端末60b−1〜60b−3の詳細位置情報が含まれている。
【0220】
シーケンスQ191に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ181,Q183,Q185に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−6との間にデータ回線を確立する。
【0221】
シーケンスQ192に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−6に、同一グループの端末のいずれかを宛先とする発信履歴を全て送信する。即ち、シーケンスQ181,Q183,Q185に於いて蓄積した発信履歴情報を全て送信する。当該発信履歴には、発信側の端末60b−1〜60b−3の詳細位置情報が含まれている。
【0222】
(第10の実施形態の効果)
以上説明した第10の実施形態では、次の(S)のような効果がある。
【0223】
(S) 発信側の端末60b−1〜60b−3は、GPS装置によって詳細位置情報を取得し、着信側の端末60b−4〜60b−6は、発信履歴に含まれた詳細位置情報を受信する。これにより、着信側の端末60b−4〜60b−6から発信者の位置を更に正確に把握可能である。
【0224】
(第11の実施形態の構成)
第11の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第11の実施形態では更に、発信履歴を蓄積したのち、データ回線を確立して発信側端末の詳細位置情報を受信する。
第11の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。更に、端末60b−1〜60b−3には、GPS装置によって自端末位置の詳細位置情報を取得する機能が搭載されている。
【0225】
(第11の実施形態の動作)
図19は、第11の実施形態に於ける発端末位置情報の履歴共有処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ200〜Q205は、発信情報の蓄積処理である。
シーケンスQ200に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。
【0226】
シーケンスQ201に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−4への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0227】
シーケンスQ202に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ203に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−5への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0228】
シーケンスQ204に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ205に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−6への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0229】
シーケンスQ206〜Q211は、詳細位置情報蓄積ステップである。
シーケンスQ206に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ201に於いて蓄積した発信情報の発番号の項目に基き、端末60b−3との間にデータ回線を確立する。
【0230】
シーケンスQ207に於いて、端末60b−3の処理部は、確立したデータ回線を介して、発信履歴流通システム40に、GPS装置によって取得した詳細位置情報を送信する。発信履歴流通システム40は、受信した詳細位置情報を、発信履歴情報と関連づけて蓄積する。
【0231】
シーケンスQ208に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ203に於いて蓄積した発信情報の発番号の項目に基き、端末60b−2との間にデータ回線を確立する。
【0232】
シーケンスQ209に於いて、端末60b−2の処理部は、確立したデータ回線を介して、発信履歴流通システム40に、GPS装置によって取得した詳細位置情報を送信する。発信履歴流通システム40は、受信した詳細位置情報を、発信履歴情報と関連づけて蓄積する。
【0233】
シーケンスQ210に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ205に於いて蓄積した発信情報の発番号の項目に基き、端末60b−1との間にデータ回線を確立する。
【0234】
シーケンスQ211に於いて、端末60b−1の処理部は、確立したデータ回線を介して、発信履歴流通システム40に、GPS装置によって取得した詳細位置情報を送信する。発信履歴流通システム40は、受信した詳細位置情報を、発信履歴情報と関連づけて蓄積する。
【0235】
このシーケンスQ206〜Q211は、第1の端末である発端末との間にデータ回線を確立し、この第1の端末から詳細位置情報を受信して発信履歴データベース41Aに蓄積する詳細位置情報蓄積ステップである。
【0236】
シーケンスQ212〜Q218は、同一グループに所属する端末に発信履歴を送信する処理である。前述した図18に示すシーケンスQ186〜Q192の処理と同様である。
【0237】
(第11の実施形態の効果)
以上説明した第11の実施形態では、次の(T)のような効果がある。
【0238】
(T) 発信履歴流通システム40は、各端末との間にデータ回線を確立して、詳細位置情報を取得している。これにより、着信側の端末は、呼制御信号のペイロードサイズの制限に縛られず、任意のペイロードサイズで詳細位置情報を取得することができる。
【0239】
(第12の実施形態の構成)
第12の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第12の実施形態では更に、発信履歴にメッセージ情報を加えて、着信側の端末に通知を行う。
第12の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。更に、発信履歴流通システム40の記憶部は、後述する図20に示す発信履歴データベース41Bとメッセージデータベース43とを記憶している。
【0240】
図20(a),(b)は、第12の実施形態に於ける発信履歴データベースとメッセージデータベースを示す図である。
【0241】
図20(a)は、第12の実施形態に於ける発信履歴データベース41Bを示す図である。図4に示す発信履歴データベース41とは異なり、更にオプション番号の項目を有している。
発信履歴データベース41のオプション番号の項目には、当該発信履歴に係るオプション番号の情報が格納されている。
【0242】
図20(b)は、第12の実施形態に於けるメッセージデータベース43を示す図である。
メッセージデータベース43は、オプション番号の項目と、メッセージの項目とを有している。
【0243】
メッセージデータベース43のオプション番号の項目には、メッセージのオプション番号が格納されている。メッセージデータベース43のメッセージの項目には、メッセージの文章が格納されている。発信履歴流通システム40の処理部は、このメッセージデータベース43によって、メッセージ番号に対応したメッセージの文章を得る。
【0244】
(第12の実施形態の動作)
図21は、第12の実施形態に於けるメッセージ付き履歴送信処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ220〜Q225は、発信情報を蓄積する蓄積ステップである。
【0245】
シーケンスQ220に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。この通話開始要求には、発信時に入力されたメッセージ番号が含まれている。
【0246】
シーケンスQ221に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−4への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0247】
シーケンスQ222に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。この通話開始要求には、発信時に入力されたメッセージ番号が含まれている。
【0248】
シーケンスQ223に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−5への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0249】
シーケンスQ224に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。この通話開始要求には、発信時に入力されたメッセージ番号が含まれている。
【0250】
シーケンスQ225に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に、端末60b−6への発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0251】
このシーケンスQ220〜Q225の蓄積ステップに於いて、間引きステップで送信されなかった通話開始要求に係る情報と所定のメッセージ情報とを発信履歴データベース41Bに蓄積する。
【0252】
シーケンスQ226〜Q232は、同一グループに所属する端末に発信履歴を送信する処理である。
シーケンスQ226に於いて、呼制御システム30の処理部は、位置情報登録中の番号リストを、発信履歴流通システム40に送信する。
【0253】
シーケンスQ227に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ221,Q223,Q225に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−4との間にデータ回線を確立する。
【0254】
シーケンスQ228に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−4に、同一グループに係る発信履歴を全て送信する。即ち、シーケンスQ221,Q223,Q225で蓄積した発信履歴を全て送信する。当該発信履歴には、シーケンスQ220,Q222,Q224にて入力されたメッセージ番号に対応したメッセージが含まれている。
【0255】
シーケンスQ229に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ221,Q223,Q225に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−5との間にデータ回線を確立する。
【0256】
シーケンスQ230に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−5に、同一グループに係る発信履歴を全て送信する。即ち、シーケンスQ221,Q223,Q225で蓄積した発信履歴を全て送信する。当該発信履歴には、シーケンスQ220,Q222,Q224にて入力されたメッセージ番号に対応したメッセージが含まれている。
【0257】
シーケンスQ231に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、シーケンスQ221,Q223,Q225に於いて蓄積した発信情報の着番号の項目に基き、端末60b−6との間にデータ回線を確立する。
【0258】
シーケンスQ232に於いて、発信履歴流通システム40の処理部は、確立したデータ回線を介して、端末60b−6に、同一グループに係る発信履歴を全て送信する。即ち、シーケンスQ221,Q223,Q225で蓄積した発信履歴を全て送信する。当該発信履歴には、シーケンスQ220,Q222,Q224にて入力されたメッセージ番号に対応したメッセージが含まれている。
【0259】
(第12の実施形態の効果)
以上説明した第12の実施形態では、次の(U)のような効果がある。
【0260】
(U) 発信側の端末60b−1〜60b−3から発信するときに、一緒にメッセージ番号を入力するだけで、このメッセージ番号に対応したメッセージを、着信側の端末60b−4〜60b−6に送信可能である。
【0261】
(第13の実施形態の構成)
第13の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第13の実施形態では更に、同一端末からの通話開始要求を一定時間に亘って蓄積しないことで、履歴データの増大を抑止するものである。
第13の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0262】
(第13の実施形態の動作)
図22は、第13の実施形態に於ける履歴データの増大抑止処理を示すシーケンス図である。このシーケンスに於いて、基地局システム11b−1は、全ての通話開始要求を、発信履歴流通システム40に転送している。
シーケンスQ240に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。
【0263】
シーケンスQ241に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報に含まれている発番号で発信履歴データベース41を検索し、同一端末からの通話開始要求が所定期間以内に行われていたか否かを判断する。同一端末からの通話開始要求が無いと判断したので、発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0264】
シーケンスQ242に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ243に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報に含まれている発番号で発信履歴データベース41を検索し、同一端末からの通話開始要求が所定期間以内に行われていたか否かを判断する。同一端末からの通話開始要求が無いと判断したので、発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0265】
シーケンスQ244に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ245に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報に含まれている発番号で発信履歴データベース41を検索し、同一端末からの通話開始要求が所定期間以内に行われていたか否かを判断する。シーケンスQ240で端末60b−3からの通話開始要求が行われていたので、発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を破棄し、自身の記憶部に蓄積しない。
【0266】
シーケンスQ246に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ247に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報に含まれている発番号で発信履歴データベース41を検索し、同一端末からの通話開始要求が所定期間以内に行われていたか否かを判断する。同一端末からの通話開始要求が無いと判断したので、発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0267】
シーケンスQ248に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。
シーケンスQ249に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報に含まれている発番号で発信履歴データベース41を検索し、同一端末からの通話開始要求が所定期間以内に行われていたか否かを判断する。同一端末からの通話開始要求の記録はシーケンスQ241に係るものであり、所定期間が経過していると判断したので、発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0268】
(第13の実施形態の効果)
以上説明した第13の実施形態では、次の(V)のような効果がある。
【0269】
(V) 同一端末からの通信開始要求が所定期間以内に繰り返し行われた場合であっても、発信履歴流通システム40の処理部は、所定期間が経過するまで、発信履歴データベース41に蓄積しない。これにより、履歴データの増大を抑止することができる。
【0270】
(第14の実施形態の構成)
第14の実施形態は、第1の実施形態と同様に、発信履歴を着信側の端末で確認可能とするものである。第14の実施形態では、第13の実施形態と同様に、同一端末からの通話開始要求を一定時間に亘って蓄積しないことで、履歴データの増大を抑止するものである。
第14の実施形態の携帯電話網の構成は、図1(b)に示す第1の実施形態の携帯電話網の構成と同様である。
【0271】
(第14の実施形態の動作)
図23は、第14の実施形態に於ける履歴データの増大抑止処理を示すシーケンス図である。このシーケンスに於いて、基地局システム11b−1は、全ての通話開始要求を、発信履歴流通システム40に転送している。
【0272】
シーケンスQ250に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、定期的に発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0273】
シーケンスQ251に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を自身の記憶部に蓄積する。
【0274】
シーケンスQ252に於いて、端末60b−2の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−5への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を自身の記憶部に蓄積する。
【0275】
シーケンスQ253に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、シーケンスQ251で端末60b−3から発信情報を受信しているので、同一端末から所定期間以内に通話開始要求が蓄積されていると判断し、自身の記憶部に蓄積しない。
【0276】
シーケンスQ254に於いて、端末60b−1の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−4への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を自身の記憶部に蓄積する。
【0277】
シーケンスQ255に於いて、端末60b−3の処理部は、基地局システム11b−1に、端末60b−6への通話開始要求を送信する。基地局システム11b−1は、この通話開始要求を自身の記憶部に蓄積する。
シーケンスQ256に於いて、基地局システム11b−1の処理部は、定期的に発信履歴流通システム40に発信情報を送信する。発信履歴流通システム40の処理部は、この発信情報を自身の記憶部に蓄積する。
【0278】
(第14の実施形態の効果)
以上説明した第14の実施形態では、次の(W)のような効果がある。
【0279】
(W) 同一端末からの通信開始要求が所定期間以内に繰り返し行われた場合であっても、基地局システム11b−1の処理部は、所定期間が経過するまで、発信履歴データベース41に蓄積しない。これにより、履歴データの増大を抑止することができると共に、発信履歴流通システム40の負荷を減らし、集線網110のトラヒックを減少させて輻輳を抑止することができる。
【0280】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(e)のようなものがある。
【0281】
(a) 発信履歴流通システム40は、着信側の端末が、予め定められた端末であったとき、送信された発信情報を蓄積しないように構成してもよい。これにより、通話の輻輳が発生しやすく、かつ、発信履歴を送信する必要のないチケット予約センタなどへの通話開始要求の蓄積をおこなわないことができる。
【0282】
(b) 運用管理システム50は、年末年始の元日午前0時〜2時頃など所定の時間に、所定の割合で通話開始要求を間引くように、基地局システム11b−nなどに指示してもよい。これにより、元旦の「おめでとうコール」など、特定のイベントまたは記念日による電話網の輻輳を抑止することが可能である。
【0283】
(c) 運用管理システム50は、大規模な交通機関の障害が発生したことを検知したとき、所定の割合で通話開始要求を間引くように、この障害が発生した交通機関の周辺の基地局システム11b−nに指示してもよい。これにより、交通機関の利用者の通話による電話網の輻輳を抑止することが可能である。
【0284】
(d) 運用管理システム50は、大規模なイベントの開催時間と開催場所に於いて、所定の割合で通話開始要求を間引くように、このイベントの開催場所の周辺の基地局システム11b−nに指示してもよい。これにより、大規模なイベントの参加者の通話による電話網の輻輳を抑止することが可能である。
【0285】
(e) 第1の実施形態の運用管理システム50は、外部から災害情報を受信し、災害の発生を検知する。しかし、これに限られず、運用管理システム50に地震計などの災害検知センサ機器を設けて、この災害検知センサ機器によって災害の発生を検知してもよい。
【符号の説明】
【0286】
11a−1,11a−2 加入者収容システム
11b−1,11b−2 基地局システム
12a−1,12a−2 エッジシステム
12b−1,12b−2 回線交換システム
30 呼制御システム
40 発信履歴流通システム
50 運用管理システム
60a−1〜60a−4 端末(固定電話端末)
60b−1〜60b−4 端末(携帯電話端末)
70 SMSセンタ
100 中継網
110 集線網
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末に通信サービスを提供する通信サービス制御システムが実行する通信サービス制御方法であって、
所定の蓄積条件を検知した際に、第1の端末からの通話開始要求を間引いて第2の端末に転送する間引きステップと、
前記間引きステップに於いて転送されなかった通話開始要求に係る発信情報を発信履歴データベースに蓄積する蓄積ステップと、
前記発信履歴データベースに基き、前記第2の端末への前記発信情報の履歴である発信履歴情報を、前記第2の端末に送信する発信履歴送信ステップと、
を実行することを特徴とする通信サービス制御方法。
【請求項2】
前記所定の蓄積条件とは、所定の災害を検知したこと、所定の事故を検知したこと、所定のイベントが開催されたこと、所定の期間であること、単位時間あたりの通話開始要求数が閾値を超えたこと、収容中の回線数が閾値を超えたこと、プロセッサ使用率が閾値を超えたこと、メモリ使用率が閾値を超えたこと、のいずれかを含んでいる、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項3】
前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末との間にデータ回線を確立し、前記第2の端末に前記発信履歴情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項4】
前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末に通話開始要求を送信し、呼制御信号によって前記第1の端末の番号情報を送信したのちに前記第2の端末との回線を切断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項5】
前記通信サービス制御システムは、
端末との間で情報を相互に送受信する転送システムと、
前記転送システムとの間で、呼制御を実行する呼制御システムと、
発信履歴流通システムと、を有し、
前記転送システムが前記間引きステップを実行し、
前記発信履歴流通システムが、前記蓄積ステップを実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項6】
前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末から情報が送信された際、
または、前記第2の端末から前記発信履歴情報を要求された際に、
前記第2の端末に前記発信履歴情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項7】
前記第2の端末とは、予め番号登録された複数の端末である、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項8】
前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末のうちのいずれか1つの端末の要求に基き、前記要求した端末に前記発信履歴情報を送信する、
ことを特徴とする請求項7に記載の通信サービス制御方法。
【請求項9】
前記蓄積ステップを実行したのち、前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する発信履歴記録通知ステップを実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項10】
前記発信履歴記録通知ステップに於いて、
呼制御信号によって、
または、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、このデータ回線を介して、
前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する、
ことを特徴とする請求項9に記載の通信サービス制御方法。
【請求項11】
前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップで送信されなかった前記発信履歴情報と前記第1の端末の詳細位置情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項12】
前記蓄積ステップの後に、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、前記第1の端末から詳細位置情報を受信して前記発信履歴データベースに蓄積する詳細位置情報蓄積ステップを実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項13】
前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップに於いて送信されなかった通話開始要求に係る情報と所定のメッセージ情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項14】
前記蓄積ステップに於いて、所定時間内に同一の端末からの通信開始要求が繰り返されたとき、当該繰り返された通信開始要求を蓄積しない、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の通信サービス制御方法を実行する、
ことを特徴とする通信サービス制御システム。
【請求項16】
処理部と記憶部とを有する発信履歴流通装置であって、
前記処理部は、
第1の端末からの発信履歴情報を受信したとき、前記記憶部に蓄積する蓄積ステップと、
前記記憶部に蓄積された前記発信履歴情報を、前記発信履歴情報の着番号に係る第2の端末に送信する発信履歴送信ステップと、
を実行することを特徴とする発信履歴流通装置。
【請求項17】
前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末との間にデータ通信を確立し、前記第2の端末に前記発信履歴情報を送信する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項18】
前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末に通話開始要求を送信して、呼制御信号によって前記第1の端末の番号情報を送信したのちに前記第2の端末との回線を切断する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項19】
前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末から情報が送信された際、
または、前記第2の端末から前記発信履歴情報を要求された際に、
前記第2の端末に通話開始要求に係る情報を転送する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項20】
前記第2の端末とは、予め前記記憶部に番号が登録された複数の端末である、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項21】
前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末のうちのいずれか1つの端末の要求に基き、前記要求した端末に通話開始要求に係る情報を転送する、
ことを特徴とする請求項20に記載の発信履歴流通装置。
【請求項22】
前記処理部が、前記蓄積ステップを実行したのち、前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する発信履歴記録通知ステップを実行する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項23】
前記処理部が、前記発信履歴記録通知ステップに於いて、
呼制御信号によって、
または、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、このデータ回線を介して、
前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する、
ことを特徴とする請求項22に記載の発信履歴流通装置。
【請求項24】
前記処理部が、前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップで送信されなかった前記発信履歴情報と前記第1の端末の詳細位置情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項25】
前記処理部が、前記蓄積ステップの後に、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、前記第1の端末から詳細位置情報を受信して前記発信履歴データベースに蓄積する詳細位置情報蓄積ステップを実行する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項26】
前記処理部が、前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップに於いて送信されなかった通話開始要求に係る情報と所定のメッセージ情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項27】
前記処理部が、前記蓄積ステップに於いて、所定時間内に同一の端末からの通信開始要求が繰り返されたとき、当該繰り返された通信開始要求を蓄積しない、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項1】
複数の端末に通信サービスを提供する通信サービス制御システムが実行する通信サービス制御方法であって、
所定の蓄積条件を検知した際に、第1の端末からの通話開始要求を間引いて第2の端末に転送する間引きステップと、
前記間引きステップに於いて転送されなかった通話開始要求に係る発信情報を発信履歴データベースに蓄積する蓄積ステップと、
前記発信履歴データベースに基き、前記第2の端末への前記発信情報の履歴である発信履歴情報を、前記第2の端末に送信する発信履歴送信ステップと、
を実行することを特徴とする通信サービス制御方法。
【請求項2】
前記所定の蓄積条件とは、所定の災害を検知したこと、所定の事故を検知したこと、所定のイベントが開催されたこと、所定の期間であること、単位時間あたりの通話開始要求数が閾値を超えたこと、収容中の回線数が閾値を超えたこと、プロセッサ使用率が閾値を超えたこと、メモリ使用率が閾値を超えたこと、のいずれかを含んでいる、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項3】
前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末との間にデータ回線を確立し、前記第2の端末に前記発信履歴情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項4】
前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末に通話開始要求を送信し、呼制御信号によって前記第1の端末の番号情報を送信したのちに前記第2の端末との回線を切断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項5】
前記通信サービス制御システムは、
端末との間で情報を相互に送受信する転送システムと、
前記転送システムとの間で、呼制御を実行する呼制御システムと、
発信履歴流通システムと、を有し、
前記転送システムが前記間引きステップを実行し、
前記発信履歴流通システムが、前記蓄積ステップを実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項6】
前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末から情報が送信された際、
または、前記第2の端末から前記発信履歴情報を要求された際に、
前記第2の端末に前記発信履歴情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項7】
前記第2の端末とは、予め番号登録された複数の端末である、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項8】
前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末のうちのいずれか1つの端末の要求に基き、前記要求した端末に前記発信履歴情報を送信する、
ことを特徴とする請求項7に記載の通信サービス制御方法。
【請求項9】
前記蓄積ステップを実行したのち、前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する発信履歴記録通知ステップを実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項10】
前記発信履歴記録通知ステップに於いて、
呼制御信号によって、
または、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、このデータ回線を介して、
前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する、
ことを特徴とする請求項9に記載の通信サービス制御方法。
【請求項11】
前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップで送信されなかった前記発信履歴情報と前記第1の端末の詳細位置情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項12】
前記蓄積ステップの後に、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、前記第1の端末から詳細位置情報を受信して前記発信履歴データベースに蓄積する詳細位置情報蓄積ステップを実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項13】
前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップに於いて送信されなかった通話開始要求に係る情報と所定のメッセージ情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項14】
前記蓄積ステップに於いて、所定時間内に同一の端末からの通信開始要求が繰り返されたとき、当該繰り返された通信開始要求を蓄積しない、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信サービス制御方法。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の通信サービス制御方法を実行する、
ことを特徴とする通信サービス制御システム。
【請求項16】
処理部と記憶部とを有する発信履歴流通装置であって、
前記処理部は、
第1の端末からの発信履歴情報を受信したとき、前記記憶部に蓄積する蓄積ステップと、
前記記憶部に蓄積された前記発信履歴情報を、前記発信履歴情報の着番号に係る第2の端末に送信する発信履歴送信ステップと、
を実行することを特徴とする発信履歴流通装置。
【請求項17】
前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末との間にデータ通信を確立し、前記第2の端末に前記発信履歴情報を送信する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項18】
前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末に通話開始要求を送信して、呼制御信号によって前記第1の端末の番号情報を送信したのちに前記第2の端末との回線を切断する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項19】
前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末から情報が送信された際、
または、前記第2の端末から前記発信履歴情報を要求された際に、
前記第2の端末に通話開始要求に係る情報を転送する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項20】
前記第2の端末とは、予め前記記憶部に番号が登録された複数の端末である、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項21】
前記処理部が、前記発信履歴送信ステップに於いて、
前記第2の端末のうちのいずれか1つの端末の要求に基き、前記要求した端末に通話開始要求に係る情報を転送する、
ことを特徴とする請求項20に記載の発信履歴流通装置。
【請求項22】
前記処理部が、前記蓄積ステップを実行したのち、前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する発信履歴記録通知ステップを実行する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項23】
前記処理部が、前記発信履歴記録通知ステップに於いて、
呼制御信号によって、
または、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、このデータ回線を介して、
前記発信履歴情報を記録した旨を前記第1の端末に通知する、
ことを特徴とする請求項22に記載の発信履歴流通装置。
【請求項24】
前記処理部が、前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップで送信されなかった前記発信履歴情報と前記第1の端末の詳細位置情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項25】
前記処理部が、前記蓄積ステップの後に、前記第1の端末との間にデータ回線を確立し、前記第1の端末から詳細位置情報を受信して前記発信履歴データベースに蓄積する詳細位置情報蓄積ステップを実行する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項26】
前記処理部が、前記蓄積ステップに於いて、前記間引きステップに於いて送信されなかった通話開始要求に係る情報と所定のメッセージ情報とを前記発信履歴データベースに蓄積する、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【請求項27】
前記処理部が、前記蓄積ステップに於いて、所定時間内に同一の端末からの通信開始要求が繰り返されたとき、当該繰り返された通信開始要求を蓄積しない、
ことを特徴とする請求項16に記載の発信履歴流通装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2013−34131(P2013−34131A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169617(P2011−169617)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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